(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181503
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】アカウント毎に優先度を設定できるカラオケシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-208632(P2013-208632)
(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公開番号】特開2015-72390(P2015-72390A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】
武田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−010988(JP,A)
【文献】
特開2005−148758(JP,A)
【文献】
特開2011−095437(JP,A)
【文献】
特開平08−115092(JP,A)
【文献】
特開2008−164790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアカウントから予約を受け付けるカラオケシステムにおいて、各アカウントに1つ以上の優先度を設定でき、
予約済み曲の再生順の決定の際、該アカウントに設定されている優先度ごとに待ち行列を持ち、優先度の高いアカウントからの予約を、優先度の低いアカウントからの予約に優先して演奏し、
予約後であっても優先度の変更が可能で、優先度変更時には待ち行列に登録されている楽曲を、当該変更後の優先度の待ち行列に移動することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
上記カラオケシステムにおいて、優先度の高い待ち行列に楽曲が待機している場合、当該優先度の高い待ち行列の楽曲を予約順に演奏し、
当該優先度の高い待ち行列が空になった場合に、優先度の低い待ち行列の楽曲を予約順に演奏することを特徴とする上記請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
各優先度の待ち行列には最大連続再生回数が設定でき、当該待ち行列が空になっていない場合でも、当該待ち行列の最大連続再生回数が到来した場合には、次の優先度の待ち行列の楽曲を再生することを特徴とする上記請求項2記載のカラオケシステム。
【請求項4】
優先度の高い待ち行列の最大連続再生回数が到来した場合に、当該待ち行列の次の楽曲の予約が、次の優先度の待ち行列の最先の楽曲の予約より早い時間にされていた場合、さらに続けて優先度の高い待ち行列の楽曲の演奏を行うことを特徴とする請求項3記載のカラオケシステム。
【請求項5】
複数のアカウントから予約を受け付けるカラオケシステムにおいて、各アカウントに1つ以上の優先度を設定でき、予約順を維持して曲目の変更が可能な選曲変更手段をもち、優先度の高いアカウントによる楽曲の演奏予約の際、曲目指定時に、同じ曲がすでに同一セッション内の優先度の低いアカウントによって予約されている場合、当該優先度の低いアカウントにその旨を通知し、曲目を変更させることを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項6】
複数のアカウントから予約を受け付けるカラオケシステムにおいて、各アカウントに1つ以上の優先レベルを設定でき、歌唱の採点において、
優先度の高いアカウントから予約された歌唱には採点基準を易しくし、
優先度の低いアカウントから予約された歌唱には採点基準を厳しくすることを特徴とするカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リモコン端末装置から選曲予約が可能な機能を備えたカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケの歌唱においては、どの歌唱者も基本的に平等であるが、時には平等であれば使いにくい場合もある。
例えば、上司と部下、業者と顧客など上下関係や接待関係がある場合は、上司や顧客には他のメンバーより優遇する機能があってもよい。
社員同士でカラオケを楽しんでいるような環境で、途中から上司や顧客が参加した場合が考えられる。(楽しんでいる社員にとっては迷惑なシチュエーションであるが)
【0003】
カラオケの予約機能に関する出願は、歌う機会をできるだけ公平にするように歌唱順を調整するというものがほとんどであり、故意に順番を飛ばしたり割り込んだりする出願は少ない。
【0004】
しかし、世の中、平等・公平ばかりではないのが常であり、予約順よりも上下関係や接待などあえて平等にしたくない需要も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−272159号公報
【特許文献2】特開2006−10988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、予約制御装置と複数の予約端末とが所定のデータ伝送手段を通じて結合されている選曲システムにおいて、各予約端末にてリクエスト入力された楽曲IDが当該予約端末のIDとともに予約制御装置に供給され、予約制御装置は、各予約端末から供給される楽曲IDを受付順に整理するとともに、所定の並べ替え規則に従って各リクエスト楽曲の演奏順番を決定し、その演奏順番をカラオケ演奏装置に伝え、予約制御装置は、管理者の操作入力に応じて一つまたはいくつかの前記予約端末IDを一つのグループとして設定するグループ設定手段と、これら各グループ毎の予約状況についての前記並べ替え規則を管理者の操作入力に応じて適宜に設定する演奏スケジュール設定手段とを備えるというものである。
【0007】
特許文献2は、ネットワークを介して店舗システムと選曲管理装置とが接続されたカラオケ選曲システムにおいて選曲を最適化する方法であって、当日カラオケ店にグループで参加するメンバーのデータを受信し、その参加メンバーのグループにおける属性情報、当該店で過去に歌った曲、または他から聴いた曲の履歴情報を取得し、その取得した属性および履歴情報をもとに優先度を判定し、参加メンバーが歌う演奏曲の選曲順を決定してグループ全メンバーの当日の演奏曲リストを出力させるというものである。
【0008】
特許文献1は、顧客グループごとに優先をコントロールするもので基本的には管理者が存在し店側で各グループ間の予約を調整することを目的としている。
一方、特許文献2は接待や上司部下などの場面も考慮して自動的に優先度をつけるものであるが、各個人の情報や歌唱履歴を事前に入力しておくことが必要になる。
【0009】
昨今では、特許文献1のような管理者がいないケースが多く、後からの参加者や予約済みの楽曲の優先度を操作したい場合もある。特許文献2では参加メンバーは会員であることが必要とされるため、こちらも現実的とは言えない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、複数のアカウントから予約を受け付けるカラオケシステムにおいて、アカウントに優先情報を持たせることにより、優先度の高いアカウントからの予約を優先するというものである。
【0011】
請求項1は、複数のアカウントから予約を受け付けるカラオケシステムで、各アカウントに優先度を設定することができ、優先度の高いアカウントから予約された楽曲が、優先度の低いアカウントから予約された楽曲より先に演奏されるというものである。アカウント毎の優先度は随時変更可能であり、予約済みの楽曲も、アカウントの優先度の変更に従って変更される。
請求項2は、複数の優先度を持つ待ち行列を設定し、優先度の高い待ち行列と優先度の低い待ち行列に楽曲が待機している場合、当該優先度の高い待ち行列の楽曲を予約順に演奏し、当該優先度の高い待ち行列が空になった場合に、優先度の低い待ち行列の楽曲を予約順に演奏するというものである。
請求項3は、請求項2における各優先度の待ち行列に、最大連続再生回数が設定でき、当該待ち行列が空にならなくても最大連続再生回数が到来した場合には、次の優先度の待ち行列の楽曲を再生するというものである。連続して演奏できる楽曲数を決め、優先度が高いほど連続して演奏できる曲が多いようにする。
例えば最大連続再生回数3のアカウントがアカウントaのみだった場合、アカウントaは、連続して3曲まで演奏でき、4曲目には次の優先度のアカウントbの楽曲を演奏し、そのあとに再び優先度の高いアカウントaの楽曲の演奏となる。
請求項4は、請求項3において、優先度の高いアカウントの待ち行列での最大連続再生回数が到来しても、当該待ち行列の次の楽曲の予約が、優先度の低いアカウントの待ち行列の最先の楽曲の予約より早い時間にされていた場合、さらに続けて優先度の高いアカウントの楽曲の演奏を行うというものである。
例えば最大連続再生回数3のアカウントaの楽曲が3曲演奏され、通常では次は優先度の低いアカウントbの1曲目の演奏を行うのであるが、アカウントaの4曲目がアカウントbの1曲目より先に予約されていた場合は、アカウントaの4曲目を先に演奏するというものである。
請求項5は、優先度の高いアカウントで楽曲を予約した場合、優先度の低いアカウントが同じ曲をすでに予約していた場合、当該優先度の低いアカウントのリモコンに同じ曲が予約された旨通知され、さらに、楽曲の変更が要求されるというものである。(優先度の高いアカウントには何も通知しない。)
請求項6は、優先度の高いアカウントの採点基準を、優先度の低いアカウントに比べて甘目に設定するというものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】1つのアカウントが優先度を変更した場合の説明図。
【
図3】優先度の高いアカウントの予約がまだ待ち行列に待機している場合の説明図。
【
図4】優先度の高いアカウントの待ち行列が空になった場合の説明図。
【
図5】最大連続再生回数が設定されている場合の説明図。
【
図6】優先度の高いアカウントが新規予約を登録した場合の説明図。
【
図7】優先度の低いアカウント丙のリモコン画面イメージ。
【
図8】優先度の低いアカウントのユーザが楽曲を変更した場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1および請求項2の実施形態の一例を図で示す。
カラオケの楽曲予約が、
図1のような待ち行列の順に予約されているとする。ここでは、今、甲がカラオケ装置1において楽曲Aを歌唱しており、その次には乙の楽曲B、甲の楽曲Cがこの順で登録されている。
ここで、甲の楽曲Aの演奏が終了すると、次に乙の楽曲Bの演奏が開始されるのであるが、楽曲Aの歌唱中に、甲、乙の営業顧客である丙がたまたま参加し、楽曲Dを予約したとする。客人たる途中参加者が、自ら優先度の高いアカウントで予約を入れることは日本人同士の社会では考えにくい。この状態で甲の楽曲Aに続く歌唱順は、乙の楽曲B→甲の楽曲C→丙の楽曲Dとなる(
図1)。ここで待機中の乙は、接待することを考え、丙の予約を優先できるように自らの優先度を下げることができる(
図2)。
【0014】
その後、甲の楽曲Aの演奏が終了しても、まだ優先度の高い待ち行列3には、優先度の高いアカウントで予約された甲の楽曲C、丙の楽曲Dがあるため、次は楽曲Cの演奏となる(
図3)。丙の楽曲Dの演奏が終わり、優先度の高い待ち行列3が空になると、次は優先度の低い待ち行列2の先頭の乙の楽曲Bの演奏となる(
図4)。顧客丙から見ると、自らの歌唱に先立って、来店時に歌唱していた甲が二曲も続けて歌唱したことに対し、先に来ていたにも関わらず丙の後に乙が歌唱する形となり、優先度変更を有効に活用した乙に比べ、甲の印象は甚だ芳しくない状態となる。このように目立たぬ形で顧客を優先し、印象の保全あるいは相対的優位を確立できる日本文化に合致した用法がなされている。
また本発明の請求項3、請求項4の例を
図5で示す。ここで、甲、乙、丙は優先度の低いアカウントのユーザ、丁、戊、己は優先度の高いアカウントのユーザとする。
図5では、今、ユーザ丁が、楽曲Eを歌唱している。また優先度の低い待ち行列2に甲の楽曲A、乙の楽曲B、丙の楽曲Cおよび乙の楽曲Dがこの順で待機している。
一方、優先度の高い待ち行列3には、戊の楽曲F、丁の楽曲G、戊の楽曲Hおよび己の楽曲Iがこの順で待機しているとする。
【0015】
ここで、請求項3の例として、この優先度の高いアカウントが連続して歌唱できる楽曲数(最大連続再生回数)が3とすると、歌唱順は、
楽曲E→楽曲F→楽曲G→楽曲A→楽曲H→楽曲I→楽曲B→楽曲C→楽曲Dとなる。(優先度の高いアカウントの楽曲を3曲連続して歌唱したあと、優先度の低いアカウントの楽曲が1曲歌唱できる。)
【0016】
また請求項4では請求項3の最大連続再生回数に加え、予約した時間の後先も考慮に入れる。例えば楽曲Gが終了後、請求項3では次は優先度の低いアカウントの楽曲Aとなるが、もし楽曲Aを予約した時間が、19:05、次に待機している優先度の高いアカウントの楽曲Hを予約した時間が19:03だった場合、優先度の高いアカウントの最大連続再生回数が3であっても、4曲目の楽曲Hを先に演奏するというものである。
【0017】
図6、
図7は請求項5の実施例である。甲、乙、丙は優先度の低いアカウント、丁は優先度の高いアカウントのユーザとする。優先度の低い待ち行列2に既に丙の楽曲C、乙の楽曲Dが予約されている状態で、優先度の高いアカウントの丁が楽曲E、楽曲Cをこの順で予約したとする。優先度の高いアカウント丁の楽曲E、楽曲Cは、優先度の高い待ち行列3へ登録される(
図6)と同時に、すでに楽曲Cを先に予約している丙のリモコンに対し、楽曲の変更が求められる(
図7)。
ここで丙が楽曲Cをとりやめ、楽曲Fに変更したとすると、優先度の低い待ち行列2の中における丙の楽曲Cの曲順が維持されたまま、
図8のように楽曲が変更される。
また、このとき丙が楽曲Cを変更しないまま、丙の楽曲Cの歌唱順が到来した場合、この楽曲の演奏はスキップされ、同じ待ち行列2の次の予約曲である乙の楽曲Dが演奏される。
【0018】
歌唱採点基準に優先度を設ける請求項6の例としては、優先度の低いアカウントで予約された甲、乙、丙と優先度の高いアカウントで予約された丁において、
採点の基準となる音程のずれの閾値を、
優先度の低いアカウントで予約された甲、乙、丙では、30セント、
優先度の高いアカウントで予約された丁では、50セントとすることにより、優先度の高いアカウントのユーザの採点を易しくすることができる。
【符号の説明】
【0019】
1…カラオケ装置
2…待ち行列
3…待ち行列
4…ユーザ丙のリモコン画面