(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記特定部が特定した利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合には、前記利用者の視野のうち、周辺視野に含まれる所定の位置に、前記所定の表示を出力し、前記特定部が特定した利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、前記所定の位置よりも利用者の中心視野に近い位置に、前記所定の表示を出力することを特徴とする請求項2に記載の情報通知装置。
前記出力部は、前記利用者の視野のうち、利用者が焦点を合わせることができない位置に、所定の表示を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報通知装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報通知装置、情報通知方法および情報通知プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報通知装置、情報通知方法および情報通知プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.出力処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る出力処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る出力処理の一例を示す図である。なお、以下では、
図1を用いて、ヘッドマウント装置10によって、利用者の位置に応じた表示が出力される例を説明する。
【0012】
ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、所定の表示を出力する情報出力装置である。詳細には、ヘッドマウント装置10は、利用者が装着可能な眼鏡型のウェアラブルデバイスである。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に任意の情報を表示するための表示手段と、かかる表示手段を制御するための情報処理装置とを有する。
【0013】
例えば、ヘッドマウント装置10は、自由曲面プリズムと投影装置を組み合わせ、光学的に任意の焦点距離で表示を出力する表示手段を有する。なお、例えば、ヘッドマウント装置10は、任意の表示を利用者の目に直接投影することができる表示手段を有してもよい。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に小型の表示装置を設置し、かかる表示装置に所定の焦点距離で結像する画像を表示する表示手段を有してもよい。すなわち、ヘッドマウント装置10は、任意の手段を用いて、利用者の視野内に表示を出力することができるものとする。
【0014】
また、ヘッドマウント装置10は、3G(Generation)、4G、LTE(Long Term Evolution)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)等の無線通信網を介してネットワークに接続することができる。また、ヘッドマウント装置10は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、ヘッドマウント装置10の位置を測定することができる。また、ヘッドマウント装置10は、地磁気センサを有しており、利用者が注視する方向を検出することができる。
【0015】
なお、ヘッドマウント装置10は、bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を用いて、図示を省略した携帯電話等の端末装置に接続し、接続した端末装置を介してネットワークに接続してもよい。
【0016】
なお、ヘッドマウント装置10は、同様の機能を発揮できる構成であれば、複数の装置を連携させて発揮させてもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に任意の表示を出力する眼鏡型の表示装置と、スマートフォン等の情報処理装置とが近距離無線通信を行い、連携して動作することで実現されてもよい。
【0017】
また、ヘッドマウント装置10は、インターネットを介して任意の情報を取得し、取得した情報を示す表示を利用者の視野内に出力することができる。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の周囲の地図や、目的地までのナビゲーション表示を利用者の視野内に表示することができる。なお、ヘッドマウント装置10は、Webページ、広告、各種操作画面、映画等の動画、動画を介した会話ツール等、任意のコンテンツを表示することができるものとする。
【0018】
ここで、ヘッドマウント装置10は、移動中の利用者の視野内に任意の情報を示す表示を出力した場合は、利用者が表示に注意を向けるので、利用者を危険にさらす場合がある。
【0019】
例えば、ヘッドマウント装置10がナビゲーション表示を所定の焦点距離で出力した場合、利用者は、かかるナビゲーション表示に焦点を合わせてしまい、周囲の光景に焦点を合わせることができなくなる。また、ヘッドマウント装置10がナビゲーション表示を無限遠の焦点距離で出力した場合、利用者は、出力されたナビゲーション表示を注視してしまう結果、周囲の光景に注意を向けることができなくなる。すなわち、利用者は、視野内に焦点を合わせることができる表示が存在する場合、係る表示を視認しようと無意識に焦点を合わせたり、注視したりしてしまう。このため、ヘッドマウント装置10は、移動中の利用者の視野内に焦点距離を合わせることができる表示を出力した場合は、利用者を危険にさらす場合がある。
【0020】
そこで、本実施形態に係るヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、利用者が焦点を合わせることができない表示を出力する出力処理を実行する。以下、本実施形態にかかわるヘッドマウント装置10が実行する出力装置について説明する。なお、以下の説明では、ヘッドマウント装置10が利用者の位置に応じた表示を利用者の視野内に表示する例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置に応じた表示以外にも、任意の情報を利用者に通知するための表示を行うことができる。
【0021】
例えば、人の目は、所定の距離よりも近い距離に焦点を合わせることができない。このため、一般に、利用者は、所定の距離よりも近い焦点距離で結像する表示が視野内に出力された場合は、かかる表示が出力されていることを認識することができるものの、係る表示に焦点を合わさず、無意識のうちに注意を向けようとはしない。
【0022】
そこで、ヘッドマウント装置10は、利用者の焦点が合わない表示(以下、ぼやけ表示と記載する。)を利用者の視野内に出力する。例えば、ヘッドマウント装置10は、故意にピントをずらした表示や、境界が不明瞭な発光領域を利用者の視野内に出力する。ここで、境界が不明瞭な発光領域は、例えば、利用者の目の近傍でLED(Light Emitting Diode)等を点灯させる、若しくは、境界を不明瞭にした画像を所定の照度よりも高い照度で利用者の視野内に出力することで実現できる。かかる処理を行った場合、利用者は、視野内にぼやけ表示が出力されている旨を認識することができるものの、ぼやけ表示に焦点を合わせようとはせず、周囲の光景に焦点を合わせる。
【0023】
この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させずに、所定の情報を通知することができる。例えば、ヘッドマウント装置10は、メールの受信通知や、利用者が歩行中の道が誤りである場合等に、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することで、メールの受信や、利用者が誤った道を歩いている等の情報を、利用者に通知することができる。
【0024】
[2.ぼやけ表示の表示態様について]
ここで、ヘッドマウント装置10は、利用者に所定の情報を通知するため、通知する情報の内容に応じて、利用者の視野内に表示したぼやけ表示の表示態様を変更する。具体例を説明すると、ヘッドマウント装置10は、ナビゲーション情報等、利用者の位置に応じた情報を利用者に通知する場合、利用者の視野内に表示したぼやけ表示の表示態様を変更する。
【0025】
例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置に応じて、ぼやけ表示の出力の有無、ぼやけ表示を点滅させるか否か、ぼやけ表示の点滅パターン、ぼやけ表示の大きさ、ぼやけ表示の色、出力するぼやけ表示の数や形状、ぼやけ表示を出力する位置、ぼやけ表示を出力する際の透過度や照度等を変更する。
【0026】
詳細な例を説明すると、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置と利用者の向きとを検出する。そして、ヘッドマウント装置10は、利用者の向きが、あらかじめ定められた所定の目的地の方向と一致する場合には、利用者の視野内に所定のぼやけ表示を出力する。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者を所定の目的地まで誘導することができる。なお、ヘッドマウント装置10は、インターネットを介して、所定の目的地までの道順を取得し、取得した道順から利用者が外れた場合には、利用者の視野内に所定のぼやけ表示を出力することで、利用者を所定の目的地まで誘導してもよい。
【0027】
また、例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置を検出し、検出した位置と目的地との距離が所定の閾値以下となる場合には、ぼやけ表示を点滅させる。また、ヘッドマウント装置10は、検出した位置と目的地との距離に応じて、ぼやけ表示を点滅させる周期を変更する。詳細には、ヘッドマウント装置10は、利用者が目的地に近づくほど、ぼやけ表示を早く点滅させてもよい。
【0028】
また、例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置を検出し、検出した位置と目的地との距離に応じて、ぼやけ表示を出力する大きさ、ぼやけ表示の色、透過度、照度等を変更する。詳細には、ヘッドマウント装置10は、利用者が目的地に近づくほど、大きなぼやけ表示を表示する、ぼやけ表示の透過度を減少させる、もしくは、ぼやけ表示の照度を上昇させてもよい。また、ヘッドマウント装置10は、利用者が目的地に近づくほど、表示するぼやけ表示の色を青色等、あらかじめ設定された色に近づけてもよい。
【0029】
また、ヘッドマウント装置10は、あらかじめ、利用者の視野内に所定の数のぼやけ表示を出力し、利用者が目的地に近づくほど、出力するぼやけ表示の数を減少させてもよい。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置と目的地までのルートとを検出し、利用者が次に曲がる交差点までの数を計数する。そして、ヘッドマウント装置10は、計数した数のぼやけ表示を利用者の視野内に出力してもよい。
【0030】
また、人の視野には、中心窩の周囲に位置する中心視野と、中心視野以外の領域である周辺視野とが存在する。ここで、利用者の注意は、主として中心視野内に存在するため、中心視野の範囲内にぼやけ表示を出力した場合は、利用者の注意を引いてしまう恐れがある。また、利用者は、周辺視野の領域に出力された表示に焦点をあわせることができない。このため、ヘッドマウント装置10は、周辺視野の範囲内にぼやけ表示を出力する。
【0031】
なお、視野に含まれる中心視野の領域と周辺視野の領域とは、利用者の状態によって変動する。例えば、利用者の視野は、利用者の移動速度によって変動することが知られている。詳細な例を説明すると、利用者が走行状態である場合の視野は、利用者が停止あるいは歩行している際の視野よりも狭くなる。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者が走行している際に、利用者が停止している際の周辺視野にぼやけ表示を出力すると、利用者に情報を通知することができなくなる場合がある。
【0032】
そこで、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度に応じて、ぼやけ表示を出力する位置を変更する。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報を取得し、取得した位置情報を用いて、利用者の移動速度を特定する。そして、ヘッドマウント装置10は、特定した移動速度が所定の閾値よりも遅い場合には、周辺視野の範囲に含まれる所定の位置にぼやけ表示を出力し、特定した移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、かかる所定の位置よりも中心視野に近い位置にぼやけ表示を出力する。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者が走行している場合等、利用者の視野が狭くなっている場合にも、利用者に所定の情報を通知することができる。
【0033】
[3.ぼやけ表示について]
ここで、ヘッドマウント装置10が利用者の視野内にぼやけ表示を出力する方法としては、物理的に焦点が合わない表示、機能的に焦点が合わない表示、映像的に焦点が合わない表示、および、光学的に焦点が合わない表示を行う方法が考えられる。以下、これらぼやけ表示を出力する方法の一例について説明する。
【0034】
[3−1.物理的に焦点が合わない表示について]
上述したように、人の目は、所定の距離よりも近い距離に焦点を合わせることができない。そこで、ヘッドマウント装置10は、利用者の目から、人の目が焦点を合わせることができる限界の距離よりも近い距離にLEDを設置し、かかるLEDを発光させることで、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。例えば、ヘッドマウント装置10は、眼鏡のフレーム部分や目に情報を出力する自由曲面プリズムの近傍にLEDを有し、かかるLEDを発光させる。かかる場合、利用者は、LEDが発光している旨を識別することができるものの、LEDに焦点を合わせることができない。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0035】
[3−2.映像的に焦点が合わない表示について]
例えば、ヘッドマウント装置10は、上述した表示手段を用いて、利用者の視野内にぼやけ表示を出力してもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、所定の色彩を有し、境界がぼやけた画像を利用者の視野内に表示する。この際、ヘッドマウント装置10は、境界がぼやけた画像を無限遠の焦点距離で表示してもよい。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、焦点を合わせにくい画像を表示してもよい。
【0036】
すなわち、ヘッドマウント装置10は、利用者の焦点が合っていない位置に設置された発光体が発光した際の光景を、所定の画像を表示する等といった処理により利用者の視野内で疑似的に再現する。かかる場合、利用者は、視野内に発光領域が存在している旨を識別することができるものの、かかる発光領域に焦点を合わせることは、原理的に不可能である。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0037】
[3−3.機能的に焦点が合わない表示について]
例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の焦点距離を測定し、測定した焦点距離とは異なる焦点距離で結像する表示を利用者の視野内に表示してもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、光学センサを用いて利用者の目の水晶体の厚さを測定し、測定結果に基づいて、利用者の目の焦点距離を特定する。そして、ヘッドマウント装置10は、特定した焦点距離とは異なる焦点距離で画像を表示することで、ぼやけ表示を実現してもよい。すなわち、ヘッドマウント装置10は、結像する焦点距離を利用者の目の焦点距離から動的にずらした画像を出力してもよい。
【0038】
かかる場合、利用者は、ぼやけ表示に焦点を合わせようとすると、ぼやけ表示の焦点距離が変化するため、視野内にぼやけ表示が出力された旨を識別することができるものの、ぼやけ表示に焦点を合わせることができない。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0039】
[3−4.光学的に焦点が合わない表示について]
例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に所定の表示を行う際、表示手段を制御して、所定の表示が結像する焦点距離を人の目が焦点を合わせることができる限界の距離よりも近い距離に設定する。すなわち、ヘッドマウント装置10は、利用者が焦点を合わせることができる限界の距離よりも近い距離に所定の表示が存在する態様で、所定の表示を出力する。かかる場合、利用者は、ぼやけ表示に焦点を合わせることができない。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0040】
このように、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、利用者が焦点を合わせることができない表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意が分散するのを防ぐ結果、利用者を危険にさらす事無く、任意の情報を伝達できる。
【0041】
〔4.ヘッドマウント装置10が実行する出力処理の一例〕
以下、ヘッドマウント装置10がぼやけ表示を出力する出力処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、ヘッドマウント装置10が、利用者J10を目的地まで誘導する際に、利用者が向かうべき方向を示すぼやけ表示U10を利用者の視野内に出力する処理の一例について説明する。また、以下の説明では、ヘッドマウント装置10が、利用者の移動速度に応じて、ぼやけ表示を出力する位置を変更する処理の一例について説明する。
【0042】
例えば、
図1に示す例では、ヘッドマウント装置10は、インターネットを介して目的地までの道順を示す情報を取得し、取得した情報と利用者J10の位置とを用いて、次の交差点を左に曲がった場所に目的地が存在すると判定する。かかる場合、ヘッドマウント装置10は、利用者J10の位置の変動量に基づいて、利用者J10の移動速度を特定する。そして、ヘッドマウント装置10は、特定した利用者J10の移動速度が、所定の速度(例えば、時速6キロメートル)以下である場合には、利用者J10が歩行状態であると判定する。
【0043】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が歩行状態であると判定した場合には、目的地が次の角を左に曲がった場所にある旨を利用者J10に通知するため、利用者J10の周辺視野のうち、中央よりも左側の領域に、ぼやけ表示U10を表示する。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者が
図1に示す視野101を有する際に、
図1に示す表示領域102の領域内に任意の表示を出力することができる場合には、表示領域102の境界のうち、中央よりも左側の領域にぼやけ表示U10を表示する。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させずに目的地へ誘導することができる。
【0044】
一方、ヘッドマウント装置10は、特定した利用者J10の移動速度が所定の速度以上である場合には、利用者J10が走行状態であると判定する。かかる場合、利用者の視野は、歩行状態である場合よりも狭くなる。このため、ヘッドマウント装置10は、ぼやけ表示U10よりも利用者の中心視野に近い領域に、ぼやけ表示U10と相似形のぼやけ表示U11を表示する。詳細には、ヘッドマウント装置10は、表示領域103のうち、中心よりも左側の領域であって、利用者の中心視野の近傍に、ぼやけ表示U11を表示する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野が狭くなっている場合にも、利用者の注意を分散させずに目的地へ誘導することができる。
【0045】
〔5.ヘッドマウント装置10の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係るヘッドマウント装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係るヘッドマウント装置の構成例を示す図である。
図2に示す例では、ヘッドマウント装置10は、通信部11、GPSセンサ12、地磁気センサ13、視野表示部14、周辺表示部15、制御部16、記憶部17を有する。
【0046】
通信部11は、ヘッドマウント装置10と地図情報を提供する情報提供サーバとの通信を制御する。具体的には、通信部11は、3G等の無線通信網を介してネットワークに接続し、ネットワークを介して情報提供サーバから、利用者の周囲の地図情報を受信する。そして、通信部11は、受信した地図情報を取得部18に出力する。
【0047】
GPSセンサ12は、GPS等の測位システムを用いて、ヘッドマウント装置10の位置、すなわち利用者の位置を測定し、測定結果を取得部18に通知する。また、地磁気センサ13は、地磁気を3次元で測定することができるセンサである。
【0048】
視野表示部14は、利用者の視野に地図の情報やぼやけ表示等の任意の表示を出力することができる表示手段である。例えば、視野表示部14は、任意の情報を表示する表示装置と、表示装置が表示した任意の情報を利用者の視野内に投影する自由曲面プリズムとを有する。また、視野表示部14は、表示が結像する焦点距離を変更することができる。例えば、視野表示部14は、1センチメートルから無限大まで焦点距離を自由に設定することができる。なお、実施形態は、これに限定されるものではなく、視野表示部14は、利用者の目に任意の情報を無限遠の焦点距離で直接投影することで、利用者の視野内に情報を出力してもよい。
【0049】
周辺表示部15は、目の近傍等、利用者が焦点を合わせることができない位置に設置された表示部であり、例えば、フレームのうち、リムやブリッジを含むフロント部分に設置された複数のLEDである。ヘッドマウント装置10は、かかる周辺表示部15の店頭を制御することで、利用者の視野内に、境界がぼやけた発光領域、すなわちぼやけ表示を出力することができる。
【0050】
制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部17に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部16は、記憶部17に格納された情報出力プログラムを実行することで、
図2に示すように、取得部18、特定部19、出力部20として動作する。
【0051】
取得部18は、利用者の位置情報を取得する。例えば、取得部18は、GPSセンサ12を用いて、利用者の現在位置を取得する。また、取得部18は、通信部11を介して地図情報提供サーバと通信し、利用者の現在位置付近の地図や、目的地までの道順を示す情報等を取得する。また、取得部18は、地磁気センサ13を介して測定された地磁気の方向を取得し、取得した地磁気の方向に基づいて、利用者の視線の向きを特定する。
【0052】
そして、取得部18は、利用者の位置情報を特定部19に出力する。また、取得部18は、利用者の位置情報、利用者の現在位置付近の地図、および、目的地までの道順を出力部20に出力する。
【0053】
特定部19は、利用者の位置情報を用いて、利用者の移動速度を特定する。例えば、特定部19は、利用者の位置情報を取得部18から受信すると、今回受信した位置情報と、前回取得部18から受信した位置情報との差分を算出する。そして、特定部19は、今回受信した位置情報が取得された時刻と、前回受信した位置情報が取得された時刻との差分で、算出された位置情報を除算した値を利用者の移動速度として算出する。その後、特定部19は、算出した速度を出力部20に出力する。
【0054】
出力部20は、取得部18が取得した位置情報に応じて、利用者の視野内にぼやけ表示を出力する。例えば、出力部20は、取得部18から利用者の位置情報、利用者の現在位置付近の地図、および、目的地までの道順を受信する。また、出力部20は、特定部19から利用者の移動速度を受信する。
【0055】
かかる場合、出力部20は、取得部18から取得した利用者の位置情報、利用者の現在位置付近の地図、および、目的地までの道順を用いて、利用者に次の交差点を曲がるよう通知するか否かを判定する。そして、出力部20は、利用者に次の交差点を曲がるよう通知する場合は、利用者が曲がる方向を特定し、視野表示部14または周辺表示部15を制御することで、特定した方向を示すぼやけ表示を出力する。
【0056】
ここで、出力部20は、ぼやけ表示を出力する場合、以下の処理をあわせて実行する。まず、出力部20は、特定部19から受信した利用者の移動速度が所定の閾値よりも早いか否かを判定する。そして、出力部20は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合には、利用者の周辺視野に含まれる位置に、ぼやけ表示を出力する。一方、出力部20は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合にぼやけ表示を出力した位置よりも、利用者の中央視野に近い位置にぼやけ表示を出力する。
【0057】
なお、出力部20は、視野表示部14を制御してぼやけ表示を出力する場合は、周辺視野等、利用者が焦点を合わせることができない位置に所定の表示を出力することで、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。また、他の例では、出力部20は、視野表示部14を制御してぼやけ表示を出力する場合は、利用者が焦点を合わせることができない焦点距離で結像する所定の表示を出力することで、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0058】
また、出力部20は、周辺表示部15を制御してぼやけ表示を出力する場合は、利用者に通知する内容に応じたLEDを点灯さればよい。例えば、出力部20は、次の交差点を右に曲がるよう利用者に通知する場合は、利用者の目の右側に配置されたLEDのみを点灯させればよい。また、出力部20は、次の交差点を左に曲がるよう利用者に通知する場合は、利用者の目の左側に配置されたLEDのみを点灯させればよい。
【0059】
このように、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報に応じて、利用者の視野内に焦点が合わないぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させずに、利用者の位置に応じた情報を通知することができる。
【0060】
〔6.ヘッドマウント装置10が表示するぼやけ表示の例〕
上述した例では、ヘッドマウント装置10が
図1に示すぼやけ表示を利用者の視野内に出力する例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、
図3〜
図5を用いて、ヘッドマウント装置10が表示するぼやけ表示の他の例について説明する。
【0061】
〔6−1.利用者の向きに応じたぼやけ表示の例〕
例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者を目的地まで誘導する際、利用者の位置と利用者の向きとを検出し、検出した利用者の向きが、あらかじめ定められた目的地の方向と一致する場合には、利用者の視野内に所定のぼやけ表示を出力してもよい。以下、
図3を用いて、ヘッドマウント装置10が利用者に向きに応じて出力するぼやけ表示の一例について説明する。
【0062】
図3は、実施形態に係るヘッドマウント装置が利用者の向きに応じて出力するぼやけ表示の一例を説明する図である。なお、
図3には、利用者J10が向きを変更した際に、利用者J10の視野内に出力されるぼやけ表示の一例について記載した。
【0063】
図3に示す例では、ヘッドマウント装置10は、GPSセンサ12を用いて、利用者J10の位置を特定するとともに、地磁気センサ13を用いて、利用者の向きを特定する。また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10の位置を基準として、利用者J10の向きの方向に目的地が存在するか否かを判定する。
【0064】
そして、ヘッドマウント装置10は、利用者J10の向きの方向に目的地が存在すると判定した場合には、
図3の第1状態に示すように、利用者の視野の境界を囲むように、ぼやけ表示U10を出力する。一方、ヘッドマウント装置10は、利用者J10の向きの方向に目的地が存在しないと判定した場合は、
図3の第2状態に示すように、ぼやけ表示U10を表示しない。
【0065】
かかる処理を行った場合、利用者J10は、顔を様々な方向に向けることで、目的地がどちらの方向にあるかを識別することができる。また、利用者J10は、ぼやけ表示U10に注意をひかれることなく、周囲の状況を確認しながら上述した動作を行うことができる。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者J10を危険にさらすことなく、利用者J10が顔を向けている方向に目的地が存在する旨を通知することができる。
【0066】
なお、かかるぼやけ表示U10は、上述したように、利用者の視野の境界部分に焦点を合わせることができない焦点距離の画像を表示することで実現されてもよく、利用者の目の周りに配置された周辺表示部15のLEDを点灯させることで実現されてもよい。また、ぼやけ表示U10は、境界が不明瞭な発光領域を出力することで実現されてもよく、結像する焦点距離を利用者の目の焦点距離から動的にずらした画像を出力することで実現されてもよい。また、ぼやけ表示U10は、境界がぼやけた画像を出力することで疑似的に実現されてもよく、所定の画像を利用者の周辺視野の範囲に表示することで実現されてもよい。
【0067】
〔6−2.利用者を誘導する際のぼやけ表示の例〕
上述した説明では、ヘッドマウント装置10は、利用者を案内する方向に応じて、ぼやけ表示の表示態様を変更した。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者に交差点を左に曲がらせる場合、利用者の視野のうち中心よりも左側の領域にぼやけ表示を出力し、利用者に交差点を右に曲がらせる場合は、利用者の視野のうち中心よりも右側の領域にぼやけ表示を出力した。
【0068】
しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ヘッドマウント装置10は、次の交差点を曲がらずともよい旨を利用者に通知する場合は、利用者の視野のうち中心よりも上側または下側の領域にぼやけ表示を出力してもよい。また、例えば、ヘッドマウント装置10は、次に利用者が曲がる交差点までの距離や、利用者が曲がる交差点までのブロック数を示すぼやけ表示を出力してもよい。
【0069】
以下、
図4を用いて、利用者が曲がる交差点までのブロック数を示すぼやけ表示を出力する処理の一例を説明する。
図4は、実施形態にかかるヘッドマウント装置が利用者を誘導する際に出力するぼやけ表示の一例を説明する図である。なお、
図4に示す例では、4ブロック先の交差点を左へと誘導する際にヘッドマウント装置10が出力するぼやけ表示の一例について第1状態から第4状態に分けて記載した。
【0070】
例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者J10の位置と目的地までの道順とを用いて、利用者J10が曲がる交差点を特定する。そして、ヘッドマウント装置10は、特定した交差点が4ブロック先の交差点である場合は、
図4の第1状態に示すように、利用者の視野の境界を囲むように、ぼやけ表示U21〜U24を表示する。詳細には、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野の境界のうち、視野の中心を基準として左上の領域にぼやけ表示U21を表示し、左下の領域にぼやけ表示U22を表示する。また、ヘッドマウント装置10は、視野の中心を基準として右下の領域にぼやけ表示U23を表示し、右上の領域にぼやけ表示U24を表示する。
【0071】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が移動し、利用者J10が曲がる交差点が3ブロック先となった場合は、利用者J10を曲がらせる方向を特定する。そして、ヘッドマウント装置10は、ぼやけ表示U21〜U24のうち、特定した方向に配置されたぼやけ表示を1つ消去する。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者J10に角を左へと曲がらせる場合は、
図4の第2状態に示すように、利用者J10の視野の中央よりも左側に出力されたぼやけ表示U22を消去する。
【0072】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が移動し、利用者J10が曲がる交差点が2ブロック先となった場合は、ぼやけ表示U21〜U24のうち、特定した方向と左右逆側に配置されたぼやけ表示を消去する。例えば、ヘッドマウント装置10は、
図4の第3状態に示すように、利用者J10の視野の中央よりも右側に出力されたぼやけ表示U23を消去する。
【0073】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が移動し、利用者J10が曲がる交差点が1ブロック先となった場合は、ぼやけ表示U21〜U24のうち、特定した方向のぼやけ表示以外のぼやけ表示を消去する。例えば、ヘッドマウント装置10は、
図4の第4状態に示すように、利用者J10の視野の中央よりも右側に出力されたぼやけ表示U24を消去する。この結果、利用者J10は、次の交差点を左に曲がればよい旨を識別できる。
【0074】
上述したように、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が曲がる交差点までのブロック数をカウントダウン形式で通知する。また、ヘッドマウント装置10は、利用者J10が交差点に近づいた際に、利用者J10が曲がるべき方向を示すぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させることなく、利用者を目的地まで案内させることができる。
【0075】
〔6−3.利用者の速度に応じたぼやけ表示の例〕
図1に示した例では、ヘッドマウント装置10は、アルファベットの「U」型の形状を有するぼやけ表示U10、U11を表示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、ヘッドマウント装置10は、利用者の焦点が合わずに境界がぼやけているような表示であれば、円形、多角形、矢印型等任意の形状のぼやけ表示を表示することができる。また、ヘッドマウント装置10は、任意の色、照度、透過度を有するぼやけ表示を表示することができる。
【0076】
例えば、
図5は、実施形態にかかるヘッドマウント装置が表示するぼやけ表示の他の例を説明する図である。なお、
図5には、ヘッドマウント装置10が利用者の移動速度に応じてぼやけ表示の表示態様を変更する処理の一例について記載した。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合は、
図5の第1状態に示すように、利用者の周辺視野内に楕円形のぼやけ表示U10を出力する。かかるぼやけ表示は、透過度を有する表示であり、背景の光景を透過する。
【0077】
一方、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合は、
図5の第2状態に示すように、利用者の中心視野を囲むように楕円形のぼやけ表示U11を出力する。ここで、ヘッドマウント装置10は、ぼやけ表示U11として、透過度がぼやけ表示U10よりも低く、ぼやけ表示U11よりも色が濃い表示を出力する。また、ヘッドマウント装置10は、ぼやけ表示U11として、ぼやけ表示U10よりも幅が短い楕円形の表示であって、ぼやけ表示U10よりも境界が明瞭な表示を出力する。
【0078】
このように、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度に応じて、ぼやけ表示U10の表示態様を変更する。この結果、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野が狭くなっている場合にも、確実に情報を通知することができる。
【0079】
〔6−4.ぼやけ表示の表示態様を変更する他の例〕
上述した例では、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置や移動速度に応じて、ぼやけ表示の表示位置、透過度、大きさを変更した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の向きが目的地の方向と一致する場合は、青色が付されたぼやけ表示を出力し、利用者の向きが目的地とは異なる方向を向いている場合は、赤色が付されたぼやけ表示を出力してもよい。
【0080】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置や向きに応じて、ぼやけ表示の透過度や照度を変更したり、ぼやけ表示を点滅させたりしてもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の向きと目的地の方向との間の角度を算出し、算出した角度が小さくなるほど早い周期でぼやけ表示を点滅させてもよく、ぼやけ表示の照度をより高い値に変更、または、ぼやけ表示の透過度を減少させてもよい。
【0081】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、ぼやけ表示の出力タイミングを早めにしてもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合には、交差点の手前10メートルの位置に利用者が差し掛かった際に、ぼやけ表示U10を出力する。一方、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、交差点の手前20メートルの位置に利用者が差し掛かった際に、ぼやけ表示U11を出力する。このように、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度に応じて、ぼやけ表示を出力するタイミングを変更するので、利用者に対して情報を確実に通知できる。
【0082】
〔7.ヘッドマウント装置10の処理フロー〕
次に、
図6を用いて、ヘッドマウント装置10が変更操作に応じて地図の表示態様を変更する変更処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係るヘッドマウント装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0083】
図6に示す例では、ヘッドマウント装置10は、GPS情報と地図情報とを用いて、利用者が角を曲がるまでのブロックの数を計算する(ステップS101)。次に、ヘッドマウント装置10は、ブロックの数に応じた数のぼやけ表示を出力する(ステップS102)。次に、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報を用いて、利用者が走っているか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早いか否かを判定する。
【0084】
そして、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合、すなわち、利用者が走っていない場合は(ステップS103:No)、利用者の周辺視野にぼやけ表示を出力する(ステップS104)。一方、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合、すなわち、利用者が走っている場合は(ステップS104:Yes)、利用者の中心視野の周囲にぼやけ表示を出力する(ステップS105)。なお、ヘッドマウント装置10は、ステップS105にて表示するぼやけ表示の境界部分を、ステップS104にて表示するぼやけ表示よりも明瞭にしてもよい。
【0085】
また、ヘッドマウント装置10は、ステップS104またはステップS105を実行した後に、利用者が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS106)。そして、ヘッドマウント装置10は、利用者が目的地に到着したと判定した場合は(ステップS106:Yes)、処理を終了する。一方、ヘッドマウント装置10は、利用者が目的地に到着していない場合は(ステップS106:No)、ステップS101を実行する。
【0086】
〔8.変形例〕
上記した実施形態に係るヘッドマウント装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、ヘッドマウント装置10の他の実施形態について説明する。
【0087】
〔8−1.ぼやけ表示を出力する装置について〕
上述した例では、利用者の視野内に焦点があわないぼやけ表示を出力するウェアラブルデバイスの一例として、ヘッドマウント装置10について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0088】
例えば、上述した出力処理は、フレームのフロント部分にLEDを設置した眼鏡によって実現されてもよい。例えば、かかる眼鏡は、フレームのうち、レンズを保持する範囲に複数のLEDが設置されている。そして、かかる眼鏡は、利用者の位置等に応じて、LEDを点灯あるいは点滅等させることで、利用者の視野内にぼやけ表示を出力することができる。
【0089】
なお、かかる眼鏡は、
図2に示したヘッドマウント装置10の機能構成を有していてもよく、例えば、
図2に示したヘッドマウント装置10の機能構成と同様の機能構成を有するスマートフォンからの指示に従って、LEDを点灯させてもよい。また、かかる眼鏡は、電圧の印加等により発光するフレームを有し、かかるフレームを発光させることで、ぼやけ表示を出力してもよい。また、かかる眼鏡は、フレームを発光させる強度を変更することで、ぼやけ表示の点滅やぼやけ表示の表示位置を変更する等の処理を実現してもよい。
【0090】
また、上述した出力処理は、つばの部分にLEDを設置した帽子によって実現されてもよい。かかる帽子は、上述した眼鏡と同様、
図2に示したヘッドマウント装置10の機能構成を有していてもよく、
図2に示したヘッドマウント装置10の機能構成と同様の機能構成を有するスマートフォンからの指示に従って、LEDを点灯させてもよい。
【0091】
このように、上述した出力処理は、利用者が物理的に焦点を合わせることができない位置にLEDが配置された任意の情報通知装置によって実現することができる。かかる情報通知装置は、眼鏡型や帽子型のウェアラブルデバイスに限定されるものではなく、発光手段や表示手段を有するコンタクトレンズや目の近傍に張り付けられたシート状の情報通知装置であってもよい。
【0092】
〔8−2.ぼやけ表示の表示態様について〕
上述した例では、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に出力したぼやけ表示の表示態様を変更することで、情報を利用者に通知した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0093】
例えば、上述した出力処理を眼鏡型のウェアラブルデバイスが実現する場合、かかる眼鏡のフレームは、利用者の周辺視野内に含まれる。そこで、かかる眼鏡は、フレームの色を変更することで、利用者に情報を通知してもよい。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の周辺視野全体にぼやけ表示を出力してもよい。
【0094】
〔8−3.ぼやけ表示を出力する処理について〕
上述した例では、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報に応じたぼやけ表示を利用者の視野内に出力した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、ヘッドマウント装置10は、天気の情報や周囲の状況等、任意の情報に応じたぼやけ表示を出力することとしてもよい。
【0095】
例えば、ヘッドマウント装置10は、インターネット上で天気予報を通知する天気情報配信サーバから、利用者の位置の天気予報を取得する。そして、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置の天気予報が「晴れ」を示す場合は、赤色のぼやけ表示を出力し、「曇り」を示す場合は、黄色のぼやけ表示を出力し、「雨」を示す場合は、青色のぼやけ表示を出力してもよい。
【0096】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の脳波、脈拍数、血圧、血糖値等の生体情報を取得し、取得した生体情報に応じたぼやけ表示を出力してもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の血圧に応じた色のぼやけ表示を出力してもよい。また、例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の血圧値が所定の閾値よりも高い場合には、利用者の視野内に赤色のぼやけ表示を出力することで、投薬を行うべき旨を通知してもよい。
【0097】
また、ヘッドマウント装置10は、カメラ等の画像取得装置を用いて、利用者の周辺の画像を取得し、取得した画像を解析することで、利用者に対する所定の脅威を検知する。例えば、ヘッドマウント装置10は、取得した画像を解析した結果、利用者の方向に自転車や車などの車両が向かってくる旨を検知した場合は、利用者の視野内に赤色のぼやけ表示を出力することで、利用者に対する脅威を通知してもよい。
【0098】
〔8−4.ぼやけ表示の設定について〕
上述した説明では、ぼやけ表示として、物理的に焦点が合わない表示、映像的に焦点が合わない表示、機能的に焦点が合わない表示、および光学的に焦点が合わない表示について説明した。ここで、ヘッドマウント装置10は、ぼやけ表示以外の表示とぼやけ表示とを利用者の視野内に同時に出力してもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に地図等の画像を明確に表示させるとともに、利用者の周辺視野にぼやけ表示をオーバーラップして出力してもよい。
【0099】
また、ヘッドマウント装置10は、映像的に焦点が合わない表示、機能的に焦点が合わない表示、および光学的に焦点が合わない表示を出力する場合には、利用者による任意の設定を適用することができる。例えば、ヘッドマウント装置10は、地図等の画像を表示する際に無限遠の焦点距離で結像する画像を表示する場合は、無限遠の焦点距離で視認した際に、境界が不明瞭となるぼやけ表示を出力すればよい。また、例えば、ヘッドマウント装置10は、地図等の画像を表示する際に、利用者が設定した所定の焦点距離で結像する画像を表示する場合は、かかる焦点距離で視認した際に境界が不明瞭となるぼやけ表示、すなわち、所定の焦点距離以外の焦点距離で結像するぼやけ表示を出力すればよい。
【0100】
また、ヘッドマウント装置10は、地図等の画像を表示する際の焦点距離を設定することができる場合は、かかる設定に応じてぼやけ表示を出力する方法を切り替えてもよい。例えば、ヘッドマウント装置10は、地図等の画像を表示する際に、利用者が設定した所定の焦点距離で結像する画像を表示する場合は、視野表示部14を用いて、光学的に焦点が合わない表示を出力する。一方、ヘッドマウント装置10は、地図等の画像を表示する際に、無限遠の焦点距離で結像する画像を表示する場合は、視野表示部14を用いて映像的に焦点が合わない表示を行ってもよく、周辺表示部15を用いて物理的に焦点が合わない表示を出力してもよい。
【0101】
〔8−5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0102】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図2に示した取得部18、特定部19、出力部20は統合されてもよい。また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0103】
〔8−6.プログラム〕
また、上記してきた実施形態に係るヘッドマウント装置10は、例えば、
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、実施形態に係るヘッドマウント装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0104】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0105】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0106】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0107】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0108】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るヘッドマウント装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部16の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0109】
〔9.効果〕
上記してきたように、ヘッドマウント装置10は、利用者が装着可能なウェアラブルデバイスである。また、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報を取得し、取得した位置情報に応じて、利用者の視野内に、利用者の焦点が合わないぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させることなく、利用者の位置に応じた情報を通知することができる。
【0110】
また、ヘッドマウント装置10は、取得した利用者の位置情報に応じて、ぼやけ表示の出力態様を変更する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させることなく、利用者の位置に応じた情報を利用者に通知することができる。
【0111】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、利用者が焦点を合わせることができない焦点距離で結像するぼやけ表示を出力する。例えば、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野内に、利用者が焦点を合わせることができる限界の距離よりも短い焦点距離で結像するぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させない表示を利用者の視野内に出力することができる。
【0112】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野のうち、利用者が焦点を合わせることができない位置に、ぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者がぼやけ表示に焦点を合わせたり、利用者の注意を引くことを防止するので、利用者の注意を分散させることなく、利用者の位置に応じた情報を通知することができる。
【0113】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野のうち、周辺視野に含まれる位置にぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させない表示を利用者の視野内に出力することができる。
【0114】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の位置情報を用いて、利用者の移動速度を特定し、特定した移動速度に応じて、ぼやけ表示を出力する位置を変更する。具体例を挙げると、ヘッドマウント装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値よりも遅い場合には、周辺視野に含まれる所定の位置にぼやけ表示を出力し、利用者の移動速度が所定の閾値よりも早い場合には、所定の位置よりも利用者の中心視野に近い位置にぼやけ表示を出力する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野が狭くなっている場合にも、注意を分散させることなく情報を通知することができる。
【0115】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の目の近傍に配置されたLEDを有し、位置情報に応じてLEDを発光させる。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者の注意を分散させない表示を利用者の視野内に出力することができる。
【0116】
また、ヘッドマウント装置10は、利用者の視野の向きを取得し、取得した向きに応じて、ぼやけ表示の出力態様を変更する。このため、ヘッドマウント装置10は、利用者を目的地まで誘導する際に、利用者が進むべき方向を通知することができる。
【0117】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0118】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。