特許第6181839号(P6181839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6181839-飲食用組成物 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6181839
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】飲食用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20170807BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20170807BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20170807BHJP
【FI】
   A23L33/10
   A23L33/21
   A23L5/00 K
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-225002(P2016-225002)
(22)【出願日】2016年11月18日
【審査請求日】2016年11月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏哉
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104783247(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第105982195(CN,A)
【文献】 特開2015−109831(JP,A)
【文献】 特開2002−078469(JP,A)
【文献】 特開2015−126723(JP,A)
【文献】 特表2016−509849(JP,A)
【文献】 特開2005−278601(JP,A)
【文献】 特開2001−292751(JP,A)
【文献】 特開2002−165560(JP,A)
【文献】 特開2016−007168(JP,A)
【文献】 特開2005−237291(JP,A)
【文献】 特開2005−237290(JP,A)
【文献】 特開2016−034239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/10
A23L 33/21
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スピルリナ、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖を含有し、前記玄米を0.01〜20質量%配合することを特徴とする飲食用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食用組成物、及び、微細藻類の呈味改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
微細藻類には、タンパク質、脂質、ビタミン類等の有効成分が豊富に含有されている。例えば、スピルリナ属藻類は抗酸化作用と紫外線吸収作用を有することが(特許文献1 参照)、クロレラはリパーゼ活性促進作用を有することが(特許文献2 参照)知られており、健康食品等の原料として使用されている。
【0003】
しかしながら、微細藻類にはその独特な臭いや風味があり、継続して摂取するためにはその改善が必要であった。例えば、スピルリナやユーグレナは、その特有の臭いを抑える冷凍方法が検討されていたが(特許文献3 参照)、冷凍品以外の加工物については具体的な検討がなされておらず、新たな改善方法の探索が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−238519号公報
【特許文献2】特開平9−301821号公報
【特許文献3】特開2016−067235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、微細藻類を含有する飲食用組成物において、その独特な臭い、嗜好性の悪さを低減することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願人は、上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、玄米と、水溶性食物繊維及び含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を使用することで、優れた微細藻類の呈味改善効果を有することを見出し、本発明に至った。
【0007】
本発明の概要は、以下の通りである。
<1>(A)微細藻類、(B)玄米と、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする飲食用組成物。
<2>(A)微細藻類、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖を含有することを特徴とする請求項1に記載の飲食用組成物。
<3>(A)微細藻類がスピルリナであることを特徴とする、<1>又は<2>のいずれかに記載の飲食用組成物。
<4>(C)水溶性食物繊維が難消化性デキストリンであることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれかに記載の飲食用組成物。
<5>(D)含蜜糖が黒糖であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載の飲食用組成物。
<6>前記飲食用組成物が、顆粒、細粒、粉末のいずれかの形態であることを特徴とする、<1>〜<5>に記載の飲食用組成物。
<7>(B)玄米と、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、微細藻類の呈味改善用組成物。
<8>(B)玄米、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖を含有することを特徴とする、<7>に記載の微細藻類の呈味改善用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の微細藻類を含有する飲食用組成物は、玄米と、水溶性食物繊維及び含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を配合することにより、その独特な臭いが改善され、コク、後味が良好となるため、嗜好性の高い飲食用組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】比較例1〜4、実施例1〜10の官能評価結果を表す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の組成物について説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
(A)微細藻類
本発明で用いられる微細藻類とは、体長が数μm〜数百μmの単細胞性の藻類であり、人の肉眼では、個々の存在が識別できないような微小な藻類のことを言う。微細藻類としては、例えば、スピルリナ、ユーグレナ、クロレラ、ドナリエラ、ボツリオコッカス等の緑藻類が挙げられ、特に好ましくはスピルリナ、ユーグレナ、クロレラであり、とりわけ好ましくはスピルリナである。本発明においては、微細藻類の粉砕物及びその乾燥粉末(以下、粉砕物の乾燥粉末のことを「粉砕末」ともいう)、微細藻類の細片化物及びその乾燥粉末(以下、細片化物の乾燥粉末のことを「細片化末」ともいう)、微細藻類の搾汁及びその乾燥粉末(以下、搾汁の乾燥粉末のことを「搾汁末」ともいう)、微細藻類のエキス及びその乾燥粉末(以下、エキスの乾燥粉末のことを「エキス末」ともいう)などが挙げられる。なお、本願明細書で「粉末」と言う場合は、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末を含むものである。
【0012】
本発明においては、微細藻類由来の栄養素を多く含むため、微細藻類の粉砕末、搾汁、搾汁末、エキス、エキス末を用いることが好ましく、粉砕末、搾汁末又はエキス末を用いることがより好ましい。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。微細藻類の製造方法は特に限定されず、当業者が通常用いる方法により得ることができる。
【0013】
微細藻類のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。また、その乾燥粉末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
【0014】
本発明において特に好ましく用いられるスピルリナには、フィコシアニン(フィコシアノビリンを含む色素蛋白質)、クロロフィル類(例えばクロロフィルa)、カロテノイド類(例えばゼアキサンチン)等の抗酸化作用がある光合成色素の他、各種アミノ酸、ビタミン・ミネラル類、食物繊維、多糖体、リノール酸、γ−リノレイン酸、イノシトール、SOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)、核酸等の栄養素が豊富に含まれている。
【0015】
本発明の組成物に配合される微細藻類の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001〜30質量%、好ましくは0.0005〜20質量%、より好ましくは0.001〜10質量%の範囲で選択される。
【0016】
(B)玄米
本発明で用いられる玄米は、一般的に、稲の果実である籾から籾殻を除去した状態で、まだ精白されていない状態の米のことを言う。本発明においては、玄米の粉砕物、粉砕末、細片化物、細片化末、エキス、エキス末のいずれの形態でも使用できるが、微細藻類の臭い低減効果及び製造性の観点から、粉砕末、エキス末が好ましい形態として挙げられる。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。玄米の製造方法は特に限定されず、当業者が通常用いる方法により得ることができる。
【0017】
玄米のエキスを得る場合、その抽出溶媒は特に限定はされないが、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒が挙げられ、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用することができる。また、その乾燥粉末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
【0018】
本発明の組成物に配合される玄米の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、本発明の組成物における玄米の含有量は、0.001〜40質量%、好ましくは0.005〜30質量%、より好ましくは0.01〜20質量%の範囲で選択される。
【0019】
(C)水溶性食物繊維
本発明で用いられる水溶性食物繊維とは、人間の消化酵素では消化されない食品中の多糖類を主体とした高分子成分の総体のうち水溶性のものをいう。水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム又はその分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナンなどを用いることができる。本発明においては、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム又はその分解物が好ましく用いられ、難消化性デキストリン、グアーガム又はその分解物をより好ましく用いることができる。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
【0020】
本発明において水溶性食物繊維を使用する場合は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される水溶性食物繊維の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、本発明の組成物における水溶性食物繊維の含有量は、0.0001〜50質量%、好ましくは0.0005〜40質量%、より好ましくは0.001〜30質量%の範囲で選択される。但し、水溶性食物繊維を2種以上含有する場合は、その総量である。
【0021】
(D)含蜜糖
本発明で用いられる含蜜糖は、糖蜜が分離されていない砂糖の総称であり、糖蜜を含む糖であれば特に制限はなく、加工方法や原料として用いる植物の種類、粉状や固形状、液状等の剤形を問わない。本発明に用いることができる含蜜糖としては、例えば、黒糖や赤糖(赤砂糖)、白下糖、かえで糖、黒蜜、ブラウンシュガー等を用いても良く、精製糖の製造時に分離された糖蜜のみを含むものを用いても良い。また、糖蜜が残っていれば、粗糖のように一部の糖蜜が分離されたものを用いても良く、サトウキビやテンサイ等の植物の搾汁又その濃縮物、搾汁末を用いても良い。また、上記の含蜜糖に他の原料を加えて加工したものを用いても良いし、植物等に黒糖等の含蜜糖を加えて微生物によって発酵した発酵エキスを用いても良い。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
【0022】
本発明に用いる含蜜糖としては、黒糖が最も好ましい。なお、本願における黒糖とは、さとうきびの搾り汁から不純物の除去を行い、濃縮を行った後、糖蜜を分離せずに製造した砂糖であって固形又は粉末状のものだけではなく、黒糖に粗糖等を加えて加工した加工黒糖や、黒糖蜜(原材料に黒糖を使用して夾雑物の除去を行った液体状のもの)も含むものとする。
【0023】
本発明において含蜜糖を使用する場合は、1種でも良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される含蜜糖の含有量としては、特に制限はなく、目的や形状、使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその含有量を適宜設定できる。例えば、0.001〜30質量%、好ましくは0.005〜25質量%、より好ましくは0.01〜20質量%の範囲で選択される。但し、含蜜糖を2種以上含有する場合は、その総量である。
【0024】
本発明で用いる(A)微細藻類は、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維、(D)含蜜糖を用いることで微細藻類の不快な臭いを低減し、摂取し易くすることができる。特に、スピルリナの臭いを効果的に低減できるため、継続的に摂取することが可能となる。
【0025】
本発明の飲食用組成物において、(A)微細藻類、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維を含有する場合、その配合量は、式1を満たすことが好ましい。
式1:(B)+(C)≧(A)
(ただし、(A)>0、(B)>0、(C)>0である)
式1のなかでも、特に、式2を満たすことが好ましい。
式2:(B)+(C)>(A)
(ただし、(A)>0、(B)>0、(C)>0である)
【0026】
本発明の飲食用組成物において、(A)微細藻類、(B)玄米、(D)含蜜糖を含有する場合、その配合量は、式3を満たすことが好ましい。
式3:(B)+(D)≧(A)
(ただし、(A)>0、(B)>0、(D)>0である)
式3のなかでも、特に、式4を満たすことが好ましい。
式4:(B)+(D)>(A)
(ただし、(A)>0、(B)>0、(D)>0である)
【0027】
上記式1又は3を満たすことにより、微細藻類由来の独特な臭いを効率的に抑制し、嗜好性の高い組成物を得ることができる。特に、上記式2又は4を満たす場合、より嗜好性の高い組成物を得ることができる。
【0028】
本発明の組成物における、(A)微細藻類と(B)玄米の配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A):(B)=1:0.0001〜1000、好ましくは1:0.001〜100、より好ましくは1:0.01〜50、特に好ましくは1:0.1〜10の範囲で選択される。
【0029】
本発明の組成物における、(A)微細藻類と(C)水溶性食物繊維の配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A):(C)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.01〜500、より好ましくは1:0.1〜100、特に好ましくは1:1〜50の範囲で選択される。
【0030】
本発明の組成物における、(A)微細藻類と(D)含蜜糖の配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(A):(D)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.01〜500、より好ましくは1:0.1〜100、特に好ましくは1:1〜50の範囲で選択される。
【0031】
本発明の組成物における、(B)玄米と(C)水溶性食物繊維の配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(B):(C)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.01〜500の範囲で選択される。
【0032】
本発明の組成物における、(B)玄米と(D)含蜜糖の配合比(質量比)は特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜設定できるが、例えば(B):(D)=1:0.001〜1000、好ましくは1:0.01〜500の範囲で選択される。
【0033】
本発明の組成物には、(A)微細藻類、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維、(D)含蜜糖以外に、その他の成分を含有しても良い。前記のその他の成分としては、例えば、タンパク質、不溶性食物繊維、ミネラル類、植物又は植物加工品、動物又は動物加工品、乳酸菌等の微生物等を配合することができる。更に必要に応じて通常食品分野で用いられる、デキストリン、でんぷん等の糖類、オリゴ糖類、甘味料、酸味料、着色料、増粘剤、光沢剤、賦形剤、ビタミン類、栄養補助剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。これらその他の成分の含有量は、本発明の組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。
【0034】
本発明の組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。具体的な形態としては、例えば、粉や顆粒、細粒等の粉末状、タブレット(チュアブル)状、球状、カプセル状、カプレット状、液状等の形状が挙げられる。尚、カプセル状の組成物は、ソフトカプセル及びハードカプセルが含まれる。本発明の組成物は、粉や顆粒、細粒等の粉末状が好ましく、特に、水などと混合し、溶解したり懸濁させたりして使用する粉末飲料とすることにより、組成物としての安定性にも優れるとともに、カプセルや錠剤等と異なり1度に多くの組成物を摂取することができるので好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、従来公知の方法により製造することができる。本発明の組成物を製造する際、使用する原料の形態は特に限定されず、組成物の形態に合わせて適宜選択し、使用することができる。例えば、粉や顆粒、細粒等の粉末状の組成物を得る場合、(A)微細藻類、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維、(D)含蜜糖は、これらをそのまま使用しても良いし、賦形剤、増量剤等との混合物を使用しても良い。また、カプセル状の組成物を得る場合は、水や食用油等の溶媒にあらかじめ溶解又は分散させたものを使用しても良い。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
1.飲食用組成物の製造
以下の表1に示す配合を有する飲食用組成物を調製した。表1のうち、数値は質量(g)を表わす。本発明においては、微細藻類としては、市販のスピルリナ(粉砕末)を用い、玄米としては市販の玄米(粉砕末)を用い、水溶性食物繊維としては市販の難消化性デキストリンを用い、含蜜糖としては市販の黒糖(粉末)を用い、デキストリンは市販のものを用いた。尚、デキストリンは賦形剤として用いたものであり、本評価に関与しない成分である。
【0038】
【表1】
【0039】
2.官能評価
(1)サンプルの調製
上記表1に記載の比較例1〜4及び実施例1〜10のサンプルについて、各サンプル5.5gを、水150mLと混合して各試験サンプルを得た。
【0040】
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、下記表2の評価項目について、アンケートを実施し、官能評価を行った。具体的には、比較例2のサンプルを基準として他のサンプルを比較し、それぞれ1〜9点の点数をつけた。
【0041】
【表2】
【0042】
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出した。評価結果を表3及び図1のグラフに示す。なお、図1は比較例2を基準とした場合の差を表すものである。
【0043】
【表3】
【0044】
賦形剤であるデキストリンを除く成分(スピルリナ、玄米、難消化性デキストリン、黒糖)を用いた場合について、嗜好性の評価結果を考察した。表3及び図1に示すように、スピルリナのみを含有する比較例1(組成物i)は、いずれの項目も1〜2点台であり、特に、臭い(青臭さ)、粉っぽさ、コク、口当たり、のどごし、後味が低い評価であった。また、スピルリナに玄米、難消化性デキストリン、黒糖のいずれかを組み合わせた比較例2〜4(組成物ii)は、比較例iと比べて臭いや味は多少改善される程度であった。一方、スピルリナ、玄米と、難消化性デキストリン又は黒糖のうち少なくとも1種を含有する実施例1〜8(組成物iii)は、組成物iや組成物iiと比較して、いずれの項目も優れたものであった。特に、臭い(青臭さ)の改善がなされるのみでなく、コク、口当たり、のどごし、後味で高い評価となり、嗜好性に優れた組成物が得られることがわかった。さらに、スピルリナ、玄米、難消化性デキストリン及び黒糖を配合した実施例9〜10(組成物vi)は、組成物i及び組成物iiと比較して、全ての項目でさらに高い評価であり、組成物iiiと比較しても、えぐ味、苦味、渋み、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たり、のどごし、後味で高い評価であった。これら4成分を配合することで、より一層嗜好性に優れた組成物が得られることがわかった。
【0045】
以上の結果より、(A)微細藻類を単独で用いた組成物(組成物I)は、微細藻類独特の臭いや味を有し、単独では嗜好性が悪いものであった。(A)微細藻類と、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維、(D)含蜜糖のうち1種を含有する組成物(組成物II)は、組成物Iと比較して、微細藻類独特の臭いや味について多少の改善がなされたものの、嗜好性が悪いものであった。一方、(A)微細藻類、(B)玄米と、(C)水溶性食物繊維又は(D)含蜜糖のうち1種を含有する本発明の組成物(組成物III)は、組成物IやIIと比較して、微細藻類独特の臭いや味を効果的に改善することができ、嗜好性に優れた組成物となることがわかった。さらに、(A)微細藻類、(B)玄米、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖を含有する本発明の組成物(組成物IV)は、組成物IIIと比較して、より一層嗜好性に優れた組成物となることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、玄米と、水溶性食物繊維又は含蜜糖のうち少なくとも1種を含有することにより、微細藻類の呈味を改善することができるため、微細藻類を含有する嗜好性の高い飲食用組成物を提供することができる。
【要約】
【課題】
微細藻類、玄米と、水溶性食物繊維、含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする飲食用組成物を提供することを目的とする。また、玄米と、水溶性食物繊維、含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、微細藻類の呈味改善用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)微細藻類、(B)玄米と、(C)水溶性食物繊維及び(D)含蜜糖から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする飲食用組成物。
【選択図】
なし
図1