特許第6181885号(P6181885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181885印刷アイテムの識別子を検証するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181885
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】印刷アイテムの識別子を検証するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20170807BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20170807BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G06K7/10 456
   G06K19/06 009
   G06T1/00 500A
【請求項の数】20
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-565026(P2016-565026)
(86)(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公表番号】特表2017-516214(P2017-516214A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】US2015017357
(87)【国際公開番号】WO2015130697
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】61/945,917
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/561,215
(32)【優先日】2014年12月4日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516257453
【氏名又は名称】シス−テック ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソボルスキー,マイケル,エル.
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0228619(US,A1)
【文献】 特開2005−086829(JP,A)
【文献】 特開2012−141729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10− 7/14
G06K 19/06
G06T 1/00
B42D 25/00−25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未検証印刷アイテムの識別子を検証する方法であって、
撮像装置上で前記未検証印刷アイテムの画像を捕捉する工程であって、前記未検証印刷アイテムはアーチファクトを含み、および前記アーチファクトのうちの少なくともいくつかは前記未検証印刷アイテムの生成の際に制御可能に生成可能でなかった、工程と、
プロセッサ上で、
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた情報を抽出する工程と、
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記情報を順位付ける工程と、
記憶装置から、オリジナル印刷アイテムのアーチファクトに関連付けられた格納済み順位付け情報を取り出す工程と、
第1のマグニチュードの範囲で、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報と前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報とを比較して第1の差を判定する工程と、
第2のマグニチュードの範囲で、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報と前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報とを比較して第2の差を判定する工程であって、前記第2のマグニチュードの範囲は前記第1のマグニチュードの範囲内の最小アーチファクトより小さいアーチファクトを含む、工程と、
前記第2の差が前記第1の差より閾値量を超えて大きい場合に、前記未検証印刷アイテムを複製として識別する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の差および前記第2の差は、アーチファクトのマグニチュードもしくはその比の平均もしくは総計差、またはアーチファクトのマグニチュードの変動の統計的測度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のマグニチュードの範囲において、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記情報が前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記情報に一致する統計的確率を評価する工程と、
前記統計的確率が第1の閾値を超える場合に、前記未検証印刷アイテムが前記オリジナル印刷アイテムであると判断する工程と、
前記統計的確率が前記第1の閾値より低い第2の閾値未満である場合に、前記未検証印刷アイテムがオリジナル印刷アイテムではないと判断する工程と、
前記統計的確率が前記第1の閾値および前記第2閾値間にある場合のみ、前記第1の差を判定する前記工程および前記第2の差を判定する前記工程を行う工程と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のマグニチュードの範囲は最大マグニチュードを有する所定数のアーチファクトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のマグニチュードの範囲は最小記録マグニチュードに最も近いマグニチュードを有する所定数のアーチファクトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のマグニチュードの範囲および第2のマグニチュードの範囲は重なる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のマグニチュードの範囲および第2のマグニチュードの範囲のそれぞれに対して前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報の自己相関系列を計算する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトのうちの少なくともいくつかは、データを符号化しかつ誤り検出を支援するシンボルのアーチファクトであり、
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトを表す情報を抽出する工程は、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトを有するシンボルの誤り状態を判断する工程と、前記シンボル損傷部があることを前記誤り状態が示す場合に、前記シンボルの前記損傷部内のアーチファクトを無視する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の差を判定する前記工程および前記第2の差を判定する前記工程のそれぞれは、前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトを生成した装置、前記アーチファクトを表す前記情報の前記オリジナル印刷アイテムを調査するのに使用される装置、および前記アーチファクトを表す前記情報の前記未検証印刷アイテムを調査するのに使用される装置のうちの少なくとも1つの特性を補正する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記未検証印刷アイテムおよび前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトは別個のカテゴリを含み
前記第1の差を判定する前記工程は、各カテゴリにおいて前記比較を行う工程と前記比較の結果を組み合わせる工程とを含み、
前記第1の差を判定する前記工程は、各カテゴリにおいて前記比較を行う工程と前記比較の結果を組み合わせる工程とを含み、
前記補正する工程は、特性の様々な周波数または様々な値を有する様々なカテゴリ内のアーチファクトを生成するために、前記オリジナル印刷アイテムを生成した前記装置の既知の傾向に従って前記組み合わせ工程を重み付けする工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
オリジナル印刷アイテムを、前記オリジナル印刷アイテムに固有のアーチファクトについて調査する工程と、
前記アーチファクトに関連付けられた情報を抽出する工程と、
前記情報を前記アーチファクトの特徴に従って順位付けする工程と、
前記順位付けされた前記情報を表すデータを、前記オリジナル印刷アイテムとは別の非一時的コンピュータ可読記憶装置に、前記順位付け情報として格納する工程と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記オリジナル印刷アイテムは、識別子と前記アーチファクトの少なくとも1つとを含むマークを含み、前記識別子は前記オリジナル印刷アイテムに関連付けられ、および前記少なくとも1つのアーチファクトは前記関連付けを変更せず、
前記格納する工程は、前記識別子を使用して少なくとも部分的に定位可能となるように前記情報を格納する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
未検証印刷アイテムの識別子を検証するためのシステムであって、
前記未検証印刷アイテムの画像を捕捉する撮像装置であって、前記未検証印刷アイテムはアーチファクトを含み、および前記アーチファクトのうちの少なくともいくつかは前記未検証印刷アイテムの生成の際に制御可能に生成可能でなかった、撮像装置と、
プロセッサであって、
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた情報を抽出する工程と、
前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記情報を順位付ける工程と、
記憶装置から、オリジナル印刷アイテムのアーチファクトに関連付けられた格納済み順位付け情報を取り出す工程と、
第1のマグニチュードの範囲で、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報と前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報とを比較して第1の差を判定する工程と、
第2のマグニチュードの範囲で、前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報と前記オリジナル印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報とを比較して第2の差を判定する工程であって、前記第2のマグニチュードの範囲は前記第1のマグニチュードの範囲内の最小アーチファクトより小さいアーチファクトを含む、工程と、
前記第2の差が前記第1の差より閾値量を超えて大きい場合に、前記未検証印刷アイテムを複製として識別する工程と
行うプロセッサと
を含む、システム。
【請求項14】
前記未検証印刷アイテムは複数の領域を含み、および前記未検証印刷アイテムの前記アーチファクトに関連付けられた前記順位付け情報は、前記複数領域のうちの少なくともいくつかの空間的コントラストに関連付けられた情報を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の領域のうちの少なくともいくつかの前記空間的コントラストに関連付けられた前記情報は、階調共起行列の慣性モーメントである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
印刷アイテムの信憑性を検証するためのシステムであって、
前記印刷アイテムの画像を取得する画像取得装置と、
1つまたは複数のプロセッサであって、
前記画像取得装置から前記画像を受信する動作と、
前記印刷アイテム内の不完全性を識別するために前記画像を解析する動作であって、前記不完全性は複数のマグニチュードのメトリックに関連付けられる、動作と、
本物マーク署名のデータベースから本物マーク署名を取り出す動作であって、前記本物マーク署名はオリジナル印刷アイテムの不完全性に基づき、前記本物マーク署名は複数のマグニチュードのデータを含む、動作と、
前記識別された不完全性および前記本物マーク署名の第1のマグニチュードの範囲において、前記識別された不完全性と前記本物マーク署名とを比較して第1の差を判定する動作と、
前記識別された不完全性および前記本物マーク署名の第2のマグニチュードの範囲において、前記識別された不完全性と前記本物マーク署名とを比較して第2の差を判定する動作であって、前記第2のマグニチュードの範囲は前記第1のマグニチュードの範囲内の最小アーチファクトより小さいアーチファクトを含む、動作と、
前記第2の差が前記第1の差より閾値量を超えて大きい場合に、前記印刷アイテムを複製として識別する動作と
を含む、動作を行う1つまたは複数のプロセッサと
を含む、システム。
【請求項17】
前記印刷アイテムは、製造されたアイテムに関する符号化情報を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記印刷アイテムはロゴである、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記符号化情報は一意的識別子を含み、および1つまたは複数のプロセッサは前記一意的識別子を使用してデータベースから本物マーク署名を取り出す、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記画像取得装置はバーコードリーダを含む、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2014年2月28日出願の米国仮特許出願第61/945,917号および2014年12月4日出願の米国特許出願第14/561,215号に対する優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に援用される。本出願は、2015年2月10日発行の米国特許第8,950,662号、ならびに2012年3月1日出願の米国仮特許出願第61/605,369号、2012年7月26日出願の米国仮特許出願第61/676,113号、および2012年10月24日出願の米国仮特許出願第61/717,711号に関する。これらの特許文献のそれぞれの内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、概してマシンビジョン(machine vision)技術に関し、より具体的には印刷アイテムの識別子を検証するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
印刷アイテムの識別子を検証するためのいくつかの現在の方法は、通常は印刷によりアイテムへ意図的に付着される顕在的または隠在的マークに一般的に基づく。他の方法は一意的識別子として使用される材料基材の自然な変動(例えば紙内の繊維配向)に依存する。重大な欠陥が既存技術には存在する。これらの欠陥としては、他の目的のためにアイテム上に既に存在する任意のマークに加えて顕在的または隠在的マークをアイテムへ意図的に追加する必要性が挙げられる。基材変動方法の場合、変動を感知する特殊なシステムが必要である。また、容易に識別可能な一意的特徴を提示しない基材(例えば、いくつかのプラスチック膜)には、この方法は採用され得ない。これらの欠陥は、本明細書において考察される技術分野におけるこれらの方法の有用性を著しく低減する。
【0004】
図面
添付の特許請求の範囲は特殊性を有する本技術の特徴を記載するが、これらの技術は、その目的および利点と共に、以下の添付図面と併せた以下の詳細な説明から最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態による方法により活用される印刷マークの例の図解である。
図2】明確にするために抽出されたマークの端特徴を有する図1のマークの図解である。
図3図1と同じマークの第2の例の図解であり、図1のマークの偽造バージョンを表し得る。
図4】明確にするために抽出されたマークの端特徴を有する図3のマークの図解である。
図5】熱転写処理により印刷された2Dデータ行列の例であり、本方法に使用され得るいくつかの特徴を示す。
図6図2および図4の左上部分の特徴を比較する図解である。
図7図5と同様のデータ行列の写真複製(photocopy)の例である。
図8】コンピュータシステムの概略図である。
図9】一実施形態に従って処理を行うように動作するコンピュータシステムのブロック図である。
図10】新しいマークを記録する方法の一実施形態のフローチャートである。
図11】特徴の重み付けの線図である。
図12】マークを評価する方法の一実施形態のフローチャートである。
図13】アーチファクトマグニチュードの比較のグラフである。
図14図13より大きいスケールの図13の詳細である。
図15】一実施形態において使用され得るいくつかの特徴を示す1Dバーコードである。
図16】本物「候補」シンボルを有する本物アイテムの自己相関系列の多項式近似のグラフである。
図17図16の本物データのべき級数のチャートである。
図18図16の「候補」データの図17と同様のチャートである。
図19】偽造「候補」シンボルの図17と同様のグラフである。
図20図19に使用された偽造データの図17と同様のチャートである。
図21】コントラスト測定の慣性モーメントのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
説明
本開示は、いくつかのカテゴリの本物アイテムの機械的複製を検知するための検証には余りに小さ過ぎるために信頼できないと以前は見なされていた変動を利用することに関する。
【0007】
本開示の態様は、追跡サプライチェーンセキュリティの目的のための偽造防止およびアイテム一連番号化の技術分野に属する。
【0008】
一実施形態では、例えば、熱転写またはインクジェット処理を使用して印刷されたオリジナルアイテムは通常、非常に一様で完全な黒色または他の印刷領域を有する。静電印刷処理は、黒色が低解像度においてより灰色であり、高解像度において斑である印刷領域を生成する傾向がある。その差は微妙であるが、本明細書に開示された技術により、その差は、ほとんどの例では、熱転写印刷されたオリジナルをその写真複製から区別する際に役立つのに十分な確信度で検知され得る。
【0009】
開示される一実施形態は、印刷アイテムの識別子を検証する方法を提供する。本方法は、未検証アイテムに固有の未検証アーチファクトの未検証アイテムを調べる工程と、未検証アーチファクトに関連する情報を抽出する工程と、オリジナルアイテムのオリジナルアーチファクトに関連する情報を含む格納データを記憶装置から取り出す工程と、未検証アーチファクトまたはオリジナルアーチファクトのいずれかの特徴のマグニチュードに従って未検証情報を順位付けする工程と、未検証アーチファクトに関連付けられた順位付け情報と、それに応じて第1のマグニチュードの範囲内のアーチファクトと第2のマグニチュードの範囲内のアーチファクトとに対して別々に順位付けされたオリジナルアーチファクトに関連付けられた情報とを比較する工程であって、第2の範囲は第1の範囲内の最小アーチファクトより小さいアーチファクトを含む、工程と、未検証アーチファクトに関連付けられた情報とオリジナルアーチファクトに関連付けられた情報との差が第1の範囲より第2の範囲に対して閾値量を超えて大きい場合に、未検証アイテムを複製として識別する工程とを含む。
【0010】
本出願では、「印刷された」は画像処理により合理的に模倣される可能性があるシンボルを生成する任意の処理を含むものと広義に理解されるべきである。開示方法は特に(限定しないが)写真複製を検出することに関するため、「印刷アイテム」は、本物らしく写真複製され得るいかなるものも含む。これは、1つの色(必ずしも黒くない、すなわち黒っぽい)のインク、顔料、染料などのパターンを第2の色(必ずしも白でない、すなわち白っぽい)基材に印加する処理だけでなく、第2の色の表層または被覆が当初存在し、その一部が除去されパターンを生成する削摩(ablative)処理も含む。「プリンタ」への参照はそれに応じて広義に理解されるべきである。
【0011】
以下にさらに詳細に説明されように、「第1の範囲内の最小アーチファクトより小さいアーチファクト」は、アーチファクトが全く存在しない場所、または検出システムの統計ノイズを超える検知可能なアーチファクトが存在しない場所、またはノイズのみが検知される場所を含み得るか、またはそれから構成され得る。
【0012】
差は、アーチファクトのマグニチュードもしくはその比の平均もしくは総計差、またはアーチファクトのマグニチュードの変動の統計的測度であり得る。
【0013】
一実施形態はさらに、別々に比較する工程の前に、第1の範囲内のマグニチュードを有するアーチファクトに関し、未検証アーチファクトに関連付けられた情報とオリジナルアーチファクトに関連付けられた情報とを比較する工程と、未検証アーチファクトの情報がオリジナルアーチファクトの情報に一致する統計的確率を評価する工程と、統計的確率が第1の閾値を超える場合に、未検証アイテムが検証済みオリジナルアイテムであると判断する工程と、統計的確率が第1の閾値より小さい第2の閾値未満である場合に、未検証アイテムがオリジナルアイテムではないと判断する工程と、統計的確率が第1および第2の閾値間に存在する場合のみ、別々に比較する工程を行う工程とを含む。
【0014】
第1の範囲は最大マグニチュードを有する所定数のアーチファクトで構成され得、および/または第2の範囲は最小マグニチュードを有するまたは検知閾値を超える最小マグニチュードを有する所定数のアーチファクトで構成され得る。第1および第2の範囲は重なり得る。
【0015】
一実施形態はさらに、第1および第2の範囲のそれぞれの順位付けされた未検証アーチファクトの情報の自己相関系列を計算する工程を含む。別々に比較する工程は、第1および第2の範囲のそれぞれの未検証およびオリジナル自己相関系列を比較する工程を含む。格納データは、第1および第2の範囲のそれぞれの順位付けされたオリジナルアイテムアーチファクトの自己相関系列を表すデータを含み得、またはオリジナルアイテムアーチファクトの自己相関系列は比較時にのみ生成され得る。
【0016】
アーチファクトのうちの少なくともいくつかはデータを符号化しかつ誤り検出を支援するシンボルのアーチファクトであり得、未検証アーチファクトを表す情報を抽出する工程は、未検証アーチファクトを有するシンボルの誤り状態を判断する工程を含み得る。誤り状態はシンボルの一部が損傷されていることを示し得、比較工程はシンボルの破損部分内のアーチファクトを無視する工程を含み得る。
【0017】
一般的に、アーチファクトを「無視する」工程は、そのアーチファクトに、他に同等なアーチファクトより低い統計的順位付けを与える工程と、正確に定量化および/または順位付けされ得ないアーチファクトの別のクラスにそのアーチファクトを配置する工程と、同じ方法でそのアーチファクトをそのカテゴリのアーチファクトが検知されない場所として処理する工程と、そのアーチファクトを完全に無視する工程とを含む。これらの手法のうちの様々なものが単一実施形態内ですら異なる点において適用され得る。
【0018】
比較工程は、オリジナルアーチファクトを生成した装置、オリジナルアーチファクトを表す情報のオリジナルアイテムを調査する際に使用された装置、および未検証アーチファクトを表す情報の未検証アイテムを調査する際に使用された装置のうちの少なくとも1つの装置の特性を補正する工程を含む。
【0019】
アーチファクトは別個のカテゴリのものであり得る。次に、未検証アーチファクトの情報がオリジナルアーチファクトの情報に一致するかどうかを判断する工程は、各カテゴリ内の未検証アーチファクトとオリジナルアーチファクトとを比較する工程と比較の結果を組み合わせる工程とを含み得る。次に、補正工程は、特性の様々な周波数または様々な値を有する様々なカテゴリ内のアーチファクトを生成するために、オリジナルアーチファクトを生成した装置の既知の傾向に従って組み合わせ工程を重み付ける工程を含み得る。
【0020】
一実施形態はさらに、オリジナル印刷アイテムを、そのアイテムに固有のアーチファクトについて調査する工程と、アーチファクトに関連付けられた情報を抽出する工程と、その情報をアーチファクトの特徴に従って順位付けする工程と、順位付け情報を表すデータを、オリジナルアイテムとは別の非一時的コンピュータ可読記憶装置内の前記格納データとして格納する工程とを含む。
【0021】
アーチファクトのうちの少なくともいくつかはオリジナルアイテムを生成する際に制御可能に生成可能ではなかったアーチファクトであり得る。
【0022】
オリジナルアイテムは、識別子と少なくとも1つのアーチファクトとを含むマークを含み得、識別子はオリジナルアイテムに関連付けられ、および少なくとも1つのアーチファクトはその関連付けを変更しない。このとき、格納工程は、識別子を使用して少なくとも部分的に定位可能となるように情報を格納する工程を含み得る。
【0023】
一実施形態は、上記方法によりアイテムの識別子を検証するためのシステムを提供する。本システムは、未検証アイテムを調査すると共に、未検証アイテムの未検証アーチファクトを表す情報を抽出するように動作可能な検証用スキャナと、オリジナルアイテムの順位付けオリジナルアーチファクトを表す情報を含む格納データを記憶装置から取り出し、未検証アーチファクトの情報とオリジナルアーチファクトの情報とを比較し、比較の結果に応じて出力を生成するように動作可能なプロセッサとを含む。
【0024】
一実施形態は、上記方法によりアイテムの識別子を検証するためのシステムを提供する。本システムは、アイテムを調査すると共に、アイテムのアーチファクトを表す情報を抽出するように動作可能なオリジナルアイテムスキャナと、アーチファクトの特徴に従って情報を順位付けし、抽出された情報をコンピュータ可読データに符号化するように動作可能な符号器と、そのデータを格納するように動作可能なコンピュータ可読記憶装置とを含む。
【0025】
本システムはさらに、オリジナルアイテムを生成するように動作可能なオリジナルアイテム生成器を含み得、アーチファクトはオリジナルアイテム生成器がアイテムを生成する際に生成されるアイテムの特徴であり、アーチファクトのうちの少なくともいくつかはオリジナルアイテム生成器により制御可能に生成可能ではない。
【0026】
本システムはさらに、少なくとも1つのオリジナルアイテムを含み得る。ここでは、順位付けされたアーチファクトデータはコンピュータ可読記憶装置内に格納される。
【0027】
一実施形態は、好適な計算プロセッサ上で実行されると上記方法のうちの任意のものに従ってアイテムの識別子を検証するコンピュータ可読命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0028】
一実施形態は、印刷アイテムの識別子を検証する方法であって、未検証印刷アイテムの印刷領域を撮像する工程と、印刷領域の空間的コントラストに関連付けられた情報を抽出する工程と、オリジナルアイテムの対応印刷領域の空間的コントラストに関連付けられた情報を含む格納データを記憶装置から取り出す工程と、未検証印刷アイテムとオリジナル印刷アイテムの印刷領域の空間的コントラストに関連付けられた情報とを比較する工程と、未検証印刷アイテムとオリジナル印刷アイテムの印刷領域の空間的コントラストに関連付けられた情報との差が閾値より大きい場合に、未検証アイテムを複製として識別する工程とを含む方法を提供する。
【0029】
印刷領域の空間的コントラストに関連付けられた情報は、階調共起行列(gray-level co-occurrence matrix)の慣性モーメントであり得る。
【0030】
複数のマークまたは他の印刷アイテムからのそれぞれの情報は1つの記憶装置(例えばデータベースの形式)内に格納され得、前記マークのうちの1つからの識別子を使用することにより、前記複数のマークより少ない数のマークからのそれぞれの情報であって、前記1つのマークを含む情報が取り出し可能であり得る。一例では、識別子はアイテムのグループまたはカテゴリを識別し得る。このとき、識別子は、そのグループまたはカテゴリ内のアイテムに関係する格納情報のみをデータベースから取り出すために使用され得、単一アイテムに関する情報を識別するためにその後の検索の広がりを低減する。別の例では、少数のマークは1つのマークのみであり得る。例えば、識別子は単一アイテムのみを明示的に識別する一意的識別子(UID)であり得、情報はUIDを使用することにより取り出し可能となるように格納され得る。
【0031】
格納情報は、オリジナルアーチファクトを生成する際に関与するプリンタのタイプを示す情報を含み得る。格納情報は、オリジナルアイテムを調査する際に関与する装置の解像度を示す情報を含み得る。
【0032】
アーチファクトが別個のカテゴリのものである場合、未検証アーチファクトの情報がオリジナルアーチファクトの情報に一致するかどうかを判断する工程は、各カテゴリ内の検知済みアーチファクトを比較する工程と、比較の結果を組み合わせる工程とを含み得、補正工程は、様々な周波数または様々なマグニチュードを有する様々なカテゴリ内のアーチファクトを生成するために、オリジナルアーチファクトを生成した装置の既知の傾向に従って組み合わせを重み付ける工程を含み得る。
【0033】
情報の抽出工程はさらに、アーチファクトが複数の別個のカテゴリのものであるアーチファクトを生成するのに使用されたプリンタのタイプを判断する工程を含み得る。このとき、順位付けされたオリジナルアーチファクトの情報を符号化する工程と格納する工程とは、プリンタのタイプに従って様々なカテゴリのアーチファクトを順位付けする工程とプリンタのタイプを示すデータを格納データの一部として格納する工程との少なくとも1つを含み得る。この情報は有用であり得、なぜなら、様々なタイプのプリンタが、様々なマグニチュード範囲を有する様々なカテゴリのアーチファクトもしくはアーチファクトの様々なカテゴリをどのように評価するべきか、またはどれだけの重み付けをアーチファクトの様々なカテゴリへ与えるべきかに影響を与え得る他の変動を有する様々なマグニチュード範囲を有する様々なカテゴリのアーチファクトを、多かれ少なかれ頻繁に生成し得るからである。
【0034】
オリジナルアイテムに関係する他の情報は、オリジナルアーチファクトを表す情報に加えて格納データに取り込まれ得る。他のオリジナルアイテム情報はオリジナルアイテムに固有のシリアル番号を含み得る。このような他の情報は、オリジナルアーチファクトを表す情報に加えて、取り出された格納データから回復され得る。
【0035】
アーチファクトのうちの少なくともいくつかが、データを符号化するシンボルのアーチファクトであり、符号化データが、シンボルまたは他の識別データの個々のインスタンスの一意的識別子(UID)を含む場合、格納データは、UIDまたは他の識別データから導出可能な識別子下で取り出し可能となるように格納され得る。他の識別データがシンボルを部分的にのみ識別する(例えば、そのデータがデータベース内に格納されたすべてのアイテムより小さいカテゴリまたはグループのアイテムを識別する)場合、データは、カテゴリまたはグループの格納データが、他の識別データから導出可能な識別子下で取り出し可能となるように格納され得る。このとき、所望の個々のオリジナルアイテムの格納データは取り出されたグループ内の別の検索により取り出され得る。
【0036】
順位付けされたオリジナルアーチファクトの情報を符号化する工程が順位付けされたオリジナルアーチファクトの情報の自己相関系列を計算する工程を含む場合、符号化工程はさらに、自己相関系列を固定次数の多項式として表すまたは近似する工程を含み得る。近似は所定次数の多項式に対するものであり得、係数は所定精度まで近似され得る。
【0037】
順位付けされたオリジナルアーチファクトの情報を符号化する工程が、順位付けされたオリジナルアーチファクトの情報の自己相関系列を計算する工程を含む場合、比較工程は未検証アーチファクトの情報の自己相関系列を計算する工程と2つの自己相関系列を比較する工程とを含み得る。比較工程は、さらにまたは代わりに、2つの自己相関系列の離散型フーリエ変換(DFT)べき級数を比較する工程を含み得、DFTべき級数の尖度(Kurtosis)関数と分布バイアス関数との少なくとも1つを比較する工程を含み得る。
【0038】
検証用スキャナは販売場所(POS)装置に結合され得る。検証用スキャナは携帯電話内に具現化され得る。
【0039】
多くの実施形態では、アーチファクトはアーチファクトが出現するマーク、アイテムまたはオブジェクトの機能または商品価値に影響を与えないか、またはそれらを少なくとも損なわない特徴であることが好ましい。
【0040】
本発明の方法および装置の様々な特徴および利点のさらなる理解は、例示的実施形態の以下の詳細な説明と添付図面とを参照することにより得られる。これらの図は、企図された方法および装置の実施形態を描写するが、当業者に明らかな代替または均等実施形態を排除するように解釈されるべきでない。
【0041】
一実施形態では、方法は、アイテムへ塗布されるマークに作用する。これらのマークは、例えばシリアル番号と同様にアイテムを一意的に識別するためのものであってよく、ブランド化、ラベル化または装飾などの他の目的のためのマークであってもよい。これらのマークは、印刷、エッチング、成形、形成、または転写され得、またはそうでなければ様々な処理を使用することによりアイテムへ塗布され得る。マークは電子的形態で処理され得るように取得される。電子的取得の方法は、様々であり、限定するものではないが、マシンビジョンカメラ、バーコードリーダ、ライン走査撮像装置、平床式スキャナ、携帯撮像装置または他の多くの手段を含み得る。
【0042】
ここで添付図面を参照すると、図1には、参照番号20により概して示された印刷マーク(本方法が適用され得る)の例が示される。この例では、印刷マークは2次元バーコードである。このバーコードは情報のデータ媒体であり、情報はマーク内の明領域22および暗領域24のパターンとして符号化される。2Dバーコードの理想例は、黒または白のいずれかのグリッド内の各セルまたは「モジュール」22、24が1ビットのデータを表す矩形グリッドで構成されるであろう。
【0043】
図2は、図1に示すマーク内に存在する変動のいくつかの強調図を提供する。図2は、図1に示すマークの明領域と暗領域との間の端26のみを示す。図1に示すマーク内の端線形性、領域不連続性、特徴形状などの特徴は容易に分かる。マークの印刷特徴の端に沿った無数の凹凸が明確に見える。この図解は明確にするために提供され、必ずしも本方法の処理工程ではないことに留意されたい。実施形態のいくつかでは、本明細書で想定されるこのような端抽出は有益であり、したがって利用される。実施形態のいくつかでは、端以外の特徴が抽出される。
【0044】
図3は、図1に示すマーク20の偽造を表し得るまたは識別目的のためのマークの第2の一意的インスタンスを表し得る参照番号30により概して示される第2の印刷マークの例を示す。この第2の印刷マーク30もまた2次元オリジナルバーコードである。この第2のバーコード30は、2次元オリジナルバーコードリーダで読まれると、図1のマーク20と全く同じ復号情報を提示する。図3のマーク30が取得されると、本実施形態は再び著しい特徴を識別し、それらを、マークを一意的に識別する「署名」データとして捕捉する。図1の場合と同様に、この署名データはマークの幾何学形状および外観の物理的および光学的特性から導出される。この署名データは、加えて、マークが2次元オリジナルバーコードなどのデータ担持シンボルであればマーク内に符号化されるデータを含み得る。署名データを生成するために評価されるマークの特性は通常、2つの署名が直接比較可能となるように、マークの第1のインスタンスを評価する際に使用されるものと同じ特性である。
【0045】
図4は、図3に示すマーク30内に存在する変動のいくつかの強調図を提供する。図4は、図2と同様に、図3に示すマークの端32のみを示す。図3に示すマーク内の端線形性、領域不連続性および特徴形状などの対応特徴および変動は容易に分かる。使用され得る特徴のいくつかの例が図5により詳細に示されるが、これについては以下にさらに詳細に論述する。
【0046】
図6は、図2および図4の左上角部特徴の厳密な比較を示す。図6に最も明確に見られるように、図1および図3の2つの印刷マーク20、30は、それらの顕在的に符号化されたデータに関し同一であるが、マークを適用するために使用される印刷工程の不完全性から生じる細かいスケールでの無数の差異を含む。これらの差異は、特に図1および図3のシンボル間に見出され得る多数の差異が組み合わせられると、耐久性(通常は、マーク自体とほぼ同じ程度の耐久性)がありかつ実際上は一意的である。さらに、差異は偽造することがほとんど不可能でないにしても困難である。これは、オリジナルシンボルは新しい識別可能な印刷不完全性を導入しない一方でオリジナル印刷より非常に高い解像度で撮像され、再印刷されなければならないためである。ここではマークの左上角部のみが示されているが、図1および図3に示す2つのマーク間の弁別可能な特徴はマークの全体にわたって延び、本実施形態により利用され得る。
【0047】
図5は、熱転写プリンタを使用することにより印刷された2Dバーコードの例である。図5から分かるように、熱転写プリンタは完全な黒色の像を生成する。基材が連続的黒色被覆を当初有し、その一部が図5の白色領域を生成するために除去される削摩処理もまた、完全な黒色の像を生成し得る。図7は、一般的構造として図5のバーコードに似た2Dバーコードの写真複写の例である。図7から分かるように、写真複写機により使用される静電気処理は斑または斑点効果を生じる傾向があるため、図5において完全な黒色として知覚されるバーコードのうちの多くのセルは、黒色よりむしろ灰色としておよび/または白抜き黒として図7では知覚される。この差異の重要性について以下にさらに詳細に説明する。
【0048】
図8を参照すると、参照番号50により概して示される計算システムの一実施形態は、他の装置の中でも、プロセッサまたはCPU52、画像取得装置58を含む入力装置54および出力装置56、ランダムアクセスメモリ(RAM)60、読み取り専用メモリ(ROM)62、ならびに磁気ディスクまたはプログラムおよびデータ用の他の長期記憶装置64を含む。計算システム50はマーク20を生成するためのプリンタ65を含み得るか、またはプリンタ65は別個の装置であり得る。計算システム50は、インターフェース66を介し外部ネットワーク68または他の通信媒体へ、およびネットワーク68を介し長期記憶装置72を有するサーバ70へ接続され得る。単純化のために示されないが、いくつかの同様のコンピュータシステム20がネットワーク68上のサーバ70へ接続され得る。
【0049】
図9を参照すると、計算システムの一実施形態では、画像取得装置は、画像データを、コンピュータシステム50の主CPU52上で実行されるソフトウェアまたは専用コプロセッサであり得る署名抽出および符号化プロセッサ74へ提供する。署名抽出および符号化プロセッサ74は署名データを、サーバ70の長期記憶装置72であり得るネットワークアクセス可能マーク署名データ記憶装置76へ提供する。コンピュータシステム50の主CPU52上で実行されるソフトウェアであり得るまたは専用コプロセッサであり得るネットワークアクセス可能マーク署名検索エンジン(network-accessible mark signature look-up engine)78は、署名抽出および符号化プロセッサ74および/または署名データ記憶装置76から署名データを受信する。署名比較プロセッサ80は通常、最近走査されたマーク30から署名抽出および符号化プロセッサ74により抽出された署名と、署名データ記憶装置76内に既に格納され本物マーク20に関連付けられた署名とを比較する。本物マーク署名捕捉および記憶に関係する図9の上部と候補マーク署名捕捉、比較および検証に関係する図9の下部との間の分離により象徴的に示されるように、候補マーク30を走査するコンピュータシステム50はオリジナルマーク20を走査したコンピュータシステム50と異なリ得る。これらシステムが異なれば、通常、これらシステムは署名データ記憶装置76へのアクセスを共有するか、または格納された署名データの複製が本物マーク捕捉システム50上の記憶装置76から候補マーク評価システム50へ渡されるかのいずれかである。
【0050】
より詳細には、および図10を参照すると、本発明による方法の一実施形態では、工程102において、図1に示すものと同様の2Dバーコードとしてこの例で示されるマークは、プリンタ65により、オブジェクトへ、またはその後オブジェクトへ貼り付けられるラベルへ塗布される。既に説明したように、2Dバーコードを塗布するプリンタは通常、バーコードにより符号化される顕在的データの可読性に影響を与えるには余りに小さくかつそれらの外観が印刷工程において制御可能になるには余りに小さいが、可視であり(恐らく拡大下でのみ)かつ耐久性があるかなりの量のアーチファクトを導入する。特定のプリンタが十分な供給量のアーチファクトを自然に生成しなければ、いくつかのプリンタはそれらの出力にランダムまたは疑似ランダムな変動を含むようにさせられ得る。
【0051】
工程104では、マークは好適な撮像装置または他のデータ取得装置58により取得される。撮像装置は、従来の装置または今後開発される装置を含む任意の好都合な形態のものであり得る。この実施形態における唯一の実際の制約は、撮像装置が、マークを塗布した装置の制御可能出力より著しく細かい詳細のレベルでマークの外観に関するデータを収集することである。図1図4に示す例では、詳細は、印刷された2Dバーコードのモジュールのサイズより著しく細かい解像度での明領域と暗領域との間の境界の形状である。好適な特徴の他の例が以下に説明される。マークが偽造防止対策として使用される場合、偽造マークを塗布または生成するために使用される可能性が高い装置の制御可能出力より細かい詳細のレベルにおいて、撮像装置がデータを収集すれば最も強力である。しかし、これは、特定マーク内の特定の詳細がこの目的のために使用されることを秘密にすることが可能であれば不要であり得る。
【0052】
工程106では、マーク20の顕在的データに含まれる一意的識別子番号(UID)が復号化される。プリンタ65が画像取得装置58と同じコンピュータシステム50上に存在すれば、UIDは一方から他方へ渡され、画像取得装置58により取得される像からUIDを復号化する必要性を回避し得る。マーク20がUIDを含まなければ、マーク20の特定インスタンスを一意的に識別するいくつかの他の情報が通常、この工程において必要とされる。
【0053】
工程110、112において、マーク20の像は、著しい特徴を識別するために署名抽出および符号化プロセッサ74により解析される。次に、工程120では、それらの特徴に関係するデータは、マーク20を一意的に識別する「署名」データとして署名データ記憶装置76内に格納されることになる。この署名データはマークの幾何学形状および外観の物理的および光学的特性から導出される。この署名データは、加えて、マークが2次元オリジナルバーコードなどのデータ担持シンボルであれば、マーク内に符号化されたデータを含み得る。署名データを生成するために評価されるマークの特性は、限定するものではないが、特徴形状、特徴コントラスト、端線形性、領域不連続性、外来マーク、印刷欠陥、色、色素沈着、コントラスト変動、特徴アスペクト比、特徴場所および特徴寸法を含み得る。
【0054】
マークの一部が著しい特徴を含まない場合、マークのその部分のデータは依然として、マークの特定部分が著しい特徴を含まないという情報の形式で格納され得る。2Dバーコードまたは別個のセルまたはモジュールに自然に分割される同様のシンボルの場合、著しい特徴のない黒色モジュールのリストが格納され得る。この目的のため、「著しい特徴がない」は、検知可能な特徴を有しないセル、または非常に小さいため、単なるランダムノイズと慎重に見なされる検知可能な特徴を有するセル、またはその両方を含み得る。
【0055】
特に、以下に説明するように、本明細書の写真複写検出プロセスは通常、オリジナルマーク内では白抜きおよび非常に暗い灰色を有しない完全な黒色であると知られているモジュールの供給が提供される場合、最も有効である。
【0056】
次にまた図5を参照すると、以下の例では、平均モジュール色素沈着またはマーキング強度92の偏位、最良適合グリッドに対するモジュール位置バイアス94、シンボル内の外来マークまたはボイド96の存在または場所、およびシンボル内の長い連続的端98の形状(線形性)は、例示的な可変特徴として使用される。これらは一意的シンボル署名を形成する一次メトリックとしての役割を果たす。これらの特徴のいくつかの図解を図5に示す。
【0057】
2次元バーコードなどのデータ担持シンボルであるマークの場合、本実施形態は、シンボルにより具現化されシンボルへ符号化された追加情報を活用し得る。次に、符号化された情報、例えば一意的または非一意的シリアル番号自体は、署名データの一部として含まれてもよく、またはより容易な取り出しのために署名データにインデックスを付けるために使用されてもよい。
【0058】
さらに、2次元バーコードまたは品質測度が確立され得る他のデータ媒体の場合、工程108ではシンボルの質を表す情報が、署名データの一部として任意選択的に抽出され含まれ得る。
【0059】
品質情報は、マークを偽造として誤判断させる可能性があるマーク20に対する変更を検知するために使用され得る。これは、これらの変更がマークの署名データを変更し得るためである。使用され得る品質測定のいくつかは、限定するものではないが、ISO仕様15415「データ行列グレーディング処理(Data Matrix Grading Processes)」または他の同等標準規格において定義された未使用誤り訂正(Unused Error Correction)および固定パターン損傷(Fixed Pattern Damage)である。これらの測定は、マークに対する損傷により変更された署名データに寄与するであろう領域を検知し、これによりマークの署名データと本物マークの格納署名データとを比較する際にそれを考察から無視できるようにする。
【0060】
署名メトリック重み付け
この例では、図5に示す4つのメトリックのそれぞれが抽出され得る容易さが撮像解像度に依存し、メトリックは、図11に示すように4つのメトリックのそれぞれに関係する有用データを抽出するのに必要な解像度の順に配置され得る。最低解像度から最高解像度の順に、それらのメトリックは、モジュール色素沈着、モジュール位置バイアス、ボイド/マーク場所および端形状射影である。しかし、以下にさらに詳細に説明するように、いくつかのメトリックは写真複写検出のためには他のものより有用であり、したがって、異なる重み付けがその段階において使用され得る。
【0061】
画像忠実度および解像度を増加することで、ますます精密な解析を可能にし、ますます高精度になる解析論を利用できるようにする。例えば、低分解能画像では、恐らくモジュール平均色素沈着92およびモジュール位置バイアス94のみが大きい確信度で抽出され得るため、これらの結果には、格納された本物データに対する候補シンボルの署名一致を判断する際により大きい重みを与えられる。高分解能画像により、処理は、細かい端射影メトリック98まで常に継続し、それを、署名一致判断における最も高い重み考慮として使用し得る。期待署名に対する他の(より低い重み)測度間に不一致があれば、これらは、シンボル損傷または画像捕捉装置のアーチファクトに起因し得る。しかし、シンボル20の損傷、変更または撮像装置アーチファクトが偽造符号30を修正し、正当アイテム20の端射影署名メトリック98に高精度で偶然に一致する可能性は非常に低い。したがって、端射影は、高く相関付けられておりかつダイナミックレンジの適切なマグニチュードを呈示すれば、高一致確信度を支援して低解像度メトリックに取って代わり得る。
【0062】
さらに、一実施形態では、一例として2Dデータ行列符号を使用することにより、そのシンボル論の標準復号化アルゴリズムにより提供される誤り訂正情報の使用は、署名メトリックデータを適切に重み付けするために使用される。シンボル内のデータ領域がマークに対する損傷により破損し、この領域が格納署名データとの不一致を生ずる一方で他の無破損領域がよく一致すれば、破損領域の投票重みが減少されるものとする。この機構は、検知可能シンボル破損が本物シンボル署名データに対する候補シンボルメトリック比較において偽陰性結果を提示するのを防止する。ISO16022「データ行列シンボル」仕様は、どのように誤り訂正符号(ECC)が2Dデータ行列内に分散され得るか、およびどのようにしてデータ行列内の破損および無破損領域が識別され得るかの例を記載する。
【0063】
マグニチュードフィルタ処理
以下にさらに詳細に説明するように、本実施形態では、2つの異なる範囲のマグニチュードが選択される。第1の範囲は、存在する所定数の最大アーチファクトで構成され得る。第2の範囲は、確実に検知され得る所定数の最小のアーチファクト、または第1の範囲の直下の範囲内または第1の範囲より小さいがそれと重なる範囲内の所定数のアーチファクトで構成され得る。第2の範囲は、全体的または部分的に、ランダムノイズから確実に区別されるのに十分に大きい検知可能アーチファクトのない場所で構成され得る。両方の範囲に入るように、十分な特徴が選択され評価される。
【0064】
工程114、116において、第1の範囲の候補署名特徴は、第1の範囲の候補署名特徴が各署名メトリックの一部としての役割を果たすように適切なマグニチュードを保有することを保証するために評価される。この工程は、各署名メトリックを形成する特徴がマークの識別特徴として符号化するための実際の「信号」を保有することを保証する。閾値最小値を署名寄与者候補へ適用することに失敗すると、本物格納署名に対してマークを検証する任意のその後の試みにおいてノイズにより容易に包含される署名を可能にし、署名解析のためのマークデータを捕捉するのに使用される装置の品質と忠実度限界に対する検証プロセスの感受性を高くし得る。署名メトリックがこれらのマグニチュード閾値最小値を満足する特徴のみから形成されることを保証することにより、多種多様な取得装置(カメラ付き携帯電話、マシンビジョンカメラ、低品質または低分解能撮像装置など)により、および広範囲の周囲環境(変化する、低または非一様照明など)においてマーク署名の検証を成功裏に行う能力が保証され得るか、または著しく容易にされ得る。
【0065】
一実施形態では、一例として2Dデータ行列符号を使用することにより、工程110、112、114では、4つの署名メトリック92、94、96、98の候補特徴はマグニチュードにより抽出および分類される。先に説明したように、マーク20は、特徴が通常はカラーまたは階調像として電子的形態で処理され得るように取得される。予備工程として、2Dデータ行列は全体として最初に解析され、行列のセル間の境界の「理想」位置を定義する「最良適合」グリッドが判断される。次に、候補特徴は、解析される特定メトリックのマーク属性の「通常」または「最適」状態から最も逸脱する特徴を見出すことにより選択される。図5に示す2Dデータ行列符号例を考察すると、いくつかの好適な属性は以下のものである。
【0066】
1.データ行列解釈(Data Matrix reading)アルゴリズムにより判断された、その平均色、色素沈着またはマーク強度が、明モジュールと暗モジュールとを識別するグローバル平均閾値に最も近いモジュール92(すなわち「最も明るい」暗モジュールおよび「最も暗い」明モジュール)。写真複写では、図5および図7により示したように、低解像度において、かなりの割合の暗モジュールがオリジナルマークにおいてより明るい平均色を提示し得る。
【0067】
2.全体シンボル20に適用される最良適合グリッドにより定義される理想場所から最も逸脱する位置にマーキングされたモジュール94。これらのモジュールを識別する2つの方法は、(a)候補マークモジュール端位置を抽出し、それらの端位置と、全体シンボル20の理想化された最良適合グリッドにより定義されたそれらの期待位置とを比較する方法と、(b)最良適合グリッドに対して同じ百分率の各モジュールに重なるサンプル領域を有する反対極性(明/暗または暗/明)の2つの隣接モジュール間の境界領域のヒストグラムを抽出し、50/50双峰分布からのヒストグラムの逸脱を評価する方法である。
【0068】
3.シンボルモジュール内の外来マークまたはボイド96は、明または暗のいずれにしろ、広範囲の輝度または色素密度を保有するモジュール(すなわち暗モジュールと明モジュールとを区別するグローバル平均閾値の両側の色素密度レベルを保有するモジュール)として定義され、最良の署名候補は最も外側の主モード間の最大距離を有する双峰輝度ヒストグラムを有するものである。写真複写では、図5および図7により示したように、高解像度では、かなりの割合の暗モジュールが、オリジナルマーク内に存在しなかった白抜きを提示し得る。
【0069】
4.シンボル内の長い連続端98の形状(それらの連続性/線形性または不連続性/非線形性の程度のいずれかを測定する)。このデータを抽出する1つの方法は画素全体にわたる輝度値予測であり、最良適合グリッドから2分の1モジュールだけオフセットされた1モジュールの射影長は、シンボルの最良適合グリッド内のその端の境界グリッド線に対して垂直に延びる。写真複写は通常、偽造に対するのと同様の方法で端形状メトリックに影響を与える。しかし、写真複写から端形状メトリックへの変更のマグニチュードは通常、信頼できる検出には十分でない。実験では、写真複写の約50%のみが、端形状メトリックへの変更のために明白な偽造として除去された。
【0070】
5.モジュール92の階調共起行列(GLCM)の慣性モーメント(MI)。この測度はモジュールの斑点に対して非常に敏感であり、写真複写検出に有用である。
【0071】
2Dデータ行列は、上記特徴が容易に見られる四角い黒色と白色セルとで構成されるため、良好な例をなす。しかし、同じ原理は当然、他の形式のデータ符号化または非データ符号化可視マークへ適用され得る。
【0072】
上記判定基準に適合する候補特徴が識別されると、候補特徴は、工程114において、マグニチュード順でリストに分類される。第1の範囲を定義するために、候補特徴は、工程116において、そのメトリックへの寄与者としての資格を得るための設定最小マグニチュードを満たさない各リスト内の第1の特徴を見出すことによりマグニチュード制限フィルタ処理され得る。閾値は、合理的な数の容易に再生され得ない特徴を含むには十分に低く、かつ合理的な耐久性のない特徴を排除するためには十分に高いまたは画像取得装置58のノイズフロアに近い任意の好適なレベルに設定され得る。
【0073】
第2の範囲の下側閾値は、ノイズ閾値に余りに近いため、第1の範囲については個々に満足しないが、統計的レベルでは有意な解析が依然として可能な特徴を含むように設定され得る。この実施形態では、分類済みリストの低マグニチュード端は閾値点から切り捨てられ、残りの(最大マグニチュード)特徴はメトリックの署名データとしてマーク内のそれらの場所と共に格納される。好適には、切り捨て閾値より高いすべての特徴は格納され、マーク内の他の場所にはマグニチュードフィルタ閾値より高い署名特徴は存在しないという情報を署名内に黙示的に含む。第1および第2の範囲が連続的であるまたは重なる場合、これらは単一リストとして格納され得る。これにより、重なり領域内の特徴の重複を回避する。
【0074】
一実施形態では、例えば可能な特徴の完全な組が使用され、マークが2Dバーコードであり、メトリックは名目上黒色のモジュールの灰色度であり、バーコードの名目上黒色のモジュールのすべてが使用され得る。次に第1の範囲は所定数の最も薄い黒色モジュールで構成され得、第2の範囲は所定数の最も暗い黒色モジュールで構成され得る。黒色モジュールのいずれかが完全に黒色であることを保証し得ないが、実験は、良好な条件における熱転写プリンタが本処理の目的のための十分な数の十分に黒いモジュールを生成しないことは例外的であろうことを示す。
【0075】
いくつかのメトリックは、例えば図7により示すように写真複写検出にとってそれほど価値がないことがあり得、斑点は、名目上黒色のモジュールにおけるより名目上白色のモジュールにおいてはるかに目立たない。したがって、それらのメトリックの第2の範囲データは使用されないことがあり得る。しかし、すべてのメトリックに対し設定される全データを格納することは、簡潔性のため、および解析アルゴリズムがその後改善されれば、それらのデータが再解析されるようにするための両方のために好ましいことがあり得る。
【0076】
様々なマーキング装置技術は、メトリック署名データを生成する際に使用される様々な属性内の優れたまたは劣った署名特徴を提示することが予め知られているため、重み付けプロファイルと呼ばれるものにおいてメトリックを予め重み付けするためにマーキング装置タイプが使用され得る。例えば、本物マークが熱転写プリンタを使用することにより生成されれば、運動の基材材料方向に平行な端射影は本物署名データの一部として符号化するのに十分な署名マグニチュードを担持する可能性が低いことが知られている。しかし、本物マークの写真複写は、それらの端射影に沿った写真複写アーチファクトを恐らく示すことになり、本物マーク内のアーチファクトの欠如は写真複写アーチファクトをより目立つようにし、評価し易くし得る。様々なマーキング装置の挙動に関するこの知識は、オリジナル本物署名データの捕捉中に使用され得る。採用されれば、本物マーク署名の生成に使用されるすべてのメトリックは特定のマーキング装置タイプの既知の挙動の必要に応じて重み付けされ、メトリックのその結果の強調/強調解除マッピングはメトリック重み付けプロファイルとなる。工程118では、メトリック重み付けのこのプロファイルは、オリジナルマークを生成するのに使用されたマーキング装置タイプに基づき、署名データの一部として格納される。
【0077】
工程120では、署名メトリックはマグニチュードの降順に特徴の分類リストとして格納される。リストの下端では、順番は、主としてノイズとなるため、主に任意であり得る。しかし、この実施形態では、順番は、候補特徴とオリジナル特徴とを照合する後工程において使用されるために必要である。各特徴のリストエントリは、その特徴が抽出されたマーク内の位置を定位する情報を含む。
【0078】
この実施形態では、各シンボルの記録は、シンボル内の明示的に符号化されたデータに含まれる一意的識別子内容(通常、シリアル番号)下で指標付けされる。記録はネットワークアクセス可能データ記憶サーバまたは装置上に格納されてもよく、または必要に応じて局所的に格納されてもよい。複製は、複数の場所のローカル記憶装置へ配布され得る。
【0079】
低振幅署名メトリック
シンボル20のインスタンスまたはシンボル内の識別可能領域が、1つまたは複数の署名メトリックの第1の範囲の最小マグニチュードを満足する任意の署名特徴を欠けば、一実施形態では、その事実自体が署名データの一部として格納され、これにより、著しい特徴変動の欠如をそのシンボルの一意的識別情報の一部として利用する。この場合、そのデータに対する検証に付されたシンボルは、対象のメトリックの最小マグニチュードを満足する零署名特徴または統計的試験に合格するために少なくとも十分に少ない著しい特徴を保有する場合のみ、本物であると考えられる。これらの場合、識別特徴のない領域は著しい識別特徴を有する領域より頑強でない識別特徴であるため、その特定メトリックの重み付けは減少される。著しい署名特徴のないシンボルまたは領域は最も有用でない。本物マーク20および候補マーク30の両方からの著しい特徴の欠如は、候補マークが本物であるという弱い証拠に過ぎない。候補マーク30内の著しい特徴の存在は、本物マーク20がいかなる一致する著しい特徴も有しない場合、候補マークは偽造であるというより強い証拠である。
【0080】
候補シンボル30内のシンボル損傷に帰され得る、その特定シンボル論の復号化アルゴリズムからシンボル誤り訂正情報の前述の使用を介し明らかにされ得、および先に説明したように捕捉された画像忠実度署名メトリック重み付けの原理に従い得る感知可能署名マグニチュードの特徴は例外扱いとする。
【0081】
本物マーク20および候補マーク30の両方がサブスレッショルドデータのみを含む(2つの「完全な」シンボルの場合と同様に)極端なケースでは、両マークは、本例の処理が検出を手段として機能する本物または偽造マークのいずれかのある測定可能変動に依存するため、本例の処理では識別不可能であろう。これは、現在企図された使用シナリオのいずれ(通常は、オンライン高速印刷)も完全なシンボルを生成しないため、実際には問題ではない。特に、「完全な」シンボルの写真複写は通常、第1の範囲内のアーチファクトに対して完全であるように見えるが、第2の範囲内の低マグニチュード写真複写アーチファクトを表示するシンボルを生じることになる。
【0082】
解析
図12を参照すると、一実施形態では、署名メトリックは、マグニチュードの降順で、分類されたリストとして格納され、特徴が抽出されたマーク内のそれらの位置を定位する情報を含む。一実施形態では、一例として2Dデータ行列符号を使用することにより、本物かどうかを判断するために候補マークまたはシンボルが評価されるプロセスは以下の通りである。
【0083】
工程152では、候補マーク30の画像が画像取得装置58により取得される。
【0084】
工程154では、候補マーク30内の明示的データが復号化され、その一意的識別子(UID)内容が抽出される。
【0085】
工程156では、UIDは、そのUIDを有するオリジナルシンボル20に対して元々格納された署名メトリックデータを検索するために使用される。格納データは、ローカル記憶装置64から取り出されてもよく、またはネットワークアクセス可能データ記憶サーバまたは装置72から取り出されてもよい。UIDを含まない候補マーク30の場合、候補マーク30に関係するいくつかの他の識別情報が取得され得る。代替的に、記憶装置64または72上の本物マーク署名の全データベースは、候補マーク署名に一致する本物署名を見つけ出そうとする下記工程164後に検索され得る。
【0086】
工程158では、2次元バーコード、または品質測度が確立され得る他のデータ媒体の場合、候補マーク30の品質測度は、本物マーク20に対して工程108において取得されたのと同様に取得され得る。品質測度は、塗布されてから損傷されたと思われるマークまたはマークの一部に与えられる重みを低減するその後の解析工程において使用され得る。また、オリジナルシンボル20の品質測度が本物署名データの一部として格納された場合、格納された品質測度は候補マーク30から抽出された署名データに対して検証され得る。
【0087】
工程160では、著しい署名特徴は、工程152において取得された候補マーク30の画像から抽出される。候補マーク30の全体(誤り訂正により破損として失格された部分以外の)は、著しい特徴が検索される。加えて、シンボル内の場所(オリジナル本物シンボル署名データが抽出された)を規定する情報は、署名データを抽出すべき候補シンボルの場所を規定するために使用される。これにより、マーク20内に存在するがマーク30から失われた特徴が注記されることを保証する。抽出された特徴は第1および第2の範囲の両方のものである。
【0088】
工程162では、署名特徴は解析のために符号化される。
【0089】
工程164では、候補シンボル30から抽出された少なくとも第1の(高マグニチュード)範囲の署名データは、オリジナルシンボル20のオリジナルリストと同じ順番で分類される。第1の範囲については、オリジナルアーチファクトと候補アーチファクトとは、マグニチュードの順番で独立に分類され得る。第2の範囲について、この実施形態では、オリジナルアーチファクトと候補アーチファクトとは、オリジナルアーチファクトの格納位置データを参照することにより同じ順番で分類される。これにより、候補マークの各モジュールがオリジナルマークの同じ場所におけるモジュールと比較され得るようにする。
【0090】
工程166では、第1の範囲の候補署名データは第1の範囲の格納されたオリジナル署名データと比較される。これらのデータは、2つのデータセット間の数値的相関を明らかにする統計演算に付される。各メトリックは、候補シンボルの個々の確信度がそのメトリックの本物アイテムであることを反映する測度を生じる個々の数値解析に付される。マークがUIDデータを含まず、いかなる代替の識別データも利用可能でなければ、図16を参照して以下に論述される手順を使用することにより同様のマークのデータベースを検索することが必要となり得る。例えば、図1および図3の場合、同じ顕在的パターンの黒色および白色モジュールを有するすべての本物マーク20を検索することが必要となり得る。検索の目的は、候補マーク30と一意的に同様の単一の本物マーク20を識別するまたは識別しないことである。
【0091】
工程168では、メトリック重み付けプロファイルが本物署名データの一部として格納された場合、この情報は、オリジナル本物マークを生成するために使用されるマーキング装置のタイプに対して、必要に応じて、メトリックを強調および/または強調解除するために使用される。
【0092】
工程172では、排除により、第1の範囲の最小マグニチュード閾値を満足する特徴場所の分類済みリスト内に表されないマーク内のすべての位置は、本物マークを解析する際に著しい署名特徴を欠くと予測される。この条件は、サブスレッショルド特徴が予測される候補マーク内のすべての場所で署名特徴マグニチュードを調査することにより、および最小閾値を超える特徴が発見されると適切なメトリックの結果を負方向に調整することにより評価される。著しい特徴が、シンボル誤り訂正または他の品質属性に対して評価された際に損傷されたと判断された領域において発見されれば、調整は、特徴抽出点に対する損傷の場所と関与する特定メトリックの性質とに応じて減少されるか、または全く行われない。例えば、オリジナルマーク20に対する署名特徴の不一致が、破損モジュールの近くであるが同じではない候補マーク30のモジュールから抽出されれば、知られた損傷領域に近い前者のモジュールはメトリックに影響を与えるがシンボル論の品質またはECC評価機構の検知可能閾値を下回る損傷を受けた可能性が高いため、その特徴のためのメトリックに対する負の調整はメトリック署名の確信度低下を反映する割合だけ減少され得る。不一致が破損モジュールから直接抽出されれば、またはメトリックが複数のモジュールにまたがるタイプの1つであり、破損したものを含めば、調整は全く適用されない。
【0093】
次に、工程174では、これらの個々の確信度値は、本物(または偽造)としての候補シンボル30の全体確信度を判断するために使用され、個々の確信度値は、画像忠実度、解像度およびシンボル損傷情報を使用することにより上に説明したように適切に重み付けされる。
【0094】
工程176では、結果が受容可能となるのに十分に明確かどうかが判断される。署名データの比較が不定結果を生じれば(例えば、個々のメトリックが、データ重み付け機構の使用により解決可能でない矛盾する指標を有すれば)、検証のためにシンボルを提出するユーザは処理のためのシンボルの別の画像を再提出するように促され、プロセスは工程152へ戻る。
【0095】
実際的理由のために、許容される再試行の回数は制限される。工程178では、再試行制限を超えたかどうかが判断される。そうであれば、再走査のためのさらなる戻りは妨げられる。
【0096】
工程176からの結果が不定であれば、工程180において、オリジナルマークおよび候補マークとの両方の第2の(低マグニチュード)範囲内のデータが取り出され、工程166〜178と同様の処理により比較され得る。代替的に、工程180はまた、工程176において本物であると識別されたマークに対して行われ得る。代替的に、第2の範囲の比較は、第1の範囲の比較と並列に工程166〜178で行われ得る。これにより時間を節約し得るが、高い割合のケースにおいて第2の範囲結果が必要でなければ、それほど効率的ではないことがあり得る。しかし、第1の範囲の比較が個々のアーチファクトを一致させることに主に向けられる場合、第2の範囲の比較は、統計的であり、アーチファクトの均等度を測定することに主に向けられる。
【0097】
工程182では、結果が報告され、プロセスは終了する。
【0098】
図13を参照すると、アーチファクトの組のマグニチュードのグラフが示される。アーチファクトは、工程120で格納され工程156で取り出された本物アイテムのオリジナル署名内のマグニチュードの降順にX軸に沿って分類される(y軸上)。第2の範囲比較の精度のために、マーク上の同じ場所が工程110と工程160とで使用されるが、これは、それらの場所のいくつかがいずれの工程においても有意なアーチファクトを示さないように見えても使用される。またプロットされるのは、本物マークと写真複写マークの工程152において取得される可能性がある対応マグニチュードである。図13から分かるように、マークの経時的劣化のために、および低品質のスキャナ(例えばスマートフォン上のカメラ)が工程104よりむしろ工程152において使用されたために、工程152において走査される本物マークですらオリジナル格納データからの著しいランダム変動を示す。しかし、写真複写マークは、工程104において元々走査されたマークが低マグニチュードアーチファクトを有する図13の右側に向かって非常に大きいランダム変動を示す。したがって、2つの範囲内のマグニチュードの変動(図13の左側と図13の右側)を比較することにより、アーチファクトマグニチュードの絶対値を評価しようとしなくても、写真複写は驚くほど高い精度および確信度で認識され得る。
【0099】
標準偏差または誤差和などの非一様性の任意の好都合な統計的測度が使用され得る。第1および第2の範囲は、特定の本物マークと特定のアーチファクトメトリックに対して経験的に選択され得る。図13に示すデータセットを生成するために使用されたものと同様のマークについて、満足な結果は、第1の範囲のデータ点1〜100および第2の範囲のデータ点61〜160を使用することにより得られた。160個のデータ点の組は実験に使用されるデータ行列内のすべての名目上黒色のモジュールを表した。しかし、図13から分かるように、本物マークと写真複写候補マークの検証走査との差は、約110〜160のデータ点では最も強い。これは図14により詳細に示される。
【0100】
したがって、第2の範囲内の候補マーク内のアーチファクトの一様性が第2の範囲内のオリジナルマーク内のアーチファクトの一様性未満であり、差が第1の範囲の対応差に比例していなければ、これは候補マークが写真複写であることを示し得る。この試験の結果は工程178からの結果を調整するために使用され得る。この追加試験が利用可能であるため、そうでなければ本物または偽造として分類された可能性があるが、境界線に近いいくつかの結果は、工程178では不定として扱われ、工程180では写真複写試験の観点で再考され得る。候補マークが写真複写ではないことを示す結果は通常、マークを複製する他の多くの方法があるため、説得力がない。しかし、候補マークが写真複写であることを示す結果は、特に「本物」グレードが境界線上であれば候補マークを「本物」から「不定」へまたは「不定」から「偽造」へ格下げすることを正当化し得る。
【0101】
解析が成功裡に完了すると、比較解析の結果は工程182において報告される。報告は合格/不合格であってもよく、または結果の信頼度を示してもよい。これらの結果は局所的に表示されてもよく、または別の動作のためにネットワークコンピュータシステムもしくは他の装置へ転送されてもよい。再試行限度に達したときに結果が依然として不定であれば、また、工程182へ進み、ここで不定結果はそのように報告され得る。
【0102】
図1に示すマーク20から抽出された署名データを格納すると、本方法は、同じ処理により解析されたときに統計的確信度の少なくとも所望レベルで同じ署名データを保有することが判断されたという事実のため、候補マーク30として提示されると、同じマークを本物として認識することができる。同様に、本方法は、例えば図3のマークのインスタンスから抽出された署名データが、図1に示す本物マークが元々処理されたときに元々格納されたものと一致しないことを認識することにより、図1に示すマーク20の偽造複製30を識別またはマークの異なる一意的インスタンス30を識別することができる。
【0103】
候補マーク30が本物かどうかを判断するのを支援するために工程180からの写真複写検出結果を使用する代わりにまたはそれに加えて、結果は診断または調査の目的に使用され得る。例えば、偽造者が本物マーク20を持続的に写真複写していることを知ることは有用であり得、偽造者の活動の量と地理的広がりとを識別することで、偽造者を識別するのを支援し得る。複写機は同一ではないため、いくつかのケースでは、写真複写マークのアーチファクトの特性は異なる偽造者を識別するためには十分に独特であり得る。
【0104】
環境耐性のメトリックデータの局所的基準測定
正確な署名データの抽出をさらに頑強にするために、可能な限り、本発明の方法は、署名データを作製するために、解析されたシンボル内のエリアローカル参照(area-local referencing)を利用する。これは、前述の基材歪み、処理のために取得される際の候補シンボルの非一様照明、取得装置内の非理想的または低品質光学素子、または他の多くの環境または体系的変数のようなものに対するより大きい耐性を提供する。一実施形態では、メトリック基準ローカライゼーション(metric reference localization)は以下のものである。
【0105】
1.平均モジュール色、色素沈着またはマーク強度は、反対のモジュール状態(暗対明または明対暗)の直近を参照する。セルが、逸脱平均色素沈着密度を有する著しい特徴92として識別される場合、直近であったセルは、基準として識別された逸脱セルを無視して再評価される必要があり得る。
【0106】
2.モジュールグリッド位置バイアス(module grid position bias)は全体シンボル最良適合グリッドに参照され、したがって、固有適応化基準ローカライゼーション(native adaptive reference localization)を有する。
【0107】
3.シンボルモジュール内の外来マークまたはボイドの解析は、モジュールローカル(module-local)色、色素沈着またはマーク強度基準を利用する。すなわち、解析されたモジュール自体内の画像輝度ヒストグラムは適用される方法のための基準値を提供する。
【0108】
4.シンボル内の長い連続端の形状を抽出するために使用される射影法は、本来差動的であり、典型的な影響変数に対する固有耐性を有する。
【0109】
ここで図15を参照すると、別の実施形態は図5を参照して説明したプロセスと同様であるが、2Dシンボル以外のマークのタイプを使用し得る。例えば、シンボルは1D線形バーコード、企業マークなどであり得る。図15は、署名メトリックとして使用され得る1D線形バーコード200のいくつかの特徴を示す。これらは、バー202間の幅および/または間隔の変動、平均色、色素沈着または強度の変動204、黒バーのボイド206(または白色ストライプ内の黒点)、またはバー208の端形状の凹凸を含む。完全な黒色領域が写真複写検出に必要であれば、これらは、アーチファクト204または206を示さないより広い黒色ストライプの部分から取られ得る。
【0110】
自己相関法による解析
上記実施形態では、メトリック毎のデータの生リストが最初にアレイ指標(array-index)照合され、次に、候補シンボルから設定された同順番抽出メトリックに対し正規化相関される。次に、これらの相関結果は一致/不一致判断(本物対偽造)に達するように使用される。そうするために、署名の格納は必然的に、各メトリックに完全なトレーニングメトリック(trained metrics)値自体だけでなくオリジナル本物シンボルモジュールの分類順も含む。網羅的格納要求に加えて、生データは「正規化」されない。これは、各メトリックがそれぞれの(時に無制限の)スケールを有し、記憶ビット深さの選択を複雑にするためである。上記実施形態の典型的実装形態は、約2キロバイトの格納された署名サイズを有する。
【0111】
次に図16図20を参照すると、メトリック後処理、格納および比較方法の別の実施形態は、オリジナルアーチファクトメトリックが抽出され、指標配列関連リスト(シンボル内のモジュール位置により関連付けられる)として利用可能にされた後に適用される。自己相関に基づき、この新しい後処理方法の適用は、前の実施形態の署名と比較すると少なくともいくつかの状況ではいくつかの著しい利点を生じ得る。米国特許出願公開第2013/0228619号では、工程120において自己相関関数を生成し、自己相関データのみを格納することにより、データパッケージサイズの著しい低減が実現される可能性があることが説明された。今説明した方法では、場所と分類順は少なくとも第2の範囲データアイテムに対して格納されるため、この低減は必ずしも得られないことがあり得る。しかし、自己相関は依然として、オリジナルデータセットと候補データセットとを比較する頑強かつ効果的な方法を提供する。
【0112】
上記実施形態で、特定のメトリックデータの組の解析は、候補シンボルから抽出された分類済み生メトリックと本物シンボルから抽出された同順番生メトリックとを比較する形式を取る。自己相関法は、分類済み候補シンボルメトリックデータの自己相関系列と(格納)分類済み本物シンボルデータの自己相関系列とを比較し、今や、自己相関は効果的に相関付けられる。自己相関系列は第1および第2の範囲に対して別々に生成され、2対の自己相関を相関付けた結果が比較される。
【0113】
第1の範囲データについて、有効自己相関は、単にオリジナルデータセットと候補データセットのそれぞれをアーチファクトのマグニチュードの降順に別々に分類することにより可能であり得る。これは、本物候補マークがオリジナルマークのものに非常に類似したアーチファクトを有することになるため、可能である。しかし、第2の範囲については、オリジナルデータと本物候補データとの相関は通常、余りに低い。したがって、オリジナル分類順番は工程120において格納され、同順番は工程164において候補データ(少なくとも第2の範囲データ)を分類するために使用される。このとき、第1の範囲データの格納された分類順番も使用することが通常最も効果的である。
【0114】
明確にするために、周知の統計演算は次の一般的正規化相関式である。
【数1】

ここで、rは相関結果、nはメトリックデータリストの長さ、ならびにxおよびyは本物および候補メトリックデータセットである。
【0115】
演算が自己相関として実施される場合、データセットxおよびyの両方は同じである。
【0116】
自己相関系列を生成するために、相関は複数回行われ、各回において、系列yに対して1つの追加指標位置だけ系列xをオフセットする(yはxの複製であることを想起されたい)。オフセットが進むと、データセットは、yデータ系列内の最後の指標がx指標オフセットのために超えられるため、先頭へ「巻き」戻る。これはしばしば、自己相関系列を生成するためにyデータを2倍にしxデータをオフセット0からオフセットnまで「スライド」することにより最も実用的に達成される。
【0117】
自己相関手法を実施する際、最終データの一部として署名データ値自体を含む必要はない。自己相関では、データ系列はそれ自体に単純に相関付けられる。したがって、従来は、検証のために検証装置へ抽出(分類)順番および本物署名データ値の両方を提供することが必要であったが、今や、自己相関系列演算のために分類/抽出順番を提供することのみが必要である。しかし、少なくとも範囲の低マグニチュード端の分類順番とマグニチュードデータとが格納されるため、いくつかの実施形態では工程166において必要な場合のみ実際の署名データ値を格納し、かつオリジナル自己相関曲線を生成することが最もコンパクトであることが分かった。
【0118】
一実施形態では、rxyが計算され、ここで、各項xはそのマグニチュードと場所とにより表されたアーチファクトであり、各項y=x(i+j)である。ここで、jは2つのデータセットのオフセットであり、j=0〜(n−1)である。xはマグニチュードにより分類され、マグニチュードはxの最上位桁であるため、j=0においてまたはその近傍で非常に強い相関があり、j=n/2に向かって急速に減少する。yはxの複製であるため、jおよびn−jは交換可能である。したがって、自己相関系列は常に、図16に示す必然的にj=0およびj=n/2で対称であるU字状曲線を形成する。したがって、図16では、明確にするためにj=0からj=nまでの全曲線が示されるが、実際には曲線の半分のみを計算することが必要である。
【0119】
一実施形態では、生のメトリックデータが候補シンボルから抽出され、オリジナルメトリックデータと同じ分類順(予め定められなくてもオリジナル署名データの一部として示され得る)で分類される。
【0120】
次に、候補メトリックデータは第1および第2の範囲のそれぞれに対して自己相関される。次に、結果の候補自己相関系列はそのメトリックのオリジナル自己相関曲線に対して相関付けられ得るか、またはそうでなければ、2対の曲線は各対の曲線間の曲線適合誤差を計算することにより比較され得る。この相関は図17および図20において図示される。このとき、この最終相関スコアはその特定メトリックの個々の「一致」スコアになる。すべてのメトリックに対して完了すると、「一致」スコアは候補シンボルの本物/偽造判断を行うために使用される。
【0121】
加えて、離散的フーリエ変換(DFT)によりべき級数解析をデータへ適用することにより自己相関曲線はさらに利用され得る。明確にするために、周知の演算
【数2】

は離散型フーリエ変換である。ここで、Xは第k番目の周波数成分、Nはメトリックデータリストの長さ、およびxはメトリックデータセットである。
【0122】
次に、DFTデータのべき級数が計算される。次に、DFT系列内の複素数により表される各周波数成分はマグニチュードについて解析され、位相成分は無視される。結果のデータは、低周波数から高周波数までのメトリックデータスペクトルエネルギーの分布を記述し、さらなる解析のためのベースになる。これらのべき級数の例は、図17図18図20に図示される。
【0123】
次の2つの周波数領域解析論、すなわち尖度と、分布バイアスと呼ばれる全スペクトラムの中心帯域周波数のまわりのエネルギー分布の測度とが採用される。尖度は、分布の「尖鋭度」を測定するために使用される一般的統計演算子であり、べき級数データの限定帯域分散を有する厳重にグループ化された周波数の存在をシグナリングするためにここでは有用である。本例は、
【数3】

により定義される修正尖度関数を採用する。ここで、
【数4】

はべき級数マグニチュードデータの平均値、sはマグニチュードの標準偏差、Nは解析された離散的スペクトル周波数の数である。
【0124】
分布バイアスは次式で計算される。
【数5】

ここで、Nは解析された離散的スペクトル周波数の数である。
【0125】
本物シンボルメトリック署名の滑らかな多項式曲線(マグニチュードによる分類から生じる)は、周波数領域において解析される際のスペクトル署名内の認識可能特性を生じる。候補シンボルは、メトリックデータが本物署名データにより規定されたものと同じ順番で抽出されると、シンボルが本物ならば、同様のスペクトルエネルギー分布を提示する、すなわち、本物分類順は候補のメトリックマグニチュードに「一致」する。分類済みマグニチュードまたは他の重畳信号(写真複写アーチファクトなど)の不一致は、本物シンボルスペクトル内にそうでなければ存在しない高周波数成分として現れる傾向があり、したがってシンボル信憑性の追加測度を提供する。しかし、本明細書において説明される追加解析がなければ、第1の範囲の候補データ内の高周波数成分は写真複写の信頼できる指標となるには十分に独特ではない。これは、偽造自己相関系列が本物シンボルの最小統計的一致閾値を依然として満足し得る可能性に対処する。これは、可能性は低いが、データの全範囲が個別データ点間の誤差のマグニチュードと比較して大きければ正規化相関を使用する際に恐らく起こり得、主要メトリックマグニチュードの自然な分類順は期せずして本物シンボルのものに近い。このような信号のDFTべき級数の分布特徴は、候補系列の小振幅一致誤差内に存在する高周波数を介し一致度の低品質を明らかにするであろう。このような条件は本物シンボルの写真複写を示す可能性がある。具体的には、ここでは、高尖度および高分布比が本物シンボルのスペクトル内に予測される。
【0126】
自己相関一致スコアと共に、このべき級数分布情報は、候補シンボルの検証における「確信度」の測度として使用される。
【0127】
図16は、本物アイテム(多項式近似)と候補シンボル(この場合本物)との単一メトリックの自己相関系列の比較を示す。2つの自己相関系列間の相関が93%を超える密な一致に留意されたい。
【0128】
図17は、図16に使用されるオリジナル本物自己相関データのべき級数である。スペクトルは低周波数により支配されることが明確に分かる。
【0129】
図18は、図17の本物アイテムの携帯電話取得画像からの図17と同様のべき級数である。いくつかの画像ノイズが存在するが、全体電力スペクトルは本物スペクトルに密に一致し、低周波数成分が同じく優性である。
【0130】
図19は、本物アイテムの多項式近似と候補シンボル(ここでは偽造)間の単一メトリックの自己相関系列の比較を示す。かなりの不一致があり、候補自己相関は顕著に図16より多くのぎざぎざがある。2つの系列間の数値的相関は低く(<5%)、データのぎざぎざ形状もDFT解析において明らかである(以下に述べる)。
【0131】
図20は、プロット4の偽造シンボルの携帯電話取得画像からのべき級数を示す。高周波数範囲のかなりの部分を含むように今や拡散された全スペクトルエネルギーと共に、いかにして低周波数成分が低減されるかに留意されたい。
【0132】
写真複写確率値の評価
すべての利用可能メトリックの重み付け合計スコアが図13および図14に示すような結果に対して計算されれば、本物候補マークは通常、写真複写候補マークより、オリジナルマークに対し感知可能な好一致を有することになる。2つの候補マーク間の差はそれほど大きくなく、候補マークとオリジナルデータとの間の単純な比較では、写真複写と本物候補とを区別するのは必ずしも容易ではない。しかし、図13の単純な検査によってすら分かるように、不一致は図14の拡大図に示す低値データにおいてより目立つ。したがって、オリジナルマークデータと候補マークデータとの間の一致を高マグニチュード範囲と低マグニチュード範囲とについて別々に評価し、これら2つの評価を比較することにより、オリジナルと写真複写候補との間のさらに確実な識別がなされ得る。
【0133】
一例では、比較はP=ABS((r1−r2)/(r1+2))により表現され得る。ここで、Pは写真複写確率スコア、r1は第1の範囲の本物署名と候補署名との間の合計一致スコア(図13の左側)、r2は第2の範囲の本物署名と候補署名との間の合計一致スコア(図13の右側)である。
【0134】
135個のサンプルマークとそれらの写真複写とを使用し、r1の100個の最も顕著なアーチファクト(図13のアーチファクト1〜100に対応する)とr2の100個のそれほど顕著でないアーチファクト(図13のアーチファクト61〜160に対応する)とを使用し、および評価のために上記自己相関値の多項式近似を使用する試験では、9個の本物候補マークのみが0.2より高いP値を有し、1つのみが0.4より高いP値を有した。9個の写真複写マークのみが0.2未満のP値を有し、21個のみが0.4未満のP値を有した。Pの好適な閾値(これらのデータに関しては約0.2)を選択することにより、写真複写は85%超の精度で識別された。
【0135】
サブスレッショルドデータの統計分散
写真複写検出は、どのようにして候補マークの「サブスレッショルド」データ分布、範囲および標準偏差がオリジナルサブスレッショルド値と比較されるかを考察することによりさらに高度化される。この目的のため、「サブスレッショルド」データは、オリジナルデータ捕捉においてランダムノイズから確実に識別されるには十分に大きいいかなるアーチファクトも示さなかったモジュールのデータである。正確なデータ値は自己相関または他の解析を小信号領域へ直接適用する際に概して役立たない(候補画像の取得時に存在する「ノイズ」が抽出メトリックデータのいかなる「実際」値も容易に圧倒するため)が、写真複写アーチファクトは測定可能な方法でそのノイズに加わる。したがって、サブスレッショルドデータノイズベースラインは取得された候補画像で特徴付けられ得、およびそのベースラインが1つまたは複数の測度(誤差和、標準偏差など)において超えられれば、これは、別のプロセスがより小さくかつ低い振幅範囲データであるべきものへ変動性を作業中に加えていることを示すと考えられ得る。
【0136】
検知可能アーチファクトが従来アーチファクトなしモジュールに出現しなかったことを単に確認する米国特許出願公開第2013/0228619号のサブスレッショルド試験のみを使用することでは、本物マークの写真複写は通常、明らかではない。写真複写は、マークのメトリックに実際に影響を与えるが、通常は、シンボル内のあらゆるモジュール上に変化(視覚的ノイズ、一様分散など)を重畳することにより影響を与える。したがって、分類済みリストの自己相関を介し評価されると写真複写は本物に見え、影響は自己相関曲線の「DCオフセット」または定数の付加となり、曲線適合誤差が計算される際に最小限の影響を与える。しかし、どの程度一様にサブスレッショルドデータの組(範囲、標準偏差など)が本物アイテムのものと比較されるかの観点からサブスレッショルド領域を見れば、実際には、その一様性を特徴付ける新しいメトリックが生成されることが分かる。写真複写されると極めて一様な領域はカオス的にそれほど一様でなくなる、すなわち、本物アイテムマークの比較的低い分散のサブスレッショルドデータは写真複写内のより可変な値の組である傾向があるが、すべて依然としてほぼサブスレッショルド限界値未満のままであることが分かる。
【0137】
本物マークと写真複写候補マークのサブスレッショルド領域が図14に示すように同じマークのオリジナル署名データに対してプロットされると、写真複写のサブスレッショルドデータを含む値は本物アイテムデータのものよりさらに可変であることが分かる。
【0138】
いくつかの計算法は、この領域内のデータを使用することにより写真複写検出のために向けられ得る。第1の方法は誤差和手法である。ここでは、オリジナルマーク署名サブスレッショルドデータと候補マークサブスレッショルドデータとの差の累計が計算される。図14から分かるように、これは、本物候補マークより写真複写において明白に大きい。モジュールの数に対する累計の累積プロットでは、写真複写署名データの曲線は、本物候補マーク署名データの曲線より速くオリジナル署名データからそれる。したがって成長限界の速度をこの誤差和値へ適用して、候補署名メトリックデータのサブスレッショルド領域内の写真複写状信号の存在を示すためにそれを使用することは単純なことである。他の統計的方法もまたこのデータ領域へ適用され得る。
【0139】
階調共起行列(GLCM)の慣性モーメントの調査
別の実施形態では、写真複写工程で生成された変動の均質領域を評価するためにテクスチャー解析が採用される。シンボル特徴の慣性(コントラストの統計的測度)は、オリジナル本物マーク署名のメトリック抽出中に記録された同じ慣性と比較される。GLCM慣性統計量の増加は、候補マークが本物マークの写真複写再生であり得ることを示す。場合によっては、例えば、シンボルが偽ベースラインを与える可能性のある斑点のある基材上に印刷される場合、隣接明モジュールの慣性に対する標的暗モジュールの慣性の比は、暗モジュールの慣性の単純測度よりも正確な結果を与え得る。選択されるシンボル特徴はオリジナルマーク内の完全な黒色であるモジュールである。通常、これらは、白抜き黒色モジュールまたは定格黒度よりも明るい黒色モジュールのマグニチュード分類リストの一番下のモジュールとして識別される。高慣性値は、GLCMを生成するために使用される画素のサイズスケール上の黒白斑点のあるモジュールを示す。オリジナルモジュールが低慣性を有し、候補モジュールがさらに高い慣性を有すれば、これは、候補が写真複写であると疑う強い根拠であり得る斑点の増加を暗示する。単純比較のために、慣性値の和は、オリジナルおよび候補マーク内のすべての解析されたセルに対して計算され得る。候補マークの和がオリジナルマークの和を設定閾値超だけ超えれば、これは写真複写を示すものと考えられ得る。
【0140】
慣性モーメント(MI)試験結果は、いくつかの2Dデータ行列試験セットに対して測定される。実験的に、この方法は他の方法と同じデータセットを使用することにより試験されたため、GLCM計算に使用される画素は他のメトリックにおいて検知可能な最小特徴と同じサイズ(通常は標準2Dデータ行列のモジュール当たり少なくとも500画素)であった。このメトリックのオリジナル本物アイテム署名を学習する際、MIは、マーク内のモジュール毎に評価され、次に、最も均質な場所(最低MI値)へ最も高い重みを与えるように分類された。候補マークを評価する際に、MI値はオリジナル本物分類順を使用することにより抽出され、結果のデータが解析された。図21は、オリジナル本物データと本物候補マークおよび本物マークの写真複写のMIのプロットの例である。
【0141】
写真複写は本物マーク内の同じ領域で発見されたMI値と比較して高いMI値を提示する傾向があることが図21から明らかである。したがって、この条件の試験を設定することは単純なことである。プロット線のそれぞれの下の領域は、マーク内の評価された領域全体にわたるMI合計またはMI領域(AMI)の測度を設定するために組み込まれ得る。次に、オリジナル本物MI領域測定と候補MI領域測定(本物候補試験のdAMIgnと写真複写のdAMIpc)との差dAMIが判断される。
【0142】
図21の試験結果と2つの同様の例を要約すると、次のことが分かる。
【0143】
【表1】
【0144】
dAMI結果は本物マーク自体内に発見されるものより本物マークの写真複写において概してより高いことが分かる。この時点で、単純閾値試験が、候補マーク内の潜在的写真複写アーチファクトの存在を示すために適用され得る。写真複写アーチファクトのこの試験は、上記または先の米国特許出願公開第2013/0228619号に記載の本物マークの試験のうちのいずれかと組み合わせられ得る。
【0145】
開示された実施形態の一部またはすべての利点は、限定しないが、特に偽造防止の目的のための顕在的または隠在的要素を導入する必要なしに、別の目的のためのアイテム上に配置されたマークを使用することによりアイテムを一意的に識別する能力を含み得る。別の利点は、このような識別子は偽造することが非常に困難になり得ることである。別の利点は、装置の主要な挙動、構造または使用性を変更することなしに、マシンビジョンカメラ、バーコードリーダ、およびカメラを装備した民生「スマートフォン」などのバーコードシンボルを読むために一般的に使用される既存技術に本発明の機能を組み込む能力を含む。例えば2次元バーコードの場合の別の利点は、アイテムを識別する目的のための冗長データ担体を提供する手段として署名データを使用する能力である。
【0146】
候補マークに対する損傷が、候補マークを部分的にのみ可読にする、またはデータ担持シンボルなどを読むおよび/または復号化することを不可能にする例では、マークの一部のみの無損傷識別特徴がマークを識別するのに十分であり得る。したがって、候補マークが本物マークと共に識別されると、本物マークの署名が記憶装置から取り出され得、マーク済みアイテムのシリアル番号などの署名中に取り込まれた任意の情報が、破損されたマークから直接ではなく、取り出された署名から回復され得る。したがって、部分的に回復され符号化されたシンボル情報と組み合わされるか、または組み合わされない署名データがアイテムを一意的に識別するために使用され得る。これは、特にどのようにしてデータ担持マークが製造者のサプライチェーンを通してマーク済みアイテムの輸送中に損傷され得るかを考慮すると多くの利点を有する。この挑戦は、以前はデータ担体がマーキングの時点で非常に高品質または「グレード」に生成されることを保証することにより一般的に対処された。目的は、サプライチェーンにおいて物理的損傷により著しい劣化を受けた後でさえ依然として完全に可読となるような高品質のマークを生成することであった。これは、アイテムの製造者が、最高品質のマークのみがそのサプライチェーンに入ることを保証しようと努力するにつれ、過剰な費用負担と低製造歩留りとをアイテムの製造者に課した。本実施形態は、シンボル損傷のために通常の方法で復号化され得ない判読不能マークを識別する方法を依然として提供する一方で、最高品質のマークを生成する必要性を除去する利点を有する。
【0147】
上記説明は、その最良の形態であると現在考えられるものを当業者が作り使用できるようにするが、当業者は、本明細書の特別の実施形態、方法、および実施例の変形形態、組み合せ、および均等物の存在を理解し認識するであろう。したがって、本発明は、上記実施形態、方法、および例により限定されることなく、本開示の範囲および趣旨に入るすべての実施形態および方法まで拡大する。
【0148】
例えば、2Dバーコードの特徴の例について図5を参照して説明した。1Dバーコードの特徴の例は図15を参照して説明した。上述のように、企業ロゴなどの他のシンボルが標的シンボルとして使用され得る。署名メトリックとして使用される特徴およびそれらの特徴の特定の変形形態はほぼ無限である。本方法を実施するために、本明細書の理解により、好適または利用可能なシンボルを選択することと、好適なメトリックおよび特徴を選択することとは、当該技術分野の通常技術に入る。いくつかの実施形態では、マークは、本方法に従って署名データを抽出することを目的として適用される必要はない。その代りに、既に生成されたマークは、それが好適なアーチファクト特徴を含めば使用される可能性がある。
【0149】
オリジナルマークがオリジナルアイテムへ適用されるおよび/またはオリジナルアイテムがオリジナルオブジェクトへ追加される場合、そのマークまたはアイテムはアイテムまたはオブジェクトに関する情報を含み得る。この場合、上記方法およびシステムは、根底にあるアイテムまたはオブジェクトが物理的に置換または変更されない場合でも、マークまたはアイテムに含まれるアイテムまたはオブジェクトに関する情報を検証することを含み得る。例えば、オブジェクトに有効期限がマーキングされた場合、たとえオブジェクト自体がオリジナルオブジェクトであっても、変更された有効期限を有するオブジェクトを「本物でない」ものとして拒絶することが望ましいことがあり得る。本システムおよび方法の実施形態は、検証に使用されるアーチファクトが例えば印刷の不完全性として有効期限内に発見されればその結果を生じることになる。ロット番号と他の製品追跡データなどの他の情報とが同様に検証され得る。
【0150】
上記実施形態は、主に署名データの全2Dバーコードを取得するという意味合いで説明された。しかし、マークはより小さい区域内に分割され得る。オリジナルマークが十分に大きく、潜在的署名データである十分な(1つのみの、またはすべてより少ない数の)アーチファクトを有する場合、区域が取得され処理され得る。2つ以上の区域が取得され処理される場合、様々な区域からの署名データは別々に記録され得る。これは、マークが誤り訂正を有するシンボル符号化データであれば、特に有用であり、誤り訂正は全シンボルより小さい区域に関係する。次に、候補シンボルの一部が損傷されることを誤り訂正が示せば、損傷部からの署名データは無視され得る。
【0151】
簡潔性のために、アーチファクトが、検証されるべきアイテムへ直接、または検証されるべきオブジェクトへ張り付けられるラベルへ直接のいずれかで適用される印刷マークを印刷する際の欠陥である特定の実施形態が説明された。しかし、既に述べたように、十分に検知可能で、恒久的で、かつ複写するのが十分に困難な任意の特徴が使用され得る。
【0152】
実施形態のうちのいくつかは、本物アイテムの署名データのデータベースを使用するものとして説明された。ここでは、検索は、候補マークから抽出された署名データに少なくとも部分的に一致する署名データに対して行われる。しかし、候補アイテムがいくつかの他の方法で特定の本物アイテムとして識別されれば、検索は不必要であり得、候補マークから抽出された署名データは特定の本物アイテムの格納済み署名データと直接比較され得る。
【0153】
したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の本明細書ではなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1
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