特許第6181911号(P6181911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181911映像データ処理装置、映像データ処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181911
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】映像データ処理装置、映像データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G11B 20/10 20060101AFI20170807BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20170807BHJP
   G11B 27/10 20060101ALI20170807BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G11B20/10 H
   G11B20/10 301Z
   G11B27/00 D
   G11B27/10 A
   H04N5/93
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-98076(P2012-98076)
(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公開番号】特開2013-225366(P2013-225366A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2014年10月29日
【審判番号】不服2016-8477(P2016-8477/J1)
【審判請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚原 整
(72)【発明者】
【氏名】南田 宗佑
(72)【発明者】
【氏名】八木 孝介
(72)【発明者】
【氏名】龍 智明
【合議体】
【審判長】 井上 信一
【審判官】 國分 直樹
【審判官】 関谷 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−314045(JP,A)
【文献】 特開2009−093721(JP,A)
【文献】 特開2006−277932(JP,A)
【文献】 特開2006−059434(JP,A)
【文献】 特開2005−322405(JP,A)
【文献】 特開2000−132669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B20/10
G11B27/00
H04N5/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付けるプレイリスト作成手段と、
再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記プレイリスト作成手段によって作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成するプログラム作成手段と、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む書き込み手段と、
を有することを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項2】
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付けるプレイリスト作成手段と、
再生装置にて制限情報が入力された場合に前記プレイリスト作成手段によって作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成するプログラム作成手段と、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む書き込み手段と、
を有することを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の映像データ処理装置であって、
前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された撮像装置によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の映像データ処理装置であって、
前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の映像データ処理装置であって、
前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち、前記ユーザによって指定された撮像装置によって、前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の映像データ処理装置であって、
前記プレイリスト作成手段は、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、再生が許可される範囲を示す再生条件情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段から、前記受けたユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報を取得し、前記取得した再生条件情報によって特定されるストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理装置。
【請求項7】
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付ける第1のステップと、
再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記第1のステップで作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3のステップと、
を含むことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項8】
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける第1のステップと、
再生装置にて制限情報が入力された場合に前記第1のステップで作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3ステップと、
を含むことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の映像データ処理方法であって、
前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された撮像装置によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項10】
請求項8に記載の映像データ処理方法であって、
前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項11】
請求項8に記載の映像データ処理方法であって、
前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち、前記ユーザによって指定された撮像装置によって、前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項12】
請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の映像データ処理方法であって、
前記第1のステップでは、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、再生が許可される範囲を示す再生条件情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段から、前記受けたユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報を取得し、前記取得した再生条件情報によって特定されるストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、
ことを特徴とする映像データ処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付ける第1のステップと、
再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記第1のステップで作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3のステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける第1のステップと、
再生装置にて制限情報が入力された場合に前記第1のステップで作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、
前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ処理装置、映像データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像データをBlu−rayディスク等の可搬性記録媒体に記録し、当該可搬性記録媒体を配布する場合がある。例えば、ビル等の建物に設置された監視カメラによって撮像された映像データを可搬性記録媒体に記録し、当該可搬性記録媒体を顧客等に配布する場合がある。このように可搬性記録媒体を配布する場合、映像データの視聴を制限するために、可搬性記録媒体にパスワードを設定することがある。
【0003】
例えば下記の特許文献1には、コンテンツ自体にパスワードを設定することでコンテンツへのアクセスを制限することが開示されている。特許文献1に記載された装置は、ユーザによって入力されたパスワードによってアクセス制限を解除し、アクセス制限が解除されたコンテンツを再生する。
【0004】
また、下記の特許文献2には、コンテンツの視聴を制限するための制限情報の一覧を表示する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−40332号公報
【特許文献2】国際公開第2009/136481号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術のように、可搬性記録媒体にパスワード等を設定することで視聴を制限する場合、映像データの視聴が一括に制限されてしまうため、映像データのうち視聴可能な範囲を個別に設定することが困難となる。従って、ユーザがパスワードを知っている場合、可搬性記録媒体に記録されているすべての映像データを視聴することができてしまい、その一方で、ユーザがパスワードを知らない場合には、可搬性記録媒体に記録されている一切の映像データを視聴することができなくなってしまう。このように、可搬性記録媒体にパスワードを設定して映像データの視聴を一括に制限した場合、視聴可能な範囲を個別に設定することが困難となり、例えば、パスワード(ユーザ)ごとに視聴可能な範囲を設定することが困難となる。
【0007】
また、上記の特許文献1,2に記載された装置では、一種類のパスワードしか設定することができず、全体又は特定のコンテンツに対して同じパスワードを設定することになるため、パスワード(ユーザ)ごとに視聴可能な範囲を設定することは困難である。また、上記の特許文献1,2に記載された再生装置では、再生装置自体に年齢制限等の視聴制限を設定することになるため、視聴制限が設定されていない再生装置では可搬性記録媒体に記録されている映像データの視聴を制限することができず、映像データが再生されてしまう問題がある。
【0008】
本発明の目的は、再生装置自体に再生の制限が設定されていない汎用の再生装置であっても、映像データの再生を個別に制限することが可能な映像データ処理装置、映像データ処理方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付けるプレイリスト作成手段と、再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記プレイリスト作成手段によって作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成するプログラム作成手段と、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む書き込み手段と、を有することを特徴とする映像データ処理装置である。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付けるプレイリスト作成手段と、再生装置にて制限情報が入力された場合に前記プレイリスト作成手段によって作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成するプログラム作成手段と、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む書き込み手段と、を有することを特徴とする映像データ処理装置である
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る映像データ処理装置であって、前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された撮像装置によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項2に係る映像データ処理装置であって、前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、請求項2に係る映像データ処理装置であって、前記プレイリスト作成手段は、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち、前記ユーザによって指定された撮像装置によって、前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれか一項に係る映像データ処理装置であって、前記プレイリスト作成手段は、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、再生が許可される範囲を示す再生条件情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段から、前記受けたユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報を取得し、前記取得した再生条件情報によって特定されるストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付ける第1のステップと、再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記第1のステップで作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3のステップと、を含むことを特徴とする映像データ処理方法である。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける第1のステップと、再生装置にて制限情報が入力された場合に前記第1のステップで作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3ステップと、を含むことを特徴とする映像データ処理方法である
【0017】
また、請求項9に係る発明は、請求項8に係る映像データ処理方法であって、前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された撮像装置によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に係る発明は、請求項8に係る映像データ処理方法であって、前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項11に係る発明は、請求項8に係る映像データ処理方法であって、前記第1のステップでは、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうち、前記ユーザによって指定された撮像装置によって、前記ユーザによって指定された時間に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0020】
また、請求項12に係る発明は、請求項8から請求項11のいずれか一項に係る映像データ処理方法であって、前記第1のステップでは、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、再生が許可される範囲を示す再生条件情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段から、前記受けたユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報を取得し、前記取得した再生条件情報によって特定されるストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項13に係る発明は、コンピュータに、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記ストリームファイルの再生を再生区間ごとに制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記再生区間ごとに関連付ける第1のステップと、再生装置にて制限情報が入力された場合に、前記第1のステップで作成された前記プレイリストによって再生順序が規定された前記ストリームファイルのうち、前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3のステップと、を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0022】
また、請求項14に係る発明は、コンピュータに、ストリームファイルを含む映像データを受け、前記映像データに含まれる前記ストリームファイルのうちユーザによって選択されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストを作成し、前記プレイリストに従った前記ストリームファイルの再生を制限するための制限情報であってユーザごとに異なる制限情報を前記プレイリストごとに関連付ける第1のステップと、再生装置にて制限情報が入力された場合に前記第1のステップで作成された前記プレイリストのうち前記再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストに従って前記ストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する第2のステップと、前記映像データ、前記プレイリスト及び前記再生制御プログラムを可搬性記録媒体に書き込む第3ステップと、を実行させることを特徴とするプログラムである
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、ストリームファイルの再生を制限するための制限情報を再生区間ごとに関連付けることで、ストリームファイルの再生を再生区間ごとに個別に制限することができる。例えば、ストリームファイルの再生を制限するための制限情報をプレイリストごとに関連付けることで、ストリームファイルの再生をプレイリストごとに個別に制限することができる。また、本発明によると、可搬性記録媒体に書き込まれた再生制御プログラムによってストリームファイルの再生制限が行われることになるため、再生制限が設定されていない再生装置であってもストリームファイルの再生を制限することが可能となる。例えば、再生制限を行うための専用の再生装置ではない汎用の再生装置であっても、ストリームファイルの再生を個別に制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る映像データ処理装置を示すブロック図である。
図2】可搬性記録媒体におけるディレクトリ構成の一例を示す図である。
図3】再生許可範囲を設定するための設定画面の一例を示す図である。
図4】プレイリストとストリームファイルとの関係の一例を示す図である。
図5】プレイリストとストリームファイルとの関係の一例を示す図である。
図6】映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態に係る映像データ処理装置を含むシステムの概略を示すブロック図である。
図8】映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
図9】変形例1において再生許可範囲を設定するための設定画面の一例を示す図である。
図10】変形例1において映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
図11】変形例2において再生許可範囲を設定するための設定画面の一例を示す図である。
図12】変形例2において映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る映像データ処理装置について説明する。本実施形態に係る映像データ処理装置1は、図示しない映像サーバや撮像装置から映像データを受け、当該映像データに含まれる映像コンテンツを選択してプレイリストファイルを作成し、制限情報に基づいて映像コンテンツの再生を制限する再生制御プログラムを作成する。そして、映像データ処理装置1は、映像データとプレイリストファイルと再生制御プログラムとを可搬性記録媒体20に書き込む。映像データを記録する可搬性記録媒体20としては、DVD、CD、Blu−Rayディスク(BD)等の光ディスク媒体が想定されるが、不揮発性の半導体メモリ等であってもよい。本実施形態では、一例として、可搬性記録媒体20はBlu−Rayディスク(BD)として説明する。
【0026】
本実施形態に係る映像データ処理装置1は、エンコーダ2と、メタデータ解析部3と、パスワード入力部4と、再生条件入力部5と、プレイリスト作成部6と、プログラム作成部7と、書き込み部8とを備えている。また、映像データ処理装置1にはユーザインターフェース9が接続されている。ユーザインターフェース9は、キーボードやマウス等の入力装置と表示装置とを備えている。
【0027】
エンコーダ2は、図示しない映像サーバや撮像装置から映像データを受け、一例として、当該映像データをMPEG2−TS形式のビデオフォーマットデータに符号化する。例えば、ビルや貸しホール等の建物において、建物の出入口、部屋内、通路、エレベータ内及び管理室内等の各場所に監視用の撮像装置を設置して映像データを撮像し、各場所における映像データを映像サーバに格納しておいてもよい。
【0028】
ここで、図2を参照して、BDの再生に必要なファイルとディレクトリの構成の一例について説明する。一例として、ルートディレクトリの下にBDMVディレクトリが設定され、BDMVディレクトリの下に、プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)、クリップディレクトリ(CLIPINF)、ストリームディレクトリ(STREAM)、JARディレクトリ(JAR)及びその他のディレクトリが設定される。
【0029】
プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)は、プレイリスト(PlayList)の再生制御に必要な情報が記述されたプレイリストファイルを格納する。プレイリストファイルは、1以上のプレイアイテムで構成され、プレイアイテムの再生順序を規定する再生リストである。各プレイアイテムは、クリップに対する再生開始点(IN点)と再生終了点(OUT点)とを持つ再生区間指定情報である。プレイリスト内の複数のプレイアイテムを時間軸上で並べることで、それぞれの再生区間の再生順序を指定することができる。
【0030】
クリップディレクトリ(CLIPINF)は、ストリームファイルの再生制御に必要な情報が記述されたクリップファイルを格納する。クリップファイルは、ストリームディレクトリ(STREAM)に格納されるストリームファイルに対応して設定される。クリップファイルとストリームファイルとは1対1に対応しており、例えば、クリップディレクトリ内にクリップファイル“00001.clpi”が存在する場合、ストリームディレクトリ内にはストリームファイル“00001.m2ts”が存在する。
【0031】
ストリームディレクトリ(STREAM)は、映像情報、音声情報、グラフィックス情報等の再生に必要なストリームファイルを格納する。ストリームファイルは、一例としてMPEG2−TS形式で記録されたファイルである。
【0032】
JARディレクトリ(JAR)は、Java(登録商標)を適用した各種のデータ処理プログラムを格納する。
【0033】
メタデータ解析部3は、映像データに付帯されているメタデータを解析し、解析結果をプレイリスト作成部6とプログラム作成部7とに出力する。ここで、映像データに付帯されているメタデータについて説明する。例えば、映像データが撮像装置によって撮像された日付や曜日や時刻を示す時間情報、映像データを撮像した撮像装置に関するチャンネル情報(撮像装置の名称、撮像装置の設置場所、チャンネル(ch)の番号等)、イベントに関するイベント情報等が、メタデータに含まれる。例えば、人の動き、停電、センサー作動等がイベントに該当する。イベント情報には、各イベントが発生した時間(日付、曜日、時刻)を示す情報が含まれる。メタデータ解析部3は、メタデータを解析し、時間情報、チャンネル情報及びイベント情報等をプレイリスト作成部6とプログラム作成部7とに出力する。
【0034】
パスワード入力部4は、プレイリストごとにストリームファイルの再生を制限するための制限情報の入力を受け付ける。制限情報は、一例としてパスワードが該当する。例えば、管理者等のユーザがユーザインターフェース9の入力装置を用いて制限情報を入力し、パスワード入力部4はユーザインターフェース9から制限情報を受け付ける。パスワード入力部4は、制限情報をプレイリスト作成部6とプログラム作成部7とに出力する。
【0035】
再生条件入力部5は、映像データのうち制限情報を用いて再生が許可される範囲を示す再生条件情報の入力を受け付ける。再生条件情報には、映像データが撮像された時間(日付、曜日、時刻)を示す時間情報と、映像データを撮像した撮像装置に関するチャンネル情報(撮像装置の名称、撮像装置の設置場所、チャンネル(ch)の番号等)とが含まれる。再生条件として指定された時間(日付、曜日、時刻)に、再生条件として指定された撮像装置(チャンネル)によって撮像されたストリームファイルの再生が、制限情報を用いて許可される。このように、制限情報によって再生制限が解除されて再生が許可されるストリームファイルが、再生条件によって特定されることになる。例えば、ユーザがユーザインターフェース9の入力装置を用いて再生条件情報を入力し、再生条件入力部5はユーザインターフェース9から再生条件情報を受け付ける。このように、ユーザが再生条件情報を入力することで、制限情報によって再生が許可されるストリームファイルを選択することになる。再生条件入力部5は、再生条件情報をプレイリスト作成部6とプログラム作成部7とに出力する。
【0036】
プレイリスト作成部6は、再生条件情報が示す再生条件に合致するストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、プレイリストファイルと制限情報とを関連付ける。すなわち、プレイリスト作成部6は、再生条件として指定された時間(日付、曜日、時刻)に、再生条件として指定された撮像装置(チャンネル)によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、プレイリストファイルと制限情報とを関連付ける。プレイリスト作成部6は、プレイリストファイルをプログラム作成部7と書き込み部8とに出力する。
【0037】
プログラム作成部7は、再生装置にてストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する。この再生制御プログラムは、再生装置にて入力された制限情報とプレイリストファイルに関連付けられている制限情報とを照合し、再生装置にて入力された制限情報が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。すなわち、再生制御プログラムは、再生装置にて入力された制限情報に基づいてストリームファイルに対する再生制限を解除し、再生制限が解除されたプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。このように、再生制御プログラムは、制限情報とプレイリストファイルとに基づいて映像データの再生を制限し、再生装置にて入力された制限情報に対応するプレイリストファイルのみを再生するためのプログラムである。例えば、プログラム作成部7は、JAVA(登録商標)を適用した再生制御プログラム(BD−Jアプリケーション)を作成する。プログラム作成部7は、再生制御プログラムを書き込み部8に出力する。
【0038】
書き込み部8は、ストリームファイル、クリップファイル、プレイリストファイル及び再生制御プログラムを、BD等の可搬性記録媒体20に書き込んで記録する。
【0039】
次に、図3から図5を参照して、本実施形態に係る映像データ処理装置の動作について説明する。図3は、再生許可範囲を設定するための設定画面の一例であり、制限情報と再生条件情報とを入力するための設定画面の一例である。図4及び図5は、プレイリストとストリームファイルとの関係の一例を示す図である。
【0040】
映像データ処理装置1によって映像データを可搬性記録媒体20に記録する場合、ユーザインターフェース9の表示装置は、例えば図3に示すように、制限情報と再生条件情報とを入力するための設定画面100を表示する。設定画面100は、複数の映像データの中から書き込みの対象となる映像データを選択するための映像データ選択欄101と、制限情報と再生条件情報とを入力するための第1の設定欄110及び第2の設定欄120を含む。第1の設定欄110は、制限情報としてのパスワードを入力するためのパスワード入力欄111と、映像データを撮像した撮像装置(チャンネル)を指定するためのチャンネル指定欄112と、映像データが撮像された曜日を指定するための曜日指定欄113と、映像データが撮像された時間帯を指定するための時間帯指定欄114と、を含む。第2の設定欄120も第1の設定欄110と同様に、パスワード入力欄121とチャンネル指定欄122と曜日指定欄123と時間帯指定欄124とを含む。また、設定画面100において、書き込みの対象となる映像データが撮像された期間(年月日時分秒)を指定することができる。なお、第1の設定欄110及び第2の設定欄120に、映像データが撮像された日付(年月日)を指定するための日付指定欄が含まれていてもよい。
【0041】
チャンネル指定欄112,122に表記されているチャンネルchは、撮像装置が設置されている場所(映像データが撮像された場所)に対応している。例えば、チャンネルch1はマルチ画面に対応し、チャンネルch2は建物の1F共用部に設置された撮像装置(1F共用部で撮像された映像データ)に対応し、チャンネルch3は2F電算室に設置された撮像装置(2F電算室で撮像された映像データ)に対応し、チャンネルch4は3F管理室に設置された撮像装置(3F管理室で撮像された映像データ)に対応している。
【0042】
第1の設定欄110に入力された制限情報と再生条件情報とに対応するプレイリストファイルがプレイリスト作成部6によって作成され、第2の設定欄120に入力された制限情報と再生条件情報とに対応するプレイリストファイルがプレイリスト作成部6によって作成される。なお、図3に示す例では、第1の設定欄110と第2の設定欄120とが設定画面100に含まれているが、1又は複数の設定欄が設定画面100に含まれてもよい。
【0043】
管理者等のユーザは、ユーザインターフェース9の入力装置を用いて、閲覧者に割り当てるパスワードを制限情報としてパスワード入力欄111(121)に入力し、当該パスワードによってストリームファイルの再生制限が解除されて再生が許可されるチャンネルをチャンネル指定欄112(122)で指定し、再生が許可される曜日を曜日指定欄113(123)で指定し、再生が許可される時間帯を時間帯指定欄114(124)に入力する。なお、時間帯指定欄114(124)に時間帯が入力されなかった場合、すべての時間帯(0:00〜24:00)が再生許可の時間帯として指定されたものとして扱われる。プレイリスト作成部6は、設定画面100にて設定された再生条件(チャンネル、曜日及び時間帯)に合致するストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付ける。すなわち、プレイリスト作成部6は、再生条件情報が示す時間(曜日、時間帯)に、再生条件情報が示すチャンネル(撮像装置)によって撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付ける。
【0044】
一例として、第1の設定欄110において、パスワード入力欄111にパスワードとして「0000」からなる文字列が入力され、チャンネル指定欄112において「ch1、ch2、ch3、ch4」が指定され、曜日指定欄113において「日、月、火、水、木、金、土」が指定されており、時間帯指定欄114には時間帯が入力されていない。すなわち、すべてのチャンネル(撮像装置)、すべての曜日及びすべての時間帯が指定されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜チャンネルch4のそれぞれについて、日曜日〜土曜日に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「0000」を関連付ける。図4に、第1の設定欄110に入力された再生条件に従って作成されるプレイリストファイルとストリームファイルとの関係を示す。プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜ch4のすべてのチャンネルについて、日曜日〜土曜日に撮像されたストリームファイル(Stream1(日)〜Stream7(土))を時間順に再生するためのプレイリストファイル200を作成する。
【0045】
また、別の例として、第2の設定欄120において、パスワード入力欄121にパスワードとして「1234」からなる文字列が入力され、チャンネル指定欄122において「ch1」が指定され、曜日指定欄123において「月、火、水、木、金」が指定されており、時間帯指定欄124に「09:00〜17:00」の時間帯が入力されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1に対応する撮像装置によって月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「1234」を関連付ける。図5に、第2の設定欄120に入力された再生条件に従って作成されるプレイリストファイルとストリームファイルとの関係を示す。プレイリスト作成部6は、チャンネルch1について、月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルを時間順に再生するためのプレイリストファイル210を作成する。より具体的に説明すると、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1について月曜日に撮像されたストリームファイル(Stream2(月))から9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルを選択する。同様に、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1について火曜日〜金曜日のそれぞれに撮像されたストリームファイル(Stream3〜5)から9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルを選択する。そして、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルを時間順に再生するためのプレイリストファイル210を作成する。
【0046】
図3〜5に示す例では、プレイリスト作成部6は、プレイリストファイル200,210をプログラム作成部7に出力する。プログラム作成部7は、再生制限をパスワードに基づいて解除してプレイリストに従ってストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成する。例えば、この再生制御プログラムは、プレイリストファイル200が示すプレイリストに従ったストリームファイルの再生に対する制限を、プレイリストファイル200に対するパスワード「0000」に基づいて解除し、プレイリストファイル210が示すプレイリストに従ったストリームファイルの再生に対する制限を、プレイリストファイル210に対するパスワード「1234」に基づいて解除し、制限が解除されたプレイリストに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。すなわち、再生制御プログラムは、再生装置にてパスワード「0000」が入力されると、パスワード「0000」が関連付けられているプレイリストファイル200が示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生し、再生装置にてパスワード「1234」が入力されると、パスワード「1234」が関連付けられているプレイリストファイル210が示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。書き込み部8は、ストリームファイル、クリップファイル、プレイリストファイル210,220及び再生制御プログラムを、BD等の可搬性記録媒体20に書き込んで記録する。
【0047】
以上のようにして映像データ処理装置1によって可搬性記録媒体20が作成されると、管理者等は、映像データの視聴を希望するユーザ等に可搬性記録媒体20を配布する。また、管理者等は、プレイリストファイルの再生制限を解除するための制限情報を、視聴を希望するユーザに通知する。例えば、可搬性記録媒体20に記録された映像データが監視用の映像データである場合、ビルのオーナー等の管理者が、映像データの視聴を希望するユーザ(例えばビルのテナントを借りている利用者)に可搬性記録媒体20を配布し、プレイリストファイルの再生制限を解除するための制限情報を当該ユーザに通知することが考えられる。
【0048】
次に、本実施形態に係る映像データ処理装置1によって作成された可搬性記録媒体20を再生する再生装置の動作について説明する。
【0049】
まず、図6を参照して、再生時における動作の概要を説明する。例えば図6に示すように、プレイリストファイルA,B,Cが作成され、ストリームファイル1〜5(Stream1〜5)とプレイリストファイルA,B,Cとが可搬性記録媒体20に記録されている場合について説明する。プレイリストファイルAにはストリームファイル1〜5(Stream1〜5)が含まれ、パスワード「11111」がプレイリストファイルAに関連付けられている。また、プレイリストファイルBにはストリームファイル4,5(Stream4,5)が含まれ、パスワード「12345」がプレイリストファイルBに関連付けられている。また、プレイリストファイルCにはストリームファイル2,3(Stream2,3)が含まれ、パスワード「99999」がプレイリストファイルCに関連付けられている。
【0050】
映像データの視聴を希望するユーザは可搬性記録媒体20を再生装置30に挿入し、映像データの再生を指示する。再生装置30は、再生制限を行うための専用の装置ではなく、市販されている汎用のBDプレーヤー(ブルーレイディスクプレーヤー)でよい。再生装置30は例えばCPU31を備えており、CPU31が可搬性記録媒体20に記録されている再生制御プログラムを読み込んで実行することで、再生制御プログラムによる機能が実現される。これにより、CPU31は、再生制御プログラムの機能を実現する再生制御部として機能する。ユーザは、リモコン等の図示しない入力装置を用いて、制限情報としてのパスワードを入力する。CPU31(再生制御部)は、入力装置から入力されたパスワードを受け、可搬性記録媒体20に記録されているプレイリストファイルに関連付けられているパスワードと入力されたパスワードとを照合し、パスワードが一致するプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。すなわち、CPU31(再生制御部)は、再生装置30にて入力されたパスワードが関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。例えば、プレイリストファイルとパスワードとの関連付けを示すリストを作成しておき、CPU31(再生制御部)は、当該リストを参照することで、再生装置30にて入力されたパスワードが関連付けられているプレイリストファイルを特定し、当該プレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。なお、プレイリストファイルとパスワードとの関連付けを示すリストは、プログラム作成部7によって作成されてもよいし、プレイリスト作成部7によって作成されてもよい。
【0051】
例えば、パスワードとして「11111」からなる文字列が再生装置30に入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「11111」が関連付けられているプレイリストファイルAが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、ストリームファイル1〜5(Stream1〜5)の再生が許可されることになる。
【0052】
また、パスワードとして「12345」からなる文字列が再生装置30に入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「12345」が関連付けられているプレイリストファイルBが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、ストリームファイル4,5(Stream4,5)の再生が許可されることになる。
【0053】
また、パスワードとして「99999」からなる文字列が再生装置30に入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「99999」が関連付けられているプレイリストファイルCが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、ストリームファイル2,3(Stream2,3)の再生が許可されることになる。
【0054】
次に、図7及び図8を参照して、再生時における動作の具体例を説明する。図7に示すように、本実施形態に係る映像データ処理装置1は、映像サーバ40から映像データを受け、上述したようにプレイリストファイルと再生制御プログラムとを作成し、ストリームファイル、クリップファイル、プレイリストファイル及び再生制御プログラムを可搬性記録媒体20に書き込んで記録する。そして、例えば、管理者等は、映像データの視聴を希望するユーザA,B,Cに可搬性記録媒体20を配布し、再生可能なストリームファイルをユーザごとに変えるために、ユーザA,B,Cにそれぞれ異なるパスワードを通知する。例えば、ユーザAには「0000」からなる文字列をパスワードとして通知し、ユーザBには「1234」からなる文字列をパスワードとして通知し、ユーザCには「1357」からなる文字列をパスワードとして通知する。パスワード「0000」は、図4に示すプレイリストファイル200に従ったストリームファイルの再生に対する制限を解除するためのパスワードである。パスワード「1234」は、図5に示すプレイリストファイル210に従ったストリームファイルの再生に対する制限を解除するためのパスワードである。パスワード「1357」は、チャンネルch1,ch3について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルを再生するためのプレイリストファイルに関連付けられているパスワードである。
【0055】
そして、ユーザA,B,Cはそれぞれ可搬性記録媒体20を再生装置30に挿入し、映像データの再生を指示する。例えば図8に示すように、CPU31(再生制御部)は、制限情報を入力するためのパスワード入力画面300を再生装置30に接続されている表示装置に表示させる。
【0056】
ユーザAが、パスワードとして「0000」からなる文字列を再生装置30に入力した場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「0000」が関連付けられているプレイリストファイル200が示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。これにより、チャンネルch1〜ch4のすべてについて、すべての曜日のすべての時間帯に撮像されたストリームファイルの再生が許可されることになる。
【0057】
また、ユーザBが、パスワードとして「1234」からなる文字列を再生装置30に入力した場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「1234」が関連付けられているプレイリストファイル210が示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。これにより、チャンネルch1について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルの再生が許可されることになる。この場合、再生装置30にてチャンネルをチャンネルch2〜ch4に切り替えることができず、また、月曜日〜金曜日の9:00〜17:00以外の時間帯に撮像されたストリームファイルは、スキップされて再生されない。
【0058】
また、ユーザCが、パスワードとして「1357」からなる文字列を再生装置30に入力した場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「1357」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。これにより、チャンネルch1,ch3について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルの再生が許可されることになる。この場合、再生装置30にてチャンネルをチャンネルch2,ch4に切り替えることができず、また、月曜日〜金曜日の9:00〜17:00以外の時間帯に撮像されたストリームファイルは、スキップされて再生されない。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る映像データ処理装置1によると、ストリームファイルの再生を制限するための制限情報をプレイリストごとに関連付けることで、ストリームファイルの再生をプレイリストごとに個別に制限することができる。例えば、再生が許可されるチャンネル(撮像装置)及び時間(日付、曜日、時間帯)を制限することができ、再生が許可されるチャンネル及び時間をパスワードに応じて変えることができる。また、制限情報に基づいて再生制限を解除してプレイリストに従ってストリームファイルを再生するための再生制御プログラムを作成し、映像データ及びプレイリストとともに再生制御プログラムを可搬性記録媒体20に書き込んでおくことで、再生装置にて再生の制限及び制限の解除が再生制御プログラムによって行われることになるため、再生制限が設定されていない汎用の再生装置であっても、ストリームファイルの再生を制限し、また、制限情報に基づいて再生制限を解除してストリームファイルを再生することが可能となる。すなわち、再生制御プログラムを可搬性記録媒体20に書き込んでおくことで、再生制限を行うための専用の再生装置ではなく汎用の再生装置(例えば市販されている汎用のBDプレーヤー)であっても、ストリームファイルの再生制限を個別に行うことが可能となる。
【0060】
例えば、図7及び図8を参照して説明したように、ユーザA,B,Cに対してそれぞれ異なるパスワードを通知することで、再生が可能となる映像データの範囲をユーザごとに変えることができる。従って、1つの可搬性記録媒体20をユーザA,B,Cに回覧する場合であっても、各ユーザに対してそれぞれ異なるパスワードを通知することで、パスワードに応じて異なるプレイリストが再生されることになるため、再生が可能となる映像データの範囲をユーザごとに変えることができる。または、同じ内容の映像データを複数の可搬性記録媒体20のそれぞれに記録し、各可搬性記録媒体20を各ユーザに配布した場合であっても、各ユーザに対してそれぞれ異なるパスワードを通知することで、再生が可能となる映像データの範囲をユーザごとに変えることができる。
【0061】
例えば、ビルのテナントを借りているユーザが監視用映像データの視聴を希望する場合に、視聴を希望するユーザに、すべてのチャンネルについてすべての時間に撮像された映像データを視聴させることが好ましくない場合がある。この場合、ユーザが視聴を希望するチャンネル及び時間(日付、曜日、時間帯)に撮像されたストリームファイルを再生するためのプレイリストファイルを作成しておき、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付けておく。そして、可搬性記録媒体20をユーザに配布するとともに、当該パスワードをユーザに通知する。これにより、ユーザが視聴を希望する範囲のストリームファイルのみを、当該ユーザに視聴させることができる。
【0062】
例えば、ユーザが借りているテナントの周辺に設置されている撮像装置(チャンネル)によって撮像されたストリームファイルのみを再生するためのプレイリストファイルを作成しておき、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付けておく。これにより、可搬性記録媒体20とパスワードとを受け取ったユーザに、当該ユーザが借りているテナント周辺のストリームファイルのみを視聴させることができ、テナント周辺以外で撮像されたストリームファイルを視聴させずに済む。
【0063】
また、ユーザが借りているテナントの周辺に設置されている撮像装置(チャンネル)によってテナントの営業日に撮像されたストリームファイルのみを再生するためのプレイリストファイルを作成しておき、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付けておく。これにより、可搬性記録媒体20とパスワードを受け取ったユーザに、当該ユーザが借りているテナント周辺において営業日に撮像されたストリームファイルのみを視聴させることができ、テナント周辺以外で撮像されたストリームファイル及び営業日以外に撮像されたストリームファイルを視聴させずに済む。
【0064】
また、貸しホール等のように、曜日又は時間帯によって利用するユーザが異なる建物がある。この場合、ユーザが貸しホールを利用した特定の曜日及び時間帯に撮像されたストリームファイルのみを再生するためのプレイリストファイルを作成しておき、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付けておく。これにより、可搬性記録媒体20とパスワードとを受け取ったユーザに、当該ユーザが貸しホールを利用した特定の曜日及び時間帯に撮像されたストリームファイルのみを視聴させることができ、特定の曜日及び時間帯以外に撮像されたストリームファイルを視聴させずに済む。
【0065】
以上のように、映像データのうち再生可能な範囲をパスワードに応じて変えることができるため、各ユーザ用の可搬性記録媒体を個別に作成しなくて済み、その結果、可搬性記録媒体の作成時に要する作業量を削減することができる。例えば、チャンネルごとや曜日ごとや時間帯ごとの可搬性記録媒体を作成する必要がなく、1つの可搬性記録媒体20を作成するだけで、再生可能な範囲をユーザ(パスワード)ごとに変えることができる。この点について詳しく説明する。従来においては、映像データのうち再生可能な範囲をユーザごとに変えるためには、可搬性記録媒体ごとに格納するストリームファイルを変え、可搬性記録媒体を個別に作成して配布する必要があった。例えば、図7及び図8を参照して説明したように、チャンネルch1について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルのみを、可搬性記録媒体を用いてユーザBに視聴させたい場合、従来においては、チャンネルch1について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルのみを可搬性記録媒体に格納してユーザBに配布する必要があった。また、チャンネルch1,ch3について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルのみを、可搬性記録媒体を用いてユーザCに視聴させたい場合、従来においては、チャンネルch1,ch3について月曜日〜金曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルのみを可搬性記録媒体に格納してユーザCに配布する必要があった。また、映像データのすべてを可搬性記録媒体を用いてユーザAに視聴させたい場合、従来においては、映像データのすべてが格納された可搬性記録媒体をユーザAに配布する必要があった。このように、ユーザA,B,Cに対してそれぞれ異なる範囲のストリームファイルを視聴させる場合、従来においては、それぞれ異なる範囲のストリームファイルが格納された可搬性記録媒体を作成する必要があった。上記の例では、3種類の可搬性記録媒体を作成する必要がある。これに対して、本実施形態に係る映像データ処理装置1によると、1種類の可搬性記録媒体を作成するだけで、再生可能な範囲をユーザA,B,Cごとに変えることができるため、ユーザごとに可搬性記録媒体を作成する必要がなく、その結果、可搬性記録媒体の作成時に要する作業量を削減することができる。
【0066】
上述したビルや貸しホール等の建物で撮像された映像データを例にして説明すると、ビルのオーナーや貸しホールの管理者は、1つの可搬性記録媒体20を作成するだけで、ユーザごとに視聴可能な範囲を変えて、視聴が許可されたストリームファイルのみをユーザに視聴させることができる。
【0067】
(変形例1)
次に、図9及び図10を参照して変形例1について説明する。図9は、変形例1において再生許可範囲を設定するための設定画面の一例であり、制限情報と再生条件情報とを入力するための設定画面の一例である。図10は、変形例1において映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
【0068】
例えば図9に示すように、ユーザインターフェース9の表示装置は、制限情報と再生条件情報とを入力するための設定画面400を表示装置に表示する。設定画面400は、再生が許可されるチャンネルを設定するための画面であり、設定画面400では、映像データを撮像した撮像装置(チャンネル)を指定することができる。例えば、設定画面400は、制限情報と再生条件情報とを入力するための第1の設定欄410、第2の設定欄420、第3の設定欄430及び第4の設定欄440を含む。第1〜第4の設定欄410〜440はそれぞれ、制限情報としてのパスワードを入力するためのパスワード入力欄と、映像データを撮像した撮像装置(チャンネル)を指定するためのチャンネル指定欄とを含む。なお、図9に示す例では、第1〜第4の設定欄410〜440が設定画面400に含まれているが、1又は複数の設定欄が設定画面400に含まれていればよい。
【0069】
管理者等のユーザは、ユーザインターフェース9の入力装置を用いて、閲覧者に割り当てるパスワードを制限情報としてパスワード入力欄に入力し、当該パスワードによってストリームファイルの再生制限が解除されて再生が許可されるチャンネルをチャンネル指定欄で指定する。プレイリスト作成部6は、設定画面400にて設定された再生条件(チャンネル)に合致するストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付ける。
【0070】
一例として、第1の設定欄410において、パスワード入力欄にパスワードとして「0000」からなる文字列が入力され、チャンネル指定欄において「ch1、ch2、ch3、ch4」が指定されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜ch4のそれぞれについて、ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「0000」を関連付ける。
【0071】
また、別の例として、第2の設定欄420において、パスワード入力欄にパスワードとして「1234」からなる文字列が入力され、チャンネル指定欄において「ch2」が指定されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch2について、ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「1234」を関連付ける。
【0072】
また、別の例として、第3の設定欄430において、パスワード入力欄にパスワードとして「1357」からなる文字列が入力され、チャンネル指定欄において「ch1,ch3」が指定されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1,ch3のそれぞれについて、ストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「1357」を関連付ける。
【0073】
プログラム作成部7によって作成される再生制御プログラムは、第1〜第3の設定欄410〜430に入力された情報に基づいてそれぞれ作成されたプレイリストファイルに対する再生制限を制限情報に基づいて解除し、制限が解除されたプレイリストファイルに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。書き込み部8は、ストリームファイル、クリップファイル、プレイリストファイル及び再生制御プログラムを、BD等の可搬性記録媒体20に書き込んで記録する。
【0074】
以上のようにして作成された可搬性記録媒体20が再生装置30に挿入されて、図10に示すように、パスワードとして「0000」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「0000」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、全チャンネル(チャンネルch1〜ch4)のストリームファイルの再生が許可されることになる。
【0075】
また、パスワードとして「5678」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「5678」が関連付けられているプレイリストファルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、チャンネルch2に対応するストリームファイルのみの再生が許可されることになる。
【0076】
また、パスワードとして「1357」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「1357」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、チャンネルch1,ch3のそれぞれに対応するストリームファイルのみの再生が許可されることになる。
【0077】
以上のように、変形例1によると、再生が許可されるチャンネル(撮像装置)をパスワードに応じて変えることができる。すなわち、指定されたチャンネル(撮像装置)によって撮像されたストリームファイルのみの再生を許可することができる。
【0078】
(変形例2)
次に、図11及び図12を参照して変形例2について説明する。図11は、変形例2において再生許可範囲を設定するための設定画面の一例であり、制御情報と再生条件情報とを入力するための設定画面の一例である。図12は、変形例2において映像データ再生時の動作の一例を説明するための図である。
【0079】
例えば図11に示すように、ユーザインターフェース9の表示装置は、制限情報と再生条件情報とを入力するため設定画面500を表示する。設定画面500は、再生が許可される時間を設定するための画面であり、設定画面500では、映像データが撮像された時間(曜日、時間帯)を指定することができる。例えば、設定画面500は、制限情報と再生条件情報とを入力するための第1の設定欄510、第2の設定欄520及び第3の設定欄530を含む。また、設定画面500は、映像データを撮像した撮像装置(チャンネル)を指定するためのチャンネル指定欄540を含む。第1〜第3の設定欄510〜530はそれぞれ、制限情報としてのパスワードを入力するためのパスワード入力欄と、映像データが撮像された時間帯を指定するための時間帯指定欄と、映像データが撮像された曜日を指定するための曜日指定欄とを含む。なお、図11に示す例では、第1〜第3の設定欄510〜530が設定画面500に含まれているが、1又は複数の設定欄が設定画面500に含まれていればよい。また、第1〜第3の設定欄510〜530に、映像データが撮像された日付(年月日)を指定するための日付指定欄が含まれていてもよい。
【0080】
管理者等のユーザは、ユーザインターフェース9の入力装置を用いて、閲覧者に割り当てるパスワードを制限情報としてパスワード入力欄に入力し、当該パスワードによってストリームファイルの再生制限が解除されて再生が許可される時間帯及び曜日を、時間帯指定欄及び曜日指定欄にそれぞれ入力する。また、ユーザは、ユーザインターフェース9の入力装置を用いて、再生が許可されるチャンネルをチャンネル指定欄540で指定してもよい。チャンネル指定欄540で指定されたチャンネルのストリームファイルが書き込みの対象となる。なお、図11に示す例では、すべてのチャンネル(ch1〜ch4)が指定されている。プレイリスト作成部6は、設定画面500にて設定された再生条件(時間帯、曜日、チャンネル)に合致するストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワードを関連付ける。
【0081】
一例として、第1の設定欄510において、パスワード入力欄にパスワードとして「0000」からなる文字列が入力され、曜日指定欄において「日、月、火、水、木、金、土」が指定されており、時間帯指定欄には時間帯が入力されていない。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜ch4のそれぞれについて、日曜日〜土曜日に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「0000」を関連付ける。
【0082】
また、別の例として、第2の設定欄520において、パスワード入力欄にパスワードとして「5678」からなる文字列が入力され、曜日指定欄において「月、火、水、木、金」が指定されており、時間帯指定欄には時間帯が入力されていない。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜ch4のそれぞれについて、月曜日〜金曜日に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「5678」を関連付ける。
【0083】
また、別の例として、第3の設定欄530において、パスワード入力欄にパスワードとして「2468」からなる文字列が入力され、時間帯指定欄に「09:00〜17:00」が入力され、曜日指定欄において「日、月、火、水、木、金、土」が指定されている。この場合、プレイリスト作成部6は、チャンネルch1〜ch4のそれぞれについて、日曜日〜土曜日の9:00〜17:00の時間帯に撮像されたストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルにパスワード「2468」を関連付ける。
【0084】
プログラム作成部7によって作成される再生制御プログラムは、第1〜第3の設定欄510〜530に入力された情報に基づいてそれぞれ作成されたプレイリストファイルに対する再生制限を制限情報に基づいて解除し、制限が解除されたプレイリストファイルに従ってストリームファイルを再生するためのプログラムである。書き込み部8は、ストリームファイル、クリップファイル、プレイリストファイル及び再生制御プログラムを、BD等の可搬性記録媒体20に書き込んで記録する。
【0085】
以上のようにして作成された可搬性記録媒体20が再生装置30に挿入されて、図12に示すように、パスワードとして「0000」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「0000」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、チャンネルch1〜ch4のすべてについて、すべての時間帯に撮像されたストリームファイルの再生が許可されることになる。
【0086】
また、パスワードとして「5678」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「5678」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、チャンネルch1〜ch4のすべてについて、月曜日から金曜日に撮像されたストリームファイルのみの再生が許可されることになる。
【0087】
また、パスワードとして「2468」が入力された場合、CPU31(再生制御部)は、パスワード「2468」が関連付けられているプレイリストファイルが示すプレイリストに従ってストリームファイルを再生する。この場合、チャンネルch1〜ch4のすべてについて、金曜日の9:00〜17:00に撮像されたストリームファイルのみの再生が許可されることになる。
【0088】
以上のように、変形例2によると、再生が許可される時間(曜日、時間帯)をパスワードに応じて変えることができる。すなわち、指定された時間に撮像されたストリームファイルのみの再生を許可することができる。
【0089】
なお、上述した実施形態及び変形例1,2の別の例として、プレイリスト作成部6は、ユーザによって指定されたイベントに対応するストリームファイルを再生するためのプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルに制限情報を関連付けてもよい。例えば、プレイリスト作成部6は、人の動きが検知された時間帯に撮像されたストリームファイル、停電が発生した時間帯に撮像されたストリームファイル、及び/又は、所定のセンサーが作動した時間帯に撮像されたストリームファイルを再生するためのプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストファイルに制限情報を関連付けてもよい。
【0090】
また、プレイリスト作成部6は、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報(例えばユーザID)に対応するプレイリストファイルを作成してもよい。例えば、ユーザ識別情報がユーザインターフェース9によって入力されると、プレイリスト作成部6は、当該ユーザ識別情報に対応するプレイリストファイルを作成し、当該プレイリストに制限情報を関連付ける。この場合、再生制御プログラムは、ユーザ識別情報に対応するプレイリストファイルに対する再生制限をユーザ識別情報と制限情報とに基づいて解除し、再生制限が解除されたプレイリストファイルに従ってストリームファイルを再生する。このように、特定のユーザに対して専用のプレイリストファイルを作成してもよい。また、ストリームファイルのカテゴリを示すカテゴリ識別情報(例えばカテゴリID)が映像データのメタデータに含まれている場合、プレイリスト作成部6は、メタデータ解析部3からカテゴリ識別情報を受けて、カテゴリ識別情報に対応するプレイリストファイルを作成してもよい。
【0091】
また、本実施形態に係る映像データ処理装置1を、ビルのオーナーの顧客情報データベースや、貸しホール等の貸し出しデータベース等に連動させてもよい。例えば、特定の顧客(ユーザ)に対して再生を許可するチャンネルを示すチャンネル情報と再生を許可する時間を示す時間情報とを、特定の顧客を識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、顧客情報データベースや貸し出しデータベース等に予め記憶させておく。すなわち、制限情報を用いて再生が許可される範囲を示す再生条件情報とユーザ識別情報とを関連付けてデータベースに予め記憶させておく。顧客情報データベースや貸し出しデータベース等と、映像データ処理装置1とは、例えばネットワーク等の通信経路によって接続されている。なお、顧客情報データベースや貸し出しデータベース等が記憶手段の一例に相当する。
【0092】
そして、ビルのオーナー等がユーザインターフェース9を用いて、特定の顧客を識別するためのユーザ識別情報を入力すると、プレイリスト作成部6は、入力されたユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報(チャンネル情報及び時間情報)を、顧客情報データベースや貸し出しデータベース等から取得する。プレイリスト作成部6は、ユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報(チャンネル情報及び時間情報)に合致するストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、プレイリストファイルと制限情報とを関連付ける。
【0093】
以上のように、ユーザ識別情報に関連付けられた再生条件情報(チャネル情報及び時間情報)をデータベースから取得してプレイリストファイルを作成することで、ユーザによる再生条件情報の入力の手間を省くことができ、また、ユーザによる再生条件情報の誤入力を防ぐことができる。
【0094】
また、上述した実施形態、変形例1及び変形例2では、プレイリストファイルごとに制限情報を関連付ける例について説明したが、映像データに含まれるすべてのストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、再生制御プログラムによって、視聴権限に応じて再生禁止区間をスキップ、非表示(画面マスク)又は再生停止等の処理を実行してもよい。
【0095】
例えば、プレイリスト作成部6は、映像データに含まれるすべてのストリームファイルの再生順序を規定するプレイリストファイルを作成し、すべてのストリームファイルのうち、再生条件情報(時間情報及びチャンネル情報)によって特定される再生区間に制限情報を関連付ける。例えば、再生区間として時間帯(日付、曜日、時刻)が指定された場合、プレイリスト作成部6は、指定された再生区間(時間帯)に対応するストリームファイルの再生を制限するための制限情報を、指定された再生区間に関連付ける。複数の再生区間が指定され、当該複数の再生区間のそれぞれに対する制限情報が入力された場合、プレイリスト作成部6は、再生区間ごとに制限情報を関連付ける。
【0096】
プログラム作成部7は、再生装置30にて入力された制限情報に基づいてストリームファイルに対する再生制限を再生区間ごとに解除して再生区間に対応するストリームファイルを再生するための再生制限プログラムを作成する。この再生制御プログラムは、再生装置30にて入力された制限情報と再生区間に関連付けられている制限情報とを照合し、再生装置30にて入力された制限情報が関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルを再生するためのプログラムである。
【0097】
そして、再生装置30にて再生制御プログラムが実行され、制限情報が再生装置30に入力されると、入力された制限情報に関連付けられている再生区間に対応するストリームファイルが再生される。このとき、当該再生区間以外の区間(再生禁止区間)に対応するストリームファイルはスキップされて再生されない。また、再生制御プログラムによって、表示装置の画面にマスクを設けることで再生禁止区間に対応するストリームファイルを非表示にしたり、再生禁止区間に対応するストリームファイルの再生を停止したりしてもよい。
【0098】
以上のように、ストリームファイルのうち再生区間ごとに制限情報を関連付けることで、ストリームファイルの再生を再生区間ごとに個別に制限することができる。例えば、再生が許可された時間及びチャンネルを制限することができ、また、再生が許可される時間及びチャンネルを制限情報に応じて変えることができる。
【0099】
また、プレイリスト作成部6は、特定のユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、当該ユーザ識別情報に関連付けられている再生条件情報(チャンネル情報及び時間情報)を、顧客情報データベースや貸し出しデータベース等から取得し、当該再生条件情報によって特定される再生区間に制限情報を関連付けてもよい。このように、ユーザ識別情報に関連付けられた再生条件情報をデータベースから取得して再生区間に制限情報を関連付けることで、ユーザによる再生条件情報の入力の手間が省け、また、ユーザによる再生条件情報の誤入力を防ぐことができる。
【0100】
(ハードウェア構成)
上述した映像データ処理装置1は図示しないCPU等のプロセッサを備えている。プロセッサは、図示しないメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、エンコーダ2、メタデータ解析部3、プレイリスト作成部6、プログラム作成部7及び書き込み部8のそれぞれの機能を実現する。上記プログラムは、CDやDVDやBlu−rayディスク等の可搬性記録媒体を介して又はネットワーク等の通信経路を介してハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置に記憶される。なお、上記プログラムはハードディスクドライブ等の記憶装置に予め記憶されていてもよい。ハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されたプログラムがRAM等のメモリに読み出されてCPU等のプロセッサによって実行されることにより、エンコーダ2、メタデータ解析部3、プレイリスト作成部6、プログラム作成部7及び書き込み部8のそれぞれの機能が実現される。
【符号の説明】
【0101】
1 映像データ処理装置、2 エンコーダ、3 メタデータ解析部、4 パスワード入力部、5 再生条件入力部、6 プレイリスト作成部、7 プログラム作成部、8 書き込み部、9 ユーザインターフェース、20 可搬性記録媒体、30 再生装置、31 CPU、40 映像サーバ。
図1
図2
図3
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図7
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図10
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図12