(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、シリコーン封止材用添加剤を提供する。添加剤は、以下の構造を有する。
【化2】
本構造において、下付き文字aは、3又は4であり、3+(III)又は4+(IV)の酸化状態のセリウムに対応する。3+状態(III)で、セリウムは、通常、3つの配位子に結合する(すなわち、a=3)。4+状態(IV)で、セリウムは、通常、4つの配位子に結合する(すなわち、a=4)。上記のOSiR
1R
2R
3構造は、別の方法としては(単座)配位子、例えば三官能シロキシ配位子として記載でき、これは三級シラノール配位子、又は三置換シラノール配位子として記載することもできる。
【0008】
更に、上記の構造において、R
1及びR
2はそれぞれ−O−Si(R
4)(R
5)(R
6)である。添加剤の非限定的な例示の構造を以下に示す。ただし、R
4、R
5、及び/又はR
6のいずれか1つ以上は、それぞれが直接結合するSiに対していずれの位置にあってもよいことは理解される。
【化3】
【0009】
シリコーン技術分野で理解されるように、R
1及びR
2のそれぞれは、「M」単位(例えば、R
3SiO
1/2で、式中Rは本明細書に記載の基/部分のいずれか1つ以上であってもよい)として記載されてもよく、それぞれは同じでも互いに異なっていてもよい。R
4、R
5、及びR
6のぞれぞれは、C
1〜C
10ヒドロカルビル基、C
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
10アルケニル基、及びC
6〜C
10アリール基から独立して選択される。更に、R
3は、C
1〜C
10ヒドロカルビル基、C
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
10アルケニル基、及びC
6〜C
10アリール基から独立して選択される。より具体的には、各ヒドロカルビル基は独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子又はこれらの間の任意の範囲の炭素原子を有してもよい。同様に、各アルキル基は、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子、又はこれらの間の任意の範囲の炭素原子を有してもよい。種々の実施形態において、1つ以上のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基として定義される。各アルケニル基は、独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子又はこれらの間の任意の範囲の炭素原子を有してもよい。種々の実施形態において、1つ以上のアルケニル基は、ビニル基として定義される。更に、各アリール基は独立して、6、7、8、9、又は10個の炭素原子又はこれらの間の任意の範囲の炭素原子を有してもよい。種々の実施形態において、1つ以上のアリール基は、フェニル基として更に定義される。
【0010】
更なる実施形態において、R
3〜R
6基の合計の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99モル%はメチル基である。他の実施形態において、R
3〜R
6基の合計の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99モル%はフェニル基である。他の実施形態において、上記のモル%は、R
3〜R
6のそれぞれを、まとめてではなく、個別に考えて記載されることが想到される。更に他の実施形態において、R
3〜R
6基のそれぞれはメチル基であってもよい。あるいは、R
3〜R
6基のそれぞれはフェニル基であってもよい。なお更に、種々の実施形態において、任意の3つの基、例えば、R
3、R
4、及びR
6のそれぞれは、フェニル基であってもよい。かかる実施形態において、構造は、以下の通りであってもよく、又は異なっていてもよい:
【化4】
【0011】
更なる実施形態において、添加剤は以下の構造(構造(I)):
【化5】
(式中、aは4であり、Meはメチルである)を有する。上述の構造は、別の方法としては、C
28H
84CeO
12Si
12の化学式を有するテトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムとして記載できる。
【0012】
別の実施形態において、添加剤は以下の構造(構造(II)):
【化6】
(式中、aは4であり、Meはメチルであり、Phはフェニルである)を有する。上述の構造は、別の方法としては、C
108H
116CeO
12Si
12の化学式を有するテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムとして記載できる。その他の実施形態は、同じ化学構造であるが、異なる立体化学を有することが想到される。
【0013】
更に別の実施形態において、添加剤は以下の構造(構造(III)):
【化7】
(式中、aは3であり、Meはメチルである)を有する。上述の構造は、別の方法としては、C
21H
63CeO
9Si
9の化学式を有するトリス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムとして記載できる。
【0014】
上記の構造は、簡素化された構造であることが想到される。例えば、一実施形態において、一般構造を[セリウム(OSiR
3)
n]
xと書くことができ、式中xは分子の錯化度である。一実施形態において、実験式(又はセリウム:Siの比)が変わらないことから、xの値は問題ではない。
添加剤の物理的特性:
【0015】
添加剤は、構造が上記の通りである限り、特定の物理的特性を有するものに限定されない。添加剤は、0.95〜1.20、1.00〜1.15、又は1.05〜1.10g/cm
3、又はこれらの間の任意の値又は値の範囲の密度を有してもよい。更に、添加剤は、アルカリ土類金属塩又はアルカリ金属塩を含まないか、5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は0.05重量%未満含有するものとして記載できる。
【0016】
他の実施形態において、添加剤は有機官能性シリコーンに可溶である。用語「〜に可溶」は、典型的には、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、又は1グラムまでの添加剤がそれぞれ、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99グラムの有機官能性シリコーンに可溶であることを表す。あるいは、有機官能性シリコーンは添加剤に可溶である。かかる実施例において、例えば、用語「〜に可溶」は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、又は1グラムまでの有機官能性シリコーンが、それぞれ、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99グラムの添加剤に可溶であることを表す。典型的には、「可溶性」の判定は、添加剤と有機官能性シリコーンを組み合わせたときに、肉眼で相分離が見られないとして、目視により判定される。しかしながら、可溶性は、別の方法としては、シリコーン技術分野で理解されるように、1つ以上の標準化された(例えば、ASTM)試験によって評価されてもよい。
【0017】
例えば、2種、すなわち、有機官能性シロキサンと添加剤とからなる組み合わせが、室温で24時間後に不均質性の目に見える徴候(例えば、沈降又は不均一な相分離)を示さない場合に、添加剤は有機官能性シリコーンに可溶であるとみなされ、逆もまた同様である。上記の有機官能性シリコーンは、以下により詳細に記載するポリオルガノシロキサンと同じであってもよく、シリコーン流体、例えば、Dow Corning 200流体、ポリジメチルシロキサン、又はDow Corning 510流体のようなフェニル置換シロキサンであってもよい。
【0018】
更なる実施形態において、添加剤は、添加剤の全重量に基づいて1〜20、5〜20、6〜20、10〜20、15〜20、5〜10、10〜15、5〜15、3〜25、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25重量%のセリウム、又はこれらの間の任意の値若しくは値の範囲のセリウムを含有してもよい。セリウムの重量%は、典型的には、添加剤自体の化学構造によって決定される。例えば、上記の構造(I)は、12.85〜12.9重量%のセリウムを含有する。上記の構造(II)は、4.2〜6.73重量%のセリウムを含有する。上記の構造(III)は、16.43〜21.0重量%のセリウムを含有する。
【0019】
その他の実施形態において、添加剤は、別の方法として、クラスタ、例えば、セリウムシリルオキシドクラスタとして記載できる。例えば、添加剤の個々の分子は、上記の一般構造を有し、共有結合又は分子間力によって共にクラスタ化してもよい。例えば、添加剤は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個、又はそれ以上の単位若しくは個別の添加剤分子の群にクラスタ化してもよい。これらのクラスタの非限定例は以下の一般式を有してもよく、式中nはすぐ上に記載の通りの数、又はこれらの間の任意の数の範囲である:
【化8】
【0020】
添加剤は、供与相互作用により中性ドナー配位子と錯形成する可能性があることも想到される。いくつかの実施形態において、添加剤は、中性ドナー配位子と更に錯形成し、他の実施形態においては、中性ドナー配位子と錯形成せず、中性ドナー配位子がない。中性ドナー配位子の例としては、限定するものではないが、アミン(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、NH
3)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル)、アルケン/アルキン(例えば、エチレン、アセチレン)、芳香族(例えば、ベンゼン、トルエン)、アルコール(例えば、エタノール、フェノール)、シラノール(例えば、過剰のHOSi(R
1)(R
2)(R
3)、トリメチルシラノール)、ホスフィン(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン(tricyclohexylphosine)、トリフェニルホスフィン)、チオール(例えば、デシルメルカプタン)等が挙げられる。上記の種の2つ以上が相互作用に同時に存在し得ること又はドナー配位子の非限定的リストからの任意の組み合わせで存在し得ることも想到される。典型的には、これらの配位子は、N、O、P、S、又はAs、Se、Te、B等のヘテロ原子を含有する。これらの種類の配位子は、上記のクラスタを破断するために使用できる。更に、例えば、M−O−Si(R
1)(R
2)(R
3)配位子が存在する限り、添加剤は、上記の単座配位子を除いて、1つ又は複数のシラノール結合点を含有する1種以上の二座及び/又は三座配位子を含んでもよいことが想到される。配位子上に複数の結合点が存在する場合、高分子量クラスタが形成される場合がある。
反応生成物:
【0021】
一実施形態において、添加剤は、セリウムアルコキシドとヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応の反応生成物として記載される。別の言い方をすれば、この実施形態において、添加剤は、セリウムアルコキシドとヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応から得られる、すなわち反応の生成物である。セリウムアルコキシドは、特に限定されない。種々の実施形態において、セリウムアルコキシドは更に、当該技術分野において理解されるように、セリウム(III)又はセリウム(IV)に対応するCe(O−R)
3又は4として定義される。各R(R
4、R
5、R
6)は、C
1〜C
10ヒドロカルビル基、C
1〜C
10アルキル基、C
2〜C
10アルケニル基、及びC
6〜C
10アリール基から独立して選択される。これらのヒドロカルビル、アルキル、アルケニル、及びアリール基、並びにこれらの基の対応する炭素原子数は、上記の通りである。この反応は、下記のように進行し得る:
【化9】
式中、アルコキシドと添加剤の両方のセリウムは、セリウム(III)又は(IV)であり得る。ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、3:1又は4:1のモル比で、例えば、セリウム(III)化合物若しくはセリウム金属を使用する場合、少なくとも3:1のモル比で、又はセリウム(IV)化合物若しくはセリウム金属を使用する場合、少なくとも4:1のモル比で用いることができる。あるいは、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンをモル過剰で用いてもよい。
【0022】
別の実施形態において、添加剤は更に、硝酸アンモニウムセリウムとヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応の反応生成物として定義される。別の言い方をすれば、この実施形態において、添加剤は、硝酸アンモニウムセリウムとヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応から得られる、すなわち反応の生成物である。上記のように、硝酸アンモニウムセリウムは特に限定されず、硝酸アンモニウムセリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(IV)又はこれらの組み合わせであってよい。この反応は、以下の反応の1つ以上に記載するように進行し得、式中、R
4、R
5及びR
6のそれぞれは、上記の通りである。
【化10】
(以下のように記述することもできる)
【化11】
及び/又は以下の反応
【化12】
式中、xは1〜3である。これらの反応のそれぞれは、非化学量論的反応として記述されており、通常、溶媒中に溶解したNH
3の存在及び/又はNH
3雰囲気の存在が必要となる。
【0023】
更に別の実施形態において、添加剤は更に、セリウム金属、すなわち、セリウム(0)とヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応の反応生成物として定義される。別の言い方をすれば、この実施形態において、添加剤は、セリウム金属とヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応から得られる、すなわち反応の生成物である。この反応は、以下に記載するように進行し得、式中、R
4、R
5及びR
6のそれぞれは、上記の通りである。
【化13】
【0024】
別の実施形態において、添加剤は更に、三官能性シリルオキシセリウム(III)又は(IV)化合物とヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの反応の交換反応生成物として定義される。別の言い方をすれば、この実施形態において、添加剤は、三官能性シリルオキシセリウム(III)又は(IV)化合物のケイ素原子及び/又は配位子全体とヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとの(交換反応による)交換の結果、すなわち交換の生成物である。この反応は、以下に記載するように進行し得、式中、R
4、R
5及びR
6のそれぞれは、上記の通りである。
【化14】
式中、Rは上記又は下記の任意の基であってよく、生成されるシラノールは、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとは異なる。
ヒドロキシル官能性オルガノシロキサン:
【0025】
上記のヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、特に限定されない。一実施形態において、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、式M
1D
R,OHM
2を有する。この式において、Rは上記又は下記の任意の基であってもよい。この実施形態において、「M」及び「D」の命名法は、シリコーン技術分野で理解されるように、それぞれ、「M単位」及び「D」単位(例えば、R
2SiO
2/2であって、Rは本明細書に記載の1つ以上の基/部分)を表す。同様に、R,OHの命名法は、D単位のケイ素原子がR基に結合し、OH基にも結合することを表す。一実施形態において、M
1及びM
2のそれぞれは、独立して、式O−Si(R
4)(R
5)(R
6)を有し、式中、R
4、R
5、及びR
6は上記の通りである。M
1及びM
2は、同じでも異なっていてもよい。種々の実施形態において、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、次の構造の1つ以上を有し:
【化15】
式中、Meはメチルであり、Phはフェニルである。単一のヒドロキシル官能性オルガノシロキサン、又は2つ以上のヒドロキシル官能性オルガノシロキサンを使用してもよいことが想到される。
【0026】
ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、当該技術分野において既知の任意の方法によって形成されてもよい。例えば、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、すぐ下に記載のように1つ以上の工程を含む方法によって形成されてもよい:
【化16】
添加剤の製造方法
【0027】
本開示は、添加剤の形成方法も開示する。添加剤は、当該技術分野において既知の任意の方法によって形成されてもよい。同様に、方法は、上記の反応のいずれかを含んでもよい。典型的には、添加剤は、プロセスにおいてアルカリ土類金属塩又はアルカリ金属塩が形成されない(又は5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は0.05重量%未満が形成される)ように形成される。換言すれば、添加剤は典型的には、アルカリ土類金属塩又はアルカリ金属塩を含まないか、5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は0.05重量%未満含有する。
【0028】
一実施形態において、方法は、セリウム金属又はセリウム(III)若しくは(IV)化合物をヒドロキシル官能性オルガノシロキサンと反応させる工程を含む。ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンは、3:1又は4:1のモル比で、例えば、セリウム(III)化合物若しくはセリウム金属を使用する場合、少なくとも3:1のモル比で、又はセリウム(IV)化合物若しくはセリウム金属を使用する場合、少なくとも4:1のモル比で用いることができる。あるいは、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンをモル過剰で用いてもよい。上記と同様に、セリウム(III)又は(IV)化合物は、上記の化合物のいずれであってもよい。
【0029】
一実施形態において、本方法はアルコールを生成し、本方法は更に、添加剤からアルコールを分離する工程を含む。典型的には、アルコール(上記ROHとして表される)は、当該技術分野において既知の任意のものでよい。ただし、このアルコールは典型的には、セリウムアルコキシド由来のR基を含む。アルコールは、蒸留等の当該技術分野において既知の任意の手段によって添加剤から除去されてもよい。あるいは、この工程は、例えば、蒸留の温度によっては、添加剤をアルコールから除去する工程として記載されてもよい。アルコールが除去されない場合もあると想到される。
【0030】
別の実施形態において、セリウム(III)又は(IV)化合物は更に、硝酸アンモニウムセリウムとして定義される。関連実施形態において、本方法は硝酸アンモニウムを生成し、本方法は更に、添加剤から硝酸アンモニウムを分離する工程を含む。硝酸アンモニウムセリウムは、典型的には、以下の式の1つ以上で表される。
【化17】
【0031】
更に、硝酸アンモニウムは、濾過等の当該技術分野において既知の任意の手段によって添加剤から除去されてもよい。あるいは、この工程は、添加剤を硝酸アンモニウムから除去する工程として記載されてもよい。硝酸アンモニウムが除去されない場合もあると想到される。
【0032】
更なる実施形態において、セリウム金属(すなわち、セリウム(0))が用いられる。この実施形態において、方法工程は更に、セリウム金属をヒドロキシル官能性オルガノシロキサンと反応させる工程として定義される。この反応は、アンモニアガスの存在下で実施することができ、水素ガスを生成し得る。水素ガスは、当該技術の任意の方法によって除去又は排気することができる。水素ガスが除去されない場合もあると想到される。
【0033】
更に別の実施形態において、セリウム(III)又は(IV)化合物は更に三官能性シロキシセリウム化合物として定義され、反応させる工程は更に交換反応を介する反応として定義される。交換反応は、典型的には、ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンとは異なるシラノールを形成する。シラノールは、蒸留等の当該技術分野において既知の任意の手段によって添加剤から除去されてもよい。あるいは、この工程は、例えば、蒸留の温度によっては、添加剤をシラノールから除去する工程として記載されてもよい。シラノールが除去されない場合もあると想到される。
【0034】
他の実施形態において、セリウム(IV)添加剤は、以下の反応/方程式の1つ以上によって形成できる:
Ce(OR)
4・ROH+4R
3SiOH→Ce(OSiR
3)
4+5ROH
Ce(OSiMe
3)
4+4R
3SiOH→Ce(OSiR
3)
4+4Me
3SiOH
Ce(NO
3)
6(NH
4)
2+4R
3SiOH+4NH
3→Ce(OSiR
3)
4+6NH
4NO
3
Ce(NO
3)
6(NH
4)
2+6(アルカリ/アルカリ土類)OSiR
3→Ce(OSiR
3)
4+6(アルカリ/アルカリ土類)NO
3+2R
3SiOH+2NH
3
式中、Rは上記の基のいずれであってもよい。
【0035】
他の実施形態において、セリウム(III)添加剤は、以下の反応/方程式の1つ以上によって形成できる:
CeX
3+3(アルカリ/アルカリ土類)OSiR
3→Ce(OSiR
3)
3+3(アルカリ/アルカリ土類)X
Ce(OR)
3・ROH+3R
3SiOH→Ce(OSiR
3)
3+4ROH
Ce(OSiMe
3)
3+3R
3SiOH→Ce(OSiR
3)
3+3Me
3SiOH
Ce(N(SiMe
3)
2)
3+3R
3SiOH→Ce(OSiR
3)
3+3HMDZ
Ce+3R
3SiOH(NH
3の存在下)→Ce(OSiR
3)
3+1.5H
2
Ce(NO
3)
5(NH
4)
2+3R
3SiOH+3NH
3→Ce(OSiR
3)
3+5NH
4NO
3
Ce(NO
3)
5(NH
4)
2+5(アルカリ/アルカリ土類)OSiR
3→Ce(OSiR
3)
3+5(アルカリ/アルカリ土類)NO
3+2R
3SiOH+2NH
3
式中、XはCl、Br又はIであり、Rは上記の任意の基である。セリウム(III)及び(IV)添加剤に関して上述したように、用語「アルカリ/アルカリ土類」はそれぞれ、Na/K、Rb又はMg/Ca/Srのような、アルカリ又はアルカリ土類金属を表す。典型的には、Na又はKが使用される。
【0036】
また更なる実施形態において、セリウム(IV)添加剤、例えば上記の構造IIは、以下の反応により形成することができる。
【化18】
式中、aは4であり、Meはメチルであり、Phはフェニルである。その他の実施形態は、同じ化学構造であるが、異なる立体化学を有することが想到される。
シリコーン封止材:
【0037】
本開示は、シリコーン封止材も提供する。シリコーン封止材は、別の方法としては、ポリオルガノシロキサン封止材として記載され、ここで用語「シリコーン」はポリマー又はオリゴマー状のシロキサンを包含する。用語「シリコーン」は、ポリオルガノシロキサンと互換的に使用されてもよく、又は例えば、硬化性の場合もそうでない場合もある、シリコーンゴムのような、特定の化合物を表してもよい。シリコーン封止材は、添加剤を含有し、更にシリコーン、ポリオルガノシロキサン、又はそれ自体が1つ以上のシリコーン又はポリオルガノシロキサンを含有するポリオルガノシロキサン組成物も含有する。添加剤及びシリコーン、ポリオルガノシロキサン、又はそれ自体が1つ以上のシリコーン又はポリオルガノシロキサンを含有するポリオルガノシロキサン組成物は、組み合わせ、混合物、又は混和物で存在してもよい。
【0038】
典型的には、添加剤は、封止材中に、セリウムが封止材の百万重量部当たり5〜1000重量部(ppm)の量で存在するような量で存在する。種々の実施形態において、添加剤は、セリウムが封止材の百万重量部当たり5〜995、10〜90、15〜985、20〜980、25〜975、30〜970、35〜965、40〜960、45〜955、50〜950、55〜945、60〜940、65〜935、70〜930、75〜925、80〜920、85〜915、90〜910、95〜905、100〜900、105〜895、110〜890、115〜885、120〜880、125〜875、130〜870、135〜865、140〜860、145〜855、150〜850、155〜845、160〜840、165〜835、170〜830、175〜825、180〜820、185〜815、190〜810、195〜805、200〜800、205〜795、210〜790、215〜785、220〜780、225〜775、230〜770、235〜765、240〜760、245〜755、250〜750、255〜745、260〜740、265〜735、270〜730、275〜725、280〜720、285〜715、290〜710、295〜705、300〜700、305〜695、310〜690、315〜685、320〜680、325〜675、330〜670、335〜665、340〜660、345〜655、350〜650、355〜645、360〜640、365〜635、370〜630、375〜625、380〜620、385〜615、390〜610、395〜605、400〜600、405〜595、410〜590、415〜585、420〜580、425〜575、430〜570、435〜565、440〜560、445〜555、450〜550、455〜545、460〜540、465〜535、470〜530、475〜525、480〜520、485〜515、490〜510、又は495〜505重量部(ppm)存在するような量で存在する。その他の実施形態において、添加剤は、セリウムが上記の値の間の任意の量又は量の範囲で存在するように封止材中に存在してもよいことが想到される。
【0039】
シリコーン封止材は、物理的特性に関連して特に制限されない。種々の実施形態において、シリコーン封止材は、a)半透明から光学的に透明な外観、b)破断延び≧30%を特徴とする多少の可撓性、及び/又はc)0.1〜100MPaの(当該分野において知られているように)エラストマー性と一致する弾性率を有する。他の実施形態において、シリコーン封止材は不透明である((例えば、リモート蛍光体又はダイ接着剤に/として使用されるとき)。
ポリオルガノシロキサン(組成物):
【0040】
上記で封止材に使用する際に最初に導入されるポリオルガノシロキサンは、特に限定されず、当該技術分野のいずれでもよい。一実施形態では、ポリオルガノシロキサンは硬化性である。別の実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、例えば、添加剤の添加前、添加と同時、又は添加後に硬化される。更に別の実施形態において、ポリオルガノシロキサンは硬化性ではなく、例えば、PDMSのようなシリコーン流体であってもよい。
【0041】
種々の実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、25℃で測定したときに0を超え、500,000、450,000、400,000、350,000、300,000、250,000、200,000、150,000、100,000、50,000、25,000、20,000、15,000、10,000又は5,000センチストークス未満の粘度を有する。他の実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、25℃で測定したときに、5,000〜50,000、10,000〜45,000、15,000〜40,000、20,000〜35,000、25,000〜30,000センチストークスの粘度を有する。あるいは、ポリオルガノシロキサンは、上記値のいずれかの間の任意の値又は値の範囲の粘度を有してもよい。
硬化性ポリオルガノシロキサン(組成物):
【0042】
上記のように、ポリオルガノシロキサン(組成物)は硬化性であってもよい。硬化性ポリオルガノシロキサン(及び組成物)の例としては、限定するものではないが、ヒドロシリル化硬化型ポリオルガノシロキサン、縮合硬化型ポリオルガノシロキサン、放射線硬化型ポリオルガノシロキサン、及び過酸化物硬化型ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
【0043】
一実施形態において、ポリオルガノシロキサン(組成物)はヒドロシリル化硬化型又は縮合硬化型である。別の実施形態において、ポリオルガノシロキサン(組成物)はヒドロシリル化硬化型である。更に別の実施形態において、ポリオルガノシロキサン(組成物)は縮合硬化型である。ポリオルガノシロキサン(組成物)は、存在するポリオルガノシロキサンの種類に応じて、周囲温度、高温、水分、又は放射線への曝露によって硬化できる。
【0044】
ヒドロシリル化硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、典型的には1分子当たり平均で少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基又はケイ素結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンを含む。この組成物は、典型的には、ポリオルガノシロキサン組成物を硬化するのに十分な量の有機ケイ素化合物も含み、この有機ケイ素化合物は、典型的には、ポリオルガノシロキサンのケイ素結合アルケニル基又はケイ素結合水素原子と反応できるケイ素結合水素原子又はケイ素結合アルケニル基を1分子当たり平均で少なくとも2個有する。組成物は、触媒量のヒドロシリル化触媒も含有してもよい。典型的には、この種のポリオルガノシロキサン組成物は、大気圧において、室温(約23±2℃)〜250℃、あるいは室温〜150℃、あるいは室温〜115℃の温度への曝露によって硬化できる。ポリオルガノシロキサン組成物は一般に、ポリオルガノシロキサンを硬化(架橋)するために十分な、ある長さの時間加熱される。
【0045】
縮合硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、典型的には、1分子当たり平均で少なくとも2つのケイ素結合水素原子、ヒドロキシ基、又は加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンと、場合により、ケイ素結合加水分解性基を有する架橋剤及び/又は縮合触媒とを含有する。典型的には、この種の組成物は、ポリオルガノシロキサンのケイ素結合基の性質に応じて硬化する。例えば、ポリオルガノシロキサンがケイ素結合ヒドロキシ基を含有する場合、組成物を加熱により硬化(すなわち、架橋)することができる。組成物は、典型的には、50〜250℃の温度で、1〜50時間加熱することによって硬化できる。縮合硬化型ポリオルガノシロキサンが縮合触媒を含有する場合、組成物は典型的には、より低い温度、例えば、室温(約23±2℃)〜150℃で硬化できる。
【0046】
あるいは、ケイ素結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンを含有する縮合硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、組成物を、100〜450℃の温度で0.1〜20時間、水分又は酸素に曝露することによって硬化できる。縮合硬化型ポリオルガノシロキサンが縮合触媒を含有する場合、組成物は典型的には、より低温、例えば、室温(約23±2℃)〜400℃で硬化できる。更に、ケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する縮合硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、組成物を、室温(約23±2℃)〜250℃、あるいは100〜200℃の温度で1〜100時間、水分に曝露することによって硬化できる。例えば、ポリオルガノシロキサンは、典型的には、ほぼ室温(約23±2℃)〜150℃の温度で、0.5〜72時間、30%の相対湿度に曝露することによって硬化できる。硬化は、熱の適用、高湿への曝露、及び/又は組成物への縮合触媒の添加によって加速できる。
【0047】
過酸化物硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、典型的には、ケイ素結合不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンと有機過酸化物とを含有する。かかる組成物は、典型的には、室温(約23±2℃)〜180℃の温度に、0.05〜1時間暴露することによって硬化できる。
【0048】
放射線硬化型ポリオルガノシロキサン組成物は、典型的には1分子当たり平均で少なくとも2つのケイ素結合放射線感受性基を有するポリオルガノシロキサンと、場合により、ポリオルガノシロキサン中の放射線感受性基の性質に応じてカチオン性又はフリーラジカル光開始剤を含有する。かかる組成物は、典型的には、組成物を電子線及び/又は紫外線に曝露することによって硬化できる。典型的には、加速電圧は約0.1〜100keVであり、真空は約10〜10−3Paであり、電流は約0.0001〜1アンペアであり、電源は約0.1ワット〜1キロワットで可変である。線量は、典型的には約100マイクロクーロン/cm
2〜100クーロン/cm
2、あるいは約1〜10クーロン/cm
2である。電圧に応じて、曝露時間は典型的には約10秒〜1時間である。更に、かかる組成物がカチオン性又はフリーラジカル光開始剤を含有する場合、組成物は典型的には、150〜800nm、あるいは200〜400nmの波長を有する放射線で、硬化に十分な線量で曝露することによって硬化できる。光源は典型的には中圧水銀アーク灯である。放射線の線量は、典型的には30〜1,000mJ/cm
2、あるいは50〜500mJ/cm
2である。更に、ポリオルガノシロキサンを、放射線への曝露の間又は後に外部加熱して、硬化の速度及び/又は程度を増強することができる。
硬化ポリオルガノシロキサン(組成物):
【0049】
上記の硬化ポリオルガノシロキサン(組成物)は、あるいは、上記の硬化組成物のいずれか1つ以上の硬化生成物として記載されてもよい。典型的には、添加剤は、硬化前に硬化組成物に添加される。ただし、添加剤は、組成物が硬化された後で、硬化組成物に添加されてもよいことが想到される。例えば、添加剤は、組成物が硬化された後で、組成物と物理的に混合又はブレンドされてもよい。
非硬化性ポリオルガノシロキサン(組成物):
【0050】
上記の非硬化性ポリオルガノシロキサン(組成物)は、別の方法としては、非反応性のシリコーン流体として記載できる。代表的なシリコーン流体はPDMSである。様々な実施形態では、シリコーン流体は、25℃にて、約0.001〜約50Pa・s、典型的には約0.02〜約10Pa・s、より典型的には約0.05〜約5Pa・sの粘度を有する。シリコーン流体は、直鎖、分枝鎖、環状又はこれらの混合物であり得る。上記流体の混合物も使用してよい。直鎖、分枝鎖及び環状のシリコーン流体の多くは、約25℃未満の融点を有する。このような物質は一般的に、シリコーン液体、シリコーン流体又はシリコーン油とも記載される。非限定的なシリコーン流体の詳細な説明は、「Chemistryand Technology of Silicones」(W.Knoll,Academic Press,1968)(シリコーン流体に関連して、その内容は一実施形態において参照により本明細書に組み込まれる)等の多くの参照文献に見出すことができる。
【0051】
本明細書での使用に好適な直鎖シリコーン流体の非限定例としては、Dow Corning Corporationにより商標名「Dow Corning(登録商標)200 Fluids」で販売されているトリメチルシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサン流体が挙げられる。これらのシリコーン流体は、本質的に、典型的には25℃にて0.001〜約50Pa・sの粘度を有する直鎖オリゴマー及び/又はポリマーを得るために製造されている。このような流体は主に直鎖であるが、環状及び/又は分枝鎖構造も含み得る。一実施形態では、シリコーン流体は、25℃にて約0.1Pa・sの粘度を有するトリメチルシロキシ末端封鎖ポリジメチルシロキサンである。
【0052】
好適な環状シリコーン流体の追加の非限定例としては、Dow Corning Corporationにより、オクタメチルシクロテトラシロキサンとデカメチルシクロペンタシロキサンの相対比に応じて商標名「Dow Corning(登録商標)244、245、344及び345 Fluids」として販売されている環状ポリジメチルシロキサンが挙げられる。直鎖及び環状ジメチルの混合物も使用してよい。好適なシリコーン流体の更なる非限定例は、Me
3SiO[(OSiMe
3)
2SiO]SiMe
3及びMe
3SiO[(OSiMe
3)MeSiO]SiMe
3である。
追加成分:
【0053】
封止材及び/又は上記のポリオルガノシロキサン(組成物)のいずれかは、触媒、充填剤、その他の反応物質、蛍光体若しくは量子ドットのような光活性化化合物等の1つ以上の追加成分を含有してもよい。
デバイス:
【0054】
本開示は、デバイスも提供する。デバイスは、種々の用途に使用できる。種々の実施形態において、デバイスは、上昇し続ける温度で作動するSi基材又はワイドバンドギャップ半導体基板をベースとしたパワーモジュールであるか、当該パワーモジュールを含む。例えば、パワーモジュールは、パワーインバージョンに使用できる。その他の実施形態において、デバイスは、誘電ゲル、ポタント(potant)、又はオーバーモールドを含む。例えば、デバイスは、電子コンポーネントと封止材(例えば、添加剤を含有し、電子コンポーネントの上に保護として配置されたゲルとして、例えば、誘電体、物理的、又は気体/液体バリアとして)とを含んでもよい。種々の実施形態において、添加剤は、>150℃、>180℃、>200℃、>225℃、及び最高で250℃、300℃、350℃、又は400℃の温度にて操作温度の高いデバイスに使用したときにパワーモジュール及びその他の電子コンポーネントを環境から保護するために使用されるシリコーン封止材等の組成物に使用される。
【0055】
特定の実施形態において、デバイスは、固体照明(SSL)用途に使用される。例えば、デバイスの1つ以上を、住居、商業、及び/又は工業空間等の一般照明用途に使用してもよい。このような照明は、直接照明、間接照明、又はこれらの組み合わせであってもよい。デバイスは、別々に使用することも配列して使用することもできる。デバイスは、他の用途、例えば、自動車分野、ディスプレイ分野、バックライト分野等にも使用できる。デバイスは、特に一般照明用途に有用であるが、いずれの特定の用途に限定されない。デバイスは、種々の構造体のものであってもよい。例えば、デバイスは、電球、照明器具、ライトエンジン、又はランプとして構成されてもよい。デバイスは、任意の種類の構造物に構成されてもよい。例えば、デバイスは、オプトエレクトロニクスコンポーネントと封止材(例えば、オプトエレクトロニクスコンポーネントの上に保護として配置されたゲルとして、例えば、誘電体、物理的、又は気体/液体バリアとして)とを含んでもよい。更に別の実施形態において、デバイスは、リモート蛍光体バインダー、二次的導光体、白色反射板、蛍光体変換層バインダー、又はダイ接着用接着フィルムであってもよく、又はこれらを含んでもよい。他の実施形態において、デバイスは、導光板、導光シート、導光フィルム等、又は導波路であってもよく、又はこれらを含んでもよい。
【0056】
デバイスは、オプトエレクトロニクスコンポーネントと、添加剤を含有し、オプトエレクトロニクスコンポーネントの上に配置された封止材とであってもよく、これらを含んでもよい。オプトエレクトロニクスコンポーネントは特に限定されず、オプトエレクトロニクス半導体として更に定義されてもよい。あるいは、オプトエレクトロニクスコンポーネントは更に、可視光線、ガンマ線、X線、紫外線及び赤外線等の光を入力として使用する、並びに/又は検出及び調節するコンポーネントとして定義されてもよい。種々の実施形態において、オプトエレクトロニクスコンポーネントは、光起電(太陽)電池又は(発光)ダイオードである。
【0057】
オプトエレクトロニクス半導体は、典型的には電気から光又は光から電気への変換器として機能する。典型的な、しかし非限定的なオプトエレクトロニクス半導体としては、太陽電池を含むフォトダイオード、フォトトランジスタ、光電子増倍管、光集積回路(IOC)素子、フォトレジスター、光導電型撮影管、電荷結合撮像デバイス、注入レーザーダイオード、量子カスケードレーザー、発光ダイオード、光電面形撮像管等が挙げられる。一実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体は更に太陽電池として定義される。別の実施形態において、オプトエレクトロニクス半導体は更に発光ダイオードとして定義される。
【0058】
オプトエレクトロニクス半導体は、特に限定されず、当技術分野で既知のもののいずれでもよい。典型的には、オプトエレクトロニクス半導体は約10
3S/cm〜約10
−8S/cmの導電率を有する。一実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体はケイ素を含有する。他の実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体は、ヒ素、セレン、テルル、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、炭化ケイ素、並びに/又は第IV、III−V、II−VI、I−VII、IV−VI、V−VI及びIIーV族元素を含有し、p型でもn型でもよい。オプトエレクトロニクス半導体(12)は、化学蒸着(CVD)を用いて、ガラス等の基板上に配置できることが想到される。
【0059】
オプトエレクトロニクス半導体は、第1面と第2面とを有する。典型的には、第1面は第2面の反対側にある。しかし、第1面と第2面とは互いに隣接していてもよい。種々の実施形態において、1つ以上の導線が、一連のオプトエレクトロニクス半導体をつなげるために第1面と第2面の1つ又は両方に取り付けられる。導線は任意の大きさ及び形状のものでよく、典型的には長方形である。一実施形態では、導線は長さ及び/又は幅がおよそ0.01〜0.20cm(0.005〜0.080インチ)の寸法を有する。他の実施形態では、導線は、0.01〜0.038、0.01〜0.025又は0.02〜0.025cm(0.005〜0.015、0.005〜0.010又は0.007〜0.010インチ)の厚さを有する。導線は当技術分野において既知の任意のタイプのものでよく、オプトエレクトロニクス半導体の任意の部分に配置することができる。
【0060】
典型的には、1つの導線がアノードとして作動し、別の導線はカソードとして作動する。種々の実施形態において、オプトエレクトロニクス半導体はその上に配置された1つ以上の導線、例えば、第1、第2、第3及び第4の導線を含む。これらの導線は同じでもよく、又は互いに異なってもよく(すなわち、同じ材料又は異なる材料から製造され)、金属、導電性高分子及びこれらの組み合わせを含むことができる。1つの実施形態では、1つ以上の導線はスズ−銀はんだ被覆銅を含む。別の実施形態では、1つ以上の導線はスズ−鉛はんだ被覆銅を含む。オプトエレクトロニクス半導体自体はサイズ又は形状で限定されず、当技術分野において既知の任意のサイズ又は形状でよい。
発光ダイオード:
【0061】
発光ダイオードは、当該技術分野において、半導体ダイオード、チップ又はダイとも呼ばれることがある。特定の実施形態において、デバイスは、発光ダイオードから距離をおいた、少なくとも1つの補助発光ダイオードを更に含んでよい。したがって、デバイスは、複数の発光ダイオードを含み得る。複数の発光ダイオードを用いてデバイスを形成する場合、発光ダイオードは互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。例えば、発光ダイオードは、サイズ、形状及び/又は色が同一のものでも異なるものであってもよい。発光ダイオードは、光の様々な波長(又はスペクトル)を放つことができる。具体例として、ある発光ダイオードは青色光を放つことができ、ある発光ダイオードは赤色光を放つことができ、ある発光ダイオードは緑色光を放つことができ、ある発光ダイオードは近紫外(近UV)光を放つことができ、かつ/又はある発光ダイオードはUV光を放つことができる。
【0062】
特定の実施形態において、発光ダイオードは、青色光を概して放つ種類のものである。関連実施形態において、デバイスは、青色発光ダイオードに加えて、赤色、緑色又は近UV光を概して放つ種類のものである、少なくとも1つの補助発光ダイオードを含む。したがって、デバイスは、種々の色の組み合わせ、例えば、i)青色光、ii)青色光と赤色光、iii)赤色光、緑色光及び青色光、iv)近UV光、v)UV光などを放つ、1つ以上の発光ダイオードの種々の組み合わせを包含し得る。一実施形態において、発光ダイオードの1つが青色光を放出し、他の発光ダイオードが赤色光などの他の光を放出する。
【0063】
発光ダイオードは、様々な材料から形成することができる。典型的には、発光ダイオードは、半導体材料から形成される。様々な種類の半導体材料を用いて、発光ダイオードを形成することができる。特定の実施形態において、半導体材料は、セレン化亜鉛(ZnSe)又は窒化インジウムガリウム(InGaN)などの青色光を放出することができるものである。他の色を放出するために、他の種類の材料を用いることができる。例えば、発光ダイオードは、ガリウム、窒化物、インジウム、ヒ素、アルミニウム、リン化物、亜鉛、セレン化物、ケイ素及び/又は炭素の種々の組み合わせを含み得る。ある実施形態において、発光ダイオードは、窒化ガリウムを含む。別の実施形態において、発光ダイオードは、窒化インジウムガリウムを含む。
【0064】
特定の実施形態において、発光ダイオードは、半導体と、半導体上に配置されたエピタキシャル層とを含む。半導体及びエピタキシャル層は、様々な材料から形成することができる。特定の実施形態において、半導体は、サファイア、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)又はこれらの組み合わせを含む。関連実施形態において、エピタキシャル層は、ガリウム、窒化物、インジウム、アルミニウム、リン化物、亜鉛、セレン化物、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウムインジウムガリウム、セレン化亜鉛又はこれらの組み合わせを含む。
【0065】
発光ダイオードは、一般に、赤外線から紫外線範囲の平均波長(λ
1)を有する一次放射スペクトルを放出する。「平均波長」とは、一般に、放出される放射スペクトル全体から得られる、強度で重み付けした平均波長を意味する。そのため、発光スペクトルの見かけの色は、平均波長のみでの放射の色に対応することになる。平均波長は、次式から算出することができる。
【数1】
式中、Iは強度又は強さであり、λは波長であり、λ
aは平均波長である。あるいは、光度に対して加重した平均波長を次式により算出してもよい。
【数2】
式中、Pは、光強度と見かけの明るさを関連づけた明順応係数であり、Robinson,S.J.and Schmidt,J.T.,Fluorescent Penetrant Sensitivity and Removability−What the Eye Can See,a Fluorometer Can Measure,Materials Evaluation,Vol.42,No.8,July 1984,pp.1029〜1034に記載されている通りである。
【0066】
別の方法としては、平均波長は、放出されたスペクトルのピーク及び/又は中央波長とも呼ばれることがある。例えば、発光スペクトルがガウス分布又は鐘形曲線形を有するような場合、平均波長は中心又はピークに位置することになる。これは、多くのスペクトルが非対称になる傾向があるのと同様に、実際の発光スペクトルの左端又は右端に強度のピークが位置することが多いので、平均波長が中心からずれることがないことを意味するものではない。
【0067】
特定の実施形態において、発光ダイオードは、約100〜約550、約250〜約550、約350〜約525、約400〜約500、約425〜約500、約450〜約500、約460〜約490、約465〜約475、約465〜約470又は約465nmのλ
1を放出する。こうした平均波長(及びその周辺スペクトル)は、一般に、「青色/緑色」、「青みを帯びた色」、「青色」又は「純粋な青色」の光に相当する。
【0068】
補助発光ダイオードを用いる場合、補助発光ダイオードは、一般に、赤外線から紫外線範囲の平均波長(λ
s)を有する補助放射スペクトルを放出する。特定の実施形態において、補助発光ダイオードは、約575nm〜約850nmのλ
sを有する「赤色」光、約475nm〜約585nmのλ
sを有する「緑色」光、約400nm〜約500nmのλ
sを有する「青色」光、又は約0nm〜約450nmのλ
sを有する「近UV」光に該当するλsを放出する。上述の通り、2つ以上の(補助)発光ダイオードを用いてデバイスを形成してよい。
【0069】
デバイスは発光層も含み得る。発光層は、発光ダイオード上に直接配置されてもよいし、発光ダイオードから距離をあけて配置されてもよい。同様に、発光層は、封止材上に直接配置されてもよいし、封止材から距離をあけて配置されてもよい。
【0070】
発光層が発光ダイオードと直接接触する実施形態において、すなわち、発光層と発光ダイオードとの間に配置された介在する層が存在しない場合、こうした構成は、当該技術分野において「オンチップ」構造と呼ばれることがある。発光層が発光ダイオードから距離をあけて配置される実施形態において、こうした構成は、当該技術分野において「リモート」又は「リモートオンチップ」構造と呼ばれることがある。こうした構成を複数有する構造体、すなわち、それぞれ対応する発光層を有する2つ又はそれ以上の発光ダイオードは、当該技術分野において、上記の構成に対して、一体型オンチップ、オンチップ又はリモートオンチップ「パッケージ」と呼ばれることがある。こうしたパッケージは、上述の通り、互いに同じでも異なっていてもよい種々の発光ダイオード及び/又は発光層の異なる組み合わせを有し得る。本発明は、いかなる特定の構造体に限定されず、当該技術分野における構造体のデザイン及び/又は複雑性は、大幅に変わり得る。
【0071】
発光層は、発光ダイオードの一部のみ、例えば発光ダイオードの上面のみを被覆してもよい。別の実施形態において、発光層は、発光ダイオード全体を実質的に被覆する。例えば、発光層は、発光ダイオードの上面及び側面を被覆することができる。補助発光ダイオードが存在する場合、補助発光ダイオードは、発光層を含んでもよいし、含まなくてもよい。このような実施形態は、異なる色を存在させるのに有用であり得る。
【0072】
発光層は、様々な大きさ、形状及び構成をなし得る。発光層の厚さは、均一でもよいし、可変でもよい。特定の実施形態において、発光層は、発光層と発光ダイオードによって画成された、実質的にドーム形状の断面を有する。他の実施形態において、発光層は、発光層と発光ダイオードによって画成された、実質的に長方形の断面を有する。発光層は、他の形状のものであってもよい。例えば、発光層は、発光層と発光ダイオードによって画成された、実質的に円錐台状の断面を有する。
【0073】
発光層は、典型的には、母材を含む。母材は、種々の化学的性質のものであり得る。母材は、バインダー又は担体としても記載できる。種々の実施形態において、母材は、ポリカーボネート、エポキシ(例えば、ポリエポキシド)、ポリウレタン、シリコーン、アクリレート(例えば、メタクリレート)又はこれらの組み合わせを含む。
【0074】
特定の実施形態において、母材は、シリコーン又はポリオルガノシロキサン、例えば、上記したもののいずれか1つ以上を含む。様々な種類のシリコーンを用いて、発光層を形成することができる。典型的に、シリコーンは、光学的に透明であるので、発光ダイオード又は発光層によって放出される光を阻害しない。かかる特性により、デバイスの優れた美観及び光出力がもたらされる。母材は、一般に、類似の利益及びデバイスの優れた効率をもたらす非散乱性であり得る。
【0075】
特定の実施形態において、母材はポリマーを含み、これは更にホモポリマー又はコポリマーとして記載できる。ポリマーは、別の方法としては、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーとして記載できる。典型的には、本項及び以下にて使用する場合、用語「熱可塑性ポリマー」とは、加熱されたときに流体(流動可能)状態に変換され、冷却されたときに硬質(流動不可)になる物理的性質を有するポリマーを表す。また、用語「熱硬化性ポリマー」とは、加熱時に流体状態に変換されない硬化(すなわち、架橋)ポリマーを表し得る。熱可塑性ポリマーの非限定例としては、限定するものではないが、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアクリレート及びポリエーテルイミド並びにこれらの組み合わせなどの熱可塑性有機ポリマーが挙げられる。
【0076】
本項及び以下にて使用する場合、用語「熱硬化性ポリマー」とは、典型的には、硬化した(すなわち、架橋した)ときに恒久的に硬質(流動不可)になる特性を有するポリマーを表す。熱硬化性ポリマーの非限定例としては、限定するものではないが、エポキシ樹脂、硬化アミノ樹脂、硬化ポリウレタン、硬化ポリイミド、硬化フェノール樹脂、硬化シアン酸エステル樹脂、硬化ビスマレイミド樹脂、硬化ポリエステル及び硬化アクリル樹脂が挙げられる。ポリマーは、典型的には、当該技術分野の当業者によって一般に理解される通り、有機ポリマーである。
【0077】
一実施形態において、有機ポリマーは、特に限定されず、当技術分野において既知のいずれの有機ポリマーであってよい。代替実施形態において、ポリマーは、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルアルカクリレート及びこれらの組み合わせから選択される。更に別の実施形態において、ポリマーは、ポリウレタン、エポキシポリマー、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルアルカクリレート及びこれらの組み合わせから選択される。更なる実施形態において、ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリエチレンテレフタレートなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニルなどのフルオロカーボンポリマー、ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポリ(メチルメタクリレート)などのポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン及びポリエーテルスルホン並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0078】
発光層は、母材中に発光化合物を更に含み得る。発光化合物は、典型的には、発光層に存在するが、発光層のヘイズ値に実質的に寄与しない。発光層のヘイズ値は、発光化合物によって付与される散乱度の尺度として用いることができる。ヘイズ値は、ASTM D1003に記載の試験方法又はこれに変更を加えたものを用いることにより決定することができる。
【0079】
特定の実施形態において、発光層は、上記の通り、非散乱性である。これらの実施形態において、「非散乱性」とは、一般に、変更を加えたASTM D1003−07に従って、約30%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約8%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約2%又は約0.5%以下のヘイズ値によって示される。典型的には、試験方法を、試験片(すなわち、母材及び発光化合物から形成された発光層のサンプル)が、標準試験法によって定められた厚さではなく約3.2mmの平均厚さを有するように変更する。発光層のヘイズがほとんどないことで、デバイスの優れた美観、光出力及び効率がもたらされる。
基板/上板:
【0080】
デバイスは、基板及び/又は上板も含んでもよい。典型的には、基板はデバイスの裏面に保護を提供し、上板は典型的にはデバイスの前面に保護を提供する。基板及び上板は同じでも異なっていてもよく、それぞれが独立して、当該技術分野において既知の任意の好適な材料を含んでもよい。基板及び/又は上板は、軟質かつ可撓性でもよく、剛性かつ硬質でもよい。あるいは、基板及び/又は上板は、剛性かつ硬質のセグメントを含むと同時に、柔軟かつ可撓性のセグメントを含んでもよい。基板及び/又は上板は、光を透過してもよく、半透明でもよく、又は光を透過しなくてもよい(すなわち、光を通さなくてもよい)。典型的には、上板は、光を透過する。一実施形態では、基板及び/又は上板は、ガラスを含む。別の実施形態では、基板及び/又は上板は、金属箔、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及び/又は有機フルオロポリマーを含み、その例としては、限定されるものではないが、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、Tedlar(登録商標)、ポリエステル/Tedlar(登録商標)、Tedlar(登録商標)/ポリエステル/Tedlar(登録商標))、ポリエチレンテレフタレート(PET)単独又はケイ素と酸化材料(SiO
x)でコーティングされたもの、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、基板は更に、PET/SiO
x−PET/Al基板(式中、xは1〜4の値である)として定義される。
【0081】
基板及び/又は上板は、耐荷重性でも非耐荷重性でもよく、デバイスの任意の部分に含まれてもよい。典型的に、基板は、耐荷重性である。基板は、典型的にはオプトエレクトロニクス半導体の後方に位置付けられ、機械的支持として機能するデバイスの「底層」であってもよい。あるいは、デバイスは、第2の若しくは追加の基板及び/又は上板を含んでもよい。基板は、デバイスの底層であってもよく、一方、第2の基板は、最上層で、上板として機能してもよい。典型的には、第2の基板(例えば、上板として機能する第2の基板)は太陽スペクトル(例えば、可視光線)を透過し、基板の最上に位置付けられる。第2の基板は、光源の前に位置付けてもよい。第2の基板は、雨、雪、熱等の環境条件からデバイスを保護するために使用されてもよい。最も典型的には、第2の基板は上板として機能し、更に、太陽光を透過してデバイスの前面を保護するために用いられる剛性ガラスパネルである。
【0082】
基板及び/又は上板は、典型的には、50〜500、100〜225、又は175〜225マイクロメートルの厚さを有する。基板及び/又は上板はそれぞれ125mmの長さ及び幅、又はそれぞれ156mmの長さ及び幅を有してもよい。当然ながら、本発明は、これらの厚さ又は範囲に限定されることなく、基板及び/又は上板の厚さは、上記の範囲及び数値の範囲内で、整数及び分数の両方の、任意の数値若しくは数値範囲でよく、又は異なってもよい。基板及び/又は上板の厚さ、長さ、及び/又は幅は、上記数値及び/又は数値範囲と±5%、±10%、±15%、±20%、±25%、±30%等異なってもよいことも想到される。
【0083】
振り返ると、デバイスは、オプトエレクトロニクスコンポーネント上に配置された封止材も含む。用語「上に配置された」は、オプトエレクトロニクスデバイス上に配置されかつ直接接する封止材を含む。この用語は、オプトエレクトロニクスデバイスから距離をあけて配置されるが、なおその上に配置された封止材も含む。封止材は、オプトエレクトロニクスデバイスの1つの側面だけが被覆されるように、オプトエレクトロニクスデバイス上に配置されてもよい。あるいは、封止材は、オプトエレクトロニクスデバイス又は本明細書で記載される任意の他のコンポーネントを部分的又は全体に封入してもよい。種々の実施形態において、封止材は、シート、ゲル、フィルム、ペースト又は液体である。最も典型的には、封止材はシート又はフィルムである。種々の実施形態において、添加剤及びシリコーン封止材を、デバイスの一部又は全体の形成に使用してもよいことが想到される。
追加成分:
【0084】
特定の実施形態において、デバイスは、発光層及び/又は封止材を覆って、例えば、発光ダイオードと向い合せに配置された光透過性カバーを更に含む。使用する場合、光透過性カバーは、典型的には、発光層及び/又は封止材から距離をあける。光透過性カバーは、種々の材料から形成されてもよく、発光層及び/又は封止材の母材の材料と同じ又は異なる材料から形成されてもよい。特定の実施形態において、光透過性カバーは、ガラス、エポキシ、又はポリカーボネートから形成される。光透過性カバーは、発光層、封止材、及び/又は発光ダイオードの保護に有用である。
【0085】
種々の実施形態において、デバイスは、少なくとも1つの反射板を、例えば、発光ダイオードに隣接して配置して、更に含む。反射板は、典型的には、発光層及び/又は封止材の少なくとも一部から距離をあける。反射板は、種々の形状であることができ、典型的には、皿状、放物線状、又は円錐台状の形状を有する。発光ダイオードは、典型的には、反射板の中央に配置される。しかし、発光ダイオードは、中央から離れていてもよい。反射板は、金属等の種々の材料から形成できる。種々の種類の金属を反射板の形成に使用でき、他の材料も、それがある程度の反射を提供するという条件で、使用してもよい。反射板は、発光ダイオード及び、場合により、発光層及び/又は封止材によって、放出された光をデバイスから外方向に向けるのに有用となり得る。
【0086】
更なる実施形態において、デバイスは、従来の発光デバイスに一般的に関連する任意の数のその他の追加コンポーネントを含み得る。例えば、デバイスは、1つ以上のワイヤボンド、サブマウント、及び/又はヒートシンクを含み得る。更なる例として、デバイスは、回路基板及び/又はレンズを含み得る。回路基板が使用される場合、回路基板は、調光、光センシング及びプリセットタイミング等の照明制御を含むようにプログラムできる。かかる制御は、パッケージに特に有用である。
デバイスの製造方法
【0087】
本開示は、デバイスの製造方法も開示する。本方法は、シリコーン封止材をオプトエレクトロニクスコンポーネント上に配置する工程を含む。一実施形態において、上記の配置の工程は、シリコーン封止材をオプトエレクトロニクスコンポーネント上に直接接触させて配置する工程として更に定義される。別の実施形態において、上記の配置の工程は、シリコーン封止材をオプトエレクトロニクスコンポーネント上に離して配置する工程として更に定義される。
【0088】
封止材及び/又は上記の1つ以上の組成物若しくはコンポーネントは、ブラシ/こての使用、噴霧、注入、浸漬、分与ノズルの使用、ロールコーティング、転写印刷、スクリーン印刷、カーテンコーティング、又は当該技術分野において既知の任意の方法等の当該技術分野において既知の任意の手段によって付着されてもよい。付着の工程は、あるいは、分与、配置、適用、又はコーティングと記載されてもよい。一実施形態において、本方法は、第1の分与(例えば、1つ以上のスプレーノズルによる)、続いて、手作業でのこて塗り、及び場合により、一塊の分与の後の自動こて塗りの組み合わせを含んでもよい。例えば、これは、可使時間が長い組成物を使用するときに起こり得る。
【0089】
本方法は、上記のコンポーネント又は層のいずれか1つ以上を積層する工程も含んでもよい。積層の工程は、特に限定されず、当該技術分野において既知の任意の1つ以上の積層技術を含んでもよい。例えば、積層の工程は、上記のいずれか1つ以上を別のものと接触及び/又は圧縮する工程として記載することもできる。圧縮の工程は、機械的錘、プレス、又はローラー(例えば、ピンチローラー)を適用する工程を含んでもよい。圧縮の工程は、デバイスの内部(例えば、中央)又はコンポーネントのいずれか1つ以上の層に力を加える工程として更に定義できる。この力は、デバイスの周辺又は縁に向って動かしてもよい。例えば、この力は、中央に加えられた後、外向きに移動され、デバイスからの排気を補佐してもよい。
【0090】
積層の工程、例えば、圧縮は、上記のコンポーネントの1つ以上を真空状態にする工程も含んでもよい。あるいは、真空状態にする工程は、積層又は圧縮の工程から独立して実施されてもよく、全く使用されなくてもよい。また更に、積層の工程は、上記のコンポーネントの1つ以上に熱を加える工程を含んでもよい。あるいは、熱を加える工程は、積層又は圧縮の工程から独立してもよく、全く使用されなくてもよい。
【実施例】
【0091】
封止材と添加剤とを含む実施例の第1のシリーズを形成する。この実施例は、ジメチルビニルシロキシ末端封鎖PDMSと錯形成したPtの5ppmの存在下で、1.0のSiH:ビニル比で反応した、ジメチルビニルシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサンとトリメチルシロキシ末端封鎖ジメチル−メチルハイドロジェンシロキサンとの混合物から形成されたPDMS試験マトリックスを封止材として含む。これらの実施例は、種々の量(5〜2000ppm)のセリウムを1つ以上の添加剤に含有する。比較例も形成し、それは、上記と同一であるがいかなる添加剤も含有しない。
【0092】
実施例の第2のシリーズは、ジメチルビニルシロキシ末端封鎖メチルフェニルシロキサンと錯形成したPtの2.5ppmの存在下で、1.0のSiH:ビニル比で反応した、ジメチルビニルシロキシ末端封鎖メチルフェニルシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、フェニルシルセスキオキサン、ジメチルハイドロジェン末端封鎖及びジメチルハイドロジェン末端封鎖ジフェニルシロキサンの混合物から形成されたフェニル試験マトリックスを封止材として含有する。これらの実施例は、種々の量(5〜2000ppm)のセリウムを1つ以上の添加剤に含有する。第2の比較例も形成し、それは、上記の実施例の第2のシリーズと同じであるが、いかなる添加剤も含有しない。
【0093】
実施例を形成するため、成分(及び場合により添加剤)を混合及び注型して、反応物質が反応及び硬化してスラブを形成するように、1.5mm厚のスラブを150℃で15分間加熱して、プレス硬化する。続いて、スラブを成形型から取り出し、120℃のオーブン内に4時間置いて、硬化を完了する。
【0094】
スラブのサンプルを評価して、伸び及び圧縮弾性率の測定、すなわち、脆性の評価を実施する。これらのサンプルは、標準的なダイカット法を使用することによって、標準的な引張試験片又は8mm(直径)の円板のサンプル形状に調製する。
【0095】
圧縮弾性率を測定するため、圧縮弾性率用円板をホイルパン内でエージングし、下記の方法で試験する。エージングは、225℃で上記のように実施する。圧縮弾性率試験は、TA.XT2iテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems)に、容量1kg、分解能1mN(0.1g荷重)、ロードセル、サンプルを圧縮するための位置合わせした直径10mmの平坦円筒形試験用固定具を装備して実施する。試験サンプルは、厚さ1.5mmのホットプレスした試験スラブからダイカットした8mm円板で、エージング後に、エージングした円板を下方固定プローブの中央のホイルパンに付着させて置くことによって試験した。
【0096】
0〜50%の圧縮ひずみを、0.1mm/秒の試験速度でサンプルに加える。ひずみは、式1に示すように、プローブ移動距離d及びサンプル厚さhから求める:
ε(%)=d/h×100(1)
【0097】
エラストマー円板の圧縮弾性率Ecは、サンプルが均一挙動を示したひずみ範囲15〜35%の圧縮応力(圧縮力をサンプルの断面積で除したもの)対印加ひずみの実験データの傾きから計算される。
【0098】
本開示の実施例及び全体を通して、用語「Ce
Me」は、テトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムを表す。同様に、用語「Ce
MePh」は、テトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムを表す。更に、用語「Ce(III)
Me」は、トリス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムを表す。
PDMS試験マトリックス:
【0099】
より具体的に、PDMS試験マトリックスを使用した実施例の伸び及び圧縮弾性率の試験結果を下の表に示す:
【表1】
【0100】
比較例1は添加剤を含まない。
【0101】
実施例1は、添加剤としてのテトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを200ppm含有する。
【0102】
実施例2は、添加剤としてのトリス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを200ppm含有する。
【0103】
上記のデータは、セリウムシリルオキシ安定剤をジメチルシリコーンマトリックスに添加することが、デバイスの安定な性能にとって重要である、高温曝露時の硬質化への耐性(破断点伸び(%)により測定)に非常に有効であることを示す。有意な効果を得るためには、マトリックス中に50〜1000ppmの添加剤が好適である。
【0104】
PDMSマトリックスサンプルの圧縮弾性率試験結果を、下の表に示す:
【表2】
【表3】
【0105】
比較例1は添加剤を含まない。
【0106】
実施例6は、添加剤としてのテトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを5ppm含有する。
【0107】
実施例7は、添加剤としてのテトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを50ppm含有する。
【0108】
実施例8は、添加剤としてのテトラキス((1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを750ppm含有する。
【0109】
上記のデータは、セリウムシロキシ安定剤をジメチルシリコーンマトリックスに添加することが、デバイスの安定な性能にとって重要である高温曝露時の硬質化への耐性(弾性率により測定)に非常に有効であることを示す。有意な効果を得るためには、マトリックス中に添加剤にて/として供給されるセリウムは50〜1000ppmが好適である。
フェニル試験マトリックス:
【0110】
フェニルマトリックスサンプルの伸び及び圧縮試験の結果を下の表に示す:
【表4】
【0111】
比較例2は添加剤を含まない。
【0112】
実施例3は、添加剤としてのテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを200ppm含有する。
【0113】
上記のデータは、セリウムシロキシ安定剤をメチルフェニルシリコーンマトリックスに添加することは、デバイスの安定な性能にとって重要である高温曝露時の硬質化への耐性(破断点伸び(%)により測定)に非常に有効であることを示す。有意な効果を得るためには、マトリックス中に添加剤にて/として供給されるセリウムは50〜1000ppmが好適である。
【0114】
フェニルマトリックスサンプルの圧縮弾性率試験結果を、下の表に示す:
【表5】
【0115】
比較例2は添加剤を含まない。
【0116】
実施例9は、添加剤としてのテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを5ppm含有する。
【0117】
実施例10は、添加剤としてのテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを50ppm含有する。
【0118】
実施例3は、上記の通りである。
【0119】
実施例11は、添加剤としてのテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを750ppm含有する。
【0120】
上記のデータは、セリウムシロキシ安定剤をメチルフェニルリコーンマトリックスに添加することは、デバイスの安定な性能にとって重要である高温曝露時の硬質化への耐性(弾性率により測定)に非常に有効であることを示す。有意な効果を得るためには、マトリックス中に添加剤にて/として供給されるセリウムは50〜1000ppmが好適である。
【0121】
フェニルマトリックスのサンプルはまた、経時的な黄化を評価するためにも試験した。黄化は、反射面の黄色対青色の尺度であるCIE b
*として報告することができる。b
*の正値が大きければ大きいほど、物質は青に対して黄色に見える。b
*の負値の大きさが大きくなると、青色をより呈する。b
*=0の物質は、青色も黄色も示さない。したがって、曝露下における物質の黄化は、b
*を測定することによって観察することができる。b
*測定用のサンプルを、アルミニウムホイルパンに深さ2.5mmになるように直接流し込み、CIE 1976L
*a
*bD
65(照明角度)/10(視野角度)の色試験法を用いることにより決定する。エージングは、225℃で上記のように実施する。サンプルをパンから取り出し、較正された白色背景上に置いて、色測定を行う。
【表6】
【0122】
実施例12は、添加剤としてのテトラキス((1,3,5−トリメチル−1,1,5,5−テトラフェニル−3−イル)オキシ)セリウムにて/として供給されるセリウムを2000ppm含有する。
【0123】
上記のデータは、セリウムシリルオキシ安定剤をメチルフェニルシリコーンマトリックスに添加することが、デバイス中のシリコーン封止材の安定な性能にとって重要である高温曝露時の変色への耐性(CIE b
*により測定)に非常に有効であることを示す。有意な効果を得るためには、マトリックス中に添加剤にて/として供給されるセリウムは50〜1000ppmが好適である。
誘導結合プラズマ−発光分光(ICP−OES)分析:
【0124】
ICP−OES分析も実施する。より具体的には、添加剤Ce
Me、Ce(III)
Me及びCe
MePhを評価して、Ceの理論量とCeの実際の量とを決定する。一般的に、全てのデータを、計器のずれ及びマトリックスの違いについて、1ppmのSc内部標準を用いて調節する。この調節は、一般的に+/−0〜5%である。より具体的には、約0.05gのサンプルを白金皿に秤量する。サンプルを、H
2SO
4を使用して炭化し、乾固した後、炉に置いて、残留炭素を除去する。続いて、サンプルをH
2SO
4、HNO
3、及びHFを用いて分解する。サンプルをほぼ乾固し、続いて、約5%のHNO
3を使用して、最終体積を20mLにする。分析の前に、15倍の2次希釈を5% HNO
3で実施する。1ppmのScを内部標準として添加する。続いて、サンプルを誘導結合プラズマ−発光分光分析装置(ICP−OES)により分析する。
【0125】
Ceを多量に含むサンプルでは、内部標準の結果及びその後のサンプルを補正する量をゆがめるSc波長に有意な干渉がある。これは稀なことである。Ce高含有サンプルを内部標準補正を用いずに再処理し、そのデータを以下に示す。更に、Ceの実際の含有量における差異は、予想されるものであり、多数の実験要因及び環境要因、例えば、合成経路及び水分曝露によって決定される範囲内に入り得る。
【表7】
【0126】
上記のデータは、上記化合物のCe含有量の分析により、物品又は組成物中の最終的な金属含有量の精密な目標設定が可能になることを示す。Ceの分子錯化度及び可能な合成方法の多様性から、添加剤は最終的な金属含有量の変動性に対応できる。
【0127】
種々の非限定的実施形態において、本開示は、1つ以上の化合物、方法工程、デバイス、若しくは分析工程、又は、同時に出願されたDow Corning整理番号DC11760;代理人整理番号071038.001322の米国仮特許出願に記載されるその他の記載を含み、これは上記の非限定的実施形態に関連してその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0128】
上記の値の1つ以上は、そのばらつきが本発明の範囲内に留まる限りにおいて±5%、±10%、±15%、±20%、±25%等の範囲だけ可変である。マーカッシュ群の各要素からは、他の全ての要素から独立して予期せぬ結果を得られる可能性がある。各要素は、個別に及び/又は組み合わせで依拠し得るものであり、特許請求の範囲内において各特定の実施形態に適切な裏付けを与える。独立請求項及び従属請求項の全ての組み合わせの主題は、単独従属でも、複数従属でも、本発明において明白に考慮されている。本開示は、説明の文言を含めて限定なものではなく、例示的なものである。本発明は上記の記載事実に照らして多くの修正及び変更が可能であり、また本発明は本願に具体的に記載したものと異なる形で実施することが可能である。