(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ以上の水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン、デンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
前記1つ以上の可塑剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、ジメチコーンコポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
前記パーソナルケア物品が、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される第2の界面活性剤を更に含み、前記1つ以上のアニオン性界面活性剤の前記第2の界面活性剤に対する比が10:1〜1:2である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
明細書の各請求項から、その請求範囲は特定され明確にされているが、本発明は、下記記載により、より明確に理解されるであろう。
【0012】
本発明の全ての実施形態では、特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に断らない限り、全ての測定は25℃で周囲条件下において行われたものと理解される。ただし「周囲条件」とは、約1気圧の圧力下で約50%の相対湿度における条件のことを意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0013】
用語「含む」は、本明細書で使用するとき、最終的な結果に影響を及ぼさない他の工程、及び他の成分、を追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載の発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載のいずれの追加的、若しくは任意選択の、成分、構成要素、工程、又は制限をも含み、これらからなり、及びこれらから本質的になることができる。
【0014】
用語「押出された」は、本明細書で使用するとき、ポリマー供給部、押出機駆動部及びギヤボックス、1又は2本のスクリューを備える押出機バレル、1つ以上のその他の注入口、並びに押出ダイ等の押出ラインの基本構成要素から製造されたことを意味する。押出機駆動部は、電気的に作動し、スラスト軸受を介して1又は2本の押出機スクリューの回転運動を生じるように調整できる。スクリューへのポリマー供給は、供給ホッパーから行われ、供給は、重力、計量スクリュー、又は単純なスパイラルコンベアによって行われてもよい。押出機バレル及び1又は2本の押出機スクリューは、高強度鋼製であり、硬化並びに窒化及び硬質クロム処理のようなコーティング処理によって、摩耗及び腐食から保護されている。押出バレル及びスクリューは、材料及びプロセスパラメータに応じて個別に加熱及び冷却される3〜15の区画にゾーン分けされている。押出ダイは、1又は2本の押出機スクリューの前面からのポリマー溶融物を通し、所望製品の基本形状を形成する。
【0015】
用語「クラフト点」は、本明細書で使用するとき、(クラフト温度、又は臨界ミセル温度としても知られる)界面活性剤がミセルを形成する最小温度を意味する。クラフト点未満では、臨界ミセル濃度(CMC)の値が存在しない、すなわち、ミセルが形成できない。クラフト点は相変化の点であり、その点未満では、水溶液中であっても界面活性剤が結晶形態を維持する。クラフト点は、その温度を超えると界面活性剤の溶解度が急激に上昇する温度(より厳密には、狭い温度範囲)として実験的に測定される。この温度では、界面活性剤の溶解度が臨界ミセル濃度に等しくなる。界面活性剤のクラフト点は、温度に対する界面活性剤の溶解度の対数のグラフの傾きが急激に変化する位置を求めることによって最も適切に決定される[出典:PAC,1972,31,577(Manual of Symbols and Terminology for Physicochemical Quantities and Units,Appendix II:Definitions,Terminology and Symbols in Colloid and Surface Chemistry)、613ページ]。
【0016】
用語「可塑剤」は、本明細書で使用するとき、脆性を低減するため並びに可塑性及び可撓性を促進するためにポリマー組成物に添加される様々な物質(典型的には溶媒)のいかなるものも意味する。
【0017】
用語「半固体」は、本明細書で使用するとき、高粘度で、固体及び液体の両方の性質を有する物質の状態を意味する。
【0018】
用語「固体」は、本明細書で使用するとき、その形状及び体積が比較的安定であるように、すなわち、液体様又はガス状ではないように、構成要素が配置された物質の状態を意味する。
【0019】
用語「水溶性ポリマー」は、本明細書で使用するとき、水溶性ポリマーと水分散性ポリマーの両方を含み、25℃で測定したときに少なくとも約0.1グラム/リットル(g/L)の水溶解度を有するポリマーとして定義される。
【0020】
(a)2軸押出機から押出品を製造する工程と、(b)押出品を押出発泡してパーソナルケア物品にする工程とを含む、パーソナルケア物品の形成方法が提供され、このパーソナルケア物品は、(i)約10%〜約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であって、1つ以上のアニオン性界面活性剤が約30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、(ii)約10%〜約50%の1つ以上の水溶性ポリマーと、(iii)約1%〜約30%の1つ以上の可塑剤と、(iv)約0.01%〜約40%の水と、を含み、上記パーソナルケア物品が約0.05g/cm
3〜約0.95g/cm
3の密度を有する。
【0021】
パーソナルケア物品は、約0.05g/cm
3〜約0.95g/cm
3、あるいは約0.10g/cm
3〜約0.90g/cm
3、あるいは約0.15g/cm
3〜約0.85g/cm
3、あるいは約0.20g/cm
3〜約0.80g/cm
3、あるいは約0.25g/cm
3〜約0.75g/cm
3の密度を有してもよい。
【0022】
パーソナルケア物品の密度は、次式によって求められる:密度の計算値=多孔質固体の坪量/(多孔質固体の厚さ×1,000)。パーソナルケア物品の坪量及び厚さは、本明細書に記載の方法論に従って求められる。
【0023】
本発明のパーソナルケア組成物のパーソナルケア物品構成要素の坪量は、選択されたパーソナルケア物品の面積当たりのパーソナルケア物品構成要素の重量として計算される(グラム/m
2)。面積は、パーソナルケア物品の外縁に垂直な平坦面上への投影面積として計算される。平坦な物体の場合、面積は、サンプルの外周内に囲まれる領域に基づいて計算される。球形の物体の場合、面積は、平均直径に基づいて、3.14×(直径/2)
2として計算される。円筒形の物体の場合、面積は、平均直径と平均長さに基づいて、直径×長さとして計算される。不定形の3次元物体の場合、面積は、外のり寸法が最も大きい側面に垂直に配向する平面上に投影された、その側面に基づいて計算される。これは、物体の外のり寸法を1枚の方眼紙に鉛筆で慎重にトレースした後、方眼の概数を数え、その方眼の既知面積を乗じることによって、又は定規を含めてトレース領域の写真を撮り(コントラストのため陰影をつけて)、画像解析技術を使用することによって、実施できる。
【0024】
パーソナルケア物品(すなわち、基材又はサンプル基材)の厚さは、マイクロメータ又は隙間ゲージ、例えば、Mitutoyo Corporation Digital Disk Stand Micrometer型番IDS−1012E(Mitutoyo Corporation,965 Corporate Blvd,Aurora,IL,USA 60504)を使用して、得てもよい。マイクロメータは、直径3cm(1インチ)で重さ約32グラムの圧盤を有し、約0.09psi(6.32gm/cm
2)の印加圧力で厚さを測定する。
【0025】
パーソナルケア物品の厚さは、圧盤を上げて、サンプル基材の切片を圧盤の下のスタンドに置き、圧盤を慎重に下げてサンプル基材に接触させ、圧盤を解放して、サンプル基材の厚さをデジタル読み出しでミリメートル単位で測定することによって、測定されもよい。厚さが最小可能表面圧力で測定されることを確実とするため、平坦ではない剛直な基材の場合を除いて、サンプル基材は圧盤の全ての縁まで完全に伸展されることが必要である。完全に平坦ではない剛直な基材の場合、基材の平坦部分に突き当てた圧盤の一部のみを使用して、基材の平坦な縁部を測定する。
【0026】
球形、又は円筒形のパーソナルケア物品押出品の場合、重量を測定し、体積の測定値で除すことによって、密度を測定することができる。体積は、球形の場合は直径(上記のマイクロメータ法を用いて)及び対応する長さ(円筒形の場合)に基づいて測定できる。
【0027】
不定形のパーソナルケア物品(非長方形、非正方形、非球形、非円筒形)の場合、米国特許第20030186826号に教示されるように、浸漬密度法を使用して、密度を測定することができる。
【0028】
パーソナルケア物品は、約0.02g/cm
3〜約0.30g/cm
3、あるいは約0.06g/cm
3〜約0.20g/cm
3、あるいは約0.08g/cm
3〜約0.15g/cm
3の乾燥密度を有してもよい。
【0029】
アニオン性界面活性剤
パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約10重量%〜約60重量%、あるいは約12重量%〜約50重量%、あるいは約15重量%〜約40重量%の、1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。1つ以上のアニオン性界面活性剤は、30℃未満、あるいは25℃未満、あるいは20℃未満、あるいは15℃未満、あるいは10℃未満のクラフト点を有してもよい。
【0030】
アニオン性界面活性剤の非限定例は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシレート、分枝状アルキルアルコキシレートサルフェート、アルキルオキシアルカンスルホネート、中鎖分枝状アルキルアリールスルホネート、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリールスルホネート、一級又は二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0031】
一実施形態において、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、次の構造に従う1つ以上のアルキルエーテルサルフェートを含んでもよい:
【0032】
【化1】
式中、R
1は、
a.約9〜約15個の炭素原子を含む置換アルキル系、
b.約9〜約15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、
c.約9〜約15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、
d.約9〜約15個の炭素原子を含む分枝鎖アルキル系、及び
e.約9〜約15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基であり、
R
2は、
a.約2〜約3個の炭素原子を含むC結合二価直鎖アルキル系、
b.約2〜約3個の炭素原子を含むC結合二価分枝鎖アルキル系、及び
c.これらの組み合わせからなる群から選択され、
M+は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、プロトン化モノエタノールアミン、プロトン化ジエタノールアミン、及びプロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価の対イオンであり、xは平均で約0.5モル〜約3モル、あるいは約1モル〜約2モルである。一実施形態において、xは平均で約0.5モル〜約3モルのエチレンオキシド、あるいは約1モル〜約2モルのエチレンオキシドである。
【0033】
本明細書に用いるのに好適なアルキルサルフェートとしては、それぞれ式ROSO
3Mを有する物質が挙げられ、式中Rは約8個の炭素原子〜約24個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、Mは水溶性カチオンである。Mの非限定例は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンからなる群から選択されてもよい。
【0034】
アルキルエーテルサルフェートの非限定例は、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸アンモニウム、トリデセス硫酸カリウム、トリデセス硫酸トリエタノールアミン、ウンデセス硫酸ナトリウム、ウンデセス硫酸アンモニウム、ウンデセス硫酸カリウム、ウンデセス硫酸トリエタノールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一実施形態において、アルキルエーテルサルフェートは、ラウレス硫酸ナトリウムであってもよい。
【0035】
その他の好適なアニオン性界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition(1986),Allured Publishing Corp.;McCutcheon’s Functional Materials,North American Edition(1992),Allured Publishing Corp;並びに米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されている場合がある。
【0036】
第2の界面活性剤
パーソナルケア物品は、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の第2の界面活性剤を更に含んでもよい。1つ以上のアニオン性界面活性剤の1つ以上の第2の界面活性剤に対する比は、約15:1〜約1:2、あるいは約10:1〜約1:1であってもよい。
【0037】
両性界面活性剤の非限定例は、二級及び三級アミンの両性誘導体、複素環式二級及び三級アミンの両性誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0038】
両性界面活性剤の更なる非限定例は、コカミノプロピオン酸ナトリウム、コカミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミノプロピオン酸アンモニウム、コカミノジプロピオン酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ココアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウラミノプロピオン酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ラウロアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウリミノジプロピオン酸アンモニウム、コカミノプロピオン酸トリエタノールアミン、コカミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ココアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウラミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホジプロピオン酸、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホン酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ジカルボキシエチルココプロピレンジアミン二ナトリウム、ラウレス−5カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、オレオアンホジプロピオン酸二ナトリウム、PPG−2−イソデセス(isodecethy)−7カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウロアンホジプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0039】
双極性イオン界面活性剤の非限定例は、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、四級アンモニウムの誘導体、四級ホスホニウムの誘導体、三級スルホニウムの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0040】
双極性イオン界面活性剤の非限定例は、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C
8〜C
18アミンオキシド、スルホ及びヒドロキシベタイン、及びこれらの混合物を包含するベタインからなる群からも選択されてもよい。
【0041】
双極性イオン界面活性剤の更なる非限定例は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオン酸、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルベタイン、ココ−スルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0042】
水溶性ポリマー
パーソナルケア物品は、構造化剤として機能し得る1つ以上の水溶性ポリマーを含んでもよい。パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約10重量%〜約50重量%、あるいは約15重量%〜約45重量%、あるいは約20重量%〜約40重量%、あるいは約25重量%〜約35重量%の、1つ以上の水溶性ポリマーを含んでもよい。
【0043】
1つ以上の水溶性ポリマーは、25℃で測定したときに、約0.1g/L〜約500g/Lの水溶解度を有してもよい。1つ以上の水溶性ポリマーは、合成由来でも天然由来でもよく、化学反応によって修飾されていてもよい。
【0044】
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーは、約40,000g/モル〜約500,000g/モル、あるいは約50,000g/モル〜約400,000g/モル、あるいは約60,000g/モル〜約300,000g/モル、あるいは約70,000g/モル〜約200,000g/モルの重量平均分子量を有してもよい。
【0045】
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーの4重量%溶液は、20℃において約4センチポアズ〜約80センチポアズ、あるいは約10センチポアズ〜約60センチポアズ、あるいは約20センチポアズ〜約40センチポアズの粘度を有してもよい。
【0046】
合成水溶性ポリマーの非限定例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリレート、カプロラクタム、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリウレタン、ポリカルボン酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミンからなる群から選択されてもよい。合成水溶性ポリマーの更なる非限定例は、マレイン酸/アクリレート系コポリマー、マレイン酸/メタクリレート系コポリマー、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー等の、アニオン性、カチオン性及び両性モノマーのコポリマー並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0047】
天然水溶性ポリマーの非限定例は、カラヤゴム、トラガカントガム、アラビアガム、アセマンナン、コンニャクマンナン、アカシアガム、ガティガム、乳清タンパク質単離物、大豆タンパク質単離物、グアーガム、イナゴマメゴム、マルメロ種子ガム、オオバコ種子ガム、カラギーナン、アルギナート、寒天、果実抽出物(ペクチン)、キサンタンガム、ジェランガム、プルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びデキストラン、カゼイン、ゼラチン、ケラチン、ケラチン加水分解物、スルホン酸ケラチン、アルブミン、コラーゲン、グルテリン、グルカゴン、グルテン、ゼイン、セラック、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0048】
修飾天然水溶性ポリマーの非限定例は、(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル等のセルロース誘導体;及び(2)ヒドロキシプロピルグアー等のグアー誘導体からなる群から選択されてもよい。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、Dow Chemical Company(Midland,MI)より入手可能なものが挙げられる。
【0049】
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーを、必要な水溶性ポリマーの全体的レベルを低減するような量のデンプン系材料とブレンドしてもよい。1つ以上の水溶性ポリマーとデンプン系材料とを合わせた重量パーセントは、パーソナルケア物品の約10重量%〜約40重量%、あるいは約12重量%〜約30重量%、あるいは約15重量%〜約25重量%の範囲であってもよい。1つ以上の水溶性ポリマーのデンプン系材料に対する重量比は、約1:10〜約10:1、あるいは約1:8〜約8:1、あるいは約1:7〜約7:1、あるいは約6:1〜約1:6の範囲であってもよい。
【0050】
デンプン系材料の非限定例は、穀物、塊茎、根、マメ科植物、果実、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的には、デンプン系材料の非限定例は、トウモロコシ、エンドウマメ、ジャガイモ、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、サトウモロコシ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。デンプン系材料には、物理的に修飾されたデンプン及び化学的に修飾されたデンプンを含む、当該技術分野で既知の任意の修飾を使用して修飾された天然デンプンも含まれる。
【0051】
可塑剤
パーソナルケア物品は、1つ以上の可塑剤を含んでもよい。パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約1重量%〜約30重量%、あるいは約5重量%〜約25重量%、あるいは約10重量%〜約20重量%の、1つ以上の可塑剤を含んでもよい。可塑剤の非限定例は、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、ジメチコーンコポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0052】
好適なポリオールの非限定例は、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マンニトール(manitol)、ラクチトール、一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C
2〜C
8アルコール)、単糖類、二糖類、オリゴ糖、高フルクトース固形コーンシロップ、アスコルビン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0053】
好適なポリカルボン酸の非限定例は、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0054】
好適なポリエステルの非限定例は、グリセロールトリアセタート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0055】
好適なジメチコーンコポリオールの非限定例は、PEG−12ジメチコーン、PEG/PPG−18/18ジメチコーン、及びPPG−12ジメチコーンからなる群から選択されてもよい。
【0056】
好適な可塑剤の更なる非限定例は、アルキルフタレート、アリルフタレート、ナフタレート、乳酸塩(例えば、ナトリウム、アンモニウム及びカリウム塩)、ソルベス−30、尿素、乳酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、可溶性コラーゲン、変性タンパク質、L−グルタミン酸一ナトリウム、グリセリルポリメタクリレート、高分子可塑剤、タンパク質、アミノ酸、水素デンプン加水分解物、低分子量エステル(例えば、C
2〜C
10アルコールと酸とのエステル)、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。追加の実施形態において、好適な可塑剤の非限定例は、グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されるα−及びβ−ヒドロキシ酸であってもよい。欧州特許第0283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールのようなグリセロール誘導体等の、より一層好適な可塑剤を開示している。
【0057】
水
パーソナルケア物品は、約0.01%〜約40.0%の水を含んでもよい。一実施形態では、パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約1.0重量%〜約25.0重量%の水、あるいは約2重量%〜約20.0重量%の水、あるいは約3重量%〜約15重量%の水を含んでもよい。別の実施形態では、パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約10重量%〜約40重量%、あるいは約15重量%〜約35重量%、あるいは約20重量%〜約40重量%の水を含んでもよい。
【0058】
有益剤
パーソナルケア物品は、約0.1%〜約15%の有益剤を含んでもよい。好適な有益剤の非限定例は、非イオン性界面活性剤、防腐剤、香料、着色剤、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤、毛髪脱色剤、増粘剤、保湿剤、皮膚軟化剤、医薬有効成分、ビタミン、日焼け止め剤、防臭剤、感覚剤、植物抽出物、化粧品粒子、反応剤、美白剤、日焼け剤、フケ防止剤、剥離剤、酸、塩基、湿潤剤、酵素、懸濁化剤、pH調整剤、ヘアパーマ剤、抗ニキビ剤、抗菌剤、剥離粒子、育毛剤、防虫剤、キレート剤、溶解剤、ビルダー、酵素、移染防止剤、柔軟化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0059】
一実施形態において、パーソナルケア物品は、使い捨て剃毛デバイスのスムーサーとして構成されてもよい。
【0060】
コンディショニング剤
コンディショニング剤の非限定例は、シリコーン、有機油、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。シリコーンの非限定例は、シリコーンオイル、高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、低分子量ポリジメチルシロキサン、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。有機油の非限定例は、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪族エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。コンディショニング剤及び任意追加のシリコーン用懸濁化剤の更なる非限定例は、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に見出され、これらを参照により本願に援用する。
【0061】
シリコーンガム及び高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサンは、約100,000mPa・s〜約30,000,000mPa・s、あるいは約200,000mPa・s〜約30,000,000mPa・sの粘度を有してもよい。シリコーンガム及び高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサンは、約100,000g/モル〜約1,000,000g/モル、あるいは約120,000g/モル〜約1,000,000g/モルの分子量を有してもよい。
【0062】
低分子量ポリジメチルシロキサンは、25℃において約1mPa・s〜約10,000mPa・s、あるいは約5mPa・s〜約5,000mPa・sの粘度を有してもよい。低分子量ポリジメチルシロキサンは、約400〜約65,000、あるいは約800〜約50,000の分子量を有してもよい。
【0063】
一実施形態において、コンディショニング剤は、1つ以上のアミノシリコーンを含有してもよい。アミノシリコーンは、少なくとも1つの一級アミン、二級アミン、三級アミン、又は四級アンモニウム基を含有するシリコーンであってもよい。一実施形態では、アミノシリコーンは、アミノシリコーンの約0.5重量%未満、他の実施形態では約0.2重量%未満、更に他の実施形態では約0.1重量%未満の窒素を有してもよい。
【0064】
アミノシリコーンは、約1,000mm
2/秒(平方ミリメートル毎秒)〜約1,000,000mm
2/秒(約1,000cs(センチストークス)〜約1,000,000cs)、別の実施形態では約10,000mm
2/秒〜約700,000mm
2/秒(約10,000cs〜約700,000cs)、更に別の実施形態では約50,000mm
2/秒〜約500,000mm
2/秒(約50,000cs〜約500,000cs)、更に別の実施形態では約100,000mm
2/秒〜約400,000mm
2/秒(約100,000cs〜約400,000cs)の粘度を有してもよい。この実施形態は、低粘度流体も含んでもよい。本明細書に記載のアミノシリコーンの粘度は、25℃で測定される。
【0065】
別の実施形態では、アミノシリコーンは、約1,000mm
2/秒〜約100,000mm
2/秒(約1,000cs〜約100,000cs)、別の実施形態では約2,000mm
2/秒〜約50,000mm
2/秒(約2,000cs〜約50,000cs)、別の実施形態では約4,000mm
2/秒〜約40,000mm
2/秒(約4,000cs〜約40,000cs)、更に別の実施形態では約6,000mm
2/秒〜約30,000mm
2/秒(約6,000cs〜約30,000cs)の粘度を有してもよい。
【0066】
パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の約0.05重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.3重量%〜約5重量%のアミノシリコーンを含んでもよい。
【0067】
フケ防止剤
一実施形態において、パーソナルケア物品は、フケ防止微粒子であってもよいフケ防止剤を含んでもよい。好適なフケ防止剤の非限定例は、ピリジンチオン塩、アゾール(例えば、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール)、硫化セレン、粒子状硫黄、角質溶解剤(例えば、サリチル酸)、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。一実施形態において、フケ防止剤はピリジンチオン塩である。
【0068】
ピリジンチオン塩微粒子は、好適な粒子状フケ防止剤である。一実施形態では、フケ防止剤は、粒子状の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であってもよい。パーソナルケア物品は、約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約3%、あるいは約0.1%〜約2%のピリジンチオン塩粒子を含んでもよい。一実施形態において、ピリジンチオン塩粒子は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムのような重金属から形成されたものであってもよい。任意の実施形態において、ピリジンチオン塩は、場合により血小板状粒子形態の、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)であってもよい。一実施形態において、血小板状粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩は、20マイクロメートル未満、あるいは5マイクロメートル未満、あるいは2.5マイクロメートル未満の平均粒径を有してもよい。ナトリウムのような、他のカチオンから形成される塩も、好適なフケ防止剤となり得る。ピリジンチオンのフケ防止剤は、例えば、米国特許第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0069】
パーソナルケア物品は、抗菌活性物質も含んでもよい。好適な抗菌活性物質の非限定例は、コールタール、硫黄、炭、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。好適な抗菌剤の更なる非限定例は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0070】
1つの実施形態では、抗菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであってもよい。一実施形態において、抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールであってもよい。
【0071】
カチオン性ポリマー
一実施形態において、パーソナルケア物品は、カチオン性ポリマーを含んでもよい。本明細書において有用なカチオン性ポリマーとしては、米国特許第2007/0207109(A1)号及び同第2008/0206185(A1)号で論じられるものが挙げられ、例えば、本明細書に記載されるパーソナルケア物品のコンディショニング活性成分の付着を効果的に強化するための、十分に高い分子量の合成コポリマー等が挙げられる。また、カチオン性ポリマーの組み合わせが利用されてもよい。一般に合成コポリマーの平均分子量は、約10,000〜約10,000,000、好ましくは約100,000〜約3,000,000、更により好ましくは約200,000〜約2,000,000である。
【0072】
更なる実施形態では、合成コポリマーは、パーソナルケア物品の目的とする用途のpHにおいて、約0.1meq/gm〜約6.0meq/gm、あるいは約0.5meq/gm〜約3.0meq/gmの質量電荷密度を有する。pHは、約pH 3〜約pH 9、あるいは約pH 4〜約pH 8であってもよい。
【0073】
更に別の実施形態では、合成コポリマーは、少なくとも約2meq/A〜約500meq/A、より好ましくは約20meq/A〜約200meq/A、最も好ましくは約25meq/A〜約100meq/Aの線電荷密度を有する。
【0074】
カチオン性ポリマーは、コポリマー又はホモポリマーであってもよい。一実施形態では、本組成物中でホモポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でコポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でホモポリマーとコポリマーとの混合物が利用される。別の実施形態では、本明細書で論じられるセルロース又はグアーポリマー等の、天然由来のホモポリマーが、以下に論じられるもの等の合成ホモポリマー又はコポリマーと組み合わせられる。
【0075】
ホモポリマー−3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[(3−メチルアクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド(QVI);[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及び[2−(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドのモノマーの非架橋カチオン性ホモポリマーもまた、本明細書において有用である。
【0076】
コポリマー−コポリマーは、2個のカチオン性モノマー、又は非イオン性及びカチオン性モノマーを含んでもよい。
【0077】
またパーソナルケア物品は、セルロース又はグアーカチオン付着ポリマーも含んでよい。一般に、こうしたカチオン性セルロース系又はグアーカチオン性付着ポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約5重量%の濃度で存在してよい。好適なセルロース又はグアーカチオン性付着ポリマーは、約5,000を超える分子量を有する。加えて、そのようなセルロース又はグアー付着ポリマーは、パーソナルケア物品の目的とする用途のpHで約0.5meq/g〜約4.0meq/gの電荷密度を有し、このpHは、一般に、約pH 3〜約pH 9、好ましくは約pH 4〜約pH 8の範囲であると思われる。組成物のpHは、未希釈で測定される。
【0078】
本発明の一実施形態では、カチオン性ポリマーはヒドロキシプロピルグアーの誘導体であり、その例には、INCI命名法でグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムとして知られるポリマーが挙げられ、例えば、トーホー(Toho)社のカチナル(Catinal)CG−100、カチナルCG−200、コグニス(Cognis)社のコスメディアグアー(Cosmedia Guar)C−261N、コスメディアグアーC−261N、コスメディアグアーC−261N、フリーダム・ケミカル・ダイアモルト(Freedom Chemical Diamalt)社のダイアガム(DiaGum)P5070、ハーキュレス(Hercules)/アクアロン(Aqualon)社のN−ハンスカチオン性グアー(N-Hance Cationic Guar)、ローディア(Rhodia)社のハイ−ケア(Hi-Care)1000、ジャガー(Jaguar)C−17、ジャガーC−2000、ジャガーC−13S、ジャガーC−14S、ジャガーエクセル(Excel)、日澱化学(Nippon Starch)社のキプロガム(Kiprogum)CW、キプロガムNGKの名称で販売されている製品である。
【0079】
溶解性発泡押出品を形成するプロセス
上記の溶解性発泡押出品を形成するプロセスは、(a)1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤とを、約150℃〜約400℃の第1ゾーン温度にて2軸押出機に添加して、プレミックスを形成する工程と、(b)1つ以上のアニオン性界面活性剤及び水をプレミックスと混合して混合物を形成しながら、プレミックスを約100℃〜約135℃の第2ゾーン温度に冷却する工程と、(c)発泡剤を押出バレルに組み込んで、(i)約10%〜約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であって、1つ以上のアニオン性界面活性剤が約30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、(ii)約10%〜約50%の1つ以上の水溶性ポリマーと、(iii)約1%〜約30%の1つ以上の可塑剤と、(iv)約0.01%〜約30%の水と、を含む溶解性発泡押出品を形成する工程と、を含んでもよく、溶解性発泡押出品は約0.05g/cm
3〜約0.95g/cm
3の密度を有する。
【0080】
溶解性発泡押出品を形成するプロセスは、1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤とを、第1ゾーン温度にて2軸押出機に添加して、プレミックスを形成する工程を含んでもよい。第1ゾーン温度は約150℃〜約400℃、あるいは約155℃〜約300℃、あるいは約160℃〜約250℃であってもよい。一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマー及び1つ以上の可塑剤は、別の押出プロセスによって共に配合され、その後単一成分として2軸押出プロセスに添加されてもよい。別の実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤は、別々の成分として2軸押出プロセスに添加されてもよい。
【0081】
溶解性発泡押出品を形成するプロセスは、1つ以上のアニオン性界面活性剤を水中でプレミックスと混合して混合物を形成しながら、プレミックスを第2ゾーン温度まで冷却する工程を含んでもよい。第2ゾーン温度は、約100℃〜約135℃、あるいは約105℃〜約130℃、あるいは約110℃〜約125℃、あるいは約115℃〜約120℃であってもよい。水は、アニオン性界面活性剤を含む1つ以上の原材料の1構成要素として、又はプロセスへの別途添加により、又はこれらの組み合わせで、プロセスに入ってもよい。
【0082】
溶解性発泡押出品の形成プロセスは、発泡剤を押出バレルに組み込んで、溶解性発泡押出品を形成する工程を含んでもよい。押出機の端には、押出バレル内に流動抵抗及び圧力蓄積を生じ、溶融複合材マトリックス内で物理的発泡剤を可溶化形態に維持するためのダイが取付けられている。ダイがなければ、発泡剤が溶融複合材マトリックスから相分離し、発泡押出品の品質を低下する場合がある。
【0083】
処方物内に存在する水は、発泡剤として機能できることに注意する。しかしながら、化学的及び/又は物理的発泡剤の添加は、本発明の溶解性発泡押出品を製造するために必要であることが発見されている。物理的発泡剤としては、エタノール、2−プロパノール、アセトン、炭化水素、ブタン、n−ペンタン、ヘキサン、クロロフルオロカーボン、圧縮ガス(窒素又は二酸化炭素)又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0084】
一実施形態において、物理的発泡剤は、窒素又は二酸化炭素のような圧縮ガスである。圧縮ガスを使用する場合、圧縮ガスは、溶融組成物に混合及び分散させることができる。例えば、二酸化炭素を、ミキサーゾーンを有する共回転2軸押出機に、高圧下でポンプ輸送することができる。圧力は、約2MPa〜約41MPa(約300psi〜約6,000psi)、あるいは約4MPa〜約38MPa(約600psi〜約5,500psi)、あるいは約6MPa〜約34MPa(約800psi〜約5,000psi)、あるいは約7MPa〜約31MPa(約1000psi〜約4,500psi)、あるいは約8MPa〜約28MPa(約1,200psi〜約4000psi)で変動し得る。現時点で好ましい二酸化炭素の濃度は、約1重量%〜約15重量%、あるいは約3重量%〜約12.5重量%、あるいは約5重量%〜約10重量%である。
【0085】
一実施形態において、発泡剤は、発熱及び発熱分解化合物等の化学的発泡剤である。発熱発泡剤は、分解を開始するのに必要なエネルギーよりも多くのエネルギーを分解中に放出する。分解は、いったん始まると自然に継続し、エネルギー供給が停止されてもしばらくの間続く。発熱発泡剤で発泡された部品は、後膨張を避けるために強力に冷却しなければならない。一実施形態において、化学的発泡剤は、ヒドラジド及びアゾ化合物、例えば、アゾジカルボンアミド及び修飾アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、並びにp−トルエンスルホニルヒドラジドから選択される。
【0086】
一実施形態において、化学的発泡剤は、分解のためのエネルギーを必要とする吸熱発泡剤から選択される。上記の理由から、ガス放出は、熱供給の停止後素早く停止する。一実施形態において、吸熱発泡剤は、重炭酸塩及びクエン酸から選択される。安全に取扱い及び摂取できる一般的な食品添加物が存在する。化学的発泡剤の量は、約0.5重量%〜約10重量%であってもよい。
【0087】
均一な微細セルの発泡体構造を作るために、核剤も本発明に組み込んでもよい。プロセスの過程で使用される核剤の量は、プロセス条件並びに押出された半製品に望ましいモルホロジーに依存する。好ましくは、出発組成物を基準にした核剤の量は、0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜7%、より好ましくは1〜5%の範囲である。
【0088】
一実施形態において、核剤は、タルク(ケイ酸マグネシウム)、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム及び硫酸バリウムのような硫酸塩、二酸化チタン、ゼオライト並びにシリケート等の無機化合物から選択されてもよい。無機粒子は、場合によってはシラン、チタネート等のような接着促進剤で表面処理されていてもよい。一実施形態において、核剤は、ゼオライト並びにシリケート、例えば、ウォラストナイト、モンモリロナイト、及びハイドロサルファイトから選択されてもよい。
【0089】
一実施形態において、核剤は、木粉、セルロース粉末、ブドウ残渣、糠、トウモロコシの皮、その他の天然繊維等の有機充填剤及び繊維から選択されてもよく、約0.5%〜約20%、あるいは約1.0%〜約15%、あるいは約2.0%〜約10.0%の濃度であってもよい。
【0090】
一実施形態において、核剤は、ミクロフィブリル化セルロースであってもよい。
【0091】
ミクロフィブリル化セルロースは、マイクロ及びナノサイズのセルロース繊維で構成される材料であり、高いアスペクト比を有する。一実施形態において、ミクロフィブリル化セルロースは、約0.4mm〜約0.5mmの平均繊維長さ及び約0.01マイクロメートル〜数マイクロメートルの繊維厚さ範囲を有してもよい。
【0092】
一実施形態において、2軸押出プロセスは、所望の最終製品の種類に応じて、単独で又は他の形成操作と組み合わせて、使用してもよい。2軸押出機及び単軸押出機からなる2種類の押出機を用いてもよい。2軸押出機は、コニカル2軸押出機であってもよい。一実施形態において、プロセスは、2台以上の押出機が直列又は並列で接続されたタンデム押出装置を使用してもよい。タンデム押出装置は、水溶性ポリマーと残りの成分との混合を改善するために2軸押出機を使用し、その後有効な押出発泡及び冷却のために単軸押出機を使用してもよい。
【0093】
一実施形態において、押出機を出る前の混合物の更なる冷却に伴う又は二次的なタンデム押出機による、更なる第3ゾーン温度を使用してもよい。これは、押出機を出る際の発泡体の崩壊を緩和するために重要となり得る。第3ゾーン温度範囲は、約50℃〜約110℃、あるいは約60℃〜約100℃、あるいは約70℃〜約90℃であってもよい。
【0094】
発泡押出品は、ダイ形状、切断又は型成形プロセスによっても成形できる。一実施形態では、ダイは筒状ダイ、環状ダイ、又はスロットダイであってもよい。一実施形態では、続いて、押出品を、細管、棒、フィルム、ペレット、球体、中空細管、中空棒等の規定された長さに切断する。別の実施形態では、共押出、同時混合又は層化によって2つ又はそれ以上の異なる発泡押出品を組み合わせて1つの形状にしてもよい。別の実施形態では、上記2つ以上の押出品は、異なる組成物を含んでもよい。
【実施例】
【0095】
押出配合プロセス
本発明の製造は、ポリマー押出技術を利用する。この押出プロセスでは、2種類の押出機を使用し、それは2軸押出機及び単軸押出機である。更に、本発明は、タンデム押出装置も利用し、これは2つ以上の上記押出機からなり、押出機は特定の必要性を満足するために直列又は並列で接続されている。本発明において、タンデム押出の目的は、2軸押出機を用いたポリマーと残りの成分との間の混合及び押出しプロセス中の単軸押出機による有効な冷却を改良することである。本発明の製造は、全て一度に又は2つ以上に分割して、実施できる。ポリビニルアルコールとグリセリンの第1の押出配合は、ポリビニルアルコールを可塑化し、その加工温度を低下する。第2押出フェーズの目的は、配合であり、これはポリビニルアルコール/グリセリンマトリックスを残りの溶液型成分と有効に混合するためのものである。第3押出フェーズは、物理的、化学的、又はその両方の種類の発泡剤を利用して発泡を導入し、最終的な発泡体構造を製造することである。本発明の実施例は、2又は3段階の製造戦略を用いて製造されるが、配合順序が維持される場合に、1台以上の2軸押出機及び単軸押出機を利用する1段階製造を、タンデム装置を用いて実行することができる。
【0096】
ポリビニルアルコール(PVOH)/グリセリンの第1押出配合
ポリビニルアルコールは、最終的な複合材の唯一のポリマー成分であり、押出発泡製品のための構造的一体性を提供する。ポリビニルアルコールを押出するためには可塑剤が必要であり、可塑剤を使用しなければ、ポリビニルアルコールは、その融解温度がその熱分解温度に非常に近いか、それよりも高いために、容易に熱分解する。この目的のため、本発明において、PVOHの可塑剤として液状グリセリンが使用される。しかしながら、PVOHの加工温度をその熱分解温度よりも低く抑えるのを助けるために、他の可塑剤も使用できる。この配合プロセスにおいて、グリセリンをバレルにできるだけ早く注入することが極めて重要である。PVOH量を基準にしたグリセリンの含有量は、PVOH/グリセリン複合材の可能な加工温度範囲及び製造可能性を決定することから、グリセリンとPVOHとの間の適切な重量比は、示差走査熱量計(DSC)の結果に基づいて調査及び決定される。グリセリン含有量が樹脂100当たり50(phr)又は同等の意味で33.3重量%の場合、PVOH/グリセリンの融解温度は147℃である。融解温度は、グリセリン含有量の増大と共に更に低下することがあり、高グリセリン含有量複合材の後加工可能性能は、この多段階製造戦略には適さない。したがって、本発明において、PVOHとグリセリンとの間の特定の重量比は、それぞれ66.7重量%対33.3重量%である。
【0097】
PVOHとグリセリンとの重量比が決定された後で、押出配合が実施される。PVOH/グリセリンの配合は、単軸押出機、2軸押出機、又はタンデム押出装置を使用して実施される。本発明では、2軸押出機は、剪断及び材料の伸展によって大量の機械的混合エネルギーを提供できるだけでなく、種々の配合物の要件に基づいて押出スクリューの構成を最適化する柔軟性も提供できることから、最も好ましい。この目的のため、同方向回転型及び異方向回転型の両方の2軸押出機を実施できる。ただし、本発明では、同方向回転2軸押出機には、液状グリセリンをバレルに直接注入するため、バレルに沿って多数の注入口が設けられている。
【0098】
本発明では、Leistritz製の2軸押出機(スクリュー径27mm、L/D比40:1、10の独立温度制御バレル部分を有する)が使用される。2軸押出システムは、実際の配合プロセスの前に所望の温度まで加熱する必要がある。温度は、下の表1のCelvol 523(PVOH)及びグリセリンを配合するための2軸押出機の温度プロファイルに示す。
【0099】
【表1】
【0100】
上記の温度に到達したとき、熱がバレルからスクリューに伝達されたことを確実とするため、操作の前に更に10分間待つことが重要である。PVOHの顆粒は、Brabender Technologies製の減量計量式重量式フィーダーを用いて、予め決められた質量流量でバレルに供給されるのに対し、グリセリンは、1対のTeledyne Isco製260D高圧シリンジポンプを用いて、特定の体積注入速度でバレルに注入され、この速度はPVOHの供給速度によって調節される。他の種類の高圧液体ポンプを使用して液状グリセリンを注入することはできるが、260D高圧シリンジポンプは、最大で45MPa(6500psi)の注入圧及び非常に正確な体積流量を提供できることから、好ましい。所与の重量比のPVOHとグリセリンとに、異なる加工温度を使用することも可能である。しかしながら、加工温度が表1の値よりも低い場合に、過剰に高いトルクが必要であることから、この温度設定が好ましい。他方、加工温度が表1の値よりも高い場合、押出配合プロセス中にPVOHの熱分解を生じる可能性が高い。
【0101】
PVOH及びグリセリンはいずれも水溶性材料であることから、複合材は圧縮空気で冷却しなければならず、その温度範囲は、複合材がTSE(2軸押出機)から押出されるときに10〜20℃である。この水溶性複合材を冷却する手段は他にあるが、圧縮空気は最も経済的な方法である。配合の最終段階は、冷却されたPVOH/グリセリン複合材のペレット化であり、この工程は、Scheer Bay Co.製のBT25であるペレタイザ−を用いて実行される。
【0102】
全界面活性剤溶液混合物の調製
全界面活性剤溶液混合物は、溶液成分を合わせて手動又は自動のいずれかで混合することによって調製される。混合段階では、全ての成分を、所定の重量比に基づいて好適な清浄な入れ物又は容器に入れ、均質な混合物が得られるまで十分に混合する。本発明の界面活性剤溶液混合物は、70%活性アルコールエトキシサルフェート(SLE1S)並びに香料及び着色染料粉末のようなその他の成分を含む。混合は、周囲環境において室温で実施される。混合方法にかかわらず、混合プロセス自体は、ゆっくりと穏やかに実施されるべきである。全ての混合が完了した後、混合された界面活性剤溶液を密封し、配合プロセスに使用する前に数時間静置することが重要である。
【0103】
PVOH/グリセリン及び界面活性剤溶液混合物の第2押出配合
この第2押出配合プロセスの目的は、PVOH/グリセリンマトリックスを界面活性剤溶液混合物と有効に混合することである。第1押出配合プロセスと同様に、第2押出配合は、単軸押出機、2軸押出機、又はタンデム押出装置で実施できる。本発明において、タンデム押出装置は2軸押出機及び単軸押出機からなり、このシステム構成は2軸押出機からの十分な混合だけでなく、単軸押出機からの有効な冷却も提供できることから、最も好ましい。更に、2軸押出機は、多数の注入口を有し、そこから追加水及び界面活性剤溶液混合物がバレルに注入され、注入位置も最終溶解性固体複合材の混合品質にとって極めて重要である。
【0104】
本発明において、27mmのスクリュー径及び40:1のL/D比を有するLeistritz製の2軸押出機が使用される一方で、1.9cm(0.75”)のスクリュー径及び30のL/D比を有するDavid Standard製の単軸押出機が用いられる。これらの2つの押出機は、独立した温度制御装置を有するフランジパイプによって接続され、このタンデム押出装置の設定温度の値を下の表2に示す。界面活性剤溶液の注入後、加工温度を120℃未満に維持することが極めて重要であることから、表2の温度プロファイルは本発明に最も好ましい。設定温度が表の値よりも高い場合、70%活性アルコールエトキシサルフェートの熱分解を引き起こす。温度が表の値よりも低い場合、PVOH/グリセリンマトリックスを溶融せず、粗悪な混合挙動を生じる。ただし、処方に応じてある程度の変動が可能である。
【0105】
【表2】
【0106】
この第2押出配合プロセスでは、第1押出配合プロセスと異なり、1つは界面活性剤溶液混合物用、もう1つは追加水用の、2つの注入位置を必要とする。本発明において、界面活性剤溶液混合物は、ゾーン3又はゾーン6のいずれかに注入される。界面活性剤溶液混合物がゾーン3に注入される場合には追加水はゾーン6に注入され、逆もまた同様である。注入位置が互いに離れている主な理由は、第1の注入材料が第2の注入材料と混合される前に、PVOH/グリセリンマトリックスと反応するための十分な滞留時間を提供することである。界面活性剤溶液混合物の場合、界面活性剤溶液混合物として1つの特定の位置で注入するのでなく、各成分を異なる位置で別々に注入することも可能である。ただし、界面活性剤溶液混合物として注入する方が、本発明の製造プロセスにとって簡便である。追加水及び界面活性剤混合物のいずれも、3つ以上の高圧シリンジポンプ(Teledyne Isco Inc.製の260Dポンプ)を用いて2軸押出機バレルに注入される。更に、PVOH/グリセリンのペレットは、減量計量式重量式フィーダーを用いて、特定の供給比でバレルに供給される。
【0107】
追加水の使用
第2押出配合プロセスでは、追加水の存在及びその含有量が、最終的な溶解性固体複合材の品質決定において極めて重要な役割を果たす。追加水は、最終的な複合材の混合強化剤だけでなく、PVOH/グリセリンマトリックスの別の可塑剤としても機能する。アルコールエトキシサルフェート及びコカミドプロピルベタインのようないくつかの成分は、溶液状態で既にかなりの量の水を有するが、その可塑化及び混合への関与は極めて少ない。したがって、優れた品質の最終的な溶解性固体複合材を製造するためには、別の追加水の使用が絶対的に必要である。
【0108】
追加水の含有量は、最終的な溶解性固体複合材の硬度にも影響することから、その含有量を、残りの成分との重量比に従って慎重に決定する必要がある。追加水含有量が過度に高い場合、最終的な複合材は、最終形状を維持するための構造的一体性を有さない。他方、過度に低い追加水含有量は、最終的な複合材の混合品質を低下させる。
【0109】
発泡のための第3の押出フェーズ
第3の押出プロセスでは、発泡プロセスに対応するため、単軸押出機、2軸押出機、又はタンデム押出装置が採用される。本発明では、2軸押出機からの効率的混合及び単軸押出機内での強化された冷却の両方を提供できるシステムであることから、タンデム押出ラインが好ましい。押出複合材は、ポリビニルアルコール、グリセリン、界面活性剤溶液、追加水、及び該当する場合にはその他の成分からなり、乾燥され、タンデムシステムの第1の押出機に直接供給される。第1の押出機において、複合材は再溶融及び混合されて、第2の押出機への発泡剤の注入の前に、均一な混合を達成する。ギヤポンプは、第1の押出機の末端部と第2の押出機の開始部との間に取り付けられる。ギヤポンプの目的は、溶融複合材の流れを第1の押出機から第2の押出機へ搬送することである。更に、ギヤポンプの採用により、2つの押出機間に圧力差があるにもかかわらず、この流れの移動を非常に一貫させることができる。第2の押出機において、物理的発泡剤はバレルに直接注入され、混合されて、複合材成分と発泡剤との間で均一な混合物が得られる。第2の押出機の末端部には、バレル及びダイにおける流動抵抗並びに蓄積を生じるためのダイが取付けられる。溶融複合材マトリックス中で発泡剤が可溶性を維持するためには、特定のレベルの圧力が必要である。そうしなければ、発泡剤と溶融複合材の流れとの間で相分離が発生し、この相分離は、最終的な発泡体構造の品質を低下する。
【0110】
物理的発泡剤の注入
物理的発泡剤の注入は、Teledyne Isco Inc.製の高圧高精密シリンジポンプ(1つ又は複数)を使用して実施される。本物品において、記載の実施例は、超臨界流体状態の二酸化炭素CO
2のみを、物理的発泡剤として使用する。ただし、本発明は、N
2、n−ブタン、n−ペンタン、イソブタン等の他の種類の物理的発泡剤並びに2つ以上の物理的発泡剤の混合物を包含する。
【0111】
物理的特性
材料
本発明は5種類の材料を使用し、それは、ポリビニルアルコール、グリセリン、アルコールエトキシサルフェート、追加水、及び該当する場合には香料である。ポリビニルアルコールについては、Sekisui Chemical Co.Ltd.製の商業グレードのCelvol 523が本発明に使用される。Procter and Gamble Company製のSuperolグリセリンUSPが、本発明の液状グリセリンとして使用される。アルコールエトキシサルフェートについては、Stepan Company製のSTEOL CS−170が使用される。追加水の場合、通常の水道水が使用される。物理的発泡剤には、Linde Gas Inc.製のCO
2が使用される。
【0112】
発泡特性
本物品は、2つの物理的特性を用いて、製造された発泡構造を評価する。第1の特性は、体積発泡倍率又は単に発泡倍率である。体積発泡倍率は、下記のように定義される:
【0113】
【数1】
式中、ρ
発泡体は、発泡体構造の最終的な密度で、ASTM D792−00に基づいて測定される。第2の特性は、気泡密度である。気泡密度は、次のように定義される:
【0114】
【数2】
【0115】
押出発泡体サンプルの気泡モルホロジーを観察するために、更に、走査電子顕微鏡(SEM)を本物品に使用する。走査電子顕微鏡は、JEOL Inc.製のJSM−6060である。
【0116】
(実施例)
実施例1:ラボスケール2軸及び単軸タンデムシステムによる押出発泡
この実施例用に、PVOH/グリセリンのペレットを、前節に記載の第1押出配合プロセスによって調製する。第2押出配合プロセスでは、界面活性剤溶液及び追加水を別々に2軸押出機に注入して、PVOH/グリセリンマトリックスとの均一混合物を得る。界面活性剤溶液混合物に関しては、アルコールエトキシサルフェートのみからなる。材料の含有量を、表3に与える。本発明に記載の実施例全てについて、全含水量を計算する際は、アルコールエトキシサルフェートは30%の水を含有すると仮定する。
【0117】
【表3】
【0118】
この実施例の第2押出段階には、上記のタンデム押出装置を採用する。この実施例のタンデム押出の温度プロファイルを、下の表4に示す。温度は、ダイの前で十分な圧力を蓄積するために(これは発泡に必要である)、単軸バレル温度がわずかに低いことを除き、表2の温度に非常に似ている。溶液混合物は、1組のTeledyne Isco Inc製の260D高圧シリンジポンプを使用して、TSEゾーン3に注入される。更に、追加水が、1組のシリンジポンプを使用してTSEゾーン5に注入される。
【0119】
【表4】
【0120】
複合材は、ダイから押出されるときに、円筒形のストランドの形態を有する。ストランドは、大気中で室温にて回収及び乾燥される。この乾燥期間中に、第2の押出フェーズで得られた押出複合材の全含水量は、29.11重量%から約12重量%に低下し、残りの乾燥期間の間、これに近い含水量範囲が維持される。
【0121】
乾燥された複合材は、この実施例のラボスケール2軸押出機に供給され、このラボスケール2軸押出機は、30mmのスクリュー径を10のL/D比と共に有する。前節に記載のように、このラボスケール2軸押出機の末端部には、複合材溶融物の流れを単軸押出機に搬送するためのギヤポンプが取り付けられている。この単軸押出機は、1.9センチメートル(0.75インチ)のスクリュー径及び20のL/D比を有する。この実施例の第3押出段階の温度プロファイル及びその他の加工条件を表5に記載する。この実施例では、フィラメントダイを組込み、フィラメントダイは1mmの直径及び22.5のL/D比を有する。ダイ圧力を変更し、この圧力変動が複合材の発泡挙動に与える影響を調査するため、ダイ温度は、表5に記載のように110〜120℃で変動させる。
【0122】
【表5】
【0123】
物理的発泡剤のCO
2は、前節に記載のように、第2の単軸押出機に注入される。CO
2の含有量は、この実施例において2.0重量%である。
【0124】
ダイ温度の変動により、ダイ圧力が変動する。溶融複合材/発泡剤の流れがダイから出るときに経験するこの急激な圧力低下により、発泡が起こり、押出品が膨張する。したがって、発泡倍率、すなわちVERの値は、この実験の3時間後に測定する。最大発泡倍率の5.5は、ダイ温度が110℃のときに達成される。最大気泡密度の10
7個/cm
3は、110℃のダイ温度で得られる。
【0125】
実施例2:27mmの2軸タンデム押出ラインによる押出発泡
この実施例では、実施例1のラボスケール2軸押出機の代わりに、27mmのスクリュー径及び40のL/D比を有するLeistritz製の2軸押出機を使用する。実施例1と同じ単軸押出機を、フランジパイプを使用して、上記2軸押出機に取り付ける。更に、この実施例は、2つの押出機間にギヤポンプを使用しない。
【0126】
実施例1の表3と同じ材料成分を有する、押出及び乾燥された複合材のストランドは、2軸押出機に供給され、その温度プロファイルは表6に示される。この温度プロファイルは、アルコールエトキシサルフェートの熱分解を起こすことなく供給複合材の溶融を最大にするように決定される。
【0127】
【表6】
【0128】
この実施例は、超臨界CO
2を物理的発泡剤として使用し、それを前節に記載のように、高圧シリンジポンプを用いてTSEゾーン5に直接注入する。物理的発泡剤の量に関しては、この実施例では3.0及び4.0重量%のCO
2が注入される。
【0129】
冷却の度合が大きいほど、溶融粘度の増大によるダイにおける流動抵抗の量が大きくなり、これは、より高いダイ圧力の値に変換できることから、単軸押出機の温度は、溶融複合材/発泡剤に冷却を提供するように変更される。実施例1と同じフィラメントダイをこの実施例にも使用する。3.0及び4.0重量%の両方のCO
2について、単軸押出機の変動する温度プロファイルを表7に示す。
【0130】
【表7】
【0131】
表8に発泡倍率及び気泡密度の測定値と共に示すように、温度が低下するにつれて、ダイ圧力の値は増大する。バレル及びダイ温度の低下によってダイ圧力は大幅に増大するが、この実施例の5種類の実験条件全てから、ほぼ同一の発泡体構造が得られることから、最終的な発泡特性は影響を受けない。
【0132】
【表8】
【0133】
実施例3:化学的発泡剤を使用する発泡押出
上記の実施例、実施例1及び実施例2は、超臨界CO
2である物理的発泡剤を使用した。しかし、この実施例は、化学的発泡剤を使用して発泡を開始する。化学的発泡剤は、重炭酸ナトリウム、NaHCO
3であり、これは重曹としても知られる。この化学的発泡剤は、熱分解プロセスにより、周囲にCO
2ガスを放出する。熱分解プロセスは、溶融温度が化学的発泡剤の熱分解温度よりも高いときに起こる。重炭酸ナトリウムの場合、熱分解温度は70℃である。
【0134】
この実施例では物理的発泡剤を注入する必要がないことから、第3の押出フェーズが削除される。化学的発泡剤は、微細粉末の形状であることから、予備混合された界面活性剤溶液に添加されて2軸押出機バレルに直接注入される。材料成分の含有量を表9に示す。
【0135】
【表9】
【0136】
タンデム押出ラインの温度プロファイルを表10に示す。界面活性剤溶液/化学的発泡剤プレミックスはTSEゾーン3に注入されるのに対し、追加水はTSEゾーン6に注入される。
【0137】
【表10】
【0138】
この実施例は、前の実施例のフィラメントダイの代わりに、シートダイを使用する。
【0139】
この実施例から得られる気泡は、前の実施例から得られるものよりもかなり大きいことから、光学顕微鏡を用いて、発泡体サンプルの気泡モルホロジーを評価した。発泡体サンプルの平均気泡径は0.25mmである。
【0140】
この実施例では、発泡倍率及び気泡密度の値は、測定値が非常に低く、前の実施例の値と比較できないことから、考察しない。
【0141】
実施例4:スリットダイを使用する発泡押出
前節に記載のように、この実施例は、3つの別々の段階の押出プロセスを使用し、それはPVOH/グリセリンの配合、PVOH/グリセリン及び界面活性剤溶液混合物の配合、並びに押出発泡である。発泡剤に関しては、この実施例はCO
2をその物理的発泡剤として使用する。
【0142】
押出プロセスの第2段階において、PVOH/グリセリンのペレットを、タンデムシステムの27mm2軸押出機に供給し、界面活性剤溶液と混合する。界面活性剤溶液は、第2段階の押出プロセスの前に混合され、2軸押出機のバレルに直接注入される。第2段階の温度プロファイルを、表11に記載する。界面活性剤溶液プレミックスの注入はTSEゾーン3で起こるが、追加水はTSEゾーン4に注入される。この第2段階押出プロセスの材料成分を表12に示す。
【0143】
【表11】
【0144】
【表12】
【0145】
第2の押出プロセスの後、押出された複合材ストランドを、全含水量が約15〜17重量%になるまで乾燥する。乾燥された複合材ストランドを、第3の押出プロセスのため、2軸押出機に供給する。第3フェーズの押出プロセスは、第2フェーズの押出プロセスと同じタンデムラインである。第3の押出プロセスの温度プロファイルを、表13に記載する。0.75重量%のCO
2を、上記のように、高圧シリンジポンプを使用してTSEゾーン4に注入する。
【0146】
【表13】
【0147】
この実施例にはスリットダイを使用し、スリットダイは単軸押出機の末端部に取り付けられる。ダイの開口寸法は、0.8mm(厚さ)×30mm(幅)である。ダイランド長さは35mmである。
【0148】
ダイ圧力は、実験中、約1.1MPa(160psi)に維持される。最終的な発泡体構造は1.8E+05の気泡密度を有し、平均発泡倍率は1.307である。発泡倍率が低いのは、主に、ダイ圧力がかなり低く、CO
2含有量が少ないためである。
【0149】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0150】
本明細書で引用される全ての文献は、相互参照又は関連特許若しくは出願を含め、明示的に除外されるか又は別の方法で限定されない限り、その全部分が参照により本明細書に援用される。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示、提案、又は開示することを認めるものではない。更に、本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義を適用する。
【0151】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。