(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181495
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】友人整理装置、友人整理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20170807BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-200430(P2013-200430)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-69232(P2015-69232A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祥
【審査官】
谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−048589(JP,A)
【文献】
特開2013−003942(JP,A)
【文献】
特開2012−048683(JP,A)
【文献】
特開2005−235142(JP,A)
【文献】
特開2002−109025(JP,A)
【文献】
町田史門,外2名,“デジタル私文書におけるプライバシーセンシティブ情報の漏洩検知に基づく公開範囲の設定方式の提案”,映像情報メディア学会技術報告,一般社団法人映像情報メディア学会,2013年 9月 5日,Vol.37 No.38,pp.31-36,ISSN 1342-6893
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNSにおける、ある任意の対象ユーザSにおいて、現在、友人関係にある他のユーザOを整理する友人整理装置であって、
前記ある任意の対象ユーザSと定量化対象の前記他のユーザOとにおいて、前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数/(前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数+前記ある任意の対象ユーザSにおける前記他のユーザOへの返信回数)の値が所定の値よりも大きいときに親密度を低く算出する親密度算出手段と、
該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する友人関係判断手段と、
前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する友人整理手段と、
を備えたことを特徴とする友人整理装置。
【請求項2】
親密度算出手段と、友人関係判断手段と、友人整理手段とを備え、SNSにおける、ある任意の対象ユーザSにおいて、現在、友人関係にある他のユーザOを整理する友人整理装置における友人整理方法であって、
前記親密度算出手段が、前記ある任意の対象ユーザSと定量化対象の前記他のユーザOとにおいて、前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数/(前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数+前記ある任意の対象ユーザSにおける前記他のユーザOへの返信回数)の値が所定の値よりも大きいときに親密度を低く算出する第1のステップと、
前記友人関係判断手段が、該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する第2のステップと、
前記友人整理手段が、前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する第3のステップと、
を備えたことを特徴とする友人整理方法。
【請求項3】
親密度算出手段と、友人関係判断手段と、友人整理手段とを備え、SNSにおける、ある任意の対象ユーザSにおいて、現在、友人関係にある他のユーザOを整理する友人整理装置における友人整理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記親密度算出手段が、前記ある任意の対象ユーザSと定量化対象の前記他のユーザOとにおいて、前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数/(前記他のユーザOにおける前記ある任意の対象ユーザSへの返信回数+前記ある任意の対象ユーザSにおける前記他のユーザOへの返信回数)の値が所定の値よりも大きいときに親密度を低く算出する第1のステップと、
前記友人関係判断手段が、該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する第2のステップと、
前記友人整理手段が、前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)における友人関係(ユーザ間のつながり)を自動で整理する友人整理装置、友人整理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの目覚ましい普及に伴い、特定のコミュニティを形成し、このコミュニティの中で、各ユーザが、例えば、ある出来事に対して、自己の考えや思い、感想等、いわゆる、つぶやきを投稿するソーシャルネットワークサービス(SNS)が多くの人々に利用されている。
【0003】
こうした、ソーシャルネットワークサービス(SNS)に関連する技術として、ユーザ間における相互のアクセス規制を個々に設定し、該アクセス規制に基づいてユーザ間でコンテンツの共有を行う技術(例えば、特許文献1参照。)やソーシャルグラフをユーザが能動的に操作することなく生成することができる、ソーシャルグラフ生成方法、他のソーシャルネットワーキングサービスにおける属性情報の類似性に基づいてユーザ抽出する技術(例えば、特許文献2参照。)、外部ソーシャルネットワークサービスにおいて設定されているコミュニティ管理情報を用いて、コミュニティ参加承認を行う技術(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
【0004】
ここで、具体的には、特許文献1に記載の技術は、ユーザの能動的な操作に基づいて、当該ユーザの友人関係にあるユーザを友人から外したり、特定の発言内容を特定ユーザからは不可視にしたりするものであり、特許文献2、3に記載の技術は、他のソーシャルネットワークにおけるユーザが申告したプロファイル情報の類似性や、ソーシャルグラフの近接度(友人の友人関係)、コミュニティ所属情報等から、友人と推測されるユーザを抽出し、自動でソーシャルグラフを生成するものである。
【0005】
また、ユーザが申告したプロファイル情報の類似性や、ソーシャルグラフの近接度(友人の友人関係)等から、友人と推測されるユーザを抽出し、提示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−41405号公報
【特許文献2】特開2011−170471号公報
【特許文献3】特開2010−039871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のいずれの方法も、友人と推測されるユーザを自動あるいは半自動で友人として承認することにより、ユーザの友人承認(登録)作業の負荷を軽減するものでしかない。
【0008】
一方で、近年ソーシャル疲れと称される、ソーシャルネットワークサービスに対する面白みの低下や、サービス利用頻度低下・離脱現象が生じている。これらは、ソーシャルネットワークサービスの最新更新情報を常に追わなければいけないという極度な依存が背景にあり、自分の投稿内容によい反応が無いと不安になる、友人への投稿内容を評価する、コメント返すことが義務に感じる、等の、集団への帰属および参加意識が負担となることが一因と考えられる。
【0009】
また、会社などの付き合いでしぶしぶ友人として承認している等、リアルでの関係性に基づいて承認しており、本人の意思に基づいて能動的に行われるべき拒否が立場上難しいという問題が含まれている。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ソーシャルネットワークサービス(SNS)における友人関係(ユーザ間のつながり)を自動で整理する友人整理装置、友人整理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0012】
(1)本発明は、SNSにおける、ある任意の対象ユーザにおいて、現在、友人関係にある他のユーザを整理する友人整理装置であって、前記ある任意の対象ユーザと定量化対象の前記他のユーザとの親密度を算出する親密度算出手段と、該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する友人関係判断手段と、前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する友人整理手段と、を備えたことを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0013】
(2)本発明は、(1)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザと定量化対象となるユーザとの間のコミュニケーション回数、または、コミュニケーション内容、または、コミュニケーションの方向性の少なくともひとつから親密度を算出することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0014】
(3)本発明は、(1)または(2)の友人整理装置について、前記親密度算出手段と前記友人関係判断手段と友人整理手段とが連係して、ある一定周期で処理を実行することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0015】
(4)本発明は、(1)から(3)の友人整理装置について、前記友人整理手段の整理結果を提示する整理結果提示手段を備えたことを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0016】
(5)本発明は、(4)の友人整理装置について、前記提示された結果について、取り消し選択を行う選択手段を備えたことを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0017】
(6)本発明は、(1)から(5)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザの最初の話題の投稿への友人の返信に対する再返信、友人の最初の話題の投稿への前記ユーザの返信、の二つの返信コミュニケーションを区別して、親密度算出時の反映度合いを変更することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0018】
(7)本発明は、(1)から(6)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザと友人との間のコミュニケーションの内容から、ですます等の敬語、あるいは、口語調や略称や通称・俗称等のくだけた表現を抽出し、その登場頻度に基づいて親密度を算出することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0019】
(8)本発明は、(1)から(7)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザと友人との間のコミュニケーションの内容を、ポジティブな内容あるいはネガティブな内容に分類し、その登場頻度に基づいて親密度を算出することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0020】
(9)本発明は、(1)から(8)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザと友人との間の返信の往復数、または、会話文字数の平均長、または、一日の会話回数をもとに親密度を算出することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0021】
(10)本発明は、(1)から(9)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は、前記ユーザと複数の友人とのコミュニケーションの傾向を比較して親密度を算出することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0022】
(11)本発明は、(1)から(10)の友人整理装置について、前記親密度算出手段は複数の親密度を算出し、友人関係判断手段は、これら親密度の少なくとも一つを判断に利用することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0023】
(12)本発明は、(11)の友人整理装置について、前記友人関係判断手段は、過去の友人整理結果および、友人再登録の結果に基づいて、前記複数の親密度のうち、判断に利用する親密度を決定することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0024】
(13)本発明は、(1)から(12)の友人整理装置について、前記友人関係判断手段は、親密度の変化を蓄積し、急激な親密度の変化傾向に基づいて、友人関係を判断することを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0025】
(14)本発明は、(1)から(13)の友人整理装置について、前記友人関係判断手段は、前記親密度の低い友人に関して非表示判断を行い、非表示判断されたユーザの発言を前記友人整理手段において、その発言内容を非表示とするユーザとすることを特徴とする友人整理装置を提案している。
【0026】
(15)本発明は、親密度算出手段と友人関係判断手段と友人整理手段とを備え、SNSにおける、現在、友人関係にあるユーザを整理する友人整理装置における友人整理方法であって、前記親密度算出手段が、前記ユーザと定量化対象の他のユーザとの親密度を算出する第1のステップと、前記友人関係判断手段が、該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する第2のステップと、前記友人整理手段が、前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する第3のステップと、を備えたことを特徴とする友人整理方法を提案している。
【0027】
(16)本発明は、親密度算出手段と友人関係判断手段と友人整理手段とを備え、SNSにおける、現在、友人関係にあるユーザを整理する友人整理装置における友人整理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記親密度算出手段が、前記ユーザと定量化対象の他のユーザとの親密度を算出する第1のステップと、前記友人関係判断手段が、該算出された親密度に基づいて友人関係を前記SNS上、解消するか否かを判断する第2のステップと、前記友人整理手段が、前記友人関係の判断結果に基づいて、実際に前記SNS上の友人関係を削除する第3のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザにおいて心理的に実施しにくいと考えられる友人の整理を、実際のコミュニケーションの盛り上がりに基づいて自動処理をするため、SNS疲れと表現されるようなサービスへのモチベーションの低下を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る友人整理装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る友人整理装置の処理を示す図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る友人整理装置の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る友人整理装置の構成を示す図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態に係る友人整理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
図1は、本発明の概念図である。
図1に示すように、本発明は、友人整理装置100が、当該装置を利用するユーザと他のユーザとのソーシャルネットワークサービス(SNS)における友人関係(ユーザ間のつながり)を自動で整理するものである。具体的には、SNS上の当該ユーザおよび他のユーザのつぶやきに基づいて、当該ユーザ間の親密度を算出し、友人関係を判断して、友人を整理する。なお、前提として、コミュニケーションは、コミュニケーション開始となる一番初めのつぶやきと、つぶやきに対する返信つぶやき(および返信つぶやきに対する返信つぶやき)によって構成されるものとする。例えば、ツイッターであれば、リプライあるいはリツイートを返信つぶやきととらえ、その元となるつぶやきを一番初めのつぶやきと定義する。
【0032】
<第1の実施形態>
図2および
図3を用いて、本発明の第1の実施形態について、説明する。
【0033】
<友人整理装置の構成>
本実施形態に係る友人整理装置100は、
図2に示すように、親密度算出部110と、友人関係判断部120と、友人整理部130と、整理結果提示部140と、選択部150と、制御部160とから構成されている。
【0034】
友人整理装置100は、友人整理を実施する主体のユーザが、ある一定期間中に他のユーザと行ったコミュニケーション履歴を取得する。親密度算出部110は、主体のユーザSにおいて一番初めのつぶやきの回数start(S)および、他のユーザOにおけるユーザSへの返信回数reply(S、O)、他のユーザOにおいて一番初めのつぶやきの回数start(O)および、ユーザSにおけるユーザOへの返信回数reply(O、S)、ユーザSおよびユーザOが関連している各つぶやきtにおけるユーザSとユーザOとの平均返信継続回数(一番初めのつぶやきから返信が繰り返された回数)reply_length(t)をカウントし、下記例の式により、親密度Friend(S、O)を算出する。つまり、親密度算出部110は、ユーザSと定量化対象となるユーザOとの間のコミュニケーション回数、または、コミュニケーション内容、または、コミュニケーションの方向性の少なくともひとつから親密度を算出する。
【0040】
数1は、単純な返信数により、親密度を算出する例、数2は、全返信に対する割合により、親密度を算出する例、数3は、相手側への返信数が多いか少ないかにより、親密度を算出する例、数4は、双方の返信数に対するユーザSからユーザOへの返信の割合により、親密度を算出する例であり、極端にユーザOからの返信対応が多い場合には、親密度が低いと判断する。数5は、平均返信継続回数により、親密度を算出する例であり、やりとり回数が長い場合には、親密度が高いと判断する。
【0041】
友人整理判断部120は、親密度算出部110の出力結果ひとつ、あるいは複数を利用し判断する。例えば、数1から数5のうち、任意の数式について、ある閾値thを用いて、Friend(S、O)<thのとき、当該ユーザS、ユーザOの友人関係を外すと判断し、友人整理部130にその判断結果を出力する。
【0042】
または、数1から数5のうち、任意の数式について、Friend(S、O)<thが成立した回数n_timesを記録しておき、n_timesがある期間内に一定回数以上出現した際に、友人整理部130にその判断結果を出力する。
【0043】
また、数1から数5のうち、複数の数式について、Friend(S、O)<thが成立した個数n_countがある一定数を超えた際に、友人整理部130にその判断結果を出力する。
【0044】
または、ある閾値thを用いて、start(S)<thを満たすときには、つぶやき数不十分として、友人整理を行わない、すなわち友人整理部130に判断結果を出力しないようにしてもよい。
【0045】
友人整理部130は、友人整理判断部120からの出力に基づいて、友人関係を自動で削除する。あるいは、つぶやき表示頻度の制御を行う(例えば、親密度の大きさに従って、ランダムで非表示にする、等)。
【0046】
整理結果提示部140は、友人整理部130の整理結果を取得し、その整理結果をユーザSに提示する。選択部150は、整理結果提示部140に提示された結果について、取り消し選択を行う。制御部160は、親密度算出部110、友人関係判断部120、友人整理部130、整理結果提示部140の動作を制御する。例えば、制御部160は、ある一定周期で親密度算出部110、友人関係判断部120、友人整理部130、整理結果提示部140の処理を実行するよう制御を行う。このような制御により、最新のつぶやきに基づいて、友人関係を自動的に整理することができる。
【0047】
<友人整理装置の処理>
図3を用いて、本実施形態に係る友人整理装置の処理について説明する。
【0048】
まず、親密度算出部110は、ユーザSと定量化対象の他のユーザOとの親密度を算出する(ステップS110)。友人関係判断部120は、算出された親密度に基づいて友人関係をSNS上、解消するか否かを判断する(ステップS120)。友人整理部130は、友人関係の判断結果に基づいて、実際にSNS上の友人関係を削除する(ステップS130)。
【0049】
なお、親密度算出部110は、ユーザSの最初の話題の投稿への友人Oの返信に対する再返信、友人Oの最初の話題の投稿へのユーザSの返信、の二つの返信コミュニケーションを区別して、親密度算出時の反映度合いを変更するようにしてもよい。
【0050】
また、親密度算出部110は、ユーザSと友人Oとの間のコミュニケーションの内容を、ポジティブな内容あるいはネガティブな内容に分類し、その登場頻度に基づいて親密度を算出するようにしてもよい。
【0051】
さらに、親密度算出部110は、ユーザSと友人Oとの間の返信の往復数、または、会話文字数の平均長、または、一日の会話回数をもとに親密度を算出するようにしてもよい。
【0052】
さらに、親密度算出部110は、ユーザSと複数の友人とのコミュニケーションの傾向を比較して親密度を算出するようにしてもよい。
【0053】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ユーザ間のコミュニケーション履歴から親密度を算出し、算出した親密度に基づいて、友人関係を判断した上で、友人の整理を自動的に行うため、的確に、ソーシャルネットワークサービス(SNS)における友人関係(ユーザ間のつながり)を自動で整理することができる。
【0054】
<第2の実施形態>
図4を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0055】
<友人整理装置の構成>
本実施形態に係る友人整理装置は、
図4に示すように、親密度算出部111と、友人関係判断部120と、友人整理部130と、整理結果提示部140と、選択部150と、制御部160とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0056】
親密度算出部111は、ユーザSと友人との間のコミュニケーションの内容から、ですます等の敬語、あるいは、口語調や略称や通称・俗称等のくだけた表現を抽出し、その登場頻度に基づいて親密度を算出する。
【0057】
具体的には、ユーザSと友人O間のA回のコミュニケーション中、尊敬語の出てきた回数B、くだけた表見の出てきた回数をCとしたときに、数6により、親密度を算出する。
【0059】
なお、親密度算出部111は、ユーザSと友人Oとの間のコミュニケーションの内容を、ポジティブな内容あるいはネガティブな内容に分類し、その登場頻度に基づいて親密度を算出するようにしてもよい。
【0060】
また、親密度算出部111は、ユーザSと友人Oとの間の返信の往復数、または、会話文字数の平均長、または、一日の会話回数をもとに親密度を算出するようにしてもよい。
【0061】
さらに、親密度算出部111は、ユーザSと複数の友人とのコミュニケーションの傾向を比較して親密度を算出するようにしてもよい。
【0062】
<第3の実施形態>
図5を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0063】
<友人整理装置の構成>
本実施形態に係る友人整理装置は、
図5に示すように、親密度算出部112と、友人関係判断部121と、友人整理部130と、整理結果提示部140と、選択部150と、制御部160とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0064】
親密度算出部112は、複数の親密度を算出する。友人関係判断部121は、これら親密度の少なくとも一つを判断に利用する。
【0065】
例えば、友人関係判断部121は、過去の友人整理結果および、友人再登録の結果に基づいて、複数の親密度のうち、判断に利用する親密度を決定する。
【0066】
具体的には、各親密度算出結果をFriend_1,Friend_2,…とし、Friend_iに基づき友達整理を行った回数をAi、その後再登録が行われた回数をBiとしたときに、数7において、その数値が大きいものを判断に利用する親密度として決定する。
【0068】
<第4の実施形態>
図6を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0069】
<友人整理装置の構成>
本実施形態に係る友人整理装置は、
図6に示すように、親密度算出部110と、友人関係判断部122と、友人整理部130と、整理結果提示部140と、選択部150と、制御部160とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0070】
友人関係判断部122は、親密度の変化を蓄積し、急激な親密度の変化傾向に基づいて、友人関係を判断する。
【0071】
具体的には、前回までの親密度平均をm(Friend)、今回の親密度をFriendとしたときに、数8を用いて、急激な親密度の変化傾向を判断する。数8においてthは、閾値を示す。
【0073】
また、友人関係判断部122は、親密度の低い友人に関して非表示判断を行い、非表示判断されたユーザの発言をSNS上において非表示にする。これは、例えば、SNSにおいて友人整理部から非表示判断されたユーザ列を取得し、同SNSにおいて表示を消す、などの方法が考えられる。
【0074】
なお、友人整理装置の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを友人整理装置に読み込ませ、実行することによって本発明の友人整理装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0075】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0076】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0077】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0078】
100;友人整理装置
110;親密度算出部
111;親密度算出部
112;親密度算出部
120;友人関係判断部
121;友人関係判断部
122;友人関係判断部
130;友人整理部
140;整理結果提示部
150;選択部
160;制御部