(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作動要素は、基端及び該基端よりも狭い末端を持つ、実質的に三角形の楔であり、及び、前記リング要素は、基端及び該基端よりも広い末端を持つ、相補的な三角形の楔である、請求項1に記載のアセンブリ。
前記ばね要素及び前記外側シールド内で前記細長いハブの前記基端から延在するニードルをさらに含み、その結果、前記ハブの前記外側シールドに対する基端移動によって前記ばね要素を圧縮して、前記ニードルに前記アパーチャを突き抜けさせる、請求項14に記載のアセンブリ。
前記ハブ内に配置されたニードルをさらに備え、そのために、前記外側シールドの前記ハブに対する末端移動によって前記ばね要素を圧縮し、及び、前記ハブの前記末端から前記ニードルを延在させる、請求項13に記載のアセンブリ。
前記基端方向に向けられた力の後続する解放により、前記少なくとも1つのフィンガーが前記少なくとも1つの傾斜面の上をスライドし、そして、前記少なくとも1つのフィンガーの前記基端係止面との相互作用によって前記ハブの追加の基端方向の移動を妨げるように、前記外側シールドに対する前記ハブの末端移動を引き起こす拡張を前記ばね要素により可能にする、請求項19に記載のアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの分解図である。
【
図2】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による透明な外側シールドを持つ安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図3】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による不透明な外側シールドを持つ安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図4】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスのハブ部の側面図である。
【
図5】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスのハブ部の端面図である。
【
図6】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスのハブ部の側面図である。
【
図7】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による係止リングの等角図である。
【
図8】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの係止リングの平面図である。
【
図9】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの係止リングの側面図である。
【
図10】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの係止リングの側面図である。
【
図11】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの係止リングの側面図である。
【
図12】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの不透明な外側シールド部の等角図である。
【
図13】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの外側シールド部の側部断面図である。
【
図14】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による安全なニードルデバイスの外側シールドの側部断面図である。
【
図15】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による非係止状態の安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図16】本発明の1つまたはそれより多くの実施形態に従って係止プロセスにある、
図15の安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図17】本発明の1つまたはそれより多くの実施形態に従って係止プロセスにある、
図16の安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図18】本発明の1つまたはそれより多くの実施形態に従って係止プロセスにある、
図17の安全なニードルデバイスの斜視図である。
【
図19】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リングとハブの調整を示す図である。
【
図20】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【
図21】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【
図22】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【
図23】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【
図24】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【
図25】本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態に従った係止リング及びハブの調整を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の幾つかの例示的な形態を説明する前に、本発明は以下の説明に記載した構成または処理ステップの詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態を、及び、様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0020】
本発明の実施形態は、皮下注射の投与時に医療従事者が安全機構を受動的に作動させることを可能にする、安全な皮下注射針の設計を備える。記述のニードルを用いて医療従事者が注射を投与するときに、ニードルを囲むシールドは、注射部位に対し自由に移動することができる。ニードルが患者から抜き取られると、(同等の材料特性のばねを含む材料でサポートされている)ニードルを覆ってシールドが後退し、所定の位置に係止し、ニードル刺し傷に対する保護を提供する。この係止機能はまた、製品の再利用を患者の安全のために禁止している。
【0021】
デバイスの実施形態は、ニードルハブに沿って追跡してデバイスの二重の状態(すなわち、係止と非係止)を提供する、リングベースのコンポーネントを実装する。
【0022】
説明される発明の実施形態は、完全に受動的で、ニードルベースの安全なデバイスである。つまり、安全機構を作動させるために医療従事者による余分な動作を必要としない。ニードルベースの安全なデバイスは、安全機構を作動させるために特殊なシリンジを必要とせず、どんな標準の
ルアーシリンジでもデバイスを使用可能とする。この利点により、より高い採用率(より多くの状況に適用できるように)、低コスト(特殊でないシリンジ)、及び、より手頃な価格を可能にする。受動的な安全は、ニードル刺し傷の予防に関する利点として考えることができる。回転リング設計のさらなる利点として、本発明の実施形態は、安全機構を作動させるための回転する保護シールド(これは常に可能なわけではない可能性があるので、従って、安全機構の作動を妨げる)を必要としない。
【0023】
さらに後述するように、「非作動」状態における本発明の幾つかの実施形態は、標準の
ルアー接続ハブとニードルアセンブリ、透明な外側シールド、スナップオンリング、及び、ばね要素を含む。本発明の代替実施形態はこれらの成分の反転を含み、結果として、内側シールドが注射部位として働くことができる一方で、外側シールドが
ルアー接続を含むことができる。「非作動」または「係止」状態にあるデバイスは、回転リングの位置のそばで観察することができる。幾つかの実施形態における回転リングは、一端に開口を有するスナップオン機構である。このリングは、移動を防止する摩擦嵌合がされるか、または、作動前のリングの早すぎる移動を防止するために1つまたはより多くの係止機構を含むかのいずれかであってよい。加えて、4チャンネル回転リングの設計が図面の多くに示されてはいるが、複数のリング(すなわち別のリング)を実装して同様の結果を達成することもできる。
【0024】
安全機構の機能について、図を参照しながら以下で説明する。簡単に説明すると、薬の投与中に、外側シールド上の作動要素は、回転リング上の相補的な要素の動きを機械的に強制する。作動前に、係止フィンガーは軸方向に衰えることなく進行することができる。注入が完了した後、ばね要素は、外側シールドの元の位置への軸方向移動を強制する。ばね要素はまた、係止リング上のユニークな形状の機構上の係止フィンガーを推進するのに十分なエネルギであって、係止フィンガーがそれらの上を通過してもそれらが戻るのを防ぐことができるように働くエネルギを有する。この時点で、注射が与えられ、デバイスは「係止」状態にあるとみなせる。
【0025】
本発明の幾つかの態様に従って、
図1〜
図3は受動的に作動される安全なニードルアセンブリ100の実施形態を示す。アセンブリ100は、ハブ200、係止リング300、及び、外側シールド400を含む。ばね要素
500及びニードル要素
600をさらに含むことができる。
図1は、本発明の1つまたはそれより多くの実施形態のうちから、或る実施形態の分解図を示す。
図2は、透明な外側シールド400を用いて組み立てた状態での、
図1のニードルアセンブリの図を示している。
図3は、不透明な外側シールド400を用いて組み立てた状態での、
図1のニードルアセンブリの別の図を、
図2とは逆の角度から示している。特徴、態様及び実施形態の様々な説明の容易さのため、図面間で同様の機構が同じ番号を持つように、全体を通して共通の番号付けを用いた。
【0026】
図4及び
図5を参照すると、1つまたはそれより多い実施形態のハブ200は、基端204を持つ細長い本体202、及び、全長を規定する末端206を有する。
図4はハブ200の側面図を示し、
図5は、ハブ200を末端20
6から見た端面図を示す。さらに後述するように、ハブ200はスライド可能に外側シールド400と係合し、及び、ハブ200は、外側シールド400に対して基端方向に移動するように付勢されている。
【0027】
幾つかの実施形態のハブ200は少なくとも1つの縦溝208を含んでおり、これは、さらに説明するように、ハブと外側シールドの間の相対的なスライド移動の間に使用して、外側シールド400上の1つまたはそれよりも多くの要素と係合し及び案内することができる。
図4には、外側シールドからの1つの要素に係合し及び案内することができる1つの縦溝が示されている。
図5は、そこで4つの縦溝208が見られる端面図を示す。これら縦溝208のいずれかまたは全てを使用して、外側シールド400からの要素を案内することができる。1つの縦溝または4つの縦溝を持ったハブを図示したが、当業者には、外側シールドからの要素の数に応じた適切な数の溝が有ってよいことを理解できよう。当業者によって理解されるように、要素を案内することで、結果として、要素が縦溝内で移動すること、及び、要素がハブ200の周りで円周方向にねじれることを実質的に防止することになる。
【0028】
ハブ200の形状は、所望の形状に応じて、例えば外側シールド400の形状に応じて変形することができる。ここで、略円筒形状を有するようにハブ200が示されており、略円筒形状の外側シールドに係合するために有用である。幾つかの実施形態において、ハブは、細長い三角形(例えば、三角柱)、細長い十面体、細長い九面体、細長い八面体、細長い七面体、細長い六面体、細長い五面体、細長い四面体などである。幾つかの実施形態において外側シールド400の形状は、ハブ200の形状に実質的に適合する。例えば、ハブ200が概ね細長い八面体の場合、そのとき、外側シールド400は、ハブ200とほぼ同心の細長い八面体である。本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、「略円筒形(roughly cylindrical)」という用語は、その形状が
図5に示したような溝またはチャネルを持った円筒であることを意味する。
【0029】
幾つかの実施形態のハブ200は、細長い本体202の周囲に延在する環状チャネル212を有する。チャネル212は、細長い本体202の長さの間で任意の箇所に配置することができる。図示のように、チャネル212は、末端206よりも基端204寄りに位置している。これは単に可能な構成の1つにすぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。幾つかの実施形態において、環状チャネル212は、基端204よりも末端206寄りにある。幾つかの実施形態において、チャネル212は、基端204及び末端206の一方の直近にある。
図4に示したような実施形態において、環状チャネル212は、基端214及び末端216を有している。基端214と末端216の間の距離は、環状チャネル212の長さと称することもできるが、必要とされるどんなサイズであってもよい。幾つかの実施形態において、係止リングがさらに以下に説明するようにチャネル212内で摩擦嵌合されるように、環状チャネル212は係止リング300とほぼ同じ長さである。
【0030】
図4に示すハブ200は、単一の環状チャネル212を有する。これは単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。幾つかの実施形態において、
図6に示すように、ハブ200は、2つまたはそれより多くの環状チャネル212、212bを有する。チャネルのいずれかまたは全部を、1つまたはそれより多くの係止リングと組み合わせて使用することができ、チャネルのそれぞれは、同じ長さまたは異なる長さであってよい。第1のチャネル212は、細長い本体202の基端204により近く、及び、基端214及び末端216を有しており、その間の相違が第1のチャネル長さを画定する。第2のチャネル212bは、細長い本体202の末端206により近く、及び、基端214b及び末端216を有しており、その間の相違が第2のチャネル長を画定する。図示の実施形態において、第1のチャネル長さ及び第2チャンネル長さが異なる。
【0031】
ハブ200はまた、細長い本体202の長さを通って延在するアパーチャ210を有する。流体、ニードル、又は他の構成要素が細長い本体202を通過できるように、アパーチャ210が、細長い本体の長さに沿って末端から基端へ延在している。
【0032】
図7〜
図8は、本発明の1つまたはそれよりも多くの実施形態による係止リング300を示している。係止リング300は、基端面304を持つ基端303及び末端面306を持つ末端305を有し、及び、軸に沿って延在する係止リングの長さを画定する中空円筒本体302を備えている。円筒本体302は、内側面307及び外側面308を有する。
【0033】
係止リング300は、ハブ200内で基端面304がチャネル212の基端214に隣接し且つ末端面がチャネル212の末端216に隣接するように、概して、ハブ200内の少なくとも1つの環状チャネル212内に収まる大きさとされる。係止リング300を、ハブの環状チャネル212内で回転可能に着座する大きさにすることができる。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「回転可能に着座(rotatably seated)」という用語は、係止リング及びハブが実質的に同心を維持するようにチャネル内で係止リングが回転できることを意味する。
【0034】
係止リング300は、中空円筒本体302の外側面308から外向きに延びた少なくとも1つのリング要素310を含む。少なくとも1つのリング要素310を外側シールド上の作動要素と組み合わせて使用して、係止リング300をハブの環状チャネル212内で回転させる。リング要素310の形状が作動要素の形状と協調して機能する。当業者は、リング要素及び作動要素について示した形状は単なる例示であり、他の形状を採用することも可能であることを理解できよう。適切な形状は、末端方向の力が係止リングに回転力を働かせるものを含む。
【0035】
図7〜
図8に示す実施形態において、少なくとも1つのリング要素310は、基端312及び末端314を有している。傾斜面316は、リング要素310の基端312から末端314へ延在している。幾つかの実施形態の傾斜面316は、中空円筒本体302の軸からオフセットした軸を有する。1つまたはそれより多くの実施形態において、傾斜面316上での末端方向の力が軸方向の力を提供して、係止リングを環状チャネル212内で回転させる。
【0036】
図7〜
図8に示すリング要素310は楔形である。別の言い方をすれば、図示のリング要素310は、末端314よりも狭い基端312を持った実質的な三角形である。リング要素310の基端312は中空円筒本体302の基端面304とほぼ平坦であり、リング要素310の末端314は中空円筒本体302の末端面306とほぼ平坦である。リング要素310の基端部312が基端面314に対し平坦である必要がないこと、及び、リング要素310の末端部314がリング要素310の末端面316に対し平坦である必要がないことを、当業者は理解できよう。
【0037】
図9〜
図11は、異なる形状のリング要素310を持つ係止リング300の追加の実施形態を示す。
図9は、係止リング300の円筒本体302の軸からオフセットした軸を有するビーム状に形成されたリング要素310を示す。本実施形態のリング要素310は、中空円筒本体302の基端面304に対して平坦でない基端312、及び、中空円筒本体302の末端面306に対して平坦でない末端314を有する。図の左側に向かって係止リング300を回転させる回転力を末端方向の力により働かせることが、リング要素310の形状から分かる。
【0038】
図10は、リング要素310がフットボールの形状である係止リング300の別の実施形態を示している。ここで、リング要素310は基端面304に対して平坦な基端312、及び、中空円筒本体302の末端面306に対して平坦な末端314を有している。図の右側に向かって係止リング300を回転させる回転力を末端方向の力により働かせることが、このリング要素10の形状から分かる。また、末端方向の力から伝達された回転力の大きさは傾斜面316に沿って力が加えられる箇所に依存して変化することを当業者は理解できよう。傾斜面316のより急峻に傾斜した領域における末端方向の力は、より緩く傾斜した領域に向けられる力よりも多くの回転力を働かせる。
【0039】
図11は、リング要素310がペグ形状である係止リング300の別の実施形態を示している。ここで、リング要素310は、ペグの最近位点である基端312、及び、ペグの最遠位点である末端314を有している。ペグ形状のリング要素310は、末端方向の力を回転力に伝達するために使用することができる、1つよりも多い傾斜面316を有している。この種の実施形態においては、外側シールド上の協働する作動要素の形状が、係止リング300の回転方向に影響する。
【0040】
リング要素310の数は、例えば、ハブ200及び外側シールド400の形状に応じて変えることができる。少なくとも1つのリング要素310が、係止リング300上に含まれる。
図7及び
図8に示した実施形態では2つのリング要素310を有するが、当業者は、係止リングに任意の数のリング要素を組み込めることを理解できよう。例えば、ハブ200が10個の縦方向チャネル208を持つ細長い十面体であれば、そのときは、係止リング300は、それぞれがハブ200上の縦溝208と位置合わせされたリング要素310を10個まで有していてもよい。リング要素310の縦溝208に対する位置合わせについては、以下でさらに詳細に説明する。幾つかの実施形態において、係止リング300は、中空円筒本体302の両側に位置する2つのリング要素310を含む。リング要素310の中空円筒302についての間隔は、任意の適切な方法で、及び、係止リング300の周りに任意の適切な角度で、分散させることができる。例えば、2つのリング要素310が180°の間隔で離れていてよいし、約10°乃至約170°の範囲の間隔で離れていてもよい。別の例では、2つのリング要素の範囲内に、約5°乃至約175°の範囲の間隔で離れた10個のリング要素が存在する。
【0041】
図7及び
図8に戻ると、係止リング300はまた、中空円筒本体302の外側面308から外向きに延びた少なくとも1つの係止タブ320を含む。係止タブ320は、中空円筒本体302の外側面308よりも第1の距離だけ延びた基端係止面322を含む。係止タブ320はまた、中空円筒本体302の外側面308よりも第2の距離だけ延びた末端エッジ324を含む。傾斜面326が円筒本体302の長さに沿って基端係止面から末端エッジへ延在するように、第2の距離は第1の距離よりも短い。
【0042】
基端係止面322が中空円筒本体302の外側面308よりも延びる第1の距離は、どのような適切な距離であってもよい。幾つかの実施形態において、基端係止面322は、約0.1mm〜約10mmの範囲で外側面308よりも延びている。基端係止面322が基端面304に対し平坦でないように、基端係止面322は、係止リング300の基端面304に対し平坦、または基端面304から外側面308へ降りる距離であってよい。
【0043】
係止タブ320の末端エッジ324が中空円筒本体302の外側面308よりも延びる第2の距離は、係止タブ320の所望の形状に応じて変えることができる。第2の距離は約0ミリメートル〜約9.9ミリメートルの範囲であり、第1の距離よりも短い。幾つかの実施形態において、第2の距離はほぼゼロである。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、用語「ほぼゼロ(substantially zero)」は、末端エッジ324が係止リング300の外側面308に対してほぼ平坦であって、例えば、係止リング300の外側面308の約0.1mm下と外側面308の約0.1mm上の範囲内にあってよいことを意味する。係止タブ320の末端エッジ324は、係止リング300の末端面306に対し平坦、または係止リング300の末端面306から基端方向への距離であってよい。
【0044】
少なくとも1つの係止タブ320の傾斜面326の外側の湾曲は変えてもよい。傾斜面326は、平面、曲面または他の任意形状の面であってよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの係止タブ320の傾斜面326は、係止リング300の円筒本体302に対し同心となるように湾曲している。
【0045】
係止タブ320の数は、例えば、ハブ200及び外側シールド400の形状に応じて変えることができる。少なくとも1つの係止タブ320が、係止リング300上に含まれる。
図7及び
図8に示す実施形態では2つの係止タブ320を有するが、当業者は、任意の数の係止タブ320を係止リング300に組み込むことができることを理解できよう。例えば、ハブ200が10個の縦方向チャネル208を持つ細長い十面体であれば、そのときは、係止リング300は、それぞれがハブ200上の縦溝208と位置合わせされた係止タブ320を10個まで有していてもよい。幾つかの実施形態において、係止リング300は、中空円筒本体302の両側に位置する2つの係止タブ320を有する。係止タブ320の中空円筒302についての間隔は、任意の適切な方法で、及び、係止リング300の周りに任意の適切な角度で、分散させることができる。例えば、2つの係止タブ320が180°の間隔で離れていてよいし、約10°乃至約170°の範囲の間隔で離れていてもよい。別の例では、2つの係止タブ320の範囲内に、約5°乃至約175°の範囲の間隔で離れた10個の係止タブ320が存在する。
【0046】
幾つかの実施形態において、係止リング300は、中空円筒本体300の両側に2つのリング要素310を有し、及び、中空円筒本体300の両側にリング要素310と交互に2つの係止タブ320を有する。
【0047】
図12〜
図14を参照すると、アセンブリは外側シールド400を備え、外側シールド400は、閉じた基端404と開放末端406と外面402と内面403とを有する細長い中空本体401を有する。
図12は、不透明な外側シールド400の等角図を示している。
図13〜
図14は、
図12に示した外側シールド400の断面図を、内側の機構が見えるように示す。
【0048】
外側シールド400は、内面403から内側に突出した少なくとも1つの作動要素410を含む。少なくとも1つの作動要素410は、係止リング300上の少なくとも1つのリング要素310と協調して作動する。作動要素410とリング要素310の間の協動相互作用によって、ハブの環状チャネル212内での係止リング300の回転を生じさせる。
【0049】
少なくとも1つの作動要素410は、リング要素310と相互に作用するどのような適切な形状であってもよい。幾つかの実施形態において、作動要素410は、基端414及び末端416を持つ、実質的に三角形の楔である。基端414は末端416よりも広い。傾斜面418は、末端416の基端414から延在している。
【0050】
作動要素410の数は、例えば、外側シールド400及びハブ200の形状に応じて変えることができる。少なくとも1つの作動要素410が、外側シールド400に含まれる。
図13及び14に示す実施形態では2つの作動要素410を有するが、当業者は、任意の数の作動要素410を外側シールド400に組み込むことができることを理解できよう。例えば、外側シールド400及びハブ200が10個の縦方向チャネル208を持つ細長い十面体であれば、そのときは、外側シールド400は、それぞれがハブ200上の縦溝208と位置合わせされた作動要素410を10個まで有していてもよい。幾つかの実施形態において、外側シールド400は、外側シールド400の両側に位置する2つの作動要素410を有する。作動要素410の間隔は、任意の適切な方法で、及び、外側シールド400の周りに任意の適切な角度で、分散させることができる。例えば、2つの作動要素410が180°の間隔で離れていてよいし、約10°乃至約170°の範囲の間隔で離れていてもよい。別の例では、2つの作動要素410の範囲内に、約5°乃至約175°の範囲の間隔で離れた10個の作動要素410が存在する。
【0051】
外側シールドはまた、本体401から半径方向内向きに偏った少なくとも1つのフィンガー420を有する。
図12〜
図14に示した実施形態において、開口422内に配置された2つのフィンガー420が存在する。開口422はオプションとしての構成要素であり、以下でさらに説明するように、フィンガー420の増大した屈曲のために、アセンブリを使用不能にする末端への移動を提供することができる。フィンガー420はどのような適切な形状であってもよく、図示されたものに限定されない。
【0052】
フィンガー420の数は、例えば、外側シールド400及びハブ200の形状に応じて変えることができる。少なくとも1つのフィンガー420が外側シールド400上に含まれる。
図13及び
図14に示す実施形態では2つのフィンガー420を有しているが、当業者は、任意の数のフィンガー420を外側シールド400に組み込むことができることを理解できよう。例えば、外側シールド400及びハブ200が10個の縦方向チャネル208を持つ細長い十面体であれば、そのときは、外側シールド400は、それぞれがハブ200上の縦溝208と位置合わせされたフィンガー420を10個まで有していてもよい。幾つかの実施形態において、外側シールド400は、外側シールド400の両側に位置する2つのフィンガー420を有する。フィンガー420の間隔は、任意の適切な方法で、及び、外側シールド400の周りに任意の適切な角度で、分散させることができる。例えば、2つのフィンガー420が180°の間隔で離れていてよいし、約10°乃至約170°の範囲の間隔で離れていてもよい。別の例では、2つのフィンガー420の範囲内に、約5°乃至約175°の範囲の間隔で離れた10個のフィンガー420が存在する。
【0053】
外側シールドの一部の実施形態はさらに、閉じた基端404上にアパーチャ430を備える。アパーチャ430は、そこをニードルまたは他のデバイスが通って延在することを可能にすることができる。
【0054】
図1及び
図2に戻ると、アセンブリの幾つかの実施形態は、ハブ200に対して外側シールド400を基端側にスライドさせるばね要素500を含む。ばね要素500はばねに限定されることなく、所望の相対移動を引き起こすことが可能なばね定数を有するどのような構成要素でもよい。幾つかの実施形態において、ばね要素500は、ハブ200の基端204及び外側シールド400の閉じた基端404の内側に接触するばねである。ばね要素500は手動の力で圧縮して、ハブ200の基端204が外側シールド400内を該外側シールドの閉じた基端404に向かってスライド可能に移動することを可能にする。適切なばね要素は、限定はされないが、適切なばね定数を持ったばね、発泡体、プラスチック、及び、ゴム成分を含む。ばね要素500は、限定はされないが、らせん状またはリーフ形状の要素を含む、どのような適切な形状も含むことができる。圧縮性ソリッドボディ(すなわち、発泡体)に加えて任意の形態または材料のばねを使用して、ハブに対して基端軸方向の外側シールドの移動を達成することもできる。
【0055】
アセンブリはさらに、ニードル600を備える。ばね要素500の圧縮の際に外側シールド400の基端404からまたはハブ200の末端206から延在するように、ニードルを配置することができる。幾つかの実施形態において、ニードル600は、ばね要素500及び外側シールド400内でハブ200の基端204から延在して、その結果、外側シールド400に対するハブ200の基端方向の移動によりばね要素500を圧縮し、及び、外側シールド400のアパーチャ430を通ってニードル600を突出させる。ニードルの先端602がハブ200に対する外側シールド400の相対移動によってアパーチャ430を通って延在するように、ニードル600をハブの基端204に固定することができる。ニードル600は、中空であってニードルを介する基板の通過を可能にすることができ、及び、ハブ200のアパーチャ210と流体連通することができ、ハブ及びニードルを通る流体の通過を可能にすることができる。1つまたはそれよりも多くの実施態様において、ハブはさらに、
基端20
4上の
ルアーコネクタ
218を備える。
ルアーコネクタ
218は、
ルアースリップまたは
ルアーロックコネクタとすることができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、ハブ200に対する外側シールド400の末端移動がばね要素500を圧縮し、及び、ハブ200の末端206からニードル600を延在させるように、ニードル600はハブ200内に配置される。この種の実施形態では、ニードルチップ602が外側シールドに対し固定した距離の接続ポイントを維持するように、ニードル500を外側シールド400に結合させることができる。ニードル600は、皮下注射のために適切などのような長さであってもよい。ニードル600は中空であり、ニードルを通る流体の通過を可能にする。1つまたはそれよりも多くの実施態様において、外側シールド400は、外側シールド400の基端404に
ルアーコネクタをさらに備える。
【0057】
図15〜
図18を参照すると、幾つかの実施形態のアセンブリの使用が記載されている。これらの図は、ハブ200の基端204、外側シールド400の末端406、及び、係止リング300の拡大図を表す。
図15は、ハブ200に対する外側シールド400の末端への移動が可能な非係止状態におけるアセンブリを示す。
図15から、この初期状態では、リング要素310がハブの縦溝208に対し位置合わせされていることが分かる。外側シールド400上の作動要素410はまた、縦溝208内に整列されている。フィンガー420は第2の縦溝208内に位置合わせされており、係止タブ320は縦溝208に位置合わせされていない。このようなアライメントによって、フィンガー420は妨げられずに、係止タブ320を通過することができる。
【0058】
この位置から
図16に示すポイントまで、外側シールド400は、末端方向に移動する。このときに、作動要素410はリング要素310と接触し、フィンガー420の端部は係止リング300よりも末端へ通過する。ばね要素500は圧縮し始めており、ニードルの先端は、外側シールド400の基端またはハブ200の末端のいずれかに向かって、相対的に移動している。
【0059】
ハブ200に対する外側シールド400のさらなる末端移動により、作動要素410は、末端に向けられた回転する力をリング要素310に印加する。この回転力により、作動要素410が完全にリング要素310を通過するまで、係止リング300を回転させる。このことは
図17において見ることができ、作動要素410は、この時点で係止リングの末端に位置する。係止リング300の回転の結果、傾斜面326がフィンガー420の戻り経路にあるようにフィンガー420及び縦溝208と位置合わせされるべき係止タブ320が回転して、フィンガー420及び縦溝208との位置合わせずれを生じる。
【0060】
外側シールド400上で末端に向けられる力またはハブ200に対する外側シールド400の基端移動の中断(注射後など)により、アセンブリは係止される。
図18は、アセンブリの最終的な係止状態を示している。外側シールド400の基端移動は、少なくとも1つのフィンガー420を傾斜面326に乗り上げさせ、及び、外側シールド400及びハブ200のさらなる相対移動を防止する基端対向エッジ32
2に係合させる。
図18から、外側シールド400の基端方向の更なる相対移動が、作動要素410の縦溝208の端部との相互作用によって防止されることが分かる。しかしながら、これはまた、フィンガー420が基端対向エッジ32
2と縦溝208の端部の間に取り込まれることでも達成される。
【0061】
幾つかの実施形態において、係止リング300は、基端面304及び末端面306のうちの一方またはそれよりも多くからの、少なくとも1つの突起340を有する。少なくとも1つの突起340は、ハブ200内の少なくとも1つの相補的な凹部220と協働して相互に作用することができる。1つまたはそれよりも多くの実施態様において、突起340は、中空円筒本体302の基端面304から基端へ延びている。幾つかの実施形態において、突起340は、中空円筒本体302の末端面306から末端方向に延在している。突起340の数は、様々な要因に依存して変化し得る。
【0062】
図19〜
図25は、使用されてもよい突起340及び凹部220の幾つかの実施形態を示す。各図は、係止リング300を持つハブ200の一部を示している。明確にするために、唯一のリング要素310を係止リング300上に示し、固定タブ320は表示しない。さらに、明確にするために、ハブ200のそれぞれについて単一の縦溝208のみを示す。
図12に示す実施形態は、ハブ200上の正方形状の凹部に係合する正方形状の突起340を持つ係止リング300を示している。リング要素310は縦溝208と位置合わせされておらず、係止リング300が係止位置にあることを示している。突起340が係止リング300の基端面304から延在し、環状チャネル212の基端214上に位置する凹部220に係合している。
【0063】
図20は、2つの円弧形状の突起220が係止リング300上に存在する実施形態を示している。第1の突起340は係止リング300の基端面304から基端に延在し、環状チャネル212の基端214に位置する第1の凹部220に係合している。第2突起340は係止リング300の末端面306から末端方向に延在し、環状チャネル212の末端216に位置する第2の凹部220に係合している。リング要素310は縦溝208と整列していないように示されており、係止リング300が係止位置にあることを示している。非係止位置において、突起部340は環状チャネル212内で摩擦嵌合しているが、凹部220に係合されてはいない。係止リング300の係止位置への回転によりリング要素310を移動させて縦溝208に対する位置合わせずれを生じさせ、及び、凸部340が凹部220に係合して、係止リング300の凹部におけるさらなる回転を防止するか、或いは防止を助ける。
【0064】
図21は、2つの突起340及び2つの凹部220が存在する、係止リング300及びハブ200の別の実施形態を示す。突起部340のうち1つだけが非係止位置において凹部220と係合し、及び、その唯一の突起340は、係止リング300が係止位置にあるときに凹部220に係合する。
図21は、リング要素310が縦溝208と位置合わせされていることから非係止位置にある係止リング300を示している。この種の実施形態は、突起/凹部の相互作用が係止位置及び非係止位置の両方にあるために、係止リング300の突発的な回転を防止する。
【0065】
突起340及び凹部220の形状を、限定ではなく、正方形、長方形、台形、三角形、円弧状、フィンガー状を含むどのような適切な形状とすることもできる。
図19に示す実施形態は、長方形の突起340及び適合する長方形の凹部220を有する。
図20〜
図21に示される実施形態では、円弧状の突起340及び円弧状の凹部220を有する。突起340及び凹部220が協働して動作して突発的な係止リング300の回転の機会を軽減することが可能な限りは、突起340の形状が凹部220の形状と同じである必要はないことを理解できよう。
【0066】
図22は、環状チャネル212の基端214上の適合する凹部220を持つ三角形状の係止リング300の基端面304上に1つの突起340が存在する、係止リング300及びハブ200の別の実施形態を示す。本実施形態は、代替の突起と凹部の組み合わせを示している。環状チャネル212の末端216上の突起222は、係止リング300上の凹部342と協働する。
【0067】
図23は、係止リング300の末端面上に1つの突起340が存在し、環状チャネル212の末端216の上に2つの凹部220が存在する、係止リング300及びハブ200の実施形態を示している。この図は、リング要素310が縦溝208と整列していない状態で係止位置にある係止リング300を示す。
【0068】
図24〜
図25は、単一の実施形態を非係止位置及び係止位置において示している。
図24において、係止リング300は、リング要素340が縦溝208と位置合わせされた状態で非係止位置にある。突発的な回転の可能性が減少するように、係止リング300と突起340は環状チャネル300内で摩擦嵌合される。リング要素310の作動の際に、リングは左に回転し、そのために、リング要素310はもはや縦溝208に対し位置合わせされなくなり、及び、突起340が凹部220に係合して、
図25に示すように突起340との凹部220における係止位置に到達する。
【0069】
図7及び
図8に戻ると、係止リング300の幾つかの実施形態は、基端面304から末端面306へ、中空円筒本体302の厚みを通して延在する開口350を含む。1つまたはそれよりも多くの実施形態において、開口350は外側面308において内側面307におけるよりも広い。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの突起340が置かれ、基端面304から基端に、または開口350に隣接する末端面306から末端に、のいずれか一方または両方に延在する。1つまたはそれより多くの実施形態において、開口350に隣接して固定リング300上に凹部が存在する。
【0070】
アセンブリの各構成要素は、任意の適切な材料から作ることができる。例えば、構成要素は、プラスチック、ガラス、金属、ゴムとすることができる。ニードルは任意の適切なデバイスであってよく、厳密にはニードルに限定されない。適当なニーズは、ステンレス鋼のニードル、金属ニードル、プラスチックニードル及びガラスニードルを含むが、これらに限定されない。ばね要素は任意の適切な材料から作ることができ、ばねには限定されない。ばね要素は、限定ではなく、螺旋状、コイル状、リーフの形状を含む、任意の適切な形状であってよい。幾つかの実施形態において、ハブ200、係止リング300、外側シールド400、ばね要素500、及び、ニードル600の1つまたはそれより多くが、ポリプロピレンを含む材料から作られる。各構成要素は、透明、半透明または不透明な材料から作ることができる。幾つかの実施形態において、ニードルの使用を通じて観察できるように、外側シールド400は透明な材料から作られる。
【0071】
本明細書における「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたはそれよりも多くの実施形態」または「実施形態」との言及は、本発明の少なくとも一つの実施形態が、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、材料、又は特性を含むことを意味する。従って、本明細書中での様々な箇所における「1つまたはそれよりも多くの実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」または「実施形態において」などの語句の出現は、本発明の同一の実施形態を必ずしも指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたはそれよりも多くの実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0072】
本明細書に特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は本発明の原理及び用途の単なる例示であることが理解されるべきである。これは、様々な変更及び変形が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の方法及び装置に対して行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある変更及び変形を含むことが意図される。