(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
疾患の処置または予防に使用するための、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
前記タキサン類がドセタキセル、パクリタキセル、またはタキソールであり;前記エポチロン類がイクサベピロン、パツピロン、またはサゴピロンであり;前記抗アンドロゲン類がフルタミド、酢酸シプロテロン、またはビカルタミドであり;前記白金誘導体がシスプラチンまたはカルボプラチンである、請求項20に記載の医薬組み合わせ剤。
疾患の予防用医薬または処置用医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物の使用。
該疾患が制御されていない細胞成長、増殖および/もしくは生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症性応答に関し、Mps−1により仲介される疾患、血液腫瘍、固形腫瘍、および前記腫瘍の転移、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頚部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房腫瘍および婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫、ならびに前記腫瘍および肉腫の転移からなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
制御されていない細胞成長、増殖および/もしくは生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症性応答に関し、Mps−1により仲介される疾患、血液腫瘍、固形腫瘍、および前記腫瘍の転移、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頚部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房腫瘍および婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫、ならびに前記腫瘍および肉腫の転移からなる群から選択される疾患の予防または処置のための、請求項19に記載の医薬組成物。
該疾患が制御されていない細胞成長、増殖および/もしくは生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症性応答に関し、Mps−1により仲介される疾患、血液腫瘍、固形腫瘍、および前記腫瘍の転移、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頚部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房腫瘍および婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫、ならびに前記腫瘍および肉腫の転移からなる群から選択される、請求項22に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本明細書に記載する用語は、好ましくは以下の意味を有する。
用語“ハロゲン原子”または“ハロ”はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味すると理解されるべきである。
【0029】
用語“C
1−C
6−アルキル”は、好ましくは1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和の一価の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチル基、あるいはその異性体を意味すると理解されるべきである。特に、該基は1、2、3または4個の炭素原子(“C
1−C
4−アルキル”)を有し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル基であり、より具体的には1個、2個または3個の炭素原子(“C
1−C
3−アルキル”)を有し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル−またはイソ−プロピル基である。
【0030】
用語“ハロ−C
1−C
6−アルキル”は、好ましくは直鎖または分枝鎖の、飽和の、一価の炭化水素基を意味する理解され、ここで該用語“C
1−C
6−アルキル”は上に定義され、ここで、1個以上の水素原子が同一または異なるハロゲン原子により置換されている。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1−C
6−アルキル基は、例えば、−CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3または−CH
2CF
3である。
【0031】
用語“C
1−C
6−アルコキシ”は、好ましくは直鎖または分枝鎖の、飽和の、一価の、式−O−(C
1−C
6−アルキル)の基を意味すると理解されるべきであり、ここでは用語“C
1−C
6−アルキル”は上に定義され、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、イソ−ペントキシまたはn−ヘキソキシ基またはその異性体である。
【0032】
用語“ハロ−C
1−C
6−アルコキシ”は、好ましくは上に定義したとおり、直鎖または分枝鎖の飽和の一価のC
1−C
6−アルコキシ基を意味すると理解されるべきであり、ここで1個以上の水素原子は同一または異なるハロゲン原子により置換される。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1−C
6−アルコキシ基は、例えば、−OCF
3、−OCHF
2、−OCH
2F、−OCF
2CF
3または−OCH
2CF
3である。
【0033】
用語“C
1−C
6−アルコキシ−C
1−C
6−アルキル”は、好ましくは上に定義したとおり、直鎖または分枝鎖の飽和の、一価のアルキル基を意味すると理解され、ここで1個以上の水素原子は上に定義したとおり、同一または異なるC
1−C
6−アルコキシ基に置換される、例えば、メトキシアルキル、エトキシアルキル、プロピルオキシアルキル、イソ−プロポキシアルキル、ブトキシアルキル、イソ−ブトキシアルキル、tert−ブトキシアルキル、sec−ブトキシアルキル、ペンチルオキシアルキル、イソ−ペンチルオキシアルキル、ヘキシルオキシアルキル基またはその異性体である。
【0034】
用語“ハロ−C
1−C
6−アルコキシ−C
1−C
6−アルキル”は上に定義したとおり、直鎖または分枝鎖の飽和の、一価のC
1−C
6−アルコキシ−C
1−C
6−アルキル基を好ましくは意味すると理解され、ここで、1個以上の水素原子は同一または異なるハロゲン原子により置換される。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1−C
6−アルコキシ−C
1−C
6−アルキル基は、例えば、−CH
2CH
2OCF
3、−CH
2CH
2OCHF
2、−CH
2CH
2OCH
2F、−CH
2CH
2OCF
2CF
3または−CH
2CH
2OCH
2CF
3である。
【0035】
用語“C
2−C
6−アルケニル”は、好ましくは直鎖または分枝鎖の、一価の炭化水素基を意味すると理解されるべきであって、これは1個以上の二重結合を含有し、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子、特に2個または3個の炭素原子(“C
2−C
3−アルケニル”)を有しており、この場合、該アルケニル基が1個以上の二重結合を含有し、該二重結合は互いに離れていても、繋がっていてもよいと理解され得る。該アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、(E)−2−メチルビニル、(Z)−2−メチルビニル、ホモアリル、(E)−ブタ−2−エニル、(Z)−ブタ−2−エニル、(E)−ブタ−1−エニル、(Z)−ブタ−1−エニル、ペンタ−4−エニル、(E)−ペンタ−3−エニル、(Z)−ペンタ−3−エニル、(E)−ペンタ−2−エニル、(Z)−ペンタ−2−エニル、(E)−ペンタ−1−エニル、(Z)−ペンタ−1−エニル、ヘキサ−5−エニル、(E)−ヘキサ−4−エニル、(Z)−ヘキサ−4−エニル、(E)−ヘキサ−3−エニル、(Z)−ヘキサ−3−エニル、(E)−ヘキサ−2−エニル、(Z)−ヘキサ−2−エニル、(E)−ヘキサ−1−エニル、(Z)−ヘキサ−1−エニル、イソプロペニル、2−メチルプロパ−2−エニル、1−メチルプロパ−2−エニル、2−メチルプロパ−1−エニル、(E)−1−メチルプロパ−1−エニル、(Z)−1−メチルプロパ−1−エニル、3−メチルブタ−3−エニル、2−メチルブタ−3−エニル、1−メチルブタ−3−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、(E)−2−メチルブタ−2−エニル、(Z)−2−メチルブタ−2−エニル、(E)−1−メチルブタ−2−エニル、(Z)−1−メチルブタ−2−エニル、(E)−3−メチルブタ−1−エニル、(Z)−3−メチルブタ−1−エニル、(E)−2−メチルブタ−1−エニル、(Z)−2−メチルブタ−1−エニル、(E)−1−メチルブタ−1−エニル、(Z)−1−メチルブタ−1−エニル、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル、1−エチルプロパ−1−エニル、1−プロピルビニル、1−イソプロピルビニル、4−メチルペンタ−4−エニル、3−メチルペンタ−4−エニル、2−メチルペンタ−4−エニル、1−メチルペンタ−4−エニル、4−メチルペンタ−3−エニル、(E)−3−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−3−エニル、(E)−2−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−3−エニル、(E)−1−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−3−エニル、(E)−4−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−4−メチルペンタ−2−エニル、(E)−3−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−2−エニル、(E)−2−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−2−エニル、(E)−1−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−2−エニル、(E)−4−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−4−メチルペンタ−1−エニル、(E)−3−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−1−エニル、(E)−2−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−1−エニル、(E)−1−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−1−エニル、3−エチルブタ−3−エニル、2−エチルブタ−3−エニル、1−エチルブタ−3−エニル、(E)−3−エチルブタ−2−エニル、(Z)−3−エチルブタ−2−エニル、(E)−2−エチルブタ−2−エニル、(Z)−2−エチルブタ−2−エニル、(E)−1−エチルブタ−2−エニル、(Z)−1−エチルブタ−2−エニル、(E)−3−エチルブタ−1−エニル、(Z)−3−エチルブタ−1−エニル、2−エチルブタ−1−エニル、(E)−1−エチルブタ−1−エニル、(Z)−1−エチルブタ−1−エニル、2−プロピルプロパ−2−エニル、1−プロピルプロパ−2−エニル、2−イソプロピルプロパ−2−エニル、1−イソプロピルプロパ−2−エニル、(E)−2−プロピルプロパ−1−エニル、(Z)−2−プロピルプロパ−1−エニル、(E)−1−プロピルプロパ−1−エニル、(Z)−1−プロピルプロパ−1−エニル、(E)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル、(Z)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル、(E)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル、(Z)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル、(E)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル、(Z)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニル、ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニル、ヘキサ−1,5−ジ−エニルまたはメチルヘキサジエニル基である。特に、該基はビニルまたはアリルである。
【0036】
用語“C
2−C
6−アルキニル”は、好ましくは1個以上の三重結合を含有し、かつ2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子、特に2個または3個の炭素原子(“C
2−C
3−アルキニル”)を含有する直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基を意味すると理解されるべきである。該C
2−C
10−アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパ−1−イニル、プロパ−2−イニル、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、ブタ−3−イニル、ペンタ−1−イニル、ペンタ−2−イニル、ペンタ−3−イニル、ペンタ−4−イニル、ヘキサ−1−イニル、ヘキサ−2−イニル、ヘキサ−3−イニル、ヘキサ−4−イニル、ヘキサ−5−イニル、1−メチルプロパ−2−イニル、2−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−2−イニル、3−メチルブタ−1−イニル、1−エチルプロパ−2−イニル、3−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−4−イニル、1−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−3−イニル、1−メチルペンタ−3−イニル、4−メチルペンタ−2−イニル、1−メチルペンタ−2−イニル、4−メチルペンタ−1−イニル、3−メチルペンタ−1−イニル、2−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−2−イニル、1−プロピルプロパ−2−イニル、1−イソプロピルプロパ−2−イニル、2,2−ジメチルブタ−3−イニル、 1,1−ジメチルブタ−3−イニル、1,1−ジメチルブタ−2−イニルまたは3,3−ジメチルブタ−1−イニル基である。特に、該アルキニル基はエチニル、プロパ−1−イニルまたはプロパ−2−イニルである。
【0037】
用語“C
3−C
6−シクロアルキル”は、好ましくは3、4、5または6個の炭素原子を含有する飽和の、一価の、単環または二環式の炭化水素環を意味すると理解されるべきである。該C
3−C
6−シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルまたは二環式炭化水素環である。該シクロアルキル環は1時以上の二重結合を含有していてもよく、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニル基などのシクロアルケニルであり、ここで該分子の残りと該環との間の該結合は該環の任意の炭素原子に対してであってよく、それは飽和または不飽和であってもよい。
【0038】
例えば、本明細書に定義した一般式(I)の化合物の定義に使用される“4員、5員または6員の複素環”または“4〜6員の複素環”または“5〜6員の複素環”に使用される用語“複素環”は飽和または部分不飽和の単環の窒素原子含有環を意味すると理解されるべきであり、該窒素原子は分子の残りと該複素環の結合点である。該窒素原子含有環はOおよびC(=O)から選択される1または2のヘテロ原子含有基をさらに含有していてもよい。特に、該窒素原子含有環は、例えば、4員環、例えばアゼチジニル環、例えば、5員環、例えばピロリジニル環またはオキサゾリジノニル環または6員環、例えばピペリジニルまたはモルホリニル環であり得るがこれらに限定されない;上記窒素原子含有環のいずれかがOおよびC(=O)から選択される1または2個のヘテロ原子含有基をさらに含有できることを繰り返し述べる。
【0039】
上記のとおり、該窒素原子含有環は部分的に不飽和であってもよい、即ち、1個以上の二重結合を含有し得る、例えば2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル環であるがこれに限定されない。
【0040】
用語“3〜10員ヘテロシクロアルキル”は、好ましくは2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子およびC(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NH、NR”から選択される1以上のヘテロ原子含有基を含有する、飽和または部分不飽和の、一価の、単環式または二環式の炭化水素環を意味すると理解され、ここで、R”は上に定義したとおり、C
1−C
6−アルキル、C
3−C
6−シクロアルキル、C(=O)R
9−(C
1−C
6−アルキル)または−C(=O)−(C
1−C
6−シクロアルキル)を表す。特に、該環は2個、3個、4個または5個の炭素原子および1個以上の上記ヘテロ原子含有基(“3〜6員ヘテロシクロアルキル”)、より特別には該環は4個または5個の炭素原子および1個以上の上記ヘテロ原子含有基(“5〜6員ヘテロシクロアルキル”)を含有できる。該ヘテロシクロアルキル環は、例えば、単環式ヘテロシクロアルキル環、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、アジリジニル基、アゼチジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ジチアニル基、チオモルホリル基、ピペラジニル基、トリチアニル基またはキヌクリジニル基である。該ヘテロシクロアルキル環は1個以上の二重結合を含有していてもよく、例えば、4H−ピラニル基、2H−ピラニル基、3H−ジアジリニル基、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル基、[1,3]ジオキソリル基、4H−[1,3,4]チアジアジニル基、2,5−ジヒドロフラニル基、2,3−ジヒドロフラニル基、2,5−ジヒドロチオフェニル基、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾリル基、4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾリル基または4H−[1,4]チアジニル基またはベンゾ縮合型であってもよい。
【0041】
用語“アリール”は、好ましくは6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個または14個の炭素原子(“C
6−C
14−アリール”基)、特に6個の炭素原子(“C
6−アリール”基、)、例えばフェニル基またはビフェニル基または9個の炭素原子(“C
9−アリール”基)を有する環、例えばインダニルまたはインデニル基または10個の炭素原子(“C
10−アリール”基)を有する環、例えば、テトラリニル、ジヒドロナフチルまたはナフチル基または13個の炭素原子を有する環(“C
13−アリール”基)、例えば、フルオレニル基または14個の炭素原子を有する環(“C
14−アリール”基)、例えばアンスラニル基を有する、一価の芳香族または部分的な芳香族の、単環式または二環式または三環式の炭化水素環を意味すると理解されるべきである。
【0042】
用語“ヘテロアリール”は、好ましくは5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個または14個の環原子(“5〜14員ヘテロアリール”基)、特に5または6または9または10個の原子を有し、かつ同一でも異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有する一価の芳香族の単環式または二環式の芳香環系を意味すると理解され、ここで該ヘテロ原子は、例えば酸素、窒素または硫黄であり、そして単環式、二環式または三環式であってよく、さらに各場合において、ベンゾ縮合されてもよい。特に、ヘテロアリールはチエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チア−4H−ピラゾリルなどおよびそのベンゾ誘導体など、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリルなど;またはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなど、そしてそのベンゾ誘導体など、例えば、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルなど;またはアゾシニル(azocinyl)、インドリジニル、プリニルなどおよびそのベンゾ誘導体;またはシンノリニル、フタルアジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフタピリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、ファノキザジニル、キサンテニルまたはオキシピニルなどから選択される。より具体的にはヘテロアリールはピリジル、ベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、インダゾリル、キナゾリニル、チエニル、キノリニル、ベンゾチエニル、ピラゾリルまたはフラニルから選択される。
【0043】
用語“アルキレン”は1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有する置換されていてもよい炭化水素鎖[または“テザー(tether)”]、即ち置換されていてもよい−CH
2−(“メチレン”または“1員テザー”または、例えば−C(CH
3)
2−)、−CH
2−CH
2−(“エチレン”、“ジメチレン”または“2員テザー”−C(CH
3)
2−C(CH
3)
2−)、−CH
2−CH
2−CH
2−(“プロピレン”、“トリメチレン”または“3員テザー”、例えば、−CH
2−C(H)(CH
3)−CH
2−,−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−)、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−(“ブチレン”、“テトラメチレン”または“4員テザー”)、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−(“ペンチレン”、“ペンタメチレン”または“5員エーテル”)または−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−(“ヘキシレン”、“ヘキサメチレン”または6員テザー”)、を意味すると解される。特に、該アルキレンテザーは1個、2個、3個、4個または5個の炭素原子、より特別には1個または2個の炭素原子を有する。
【0044】
本明細書をとおして使用される用語“C
1−C
6”は、例えば、“C
1−C
6−アルキル”、“C
1−C
6−ハロアルキル”、“C
1−C
6−アルコキシ”または“C
1−C
6−ハロアルコキシ”の規定の内容において、1〜6個の炭素原子の有限数、即ち1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味すると理解されるべきである。該用語“C
1−C
6”はそれには、例えばC
1−C
6、C
2−C
5、C
3−C
4、C
1−C
2、C
1−C
3、C
1−C
4、C
1−C
5、C
1−C
6;特にC
1−C
2、C
1−C
3、C
1−C
4、C
1−C
5、C
1−C
6;より特別にはC
1−C
4;“C
1−C
6−ハロアルキル”または“C
1−C
6−ハロアルコキシ”の場合において、より特別にはC
1−C
2のいずれかの下位範囲として解釈されると理解されるべきである。
【0045】
同様に、本明細書に使用されたとおり、該用語“C
2−C
6”は本明細書をとおして使用されたとおり、例えば“C
2−C
6−アルケニル”および“C
2−C
6−アルキニル”の規定の範囲内において、アルケニル基または2〜6個の有限数の炭素原子、即ち2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味すると理解される。該用語“C
2−C
6”はそれには、例えばC
2−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
2−C
3、C
2−C
4、C
2−C
5;特にC
2−C
3を含む任意の下位範囲と解釈されるべきである。
【0046】
さらに、本明細書をとおして使用されるとおり、用語“C
3−C
6”は、例えば、“C
3−C
6−シクロアルキル”の規定において、3〜6個の有限数の炭素原子、即ち、3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味すると理解されるべきである。該用語“C
3−C
6”はそこには、例えば、C
3−C
6、C
4−C
5、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
6、C
5−C
6;特にC
3−C
6を含む任意の下位の範囲として解釈されるべきである。
【0047】
本明細書で使用するとき、用語“脱離基”は化学反応において安定な種としてその結合電子と共に除かれる原子または原子の群を表す。好ましくは脱離基はハロ、特にクロロ、ブロモまたはヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−tertブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよび(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシからなる群から選択される。
【0048】
本明細書で使用するとき、用語“PG
1”はヒドロキシ基の保護基、例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999などに記載のTMS基またはTBDPS基(TMS=トリメチルシリル、TBDPS=tert−ブチルジフェニルシリル)を表す。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語“PG
2”はアミノ基の保護基、例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999などに記載のBoc基(Boc=tert−ブチルオキシカルボニル)を表す。
【0050】
本明細書で使用されるとおり、用語“1回以上”は、例えば、本発明の一般式の化合物の置換基の定義は“1回、2回、3回、4回または5回、特に1回、2回、3回または4回、より特別には1回、2回、3回、またさらに特別には1回または2回”を意味すると理解される。
【0051】
用語、化合物、塩、多形体、水和物、溶媒和物などの複数形態が本明細書に使用される場合、これは1つの化合物、塩、多形体、異性体、水和物、溶媒和物または同様のものを意味すると理解される。
【0052】
本発明の化合物は様々な所望の置換基の位置および性質に応じて、1箇所以上の不斉中心を含む。不斉炭素原子は(R)または(S)立体配座で存在し得る。ある例において、不斉は所定の結合、例えば特定の化合物の2個の置換された芳香環を隣接する中心結合についての制限された回転のために存在し得る。
【0053】
環上の置換基はまた、シスまたはトランス形態のいずれかで存在することもできる。全てのかかる立体配座は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0054】
好ましい化合物はより望ましい生物学的活性を与えるものである。本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体またはラセミまたはジアステレオマー混合物もまた、本発明の範囲内に包含される。かかる物質の精製および分離は該分野で知られた標準的な技術により達成することができる。
【0055】
光学異性体は従来方法に従って、例えば、光学活性な酸または塩を使用するジアステレオ異性体の塩の形成または共有結合したジアステレオマーの形成による、ラセミ混合物の分割により得ることができる。好適な酸の例は酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸および樟脳スルホン酸である。ジアステレオマーの混合物は該分野で既知の方法により、物理的および/または化学的差違に基づいて、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化により、各々ジアステレオマーに分割される。光学活性な塩または酸を、分割されたジアステレオマーの塩から遊離させる。光学異性体を分離するための別の方法は従来の誘導体形成を伴って又は伴わないで、エナンチオマーの分離を最大とするよう選択されたキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を含むものである。好適なキラルHPLCカラムは何れも日常的に選択可能である多くのもののうち、特にDiacel、例えばChiracel ODおよびChiracel OJとして製造されている。誘導体形成を伴った又は伴わない酵素的分離もまた有用である。本発明の光学活性な化合物は同様に、光学活性な出発材料を用いるキラル合成によっても得られ得る。
【0056】
様々なタイプの異性体を互いに限定するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45, 11-30, 1976)を参照する。
【0057】
本発明は本発明の化合物のすべての適する同位体変化(isotopic variation)も含む。本発明の化合物の同位体変化は少なくとも1個の原子が同じ原子番号を有するが自然界で通常または支配的に見られる原子量とは異なる原子量を有する原子により置き換えられているものと定義される。本発明の化合物に組み込まれ得る同位元素の例には水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位元素、例えば、
2H(重水素)、
3H(トリチウム)、
11C、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iおよび
131Iが各々含まれる。本発明の化合物のある種の同位体変化、例えば、1個以上の
3Hまたは
14Cなどの放射性同位元素が組み込まれているものは薬物および/または基質組織分布の研究において有用である。トリチウム標識および炭素−14、即ち、
14Cの同位元素は製造の容易さおよび検出性のために、特に好ましい。さらに、重水素などの同位元素による置換は、より高い代謝安定性に起因する治療的利点、例えば、インビボ半減期延長または必要投与量減少を与え得るので、いくつかの状況で好まれ得る。本発明の化合物の同位体変化は一般的に、当業者に知られている常套の方法で、例えば、例示的方法によりまたは後述の実施例に記載する製造により、適当な反応物の適当な同位体変化を使用して、製造できる。
【0058】
本発明は1つの立体異性体またはあらゆる比率の立体異性体の混合物として本発明の化合物の全ての起こり得る立体異性体を包含する。本発明の化合物の1つの立体異性体、例えば1つのエナンチオマーまたは1つのジアステレオマーの単離は、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーなどの任意の好適な最先端の方法により達成され得る。
【0059】
さらに、本発明の化合物は互変異性体として存在し得る。任意の本発明の化合物はヘテロアリール基、例えば1H互変異性体または2H互変異性体またはさらに2つの互変異性体の任意の量の混合物として存在し得るピラゾール部分、あるいは、例えば1H互変異性体、2H互変異性体または4H互変異性体またはさらに該1H、2Hおよび4H互変異性体の任意の量の混合物として存在し得るトリアゾール部分、即ち
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
を含有する。
【0060】
本発明は本発明の化合物の全ての可能な互変異性体を、1個の互変異性体または任意の割合で該互変異性体の任意の混合物として包含する。
【0061】
また、本発明の化合物はN−オキシドとして存在でき、これは本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されるということを規定する。本発明は全てのかかる可能なN−オキシドを包含する。
【0062】
本発明はまた、本明細書に開示されたような化合物の有用な形態、例えば、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩および共沈殿物に関する。
【0063】
本発明の化合物は水和物または溶媒和物として存在でき、ここで本発明の化合物は極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを、例えば化合物の結晶格子の構造要素として含有する。極性溶媒の量、特に水の量は化学量論または非化学量論の割合で存在し得る。化学量論的な溶媒和物の場合には、例えば、一水和物、ヘミ−、(セミ−)、モノ−、セスキ−、−ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−等の溶媒和物または水和物のそれぞれが可能である。本発明は全てのかかる水和物または溶媒和物を包含する。
【0064】
また、本発明の化合物は、例えば、遊離の塩または遊離の酸または双生イオンとして遊離形態で存在できるかまたは塩の形態で存在できる。該塩は有機または無機付加塩いずれかの任意の塩、特に調剤で通常使用される任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であり得る。
【0065】
用語“薬学的に許容される塩”は本発明の化合物の比較的非毒性の、無機または有機酸付加塩をいう。例えば、S. M. Berge, et al. “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19を参照されたい。
【0066】
本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性である鎖または環内に窒素原子を担持する本発明の化合物の酸付加塩であってもよく、例えば、無機酸との、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、二硫酸(bisulfuric)、リン酸または硝酸などまたは有機酸との、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモン酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸との酸付加塩であってもよい。
【0067】
さらに、十分に酸性である本発明の化合物の別の好適な薬学的に許容される塩はアルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理学的に許容されるカチオンを提供できる有機性塩基、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リシン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、ソーク−ベース(sovak−base)、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールとの塩である。さらに、塩基性窒素含有基は低級アルキルハライド、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル;および硫酸ジアミル、長鎖ハライド、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物、アラルキルハライド、例えばベンジルおよびフェネチルの臭化物などの物質で四級化され得る。
【0068】
当業者は、請求された化合物の酸付加塩は多数の既知のいずれかの方法により、本化合物と好適な無機または有機酸との反応により製造されることをさらに認識する。あるいは本発明の酸化合物のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は様々な既知の方法により本発明の化合物を好適な塩基と反応させることにより製造される。
【0069】
本発明は単一の塩としてまたはあらゆる比率での該塩の任意の混合物として、本発明の化合物の全ての可能な塩を包含する。
【0070】
本明細書で使用する用語“インビボで加水分解可能なエステル”とはカルボキシまたは水酸基を含有する本発明の化合物のインビボでの加水分解可能なエステル、例えば、ヒトまたは動物の身体内で加水分解して、親の酸またはアルコールを生じる薬学的に許容されるエステルを意味すると理解される。カルボキシについて好適な薬学的に許容されるエステルは、例えば、アルキル、シクロアルキルおよび所望により置換されたフェニルアルキル、特にベンジルエステル、C
1−C
6アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル、C
1−C
6アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C
3−C
8シクロアルコキシ−カルボニルオキシ−C
1−C
6アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチル;およびC
1−C
6−アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルが挙げられ、本発明の化合物中の任意のカルボキシ基により形成されてもよい。
【0071】
水酸基を含有する本発明の化合物のインビボで加水分解可能なエステルには無機エステル、例えばリン酸塩エステルおよび[α]−アシルオキシアルキルエーテル、ならびに、エステル分解のインビボでの加水分解の結果として親の水酸基を提供する関連化合物が挙げられる。[α]−アシルオキシアルキルエーテルの例はアセトキシメトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシを含む。水酸基に対するインビボで加水分解可能なエステル形成基の選択はアルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチルおよび置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカーボネートエステルを提供する)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを提供する)、ジアルキルアミノアセチルおよびカルボキシアセチルを含む。本発明は全てのかかるエステルを含む。
【0072】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶形態および多形を含み、1つの多形または任意の比の1以上の多形の混合物を含む。。
【0073】
第一の態様に従って、本発明は一般式(I)
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子またはC
1−C
3−アルキル基を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていることもあり;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8;−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物を包含する。
【0074】
好ましい実施態様では、本発明は式中、R
1が
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0075】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
1が
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0076】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
1が
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0077】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
1が
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0078】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
2が
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し、R
5aはメトキシ−を表し、Qは、好ましくはCHを表す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0079】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
2が
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し、R
5aはF
3C−CH
2−O−を表し、Qは、好ましくはCHを表す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0080】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
2が
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
からなる群から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0081】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0082】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0083】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0084】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0085】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0086】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
2が
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0087】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5が水素原子またはメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0088】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5が水素原子を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0089】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがC
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルコキシ−、C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0090】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−、C
1−C
2−アルキル−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0091】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがC
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルコキシ−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0092】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0093】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aが同一または異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあるメトキシ−またはエトキシ基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。好ましいハロゲン原子はFである。
【0094】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがメトキシ−、エトキシ−、F
3C−CH
2−O−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0095】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがメトキシ−、F
3C−CH
2−O−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0096】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがメトキシ−を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0097】
別の好ましい実施態様では、本発明は式中、R
5aがF
3C−CH
2−O−を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0098】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bがR
7−S(=O)
2−を表し、R
7がC
1−C
3−アルキル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0099】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bがR
7−S(=O)
2−を表し、R
7がメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0100】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)N(H)R
8を表し、R
8が水素原子またはC
1−C
3−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、該C
1−C
3−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。好ましいハロゲン原子はFである。
【0101】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)N(H)R
8を表し、R
8が水素原子またはC
1−C
3−アルキル基を表し、該C
1−C
3−アルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。好ましいハロゲン原子はFである。
【0102】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)N(H)R
8を表し、R
8が−CH
3、−CF
3、−C
2H
5、−CH
2CF
3を表す、上記の式(I)の化合物に関する。好ましいハロゲン原子はFである。
【0103】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)NR
8R
7を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基またはハロ−C
1−C
3−アルキル基で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0104】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)NR
8R
7を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基またはハロ−C
1−C
3−アルキル基で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0105】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)NR
8R
7を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0106】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−C(=O)NR
8R
7を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4員ヘテロ環式環を表し、これは1個以上のフッ素原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0107】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−N(R
7)C(=O)OR
8を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基またはハロ−C
1−C
3−アルキル基で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0108】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−N(R
7)C(=O)OR
8を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって5員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基またはハロ−C
1−C
3−アルキル基で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0109】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが−N(R
7)C(=O)OR
8を表し、R
7およびR
8がそれらが結合している分子フラグメントと一体となって5員ヘテロ環式環を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0110】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが
H
3C−S(O)
2−、H
2N−C(O)−、(CH
3)
2N−C(O)−、
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
から選択される、上記の式(I)の化合物に関する。
【0111】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bがH
3C−S(O)
2−を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0112】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0113】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0114】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0115】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
5bが
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0116】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
6が
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0117】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
7がC
1−C
3−アルキル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0118】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
7がメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0119】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
8が水素原子またはC
1−C
6−アルキル基を表し、該C
1−C
6−アルキル基が1個以上のハロゲン原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0120】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
8が水素原子またはC
1−C
3−アルキル基を表し、該C
1−C
3−アルキル基が1個以上のハロゲン原子で置換されていることもある、上記の式(I)の化合物に関する。
【0121】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0122】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し、R
10が水素原子またはメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0123】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がメチル−、ヒドロキシ−C
1−C
2−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し、R
10が水素原子またはメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0124】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がメチル−、HO−CH
2−、H
2N−CH
2−、−NH
2から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0125】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がメチル−、HO−CH
2−、−NH
2から選択される基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0126】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がメチル基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0127】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9がHO−CH
2基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0128】
別の好ましい実施態様では、本発明はR
9が−NH
2基を表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0129】
別の好ましい実施態様では、本発明はQがCHを表す、上記の式(I)の化合物に関する。
【0130】
当業者に公知のとおり、化合物の分子量は頻繁にバイオアベイラビリティに影響を与える;例えば、リピンスキーのルール・オブ・ファイブ(Lipinski, C.A.; Lombardo, F.; Dominy, B.W.; Feeney, P.J.; Adv. Drug Deliver. Rev. 1997, 23, 3)参照。実験的に証明されたとおり、バイオアベイラビリティの乏しい化合物を許容されるものから分ける500の分子量に、明確なカットオフはない−しかしながら、高いバイオアベイラビリティは実際低い分子量と相関することが証明されている(例えば、Veber et al.,J. Med. Chem. 2002, 45, 2615-2623 参照)。従って、好ましい実施態様では、本発明は分子量が655より小さい上記の式(I)の化合物に関する。別の好ましい実施態様では上記の式(I)の化合物の分子量は630より小さく、より好ましくは600より小さく、最も好ましくは590より小さい。
【0131】
本発明は上記の好ましい実施態様のいかなる組合せにも関すると理解されるべきである。
組合せのいくつかの例を後述する。しかしながら、本発明はこれらの組合せに限定されない。
【0132】
好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていてもよく;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよく;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8;−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0133】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていてもよく;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよく;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8;−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0134】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−から選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていてもよく;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよく;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8;−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0135】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−から選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0136】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−から選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はメチル−、ヒドロキシ−C
1−C
2−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0137】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルコキシ−から選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
7はC
1−C
3−アルキル基またはシクロプロピル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル基、ハロ−C
1−C
3−アルキル基またはC
1−C
3−アルコキシ基で置換されていることもあり;
R
9はメチル−、ヒドロキシ−メチル−、−NH
2から選択される基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0138】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7から選択される基を表し;
R
6は
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていることもあり;
R
7はC
1−C
3−アルキル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
3−アルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
3−アルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0139】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bは−N(R
7)C(=O)OR
8基を表し;
R
6は
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていることもあり;
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し;
R
9はメチル−、ヒドロキシ−C
1−C
2−アルキル−、−NH
2、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0140】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−、C
1−C
4−アルキルから選択される基を表し;
R
5bはR
7−S(=O)
2基を表し;
R
6は
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
該基は同一または異なる1個以上のハロゲン原子またはメチル基で置換されていることもあり;
R
7はC
1−C
3−アルキル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基またはC
3−C
6−シクロアルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
R
9はメチル−、ヒドロキシ−C
1−C
2−アルキル−、−NH
2、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0141】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2は
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはC
1−C
4−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
4−アルコキシ−から選択される基を表し;
R
5bは−C(=O)N(H)R
8、−C(=O)NR
8R
7、−N(R
7)C(=O)OR
8、R
7−S(=O)
2−から選択される基を表し;
R
6は
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
基を表し、
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
7はC
1−C
3−アルキル基を表し;
R
8は水素原子またはC
1−C
3−アルキル基を表し、
ここで、該C
1−C
6−アルキル基は1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
または
R
7およびR
8はそれらが結合している分子フラグメントと一体となって4〜6員ヘテロ環式環を表し、これは同一または異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていることもあり;
R
9はメチル−、ヒドロキシ−C
1−C
2−アルキル−、−N(R
10)R
10、−C
1−C
2−アルキル−N(R
10)R
10から選択される基を表し;
R
10は水素原子またはメチル基を表し;
QはCHまたはNを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0142】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表し;
R
2は
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表し;
R
5aはメトキシ−、エトキシ−、F
3C−CH
2−O−から選択される基を表し;
R
5bはH
3C−S(O)
2−、H
2N−C(O)−、(CH
3)
2N−C(O)−、
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
から選択される基を表し;
QはCHを表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0143】
別の好ましい実施態様では、本発明は式(I)
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R
1は
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表し;
R
2は
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示す)
を表し;
R
3は水素原子を表し;
R
4は水素原子を表し;
R
5は水素原子を表す。]
の化合物またはその互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物に関する。
【0144】
本発明は上記の一般式(I)の化合物の任意の実施形態において、任意の下位組み合わせに関すると理解されるべきである。
【0145】
より具体的には本発明は以下の本明細書の実施例の章において開示されている一般式(I)の化合物を含む。
【0146】
別の態様に従って、本発明は本発明の化合物の製造方法を包含し、該方法は本明細書に実験の部で記載した工程を含む。
【0147】
好ましい実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物製造方法に関し、その方法では一般式(5)
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の中間体化合物を、一般式(5a):
R
2−Y
(5a)
[式中、R
2は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Yは、例えばハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。]
のアリール化合物と反応させ、こうして一般式(I)
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得る。
【0148】
より好ましい実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物製造方法に関し、その方法では一般式(5)
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の中間体化合物を、一般式(5a):
R
2−Y
(5a)
[式中、R
2は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Yは、例えばハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。]
のアリール化合物と反応させ、こうして一般式(Ia)
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得て、
そして、
場合により、式(I)
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を、式(Ib)
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物から分離する。
【0149】
別の好ましい実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法では一般式(7)
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、R
1aは−NH
2置換基がパラ位に結合しているフェニル基である。]
の中間体化合物を、一般式(7a)
R
1b−X
(7a)
[式中、R
1b−Xは
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、R
9およびR
6は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Xは適当な官能基(例えば、−OH、−O−C
1−C
6−アルキル基またはハロゲン原子)であり、それを介して、R
1b−X化合物(7a)のR
1bが例えばアミドカップリング反応などのカップリング反応により、化合物(7)のフェニル基R
1aに結合した−NH
2置換基にカップリングできる}
を表す。]
の化合物と反応させ、こうして一般式(I)
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得る。
【0150】
別の好ましい実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法では一般式(7)
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、R
1aは−NH
2置換基がパラ位に結合しているフェニル基である。]
の中間体化合物を、一般式(7a)
R
1b−X
(7a)
[式中、R
1b−Xは
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、R
9およびR
6は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Xは適当な官能基(例えば、−OH)であり、それを介して、R
1b−X化合物(7a)のR
1bが例えばアミドカップリング反応などのカップリング反応により、例えばHATUなどのカップリング剤および例えば重炭酸ナトリウムなどの塩基を、例えば、THF、DMF、DCM、NMPなどの不活性溶媒またはこれらの混合物中で使用して、化合物(7)のフェニル基R
1aに結合した−NH
2置換基にカップリングできる}
の化合物と反応させ、こうして一般式(I)
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得る。
【0151】
別の好ましい実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法では一般式(7)
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、R
1aは−NH
2置換基がパラ位に結合しているフェニル基である。]
の中間体化合物を、一般式(7a)
R
1b−X
(7a)
[式中、R
1b−Xは
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、R
9およびR
6は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Xは適当な官能基(例えば、−OH、−O−C
1−C
6−アルキル基またはハロゲン原子)であり、それを介して、R
1b−X化合物(7a)のR
1bが例えばアミドカップリング反応などのカップリング反応により、化合物(7)のフェニル基R
1aに結合した−NH
2置換基にカップリングできる}
を表す。]
の化合物と反応させ、こうして一般式(Ia)
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得て、
そして、
場合により、式(I)
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を、式(Ib)
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物から分離する。
【0152】
別の実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物製造方法に関し、その方法では一般式(4)
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Yはハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。]
の中間体化合物を、一般式
R
1−Z
[式中、R
1は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Zはボロン酸またはボロン酸エステルなどの適当な官能基を表す。]
の化合物と反応させ、こうして一般式(I)
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得る。
【0153】
別の実施態様では、本発明は上記の一般式(I)の化合物製造方法に関し、その方法では一般式(4)
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Yはハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。]
の中間体化合物を、一般式
R
1−Z
{式中、R
1は
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである)
を表し、
Zはボロン酸またはボロン酸エステルなどの適当な官能基を表す}
の化合物と反応させ、こうして一般式(Ia)
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を得て、
そして、
場合により、式(I)
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物を、式(Ib)
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
5、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物から分離する。
【0154】
説明のために:
式(Ia)
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物は任意の比の、式(Ib)
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および式(Ic)
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の混合物である。
【0155】
通常、式(Ia)の化合物はラセミ混合物であり、これはそれが等量の式(Ib)の化合物および式(Ic)の化合物を含有することを意味する。しかしながら、ラセミ混合物に限定されるべきではなく、任意の比であり得る。
【0156】
同じことが
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し、R
6およびR
9は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の基を含む他の化合物にも適用される。
【0157】
さらなる態様に従って、本発明は一般式(I)の本発明の化合物の製造において、特に本明細書に記載の方法において、有用である中間体化合物を包含する。特に、本発明は一般式(5)
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
の化合物、立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物を包含する。
【0158】
また別の態様に従って、本発明は
(a)一般式(5)
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりである。]
または
(b)一般式(7)
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、R
1aは−NH
2置換基がパラ位に結合しているフェニル基である。]
または
(c)一般式(4)
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、Yはハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。]
の中間体化合物の、一般式(I)の化合物を製造するための使用を包含する。
【0159】
当業者が承知するとおり、上記の方法は、例えば、保護基の導入および保護基の開裂などのさらなる工程を含み得る。特に、R
1またはR
9がH
2N基またはHO基を含む場合、これらの基は通常、各々のカップリング反応に先立ち、本明細書に記載する適当な保護基PG
1およびPG
2により保護される。保護基はカップリング反応の後に除去される。
【0160】
実験の部
以下の表はこの章および実施例の章で使用される略語を挙げている。NMRピークの形はそれらがスペクトルに現れる場合に記述され、起こり得る高次効果は考慮されていない。
【0161】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
下記に記述するスキームおよび方法は本発明の一般式(I)の化合物への一般的な合成経路を説明するものであり、制限することを意図するものではない。スキームに例示したような変換の順序は様々な方法にて変更され得ることは当業者には明白であろう。即ち、スキームにて例示した変換の順序は制限することを意図するものではない。加えて、置換基R
1またはR
2のいずれかの相互変換を、例示した変換の前および/または後に達成できる。これらの変換は、例えば保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元または酸化、ハロゲン化、メタル化、置換または当業者には既知の他の反応であり得る。これらの変換は置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものを包含する。好適な保護基およびその導入および解裂は当業者には十分知られている(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例は以下の章に記述される。
【0163】
第一反応スキームを下に略記する。
本発明の一般式(I)の化合物の合成
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
スキーム1において:
R
1は
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
1aは−NH
2置換基または保護アミノ基(上に定義したPG
2、例えばBoc基により保護)がパラ位に結合したフェニル基であり;
R
1bは
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
ここで、*は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は上で一般式(I)の化合物について定義したとおりであり;
R
9は上で一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、一方、R
9がOH基またはNH
2基を含むならば、R
9は当業者に公知のとおり各保護基(ここで定義するとおりPG
1またはPG
2により保護)を表し(例えば実施例01.10および実施例01.11ならびに中間体Int08.143およびInt08.150参照);
Xは適当な官能基(例えば−OH基または−O−C
1−C
6−アルキル基またはハロゲン原子)であり、これを介してR
1b−XのR
1b基がR
1aのフェニル基に結合した−NH
2置換基へのカップリング反応を介してカップリングでき、こうして一般式(I)の化合物を得て;
Yは、例えばハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基のような脱離基を表し;
Zは、例えばハロゲン原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基のような適当な官能基であり、これを介して、R
1−Z化合物のR
1がカップリング反応により、化合物(4)のY担持炭素原子に結合でき、これにより該Yを該R
1基に置き換える。
【0165】
R
1が
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
であるとき、所望の式(Ic)
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式(Ib)
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
の各アンチポードから分離するために、分離工程が反応工程
(4) → (I)、
(5) → (I)および
(7) → (I)、
後に必要である可能性がある。
【0166】
光学異性体は慣用法による、例えば、光学活性酸または塩基を使用するジアステレオ異性塩類の形成または共有結合ジアステレオマーの形成による、ラセミ混合物の分割により得ることができる。ジアステレオ異性体の混合物は当分野で知られた方法により、その物理的および/または化学的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶により、個々のジアステレオマーに分割できる。その後、光学活性異性体を分離したジアステレオマー塩類または共有結合ジアステレオマーから遊離させる。光学異性体を分離するための他の方法は所望によりエナンチオマーの分離を最大化するために選択する、慣用の誘導体化を伴うまたは伴わないキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用である。適当なキラルHPLCカラムは、例えばとりわけChiracel ODおよびChiracel OJであり、全て日常的に選択されている。誘導体化を伴うまたは伴わない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物は同様に、文献に記載のとおり光学活性出発物質またはキラル助剤を使用するキラル合成により得ることができる(例えばJiang, Y; Chen, CA; Lu, K; Daniewska, I; De Leon, J; Kong, R; Forray, C; Li, B; Hegde, LG; Wolinsky, TD; Craig, DA; Wetzel, JM; Andersen, K; Marzabadi, MR : J. Med. Chem. 2007, 50, 3870)。
【0167】
一般式(I)の化合物はスキーム1に記載する方法に従い合成できる。
【0168】
式R
2−Yの多くのアリールハライド類を商業的に得ることができる。一般構造R
1a−ZおよびR
1−Zの反応材は、例えばアリールボロン酸類またはアリールボロン酸エステル類であり得る。一般構造R
1a−ZおよびR
1−Zの多くのこのような反応材も商業的に入手可能である。一般構造R
1a−ZおよびR
1−Zの反応材はアリールハライド類から製造できる[例えばK.L. Billingslay, T.E. Barde, S.L Buchwald, Angew. Chem. 2007, 119, 5455またはT.Graening, Nachrichten aus der Chemie, Jan 2009, 57, 34参照]。
【0169】
当業者は一般式(1)の適当な3,4,6−置換5−ハロ−ピリジン−2−イルアミン類の合成のために多くの先例の方法が存在することを認識し、3,4,6−置換5−ハロ−ピリジン−2−イルアミン類を商業的に得ることができる。
【0170】
一般式(1)の適当に置換された5−ハロ−ピリジン−2−イルアミン中間体を、、例えばエトキシカルボニルイソチオシアナートのような適当なオキシカルボニルイソチオシアナートを、室温から溶媒の沸点の範囲の温度、好ましくは室温での反応により、対応する一般式(2)の中間体に変換できる[例えばM. Nettekoven, B. Puellmann, S. Schmitt, Synthesis 2003, 1643 - 1652参照]。
【0171】
一般式(2)の中間体を、適当な反応材、例えばヒドロキシルアミン塩酸塩と、例えばDIPEAのような適当な塩基の存在下、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールまたはこれらの溶媒の混合物のような適当な溶媒系中、高温で、例えば60℃でとの反応により、一般式(3)の6−ハロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルアミン中間体に変換する[例えばM. Nettekoven, B. Puellmann, S. Schmitt, Synthesis 2003, 1643 - 1652参照]。
【0172】
一般式(3)の中間体を、適当なアリール化合物R
2−Y、好ましくはアリールブロマイド類またはアリールアイオダイド類または、例えばアリールトリフルオロメチルスルホネート類またはアリールノナフルオロブチルスルホネート類と、例えばNaOtBuまたは炭酸セシウムまたはリン酸カリウムのような適当な塩基および例えばPd
2(dba)
3/rac-BINAP、Pd
2dba
3/X-Phos、Pd
2dba
3/tBu-X-Phos、Pd
2dba
3/Brett-Phos、Pd-X-Phos-pre-cat/X-Phos、Pd-tBu-X-Phos-pre-cat/tBu-X-Phos、Pd-Brett-Phos-pre-cat/Brett-Phosのような適当な触媒/リガンド系の存在下、THF、トルエン、キシレン、DMEまたはNMPまたはこれらの溶媒の混合物のような適当な溶媒中、室温〜200℃の範囲の温度で反応させることにより、一般式(4)の中間体に変換する。当業者には当然であるが温度、溶媒および触媒系の選択のような反応条件の適切な選択は一般式(3)の中間体のアミノ基での好ましい誘導体化に重要である。
【0173】
一般式(4)の中間体を、例えばボロン酸誘導体のような適当な反応材R
1−Zと、例えばPd(OAc)
2およびP(oTol)
3またはPdCl
2(PPh
3)
2およびPPh
3のような適当な触媒系および例えば炭酸カリウム水溶液のような適当な塩基の存在下、例えばTHF、DME、エタノールまたは1−プロパノールまたはこれらの溶媒の混合物のような適当な溶媒中、室温〜200℃の範囲の温度で、好ましくは使用する溶媒の沸点で反応させることにより、一般式(I)の化合物に変換できる。
【0174】
一般式(I)の化合物の別合成経路において、一般式(3)の中間体を、例えばボロン酸誘導体のような適当な反応材R
1−Zと、例えばPd(OAc)
2およびP(oTol)
3またはPdCl
2(PPh
3)
2およびPPh
3のような適当な触媒系および例えば炭酸カリウム水溶液のような適当な塩基の存在下、例えばTHF、DME、エタノールまたは1−プロパノールまたはこれらの溶媒の混合物のような適当な溶媒中、室温〜200℃の範囲の温度、好ましくは使用する溶媒の沸点で反応させて、一般式(5)の中間体を得る。
【0175】
一般式(5)の中間体を、適当なアリール化合物R
2−Y、好ましくはアリールブロマイド類またはアリールアイオダイド類または、例えばアリールトリフルオロメチルスルホネート類またはアリールノナフルオロブチルスルホネート類と、例えばNaOtBuまたは炭酸セシウムまたはリン酸カリウムのような適当な塩基および例えばPd
2(dba)
3/rac-BINAP、Pd
2dba
3/X-Phos、Pd
2dba
3/tBu-X-Phos、Pd
2dba
3/Brett-Phos、Pd-X-Phos-pre-cat/X-Phos、Pd-tBu-X-Phos-pre-cat/tBu-X-Phos、Pd-Brett-Phos-pre-cat/Brett-Phosのような適当な触媒/リガンド系の存在下、THF、トルエン、キシレン、DMEまたはNMPまたはこれらの溶媒の混合物のような適当な溶媒中、室温〜200℃の範囲の温度で反応させて、一般式(I)の化合物に変換できる。
【0176】
またスキーム1に記載するとおり、一般式(I)の化合物のさらに別合成経路がある。一般式(3)の中間体を、一般式(5)の中間体の合成について上記した反応材R
1a−Zとのカップリング反応により一般式(6)の中間体に変換し、これにより一般式(3)の中間体の該Yを該R
1a基に置き換えることができる。
【0177】
続いて、一般式(6)の中間体を、一般式(4)の中間体の合成について上記した反応材R
2−Yとのカップリング反応により一般式(7)の中間体に変換し、これによりNHと該R
2基の間の結合を形成する。
【0178】
続いて、一般式(7)の中間体を、1回以上のさらなる変換により一般式(I)の化合物に変換できる。これらは保護基の開裂、官能基の還元または酸化、ハロゲン化、メタレーション、置換または当業者に知られた他の反応のような修飾であってよく、これによりR
1aを該R
1基に変換する。
【0179】
さらにスキーム1に記載のとおり、一般式(I)の化合物のさらに別合成経路がある。一般式(3)の中間体を、一般式(5)の中間体の合成について上記した反応材R
1a−Zとのカップリング反応により一般式(6)の中間体に変換し、これによりreplacing 一般式(3)の中間体の該Yを該R
1a基に置き換えることができる。
【0180】
続いて、一般式(6)の中間体を、1回以上のさらなる変換により一般式(5)の中間体に変換できる。これらは保護基の開裂、官能基の還元または酸化、ハロゲン化、メタレーション、置換または当業者に知られた他の反応のような修飾であってよく、これによりR
1aを該R
1基に変換する。
【0181】
続いて、一般式(5)の中間体を、一般式(4)の中間体の合成について上記した反応材R
2−Yとのカップリング反応により一般式(I)の化合物に変換し、これによりNHと該R
2基の間の結合を形成する。
【0182】
下記スキーム2〜3の各々はある選択した一般式(I)の化合物の合成についての具体的変換を説明する。
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム2:一般式(11)の化合物の合成であって、ここでR
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は上で一般式(I)の化合物について定義したとおりである。Yは脱離基、例えばハロゲンである。
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8、−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、PG
1−O−C
1−C
3−アルキル−、−N(PG
2)R
8、N(PG
2)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から成る群から選択される基を表す。
【0183】
a)一般式(6)の中間体の合成についてここに記載した条件を使用するカップリング反応;
b)一般式(7)の中間体の合成についてここに記載した条件を使用するカップリング反応;
c)当業者に知られる条件を使用したBoc保護基の除去(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999参照);
d)例えば、例えばHATUまたはTBTUのようなカップリング剤および例えば炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはDIPEAのような塩基を、例えばTHF、DMF、DCM、NMPまたはその混合物のような不活性溶媒中で使用する、アミノ結合の形成のための条件。所望により、R
9がPG
1−O−C
1−C
3−アルキル−、−N(PG
2)R
8またはN(PG
2)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−であるならば、保護基の除去を工程d)に含む(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999参照)。
【0184】
好ましくは工程d)において、式7a:
R
1b−X
(7a)
〔式中、
R
1bは
【化119】
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であり、ここで、は該基の分子の残りの部分との結合点を示し;
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8;−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、PG
1−O−C
1−C
3−アルキル−、−N(PG
2)R
8、N(PG
2)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から選択される基を表し;
R
6、R
7およびR
8は上で一般式(I)の化合物について定義したとおりであり、
Xは適当な官能基(例えば−OH基または−O−C
1−C
6−アルキル基またはハロゲン原子)であり、これを介して、R
1b−XのR
1b基がR
1aのフェニル基に結合した−NH
2置換基上にカップリング反応を介してカップリングでき、こうして、上記一般式(I)の化合物を得る。〕
キラル化合物を、アミド結合形成に使用する。
【0185】
そうでなければ、所望の式(I)のキラル化合物を各アンチポードから分離するために分離工程が必要となり得る。
【0186】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム3:一般式(11)の化合物の合成であって、ここで、
R
9はC
1−C
3−アルキル−、ヒドロキシ−C
1−C
3−アルキル−、−N(H)R
8、−N(R
7)R
8、N(H)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、N(R
7)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−、PG
1−O−C
1−C
3−アルキル−、−N(PG
2)R
8、N(PG
2)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−から成る群から選択される基を表し;
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は上で一般式(I)の化合物について定義したとおりである。
【0187】
a)当業者に知られる条件を使用したBoc保護基の除去(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999参照);
b)例えば、例えばHATUまたはTBTUのようなカップリング剤および例えば炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはDIPEAのような塩基を例えばTHF、DMF、DCM、NMPまたはその混合物のような不活性溶媒中で使用する、アミド結合形成のための条件;
c)一般式(4)の中間体の合成について上記した条件を使用するカップリング反応。所望により、R
9がPG
1−O−C
1−C
3−アルキル−、−N(PG
2)R
8またはN(PG
2)(R
8)−C
1−C
3−アルキル−であるならば、保護基の除去を工程c)に包含させる(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999参照)。
【0188】
好ましくは工程b)およびc)を非キラル化合物を用いて行い、その各アンチポードからの所望の式(I)のキラル化合物の分離を、工程c)に従うカップリング反応後に行う。
【0189】
本発明の方法により製造した化合物および中間体は精製が必要であり得る。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同じ化合物を精製するのにいくつかの方法が存在し得る。ある場合において、精製は必要ないかもしれない。ある場合において、本化合物を、結晶化により精製し得る。ある場合において、不純物を適当な溶媒を使用して析出させうる。ある場合において、本化合物を、例えば予充填シリカゲルカートリッジ、例えばIsolute(登録商標)Flashシリカゲル(シリカゲルクロマトグラフィー)またはIsolute(登録商標)Flash NH2シリカゲル(アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィー)のようなSepartisを、Flashmaster II(Separtis)またはIsolera系(Biotage)のような適当なクロマトグラフ系および例えば、ヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配のような溶離剤と組み合わせて使用するクロマトグラフィー、特にフラッシュクロマトグラフィーにより精製し得る。ある場合において、本化合物を、例えば、ダイオードアレイディテクターおよび/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化マススペクトロメーターを備えたWaters autopurifierを、適当な予充填逆相カラムおよび、例えば、トリフルオロ酢酸、ギ酸または水性アンモニアのような添加物を含み得る水とアセトニトリルの勾配のような溶離剤と組み合わせて使用する、分取HPLCにより精製し得る。
【0190】
分析的UPLC−MSを次のとおり行った:
方法A:システム:UPLC Acquity (Waters)とPDA DetectorおよびWaters ZQマススペクトロメーター;カラム:Acquity BEH C18 1.7μm 2.1×50mm;温度:60℃;溶媒A:水+0.1%ギ酸;溶媒B:アセトニトリル;勾配:99%A→1%A(1.6分)→1%A(0.4分);流速:0.8mL/分;注入体積:1.0μl(0.1mg〜1mg/mLサンプル濃度);検出:PDA走査範囲210〜400nm − 固定およびESI(+)、走査範囲170〜800m/z
【0191】
中間体化合物の合成
中間体実施例Int01.01
エチル[(5−ブロモピリジン−2−イル)カルバモチオイル]カルバメート
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
エトキシカルボニルイソチオシアナート(16.7g)を、撹拌中の2−アミノ−5−ブロムピリジン(20g)のジオキサン(200mL)溶液に添加した。混合物を2時間、r.t.で撹拌した。白色固体が沈殿した。ヘキサン(20mL)を添加し、白色固体を濾過により回収した。
収量:30.4gの表題化合物。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.22 (t, 3H), 4.19 (q, 2H), 8.08 (dd, 1H), 8.49 (d, 1H), 8.57 (br. d, 1H), 11.37 - 12.35 (m, 2H)
【0192】
中間体実施例Int01.02
6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
ヒドロキシルアンモニウムクロリド(39.8g)をメタノール(200mL)およびエタノール(190mL)に懸濁し、ヒューニッヒ塩基(59mL)をr.t.で添加した。混合物を60℃に加熱し、Int01.01(30g)を少量ずつ添加し、混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、水(150mL)を添加した。固体を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下に乾燥した。
収量:19.3gの表題化合物。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 6.10 (s, 2H), 7.28 (dd, 1H), 7.51 (dd, 1H), 8.88 (dd, 1H)
【0193】
中間体実施例Int01.03。
tert−ブチル[4−(2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.02(5.82g)の1−プロパノール(400mL)溶液に、2M 炭酸カリウム溶液(41mL)、{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}ボロン酸(8.6g)、トリフェニルホスフィン(150mg)およびPdCl
2(PPh
3)
2(1.9g)を添加した。混合物を4時間加熱還流し、溶媒を減圧下に除去し、水(150mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(500mL)で抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、セライトで濾過し、溶媒を減圧下に除去した。残渣をDCMで摩砕して、表題化合物を白色固体として得た。収量:7.2g。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.37 - 1.55 (m, 9H), 5.99 (s, 2H), 7.36 (dd, 1H), 7.48 - 7.55 (m, 2H), 7.55 - 7.62 (m, 2H), 7.69 (dd, 1H), 8.78 (dd, 1H), 9.44 (s, 1H)
【0194】
中間体実施例Int01.04
6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.03(7.05g)のDCM(210mL)懸濁液に、TFA(66mL)を添加した。混合物をr.t.で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した。飽和炭酸カリウム溶液をpHが10になるまで添加し、混合物をDCMおよびメタノール(10:1)で3回抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、4.6gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 5.26 (s, 2H), 5.95 (s, 2H), 6.64 (d, 2H), 7.29 - 7.45 (m, 3H), 7.64 (dd, 1H), 8.60 - 8.70 (m, 1H)
【0195】
中間体実施例Int01.05
N−[4−(2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.04(3.80g)のDMF(350mL)溶液に、炭酸カリウム(11.6g)、Int09.02(5.67g)およびHATU(12.8g)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物を15分撹拌し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。粗製の生成物を酢酸エチルで摩砕して、4.07gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 3.83 (q, 1H), 5.98 (s, 2H), 7.08 - 7.17 (m, 2H), 7.32 - 7.44 (m, 3H), 7.60 - 7.67 (m, 4H), 7.70 (dd, 1H), 8.79 (d, 1H), 10.13 (s, 1H)
【0196】
中間体実施例Int02.01
4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸メチル
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(10.0g)のDMF(50mL)溶液に、炭酸カリウム(17.9g)およびヨードメタン(9.2mg)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、混合物を水で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、10gの表題化合物を得て、これをさらに精製することなく使用した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.82 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 7.41 (dd, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.67 (d, 1H)
【0197】
中間体実施例Int02.02
4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸メチル(11.2g)のTHF(130mL)、メタノール(45mL)および水(45mL)溶液に、1M 水酸化リチウム水溶液(140mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。水を添加し、1N 塩酸を、pHが4になるまで氷浴で冷却しながら添加した。沈殿した固体を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下乾燥して、10.1gの表題化合物を得て、これをさらに精製することなく使用した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.87 (s, 3H), 7.42 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 13.21 (br. s., 1H)
【0198】
中間体実施例Int02.03
4−ブロモ−3−メトキシ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアミド
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸(2.0g)のTHF(100mL)懸濁液に、2,2,2−トリフルオロエチルアミン(1.26g)、HATU(3,87g)およびDIPEA(1.7ml)を添加した。混合物を室温で12時間撹拌した。水(350ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(350ml)を添加した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。併せた有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより2.57gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.92 (s, 3H), 4.11 (qd, 2H), 7.43 (dd, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 9.19 (t, 1H)
【0199】
中間体実施例Int02.04
アゼチジン−1−イル(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)メタノン
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸(400mg)のDMF(4.0mL)溶液に、炭酸カリウム(720mg)、アゼチジン(148mg)およびTBTU(890mg)を添加した。混合物を室温で60時間撹拌した。水を添加し、混合物を15分撹拌し、溶媒を減圧下除去した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより370mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 2.15 - 2.27 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.00 (t, 2H), 4.26 (t, 2H), 7.07 (dd, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.61 (d, 1H)
【0200】
中間体実施例Int02.05
(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)(3−フルオロアゼチジン−1−イル)メタノン
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸(1.4g)のDMF(15mL)溶液に、炭酸カリウム(2.51g)、3−フルオロアゼチジン塩酸塩(1.01g)およびHATU(3.69g)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。水を添加し、混合物を15分撹拌し、溶媒を減圧下除去した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、1.25gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.90 (s, 3H), 3.99 - 4.16 (m, 1H), 4.31 - 4.65 (m, 3H), 5.36 (tt, 0.5H), 5.50 (tt, 0.5H), 7.14 (dd, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.66 (d, 1H)
【0201】
中間体実施例Int02.06
4−ブロモ−3−メトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド
【化131】
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4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸およびジメチルアミンから出発して、Int02.06をInt02.05の製造法に準じて製造した。
【0202】
中間体実施例Int02.07
(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン
【化132】
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4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸およびピロリジンから出発して、Int02.07をInt02.04の製造法に準じて製造した。
【0203】
中間体実施例Int03.01
1−ブロモ−2−メトキシ−4−(メチルスルファニル)ベンゼン
【化133】
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撹拌中の1−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゼン(4.0g)のDMF(40mL)溶液にナトリウムメタンチオラート(2.76g)を添加した。混合物を室温で30分および85℃で2時間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより280mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 2.46 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 6.74 (dd, 1H), 6.91 (d, 1H), 7.44 (d, 1H)
【0204】
1−ブロモ−2−メトキシ−4−(メチルスルファニル)ベンゼン
【化134】
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撹拌中の1−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゼン(10.0g)のDMF(100mL)溶液に、ナトリウムメタンチオラート(4.44g)を添加した。混合物を65℃で2時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル(4.55mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、さらにナトリウムメタンチオラート(4.44g)を添加した。混合物を65℃で1時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル(4.55mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより6.2gの表題化合物を出発物質との2:1混合物として得た。混合物をさらに精製することなく次工程で使用した。
【0205】
中間体実施例Int03.02
1−ブロモ−2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)ベンゼン
【化135】
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撹拌中のInt03.01(265mg)のクロロホルム(10mL)溶液に、3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(mCPBA)(890mg)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより252mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.22 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 7.39 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.84 (d, 1H)
【0206】
中間体実施例Int04.01
1−ブロモ−2−エトキシ−4−フルオロベンゼン
【化136】
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撹拌中の2−ブロモ−5−フルオロフェノール(5.0g)のDMF(30mL)溶液に、炭酸カリウム(10.8g)およびヨードエタン(6.12g)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。水を添加し、混合物を酢酸エチルとヘキサンの混合物(3:1)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、5.06gの表題化合物を粗製の生成物として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.31 (t, 3H), 4.08 (q, 2H), 6.71 (td, 1H), 7.00 (dd, 1H), 7.55 (dd, 1H)
【0207】
中間体実施例Int04.02
1−ブロモ−2−エトキシ−4−(メチルスルファニル)ベンゼン
【化137】
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撹拌中の1−ブロモ−2−エトキシ−4−フルオロベンゼン(2.0g)のDMF(20mL)溶液に、ナトリウムメタンチオラート(1.66g)を添加した。混合物を2時間、65℃で撹拌した。混合物を室温に冷却し、ヨウ化エチル(1.3mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより1.65gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.24 - 1.36 (m, 3H), 2.45 (s, 3H), 4.08 (q, 2H), 6.73 (dd, 1H), 6.89 (d, 1H), 7.43 (d, 1H)
【0208】
中間体実施例Int04.03
1−ブロモ−2−エトキシ−4−(メチルスルホニル)ベンゼン
【化138】
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撹拌中のInt04.02(1.65g)のクロロホルム(65mL)溶液に、3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(mCPBA)(4.49g)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。氷浴で冷却しながら、重炭酸ナトリウムの半飽和溶液および0.2M チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を30分撹拌し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより1.35gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.35 (t, 3H), 3.22 (s, 3H), 4.20 (q, 2H), 7.37 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.84 (d, 1H)
【0209】
中間体実施例Int05.01
1−ブロモ−4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン
【化139】
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撹拌中の2−ブロモ−5−フルオロフェノール(1.5g)のアセトニトリル(0.5mL)およびDMF(8.5mL)溶液に、マイクロ波チューブ中、炭酸カリウム(2.1g)および2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(2.37g)を添加した。混合物を150℃でマイクロ波オーブン中30分加熱した。別のマイクロ波チューブで同じ反応を繰り返した。両混合物を併せた。溶媒を減圧下に除去し、酢酸エチルおよびヘキサン(1:1)を添加し、混合物を水で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより4.0gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d): δ [ppm] = 4.39 (q, 2H), 6.62 - 6.78 (m, 2H), 7.53 (dd, 1H)
【0210】
中間体実施例Int05.02
1−ブロモ−4−(メチルスルファニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン
【化140】
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撹拌中のInt05.01(4.0g)のDMF(15mL)溶液に、ナトリウムメタンチオラート(1.0g)を添加した。混合物を2時間、60℃で撹拌した。混合物を室温に冷却した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、3.8gの粗製の表題化合物を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d): δ [ppm] = 2.48 (s, 3H), 4.39 (q, 2H), 6.78 - 6.88 (m, 2H), 7.46 (d, 1H)
【0211】
中間体実施例Int05.03
1−ブロモ−4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン
【化141】
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撹拌中のInt05.02(3.8g)のクロロホルム(100mL)溶液に、3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(mCPBA)(8.48g)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。氷浴で冷却しながら、重炭酸ナトリウムの半飽和溶液および0.2M チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を30分撹拌し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を0.2M チオ硫酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをエーテルで摩砕して、2.1gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d): δ [ppm] = 3.06 (s, 3H), 4.50 (q, 2H), 7.45 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.81 (d, 1H)
【0212】
中間体実施例Int06.01
メチル4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾate
【化142】
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撹拌中の4−ブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(2.5g)のアセトニトリル(0.5mL)およびDMF(10mL)溶液に、マイクロ波チューブ中、炭酸カリウム(2.93g)および2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(2.79g)を添加した。混合物を150℃でマイクロ波オーブン中30分加熱した。溶媒を減圧下に除去し、酢酸エチルを添加し、混合物を水で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。残渣をエタノールから再結晶して、1.2gの表題化合物を得た。母液を減圧下濃縮し、アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、メタノールおよび水から再結晶して、さらに0.64gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d): δ [ppm] = 3.93 (s, 3H), 4.47 (q, 2H), 7.56 (d, 1H), 7.58 - 7.70 (m, 2H)
【0213】
中間体実施例Int06.02
4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸
【化143】
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撹拌中のInt06.01(1.83g)のTHF(30mL)、メタノール(10mL)および水(10mL)溶液に、1M 水酸化リチウム水溶液(18mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、2N 塩酸をpH4となるまで添加した。沈殿した固体を濾過により回収し、水で洗浄した。固体をトルエンに懸濁し、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで摩砕して、1.6gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 4.95 (q, 2H), 7.51 (dd, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 13.29 (br. s., 1H)
【0214】
中間体実施例Int06.03
4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンズアミド
【化144】
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撹拌中のInt06.02(0.50g)のTHF(20mL)懸濁液に、DMF(0.2mL)および塩化オキサリル(0.30mL)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。氷浴で冷却しながら、アンモニアガスで反応混合物をバブリングした。白色固体が沈殿した。混合物をさらに15分撹拌した。酢酸エチルを添加し、混合物を水および塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、白色固体を得た。固体をトルエンで摩砕し、トルエンおよびヘキサンで洗浄して、0.27gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 4.88 (q, 2H), 7.45 (dd, 1H), 7.50 (br. s., 1H), 7.64 (d, 1H), 7.69 (d, 1H), 8.00 (br. s., 1H)
【0215】
中間体実施例Int06.04
[4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](3−フルオロアゼチジン−1−イル)メタノン
【化145】
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4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸および3−フルオロアゼチジン塩酸塩から出発して、Int06.04をInt02.06の製造法に準じて製造した。
【0216】
中間体実施例Int06.05
[4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)メタノン
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸およびアゼチジン−3−オール塩酸塩から出発して、Int06.05をInt02.03の製造法に準じて製造した。
【0217】
中間体実施例Int06.06
[4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](ピロリジン−1−イル)メタノン
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸およびピロリジンから出発して、Int06.06をInt02.05の製造法に準じて製造した。
【0218】
中間体実施例Int07.01
3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中の4−ブロモ−3−メトキシ−アニリン(10.0g)のアセトニトリル(176mL)溶液に、ヒューニッヒ塩基(25mL)およびクロロギ酸2−クロロエチル(10.6g)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。残渣をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、カリウムtert−ブトキシド(16.2g)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、混合物を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより化合物を得て、これをエタノールで結晶化した。収量:7.7gの表題化合物を得た。母液を減圧下濃縮し、アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをエタノールから再結晶して、さらに2.3gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d): δ [ppm] = 4.00 - 4.10 (m, 2H), 4.45 - 4.55 (m, 2H), 6.66 (dd, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.63 (d, 1H)
【0219】
中間体実施例Int08.010
tert−ブチル[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.03(4.0g)のトルエン(250mL)およびNMP(25mL)懸濁液に、Int03.02(8.31g)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(1.08g)、X−Phos(0.64g)および粉末リン酸カリウム(16.6g)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を16時間加熱還流した。反応混合物をマイクロフィルターで濾過し、溶媒を減圧下除去した。残渣をジクロロメタンで摩砕して、12.3gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.16 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 7.43 (d, 1H), 7.48 - 7.59 (m, 3H), 7.63 - 7.72 (m, 3H), 7.92 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.58 (s, 1H), 9.06 - 9.12 (m, 1H), 9.46 (s, 1H)
【0220】
中間体実施例Int08.011
6−(4−アミノフェニル)−N−[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン
【化150】
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撹拌中のInt08.010(12.3g)のジクロロメタン(40mL)懸濁液に、TFA(46mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。さらにTFA(1mL)を添加し、混合物を室温で5時間撹拌した。飽和炭酸カリウム溶液をpHが9になるまで添加した。混合物をジクロロメタンおよびメタノール(10:1混合物)で抽出した。溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。残渣をエタノールで摩砕して、9.2gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.16 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 5.30 (s, 2H), 6.63 (d, 2H), 7.38 - 7.46 (m, 3H), 7.51 (dd, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.84 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.93 (d, 1H)
【0221】
中間体実施例Int08.020
tert−ブチル[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.03(4.0g)のトルエン(77mL)およびNMP(7.7mL)懸濁液に、Int05.03(4.91g)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(254mg)およびX−Phos(150mg)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を5分、室温で撹拌した。粉末リン酸カリウム(9.13g)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を1時間加熱還流した。反応混合物をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過し、溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをヘキサンとジクロロメタンの混合物で摩砕して、6.05gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.17 (s, 3H), 5.00 (q, 2H), 7.55 (d, 2H), 7.60 - 7.71 (m, 5H), 7.93 (dd, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.54 (s, 1H), 9.09 (dd, 1H), 9.46 (s, 1H)
【0222】
中間体実施例Int08.021
6−(4−アミノフェニル)−N−[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン
【化152】
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撹拌中のInt08.020(11.9g)のジクロロメタン(80mL)懸濁液に、TFA(40mL)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液をpHが9になるまで添加した。沈殿した固体を濾過により回収して、9.7gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.16 (s, 3H), 5.00 (q, 2H), 5.34 (br. s., 2H), 6.60 - 6.68 (m, 2H), 7.39 - 7.48 (m, 2H), 7.57 - 7.66 (m, 3H), 7.85 (dd, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.51 (d, 1H), 8.89 - 8.96 (m, 1H)
【0223】
中間体実施例Int08.030
tert−ブチル{4−[2−({2−メトキシ−4−[(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイル]フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}カルバメート
【化153】
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撹拌中のInt01.03(500mg)のトルエン(10mL)およびNMP(0.5mL)懸濁液に、Int02.03(576mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(64mg)、X−Phos(37mg)および粉末リン酸カリウム(1.14g)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を16時間加熱還流した。溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより表題化合物を粗製の生成物(850mg)として得て、これをさらに精製せずに次工程で使用した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.93 (s, 3H), 4.01 - 4.15 (m, 2H), 7.51 - 7.60 (m, 4H), 7.62 - 7.71 (m, 3H), 7.90 (dd, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.89 (t, 1H), 9.08 (d, 1H), 9.45 (s, 1H)
【0224】
中間体実施例Int08.031
4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアミド
【化154】
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撹拌中のInt08.030(850mg)のジクロロメタン(16mL)懸濁液に、TFA(3.0mL)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。さらにTFA(1mL)を添加し、混合物を室温で5時間撹拌した。飽和炭酸カリウム溶液をpHが9になるまで添加した。混合物をジクロロメタンおよびメタノール(10:1混合物)で抽出した。溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、690mgの表題化合物を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.92 (s, 3H), 3.98 - 4.16 (m, 2H), 5.29 (s, 2H), 6.63 (d, 2H), 7.43 (d, 2H), 7.50 - 7.62 (m, 3H), 7.82 (dd, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.85 - 8.96 (m, 2H)
【0225】
中間体実施例Int08.040
tert−ブチル(4−{2−[(4−カルバモイル−2−メトキシフェニル)アミノ][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル}フェニル)カルバメート
【化155】
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撹拌中のInt01.03(300mg)のトルエン(17mL)およびNMP(5.7mL)懸濁液に、4−ブロモ−3−メトキシベンズアミド(276mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(38mg)およびX−Phos(22mg)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を5分、室温で撹拌した。粉末リン酸カリウム(979mg)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を1時間加熱還流した。反応混合物をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過し、溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィー、続く分取逆相HPLCにより、固体を得て、これをジクロロメタンとヘキサンの混合物で摩砕して、121mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.91 (s, 3H), 7.16 (br. s., 1H), 7.48 - 7.57 (m, 4H), 7.60 - 7.70 (m, 3H), 7.82 (br. s., 1H), 7.90 (dd, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 9.03 - 9.13 (m, 1H), 9.45 (s, 1H)
【0226】
中間体実施例Int08.041
4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシベンズアミド
【化156】
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撹拌中のInt08.040(120mg)のジクロロメタン(3mL)懸濁液に、TFA(0.3mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液をpHが9になるまで添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、84mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.90 (s, 3H), 5.29 (s, 2H), 6.63 (d, 2H), 7.18 (br. s., 1H), 7.43 (d, 2H), 7.47 - 7.62 (m, 3H), 7.75 - 7.89 (m, 2H), 8.19 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.93 (s, 1H)
【0227】
中間体実施例Int08.050
tert−ブチル[4−(2−{[4−カルバモイル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化157】
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撹拌中のInt01.03(182mg)のトルエン(4mL)およびNMP(3mL)懸濁液に、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(23mg)、X−Phos(13mg)および粉末リン酸カリウム(356mg)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を加熱還流し、1mL NMPに溶解したInt06.03(200mg)を滴下した。混合物を16時間加熱還流した。溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィー、続く分取逆相HPLCにより、150mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 4.89 (q, 2H), 7.26 (br. s., 1H), 7.54 (d, 2H), 7.59 - 7.72 (m, 5H), 7.83 (br. s., 1H), 7.91 (dd, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 9.11 (s, 1H), 9.48 (s, 1H)
【0228】
中間体実施例Int08.051
4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンズアミド
【化158】
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撹拌中のInt08.050(130mg)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、TFA(0.5mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。さらにTFA(3mL)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。飽和炭酸カリウム溶液をpHが9になるまで添加した。混合物をジクロロメタンおよびメタノール(10:1混合物)で抽出した。溶液をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過し、溶媒を減圧下除去して、70mgの表題化合物を得た。粗製の生成物をさらに精製することなく次工程で使用した。
【0229】
中間体実施例Int08.060
tert−ブチル{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−メトキシフェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}カルバメート
【化159】
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撹拌中のInt01.03(6.0g)のトルエン(350mL)およびNMP(29mL)懸濁液に、Int02.05(6.91g)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(610mg)およびX−Phos(359mg)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を5分、室温で撹拌した。粉末リン酸カリウム(13.7g)を添加し、フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を1時間加熱還流した。反応混合物をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過し、溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより7.9gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ[ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.90 (s, 3H), 4.04 - 4.80 (m, 4H), 5.27 - 5.57 (m, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.27 (dd, 1H), 7.54 (d, 2H), 7.59 - 7.71 (m, 3H), 7.89 (dd, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 9.06 (d, 1H), 9.45 (s, 1H)
【0230】
中間体実施例Int08.061
(4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシフェニル)(3−フルオロアゼチジン−1−イル)メタノン
【化160】
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撹拌中のInt08.060(7.8g)のジクロロメタン(55mL)懸濁液に、TFA(28mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。重炭酸ナトリウム飽和溶液をpHが9になるまで添加した。沈殿した固体を濾過により回収して、5.2gの表題化合物を得た。粗製の生成物をさらに精製することなく次工程で使用した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.90 (s, 3H), 4.45 (br. s., 4H), 5.20 - 5.58 (m, 3H), 6.63 (d, 2H), 7.23 (d, 1H), 7.27 (dd, 1H), 7.42 (d, 2H), 7.52 - 7.61 (m, 1H), 7.81 (dd, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 8.86 - 8.94 (m, 1H)
【0231】
中間体実施例Int08.070
tert−ブチル[4−(2−{[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化161】
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撹拌中のInt01.03(672mg)のトルエン(13mL)およびNMP(1.3mL)懸濁液に、Int02.04(670mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(85g)、X−Phos(50mg)および粉末リン酸カリウム(1.32g)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を16時間加熱還流した。粗混合物のアミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより、600mgの表題化合物を得て、これは少量のInt08.071を含んだ。粗製の生成物をさらに精製することなく次工程で使用した。
【0232】
中間体実施例Int08.071
(4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシフェニル)(アゼチジン−1−イル)メタノン
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.070(600mg)のジクロロメタン(12mL)懸濁液に、TFA(2.2mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。飽和炭酸カリウム溶液をpHが9になるまで添加した。混合物をジクロロメタンおよびメタノール(10:1混合物)で抽出した。反応混合物をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過し、溶媒を減圧下除去した。残渣をエタノールで摩砕して、475mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 2.23 (quin, 2H), 3.88 (s, 3H), 4.00 (br. s., 2H), 4.33 (br. s., 2H), 5.30 (s, 2H), 6.62 (d, 2H), 7.18 - 7.28 (m, 2H), 7.42 (d, 2H), 7.57 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.90 (d, 1H)
【0233】
中間体実施例Int08.080
tert−ブチル[4−(2−{[2−メトキシ−4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化163】
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撹拌中のInt01.03(4.0g)のトルエン(80mL)およびNMP(8mL)懸濁液に、Int07.01(4.4g)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(1.02g)、X−Phos(586mg)および粉末リン酸カリウム(9.13g)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を16時間加熱還流した。粗混合物のアミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより、2.0gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.46 (s, 9H), 3.84 (s, 3H), 4.04 (dd, 2H), 4.34 - 4.47 (m, 2H), 6.98 (dd, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.50 - 7.60 (m, 3H), 7.61 - 7.70 (m, 2H), 7.80 - 7.89 (m, 1H), 7.96 (s, 1H), 8.14 (d, 1H), 9.01 (dd, 1H), 9.44 (s, 1H)
【0234】
中間体実施例Int08.081
3−(4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.080(2.0g)のDCM(10mL)懸濁液に、TFA(6.3mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。さらにジクロロメタン(10mL)およびTFA(6.3mL)を添加し、混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。重炭酸ナトリウム飽和溶液をpHが9になるまで添加した。沈殿した固体を濾過により回収して、1.44gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.84 (s, 3H), 3.99 - 4.09 (m, 2H), 4.34 - 4.46 (m, 2H), 5.25 (s, 2H), 6.63 (d, 2H), 6.97 (dd, 1H), 7.34 - 7.45 (m, 3H), 7.51 (dd, 1H), 7.77 (dd, 1H), 7.88 (s, 1H), 8.15 (d, 1H), 8.84 (d, 1H)
【0235】
中間体実施例Int08.090
tert−ブチル[4−(2−{[4−(ジメチルカルバモイル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt01.03(500mg)のトルエン(12mL)およびNMP(0.6mL)懸濁液に、Int02.06(491mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(64mg)、X−Phos(37mg)および粉末リン酸カリウム(0.98g)を添加した。フラスコを2回脱気し、アルゴンで再充填した。混合物を16時間加熱還流した。溶媒を減圧下除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをエーテルで摩砕して、650mgの表題化合物を得た。
【0236】
中間体実施例Int08.091
4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.090から出発して、Int08.091をInt08.071の製造法に準じて製造した。
【0237】
中間体実施例Int08.100
tert−ブチル[4−(2−{[2−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.03およびInt02.07から出発して、Int08.100をInt08.090の製造法に準じて製造した。
【0238】
中間体実施例Int08.101
(4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシフェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.100から出発して、Int08.101をInt08.071の製造法に準じて製造した。
【0239】
中間体実施例Int08.110
tert−ブチル{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}カルバメート
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.03およびInt06.04から出発して、Int08.110をInt08.090の製造法に準じて製造した。
【0240】
中間体実施例Int08.111
[4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](3−フルオロアゼチジン−1−イル)メタノン
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.110から出発して、Int08.111をInt08.071の製造法に準じて製造した。
【0241】
中間体実施例Int08.120
tert−ブチル{4−[2−({4−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}カルバメート
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.03およびInt06.05から出発して、Int08.120をInt08.090の製造法に準じて製造した。
【0242】
中間体実施例Int08.121
[4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)メタノン
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.120から出発して、Int08.121をInt08.071の製造法に準じて製造した。
【0243】
中間体実施例Int08.130
tert−ブチル[4−(2−{[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]カルバメート
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.03およびInt06.06から出発して、Int08.130をInt08.090の製造法に準じて製造した。
【0244】
中間体実施例Int08.131
[4−{[6−(4−アミノフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル](ピロリジン−1−イル)メタノン
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.130から出発して、Int08.131をInt08.071の製造法に準じて製造した。
【0245】
中間体実施例Int08.140
2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン酸メチル
【化175】
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撹拌中の(4−フルオロフェニル)酢酸メチル(5.5g)のDMSO(220mL)溶液に、1,3,5−トリオキサン(3.24g)およびナトリウムメトキシド(88mg)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより3.8gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.50 - 3.61 (m, 4H), 3.71 - 3.79 (m, 1H), 3.82 - 3.90 (m, 1H), 4.98 (t, 1H), 7.07 - 7.16 (m, 2H), 7.27 - 7.34 (m, 2H)
【0246】
中間体実施例Int08.141
メチル3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−(4−フルオロフェニル)プロパノエート
【化176】
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撹拌中のイミダゾール(2.36g)およびtert−ブチル(クロロ)ジフェニルシラン(4.58g)のDMF(90mL)溶液に、DMF(20mL)に溶解したInt08.140(2.75g)溶液を添加した。混合物を室温で30分撹拌した。水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより5.3gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.90 (s, 9H), 3.60 (s, 3H), 3.77 (dd, 1H), 3.92 - 4.00 (m, 1H), 4.02 - 4.11 (m, 1H), 7.05 - 7.16 (m, 2H), 7.24 - 7.33 (m, 2H), 7.33 - 7.46 (m, 6H), 7.46 - 7.57 (m, 4H)
【0247】
中間体実施例Int08.142
3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸
【化177】
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撹拌中のInt08.141(5.3g)の2−プロパノール(55mL)溶液に、水(18mL)に溶解した水酸化ナトリウム(0.97g)溶液を添加した。混合物60℃で30分撹拌した。溶液を室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより5.3gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.90 (s, 9H), 3.67 - 3.76 (m, 1H), 3.77 - 3.87 (m, 1H), 4.02 - 4.10 (m, 1H), 7.05 - 7.15 (m, 2H), 7.24 - 7.32 (m, 2H), 7.32 - 7.46 (m, 6H), 7.46 - 7.59 (m, 4H), 12.64 (br. s., 1H)
【0248】
中間体実施例Int08.143
3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化178】
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撹拌中のInt08.021(400mg)のDMF(10mL)溶液に、炭酸カリウム(347mg)、Int08.142(425mg)およびHATU(478mg)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。水を添加し、混合物を15分撹拌し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより346mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.91 (s, 9H), 3.17 (s, 3H), 3.74 (dd, 1H), 4.07 (dd, 1H), 4.21 - 4.32 (m, 1H), 5.00 (q, 2H), 7.08 - 7.17 (m, 2H), 7.32 - 7.47 (m, 8H), 7.50 - 7.56 (m, 2H), 7.58 - 7.66 (m, 4H), 7.66 - 7.78 (m, 5H), 7.95 (dd, 1H), 8.51 (d, 1H), 8.57 (s, 1H), 9.13 (d, 1H), 10.38 (s, 1H)
【0249】
中間体実施例Int08.144
3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化179】
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Int08.011およびInt08.14から出発して2、Int08.144をInt08.143の製造法に準じて製造した。
【0250】
中間体実施例Int08.145
3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化180】
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Int08.111およびInt08.142から出発して、Int08.145をInt08.143の製造法に準じて製造した。
【0251】
中間体実施例Int08.146
(2S)−3−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化181】
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エナンチオマーの730mgのInt08.145をキラルHPLCを使用して分割した。カラム:Chiralpak IA 5μ 250×30mm;流速:50,0mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;C:ギ酸;溶媒混合物:A:B:C=70:30:0.1。表題化合物の保持時間:20.4−25.2分(ピーク2)。収量:295mg。
カラム:Chiralpak IA 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;C:ギ酸;溶媒混合物:A:B:C=70:30:0.1。ラン時間:40分。保持時間:32.59分;UV 254nm;エナンチオマー比:2.1%:97.9%。
【0252】
中間体実施例Int08.150
tert−ブチル[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)−2−{[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}−2−オキソエチル]カルバメート
【化182】
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撹拌中のInt08.011(200mg)のDMF(1.6mL)およびジクロロメタン(3.2mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(82mg)、(2R)−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ](4−フルオロフェニル)酢酸(166mg)およびHATU(279mg)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより300mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.36 (s, 9H), 3.16 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 5.34 (d, 1H), 7.17 (t, 2H), 7.42 (d, 1H), 7.47 - 7.55 (m, 3H), 7.58 - 7.78 (m, 6H), 7.92 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.64 (s, 1H), 9.12 (d, 1H), 10.38 (s, 1H)
【0253】
中間体実施例Int08.151
tert−ブチル[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)−2−{[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}−2−オキソエチル]カルバメート
【化183】
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Int08.021から出発して、Int08.151をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0254】
中間体実施例Int08.152
tert−ブチル[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)−2−{[4−(2−{[2−メトキシ−4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}−2−オキソエチル]カルバメート
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.081から出発して、Int08.152をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0255】
中間体実施例Int08.153
tert−ブチル[(1R)−2−({4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−メトキシフェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}アミノ)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]カルバメート
【化185】
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Int08.061から出発して、Int08.153をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0256】
中間体実施例Int08.154
tert−ブチル[(1R)−2−{[4−(2−{[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]カルバメート
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.071から出発して、Int08.154をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0257】
中間体実施例Int08.155
tert−ブチル[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)−2−{[4−(2−{[2−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}−2−オキソエチル]カルバメート
【化187】
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Int08.101から出発して、Int08.155をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0258】
中間体実施例Int08.156
tert−ブチル[(1R)−2−({4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}アミノ)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]カルバメート
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.111から出発して、Int08.156をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0259】
中間体実施例Int08.157
tert−ブチル[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−{[4−(2−{[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]アミノ}エチル]カルバメート
【化189】
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Int08.131から出発して、Int08.157をInt08.150の製造法に準じて製造した。
【0260】
中間体実施例Int09.01
Rac−メチル2−(4−フルオロフェニル)プロパノエート
【化190】
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撹拌中のジイソプロピルアミン(13.0g)のテトラヒドロフラン(160mL)溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(51.4mL;c=2.5M)を−78℃で添加した。溶液を0℃で15分撹拌した。溶液を−78℃に冷却し、テトラヒドロフラン(40mL)に溶解した(4−フルオロフェニル)酢酸メチル(18.0g)溶液を添加した。溶液を−78℃で30分撹拌した。ヨウ化メチル(10.0mL)を−78℃で添加し、溶液を1時間以内に0℃まで温めた。水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより18.9gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.34 (d, 3H), 3.55 (s, 3H), 3.79 (q, 1H), 7.08 - 7.15 (m, 2H), 7.25 - 7.32 (m, 2H)
【0261】
中間体実施例Int09.02
Rac−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸
【化191】
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撹拌中のInt09.01(18.9g)のエタノール(200mL)溶液に、水(200mL)に溶解した水酸化カリウム(35g)溶液を添加した。混合物を0℃で4時間撹拌した。塩酸(c=4.0M)をpHが5になるまで添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、溶媒を減圧下に除去して、15.64gの表題生成物を得た。粗製の生成物をさらに精製することなく使用した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.31 (d, 3H), 3.66 (q, 1H), 7.05 - 7.15 (m, 2H), 7.24 - 7.33 (m, 2H), 12.30 (s, 1H)
【0262】
中間体実施例Int09.03
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸
【化192】
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撹拌中のInt09.02(23.6g)の還流している酢酸エチル(250mL)溶液に、(1S)−1−フェニルエタナミン(17.35g)の酢酸エチル溶液を添加した。混合物を1時間以内に室温に冷却した。白色固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下乾燥して、27.5gの固体を得た。固体を400mLの還流している酢酸エチルから再結晶した。混合物を室温に冷却した。白色固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下乾燥して、18.3gの固体を得た。固体を還流している酢酸エチル(350mL;300mL)から2回再結晶した。白色固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下乾燥して、10.51gの固体を得た。固体を水に溶解し、塩酸(c=2.0M)をpHが5になるまで添加し、反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、5.6gの表題生成物を得た。粗製の生成物をさらに精製することなく使用した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.31 (d, 3H), 3.66 (q, 1H), 7.05 - 7.16 (m, 2H), 7.24 - 7.33 (m, 2H), 12.28 (br. s., 1H)
[α]
D20: - 79.3° (DMSO中)
カラム:Chiralcel OJ-H 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:0.1%ギ酸含有2−プロパノール;溶媒混合物:80%A+20%B。ラン時間:30分。保持時間:3.41分;UV 254nm;エナンチオマー比:99.8%:0.2%。
【0263】
中間体実施例Int10.01
1−ブロモ−2−(シクロプロピルオキシ)−4−フルオロベンゼン
【化193】
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撹拌中の2−ブロモ−5−フルオロフェノール(1.0g)のDMF(15mL)溶液に、マイクロ波チューブ中、炭酸セシウム(5.0g)、ヨウ化カリウム(130mg)およびブロモシクロプロパン(1.82g)を添加した。混合物をマイクロ波オーブンで180℃で1時間、200℃で1時間および220℃で1時間加熱した。酢酸エチルを添加し、混合物を水で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより1.14gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.62 - 0.88 (m, 4H), 3.90 - 4.00 (m, 1H), 6.77 (td, 1H), 7.23 (dd, 1H), 7.48 - 7.63 (m, 1H)
【0264】
中間体実施例Int10.02
1−ブロモ−2−(シクロプロピルオキシ)−4−(メチルスルファニル)ベンゼン
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt10.01(1.4g)のDMF(12mL)溶液に、ナトリウムメタンチオラート(546mg)を添加した。混合物を2時間、90℃にした。混合物を室温に冷却し、水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより1.17gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.59 - 0.85 (m, 4H), 2.46 (s, 3H), 3.95 (tt, 1H), 6.77 (dd, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.43 (d, 1H)
【0265】
中間体実施例Int10.03
1−ブロモ−2−(シクロプロピルオキシ)−4−(メチルスルホニル)ベンゼン
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt10.02(1.15g)のクロロホルム(45mL)溶液に、3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(mCPBA)(2.98g)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。氷浴で冷却しながら、重炭酸ナトリウムの半飽和溶液および0.2M チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を30分撹拌し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより0.91gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 0.66 - 0.93 (m, 4H), 3.23 (s, 3H), 4.09 (tt, 1H), 7.43 (dd, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.84 (d, 1H)
【0266】
実施例化合物の合成
本発明の化合物
実施例01.01
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.011(6.0g)のDMF(48mL)およびジクロロメタン(96mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(3.69g)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(2.71g)およびHATU(8.36g)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これを酢酸エチルで摩砕して、7,44gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.40 (d, 3H), 3.16 (s, 3H), 3.84 (q, 1H), 3.96 (s, 3H), 7.09 - 7.18 (m, 2H), 7.36 - 7.44 (m, 3H), 7.51 (dd, 1H), 7.63 - 7.76 (m, 5H), 7.92 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.60 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 10.16 (s, 1H)
[α]
D20: - 77.0° (DMSO中)
カラム:Chiralcel OD-RH 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有水、B:アセトニトリル;溶媒混合物:40%A+60%B。ラン時間:30分。保持時間:12.83分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0267】
ラセミ体01.01.r
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.05およびInt03.02から出発して、ラセミ体01.01.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0268】
ラセミ体01.02.r
N−[4−(2−{[2−エトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.05およびInt04.03から出発して、ラセミ体01.02.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0269】
実施例01.02
(2R)−N−[4−(2−{[2−エトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
エナンチオマーの180mgのラセミ体01.02.rをキラルHPLCを使用して分割した。カラム:Chiralpak IA 5μ 250×30;流速:20,0mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有エタノール;溶媒:100%A。表題化合物の保持時間:37.2−49.1分(ピーク2)。収量:74mg。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.35 - 1.49 (m, 6H), 3.15 (s, 3H), 3.84 (q, 1H), 4.22 (q, 2H), 7.07 - 7.19 (m, 2H), 7.36 - 7.44 (m, 3H), 7.50 (dd, 1H), 7.61 - 7.78 (m, 5H), 7.93 (dd, 1H), 8.44 - 8.54 (m, 2H), 9.10 (d, 1H), 10.19 (s, 1H)
[α]
D20: - 72.7° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IA 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有エタノール;溶媒:100%A。ラン時間:30分。保持時間:14.3分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0270】
実施例01.03
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.021(5.6g)のDMF(45mL)およびジクロロメタン(90mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(1.97g)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(2.17g)およびHATU(6.69g)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これを酢酸エチルとシクロヘキサンの混合物で摩砕して、6.60gの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 3.17 (s, 3H), 3.83 (q, 1H), 5.00 (q, 2H), 7.08 - 7.19 (m, 2H), 7.35 - 7.45 (m, 2H), 7.58 - 7.76 (m, 7H), 7.93 (dd, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.59 (s, 1H), 9.11 (d, 1H), 10.19 (s, 1H)
[α]
D20: - 69.3° (DMSO中)
カラム:Chiralcel OD-RH 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有水、B:アセトニトリル;溶媒混合物:40%A+60%B。ラン時間:20分。保持時間:12.28分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0271】
ラセミ体01.03.r
2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.05およびInt05.03から出発して、ラセミ体01.03.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0272】
実施例01.04
4−{[6−(4−{[(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアミド
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.031(500mg)のDMF(4.3mL)およびジクロロメタン(8.6mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(184mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(203mg)およびHATU(625mg)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(100:1)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これを温エタノールで摩砕して、300mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 3.83 (q, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.99 - 4.16 (m, 2H), 7.09 - 7.18 (m, 2H), 7.36 - 7.44 (m, 2H), 7.51 - 7.60 (m, 2H), 7.62 - 7.76 (m, 5H), 7.91 (dd, 1H), 8.30 - 8.40 (m, 2H), 8.90 (t, 1H), 9.11 (d, 1H), 10.18 (s, 1H)
[α]
D20: - 70.5° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IA 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:エタノール、B:メタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:20分。保持時間:6.67分;UV 254nm;エナンチオマー比:<2%:>98%。
【0273】
ラセミ体01.04.r
4−{[6−(4−{[2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンズアミド
【化203】
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Int01.05およびInt02.03から出発して、ラセミ体01.04.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0274】
実施例01.05
4−{[6−(4−{[(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシベンズアミド
【化204】
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撹拌中のInt08.041(65mg)のDMF(0.5mL)およびジクロロメタン(1.0mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(44mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(32mg)およびHATU(99mg)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをジクロロメタンで摩砕して、78mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.42 (d, 3H), 3.86 (q, 1H), 3.93 (s, 3H), 7.12 - 7.22 (m, 3H), 7.39 - 7.46 (m, 2H), 7.51 - 7.59 (m, 2H), 7.63 - 7.68 (m, 1H), 7.68 - 7.77 (m, 4H), 7.85 (br. s., 1H), 7.92 (dd, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.33 (d, 1H), 9.13 (d, 1H), 10.19 (s, 1H)
カラム:Chiralcel OD-RH 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有水、B:アセトニトリル;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:30分。保持時間:14.34分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0275】
ラセミ体01.05.r
4−{[6−(4−{[2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシベンズアミド
【化205】
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Int01.05および4−ブロモ−3−メトキシベンズアミドから出発して、ラセミ体01.05.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0276】
実施例01.06
4−{[6−(4−{[(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンズアミド
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.051(70mg)のDMF(0.5mL)およびジクロロメタン(1.0mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(27mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(32mg)およびHATU(90mg)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(100:1)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これを酢酸エチルから再結晶して、80mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.40 (d, 3H), 3.84 (q, 1H), 4.88 (q, 2H), 7.09 - 7.17 (m, 2H), 7.23 (br. s., 1H), 7.36 - 7.44 (m, 2H), 7.59 - 7.74 (m, 7H), 7.81 (br. s., 1H), 7.91 (dd, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.33 (d, 1H), 9.11 (d, 1H), 10.16 (s, 1H)
[α]
D20: - 56.4° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IA 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:エタノール、B:メタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:20分。保持時間:5.98分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0277】
ラセミ体01.06.r
4−{[6−(4−{[2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンズアミド
【化207】
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Int01.05およびInt06.03から出発して、ラセミ体01.06.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0278】
実施例01.07
(2R)−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−メトキシフェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化208】
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撹拌中のInt08.061(1.10g)のDMF(8.5mL)およびジクロロメタン(17mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(427mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(470mg)およびHATU(1.45g)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより、1.13gの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.42 (d, 3H), 3.86 (q, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.98 - 4.80 (m, 4H), 5.44 (m, 1H, J = 57.5 Hz), 7.12 - 7.20 (m, 2H), 7.26 (d, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.40 - 7.46 (m, 2H), 7.63 - 7.76 (m, 5H), 7.93 (dd, 1H), 8.31 - 8.39 (m, 2H), 9.11 (d, 1H), 10.19 (s, 1H).
[α]
D20: - 70.0° (DMSO中)
カラム:Chiralcel OD-RH 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有水、B:アセトニトリル;溶媒混合物:40%A+60%B。ラン時間:20分。保持時間:13.88分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0279】
ラセミ体01.07.r
N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−メトキシフェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化209】
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Int01.05およびInt02.05から出発して、ラセミ体01.07.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0280】
実施例01.08
(2R)−N−[4−(2−{[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.071(200mg)のDMF(1.6mL)およびジクロロメタン(3.2mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(122mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(89mg)およびHATU(275mg)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(100:1)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィー、続いてシリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをエーテルで摩砕して、250mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 2.22 (quin, 2H), 3.78 - 3.92 (m, 4H), 4.00 (br. s., 2H), 4.32 (br. s, 2H), 7.09 - 7.17 (m, 2H), 7.20 - 7.26 (m, 2H), 7.36 - 7.44 (m, 2H), 7.59 - 7.75 (m, 5H), 7.89 (dd, 1H), 8.24 - 8.36 (m, 2H), 9.08 (d, 1H), 10.18 (s, 1H)
[α]
D20: - 63.5° (DMSO中)
カラム:Chiralcel OD-RH 150×4.6;流速:1.00mL/分;溶媒:A:0.1%ギ酸含有水、B:アセトニトリル;溶媒混合物:40%A+60%B。ラン時間:30分。保持時間:14.22分;UV 254nm;エナンチオマー比:<2%:>98%。
【0281】
ラセミ体01.08.r
N−[4−(2−{[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化211】
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Int01.05およびInt02.04から出発して、ラセミ体01.08.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0282】
実施例01.09
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.081(100mg)のDMF(0.8mL)およびジクロロメタン(1.6mL)懸濁液に、重炭酸ナトリウム(41mg)、(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパン酸(44mg)およびHATU(137mg)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。水を添加し、混合物を30分撹拌した。重炭酸ナトリウムの半飽和溶液を添加し、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(100:1)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これを酢酸エチルで摩砕して、85mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 3.77 - 3.89 (m, 4H), 4.04 (dd, 2H), 4.36 - 4.45 (m, 2H), 6.98 (dd, 1H), 7.10 - 7.16 (m, 2H), 7.36 - 7.43 (m, 3H), 7.54 - 7.59 (m, 1H), 7.63 - 7.72 (m, 4H), 7.85 (dd, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 8.97 - 9.07 (m, 1H), 10.15 (s, 1H)
[α]
D20: - 72.1° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IB 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:エタノール、B:メタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:20分。保持時間:5.74分;UV 254nm;エナンチオマー比:<1%:>99%。
【0283】
ラセミ体01.09.r
2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
Int01.05およびInt07.01から出発して、ラセミ体01.09.rをInt08.020の製造法に準じて製造した。
【0284】
ラセミ体01.10.r
2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.143(340mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、TBAFのTHF溶液(0.77mL;c=1.0M)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより193mgの表題化合物を得た。
【0285】
実施例01.10
(−)−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
エナンチオマーの176mgのラセミ体01.10.rをキラルHPLCを使用して分割した。カラム:Chiralpak IB 5μ 250×20mm;流速:20,0mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。表題化合物の保持時間:9.7−11.1分(ピーク1)。収量:75mg。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.18 (s, 3H), 3.50 - 3.60 (m, 1H), 3.81 - 3.90 (m, 1H), 3.98 - 4.08 (m, 1H), 4.92 - 5.08 (m, 3H), 7.10 - 7.19 (m, 2H), 7.36 - 7.45 (m, 2H), 7.59 - 7.77 (m, 7H), 7.95 (dd, 1H), 8.52 (d, 1H), 8.58 (s, 1H), 9.13 (d, 1H), 10.26 (s, 1H)
[α]
D20: - 72.9° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IB 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:30分。保持時間:6.80分;UV 254nm;エナンチオマー比:>99%:<1%。
【0286】
実施例01.11
(2R)−2−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]エタナミド
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.150(260mg)のジクロロメタン(16mL)溶液に、TFA(0.76mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。さらにTFA(1mL)を添加し、混合物を室温で72時間撹拌した。半飽和炭酸カリウム溶液をpHが9になるまで添加した。混合物をジクロロメタンおよびメタノール(10:1混合物)で抽出した。溶液をアミノ相−シリカゲルカラムで濾過した。溶媒を減圧下除去して、固体を得て、これをエタノールから再結晶して、210mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6, 検出シグナル): δ [ppm] = 3.16 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 4.53 (s, 1H), 7.08 - 7.19 (m, 2H), 7.42 (d, 1H), 7.45 - 7.55 (m, 3H), 7.67 (d, 1H), 7.73 (br. s, 4H), 7.93 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.63 (s, 1H), 9.12 (d, 1H), 10.17 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 43.1° (DMSO中)
【0287】
実施例01.12
4−{[6−(4−{[(2R)−2−(4−フルオロフェニル)プロパノイル]アミノ}フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ}−3−メトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.091から出発して、実施例01.12を実施例01.04の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.40 (d, 3H), 2.95 (s, 6H), 3.83 (q, 1H), 3.88 (s, 3H), 6.99 - 7.06 (m, 2H), 7.10 - 7.17 (m, 2H), 7.37 - 7.43 (m, 2H), 7.59 - 7.64 (m, 1H), 7.65 - 7.74 (m, 4H), 7.89 (dd, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.28 (d, 1H), 9.03 - 9.10 (m, 1H), 10.16 (s, 1H)
【0288】
実施例01.13
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.101から出発して、実施例01.13を実施例01.08の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 1.80 (br. s., 4H), 3.45 (br. s., 4H), 3.79 - 3.85 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 7.08 - 7.19 (m, 4H), 7.40 (dd, 2H), 7.58 - 7.75 (m, 5H), 7.89 (dd, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.28 (d, 1H), 9.08 (s, 1H), 10.17 (s, 1H)
[α]
D20: - 69.3° (DMSO中)
【0289】
実施例01.14
(2R)−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)プロパンアミド
【化219】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.111から出発して、実施例01.14を実施例01.04の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 3.83 (q, 1H), 3.91 - 4.73 (m, 4H), 4.92 (d, 2H), 5.25 - 5.58 (m, 1H), 7.13 (t, 2H), 7.33 - 7.46 (m, 4H), 7.59 - 7.76 (m, 5H), 7.91 (dd, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.32 - 8.40 (m, 1H), 9.10 (s, 1H), 10.18 (s, 1H)
[α]
D20: - 47.2° (DMSO中)
【0290】
実施例01.15
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−{4−[2−({4−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}プロパンアミド
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.121から出発して、実施例01.15を実施例01.05の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.35 - 1.43 (m, 3H), 3.70 - 3.91 (m, 3H), 3.97 - 4.31 (m, 2H), 4.48 (br. s., 2H), 4.91 (q, 2H), 7.07 - 7.19 (m, 2H), 7.31 - 7.45 (m, 4H), 7.60 - 7.75 (m, 5H), 7.91 (dd, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 9.08 (d, 1H), 10.16 (s, 1H)
【0291】
実施例01.16
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.131から出発して、実施例01.16を実施例01.09の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 1.39 (d, 3H), 1.81 (br. s., 4H), 3.44 (d, 4H), 3.83 (q, 1H), 4.89 (q, 2H), 7.07 - 7.19 (m, 2H), 7.23 - 7.34 (m, 2H), 7.35 - 7.45 (m, 2H), 7.59 - 7.74 (m, 5H), 7.90 (dd, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 9.09 (s, 1H), 10.18 (s, 1H)
[α]
D20: - 69.6° (DMSO中)
【0292】
ラセミ体01.17.r
2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化222】
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Int08.144から出発して、ラセミ体01.17.rをラセミ体01.10.rの製造法に準じて製造した。
【0293】
実施例01.17
(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]プロパンアミド
【化223】
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エナンチオマーの175mgのラセミ体01.17.rをキラルHPLCを使用して分割した。カラム:Chiralpak IB 5μ 250×20mm;流速:20,0mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。表題化合物の保持時間:15.2−17.4分(ピーク1)。収量:71mg。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.16 (s, 3H), 3.54 (dt, 1H), 3.84 (dd, 1H), 3.92 - 4.09 (m, 4H), 4.96 (t, 1H), 7.08 - 7.19 (m, 2H), 7.35 - 7.45 (m, 3H), 7.51 (dd, 1H), 7.63 - 7.77 (m, 5H), 7.92 (dd, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.60 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 10.23 (s, 1H)
[α]
D20: - 59.6° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IB 5μ 150×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:ヘキサン、B:エタノール;溶媒混合物:50%A+50%B。ラン時間:30分。保持時間:10.75分;UV 254nm;エナンチオマー比:97.1%:2.9%。
【0294】
実施例01.18
(2S)−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロパンアミド
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
撹拌中のInt08.146(290mg)のテトラヒドロフラン(18mL)溶液に、0℃で、TBAFのTHF溶液(0.64mL;c=1.0M)を添加した。混合物を0℃で30分撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去した。アミノ相−シリカゲルクロマトグラフィーにより固体を得て、これをジクロロメタンとヘキサンの混合物で摩砕して、155mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.53 (dt, 1H), 3.83 (dd, 1H), 3.93 - 4.73 (m, 5H), 4.84 - 5.03 (m, 3H), 5.26 - 5.57 (m, 1H), 7.13 (t, 2H), 7.32 - 7.45 (m, 4H), 7.61 - 7.76 (m, 5H), 7.92 (dd, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.33 - 8.41 (m, 1H), 9.10 (s, 1H), 10.25 (s, 1H)
[α]
D20: - 61.7° (DMSO中)
カラム:Chiralpak IC 3μm 100×4.6;流速:1,00mL/分;溶媒:A:エタノール;溶媒混合物:100%A。ラン時間:30分。保持時間:2.63分;UV 280nm;エナンチオマー比:97.3%:2.7%。
【0295】
実施例01.19
(2R)−2−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(メチルスルホニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]エタナミド
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.151から出発して、実施例01.19を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 3.17 (s, 3H), 4.54 (s, 1H), 5.00 (q, 2H), 7.10 - 7.18 (m, 2H), 7.45 - 7.53 (m, 2H), 7.59 - 7.65 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.73 (s, 4H), 7.94 (dd, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.56 (s, 1H), 9.12 (d, 1H), 9.67 - 10.60 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 36.3° (DMSO中)
【0296】
実施例01.20
(2R)−2−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]エタナミド
【化226】
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Int08.152から出発して、実施例01.20を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 3.84 (s, 3H), 4.04 (dd, 2H), 4.33 - 4.45 (m, 2H), 4.54 (s, 1H), 6.98 (dd, 1H), 7.08 - 7.18 (m, 2H), 7.39 (d, 1H), 7.45 - 7.52 (m, 2H), 7.57 (d, 1H), 7.67 - 7.77 (m, 4H), 7.86 (dd, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 9.03 (d, 1H), 10.16 (br. s., 1H)
[α]
D20: - 42.5° (DMSO中)
【0297】
実施例01.21
(2R)−2−アミノ−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−メトキシフェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)エタナミド
【化227】
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Int08.153から出発して、実施例01.21を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 3.90 (s, 3H), 4.03 - 4.75 (m, 5H), 5.23 - 5.60 (m, 1H), 7.14 (t, 2H), 7.19 - 7.32 (m, 2H), 7.49 (dd, 2H), 7.64 (d, 1H), 7.72 (s, 4H), 7.91 (d, 1H), 8.25 - 8.42 (m, 2H), 9.09 (s, 1H), 9.69 - 10.77 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 38.2° (DMSO中)
【0298】
実施例01.22
(2R)−2−アミノ−N−[4−(2−{[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−メトキシフェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]−2−(4−フルオロフェニル)エタナミド
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.154から出発して、実施例01.22を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 2.23 (quin, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.00 (br. s., 2H), 4.25 - 4.42 (m, 2H), 4.54 (s, 1H), 7.07 - 7.18 (m, 2H), 7.19 - 7.28 (m, 2H), 7.49 (dd, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.72 (s, 4H), 7.90 (dd, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 9.08 (d, 1H), 10.19 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 43.8° (DMSO中)
【0299】
実施例01.23
(2R)−2−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[2−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]エタナミド
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.155から出発して、実施例01.23を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 1.80 (br. s., 4H), 3.45 (br. s., 4H), 3.88 (s, 3H), 4.53 (s, 1H), 7.05 - 7.20 (m, 4H), 7.43 - 7.55 (m, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.72 (s, 4H), 7.90 (dd, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 9.09 (d, 1H), 9.65 - 10.60 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 40.5° (DMSO中)
【0300】
実施例01.24
(2R)−2−アミノ−N−{4−[2−({4−[(3−フルオロアゼチジン−1−イル)カルボニル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル}アミノ)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル]フェニル}−2−(4−フルオロフェニル)エタナミド
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.156から出発して、実施例01.24を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 3.95 - 4.70 (m, 5H), 4.92 (q, 2H), 5.29 - 5.55 (m, 1H), 7.14 (t, 2H), 7.33 - 7.44 (m, 2H), 7.49 (dd, 2H), 7.65 (d, 1H), 7.72 (s, 4H), 7.92 (dd, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.37 (d, 1H), 9.10 (s, 1H), 10.17 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 32.5° (DMSO中)
【0301】
実施例01.25
(2R)−2−アミノ−2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(2−{[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル)フェニル]エタナミド
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
Int08.157から出発して、実施例01.25を実施例01.11の製造法に準じて製造した。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6 検出シグナル): δ [ppm] = 1.81 (br. s., 4H), 3.44 (d, 4H), 4.53 (s, 1H), 4.89 (q, 2H), 7.14 (t, 2H), 7.22 - 7.34 (m, 2H), 7.49 (dd, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.72 (s, 4H), 7.91 (dd, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.31 (d, 1H), 9.10 (s, 1H), 10.13 (br. s, 1H)
[α]
D20: - 38.8° (DMSO中)
【0302】
さらに、本発明の式(I)の化合物を、当業者に知られるあらゆる方法により、ここに記載する任意の塩に変換できる。同様に、本発明の式(I)の化合物の塩を、当業者に氏ら得るあらゆる方法により、遊離化合物に変換できる。
【0303】
本発明の化合物の医薬組成物
本発明はまた1種以上の本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。これらの組成物を使用して、それを必要とする患者に投与することにより、所望の薬理学的効果を達成できる。本発明の目的で、患者は特定の状態または疾患の処置を必要とする、ヒトを含む哺乳動物である。それ故に、本発明は薬学的に許容される担体および薬学的に有効量の本発明の化合物またはその塩から成る医薬組成物を含む。薬学的に許容される担体は、例えばは活性成分の有効活性と調和する濃度で患者に対し相対的に非毒性であり、かつ無害であり、故に担体に起因する何らかの副作用が活性成分の有益な効果を損なわない、担体である。薬学的に有効量の化合物は、例えばは処置する特定の状態に対して結果を生じるまたは影響を与える量である。本発明の化合物は当分野で周知の薬学的に許容される担体と、即時放出、遅延放出および持続放出製剤を含むあらゆる有効な慣用の投与単位形態を使用して、経口的に、非経腸的に、局所的に、経鼻的に、眼に、耳に、舌下に、直腸に、膣になどに投与できる。
【0304】
経口投与のために、本化合物を固体または液体製剤、例えばカプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、溶解物、散剤、液剤、懸濁液剤またはエマルジョン剤に製剤でき、医薬組成物の製造のための当分野で知られる方法に従い製造し得る。固体単位投与形態は通常の、例えば、界面活性剤、滑沢剤および不活性充填剤、例えばラクトース、スクロース、リン酸カルシウムおよびトウモロコシデンプンを含む硬殻または軟殻ゼラチンタイプであり得るカプセル剤であり得る。
【0305】
他の態様において、本発明の化合物は慣用の錠剤基剤、例えばラクトース、スクロースおよびトウモロコシデンプンと共に、結合剤、例えばアカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン、投与後の錠剤の破壊および溶解を助けることを意図する崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、アルギン酸、トウモロコシデンプンおよびグアーガム、トラガントガム、アカシア、錠剤造粒の流動を改善し、錠剤物質の錠剤型打ち機および抜き型表面への付着を阻止することを意図する滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、錠剤の美的室を高め、患者に受け入れやすくすることを意図する色素、着色剤および風味剤、例えばペパーミント、冬緑油またはサクランボ風味剤を組み合わせて打錠し得る。経口液体投与形態で使用するための適切な添加物はリン酸二カルシウムおよび希釈剤、例えば水およびアルコール類、例えば、エタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコール類を、薬学的に許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤を伴いまたは伴わずに含む。種々の他の物質がコーティングとしてまたは他の点で投与単位の物理的形態を修飾するために存在し得る。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤はセラック、糖または両者によりコーティングし得る。
【0306】
分散性粉末および顆粒は水性懸濁液の製造のために適切である。それらは活性成分を分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の防腐剤との混合物で提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は既に上の記載により例示されている。さらなる添加物、例えば上記甘味剤、風味剤および着色剤も存在し得る。
【0307】
本発明の医薬組成物は水中油型エマルジョンでもあり得る。油相は植物油、例えば液体パラフィンまたは複数植物油の混合物であり得る。適切な乳化剤は(1)天然に存在するガム、例えばアカシアガムおよびトラガントガム、(2)天然に存在するフォスファチド類、例えばダイズ豆およびレシチン、(3)脂肪酸類およびヘキシトール無水物由来のエステル類または部分エステル類、例えば、ソルビタンオレイン酸モノエステル、(4)該部分エステル類とエチレンオキシドの縮合産物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。エマルジョンはまた甘味剤および風味剤を含み得る。
【0308】
油性懸濁液は活性成分を、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油のような植物油または液体パラフィンのような鉱油に懸濁させることにより製剤し得る。油性懸濁液は、例えば、蜜蝋、硬パラフィンまたはセチルアルコールのような濃化剤を含み得る。懸濁液はまた1種以上の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸のエチルまたはn−プロピルエステル、1種以上の着色剤、1種以上の風味剤および1種以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含み得る。
【0309】
シロップおよびエリキシルは、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースのような甘味剤と製剤し得る。このような製剤はまた粘滑剤および防腐剤、例えばメチルおよびプロピルパラベン類および風味剤および着色剤も含み得る。
【0310】
本発明の化合物はまた、好ましくは滅菌液体または薬学的に許容される界面活性剤、例えば石鹸または界面活性剤、懸濁化剤、例えばペクチン、カルボマー類、メチセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースまたは乳化剤および他の医薬アジュバントを伴うまたは伴わない、液体混合物、例えば水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、アルコール、例えばエタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール、グリコール類、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、グリセロールケタール類、例えば2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル類、例えばポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸グリセリドまたはアセチル化脂肪酸グリセリドであり得る生理学的に許容される希釈剤と医薬担体中の化合物の注射用投与として、非経腸的に、すなわち、皮下に、静脈内に、眼内に、滑液嚢内に、筋肉内にまたは腹腔内に投与し得る。
【0311】
本発明の非経腸製剤において使用できる油の説明的例は石油、動物、植物または合成起源、例えば、ピーナツ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ペトロラタムおよび鉱油である。適切な脂肪酸類はオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸を含む。適切な脂肪酸エステル類は、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適切な石鹸は脂肪酸アルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩類を含み、適切な界面活性剤はカチオン性界面活性剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライド類、アルキルピリジニウムハライド類およびアルキルアミンアセテート類、アニオン性界面活性剤、例えば、アルキル、アリールおよびオレフィンスルホネート類、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリドスルフェート類およびスルホスクシネート類、非イオン性界面活性剤、例えば、脂肪アミンオキシド類、脂肪酸アルカノールアミド類およびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)類またはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドコポリマー類および両性界面活性剤、例えば、アルキル−ベータ−アミノプロピオネート類および2−アルキルイミダゾリン4級アンモニウム塩類、ならびに混合物を含む。
【0312】
本発明の非経腸組成物は典型的に約0.5〜約25重量%の活性成分を溶液中に含む。防腐剤および緩衝剤も有利に使用し得る。注射部位の刺激を最小化または排除するために、このような組成物は、例えばは約12〜約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含み得る。このような製剤中の界面活性剤の量は、例えばは約5〜約15重量%の範囲である。界面活性剤は上記HLBを有する一成分でも、所望のHLBを有する2種以上の成分の混合物でもよい。
【0313】
非経腸製剤に使用する界面活性剤の説明的例はポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えば、ソルビタンオレイン酸モノエステルおよびプロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合により形成されたエチレンオキシドと疎水性塩基の高分子量付加物のクラスである。
【0314】
医薬組成物は滅菌注射用水性懸濁液の形であり得る。このような懸濁液は適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤、例えば、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガムおよびアカシアガム、天然に存在するフォスファチド、例えばレシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合産物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合産物、例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールまたはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る分散剤または湿潤剤を使用して、知られた方法に従い製剤し得る。
【0315】
滅菌注射可能製剤はまた非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であり得る。用い得る希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液および等張性グルコース溶液である。さらに、滅菌固定油類が溶媒または懸濁媒体として用いられる。このために、合成モノグリセリド類またはジグリセリド類を含むあらゆる無刺激性、固定油を用い得る。さらに、脂肪酸類、例えばオレイン酸を注射剤の製造に使用できる。
【0316】
本発明の組成物はまた薬物の直腸投与のための坐薬の形態でも投与し得る。これらの組成物は薬物と、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、それ故に直腸で融解して薬物を遊離する適切な非刺激添加物の混合により製造できる。このような物質は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0317】
本発明の方法で用いる他の製剤は経皮送達デバイス(“パッチ”)を使用する。このような経皮パッチを使用して、制御された量で本発明の化合物の連続的または不連続的注入を提供し得る。薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は当分野で周知である(例えば、援用により本明細書に包含させる1991年6月11日発行の米国特許5,023,252参照)。このようなパッチは薬剤の連続的、拍動性またはオンデマンド送達のために構築し得る。
【0318】
非経腸投与のための徐放製剤は当分野で知られたリポソーム、重合体ミクロスフェアおよびポリマーゲル製剤を含む。
【0319】
医薬組成物を患者に機械的送達を介して導入することが望ましいまたは必要であることがある。薬剤の送達のための機械的送達デバイスの構築および使用は当分野で周知である。例えば、薬物の脳への直接送達のための直接方法は通常、血液能関門を迂回するための薬物送達カテーテルの患者の脳室システムへの設置を含む。体内の特定の解剖学的位置への薬物の輸送に使用する一つのこのようなインプラント可能な送達システムは1991年4月30日発行の米国特許5,011,472に記載されている。
【0320】
本発明の組成物はまた、必要に応じてもしくは所望により、一般的に担体または希釈剤と呼ばれる他の慣用の薬学的に許容される配合成分も含み得る。このような組成物を適当な投与形態で製造する慣用の方法を使用できる。このような成分および方法は各々引用により本明細書に包含される次の参考文献に記載のものを含む:Powell, M.F. et al., “Compendium of Excipients for Parenteral Formulations” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998, 52(5), 238-311; Strickley, R.G “Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States (1999)-Part-1” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999, 53(6), 324-349; およびNema, S. et al., “Excipients and Their Use in Injectable Products” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997, 51 (4), 166-171。
【0321】
組成物をその意図する投与経路のために製剤するために適宜使用できる一般的に使用される医薬成分は次のものを含む。
酸性化剤(例は酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸を含むがこれらに限定されない);
【0322】
アルカリ化剤(例はアンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンを含むがこれらに限定されない);
【0323】
吸着剤(例は粉末セルロースおよび活性炭を含むがこれらに限定されない);
【0324】
エアロゾル噴霧剤(propellents)(例は二酸化炭素、CCl
2F
2、F
2ClC−CClF
2およびCClF
3を含むがこれらに限定されない);
【0325】
空気置換剤(例は窒素およびアルゴンを含むがこれらに限定されない);
【0326】
抗真菌防腐剤(例は安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムを含むがこれらに限定されない);
【0327】
抗微生物防腐剤(例は塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールを含むがこれらに限定されない);
【0328】
抗酸化剤(例はアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、酢酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムを含むがこれらに限定されない);
【0329】
結合物質(例はブロックポリマー類、天然および合成ゴム、ポリアクリレート類、ポリウレタン類、シリコン類、ポリシロキサン類およびスチレン−ブタジエンコポリマー類を含むがこれらに限定されない);
【0330】
緩衝剤(例はメタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物およびクエン酸ナトリウム二水和物を含むがこれらに限定されない);
【0331】
輸送剤(例はアカシアシロップ、芳香族性シロップ、芳香族性エリキシル、サクランボシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、トウモロコシ油、鉱油、ピーナツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射および静菌性注射用水を含むがこれらに限定されない);
【0332】
キレート剤(例はエデト酸二ナトリウムおよびエデト酸を含むがこれらに限定されない);
【0333】
着色剤(例はFD&C Red No. 3、FD&C Red No. 20、FD&C Yellow No. 6、FD&C Blue No. 2、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 5、D&C Red No. 8、カラメルおよび酸化第二鉄赤色を含むがこれらに限定されない);
【0334】
清澄剤(例はベントナイトを含むがこれに限定されない);
【0335】
乳化剤(例はアカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、レシチン、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ポリオキシエチレン50モノステアレートを含むがこれらに限定されない);
【0336】
封入剤(例はゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースを含むがこれらに限定されない);
【0337】
風味剤(例はアニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンを含むがこれらに限定されない);
【0338】
湿潤剤(例はグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含むがこれらに限定されない);
【0339】
研和剤(例は鉱油およびグリセリンを含むがこれらに限定されない);
【0340】
油類(例は落花生油、鉱油、オリーブ油、ピーナツ油、ゴマ油および植物油を含むがこれらに限定されない);
【0341】
軟膏基剤(例はラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ペトロラタム、親水性ペトロラタム、白色軟膏、黄色軟膏およびバラ香水軟膏を含むがこれらに限定されない);
【0342】
浸透促進剤(経皮送達)(例はモノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール類、一価または多価アルコール類、飽和または不飽和脂肪アルコール類、飽和または不飽和脂肪エステル類、飽和または不飽和二カルボン酸類、必須油類、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン類、アミド類、エーテル類、ケトン類およびウレア類を含むがこれらに限定されない);
【0343】
可塑剤(例はフタル酸ジエチルおよびグリセロールを含むがこれらに限定されない);
【0344】
溶媒(例はエタノール、トウモロコシ油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナツ油、精製水、注射用水、滅菌注射用水および滅菌灌注用水を含むがこれらに限定されない);
【0345】
硬化剤(例はセチルアルコール、セチルエステル類蝋、微結晶性蝋、パラフィン、ステアリルアルコール、白色蝋および黄色蝋を含むがこれらに限定されない);
【0346】
坐薬基剤(例はカカオバターおよびポリエチレングリコール類(混合物)を含むがこれらに限定されない);
【0347】
界面活性剤(例は塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール(oxtoxynol)9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびモノパルミチン酸ソルビタンを含むがこれらに限定されない);
【0348】
懸濁化剤(例は寒天、ベントナイト、カルボマー類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびveegumを含むがこれらに限定されない);
【0349】
甘味剤(例はアスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびスクロースを含むがこれらに限定されない);
【0350】
錠剤抗付着剤(例はステアリン酸マグネシウムおよびタルクを含むがこれらに限定されない);
【0351】
錠剤結合剤(例はアカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮性糖、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドンおよびアルファ化デンプンを含むがこれらに限定されない);
【0352】
錠剤およびカプセル剤希釈剤(例はリン酸水素カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、沈殿炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムホスフェート、ソルビトールおよびデンプンを含むがこれらに限定されない);
【0353】
錠剤コーティング剤(例は液体グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびセラックを含むがこれらに限定されない);
【0354】
錠剤直接圧縮添加物(例はリン酸水素カルシウムを含むがこれに限定されない);
【0355】
錠剤崩壊剤(例はアルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプンを含むがこれらに限定されない);
【0356】
錠剤流動促進剤(例はコロイド状シリカ、トウモロコシデンプンおよびタルクを含むがこれらに限定されない);
【0357】
錠剤滑沢剤(例はステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛を含むがこれらに限定されない);
【0358】
錠剤/カプセル剤不透明化剤 (例は二酸化チタニウムを含むがこれに限定されない);
【0359】
錠剤艶出し剤(例はカルナウバ蝋および白色蝋を含むがこれらに限定されない);
【0360】
濃化剤(例は蜜蝋、セチルアルコールおよびパラフィンを含むがこれらに限定されない);
【0361】
等張化剤(例はデキストロースおよび塩化ナトリウムを含むがこれらに限定されない);
【0362】
増粘剤(例はアルギン酸、ベントナイト、カルボマー類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントを含むがこれらに限定されない);および
【0363】
湿潤剤(例はヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン類、モノオレイン酸ソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールおよびステアリン酸ポリオキシエチレンを含むがこれらに限定されない)。
【0364】
本発明の医薬組成物は次のとおり説明できる。
滅菌IV溶液:所望の本発明の化合物の5mg/mL溶液を、滅菌、注射用水を使用して製造でき、pHを必要であるならば調節する。溶液を、滅菌5%デキストロースで投与用に1〜2mg/mLに希釈し、IV輸液として約60分間かけて投与する。
【0365】
IV投与用凍結乾燥粉末:滅菌製剤を(i)凍結乾燥粉末としての100〜1000mgの所望の本発明の化合物、(ii)32〜327mg/mLクエン酸ナトリウムおよび(iii)300〜3000mgデキストラン40で製造できる。製剤を滅菌、注射用食塩水または5%デキストロースで10〜20mg/mLの濃度に再構成し、それをさらに食塩水または5%デキストロースで0.2〜0.4mg/mLに希釈し、IVボーラスまたは15〜60分間のIV輸液により投与する。
【0366】
筋肉内懸濁液:次の溶液または懸濁液を筋肉内注射用に製造できる。
50mg/mLの所望の、水不溶性の本発明の化合物
5mg/mLナトリウムカルボキシメチルセルロース
4mg/mLTWEEN 80
9mg/mL塩化ナトリウム
9mg/mLベンジルアルコール
【0367】
硬質カプセル剤:多数の単位カプセルを、標準的二ピース硬質ゼラチンカプセルに充填することにより製造し、各々100mgの粉末活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0368】
軟ゼラチンカプセル:可消化油、例えばダイズ油、綿実油またはオリーブ油中の活性成分の混合物を調製し、容積式ポンプの手段により溶融ゼラチンに注入し、100mgの活性成分を含む軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥させる。活性成分は水混和性医薬混合物を製造するためにポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解できる。
【0369】
錠剤:多数の錠剤を、投与単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶性セルロース、11mgのデンプンおよび98.8mgのラクトースとなるように、慣用の方法で製造する。適当な水性および非水性コーティングを透過性増加、見栄え(elegance)および安定製の改善または吸収遅延のために適用してよい。
【0370】
即時放出錠剤/カプセル:これらは慣用のおよび新規な工程により製造される固形経口投与形態である。これらの形態は経口的に水無しで薬物の即時溶解および送達のために摂取される。活性成分は糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味剤のような成分を含む液体中で混合されている。これらの液体は固体錠剤またはカプレットに凍結乾燥および固体抽出技術により固化される。薬物化合物を粘弾性および熱弾性糖類およびポリマー類または発泡性成分と共に圧縮して、水を必要とすることなく即時放出を意図する多孔性マトリックスを製造し得る。
【0371】
組み合わせ治療
本発明の化合物を唯一の薬剤としてまたは組み合わせが許容されない有害作用を起こさないならば1種以上の他の薬剤と組み合わせて投与できる。本発明はまたこのような組み合わせに関する。例えば、本発明の化合物を知られた抗過増殖剤または他の適応剤(indication agents)など、ならびにそれらの混合物および組み合わせと組み合わせて投与できる。他の適応剤は抗血管形成剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、DNA挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞サイクル阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的反応修飾物質または抗ホルモン類を含むがこれらに限定されない。
【0372】
好ましいさらなる薬剤は131I-chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY 80-6946、BAY 1000394、BAY 86-9766(RDEA 119)、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビスアントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、glutoxim、ゴセレリン、二塩酸ヒスタミン、ヒストレリン、ヒドロキシカルボアミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イクサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドマイド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、メチルアミノレブリネート、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガスパルガーゼ、ペグ−エポエチンベータ(メトキシペグ−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフォスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、ポリエストラジオールホスフェート、ポリサッカライド−K、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、ナトリウムグリシジダゾール、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシンである。
【0373】
本組成物に追加できる任意の抗過増殖剤はアスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンのような、引用により本明細書に包含させるMerck Index第11版(1996)の癌化学療法剤レジメンに収載されている化合物を含むがこれらに限定されない。
【0374】
本発明の組成物と使用するのに適切な他の抗過増殖剤はアミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジンクラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリトロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、一リン酸5−フルオロデオキシウリジン、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−1−アスパラギン酸(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジンおよびビノレルビンのような、引用により本明細書に包含させるGoodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Ninth Edition), editor Molinoff et al., publ. by McGraw-Hill, pages 1225-1287, (1996)において新生物疾患の処置への使用が認められている化合物を含むがこれらに限定されない。
【0375】
本発明の組成物と使用するのに適切な他の抗過増殖剤はエポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンおよびトポテカンのような他の抗癌剤を含むがこれらに限定されない。
【0376】
本発明の化合物はまたタンパク質治療剤と組み合わせて投与してもよい。癌または他の血管新生障害の処置におよび本発明の組成物と共に使用するのに適切なこのようなタンパク質治療剤はインターフェロン(例えば、インターフェロンα、βまたはγ)、(超作動性(supraagonistic)モノクローナル抗体、チュービンゲン、TRP−1タンパク質ワクチン、Colostrinin、抗FAP抗体、YH-16、ゲムツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツマブ、デニロイキンジフチトクス、リツキシマブ、チモシンアルファ1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファベート、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MFE-CP1+ZD-2767-P、ABT-828、ErbB2特異的免疫毒素、SGN-35、MT-103、リンファベート、AS-1402、B43−ゲニステイン、L−19ベースの放射免疫療法剤、AC-9301、NY-ESO-1ワクチン、IMC-1C11、CT-322、rhCCIO、r(m)CRP、MORAb-009、アビスクミン、MDX-1307、Her-2ワクチン、APC−8024、NGR-hTNF、rhH1.3、IGN-311、エンドスタチン、ボロシキシマブ、PRO-1762、レクサツムマブ、SGN-40、ペルツズマブ、EMD-273063、L19-IL-2融合タンパク質、PRX-321、CNTO-328、MDX-214、チガポチド、CAT-3888、ラベツズマブ、アルファ粒子放出放射線同位体架橋リンツズマブ、EM-1421、超急性ワクチン、ツコツズマブセルモロイキン、ガリキシマブ、HPV-16-E7、ジャベリン−前立腺癌、ジャベリン−黒色腫、NY-ESO-1ワクチン、EGFワクチン、CYT-004-MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツムマブ、ザルツムマブ、シントレデキン・ベスドトクス、WX-G250、アルブフェロン、アフリベルセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP-37、efungumabまたは131l-chTNT-1/Bを含むがこれらに限定されない。タンパク質治療剤として有用なモノクローナル抗体はムロモナブ−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ(bevicizumab)、エファリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモマブ−CD3、リツキシマブ、ダクリズマブ、トラスツマブ、パリビズマブ、バシリキシマブおよびインフリキシマブを含むがこれらに限定されない。
【0377】
一般的に、本発明の化合物または組成物と組み合わせた細胞毒性剤および/または細胞増殖抑制剤は次の作用をする。
(1)いずれかの薬剤単独での投与と比較して、腫瘍の増殖抑制について良好な効果を生じるか、または腫瘍を消失させる、
(2)投与する化学療法剤の少ない量の投与を可能にする、
(3)単独薬剤での化学療法およびある種の他の組み合わせ治療で観察されるよりも少ない薬理学的複合有害作用により患者が良好な耐容性を示す化学療法処置を提供する、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて広いスペクトルの種々の癌のタイプの処置を提供する、
(5)処置患者の中で高い応答率を実現する、
(6)標準化学療法処置と比較して、処置患者の長い生存期間を可能にする、
(7)腫瘍進行までの期間を延長するおよび/または
(8)他の癌処置剤の組み合わせが拮抗作用を生じることが知られている例と比較して、これらの薬剤を単独で使用したときと少なくとも同程度良好な効果および耐容性結果を生じる。
【0378】
放射線に対して細胞を感作する方法
本発明の異なる態様において、本発明の化合物は放射線に対して細胞を感作するために使用し得る。すなわち、細胞の放射線処置前に本発明の化合物で細胞を処置することにより、細胞が本発明の化合物での処置を何ら行わなかった細胞よりもDNA損傷および細胞死に感受性となる。一つの面において、細胞を少なくとも1種の本発明の化合物で処置する。
【0379】
故に、本発明はまた細胞に1種以上の本発明の化合物を慣用の放射線療法と組み合わせで投与する、細胞死滅方法を提供する。
【0380】
本発明はまた細胞に細胞死を起こすまたは誘発する処置前に細胞を1種以上の本発明の化合物で処置する、細胞を細胞死により感受性とする方法を提供する。一つの面において、細胞を1種以上の本発明の化合物で処置した後、細胞を、正常細胞の機能を阻止するまたは細胞を死滅させることを目的としたDNA損傷を起こすための、少なくとも1種の化合物または少なくとも1種の方法またはその組み合わせで処置する。
【0381】
一つの態様において、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処置することにより、細胞を死滅させる。すなわち、細胞を細胞死に対して感作するために細胞を1種以上の本発明の化合物で処置後、細胞を死滅させるために、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処置する。本発明で有用なDNA損傷剤は化学療法剤(例えば、シスプラスチン)、電離放射線(X線、紫外放射線)、発癌性剤および変異原性剤を含むがこれらに限定されない。
【0382】
他の態様において、細胞にDNA損傷を起こすまたは誘発する少なくとも1種の方法で処置することにより細胞を死滅させる。このような方法は経路が活性化したときにDNA損傷を起こす細胞シグナリング経路の活性化、経路が阻害されたときにDNA損傷を起こす細胞シグナリング経路の阻害および変化がDNA損傷を起こすとき細胞における生化学変化の誘発を含むがこれらに限定されない。非限定的例として、細胞におけるDNA修復経路を阻害でき、これによりDNA損傷の修復を阻止し、細胞におけるDNA損傷の異常蓄積をもたらす。
【0383】
本発明の一つの面において、本発明の化合物を、放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発前に細胞に投与する。本発明の他の面において、本発明の化合物を放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発と同時に細胞に投与する。本発明のさらに別の面において、本発明の化合物を放射線または細胞へのDNA損傷の他の誘発の開始直後に細胞に投与する。
【0384】
他の面において、細胞はインビトロである。他の態様において、細胞はインビボである。
【0385】
上記のとおり、本発明の化合物は驚くべきことにMps−1を効率的に阻害し、それ故に、例えば、血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移のような、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患または制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1により仲介されるものの処置または予防に使用し得る。
【0386】
他の面によって、それ故に、本発明は上記した疾患の処置または予防に使用するための、ここに記載し、定義した一般式Iの化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩またはこれらの混合物を包含する。
【0387】
本発明の他の特定の面はそれ故に、疾患の予防または処置のための、上記一般式Iの化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩またはこれらの混合物の使用である。
【0388】
本発明の他の特定の面はそれ故に、疾患の処置または予防用医薬組成物の製造のための、上記一般式Iの化合物の使用である。
【0389】
2段落前に記載した疾患は、例えば、血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移のような、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患または制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1により仲介されるものである。
【0390】
本発明の文脈で、特に“不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答”の文脈で、本明細書で使用される用語“不適切”は、例えばは正常より低いまたは高く、かつ該疾患と関連する、該疾患を担うまたは該疾患を生じる応答を意味すると解釈すべきである。
【0391】
好ましくは使用は疾患の処置または予防におけるものであり、該疾患は血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0392】
過増殖性障害の処置方法
本発明は哺乳動物過増殖性障害を処置するための本発明の化合物およびその組成物の使用方法に関する。化合物は細胞増殖および/または細胞分裂の阻止、遮断、減少、低下などにおよび/またはアポトーシスを生じるのに使用できる。この方法はヒトを含む処置を必要とする哺乳動物に、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝物、水和物、溶媒和物またはエステルなどを障害の処置に有効である量で投与することを含む。過増殖性障害は、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響する他の過形成、良性前立腺肥大(BPH)、固形腫瘍、例えば乳房、呼吸器、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびそれらの遠位転移を含むがこれらに限定されない。これらの障害はまたリンパ腫、肉腫および白血病を含む。
【0393】
乳癌の例は浸潤性管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性管癌および非浸潤性小葉癌を含むがこれらに限定されない。
【0394】
呼吸器の癌の例は小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫を含むがこれらに限定されない。
【0395】
脳の癌の例は脳幹および視床下部神経膠腫、小脳および脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉性および松果体腫瘍を含むがこれらに限定されない。
【0396】
男性生殖器の腫瘍は前立腺および精巣癌を含むがこれらに限定されない。女性生殖器の腫瘍は子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰の癌、ならびに子宮の肉腫を含むがこれらに限定されない。
【0397】
消化管の腫瘍は肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺の癌を含むがこれらに限定されない。
【0398】
尿路の腫瘍は膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、輸尿管、尿道およびヒト乳頭状腎の癌を含むがこれらに限定されない。
【0399】
眼の癌は眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫を含むがこれらに限定されない。
【0400】
肝癌の例は肝細胞癌(線維層板型変異を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合型肝細胞胆管癌を含むがこれらに限定されない。
【0401】
皮膚癌は扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌を含むがこれらに限定されない。
【0402】
頭頸部の癌は喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭癌、口唇および口腔癌および扁平上皮細胞を含むがこれらに限定されない。リンパ腫はAIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫を含むがこれらに限定されない。
【0403】
肉腫は軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫を含むがこれらに限定されない。
【0404】
白血病は急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリー細胞白血病を含むがこれらに限定されない。
【0405】
これらの障害はヒトで十分に特徴付けされているが他の哺乳動物においても類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物の投与により処置できる。
【0406】
本明細書をとおして記載される用語“処置する”または“処置”は慣例的に使用されており、例えば、癌のような疾患または障害の状態の根絶、緩和、軽減、解消、改善などを目的とする対象の管理または世話である。
【0407】
キナーゼ障害の処置方法
本発明はまた卒中、心不全、肝腫大、心肥大、糖尿病、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、異種移植拒絶反応の症状、敗血症性ショックまたは喘息を含むがこれらに限定されない異常なマイトジェン細胞外キナーゼ活性と関連する障害の処置方法にも関する。
【0408】
本発明の化合物の有効量を、上記背景技術の章に記載した疾患(例えば、癌)を含む、このような障害の処置に使用できる。それにもかかわらず、このような癌および他の疾患を、作用機序および/またはキナーゼと障害の関係にかかわらず、本発明の化合物で処置できる。
【0409】
句“異常なキナーゼ活性”または“異常なチロシンキナーゼ活性”はキナーゼをコードする遺伝子またはそれがコードするポリペプチドのあらゆる異常な発現または活性を含む。このような異常な活性の例は遺伝子またはポリペプチドの過発現;遺伝子増幅;構成的活性型または機能亢進性キナーゼ活性を生ずる変異;遺伝子変異、欠失、置換、付加などを含むがこれらに限定されない。
【0410】
本発明はまた、本発明の化合物(その塩類、多形、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば:エステル類)およびそのジアステレオ異性形態を含む)を有効量で投与することを含む、キナーゼ活性、特にマイトジェン細胞外キナーゼの阻害方法も提供する。キナーゼ活性は細胞(例えば、インビトロ)でまたは哺乳動物対象、特に処置を必要とするヒト患者の細胞で阻害できる。
【0411】
血管新生障害の処置方法
本発明はまた過剰なおよび/または異常な血管形成と関連する障害および疾患の処置方法も提供する
【0412】
血管形成の不適切なおよび異所性の発現は生物にとって有害であり得る。多くの病態が外来性血管の増殖と関連する。これらは、例えば、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症および未熟児網膜症[Aiello et al. New Engl. J. Med. 1994, 331, 1480; Peer et al. Lab. Invest. 1995, 72, 638]、加齢黄斑変性症[AMD; Lopez et al. Invest. Opththalmol. Vis. Sci. 1996, 37, 855参照]、血管新生緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖症、血管線維腫、炎症、リウマチ性関節炎(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管再狭窄などを含む。さらに、癌性および新生物組織と関連する血液供給増加は増殖を促し、急速な腫瘍増大および転移にいたる。さらに、腫瘍における新血管およびリンパ管の増殖は反逆細胞のための逃避経路を提供し、転移および結果としての癌の拡散を促す。故に、本発明の化合物は、例えば、血管形成の阻害および/または減少により、内皮細胞増殖または血管形成に関与する他のタイプを阻止、遮断、減少、低下などすることにより、ならびにこのような細胞型の細胞死またはアポトーシスを起こすことにより、上記血管形成障害のいずれかの処置および/または予防に使用できる。
【0413】
投与量および投与
過増殖性障害および血管新生障害の処置に有用な化合物を評価することが知られる標準的実験技術に基づき、標準的毒性試験によりおよび哺乳動物における上記状態の処置の決定のための標準的薬理学的アッセイによりおよびこれらの結果とこれらの状態に使用される基地医薬の結果の比較により、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症の処置のために容易に決定できる。これらの状態の一つの処置に投与すべき活性成分の量は用いる特定の化合物および投与単位、投与方法、処置期間、処置する患者の年齢および性別および処置する状態の性質および程度のような考察に従い、広範囲に変わり得る。
【0414】
投与すべき活性成分の総量は一般的に約0.001mg/kg〜約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kg〜約20mg/kg体重/日の範囲である。臨床的に有用な投与スケジュールは1日1〜3回投与から4週間毎の投与の範囲である。さらに、患者が一定期間薬物を投与されない“休薬日”が薬理学的効果と耐容性の全体的バランスのために有益であり得る。単位投与量は約0.5mg〜約1500mgの活性成分を含み、1日1回以上または1日未満投与し得る。静脈内、筋肉内、皮下および非経腸注射および点滴法を含む注射による投与のための平均1日投与量は、例えばは0.01〜200mg/kgの総体重である。平均1日直腸投与レジメンは、例えばは0.01〜200mg/kgの総体重である。平均1日膣投与レジメンは、例えばは0.01〜200mg/kgの総体重である。平均1日局所投与レジメンは、例えばは1日1〜4回投与で0.1〜200mgである。経皮濃度は、例えばは0.01〜200mg/kgの1日投与量を維持するのに必要なものである。平均1日吸入レジメンは、例えばは0.01〜100mg/kgの総体重である。
【0415】
当然、各患者についての特定の開始および連続投与レジメンは担当診断医により決定される状態の性質および重症度、用いる特定の化合物の活性、患者の年齢および一般的状態、投与時間、投与経路、薬物は移設速度、薬物組み合わせなどにより従い変わる。所望の処置方法および本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルまたは組成物の投与回数は慣用の処置試験を使用して当業者により決定できる。
【0416】
好ましくは該方法の該疾患は血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0417】
本発明の化合物は特に腫瘍増殖および転移、特に腫瘍増殖が予め処置されていても処置されていなくても、全ての適応症および段階の固形腫瘍の治療および予防、すなわち防止に使用できる。
【0418】
特定の薬理学的または薬剤学的性質の試験方法は当業者に周知である。
ここに記載する試験実験例は本発明を説明するために提供し、本発明は示す実施例により限定されない。
【0419】
生物学的アッセイ:増殖アッセイ
培養腫瘍細胞(MCF7、ホルモン依存性ヒト乳癌細胞、ATCC HTB22; NCI-H460、ヒト非小細胞肺癌細胞、ATCC HTB-177;DU 145、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞、ATCC HTB-81;HeLa-MaTu、ヒト子宮頚部癌細胞、EPO-GmbH, Berlin;HeLa-MaTu-ADR、多剤耐性ヒト子宮頚部癌細胞、EPO-GmbH, Berlin;HeLaヒト子宮頚部腫瘍細胞、ATCC CCL-2;B16F10マウス黒色腫細胞、ATCC CRL-6475)を、5000細胞/ウェル(MCF7, DU145, HeLa-MaTu-ADR)、3000細胞/ウェル(NCI-H460, HeLa-MaTu, HeLa)または1000細胞/ウェル(B16F10)の密度で、96ウェルマルチタイタープレートに、200μLの10%ウシ胎児血清添加各増殖培地中で平板培養した。24時間後、1プレートの細胞(0点プレート)をクリスタル・バイオレット(下記参照)で染色し、他方、他のプレートの培地を新鮮培養培地(200μL)に置き換えて、そこに種々の濃度(0μM、ならびに0.01〜30μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)で試験化合物を添加した。細胞を4日間、試験物質存在下でインキュベートした。細胞増殖を、細胞をクリスタル・バイオレットで染色することにより決定した。細胞を測定点あたり20μLの11%グルタルアルデヒド溶液を添加することにより、15分間、室温で固定した。固定細胞の水での3回洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。細胞を、測定点あたり100μLの0.1%クリスタル・バイオレット溶液(pH3.0)を添加することにより染色した。染色細胞の水での3回洗浄サイクルの後、プレートを室温で乾燥させた。色素を測定点あたり100μLの10%酢酸溶液の添加により溶解させた。吸光度を595nmの波長で測光法により決定した。細胞数の変化(%)を、測定値を0点プレートの吸光度(=0%)および未処置(0μm)細胞(=100%)の吸光度値に対して標準化することにより、計算した。IC
50値を、自社製ソフトウエアを使用する4パラメータフィットの手段により決定した。
【0420】
本発明の化合物はHeLa−MaTu−ADR細胞増殖アッセイ(上記)で測定して、10μMより低いIC
50により特徴付けられる。好ましい化合物のIC
50は2.0μMよりも低くさえある。より好ましい化合物のIC
50は500nMより低くさえある。さらに好ましい化合物のIC
50は250nMより低くさえある。最も好ましい化合物のIC
50は200nMより低くさえある。
【0421】
本発明の化合物はHeLa細胞増殖アッセイ(上記)で測定して、次のIC
50値により特徴付けられる。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
Mps−1キナーゼアッセイ
ヒトキナーゼMps−1はビオチニル化基質ペプチドをリン酸化する。リン酸化生成物の検出を、ドナーとしてのユーロピウム標識抗ホスホ−セリン/スレオニン抗体からアクセプターとしての架橋アロフィコシアニンで標識したストレプトアビジン(SA−XLent)への時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)により達成する。化合物を、そのキナーゼ活性阻害について試験する。
【0423】
N末端GST標識ヒト完全長組み換えMps−1キナーゼ(Invitrogen, Karslruhe, Germanyから購入, cat. no PV4071)を使用した。キナーゼ反応のための基質として、アミノ酸配列PWDPDDADITEILGのビオチニル化ペプチド(C末端アミド形態、Biosynthan GmbH, Berlinから購入)を使用した。
【0424】
アッセイのために、試験化合物のDMSO中の100倍濃縮溶液(50nL)を、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペット輸送し、アッセイ緩衝液[0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、10mM MgCl
2、2mM DTT、25mM Hepes pH7.7、0.05%BSA、0.001%Pluronic F-127]中のMps−1溶液(2μL)を添加し、混合物を15分間、22℃でインキュベートして、キナーゼ反応開始前の試験化合物のMps−1への予備結合をさせた。次いで、キナーゼ反応をアッセイ緩衝液中の16.7アデノシン−トリ−ホスフェート(ATP、16.7μM=>5μLアッセイ容積中の最終濃度は10μMである)およびペプチド基質(1.67μM=>5μLアッセイ容積中の最終濃度は1μMである)の溶液(3μL)の添加により開始させ、得られた混合物を60分間、22℃の反応時間インキュベートした。アッセイ中のMps−1濃度は酵素ロットの活性に対して調節し、アッセイが直線範囲となるのに適当に選択し、典型的酵素濃度は約1nM(5μLアッセイ容積中の最終濃度)の範囲であった。HTRF検出試薬(100mM Hepes pH7.4、0.1%BSA、40mM EDTA、140nM ストレプトアビジン−XLent[#61GSTXLB, Fa. Cis Biointernational, Marcoule, France]、1.5nM抗ホスホ(Ser/Thr)−ユーロピウム抗体[#AD0180, PerkinElmer LAS, Rodgau-Juegesheim, Germany]の溶液(3μL)の添加により反応を停止させた。
【0425】
得られた混合物を、1時間、22℃でインキュベートして、リン酸化ペプチドを抗ホスホ(Ser/Thr)−ユーロピウム抗体に結合させた。続いて、リン酸化基質濃度をユーロピウム標識抗ホスホ(Ser/Thr)抗体からストレプトアビジン−XLentへの
共鳴エネルギー移動の測定により評価した。それ故に、350nmで励起後の620nmおよび665nmの蛍光放出をViewlux TR-FRETリーダー(PerkinElmer LAS, Rodgau-Juegesheim, Germany)で測定した。“ブランク補正標準化比”(Viewlux特異的読み出しであり、ブランクおよびEu−ドナークロストークが比率計算前に665nmシグナルから減算されている、665nmおよび622nmの放出の伝統的比に類似)を、リン酸化基質の量の指標として取った。データを標準化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素以外の他の全てのアッセイ要素=100%阻害)。試験化合物を同じマイクロタイタープレートで、20μM〜1nMの範囲の10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、連続1:3希釈により100倍濃縮原液のレベルでアッセイ前に連続希釈により調製)で、各濃度について2回測定し、IC
50値を、自社製ソフトウエアを使用する4パラメータフィットの手段により決定した。
【0426】
本発明の化合物はMps−1キナーゼアッセイ(上記)で測定して、次のIC
50値により特徴付けられる。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0427】
紡錘体形成チェックポイントアッセイ
紡錘体形成チェックポイントは有糸分裂中の染色体の適切な分離を確実にする。有糸分裂に入ると、染色体はセリン10上のヒストンH3のリン酸化が附随する縮合を始める。セリン10上のヒストンH3の脱リン酸化が分裂後期および分裂終期初期の終わりに始まる。従って、セリン10上のヒストンH3のリン酸化を、有糸分裂中の細胞のマーカーとして利用できる。ノコダゾールは微小管脱安定化物質である。故に、ノコダゾールは微小管動態を妨害し、紡錘体形成チェックポイントを移動させる。細胞は有糸分裂のG2/M移行時に停止し、セリン10上のヒストンH3リン酸化を示す。Mps−1阻害剤による紡錘体形成チェックポイント阻害はノコダゾール存在下の有糸分裂遮断を無効にし、細胞は早まって有糸分裂を完了させる。この変化を、セリン10上のヒストンH3がリン酸化された細胞の減少により検出する。この減少を本発明の化合物が有糸分裂成功(breakthrough)を誘発する能力を決定するためのマーカーとして使用する。
【0428】
ヒト子宮頚部腫瘍細胞株HeLa(ATCC CCL-2)の培養細胞を、2500細胞/ウェル密度で、384ウェルマイクロタイタープレートに、1%(v/v)グルタミン、1%(v/v)ペニシリン、1%(v/v)ストレプトマイシンおよび10%(v/v)ウシ胎児血清を添加した20μLダルベッコ培地(フェノールレッド無し、ピルビン酸ナトリウム無し、1000mg/ml グルコース有り、ピリドキシン有り)で平板培養した。一夜、37℃でインキュベーション後、最終濃度0.1μg/mlの10μL/ウェルノコダゾールを細胞に添加した。24時間インキュベーション後、細胞サイクル進行のG2/M期で細胞を停止させた。ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化した試験化合物を種々の濃度(0μM、ならびに0.005μM〜10μMの範囲;溶媒DMSOの最終濃度は0.5%(v/v)であった)で添加した。細胞を4時間、37℃で試験化合物存在下インキュベートした。その後、細胞を、4℃で一夜、リン酸緩衝化食塩水(PBS)中の4%(v/v)パラホルムアルデヒドで固定し、0.1%(v/v) Triton X
TM 100のPBS溶液で室温で20分間透過性化し、0.5%(v/v)ウシ血清アルブミン(BSA)のPBS溶液で、室温で15分間遮断した。PBSで洗浄後、20μL/ウェル抗体溶液(抗ホスホ−ヒストンH3クローン3H10、FITC;Upstate, Cat# 16-222;1:200希釈)を細胞に添加し、それを2時間、室温でインキュベートした。その後、細胞をPBSで洗浄し、20μL/ウェルHOECHST 33342色素溶液(5μg/ml)を細胞に添加し、細胞を、12分間、室温で暗所でインキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、次いでPBSで多い、4℃で分析するまで貯蔵した。Perkin Elmer OPERA
TM High-Content Analysisリーダーで画像を獲得した。画像をMolecular devicesの画像解析ソフトウエアMetaXpress
TMで、Cell Cycle応用モジュールを使用して解析した。このアッセイで、HOECHST 33342およびセリン10上のリン酸化ヒストンH3の両ラベルを測定した。HOECHST 33342はDNAを標識し、細胞数計測に使用する。セリン10上のリン酸化ヒストンH3の染色は有糸分裂細胞の数を規定する。Mps−1阻害はノコダゾール存在下で有糸分裂細胞数を減少させ、不適当な有糸分裂進行を示す。生アッセイデータをさらに4パラメータロジスティック回帰分析で解析して、各試験化合物のIC
50値を決定した。
【0429】
当業者には他のMpsキナーゼ類のためのアッセイを適当な反応材を使用して同様に使用し得ることは明らかである。
【0430】
故に、本発明の化合物は1種以上のMps−1キナーゼを効率的に阻害し、それ故に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答がMps−1により仲介されるもの、さらに具体的には制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患が血液学的腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移であるものの処置または予防に適切である。
【0431】
インビトロでの代謝安定性の測定
(インビボ肝臓血液クリアランス(CL)および最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)の計算を含む)
試験化合物のインビトロでの代謝安定性を、これらの1μMを、100mMリン酸緩衝液、pH7.4(NaH
2PO
4×H
2O+Na
2HPO
4×2H
2O)中、タンパク質濃度0.5mg/mLの肝ミクロソーム懸濁液と、37℃でインキュベートすることにより測定した。リン酸緩衝液、pH7.4中1.2mg NADP、3IU グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、14.6mg グルコース−6−ホスフェートおよび4.9mg MgCl
2を含む補因子混合物の添加により反応を活性化させた。インキュベーション中の有機溶媒の限度を<0.2%ジメチルスルホキシド(DMSO)および<1%メタノールとした。インキュベーション中、ミクロソーム懸濁液を連続的に振盪させ、一定量を2分、8分、16分、30分、45分および60分に採り、そこに等体積の冷メタノールを即座に添加した。サンプルを−20℃で一夜凍結させ、続いて15分、3000rpmで遠心分離し、上清をAgilent 1200 HPLC系でLCMS/MS検出を用いて分析した。
【0432】
試験化合物の半減期を濃度−時間プロットから決定した。半減期から、内因性クリアランスを計算した。肝血流、特異的肝臓重量およびミクロソームタンパク質含量であるさらなるパラメータとともに、インビボ肝臓血液クリアランス(CL)および最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)を異なる種で計算した。次のパラメータ値を使用した:肝血流 − 1.3L/h/kg(ヒト)、2.1L/h/kg(イヌ)、4.2L/h/kg(ラット);特異的肝臓重量 − 21g/kg(ヒト)、39g/kg(イヌ)、32g/kg(ラット);ミクロソームタンパク質含量 − 40mg/g。
【0433】
記載したアッセイではミクロソームのI相代謝、例えば典型的にシトクロムP450酵素およびフラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)による酸化還元反応およびエステラーゼによる加水分解性反応(エステル類およびアミド類)しか反映されない。
【0434】
本発明の化合物は下記表に示すラット、イヌおよびヒトにおける最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)の値(上記肝ミクロソームの手段により決定)により特徴付けられる。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
驚くべきことに、本発明の化合物は先行文献の化合物を超える優れた特性を有する。
【0436】
本発明の化合物は次の特性により特徴付けられる。
・ 10μM ATP濃度を用いてMps−1キナーゼアッセイで決定したIC
50(上記のとおり)が1nM以下である。
・ 2mM ATP濃度を用いてMps−1キナーゼアッセイで決定したIC
50(上記のとおり)が10nM未満である。好ましい化合物のIC
50は5nMより低くさえある。より好ましい化合物のIC
50は3nMより低くさえある。最も好ましい化合物のIC
50は2nMより低くさえある。
・ ラットにおける最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)(上記のとおりラット肝ミクロソームにより決定)が50%より高い。好ましい化合物のF
maxは70%より高くさえある。より好ましい化合物のF
maxは80%より高くさえある。
・ イヌにおける最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)(上記のとおりイヌ肝ミクロソームにより決定)は45%より高い。好ましい化合物のF
maxは52%より高くさえある。より好ましい化合物のF
maxは70%より高くさえある。
・ ヒトにおける最大経口バイオアベイラビリティ(F
max)(上記のとおりヒト肝ミクロソームにより決定)は45%より高い。好ましい化合物のF
maxは60%より高くさえある。より好ましい化合物のF
maxは85%より高くさえある。
・ HeLa細胞増殖アッセイにおいて決定したIC
50(上記のとおり)は600nM未満である。好ましい化合物のIC
50は400nM未満でさえある。より好ましい化合物のIC
50は200nM未満でさえある。最も好ましい化合物のIC
50は100nM未満でさえある。
【0437】
次の表は先行文献からの化合物ならびに本発明の化合物と構造的に類似するがここで定義した式(I)には入らない化合物との比較により、本発明の化合物が優れていることを証明する。
【表6】
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【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0439】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]