特許第6181535号(P6181535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181535レーザハンドピース、及びレーザ治療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181535
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】レーザハンドピース、及びレーザ治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/20 20060101AFI20170807BHJP
   A61C 3/02 20060101ALI20170807BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   A61B18/20
   A61C3/02 R
   A61N5/067
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-254022(P2013-254022)
(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-112135(P2015-112135A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(72)【発明者】
【氏名】岡上 吉秀
(72)【発明者】
【氏名】岩本 眞吾
(72)【発明者】
【氏名】濱田 和典
【審査官】 伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−328197(JP,A)
【文献】 実開昭60−144410(JP,U)
【文献】 特開2001−309926(JP,A)
【文献】 特開2000−166942(JP,A)
【文献】 特表2010−518978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/20
A61C 3/02
A61N 5/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ伝送路を介して導光されたレーザ光を、ハンドピースハウジングの先端に配置したレーザ照射部より照射するレーザハンドピースであって、
前記ハンドピースハウジングと、
前記レーザ照射部と、
前記ハンドピースハウジングと前記レーザ照射部との間に配置され、該ハンドピースハウジングに対して接続可能に構成した中継部材とで構成し、
前記ハンドピースハウジングに、
前記レーザ伝送路が接続されるとともに、前記レーザ伝送路から導光された前記レーザ光を導光する本体導光路と、
前記中継部材の接続を許容する接続許容部とを備え、
前記中継部材に、
前記接続許容部に接続された状態で前記本体導光路及び前記レーザ照射部と光学的に接続され、前記本体導光によって導光された前記レーザ光の前記レーザ照射部への導光を中継する中継導光路を備え
前記接続許容部を、前記中継部材を取り外した状態で、前記レーザ照射部の直接接続を許容する構成とした
レーザハンドピース。
【請求項2】
複数の異なる形状の前記中継部材を備えるとともに、前記ハンドピースハウジングに対して交換可能に構成した
請求項1に記載のレーザハンドピース。
【請求項3】
前記本体導光路及び前記中継導光路の少なくとも一方を、
中空導波路で構成した
請求項1または2に記載のレーザハンドピース。
【請求項4】
前記レーザ光を、Er:YAGレーザ、Er:YSGGレーザ、又は炭酸ガスレーザで構成した
請求項1乃至のうちいずれかに記載のレーザハンドピース。
【請求項5】
前記レーザ光を発生するレーザ発生源と、
該レーザ発生源における前記レーザ光の発生を制御するレーザ制御部と、
前記レーザ伝送路とを備えるとともに、
請求項1乃至のうちいずれかに記載の前記レーザハンドピースを前記レーザ伝送路に接続した
レーザ治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を患部に照射して治療を行うレーザ治療装置に関し、特に口腔内の切開、切削、凝固、止血及び充填物の除去などの歯科治療を、レーザ光を患部に照射して行うことができるレーザハンドピース及びレーザ治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体組織の患部にレーザ光を照射して、患部組織の蒸散、切開、凝固、止血などの治療を行うために、レーザハンドピースを備えた歯科用のレーザ治療装置が用いられている。特に、レーザハンドピースを備えたレーザ治療装置は、口腔内の歯牙蒸散、充填物の除去及び歯肉等生体軟組織の蒸散、切開、凝固及び止血などの処置を行うために用いられている。
【0003】
このようなレーザ治療装置は、レーザ発生源から発生されるレーザ光を、レーザ伝送路の導光用ファイバを介してレーザハンドピースまで導き、レーザハンドピースに設けられた照射用レーザチップ(レーザ照射部)から患部に照射して、上述のような治療を行うことができるように構成している。
【0004】
例えば、特許文献1には、ハンドピース先端の内筒体に着脱自在に装着できる外筒スリーブを設け、さらに硬組織用または軟組織用などの異なる種類の照射用レーザチップを適宣選択して着脱自在に装着でき、噴射流体をレーザ照射部位に向けて噴射するように構成されたレーザハンドピースが提案されている。
【0005】
あるいは、特許文献2には、ハンドピース先端の内筒体に着脱自在にレーザ光の光軸を屈折させる屈曲手段及び収束手段を内接した外筒スリーブを設け、さらに硬組織用、または軟組織用などの異なる種類の複数の照射用レーザチップのうち適宣選択した照射用レーザチップを着脱自在に装着でき、噴射流体をレーザ照射部位に向けて噴射するように構成されたレーザハンドピースが提案されている。
【0006】
しかしながら、上述したような従来のレーザ治療装置では、狭く複雑な形状である口腔領域の全域の治療を効率良く行うことができる安価なレーザハンドピースを提供することが困難であった。
【0007】
具体的には、特許文献1に示されたハンドピースによる治療では、大臼歯、あるいは、前歯舌側部の治療に対する満足な治療を行うことが困難となるという問題があった。
つまり、狭く複雑な形状である口腔領域の全域の治療を可能とするためには、例えば、歯面に垂直に接触できる屈曲型の照射用レーザチップが必要とされるが、この治療に必要とされるエネルギを安定して伝送するためには、例えば、直径600um程度の太い光ファイバを使用した照射用レーザチップが必要となる。
【0008】
一方、このような太い光ファイバで機械的強度等の安全性を確保するためには、例えば20mm以上の曲げ半径が必要であり、また、光ファイバの長尺化によりレーザ光のエネルギ損失が増大するという問題も発生する。
【0009】
その結果、大きな曲げ半径を有するとともに、エネルギ損失の高い屈曲型の照射用レーザチップでの狭い口腔内における大臼歯、あるいは、前歯舌側部の治療は困難であった。
【0010】
これに対し、特許文献2では、屈曲手段を有する外筒スリーブを設け、さらに適宣選択した照射用レーザチップを着脱自在に装着して、噴射流体をレーザ照射部位に向け噴射するようにレーザハンドピースを構成しており、このレーザハンドピースに短長のストレート型の照射用レーザチップを装着することにより、狭隘な口腔内での治療のための十分なスペースを確保できるとともに、治療に要する十分なエネルギのレーザ光を供給しての大臼歯、あるいは、前歯舌側部に対して、満足な治療ができるとされている。しかしながら、他の領域の治療においては治療部位の視覚確保に優れているなどの理由から特許文献1に示されたハンドピースを用いた治療が望まれている。
【0011】
したがって、口腔領域全域の治療を効率良く行うためには、例えば、大臼歯、あるいは、前歯舌側部の治療の際には特許文献2で提案されたようなハンドピースを用いて治療し、その他の治療の際には、特許文献1で提案されたハンドピースを用いて治療することが好ましい。
【0012】
しかし、上述したような治療を行うためのハンドピースの交換作業により、治療時間が長時間化し、患者負担が増大したり、また、複数種類のレーザハンドピースが必要となったりするため、効率的な治療が提供できるにもかかわらず、実施されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平7−051286
【特許文献2】特開平7−155335
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上述したような従来の問題点に鑑み、狭く複雑な形状である口腔領域全域の治療を効率良く行うことができるハンドピース及びレーザ治療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、レーザ伝送路を介して導光されたレーザ光を、ハンドピースハウジングの先端に配置したレーザ照射部より照射するレーザハンドピースであって、前記ハンドピースハウジングと、前記レーザ照射部と、前記ハンドピースハウジングと前記レーザ照射部との間に配置され、該ハンドピースハウジングに対して接続可能に構成した中継部材とで構成し、前記ハンドピースハウジングに、前記レーザ伝送路が接続されるとともに、前記レーザ伝送路から導光された前記レーザ光を導光する本体導光路と、前記中継部材の接続を許容する接続許容部とを備え、前記中継部材に、前記接続許容部に接続された状態で前記本体導光路及び前記レーザ照射部と光学的に接続され、前記本体導光によって導光された前記レーザ光の前記レーザ照射部への導光を中継する中継導光路を備え、前記接続許容部を、前記中継部材を取り外した状態で、前記レーザ照射部の直接接続を許容する構成としたことを特徴とする。
【0016】
この発明により、狭く複雑な形状である口腔領域全域の治療を効率良く行うことができる。
詳しくは、前記ハンドピースハウジングと、前記レーザ照射部と、前記ハンドピースハウジングと前記レーザ照射部との間に配置され、該ハンドピースハウジングに対して接続可能に構成した中継部材とで構成したハンドピースにおける前記ハンドピースハウジングに、前記レーザ伝送路が接続されるとともに、前記レーザ伝送路から導光された前記レーザ光を導光する本体導光路と、前記中継部材の接続を許容する接続許容部とを備え、前記中継部材に、前記接続許容部に接続された状態で前記本体導光路及び前記レーザ照射部と光学的に接続され、前記本体導光によって導光された前記レーザ光の前記レーザ照射部への導光を中継する中継導光路を備えたことにより、例えば、治療に応じた形状や機構の複数種のレーザ照射部を、前記ハンドピースハウジングにおける接続許容部に接続した中継部材に装着することで、中継部材に装備した中継導光路によって、ハンドピースハウジングに内蔵した本体導光路とレーザ照射部とが光学的に接続されるため、ハンドピースハウジングを交換することなく、治療に応じた形状や機構の複数種のレーザ照射部を用いて、効率的な治療を行うことができる。
【0017】
また、前記接続許容部を、前記中継部材を取り外した状態で、前記レーザ照射部の直接接続を許容する構成としたことにより、中継部材を接続して、レーザ照射部を装着する、あるいは、中継部材を取り外して、ハンドピースハウジングに直接レーザ照射部を装着するというように、治療に応じた様々な態様でレーザ照射部を装着して、効率的な治療を行うことができる。
【0018】
この発明の態様として、複数の異なる形状の前記中継部材を備えるとともに、前記ハンドピースハウジングに対して交換可能に構成することができる。
この発明により、レーザ照射部だけでなく、例えば、治療に応じた形状や機構を有する複数種の中継部材を交換可能に構成することで、さらに効率的な治療を行うことができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記本体導光路及び前記中継導光路の少なくとも一方を、中空導波路で構成することができる。
この発明により、導光するレーザ光の伝送効率を低減させることなく、また湾曲動作に対して損傷することもないハンドピースを構成し、例えば、治療に応じて前記本体導光路や前記中継導光路を湾曲させるなど、より効率的且つ施術性の高い治療を行うことができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記レーザ光を、Er:YAGレーザ、Er:YSGGレーザ、又は炭酸ガスレーザで構成することができる。
この発明により、例えば、歯牙などの硬組織の蒸散、切削窩洞形成、歯周治療、根管治療及び充填前のエッチングならびに軟組織の止血や切開などを行うために好適な波長のEr:YAGレーザなど、治療に応じたレーザ光を用いることができる。
【0021】
またこの発明の態様は、前記レーザ光を発生するレーザ発生源と、該レーザ発生源における前記レーザ光の発生を制御するレーザ制御部と、前記レーザ伝送路とを備えるとともに、上述の前記レーザハンドピースを前記レーザ伝送路に接続したレーザ治療装置であることを特徴とする。
この発明により、上述したように、効率的な治療を行うことができる。
【0022】
この発明により、狭く複雑な形状である口腔領域全域の治療を効率良く行うことができるハンドピース及びレーザ治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】レーザ治療装置の外観斜視図。
図2】レーザ治療装置についての概略説明図。
図3】ハンドピースの説明図。
図4】中空導波路の説明図。
図5】ハンドピースの説明図。
図6】ハンドピースの説明図。
図7】ハンドピースの説明図。
図8】ハンドピースの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の本実施形態を以下図面とともに説明する。
図1はレーザ治療装置1の外観斜視図を示し、図2はレーザ治療装置1についての概略説明図を示し、図3及び図5乃至8はレーザハンドピース4の説明図を示し、図4は中空導波管5の説明図を示している。
【0025】
なお、図2は、レーザハンドピース4の断面図を用いたレーザ治療装置1の概略ブロック図を示し、図3(a)はレーザハンドピース4の正面図を示し、図3(b)はレーザハンドピース4の分解断面図を示している。また、図1乃至4において、プローブ型レーザ照射部10を装着したレーザハンドピース4について図示している。
【0026】
また、図5(a)はプローブ型レーザ照射部10をハンドピースハウジング42に直接装着したレーザハンドピース4の断面図を示し、図5(b)は直状プローブ型レーザ照射部10aを装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図5(c)は直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に直接装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図5(d)は延長中継部材50aを介して直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示している。
【0027】
また、図6(a)は屈曲中継部材50bを介してプローブ型レーザ照射部10をハンドピースハウジング42に装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図6(b)は屈曲中継部材50bを介して直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示している。
【0028】
また、図7(a)はコントラ型レーザ照射部10bを装着したレーザハンドピース4の正面図を示し、図7(b)はコントラ型レーザ照射部10bを装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図7(c)はコントラ型レーザ照射部10bを装着したレーザハンドピース4の分解断面図を示している。
【0029】
また、図8(a)はコントラ型レーザ照射部10bをハンドピースハウジング42に直接装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図8(b)は中継部材50を介してコントラ型レーザ照射部10cをハンドピースハウジング42に装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示し、図8(c)は屈曲中継部材50bを介してコントラ型レーザ照射部10bをハンドピースハウジング42に装着するレーザハンドピース4の分解断面図を示している。
【0030】
本実施例のレーザ治療装置1は、図1及び図2に示すように、装置本体2と、装置本体2に接続するレーザ伝送路3と、レーザ伝送路3の一端に接続したレーザハンドピース4とで構成している。
【0031】
装置本体2は、図2に示すように、空気や不活性ガス等の気体を供給するための気体供給源21と、レーザ光を発生するレーザ発生源22と、水または生理食塩水等の液体を供給するための液体供給源23と、後述するフートコントローラ24や操作ボタン26による指示操作に基づいて、気体供給源21、レーザ発生源22及び液体供給源23を制御する制御部20を内蔵するとともに、底部側側面には操作するためのフートコントローラ24が接続され、上面側に操作ボタン26が配置されている。さらに、装置本体2の上面には、内部に配置した気体供給源21,レーザ発生源22及び液体供給源23に接続され、レーザ伝送路3の基端側に配置された接続コネクタ34の嵌合接続を許容する接続コネクタ25を設けている。
【0032】
なお、本実施形態において、レーザ発生源22は、OH基を含む生体組織に対し極めて高い吸収率を持ち、歯牙などの硬組織の蒸散、切削窩洞形成、歯周治療、根管治療及び充填前のエッチングならびに軟組織の止血や切開などを行うために好適に用いることができる、例えば、発振幅50μ秒〜1000μ秒、繰返し発振数1Hz〜50Hz、最大エネルギ1J/パルスのレーザ照射の調整が可能な波長2.94μmで発振するEr:YAG(エルビウムヤグ)レーザを発振するように構成している。
【0033】
気体供給源21から供給された気体、レーザ発生源22で発光されたレーザ光、及び液体供給源23から供給された液体は、レーザ伝送路3を介してレーザハンドピース4に供給するよう構成している。
【0034】
レーザ伝送路3は、気体を送給する流路である気体送給管31、光ファイバで構成する光伝送体32、及び液体を送給する流路である液体送給管33で構成している。ここで光伝送体32は、伝送するレーザ光に適した伝送効率を有するものであれば中実ファイバ及び中空ファイバのいずれも採用することができる。
【0035】
なお、気体送給管31の装置本体2側の端部は気体供給源21に接続され、反対側の端部である内部気体送給管31aはレーザハンドピース4内で挿入接続されている。同様に、光伝送体32の装置本体2側の端部はレーザ発生源22に接続され、反対側の端部である内部光伝送体32aはレーザハンドピース4内で挿入接続されている。そして、液体送給管33の装置本体2側の端部は液体供給源23に接続され、反対側の端部である内部液体送給管33aはレーザハンドピース4内で挿入接続されている。
【0036】
レーザハンドピース4は、施術者が把持するハンドピース本体41と、ハンドピース本体41の先端部に着脱自在に装着されるプローブ型レーザ照射部10とで構成している。
ハンドピース本体41は、中空円筒形のハンドピースハウジング42と、円筒状の中継部材50とを、ハンドピース後方(図2において右側)から前方(図2において左側)に向かってこの順で配置して構成している。
【0037】
ハンドピースハウジング42は、後端が有底となる寝位の中空円筒形であり、前端に中継部材50の後端に形成した螺合部57の螺合による装着を許容する螺合装着部42aを有する構成である。なお、上述の内部気体送給管31aはハンドピースハウジング42の内部で、中継部材50に配置された気体流路55に接続パイプ55aで接続されている。同様に、内部液体送給管33aはハンドピースハウジング42の内部において、中継部材50に配置された液体流路56に接続パイプ56aで接続されている。さらに、内部光伝送体32aは、ハンドピースハウジング42の内部で、中継部材50に配置されたフェルール51に接続されている。
【0038】
ハンドピースハウジング42の前側(図2において左側)に装着する中継部材50は、軸線Lに沿って配置されたフェルール51と、その外側に配置された気体流路55及び液体流路56を内蔵している。また、中継部材50の後端にはハンドピースハウジング42の螺合装着部42aに螺合する螺合部57を有し、前端には後述するプローブ型レーザ照射部10の装着部11の螺合部11aの螺合による装着を許容する螺合装着部58を有している。
【0039】
フェルール51は、内部光伝送体32aが後端部に接続されるとともに、レンズ53及び中継導光路54が配設されたレンズホルダ52を内部に装着している。
レンズ53は、中継導光路54の装置本体2側に配置した基端側レンズ53aと、中継導光路54のプローブ型レーザ照射部10側に配置した先端側レンズ53bとがあり、内部光伝送体32aに対向する基端側レンズ53aは、光伝送体32からのレーザ光を集光して、中継導光路54に伝送し、中継導光路54のプローブ型レーザ照射部10側に配置した先端側レンズ53bは、中継導光路54を伝送されたレーザ光をプローブ型レーザ照射部10に導くよう構成している。
【0040】
なお、中継導光路54及び内部光伝送体32aは、図4に示す中空導波管6で構成している。
中空導波管6は、基材となるガラスファイバ管60と、ガラスファイバ管60の内面において径外方向から径内方向に向かって順に配置された内保護膜61、銀薄膜62及び誘電体薄膜63と、ガラスファイバ管60の外面を被覆する外面被覆層64とで構成している。そして、中空内部に導通空間6aを構成している。
【0041】
ガラスファイバ管60は、適宜の厚み且つ中空のガラスファイバ製のガラスキャピラリで構成している。
ガラスファイバ管60の内面に構成する内保護膜61は、滑沢性、ガラスに対する接着性、及び耐水性の高い室温湿気硬化型特殊無機塗料によって構成されたシロキサン硬化薄膜(無機薄膜)である。
【0042】
更に詳しくは、内保護膜61は、二酸化ケイ素(SiO2)で構成する液状の主剤と、液状の硬化剤とを混合し、常温硬化後は高硬度で、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐摩耗性、耐汚染性に優れた薄膜である。また、メチルエチルケトン、エタノール、エーテル、ベンジン及び無鉛ガソリン等の有機溶剤に対する耐溶剤性を有している。
銀薄膜62は、硝酸銀水溶液にアンモニアを加えた銀液を用いて銀鏡反応させて成膜した銀製の薄膜である。
【0043】
誘電体薄膜63は、反射又は屈折によりレーザ光を効率よく伝送する適宜の有機性材料であり、シクロヘキサンとシクロオレフィンポリマー樹脂で構成する透明の環状オレフィンポリマーで成膜している。
外面被覆層64は、ガラスファイバ管60の外面を、上述の環状オレフィンポリマーで被覆している。
【0044】
なお、ガラスファイバ管60の外面に備えた、シクロヘキサンとシクロオレフィンポリマー樹脂で構成する環状オレフィンポリマーによる外面被覆層64のさらに外側に、図4において点線で示すように、外保護膜65を備えてもよい。外保護膜65を備えることにより、湾曲動作に対する耐久性をより向上することができる。
【0045】
詳しくは、ガラスファイバ管60の外面に、シクロヘキサンとシクロオレフィンポリマー樹脂で構成する環状オレフィンポリマーによる外面被覆層64を備え、外面被覆層64のさらにその外側に、接着性、耐水性の高い室温湿気硬化型特殊無機塗料によって構成する外保護膜65を備えることにより、ガラスファイバ管60の外面に対して外力が作用し、ガラスファイバ管60の外表面における微小欠陥が生じることを防止して、湾曲動作に対する耐久性を向上している。
【0046】
内部気体送給管31aが接続された気体流路55及び内部液体送給管33aが接続された液体流路56は、中継部材50の前方まで配置され、プローブ型レーザ照射部10に接続されている。この構成により、気体供給源21から供給された気体は気体送給管31及び気体流路55を通ってプローブ型レーザ照射部10に送給され、液体供給源23から供給された液体は、液体送給管33及び液体流路56を通ってプローブ型レーザ照射部10に送給される。
【0047】
次に、プローブ型レーザ照射部10について説明する。
プローブ型レーザ照射部10は、中継部材50の螺合装着部58に対して螺合する螺合部11aを有する装着部11と、チップ本体12とで構成している(図2参照)。
【0048】
チップ本体12は、軸線Lに沿って配置された導光路13と、導光路13を被覆する保護用パイプ14と、その外側に配置した中空状の第1パイプ15と、さらにその外側に配置した中空状の第2パイプ16とで構成している。
なお、チップ本体12は、保護用パイプ14で覆われた曲線部12aと、保護用パイプ14から導光路13が露出する直線部12bとで構成している。
【0049】
導光路13は、装着部11の後端部(図5において右端)からチップ本体12の先端まで連続する1本の石英製光ファイバからなり、装着部11からハンドピースハウジング42側に露出する入射側の端部を入射端部13aとしている(図2参照)。また、ハンドピースハウジング42側の反対側である先端側の端部を出射先端部13bとしている。なお、光ファイバの材質は石英に限らずサファイア等を採用することもできる。
【0050】
導光路13は、シングルコアの光ファイバであり、中心に存在するコアとクラッドよりなるファイバ芯部131と、ファイバ芯部131を被覆するジャケット132とで構成している。
そして、直線部12bにおける導光路13は、保護用パイプ14に覆われずに露出している。
【0051】
また、保護用パイプ14から露出した導光路13の先端の出射先端部13bは、軸線Lの前方となる下方に向かって先細りの円錐台形状で形成している。詳述すると、出射先端部13bは、軸線Lの前方となる下方に向かってレーザ光を照射する円形先端面13baと、軸線Lに対して放射方向にレーザ光を照射する傾斜側面13bbとで構成する円錐台形状で形成している。
【0052】
また、入射端部13aは中継部材50の内部において、先端側レンズ53bに対向配置されているため、レーザ発生源22で発振して発光されたーザ光は、光伝送体32、基端側レンズ53a、中継導光路54及び先端側レンズ53bを介して入射端部13aから入射され、導光路13を通って出射先端部13bから照射することができる。
【0053】
第1パイプ15は、装着部11内部に位置する後端15aから、保護用パイプ14の前端14aが一部露出する前端15bまでの間を、保護用パイプ14で被覆された導光路13を囲繞するように設けられている。
【0054】
また、第2パイプ16は、装着部11内部に位置する後端16aから、第1パイプ15の前端15bが一部露出する前端16bまでの間を、第1パイプ15の外側を囲繞するように設けられている。なお、保護用パイプ14、第1パイプ15及び第2パイプ16はステンレス鋼製のパイプで構成している。
【0055】
なお、導光路13、導光路13を被覆する保護用パイプ14、保護用パイプ14を囲繞する第1パイプ15、及び第1パイプ15を囲繞する第2パイプ16は、軸線Lを中心とする同心上に配置されている。
【0056】
また、保護用パイプ14と第1パイプ15との間のクリアランスにより第1流路空間17を構成するとともに、第1パイプ15と第2パイプ16との間のクリアランスにより第2流路空間18を構成している(図3a部拡大図参照)。
【0057】
そして、第1流路空間17は、第1パイプ15における前端15bの開口17aにおいて開放されるとともに、中継部材50内部において液体流路56に接続されている。このため、液体供給源23から供給された液体は、液体送給管33、液体流路56及び第1流路空間17を通って、開口17aから噴出される。
【0058】
同様に、第2流路空間18は、第2パイプ16における前端16bの開口18aにおいて開放されるとともに、中継部材50内部において気体流路55に接続されている。このため、気体供給源21から供給された気体は、気体送給管31、気体流路55及び第2流路空間18を通って、開口18aから噴出される。
【0059】
プローブ型レーザ照射部10をこのように構成しているため、第1流路空間17を介した液体の供給及び第2流路空間18を介した気体の供給は、レーザ治療装置1を用いた治療内容に応じて適宜選択することができ、気体単独、液体単独及び霧状態で噴出する気体液体混合の供給を後述するレーザ光の照射域に向けて行うことができる。
【0060】
このように構成したレーザ治療装置1は、ハンドピース本体41の先端に装着したプローブ型レーザ照射部10の出射先端部13bから口腔内の歯牙などの組織にレーザ光を照射することで、そのレーザ光照射部位の組織を蒸散及び切開することができる。
【0061】
なお、このように構成したレーザ治療装置1は、図5(a)に示すように、中継部材50を外して、チップ本体12により、プローブ型レーザ照射部10をハンドピースハウジング42に直接装着することができる。
【0062】
さらには、図5(b)に示すように、中継部材50を介して、直線部12bのみのチップ本体12で構成する直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に装着してもよく、直状プローブ型レーザ照射部10aを直接ハンドピースハウジング42に装着してもよい(図5(c)参照)。さらには、図5(d)に示すように、前後方向に長い延長中継部材50aを介して、直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に装着してもよい。もちろん図示省略するが、延長中継部材50aを介してプローブ型レーザ照射部10をハンドピースハウジング42に装着してもよい。
さらには、図6に示すように、略山形に曲がった屈曲中継部材50bを介して、プローブ型レーザ照射部10や直状プローブ型レーザ照射部10aをハンドピースハウジング42に装着してもよい。
【0063】
なお、延長中継部材50aは、中継部材50に対して前後方向に長く構成しているだけで、その他の構成は中継部材50と同じ構成であるため、同じ構成について同符号を付して、詳細な説明を省略する。また、屈曲中継部材50bも、延長中継部材50aに対して略山形に曲がって構成しているだけで、上述した延長中継部材50aと同じ構成であるため、同じ構成について同符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0064】
さらにまた、図7に示すように、装着部11より前方でチップ本体12が露出するプローブ型レーザ照射部10や直状プローブ型レーザ照射部10aの代わりに、ハンドピース本体41に軸方向、つまりレーザハンドピース4の前後方向に対して、レーザ光の照射方向を90度屈曲させたコントラ型レーザ照射部10bを用いてもよい。
【0065】
コントラ型レーザ照射部10bは、装着部11より、直線部12bが露出する直状プローブ型レーザ照射部10aに比べ、ヘッド19からの露出長さは短く、ヘッド19における導光路13の経路に、導光するレーザ光の導光方向を屈曲させる反射ミラー19aを備えている以外、その他の構成については、プローブ型レーザ照射部10や直状プローブ型レーザ照射部10aと同じであるため、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
このように構成したヘッド19を有するコントラ型レーザ照射部10bを、図7に示すように中継部材50を介してハンドピースハウジング42に装着してレーザハンドピース4を構成してもよく、図8(a)に示すように、コントラ型レーザ照射部10bを直接ハンドピースハウジング42に装着してもよい。さらに、コントラ型レーザ照射部10bを、屈曲中継部材50bを介してハンドピースハウジング42に装着してもよい(図8(c)参照)。
【0067】
また、ヘッド19における反射ミラー19aによるレーザ光の導光方向を、90度屈曲させるだけでなく、図8(b)に示すように、90度より小さい角度で屈曲させたコントラ型レーザ照射部10cを用いてもよい。
【0068】
もちろん、図示省略するが、コントラ型レーザ照射部10cをハンドピースハウジング42に直接装着してレーザハンドピース4を構成してもよく、コントラ型レーザ照射部10cを延長中継部材50aや屈曲中継部材50bを介してハンドピースハウジング42に装着してレーザハンドピース4を構成してもよい。もちろん、コントラ型レーザ照射部10bを延長中継部材50aを介してハンドピースハウジング42に装着してレーザハンドピース4を構成してもよい。
【0069】
このように、ハンドピースハウジング42に対して、中継部材50,延長中継部材50aあるいは屈曲中継部材50bを介して、プローブ型レーザ照射部10、直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10bあるいはコントラ型レーザ照射部10cを、ハンドピースハウジング42に装着してレーザハンドピース4を構成することができるため、治療の目的に応じて、プローブ型レーザ照射部や中継部材を適宜選択することで、効率のよい治療を行うことができる。
【0070】
つまり、レーザ伝送路3を介して導光されたレーザ光を、ハンドピースハウジング42の先端に配置したプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)より照射するレーザハンドピース4において、あるいは、レーザ光を発生するレーザ発生源22と、レーザ発生源22におけるレーザ光の発生を制御する制御部20と、レーザ伝送路3とを備えるとともに、上述のレーザハンドピース4をレーザ伝送路3に接続したレーザ治療装置1において、ハンドピースハウジング42と、プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)と、ハンドピースハウジング42とプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)との間に配置され、ハンドピースハウジング42に対して接続可能に構成した中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)とで構成し、ハンドピースハウジング42に、レーザ伝送路3が接続されるとともに、レーザ伝送路3から導光されたレーザ光を導光する内部光伝送体32aと、中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)の接続を許容する螺合装着部42aとを備え、中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)に、螺合装着部42aに接続された状態で内部光伝送体32a及びプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)と光学的に接続され、本体導光によって導光されたレーザ光のプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)への導光を中継する中継導光路54を備えたことにより、狭く複雑な形状である口腔領域全域の治療を効率よく行うことができる。
【0071】
詳しくは、上述の構成により、例えば、治療に応じた形状や機構の複数種のプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を、ハンドピースハウジング42における螺合装着部42aに接続した中継部材(中継部材50,延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)に装着することで、中継部材(中継部材50,延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)に装備した中継導光路54によって、ハンドピースハウジング42に内蔵した内部光伝送体32aとプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)とが光学的に接続されるため、ハンドピースハウジング42を交換することなく、治療に応じた形状や機構のプローブ型レーザ照射部10,直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10cを用いて、効率的な治療を行うことができる。
【0072】
また、複数の異なる形状の中継部材(中継部材50,延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)を備えるとともに、ハンドピースハウジング42に対して交換可能に構成したため、プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)だけでなく、例えば、治療に応じた形状や機構を有する複数種の中継部材(中継部材50,延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)を交換可能に構成することで、さらに効率的な治療を行うことができる。
【0073】
また、内部光伝送体32a及び中継導光路54を、中空導波管6で構成したため、導光するレーザ光の伝送効率を低減させることなく、また湾曲動作に対して損傷することもないハンドピースを構成し、例えば、治療に応じて内部光伝送体32aや中継導光路54を湾曲させるなど、より効率的且つ施術性の高い治療を行うことができる。
【0074】
また、螺合装着部42aを、中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)を取り外した状態で、プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を直接接続できるよう構成することができるため、中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)を接続して、プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を装着する、あるいは、中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)を取り外して、ハンドピースハウジング42に直接プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を装着するというように、治療に応じて様々な態様でプローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を装着して、効率的な治療を行うことができる。以上の説明は、施術部位や治療に応じた選択の例であるが、使用者の好みや慣れに応じて、プローブ型レーザ照射部10(直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10c)を選択したり、あるいは中継部材50(延長中継部材50a,屈曲中継部材50b)の有無や形状を選択したりすることもできる。
【0075】
また、レーザ光として、Er:YAGレーザをレーザ発生源22で発振させて用いたことにより、例えば、歯牙などの硬組織の蒸散、切削窩洞形成、歯周治療、根管治療及び充填前のエッチングならびに軟組織の止血や切開などの治療に応じたレーザ光を用いることができる。
【0076】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のレーザ照射部は、プローブ型レーザ照射部10,直状プローブ型レーザ照射部10a,コントラ型レーザ照射部10b,10cに対応し、
以下同様に、
中継部材は、中継部材50,延長中継部材50a,屈曲中継部材50bに対応し、
本体導光路は、内部光伝送体32aに対応し、
接続許容部は、螺合装着部42aに対応し、
レーザ制御部は、制御部20に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0077】
例えば、上述の説明では、生体組織の切開、蒸散等の応用のためには、他にもOH基を含む生体組織に対し極めて高い吸収率を持つレーザとして、Er:YAGレーザを用いたが、Er:YSGGレーザや炭酸ガスレーザ等を使用することができる。
【0078】
また、導光路13についても使用するレーザ光の波長帯での透過率が高く、レーザダメージに強いファイバであれば使用でき、例えば、波長2.94umのレーザ光に対しては、サファイアファイバ、ジンクセレンファイバなどの結晶ファイバ、カルコゲナイトファイバ、ゲルマニウムファイバ、脱水石英ファイバなどのガラスファイバ、あるいは中空導波路ファイバなどを用いることもできる。
【0079】
さらに、リレーファイバ38として、レーザダメージに強いファイバであれば、無水石英ファイバ、ジンクセレンファイバなどの結晶ファイバ、カルコゲナイトファイバ、ゲルマニウムファイバ、フッ化物ファイバなどのガラスファイバ、あるいは中空導波路ファイバなどを用いることもできる。
【符号の説明】
【0080】
1…レーザ治療装置
3…レーザ伝送路
4…レーザハンドピース
6…中空導波管
10…プローブ型レーザ照射部
10a…直状プローブ型レーザ照射部
10b,10c…コントラ型レーザ照射部
20…制御部
22…レーザ発生源
32a…内部光伝送体
42…ハンドピースハウジング
42a…螺合装着部
50…中継部材
50a…延長中継部材
50b…屈曲中継部材
54…中継導光路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8