(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第一実施形態>
<装置の概要>
図1は本発明の一実施形態に係る貼合装置Aの説明図である。貼合装置Aは、2枚のパネルを貼り合わせて積層体を製造する装置である。本実施形態の場合、方形のパネルと方形のパネルとを貼り合わせた積層体を製造する。一方のパネルは例えば画像表示パネルであり、他方のパネルは例えばカバーパネルであり、その積層体は画像表示装置を構成する。画像表示パネルとしては例えば液晶表示パネル(例えば、LCD)であり、その表示面側(貼り合わせ過程では上面となる)にカバーパネル(例えば、カバーガラス)が貼り付けられる。カバーパネルは光透過性を有するパネルであり、例えばガラス板や樹脂板である。
【0013】
貼り合わされる2枚のパネルの少なくとも一方には、接着層を事前形成しておき、この接着層により2枚のパネルを貼り合せることができる。接着層は、接着剤の塗布等による被覆層、接着シート、接着フィルム等により形成することができる。
【0014】
貼合装置Aは、保持ユニット1と、昇降テーブル2と、チャンバユニット3と、ベーステーブル4と、チャンバユニット5と、移載ユニット6と、複数の昇降機構7と、給排気ユニット8A〜8Cとを含む。
【0015】
<保持ユニット>
図1、
図2(A)、
図2(B)、
図3(A)〜
図3(C)及び
図4(A)〜
図4(C)を参照して保持ユニット1を説明する。
図2(A)及び
図2(B)は保持ユニット1の説明図であり、その中央での断面図を示している。
図2(A)は接触部12の中間領域RMが膨出していない状態を示し、
図2(B)は中間領域RMが膨出した状態を示す。
図3(A)は接触部12の接触面CSの説明図であり、保持ユニット1の底面図である。
図3(B)は支持部材11の支持面111の説明図、
図3(C)はシート部材13の説明図である。
図4(A)はシート部材14を構成するシート141の説明図であり、その下面(シート142と貼り合される面)を示す。
図4(B)はシート部材14を構成するシート142の説明図であり、その下面(接触面CS)を示す。
図4(C)はシート部材14を構成するシート141の別例の説明図であり、その上面(シート部材13側の面)を示す。
【0016】
保持ユニット1は、互いに貼り合わされるパネルのうちの一方のパネルを保持する。保持ユニット1は、支持部材11と、接触部12とを備える。支持部材11は保持ユニット1の本体を構成する。接触部12は、保持されるパネルに接触する部分であり、支持部材11に支持されている。
【0017】
支持部材11には複数の給排気路PS1〜PS3が形成されている。複数の給排気路PS1〜PS3は、いずれも、支持面111に開口している。支持面111は、その長手方向両端部に位置する水平な一対の支持面111aと、一対の支持面111aの間に位置する支持面111bとを備える。一対の支持面111aと支持面111bとは、高さ方向にずれた位置に段違いに形成されており、支持面111bは、一対の支持面111aよりも上方にくぼんだ位置に位置している。つまり、支持面111には凹部(支持面111b)が形成されており、この凹部には後述するシート部材13が固定される。
【0018】
本実施形態の場合、支持面111は支持部材11の下面である。支持面111の輪郭形状(平面視形状)は、例えば、保持されるパネルと同形か相似形とすることができる。本実施形態の場合、支持面111は方形である。
【0019】
給排気路PS1は、支持面111の一辺側(ここでは一方(
図2(A)及び
図2(B)では左側)の支持面111a)において開口している。本実施形態では、給排気路PS1の開口個所を一か所としているが、給排気路PS1を分岐させて複数個所としてもよい。開口個所を複数とする場合、支持面111の一辺に沿って開口させてもよい。
【0020】
給排気路PS2は、支持面111の他辺側(ここでは他方(
図2(A)及び
図2(B)では右側)の支持面111a)において開口している。本実施形態では、給排気路PS2の開口個所を一か所としているが、給排気路PS2を分岐させて複数個所としてもよい。開口個所を複数とする場合、支持面111の他辺に沿って開口させてもよい。
【0021】
給排気路PS1と給排気路PS2は互いに連通し、かつ、給排気ユニット8Aに連通している。給排気路PS1及びPS2は、主として、パネルの吸着保持のために利用される。支持面111に形成される給排気路PS1及びPS2の開口部の数や配置態様は、保持するパネルの形状等に応じて適宜設計可能である。
【0022】
給排気路PS3は、支持面111(ここでは支持面111b)において複数個所(ここでは四か所)で開口している。支持面111における給排気路PS3の開口部は一か所であってもよい。本実施形態の場合、給排気路PS3の開口部は、支持面111の中央部(支持面111bの中央部)に形成されている。本実施形態の場合、支持面111の中央部は、保持されるパネルの中央部に対向する位置である。給排気路PS3は給排気ユニット8Bに連通している。
【0023】
本実施形態の場合、支持面111bには環状の溝112が形成されている。また、本実施形態の場合、支持面111bには複数の溝113が形成されている。複数の溝113は給排気路PS3の開口部に連続させて分岐形成されており、本実施形態の場合、網目状に延び、溝112に連続している。溝112や、溝113の機能については後述する。
【0024】
一対の支持面111aには、複数の取付孔114が形成されている。複数の取付孔114は本実施形態の場合ねじ孔であり、接触部12を構成するシート部材14がねじ12bで一対の支持面111aに固定される。
【0025】
本実施形態の場合、接触部12は、大別すると、シート部材13とシート部材14とを備えており、これらのシート部材を積層させて形成されている。シート部材13はシート部材14と支持部材11との間に位置している。換言すると、シート部材13は支持部材11側に位置し、シート部材14は反対側(パネル側)に位置している。シート部材14は、更に、シート141及びシート142の積層体である。シート部材14の下面は接触面CSを構成する。接触面CSは、保持されるパネルに接触する面である。
【0026】
接触部12は、
図3(A)に示すように端部領域EA1及びEA2と、中間領域RMとを含む。端部領域EA1及びEA2は接触部12の両端部に位置し、中間領域RMは端部領域EA1と端部領域EA2との間に位置している。中間領域RMは支持部材11に固定されず、パネル側へ膨出可能な領域であり、端部領域EA1及びEA2は支持部材11にねじ12bで固定された固定領域であり、パネル側へ膨出不能な領域である。本実施形態の場合、中間領域RMはシート部材13及びシート部材14により構成され、端部領域EA1及びEA2はシート部材14のみにより構成されている。
【0027】
接触面CSのうち、端部領域EA1及びEA2はパネルの粘着保持が可能な粘着性を有していてもよい。これによりパネルの保持力を向上できる。パネルを保持する際、端部領域EA1がパネルの一方端部を、端部領域EA2がパネルの他方端部を、それぞれ粘着するように端部領域EA1及びEA2の位置が設計されてもよい。中間領域RMは、パネルの粘着が不能な非粘着性を有していてもよいし、パネルの粘着保持が可能な粘着性を有していてもよい。中間領域RMの粘着性は、端部領域EA1及びEA2の粘着性と同じであるか、または端部領域EA1及びEA2の粘着性よりも低いかのいずれであってもよい。
【0028】
パネルの保持力向上の点で、接触面CSの全面、すなわち端部領域EA1、EA2及び中間領域RMが粘着性を有していることが好ましい。本実施形態では、接触面CSの全面が粘着性を有している構成を想定する。
【0029】
次に、
図3(A)に示すように接触面CSには、複数の開口部12aが形成されている。複数の開口部12aは、給排気路PS1及び給排気路PS2と連通しており、給排気ユニット8Aの稼働により、開口部12aの近傍における接触部12の下方の空気が給排気路PS1及び給排気路PS2内に吸引される。本実施形態の場合、複数の開口部12aは中間領域RMにマトリックス状に分布しているが、端部領域EA1及びEA2にも開口部12aを設けてもよい。
【0030】
シート部材13は、可撓性を有するシートにより形成されている。シート部材13は支持面111bと同じ面積を有し、中央部131を除くその周囲部分が支持面111bに全体的に固着されている。シート部材13の厚さは、本実施形態の場合、一対の支持面111aと支持面111bとの高さの差と同じであり、シート部材13の下面(シート部材14側の面)は、一対の支持面111aと面一である。
【0031】
中央部131は、その輪郭が環状の溝112と重なる仮想的な領域であり、本実施形態の場合、円形の領域である。中央部131は支持面111bからパネル側へ膨出可能な膨出部を構成している。中央部131のことを膨出部131と呼ぶ場合がある。
【0032】
支持面111上の給排気路PS3の開口部は、中間領域RM、特に、シート部材13の膨出部131に臨んで開口している。膨出部131は、給排気路PS3内と接触部12の周囲雰囲気との差圧によって支持部材11から膨出可能である。支持面111bに形成した溝112と溝113により、膨出部131内の気圧が均等になることが促進され、膨出部131を凸面状に膨出させることが可能である。
【0033】
溝112はまた、シート部材13と支持面111bとの固着領域及び非固着領域を画定する境界溝でもある。シート部材13を接着剤により支持面111bに固着する場合、接着剤が溝112で囲まれる領域内にはみ出ると、膨出部131が支持面111bに部分的に固着され、膨出が妨げられるおそれがある。溝112を形成したことで、溝112で囲まれる領域内にはみ出そうとする接着剤が溝112に入り込み、該領域内にはみ出ることが防止される。
【0034】
次に、シート部材14について説明する。シート部材14は、外形が同じシート141とシート142とを積層し、互いに全体に渡って接着剤等で固着して形成されている。シート141及びシート142はいずれも可撓性を有している。
【0035】
シート141には、シート141を厚み方向に貫通する開口部141a、141bが形成されている。開口部141aは、支持部材11の一方の支持面111aに開口した給排気路PS1の開口部と重なる位置に形成されており、給排気路PS1と連通する。また、開口部141bは、支持部材11の他方の支持面111aに開口した給排気路PS2の開口部と重なる位置に形成されており、給排気路PS2と連通する。
【0036】
シート141には、また、複数の溝141cが形成されている。複数の溝141cは、シート141の下面(シート142側の面)に形成されている。本実施形態の場合、複数の溝141cは、シート141の長手方向に延びる一つの溝と、この溝と交差する複数の溝とから構成されており、開口部141a及び141bに連通している。溝141cの構成はこれに限られず、開口部141a又は開口部141bと連通していればよい。
【0037】
シート141の長手方向の両端部には、複数の取付孔141dが形成されている。複数の取付孔141dは、支持部材11の支持面111aに形成された複数の取付孔114と重なる位置に形成され、シート141を厚み方向に貫通する。
【0038】
シート142には、シート142を厚み方向に貫通する複数の開口部12aが形成されている。上述した複数の溝141cは、複数の開口部12aと重なるように配置されている。シート141の下面にシート142を重ねることで、シート141の下面側において複数の溝141cは閉空間となり、連通路が形成される。この連通路は、開口部141a及び141bを介して給排気路PS1及びPS2と複数の開口部12aとを連通させる。
【0039】
シート142の長手方向の両端部には、複数の取付孔142aが形成されている。複数の取付孔142aは、支持部材11の支持面111aに形成された複数の取付孔114と重なる位置に形成され、シート142を厚み方向に貫通する。
【0040】
シート部材14は、
図3(A)に示すように、端部領域EA1及びEA2において複数のねじ12bで支持部材11に固定される。シート部材14の中央部である中央領域RMは支持部材11に固定されず、パネル側へ膨出可能となっている。また、シート部材13とシート部材14との接触面は互いに固着されず、単に重なっているだけである。
【0041】
図2(B)は中間領域RMの膨出例を示している。同図の例では、給排気路PS3に給気している。これにより膨出部131と支持面111bとの隙間に加圧された空気が供給され、接触部12の周囲雰囲気(外部雰囲気)よりもこの隙間内の気圧が高くなる。この結果、膨出部131が下向きに凸状に膨出し、シート部材14が膨出部131により下方へ押圧され、シート部材14の中間領域RMが下向きに凸状に膨出している。膨出部131により、中間領域RMの中心部において押圧力を強めることで、シート部材14の中間領域RMを、その周縁部から中央部にかけて比較的なだらかに膨出させることができる。シート部材13及び14はこのような膨出が可能な範囲での可撓性あるいは伸縮性を有する材料及び膜厚のシート材で構成することができる。
【0042】
接触面CSが粘着性を有する構成の場合、シート142は例えば粘着性を有するように表面が加工されたシリコーンゴムシート等であり、洗浄によって繰り返し粘着性が復元するものであってもよい。シート141は例えばプラスチックである。
【0043】
中間領域RMをより円滑に膨出させるために、シート141に複数の溝を形成してもよい。
図4(C)はその一例を示す。同図の例は、シート141の上側の面(支持部材11側の面)を示しており、線状の溝141eが複数本形成されている。各溝141eはシート141の長手方向と交差する方向(ここでは直交方向)に延設され、かつ、長手方向に配列されている。膨出部131を膨出させたときに、シート141が各溝141eを起点にして撓み易く、すなわち折り曲がり易くなり、シート141を可撓性が低い材料で構成しても、シート部材14の中間領域RMを膨出させやすくなる。
【0044】
<貼合装置の他の構成>
図1を参照して、貼合装置Aの他の構成について説明する。昇降テーブル2は水平姿勢で配設された板状の部材であり、複数の昇降機構7により上下に平行移動される。昇降機構7はベーステーブル4に支持された支柱71と、駆動機構72とを備える。昇降機構7は例えばボールねじ機構であり、支柱71の一部に形成されたボールねじ上を、駆動機構72が移動する。駆動機構72はボールナットと、ボールナットを回転させるモータ等の駆動源と、歯車装置等の動力伝達機構とを備える。駆動機構72は昇降テーブル2に搭載されており、複数の昇降機構7を同期させて駆動することで、昇降テーブル2を水平姿勢で昇降させることができる。
【0045】
保持ユニット1は昇降機構21を介して昇降テーブル2に支持されている。昇降機構21は昇降軸212と、昇降軸212を昇降する駆動機構211とを備える。昇降機構21は例えばボールねじ機構やラック−ピニオン機構である。昇降軸212の下端部には保持ユニット1が固定されている。したがって、昇降機構21の駆動により保持ユニット1を昇降できる。
【0046】
昇降テーブル2の下面には、チャンバユニット3が固定されている。チャンバユニット3は、下方が開放した箱体であり、その内部空間31に保持ユニット1が進退可能に収容される。チャンバユニット3の天部には昇降軸212が挿通される貫通孔32が形成されており、昇降軸212及び貫通孔32を囲繞して筒状のベローズ33が固定されている。ベローズ33は、その上端がチャンバユニット3における内部空間31を臨む下面に、その下端が保持ユニット1に接続される。このベローズ33により、内部空間31が貫通孔32、すなわちチャンバユニット3の上方空間と連通することが防止され、内部空間31の気密性を保持することができる。これによって、内部空間31の気密性を保持したまま、保持ユニット1を昇降させることができる。チャンバユニット3の内部空間31は給排気ユニット8Cと連通している。
【0047】
ベーステーブル4上には、複数の支柱41を介して、チャンバユニット5が支持されている。チャンバユニット5の上面には、パネルが載置される載置台51が固定されている。載置台51は保持ユニット1に対向するように配置されている。
【0048】
チャンバユニット5の上面周縁部には、その全周に渡ってシール52が設けられている。昇降機構7により昇降テーブル2を下降させるとチャンバユニット3が下降され、チャンバユニット3の下面とチャンバユニット5の上面とが当接する。より正確には、チャンバユニット3の下面とシール52とが当接し、シール52が圧縮される。これによりチャンバユニット3とチャンバユニット5とに囲まれた内部空間31は気密な状態となる。
【0049】
ベーステーブル4には、移載ユニット6が搭載されている。移載ユニット6は、外部と、載置台51との間で、パネルの受け渡しを行う。移載ユニット6は、複数のピン61と、複数のピン61を支持する支持テーブル62と、支持テーブル62を支持する昇降機構63とを備える。各ピン61はチャンバユニット5を貫通形成されたピン孔5aに挿通させて設けられており、支持テーブル62の昇降により載置台51上に突出、退避が可能である。
図1は各ピン61が載置台51上に突出した状態を示している。昇降機構63は、例えば、エアシリンダや電動シリンダ等であり、支持テーブル62を水平姿勢で昇降する。支持テーブル62とチャンバユニット5の下面との間には、筒状のベローズ53が固定されている。具体的には、ベローズ53の上端がチャンバユニット5の下面に接続され、ベローズ53の下端が支持テーブル62の上面に接続される。このベローズ53により、チャンバユニット5の上方空間が、ピン孔5aを介してチャンバユニット5の下方空間と連通することが防止される。その結果、チャンバユニット5の上方空間の気密性を保持したまま、ピン61を昇降させることができる。
【0050】
給排気ユニット8A〜8Cは例えばポンプと、電磁制御弁とから構成される。給排気ユニット8Aは給排気路PS1、PS2の給気、排気、閉塞、開放が可能である。給排気ユニット8Bは給排気路PS3の給気、排気、閉塞、開放が可能である。給排気ユニット8Aは昇降機構21の昇降軸212内に形成した給排気路を介して給排気路PS1及びPS2と連通している。同様に、給排気ユニット8Bは昇降機構21の昇降軸212内に形成した給排気路を介して給排気路PS3と連通している。給排気ユニット8Cは内部空間31の給気、排気、閉塞、開放が可能である。
【0051】
<制御ユニット>
図5は貼合装置Aの制御を行う制御ユニット9のブロック図である。制御ユニット9は、CPU等の処理部91と、RAM、ROM等の記憶部92と、外部デバイスと処理部91とをインターフェースするインターフェース部93と、を含む。インターフェース部93には、ホストコンピュータとの通信を行う通信インターフェースも含まれる。ホストコンピュータは、例えば、貼合装置Aが配置された製造設備全体を制御するコンピュータである。
【0052】
処理部91は記憶部92に記憶されたプログラムを実行し、各種のセンサ95の検出結果や上位のコンピュータ等の指示に基づいて、各種のアクチュエータ94を制御する。各種のセンサ95には、例えば、昇降機構21により昇降される保持ユニット1の位置を検出するセンサ、複数の昇降機構7により昇降される昇降テーブル2の位置を検出するセンサ、移載ユニット6により昇降される支持テーブル62の位置を検出するセンサ等、各種のセンサが含まれる。各種のアクチュエータ94には、例えば、給排気ユニット8A〜8Cの駆動源、電磁制御弁、昇降機構21の駆動源、昇降機構7の駆動源、駆動機構63の駆動源が含まれる。
【0053】
<制御例>
処理部91の制御例について
図6〜
図11を参照して説明する。ここでは、内部空間31を真空とし、内部空間31内でパネル同士を貼り合せる例を説明する。真空中でパネル同士を貼り合せることでパネル間に気泡が混入することを防止し易くなる。
【0054】
図6の状態ST1は、貼合装置Aに、貼り合わせ対象となるパネルP1とパネルP2とが搬入される状態を示している。パネルP1は例えばカバーパネルであり、パネルP2は例えば画像表示パネルである。パネルP2の上面には別工程により未硬化の接着層が事前形成されている。
【0055】
チャンバユニット3とチャンバユニット5とは上下に離間した状態にある。複数のピン61は載置台51から突出した状態にあり、保持ユニット1の接触部12がチャンバユニット3の下面よりも僅かに下方に位置している。
【0056】
パネルP2は不図示の移載ロボットによって貼合装置Aに搬入され、複数のピン61上に載置される。パネルP1は不図示の移載ロボットによって接触部12の直下に搬入され、後述する手順で保持ユニット1に保持される。
【0057】
状態ST2で、複数のピン61を下降させ、パネルP2が複数のピン61から載置台51上に移載される。パネルP1を保持した保持ユニット1を昇降機構21により上昇させ、内部空間31内に位置させる。
【0058】
図7の状態ST3でチャンバユニット3を下降させ、チャンバユニット3の下面をチャンバユニット5の上面に当接させて内部空間31を気密にする。このとき、パネルP1とパネルP2とは上下に離間している。給排気ユニット8Cの駆動により内部空間31内の空気を排気し、内部空間31を真空状態にする。
【0059】
内部空間31を真空状態に維持したまま、状態ST4でパネルP1を保持した保持ユニット1を昇降機構21によりパネルP2側へ下降させ、パネルP1とパネルP2とを貼り合わせる。パネルの貼り合わせを真空下で行うので、パネル間に気泡が混入するのを防止できる。その後、給排気ユニット8Cにより内部空間31を大気開放する。
【0060】
図8の状態ST5で保持ユニット1を昇降機構21により上昇させ、パネルP1から保持ユニット1を分離させる。載置台51上には貼り合わされたパネルP1とパネルP2の積層体P3が載置された状態となる。状態ST6でチャンバユニット3を上昇させ、内部空間31が密閉状態から開放される。また、複数のピン61を上昇させて載置台51から積層体P3を持ち上げる。不図示の移載ロボットが積層体P3を貼合装置A外へ搬出して一単位の処理を終了する。
【0061】
図9〜
図11を参照して保持ユニット1の動作について説明する。まず、
図6の状態ST1において保持ユニット1がパネルP1を保持する動作を説明する。
図9の状態ST101は保持ユニット1の直下にパネルP1が搬入された状態を示す。パネルP1は移載ロボットのハンドH上に載置されている。
【0062】
状態ST102で昇降機構21により保持ユニット1をパネルP1上に下降させる。膨出部131は、パネルP1の中央部に対向する位置に位置している。接触部12をパネルP1の上面に接触させることで、接触部12がパネルP1に粘着する。この粘着と共に給排気ユニット8Aを駆動して、給排気路PS1及びPS2内の空気を排気し、吸引を行う。これによって、開口部12aから空気が吸引され、接触部12にパネルP1が吸着される。状態ST103で昇降機構21により保持ユニット1を上昇させ、
図6の状態ST2になる。
【0063】
なお、接触部12によってパネルP1を粘着させると同時に保持ユニット1を上昇させ、この上昇を行いつつ給排気ユニット8AによってパネルP1を吸引、吸着させるようにしても良い。これによって、パネルP1の吸着及び上昇に伴うタクトタイムの短縮を図ることができる。
【0064】
図10の状態ST104は、
図7の状態ST3に対応しており、内部空間31が真空状態になった状態である。パネルP1は保持ユニット1の接触部12に吸着された状態を継続している。状態ST105で、給排気路PS3内と接触部12の周囲雰囲気(内部空間31内の雰囲気。ここでは真空。)とに差圧を生じさせ、膨出部131を支持部材11から凸状に膨出させる。これにより、シート部材14の中間領域RMが支持部材11から凸状に膨出する。差圧の発生は、給排気ユニット8Bによる給排気路PS3の大気開放、または、給排気路PS3への加圧された空気AUPの給気により行う。
図10の例では、わかり易いように給排気路PS3に加圧された空気AUPを給気している矢印を示している。ここで、状態ST105の膨出の前に、給排気ユニット8Bにより給排気路PS3内の空気を排気し、膨出部113を支持部材11の支持面111bに吸着させておいてもよい。これにより、不意に中間領域RMが膨出することを防止できる。
【0065】
加圧された空気AUPの給気により、シート部材14の中間領域RMがパネルP2側へ凸状に膨出し、シート部材14の中間領域RMの膨出に倣ってパネルP1が弾性的に湾曲され、パネルP2側へ凸状に膨出する。ここで言う” 凸状に膨出”とは、シート部材14の中間領域RMがパネルP2側へ凸面状に湾曲するということである。
【0066】
このとき、支持部材11とパネルP1との間に接触部12が介在しているので、接触部12が緩衝部材となって、パネルP1の湾曲は比較的緩やかなものとなる。つまり、パネルP1に直接給気して湾曲させる場合よりも、接触部12が介在していることで、極端な曲げが発生することを防止し易くなる。また、パネルP1への加圧は、気圧差を利用したものであるので、加圧力がパネルP1の特定の部分に極端に集中するということはなく、広範囲に加圧力を分散させることができる。したがって、パネルP1の損傷を抑制することができると共にパネルP1の脱落を防止できる。更にパネルP1の湾曲を制御し易くなる。
【0067】
更に本実施形態の場合、膨出部131により、シート部材14の中間領域RMの中心部において押圧力を強めることで、シート部材14の中間領域RMを、その周縁部から中央部にかけて比較的なだらかに膨出させることができる。このため、パネルP1もその周縁部から中央部にかけて比較的なだらかに湾曲させることができ、パネルP1の損傷を更に抑制すると共にパネルP1の脱落を防止できる。
【0068】
また、シート部材14をシート141とシート142との二層構造とし、その内部に溝141cによる開口部12aの流通路を形成したので、開口部12aを任意の位置に形成でき、シート部材14の中間領域RMの膨出中において、パネルP1の中央部を含む複数の位置での吸着を維持することができる。
【0069】
更に、接触面CSの全面が粘着性を有するので、接触面CSの全面でパネルP1が粘着されるため、真空下でも保持力の確保が容易であり、また、保持ユニット1に対するパネルP1の位置ずれが防止される。位置ずれの防止は、パネルP1とパネルP2との貼合位置の精度向上に寄与する。
【0070】
パネルP1がパネルP2側へ凸状に膨出することにより、パネルP1の中央部が最初にパネルP2に接触する。続く状態ST106で昇降機構21により保持ユニット1を下降させ、パネルP1とパネルP2とを全面的に接触させる。これにより、貼り合わせが完了し、積層体P3が得られる。ここで、パネルP1の中央部をパネルP2に接触させた後に保持ユニット1を下降させていくことにより、パネルP1の中央部における凸状の膨出は押し戻される。その結果、パネルP1とパネルP2の接触は、中央部のみの面接触から全面での面接触へと放射状に広がっていく。これにより、パネルP1とパネルP2との間に気泡が混入していたとしても、気泡はパネルP1及びパネルP2の周辺部へ押し出されながら、パネルP1とパネルP2との貼り合わせが行われてゆく。本実施形態の場合、パネルP1、P2の貼り合わせを真空下で行うので、空気はほぼ存在しないが、気泡の混入を完全に無くすことは困難である。しかしながら、仮にパネルP1とパネルP2との間に気泡が混入したとしても、空気を周辺部へ押し出すようにパネルP1とパネルP2との貼り合わせを行うことで、気泡は完全にパネルP1、P2の外側に押し出され、気泡の混入が無い積層体P3を得ることができる。
【0071】
パネルP1、P2の貼り合わせが完了した後、上記のとおり、内部空間31が大気開放される。
図11の状態ST107に示すように、給排気路PS1及びPS2の排気を終了して吸着を解除する。給排気路PS1及びPS2は大気開放してもよい。また、給排気路PS3内への加圧された空気AUPの供給が停止される。このとき、給排気路PS3を大気開放するようにしてもよく、又は給排気路PS3内への加圧された空気AUPの給気を継続してもよい。
【0072】
次に、保持ユニット1とパネルP1とを分離する動作に移る。状態ST108では、給排気ユニット8Aを駆動して、給排気路PS1及びPS2に加圧された空気AUPを給気する。開口部12aから加圧された空気AUPを噴出させ、接触面CSからパネルP1を積極的に分離させる。このように給排気路PS1、PS2はパネルP1の吸着だけでなく、分離促進にも利用できる。給排気路PS3を大気開放させ(又は加圧された空気AUPを給気し)、さらに昇降機構21により保持ユニット1を上昇させると共に、膨出部113の膨出によって中間領域RMを凸状に膨出させる。これも接触部12とパネルP1との分離を促進し、パネルP1とパネルP2の積層体を載置台51に抑えておくことができる。状態ST109では、給排気路PS1及びPS2への加圧された空気AUPの給気停止と、給排気路PS3の大気開放(又は加圧された空気AUPの給気)を停止した状態を示す。
【0073】
以上によりパネルP1、P2の貼り合わせが完了する。なお、本実施形態では、真空下でパネルP1とパネルP2との貼り合わせを行ったが、大気雰囲気下で行ってもよい。この場合、内部空間31の形成及び内部空間31を真空にするための構成は不要である。大気雰囲気下で貼り合わせを行う場合も、給排気路PS1、PS2の給排気は真空下で行う場合と同様であるが、膨出部113を膨出させる際は、給排気路PS3を大気開放させるだけでは膨出させることができない。このため、このときは給排気路PS3内に加圧された空気AUPを給気し、給排気路PS3内を大気圧よりも高くする必要がある。
【0074】
<第二実施形態>
第一実施形態では、シート部材13の弾性変形により中間領域RMを膨出させたが、可動部材の変位により中間領域RMを膨出させる構成も採用可能である。以下、その構成例を説明する。
【0075】
図12(A)および
図12(B)は、第一実施形態の保持ユニット1に代わる保持ユニット1Aの説明図である。以下の説明ならびに図面では、保持ユニット1Aの構成のうち、保持ユニット1と同じ構成または同様の構成については同じ符号を付している。よって、以下の説明では、保持ユニット1と保持ユニット1Aの相違点を中心に説明するが、概説すると、保持ユニット1Aはシート部材13に代えて可動部材15が設けられている。
【0076】
図12(A)および
図12(B)は、保持ユニット1Aの中央ならびに可動部材15を通る折れ線上の切断面における断面図を示しており、
図12(A)は接触部12の中間領域RMが膨出していない状態を示し、
図12(B)は中間領域RMが膨出した状態を示す。
図13(A)は接触部12の接触面CSの説明図であり、保持ユニット1Aの底面図である。
図13(B)は支持部材11の支持面111の説明図である。
図13(C)および(D)は、可動部材15の斜視図であり、
図13(C)は上側(昇降軸212側)から見た斜視図であり、
図13(D)は下側(シート部材14側)から見た斜視図である。
図14(A)はシート部材14を構成するシート141の説明図であり、その下面(シート142と貼り合される面)を示す。
図14(B)はシート部材14を構成するシート142の説明図であり、その下面(接触面CS)を示す。
【0077】
保持ユニット1Aは、支持部材11と接触部12とを備える。支持部材11には複数の給排気路PS1〜PS3が形成されている。複数の給排気路PS1〜PS3は、いずれも、支持面111に開口している。支持面111は、その長手方向両端部に位置する水平な一対の支持面111aと、一対の支持面111aの間に位置する支持面111bとを備える。本実施形態の場合、一対の支持面111aと支持面111bとは、段差なく連続している。
【0078】
支持面111bには中間領域RMに対応する位置において開口した凹部111cが形成されており、この凹部111cには可動部材15が挿入される。凹部111cと可動部材15の組は一組みでもよいが、本実施形態では複数組(ここでは16組)設けられている。16組の凹部111cおよび可動部材15は、中間領域RM内においてマトリックス状に配置されており、支持面111bの長手方向に例えば四行、短手方向に例えば四列配置されている。
【0079】
凹部111cは、可動部材15の変位を案内する案内穴を構成している。本実施形態の場合、可動部材15は、シート部材14側へ支持面111bから突出した突出位置(
図12(B))と、支持面111bよりも上方に引っ込ませた非突出位置(
図12(A))との間で変位可能である。凹部111cの形状は、可動部材15の形状に合わせて形成されており、本実施形態の場合、円形断面の筒状に形成されている。凹部111cは、その上側の壁部に形成された凹部111dを介して給排気路PS3と連通している。
【0080】
可動部材15は、全体として円柱形状をなしており、例えば、アルミニウムなどの金属材料から構成される。可動部材15の上面には凹部15aが形成され、可動部材15の下面には押圧面15cを形成している。押圧面15cは凸面状に形成されている。可動部材15の側周面には、全周に渡って溝15bが形成されており、この環状の溝15bにはOリング等のシール部材16が嵌めこまれる。シール部材16は、凹部111cの内周面と可動部材15の側周面との間に介在して、給排気通路PS3側の空間と、シート部材14側の空間とをシールし、エア漏れを防いでいる。
【0081】
本実施形態の場合、接触部12は、上述した可動部材15とシート部材14とを備えている。可動部材15はシート部材14と支持部材11との間に位置しており、可動部材15がシート部材14側へ変位する(突出する)ことでシート部材14を膨出させることができる。
【0082】
接触部12は、
図13(A)に示すように端部領域EA1及びEA2と、中間領域RMとを含む。中間領域RMは支持部材11に固定されず、パネル側へ膨出可能な領域であり、端部領域EA1及びEA2は支持部材11にねじ12bで固定された固定領域であり、パネル側へ膨出不能な領域である。本実施形態の場合、中間領域RMには可動部材15が配置され、端部領域EA1及びEA2はシート部材14のみにより構成されている。
【0083】
接触面CSのうち、端部領域EA1及びEA2はパネルの粘着保持が可能な粘着性を有していてもよい。これによりパネルの保持力を向上できる。パネルを保持する際、端部領域EA1がパネルの一方端部を、端部領域EA2がパネルの他方端部を、それぞれ粘着するように端部領域EA1及びEA2が構成され、所定の位置に配置される。中間領域RMは、パネルの粘着が不能な非粘着性を有していてもよいし、パネルの粘着保持が可能な粘着性を有していてもよい。中間領域RMの粘着性は、端部領域EA1及びEA2の粘着性と同じであるか、または端部領域EA1及びEA2の粘着性よりも低いかのいずれであってもよい。
【0084】
パネルの保持力向上の点で、接触面CSの全面、すなわち端部領域EA1、EA2及び中間領域RMが粘着性を有していることが好ましい。本実施形態では、接触面CSの全面が粘着性を有している構成を想定する。
【0085】
図13(A)に示すように接触面CSには、複数の開口部12aが形成されている。複数の開口部12aは、後述する連通路(溝141c及び開口部141a、141b)を介して給排気路PS1及び給排気路PS2と連通されている。よって、給排気ユニット8Aの稼働により、開口部12aの近傍における接触部12の下方の空気が開口部12aを介して給排気路PS1及び給排気路PS2内に吸引される。本実施形態の場合、複数の開口部12aは中間領域RMにマトリックス状に分布しているが、端部領域EA1及びEA2にも開口部12aを設けてもよい。
【0086】
次に、シート部材14について説明する。シート部材14は、第一実施形態と同様であり、外形が同じシート141とシート142とを積層し、互いに全体に渡って接着剤等で固着して形成されている。シート141及びシート142はいずれも可撓性を有している。
【0087】
シート141には、シート141を厚み方向に貫通する開口部141a、141bが形成されており、開口部141aは、給排気路PS1と連通する。また、開口部141bは、支持部材11の他方の支持面111aに開口した給排気路PS2の開口部と重なる位置に形成されており、給排気路PS2と連通する。
【0088】
シート141には、また、シート141の下面(シート142側の面)に複数の溝141cが形成されている。本実施形態の場合、複数の溝141cは、シート141の短手方向に延びる一つの溝と、この溝と交差する複数の溝とから構成されたフィッシュボーン状の集合溝であり、開口部141a及び141bに連通している。
【0089】
シート141の長手方向の両端部には、支持面111aに形成された複数の取付孔114と重なる位置に、複数の取付孔141dが形成されている。
【0090】
シート142には、シート142を厚み方向に貫通する複数の開口部12aが形成されており、上述した複数の溝141cと複数の開口部12aとが重なるように配置されている。すなわち、前述した「複数の開口部12aは中間領域RMにマトリックス状に分布」というのは、これら複数の溝141cに沿って、かつ、溝141cに臨んで複数の開口部12aが開口形成されるということである。ここで、複数の開口部12aが、「複数の溝141cに沿って、かつ、溝141cに臨んで」開口形成されているというのは、直線的や千鳥状の規則的な配置や、ランダムで不規則な配置の両方を含む。シート141の下面にシート142を重ねることで、シート141の下面側において複数の溝141cは閉空間となり、連通路が形成される。この連通路を介して、開口部141a及び141bと複数の開口部12aとが連通される。
【0091】
シート142の長手方向の両端部には、支持面111aに形成された複数の取付孔114と重なる位置に、複数の取付孔142aが形成されている。
【0092】
シート部材14は、
図13(A)に示すように、端部領域EA1及びEA2において複数のねじ12bで支持部材11に固定される。シート部材14の中央部である中央領域RMは支持部材11に固定されず、パネル側へ膨出可能となっている。
【0093】
図12(B)は中間領域RMの膨出例を示している。同図の例では、加圧された空気が給排気路PS3に給気される。これにより凹部111cへ加圧された空気が供給され、接触部12の周囲雰囲気(外部雰囲気)よりも凹部111d内や凹部111c内の凹部15a内の気圧が高くなる。この結果、可動部材15が凹部111cから押し出されるようにしてシート部材14側へ突出する。シート部材14が可動部材15により下方へ押圧され、シート部材14の中間領域RMが下向きに凸状に膨出される。可動部材15を複数設けたことで、シート部材14の中間領域RMを、その周縁部から中央部にかけて比較的なだらかに膨出させることができる。シート部材14はこのような膨出が可能な範囲での可撓性あるいは伸縮性を有する材料及び膜厚のシート材で構成することができる。可動部材15の押圧面は凸面状をなしているので、膨出によりシート部材14が変形したとしても、押圧面の少なくとも一部が必ずシート部材14に接触されるため、接触状態を維持することができる。また、可動部材15の押圧面とシート部材14とが接触する際に、一部に過度な圧力がかかってシート部材14が破損したりするおそれがない。その結果、繰り返し応力付与時におけるシート部材14の耐久寿命が向上する。なお、
図4(C)に例示したように中間領域RMをより円滑に膨出させるために、シート141に複数の溝を形成してもよい。
【0094】
本実施形態の場合、各凹部111cは、共通の給排気路PS3に連通しているため、気圧は同じである。しかし、凹部111cによって異なる給排気路PS3に連通するようにし、凹部111cによって気圧が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、中間領域RMの中央側に位置する凹部111c内の気圧が、中間領域RMの周縁側に位置する凹部111c内の気圧よりも高くなるように、異なる給排気路PS3に気圧差を持たせて給気するようにしてもよい。
【0095】
中間領域RMの膨出を終了させ、
図12(A)の状態に戻す場合、凹部111c内の気圧を接触部12の周囲雰囲気(外部雰囲気)と同圧とすればよい。シート部材14が元の形状に復帰する弾性力によって可動部材15が押圧され、非突出位置に引っ込む。凹部111c内の気圧を接触部12の周囲雰囲気(外部雰囲気)よりも減圧してもよく、その場合、可動部材15が非突出位置に戻り易くなる。
【0096】
保持ユニット1Aを用いた制御例(パネル同士の貼合例)は、
図6〜
図11を参照して説明した保持ユニット1の場合と同じである。すなわち、第一実施形態における膨出部113の膨出が、可動部材15のシート部材14側への突出に置き換えられるだけである。本実施形態の場合、可動部材15の突出を利用して中間領域RMの膨出を行うので、シート部材13の変形を利用した保持ユニット1よりも、耐久性の面で有利な場合がある。