特許第6181485号(P6181485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181485
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-185054(P2013-185054)
(22)【出願日】2013年9月6日
(65)【公開番号】特開2015-51111(P2015-51111A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 一郎
(72)【発明者】
【氏名】工藤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】脇田 博史
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−051110(JP,A)
【文献】 特開2009−119053(JP,A)
【文献】 特開2011−172844(JP,A)
【文献】 特開2010−142665(JP,A)
【文献】 特開2010−259668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する画像を表示する表示部と、
前記表示部上に前記表示部の少なくとも一部を露出するように配置され、内周面または外周面に歯が形成された環状ギアと、
前記環状ギアの内側に延伸する第1腕部と、
前記第1腕部に支持され、前記環状ギアの内側に配置される第1可動体と、
前記第1腕部に回転可能に支持され、前記環状ギアからの動力を前記第1可動体に伝達する少なくとも1つの第1ギアと、
を備え
前記少なくとも1つの第1ギアは、前記環状ギアの内周面または外周面に形成された前記歯と係合するギアを含む、遊技機。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1ギアは、前記第1可動体に固定されたギアと係合するギアをさらに含む、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記環状ギアの内側に延伸する第2腕部と、
前記第2腕部に支持され、前記環状ギアの内側に配置される第2可動体と、
前記第2腕部に回転可能に支持され、前記環状ギアからの動力を前記第2可動体に伝達する少なくとも1つの第2ギアと
をさらに備える、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記環状ギアを回転させる第1駆動体と、
前記表示部の少なくとも一部を露出する開口を有し、前記環状ギアおよび前記第1駆動体を保持し、前記環状ギアの回転軸を中心に回転する保持体と
をさらに備える、請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技に関する画像を表示する表示部と、
前記表示部上に前記表示部の少なくとも一部を露出するように配置され、内周面または外周面に歯が形成された環状ギアと、
前記環状ギアの内側に延伸する第1腕部と、
前記第1腕部に支持され、前記環状ギアの内側に配置される第1可動体と、
前記第1腕部に回転可能に支持され、前記環状ギアからの動力を前記第1可動体に伝達する少なくとも1つの第1ギアと、
前記環状ギアの内側に延伸する第2腕部と、
前記第2腕部に支持され、前記環状ギアの内側に配置される第2可動体と、
前記第2腕部に回転可能に支持され、前記環状ギアからの動力を前記第2可動体に伝達する少なくとも1つの第2ギアと、
前記環状ギアを回転させる第1駆動体と、
前記表示部の少なくとも一部を露出する開口を有し、前記環状ギアおよび前記第1駆動体を保持し、前記環状ギアの回転軸を中心に回転する保持体と
を備える、遊技機。
【請求項6】
前記保持体の外部に設けられ、前記第1駆動体を駆動するための制御信号を送信する送信部と、
前記保持体の外周面に沿って配置されたスリップリングと、
前記保持体に設けられ、前記送信部から送信された前記制御信号を前記スリップリングを介して受信する受信部と
をさらに備える、請求項4または5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記制御信号を送信するように前記送信部に指示する制御部をさらに備える、請求項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記第1腕部の一端および前記第2腕部の一端は、前記保持体に回転可能に保持される、請求項から請求項のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項9】
前記保持体に設けられ、前記第1腕部の一端および前記第2腕部の一端を中心に前記第1腕部および前記第2腕部を回転させる第2駆動体と、
前記第2駆動体からの動力を前記第1腕部および前記第2腕部に伝達する伝達部材と
をさらに備える請求項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記伝達部材は、
前記第1腕部と係合する第1係合部および前記第2腕部と係合する第2係合部を有し、
前記第2駆動体からの動力により前記保持体の円弧に沿って第1方向に移動することにより、前記第1係合部および前記第2係合部を介して、前記第1腕部の他端及び前記第2腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態から前記第1腕部の他端及び前記第2腕部の他端が前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態になるまで前記第1腕部および前記第2腕部を回転させ、
前記第2駆動体からの動力により前記保持体の円弧に沿って前記第1方向と反対の第2方向に移動することにより、前記第1係合部および前記第2係合部を介して、前記第1腕部の他端及び前記第2腕部の他端が前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態から前記第1腕部の他端及び前記第2腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態になるまで前記第1腕部および前記第2腕部を回転させる、請求項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記伝達部材は、内周面または外周面に歯が形成された弧状ギアであり、
前記遊技機は、
前記保持体に回転可能に保持され、前記第2駆動体からの動力を前記弧状ギアに伝達する少なくとも1つの第3ギアをさらに備える、請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記第1可動体に回転可能に保持され、前記第1腕部の他端前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態にあるときに前記第1可動体に対して第1回転位置にあり、前記第1腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態にあるときに前記第1可動体に対して第2回転位置にある第3可動体と、
前記第1腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態から前記第1腕部の他端が前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態になるまで前記第1腕部が回転する場合に、復元力により前記第3可動体を前記第2回転位置から前記第1回転位置まで回転させる弾性体と
をさらに備える、請求項から請求項11のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項13】
前記第1腕部の他端が前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態から前記第1腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態になるまで前記第1腕部が回転する場合に、前記第3可動体は、前記保持体の内側壁に当接しながら回転することで、前記第1回転位置から前記第2回転位置まで回転する、請求項12に記載の遊技機。
【請求項14】
前記第1可動体に回転可能に支持され、前記第1腕部の他端が前記環状ギアの回転軸の方向に向いた状態にあるときに前記第1可動体に対して第3回転位置にあり、前記第1腕部の他端が前記保持体の円弧に沿った方向に向いた状態にあるときに前記第1可動体に対して第4回転位置にある第4可動体と、
前記第3可動体および前記第4可動体に係合し、前記第3可動体が前記第2回転位置から前記第1回転位置に回転することに対応して、前記第4可動体を前記第4回転位置から前記第3回転位置まで回転させ、前記第3可動体が前記第1回転位置から前記第2回転位置まで回転することに対応して、前記第4可動体を前記第3回転位置から前記第4回転位置まで回転させる係合部材と
をさらに備える、請求項12または請求項13に記載の遊技機。
【請求項15】
前記係合部材は、
前記第1可動体の長手方向に対して移動可能に前記第1可動体に支持され、
前記第3可動体が前記第2回転位置から前記第1回転位置に回転することに対応して、前記第1可動体の長手方向に沿った第3方向に移動することで、前記第4可動体を前記第4回転位置から前記第3回転位置まで回転させ、
前記第3可動体が前記第1回転位置から前記第2回転位置まで回転することに対応して、前記第1可動体の長手方向に沿った前記第3方向と反対の第4方向に移動することで、前記第4可動体を前記第3回転位置から前記第4回転位置まで回転させる、請求項14に記載の遊技機。
【請求項16】
前記第1可動体は、前記第1腕部に回転可能に支持され、前記少なくとも1つの第1ギアを介して伝達された前記環状ギアからの動力により、回転し、
前記第2可動体は、前記第2腕部に回転可能に支持され、前記少なくとも1つの第2ギアを介して伝達された前記環状ギアからの動力により、回転する、請求項から請求項15のいずれか1つに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可動体を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像表示部の前面上を移動する可動体を備える遊技機が開示されている。
特許文献1 特開2011−156179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
可動体を用いたより効果的な演出を実現できる遊技機が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示する表示部と、表示部上に表示部の少なくとも一部を露出するように配置され、内周面または外周面に歯が形成された環状ギアと、環状ギアの内側に延伸する第1腕部と、第1腕部に支持され、環状ギアの内側に配置される第1可動体と、第1腕部に回転可能に支持され、環状ギアからの動力を第1可動体に伝達する少なくとも1つの第1ギアとを備える。
【0005】
上記遊技機は、環状ギアの内側に延伸する第1腕部および第2腕部と、第1腕部に支持され、環状ギアの内側に配置される第1可動体と、第1腕部に回転可能に支持され、環状ギアからの動力を第1可動体に伝達する少なくとも1つの第1ギアと、第2腕部に支持され、環状ギアの内側に配置される第2可動体と、第2腕部に回転可能に支持され、環状ギアからの動力を第2可動体に伝達する少なくとも1つの第2ギアとを備える。
【0006】
上記遊技機は、環状ギアを回転させる第1駆動体と、表示部の少なくとも一部を露出する開口を有し、環状ギアおよび第1駆動体を保持し、環状ギアの回転軸を中心に回転する保持体とをさらに備えてもよい。
【0007】
上記遊技機は、保持体の外部に設けられ、第1駆動体を駆動するための制御信号を送信する送信部と、保持体の外周面に沿って配置されたスリップリングと、保持体に保持され、送信部から送信された制御信号をスリップリングを介して受信する受信部とをさらに備えてもよい。
【0008】
上記遊技機は、制御信号を送信するように送信部に指示する制御部をさらに備えてもよい。上記遊技機は、第1腕部の一端および第2腕部の一端は、保持体に回転可能に保持されてもよい。
【0009】
上記遊技機は、保持体に設けられ、第1腕部の一端および第2腕部の一端を中心に第1腕部および第2腕部を回転させる第2駆動体と、第2駆動体からの動力を第1腕部および第2腕部に伝達する伝達部材とをさらに備えてもよい。
【0010】
上記遊技機において、伝達部材は、第1腕部と係合する第1係合部および第2腕部と係合する第2係合部を有し、第2駆動体からの動力により保持体の円弧に沿って第1方向に移動することにより、第1係合部および第2係合部を介して、表示部の少なくとも一部を露出する状態から表示部の少なくとも一部を覆う状態になるまで第1腕部および第2腕部を回転させ、第2駆動体からの動力により保持体の円弧に沿って第1方向と反対の第2方向に移動することにより、第1係合部および第2係合部を介して、表示部の少なくとも一部を覆う状態から表示部の少なくとも一部を露出する状態になるまで第1腕部および第2腕部を回転させてもよい。
【0011】
上記遊技機において、伝達部材は、内周面または外周面に歯が形成された弧状ギアであり、遊技機は、保持体に回転可能に支持され、第2駆動体からの動力を弧状ギアに伝達する少なくとも1つの第3ギアをさらに備えてもよい。
【0012】
上記遊技機において、第1可動体に回転可能に支持され、第1腕部が表示部の少なくとも一部を覆う状態にあるときに第1可動体に対して第1回転位置にあり、第1腕部が表示部の少なくとも一部を露出する状態にあるときに第1可動体に対して第2回転位置にある第3可動体と、表示部の少なくとも一部を露出する状態から表示部の少なくとも一部を覆う状態になるまで第1腕部が回転する場合に、復元力により第3可動体を第2回転位置から第1回転位置まで回転させる弾性体とをさらに備えてもよい。
【0013】
上記遊技機において、表示部の少なくとも一部を覆う状態から表示部の少なくとも一部を露出する状態になるまで第1腕部が回転する場合に、第3可動体は、保持体の内側壁に当接しながら回転することで、第1回転位置から第2回転位置まで回転してもよい。
【0014】
上記遊技機は、第1可動体に回転可能に支持され、第1腕部が表示部の少なくとも一部を覆う状態にあるときに第1可動体に対して第3回転位置にあり、第1腕部が表示部の少なくとも一部を露出する状態にあるときに第1可動体に対して第4回転位置にある第4可動体と、第3可動体および第4可動体に係合し、第3可動体が第2回転位置から第1回転位置に回転することに対応して、第4可動体を第4回転位置から第3回転位置まで回転させ、第3可動体が第1回転位置から第2回転位置まで回転することに対応して、第4可動体を第3回転位置から第4回転位置まで回転させる係合部材とをさらに備えてもよい。
【0015】
上記遊技機において、係合部材は、第1可動体の長手方向に対して移動可能に第1可動体に支持され、第3可動体が第2回転位置から第1回転位置に回転することに対応して、第1可動体の長手方向に沿った第3方向に移動することで、第4可動体を第4回転位置から第3回転位置まで回転させ、第3可動体が第1回転位置から第2回転位置まで回転することに対応して、第1可動体の長手方向に沿った第3方向と反対の第4方向に移動することで、第4可動体を第3回転位置から第4回転位置まで回転させてもよい。
【0016】
上記遊技機において、第1可動体は、第1腕部に回転可能に支持され、少なくとも1つの第1ギアを介して伝達された環状ギアからの動力により、回転し、第2可動体は、第2腕部に回転可能に支持され、少なくとも1つの第2ギアを介して伝達された環状ギアからの動力により、回転してもよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る遊技機の正面図の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る遊技機の正面図の一例を示す図である。
図3】可動体作動装置の内部構成の一例を示す図である。
図4】保持体の外周面の一部分を示す斜視図である。
図5】スリップリングについて説明するための図である。
図6】環状ギアについて説明するための図である。
図7】弧状ギアについて説明するための図である。
図8】弧状ギアについて説明するための図である。
図9】複数の可動体の分解斜視図を示す図である。
図10】第1腕部の回転動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る遊技機10の正面図の一例を示す図である。遊技機10は、表示部20および可動体作動装置100を備える。表示部20は、遊技に関する画像を表示する。表示部20は、例えば、予め定められた条件を満たす場合に実行される抽選に応じた演出画像を表示する。
【0021】
可動体作動装置100は、第1腕部120、第1可動体140、第3可動体142、第4可動体144、第2腕部130、第2可動体150、第5可動体152、および第6可動体154を2組備える。一方の組と他方の組とは、点対称に配置されている。なお、可動体作動装置100は、第1腕部120、第1可動体140、第3可動体142、第4可動体144、第2腕部130、第2可動体150、第5可動体152、および第6可動体154を1組のみまたは3組以上備えてもよい。
【0022】
可動体作動装置100は、予め定められた遊技条件を満たす場合、第1腕部120、第1可動体140、第3可動体142、第4可動体144、第2腕部130、第2可動体150、第5可動体152、および第6可動体154を動作させて、特定の演出を実行する。可動体作動装置100は、例えば、予め定められた条件を満たす場合に、特定の演出を実行してもよい。また、可動体作動装置100は、抽選結果が当選の場合に、複数の可動体等を動作させて、他の演出を実行してもよい。
【0023】
第1腕部120は、第1可動体140を回転可能に支持する。第2腕部130は、第2可動体150を回転可能に支持する。第1可動体140は、三日月状の部材である第3可動体142および2つの三日月状の部材を組み合わせた部材である第4可動体144を回転可能に支持する。第2可動体150は、三日月状の部材である第5可動体152および2つの三日月状の部材を組み合わせた部材である第6可動体154を回転可能に支持する。
【0024】
図1では、第1腕部120および第2腕部130が、表示部20の少なくとも一部を覆うように、中心方向に延伸した状態を示している。しかし、第1腕部120および第2腕部130は、第1腕部120の一端および第2腕部130の一端を中心に回転し、図2に示すように、表示部20の少なくとも一部が露出するように、第1腕部120の他端および第2腕部130の他端が円弧に沿った方向に向くことができる。
【0025】
図3は、可動体作動装置100の内部構成の一例を示す図である。可動体作動装置100は、保持体110を備える。保持体110は、表示部20の少なくとも一部を露出する開口を有する。
【0026】
保持体110は、第1可動体140を第1腕部120に対して回転させ、第2可動体150を第2腕部130に対して回転させるための動力を提供する第1駆動体160を保持する。また、保持体110は、第1腕部120の一端を中心に回転可能に第1腕部120を保持する。保持体110は、第2腕部130の一端を中心に回転可能に第2腕部130を保持する。
【0027】
保持体110は、第1腕部120の一端を中心に第1腕部120を回転させ、第2腕部130の一端を中心に第2腕部130を回転させるための動力を提供する第2駆動体170をさらに備える。保持体110は、一組の第1腕部120および第2腕部130に対して1つの第2駆動体170を保持する。つまり、保持体110は、2つの第2駆動体170を備える。
【0028】
保持体110は、支持リング111を介して回転可能に、遊技機10の本体に支持されている。遊技機10の本体には、保持体110を回転させるための動力を提供する第3駆動体40が配置されている。第3駆動体40は、複数のギア42を介して保持体110に動力を伝達する。保持体110の外周面には、複数の歯が形成されており、複数のギア42を介して保持体110の複数の歯に動力が伝達され、保持体110は回転する。
【0029】
なお、第1駆動体160、第2駆動体170、および第3駆動体40は、電動機でよい。また、第1腕部120および第2腕部130は、LEDなどの発光体、および発光体からの光を外部に拡散させる拡散板を有してもよい。これにより、第1腕部120および第2腕部130が回転することによる演出の効果を向上させることができる。
【0030】
図4は、保持体110の外周面の一部分を示す斜視図である。保持体110の外周面には、複数のスリップリング112が配置されている。複数のスリップリング112のうち1つのスリップリング112は、遊技機10の本体側から第1駆動体160および第2駆動体170を駆動するためのそれぞれの制御信号を保持体110側に伝達する信号線として機能する。複数のスリップリング112のうちの他の2つのスリップリング112は、第1駆動体160および第2駆動体170に電力を供給するための給電線および接地線として機能する。
【0031】
遊技機10の本体には、スリップリング112と電気的に接触する複数のブラシ113が配置されている。遊技機10の本体側からの制御信号および電力は、複数のブラシ113を介して複数のスリップリング112に伝達される。
【0032】
図5は、スリップリング112について説明するための図である。遊技機10の本体には、送信部30が配置されている。遊技機10の本体には、遊技機10を制御するマイクロコンピュータなどの制御部がさらに設けられている。制御部は、第1駆動体160および第2駆動体170を駆動するためのそれぞれの制御信号を送信するように送信部30に指示する。制御部は、遊技機10の遊技に関する状態が予め定められた条件を満たす場合に、それぞれの制御信号を送信するように送信部30に指示してもよい。送信部30は、制御部からの指示に応じて第1駆動体160および第2駆動体170を駆動するためのそれぞれの制御信号を、可動体作動装置100に送信する。保持体110は、送信部30から送信された各制御信号を受信する受信部114を有する。
【0033】
送信部30は、各制御信号をブラシ113を介してスリップリング112に伝達する。スリップリング112に伝達された各制御信号は、保持体110に配置された信号線を介して受信部114に伝達される。受信部114は、各制御信号に基づいて、第1駆動体160および第2駆動体170に駆動信号を提供する。
【0034】
スリップリング112を用いることにより、保持体110が回転している場合でも、保持体110以外の場所に設けられた送信部30から保持体110が有する受信部114に制御信号を伝達できる。また、保持体110以外の場所に設けられた電源から保持体110が保持している第1駆動体160および第2駆動体170に電力を供給できる。第1腕部120および第2腕部130がLEDなどの発光体を有する場合には、発光体に電力を供給することもできる。
【0035】
図6は、環状ギア102について説明するための図である。
【0036】
環状ギア102は、外周面に複数の歯が形成されている。環状ギア102は、内周面に複数の歯が形成されてもよい。環状ギア102は、表示部20の少なくとも一部を環状ギア102に形成された貫通開口から露出するように表示部20上に配置されている。環状ギア102は、表示部20の周囲を囲むように配置されてもよい。環状ギア102は、保持体110に回転可能に保持されている。環状ギア102は、保持体110に保持されている第1駆動体160からギア162を介して伝達された動力により回転する。
【0037】
第1腕部120および第2腕部130は、環状ギア102の内側に延伸する。第1可動体140は、第1腕部120に支持され、環状ギア102の内側に配置される。第1腕部120は、環状ギア102からの動力を第1可動体140に伝達する少なくとも1つの第1ギア146を回転可能に支持する。第2可動体150は、第2腕部130に支持され、環状ギア102の内側に配置される。第2腕部130は、環状ギア102からの動力を第2可動体150に伝達する少なくとも1つの第2ギア156を回転可能に支持する。
【0038】
環状ギア102が第1駆動体160からの動力により回転すると、第1ギア146および第2ギア156がそれぞれ回転し、動力が第1ギア146および第2ギア156を介して第1可動体140および第2可動体150に伝達される。第1可動体140および第2可動体150は、伝達された動力により回転する。本実施形態によれば、一つの第1駆動体160からの動力を利用して、環状ギア102を介して複数の駆動体を動作させることができる。
【0039】
第1可動体140は、第1腕部120の裏面側に回転可能に配置されている。第2可動体150は、第2腕部130の表面側に配置されている。第1可動体140および第2可動体150は、環状ギア102の回転軸に垂直方向において重ならない位置に配置されている。これにより、第1可動体140および第2可動体150が回転した場合に、互いに干渉することを防止できる。
【0040】
図7および図8は、弧状ギア104について説明するための図である。弧状ギア104は、保持体110の円弧に沿って移動可能に保持体110に保持されている。図7は、第1腕部120および第2腕部130が表示部20の一部分を覆う状態を示す。図8は、第1腕部120および第2腕部130が表示部20の一部分を露出する状態を示す。
【0041】
第2駆動体170は、保持体110に設けられ、第1腕部120の一端および第2腕部130の一端を中心に第1腕部120および第2腕部130を回転させる。弧状ギア104は、第2駆動体170からの動力を第1腕部120および第2腕部130に伝達する伝達部材の一例である。
【0042】
弧状ギア104は、第1腕部120と係合する突起部である第1係合部105および第2腕部130と係合する突起部である第2係合部106を有する。第1腕部120は、第1係合部105に対応する位置に第1係合部105に係合する第1係合溝122を有する。第2腕部130は、第2係合部106に対応する位置に第2係合部106に係合する第2係合溝132を有する。
【0043】
第3ギア172は、保持体110に回転可能に保持され、第2駆動体170からの動力を弧状ギア104に伝達する。弧状ギア104は、第3ギア172を介して伝達された第2駆動体170からの動力によって、保持体110の円弧に沿って反時計回り(第1方向)に移動することにより、第1係合部105および第2係合部106を介して、図8に示す第1腕部120の他端および第2腕部130の他端を保持体110の円弧に沿った方向に向けた状態から、図7に示す環状ギア102の回転軸の方向に向けた状態になるまで第1腕部120および第2腕部130を回転させる。つまり、弧状ギア104は、第3ギア172を介して伝達された第2駆動体170からの動力によって、保持体110の円弧に沿って反時計回りに移動することにより、第1係合部105および第2係合部106を介して、表示部20の少なくとも一部を露出する状態から表示部20の少なくとも一部を覆う状態になるまで第1腕部120および第2腕部130を回転させる。
【0044】
また、弧状ギア104は、第2駆動体170からの動力により保持体110の円弧に沿って時計回り(第1方向と反対の第2方向)に移動することにより、第1係合部105および第2係合部106を介して、図7に示す第1腕部120の他端および第2腕部130の他端を環状ギア102の回転軸の方向に向けた状態から、図8に示す保持体110の円弧に沿った方向に向けた状態になるまで第1腕部120および第2腕部130を回転させる。つまり、弧状ギア104は、第2駆動体170からの動力により保持体110の円弧に沿って時計回りに移動することにより、第1係合部105および第2係合部106を介して、表示部20の少なくとも一部を覆う状態から表示部20の少なくとも一部を露出する状態になるまで第1腕部120および第2腕部130を回転させる。
【0045】
なお、弧状ギア104は、外周面に複数の歯が形成されているが、内周面に複数の歯が形成されてもよい。
【0046】
第3可動体142は、第1腕部120の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態にあるときに、図7に示すように、第1可動体140に対して略垂直な第1回転位置にある。また、第3可動体142は、第1腕部120の他端が保持体110の円弧に沿った方向に向いた状態にあるときに、図8に示すように、第1可動体140に対して略平行な第2回転位置にある。つまり、第3可動体142は、第1腕部120が表示部20の少なくとも一部を覆う状態にあるときに第1可動体140に対して略垂直な第1回転位置にある。また、第3可動体142は、第1腕部120が表示部20の少なくとも一部を露出する状態にあるときに第1可動体140に対して略平行な第2回転位置にある。
【0047】
第4可動体144は、第1腕部120の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態にあるときに、図7に示すように、第1可動体140に対して略垂直な第3回転位置にある。また、第4可動体144は、第1腕部120の他端が保持体110の円弧に沿った方向に向いた状態にあるときに、図8に示すように、第1可動体140に対して略平行な第4回転位置にある。つまり、第4可動体144は、第1腕部120が表示部20の少なくとも一部を覆う状態にあるときに第1可動体140に対して略垂直な第3回転位置にある。また、第4可動体144は、第1腕部120が表示部20の少なくとも一部を露出する状態にあるときに第1可動体140に対して略平行な第4回転位置にある。
【0048】
同様に、第5可動体152および第6可動体154は、第2腕部130の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態にあるときに、図7に示すように、第2可動体150に対して略垂直な回転位置にある。また、第5可動体152および第6可動体154は、第2可動体150の他端が保持体110の円弧に沿った方向に向いた状態にあるときに、図8に示すように、に対して略平行な回転位置にある。つまり、第5可動体152および第6可動体154は、第2腕部130が表示部20の少なくとも一部を覆う状態にあるときに第2可動体150に対して略垂直な回転位置にある。また、第5可動体152および第6可動体154は、第2腕部130が表示部20の少なくとも一部を露出する状態にあるときに第2可動体150に対して略平行な回転位置にある。
【0049】
図9は、複数の可動体の分解斜視図を示す図である。
【0050】
第1可動体140には、突起部143が形成されており、突起部143に第1ギア146が固定される。第1可動体140は、環状ギア102および第1ギア146を介して伝達された第1駆動体160からの動力により、突起部143を中心に回転する。
【0051】
第1係合部材148は、螺子141を介して、第1可動体140の長手方向に対して移動可能に第1可動体140に支持される。第1係合部材148は、複数の孔が形成されており、複数の孔に沿って第1可動体140の長手方向に対して移動する。弾性体149は、第1可動体140および第1係合部材148に係合されている。弾性体149は、ばねまたはゴムなどでよい。
【0052】
第1腕部120の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態から、環状ギア102の円弧に沿った方向に向いた状態に移動するとき、第1係合部材148は、第1可動体140の長手方向に沿った一方向(第3方向)に移動することにより、弾性体149が伸張する。一方、環状ギア102の円弧に沿った方向に向いた状態から第1腕部120の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態に移動するときに、延伸した弾性体149の復元力により、第1可動体140の長手方向に沿った一方向に反対の他方向(第3方向と反対の第4方向)に移動する。
【0053】
第1係合部材148は、第3可動体142および第4可動体144に係合する。第1係合部材148は、第3可動体142が第1可動体140に交差する第1回転位置から第1可動体140に対して略平行な第2回転位置に回転することに対応して、第1可動体140の長手方向に沿った一方向(第3方向)に移動することで、第4可動体144を第1可動体140に交差する第3回転位置から第1可動体140に対して略平行な第4回転位置まで回転させる。また、第1係合部材148は、第3可動体142が第2回転位置から第1回転位置まで回転することに対応して、弾性体149の復元力により第1可動体140の長手方向に沿った一方向と反対の他方向(第3方向と反対の第4方向)に移動することで、第4可動体144を第4回転位置から第3回転位置まで回転させる。
【0054】
なお、第2可動体150にも、第1可動体140に対する第1係合部材148と同様に、第2可動体150の長手方向に対して移動可能に支持される第2係合部材が支持されている。また、弾性体が第2可動体150と第2係合部材とに接続されている。第2係合部材は、第5可動体152および第6可動体154に係合する。第2係合部材は、第5可動体152が第2可動体150に交差する回転位置から第2可動体150に対して略平行な回転位置に回転することに対応して、第2可動体150の長手方向に沿った一方向に移動することで弾性体を延伸させながら、第6可動体154を第2可動体150に交差する回転位置から、第2可動体150に対して略平行な回転位置まで回転させる。また、第2係合部材は、第5可動体152が第2可動体150に対して略平行な回転位置から交差する位置まで回転することに対応して、弾性体の復元力により第1可動体140の長手方向に沿った一方向と反対の他方向に移動することで、第4可動体144を第2可動体150に対して略平行な回転位置から交差する回転位置まで回転させる。
【0055】
図10は、第1腕部120の回転動作について説明するための図である。図10は、可動体作動装置100を裏面側から見た部分拡大図である。
【0056】
第1腕部120の他端が環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態から保持体110の円弧に沿った方向に向いた状態になるまで第1腕部120が矢印200方向に回転する場合に、第3可動体142は、第3可動体142の裏面に形成された突出部142aにおいて、保持体110の内側壁115に当接しながら、矢印202方向に回転することで、第1可動体140に対して垂直な第1回転位置から第1可動体140に対して略平行な第2回転位置まで回転する。
【0057】
第3可動体142が回転することに伴って、第3可動体142と係合している第1係合部材148が、第1可動体140に対して矢印206方向に移動する。この移動に伴い、弾性体149は伸張し、復元力が蓄えられる。また、第1係合部材148が第1可動体140に対して矢印206方向に移動することに伴い、第1係合部材148に係合している第4可動体144が、矢印204の方向に回転し、第1可動体140に対して垂直な第3回転位置から第1可動体140に対して略平行な第4回転位置まで回転する。
【0058】
一方、第1腕部120の他端が保持体110の円弧に沿った方向に向いた状態から環状ギア102の回転軸の方向に向いた状態になるまで第1腕部120が回転する場合に、第1係合部材148は、弾性体149の復元力により、第1可動体140に対して矢印206方向と反対方向に移動する。第1係合部材148の移動に対応して、第1係合部材148に係合している第3可動体142が第2回転位置から第1回転位置まで回転し、第4可動体144が第4回転位置から第3回転位置まで回転する。
【0059】
以上、本実施形態に係る可動体作動装置100によれば、第3駆動体40が駆動することにより、第1腕部120および第2腕部130を保持する保持体110が環状ギア102の回転軸を中心に回転する。
【0060】
さらに、保持体110が保持する第1駆動体160が駆動することにより、環状ギア102が回転する。第1駆動体160への電力はスリップリング112を介して供給されるので、環状ギア102は、保持体110が回転中および停止中に回転できる。そして、環状ギア102の回転によって、第1腕部120が回転可能に支持する第1可動体140が、第3可動体142および第4可動体144とともに回転する。また、環状ギア102の回転によって、第2腕部130が回転可能に支持する第2可動体150が、第5可動体152および第6可動体154とともに回転する。
【0061】
また、保持体110が保持する第2駆動体170が駆動することにより、弧状ギア104が保持体110の円弧に沿って移動する。第2駆動体170への電力はスリップリング112を介して供給されるので、弧状ギア104は、保持体110が回転中および停止中に保持体110の円弧に沿って移動できる。そして、弧状ギア104が保持体110の円弧に沿って移動することにより、弧状ギア104に係合している第1腕部120および第2腕部130が、第1腕部120の一端および第2腕部130の一端を中心に回転する。これにより、第1腕部120、第2腕部130、第1可動体140、第3可動体142、第4可動体144、第2可動体150、第5可動体152、および第6可動体154が、表示部20の少なくとも一部を覆ったり、露出したりできる。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、可動体作動装置100を遊技機10の表示部20の周囲の限られた空間に設置でき、複数の可動体等を複数の態様で作動させることができる。よって、より効果的な演出を実現できる。また、一つの駆動体により、複数の可動体を作動させることができるので、駆動体を設置するスペースを削減でき、駆動体の増加に伴う電力消費の増加を抑制できる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10 遊技機
20 表示部
30 送信部
40 第3駆動体
100 可動体作動装置
102 環状ギア
104 弧状ギア
105 第1係合部
106 第2係合部
110 保持体
111 支持リング
112 スリップリング
113 ブラシ
114 受信部
120 第1腕部
122 第1係合溝
130 第2腕部
132 第2係合溝
140 第1可動体
142 第3可動体
143 突起部
144 第4可動体
146 第1ギア
148 第1係合部材
149 弾性体
150 第2可動体
152 第5可動体
154 第6可動体
156 第2ギア
160 第1駆動体
170 第2駆動体
172 第3ギア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10