特許第6181828号(P6181828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181828多機能シールドを有する血液採取組立て品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181828
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】多機能シールドを有する血液採取組立て品
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/15 20060101AFI20170807BHJP
   A61B 5/154 20060101ALI20170807BHJP
   A61M 5/32 20060101ALN20170807BHJP
【FI】
   A61B5/14 300H
   A61B5/14 300E
   !A61M5/32 500
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-160723(P2016-160723)
(22)【出願日】2016年8月18日
(62)【分割の表示】特願2014-561109(P2014-561109)の分割
【原出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2016-195866(P2016-195866A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】61/608,195
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ホーン シム
(72)【発明者】
【氏名】ティオン イー シム
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−176928(JP,A)
【文献】 特開平08−107933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/15
A61B 5/154
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端と遠位端とシールドシートとを有するハウジングと、
該ハウジングから遠位方向に突出するIV端部と、前記ハウジングから基部方向に突出する非患者用端部とを有するカニューレと、
前記ハウジングに固定されたシールドであって、該シールドが前記カニューレの非患者用端部を覆う使用前位置と、前記シールドが前記カニューレのIV端部を覆うことができる使用位置とを有するシールドと、
を有する針組立て品。
【請求項2】
前記ハウジングは、該ハウジングにおいてチャンバーを定めるために、前記基端と前記遠位端との間に延在するチャンバー壁を備える請求項1に記載の針組立て品。
【請求項3】
前記カニューレは前記チャンバーとの液体連通の開口部を定める請求項2に記載の針組立て品。
【請求項4】
前記ハウジングは、第1部分と第2部分とを備え、前記第1部分は前記第2部分に固定され、前記シールドと前記ハウジングの第1部分は、一体化して形成されている請求項2に記載の針組立て品。
【請求項5】
前記シールドは、一体ヒンジを介して前記ハウジングの第1位置に固定され、前記シールドは、非シールド位置とシールド位置との間を枢軸回転可能である請求項4に記載の針組立て品。
【請求項6】
前記シールドは、前記カニューレの非患者用端部の部分を覆うのに適した非患者用部分と、前記カニューレのIV端部の部分を覆うのに適したIV部分とを備える請求項5に記載の針組立て品。
【請求項7】
前記シールドのIV部分は、前記シールドが使用位置にある時に、前記カニューレのIV端部と係合するのに適した針受けを含む請求項6に記載の針組立て品。
【請求項8】
前記シールドは前記カニューレの非患者用端部の部分を覆うのに適した非患者用部分と、前記カニューレのIV端部の部分を覆うのに適したIV部分とを備え、前記シールドのIV部分は、前記シールドが使用位置にある時、カニューレのIV端部と係合するのに適した針受けを含む請求項1に記載の針組立て品。
【請求項9】
前記ハウジングは突起を含み、前記シールドは、前記ハウジングに、前記シールドが前記ハウジングに対して、前記使用前位置と前記使用位置との間で、枢軸回転可能であるように、前記突起周りに固定される請求項1に記載の針組立て品。
【請求項10】
前記カニューレは二つの別個のカニューレを備える請求項1に記載の針組立て品。
【請求項11】
前記シールドは、前記使用位置で、前記シールドシートに係合され、前記IV端部の先端が露出される非シールド位置から、前記IV端部の先端がシールドされるシールド位置に回転可能である請求項1に記載の針組立て品。
【請求項12】
基端と遠位端とを有するハウジングと、
前記ハウジングから遠位方向に突出するIV端部と、前記ハウジングから基部方向に突出する非患者用端部とを有するカニューレと、
一対の間隔をあけて配された側壁であって、前記カニューレのIV端部の部分を受け入れるための空間を確立する側壁を備えるIVシールドであって、該IVシールドは、前記ハウジングに枢軸状に固定され、前記IVシールドが前記カニューレのIV端部の部分を覆う使用前位置と、IVシールドが非シールド位置とシールド位置との間を移動するのに適した使用位置とを有するIVシールドとを備え、
少なくとも1つの側壁は、IVシールドが前記使用前位置にある時に、前記ハウジングと一時的に係合するのに適した第1突起を備え、前記側壁の少なくとも1つは、前記IVシールドがシールド位置にある時に、前記ハウジングと永続的に係合するのに適した第2突起を備える針組立て品。
【請求項13】
前記側壁は、前記一対の側壁の間に延在する底壁を介して空間が形成されている請求項12に記載の針組立て品。
【請求項14】
前記IVシールドは、前記IVシールドが前記シールド位置にある時、前記カニューレのIV端部と係合するに適した針受けを含む請求項12に記載の針組立て品。
【請求項15】
前記側壁のそれぞれは、前記IVシールドが前記使用前位置にある時に、前記ハウジングと一時的に係合するのに適した一対の半球状突起を含む請求項12に記載の針組立て品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係する出願の相互参照をする。本出願の請求の範囲は、2012年3月8日に出願された米国仮出願第61/608、195号「血液採取のための多機能シールド」に優先される。先の出願の開示は、参照によってここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、針組立て品に関し、特に、シールド可能な血液採取針組立て品に関する。
【背景技術】
【0003】
針組立て品は患者から血液などの流体標本を採取するために用いられる。そのような針組立て品のいくつかは、真空の管とともに使用されることを意図されており、基端と遠位端と、この両端の間に延在する通路とを有するハウジングを含む。
そのような針組立て品はさらに、ハウジングに取り付けられた少なくとも1つの針カニューレを含む。針カニューレは、ハウジングを超えて遠位方向に突出する、先端が尖った遠位端と、近位方向に突出する近位端と、針カニューレの対向する端間の連通をもたらすルーメンとを含む。いくつかの針組立て品は、分離した基部及び遠位部のカニューレを含み、各カニューレのルーメンの間の連通をもたらすために、ハウジングの一部に依拠する。針カニューレの遠位端は、一般的に先端に向かって斜めに切られていて、これは、患者の肌に突き刺し、血管もしくは採取される流体源と連通するために十分に尖っているものである。針カニューレの基端は、真空の管上でのゴムのストッパーを突き刺すように設計されている。針カニューレの基端は、一般に、針突き刺し可能で再シール可能なマルチサンプルスリーブによってカバーされている。このスリーブは、真空の管のゴムストッパーによって圧縮されており、針カニューレの基端が真空の管と連通するように進められた時に、針カニューレの基端によって突き刺される。真空の管は、概して、ハウジングの基端に固定された針ホルダーによって収容されている。
【0004】
使用に先立って、針組立て品はまた、一般的に、針カニューレの遠位端と、針カニューレの基端にそれぞれ取り付けられたIVシールドと非患者用シールドを含んでいる。IVシールドと非患者用シールドは、ハウジングに摩擦保持され、シールドがハウジングから離れる軸方向の移動を通じて分離され得る。針アセンブリと真空の管との組み合わせは、最初に、針カニューレの尖った遠位端を患者の血管中に突き刺すことによって、使用される。ひとたび、狙った血管が連通されると、真空の管が、針カニューレの針ホルダー内に推し進められ、針カニューレの基端が管の隔壁を突き刺す。患者自身の脈管の圧力と同じくらいの、真空の管の中の低圧状態は、患者から、針カニューレを通って、真空の管の中への血液の流れを生む。真空の管は、十分な量の血液が採取された後は、針ホルダーから取り外されてもよい。分析のための血液の1または複数の追加のサンプルを抜き取るために、1または複数の追加の真空の管が、針ホルダーの解放端の中に同様に推し進められてもよい。それから、必要とされる分析手続きのために、十分な量の血液が採取された後、針カニューレは、患者から引き抜かれる。
【0005】
たくさんの血液採取針組立て品が、針カニューレと通じるフラッシュバックチャンバーとともに提供される。フラッシュバックチャンバーは一般的に、少なくとも一部は、透明な、もしくは半透明な物質で形成されており、血管が適切に連通された後、短時間で血液の流れの一部を受け入れるようになっている。フラッシュバックチャンバーは、血管が針カニューレの遠位端と連通した後、静脈に入ったことの明確な兆候を与える。
【0006】
患者から医者への病原菌の伝染が起きるような不慮の針突き刺しあるいは針接触の危険を減少するために、針カニューレは、患者と接触した後、シールドされる。シールドは、さまざまな異なる形が用いられている。例えば、シールドの中には、針カニューレを入れ子に覆い、ハウジングと摩擦係合するものがある。他のシールドは、ハウジングを入れ子に覆い、効果的なシールドのために、遠位方向に針カニューレを超えて移動され得るものである。他のシールドは、ヒンジによって、ハウジング上、もしくはハウジング近くに取り付けられ、針カニューレが露出される開放位置から、針カニューレがシールドされる閉鎖位置に回転可能なものである。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態において、針組立て品は、基端と遠位端とを有するハウジングと、該ハウジングから遠位方向に突出するIVカニューレと、係合部を有するIVシールドとを含む。ハウジングは、シールドシートと、遠位先端を有するIVカニューレとを有する。IVシールドがIVカニューレの遠位先端を覆い、係合部がシールドシートから切り離された使用前位置と、係合部がシールドシートと係合され、IVシールドが、遠位先端が露出される非シールド位置と遠位先端がIVシールドにシールドされるシールド位置との間を移動するのに適応した使用位置とを有する。
【0008】
IVシールドは、IVカニューレを受け入れるのに適した長手方向の溝を画定する本体と、IVシールドがシールド位置にある時に、IVカニューレと係合するのに適した針受けとを含んでもよい。IVシールドの本体は、IVシールドが使用前位置にある時、ハウジングの遠位端と係合してもよく、そして、IVシールドは、IVシールドが使用位置にある時、ハウジングに対して枢軸回転可能とされてもよい。係合部は、ロックピンを備えてもよく、IVシールドは使用位置においてロックピン周りに枢軸回転可能であってもよい。針組立て品はさらに、ハウジングから突出する非患者用カニューレ及び、ハウジングの基端と係合するのに適した非患者用カニューレを取り外し可能にシールドする非患者用シールドとを含んでいてもよい。シールドシートは、IVシールドの係合部を受け入れるための開口部を定める突起を含んでいてもよい。シールドシートの開口部は、開口部の中に係合部を挿入した後、係合部をシールドシートにロックするようにテーパつけられていてもよい。係合部は、ロックピン周りにおおむねC形状のシールドシートに合うロックピンを備えていてもよい。
【0009】
更なる実施形態において、針組立て品は、基端と遠位端とシールドシートとを有するハウジングと、ハウジングから遠位方向に突出するIV端部と、ハウジングから基部方向に突出する非患者用端部とを有するカニューレとを含む。シールドは、該シールドがカニューレの非患者用端部を覆う使用前位置と、カニューレのIV端部を覆うことを可能とする使用位置とを有する。
【0010】
ハウジングは、基端と遠位端との間でハウジングの空間を定めるために延在するチャンバー壁を有してもよい。カニューレはチャンバーの液体連通の上での開口部を画定してもよい。ハウジングは、第1部分と、第2部分とを有し、第1部分は第2部分に固定され、シールドとハウジングの第1部分は一体化して形成されていてもよい。シールドは、ハウジングの第1部分に一体ヒンジを介して固定されていてもよく、シールドは、非シールド位置とシールド位置との間で枢軸回転可能であってもよい。シールドは、カニューレの非患者用端部の部分を覆うのに適した非患者用部分と、カニューレのIV端部の部分を覆うのに適したIV部分とを含んでもよい。シールドのIV部分は、シールドが使用位置にある時に、カニューレのIV端部と係合するのに適応した針受けを含んでもよい。シールドは、カニューレの非患者用端部の部分を覆うのに適した非患者用部分と、カニューレのIV端部の部分を覆うのに適したIV部分とを含んでいてもよい。そして、シールドのIV部分は、シールドが使用位置にある時に、カニューレのIV端部と係合するのに適応した針受けを含むものであってもよい。ハウジングは、突起を含んでいてもよく、この突起周りでハウジングにシールドが固定され、シールドは、使用前位置と使用位置との間で、ハウジングに対して枢軸回転可能である。カニューレは、二つの別個のカニューレを含んでいていてもよい。シールドは、使用位置でシールドシートと係合され、IV端部の先端が露出された非シールド位置から、IV端部の先端がシールドされたシールド位置に回転可能とされてもよい。
【0011】
他の実施形態で、針組立て品は、基端と遠位端とを有するハウジングと、ハウジングから遠位方向に突出するIV端部と、ハウジングから基部方向に突出する非患者用端部とを有するカニューレと、ハウジングに枢軸回転可能に固定されたIVシールドとを含む。IVシールドは、IVシールドがカニューレのIV端部の部分を覆う使用前位置と、IVシールドが、非シールド位置とシールド位置との間を移動するのに適応した使用位置とを有する。少なくとも1つの側壁は、IVシールドが使用前位置にある時に、ハウジングと一時的に係合するのに適応した第1突起を含み、側壁の少なくとも1つは、IVシールドがシールド位置にある時に、ハウジングと永続的に係合するのに適した第2突起を含む。
【0012】
ある形状において、側壁は、一対の側壁の間に延在する端壁を介して間隔があけられている、他の形状において、IVシールドは、IVシールドがシールド位置にある時に、カニューレのIV端部と係合するのに適用した針受けを含む。側壁のそれぞれは、IVシールドが使用前位置にある時に、ハウジングと一時的に係合するのに適応した一対の半球状突起を含んでもよい。
【0013】
本発明の更なる特徴と視点は、以下の詳細な説明を、同じ部分は、同じ参照番号でしめされている付随の図面を参照して読むことにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に関する針組立て品の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の正面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の右側面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の上面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の左側面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の底面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の分解斜視図である。
図8図8は、本発明の実施形態に関する図1の針組立て品の断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に関する患者用でないシールドを取り除いた組立て品を示す、図1の針組立て品の正面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に関する、針ホルダーに固定された組立て品を示す、図1の針組立て品の正面図である。
図11図11は、本発明の実施形態に関する針ホルダーに固定された組立て品であって針シールドの移動を示す、図1の針組立て品の正面図である。
図12図12は、本発明の実施形態に関する針シールドのアタッチメントを示す、図1の針組立て品の正面斜視図である。
図13図13は、本発明の実施形態に関するシールドしていない位置での針シールドを示す、図1の針組立て品の正面斜視図である。
図14図14は、本発明の実施形態に関する、シールドしていない位置での針シールドを示す、図1に示される針アセンブリの断面図である。
図15図15は、本発明の実施形態に関する、針ホルダーによって収容される真空の管を伴う、シールドしていない位置での針シールドを示す、図1の針組立て品の正面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に関するシールド位置での針シールドを示す、図1の針組立て品の正面図である。
図17図17は、本発明の実施形態に関するシールド位置での針シールドを示す、図1に示された針組立て品の断面図である。
図18図18は、本発明の実施形態に関するシールド位置での針シールドを示す、図1の針アセンブリの底面図である。
図19図19は、本発明の実施形態に関する針組立て品の断面図である。
図20図20は、本発明の実施形態に関する針組立て品の断面図である。
図21図21は、本発明の実施形態に関するシールドしていない位置でのシールドを示す、図20の針アセンブリの正面図である。
図22図22は、本発明の実施形態に関し、図20に示されたシールドの斜視図である。
図23図23は、本発明の実施形態に関する使用前位置でのシールドを示す針組立て品の正面図である。
図24図24は、本発明の実施形態に関する、使用位置でかつシールドしていない位置でのシールドを示す、図23の針組立て品の部分断面図である。
図25図25は、本発明の実施形態に関する使用位置でかつシールドされた位置でのシールドを示す、図23の針組立て品の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明の趣旨において、空間の指向の用語が使用されるならば、添付の図面もしくは、追従する詳細な説明において述べられた点において、指向された、参照する実施形態に関するものであってもよい。しかしながら、以下に説明される本実施形態は、さまざまな代替可能な変形や実施形態を想定するものであることが理解されるべきである。添付の図に図示され、ここに述べられた特定の装置は、単に典型的なものであり、これに限定されるものでないこともまた理解されるべきである。
【0016】
図1−18を参照して、第1実施形態の針組立て品10は、基端14と遠位端16と、この端部14,16の間に延在する、ほぼ円筒形の外側壁18を備えるハウジング12を含む。外側壁18は、透明、または半透明のプラスチック材で形成されており、基端14と遠位端16との間のハウジング内にチャンバー20を定める。ハウジング12はまた、ほぼ円筒形の内側壁22を含み、これは、遠位端16から基端14に向かって延びる。この内側壁22は、おおむね同心円状に、外側壁18の中に配置され、これもまた透明、または半透明のプラスチック材で形成されている。この内側壁22は、フラッシュバックチャンバー24を定め、フラッシュバックチャンバー24で採取された流体は、針組立て品10の外部の位置から観察され得る。このフラッシュバックチャンバー24は、チャンバー20がまたフラッシュバックの表示に貢献するように、チャンバー20と流体連通される。
【0017】
針組立て品10はまた、基端28と遠位端30とこれら端部28、30の間に延在するルーメン32とからなるIVカニューレ26を含む。このIVカニューレ26の遠位端30は、ハウジング12の外部に位置され、患者の皮膚及び組織に突き刺すために、十分に尖った先端となるように斜めに切られた遠位先端34を含む。このIVカニューレ26は、ハウジング12の遠位端16にほぼ隣接して位置された、IVカニューレ26の基端28とともに、ハウジング12に固定されている。IVカニューレ26のルーメン32は、フラッシュバックチャンバー24と流体連通する。針アセンブリ10はまた、ハウジング12の基端14に固定された非患者用カニューレ36を含む。この非患者用カニューレ36は、ハウジング12の外部に位置する基端38とフラッシュバックチャンバー24に隣接して位置する遠位端40とこれら端部38、40の間に延びるルーメン42とを含む。基端38は、後述する真空の管のゴムストッパーを突き刺すのに適している。非患者用カニューレ36のルーメン42は、IVカニューレ26のルーメン32とほぼ軸方向に整列(位置合わせ)されている。スリーブ44は、ハウジング12の外側に位置する非患者用カニューレ36の一部に取り付けられている。スリーブ44は、ハウジング12の基端14に取り付けられ、液体に対してほぼ不透過性の物質で形成されており、非患者用カニューレ36の基端38によって容易に突き破られ、かつ、弾性を有し再シール可能である。スリーブ44は、真空の管のゴムストッパーによって係合される上で、遠位方向につぶれるようになっている。IVカニューレ26、非患者用カニューレ36及びハウジング12は、ハウジング12のフラッシュバックチャンバー24及び/またはチャンバー20に血液がフラッシュバックすることによって、静脈への挿入の早い段階での表示をもたらすために協働する。しかしながら、他の適当なフラッシュバックの装置は、通気プラグを用いた装置といったものに用いられるかもしれない。
【0018】
引き続き、図1−18を参照し、針組立て品10は、カラー46を含み、このカラー46は、ハウジング12の基端14においてハウジング12の外周まわりに延びる。カラー46は、ハウジング12に一体化して形成されているだけでなく、ハウジング12と分離して形成されていてもよく、また、ハウジング12に機械的に固定されていてもよい。カラー46は、遠位端50から軸方向に間隔があけられた基端48を有する。カラー46は、シールドシート52とともに提供され、このシールドシート52は、カラー46から半径方向外側に延びテーパ状開口部56を定めるC−形状突起54を含む。
【0019】
針アセンブリ10はさらに、基端60と遠位端62を備えるIVシールド58を含む。IVシールド58は、細長い本体64を含み、この本体64はIVシールド58の基端60付近の開口部66と、IVカニューレ26を受けるための内部空間68とを画定する。細長い本体64は、また、長手方向の溝70を画定し、この溝70は、基端60からIVシールド58の遠位端付近まで延在している。とりわけ、長手方向の溝70は、細長い本体64の開口部66から、IVシールド58の基端60に向かって細長い本体64の長手軸に沿って延びる方向に延在する。さらに、IVシールド58の細長い本体64は、係合部72を含み、この係合部72は、ハウジング12のシールドシート52に固定されるのに適している。係合部72は、IVシールド58の細長い本体64から延びる一対のL形状拡張部74を含み、このL形状拡張部74は、これらの間に伸びる背面板75とともに、IVシールド58の細長い本体64から延在するものである。ピン76は、L形状拡張部74の間に横に延在する。ピン76は、後述するシールドシート52のテーパ状開口部56によって受け入れられるように形成及び配置されている。このピン76は円柱形であるが、他の適当な形のピンが使われてもよい。IVシールド58はまた、内部空間68の中に位置する針受け78を含み、針受け78は針カニューレ26に固定され、動かないようにされるのに適応する。針組立て品10は、また、基端82と遠位端84とを有する非患者用シールド80を含む。非患者用シールド80は、細長い本体86を含み、この本体は、非患者用シールド80の基端82付近の開口部88と非患者用カニューレ36を受け入れるのに適応された内部空間90とを定める。
【0020】
図9−18を参照し、IVシールド58は、使用前位置(図9及び10に示される)と、使用位置(図13−18に示される)とを有する。IVシールド58が、使用前位置にあるとき、IVシールド58は、IVカニューレ26の遠位先端34を覆う。とりわけ、使用前位置において、IVシールド58の内部空間68がIVカニューレ26を受け入れ、そして、IVシールド58の基端60は、ハウジング12と摩擦係合し、ハウジング12のカラー46に接する。さらに、使用前位置において、IVシールド58の係合部72は、シールドシート52から分離して、ハウジング12のシールドシート52から外周に間隔をあけて配置される。図9に示されるように、例えば、IVシールド58の係合部72は、シールドシート52と対向して、すなわちシールドシート52から180度の位置に配置される。図11に示されるように、ハウジング12から遠位方向に向かってIVシールド58を移動させることによって、IVシールド58は、使用前位置から、使用位置へ、遷移され、ハウジング12との摩擦係合が解消する。図12に示されるように、IVシールド58が回転され、IVシールド58の係合部72は、ピン76がC−形状突起54によってその外周が取り囲まれるようにして、ハウジング12のシールドシート52に固定される。C−形状突起54のテーパ状開口部56は、ピン76がテーパ状開口部56を通って押されることを許容するが、テーパ状開口部56からピン76の引き続いて起きる移動をおおむね制限する。
【0021】
使用位置の時、IVシールドは、非シールド位置(図12−15を参照。)及びシールド位置(図16−18を参照。)を有する。とりわけ、IVシールド58は、非シールド位置とシールド位置の間で、係合部72とシールドシート52との間の接続を介して、枢軸回転可能である。非シールド位置において、IVシールド58は、IVカニューレ26から間隔を置いて配され、医療従事技術者による使用中、IVシールド58は、IVカニューレ26を干渉しないように、例えば約120度などの鈍角で、IVカニューレ26に対して並べられる。IVシールド58は、IVシールド58をIVカニューレ26に向かって回転することによって、シールド位置に遷移され、その結果、細長い本体64の長手方向の溝70が、IVカニューレ26を収容し、IVシールド58がIVカニューレ26の遠位端を覆うようにする。IVシールド58がシールド位置にあるとき、IVカニューレ26は、針受け78が針カニューレ26と係合した状態で、シールド58の内部空間68に位置する。針受け78は、使用後、遠位先端34の露出を防ぐために、IVシールド58の、ハウジング12及びIVカニューレ26に対する更なる回転を制限する。針受け78は、弾性のある屈曲可能な部材であり、IVシールド58がIVカニューレ26に向かって回転されたときにIVカニューレ26との接触に対する応答で屈するが、シールド58内で、屈曲しない位置に戻り、IVカニューレ26を固定する。
【0022】
図9−11を参照し、針組立て品10は、非患者用シールド80を、カラー46から切り離し、ハウジング12の上に針ホルダー92を通すことによって使用される。図11及び12を参照して、その後、IVシールド58は、ハウジング12から取り除かれ、上述するように、ハウジング12のシールドシート52に固定される。IVカニューレ26から回転された非シールド位置のIVシールド58とともに、静脈採血士は、IVカニューレ26の遠位先端34を狙った血管(不図示)の中に誘導する。血管内の血液と、ハウジング12内の圧力との間の圧力の違いは、IVカニューレ26のルーメン32を通る血液の流れを引き起こすであろう。血管との連通が得られるとすぐに、血液は、フラッシュバックチャンバー24内に通常現れるだろう。図15を参照し、静脈採血士は、針ホルダー92の中に真空の管94を挿入する。真空の管94は、スリーブ33をつぶすゴムストッパーを含む。非患者用カニューレ36の基端38は、スリーブ44に穴を開け、そして、真空の管94のストッパーを突き刺す。静脈採血士は、この方法で、1または複数の血液のサンプルを蓄積するかもしれない。
【0023】
血液の最後のサンプルを採取した後、静脈採血士は、患者から針組立て品10及び針ホルダー92を動かし、IVシールド58を非シールド位置からシールド位置に回転させる。その結果、IVカニューレ26は、それを取り囲むIVシールド58で、該IVシールド58の内部空間68の中に位置される。IVシールド58の十分な回転によって、針受け78は、IVカニューレ26と係合し、IVシールド58を針カニューレ26に固定する。針組立て品10は、適当な形の受け口で配置されてもよい。
【0024】
図19を参照すると、針組立て品110の第2実施形態は、基端114と遠位端116と、両端部の間にハウジング112内のチャンバー120を定めるように延在する、ほぼ円筒形の外側壁118とを含む。針組立て品110は、さらに、ハウジング112を通って延びるカニューレ122を含み、これは、ハウジング112から遠位方向に突出するIV端部124と、ハウジング112から基部方向に突出する非患者用端部126とを有する。カニューレ122は、ハウジング112のチャンバー120との液体連通するための切り欠き128を定める。シールド130のハウジング112に対する固定のための他の適当な配置が用いられてもよいけれども、針組立て品110はまた、一体ヒンジ132を介してハウジング112に固定されたシールド130を含む。ハウジング112は、第1部分134と、第2部分136とを含み、第1部分134、第2部分136の個々のフランジ138、140において、第1部分134は第2部分136に固定される。第1部分134とシールド130は、1つの構成品として一体的に形成される。ハウジング112の第2部分136は、シールド130に設けられた受け具144に対する凹部142を定める。
【0025】
引き続き図19を参照し、シールド130は、カニューレ122のIV端部124の部分を取り囲むのに適応されたIV部分146と、そして、カニューレ122の非患者用端部126の部分を取り囲むのに適応された非患者部分148とを含む。ハウジングのIV部分146と非患者部分148は、互いに対向して位置し、中央壁150を介して分離されている。シールド130のIV部分146は、カニューレ122のIV端部124と係合するのに適した針受け152を含む。シールド130は、シールド130の非患者部分148がカニューレ122の非患者用端部126の部分を覆う使用前位置と、シールド130のIV部分146が針カニューレ122のIV端部124の部分を覆う使用位置とを有する。シールド130は、一体ヒンジ132を介して、非患者位置とIV位置との間で、ハウジング112に対して枢軸回転可能である。シールド130は使用前位置にあるとき、シールド130上の受け具144は、ハウジング112の第2部分136に設けられた凹部142に摩擦係合し、シールド130をハウジング112にいったん固定する。針組立て品110の使用中、シールド130は、ハウジング112から、図19に示す使用位置、すなわちシールド130がカニューレ122のIV端部124を覆うことができる位置から離れるように枢軸回転される。ホルダー(不図示)は、上述し、図1−18に示したものと同様の方法で、ハウジング112の第2部分136に固定されてもよい。血液サンプル採取を完了した後、シールド130は、カニューレ122のIV端部124を覆うために、ハウジング112に向かって前方に枢軸回転される。十分な移動及び/または力において、針受け152は、カニューレ122と係合し、ハウジング112に対するシールド130の更なる移動を防ぐことにより、カニューレ122のIV端部124の再露出が防止される。したがって、シールド130は、使用前にカニューレ122の非患者用端部126をシールドし、保護するために用いられ、使用後にカニューレ122のIV端部124をシールドするための安全シールドとしても使用される。
【0026】
図20−22を参照して、針組立て品170の第3実施形態は、基端174と遠位端176と、それら端部174、176の間に延在し、ハウジング172内部のチャンバー180を定める、ほぼ円筒形の外側壁178とを有するハウジング172を含む。針組立て品170はまた、ハウジング172から遠位方向に突出するIV端部184と、ハウジング172から基部方向に突出する非患者用端部186とを有しハウジング172を通って延在するカニューレ182を含む。カニューレ182は、切り欠き188を有し、この切り欠き188は、ハウジング172のチャンバー180と液体連通するものである。針組立て品170はさらに、シールド190を含み、このシールド190は、第1端部194と第2端部196とを有する本体192を有する。シールド190の本体192は、カニューレ182のIV端部184の部分を取り囲むのに適したIV部分198と、カニューレ182の非患者用端部186の部分を取り囲むのに適した非患者用部分200とを含む。ハウジング172のIV部分198と非患者用部分200とは、対向して配置され、図19に示され、上述した方法と同様の方法で、中央壁を介して分離されていてもよい。ハウジング172は、ハウジング172にシールド190を固定するためのシールドシート202を含む。シールドシート202は、ハウジング172から半径方向外側に延在し、互いに対向して配置された一対の突起204を含む。シールド190はさらに、ハウジング172にシールド190を固定するために、ハウジング172にシールドシート202との係合のための取り付け部分206を含む。シールド190の取り付け部分206は、1または複数の内側に延在する突起208によって形成される。シールド190はまた、カニューレ182のIV端部184と係合するのに適した針受け210を含む。
【0027】
引き続き、図20−22を参照し、シールド190は、使用前位置を有し、この位置は、シールド190の非患者用部分200がカニューレ182の非患者用端部186の部分を覆う位置である。シールド190は、使用前位置と使用位置との間で、シールド190の取り付け部分206とハウジング172のシールドシート202との間の連結を介して、ハウジング172に対して枢軸回転可能である。とりわけ、シールド190とハウジング172との間の連結により、シールド190は360度回転できる。針組立て品170は、上述し、図11に示した針組立て品110と同様の方法で使用される。
【0028】
図23−25を参照し、針組立て品230の第4実施形態は、基端234と遠位端236とこれら端部234、236の間に延在するほぼ円筒形の外側壁238とを有するハウジング232を含む。外側壁238は、基端234と遠位端236との間のハウジング232内にチャンバー240を定める。針組立て品230はまた、ハウジング232から遠位方向に突出するIV端部244と、ハウジング232から基部方向に突出する非患者用端部246とを有するカニューレ242を含む。カニューレ242は、ハウジング232のチャンバー240と流体連通する切り欠き248を定める。図24に示すように、スリーブ250は、カニューレ242の非患者用端部246の部分の上に取り付けられる。ハウジング232はさらに、ハウジング232の外周を取り囲んで延在するカラー252を含む。カラー252は、ハウジング232に一体的に形成されているが、分離して形成されていてもよく、ハウジング232に機械的に固定されていてもよい。
【0029】
引き続き、図23−25を参照し、針組立て品230は、第1端部256と第2端部258とを有するIVシールド254を含む。IVシールド254は、カニューレ242のIV端部244を受け入れるための内部空間266を定める端壁262と、この端壁262から延在する一対の側壁264とを有する細長い本体260を含む。IVシールド254はハウジング232に、一体ヒンジ268を介して固定される。とりわけ、IVシールド254の第1端部256は、ハウジング232のカラー252に固定される。IVシールド254の一方または両方の側壁264は、一対の半球形状の突起270を含み、この突起は、ハウジング232との一時的な係合に適用される。IVシールド254はまた、カニューレ242のIV端部244と係合するのに適用される針受け272を含む。図24に示されるように、針組立て品230はまた、基端276と遠位端278とを有する非患者用シールド274を含む。非患者用シールド274は、非患者用シールド274の基端276と遠位端278のそれぞれに対して隣接する一対の開口部282を定める円筒形の本体280を含む。
【0030】
IVシールド254は、使用前位置(図23に示される)と使用位置(図24、25に示される)を備える。IVシールド254が使用前位置にある時、IVシールド254はカニューレ242のIV端部244を覆う。特に、使用前位置において、IVシールド254の内部空間266は、カニューレ242のIV端部244を受け入れ、ハウジングの遠位端236は、IVシールド254の半球形状の突起270の間に位置される。IVシールド254は、使用前位置で、IVシールド254の半球上の突起270を介して一時的に保持される。IVシールド254は、使用前位置から使用位置へ、ハウジング232から離れる基部方向に、IVシールド254を動かすことによって遷移される。IVシールド254に、十分な力を加えると、半球形状の突起270はハウジング232から外れ、それによって、図24に示す位置にIVシールド254がさらに回転するのが許される。
【0031】
使用位置では、IVシールド254は、非シールド位置(図24に示される)とシールド位置(図25に示される)を有する。IVシールド254は、非シールド位置とシールド位置との間で、一体ヒンジ268を介して枢軸回転可能である。非シールド位置において、IVシールド254は、カニューレ242のIV端部244から間隔を置いて配され、カニューレ242のIV端部244に向かってIVシールド254を回転することによってシールド位置に遷移され、IVシールド254の内部空間266は、カニューレ242のIV端部244を受け入れる。IVシールド254は、カニューレ242のIV端部244に向かって回転されると、ハウジング232の遠位端236は、半球形状の突起270と係合し、IVシールド254の更なる回転は、ハウジング232が半球形状の突起270から外れる。IVシールド254は、IVシールド254の針受け272が、カニューレ242のIV端部244と係合するまで回転され、これによって、使用後のカニューレ242のIV端部244の露出を防ぐ。
【0032】
液体サンプル採取装置及び方法のいくつかの実施形態は、上述の詳細な説明において述べられる一方、当業者は、本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態の変形及び改造を形成可能である。したがって、上述の説明は、限定的ではなくむしろ例示的なものとなることを意図されている。上述した本発明は、添付の請求の範囲によって定められ、趣旨を逸脱することのない発明のすべての変更及び請求の範囲と均等の範囲は、発明の範囲内にあるのと等しい。
図1
図2
図3
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図10
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