(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリビニルアセタール樹脂と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性粒子とを含有する第1の接着剤層と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する第2の接着剤層とを有する異方性導電フィルムの第1の接着剤層側を第1の電子部品の電極上に仮貼りする仮貼工程と、
前記異方性導電フィルム上に第2の電子部品を配置し、該第2の電子部品の上面から圧着ヘッドにて押圧する押圧工程と
を有し、
前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基率は、20mol%以上40mol%以下である実装体の製造方法。
ポリビニルアセタール樹脂と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性粒子とを含有する第1の接着剤層と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する第2の接着剤層とを有する異方性導電フィルムによって、第1の電子部品の電極と、第2の電子部品の電極とが電気的に接続されてなり、
前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基率は、20mol%以上40mol%以下である実装体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.回路接続材料及びその製造方法
2.実装体及びその製造方法
3.実施例
【0012】
<1.回路接続材料及びその製造方法>
本実施の形態における回路接続材料は、導電性粒子を含有する第1の接着剤層と、第2の接着剤層とが積層された2層構造により、優れた粒子捕捉性を有するものである。
【0013】
第1の接着剤層は、ポリビニルアセタール樹脂と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性粒子とを含有する。
【0014】
ポリビニルアセタール樹脂は、下記化学式(1)に示すように、ポリビニルアルコール(PVA:polyvinyl alcohol)とアルデヒドとのアセタール化反応によって合成される。
【0016】
また、ポリビニルアセタール樹脂の一つであるポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとのブチラール化反応によって合成されるが、完全にブチラール化しないため、下記化学式(2)に示すようにアセチル基及び水酸基が残る。
【0018】
このようにポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニルアセタール樹脂は、重合度や、アセタール基(ブチラール基)、アセチル基、水酸基などの組織の割合により、熱的・機械的性質、溶融粘度が左右される。
【0019】
本実施の形態におけるポリビニルアセタール樹脂は、水酸基を有するため、カチオン重合を活性化させ、低温硬化性を向上させることができる。具体的なポリビニルアセタール樹脂の水酸基率は、20mol%以上40mol%以下であることが好ましく、30mol%以上40mol%以下であることがより好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の水酸基率が、上記範囲内であることにより、低温硬化性を向上させることができる。
【0020】
また、ポリビニルアセタール樹脂の常温における粘度は、50mPa・s以上200mPa・s以下であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の常温における粘度が、上記範囲内であることにより、常温でのSUSへの付着を防止し、膜性を向上させるとともに、仮貼り温度の上昇を抑え、仮貼り性を向上させることができる。なお、ポリビニルアセタール樹脂の粘度は、エタノール/トルエン=1/1の5%溶液又は10%溶液を溶剤とし、測定温度20℃で回転粘度計(BM型)を用いて測定したものである。
【0021】
また、ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上100℃以下であることが好ましく、80℃以上100℃以下であることがより好ましい。ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が、上記範囲内であることにより、圧着時の流動性を抑え、導電性粒子の捕捉性を向上させることができる。
【0022】
また、ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、第1の接着剤層の樹脂成分の合計100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の含有量が、上記範囲内であることにより、優れた低温硬化性、仮貼り性、及び膜性を得ることができる。
【0023】
カチオン重合性樹脂としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等の1官能性エポキシ化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート、ヒダントインエポキシ等の含複素環エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール−ポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;o−アリル−フェノールノボラック化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビスフェノールAのそれぞれの水酸基のオルト位にアリル基を有するジアリルビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;シッフ系化合物、スチルベン化合物およびアゾベンゼン化合物のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキサンとエピクロルヒドリンとの反応生成物等の含フッ素脂環式、芳香環式エポキシ樹脂等を用いることができる。これらの中でも、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等のカチオン重合性樹脂を単独又は混合して用いることが好ましい。
【0024】
カチオン重合開始剤は、カチオン種がエポキシ樹脂末端のエポキシ基を開環させ、エポキシ樹脂同士を自己架橋させるものである。このようなカチオン重合開始剤としては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレノニウム塩等のオニウム塩を挙げることができる。特に、芳香族スルホニウム塩は、低温での反応性に優れ、ポットライフが長いため、カチオン重合開始剤として好適である。
【0025】
導電性粒子は、例えば、ニッケル、金、銅等の金属粒子、樹脂粒子に金めっき等を施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したもの等を用いることができる。また、導電性粒子の平均粒径は、導通信頼性の観点から、1〜20μmとすることが好ましい。
【0026】
また、その他の添加組成物として、シランカップリング剤を添加することが好ましい。シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。また、無機フィラーを添加させてもよい。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。無機フィラーの含有量により、流動性を制御し、粒子捕捉率を向上させることができる。また、ゴム成分なども接合体の応力を緩和させる目的で、適宜使用してもよい。
【0027】
また、第2の接着剤層は、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する。カチオン重合性樹脂、及びカチオン重合開始剤は、第1のエポキシ樹脂と同様であるため、説明を省略する。また、その他の添加組成物として、第1のエポキシ樹脂と同様に、シランカップリング剤を添加することが好ましい。また、無機フィラー、ゴム成分などを添加してもよい。
【0028】
また、第1の接着剤層と同様、第2の接着剤層にポリビニルアセタール樹脂を含有させても構わない。この場合、ポリビニルアセタール樹脂の含有量を第1の接着剤層のポリビニルアセタール樹脂の含有量よりも少なくすればよい。
【0029】
このような構成からなる回路接続材料は、第1の接着剤層と第2の接着剤層との2層構
造を有し、第1の接着剤層にポリビニルアセタール樹脂が含有されているため、低温で圧着した場合でも導電性粒子の高い捕捉効率が得られ、優れた低温硬化性を得ることができる。
【0030】
次に、前述した回路接続材料が膜状に形成された異方性導電フィルムの製造方法について説明する。本実施の形態における回路接続材料の製造方法は、第1の接着剤層と、第2の接着剤層とを貼り合わせるものであり、第1の接着剤層を作成する工程と、第2の接着剤層を作成する工程と、第1の接着剤層と第2の接着剤層とを貼り付ける工程とを有する。
【0031】
第1の接着剤層を作成する工程では、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する接着剤組成物を溶剤に溶解させ、導電性粒子を添加する。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。第1の接着剤層の樹脂組成物を調整後、バーコーター、塗布装置などを用いて剥離基材上に塗布する。
【0032】
剥離基材は、例えば、シリコーンなどの剥離剤をPET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene-1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などの基材上に塗布した積層構造からなる。
【0033】
次に、剥離基材上に塗布された樹脂組成物を熱オーブン、加熱乾燥装置などにより乾燥させる。これにより、厚さ5〜50μm程度の第1の接着剤層を得ることができる。
【0034】
また、第2の接着剤層を作成する工程は、第1の接着剤層と同様、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する接着剤組成物を溶剤に溶解させる。そして、第2の接着剤層の樹脂組成物を調整後、これを剥離基材上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、第2の接着剤層を得ることができる。
【0035】
次の第1の接着剤層と第2の接着剤層とを貼り付ける工程では、第1の接着剤層と第2の接着剤層とを貼り付けて積層し、2層構造の異方性導電フィルムを作製する。
【0036】
なお、上述の実施の形態では、第1の接着剤層と第2の接着剤層とを貼り付けて製造することとしたが、これに限られるものではなく、一方の接着剤層を形成した後、他方の接着剤層の樹脂組成物を塗布し、乾燥させて製造してもよい。
【0037】
<2.実装体の製造方法>
次に、上述した回路接続材料を用いた実装体の製造方法について説明する。本実施の形態における実装体の製造方法は、上述した回路接続材料の第1の接着剤層側を第1の電子部品の電極上に仮貼りする仮貼工程と、回路接続材料上に第2の電子部品を配置し、第2の電子部品の上面から圧着ヘッドにて押圧する押圧工程とを有する。これにより、第1の電子部品の電極と、第2の電子部品の電極とが電気的に接続されてなる実装体を得ることができる。
【0038】
第1の電子部品としては、ガラス基板にIZO(Indium Zinc Oxide)膜がコーティングされたIZOコーティングガラス、ガラス基板にSiNx(シリコン窒化)膜がコーティングされたSiNxコーティングガラスなどが挙げられる。また、第2の電子部品としては、COF(Chip On Film)、IC(Integrated Circuit)などが挙げられる。
【0039】
本実施の形態では、ポリビニルアセタール樹脂と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性粒子とを含有する第1の接着剤層と、カチオン重合性樹脂と、カチオン重合開始剤とを含有する第2の接着剤層とが積層された2層構造の回路接続材料を用いることにより、低温で硬化させた場合でも導電性粒子の高い捕捉効率が得られ、優れた接続信頼性を得ることができる。
【実施例】
【0040】
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、ポリビニルアセタール樹脂を含有するACF層とNCF層とを積層させた2層構造の異方性導電フィルムを作製し、この異方性導電フィルムを用いて実装体を作製し、反応性、低温硬化性、仮貼り性、及び膜性の評価を行った。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
反応性、低温硬化性、仮貼り性、及び膜性の評価は、次のように行った。
【0042】
[反応性の評価]
示差走査熱量計DSC200(セイコー電子工業)を用い、試料10mgを、30℃から250℃まで10℃/minで昇温させたときの発熱ピークを測定した。
【0043】
[低温硬化性]
150℃の温度条件又は160℃の温度条件で圧着した実装体について、デジタルマルチメータ(デジタルマルチメータ7555、横河電機社製)を用いて4端子法にて電流1mAを流したときの各ピンの導通抵抗を測定し、最大値及び最小値を求めた。
【0044】
[仮貼り性の評価]
評価用ガラス基板(IZO(Indium Zinc Oxide)250nmコーティングガラス)上に、1.5mm幅にスリットされた異方性導電フィルムを1.5mm幅のツールの仮圧着機にて2MPa−1secの条件で仮圧着し、転着可能な温度の下限値を求めた。
【0045】
[膜性の評価]
常温で異方性導電性フィルムをステンレス板(SUS304)に貼り付け、引き剥がしたときのステンレス板への樹脂の付着の有無を調べた。なお、ステンレスは、異方性導電フィルムのテープを引き回すロールの材料である。
【0046】
[実施例1]
(異方性導電フィルムの作製)
フェノキシ樹脂(品名:YP−70、東都化成社製)を15質量部と、エポキシ樹脂(品名:YD−019、東都化成社製)を15質量部と、エポキシ樹脂(品名:EP828、JER社製)を35質量部と、特殊ポリビニルアセタール樹脂(品名:BX−1、積水化学工業社製、水酸基:33±3mol%、粘度:80〜130mPa・s(20℃)、ガラス転移温度(Tg):90℃)を15質量部と、シランカップリング剤(品名:A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2質量部と、カチオン重合開始剤(品名:SI−60L、三新化学社製)を10質量部とで構成された組成物中に、30質量部の導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を分散させた。これをPETフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、オーブンで乾燥させ、厚さ8μmのACF層を作製した。
【0047】
フェノキシ樹脂(品名:YP−70、東都化成社製)を30質量部と、エポキシ樹脂(品名:YD−019、東都化成社製)を20質量部と、エポキシ樹脂(品名:EP828、JER社製)を35質量部と、シランカップリング剤(品名:A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2質量部と、カチオン重合開始剤(品名:SI−60L、三新化学社製)を10質量部とで構成された組成物をPETフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、オーブンで乾燥させ、厚さ16μmのNCF層を作製した。
【0048】
前述のACF層とNCF層とをロールラミネータを用いて、ロール温度45℃にてラミネートし、ACF層とNCF層と2層構造の異方性導電フィルムを作製した。
【0049】
(実装体の作製)
異方性導電フィルムを用いて評価用ICチップ(バンプサイズ:30×85μm、ピッチ:50μm、金バンプ高さh=15μm)と評価用ガラス基板(ITOパターン、ガラス厚みt=0.7mm)とを接合した。
【0050】
先ず、1.5mm幅にスリットされた異方性導電フィルムのACF層側を評価用ガラス基板に仮貼りした。次に、異方性導電フィルムのNCF層側から評価用ICチップを搭載し、仮固定した。その後、ヒートツール1.5mm幅で、緩衝材として100μm厚みのポリテトラフルオロエチレンからなるシートを用い、150℃又は160℃、3MPa、5秒間(ツールスピード10mm/sec、ステージ温度40℃)の条件で圧着を行い、実装体を作製した。
【0051】
(評価結果)
表1に、実施例1の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は102℃であり、優れた反応性を有することが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.2Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.1Ω、最小値は0.2Ωであり、低温硬化性が向上したことが分かった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は50℃であり、優れた仮貼り性を有することが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着は無く、優れた膜性を有することが分かった。
【0052】
[実施例2]
特殊ポリビニルアセタール樹脂に代えて、ポリビニルブチラール樹脂(品名:BM−1、積水化学工業社製、水酸基:約34mol%、粘度:60〜100mPa・s(20℃)、ガラス転移温度(Tg):67℃)を用いてACF層を作製した以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムの作製し、実装体を作製した。
【0053】
(評価結果)
表1に、実施例2の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は102℃であり、優れた反応性を有することが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.3Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.2Ω、最小値は0.2Ωであり、低温硬化性が向上したことが分かった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は50℃であり、優れた仮貼り性を有することが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着は無く、優れた膜性を有することが分かった。
【0054】
[実施例3]
特殊ポリビニルアセタール樹脂を7.5質量部とし、ポリビニルブチラール樹脂(品名:BM−1、積水化学工業社製、水酸基:約34mol%、粘度:60〜100mPa・s(20℃)、ガラス転移温度(Tg):67℃)を7.5質量部としてACF層を作製した以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムの作製し、実装体を作製した。
【0055】
(評価結果)
表1に、実施例3の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は102℃であり、優れた反応性を有することが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.2Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.1Ω、最小値は0.2Ωであり、低温硬化性が向上したことが分かった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は50℃であり、優れた仮貼り性を有することが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着は無く、優れた膜性を有することが分かった。
【0056】
[比較例1]
フェノキシ樹脂(品名:YP−70、東都化成社製)を30質量部と、エポキシ樹脂(品名:YD−019、東都化成社製)を20質量部と、エポキシ樹脂(品名:EP828、JER社製)を35質量部と、シランカップリング剤(品名:A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2質量部と、カチオン重合開始剤(品名:SI−60L、三新化学社製)を10質量部とで構成された組成物中に、30質量部の導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を分散させてACF層を作製した以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムの作製し、実装体を作製した。
【0057】
(評価結果)
表1に、比較例1の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は106℃であり、実施例よりも反応性が劣ることが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.3Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は5.3Ω、最小値は1.8Ωであり、150℃の条件では導通が不十分であった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は50℃であり、優れた仮貼り性を有することが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着は無く、優れた膜性を有することが分かった。
【0058】
[比較例2]
フェノキシ樹脂(品名:YP−70、東都化成社製)を30質量部と、エポキシ樹脂(品名:YD−019、東都化成社製)を20質量部と、エポキシ樹脂(品名:EP828、JER社製)を45質量部と、シランカップリング剤(品名:A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2質量部と、カチオン重合開始剤(品名:SI−60L、三新化学社製)を15質量部とで構成された組成物中に、30質量部の導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を分散させてACF層を作製した以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムの作製し、実装体を作製した。
【0059】
(評価結果)
表1に、比較例2の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は102℃であり、優れた反応性を有することが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.2Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.3Ω、最小値は0.3Ωであった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は50℃であり、優れた仮貼り性を有することが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着が有ったため、実施例よりも膜性が劣ることが分かった。
【0060】
[比較例3]
フェノキシ樹脂(品名:YP−70、東都化成社製)を45質量部と、エポキシ樹脂(品名:YD−019、東都化成社製)を10質量部と、エポキシ樹脂(品名:EP828、JER社製)を35質量部と、シランカップリング剤(品名:A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2質量部と、カチオン重合開始剤(品名:SI−60L、三新化学社製)を15質量部とで構成された組成物中に、30質量部の導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を分散させてACF層を作製した以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムの作製し、実装体を作製した。
【0061】
(評価結果)
表1に、比較例3の評価結果を示す。異方性導電フィルムのDSCピーク温度は102℃であり、優れた反応性を有することが分かった。160℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.2Ω、最小値は0.3Ωであった。また、150℃の条件で圧着した実装体の導通抵抗値の最大値は1.3Ω、最小値は0.3Ωであった。また、仮圧着時の転着可能な温度の下限値は60℃であり、実施例よりも仮貼り性が劣ることが分かった。また、常温でのステンレスへの異方性導電性フィルムの付着は無く、優れた膜性を有することが分かった。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示すように、ACF層とNCF層とが積層された2層構造の異方性導電フィルムにおいて、ACF層に特殊ポリビニルアセタール樹脂やポリビニルブチラール樹脂を配合することにより、低温硬化性を向上させることができることが分かった。また、仮貼り性及び膜性も優れていることが分かった。