(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181910
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームプログラム、ゲーム処理方法およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20170807BHJP
A63F 13/327 20140101ALI20170807BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/327
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-95897(P2012-95897)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2013-220330(P2013-220330A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】398059541
【氏名又は名称】株式会社ゲームフリーク
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】大森 滋
(72)【発明者】
【氏名】名木橋 徹
【審査官】
櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−125222(JP,A)
【文献】
ポケモンぜんこくずかんを完成させよう!,電撃ゲームキューブ,メディアワークス,2004年 6月 1日,第4巻第6号,P.8-21
【文献】
平田洋(外7名),SE−MOOK プレイステーション版 ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち 公式ガイドブック,株式会社スクウェア・エニックス,2004年 6月10日,7刷,P.332-335
【文献】
三才ムック Vol.279「ゲームやりこみMAX」,株式会社三才ブックス,2010年 3月 2日,初版,P.68-73
【文献】
ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン ぜんこくずかん,株式会社小学館,2004年 6月 9日,P.22-25,公知日については<http://www.21010.net/club/bn/agb/bprj2/index.html#y2004>を参照。
【文献】
ポケットモンスター ファイアレッド リーフグリーン 任天堂公式ガイドブック,株式会社小学館,2004年 4月10日,初版,P.22
【文献】
元宮秀介&ワンナップ,ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン 公式完全クリアガイド,株式会社メディアファクトリー,2004年 3月19日,初版,P.193,210-211
【文献】
Wii Fit(フィット)攻略+裏技,[online],2010年 5月29日,URL,http://web.archive.org/web/20100529040505/http://www6.atwiki.jp/wannda/pages/152.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00〜13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一または複数のゲーム装置によって構成されるゲームシステムであって、
前記ゲームシステムは、
少なくとも1つの入力手段、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備え、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含み、
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、ゲームシステム。
【請求項2】
前記第1ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたか否かを判定する第1判定手段、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたことに応じて、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたことを示す予め定められた第1データを出力可能にする第1データ出力可能化手段、および
前記第1データを出力する第1データ出力手段を含み、
前記第2ゲーム実行手段は、
前記第1データを入力する第1データ入力手段を含み、
前記第2設定手段は、前記第1データが未入力のときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、前記第1データが入力されたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記第1データ出力手段は、前記第1データを示す信号を無線通信により送信することによって前記第1データを出力し、
前記第1データ入力手段は、前記信号を無線通信により受信することによって前記第1データを入力する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームのゲーム世界に存在する特定の施設または地域を第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の施設または地域を第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記第1ゲーム実行手段は、
第2ゲームの実行結果が第2の所定条件を満たしていないときには、第2ゲームにおいて利用可能な特定の第2ゲームデータまたは第2ゲームモードを第1ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第2ゲームの実行結果が前記第2の所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第2ゲームデータまたは第2ゲームモードを第1ゲームにおいても利用可能となるように設定する第1設定手段を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲームシステムは、
前記入力手段および前記第1ゲーム実行手段を含む第1ゲーム装置、および
前記入力手段および前記第2ゲーム実行手段を含む第2ゲーム装置を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ゲームシステムは、
前記ゲーム装置を前記第1ゲーム実行手段として機能させるための第1ゲームプログラムを格納した第1記憶媒体、および
前記ゲーム装置を前記第2ゲーム実行手段として機能させるための第2ゲームプログラムを格納した第2記憶媒体を備え、
前記ゲーム装置は、前記第1記憶媒体と前記第2記憶媒体のいずれか一方を選択的に利用可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記第1ゲームと前記第2ゲームは、同一のゲームタイトルの異なるバージョンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおいて実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置のコンピュータを、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段として機能させ、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定手段を含み、
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、ゲームプログラム。
【請求項10】
単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおけるゲーム処理方法であって、
第1ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行ステップ、および
第2ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行ステップを備え、
前記第2ゲーム実行ステップは、
第2ゲーム実行手段によって、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定ステップを含み、
前記第2設定ステップでは、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、ゲーム処理方法。
【請求項11】
入力手段、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備えたゲーム装置であって、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含み、
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する、ゲーム装置。
【請求項12】
単一または複数のゲーム装置によって構成されるゲームシステムであって、
前記ゲームシステムは、
少なくとも1つの入力手段、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備え、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含み、
前記第1ゲーム実行手段は、
前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを利用するか否かをユーザに選択させるための設定変更画面を表示装置に表示させる第1表示制御手段を含み、
前記第1表示制御手段は、前記第2設定手段によって前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが利用可能に設定されているか否かに応じて異なる表示態様で前記設定変更画面を前記表示装置に表示させる、ゲームシステム。
【請求項13】
単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおいて実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置のコンピュータを、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段として機能させ、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定手段を含み、
前記第1ゲーム実行手段は、
前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを利用するか否かをユーザに選択させるための設定変更画面を表示装置に表示させる第1表示制御手段を含み、
前記第1表示制御手段は、前記第2設定手段によって前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが利用可能に設定されているか否かに応じて異なる表示態様で前記設定変更画面を前記表示装置に表示させる、ゲームプログラム。
【請求項14】
単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおけるゲーム処理方法であって、
第1ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行ステップ、および
第2ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行ステップを備え、
前記第2ゲーム実行ステップは、
第2ゲーム実行手段によって、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定ステップを含み、
前記第1ゲーム実行ステップは、
前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを利用するか否かをユーザに選択させるための設定変更画面を表示装置に表示させる第1表示制御ステップを含み、
前記第1表示制御ステップでは、前記第2設定ステップで前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが利用可能に設定されているか否かに応じて異なる表示態様で前記設定変更画面を前記表示装置に表示させる、ゲーム処理方法。
【請求項15】
入力手段、
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および
前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備えたゲーム装置であって、
前記第2ゲーム実行手段は、
第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含み、
前記第1ゲーム実行手段は、
前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを利用するか否かをユーザに選択させるための設定変更画面を表示装置に表示させる第1表示制御手段を含み、
前記第1表示制御手段は、前記第2設定手段によって前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが利用可能に設定されているか否かに応じて異なる表示態様で前記設定変更画面を前記表示装置に表示させる、ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲームプログラム、ゲーム処理方法およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、あるゲームをプレイした結果を他のゲームに反映させるものが知られている。例えば、特許文献1には、少なくとも2つのカートリッジの一方のカートリッジのゲームをプレイして得られたリンクパスワードによって、他方のカートリッジのゲームにおけるシナリオを変化させる技術が開示されている。具体的には、第1のカートリッジのゲームをプレイして予め定める所定の条件となったことによって、リンクパスワードが表示される。そして、第2のカートリッジのゲームを開始するときに、そのリンクパスワードを入力すると、そのリンクパスワードに基づいたシナリオが選択されて実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4559591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、リンクパスワードを入力することによって第2のカートリッジのゲームのシナリオが変化するのみであった。よって、例えば、第2のカートリッジのゲームをプレイしている途中で、第1のカートリッジのゲームのシナリオをプレイしたくなった場合には、ゲーム装置に装着するカートリッジを、第2のカートリッジから第1のカートリッジに差し替える必要があった。
【0005】
本発明は、新規なゲームシステム、ゲームプログラム、ゲーム処理方法およびゲーム装置を提供することを目的とする。例えば、2つのゲームをプレイする際の利便性を向上させることのできるゲームシステム、ゲームプログラム、ゲーム処理方法およびゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、例えば下記のような構成例によって達成される。
【0007】
第1の構成例は、単一または複数のゲーム装置によって構成されるゲームシステムであって、少なくとも1つの入力手段、前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備える。前記第2ゲーム実行手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含む。
【0008】
前記第1ゲーム実行手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたか否かを判定する第1判定手段、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたことに応じて、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしたことを示す予め定められた第1データを出力可能にする第1データ出力可能化手段、および前記第1データを出力する第1データ出力手段を含み、前記第2ゲーム実行手段は、前記第1データを入力する第1データ入力手段を含んでいてもよい。そして、前記第2設定手段は、前記第1データが未入力のときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、前記第1データが入力されたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定してもよい。
【0009】
前記第1データ出力手段は、前記第1データを示す信号を無線通信により送信することによって前記第1データを出力し、前記第1データ入力手段は、前記信号を無線通信により受信することによって前記第1データを入力してもよい。
【0010】
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームのゲーム世界に存在する特定の施設または地域を第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の施設または地域を第2ゲームにおいても利用可能となるように設定してもよい。
【0011】
前記第2設定手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の難易度のゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定してもよい。
【0012】
前記第1ゲーム実行手段は、前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを利用するか否かをユーザに選択させるための設定変更画面を表示装置に表示させる第1表示制御手段を含んでいてもよい。前記第1表示制御手段は、前記第2設定手段によって前記特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが利用可能に設定されているか否かに応じて異なる表示態様で前記設定変更画面を前記表示装置に表示させてもよい。
【0013】
前記第1ゲーム実行手段は、第2ゲームの実行結果が第2の所定条件を満たしていないときには、第2ゲームにおいて利用可能な特定の第2ゲームデータまたは第2ゲームモードを第1ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第2ゲームの実行結果が前記第2の所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第2ゲームデータまたは第2ゲームモードを第1ゲームにおいても利用可能となるように設定する第1設定手段を含んでいてもよい。
【0014】
前記ゲームシステムは、前記入力手段および前記第1ゲーム実行手段を含む第1ゲーム装置、および前記入力手段および前記第2ゲーム実行手段を含む第2ゲーム装置を備えていてもよい。
【0015】
前記ゲームシステムは、前記ゲーム装置を前記第1ゲーム実行手段として機能させるための第1ゲームプログラムを格納した第1記憶媒体、および前記ゲーム装置を前記第2ゲーム実行手段として機能させるための第2ゲームプログラムを格納した第2記憶媒体を備えていてもよい。そして、前記ゲーム装置は、前記第1記憶媒体と前記第2記憶媒体のいずれか一方を選択的に利用可能であってもよい。
【0016】
前記第1ゲームと前記第2ゲームは、同一のゲームタイトルの異なるバージョンであってもよい。
【0017】
第2の構成例は、単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおいて実行されるゲームプログラムである。前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置のコンピュータを、前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段として機能させる。前記第2ゲーム実行手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定手段を含む。
【0018】
上記ゲーム処理プログラムは、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、半導体メモリカード、ROM、RAMなど)に格納され得る。
【0019】
第3の構成例は、単一または複数のゲーム装置によって構成される、少なくとも1つの入力手段を有するゲームシステムにおけるゲーム処理方法であって、第1ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行ステップ、および第2ゲーム実行手段によって、前記入力手段を通じて入力されるユーザの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行ステップを備える。前記第2ゲーム実行ステップは、第2ゲーム実行手段によって、第2ゲーム実行手段によって、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能に設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能に設定する第2設定ステップを含む。
【0020】
第4の構成例は、入力手段、前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段、および前記入力手段を通じて入力されるプレイヤの指示に応じて第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段を備えたゲーム装置である。前記第2ゲーム実行手段は、第1ゲームの実行結果が所定条件を満たしていないときには、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいては利用不可能となるように設定し、第1ゲームの実行結果が前記所定条件を満たしたことに応じて、当該特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードを第2ゲームにおいても利用可能となるように設定する第2設定手段を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1ゲームにおいて利用可能な特定の第1ゲームデータまたは第1ゲームモードが、第2ゲームにおいても利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】携帯ゲーム装置10の構成の一例を示すブロック図
【
図2】ゲームシステムの構成の一例を示すブロック図
【
図3】携帯ゲーム装置10aに表示される画像の一例を示す図
【
図4】携帯ゲーム装置10aに表示される画像の一例を示す図
【
図5】携帯ゲーム装置10aに表示される画像の一例を示す図
【
図6】携帯ゲーム装置10aに表示される画像の一例を示す図
【
図7】バージョンAのゲームにおける各キーの入手条件の一例を示す図
【
図8】バージョンBのゲームにおける各キーの入手条件の一例を示す図
【
図9】携帯ゲーム装置10aに表示される画像の一例を示す図
【
図10】携帯ゲーム装置10aのメインメモリ15aに記憶されるプログラムおよび情報の一例を示す図
【
図13】プロセッサ13によって実行される処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
図1において、携帯ゲーム装置10は、入力装置11、表示装置12、プロセッサ13、内部記憶装置14、メインメモリ15、赤外線通信装置16を備えている。
【0025】
入力装置11は、ユーザによって操作され、ユーザの操作に応じた信号を出力する。入力装置11は、例えば、十字スイッチや押しボタンやタッチパネルである。
【0026】
表示装置12は、携帯ゲーム装置10において生成された画像を画面に表示する。表示装置12は、典型的には液晶表示装置である。
【0027】
内部記憶装置14には、プロセッサ13によって実行されるコンピュータプログラムが格納されている。内部記憶装置14は、典型的には、フラッシュEEPROMである。
【0028】
メインメモリ15は、コンピュータプログラムや情報を一時的に記憶する。
【0029】
赤外線通信装置16は、他の携帯ゲーム装置と赤外線通信を行うために用いられ、他の携帯ゲーム装置へ赤外線信号を送信したり、他の携帯ゲーム装置から赤外線信号を受信したりする。
【0030】
プロセッサ13は、内部記憶装置14や外部記憶装置17に記憶されているコンピュータプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0031】
本実施形態では、
図2に示すように、2台の携帯ゲーム装置10a,10bによって構成されるゲームシステムについて説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて、携帯ゲーム装置10aに関する構成要素については、
図1に示した参照符号に「a」を付し、携帯ゲーム装置10bに関する構成要素については、
図1に示した参照符号に「b」を付すことによって、これらを区別する。
【0032】
携帯ゲーム装置10aおよび携帯ゲーム装置10bの構成は、
図1に示す携帯ゲーム装置10と同様である。携帯ゲーム装置10aには、外部記憶装置17aが装着され、携帯ゲーム装置10bには、外部記憶装置17bが装着される。携帯ゲーム装置10aと携帯ゲーム装置10bは、赤外線通信装置16を用いて赤外線通信を行って、後述する「キー」を送受信することができる。
【0033】
外部記憶装置17aには、或るゲームタイトルのバージョンAのゲームプログラムが格納されている。一方、外部記憶装置17bには、当該ゲームタイトルのバージョンBのゲームプログラムが格納されている。バージョンAとバージョンBでは、基本的なストーリーは同一であるが、いくつかの点で異なっている。例えば、バージョンAとバージョンBは、いずれも、基本的に同一のゲーム世界を舞台とするロールプレイングゲームであるが、バージョンAではゲーム世界の所定位置に「Aタウン」と呼ばれる町が配置されており、バージョンBではゲーム世界の当該所定位置に「Aタウン」ではなくて「Bタウン」と呼ばれる町が配置されている。「Aタウン」と「Bタウン」は、単に呼び名が異なるだけでなく、その中に配置されるノンプレイヤキャラクタや施設なども異なっている。
【0034】
次に、携帯ゲーム装置10の動作の概要を説明する。
【0035】
携帯ゲーム装置10は、外部記憶装置17に格納されているゲームプログラムに基づいて、所定のゲーム(例えば、上記のようなロールプレイングゲーム)を実行する。ユーザは、ゲームのプレイ中、任意のタイミングで、「キー関連メニュー」画面を呼び出すことができる。なお、「キー関連メニュー」画面は、バージョンAとバージョンBのいずれのバージョンのゲームプログラムでも呼び出すことができるが、以下の説明では、携帯ゲーム装置10aについて説明する。
【0036】
図3は、携帯ゲーム装置10aのユーザ(以下、便宜上、ユーザAと称す)の指示に基づいて表示装置12aに表示された「キー関連メニュー」画面の一例を示している。「キー関連メニュー」画面には、3つの選択項目20a〜20cとカーソル21が表示される。
【0037】
図3においてユーザAが「設定変更」の選択項目20aを選択すると、
図4に示す「設定変更」画面が表示される。「設定変更」画面には、3つの選択項目20d〜20fとカーソル21が表示される。
【0038】
図4においてユーザAが「難易度の変更」の選択項目20dを選択すると、
図5に示す「難易度の変更」画面が表示される。「難易度の変更」画面には、4つの選択項目20g〜20jとカーソル21が表示される。また、「難易度の変更」画面には、現在選択されている選択項目を示すマーク22と、選択不可能な選択項目を示すマーク23a,23bも表示される。
図5において、「難しいモード」の選択項目20gと「簡単モード」の選択項目20iの上には、選択不可能なモードを示すマーク23a,23bが表示されているため、この時点においては、これらのモードを選択することはできない。これらのモードを選択できるようにするためには、後述する「難しいモードキー」および「簡単モードキー」をそれぞれ入手する必要がある。
【0039】
なお、バージョンAのゲームを開始した直後(すなわち、途中から再開するのではなく、最初から開始した直後)は、
図5のように「普通モード」が選択された状態になっており、「難しいモード」や「簡単モード」はまだ選択不可能となっている。同様に、バージョンBのゲームを開始した直後も、「普通モード」が選択された状態になっており、「難しいモード」や「簡単モード」はまだ選択不可能となっている。
【0040】
なお、「難しいモード」を選択すると、ゲーム世界の特定の敵キャラクタのレベルが「普通モード」よりも高くなり、倒しづらくなる。「簡単モード」を選択すると、当該特定の敵キャラクタのレベルが「普通モード」よりも低くなり、倒しやすくなる。なお、「難しいモード」では、当該特定の敵キャラクタを倒したときに得られる経験値(プレイヤキャラクタの成長に影響する値)が「普通モード」よりも多くなる。一方、「簡単モード」では、当該特定の敵キャラクタを倒したときに得られる経験値は「普通モード」と同じである。
【0041】
図4においてユーザAが「町の切替」の選択項目20eを選択すると、
図6に示す「町の切替」画面が表示される。「町の切替」画面には、3つの選択項目20k〜20mとカーソル21が表示される。また、「町の切替」画面には、現在選択されている選択項目を示すマーク22と、選択不可能な選択項目を示すマーク23cも表示される。
図6において、「Bタウン」の選択項目20lの上には、選択不可能なモードを示すマーク23cが表示されているため、この時点においては、「Bタウン」を選択することはできない。「Bタウン」を選択できるようにするためには、後述する「Bタウンキー」を入手する必要がある。
【0042】
なお、バージョンAのゲームを開始した直後は、
図6のように「Aタウン」が選択された状態になっており、「Bタウン」はまだ選択不可能となっている。一方、バージョンBのゲームを開始した直後は、「Bタウン」が選択された状態になっており、「Aタウン」はまだ選択不可能となっている。
【0043】
次に、
図7および
図8を参照して、前述した「難しいモードキー」等の各種キーの入手方法について説明する。
【0044】
本実施形態では、「簡単モードキー」、「難しいモードキー」、「Aタウンキー」および「Bタウンキー」の4つのキーが用意されている。しかしながら、バージョンAのゲームにおいては、「簡単モードキー」と「Aタウンキー」しか入手することができない。また、バージョンBのゲームにおいては、「難しいモードキー」と「Bタウンキー」しか入手することができない。
【0045】
例えば、バージョンAのゲームにおいては、
図7に示すように、条件A1(例えば、ゲームをクリア(すなわち、ゲームの主目的を達成)すること)を満たすと「簡単モードキー」を入手することができ、条件A2(例えば、特定の敵キャラクタを倒すこと)を満たすと「Aタウンキー」を入手することができる。しかしながら、その他のキー(「難しいモードキー」と「Bタウンキー」)については、バージョンAのゲームをプレイするだけでは入手することはできない。
【0046】
一方、バージョンBのゲームにおいては、
図8に示すように、条件B1(例えば、ゲームをクリア(すなわち、ゲームの主目的を達成)すること)を満たすと「難しいモードキー」を入手することができ、条件B2(例えば、特定の敵キャラクタを倒すこと)を満たすと「Bタウンキー」を入手することができる。しかしながら、その他のキー(「簡単モードキー」と「Aタウンキー」)については、バージョンBのゲームをプレイするだけでは入手することはできない。
【0047】
携帯ゲーム装置10aのプレイヤAは、バージョンAのゲームにおいて上記条件A1を満たすことによって、「簡単モードキー」を入手することができる。そして、一旦「簡単モードキー」を入手すると、バージョンAのゲームにおいて、「難易度の変更」画面において表示されていたマーク23b(
図5)が消去され、
図9に示すように「簡単モード」の選択項目20iを選択することが可能になる。
【0048】
同様に、携帯ゲーム装置10aのプレイヤAは、バージョンAのゲームにおいて上記条件A2を満たすことによって、「Aタウンキー」を入手することができる。なお、バージョンAのゲームにおいては、
図6に示すように、「Aタウン」の選択項目20kは最初から選択可能であるため、「Aタウンキー」を入手しても「町の切替」画面の内容は特に変わらない。
【0049】
なお、初期状態では選択不可能であるような選択項目を選択可能にする方法としては、上記のようにゲームにおいて所定条件を満たすことによって対応するキーを入手する方法に加えて、他の携帯ゲーム装置10から対応するキーを受信する方法もある。以下、この方法について具体的に説明する。
【0050】
図3においてユーザAが「キーの送受信」の選択項目20bを選択すると、赤外線通信装置16aを通じて、他の携帯ゲーム装置との間でキーの送受信が行われる。例えば、
図2において、携帯ゲーム装置10aにおいて所持されているキーが、赤外線信号によって携帯ゲーム装置10bへと送信されるとともに、携帯ゲーム装置10bにおいて所持されているキーが、赤外線信号によって携帯ゲーム装置10aへと送信される。
【0051】
例えば、携帯ゲーム装置10bにおいて「難しいモードキー」が所持されていた場合には、携帯ゲーム装置10aは、「難しいモードキー」を携帯ゲーム装置10bから受信する。携帯ゲーム装置10aにおいて、一旦「難しいモードキー」が受信されると、マーク23a(
図5)が消去されて、その後は「難しいモード」の選択項目20gを選択することが可能となる。
【0052】
同様に、携帯ゲーム装置10bにおいて「Bタウンキー」が所持されていた場合には、携帯ゲーム装置10aは、「Bタウンキー」を携帯ゲーム装置10bから受信する。携帯ゲーム装置10aにおいて、一旦「Bタウンキー」が受信されると、マーク23c(
図6)が消去されて、その後は「Bタウンモード」の選択項目20lを選択することが可能となる。
【0053】
次に、
図10〜
図13を参照して、携帯ゲーム装置10aの動作をより詳細に説明する。
【0054】
図10は、携帯ゲーム装置10aのメインメモリ15aに格納されるプログラムおよび情報の一例を示している。
【0055】
ゲームプログラムD1は、プロセッサ13aにバージョンAのゲームを実行させるためのコンピュータプログラムである。ゲームプログラムD1は、外部記憶装置17aから読み込まれてメインメモリ15aにロードされる。
【0056】
ゲームデータD2は、ゲームを実行するために必要となるデータであって、ゲーム世界に配置される町に関するデータ(Aタウンの町データ、Bタウンの町データ等)を含む。
【0057】
所持キー情報D3は、どのキーを所持しているかを示す情報である。
図11に、所持キー情報D3の具体例を示す。
図11において、所持していないキーについては所持フラグが「0」にセットされ、所持しているキーについては所持フラグが「1」にセットされる。
【0058】
選択可能項目情報D4は、どの選択項目が選択可能かを示す情報である。
図12に、選択可能項目情報D4の具体例を示す。
図12において、選択不可能な選択項目については選択可否フラグが「0」にセットされ、選択可能な選択項目については選択可否フラグが「1」にセットされる。
【0059】
次に、
図13のフローチャートを参照して、ゲームプログラムD1に基づいて携帯ゲーム装置10aのプロセッサ13aによって実行される処理の流れを説明する。
【0060】
ゲームプログラムD1の実行が開始されると、まず
図13のステップS10において、プロセッサ13aは、初期化処理を行う。この初期化処理では、例えば、
図11に示すように、全てのキーの所持フラグを「0」にセットする処理や、
図12に示すように、「簡単モード」、「難しいモード」および「Bタウン」の選択可否フラグを「0」にセットし、「Aタウン」の選択可否フラグを「1」にセットする処理などが行われる。なお、ゲームの途中で一時的に中断されたゲームを再開する場合には、中断された時に保存されたセーブデータの内容に応じて、これらのフラグがセットされる。
【0061】
ステップS11において、プロセッサ13aは、ゲーム処理を行う。当該ゲーム処理には、例えば、入力装置11からの信号に応じてプレイヤキャラクタを制御する処理や、所定のアルゴリズムに基づいてノンプレイヤキャラクタを制御する処理や、ゲーム世界に所定のイベントを発生させる処理や、ゲーム画像を生成して表示装置12に出力する処理などが含まれる。
【0062】
ステップS12において、プロセッサ13aは、ゲーム処理の結果が、所定条件(条件A1または条件A2)を満たしたかどうかを判断する。そして、当該所定条件を満たした場合には、処理はステップS13へ進み、そうでない場合には、処理はステップS15へ進む。
【0063】
ステップS13において、プロセッサ13aは、所持キー情報D3を更新する。具体的には、満たされた条件に対応するキーの所持フラグを「1」に変更する。例えば、条件A1が満たされた場合には「簡単モードキー」の所持フラグを「1」に変更し、条件A2が満たされた場合には「Aタウンキー」の所持フラグを「1」に変更する。
【0064】
ステップS14において、プロセッサ13aは、選択可能項目情報D4を更新する。具体的には、新たに入手したキーに対応する選択項目の選択可否フラグを「1」に変更する。例えば、「簡単モードキー」を入手した場合には「簡単モード」の選択可否フラグを「1」に変更する。なお、「Aタウン」の選択可否フラグは最初から「1」であるので、「Aタウンキー」を入手した場合には「Aタウン」の選択可否フラグは「1」のままである。
【0065】
ステップS15において、プロセッサ13aは、ユーザにより設定変更画面(具体的には、「難易度の変更」画面(
図5)または「町の切替」画面(
図6))が呼び出されたかどうかを判断する。そして、設定変更画面が呼び出された場合には、処理はステップS16へ進み、そうでない場合には、処理はステップS18へ進む。
【0066】
ステップS16において、プロセッサ13aは、選択可能項目情報D4に基づいて、設定変更画面(
図5,
図6)を表示する。具体的には、選択可能項目情報D4において、選択可否フラグが「0」になっている選択項目については、当該選択項目が選択不可能であることを示すマーク(23a〜23c)を表示する。
【0067】
ステップS17において、プロセッサ13aは、ユーザによって選択された選択項目に応じて、ゲームの設定を変更する。例えば、ユーザによって「簡単モード」が選択された場合には、ゲーム世界の特定の敵キャラクタのレベルを、「普通モード」よりも低くして、当該特定の敵キャラクタをより倒しやすくする。また、例えば、ユーザによって「Bタウン」が選択された場合には、ゲーム世界の所定位置に配置されていた「Aタウン」を、「Bタウン」へと変更する。すなわち、ゲーム処理の際に利用するゲームデータD2の町データを、「Aタウン」の町データから「Bタウン」の町データへと変更する。
【0068】
ステップS18において、プロセッサ13aは、ユーザによって、キーの送受信が指示されたかどうかを判断する。そして、キーの送受信が指示された場合には、処理はステップS19へ進み、そうでない場合には、処理はステップS22へ進む。
【0069】
ステップS19において、プロセッサ13aは、所持キー情報D3において所持フラグが「1」になっているキーを、赤外線通信装置16を通じて他の携帯ゲーム装置10bへ送信する。
【0070】
ステップS20において、プロセッサ13aは、他の携帯ゲーム装置10bが所持しているキーを、赤外線通信装置16を通じて受信する。
【0071】
ステップS21において、プロセッサ13aは、受信したキーに基づいて、選択可能項目情報D4を更新する。具体的には、選択可能項目情報D4において、受信したキーに対応する選択項目の選択可否フラグを、「1」に変更する。例えば、他の携帯ゲーム装置10bから「難しいモードキー」を受信した場合には、「難しいモード」の選択可否フラグを「1」に変更する。
【0072】
ステップS22において、プロセッサ13aは、ゲームを終了するかどうかを判断する。そして、ゲームを終了する場合には、必要に応じてセーブデータ(後日、中断したところからゲームを再開するためのデータ)を内部記憶装置14aまたは外部記憶装置17a等に保存して、ゲームプログラムD1の実行を終了する。当該セーブデータには、所持キー情報D3および選択可能項目情報D4も含まれる。ゲームを終了しない場合には、処理はステップS11に戻る。
【0073】
なお、
図10〜
図13は、バージョンAのゲームに関するプログラム、情報およびフローチャートであるが、バージョンBのゲームに関するプログラム、情報およびフローチャートも基本的に同様である。ただし、バージョンBのゲームでは、少なくとも以下の点で、バージョンAとは異なっている。
・ステップS10において、「Aタウン」の選択可否フラグが「0」にセットされ、「Bタウン」の選択可否フラグが「1」にセットされる点。
・ステップS12において、条件B1または条件B2を満たしたかどうかが判断される点。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、バージョンAとバージョンBのゲームのうち、一方のバージョンだけを普通にプレイしているだけでは選択不可能な設定項目を、他方のバージョンをプレイすることによって入手することのできるキーを受信することによって、選択可能にすることができる。よって、異なるバージョンのゲームを所有しているユーザ間でのキーの送受信を促し、ユーザ間のコミュニケーションを活性化させることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、初期状態では、バージョンAのゲームではゲーム世界の特定位置に「Aタウン」が配置されており、バージョンBのゲームでは、バージョンAのゲーム世界と基本的に同じゲーム世界において、上記特定位置に「Aタウン」の代わりに「Bタウン」が配置されている。しかしながら、本実施形態によれば、例えば、「Bタウンキー」を受信することによって、バージョンAのゲームのゲーム世界にも「Bタウン」を登場させることができる。同様に、「Aタウンキー」を受信することによって、バージョンBのゲームのゲーム世界にも「Aタウン」を登場させることができる。よって、例えば、バージョンAのゲームプログラムを所有しているユーザは、バージョンBのゲームプログラムを購入しなくても、バージョンBのゲームプログラムを所有している他のユーザから「Bタウンキー」を受信することによって、バージョンAのゲームにおいて「Bタウン」を利用することができる。また、バージョンAのゲームプログラムとバージョンBのゲームプログラムの両方を所有しているユーザにとっても、バージョンAのゲームをプレイしている途中で「Bタウン」を利用したくなったときに、設定変更画面を呼び出して簡単にゲーム世界に「Bタウン」を登場させることができるので、それぞれのバージョンのゲームプログラムが格納されている外部記憶媒体17a,17bを差し替えたり、別バージョンのゲームプログラムを起動したりする手間が不要であり、便利である。
【0076】
また、本実施形態によれば、バージョンAのゲームでは、通常のゲームプレイだけでは「難しいモード」は選択することができず、バージョンBのゲームでは、通常のゲームプレイだけでは「簡単モード」は選択することができない。しかしながら、本実施形態によれば、例えば、「難しいモードキー」を受信することによって、バージョンAのゲームでも「難しいモード」を選択することができる。同様に、「簡単モードキー」を受信することによって、バージョンBのゲームでも「簡単モード」を選択することができる。よって、例えば、バージョンAのゲームプログラムを所有しているユーザは、バージョンAのゲームをクリアした後も、バージョンBのゲームプログラムを所有している他のユーザから「難しいモードキー」を受信することによって、バージョンAのゲームにおいて「難しいモード」に挑戦することができる。また、バージョンBのゲームプログラムを所有しているユーザは、バージョンBのゲームの「普通モード」が当該ユーザにとっては難しすぎてゲームを進行させることができない場合でも、バージョンAのゲームプログラムを所有している他のユーザ(ゲームが得意な友人や家族等)から「簡単モードキー」を受信することによって、バージョンBのゲームを「簡単モード」に変更して、ゲームを進行させることができる。
【0077】
なお、上記実施形態は、あくまでも一実施形態に過ぎず、種々の変形例が考えられる。
【0078】
例えば、上記実施形態では、携帯ゲーム装置10を利用しているが、これに限らず、任意の情報処理装置(例えば、据置型ゲーム装置、携帯電話、スマートフォン、デスクトップパソコン、ノートパソコンなど)を利用してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、赤外線通信によってキーの送受信を行っているが、これに限らず、他の任意の方式の無線通信によってキーの送受信を行ってもよいし、通信ケーブルを介してキーの送受信を行ってもよいし、ネットワーク上のサーバ装置を介してキーの送受信を行ってもよい。また、キーの送受信の代わりに、パスワードやセーブデータを用いるようにしてもよい。例えば、携帯ゲーム装置10bが所持しているキーに対応する文字列(パスワード)を携帯ゲーム装置10bの表示装置12bに表示し、当該表示された文字列を携帯ゲーム装置10aの入力装置11aを通じて携帯ゲーム装置10aに入力してもよい。また、例えば、携帯ゲーム装置10bに保存されているセーブデータに含まれる所持キー情報D3を、携帯ゲーム装置10aのプロセッサ13aが読み出してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、2台の携帯ゲーム装置10a,10bを用いているが、これに限らず、1台の携帯ゲーム装置10aだけを用いて、2つの外部記憶装置17a,17bを差し替えることによって、バージョンAのゲームとバージョンBのゲームを交互にプレイしてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、同一タイトルの異なるバージョンのゲーム(ゲームプログラム)の間でキーを送受信しているが、これに限らず、異なるタイトルのゲーム(ゲームプログラム)の間でキーを送受信してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、設定変更画面(
図5,
図6)において、選択不可能な選択項目に対して、当該選択項目が選択不可能であることを示すマーク(23a〜23c)を表示しているが、これに限らず、他の任意の方法によって、選択不可能な選択項目をユーザに示唆するようにしてもよい。例えば、選択不可能な項目を、グレーアウトにしたり、非表示にしたりしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、ゲームの難易度と町を変更する例を説明したが、これに限らない。例えば、町に限らず、ゲーム世界に配置される任意の施設または地域を変更するようにしてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、
図13に示した複数の処理を1つのコンピュータ(プロセッサ13a)が実行しているが、他の実施形態では、これらの複数の処理を複数のコンピュータが分担して実行してもよい。さらに他の実施形態では、これらの複数の処理の一部または全部を専用回路によって実現してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、
図13に示した複数の処理を1台の情報処理装置(携帯ゲーム装置10a)において実行しているが、他の実施形態では、これらの複数の処理を複数の情報処理装置(例えば、携帯ゲーム装置10aとサーバ装置)が分担して実行してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、ゲームプログラムD1が外部記憶装置17aからメインメモリ15aへロードされているが、他の実施形態では、ゲームプログラムD1が内部記憶装置14aからメインメモリ15aへロードされてもよいし、他の実施形態では、ゲームプログラムD1が他の携帯ゲーム装置10bまたはサーバ装置から受信されてメインメモリ15aにロードされてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 携帯ゲーム装置
11 入力装置
12 表示装置
13 プロセッサ
14 内部記憶装置
15 メインメモリ
16 無線通信装置
17 外部記憶装置
20a〜20m 選択項目
21 カーソル
22 現在選択されている選択項目を示すマーク
23a〜23c 選択不可能な選択項目を示すマーク