【実施例】
【0042】
以下に試験例、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例、実施例に何ら限定されるものではない。
【0043】
(試験例1:焙煎条件の検討)
乾燥酵母細胞壁含有組成物として、乾燥酵母である「Yeastock HG−DY」(Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))を35kg用い、IH釜(ハイブリッド加熱攪拌機、株式会社カジワラ製)を使用して、乾燥状態のまま、攪拌速度を20回転/分間、下記表1に記載の温度(品温)及び時間で焙煎した。
前記焙煎した焙煎乾燥酵母の焙煎状態について、パネラー10名により以下の基準で評価し、最も多かった評価結果を採用した。結果を表1に示す。
−焙煎状態の評価基準−
◎:粉末の色が茶褐色であり、非常に強いロースト香及びナッツ香を有する。
○:粉末の色が茶褐色であり、ロースト香及びナッツ香を有する。
△:粉末の色が濃い茶褐色又は薄い茶褐色であり、ロースト香及びナッツ香を有するが、それらの香りが弱い。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から、試験例1−1から1−24の焙煎乾燥酵母は、いずれも茶褐色の粉末であり、ロースト香及びナッツ香を有することが分かった。また、焙煎の条件は、150℃〜160℃で、10分間前後が好ましいことが分かった。
【0046】
(試験例2)
乾燥酵母細胞壁含有組成物として、乾燥酵母である「Yeastock HG−DY」(Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))を35kg用い、IH釜(ハイブリッド加熱攪拌機、株式会社カジワラ製)を使用して、乾燥状態のまま、攪拌速度を20回転/分間、温度(品温)155℃で10分間加熱し、焙煎した。
焙煎前後の乾燥酵母について、色差計(Color meter ZE6000,日本電色工業株式会社製)で測定した結果を表2に示す。また、焙煎前後の乾燥酵母を撮影した結果を
図1及び
図2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2の結果からも焙煎後の乾燥酵母の色が茶褐色であることが示された。
【0049】
(実施例1−1)
乾燥酵母細胞壁含有組成物として、乾燥酵母である「Yeastock HG−DY」(Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))を35kg用い、IH釜(ハイブリッド加熱攪拌機、株式会社カジワラ製)を使用して、乾燥状態のまま、攪拌速度を20回転/分間、温度(品温)155℃で10分間加熱し、焙煎した。
得られた焙煎乾燥酵母の香りと味について、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表3に示す。
−香り−
+2:ゴマ様の香気がある。
+1:ゴマ様の香気がややある。
±0:ゴマ様の香気があるともないともいえない。
−1:どちらかといえばゴマ様の香気がない。
−2:ゴマ様の香気が全くない。
−味−
+2:ゴマ様の味がある。
+1:ゴマ様の味がややある。
±0:ゴマ様の味があるともないともいえない。
−1:どちらかといえばゴマ様の味がない。
−2:ゴマ様の味が全くない。
【0050】
(実施例1−2)
実施例1−1において、乾燥酵母を「乾燥酵母Y2A」(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、実施例1−1と同様にして焙煎乾燥酵母を得た。
得られた焙煎乾燥酵母の香りと味について、実施例1−1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0051】
(実施例1−3)
実施例1−1において、乾燥酵母をトルラ酵母(
Candida utilis)に代えた以外は、実施例1−1と同様にして焙煎乾燥酵母を得た。
得られた焙煎乾燥酵母の香りと味について、実施例1−1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
表3の結果から、実施例1−1から1−3の焙煎乾燥酵母は、ゴマ様の香り及び味を有していることが分かった。
また、実施例1−1の焙煎乾燥酵母は、実施例1−1から1−3の焙煎乾燥酵母の中で、最も香ばしい匂いを有しており、味は、少し酸味があるが、嫌味が無い味であり、クセもなかった。実施例1−2の焙煎乾燥酵母は、香ばしい匂いはあるが、発酵臭のような匂いもあり、味は、ホップの風味が残っているためか、苦味があった。実施例1−3の焙煎乾燥酵母は、香ばしい匂いとココナッツの様な甘い香りがあった。
したがって、総合的な風味のバランスを考慮すると、実施例1−1の焙煎乾燥酵母が最も好ましいことが分かった。
【0054】
(試験例3)
実施例1−1で製造した焙煎乾燥酵母と、ペースト状の酵母エキス(Yeastock HG−Ps、Alletech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))とを表4に記載の配合比率(質量比)で混合し、調味料を得た。
前記調味料について、パネラー10名により以下の基準で評価し、最も多かった評価結果を採用した。結果を表4に示す。
−調味料の評価基準−
◎:ゴマ様の香気及び味を強く有する。
○:ゴマ様の香気及び味を有するが、他の香気及び味も若干有する。
△:どちらかといえばゴマ様の香気及び味を有する。
【0055】
【表4】
【0056】
表4の結果から、焙煎乾燥酵母と、酵母エキスとを用いて調味料とすると、ゴマ様の香気が得られることが分かった。
【0057】
(試験例4−1−1)
実施例1−1で得られた焙煎乾燥酵母と、ペースト状の酵母エキス(Yeastock HG−Ps、Alletech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))とを質量比1:2で混合し、調味料を得た。
得られた調味料の風味について、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表5−1に示す。
−風味−
+2:ゴマ様の香気及び味がある。
+1:ゴマ様の香気及び味がややある。
±0:ゴマ様の香気及び味があるともないともいえない。
−1:どちらかといえばゴマ様の香気及び味がない。
−2:ゴマ様の香気及び味が全くない。
【0058】
(試験例4−1−2)
試験例4−1−1において、ペースト状の酵母エキスをミーストN(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、試験例4−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−1に示す。
【0059】
(試験例4−1−3)
試験例4−1−1において、ペースト状の酵母エキスをアロマイルドペースト(株式会社興人製、トルラ酵母(
Candida utilis))に代えた以外は、試験例4−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−1に示す。
【0060】
(試験例4−1−4)
試験例4−1−1において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−1に示す。
【0061】
(試験例4−1−5)
試験例4−1−2において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−1−2と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−1に示す。
【0062】
(試験例4−1−6)
試験例4−1−3において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−1−3と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−1に示す。
【0063】
【表5-1】
【0064】
表5−1の結果から、乾燥酵母を焙煎した試験例4−1−1〜4−1−3の調味料は、ゴマ様の香気及び味を有していることが分かった。一方、乾燥酵母を焙煎していない試験例4−1−4〜4−1−6の調味料では、ゴマ様の香気及び味がないことが分かった。
また、試験例4−1−1の調味料は、少し酸味があるものの、クセがなく、香ばしい風味が阻害されていないように感じられ、また旨味があった。試験例4−1−2の調味料は、香ばしい風味はあるが、苦味、雑味があり、少しクセがあり、また、旨味が少し弱かった。試験例4−1−3の調味料は、旨味が強く、香ばしい風味があるが、エグ味が気になった。
【0065】
(試験例4−2−1)
試験例4−1−1において、焙煎乾燥酵母を実施例1−2で得られた焙煎乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0066】
(試験例4−2−2)
試験例4−2−1において、ペースト状の酵母エキスをミーストN(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、試験例4−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0067】
(試験例4−2−3)
試験例4−2−1において、ペースト状の酵母エキスをアロマイルドペースト(株式会社興人製、トルラ酵母(
Candida utilis))に代えた以外は、試験例4−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0068】
(試験例4−2−4)
試験例4−2−1において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0069】
(試験例4−2−5)
試験例4−2−2において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−2−2と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0070】
(試験例4−2−6)
試験例4−2−3において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−2−3と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−2に示す。
【0071】
【表5-2】
【0072】
表5−2の結果から、乾燥酵母を焙煎した試験例4−2−1〜4−2−3の調味料は、ゴマ様の香気及び味を有していることが分かった。一方、乾燥酵母を焙煎していない試験例4−2−4〜4−2−6の調味料では、ゴマ様の香気及び味がないことが分かった。
また、試験例4−2−1の調味料は、香ばしい風味が少し弱く、少し苦味が感じられ、少し酸味があったが、旨味を有していた。試験例4−2−2の調味料は、苦味、雑味が少し気になり、旨味が弱く感じられ、香ばしい風味が弱く感じられた。試験例4−2−3の調味料は、旨味はあるが、苦味とエグ味があり、香ばしい風味が少し弱かった。
【0073】
(試験例4−3−1)
試験例4−1−1において、焙煎乾燥酵母を実施例1−3で得られた焙煎乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0074】
(試験例4−3−2)
試験例4−3−1において、ペースト状の酵母エキスをミーストN(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、試験例4−3−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0075】
(試験例4−3−3)
試験例4−3−1において、ペースト状の酵母エキスをアロマイルドペースト(株式会社興人製、トルラ酵母(
Candida utilis))に代えた以外は、試験例4−3−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0076】
(試験例4−3−4)
試験例4−3−1において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−3−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0077】
(試験例4−3−5)
試験例4−3−2において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−3−2と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0078】
(試験例4−3−6)
試験例4−3−3において、焙煎乾燥酵母を焙煎前の乾燥酵母に代えた以外は、試験例4−3−3と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表5−3に示す。
【0079】
【表5-3】
【0080】
表5−3の結果から、乾燥酵母を焙煎した試験例4−3−1〜4−3−3の調味料は、ゴマ様の香気及び味を有していることが分かった。一方、乾燥酵母を焙煎していない試験例4−3−4〜4−3−6の調味料では、ゴマ様の香気及び味がないことが分かった。
また、試験例4−3−1の調味料は、少し苦味が感じられ、少し酸味があったが、香ばしい風味があり、旨味を有していた。試験例4−3−2の調味料は、香ばしい風味はあるが、苦味、雑味があり、少しクセがあり、旨味が少し弱かった。試験例4−3−3の調味料は、旨味は強く、香ばしい風味はあるが、苦味とエグ味が気になった。
【0081】
試験例4−1−1〜4−3−6の結果から、焙煎していない乾燥酵母を用いた調味料では、ゴマ様の香気及び味がなく、乾燥酵母は、焙煎することが必要であることが分かった。
また、ゴマ様の香気及び味を有することが分かった調味料の中でも、焙煎乾燥酵母としてYeastock HG−DYを用い、酵母エキスとしてYeastock HG−Psとを組み合わせた調味料が、総合的な風味のバランスの点で優れていることがわかった。
【0082】
(実施例2)
以下の各成分を混合し、調味料を製造した。本実施例で得られた調味料も良好なゴマ様の風味を有していた。
〔配合割合〕
・ 焙煎乾燥酵母(実施例1−1で得られた焙煎乾燥酵母) 35質量%
・ Yeastock HG−Ps 40質量%
(酵母エキス、Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))
・ スーパーミーストAP−196 15質量%
(酵母エキス、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae)、トルラ酵母(
Candida utilis))
・ Yeastock S−Ps 10質量%
(酵母エキス、Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))
【0083】
(実施例3)
表6に示した各材料を混合したドレッシングに、実施例2で得られた調味料を0.3容量%添加し、焙煎乾燥酵母(焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物)を含有するドレッシングを得た。
また、比較対照として、焙煎乾燥酵母を含有する調味料を用いず、ねりごまの配合割合を10.0容量%とし、水の配合割合を21.0容量%とした焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングを得た。
前記焙煎乾燥酵母を含有するドレッシングについて、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表7に示す。
−ドレッシングの官能評価:香り−
+2:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが非常に良い。
+1:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りがやや良い。
±0:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが同等である。
−1:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りがやや悪い。
−2:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが非常に悪い。
−ドレッシングの官能評価:味−
+2:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が非常に良い。
+1:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味がやや良い。
±0:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が同等である。
−1:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味がやや悪い。
−2:焙煎乾燥酵母不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が非常に悪い。
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
表7の結果から、実施例2で得られた調味料は、ゴマの風味を増強できることも分かった。
【0087】
(実施例4)
ピーナッツクリーム(ピーナッツクリーム、ソントン食品工業株式会社製)に、実施例2で得られた調味料を0.3容量%添加し、焙煎乾燥酵母(焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物)を含有するピーナッツクリームを得た。
比較対照を実施例2で得られた調味料を添加する前のピーナッツクリームとし、前記焙煎乾燥酵母を含有するピーナッツクリームについて、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表8に示す。
−ピーナッツクリームの官能評価:香り−
+2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが非常に良い。
+1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りがやや良い。
±0:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが同等である。
−1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りがやや悪い。
−2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが非常に悪い。
−ピーナッツクリームの官能評価:味−
+2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が非常に良い。
+1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味がやや良い。
±0:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が同等である。
−1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味がやや悪い。
−2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が非常に悪い。
【0088】
【表8】
【0089】
表8の結果から、実施例2で得られた調味料は、ピーナッツの風味を増強できることも分かった。
【0090】
(試験例5−1)
実施例1−1で得られた焙煎乾燥酵母「Yeastock HG−DY」の香気成分と、焙煎する前の乾燥酵母「Yeastock HG−DY」の香気成分との比較試験を行った。
対象の香気成分は、下記表9−1に記載の香気成分とした。これらの香気成分は、ゴマに含まれている香気成分で、ゴマの特徴的な香ばしい香りを構成する、ロースト香及びナッツ香において、比較的重要とされている成分である。
【0091】
【表9-1】
【0092】
<香気成分の分析>
前記香気成分の分析は、検量線法の1つである内部標準法により行った。
前記内部標準法とは、予め一定濃度に決めておいた内部標準物質と、検量線作成に使用する標準物質とを共に添加して、前記内部標準物質と前記標準物質との信号強度比(標準物質の信号強度/内部標準物質の信号強度)と、濃度との関係から検量線を作成し、次に、前記内部標準物質と、測定試料とを共に添加して、前記内部標準物質と前記測定試料との信号強度比(測定試料の信号強度/内部標準物質の信号強度)を測定し、前記検量線より、前記測定試料における目的物質の定量を行う方法である。
前記信号強度比(標準物質の信号強度/内部標準物質の信号強度、及び測定試料の信号強度/内部標準物質の信号強度)を、内部標準比という。
【0093】
−揮発成分の抽出−
試料として、実施例1−1で得られた焙煎乾燥酵母「Yeastock HG−DY」、又は焙煎前の乾燥酵母300gを用い、前記試料に、内部標準物質として、cis−3−heptenolを100ppmの濃度で含有するエタノール(残留農薬試験用、5,000倍濃縮試験品)溶液(以下、「内部標準溶液」と称することもある)を100μL添加した。前記内部標準溶液を添加した試料の揮発性画分と、不揮発性画分とをSAFE(Solvent−assisted flavor evaporation)装置(SFE濃縮器、桐山製作所社製)を用い、定法に従い分離した。
【0094】
前記揮発性画分にジクロロメタン(残留農薬試験用(5,000倍濃縮試験品))を100mL添加し、室温で60分間、20rpm〜300rpmで振とう(振とう器SA−31、ヤマト科学社製)し、揮発成分を抽出した。
前記揮発成分について、分液ロートによりジクロロメタンを回収し、次いで、無水硫酸ナトリウム(残留農薬試験用)を適量添加して脱水した後、窒素ブロー式エバポレーター(東京理化器械社製)により窒素パージして、約200μLまで濃縮したものをガスクロマトグラフ(GC)用少量バイアル瓶に入れ、後述するガスクロマトグラフ質量(GC−MS)分析に供した。
【0095】
−ガスクロマトグラフ質量分析−
以下の機器、条件で、ガスクロマトグラフ質量分析を行った。なお、前記試料中の目的化合物の定性は、前記目的化合物特有の保持時間及びフラグメントの強度から行った。結果を表9−2に示す。
・ 測定機器 : Agilent6890NGC−5973MSD、アジレント・テクノロジー株式会社製
・ カラム : DB−WAX(60m×0.25mmID×0.25μmF.T)、アジレント・テクノロジー株式会社製
・ 温度プログラム : 38℃(10分間保持)→3℃/分間で昇温→230℃(20分間保持)→5℃/分間で昇温→245℃(5分間保持)
・ 注入口温度 : 230℃
・ 注入量 : 1μL
・ モード : パルスドスプリットレス(パルス圧250KPa、1.01mまで)
・ キャリアガス : He、1.0mL/分間
・ イオン源温度 : 230℃
・ 四重極温度 : 150℃
・ イオン化法 : EI、70eV
【0096】
【表9-2】
※ 表9−2中、焙煎前、及び焙煎後の数値は、内部標準比である。
【0097】
表9−2の結果から、乾燥酵母(乾燥酵母細胞壁含有組成物)を焙煎することで、ゴマに含まれる香気成分が増加し、ゴマ様の香気を発することが明らかとなった。そのため、上述の試験例及び実施例において、ゴマの風味付与及びゴマの風味増強効果が得られたと考えられる。
また、前記焙煎乾燥酵母は、ロースト香に加えて、ナッツ香も増加していた。そのため、上述の実施例4において、ナッツ風味増強効果が得られたと考えられる。
【0098】
(試験例5−2)
試料として、実施例1−1で得られた焙煎乾燥酵母と、実施例2で得られた調味料とを用い、前記試験例5−1と同様にして、香気成分の分析を行い、前記実施例2で得られた調味料の香気における焙煎乾燥酵母の影響を分析した。結果を表9−3に示す。
【0099】
【表9-3】
※ 表9−3中、実施例2の調味料中に含まれる実施例1−1の焙煎乾燥酵母、及び実施例2の調味料の数値は、内部標準比である。
※ 実施例2の調味料の測定は、実施例1−1の焙煎乾燥酵母の固形分を合わせて行った。
【0100】
表9−3の結果から、前記実施例2で得られた調味料の香気には、焙煎乾燥酵母(焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物)が大きく影響していることが明らかとなった。
【0101】
(試験例6:焙煎条件の検討)
<乾燥酵母細胞壁含有組成物1の製造>
培養したパン酵母(Alltech Serbia a.d. Senta社製)を
遠心分離機で洗浄し、不純物を除去した。次いで、熱水抽出により、エキス分を抽出し、残った残渣をスプレードライにより乾燥し(乾燥条件:180℃〜210℃の熱風)、水分含量が5質量%の乾燥酵母細胞壁含有組成物1(乾燥酵母細胞壁)を得た。
【0102】
<乾燥酵母細胞壁含有組成物2の製造>
醸造したビール酵母(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を遠心分離機で洗浄し、不純物を除去した。次いで、自己消化乃至酵素分解により、エキス分を抽出し、残った残渣をドラムドライにより乾燥し(乾燥条件:165℃の蒸気)、水分含量が5質量%の乾燥酵母細胞壁含有組成物2(乾燥酵母細胞壁)を得た。
【0103】
<焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物の製造>
乾燥酵母細胞壁含有組成物として、前記乾燥酵母細胞壁含有組成物1又は2を35kg用い、IH釜(ハイブリッド加熱攪拌機、株式会社カジワラ製)を使用して、乾燥状態のまま、攪拌速度を20回転/分間、下記表10に記載の温度(品温)及び時間で焙煎した。
前記焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物の焙煎状態について、パネラー10名により以下の基準で評価し、最も多かった評価結果を採用した。結果を表10に示す。
−焙煎状態の評価基準−
◎:粉末の色が茶褐色であり、非常に強いロースト香及びナッツ香を有する。
○:粉末の色が茶褐色であり、ロースト香及びナッツ香を有する。
△:粉末の色が濃い茶褐色又は薄い茶褐色であり、ロースト香及びナッツ香を有するが、それらの香りが弱い。
【0104】
【表10】
【0105】
表10の結果から、乾燥酵母細胞壁含有組成物1及び2のいずれを用いた場合でも、焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物は、いずれも茶褐色の粉末であり、ロースト香及びナッツ香を有することが分かった。また、焙煎の条件は、150℃〜160℃で、10分間前後が好ましいことが分かった。
なお、乾燥酵母細胞壁含有組成物2を用いた場合には、発酵臭のような香気と、苦味も感じられた。
【0106】
(実施例5−1)
乾燥酵母細胞壁含有組成物として、前記試験例6で製造した乾燥酵母細胞壁含有組成物1を35kg用い、IH釜(ハイブリッド加熱攪拌機、株式会社カジワラ製)を使用して、乾燥状態のまま、攪拌速度を20回転/分間、温度(品温)155℃で10分間加熱し、焙煎した。
得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物の香りと味について、パネラーを8名とした以外は実施例1−1と同様にして評価した。結果を表11に示す。
【0107】
(実施例5−2)
【0108】
実施例5−1において、乾燥酵母細胞壁含有組成物1を前記試験例6で製造した乾燥酵母細胞壁含有組成物2に代えた以外は、実施例5−1と同様にして焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を得た。
得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物の香りと味について、パネラーを8名とした以外は実施例1−1と同様にして評価した。結果を表11に示す。
【0109】
【表11】
【0110】
表11の結果から、実施例5−1及び5−2の焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物は、ゴマ様の香り及び味を有していることが分かった。
前記実施例5−1の焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物は、香ばしい匂いが出ており、また、旨みなどの味がなく、クセがないものであり、また、香ばしい味のみがした。
前記実施例5−2の焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物は、香ばしい匂いはあるが、発酵臭のような匂いがあり、また、ホップの風味が残っているためか、苦味も感じられた。
したがって、前記実施例5−2の焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物よりも、前記実施例5−1の焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物のほうが好ましいことが分かった。
【0111】
(試験例7)
実施例5−1で製造した焙煎乾燥酵母と、ペースト状の酵母エキス(Yeastock HG−Ps、Alletech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))とを表12に記載の配合比率(質量比)で混合し、調味料を得た。
前記調味料について、試験例3と同様にして評価した。結果を表12に示す。
【0112】
【表12】
【0113】
表12の結果から、焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物と、酵母エキスとを用いて調味料とすると、ゴマ様の香気が得られることが分かった。
【0114】
(試験例8−1−1)
実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物と、ペースト状の酵母エキス(Yeastock HG−Ps、Alletech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))とを質量比1:2で混合し、調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0115】
(試験例8−1−2)
試験例8−1−1において、ペースト状の酵母エキスをミーストN(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、試験例8−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0116】
(試験例8−1−3)
試験例8−1−1において、ペースト状の酵母エキスをアロマイルドペースト(株式会社興人製、トルラ酵母(
Candida utilis))に代えた以外は、試験例8−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0117】
(試験例8−1−4)
試験例8−1−1において、実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0118】
(試験例8−1−5)
試験例8−1−2において、実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−1−2と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0119】
(試験例8−1−6)
試験例8−1−3において、実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−1−3と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−1に示す。
【0120】
【表13-1】
【0121】
表13−1の結果から、乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎した試験例8−1−1〜8−1−3の調味料は、ゴマ様の香気及び味を有していることが分かった。一方、乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎していない試験例8−1−4〜8−1−6の調味料では、ゴマ様の香気及び味がないことが分かった。
また、試験例8−1−1の調味料は、クセがなく、香ばしい風味が阻害されていないように感じられ、また旨味があった。試験例8−1−2の調味料は、香ばしい風味はあるが、苦味、雑味があり、少しクセがあり、また、旨味が少し弱かった。試験例8−1−3の調味料は、旨味が強く、香ばしい風味があるが、エグ味が少し気になった。
【0122】
(試験例8−2−1)
試験例8−1−1において、焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を実施例5−2で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−1−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0123】
(試験例8−2−2)
試験例8−2−1において、ペースト状の酵母エキスをミーストN(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、ビール酵母(
Saccharomyces cerevisiae))に代えた以外は、試験例8−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0124】
(試験例8−2−3)
試験例8−2−1において、ペースト状の酵母エキスをアロマイルドペースト(株式会社興人製、トルラ酵母(
Candida utilis))に代えた以外は、試験例8−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0125】
(試験例8−2−4)
試験例8−2−1において、実施例5−2で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−2−1と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0126】
(試験例8−2−5)
試験例8−2−2において、実施例5−2で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−2−2と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0127】
(試験例8−2−6)
試験例8−2−3において、実施例5−2で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎前の乾燥酵母細胞壁含有組成物に代えた以外は、試験例8−2−3と同様にして調味料を得た。
得られた調味料の風味について、パネラーを9名とした以外は試験例4−1−1と同様にして評価した。結果を表13−2に示す。
【0128】
【表13-2】
【0129】
表13−2の結果から、乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎した試験例8−2−1〜8−2−3の調味料は、ゴマ様の香気及び味を有していることが分かった。一方、乾燥酵母細胞壁含有組成物を焙煎していない試験例8−2−4〜8−2−6の調味料では、ゴマ様の香気及び味がないことが分かった。
また、試験例8−2−1の調味料は、香ばしい風味が弱く、発酵臭及び苦味が感じられたが、旨みも感じられた。試験例8−2−2の調味料は、発酵臭、苦味、及び雑味が気になり、旨みが弱く、香ばしい風味も弱かった。試験例8−2−3の調味料は、旨みはあるが、発酵臭と、苦味、及びエグ味があり、香ばしい風味が弱かった。
【0130】
上記試験例8−1−1〜8−2−6の結果から、焙煎していない乾燥酵母細胞壁含有組成物を用いた調味料では、ゴマ様の香気及び味がなく、乾燥酵母細胞壁含有組成物は、焙煎することが必要であることが分かった。
また、総合的な風味のバランスを考慮すると、実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物と、ペースト状の酵母エキスであるYeastock HG−Psとの組合せが好ましいことがわかった。
【0131】
(実施例6)
以下の各成分を混合し、調味料を製造した。本実施例で得られた調味料も良好なゴマ様の風味を有していた。
〔配合割合〕
・ 焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物 35質量%
(実施例5−1で得られた焙煎した乾燥酵母細胞壁含有組成物)
・ Yeastock HG−Ps 40質量%
(酵母エキス、Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))
・ スーパーミーストAP−196 15質量%
(酵母エキス、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae)、トルラ酵母(
Candida utilis))
・ Yeastock S−Ps 10質量%
(酵母エキス、Alltech Serbia a.d. Senta社製、パン酵母(
Saccharomyces cerevisiae))
【0132】
(実施例7)
前記実施例3における表6に示した各材料を混合したドレッシングに、前記実施例6で得られた調味料を0.3容量%添加し、焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物を含有するドレッシングを得た。
また、比較対照として、焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物を含有する調味料を用いず、ねりごまの配合割合を10.0容量%とし、水の配合割合を21.0容量%とした焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングを得た。
前記焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物を含有するドレッシングについて、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表14に示す。
−ドレッシングの官能評価:香り−
+2:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが非常に良い。
+1:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りがやや良い。
±0:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが同等である。
−1:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りがやや悪い。
−2:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの香りが非常に悪い。
−ドレッシングの官能評価:味−
+2:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が非常に良い。
+1:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味がやや良い。
±0:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が同等である。
−1:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味がやや悪い。
−2:焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物不含有のドレッシングに比べて、ゴマの味が非常に悪い。
【0133】
【表14】
【0134】
表14の結果から、実施例6で得られた調味料は、ゴマの風味を増強できることも分かった。
【0135】
(実施例8)
ピーナッツクリーム(ピーナッツクリーム、ソントン食品工業株式会社製)に、前記実施例6で得られた調味料を0.3容量%添加し、焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物を含有するピーナッツクリームを得た。
比較対照を実施例6で得られた調味料を添加する前のピーナッツクリームとし、前記焙煎乾燥酵母細胞壁含有組成物を含む組成物を含有するピーナッツクリームについて、10名のパネラーによって、以下の基準により評価した。結果を表15に示す。
−ピーナッツクリームの官能評価:香り−
+2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが非常に良い。
+1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りがやや良い。
±0:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが同等である。
−1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りがやや悪い。
−2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの香りが非常に悪い。
−ピーナッツクリームの官能評価:味−
+2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が非常に良い。
+1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味がやや良い。
±0:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が同等である。
−1:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味がやや悪い。
−2:調味料未添加のピーナッツクリームに比べて、ピーナッツの味が非常に悪い。
【0136】
【表15】
【0137】
表15の結果から、実施例6で得られた調味料は、ピーナッツの風味を増強できることも分かった。