特許第6181732号(P6181732)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181732アクティブ状態とスリープ状態間の移行による節電を実装するワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181732
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】アクティブ状態とスリープ状態間の移行による節電を実装するワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20170807BHJP
   H04W 84/20 20090101ALI20170807BHJP
【FI】
   H04W52/02 110
   H04W84/20
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-218381(P2015-218381)
(22)【出願日】2015年11月6日
(62)【分割の表示】特願2014-107024(P2014-107024)の分割
【原出願日】2011年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-42729(P2016-42729A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2015年11月9日
(31)【優先権主張番号】12/777,527
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ギラッド・ボーンスタイン
(72)【発明者】
【氏名】バルチ・エルキモヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ニール・ストラウス
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−503892(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/151289(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/013969(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/047179(WO,A1)
【文献】 Part 15.4:Wireless Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications for Low-Rate Wireless Personal Area Networks(WPANs),IEEE Std 802.15.4TM-2006,IEEE,2006年 9月 8日,p.167-168,187-188
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコマンドを記憶するように構成されたキューを備えるパーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータであって、
1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスPANを形成するように構成され、
第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行し、
前記PANコーディネータが前記第2の条件が満たされたことに基づいて前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に、前記アクティブ状態に構成された前記PANコーディネータが少なくとも1つのデバイスからポーリングメッセージの受信を待機し、前記ポーリングメッセージは、前記少なくとも1つのデバイスのためのコマンドが前記キューに保留されているかどうかを決定するために前記PANコーディネータをポーリングし、
前記PANコーディネータは、第1の条件が満たされた後に、前記アクティブ状態から前記スリープ状態へ移行し、前記第1の条件は、前記PANコーディネータが前記ポーリングメッセージを受信し、前記ポーリングメッセージに応答して、前記キューからのコマンドを含む応答メッセージを前記少なくとも1つのデバイスに送信し、かつ前記応答メッセージに応答して送信された返信メッセージを受信した後に、前記キューからのコマンドが存在しないことを備え、前記応答メッセージは前記コマンドが前記キューに保留されているかどうかを示し、前記返信メッセージは前記キューからの前記コマンドが実行されたことを示すことを特徴とする、PANコーディネータ。
【請求項2】
前記1つまたは複数のデバイスと通信するように構成されたトランシーバをさらに備え、前記コマンドは前記少なくとも1つのデバイスによって実行されるべきジョブを示し、前記トランシーバは、前記応答メッセージを送信するようにさらに構成されることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項3】
前記PANコーディネータは前記ワイヤレスPANの根を形成し、前記ワイヤレスPANについての情報を記憶し、前記スリープ状態ではデータを送信または受信することができず、かつ別のネットワークとのブリッジとして動作することを特徴とする請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項4】
前記ワイヤレスPANは、前記PANコーディネータが前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に前記1つまたは複数のデバイスに利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項5】
イベントハンドラをさらに備え、前記イベントハンドラは、前記PANコーディネータが前記アクティブ状態にいる間、前記ポーリングメッセージを受信するとともに、前記コマンドが前記キューに保留されているかどうかを判定するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項6】
前記第2の条件は、前記PANコーディネータのユーザアクティベーションを備え、前記ユーザアクティベーションは、前記コマンドを前記少なくとも1つのデバイスに送信するためのユーザ入力を備えることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項7】
前記第2の条件は、前記PANコーディネータのユーザアクティベーションを備え、前記ユーザアクティベーションは、前記PANコーディネータが前記アクティブ状態に入ることを要求する前記PANコーディネータでの入力を受信することを備えることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項8】
前記第2の条件は、前記コマンドが前記キューで保留中であることを備え、前記スリープ状態において電力がオフであるトランシーバをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項9】
前記1つまたは複数のコマンドは、前記少なくとも1つのデバイスのための前記コマンドを備えることを特徴とする、請求項1に記載のPANコーディネータ。
【請求項10】
パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータと1つまたは複数のデバイスとの間でワイヤレスPANを形成するステップと、
第2の条件が満たされた後に、前記PANコーディネータをスリープ状態からアクティブ状態へ移行するステップと、
前記PANコーディネータが前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に、前記PANコーディネータによって、少なくとも1つのデバイスからポーリングメッセージの受信を待機するステップであって、前記ポーリングメッセージは、前記少なくとも1つのデバイスのためのコマンドがキューに保留されているかどうかを決定するために前記PANコーディネータをポーリングする、ステップと、
前記ポーリングメッセージを受信するステップと、
前記コマンドが保留されているかどうかを判断するステップと
1つまたは複数のコマンドが保留されているかどうか、またはコマンドが保留されていないかどうかを示す、前記キューからのコマンドを含む応答メッセージを生成するステップと、
前記応答メッセージを前記少なくとも1つのデバイスに送信するステップと、
前記応答メッセージに応答して送信された返信メッセージを受信するステップであって、前記返信メッセージは前記キューからの前記コマンドが実行されたことを示す、ステップと、
第1の条件が満たされた後に、前記PANコーディネータを前記アクティブ状態から前記スリープ状態へ移行するステップであって、前記第1の条件は、前記PANコーディネータが前記返信メッセージを受信した後に、前記キューからのコマンドが存在しないことを備える、ステップと
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記PANコーディネータが前記スリープ状態のとき、前記第2の条件が前記PANコーディネータを起動するために満たされているかどうかを決定するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コマンドを前記キューから除去するために、前記PANコーディネータのトランシーバからの前記コマンドを前記少なくとも1つのデバイスに送信するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に、前記ワイヤレスPANを使用可能にするステップをさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記PANコーディネータは、前記アクティブ状態から前記スリープ状態へ移行することなく前記ポーリングメッセージの受信を待機することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ポーリングメッセージを受信するステップと、
前記ポーリングメッセージを復調するステップと、
前記ポーリングメッセージを処理するステップと、
前記ポーリングメッセージにおいて受信された情報を記憶するステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ポーリングメッセージを送信したデバイスを判断するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
1つまたは複数のデバイスに向けられた1つまたは複数のコマンドを記憶するステップをさらに備え、
前記1つまたは複数のコマンドのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのデバイスによって実行されるジョブをさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数のコマンドを記憶するための手段と、
PANコーディネータと1つまたは複数のデバイスとの間でワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成するための手段と、
第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行するための手段であって、前記PANコーディネータが前記第2の条件が満たされたことに基づいて前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に、前記アクティブ状態に構成された前記PANコーディネータが少なくとも1つのデバイスからポーリングメッセージの受信を待機し、前記ポーリングメッセージは、前記少なくとも1つのデバイスのためのコマンドが前記記憶するための手段に保留されているかどうかを決定するために前記PANコーディネータをポーリングする手段と、
第1の条件が満たされた後に、前記アクティブ状態から前記スリープ状態へ移行するための手段であって、前記第1の条件は、前記PANコーディネータが前記ポーリングメッセージを受信し、前記ポーリングメッセージに応答して、キューからのコマンドを含む応答メッセージを前記少なくとも1つのデバイスに送信し、かつ前記応答メッセージに応答して送信された返信メッセージを受信した後に、前記記憶するための手段からのコマンドが存在しないことを備え、前記応答メッセージは前記コマンドが前記キューに保留されているかどうかを示し、前記返信メッセージは前記キューからの前記コマンドが実行されたことを示す、手段と
を備えることを特徴とする、ワイヤレス装置。
【請求項19】
パーソナルエリアネットワーク(PAN)のコンピュータに、1つまたは複数のコマンドを記憶させるためのコードと、
前記コンピュータに、1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスPANを形成させるためのコードと、
前記コンピュータに、第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行させるためのコードであって、前記PANコーディネータが前記第2の条件が満たされたことに基づいて前記スリープ状態から前記アクティブ状態へ移行した後に、前記アクティブ状態に構成された前記PANコーディネータが少なくとも1つのデバイスからポーリングメッセージの受信を待機し、前記ポーリングメッセージは、前記少なくとも1つのデバイスのためのコマンドが前記PANコーディネータに保留されているかどうかを決定するために前記PANコーディネータをポーリングするコードと、
前記コンピュータに、第1の条件が満たされた後に、前記アクティブ状態から前記スリープ状態へ移行させるためのコードであって、前記第1の条件は、前記PANコーディネータが前記ポーリングメッセージを受信し、前記ポーリングメッセージに応答して、キューからのコマンドを含む応答メッセージを前記少なくとも1つのデバイスに送信し、かつ前記応答メッセージに応答して送信された返信メッセージを受信した後に、前記キューからのコマンドが存在しないことを備え、前記応答メッセージは前記コマンドが前記キューに保留されているかどうかを示し、前記返信メッセージは前記キューからの前記コマンドが実行されたことを示すコードと
を記録することを特徴とする、コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般にパーソナルエリアネットワーク(PAN)に関し、より詳細には電力を節約するように構成されたZigBeeコーディネータに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルエリアネットワーク(PAN)は、身近にある多数のコンピューティングデバイスの間の通信ネットワークである。典型的なPANでは、コーディネータがネットワークツリーの根(root)を形成する。コーディネータは、1つまたは複数のデバイスに接続する。したがって、コーディネータは1つまたは複数のデバイスと通信することができる。しかしながら、典型的なPANでは、コーディネータはネットワークツリーの根であるので、常にオンのままである。オンのままでいることで、コーディネータは連続的に電力を使用する必要がある。したがって、電力使用を減らすことができるコーディネータが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のシステム、方法およびデバイスはそれぞれ複数の態様を有し、それらのうちの単一のものが単独で、その望ましい属性を担うわけではない。以下で説明する特許請求の範囲によって表す本発明の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に考察する。本考察を考慮した後で、また特に「発明を実施するための形態」と題するセクションを読んだ後で、本発明の特徴が、どのようにして電力を節約するように構成されたコーディネータを含む利点を提供するのかが理解されよう。
【0004】
本開示の一態様は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータである。PANコーディネータは、1つまたは複数のデバイスに向けられた1つまたは複数のメッセージを記憶するように構成されたキューを備える。PANコーディネータは、1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスPANの形成を開始するように構成される。PANコーディネータは第1の条件が満たされた後に、アクティブ状態からスリープ状態へ移行する。PANコーディネータは第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行する。
【0005】
本開示の別の態様は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータによって電力を節約する方法である。本方法は、1つまたは複数のデバイスに向けられた1つまたは複数のメッセージを記憶するステップを備える。本方法は、1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスPANの形成を開始するステップをさらに備える。本方法は、第1の条件が満たされた後に、アクティブ状態からスリープ状態へ移行するステップをさらに備える。本方法は、第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行するステップをさらに備える。
【0006】
本開示のさらに別の態様は、ワイヤレス装置である。ワイヤレス装置は、1つまたは複数のデバイスに向けられた1つまたは複数のメッセージを記憶するための手段を備える。ワイヤレス装置は、1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN)の形成を開始するための手段をさらに備える。ワイヤレス装置は、第1の条件が満たされた後に、アクティブ状態からスリープ状態へ移行するための手段をさらに備える。ワイヤレス装置は、第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行するための手段をさらに備える。
【0007】
本開示のさらなる態様は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、1つまたは複数のデバイスに向けられた1つまたは複数のメッセージを記憶させるためのコードを備える。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、1つまたは複数のデバイスとのワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN)の形成を開始させるためのコードをさらに備える。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、第1の条件が満たされた後に、アクティブ状態からスリープ状態へ移行させるためのコードをさらに備える。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、第2の条件が満たされた後に、スリープ状態からアクティブ状態へ移行させるためのコードをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的なパーソナルエリアネットワークを示す図である。
図2図1に示す例示的なデバイスの機能ブロック図である。
図3図1に示す例示的なコーディネータの機能ブロック図である。
図4図1に示すコーディネータと通信するデバイスの例示的なプロセスのフローチャートである。
図5図1に示すデバイスと通信するコーディネータの例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「例示的な」という言葉は、「例、実例、または例示として機能すること」を意味するために本明細書で使用される。「例示的な」として本明細書で説明されるいかなる実施形態も、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書で説明する技法は、Z-Wave、6LowPAN、Synkro、Wireless HART、MIWi、SP100、ZigBeeネットワーク、ブルートゥースなどの様々なパーソナルエリアネットワークのために使用されてもよい。これらの様々な通信技術は、当技術分野で知られている。明快のために、本方法およびデバイスのいくつかの態様を、ZigBeeネットワークを実装するZigBeeシステムについて説明する。
【0010】
従来から、ZigBeeネットワークは互いに通信する2つ以上のZigBeeデバイスを備える。ZigBeeデバイスの1つのタイプは、コーディネータ(「コーディネータ」)である。コーディネータは、「ネットワークツリー」の「根」を形成することができる。したがって、コーディネータはネットワークを開始し、維持することができる。したがって、コーディネータはネットワークについての情報を記憶することができる。さらに、コーディネータは他のネットワークへのブリッジとしての役割ができる。ZigBeeデバイスの別のタイプは、ZigBeeエンドデバイス(「デバイス」)である。このデバイスは、コーディネータからメッセージまたはコマンドを受信することができる。コーディネータは、1つまたは複数のデバイスとネットワーク(たとえばペア)を形成することができる。
【0011】
本明細書で説明する方法およびデバイスは、電力を節約するように構成されたコーディネータに対応する。このコーディネータは、使用中ではない場合、節電状態(たとえばスリープ状態)に入ることができる。
【0012】
図1は、例示的なパーソナルエリアネットワークを示す図である。PAN100は、カバレージエリア101の中で1つまたは複数のデバイス(たとえばデバイス115、120、125)と通信するように構成されたコーディネータ110を備える。コーディネータ110は、デバイス115、120、125によって実行されるコマンドを記憶するように構成される。たとえば、コーディネータ110のユーザは、コーディネータ110でデバイス115のためのコマンド(たとえばジョブ)を入力することができる。コーディネータ110は、コーディネータ110でキューの中など、メモリの中にコマンドを記憶することができる。さらに、PAN100の中のデバイス115、120、125は、それぞれのデバイス115、120、125のために保留中の任意のコマンドについて、コーディネータをポーリングするように構成される。たとえば、デバイス115は周期的に保留中コマンドについてコーディネータをポーリングすることができる。コマンドが保留中である場合、コーディネータ110はコマンドをデバイス115に通信することができる。デバイス115は次いで、通信されたコマンドを実行することができる。さらに、デバイス115、120、125はコーディネータ110に接続し、通信チャネルを介して通信するように構成されてもよい。図示していないが、PAN100は追加のデバイスをさらに備えてもよい。
【0013】
一実施形態では、デバイス115、120、125がコーディネータ110と通信する前に、デバイス115、120、125とコーディネータ110とは関連または「ペアリング」する。ペアリング(pairing)は、ユーザの制御下を含めて、デバイス115、120、125がコーディネータ110に登録するプロセスである。一旦ペアになると、デバイス115、120、125は典型的には、それらが範囲内にありアクティブである場合にはいつでも、ペアリングプロセスを再実行することなく、コーディネータ110と通信することができる。
【0014】
ペアリングの前に、デバイス115、120、125とコーディネータ110は最初に、たとえば、デバイス115、120、125とコーディネータ110が発見メッセージの交換を通じて互いを発見する発見可能状態(discoverable state)に入ることによって、互いを発見しなければならない。発見すると、デバイス115、120、125およびコーディネータ110は、互いにペアリングすることができる。ペアリングは、少なくとも部分的に、特定のデバイスに対してペアリングを制限するセキュリティ機能である。たとえば、ペアリングは、無許可の、または望ましくないデバイスのペアリングを防ぐために、第1のデバイスおよび/またはコーディネータが第2のデバイスおよび/またはコーディネータにパスワード(しばしばデバイスおよび/またはコーディネータのために工場で固定されている4ケタの数字など)で応答しなければならないパスワード認証方式を含み得るメッセージの交換を含む。ブルートゥースなどのネットワーキングプロトコルでは、発見およびペアリングは個別のプロシージャである。しかしながら、それらは、たいていの場合一緒に実行される。一旦ペアになると、デバイス115、120、125とコーディネータ110は互いに登録され、範囲内にありアクティブである場合、自動的に接続することができる。
【0015】
一実施形態では、関連の後で、デバイス115、120、125はスリープ状態に入ってもよい。スリープ状態では、デバイスは若干の電力を使用し得るが、能動的に情報を送信/受信することはない。デバイス115、120、125はスリープ状態から起動し、アクティブ状態に入ってもよい。デバイス115、120、125は、周期的に(たとえば数秒ごとに)起動するように構成されてもよい。デバイス115、120、125は、メッセージをコーディネータ110に送信するようにさらに構成されてもよい。デバイス115、120、125はコーディネータ110から応答を受信する場合、応答に基づいて応答してもよい。デバイス115、120、125はコーディネータ110から応答を受信しない場合、スリープ状態に戻ってもよい。デバイス115、120、125はスリープ状態に戻る前に、設定した期間(たとえばタイムアウト期間)の間待機してもよい。
【0016】
さらに、一実施形態では、関連の後で、コーディネータ110はスリープ状態に入ってもよい。スリープ状態の一実施形態では、コーディネータ110は電源を省電および/またはオフにしてもよいので、スリープ状態では使う電力はほんの少量からゼロである。別の実施形態では、コーディネータ110は、制限された操作性を維持するためなどに若干の電力を使用し得るが、能動的に情報を送信/受信することはない。コーディネータ110は、第1の条件が満たされる場合、スリープ状態に入ってもよい。一実施形態では、条件は、コーディネータ110が所定の期間(たとえば数秒)の間アイドルであるかどうかである。別の実施形態では、ユーザは、コーディネータ110上のボタンを押すなどして、スリープ状態を開始する。さらに別の実施形態では、コーディネータ110は、コーディネータ110と同じPANの中で、デバイスのためにコーディネータ110で保留中のコマンドが存在しない場合にスリープ状態に入る。コーディネータ110は、第2の条件が満たされる場合、スリープ状態から起動してアクティブ状態に入ってもよい。一実施形態では、ユーザがコーディネータ110上のボタンを押すなどしてアクティブ状態を開始する場合に、第2の条件が満たされる。別の実施形態では、コーディネータ110は、コーディネータ110と同じPANの中の少なくとも1つのデバイスのためにコマンドがコーディネータ110で保留中の場合に起動する。アクティブ状態の一実施形態では、コーディネータ110は、コマンドが保留中の状態で、少なくとも1つのデバイスからメッセージを受信することを待機する。メッセージは、保留中コマンドを確認するためのポーリングメッセージを備えてもよい。応答して、コーディネータ110は、コマンドを少なくとも1つのデバイスに通信することができる。したがって、コーディネータ110は、ただアクティブ状態のままであることとは反対に、スリープ状態に入り、一定の条件の下でだけアクティブ状態に入ることによって、電力を節約することができる。
【0017】
図2は、図1に示す例示的なデバイスの機能ブロック図である。図1に関して上記で考察したように、デバイス115はコーディネータ110と通信することができる。デバイス115は、アンテナ210を介してコーディネータ110からデータ(たとえばメッセージ、コマンド)を送受信することができる。アンテナ210は、さらに、トランシーバ220に結合され得る。トランシーバ220は、アンテナ210から送受信されたデータを変調および復調するように構成され得る。トランシーバ220は、さらに、プロセッサ230に結合され得る。プロセッサ230は、送信または受信されたデータを処理し得る、および/またはデバイス115の他の構成要素を制御し得る。プロセッサ230は、さらに、メモリ240からデータを読み出すため、またはメモリ240にデータを書き込むために、1つまたは複数のバスを介して結合され得る。
【0018】
プロセッサ230は、さらに、ポーリングメッセージ生成器270に結合され得る。ポーリングメッセージ生成器270は、図1に関して考察したように、たとえば、コーディネータ110に送信されるポーリングメッセージを生成するように構成され得る。たとえば、ポーリングメッセージ生成器270は、ポーリングメッセージを生成することができる。ポーリングメッセージは、デバイス115の識別子を示す情報を備えてもよい。ポーリングメッセージは、さらに、保留メッセージを確認するための要求を示す情報を備えてもよい。ポーリングメッセージ生成器270は、ポーリングメッセージを処理のためにプロセッサ230に送信することができる。プロセッサ230は、ポーリングメッセージをトランシーバ220に送信することができる。トランシーバ220はポーリングメッセージを変調し、変調されたポーリングメッセージを、アンテナ210を介してコーディネータ110に送信することができる。
【0019】
さらに、デバイス115は、デバイス115にコマンドを実行するように要求するコーディネータ110からメッセージを受信するように構成され得る。デバイス115は次いで、コマンドを実行することができる。たとえば、コーディネータ110は、デバイス115からポーリングメッセージを受信し、デバイス115のための保留中コマンドが存在すると判定した後で、コーディネータ110は、コマンドを示すメッセージをデバイス115に送信することができる。デバイス115は、トランシーバ220でメッセージを受信する。トランシーバ220は、メッセージを復調することができる。次いで、プロセッサ230はさらに、メッセージを処理する、および/またはメッセージの中で受信した情報をメモリ240に記憶することができる。プロセッサ230はコマンドを実行するか、またはイベントハンドラ280などのデバイス115の適切な構成要素にコマンドを転送することができる。プロセッサはさらに、イベントハンドラ280に結合され得る。イベントハンドラ280は、受信したコマンドを実行するように構成され得る。たとえば、イベントハンドラ280は、光源のオン/オフを切り替えるスイッチであり得る。
【0020】
一実施形態では、コマンドが実行された後、プロセッサ230はさらに、コマンドが実行されたことを示す返信メッセージを生成してもよい。プロセッサ230は、メッセージを変調するトランシーバ220にメッセージを送信することができる。次いで、トランシーバはアンテナ210を介して、メッセージをコーディネータ110に送信する。
【0021】
プロセッサ230は、図1に関して上記で考察したように、アクティブ状態とスリープ状態との間でデバイス115を移行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ230は、電力レベルを調整するように、および/またはデバイス115の様々な構成要素をオフ/オンにするように構成され得る。
【0022】
トランシーバ220は、デバイス115がスリープ状態にある場合に、電力をオフにするか、または減らすように構成され得る。さらに、トランシーバ220は、デバイス115がアクティブ状態にある場合に、オンになるように、および/または情報を送信/受信するように構成され得る。
【0023】
デバイス115に関して説明する機能ブロックは、個別に説明しているが、個別の構造要素でなくてもよいということを了解されたい。たとえば、プロセッサ230とメモリ240は単一のチップの中で具体化され得る。プロセッサ230は追加または代替として、プロセッサレジスタなどのメモリを含み得る。同様に、プロセッサ230、トランシーバ220、ポーリングメッセージ生成器270およびイベントハンドラ280のうちの2つ以上は、単一のチップの中で具体化され得る。さらに、トランシーバ220はトランスミッタ、レシーバ、または両方を備え得る。他の実施形態では、トランスミッタとレシーバは2つの個別の構成要素である。
【0024】
メモリ240は、異なるレベルが異なる能力およびアクセス速度を有する多重レベル階層型キャッシュを含むプロセッサキャッシュを備え得る。メモリ240はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性記憶デバイス、または不揮発性記憶デバイスを備え得る。記憶装置は、ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD)などの光ディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープおよびZipドライブを含み得る。
【0025】
デバイス115に関して説明する機能ブロックのうちの1つまたは複数および/または機能ブロックのうちの1つまたは複数の組合せは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せとして具体化され得る。デバイス115に関して説明する機能ブロックのうちの1つまたは複数および/または機能ブロックのうちの1つまたは複数の組合せはまた、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSP通信と関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成などのコンピューティングデバイスの組合せとして実装され得る。
【0026】
図3は、図1に示す例示的なコーディネータの機能ブロック図である。図1に関して上記で考察したように、コーディネータ110は1つまたは複数のデバイスと通信することができる。コーディネータ110は、アンテナ310を介してデバイス115、120、125からデータ(たとえばポーリングメッセージ、コマンド)を送受信することができる。アンテナ310は、さらに、トランシーバ320に結合され得る。トランシーバ320は、アンテナ310から送受信されたデータを変調および復調するように構成され得る。トランシーバ320は、さらに、プロセッサ330に結合され得る。プロセッサ330は、送信または受信されたデータを処理し得る、および/またはコーディネータ110の他の構成要素を制御し得る。プロセッサ330は、さらに、メモリ340からデータを読み出すため、またはメモリ340にデータを書き込むために、1つまたは複数のバスを介して結合され得る。
【0027】
プロセッサ330は、さらに、入力デバイス370に結合され得る。入力デバイス370は、入力(たとえばユーザ入力)を受信するように構成され得る。たとえば、入力デバイス370は、コーディネータ110のユーザが押すことができる1つまたは複数の物理的ボタンを備え得る。入力デバイス370は、さらなる処理および/またはメモリ340への記憶のために、入力を示す情報をプロセッサ330に送信することができる。入力は、1つまたは複数のデバイス(たとえばデバイス115、120、125)に送信されるコマンドを備え得る。代替として、またはさらに、入力は、スリープ状態またはアクティブ状態に入るようにコーディネータ110のために指示することができる。プロセッサ330は、図1に関して上記で考察したように、アクティブ状態とスリープ状態との間でコーディネータ110を移行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ330は、電力レベルを調整するように、および/またはコーディネータ110の様々な構成要素をオフ/オンにするように構成され得る。
【0028】
プロセッサ330は、さらに、イベントハンドラ380に結合され得る。イベントハンドラ380は、1つまたは複数のデバイス(たとえばデバイス115、120、125)から受信したポーリングメッセージに応答するように構成され得る。たとえば、コーディネータ110は、アンテナ310を介して、トランシーバ320でデバイス115からポーリングメッセージを受信することができる。トランシーバ320は、ポーリングメッセージを復調することができる。次いで、プロセッサ330はさらに、メッセージを処理する、および/またはメッセージの中で受信した情報をメモリ340に記憶することができる。プロセッサ330は、ポーリングメッセージをイベントハンドラ380に転送することができる。イベントハンドラ380は、ポーリングメッセージを送信したデバイスを判定するように構成され得る。たとえば、ポーリングメッセージはデバイス115の識別子を備え得る。さらに、イベントハンドラ380は、デバイス115のために保留中のメッセージが存在するかどうかを判定するように構成され得る。たとえば、メモリ340は、保留中コマンドが記憶されるキューを備え得る。イベントハンドラ380は、デバイス115のために任意の保留中コマンドがキューにあるかどうかを判定するためにメモリ340にアクセスすることができる。イベントハンドラ380は、さらに、1つまたは複数の保留中コマンドを示す、または保留中のコマンドがないことを示す応答メッセージを生成するように構成され得る。イベントハンドラ380は、応答メッセージを処理のためにプロセッサ330に転送することができる。プロセッサ330は、処理された応答メッセージをトランシーバ320に送信することができる。トランシーバ320は応答メッセージを変調し、その応答メッセージを、アンテナ310を介してデバイス115に送信することができる。
【0029】
トランシーバ320は、コーディネータ110がスリープ状態にある場合に、電力をオフにするか、または減らすように構成され得る。さらに、トランシーバ320は、コーディネータ110がアクティブ状態にある場合に、オンになるように、および/または情報を送信/受信するように構成され得る。
【0030】
コーディネータ110に関して説明する機能ブロックは、個別に説明しているが、個別の構造要素でなくてもよいということを了解されたい。たとえば、プロセッサ330とメモリ340は単一のチップの中で具体化され得る。プロセッサ330は追加または代替として、プロセッサレジスタなどのメモリを含み得る。同様に、プロセッサ330、トランシーバ320およびイベントハンドラ380のうちの2つ以上は、単一のチップの中で具体化され得る。さらに、トランシーバ320はトランスミッタ、レシーバ、または両方を備え得る。他の実施形態では、トランスミッタとレシーバは2つの個別の構成要素である。
【0031】
メモリ340は、異なるレベルが異なる能力およびアクセス速度を有する多重レベル階層型キャッシュを含むプロセッサキャッシュを備え得る。メモリ340はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性記憶デバイス、または不揮発性記憶デバイスを備え得る。記憶装置は、ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD)などの光ディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープおよびZipドライブを含み得る。
【0032】
入力デバイス370は、限定されないが、キーボード、ボタン、キー、スイッチ、ポインティングデバイス、マウス、ジョイスティック、遠隔制御装置、赤外線検出器、(おそらくは、たとえば手のジェスチャーまたは顔のジェスチャーを検出するためにビデオ処理ソフトウェアに結合された)ビデオカメラ、動作検出器、および/または(おそらくは、たとえばボイスコマンドを検出するためにオーディオ処理ソフトウェアに結合された)マイクロフォンを備え得る。
【0033】
コーディネータ110に関して説明する機能ブロックのうちの1つまたは複数および/または機能ブロックのうちの1つまたは複数の組合せは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せとして具体化され得る。コーディネータ110に関して説明する機能ブロックのうちの1つまたは複数および/または機能ブロックのうちの1つまたは複数の組合せはまた、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSP通信と関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成などのコンピューティングデバイスの組合せとして実装され得る。
【0034】
図4は、図1に示すコーディネータと通信するデバイスの例示的なプロセスのフローチャートである。ステップ405で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つはコーディネータ110とペアリングする(たとえばネットワークを形成する)。ステップ410に進むと、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つはスリープ状態に入る。さらに、ステップ415で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは起動する。たとえば、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、所定の期間(たとえば数秒)の後で起動してもよい。ステップ417に進むと、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、コーディネータ110とともに形成されたネットワークがアクティブである(たとえばコーディネータ110がアクティブ状態である)かどうかを判定する。ステップ417で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つが、ネットワークがアクティブではないと判定する場合、プロセス400はステップ410に戻る。ステップ417で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つが、ネットワークがアクティブであると判定する場合、プロセス400はステップ420へ進む。ステップ420で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、ポーリングメッセージをコーディネータ110へ送信する。ステップ425で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、応答メッセージが所定のタイムアウト期間(たとえば数秒)内にコーディネータ110から受信されたかどうかを判定する。応答メッセージは、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つによって実行されるコマンドを備え得る。デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つが、応答メッセージが受信されないと判定する場合、プロセス400はステップ410に戻る。デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つが、応答メッセージが受信されたと判定する場合、プロセス400はステップ430に進む。ステップ430で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、応答メッセージに応答する。たとえば、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、応答メッセージの中に含まれたコマンドを実行することができる。任意選択のステップ435で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つは、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つがメッセージに応答したことを示すコーディネータ110への返信メッセージを送信する。さらに、プロセス400はステップ410に戻る。
【0035】
図5は、図1に示すデバイスと通信するコーディネータの例示的なプロセスのフローチャートである。ステップ505で、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つはコーディネータ110とペアリングする。ステップ510に進むと、コーディネータ110はスリープ状態に入る。さらに、ステップ515で、コーディネータ110は、図1に関して考察したように、コーディネータ110を起動するためにコーディネータ110でイベントが生じたかどうかを判定する。たとえば、コーディネータ110は、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つのためにコマンドが保留中であるかどうかを判定する。コーディネータ110がイベントが生じていないと判定する場合、プロセス500はステップ515に戻る。コーディネータ110がイベントが生じていると判定する場合、プロセス500はステップ520に進む。ステップ520で、コーディネータ110は起動し、アクティブ状態に入る。次にステップ525で、コーディネータ110は、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つからポーリングメッセージが受信されるかどうかを判定する。ポーリングメッセージは、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つの識別子および/または保留中コマンドを確認するための要求を備え得る。コーディネータ110がポーリングメッセージが受信されていないと判定する場合、プロセス500はステップ525に戻る。コーディネータ110が、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つからポーリングメッセージが受信されていると判定する場合、プロセスはステップ530に進む。ステップ530で、コーディネータ110は、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つのために保留中のコマンドを示す応答メッセージを、デバイス115、120、125のうちの少なくとも1つに送信する。任意選択のステップ535で、コーディネータ110は、コマンドが実行されたことを示す返信メッセージがデバイス115、120、125のうちの少なくとも1つから受信されているかどうかを判定する。コーディネータ110が返信メッセージが受信されていないと判定する場合、プロセスはステップ535に戻る。コーディネータ110が返信メッセージが受信されていると判定する場合、プロセスはステップ510に戻る。
【0036】
実施形態に応じて、本明細書で説明する任意の方法のうちのいくつかの行為またはイベントは異なる順序で実行されてもよく、すべて追加、併合または省略されてもよい(たとえば、説明する行為またはイベントのすべてが方法の実施のために必要なわけではない)ということを認識されたい。さらに、いくつかの実施形態では、行為またはイベントは、連続的にではなく、たとえばマルチスレッド処理、割り込み処理またはマルチプロセッサを通して同時に実行され得る。
【0037】
本明細書で開示した実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は了解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して上記で全体的に説明されている。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションおよび全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明する機能を各特定の適用ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0038】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0039】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで具体化されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具体化されるか、またはその2つの組合せで具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に存在し得る。ASICはユーザ端末中に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として存在し得る。
【0040】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用した本発明の新規の特徴を示し、説明し、指摘しているが、本発明の範囲から逸脱することなく、示したデバイスまたはプロセスの形式および詳細における様々な省略、置換および変更が当業者によってなされ得ることが理解されよう。認識されるように、本発明は、いくつかの特徴が他のものと別々に使用または実施されてもよいように、本明細書に記載する特徴および利点のすべてを提供するわけではない形式内で具体化され得る。本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味および範囲内に入るすべての変更は、それらの範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0041】
100 PAN
101 カバレージエリア
110 コーディネータ
115、120、125 デバイス
210 アンテナ
220 トランシーバ
230 プロセッサ
240 メモリ
270 ポーリングメッセージ生成器
280 イベントハンドラ
310 アンテナ
320 トランシーバ
330 プロセッサ
340 メモリ
370 入力デバイス
380 イベントハンドラ
図1
図2
図3
図4
図5