(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方側端部が温室に保持される開閉シートと、この開閉シートの他方側端部に取り付けられて上記開閉シートを巻き取り、繰り出す巻上軸と、上記開閉シートの横側に上記巻上軸の移動方向に沿って配置されるガイド柱と、上記巻上軸を回転駆動する駆動機と、この駆動機を上記ガイド柱に沿って移動させる移動部材とを備え、
上記駆動機は、上記巻上軸の端部に連なる駆動軸と、この駆動軸を介して上記巻上軸を回転させる駆動機本体とを備えている開閉装置において、
上記移動部材は、筒状に形成されて上記ガイド柱の外周面に当接するスリップローラと、上記ガイド柱の反スリップローラ側の外周面に当接する一以上の従動ローラとを備えおり、上記スリップローラの内側に上記駆動軸が挿通されるとともに、上記スリップローラと上記駆動軸との間に隙間が形成されることを特徴とする開閉装置。
上記駆動軸は、上記駆動機本体で回転駆動されるシャフトと、このシャフトと上記巻上軸とを連結する筒状の連結部材と、この連結部材の外周に取り付けられて上記スリップローラの内周面に当接する介装部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
上記介装部材は、半割筒状に形成される一対の介装片からなり、上記連結部材の外周に取り付けられたとき、向かい合う上記両介装片の周方向の両端部の間に隙間が形成されることを特徴とする請求項2に記載の開閉装置。
上記スリップローラと上記駆動軸の一方または両方が、上記スリップローラが上記介装部材から外れることを抑制するストッパを備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の開閉装置。
【背景技術】
【0002】
一般的に、開閉装置は、野菜、果樹、園芸用植物等(以下、植物等という。)を栽培するための温室に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の開閉装置は、上記温室の側面に沿って形成された開口を開閉し、温室の換気を行う換気装置である。
図8に示すように、上記開閉装置A1は、上端部が温室Hに保持されて上記開口(図示せず)を開閉する開閉シート1と、この開閉シート1の下端部に取り付けられて上記開閉シート1を巻き取り、繰り出す巻上軸(図示せず)と、上記開閉シート1の横側に起立するガイド柱300と、上記巻上軸を回転駆動する駆動機(符示せず)と、この駆動機をガイド柱300に沿って昇降させる移動部材(符示せず)とを備えている。
【0004】
そして、上記駆動機は、上記図示しない巻上軸の端部に連なって固定される駆動軸400と、モータやハンドル等を有し上記駆動軸400を介して巻上軸を回転駆動する駆動機本体401とを備えている。
【0005】
また、上記移動部材は、上記駆動軸400の外周に取り付けられて駆動軸400とともに回転し上記ガイド柱300の外周面に当接する駆動ローラ500と、駆動機本体401に連結される図示しないハウジングと、このハウジングに回転可能に保持されて上記ガイド柱300の反駆動ローラ側の外周面に当接する従動ローラ501,501とを備え、駆動ローラ500と従動ローラ501,501とでガイド柱300を挟んでいる。
【0006】
そして、
図8(a)に示すように、上記駆動機本体401で上記駆動軸400を正転させると上記駆動ローラ500及び上記巻上軸が駆動軸400と同方向に回転する。また、下側の従動ローラ501が駆動ローラ500との間にガイド柱300を挟みながら、駆動ローラ500と逆方向に回転するため、駆動機がガイド柱300に沿って上昇するとともに、巻上軸に開閉シート1が巻き取られて温室Hの開口を開くことができる。
【0007】
また、
図8(b)に示すように、上記駆動機本体401で駆動軸400を逆転させると上記駆動ローラ500及び上記巻上軸が駆動軸400と同方向に回転する。また、下側の従動ローラ501が駆動ローラ500との間にガイド柱300を挟みながら、駆動ローラ500と逆方向に回転するため、駆動機がガイド柱300に沿って下降するとともに、巻上軸から開閉シート1が繰り出されて温室Hの開口を開閉シート1で閉じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の一実施の形態に係る開閉装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係る開閉装置Aは、一方側端部1aが温室Hに保持される開閉シート1と、この開閉シート1の他方側端部に取り付けられて上記開閉シート1を巻き取り、繰り出す巻上軸2と、上記開閉シート1の横側に上記巻上軸2の移動方向に沿って配置されるガイド柱3と、上記巻上軸2を回転駆動する駆動機4と、この駆動機4を上記ガイド柱3に沿って移動させる移動部材5とを備えている。そして、
図2に示すように、上記駆動機4は、上記巻上軸2の端部に連なる駆動軸40と、この駆動軸40を介して上記巻上軸2を回転させる駆動機本体41とを備えている。
【0018】
さらに、上記移動部材5は、筒状に形成されて上記ガイド柱3の外周面に当接するスリップローラ50と、上記ガイド柱3の反スリップローラ側の外周面に当接する一以上の従動ローラ51,51とを備えており、上記スリップローラ50の内側に上記駆動軸40が挿通されるとともに、
図5に示すように、上記スリップローラ50と上記駆動軸40との間に隙間aが形成されている。
【0019】
以下、詳細に説明すると、
図1に示すように、本実施の形態に係る開閉装置Aが設けられる温室Hは、複数のアーチ状パイプP1が列設されてなる骨組と、この骨組に展張されるビニールシートFとを備えて略蒲鉾型に形成されている。さらに、上記温室Hの内側には、温室Hの屋根側に内張りパイプP2が温室Hの短手方向に傾斜して架設され、長手方向に沿って複数並べて設けられている。
【0020】
そして、本実施の形態の開閉装置Aは、必要に応じて内張りパイプP2に開閉シート1を展張して温室H内を上下に仕切るために利用されており、開閉シート1で温室H内を上下に仕切ると、開閉シート1の下側に形成される植物等の育成スペースの容積を小さくして暖房効率を上げたり、開閉シート1の上側に空気層を形成して断熱性を高めたりすることができる。また、温室H外の気温が高い場合には、開閉シート1を巻上軸2に巻き取って収容し、放熱性を高めることができる。なお、開閉シート1の用途は上記に限られるものではなく、例えば、開閉シート1を遮光シートにし、夏季に開閉シート1を展張して、夏季の高温障害を防ぐとしてもよい。
【0021】
つづいて、上記開閉シート1は、その上端となる一方側端部1aが温室Hの長手方向に沿って連結されるとともに、他方側が内張りパイプP2の傾斜に沿って下方側に配置され、他方側端部には巻上軸2が取り付けられている。つまり、この巻上軸2も、温室Hの長手方向に沿って配置されている。また、巻上軸2は、内張りパイプP2の上側に交差して配置されている。このため、巻上軸2が内張りパイプP2で下支えされるとともに、内張りパイプP2上を当該内張りパイプP2に沿って転がりながら移動して、開閉シート1を巻き取り、繰り出すことができる。
【0022】
つづいて、上記開閉シート1の横側に配置され上記巻上軸2の移動方向に沿って配置されるガイド柱3は、内張りパイプP2と平行に配置されており、地面に対して6〜15度傾斜し、傾斜角度が30度よりも小さく設定されている。また、本実施の形態においては、内張りパイプP2と別にガイド柱3を設けているが、複数ある内張りパイプP2のうちの一本をガイド柱3として利用するとしてもよい。
【0023】
上記巻上軸2を回転駆動する駆動機4は、
図2に示すように、巻上軸2に連結される駆動軸40と、この駆動軸40を回転させる駆動機本体41とを備えている。そして、上記駆動機本体41は、駆動軸40を任意の方向に回転することが可能である限りにおいて種々の構成を採用することが可能であるが、本実施の形態においては、通電時に上記駆動軸40を回転駆動するモータを備えている。なお、図示しないが上記駆動機本体41がハンドルを備え、手動で上記ハンドルを回転することにより上記駆動軸40を回転駆動するとしてもよい。
【0024】
また、上記駆動軸40は、駆動機本体41に取り付けられて上記駆動機本体41で回転駆動されるシャフト8と、このシャフト8と巻上軸2とを連結する筒状の連結部材6と、この連結部材6の外周に取り付けられてスリップローラ50の内周面に当接する介装部材7とを備えて構成されている。
【0025】
上記連結部材6は、
図3に示すように、内側に上記シャフト8が挿入される筒状の第一保持部60と、この第一保持部60の一方側に同軸に連なるとともに内側に巻上軸2の駆動機4側端部が挿入される筒状の第二保持部61とを備えている。上記第一保持部60の外周には、軸方向の両端に周方向に沿う環状のフランジ部62,62が設けられている。さらに、第一保持部60及び第二保持部61には、第一保持部60及び第二保持部61の肉厚を貫通するとともに、直径方向に対向して配置される一対の孔60a,61a(対となる一方の孔60a,61aのみを図示し、他方の孔を図示せず。)がそれぞれ形成されている。
【0026】
上記連結部材6の外周に取り付けられる介装部材7は、本実施の形態において、半割筒状に形成される一対の介装片70,70からなり、これら各介装片70,70にも、各介装片70,70の肉厚を貫通する孔70aがそれぞれ形成されている。
【0027】
そして、上記第一保持部60内にシャフト8(
図2)を挿入した状態で、一方の介装片70から他方の介装片70に、第一保持部60の対となる孔60a(対となる一方の孔60aのみを図示し他方の孔を図示せず。)や,介装片70の孔70a,70aを介してボルトB1を貫通させ、その先端にナットN1を螺合することにより、駆動機本体41と連結軸40とを連結できる。このとき、介装部材7は、第一保持部60の外周におけるフランジ部62,62で位置決めされる。
【0028】
さらに、第二保持部61内に巻上軸2の駆動機側端部を挿入した状態で、第二保持部61の対となる孔61a(対となる一方の孔61aのみを図示して他方の孔を図示せず。)にそれぞれボルト(図示せず)を貫通させ、その先端にナット(図示せず)を螺合したり、孔61aにボルトを捻じ込み、このボルトの先端を巻上軸2の外周面に押し当てたりすることにより、駆動軸40と巻上軸2とを連結できる。上記構成によれば、シャフト8と巻上軸2とを、連結部材6を介して同軸上に連結することができるとともに、駆動機本体41は、駆動軸40を介して巻上軸2を回転駆動することができる。
【0029】
もどって、各介装片70,70の周方向の長さは、第一保持部60の外周の半分の長さよりも短く設定されており、第一保持部60の外周に取り付けられたとき、周方向の両端部の間に隙間ができるようになっている(
図5)。したがって、介装片70の周方向長さや、第一保持部60の外径にバラツキがあったとしても、介装部材7と連結部材6との間に隙間が生じてガタつくことを抑制できる。
【0030】
なお、本実施の形態において、駆動軸40は、駆動機本体41で回転駆動されるシャフト8と、このシャフト8と巻上軸2とを連結する筒状の連結部材6と、この連結部材6の外周に取り付けられる介装部材7とを備えて構成されているが、シャフト8、連結部材6及び介装部材7の何れか、或いは、全てが一体化されるとしてもよい。
【0031】
つづいて、上記駆動機4をガイド柱3に沿って移動させる移動部材5は、
図2に示すように、筒状に形成されてガイド柱3の外周面に当接するスリップローラ50と、ガイド柱3の反スリップローラ側の外周面に当接しガイド柱3の軸方向に並んで配置される二つの従動ローラ51,51とを備えている。
【0032】
そして、本実施の形態において、スリップローラ50は、筒状に形成されて内側に駆動軸40が挿通されている。また、スリップローラ50の内径は、駆動軸40の外径よりも大きく形成されており、駆動軸40が内側に挿入されたとき、当該駆動軸40との間に隙間aができるようになっている(
図5)。このため、スリップローラ50は、駆動軸40と周方向の相対回転が許容されるとともに、軸方向の相対移動が許容されている。さらに、スリップローラ50の中心軸が、駆動軸40の中心軸に対して、交差、或いは、立体交差することが許容されており、駆動軸40がスリップローラ50内で、当該スリップローラ50に対して傾斜できるようになっている。
【0033】
また、本実施の形態において、上記スリップローラ50は、軸方向の両端部50a,50bの外径が中央部(符示せず)よりも大きくなるように設定されている。このため、上記両端部50a,50bでスリップローラ50がガイド柱3から外れることを抑制できる。
【0034】
もどって、本実施の形態において、移動部材5は、
図4に示すように、駆動機本体41に連結されるハウジング52と、このハウジング52に固定されて従動ローラ51の軸心部を貫通する二本の支持軸53a,53bとを備え、各支持軸53a,53bの外周面に上記各従動ローラ51がそれぞれ摺接し、回転可能となっている。
【0035】
そして、上記ハウジング52は、上記両支持軸53a,53bの一方側端部が並んで連結される第一支持片52aと、この第一支持片52aに対向して起立するとともに一方の支持軸53aの他方側端部が連結される第二支持片52bと、同じく上記第一支持片52aに対向して起立するとともに他方の支持軸53bの他方側端部が連結される第三支持片52cと、上記第二支持片52bと第三支持片52cとを繋ぐとともに駆動機側固定用のボルトB2及びナットN2を介して駆動機本体41に連結される連結部52dとを備えている。
【0036】
さらに、本実施の形態においては、駆動機本体41をハウジング52にボルトB2で連結した後、駆動機本体41と連結部52dとの間にプレート55(
図2)を挿し込み、ハウジング52の下側からボルトB4捻じ込んでプレート55を押し上げることで、駆動機本体41のハウジング52に対する揺動を防いでいる。なお、例えば、駆動機本体41とハウジング52が二以上のボルトB2で連結され、揺動しない構造となっていれば、プレート55やボルトB4を廃するとしてもよい。
【0037】
また、上記ハウジング52は、第一支持片52aと、第二支持片52b及び第三支持片52cとを連結するとともに、第一支持片52aと第二支持片52bの間隔及び第一支持片52aと第三支持片52cの間隔を所定に維持するため、第一支持片52aと第二支持片52bとの間及び第一支持片52aと第三支持片52cとの間に、連結軸54を上記支持軸53a,53bの下側にそれぞれ架設している(
図4(a))。
【0038】
そして、本実施の形態において、上記支持軸53a,53b及び連結軸54,54は、共通の構成を備えており、第一支持片52aと第二支持片52bとの間若しくは第一支持片52aと第三支持片52cとの間に配置される筒状のスペーサW1及びワッシャW2と、第二支持片52b若しくは第三支持片52cの外側からスペーサW1及びワッシャW2の軸心部を通り、第一支持片52aの外側に貫通するボルトB3と、このボルトB3の先端部に螺合するナットN3とを備えている(
図4(c))。
【0039】
つづいて、上記二つの従動ローラ51,51は、上記各支持軸53a,53bを構成するスペーサ(符示せず)の外周面に摺接して回転可能となっており、上記スペーサよりも軸方向長さが短く形成されているため、スペーサの軸方向に沿って移動することが可能である。また、二つの従動ローラ51,51の外周は、中央部が括れて両端部51a,51bにかけて拡径されており、鼓状に形成されている。このため、上記両端部51a,51bで従動ローラ51がガイド柱3から外れることを抑制できる。
【0040】
さらに、移動部材5は、ガイド柱3に取り付けられたとき、
図5に示すように、ガイド柱3の軸方向に沿って従動ローラ51、スリップローラ50、従動ローラ51の順に配置されるように設定されており、スリップローラ50及び二つの従動ローラ51,51の回転中心が略平行に配置され、ガイド柱3の軸心線に対してほぼ垂直になるように設定されている。そして、上記スリップローラ50と上側(
図5中左側)に位置する従動ローラ51とでガイド柱3を挟んでいる。なお、
図5中には、駆動機本体41を省略し、駆動機本体側からみた開閉装置Aを示している。
【0041】
次に、本実施の形態に係る開閉装置Aの作動について説明する。
【0042】
駆動機4で巻上軸2を正転(
図5(a)中矢印r1方向に回転)させて開閉シート1を巻き取る開工程において、巻上軸2は、開閉シート1を巻き取りながら、内張りパイプP2上を
図5中左側に移動するとともに、駆動軸40は、スリップローラ50及び上側の従動ローラ51を回転させながらガイド柱3上を
図5中左側に移動する。
【0043】
このとき、スリップローラ50とガイド柱3との間に働く摩擦力や、駆動軸40における介装部材7とスリップローラ50との間に働く摩擦力により、スリップローラ50が駆動軸40と同方向(
図5(a)中矢印r1方向)に回転するとともに、上側(
図5中(a)中左側)の従動ローラ51とガイド柱3との間に働く摩擦力により上側の従動ローラ51がスリップローラ50と逆方向に回転して、駆動機4がガイド柱3に沿って上昇することができる。
【0044】
反対に、駆動機4で巻上軸2を逆転(
図5(b)中矢印r2方向に回転)させ開閉シート1を繰り出す閉工程において、巻上軸2は、開閉シート1を繰り出しながら、内張りパイプP2上を
図5中右側に移動するとともに、駆動軸40は、スリップローラ50及び上側の従動ローラ51を回転させながらガイド柱3上を
図5中右側に移動する。
【0045】
このとき、スリップローラ50とガイド柱3との間に働く摩擦力や、駆動軸40における介装部材7とスリップローラ50との間に働く摩擦力により、スリップローラ50が駆動軸40と同方向(
図5(b)中矢印r2方向)に回転するとともに、上側(
図5中(b)中左側)の従動ローラ51とガイド柱3との間に働く摩擦力により上側の従動ローラ51がスリップローラ50と逆方向に回転して、駆動機4がガイド柱3に沿って下降することができる。
【0046】
また、開工程、閉工程の何れにおいても、巻上軸2に巻き取られた開閉シート1量が少なく、駆動機4が巻上軸2に対して先行すると、介装部材7とスリップローラ50との当接部でスリップが起こり、駆動軸40がスリップローラ50内で空転し、スリップローラ50の進行が抑制されるので、駆動機4は、巻上軸2を待って移動することになる。
【0047】
さらに、駆動機4が巻上軸2に対して先行すると、駆動軸40と従動ローラ51の進行方向がガイド柱3に対して斜めになり開閉シート1側を向く。このとき、スリップローラ50内で駆動軸40がスリップローラ50に対して傾斜できるので、スリップローラ50の進行方向がガイド柱3に対して斜めになることを抑制し、従来のように自在鉤状となって、移動部材5の移動が規制されることを抑制できる。
【0048】
さらに、閉工程において、巻上軸2に巻き取られた開閉シート1量が少ない場合であって、ガイド柱3の傾斜角度が小さく、地面と極めて平行に近い場合(例えば、ガイド柱3の傾斜角度が5度以内)には、ガイド柱3にかかる力が大きくなり、下側に向かう力が極めて小さくなる。そこで、図示しないが、巻上軸2を下側(閉じ方向)に附勢する附勢手段を設け、スリップローラ50が回転できないまま、スリップローラ50内で駆動軸40がその場で空転することを抑制することが好ましい。
【0049】
反対に、開工程において、巻上軸2に巻き取られた開閉シート1量が多く、駆動機4が巻上軸2に対して遅れた場合、この巻上軸2に駆動機4及び移動部材5が引き上げられて、駆動機4が巻上軸2に追いつく。また、閉工程において、巻上軸2に巻き取られた開閉シート1量が多く、駆動機4が巻上軸2に対して遅れた場合、巻上軸2、この巻上軸2に巻き取られた開閉シート1及び駆動機4の重みで駆動機4が巻上軸2に追いつく。
【0050】
さらに、駆動機4が巻上軸2に対して遅れた場合には、駆動軸40と従動ローラ51の進行方向がガイド柱3に対して斜めになり、駆動機本体41側を向くが、上記したように、スリップローラ50内で駆動軸40がスリップローラ50に対して傾斜できるので、スリップローラ50の進行方向がガイド柱3に対して斜めになることを抑制し、従来のように自在鉤状となって、移動部材5の移動が規制されることを抑制できる。
【0051】
次に、本実施の形態に係る開閉装置Aの作用効果について説明する。
【0052】
本実施の形態において、移動部材5は、各従動ローラ51,51に対応する二本の支持軸53a,53bを備えている。また、ハウジング52は、両支持軸51a,51bの一方側端部が並んで連結される第一支持片52aと、この第一支持片52aに対向して起立するとともに一方の支持軸53aの他方側端部が連結される第二支持片52bと、同じく上記第一支持片52aに対向して起立するとともに他方の支持軸53bの他方側端部が連結される第三支持片53cとを備えており、一方の上記従動ローラ51が上記第一支持片52aと第二支持片52bとの間に配置され、他方の上記従動ローラ51が上記第一支持片52aと第三支持片53bとの間に配置されている。
【0053】
このため、各従動ローラ51,51の支持軸53a,53bに沿う移動をハウジング52で規制することができる。また、従動ローラ51,51とスリップローラ50は、ガイド柱3を挟みながら同時に支持軸53a,53bに沿って移動するため、従動ローラ51,51の移動を規制することで、スリップローラ50の移動を同時に規制することができる。なお、移動部材5の構成は、上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
【0054】
また、本実施の形態において、従動ローラ51が二つ設けられ、一方の従動ローラ51、スリップローラ50、他方の従動ローラ51の順にガイド柱3に沿って配置されている。
【0055】
上記構成によれば、上側(
図5中左側)に位置する従動ローラ51とスリップローラ50とでガイド柱3を挟み、移動部材5がガイド柱3に沿って円滑に移動することが可能となる。また、本実施の形態と逆方向に傾斜したガイド柱(図示せず)に移動部材5を取り付けた場合には、上記実施の形態において下側(
図5中右側)に位置する従動ローラ51が上側に位置するため、この従動ローラ51とスリップローラ50とでガイド柱3を挟むことが可能となる。したがって、移動部材5を傾斜方向の異なるガイド柱3に対応させることが容易に可能となる。なお、従動ローラ51の数や配置は、上記の限りではなく、適宜変更することができる。
【0056】
また、本実施の形態において、移動部材5は、駆動機本体41に連結されるハウジング52と、このハウジング52に固定されて従動ローラ51,51の軸心部を貫通する支持軸53a,53bとを備え、支持軸53a,53bの外周面に従動ローラ51,51が摺接している。
【0057】
上記構成によれば、従動ローラ51を回転可能で、支持軸53a,53bに沿って移動可能とすることが容易に可能となる。なお、従動ローラ51は、ハウジング52に支持されて、支持軸53a,53bとともに回転するとしてもよく、従動ローラ51の構成は適宜変更することが可能である。
【0058】
また、本実施の形態において、スリップローラ50と従動ローラ51,51は、それぞれ軸方向(
図6中左右)に移動することが可能である。そして、スリップローラ50の両端部50a,50bがスリップローラ50の中央部(符示せず)よりも大径に形成されるとともに、従動ローラ51,51の両端部51a,51bが従動ローラ51,51の中央部(符示せず)よりも大径に形成されている。
【0059】
上記構成によれば、ガイド柱3が多少歪んでいたとしても、
図6に示すように、ガイド柱3の歪みに追従してスリップローラ50及び従動ローラ51,51が
図6中左右に移動することができ、移動部材5で駆動機4をガイド柱3に沿って安定的に移動させることが可能となる。なお、スリップローラ50や従動ローラ51の形状は、上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
【0060】
また、本実施の形態において、駆動軸40は、駆動機本体41で回転駆動されるシャフト8と、このシャフト8と巻上軸2とを連結する筒状の連結部材6と、この連結部材6の外周に取り付けられてスリップローラ50の内周面に当接する介装部材7とを備えている。
【0061】
上記構成によれば、シャフト8と、連結部材6と、介装部材7とを異なる素材で形成することができ、機能や要求される性能ごとに最適材料を選択できる。したがって、駆動軸40を形成し易い。なお、駆動軸40の構成は適宜変更することが可能であり、例えば、
図7に示すように、連結部材6のフランジ部62を大径にして、スリップローラ50が介装部材7から外れることを抑制するストッパSとして機能させるとしてもよい。また、上記ストッパSをスリップローラ50に設けるとしてもよい。上記したようにストッパSを設けることで、スリップローラ50が介装部材7から外れて疵付くことを抑制できる。
【0062】
また、本実施の形態において、介装部材7は、半割筒状に形成される一対の介装片70,70からなり、連結部材6の外周に取り付けられたとき、向かい合う両介装片70,70の周方向の両端部の間に隙間が形成される。
【0063】
上記構成によれば、介装部材7の内径や連結部材6の外径にバラツキがあったとしても、連結部材6の外周に介装部材7をガタツキなく取り付けることが可能となる。なお、本実施の形態において、介装部材7は、二分割されているが、筒状に形成されて分割されていなくてもよく、三以上に分割されていてもよい。
【0064】
また、本実施の形態において、移動部材5は、筒状に形成されてガイド柱3の外周面に当接するスリップローラ50と、ガイド柱3の反スリップローラ側の外周面に当接する一以上の従動ローラ51,51とを備えおり、スリップローラ50の内側に駆動軸40が挿通されるとともに、スリップローラ50と駆動軸40との間に隙間aが形成されている。
【0065】
上記構成によれば、ガイド柱3の傾斜角度に関わらず、スリップローラ50と駆動軸40との摺動で、駆動機4の巻上軸2に対する先行や遅れを抑制できる。さらに、駆動軸40がスリップローラ50内で、当該スリップローラ50に対して傾斜できるので、従来のように自在鉤状となることがなく、移動部材5の移動が規制されることを抑制できるとともに、ガイド柱3の歪みを許容できる。
【0066】
また、スリップローラ50と駆動軸40との間に隙間aが形成されているので、スリップローラ50の内径や駆動軸40の外径にバラツキがあったり、上記隙間aに異物が入ったりしたとしても、スリップローラ50と駆動軸40との相対回転や相対移動が阻止されることがなく、スリップローラ50や駆動軸40の加工を容易にし、安価に形成できる。
【0067】
なお、スリップローラ50の外周面に、周方向や軸方向に沿う溝を形成し、スリップローラ50とガイド柱3との間に働く摩擦力を変えてもよく、また、スリップローラ50の内周面や駆動軸40の外周面に、周方向や軸方向に沿う溝を形成し、スリップローラ50と駆動軸40との間に働く摩擦力を変えてもよい。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。