(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181775
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】光波長分割多重化(WDM)ネットワークにおけるネットワークフラグメンテーション測定
(51)【国際特許分類】
H04J 14/02 20060101AFI20170807BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20170807BHJP
【FI】
H04J14/02 198
H04B10/27
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-556265(P2015-556265)
(86)(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公表番号】特表2016-511576(P2016-511576A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014015971
(87)【国際公開番号】WO2014126976
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】61/764,568
(32)【優先日】2013年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/177,654
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】アンキットクマール・パテル
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ナン・ジ
【審査官】
後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−005448(JP,A)
【文献】
特開2012−109928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長分割多重化(WDM)光ネットワークで使用されるネットワーク装置内で実行する方法であって、
(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求める(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)ステップと、
(b)未検討ノードペア(s,d)を選択するステップと、
(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択するステップと、
(d)前記経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって前記経路kのビットマップを求めるステップと、
(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択するステップと、
(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求めるステップと、
(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返すステップと、
(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返すステップと、
(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返すステップと、
(j)次式:
【数1】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
波長分割多重化(WDM)光ネットワークで使用されるネットワーク装置であって、
(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求める(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)第1の求出手段と、
(b)未検討ノードペア(s,d)を選択する第1の選択手段と、
(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択する第2の選択手段と、
(d)経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって経路kのビットマップを求める第2の求出手段と、
(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択する第3の選択手段と、
(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求める第3の求出手段と、
(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返す第1の反復手段と、
(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返す第2の反復手段と、
(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返す第3の反復手段と、
(j)次式:
【数2】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定する決定手段と、を含む、ネットワーク装置。
【請求項3】
ネットワーク装置を含み、
前記ネットワーク装置が、
(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求め(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)、
(b)未検討ノードペア(s,d)を選択し、
(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択し、
(d)経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって経路kのビットマップを求め、
(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択し、
(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求
め、
(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返し、
(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返し、
(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返し、
(j)次式:
【数3】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定する、波長分割多重化(WDM)光ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2013年2月14日出願の「Procedure to Measure Network Fragmentation in Optical WDM Networks」と題する米国特許仮出願第61/764,568号の利益を主張し、その内容は本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本願は、本願と共に出願された「A Virtual Network Embedding Procedure in an Optical Wavelength Division Multiplexing(WDM)Network」と題する、本願と同一譲受人に譲渡された出願第14/177,667号(Attorney Docket No.12121)に関連し、その内容は本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本発明は、波長分割多重化(WDM)光ネットワークに、より具体的には、WDMネットワークでのスペクトルフラグメンテーションの測定に関連する。
【0004】
波長分割多重化(WDM)光ネットワークでは、エンドノード間の回線速度を求める要求が到着すると、経路に沿って全てのファイバーに有限のスペクトル量を割り当てることによって光チャネルが確立される。経路に沿った中間ノードが波長変換機能をサポートしていない場合、チャネルは次にノードのイングレス及びイグレスファイバーにおいて、チャネルへの同じ中心波長の割り当てとして定義される波長連続性制約、及びチャネルへの同量のスペクトルの割り当てとして定義されるスペクトル連続性制約に従う必要がある。ファイバー上で複数のそのようなチャネルをサポートするには、スペクトル競合(spectral conflict)制約を満たす必要があり、これは同じファイバー上のチャネル経路への重複しないスペクトルの割り当てとして定義される。
【0005】
従来、相互運用の問題を扱うために、International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector(ITU−T)は、固定チャネル間隔[1]を標準化してきた。ITU−T規格に従うネットワークは、
図1(a)に示すように固定グリッドネットワークと呼ばれる。固定グリッドネットワークは、増え続ける帯域幅需要に対して不均一な粒度で回線速度をサポートしながらスペクトル効率を最適化することはできない。最近では、要求された帯域幅、伝送距離、及び提供された変調フォーマットの必要条件に基づきフレキシブルな量のスペクトルがチャネルに割り当てられる、(
図1(b)に示すような)フレキシブルグリッドネットワークアーキテクチャが導入される。フレキシブルグリッドネットワークは、ネットワークスペクトル効率を高度に最適化する。ただし、不均一なスペクトル必要条件によるチャネルの動的な発着は、スペクトルの断片化(
図2に示すような)を引き起こし、ネットワークは最適な状態であることができなくなる。ネットワークで断片化されたスペクトルの状態は、ネットワークフラグメンテーションと呼ばれる。ネットワークフラグメンテーションは、固定及びフレキシブルグリッドネットワークにおける重大な問題である。スペクトルフラグメンテーションは、その接続に対する十分な量のスペクトルが利用可能であるにもかかわらず接続を遮断することがあり、ネットワーク性能を低下させる。
【0006】
ネットワークをその最適な状態に回復させ、遮断性能を向上させるために、いくつかのネットワークデフラグメンテーションスキームの研究が行われている[2][3][4]。しかしながら、ネットワークをデフラグし、ネットワークデフラグメンテーション又はリソースプロビジョニングソリューションの有効性を検証するタイミングを適時判断するために、ネットワーク状態を正確に測定する必要性が存在する。したがって問題は、ネットワークにおけるフラグメンテーションを定量化する方法である。問題は正式に次のように定義される。
【0007】
光ネットワークトポロジーG(V,E)が与えられ、ここでVは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードであり、EはROADMノードを接続する1組のファイバーである。ネットワークは、1組の回線速度Lをサポートする。各回線速度に必要なスペクトル幅は、回線速度lに対して
HlGHzである。ネットワークは、合計ZGHzのスペクトルを提供してネットワークトラフィックをサポートする。1組のノード間で回線速度lを求める接続要求は、確率
Qlで到着する。問題は、ネットワークにおけるスペクトルフラグメンテーションの測定方法である。
【0008】
[5]で、Spectrum Compactnessパラメータは、使用中及び使用可能なスペクトルのスロットに基づいてファイバー上のフラグメンテーションを定量化するために導入される。[6]で、Utilization Entropyパラメータは、スペクトルの状態の変化の数に基づいてファイバー上のフラグメンテーションを評価するために導入される。これらのパラメータはどちらもネットワークフラグメンテーションの測定中のファイバーの相関を考慮しない。
【0009】
参照文献
[1]ITU−T G.694.1,「Spectral grids for WDM applications:DWDM frequency grid」,May 2002.
[2]A.N.Patel,P.N.Ji,J.P.Jue,and T.Wang,「Defragmentation of Transparent Flexible Optical WDM (FWDM) Networks」,Proceeding of OFCNFOEC,no.OTuI8,Mar 2011.
[3]F.Cugini,M.Secondini,N.Sambo,G.Bottari,G.Bruno,P.Iovanna,and P.Castoldi,「Push−Pull Technique for Defragmentation in Flexible Optical Networks」,Proceeding of OFCNFOEC,no.JTh2A.40,Mar.2012.
[4]K.Wen,Y.Yin,D.Geisler,S.Chang,and S.J.Ben Yoo,「Dynamic On−demand Lightpath Provisioning Using Spectral Defragmentation in Flexible Bandwidth Networks」,Proc.of ECOC,no.Mo.2.K.4,2011.
[5]X.Yu,J.Zhang,Y.Zhao,T.Peng,Y.Bai,D.Wang,and X.Lin,「Spectrum Compactness based Defragmentation in Flexible Bandwidth Optical Networks」,Proc.of OFCNFOEC,no.JTh2A.35,2012.
[6]X.Wang,Q.Zhang,I.Kim,P.Palacharla,and M.Sekiya,「Utilization Entropy for Assessing Resource Fragmentation in Optical Networks」,Proc.of OFCNFOEC,no.OTh1A.2,2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ネットワークにおけるフラグメンテーションを測定して評価し、スペクトルリソースを効率よく提供する方法を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様は、波長分割多重化(WDM)光ネットワーク内で使用されるネットワーク装置で実行する方法を含む。この方法は、(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求める(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)ステップと、(b)未検討ノードペア(s,d)を選択するステップと、(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択するステップと、(d)前記経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって前記経路kのビットマップを求めるステップと、(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択するステップと、(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求めるステップと、
(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返すステップと、(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返すステップと、(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返すステップと、(j)次式:
【数1】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定するステップと、を含む。
【0012】
本発明の別の態様は、波長分割多重化(WDM)光ネットワークで使用されるネットワーク装置を含む。ネットワーク装置は、(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求める(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)第1の求出手段と、(b)未検討ノードペア(s,d)を選択する第1の選択手段と、(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択する第2の選択手段と、(d)経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって経路kのビットマップを求める第2の求出手段と、(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択する第3の選択手段と、(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求める第3の求出手段と、
(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返す第1の反復手段と、(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返す第2の反復手段と、(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返す第3の反復手段と、(j)次式:
【数2】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定する決定手段と、を含む。
【0013】
本発明の更に別の態様は、波長分割多重化(WDM)光ネットワークを含む。WDM光ネットワークはネットワーク装置を含み、そのネットワーク装置は、(a)各ノードペア(s,d)間のK個の最短経路を求め(s,d∈Vかつ|V|≦Kであり、Vは1組の構成変更可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードである)、(b)未検討ノードペア(s,d)を選択し、(c)ノードsとdとの間の未検討経路kを前記K個の最短経路のうちから選択し、(d)経路kに沿ったファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって経路kのビットマップを求め、(e)提供された回線速度の組Lから未検討回線速度lを選択し、(f)
各回線速度に必要なスペクトル及び使用可能なスペクトルのアイランドに基づいて、回線速度lの接続を提供する確率
αls,d,kを求
め、(g)提供された組Lの全ての回線速度が検討されるまで、ステップ(e)及び(f)を繰り返し、(h)ノードペア(s,d)間の前記K個の最短経路全てが検討されるまで、ステップ(c)〜(g)を繰り返し、(i)全てのノードペアが検討されるまで、ステップ(b)〜(h)を繰り返し、(j)次式:
【数3】
(Tは、スペクトルがスロットに入れられる粒度であり、Qlは回線速度lを要求する確率を示す)に従ってフラグメンテーション因子(FF)を決定する。
【0014】
本明細書の手段は、例えば、ソフトウェア、コンピュータプログラム、電子機器、コンピュータ、及び/又は専用のコントローラなどの1つ以上の様々な種類の構成要素を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1(a)】固定グリッドWDMネットワークのチャネル間隔を示す。
【
図1(b)】フレキシブルWDMネットワークのチャネル間隔を示す。
【
図2】ファイバーのスペクトルにおけるフラグメンテーションを示す。
【
図3】断片化されたスペクトルにおけるスペクトルのアイランド及び波長(wavelenght)スロットを示す。
【
図4】ネットワークフラグメンテーションを測定する手順のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
接続が複数のファイバーの上で波長連続性制約及びスペクトル連続性制約にてルーティングされるとき、ファイバーにおける使用可能及び使用中のスペクトルは相関する。ファイバーの状態は相関する。本発明者らはファイバー状態の相関を考慮する新しい手順を設計して、ネットワークフラグメンテーションを測定する。
【0017】
管理の複雑さを低減するために、スペクトルはTGHzの粒度でスロットに入れられる。スロットは、
図3に示すように波長スロットと呼ばれる。このように、スペクトルは、1組の連続する波長スロットによって表すことができ、それらの間で第1の波長スロットインデックスを波長とする。このように、ネットワークは、合計
【0019】
の波長スロットからなる。各波長スロットの状態は、2値変数によって表され、「1」は波長スロットが使用可能であることを示し、「0」は波長スロットが使用中であることを示す。ファイバーのスペクトル状態は、2値ベクトルによって表される。
【0020】
手順はまず各ペアのノード間の最大K個の最短経路を求める。このとき|V|≦Kである。次に、手順は、各ペアのノード(s,d)間の各経路kに沿って2値のスペクトル状態を求め、これは経路のビットマップと呼ばれる。経路のビットマップは、経路に沿って全てのファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって求められる。使用可能なスペクトルのアイランド(1組の連続する使用可能な波長スロットとして定義される)及び各回線速度に必要なスペクトルに基づき、手順は、(s,d)ノードペア間の経路kで回線速度lの接続を提供する確率、
αls,d,kを求める。最後に、(s,d)ノードペア間の経路kで回線速度lの接続を提供するこの確率、
αls,d,k、及び回線速度lを要求する確率、
Qlを用いて、手順はネットワークのフラグメンテーション因子FFを決定する。
【0021】
詳細な手順は、以下のように
図4に示すようなフローチャートによって説明される。
ステップ101で、手順は、各ペアのノード(s,d)間のK個の最短経路を求める(s,d∈Vかつ|V|≦Kである)。
【0022】
ステップ102で、手順は、まだ検討されていないノードペア(s,d)を選択する。
【0023】
ステップ103で、ノードペア間のK個の最短経路の間で、手順は未検討経路kを選択する。
【0024】
ステップ104で、手順は、選択した経路に沿ってファイバーのビットベクトルに対してビット単位論理AND演算を実行することによって選択した経路kのビットマップを求める。
【0025】
ステップ105で、手順は、回線速度の提供された組Lの中で未検討回線速度lを選択する。
【0026】
ステップ106で、手順は、(s,d)ノードペア間の経路kで回線速度をlとした接続を提供する確率、
αls,d,kを求める。
【0027】
ステップ107で、手順は、全ての回線速度が検討されているかどうかをチェックする。全ての回線速度が既に検討されている場合、次に手順はステップ108に進み、そうでない場合、手順はステップ105を繰り返す。
【0028】
ステップ108で、手順は、(s,d)ペア間のK個の最短経路が全て検討されているかどうかをチェックする。経路の少なくとも1つがまだ検討されていない場合、次に手順はステップ103を繰り返し、そうでない場合、手順はステップ109に進む。
【0029】
ステップ109で、手順は、ネットワークの全ての可能な(s,d)ペアが検討されているかどうかをチェックする。少なくとも1つの(s,d)ペアがまだ検討されていない場合、次に手順はステップ102を繰り返し、そうでない場合、手順はステップ110に進む。
【0030】
ステップ110で、手順は、各ノードペア間のK個の最短経路のそれぞれで可能な各回線速度の接続を提供する確率、及び回線速度lを要求する確率を用いてネットワークのフラグメンテーション因子を決定し、最終的に手順は終了する。フラグメンテーション因子は次のように決定される。
【0032】
(1)手順は、既存の方法に比べてネットワークにおけるフラグメンテーションを正確に測定する。
(2)手順を使用して、スペクトルリソースを効率よく提供する方法を評価し、設計する。
(3)手順は、経路計算サーバ(PCE)、OpenFlowコントローラ、及びノードでの分散コントローラなどの光制御プレーンに適用できる。
(4)手順は、適時のネットワークデフラグメンテーションの判断に適用できる。
(5)この手順を適用すると、より高いスペクトル効率及びより低い接続遮断に関してネットワーク性能を向上させることができる。
【0033】
本明細書に開示される方法は、ネットワーク装置内で実行することができる。
【0034】
上述のことは、あらゆる点で実例的及び例示的であるが限定的ではないものとして理解されるべきであり、本明細書に開示される発明の範囲は、発明を実施するための最良の形態からではなく、特許法で許されている最大限の幅広さに従って解釈されるようにむしろ特許請求の範囲から決定されるものである。本明細書に示し説明した実施形態は本発明の原理の単に例示であること、並びに当業者が本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正を実装することができることは理解されるべきである。当業者は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な他の機能の併用を実装することができる。