(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型バックライトユニット110は、一般的には
図5に示すように、液晶表示部の最裏面に位置する天板116、この天板116の表面に配設される反射シート115、この反射シート115の表面に配設されるライトガイドプレート111、及びこのライトガイドプレート111の端面に向けて光を照射する光源117を備えている(特開2010―177130号公報参照)。この
図5のエッジライト型バックライトユニット110にあっては、光源117が照射しライトガイドプレート111に入射した光は、ライトガイドプレート111内を伝搬する。この伝搬する光の一部は、ライトガイドプレート111の裏面から出射し反射シート115で反射され、再度ライトガイドプレート111に入射される。
【0003】
このような液晶表示部を備える携帯型コンピュータは、その携帯性、利便性を高めるために薄型化及び軽量化が求められ、これに伴い液晶表示部も薄型化が求められている。特に、ウルトラブック(登録商標)と呼ばれる筐体の最厚部が21mm以下である超薄型の携帯型コンピュータにあっては、液晶表示部の厚みは4mmから5mmほどであることが望まれ、液晶表示部に組み込まれるエッジライト型バックライトユニットにはより一層の薄型化が求められている。
【0004】
このような超薄型の携帯型コンピュータのエッジライト型バックライトユニット210にあっては、
図5に示すようなライトガイドプレート111の裏面に配設される反射シート115を有するものの他、
図6に示すように、
図5のような反射シート115を用いないことによって薄型化を図ったものも提案されている。この
図6に示すエッジライト型バックライトユニット210は、金属製の天板216と、この天板216の表面に積層されるライトガイドプレート211と、このライトガイドプレート211の端面に向けて光を照射する光源217とを備え、天板216の表面は研磨されて反射面216aとしての機能を有している。そして、光源217が出射しライトガイドプレート211に入射した光は、ライトガイドプレート211内で伝搬し、この伝搬する光の一部は、ライトガイドプレート211の裏面から出射し天板216の表面の反射面216aで反射され、再度ライトガイドプレート211に入射される。このように
図6に示すエッジライト型バックライトユニット210は、天板216の表面が反射面216aであるので、この反射面216aが
図5の反射シート115の代わりとなる。それゆえ、エッジライト型バックライトユニット210は、反射シート115が不要となり、液晶表示部の薄型化が図られている。
【0005】
このような超薄型の携帯型コンピュータのエッジライト型バックライトユニットにあっては、液晶表示部の厚みが上記程度とされることから、ライトガイドフィルムの平均厚みとしては600μm以下であることが求められている。
【0006】
一方、従来のライトガイドフィルムは、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂等を主成分として射出成形法によって製造されている。しかしながら、かかる従来の射出成形法によると、ラップトップコンピュータ等のような大画面に対応する薄型のライトガイドフィルムを製造するのが極めて困難であった。
【0007】
また、上記従来の樹脂を用いて押出成形法によってライトガイドフィルムを製造することも考えられるが、この場合、シート成形時における白濁の発生、耐擦傷性の不足による傷付き、寸法安定性の不足によるモアレの発生等によって輝度が低下するという問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ラップトップコンピュータのような大画面化にも対応可能であると共に、薄型化を促進し、かつ輝度の低下を防止することができるライトガイドフィルムを提供することである。また、本発明の別の目的は、輝度ムラが抑制され、かつ薄型化が図られる超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るライトガイドフィルムは、
端面から入射する光線を表面から略均一に出射する平均厚み600μm以下の超薄型液晶バックライトユニット用ライトガイドフィルムであって、
主成分の芳香族ポリカーボネート系樹脂と、この芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.1質量部以下の割合で含有される酸化防止剤とを含み、
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量が2.0×10
4以上5.0×10
4以下であり、
ゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、1.0以上2.5以下であり、
押出成形法によって成形されることを特徴とする。
【0011】
当該ライトガイドフィルムは、芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量、及びゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記範囲とされていることによって、押出成形性を向上させつつ、成形後の光線透過率及び機械的強度を共に高めることができる。従って、当該ライトガイドフィルムは、平均厚みを上記範囲とすると共に、大画面化にも対応することができる。また、当該ライトガイドフィルムは、酸化防止剤を上記割合で含有することによって、成形時の黄変を防ぎ、輝度の低下を防止することができる。さらに、当該ライトガイドフィルムは、主成分が芳香族ポリカーボネート系樹脂であるため、アクリル系樹脂に比べて吸水性が少なく、寸法安定性が向上される。
【0012】
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)が15cm
3/10min以上80cm
3/10min以下であるとよい。これにより、押出成形性を向上させることができる。
【0013】
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が0.5mol%以上1.5mol%以下であるとよい。これにより、溶融張力の低下を防止して押出成形性を向上させることができると共に、成形後の透明性を高め、光線透過率を向上させることができる。
【0014】
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3質量部以下の割合で含有される重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含むとよい。これにより、光線透過率を向上することができる。
【0015】
当該ライトガイドフィルムは、波長300nmにおける分光光線透過率が65%以上であるとよい。これにより、導光性を高め、輝度を向上することができる。
【0016】
当該ライトガイドフィルムは、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下の割合で含有される熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含むとよい。これにより、分光光線透過率を向上させることができる。
【0017】
当該ライトガイドフィルムは、裏面側に拡散パターンを有するとよい。これにより、当該ライトガイドフィルムの表面から出射される光線の出射特性を調整し、面均一性を向上させることができる。
【0018】
当該ライトガイドフィルムは、上記拡散パターンが、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部からなるとよい。これにより、所望の拡散パターンを容易かつ確実に形成することができる。また、このような方法によって拡散パターンを形成する場合、当該ライトガイドフィルムの裏面に凸部等を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る超薄型液晶バックライトユニットは、表面が反射面に形成され液晶表示部の最裏面に位置する天板、この天板の表面に積層される上記構成からなる当該ライトガイドフィルム、及び上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源を備えている。
【0020】
当該超薄型液晶バックライトユニットは、押出成形性が高められると共に、光線透過率及び機械的強度が向上された当該ライトガイドフィルムを備えているので、薄型化を促進しつつ、大画面化にも対応することができる。また、当該超薄型液晶バックライトユニットは、従来のような反射シートを用いていないため、薄型化がさらに促進される。
【0021】
当該超薄型液晶バックライトユニットは、天板が金属製であり、反射面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以下であるとよい。当該超薄型液晶バックライトユニットは、天板が金属製であるので表面を研磨することで容易且つ確実に反射面を形成することができる。さらに、反射面の算術平均粗さが0.2μm以下であれば、当該ライトガイドフィルムの裏面から出射された光が反射面で正反射し易く、光の利用効率が高く、また反射面の表面が平坦となり反射面と接する当該ライトガイドフィルムの裏面を傷付け難い。
【0022】
また、上記課題を解決するためになされた本発明に係る超薄型液晶バックライトユニットは、液晶表示部の最裏面に位置する天板、この天板の表面に積層される反射シート、この反射シートの表面に積層される上記構成からなる当該ライトガイドフィルム、及び上記ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源を備えていてもよい。当該超薄型液晶バックライトユニットは、かかる構成によっても、光線透過率及び機械的強度が向上された当該ライトガイドフィルムを備えていることにより、薄型化を促進しつつ、大画面化にも対応することができる。
【0023】
さらに、上記課題を解決するためになされた本発明に係る携帯型コンピュータは、上記構成からなる当該超薄型液晶バックライトユニットを液晶表示部に備えている。
【0024】
当該携帯型コンピュータは、上述の構成を有する当該超薄型液晶バックライトユニットを備えているので、上述のような利点を有する。また、当該携帯型コンピュータは、天板表面が反射面として機能する場合は、従来のような反射シートが不要であり薄型化がさらに促進される。
【0025】
なお、「表面」とは、液晶表示部の表示面側を意味する。「裏面」とは、天板側を意味し、液晶表示部の表示面の反対側を意味する。「平均厚み」とは、JIS−K−7130に規定される5.1.2のA−2法により測定した値の平均値である。「重量平均分子量」(Mw)とは、テトラヒドロフラン(THF)を用いたゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値をいう。「メルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)」は、ISO1133に準拠した値である。「波長300nmにおける分光光線透過率」は、厚み400μmで測定した可視−UV分光スペクトルにおけるものである。「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B0601−1994に準じ、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmの値である。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明のライトガイドフィルムは、ラップトップコンピュータのような大画面化にも対応可能であると共に、薄型化を促進し、かつ輝度の低下を防止すことができる。また、本発明の超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータは、薄型化が促進され、かつ輝度の低下が防止される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0029】
[第一実施形態]
〈ラップトップコンピュータ1〉
図1のラップトップコンピュータ1は、操作部2と、この操作部2に回動可能(開閉可能)に連結された液晶表示部3とを有している。当該ラップトップコンピュータ1は、筐体(ラップトップコンピュータ1の構成部分を全体的に収容するケーシング)の厚み(最厚部(液晶表示部3の閉塞時))が21mm以下であり、いわゆるウルトラブック(登録商標)と呼ばれるものである(以下「超薄型コンピュータ1」ということがある)。
【0030】
当該超薄型コンピュータ1の液晶表示部3は、液晶パネル4と、この液晶パネル4に向けて裏面側から光を照射するエッジライト型の超薄型液晶バックライトユニット11(以下「バックライトユニット11」ということがある)とを有している。この液晶パネル4は、筐体の液晶表示部用ケーシング6によって、裏面、側面、及び表面の周囲が保持されている。ここで、液晶表示部用ケーシング6は、液晶パネル4の裏面(及び背面)に配設される天板16と、液晶パネル4の表面の周囲の表面側に配設される表面支持部材7とを有している。なお、当該超薄型コンピュータ1の筐体は、液晶表示部用ケーシング6、及びこの液晶表示部用ケーシング6にヒンジ部8を介して回動可能に設けられ、中央演算処理装置(超低電圧CPU)等が内蔵される操作部用ケーシング9を有している。
【0031】
液晶表示部3の厚みは、筐体の厚みが所望範囲であれば特に限定されるものではないが、液晶表示部3の厚みの上限は、7mmであることが好ましく、6mmであることがより好ましく、5mmであることがさらに好ましい。一方、液晶表示部3の厚みの下限は、2mmであることが好ましく、3mmであることがより好ましく、4mmであることがさらに好ましい。液晶表示部3の厚みが上記上限を超えると、超薄型コンピュータ1の薄型化の要請に沿うことが困難となるおそれがある。また、液晶表示部3の厚みが上記下限未満であると、液晶表示部3の強度の低下や輝度低下等を招くおそれがある。
【0032】
〈バックライトユニット11〉
バックライトユニット11は、
図2に示すように、ライトガイドフィルム12と、ライトガイドフィルム12の裏面に配設される反射シート13と、反射シート13の裏面に配設される天板16と、ライトガイドフィルム12に光を照射する光源17とを有している。
【0033】
(ライトガイドフィルム12)
ライトガイドフィルム12は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム12は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム12の裏面には拡散パターン14が形成されている。
【0034】
ライトガイドフィルム12の平均厚みは、600μm以下である。ライトガイドフィルム12の平均厚みの上限は、550μmがより好ましく、400μmがさらに好ましい。一方、ライトガイドフィルム12の平均厚みの下限は、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。上記平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型コンピュータ1において望まれるバックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。また、上記平均厚みが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム12の強度が不十分となるおそれがあり、また、光源17の光をライトガイドフィルム12に十分に入射させることができないおそれがある。
【0035】
ライトガイドフィルム12は、光線を透過させる必要があるため、透明、特に無色透明に形成される。ライトガイドフィルム12は、ポリカーボネート系樹脂を主成分として形成されている。ライトガイドフィルム12は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とすることで、透明性を高め、光の損耗を少なくすることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性を有するので、光源17の発熱によって劣化等が生じ難い。さらに、ポリカーボネート系樹脂は、アクリル系樹脂に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。
【0036】
上記ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート系樹脂又は分岐ポリカーボネート系樹脂のいずれかのみであってもよく、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂との双方を含むポリカーボネート系樹脂であってもよい。上記ポリカーボネート系樹脂としては、透明性、耐衝撃性、難燃性、寸法安定性等に優れる芳香族ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0037】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されるものではなく、1種のみを用いてもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂は、一般式−(−O−X
1−O−C(=O)−)−(式中、X
1は、一般的には炭化水素であるが、所望の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたものであってもよい)で示される炭酸エステル結合を有する基本構造の重合体である。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂とは、炭酸エステル結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素であるポリカーボネート樹脂をいう。
【0038】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなる熱可塑性樹脂の芳香族ポリカーボネート重合体が挙げられる。また、上記ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させてもよい。さらに、カーボネート前駆体として二酸化炭素を用い、環状エーテルと反応させる方法を採用してもよい。なお、上記芳香族ポリカーボネート重合体は、1種の繰り返し単位のみからなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。かかる共重合体としては、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態から選択される。
【0039】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4' −ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4' −ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類等が挙げられる。
【0040】
なかでも、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましい。また、上記ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類のなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。なお、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。
【0042】
上記カルボニルハライドとしては、例えばホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
【0043】
上記カーボネートエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
【0044】
なお、上記カーボネート前駆体は、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等の公知の方法が挙げられる。
【0046】
また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造については、必要に応じて分岐剤が用いられてもよい。かかる分岐剤としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;α,α’,α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;フロログリシン,トリメリト酸,イサチンビス(o−クレゾール)等が挙げられる。
【0047】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率としては、特に限定されないが、0.5mol%以上1.5mol%以下が好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の上限は、1.3mol%がより好ましく、1.2mol%がさらに好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の下限は、0.7mol%がより好ましく、0.8mol%がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記上限を超える場合、耐衝撃性や透明性が低下すると共に、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記下限未満の場合、溶融張力が低下して難燃性が低下するおそれがある。
【0048】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2.0×10
4以上5.0×10
4以下とされている。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限は、4.8×10
4がより好ましく、4.6×10
4がさらに好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、2.2×10
4がより好ましく、2.4×10
4がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記上限を超える場合、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記下限未満の場合、機械的強度が低下するおそれがある。
【0049】
ゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)としては、1.0以上2.5以下とされている。上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の上限は、2.3がより好ましく、2.1がさらに好ましい。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の下限は、1.3がより好ましく、1.5がさらに好ましい。上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記下限未満の場合、成形性が低下するおそれがある。なお、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、カラムとしてPolymer Laboratories社製の「PLGel 5μ MIXED−C」を使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定することができる。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の調整は、重合の際に分子量調整剤の使用料、添加時期等を調整したり、反応時間や反応温度等の重合条件を調整したりすることによって可能である。
【0050】
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)としては、特に限定されないが、15cm
3/10min以上80cm
3/10min以下が好ましい。上記メルトボリュームフローレートの上限は、75cm
3/10minがより好ましく、70cm
3/10minがさらに好ましい。一方、上記メルトボリュームフローレートの下限は、17cm
3/10minがより好ましく、20cm
3/10minがさらに好ましい。上記メルトボリュームフローレートが上記上限を超える場合、溶融温度が低くなり、溶融押出成形される場合の吐出量が不安定化して成形性が低下するおそれがある。逆に、上記メルトボリュームフローレートが上記下限未満の場合、溶融温度が高くなり、溶融押出成形される場合に、押出機とダイの間に設置されるフィルターが目詰まりしやすくなる。
【0051】
ライトガイドフィルム12は、重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含むとよい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量としては、1500以上8000以下がより好ましく、2000以上5000以下がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。
【0052】
また、上記ポリスチレン系樹脂の含有量としては、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上3質量部以下が好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の上限は、2質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。また、上記ポリスチレン系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の下限は、0.2質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、光線透過率の向上効果が得られないおそれがある。
【0053】
ライトガイドフィルム12は、熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含むとよい。かかる熱可塑性ポリアクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル、アクリル酸−n−ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリル酸−2−クロロエチル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が特に好ましい。
【0054】
上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量としては、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上1質量部以下が好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の上限は、0.7質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の下限は、0.03質量部がより好ましく、0.05質量部がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、透明性の向上効果があまり得られず、分光光線透過率が向上しないおそれがある。逆に、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、透明性が低下するおそれがある。
【0055】
また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量としては、特に限定されないが、5000以上10万以下が好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量の上限は、8万がより好ましく、6万がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量の下限は、1万がより好ましく、2万がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量が上記範囲であることによって、成形時の相分離が抑えられ、好適に透明性が向上される。
【0056】
ライトガイドフィルム12は、酸化防止剤を含有している。上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール系化合物やチオエーテル系化合物が挙げられる。なかでも、上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましい。
【0057】
上記酸化防止剤の含有量としては、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上0.1質量部以下とされている。上記酸化防止剤の含有量の上限は、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.08質量部がより好ましく、0.07質量部がさらに好ましい。一方、上記酸化防止剤の含有量の下限は、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対し、0.03質量部がより好ましく、0.04質量部がさらに好ましい。上記酸化防止剤の含有量が上記上限を超える場合、酸化防止剤を含有させる効果が向上されないおそれがある。逆に、上記酸化防止剤の含有量が上記下限未満の場合、酸化防止剤を含有させることによる効果が十分得られないおそれがある。
【0058】
なお、ライトガイドフィルム12は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび等の任意成分を含んでもよい。
【0059】
ライトガイドフィルム12の波長300nmにおける分光光線透過率としては、特に限定されないが、65%以上が好ましく、70%がより好ましく、73%がさらに好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、上記分光光線透過率が上記範囲であることによって、導光性を高め、輝度を向上することができる。なお、当該ライトガイドフィルム12は、端面から可視光領域の波長の光線を入射して伝搬させるものである。この点、波長300nmにおける分光光線透過率は、可視光域の分光光線透過率を直接的に表すものではないものの、可視光領域の分光光線透過率を反映する傾向にある。
【0060】
ライトガイドフィルム12の屈折率としては、特に限定されないが、1.56以上1.68以下が好ましく、1.57以上1.66以下がより好ましい。
【0061】
ライトガイドフィルム12の鉛筆硬度としては、特に限定されないが、3B以上が好ましく、2B以上がより好ましい。当該ライトガイドフィルム12は、鉛筆硬度が上記下限未満の場合、耐擦傷性が十分に得られず、表面又は裏面が傷付き、この傷に入射した光線によって輝度ムラが生じるおそれがある。
【0062】
拡散パターン14は、ライトガイドフィルム12の裏面に形成される複数の凹部から構成されている。複数の凹部は、ライトガイドフィルム12の裏面に散点状に形成されている。複数の凹部は、当該ライトガイドフィルム12から均一な光を表面側に出射できるように配設されている。具体的には、複数の凹部は、光源17に近接する位置での存在割合が少なく、光源17から遠くなるにつれて存在割合が多くなるように形成されている。複数の凹部の存在割合の調整は、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整したり、各凹部の大きさを変更することによって可能である。ただし、当該ライトガイドフィルム12の薄型化を促進しつつ導光性を向上させる点からは、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整する方が好ましい。
【0063】
上記凹部の平均径は、特に限定されないが、50μm以下が好ましい。上記凹部の平均径の上限としては、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。一方、上記凹部の平均径の下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。上記凹部の平均径が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがあると共に、凹部の高さが大きくなり、ライトガイドフィルム12の薄型化の促進が困難になるおそれがある。逆に、上記凹部の平均径が上記下限未満の場合、光散乱効果が十分に得られないおそれがある。なお、「径」とは、外形の最大幅と、その最大幅方向に直交方向の外形の幅との中間値を意味する。さらに、「平均径」とは、複数の凹部の径の平均値をいう。
【0064】
上記凹部の形状としては、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、上記凹部は、半球状の凹状部として形成されることが好ましい。上記凹部を半球状の凹状部とすることによって、成形性が向上され、エッジが出るのを防止することができると共に、薄型化が促進される。
【0065】
ライトガイドフィルム12の表面は、波状の微細変調構造15を有している。また、波状の微細変調構造15における稜線方向と光線が入射する端面とが略平行に位置している。これにより、当該ライトガイドフィルム12内を伝播する光線の進行方向に対し微細変調構造15の稜線方向が略垂直に位置するため、上記波状の微細変調構造15により表面への光線の入射角が変動することに起因し、当該ライトガイドフィルム12の表面からの出光性が向上する。
【0066】
微細変調構造15における稜線間隔pとしては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔pの上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔pの下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔が上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の表面から光線が出射しすぎるおそがある。一方、稜線間隔が上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の出光性の向上効果が低い可能性がある。なお、微細変調構造15における全ての稜線間隔が上記範囲内にあることが好ましいが、微細変調構造15における複数の稜線間隔pのうち一部が上記範囲外であってもよく、この場合には、複数の稜線間隔のうち50%以上、好ましくは70%の稜線間隔が上記範囲内にあるとよい。
【0067】
また、微細変調構造15における複数の谷線が通る近似仮想面を基準とする稜線の平均高さhとしては、特に限定されるものではないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さhの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、上記平均高さhの下限は7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。上記平均高さhが上記下限未満の場合、当該ライトガイドフィルム12の出光性の向上効果が低い可能性がある。一方、上記平均高さhが上記上限を超える場合、当該ライトガイドフィルム12の表面から光線が出射しすぎるおそれがある。
【0068】
(反射シート13)
反射シート13は、ライトガイドフィルム12の裏面側から出射された光線を表面側に反射させる。反射シート13としては、ポリエステル系樹脂等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル系樹脂等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
【0069】
(天板16)
天板16は、金属製又は合成樹脂製の板材から形成されている。この金属製の天板16としては、例えばアルミニウム製の板材を用いることができる。ここで、この板材の厚みは、500μm以上1200μm以下であることが好ましく、700μm以上900μm以下であることがより好ましい。また、この天板16は、上記板材の周囲が表面側に湾曲して形成され、この湾曲した部位がリブとして機能して天板16としての十分な強度を有している。なお、このリブの湾曲部位以外の部分(中央部分)は、平坦面とされているが、幾何学模様等のパターンをエンボス加工することも可能である。
【0070】
(光源17)
光源17は、液晶表示部用ケーシング6に内蔵されており、照射面がライトガイドフィルム12の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。光源17としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、この光源17として、複数の発光ダイオードがライトガイドフィルム12の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
【0071】
当該バックライトユニット11においては、ライトガイドフィルム12の一つの側縁のみの側方に光源17を配設する片側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の対向する側縁の側方に光源17をそれぞれ配設する両側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の各側縁の側方に光源17を配設する全周囲エッジライト方式等を採用することが可能である。
【0072】
〈ライトガイドフィルム12の製造方法〉
次に、ライトガイドフィルム12の製造方法について説明する。当該ライトガイドフィルム12は、押出成形法によって成形される。
【0073】
ライトガイドフィルム12の製造方法としては、平均厚さが600μm以下のフィルムを成形する工程(STEP1)と、裏面に拡散パターン14を形成する工程(STEP2)とを有している。STEP1及びSTEP2は、
図3の押出成形装置21を用いて同時に行われる。
【0074】
押出成形装置21は、押出機及びTダイ22と、一対の押圧ロール23と、巻取り装置(図示せず)等とを有している。Tダイ22としては、例えばフィッシュテールダイ、マニホールドダイ、コートハンガーダイ等の周知のものを使用することができる。一対の押圧ロール23は隣接して平行に配設されている。押出機及びTダイ22は、一対の押圧ロール23のニップに溶融樹脂をシート状に押し出し可能に構成されている。一対の押圧ロール23は、温度制御手段が設けられ、表面温度を押出成形に最適な温度に制御可能に構成されている。押圧ロール23として、金属ロールと表面に弾性体を被覆したフレキシブルロールとからなる金属弾性ロールを用いることは好ましい。
【0075】
一対の押圧ロール23は、押圧ロール23aと、押圧ロール23bとから構成されている。このうち、押圧ロール23aは、拡散パターン14が表面に転写された反転型として形成されている。
【0076】
STEP1は、溶融状態のライトガイドフィルム12の形成材料をTダイ22に供給し、この形成材料を押出機及びTダイ22から押し出したうえ、一対の押圧ロール23で押圧する溶融押出成形法によって行われる。なお、Tダイ22から押出すライトガイドフィルム12の形成材料の溶融温度は、使用される樹脂の融点等を考慮して適宜選定される。STEP1で成形されるライトガイドフィルム12の平均厚さは600μm以下とされる。ライトガイドフィルム12の平均厚さは、一対の押圧ロール23の配設間隔を調整すること等によって調整される。なお、STEP1において、Tダイ22の断面形状を微細変調構造15の反転形状とすることで、表面が波状の微細変調構造15を形成することができる。
【0077】
STEP2は、押圧ロール23aの表面に転写された拡散パターン14を溶融状態のライトガイドフィルム12の形成材料が硬化する前に転写することで行われる。STEP2では、溶融状態のライトガイドフィルム12の形成材料が一対の押圧ロール23によって押圧されることで、押圧ロール23a表面に転写された拡散パターン14がライトガイドフィルム12の裏面に転写される。STEP2では、この転写によって、ライトガイドフィルム12の裏面に拡散パターン14が形成される。STEP2で形成される凹部の平均径は、特に限定されないが、50μm以下が好ましい。上記凹部の平均径は、押圧ロール23a表面に転写される凹部の平均径を調整することによって調整される。
【0078】
なお、STEP1及びSTEP2は、上述のようにインラインで行うことも可能であるが、オフラインで行ってもよい。
【0079】
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム12は、芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量、及びゲルパーミエションクロマトグラフィーによって測定した、芳香族ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記範囲とされていることによって、押出成形性を向上させつつ、成形後の光線透過率及び機械的強度を共に高めることができる。従って、当該ライトガイドフィルム12は、平均厚みを上記範囲とすると共に、大画面化にも対応することができる。また、当該ライトガイドフィルム12は、酸化防止剤を上記割合で含有することによって、成形時の黄変を防ぎ、輝度の低下を防止することができる。
【0080】
当該ライトガイドフィルム12は、裏面側に拡散パターンを有しているので、表面から出射される光線の出射特性を調整し、面均一性を向上させることができる。
【0081】
当該ライトガイドフィルム12の拡散パターン14は、押圧ロール23aの表面に転写された拡散パターン14を当該ライトガイドフィルム12の形成材料が硬化する前に転写することで容易かつ確実に形成される。また、当該ライトガイドフィルム12の拡散パターン14は、裏面に突設されるものではないため、拡散パターン14を形成することによって当該ライトガイドフィルム12の厚みは増加されない。それゆえ、当該ライトガイドフィルム12は、薄型化を促進することができる。
【0082】
当該超薄型液晶バックライトユニット11は、押出成形性が高められると共に、光線透過率及び機械的強度が向上された当該ライトガイドフィルム12を備えているので、薄型化を促進しつつ、大画面化にも対応することができる。また、当該超薄型液晶バックライトユニット11は、当該ライトガイドフィルム12の裏面に反射シート13が配設されているので、当該ライトガイドフィルム12の裏面側の傷付きが防止される。従って、当該超薄型液晶バックライトユニット11は、当該ライトガイドフィルム12の裏面の傷に光線が入射し、この光線が乱反射することによって輝度ムラが生じるのを防止することができる。
【0083】
当該ラップトップコンピュータ1は、当該超薄型液晶バックライトユニット11を液晶表示部3に備えているので、薄型化が促進され、輝度の低下が防止されると共に、大画面化にも対応することができる。
【0084】
[第二実施形態]
〈バックライトユニット31〉
図4のバックライトユニット31は、
図2のバックライトユニット11に換えて、筐体の厚みが21mm以下であるラップトップコンピュータの液晶表示部のエッジライト型の超薄型液晶バックライトユニットとして用いられる。
【0085】
バックライトユニット31は、ライトガイドフィルム32と、ライトガイドフィルム32が直接積層される天板33と、ライトガイドフィルム32に光を照射する光源17とを有している。つまり、当該バックライトユニット31は、従来のような天板33とライトガイドフィルム32との間に配設される反射シートを有していない。光源17については、
図2のバックライトユニット11と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
【0086】
(ライトガイドフィルム32)
ライトガイドフィルム32は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム32は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム32の裏面には拡散パターン34が形成されている。ライトガイドフィルム32の平均厚み、形成材料、分光光線透過率、屈折率、鉛筆硬度については、
図2のライトガイドフィルム12と同様である。
【0087】
拡散パターン34は、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部から形成されている。具体的には、拡散パターン34は、ライトガイドフィルム32の形成材料中に発色剤を含有させておき、ライトガイドフィルム32の成形後にレーザー照射することで上記発色剤が発色して形成されている。
【0088】
ライトガイドフィルム32の形成材料中に分散含有される発色剤は、レーザー照射によって色が変色する顔料である。この発色剤としては、レーザーマーキング剤として用いられる周知の有機物や無機物を用いることができる。具体的には、例えば、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ビスマス、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。ただし、本実施形態において拡散パターン34は光線を反射させる反射パターンとして形成されるため、光線を反射する色を有することが好ましい。従って、当該ライトガイドフィルム32では、レーザー照射によって白色に発色する発色剤を用いることが好ましく、逆にレーザー照射によって炭化し光線を吸収する黒色に変化する発色剤は不適切である。このような白色に発色する発色剤としては、例えばチタンブラック、コーディエライト、雲母等が挙げられる。
【0089】
上記コーディエライトとしては、組成式MG
2Al
3(AlSi
5O
18)で表される無機化合物のほか、Mgの一部がFeに置換されたものを用いることができる。また、水分を含有したものを用いてもよい。
【0090】
上記雲母としては、マスコバイト、フロゴバイト、バイオタイト、セリタイト等の天然雲母、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母等の合成雲母を用いることができる。
【0091】
上記発色剤の含有量としては、0.0001質量%以上2.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がより好ましい。発色剤の含有量が上記下限未満の場合、レーザー照射時に十分な発色効果が得られず、所望の反射パターンを形成できないおそれがある。逆に、発色剤の含有量が上記上限を超える場合、ライトガイドフィルム32の透明度、機械的強度等が低下するおそれがある。
【0092】
ライトガイドフィルム32に照射するレーザーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細なドットパターンを形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等を用いることができる。
【0093】
光散乱部の形状としては、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、光散乱部の形状としては、半球状が好ましい。光散乱部を半球状とすることによって、成形性が向上されると共に、エッジが出るのを防止することができる。なお、拡散パターン34の配設パターンは、
図2の拡散パターン14と同様である。また、光散乱部の平均径は、
図2の凹部と同様である。
【0094】
なお、当該ライトガイドフィルム32は、拡散パターン34がレーザー照射によって形成される。そのため、当該ライトガイドフィルム32の製造については、押圧ロールの表面に拡散パターン34が転写されている必要はない。
【0095】
(天板33)
天板33は、金属製の板材から形成され、具体的にはアルミニウム製の板材から形成されている。天板33の厚みは
図2のバックライトユニット11と同様である。
【0096】
天板33の表面(液晶パネル4側の面)には、光を反射する反射面33aが形成されている。このため、ライトガイドフィルム32の裏面から出射した光は、反射面33aによって表面側に反射される。
【0097】
反射面33aは、天板33(の素材の板材)の表面が研磨されることで形成されているが、この形成方法は特に限定されるものではなく、研磨以外の方法を用いることも可能である。
【0098】
反射面33a(天板33の素材の板材の表面)の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下がさらに好ましい。反射面33aの算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超える場合、反射面33aに入射した光が正反射し難くなり、光の利用効率が低くなるおそれがあると共に、ライトガイドフィルム32の裏面を傷つけやすくなるおそれがある。なお、反射面33aの算術平均粗さ(Ra)は、天板33の表面を研磨することで容易かつ確実に調整することができる。
【0099】
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム32は、拡散パターン34が、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部からなるので、所望の拡散パターン34を容易かつ確実に形成することができる。また、このような方法によって拡散パターン34を形成する場合、当該ライトガイドフィルム32の裏面に凸部等を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。
【0100】
当該超薄型液晶バックライトユニット31は、押出成形性が高められると共に、光線透過率及び機械的強度が向上された当該ライトガイドフィルム32を備えているので、薄型化を促進しつつ、大画面化にも対応することができる。また、当該超薄型液晶バックライトユニット31は、従来のような反射シートを用いていないため、薄型化がさらに促進される。
【0101】
[その他の実施形態]
なお、本発明のライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上述の各実施形態における構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。拡散パターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の印刷法や平板状の反転型を用いた熱プレス法等、種々の方法で形成することができる。当該ライトガイドフィルムの表面又は裏面には、ハードコート層等、他の層が積層されていてもよい。
【0102】
当該ライトガイドフィルムは、必ずしも微細変調構造を有していなくてもよい。また、当該ライトガイドフィルムが微細変調構造を有する場合、この微細変調構造における稜線方向と光線が入射する端面とが略直交していてもよい。これにより、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が表面において反射する際に一部の光線の進行方向が稜線側に寄るため、光線が稜線方向側に集光されやすくなる。また、これに加えて表面から出射する光線が波状の上記微細変調構造での屈折により稜線方向と垂直方向に若干拡散するため、出射光線の拡散性が向上する。
【0103】
上記微細変調構造における稜線間隔としては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔の上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔の下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔が上記範囲外の場合、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が稜線方向側に集光されにくい。なお、微細変調構造における全ての稜線間隔が上記範囲内にあることが好ましいが、微細変調構造における複数の稜線間隔のうち一部が上記範囲外であってもよく、この場合には、複数の稜線間隔のうち50%以上、好ましくは70%の稜線間隔が上記範囲内にあるとよい。
【0104】
また、上記微細変調構造における複数の谷線が通る近似仮想面を基準とする稜線の平均高さとしては、特に限定されるものではないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、上記平均高さの下限は、7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。上記平均高さが上記範囲外の場合、当該ライトガイドフィルム内を伝播する光線が稜線方向側に集光されにくい。
【0105】
上記第一実施形態では、平均厚さが600μm以下のフィルムを成形する工程(STEP1)と、拡散パターンを形成する工程(STEP2)とをインラインで行う場合について説明したが、上述のようにSTEP1及びSTEP2はオフラインで行われてもよい。このようにSTEP1及びSTEP2をオフラインで行う場合の方法としては、例えばSTEP1で生成したフィルムをロール状に巻回し、その後ロール状の状態からフィルムを引き出してSTEP2を行う方法が挙げられる。
【0106】
当該携帯型コンピュータとしては、超薄型のラップトップコンピュータの他、スマートフォン等の携帯電話端末やタブレット端末等の携帯型情報端末等、種々のコンピュータが挙げられる。