特許第6181816号(P6181816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181816設定装置、設定装置の設定方法、および、設定装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181816
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】設定装置、設定装置の設定方法、および、設定装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170807BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G06F3/041 534
   G06F3/041 595
   G06F3/041 662
   B62D1/04
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-119859(P2016-119859)
(22)【出願日】2016年6月16日
(62)【分割の表示】特願2012-54054(P2012-54054)の分割
【原出願日】2012年3月12日
(65)【公開番号】特開2016-192221(P2016-192221A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】荒川 克憲
(72)【発明者】
【氏名】坂本 強
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 誠一
(72)【発明者】
【氏名】大石 智也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−194667(JP,A)
【文献】 特開平11−039093(JP,A)
【文献】 特開2009−298285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
B62D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部がなぞられた軌跡の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報に基づき、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記第1領域と前記第2領域を設定後、前記入力部に対する接触がない状態であっても、前記設定を維持し、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする設定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設定装置において、
前記第1領域と前記第2領域との位置情報を記憶する記憶手段と、
をさらに備えることを特徴とする設定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の設定装置において、
前記設定手段は、前記軌跡を境に前記ステアリングの外周側を前記第1領域、前記ステアリングの中心部側を前記第2領域として設定することを特徴とする設定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の設定装置において、
前記設定手段は、移動体が走行状態になったと判断した場合に、前記設定を行うことを特徴とする設定装置。
【請求項5】
ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部のうち、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定手段を備え、
前記設定手段は、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする設定装置。
【請求項6】
入力部を設定するための設定装置の設定方法において、
ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部がなぞられた軌跡の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報に基づき、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定ステップと、
を含み、
前記設定ステップにおいて、前記第1領域と前記第2領域を設定後、前記入力部に対する接触がない状態であっても、前記設定を維持し、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする設定方法。
【請求項7】
入力部を設定するための設定装置の設定方法において、
ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部のうち、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定ステップを含み、
前記設定ステップにおいて、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする設定方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の設定装置として機能させることを特徴とする設定装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、設定装置、設定装置の設定方法、および、設定装置用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
移動体の一例の車両の運転中に、車両に搭載された電子機器等を操作するための入力装置が開発されている。例えば下記特許文献1には、車両のステアリングを把持した状態で操作可能な位置に設けられた複数のタッチパッドを備えた入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−157917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術では、運転中の操作性を考慮し、ステアリングを握ったまま、タッチパッドに触れることができるが、運転するユーザが運転中に誤ってタッチパッドに触れ、ユーザが意図しない電子機器等への操作が発生してしまう。
【0005】
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、ユーザに合わせて、ユーザが意図しない操作の発生を防止する設定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部がなぞられた軌跡の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づき、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記第1領域と前記第2領域を設定後、前記入力部に対する接触がない状態であっても、前記設定を維持し、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部のうち、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定手段を備え、
前記設定手段は、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする。
【0007】
また請求項に記載の発明は、入力部を設定するための設定装置の設定方法において、ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部がなぞられた軌跡の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報に基づき、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定ステップと、を含み、前記設定ステップにおいて、前記第1領域と前記第2領域を設定後、前記入力部に対する接触がない状態であっても、前記設定を維持し、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする。また、請求項7に記載の発明は、入力部を設定するための設定装置の設定方法において、ステアリングに取り付けられ、接触による操作入力を受け付ける入力部のうち、前記ステアリングを保持する手の指の届く第1領域を、前記操作入力を受け付けない状態に設定し、前記指の届かない第2領域を、前記操作入力を受け付ける状態に設定する設定ステップを含み、前記設定ステップにおいて、前記第2領域に対する接触があった場合に、前記第1領域に対する操作入力を受け付ける状態に設定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る入力装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1実施例に係る入力装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施例に係る入力装置の取り付けの一例を示す模式図である。
図4】ユーザによる入力部の状態設定の一例を示す模式図である。
図5】第1実施例に係る入力装置における入力部の状態設定の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】ユーザの指が入力部に触れる様子の一例を示す模式図である。
図7】ユーザの指が触れた軌跡の一例を示す模式図である。
図8】第1実施例に係る入力装置におけるホールド解除動作の一例を示すフローチャートである。
図9】ホールド解除後の入力装置における表示の一例を示す模式図である。
図10】区分線の第1変形例を示す模式図である。
図11】区分線の第2変形例を示す模式図である。
図12】区分線の算出の第3変形例を示す模式図である。
図13図12の区分線の算出の一例を示す模式図である。
図14】区分線の算出の第4変形例を示す模式図である。
図15】区分線の算出の第5変形例を示す模式図である。
図16】区分線の算出の第6変形例を示す模式図である。
図17】区分線の算出の第7変形例を示す模式図である。
図18】区分線の設定の様子を示す模式図である。
図19】第2実施例に係る入力装置の一例を示す模式図である。
図20】第3実施例に係る入力装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る入力装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、操作対象を操作するための入力装置10(設定装置の一例)は、位置情報取得手段10aと、部分設定手段10bと、入力部状態設定手段10cと、を備えて構成されている。ここで、操作対象の一例として、空調装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、電話、インターネット閲覧用のブラウザ等が挙げられる。
【0011】
この構成において位置情報取得手段10aは、入力装置10を取り付ける取付対象がユーザの手によって保持された状態で、ユーザからの入力を受け付ける入力部にユーザの指が届く位置に関する位置情報を、入力部から取得する。この入力装置10の入力部の一例として、タッチパネル、タッチパッド、スイッチ等が挙げられる。また、入力装置10の一例として、パーソナルコンピュータやスマートフォンを含む携帯型無線電話機やPDA等の携帯端末が挙げられる。さらに、入力装置10の入力部の一例として、携帯端末の画面の入力部が挙げられる。また、入力装置10を取り付ける取付対象の一例として、車両、自動二輪車、航空機、船舶等の移動体のステアリング、ダッシュボード等、ユーザの手の届く範囲の場所が挙げられる。また、位置情報の一例として、ユーザの指が入力部に接触した接触点、接触面、ユーザの指が入力部をなぞった軌跡等の入力部における座標等の位置に関する情報が挙げられる。
【0012】
部分設定手段10bは、位置情報取得手段10aが取得した位置情報に基づき、入力部において第1部分と第2部分とを設定する。
【0013】
入力部状態設定手段10cは、部分設定手段10bが設定した第1部分および第2部分に対して、第1部分を、操作対象を操作するための操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分を、操作入力を受け付ける状態に設定する。ここで、操作入力の一例として、空調装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、電話、インターネット閲覧用のブラウザ等を操作するための入力が挙げられる。
【0014】
以上説明したように、実施形態に係る入力装置10の動作によれば、ユーザからの入力を受け付ける入力部を有し、操作対象を操作するための入力装置において、入力装置を取り付ける取付対象がユーザの手によって保持された状態で、ユーザの指が入力部に届く位置に関する位置情報を、入力部から取得し、取得した位置情報に基づき、入力部において第1部分と第2部分とを設定し、第1部分を、操作対象を操作するための操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分を、操作入力を受け付ける状態に設定することにより、ユーザの手によって保持された状態でユーザの指が入力部に届く位置を基準に、ユーザに合わせて第1部分と第2部分とが設定できるので、ユーザに合わせて、ユーザが意図しない操作の発生を防止できる。
【実施例】
【0015】
[1.入力装置の構成および機能概要]
次に、上述した実施形態に対応する具体的な第1実施例について、図2および図3を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、移動体の一例である車両等に取り付けられた入力装置(設定装置の一例)に対して、本願を適用した場合の実施例である。
【0016】
図2に示すように、実施形態に係る入力装置10の一例としての入力装置10は、ユーザからの入力を受け付ける入力部11と、操作対象20を操作するための操作信号を出力する操作信号出力部12と、入力装置10を制御するためのプログラム等を記憶する記憶部13と、入力装置10の外部との送受信を行う通信部14と、入力装置10を制御するシステム制御部15と、入出力インターフェース部16と、を備えている。そして、システム制御部15と入出力インターフェース部16とは、システムバス17を介して接続されている。
【0017】
入力装置10は、操作信号出力部12を介して、空調装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、電話等の操作対象20に接続されている。また、入力装置10は、ユーザからの入力に関する情報を処理するコンピュータとして機能する。入力装置10は、入力部11で受け付けた操作入力に基づき、操作信号を操作対象20に出力する。
【0018】
入力部11は、例えば、表示機能と位置入力機能を有するタッチパネルである。表示機能の部分は、例えば、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成される。位置入力機能の部分は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式等を実現する素子により構成される。そして、入力部11は、位置入力機能により、ユーザの指等が接触または近接した入力部11の面の位置情報を、所定の分解能の画素単位で取得する。なお、入力部11は、入力部11におけるユーザの指等が接触または近接した位置情報を取得するためタッチパッドでもよい。
【0019】
操作信号出力部12は、各操作対象20とのインターフェースの機能を有する。操作信号出力部12は、各操作対象20と接続され、各操作対象20に操作信号を出力する。
【0020】
記憶部13は、例えば、シリコンディスクドライブ等からなる。記憶部13は、入力部11の設定状態を記憶したり、入力装置10を制御するための各種プログラム等を記憶したりする。各種プログラムは、オペレーティングシステム、入力部11から取得した位置情報を処理するプログラム等が挙げられる。なお、各種プログラムは、例えば、無線通信網等のネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0021】
通信部14は、操作対象20や、車両の速度、車両の走行位置、車両のギアの状態等の走行に関連する走行関連情報を測定する機器等と通信を制御する。なお、入力装置10は、通信部14を介して、操作対象を含む機器に接続している。
【0022】
システム制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)15aと、ROM(Read Only Memory)15bと、RAM(Random Access Memory)15cとを有する。システム制御部15は、CPU15aが、ROM15bや、RAM15cや、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。例えば、システム制御部15は、入力部11で受け付けた入力を判定するプログラムを実行する。
【0023】
入出力インターフェース部16は、入力部11等の各部とシステム制御部15とのインターフェースである。
【0024】
また、入力装置10は、入力部11に指が触れた時間を測定するために内部時計(図示せず)を有する。
【0025】
次に、図3に示すように、入力装置10の入力部11R(11)、11L(11)は、移動体の一例である車両のステアリング30の表側に取り付けられている。
【0026】
ステアリング30は、ステアリングシャフト(図示せず)と接続されたステアリング本体部31と、車両を運転するユーザが握る部分であり、リング形状を有するステアリングホイール部32と、を有する。
【0027】
入力部11は、ステアリング本体部31の表側において、中心部からステアリングホイール部32側に取り付けられている。すなわち、ユーザがステアリングホイール部32を握る際、ユーザの親指が入力部11R、11Lに触れることができる位置に入力部11R、11Lが設置されている。ステアリングホイール部32の回転位置が、車両の直進状態の位置の場合、ユーザが車両の運転席に座った際の、ステアリング本体部31のユーザの左手側に、入力部11Lが取り付けられ、ステアリング本体部31のユーザの右手側に、入力部11Rが取り付けられる。
【0028】
次に、図3に示すように、車両には、操作対象20の一例として、空調装置21と、カーナビゲーション装置22、オーディオ装置23等が設置されている。また、操作対象20の一例として、ユーザの携帯型無線電話機と近距離無線通信規格で接続し、ユーザが携帯型無線電話機を受けられるようにするための通信機器(図示せず)も設定されている。これらの操作対象20は、入力装置10の操作信号出力部12および通信部14と接続している。
【0029】
空調装置21は、コンプレッサー(図示せず)、車両内に空調された空気を送風する送風部(図示せず)を有し、車両の内部の温度、湿度を制御する。空調装置21の吹き出し口21aが、車両内に設置されている。
【0030】
カーナビゲーション装置22は、タッチパネル等を含む表示部22aと、加速度センサやジャイロセンサやGPS(Global Positioning System)センサ等の各種のセンサと、
CPU、RAMおよびROM等を含む処理部、情報を記憶する記憶部と、入力装置10等の他の機器との通信を行う通信部と、カーナビゲーション装置22を操作するための操作部と、を有する。なお、カーナビゲーション装置22は、インターネットに接続でき、表示部22aにおいて、インターネットの閲覧ができる構成を有していてもよい。
【0031】
オーディオ装置23は、CD、DVD等の再生、ラジオやテレビの電波を受信して、音をスピーカに出力し、映像をカーナビゲーション装置22の表示部22aに出力する。
【0032】
[2.入力装置の動作]
次に、実施例に係る入力装置の動作について図4から図9を用い説明する。
【0033】
(2.1 入力部の状態設定の動作例)
まず、入力部の状態設定の動作例について、図4から図7を用い説明する。
図4は、ユーザによる入力部の状態設定の一例を示す模式図である。図5は、第1実施例に係る入力装置における入力部の状態設定の動作の一例を示すフローチャートである。図6は、ユーザの指が入力部に触れる様子の一例を示す模式図である。図7は、ユーザの指が触れた軌跡の一例を示す模式図である。
【0034】
図4に示すように、入力部11の状態設定をするために、ユーザは、車両の運転席に座り、ステアリングホイール部32を握る。そして、ユーザは、左右の親指を入力部11に当てる。具体的には、入力部11Lには、左手の親指、入力部11Rには、右手の親指を当てる。そして、ユーザはステアリングホイール部32を握ったまま、親指で上から下向きに入力部11R、11Lの面をなぞる。
【0035】
次に、図5に示すように、入力装置10は、入力部11における接触の位置情報を取得する(ステップS1)。具体的には、図6に示すように、位置情報取得手段の一例として、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11Rの面において、ユーザの指5によりなぞられた部分のx座標およびy座標の位置情報(ユーザの指が届く位置に関する位置情報の一例)を入力部11Rから取得する。さらに具体的には、図7に示すように、システム制御部15は、ある時間におけるユーザの指が接触している部分の接触領域Cのx座標およびy座標の位置情報(ユーザの指が届く位置に関する位置情報の一例)を入力部11から取得する。そして、システム制御部15は、ある時間間隔で、接触領域Cの位置情報を取得することにより、接触領域Cの軌跡T1のx座標およびy座標の位置情報(ユーザの指が届く位置に関する位置情報の一例)を取得する。
【0036】
なお、システム制御部15は、入力部11Lからも位置情報を取得する。また、入力部11Rにおいて、x軸は、ステアリング本体部31中心部から、ステアリングホイール部32側に向かう方向である。入力部11Lにおいて、x軸は、ステアリングホイール部32側から、ステアリング本体部31中心部に向かう方向である。
【0037】
このように、入力装置10のシステム制御部15は、入力装置10を取り付ける取付対象の一例のステアリング30がユーザの手によって保持された状態で、ユーザからの入力を受け付ける入力部11にユーザの指が届く位置に関する位置情報を、入力部11から取得する位置情報取得手段の一例として機能する。
【0038】
次に、入力装置10は、取得した位置座標から区分線を算出する(ステップS2)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、位置情報の一例として、接触領域Cの軌跡T1のx座標およびy座標の位置情報から区分線D1を算出する。例えば、システム制御部15は、接触領域Cの軌跡T1において、ステアリングホイール部32側(入力部におけるユーザの手によって保持された側の一例)と反対のステアリング本体部31中心部側の曲線を算出し区分線D1とする。この際、システム制御部15は、接触領域Cのx座標の値が最小の値の点の軌跡から、区分線D1を算出する。すなわち、この区分線D1は、入力部11Rにおけるユーザの手によって保持された側から離れた位置に設定される。なお、システム制御部15は、入力部11Lからは、接触領域Cのx座標の値が最大の値の点の軌跡から、区分線を算出する。
【0039】
ここで、指が短いユーザは、区分線D1が、指が長いユーザより、ステアリングホイール部32側になりやすい。また、入力部11Rおよび入力部11Lにおいて、区分線の形状、位置等は、異なってもよい。
【0040】
次に、入力装置10は、区分線に基づき入力部11に第1部分と第2部分とを設定する(ステップS3)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11Rにおいて、区分線D1から、ユーザの手によって保持された側の一例のステアリングホイール部32側(ステアリングの外側)(ステアリングの外周側の一例)を第1部分11aに設定し、ステアリング本体部31中心部側(ステアリングの内側)を第2部分11bに設定する。そして、入力装置10は、記憶部13に第1部分11aの領域の位置座標および、第2部分11bの領域の位置情報を記憶する。なお、入力装置10は、記憶部13に区分線D1の座標情報を記憶してもよい。
【0041】
このように、入力装置10のシステム制御部15は、位置情報に基づき、入力部11において第1部分11aと第2部分11bとを設定する部分設定手段の一例として機能する。また、入力装置10のシステム制御部15は、第1部分11aを、入力部11におけるユーザの手によって保持された側に設定する部分設定手段の一例として機能する。また、入力装置10のシステム制御部15は、位置情報に基づき、入力部11を第1部分11aと第2部分11bとに区分する区分線D1を算出し、当該区分線D1に応じて入力部11に第1部分11aと第2部分11bとを設定する部分設定手段の一例として機能する。
【0042】
次に、入力装置10は、第1部分および第2部分の状態を設定する(ステップS4)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、第1部分11aの状態を、操作対象20への操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分11bの状態を、操作対象20への操作入力を受け付ける状態に設定する。例えば、車両が走行を始めた走行状態において、システム制御部15は、第1部分11aの状態を、操作対象20への操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分11bの状態を、操作対象20への操作入力を受け付ける状態に設定する。ここで、走行状態の例として、車両の速度が所定の速度以上になった場合、ギアがドライブ状態になった場合等が挙げられる。
【0043】
このように、入力装置10のシステム制御部15は、第1部分11aを、操作対象20を操作するための操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分11bを、操作入力を受け付ける状態に設定する入力部状態設定手段の一例として機能する。
【0044】
(2.2 ホールド解除の動作例)
次に、操作対象20への操作入力を遮断するホールド状態を解除の動作例について、図8および図9を用いて説明する。
図8は、第1実施例に係る入力装置におけるホールド解除動作の一例を示すフローチャートである。図9は、ホールド解除後の入力装置における表示の一例を示す模式図である。
【0045】
入力装置10のシステム制御部15は、通信部14を介して、走行関連情報を取得し、車両が走行状態になったと判定すると、操作対象20へのユーザが意図しない操作等を防ぐため、入力部11R、11Lの状態を、操作対象20への操作入力を受け付けないホールド状態にする。なお、カーナビゲーション装置22が直接の操作入力を受け付けないホールド状態になるようにしてもよい。
【0046】
このように、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11を、操作入力を受け付け無いホールド状態に設定するホールド状態設定手段の一例として機能する。
【0047】
そして、システム制御部15は、システム制御部15は、第1部分11aの状態を、操作対象20へのホールド状態の解除の操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分11bの状態を、操作対象20へのホールド状態の解除の操作入力を受け付ける状態に設定する。
【0048】
このように、入力装置10のシステム制御部15は、第1部分11aを、第1部分11aから入力を受け付けてもホールド状態を解除し無い状態に設定し、第2部分11bを、第2部分11bから入力を受け付けるとホールド状態を解除する状態に設定する入力部状態設定手段の一例として機能する。
【0049】
次に、図8に示すように、入力装置10は、入力部11における接触の位置情報を取得する(ステップS10)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11R、11Lのユーザの指が接触している部分の接触領域Cの各画素のx座標およびy座標の位置情報を取得する。
【0050】
次に、入力装置10は、接触の位置が第2部分か否かを判定する(ステップS11)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、記憶部13を参照して、接触領域Cの領域の一部が、第2部分11bの領域に入っているか否かを判定する。例えば、システム制御部15は、入力部11Rの接触領域Cの領域の各画素が、第2部分11bの領域の画素か否かを判定する。
【0051】
接触の位置が第2部分でない場合(ステップS11;NO)、入力装置10は、ステップS10の処理に戻る。
【0052】
接触の位置が第2部分の場合(ステップS11;YES)、入力装置10は、ホールド状態を解除する(ステップS12)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11R、11Lのホールド状態を解除し、操作入力が受け付けられる状態にする。例えば、図9に示すように、システム制御部15は、入力部11Rの画面に操作入力を受け付けるための表示をする。なお、このとき、カーナビゲーション装置22のホールド状態を解除するように、入力装置10が通信部14を介して、カーナビゲーション装置22のホールド状態を解除する信号を送信してもよい。また、カーナビゲーション装置22の表示部22aに図9に示すような表示ができるように、入力装置10が通信部14を介して、信号を送ってもよい。
【0053】
なお、ユーザの指が、入力部11Rの第2部分11bに接触されたと判定された場合、システム制御部15は、入力部11Lのホールド状態を解除せず、入力部11Rのみホールド状態を解除してもよい。
【0054】
次に、入力装置10は、操作入力を受け付ける(ステップS13)。具体的には、入力装置10のシステム制御部15は、入力部11R、11Lから、操作対象20への操作入力を受け付ける。例えば、図9に示すように、入力部11Rにおいて、接触した位置に基づき、空調の温度を上げる、または、温度を下げるための操作入力を受け付ける。
【0055】
そして、ホールド解除の状態の間に、入力部11R、11Lへの接触が無く、入力部11R、11Lからの入力が無い場合、例えば、操作入力が無い無操作状態が一定時間続く場合、システム制御部15、入力部11R、11Lの状態をホールド状態に戻す。
【0056】
以上説明したように、実施例に係る動作によれば、ユーザからの入力を受け付ける入力部11を有し、操作対象20を操作するための入力装置10において、入力装置10を取り付ける取付対象(例えば、ステアリング本体部31)がユーザの手によって保持された状態で、ユーザの指5が入力部11に届く位置に関する位置情報を、入力部11から取得し、取得した位置情報に基づき、入力部11において第1部分11aと第2部分11bとを設定し、第1部分11aを、操作対象20を操作するための操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分11bを、操作入力を受け付ける状態に設定することにより、ユーザの手によって保持された状態でユーザの指5が入力部11に届く位置を基準に、ユーザに合わせて第1部分11aと第2部分11bとが設定できるので、ユーザに合わせて、ユーザが意図しない操作の発生を防止できる。
【0057】
また、第1部分11aを、入力部11におけるユーザの手によって保持された側(例えば、ステアリングホイール部32側)に設定する場合、ユーザの指5から、ホールド状態を解除する等の操作対象20を操作するための操作入力を受け付ける第2部分11bがより遠い位置に設定されるので、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0058】
また、入力部11を、操作入力を受け付け無いホールド状態に設定し、第1部分11aを、第1部分11aから入力を受け付けてもホールド状態を解除し無い状態に設定し、第2部分11bを、第2部分11bから入力を受け付けるとホールド状態を解除する状態に設定する場合、ホールド状態を解除の操作というワンクッションの操作が必要になるため、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0059】
また、位置情報に基づき、入力部を第1部分11aと第2部分11bとに区分する区分線を算出し、当該区分線に応じて入力部11に第1部分11aと第2部分11bとを設定する場合、ステアリング30等の取付対象を保持しているユーザの指5の可動領域を検出できるので、ユーザに合わせて、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0060】
入力装置10の入力部11が、移動体のステアリング30に取り付けられた場合、移動体の走行中に、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0061】
なお、ステップS12のホールドの解除の処理を経ないで、ステップS13の操作入力を受け付けてもよい。例えば、操作対象20の一例の電話を受ける場合、電話が鳴り、ホールド解除領域の第2部分11bにユーザの指が触れる場合、ステップS12のホールドの解除の処理を経ないで、ステップS13の操作入力の受付の処理として、電話回線に接続できるようにしてもよい。また、走行中、渋滞情報等の確認画面がカーナビゲーション装置22の表示部22aに出た場合、ステップS12のホールドの解除の処理を経ないで、ステップS13の操作入力の受付の処理として、確認画面が消えるようにしてもよい。また、ホールド解除領域の第2部分11bにユーザの指が触れと、ホールド解除の処理を経ないで、エアコン装置等の設定温度が上がる、または、下がるようにしてもよい。
【0062】
(2.3 区分線に関する変形例)
次に、区分線に関する変形例について、図10から図18を用いて説明する。
【0063】
図10に示すように、入力部11Rに対する接触の軌跡T2の場合、システム制御部15が、位置情報の一例としての接触領域Cの軌跡T2のステアリング本体部31中心部側の線を外挿して、区分線D2を算出してもよい。外挿の線は、直線でもよいし、軌跡T2の曲率に応じた曲線でもよい。システム制御部15が、入力部11Rにおいて、区分線D2のステアリングホイール部32側を第1部分11a、区分線D2のステアリング本体部31中心部側を第2部分11bに設定する。
【0064】
また、図11に示すように、区分線は、位置情報の一例としての2つの接触領域Cの接線でもよい。ユーザが入力部11Rの2カ所に触り、システム制御部15が、2つの接触領域Cの位置情報を記憶部13に記憶する。システム制御部15が、2つの接触領域Cに接する接線の区分線D3を算出する。なお、2つの接触領域Cに接する接線は、ステアリング本体部31中心部側の接線である。システム制御部15が、入力部11Rにおいて、区分線D3のステアリングホイール部32側を第1部分11a、区分線D3のステアリング本体部31中心部側を第2部分11bに設定する。
【0065】
また、図12に示すように、区分線は、区分線D1よりステアリング本体部31中心部側に移動した区分線D4でもよい。システム制御部15は、ステップS2で区分線D1を算出して、区分線D1を所定距離、ステアリング本体部31中心部側に移動して区分線D4を算出する。また、図13に示すように、システム制御部15が、接触領域Cの中心部分の軌跡の線を算出し、ステアリング本体部31の中心部側に移動して区分線D4を算出してもよい。この場合、第2部分11bが、ステアリング本体部31中心部側にずれるので、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0066】
また、図14に示すように、ユーザの指5が接触した接触領域Cの位置情報から所定領域の縁に区分線D5を設定してもよい。システム制御部15が、接触領域Cの中心部または接触領域Cの縁から、所定距離に区分線D5を設定する。そして、システム制御部15が、接触領域Cから所定距離範囲内を第1部分11aに設定する。また、図15に示すように、区分線は区分線D6のように、楕円形でもよい。
【0067】
また、図16に示すように、ユーザの指5が接触した接触領域Cから所定距離の位置から所定領域を第2部分11bに設定してもよい。システム制御部15が、接触領域Cから、x軸の方向で、ステアリング本体部31中心部の方向に、第2部分11bの中心部を設定する。そして、システム制御部15が、この中心部から所定形状の区分線D7を設定し、この中心部から所定領域の第2部分11bを設定する。システム制御部15が、入力部11Rにおいて、第2部分11b以外を、第1部分11aに設定する。また、図17に示すように、所定領域の第2部分11bが、接触領域C側に凹んだ形状の区分線D8でもよい。この場合、第2部分11bが、ステアリング本体部31中心部側に凹んでいるので、ユーザが意図しない操作の発生をより防止できる。
【0068】
次に、区分線の設定の変形例について図18を用いて説明する。
図18は、区分線の設定の様子を示す模式図である。
【0069】
図18に示すように、位置変更手段の一例として、システム制御部15が、ユーザが第1部分11aの位置や大きさを設定してもよい。ユーザが2本の指で、例えば、入力部の入力面に対するユーザからの操作の一例として、入力部11Rをピンチアウトまたはピンチインした位置情報をシステム制御部15が取得し、区分線D9、第1部分11aおよび第2部分11bを設定する。このように、入力部11の入力面に対するユーザからの操作に基づき、第1部分と第2部分の大きさを変更する場合、ユーザが設定したい位置に、第1部分11aおよび第2部分11bを設定できる。
【0070】
[3.入力装置の他の実施例]
次に、入力装置の他の実施例について図19および図20を用いて説明する。
【0071】
第2実施例に係る入力装置ついて説明する。
図19は、第2実施例に係る入力装置の一例を示す模式図である。
【0072】
図19に示すように、スマートフォンやPDA等の携帯端末35(入力装置の一例)は、入力部36を有する。図19に示すように、携帯端末35がユーザの左手によって保持された状態で、ユーザが入力部36の面を指5によりなぞる。このなぞった軌跡に基づき、携帯端末35のシステム制御部(図示せず)は、ステップS3のように、区分線D10を求め、入力部36に第1部分36aと、第2部分36bとを設定する。なお、区分線D10は、なぞった軌跡より、携帯端末35がユーザの左手によって保持された側と反対側に、所定距離、離れた位置に設定される。さらに、携帯端末35がユーザの左手によって保持された側と反対側の入力部36の縁から、所定距離、離れた位置に区分線D11を携帯端末35が設定する。携帯端末35が、区分線D10と区分線D11との間に第2部分36bを設定する。区分線D11により、親指5以外の指の接触によるユーザの意図しない操作を防止できる。
【0073】
このように、携帯端末35は、入力装置の一例の携帯端末35がユーザの手によって保持された状態で、ユーザからの入力を受け付ける入力部11に、保持する手の指が届く位置に関する位置情報を、入力部から取得する位置情報取得手段の一例として機能する。
【0074】
以上、ユーザからの入力を受け付ける入力部を有し、操作対象を操作するための入力装置において、入力装置がユーザの手によって保持された状態で、保持する手の指が入力部に届く位置に関する位置情報を、入力部から取得し、取得した位置情報に基づき、入力部において第1部分と第2部分とを設定し、第1部分を、操作対象を操作するための操作入力を受け付け無い状態に設定し、第2部分を、操作入力を受け付ける状態に設定することにより、ユーザの手によって保持された状態でユーザの指が入力部に届く位置を基準に、ユーザに合わせて第1部分と第2部分とが設定できるので、ユーザに合わせて、ユーザが意図しない操作の発生を防止できる。
【0075】
次に、第3実施例に係る入力装置ついて説明する。
図20は、第3実施例に係る入力装置の一例を示す模式図である。
【0076】
図20に示すように、入力装置40は、入力部41(入力部41R、入力部41L)を有する。入力部41は、ステアリング本体部31の表側において、中心部からステアリングホイール部32側に取り付けられている。すなわち、ユーザがステアリングホイール部32を握る際、ユーザの親指が入力部41R、41Lに触れることができる位置に入力部41R、41Lが設置されている。
【0077】
入力部41R、41Lは、操作対象20を操作するための操作入力を受け付けるボタン型のスイッチ41a、41bを有している。スイッチ41a、41bは、入力部11のように、ユーザの指等の接触または近接をセンスする素子、または、ユーザの指5に押された場合をセンスする機械式の素子から構成されている。スイッチ41a、41bは、ステアリング本体部31に、ステアリングホイール部32側からステアリング本体部31の中心部に向かって、一列に配列されている。
【0078】
入力部41の状態設定を設定する場合、図20に示すように、入力部41の状態設定をするために、ユーザは、車両の運転席に座り、ステアリングホイール部32を握る。そして、ユーザは、左右の親指を入力部41に当てる。具体的には、入力部41Lには、左手の親指、入力部41Rには、右手の親指を当てる。そして、ユーザはステアリングホイール部32を握ったまま、親指で入力部41R、41Lのスイッチ41a、41bに触れる。
【0079】
次に、ステップS1のように、入力装置40は、入力部41における接触したスイッチ41a、41bを特定する。
【0080】
次に、入力装置40は、特定したスイッチ41a、41bのうち、最もステアリング本体部31の中心部側にあるスイッチ41a、41bから区分線D12を決定する。そして、入力装置40は、区分線D12からステアリングホイール部32側のスイッチを、第1部分11aに対応するスイッチ41aに設定し、区分線D12からステアリング本体部31中心部側のスイッチを、第2部分11bに対応するスイッチ41bに設定する。
【0081】
入力装置40の入力部41がホールド状態の場合、ユーザがスイッチ41aに触れても、ホールド状態は解除されないが、ユーザが指5を意識して伸ばしてスイッチ41bに触れると、ホールド状態が解除される。
【符号の説明】
【0082】
10、40:入力装置(設定装置)
10a:位置情報取得手段
10b:部分設定手段
10c:入力部状態設定手段
11、11R、11L、36、41:入力部
11a、36a、41a:第1部分
11b、36b、41b:第2部分
12:操作信号出力部
13:記憶部
14:通信部
15:システム制御部(位置情報取得手段、部分設定手段、入力部状態設定手段、ホールド状態設定手段、位置変更手段)
20:操作対象
21:空調装置(操作対象)
22:カーナビゲーション(操作対象)
23:オーディオ装置(操作対象)
30:ステアリング
31:ステアリング本体部
32:ステアリングホイール部
35:携帯端末(設定装置)
図1
図2
図3
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図6
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