特許第6181768号(P6181768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181768エレベータシステムの移動体のための安全止め具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181768
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】エレベータシステムの移動体のための安全止め具
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/20 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   B66B5/20
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-543397(P2015-543397)
(86)(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公表番号】特表2015-535518(P2015-535518A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】EP2013073990
(87)【国際公開番号】WO2014082877
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】12194422.7
(32)【優先日】2012年11月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390040729
【氏名又は名称】インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リザー,ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーハンス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オスマンバシク,ファルク
(72)【発明者】
【氏名】ガイスヒュスラー,ミヒャエル
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2004/050525(JP,A1)
【文献】 独国実用新案第29619729(DE,U1)
【文献】 欧州特許第1048602(EP,B1)
【文献】 再公表特許第2005/115905(JP,A1)
【文献】 再公表特許第2008/155853(JP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1783087(EP,A2)
【文献】 特開2008−303014(JP,A)
【文献】 特開平04−365772(JP,A)
【文献】 特開昭54−147623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/20─ 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ昇降路(5)内のガイドレール(4)および/または制動レールに沿って移動可能に配置された、少なくとも1つの移動体(3)を有するエレベータ装置(2)のための安全用具(1)であって、安全用具(1)は、必要とされるときに、ガイドレール(4)および/または制動レールにおいて移動体(3)を制動および保持するために設けられており、安全用具(1)は少なくとも2部品構造である制動体を含み、前記制動体は第一制動要素(7)および第二制動要素(8)を備え、2つの制動要素(7、8)は実質的に互いに無関係に移動可能であって、第一制動要素(7)は実質的に、上方向(a)へのガイドレール(4)および/または制動レールに沿った移動体(3)の移動の場合にのみ制動および保持するように設計されており、第二制動要素(8)は、下方向(b)へのガイドレール(4)および/または制動レールに沿った移動体(3)の移動の場合にのみ制動および固定するように設計されており、安全用具はさらに、2つの制動要素(7、8)がガイドレール(4)および/または制動レールに対して一緒に調整されることが可能なように、ガイドレール(4)および/または制動レールに対して制動体を位置決めするための制御プレート(6)を含み、制御プレート(6)は、具体的には線形移動および/または枢動移動によって、静止位置(r)および制動位置(e)に位置決め可能であることを特徴とする、安全用具(1)。
【請求項2】
制御プレート(6)が、具体的にはスイッチを切ることが可能な電磁石によって静止位置に保持されることが可能であること、および制御プレートは圧縮バネによって制動位置まで移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の安全用具(1)。
【請求項3】
第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)が、具体的には支持体(22)に配置された共通心軸(9)を中心に、安全用具の支持体(22)に枢動可能に配置されていること、および制御プレート(6)が第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)をガイドレール(4)および/または制動レールに対して位置決めすることができるように、制御プレート(6)は線形にまたは枢動的に移動可能なように支持体(22)に配置されていることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項4】
第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)が、第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)がガイドレール(4)および/または制動レールと接触するように、基本位置(g)から第一制動位置(s)まで枢動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の安全用具(1)。
【請求項5】
第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)が、ガイドレール(4)および/または制動レールとの摩擦対によって、第一制動位置(s)から第二制動位置(z)まで枢動可能であることを特徴とする、請求項4に記載の安全用具(1)。
【請求項6】
制御プレート(6)が、第一制動位置(s)から第二制動位置(z)までの第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)の枢動によって、制動位置(e)から静止位置(r)まで移動可能であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項7】
第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)が偏心ディスクとして構築されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項8】
偏心ディスクが、ガイドレール(4)および/または制動レールに対向する側の部分、具体的には第一制動位置(s)でガイドレール(4)および/または制動レールと接触する部分において湾曲していること、および偏心ディスクはガイドレール(4)および/または制動レールに対向する側の部分、具体的には第二制動位置(z)においてガイドレール(4)および/または制動レールと接触する部分において平坦であることを特徴とする、請求項7に記載の安全用具(1)。
【請求項9】
偏心ディスクが、制御プレート(6)が静止位置(r)まで移動可能となるように、具体的には第一制動位置(s)から第二制動位置(z)への偏心ディスクの枢動を通じて制御プレート(6)に対して再設定力(u)が印加されるように、ガイドレール(4)および/または制動レールから離れた側に形成されること、および/または制御プレート(6)は、第一制動位置(e)への制御プレート(6)の移動時に偏心ディスクが第一制動位置(s)まで枢動可能であって、第二制動位置(z)への偏心ディスクの枢動時に制御プレート(6)に対して復元力(u)が印加されることが可能なような種類の接触面を有することを特徴とする、請求項7および8のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項10】
第一制動要素(7)の第一制動域(10)が第二制動要素(8)の第二制動域(11)よりも小さく、具体的には第一制動域(10)は第二制動域(11)のせいぜい75%、より具体的にはせいぜい60%であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項11】
第二制動要素(8)が、具体的には実質的に同じ制動域を有する2つの制動部品、具体的には偏心ディスクを備え、第一制動要素(7)は第二制動要素(8)の制動部品のうちの1つと実質的に等しい第一制動域を有し、具体的には第一制動要素(7)は第二制動要素(8)の2つの制動部品の間に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の安全用具(1)。
【請求項12】
少なくとも第一制動要素(7)、第二制動要素(8)、または制御プレート(6)、あるいはこれらの組み合わせの位置監視および/または状態監視のための少なくとも1つのセンサが、安全用具(1)にまたはその中に配置されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項13】
第一制動要素(7)および/または第二制動要素(8)が、具体的には少なくとも1つのバネ(23)によって、制御プレート(6)の方向に付勢されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の安全用具(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の安全用具(1)を備えるエレベータ装置(2)。
【請求項15】
必要とされるときに安全用具(1)によってエレベータ装置(2)の移動体(3)を制動および保持する方法であって、安全用具(1)はガイドレール(4)および/または制動レールに対して少なくとも2部品構造の制動体を位置決めするための制御プレート(6)を含み、必要とされるときに、移動体(3)の制動および保持のために、
制動体の第一制動要素(7)および第二制動要素(8)は、ガイドレール(4)および/または制動レールに対して制御プレート(6)によって調整されて第一制動位置(s)にもたらされ、
上方向(a)へのガイドレール(4)に沿った移動体(3)の移動時に、第一制動要素(7)は第二制動要素(8)とは無関係に第一制動位置(s)から第二制動位置(z)にもたらされ、あるいは下方向(b)へのガイドレール(4)に沿った移動体(3)の移動時に、第二制動要素(8)は第一制動要素(7)とは無関係に第一制動位置(s)から第二制動位置(z)にもたらされる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項のプリアンブルによる、安全制動機、必要であれば安全制動機によってエレベータ装置の移動体を制動および固定する方法、ならびにこのような安全制動機を有するエレベータ装置にも、関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ装置は建物内に設置され、通常は、特に支持装置によって保持されるエレベータかごから成る。エレベータかごは駆動部によって、人および/または物の搬送のため、上方向、すなわち重力の作用の方向に対して実質的に反対に、または下方向、すなわち実質的に重力の作用の方向に、移動可能である。移動体とも称されるエレベータかごの移動は、実質的に垂直方向に行われる。
【0003】
この種の周知のエレベータ装置は、駆動部または支持装置の故障の場合にこれを固定するため、あるいは意図しない滑り出しまたは落下に対して保護するためにも、安全制動機を備えることが多い。
【0004】
偏心構造の制動体を備える安全制動機は、欧州特許第2112116A1号明細書より知られている。制動体は筐体内に配置されている。動作中、筐体は制動体とともに、制動体が制動レールに対して支承されて制動体と制動レールとの間の相対移動によって枢動させられるように、変位させられる。制動体の制動領域はこれにより、移動体の制動が生じるように制動レールに位置している。制動作用を実現するために、制動力を設定するためのカウンタ制動プレートが筐体内に配置されている。
【0005】
加えて、国際公開第2012/08104A1号パンフレットは、引き込み体と制動レールとの間の相対移動によって制動レールと接触したときの安全制動機の作動のための、枢動可能な引き込み体を有する安全制動機を開示している。
【0006】
より信頼できるように設計し、移動体の制動レールおよび/またはガイドレールに対する制動体の位置決めを構造的に簡素化する必要性がある。加えて、制動位置から安全制動機が制動作用を及ぼさない静止位置までの安全制動機の復元を、同様に構造的に簡素化し、より信頼できるように設計する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2112116号明細書
【特許文献2】国際公開第2012/008104号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の不都合を回避することである。具体的には、それによってエレベータ装置の移動体の制動および固定が確実に行われることが可能な、導入部において述べられたタイプの装置および方法が、提供される。加えて、安全制動機は構造的に単純である。また、具体的には、安全制動機を制動作用が及ぼされない静止位置に再設定するための機器の、信頼性が高く経済的な設計を保証することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的のうちの少なくとも1つ1つは、独立請求項の特徴を有する安全制動機および方法によって達成される。
【0010】
エレベータ昇降路内のガイドレールおよび/または制動レールに沿って移動可能なように配置された、少なくとも1つの移動体を有するエレベータ装置のための安全制動機は、必要とされるときにガイドレールおよび/または制動レールにおいて移動体を制動および固定するのに適している。安全制動機は、制動体を実装するための支持体、ならびにガイドレールおよび/または制動レールに対して制動体を位置決めするための制御プレートまたは基本プレートを備える。制動体は少なくとも2部品構造であり、第一制動要素および第二制動要素を備える。2つの制動要素は、実質的に互いに無関係に移動可能である。第一制動要素は実質的に、上方向へのガイドレールおよび/または制動レールに沿った移動体の移動の場合の制動および固定のみのために、設計されている。第二制動要素は実質的に、下方向へのガイドレールおよび/または制動レールに沿った移動体の移動の場合の制動および固定のみのために、設計されている。制御プレートは、制動要素を基本位置に保持する構造になっているので、基本プレートと称されることも可能である。これらの用語はこの関連性において同等である。
【0011】
2つの制動要素は、必要とされるときに、ガイドレールおよび/または制動レールとまとめて接触させられるか、または互いに対して調整されることが可能である。制動体の移動方向に応じて、制動体とガイドレールおよび/または制動レールとの間の摩擦対により、対応する制動要素が必ず引き込まれて、末端または第二制動位置にもたらされる。
【0012】
これは、上方向および/または下方向に対する制動力のそれぞれの要件に制動体が容易に適合して、制動機の動作をより確実かつより経済的にするという利点を有する。たとえば、制動要素の対応する摩耗の場合に、制動体の制動要素の摩耗が方向によって異なっていれば、これだけを交換することが可能である。このため、任意の場合における安全制動機の動作は、従来より周知の安全制動機と比較して、より経済的である。加えて、必要とされる制動要素は別の制動要素とは無関係に動くことができるので、安全制動機の空間の必要性が最適化されることが可能である。
【0013】
具体的には装置は、ガイドレールおよび/または制動レールが制動作用を生じるために制動体とカウンタ制動体との間で締め付けられることが可能なように配置された、カウンタ制動体を備える。制動力はこの場合、特にガイドレールおよび/または制動レールに対してカウンタ制動体によって印加される力によって、設定される。たとえば、カウンタ制動体は、有効な制動力が設定可能となる板バネで形成されることが可能である。ガイドレールまたは制動レールに対する制動要素の調整を通じて、支持体は好ましくはカウンタ制動体とともに、ガイドレールまたは制動レールが制動体とカウンタ制動体との間で締め付けられるように、変位させられる。
【0014】
制御プレートは好ましくは、静止位置および制動位置において位置決め可能である。位置決めは、制御プレートの線形移動および/または枢動移動によって行われることが可能である。たとえば、制御プレートはこのようにして、線形移動、枢動移動、または線形移動と枢動移動の組み合わせによって、静止位置から制動位置に位置決めされることが可能である。加えて、制動位置から静止位置に戻る制御プレートの位置決めも、線形移動、枢動移動、または線形移動と枢動移動の組み合わせによって同様に行われることが可能である。
【0015】
これは、安全制動機の作動の目的のため、制御プレートのみが支持体内に位置決めされ、これによって制動体を第一制動位置に移動させるかまたはレールに対して調整するという利点を有する。このため、安全制動機の作動は移動方向とは無関係に行われることが可能であり、作動目的のため、たとえば安全制動機の筐体全体が変位させられる必要はない。これは安全制動機、特にその作動機器の構造を、従来技術と比較してより単純かつ経済的にする。加えて、単なる制御プレートの静止位置から制動位置への、およびその反対の線形移動および枢動移動が、構造的に単純かつ確実なやり方で、実現されることが可能である。
【0016】
制御プレートは好ましくは、具体的にはスイッチを切ることが可能な電磁石によって、静止位置に保持されることが可能である。これは、この種の構造が簡単に実現されることが可能であり、したがって経済的であるという利点を有する。また、たとえば停電の場合に、電磁石のスイッチが切れ、これによって安全制動機の制動作用が起動して、非常制動機としての安全制動機の動作を可能にすることが、保証される。明らかに、たとえば電池またはコンデンサなどの非常用電源が、一時的電源遮断を切り抜けるように提供されることが可能である。そしてこの種の非常用電源は明らかに、エレベータ装置の安全または制御概念に組み込まれる。
【0017】
制御プレートを静止位置に保持するための、具体的にはスイッチを切ることが可能な電磁石の使用の代替案として、グリッパまたはピンなどの機械的係止装置の使用も考えられる。これは、制御プレートが静止位置から制動位置へ移動可能なように、制御プレートと解放可能に接続されることが可能である。
【0018】
制御プレートは好ましくは、圧縮バネによって制動位置になるよう移動可能である。これは、制御プレートが、たとえば停電の場合に、制動位置の方向への少なくとも1つの圧縮バネによる制御プレートに対する力の印加によって、静止位置から制動位置まで確実に移動可能であるという利点を有する。
【0019】
静止位置から制動位置への制御プレートの位置決めのための圧縮バネの使用の代替案として、位置決めはまた、専門家にとって周知のものなど、油圧、空気圧、または電気駆動部によって行われることも可能である。加えて、たとえば引張バネもまた考えられる。
【0020】
第一制動要素および/または第二制動要素は好ましくは枢動可能である。具体的には、第一制動要素および/または第二制動要素は、好ましくは支持体の中または上に配置された共通心軸を中心に、具体的には反対方向に、枢動可能である。これは、制御プレートの位置決めおよび制動要素の対応する枢動を通じて、これらがガイドレールおよび/または制動レールと接触させられることが可能であるという利点を有する。これは、安全制動機を位置決めするために複雑な機器を必要としないので、構造的に簡単に、確実に、および経済的に実現されることが可能である。加えて、各事例において個別の制動要素のみが枢動させられるので、有利なことに制動要素の作動に必要な初期力は小さい。
【0021】
第一制動要素および/または第二制動要素は好ましくは、第一制動要素および/または第二制動要素がガイドレールおよび/または制動レールと接触するように、基本位置から第一制動位置まで枢動可能である。
【0022】
本発明の意味において、第一制動要素および/または第二制動要素がガイドレールおよび/または制動レールと接触する第一制動位置にある場合には、実質的に制動または固定が生じることはない。
【0023】
好ましくは、第一制動要素および/または第二制動要素は、ガイドレールとの摩擦対によって、第一制動位置から第二制動位置まで枢動可能である。
【0024】
これは、ガイドレールおよび/または制動レールと接触している少なくとも1つの制動要素の単純な枢動移動によって、これが第一制動位置から第二制動位置にもたらされることが可能であり、これが構造的に簡単に実現されることが可能であるという利点を有する。ガイドレールおよび/または制動レールと対応する制動要素との間の相対移動のおかげで、制動要素のさらなる枢動が行われることが可能となり、これによって安全制動機の制動作用が強化される。この点に関して、このさらなる枢動が相対移動の方向に直接的に依存することは、特に有利である。したがってこの方向は、2つの制動要素のうちのどちらが最終的な第二制動位置まで枢動させられるかを決定する。下方移動および上方移動に対する制動力はこのように、制動要素の形状によって個別に事前決定されることが可能である。
【0025】
具体的には、第二制動位置から第一制動位置へのガイドレールおよび/または制動レールとの摩擦対を通じての第一制動要素および/または第二制動要素の戻り枢動による安全制動機の解放が、行われることが可能である。これは具体的には、第一制動位置から第二制動位置への対応する制動要素の枢動のための相対移動に対する逆相対移動に対応する。これは、たとえば追加の再設定機器が必要ではないので、第二制動位置から第一制動位置への対応する制動要素の枢動による安全制動機の解放が、構造的に簡単かつ確実に行われることが可能であるという利点を有する。対応する制動要素は、適切な戻り枢動によって、第一制動位置から基本位置にもたらされることが可能である。
【0026】
制御プレートは好ましくは、第一制動位置から第二制動位置までの第一制動要素および/または第二制動要素の枢動によって、制動位置から静止位置まで移動可能である。言い換えると、第一制動位置から第二制動位置までの制動要素のうちの1つの枢動を通じて、制御プレートは制動位置から静止位置に戻される。
【0027】
これは、一方では第一および/または第二制動要素はその静止位置から制動位置への制御プレートの位置決めによって第一制動位置まで移動させられるという利点を有する。他方では、第一制動要素または第二制動要素の、ガイドレールおよび/または制動レールとの摩擦対によって生じるその後のさらなる移動を通じて、制御プレートはその制動位置から静止位置まで戻される。基本位置において、制御プレートは、係止装置によって再び保持されることが可能である。係止装置は、たとえばスイッチを切ることが可能な電磁石として構築されることが可能である。こうして電磁石は制御プレートを静止位置で保持する。必要とされるときには、電磁石はスイッチが切られ、制御プレートは制動位置に変位され、この場合にはこれは制動要素を第一制動位置まで移動させる。移動体の移動方向に応じて、対応する制動要素は第二制動位置まで移動させられ、これによってガイドレールまたは制動レールが締め付けられて移動体が制動される。同時に、第一制動位置から第二制動位置への対応する制動要素の変位の際に、制御プレートは、記載されたように、電磁石に対して戻されることが可能である。今や制御プレートを静止位置に保持するために単に電磁石のスイッチが入れられればよいので、これは特に有利である。さらなる復元エネルギーは必要とされず、これはさらに安全制動機の構造設計を簡素化し、これをより安価にする。
【0028】
第一制動要素および/または第二制動要素は好ましくは、偏心ディスクとして構築される。これは有利なことに、安全制動機の小型で簡単な構造モードを可能にする。
【0029】
偏心ディスクによって、本発明の意味において、望ましい外部プロファイルを有するディスクが理解され、これは幾何学的中心点からずれた軸を中心に枢動可能なように実装されている。たとえば、適切に実装されたカムディスクは、本発明の意味において偏心ディスクであってもよい。
【0030】
偏心ディスクは好ましくは、ガイドレールおよび/または制動レールに対向する側の部分において湾曲している。具体的には、第一制動位置においてガイドレールおよび/または制動レールと接触している部分が湾曲している。特に好ましくは、偏心ディスクの半径は、第一から第二制動位置への枢動方向にしたがって増加する。これは、湾曲領域における偏心ディスクとガイドレールおよび/または制動レールとの間の摩擦対を通じて、偏心ディスクが所望の制動作用を実現するために第二制動位置まで確実に枢動可能であるという利点を有する。
【0031】
偏心ディスクは好ましくは、ガイドレールおよび/または制動レールに対向する側の部分が平坦である。具体的には、第二制動位置においてガイドレールおよび/または制動レールと接触するこの部分が平坦である。これは、安全制動機によって高レベルの制動作用を実現するために、偏心ディスクとガイドレールおよび/または制動レールとの間の最大可能な接触域が可能とされるという利点を有する。
【0032】
具体的には、偏心ディスクは第一湾曲部分および第二平坦部分を有する。安全制動機は、第一湾曲部分の領域にわたって締め付けられることが可能であり、第二平坦部分に到達時に、制動のための最大可能な接触域が利用可能である。同時に、平坦域を通じて、偏心ディスクのさらなる回転は停止させられることが可能である。代替案として、連続的に湾曲した偏心ディスクも明らかに使用可能である。この点に関して、制動位置は、偏心ディスクのさらなる回転を防止する当接によって画定されることが可能である。この代替案は、小さい負荷または小さい制動移動にしたがって制動負荷が低いので、小さい負荷または低速の場合に有利となり得る。
【0033】
偏心ディスクは好ましくは、特に偏心ディスクの第一制動位置から第二制動位置までの枢動を通じて、静止位置までの制御プレートの移動のために制御プレートに対して復元力が印加されるように、ガイドレールおよび/または制動レールから離れた側に形成される。
【0034】
制御プレートは好ましくは、制動位置への制御プレートの移動時に、偏心ディスクが第一制動位置まで枢動可能であって、第二制動位置への偏心ディスクの枢動のために制御プレートに対して復元力が印加されるような、接触面を有する。
【0035】
偏心ディスクおよび制御プレートのこの設計は、第二制動位置への偏心ディスクの枢動の際の静止位置への制動プレートの復元が、偏心ディスクと制御プレートとの間の機械的相互作用によって実現可能であるという利点を有する。
【0036】
たとえば、偏心ディスクの外面は、第二制動位置において、ガイドレールおよび/または制動レールから離れた側よりもガイドレールおよび/または制動レールに対向する側の方が、枢動軸からのより大きい間隔を有することができる。この場合、偏心ディスクの離れた側が制御プレートを押圧する。その結果、小型構造モードの安全制動機が有利に実現されることが可能である。静止位置への制御プレートの移動は、偏心ディスクと相互作用する制御プレートのプロファイルの適切な設計を通じて、実現されることが可能である。接触域として、制御プレートは偏心ディスクに対向する側に、たとえば、ガイドレールおよび/または制動レールから離れた偏心ディスクの側が協働できるくさび形表面を有することができる。その結果、第二制動位置への偏心ディスクの枢動の際に、制御プレートは相応に静止位置まで移動させられる。
【0037】
具体的には、制御プレートのくさび形表面は、各制動要素について、第一および第二制動要素の第一制動位置への所望の枢動が行われることが可能なように設計されている。たとえば、第一制動要素のためのくさび形表面は第一方向に配置されることが可能であり、第二制動要素のためには、実質的に第一方向の反対の第二方向に配置されることが可能である。
【0038】
安全制動機は好ましくは、第二制動要素の第二制動域よりも小さい第一制動要素の第一制動域を有する。具体的には、第一制動要素の制動域は第二制動域のせいぜい75%、より具体的にはせいぜい60%である。具体的には、第一制動要素は、第二制動要素の第二制動域のおよそ50%に対応する第一制動域を有する。
【0039】
上方向の移動体の制動の場合には、下方向の制動の場合よりも小さい制動力が必要とされるので、これは安全制動機の経済的な設計の利点を有する。これは、第一制動要素および第二制動要素の制動域の適切な適応によって、実現可能である。
【0040】
具体的には、制動要素の制動域は、偏心ディスクの平坦な部分によって形成される。
【0041】
好ましくは、制動域は制動要素の、具体的には偏心ディスクの、厚さによって決定される。たとえば、第一制動要素の厚さは第二制動要素の厚さの50%であってもよく、これによって第一制動域は第二制動域の50%となる。
【0042】
第二制動要素は好ましくは、具体的には実質的に同じ制動域を有する2つの部品を備えており、第一制動要素は第二制動要素の制動部品のうちの1つと実質的に等しい第一制動域を有する。これは、たとえば上方向および下方向の制動に同一の制動部品が使用可能であり、各事例において対応する方向のために制動部品の数が選択されるだけでよいという利点を有する。同じ制動部品が使用可能なので、これは取り扱いを簡素化し、加えて在庫管理が簡素化され、このことはますます経済的である。たとえば、制動部品は偏心ディスクまたはその他の制動ディスクとして構築されることが可能である。
【0043】
具体的には、第一制動要素は第二制動要素の2つの制動部品の間に配置される。これは、安全制動機の安定性および制動作用が改善されるという利点を有し、このことは動作中の安全制動機の信頼性を高める。
【0044】
好ましくは、少なくとも第一制動要素、第二制動要素、または制御プレート、あるいはこれらのいずれかの組み合わせの位置監視および/または状態監視のための少なくとも1つのセンサが、安全制動機におよび/またはその中に配置される。これは、たとえば摩耗または機能不良の発生が早めに認識可能であるという利点を有し、このことは動作の信頼性をさらに高める。
【0045】
「状態監視」は特に、制動要素の摩耗、発生する制動力、および制動要素の枢動速度、ならびにこれらのいずれかの組み合わせを監視するのに役立つ。
【0046】
第一制動要素および/または第二制動要素は好ましくは、制御プレートの方向に付勢される。具体的には、付勢は少なくとも1つのバネによって行われる。これは、制御プレートの静止位置において、制動要素がガイドレールおよび/または制動レールの方向に意図せず枢動して安全制動機が意図せず起動することがないことが保証されるという利点を有する。バネは引張バネとして実行されることが可能であり、これは第一制動要素および第二制動要素を基本位置の方向に付勢する。引張バネの代わりに、らせんバネまたは磁気引き込みシステムが可能である。
【0047】
さらなる態様は、上記で記載されたような安全制動機を備えるエレベータ装置に関する。
【0048】
付加的な態様は、必要とされるときに安全制動機によってエレベータ装置の移動体を制動および固定する方法に関する。具体的には、好ましくは先に記載されたような安全制動機が使用される。安全制動機は、ガイドレールおよび/または制動レールに対して制動体を位置決めするための制御プレートを備える。制動体は、第一制動要素および第二制動要素を備える。第一制動要素は実質的に、上方向へのガイドレールに沿った移動体の移動の場合の制動のみのために、設計されている。第二制動要素は実質的に、上方向と反対の、第二の下方向へのガイドレールに沿った移動体の移動の場合の制動のみのために、設計されている。方法は、ガイドレールおよび/または制動レールに第一および/または第二制動要素を位置決めすることによって、移動体を制動および/または固定するステップを備える。この場合、第一制動要素および第二制動要素は好ましくは、ガイドレールまたは制動レールに対して制御プレートによって調整されて第一制動位置にもたらされる。上方向へのガイドレールに沿った移動体の移動時に、第一制動要素は第二制動要素とは無関係に、第一制動位置から第二制動位置にもたらされる。反対に、下方向へのガイドレールに沿った移動体の移動時には、第二制動要素は第一制動要素とは無関係に、第一制動位置から第二制動位置にもたらされる。
【0049】
一用途において、この種の安全制動機は、エレベータ装置の装備および/または再装備に使用される。これは、上述のようなエレベータ装置を製造するために、上述のような安全制動機をエレベータ装置におよび/またはその中に設置するステップを含む。
【0050】
本発明のさらなる特徴および利点は、より良い理解のための実施形態によって、本発明を実施形態に限定することなく、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明による安全制動機を有するエレベータ装置の模式図である。
図2】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図3】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図4】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図5】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図6】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図7】連続動作状態における、本発明による安全制動機の模式図である。
図8】本発明による安全制動機の制動体の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
必要とされるときに移動体3を制動および固定するための、本発明による安全制動機1を備える移動体3を有するエレベータ装置2が、図1の模式図に示されている。
【0053】
エレベータ装置2は、ガイドレール4が配置されたエレベータ昇降路5を備えており、これに沿って移動体3は上方向aまたは下方向bに移動可能である。移動体3は、ケーブルによって形成された支持具16によって、エレベータ昇降路5内に懸架されている。上方向aおよび/または下方向bへの移動体3の移動は駆動部15によって可能であり、これは支持具16によって移動体3と動作可能に接続されている。図示されるエレベータ装置2の場合、エレベータかごであることが多い移動体3は、駆動部15によって完全に懸架されている。一般的に、釣合おもりの形態のさらなる移動体がエレベータ昇降路内に設けられ、これは移動体3と反対に移動し、支持具16の反対端に相応に締結されている。
【0054】
移動体3に実装された安全制動機1は、たとえば支持具16の故障または停電の場合など、必要とされるときに移動体が制動または固定されることが可能なように、構築されている。この目的のため、ガイドレール4と相互作用している安全制動機1によって、制動作用が実現される。場合により、ガイドレール4はまた、制動レールとして構築されることも可能である。
【0055】
あるいは、たとえば安全制動機1によってエレベータ昇降路5内の特定の部分のみで移動体3を制動するために、ガイドレールへの制動レールの付加的な配置もまた考えられる。
【0056】
安全制動機1の位置監視および/または状態監視のためのセンサ12が、安全制動機1に配置されている。安全制動機1の制動作用はたとえば、センサ12によって目標値と比較されることが可能であり、これによって安全制動機の状態監視が実現可能である。センサ12は明らかに、移動体上の異なる箇所に配置されることも可能である。センサ12はまた、安全制動機の動作状態を監視して、たとえば安全制動機が作動したときにエレベータ装置を停止させる、単なる切り替え要素であってもよい。
【0057】
これ以降、すべての図面において同じ要素には同じ参照番号が用いられ、したがって必要とされるときにのみ再び説明される。
【0058】
本発明による安全制動機1の側面図が、連続的な動作状態において図2から図7に模式的に示される。わかりやすくするために、ガイドレール4は安全制動機1の構成要素ではないものの、安全制動機1はガイドレール4と協働している状態で示されている。
【0059】
安全制動機1は支持体22を備える。支持体22は、安全制動装置の締め付け力の吸収のため、筐体状の耐負荷構造を形成する。心軸9は支持体22内に固定的に配置されている。加えて、安全制動機1は、第一制動要素7および第二制動要素8を備える、2段制動体を含む。2つの制動要素は偏心ディスクとして構築されており、共通心軸9上に枢動可能に配置されている。制御プレート6は、静止位置rと制動位置eとの間で変位可能となるように、支持体22の中または上に配置されている。制御プレート6は、外部接触域としての表面19を有する。表面19は制動要素7、8と相互作用する。加えて、電磁石17および圧縮バネ18が支持体22内に配置されている。電磁石17は、圧縮バネ18の力に対して制御プレート6を静止位置rに保持する。また、バネ23は、制御プレート6に対して、または制御プレート6の表面19に対して、第二制動要素8を弾性的に引きつける。第二制動要素8はこうして基本位置gに配置される。同様に、第一制動要素7も、バネ(図示せず)によって基本位置gに保持される。
【0060】
カウンタ制動体13は、第一および第二制動要素7、8から離れたガイドレール4の側の支持体22の上または中に配置される。カウンタ制動体13は、板バネ14によって支持体22内に支持されており、安全制動機1によって制動作用が実現されるようにガイドレール4に対して押圧されることが可能である。ガイドレール4に対する制動体13の押圧力は、たとえば板バネの付勢力の選択によって、設定可能である。
【0061】
第一制動要素7は第一制動域10を有し、基本位置gに配置されている。第二制動要素8は第二制動域11を有し、同様に基本位置gに配置されている。制動域11は制動域10よりも大きいが、しかしながらこれは図2から図6においては明確ではない。
【0062】
bで表される矢印は、安全制動機1が配置された移動体と、ガイドレール4との間の相対移動を特徴付ける。移動体は下方向bに向かって移動させられるが、これはガイドレール4の移動として図2から図6に示されている。このように、安全制動機1に対して固定された座標系が選択されている。
【0063】
制御プレート6は図2において静止位置rに配置されており、スイッチを切ることが可能な電磁石17によって静止位置rに保持されている。加えて、制御プレート6には、電磁石17のスイッチを切った後に制御プレート6を制動位置sまで移動可能とする圧縮バネ18が配置されている。制動要素7、8ならびにカウンタ制動体13は、移動体がガイドレールに沿って自由に移動できるように、ガイドレール4に対する間隙を有する。
【0064】
安全制動機1は、電磁石17のスイッチが切られて制御プレート6が圧縮バネ18によって制動位置eにもたらされた、第一動作状態で、図3に示されている。制御プレート6の表面19のくさび形表面部分と第一制動要素7および第二制動要素8の裏面形状との協働を通じて、2つの制動要素7、8は心軸9を中心に反対方向に枢動させられる。偏心ディスクとして構築された、制動要素7、8の各々のそれぞれの湾曲領域は、これによってガイドレール4と接触させられる。2つの制動要素7、8は、今や第一制動位置sに配置されている。これらは、圧縮バネ18によって決定される押圧力によって、ガイドレールに対して押圧される。
【0065】
図4に示されるように、2つの制動要素7、8のうちの1つは、ガイドレール4の相対移動による摩擦対によって、ガイドレール4と2つの制動要素7、8との間の接触を通じて、さらに枢動させられる。この例では、相対移動の方向に応じて、第二制動要素8がさらに枢動させられる。この場合、偏心器と類似の制動要素の形状のため、第一制動要素7はガイドレール4との接触を失い、そのバネ(図示せず)によって制御プレートに向かって引き戻される。第二制動要素8および制御プレート6の表面19の形状および配置により、制御プレート6は同時に方向uに向かって静止位置eに戻される。
【0066】
図5において、第二制動位置zへの第二制動要素の枢動が完了し、これによって第二制動域11はガイドレール4と接触させられている。制動要素8は、第二制動位置zでの締め付けの間、カウンタ制動ライニング13とともに支持体22をガイドレールに向かって引き寄せており、所望の制動力が築き上げられるように板バネ14を圧迫する。制動要素7、8は好ましくは、第二制動位置zに到達したときに制動要素7、8のさらなる回転が防止されるように、支持体22に対して当接限界を提供する。
【0067】
加えて、第二制動位置zにおける第二制動要素8の締め付けの間、制御プレート6は静止位置rまで移動させられて、電磁石17と再び接触している。圧縮バネ18は再び付勢される。電磁石17は、再設定の間に制御プレート6と電磁石17との間の接触を保証するために架橋が可能となるように、復元力uの作用と実質的に平行に動くように配置される。
【0068】
図6に示されるように、安全制動機1による移動体の制動または固定の後、移動体は上方向aに移動させられるが、これはガイドレール4の移動によっても示される。その結果、第一制動位置sへの第二制動要素8の再設定、ひいては安全制動機1の解放も、行われる。電磁石17は、制御プレートを静止位置rに保持するように、遅くとも第一制動位置に到達したときに、または適切には事前にすでに、スイッチが入れられている。
【0069】
図7に示されるように、第二制動要素8は基本位置gに戻るように枢動させられるが、これはバネ23によって実現されることが可能である。安全制動機は、図2に対応するその原位置になるように再び再設定される。
【0070】
安全制動機1の詳細は、図8の心軸を通る断面図に示されている。心軸9は、支持体22の構成要素として実行される。加えて、第一制動要素7および第二制動要素8はやはり心軸9に配置されている。2つの制動要素7、8は、締結ディスク21によって心軸9上に、多段で実装されている。第一制動要素7は第一制動域10を有し、これは第二制動要素8の第二制動域11のおよそ50%である。第一制動要素7は、第二制動要素8の2つの制動部品の間に配置されている。制動部品はすべて、9から12ミリメートルの厚さwを有する。心軸9は、第二制動位置において制動要素7、8を締め付けるときに生じる締め付け力を引き継ぐような寸法になっている。
【0071】
安全制動機1は滑り軸受20をさらに備えており、これによって制動要素は上記で記載されたように枢動可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8