(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、図面を用いながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
本発明の第1実施形態のブロワを用いたバッテリ冷却システムについて
図1を用いて説明する。
図1は、バッテリ冷却システムの概略構成図である。以下においては、車両に搭載するバッテリ冷却システムについて説明するが、これに限られることはない。
【0011】
バッテリ冷却システム1は、吸気ダクト2と、バッテリパック3と、ブロワ5とを備える。
【0012】
吸気ダクト2は、車室内に設けたグリル7とバッテリパック3の吸気口3aとを連通し、ブロワ5が駆動すると車室内の空気をバッテリパック3に導入する。
【0013】
バッテリパック3は、車両のトランクルームの下方に設けられ、吸気ダクト2を介して吸入された空気が流入する。なお、
図1においてはトランクルームを省略している(以下、同様とする。)。バッテリパック3は、車両の駆動用モータに電力を供給するバッテリ(図示せず)を備えており、バッテリパック3内に吸入された空気とバッテリとが熱交換を行う。
【0014】
ブロワ5は、第1排気ダクト4と、第2排気ダクト6と、モータ10と、ファン11と、ブロワケース12とを備える。
【0015】
ブロワ5は、車両の側面側に設けられ、空気の流れ方向においてバッテリパック3よりも下流側に位置し、第1排気ダクト4によってバッテリパック3の排気口3bと連通する。ブロワ5によって吸引された空気は第2排気ダクト6を介して排出される。ここで、ブロワ5について
図2、
図3を用いて詳しく説明する。
図2はブロワ5をバッテリパック3側から見た図である。
図3は
図2のIII-III断面図である。なお、ブロワ5は、
図3に示すブロワ5の底部15が車両の側面と向かい合うように配置されている。
【0016】
ファン11は、モータ10の回転軸10aに連結し、モータ10の回転軸10aと共に回転する回転部13と、回転部13の径方向外側の端部に連結し、周方向に沿って一定の間隔で配置される羽根14とを備える。
【0017】
ブロワケース12は、モータ10が取り付けられる底部15と、底部15と向かい合い、開口部16aが形成された上面部16と、開口部16aから底部15とは反対側に向けて延設され、第1排気ダクト4が嵌合する嵌合部17と、底部15の外周端と上面部16の外周端とを連結し、周方向に沿って形成された側面部18と、側面部18の排出口18aと連通する排出路19と、ベルマウス22とを備える。
【0018】
ファン11よりも径方向外側のブロワケース12には、ファン11によって吹き出された空気が流れる流路20が形成される。流路20は、周方向に沿って形成され、側面部18の排出口18aにおいて排出路19と連通する。側面部18とファン11との距離は、側面部18の排出口18aからファン11の回転方向とは逆方向に進むにつれて小さくなる。
図2においてファン11の回転方向を矢印で示す(以下、同様とする。)。
【0019】
嵌合部17は、外周壁17aに第1排気ダクト4が嵌合する。嵌合部17は、内周壁17bにベルマウス22が取り付けられる。すなわち嵌合部17は、ベルマウス22よりも径方向外側に設けられる。
【0020】
ベルマウス22は、嵌合部17の内周壁17bからモータ10の回転軸10a側、つまり径方向内側に向けて突出する。ベルマウス22は、軸方向から見た場合に環状となり、軸方向に沿った断面形状が半円弧状となる整流部材である。
【0021】
軸方向から見た場合に、ベルマウス22は、羽根14の一部を覆うように設けられる。また、ベルマウス22は、軸方向および径方向においてファン11と接触しないように設けられる。ベルマウス22は、ファン11よりも径方向外側を通って空気が流路20に流れることを抑制するように、また流路20を流れる空気が第1排気ダクト4側に逆流しないように設けられる。
【0022】
ファン11がモータ10によって回転すると、ファン11付近の空気が流路20に吹き出され、流路20に吹き出された空気は、ファン11の回転方向に沿って流路20を流れる。また、第1排気ダクト4からブロワ5に空気が吸引される。このようにして、車室内の空気がグリル7、吸気ダクト2、バッテリパック3、ブロワ5の順に流れ、バッテリを冷却する。
【0023】
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
【0024】
本実施形態を用いずに
図4に示すように嵌合部30よりも外側にベルマウス31が配置された場合には、第1排気ダクト32と嵌合部30との嵌合代(
図4中A)に加えて、第1排気ダクト32とベルマウス31とのクリアランス(
図4中B)が必要となる。そのため、軸方向におけるブロワ33の長さが長くなり、その分トランクルームが狭くなる。また、第1排気ダクト32の幅(
図4中C)を小さくし、第1排気ダクト32の流路断面積を小さくすることでトランクルームを広くすることも可能であるが、第1排気ダクト32の流路断面積が小さくなると、第1排気ダクト32における通気抵抗が大きくなる。これにより、ブロワ5で発生する音が大きくなり、バッテリ冷却システム1で発生する音が大きくなる。
【0025】
本実施形態では、嵌合部17をベルマウス22よりも外側に設け、嵌合部17の外周壁17aに第1排気ダクト4を嵌合させることで、第1排気ダクト4とベルマウス22とのクリアランスをなくすことができ、嵌合部17の長さを短くせずに位置を低くすることができる。これにより、ブロワ5を薄型化することができる。そのため、トランクルームを広くすることができる。
【0026】
また、第1排気ダクト4の流路断面積を小さくすることなく、トランクルームを広くすることができ、バッテリ冷却システム1で発生する音を低減することができる。
【0027】
次に本発明の第2実施形態のブロワを用いたバッテリ冷却システムについて
図5、
図6を用いて説明する。
図5は第1実施形態と同様にバッテリパック側から見たブロワ40の構成図である。
図6は
図5のVI-VI断面図である。
【0028】
本実施形態のブロワ40は、第1実施形態と比較してブロワケース41が異なっている。第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0029】
ブロワケース41は、嵌合部17より外側に第1排気ダクト4側、つまり底部15とは反対側へ突出する突出部42を備える。
【0030】
突出部42は、径方向外側となるにつれて突出部42が底部15とは反対方向へ突出するように上面部43を傾斜させて形成される。具体的には、上面部43は、径方向外側の上面部43と底部15との距離が、径方向内側の上面部43と底部15との距離よりも大きくなるように傾斜する。これにより、流路44の断面積が大きくなる。
【0031】
また、上面部43と底部15との距離は、側面部18の排出口18aからファン11の回転方向とは逆方向に進むにつれて小さくなる。つまり流路44の断面積は、排出路19側からファン11の回転方向とは逆方向に進むにつれて小さくなる。
【0032】
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
【0033】
ブロワケース41に突出部42を設けることで、流路44の断面積を大きくすることができ、流路44における抵抗を小さくすることができる。これによって、小型のブロワ40で発生する音を更に低減することができる。
【0034】
なお、突出部42は、本実施形態の形状に限定されることはなく、流路44の断面積が大きくなれば良く、例えば断面形状が矩形形状となる突出部であっても良い。
【0035】
次に本発明の第3実施形態のブロワ50を用いたバッテリ冷却システム51について
図7を用いて説明する。
図7は、バッテリ冷却システム51の概略構成図である。
【0036】
本実施形態では、第1実施形態と比較して、ブロワ50の位置が異なっている。第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0037】
本実施形態のバッテリ冷却システム51は、空気の流れ方向においてバッテリパック3よりも上流側にブロワ50を備える。
【0038】
ブロワ50は、車両の側面側に配置され、第1吸気ダクト52によって車室内の空気を吸入し、第2吸気ダクト53によってバッテリパック3に空気を送風する。
【0039】
バッテリパック3は、排気ダクト54と連通し、排気ダクト54によってバッテリパック3を冷却した空気が排出される。
【0040】
ブロワをバッテリパックよりも空気の流れ方向において上流側に配置すると、車室内に連通する第1吸気ダクトの流路断面積が小さくなり、バッテリ冷却システムで発生する音が大きくなる。しかし、本実施形態のブロワ50を用いることで、第1吸気ダクト52の流路断面積を小さくすることなく、トランクルームを広くし、バッテリ冷却システム1で発生する音を低減することができる。
【0041】
なお、ブロワ50を
図8に示すようにトランクルームの上方に設けてもよい。また、第2実施形態のブロワを第3実施形態に用いることも可能である。
【0042】
次に本実施形態の第4実施形態について
図9を用いて説明する。
【0043】
本実施形態のブロワ60は、第1実施形態と比較して第1排気ダクト61の形状が異なっており、さらにガイドリブ62を備える点が異なっている。第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0044】
ガイドリブ62は、モータ10の回転軸10a方向における断面が半円弧状となるベルマウス22の径方向内側の端部から第1排気ダクト61に向けて延設される。ガイドリブ62は、モータ10の回転軸10aを中心とした円筒形状である。
【0045】
第1排気ダクト61には、嵌合部17と嵌合する箇所からモータ10の回転軸10a側に向けて延び、さらに径方向内側でモータ10の回転軸10aに沿って延びるように第1排気ダクト61の一部を湾曲させることで導入部63が形成される。導入部63は、モータ10の回転軸10a方向においてブロワ60の駆動中に嵌合部17、およびガイドリブ62に接触しないように形成される。導入部63は、導入部63の内径、つまりモータ10の回転軸10aに沿って延びる箇所の内周壁の径と、ガイドリブ62の内径とが略一致するように形成される。略一致とは、導入部63の内径とガイドリブ62の内径とが完全に一致している場合に限られず、導入部63の内径とガイドリブ62の内径とが多少ずれている場合を含む。導入部63の内径とガイドリブ62の内径とが多少ずれている場合でも、ベルマウス22側に流入する空気量を十分に抑制し、空気をファン11に導入できればよい。
【0046】
導入部63の内径とガイドリブ62の内径とが略一致しているので、第1排気ダクト61を流れる空気が嵌合部17側へ流入することが抑制され、空気はガイドリブ62に沿って流れる。
【0047】
本発明の第4実施形態の効果について説明する。
【0048】
ベルマウス22の径方向内側の端部から第1排気ダクト61に向けて延びるガイドリブ62を設け、嵌合部17と嵌合する箇所からモータ10の回転軸10a側に向けて延びる導入部63を第1排気ダクト61に設け、ガイドリブ62の内径と、導入部63の内径とを略一致させる。これにより、ブロワ60に空気を流入させた場合にベルマウス22側に空気が流入することを抑制し、ベルマウス22に空気が衝突して音が発生することを抑制することができる。
【0049】
第4実施形態では、ガイドリブ62を設けているが、ガイドリブ62を設けずに、第1排気ダクト61に導入部63を設けるだけであってもよい。
【0050】
次に本発明の第5実施形態について
図10を用いて説明する。
【0051】
本実施形態のブロワ65は、第1実施形態と比較して第1排気ダクト66の形状が異なっている。第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0052】
第1排気ダクト66には、嵌合部17と嵌合する箇所からモータ10の回転軸10a側、およびベルマウス22側に向けて延び、さらに径方向内側でモータの回転軸に沿って延びるように第1排気ダクト66の一部を湾曲させることで導入部67が形成される。導入部67は、導入部67の内径とベルマウス22の内径とが略一致するように形成される。
【0053】
本発明の第5実施形態の効果について説明する。
【0054】
嵌合部17と嵌合する箇所からモータ10の回転軸10a側、およびベルマウス22側に向けて延びる導入部67を第1排気ダクト66に設け、導入部67の内径とベルマウス22の内径とを略一致させる。これにより、ブロワ65に空気を流入させた場合にベルマウス22側に空気が流入することを抑制し、ベルマウス22に空気が衝突して音が発生することを抑制することができる。
【0055】
次に本発明の第6実施形態について
図11を用いて説明する。
【0056】
本実施形態のブロワ70は、第4実施形態のブロワ60に対してベルマウス22と導入部67との間に流入抑制部71を備える。その他の構成は第4実施形態と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0057】
流入抑制部71は、例えば発泡ウレタンなどで構成され、ベルマウス22と導入部67との間に設けられる。流入抑制部71は、径方向内側においてガイドリブ62と当接している。流入抑制部71は、ベルマウス22と導入部67との間に空気が流入することを抑制する。
【0058】
本発明の第6実施形態の効果について説明する。
【0059】
ベルマウス22と導入部67との間に、ベルマウス22と導入部67との間に空気が流入することを抑制する流入抑制部を設けることで、ベルマウス22側に空気が流入することをさらに抑制し、ベルマウス22に空気が衝突して音が発生することをさらに抑制することができる。
【0060】
流入抑制部を、第5実施形態のブロワに設けてもよい。さらに、流入抑制部71の代わりに、ガイドリブ62の径方向における厚さを厚くし、ベルマウス22側に空気が流入することを抑制してもよい。
【0061】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【0062】
なお、上記実施形態では、ベルマウス22を嵌合部17の内周壁17bから径方向内側に向けて突出させることで、嵌合部17がベルマウス22よりも完全に径方向外側となるように設けられているが、嵌合部が少なくともベルマウスの一部よりも径方向外側となるように設けてもよい。例えば、軸方向におけるベルマウスの高さが一番高い箇所よりも径方向外側で嵌合部とベルマウスとが接合するように、嵌合部を設けてもよい。このような構成としても上記実施形態における効果を得ることができる。