特許第6181944号(P6181944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181944
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】パン包装装置及びパン搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 25/16 20060101AFI20170807BHJP
   B65B 35/24 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B65B25/16 A
   B65B35/24
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-40610(P2013-40610)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-169091(P2014-169091A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128728
【氏名又は名称】株式会社オシキリ
(74)【代理人】
【識別番号】100140693
【弁理士】
【氏名又は名称】木宮 直樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 実
(72)【発明者】
【氏名】梅津 昌巳
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 茂久
(72)【発明者】
【氏名】阿部 保
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
(72)【発明者】
【氏名】藤田 輔
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−284603(JP,A)
【文献】 特開2012−066891(JP,A)
【文献】 特開2012−106855(JP,A)
【文献】 特開2003−095421(JP,A)
【文献】 米国特許第05884749(US,A)
【文献】 特開2012−56746(JP,A)
【文献】 特開2001−335146(JP,A)
【文献】 特許第3247089(JP,B1)
【文献】 特開平6−270920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 25/16
B65B 35/24
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋にパンを詰めるためのパン包装装置であって、
前記パンに当接し、前記パンを搬送経路に沿って搬送する第1の付勢手段と、
前記第1の付勢手段の速度を制御するための制御手段と、を備え、
前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際の速度は、前記第1の付勢手段が前記パンを搬送する際の速度とは異なるように前記制御手段により制御されることを特徴とするパン包装装置。
【請求項2】
前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際の速度は、前記第1の付勢手段が前記パンを搬送する際の速度より遅くなるように前記制御手段により制御されることを特徴とする請求項1に記載のパン包装装置。
【請求項3】
前記第1の付勢手段の前記パンへの当接が解除される際の前記第1の付勢手段の速度は、後工程の搬送速度より遅くなるように前記制御手段により制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパン包装装置。
【請求項4】
前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際に停止するように前記制御手段により制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパン包装装置。
【請求項5】
さらに、前記パンとは異なるパンに当接し、前記異なるパンを前記搬送経路に沿って搬送する第2の付勢手段と、
回転力を付与する第1の駆動源と、前記第1の駆動源から前記回転力が伝達される第1の駆動シャフトと、前記第1の駆動シャフトに嵌合される第1の駆動回転体と、第1の駆動回転体と協働する第1の従動回転体と、前記第1の駆動回転体及び前記第1の従動回転体に巻回され、前記第1の付勢手段が装着される第1の無端帯状体と、
前記回転力とは異なる回転力を付与する第2の駆動源と、前記第2の駆動源から前記異なる回転力が伝達される第2の駆動シャフトと、前記第2の駆動シャフトに嵌合される第2の駆動回転体と、第2の駆動回転体と協働する第2の従動回転体と、前記第2の駆動回転体及び前記第2の従動回転体に巻回され、前記第2の付勢手段が装着される第2の無端帯状体と、を備え、
前記第1の駆動シャフトには、第2の従動回転体が前記第1の駆動シャフトの回転とは独立して回転可能に装着され、前記第2の駆動シャフトには、前記第1の従動回転体が前記第2の駆動シャフトの回転とは独立して回転可能に装着されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパン包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンを袋内に収容するためのパン包装装置及び、パンを搬送経路に沿って搬送するためのパン搬送システムに関する。特に、パンを移送する際、パンに傷を付けたり、潰したりすることなくパンを確実に搬送できるパン包装装置及びパン搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パン等の種々の物品を袋に収容するための物品を搬送する手段として種々の装置が利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1が開示する物品包装装置は、フライトを有し、待機位置に物品を搬送するインフィードコンベアと、膨らませた袋を当該待機位置から離間する包装位置に供給する手段と、前述の待機位置で物品に係合し、膨らませた袋内に物品を詰める手段であるプッシャーバー組立体と、を備える構成である。
【0004】
上記したプッシャーバー組立体は、複数のプッシャーバーを有し、当該複数のプッシャーバーは、待機位置において物品に係合し、膨らんだ状態の袋を保持するスクープ組立体を通過し袋内にパンを押し入れる。袋内に導入される物品は、前記プッシャーバーにより袋の内底に当接し、さらに押されると、包装された物品が袋を供給する手段から離れ、アウトフィードコンベアへ移送される。そして、アウトフィードコンベアにより袋詰めされた物品が後工程へ搬送される。
【0005】
なお、物品を袋詰めするッシャーバー組立体は、無端チェーンにより回動するシャフトを有し、当該シャフトには、物品に当接するッシャーバーが固定されている支柱が装着されている。従って、無端チェーンが回動すると、ッシャーバーが回動し、プッシャーバーが物品に当接する待機位置と、袋が配置される包装位置との間で往復移動する。
【0006】
このように、物品包装装置は、インフィードコンベアにより連続的に供給される複数の物品各々に対して、プッシャーバーが往復移動することにより、各物品が袋に詰められ、袋詰めされた物品がアウトフィードコンベアに移送される工程を連続的に実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3603059号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プッシャーバーを回動させることにより物品を搬送する特許文献1の物品包装装置では、パン等のように比較的柔らかい物品を搬送する場合に、プッシャーバーがパンに当接する際に物品を傷付けたり、プッシャーバーから受ける衝撃により物品が弾き飛ばされる恐れがある。一方、こういった物品の破損や物品が弾き飛ばされることを防ぐために、低速でッシャーバーを駆動することも考えられるが、物品包装装置による処理速度を高めることが難しくなる恐れがある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。すなわち、物品を搬送する際に、パン等の物品に傷を付けたり、搬送する際に物品が受ける衝撃により物品が弾き飛ばされることを防ぎつつ、パンの包装工程又は搬送工程を高速で処理できるパン包装装置及びパン搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のパン包装装置の第1の態様は、袋にパンを詰めるためのパン包装装置であって、前記パンに当接し、前記パンを搬送経路に沿って搬送する第1の付勢手段と、前記第1の付勢手段の速度を制御するための制御手段と、を備え、前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際の速度は、前記パンを搬送する際の速度とは異なるように前記制御手段により制御される。
【0011】
また、本発明のパン包装装置の第2の態様によれば、前記パン包装装置の第1の態様であって、前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際の速度は、前記パンを搬送する際の速度より遅くなるように前記制御手段により制御される。
【0012】
また、本発明のパン包装装置の第3の態様によれば、前記パン包装装置の第1又は第2の態様であって、前記第1の付勢手段の前記パンへの当接が解除される際の前記第1の付勢手段の速度は、後工程の搬送速度より遅くなるように前記制御手段により制御される。
【0013】
また、本発明のパン包装装置の第4の態様によれば、前記パン包装装置の第1〜3の態様のいずれかであって、前記第1の付勢手段が前記パンに当接する際に停止するように前記制御手段により制御される。
【0014】
本発明のパン包装装置の第5の態様によれば、前記パン包装装置の第1〜4の態様のいずれかであって、さらに、前記パンとは異なるパンに当接し、前記異なるパンを前記搬送経路に沿って搬送する第2の付勢手段と、回転力を付与する第1の駆動源と、前記第1の駆動源から前記回転力が伝達される第1の駆動シャフトと、前記第1の駆動シャフトに嵌合される第1の駆動回転体と、第1の駆動回転体と協働する第1の従動回転体と、前記第1の駆動回転体及び前記第1の従動回転体に巻回され、前記第1の付勢手段が装着される第1の無端帯状体と、前記回転力とは異なる回転力を付与する第2の駆動源と、前記第2の駆動源から前記異なる回転力が伝達される第2の駆動シャフトと、前記第2の駆動シャフトに嵌合される第2の駆動回転体と、第2の駆動回転体と協働する第2の従動回転体と、前記第2の駆動回転体及び前記第2の従動回転体に巻回され、前記第1の付勢手段が装着される第2の無端帯状体と、を備え、前記第1の駆動シャフトには、第2の従動回転体が前記第1の駆動シャフトの回転とは独立して回転可能に装着され、前記第2の駆動シャフトには、前記第1の従動回転体が前記第2の駆動シャフトの回転とは独立して回転可能に装着される。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のパン搬送システムの第1の態様は、複数のパンを搬送経路に沿って搬送するためのパン搬送システムであって、一のパンに当接し、前記一のパンを前記搬送経路に沿って搬送する第1の付勢手段と、他のパンに当接し、前記他のパンを前記搬送経路に沿って搬送する第2の付勢手段と、前記第1及び前記第2の付勢手段の速度を制御するための制御手段と、を備え、前記第1の付勢手段の速度が前記第2の付勢手段の速度と異なるように前記第1及び第2の付勢手段が前記制御手段により制御される。
【0016】
また、本発明のパン搬送システムの第2の態様によれば、前記パン包装システムの第1の態様であって、前記第1の付勢手段と、前記第2の付勢手段とは、異なる駆動源により駆動される。
【0017】
また、本発明のパン搬送システムの第3の態様によれば、前記パン包装システムの第1又は2の態様であって、前記一のパンと、前記他のパンとが通る搬送経路は、同一である。
【0018】
本発明のパン搬送システムの第4の態様によれば、前記パン包装システムの第1〜3の態様のいずれかであって、前記第1及び第2の付勢手段は、前記搬送経路を交互に通るように前記制御手段により制御される。
【0019】
本発明のパン搬送システムの第5の態様によれば、前記パン包装システムの第1〜4の態様のいずれかであって、前記搬送経路に関し前記第1及び第2の付勢手段の下流側に、前記一及び他のパンを搬送するための搬送手段を備え、前記搬送手段により前記一及び他のパンを搬送する搬送速度は、前記第1の付勢手段の前記一のパンへの当接を解除する際の第1の付勢手段の速度より速く、かつ、前記第2の付勢手段の前記他のパンへの当接を解除する際の第2の付勢手段の搬送速度より速くなるように前記制御手段により制御されている。
【0020】
なお、本明細書において、下流側とは搬送経路に沿ってパンが搬送される方向における下流側を意味し、上流側とは搬送経路に沿ってパンが搬送される方向における上流側のことを意味する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るパン袋詰装置及びパン搬送システムによれば、パン等の物品を搬送する際の第1の付勢手段の速度とパンに当接する際の第1の付勢手段の速度を異ならせることができる。従って、本発明のパン袋詰装置及びパン搬送システムは、第1の付勢手段がパンに当接する際のパンに付与する衝撃を抑えるように第1の付勢手段の速度を設定できるとともに、第1の付勢手段がパンを搬送する際には所望の速度に設定できる。結果として、パンに第1の付勢手段が与える衝撃を抑えつつ、パンを搬送する第1の付勢手段を所望の速度で駆動することができるので、パンの搬送又は包装を効率的かつ確実に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)は、実施形態に係るパン搬送システムを模式的に示す正面図、(b)は、実施形態に係るパン搬送システムを模式的に示す平面図、(c)は、実施形態に係るパン搬送システムを模式的に示す側面図である。
図2図1に示されるプッシャー組立体の一部を示す部分斜視図である。
図3】(a)、(b)は、図1に示す包装装置と、インフィードコンベアと、アウトフィールドコンベアとを示す斜視図であり、食パンを袋内に詰める工程を示す。
図4-1】(a)〜(e)は、パンを袋内に詰める各工程における、包装装置と、インフィードコンベアと、アウトフィールドコンベアとの側面図である。
図4-2】(f)〜(j)は、図4−1に示す工程に続く工程における、包装装置と、インフィードコンベアと、アウトフィールドコンベアとの側面図である。
図5】プッシャー組立体のドルの移動距離(L)と、経過時間(t)との関係、すなわち速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係るパン袋詰装置及びパン搬送システムを適用した実施形態に係るパン搬送システムについて図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0024】
〔食パン搬送システム〕
図1(a)は、実施形態に係るパン搬送システム101を模式的に示す正面図であり、
(b)は、実施形態に係るパン搬送システム101を模式的に示す平面図であり、(c)は、実施形態に係るパン搬送システム101を模式的に示す、図1(b)の右側から視る側面図である。
【0025】
パン搬送システム101は、主として、ほぼ立方体形状の食パンを袋内に詰めるためのパン包装装置103と、前工程113(図3参照。)からパン包装装置103へ食パンを移送するためのインフィードコンベア107と、パン包装装置103により袋詰めされた食パンを次工程へ移送するためのアウトフィードコンベア109と、パン搬送システム101の動作を制御するための制御部111と、を備える。以下に各構成要素について説明する。
【0026】
〔食パン包装装置〕
パン包装装置103について、図1〜3を参照しつつ説明する。図2は、図1に示されるプッシャー組立体1を示す部分斜視図であり、図3(a)、(b)は、図1に示す食パン包装装置103と、インフィードコンベア107と、アウトフィードコンベア109とを示す斜視図であり、食パンBを袋C内に詰める工程を示し、図4−1(a)〜(e)(以下、図4(a)〜(e)と称す。)及び図4−2(f)〜(j)(以下、図4(f)〜(j)と称す。)は、食パンBを袋C内に詰める工程を示す、食パン包装装置103と、インフィードコンベア107と、アウトフィードコンベア109との側面図である。
【0027】
図1、3に示すように、食パン包装装置103は、プッシャー組立体1と、袋供給装置3と、を備える。プッシャー組立体1は、食パンBに当接し、食パンを搬送経路Tに沿って搬送する第1の付勢手段であるパドル5、6と、パドル5、6の速度を制御するための制御手段である制御部111と、を備える。また、パドル5、6が食パンBに当接する際のパドル5、6の速度は、食パンBを搬送する際のパドル5、6の速度とは異なるように制御部111により制御できる。なお、本実施形態おいて、搬送経路Tは、インフィードコンベア107の無端ベルトの平面視における上面、袋供給装置3の搬送用テーブル10の平面視における上面、袋保持部81の平面視における上面、アウトフィード109の無端ベルトの平面視における上面から構成される。
【0028】
図2に示されるように、本実施形態のプッシャー組立体1は、第1及び第2の駆動系を有し、それぞれ制御部111により互いに独立に制御可能な構成である。各駆動系は、駆動モータ9、ウォームボックス11内のウォームギア、駆動シャフト13、駆動プーリ15、21、従動プーリ17、21、25a、33、55、57、59と、を備える。両駆動系は、ほぼ同じ構成であるので、第1の駆動系について説明し、第2の駆動系については第1の駆動系と異なる要素について言及する。
【0029】
第1の駆動系は、制御部111の指令信号により回転力を供給できる第1の駆動モータ9aを有する。第1の駆動モータ9aの駆動軸(不図示)は、第1のウォームボックス11内に配置されるウォームギア(不図示)を介し、第1の主駆動シャフト13aに連結されている。なお、上述のウォームギアは、従来から知られている構成であり、ねじ歯車と、ねじ歯車の回転軸心と直交する方向の回転軸心を有するはす歯歯車と、を有し、回転方向が、はす歯歯車により変えられる。
【0030】
第1の主駆動シャフト13aには、第1の駆動力伝達プーリ19aと、第1の駆動プーリ15a1と、第2の駆動系を構成する第1の従動プーリ55aと、が、第1の主駆動シャフト13aの軸心方向に沿って互いに離間し装着されている。ここで、第1の駆動力伝達プーリ19aと、第1の駆動回転体である駆動プーリ15a1とは、第1の主駆動シャフト13aに嵌合されているので、第1の主駆動シャフト13aの回転力が第1の駆動力伝達プーリ19a及び駆動プーリ15a1へ伝達される。
【0031】
第1の主駆動シャフト13aの回転軸心に平行な軸心を有する第1のシャフト23が固定配置されている。第1のシャフト23は、第1のフォワードシャフト23a及び第1のリターンシャフト23bを有し、搬送方向Dに関し、第1の主駆動シャフト13aより上流側に離間し配置される。
【0032】
第1のフォワードシャフト23aと第1のリターンシャフト23bは、その回転軸心同士が、搬送方向Dに対し直交する方向に互いに離間している。第1のフォワードシャフト23には、前述の第1の駆動プーリ15a1とリターン方向R(搬送方向Dに対向する方向)に関し対向配置される第2の従動回転体である第2の従動プーリ17aが回転自在に装着され、第1のリターンシャフト23bには第3の従動回転体である従動プーリ17bが回転可能に装着されている。また、後述する第2の駆動系を構成する第2の主駆動シャフト13bには、第1の駆動プーリ15a1に対し、搬送方向Dに直交する方向に離間するように第1の従動回転体である従動プーリ25aが回転自在に装着されている。
【0033】
第1の駆動プーリ15a1と、第1の従動プーリ25aと、第2の従動プーリ17aと、第3の従動プーリ17bとには、第1の無端帯状体である無端ベルト7a1が巻回され、第1の駆動プーリ15a1が回転すると、第1の駆動プーリ15a1の外周面に刻設されている凸部と、第1の無端ベルト7a1の内周面に設けられている凹部とが係合することにより、第1の無端ベルト7a1が回動し、第2の従動プーリ17a、第3の従動プーリ17b、第1の従動プーリ25aが回動する。このように、第1〜第3の従動プーリ25a、17a、17bは、第1のシャフト23及び第2の主駆動シャフト13bに対して回転自在に支持されている。図1(b)、図3等の側面視において示されるように、第1の無端ベルト7a1は、丸みを帯びた矩形状の軌道に沿って回動する。
【0034】
また、第1の主駆動シャフト13aから搬送方向Dの下流側に離間し回転可能に支持されている第1の副駆動シャフト27aには、第1の駆動力受動プーリ29a(29)が嵌合している。また、第1の駆動力伝達プーリ19aと、第1の駆動力受動プーリ29aとには、無端帯状体である第1の駆動力伝達ベルト31a(31)が巻回され、第1の主駆動シャフト13aの回転力が第1の駆動力伝達ベルト31aを介して第1の副駆動シャフト27aに伝達される。
【0035】
第1の副駆動シャフト27aには、その回転軸心方向に関し第1の駆動力受動プーリ29aから離間する位置に第1の副駆動プーリ15a2が嵌合している。従って、第1の駆動力受動プーリ29aに伝達される回転力は、第2の駆動プーリ15a2に伝達される。このように、第1の駆動モータ9aの回転力により、第1の駆動プーリ15a1及び第2の副駆動プーリ15a2が同期し駆動される。
【0036】
前述した第1の駆動プーリ15a1が第1の従動プーリ25a、第2の従動プーリ17a、第3の従動プーリ17bと協働すると同様に、第1の副駆動プーリ15a2が第1の従動プーリ35a、第2の従動プーリ33a、第3の従動プーリ33bと協働するように、これらのプーリには、第3の無端ベルト7a2が巻回されている。第1の従動プーリ35aは、第1の副駆動シャフト27aの回転軸心に平行で、搬送方向Dに関し直交する方向に位置する軸心を有する後述する第2の副駆動シャフト27bに対し回転自在に支持されている。第2の従動プーリ17a、33a、第3の従動プーリ17b、33bの外周面にも、第1の無端ベルト7a1の内周面に設けられている凹部と係合する凸部が設けられていることは言うまでもない。
【0037】
さらに、第1の副駆動シャフト27aの回転軸心に平行で、搬送方向Dに関し第1の副駆動シャフト27aより上流側に軸心を有するように第2のリターンシャフト37bが配置される。第2のリターンシャフト37bには、第2の従動プーリ33aが第2のリターンシャフト37bに対し回転可能に装着されている。また、第3の従動プーリ33bは、第2の副駆動シャフト27bの回転軸心に平行で、搬送方向Dに関し上流側に配置される第2のフォワードシャフト37aに対し回転自在に支持されている。
【0038】
第1の駆動プーリ15a1と協働する第1の従動プーリ25a、第2の従動プーリ17a、第3の従動プーリ17b、及び第1の無端ベルト7a1と、第2の駆動プーリ15a2と協働する第1の従動プーリ35a、第2の従動プーリ33a、第3の従動プーリ33b、及び第3の無端ベルト7a2とは、同寸法、同形状である。
【0039】
さらに、第1及び第3の無端ベルト7a1、7a2には、食パンを押圧し搬送するためのパドル5が装着されている。本実施形態では、2つのパドル5a、5bが無端ベルト7の周方向に関し、等間隔に離間し配置されている。パドル5は、第1及び第3の無端ベルト7a1、7a2に固定されるパドル固定部39と、パドル固定部39に支持され、食パンBに当接するパッド部40とを備える。
【0040】
パドル固定部39は、第2の副駆動シャフト27に平行に、第3の無端ベルト7a2及び後述する第4の無端ベルト7b2の外周側に延在する掛け渡しロッド部45及び第1の無端ベルト7a1及び後述する第3の無端ベルト7a2の外周側に延在する掛け渡しロッド部47と、両ロッド部45、47を連結し、搬送方向Dに延びる連結ロッド49から構成され、両掛け渡しロッド部45、47は、それぞれ第3及び第1の無端ベルト7a2、7a1にねじとナット等の公知の締結手段により固定されている。
【0041】
また、パッド部40は、山型の面に当接する鉛直方向に平坦な当接面を有する当接部53と、当接部53が搬送経路Tに位置する食パンBに当接できるよう屈曲し、掛け渡しロッド部47に連結されるパドル支持部51とを備える。なお、本実施形態の当接部53の当接面の形状は、当接する対象物の形状に応じて湾曲形状、屈曲形状等に適宜変更可能である。上記構成の第1の駆動系により、第1のパド5が、側面視で丸みを帯びた略矩形状の周回軌道に沿って移動する。
【0042】
なお、図面の明瞭化のため図2、3では割愛されているが、図1(a)に示されるように、食パン包装装置103は、その筐体を構成する壁部材に固定され、搬送方向Dに延びる支持ビーム67と、一端部が支持ビーム67に固定される一対のステー65と、一対のステー65に連結されるシャフト支持部材61、63、66を備える。搬送方向Dに関し上流側のステー65には、シャフト23の長手方向の両端部が固定される一対のシャフト支持部材61、63が連結される。また、シャフト37の長手方向の一端部は、支持ビーム67に連結され、他端部は、シャフト支持部材61に固定されている。このように、シャフト23、37は、支持ビーム67に対して片持ち式に構成されている。
【0043】
また、駆動シャフト13の一端部は、下流側のステー65に固定されているシャフト支持部材66に回転可能に装着され、駆動シャフト13のウォームボックス11の近傍の他端部は、支持ビーム67に回転可能に支持されている。副駆動シャフト27の一端部が、下流側のステー65に固定されているシャフト支持部材68に回転可能に装着され、副駆動シャフト27のウォームボックス11の近傍の他端部が、回転可能にステー65に支持されている。シャフト支持部材66、68は、支持ビーム67に対して片持ち式に構成されている。なお、本実施形態では、駆動シャフト13、副駆動シャフト27、シャフト23、37は、搬送経路Tを通る食パンBとの干渉を避けることや、保守点検を容易に実行するために片持ち梁式に構成されているが、食パン等の搬送対象物に干渉しないように両持ち梁式で上記シャフトを支持することも可能であることは言うまでもない。
【0044】
図1及び図2に示されるように、第2のパドル6を駆動する第2の駆動系も、第1のパドル5を駆動する第1の駆動系と同様に構成されている。従って、特に記載しない限りは、第1の駆動系と同様の構成である。第2の駆動系は、制御部111の指令信号により回転力を供給する第2の駆動モータ9bを有する。第2の駆動モータ9bの駆動軸(不図示)は、第2のウォームボックス11b内に配置されるウォームシャフト(不図示)に噛合している。また、ウォームギアは、さらに、第2の主駆動シャフト13bに連結されている。なお、ウォームギアの構成は、第1の駆動系に関連し説明した構成と同様である。
【0045】
第2の主駆動シャフト13bには、第2の駆動回転体である主駆動プーリ21b1が嵌合している。第1の主駆動シャフト13aの回転軸心に平行な第1のフォワードシャフト23には、第2の従動回転体である従動プーリ57aが回転可能に装着され、第1のリターンシャフト23bには第3の従動回転体である従動プーリ59aが回転可能に装着されている。第1の主駆動シャフト13aには、第1の従動回転体である従動プーリ21aが第1の駆動シャフト13aに対して回転自在に装着されている。
【0046】
第2の駆動プーリ21b1と、第1の従動プーリ55aと、第2の従動プーリ57aと、第3の従動プーリ59aとには、第2の無端帯状体である無端ベルト7b1が巻回され、第2の駆動プーリ21b1が回転すると、第2の駆動プーリ21b1の外周面に刻設されている凸部と、第2の無端ベルト7b1の内周面に設けられている凹部とが係合することにより、第2の無端ベルト7b1が回動し、第1の従動プーリ55a、第2の従動プーリ57a、第3の従動プーリ59aが回動する
【0047】
また、第2の主駆動シャフト13bから搬送方向Dの下流側に離間し配置されている第2の副駆動シャフト27bには、第2の駆動力受動プーリ29b(29)が嵌合している。また、第2の駆動力伝達プーリ19bと、第2の駆動力受動プーリ29bとには、無端帯状体である第2の駆動力伝達ベルト31b(31)が巻回され、第2の主駆動シャフト13bの回転力が第2の駆動力伝達ベルト31bを介して第2の副駆動シャフト27bに伝達される。
【0048】
第2の副駆動シャフト27bには、その回転軸心方向に関し第2の駆動力受動プーリ29bから離間する位置に第2の副駆動プーリ21b2が嵌合している。従って、第2の駆動力受動プーリ29bに伝達される回転力は、第2の副駆動プーリ21b2に伝達される。このように、第2の駆動モータ9bの回転力により、第1駆動プーリ21b1及び第2の副駆動プーリ21b2が、同期し駆動される。
【0049】
第2の副駆動プーリ21b2と、第1の従動プーリ55b、第2の従動プーリ57b、第3の従動プーリ59bとが協働するように、第4の無端ベルト7b2が巻回されている。なお、第1の従動プーリ21b1は、第1の副駆動シャフト27aに対し回転自在に支持されている。さらに、リターンシャフト37bに回転自在に装着されるのは、第2の従動プーリ57bである。第3の従動プーリ59bは、フォワードシャフト37aに対し回転自在に装着されている。
【0050】
また、第1の駆動プーリ21b1と協働する第1の従動プーリ55a、第2の従動プーリ57a、第3の従動プーリ59a、及び第2の無端ベルト7b1と、第2の駆動プーリ21b2と協働する第1の従動プーリ55b、第2の従動プーリ57b、第3の従動プーリ59b、第4の無端ベルト7b2は、本実施形態では、同寸法、同形状である。
【0051】
さらに、第2及び第4の無端ベルト7b1、7b2には、食パンを押圧し搬送するためのパドル6が装着されている。本実施形態では、2つのパドル6が第2及び第4の無端ベルト7の周方向に関し、等間隔に離間し配置されている。なお、前述のパドル5とパドル6同士は、側面視において交互に配置される。パドル6の構成は、固定される部位が異なるのみで第1の駆動系で駆動されるパドル5と同じ構成であるので詳細な説明は割愛する。
【0052】
上記構成の第1の駆動系により駆動されるパドル5と、第2の駆動系により駆動されるパドル6は、搬送経路Tの任意の位置を、パドル5、6の当接部53が交互に通過する構成である。なお、本実施形態では、一の無端ベルト7に2つのパドル5を装着する構成であるが、単一のパドルを装着する構成とすることや、駆動系毎に、パドルの数を異ならせることも可能であることは言うまでもない。さらに、本実施形態では、パドル5(6)の支持剛性を確保するため、2つの無端ベルト7によりパドル5(6)を支持する構成であるが、ドル5(6)を単一の無端ベルトにより支持する構成とすることも可能である。すなわち、第1及び第2の副駆動シャフト27及びそれに関連するプーリを設けない構成である。
【0053】
〔袋供給装置〕
食パン包装装置103を構成する袋供給装置3は、図1、3において、ッシャー組立体1の下方に配置されている。包装組立体3は、従来から知られる構成であるので簡単に説明する。包装組立体3は、折り畳まれている袋Cの開口部を拡開し保持するためのジョー83と、ジョー83の開閉動作を行うジョー開閉機構84と、折り畳まれた状態の複数の袋Cを収容する袋保持部81と、袋保持部81の上流側で食パンBが載置される搬送用テーブル10とを備える。
【0054】
袋保持部81は、食パンBが通る搬送経路T上に配置され、積み重ねられている袋Cの内、最上面に露出して一枚の袋Cが、搬送用テーブル10の上面とほぼ面一になるように袋Cを保持する。ジョー83は、搬送方向Dに視て左右対称に上方右側ジョー83a、下方右側ジョー83cと、上方左側ジョー83b、下方右側ジョー83dとを有する。また、不図示のエアシリンダ等のアクチュエータが、リンク85、87を介し、この4つのジョー83a〜dに連結されている。
【0055】
アクチュエータが作動することにより、4つのジョー83a〜dは、開いた状態(図1(b)の一点鎖線で示す。)となる。このとき、ジョー83a〜dにより、袋Cの開口部が、食パンBの外形に相補的な形状になるように、ジョー83a〜dは最大限に開く。ジョー83a〜dの搬送方向Dの下流側の先端部が互いに離間する。
【0056】
一方、アクチュエータを作動させることにより、4つのジョー83a〜dが閉じた状態(図1(b)の実線で示す。)となると、4つのジョー83a〜dの搬送方向Dの下流側の先端部が互いに近接する。なお、ジョー83が閉じた状態から開いた状態に移る際、上方右側ジョー83a、上方左側ジョー83bが前進しつつジョー83a、83bの先端部(搬送方向Dに沿った下流側の部位)は上昇しながら袋Cの内部に進入し、開口部を保持する。
【0057】
一方、下方右側ジョー83c、下方左側ジョー83dは、袋Cの開口部からその内部へ進入し、袋Cの開口部を保持する。なお、袋保持部81に収容されている袋Cの開口部を開け、ジョー83の先端部が袋C内に進入できるように、不図示のエア吹き出し手段が、袋保持部81の近傍に配置されていることは言うまでもない。また、ジョー83は、制御部111からの作動信号により作動する。
【0058】
〔パン搬送システムの動作〕
図4−1(a)〜図4−2(j)及び図5を用いて、パン搬送システムの動作について説明する。図4−1(a)〜図4−2(j)(以下、それぞれ図4(a)〜(j)と称す。)は、パン搬送システムの動作工程を示す側面図であり、図5は、パドル5、6の速度を示すグラフである。
【0059】
図4(a)は、第1の駆動系により回動するパドル5b(及び5a)が、停止している状態であり、図5のグラフでは、t2の時点に対応する。このとき最初の食パンBは、インフィードコンベア107により食パン包装装置103の搬送用テーブル10に移送される。図4(a)に示す時点から図5に示す速度V1でパドル5bが図4(b)で示す位置まで移動し停止する(図5のt3の時点に対応する。)。
【0060】
さらに、図4(c)の示す状態は、停止した状態から速度V2でパドル5bが移動することを示す(図5のt3の時点に対応する。)。この停止状態(速度0)または比較的遅い速度でパドル5bの当接部(図3の参照符号53を参照。)が食パンBの一面に当接する位置関係となる。このように、比較的遅い速度で、食パンBに当接するので、食パンBに傷がつくことや、パドル5bから食パンBに加わる衝撃により食パンBが搬送経路Tから弾き出されることを防ぐことができる。さらに、この時点では、ジョー83が袋Cの開口部を開いた状態(図3参照。)であり、ジョー83により画成される空間内を食パンBが通過できる。
【0061】
なお、図5において、パドル5bが食パンBに当接するまでのパドル5bの速度V1は、パドル5bが食パンBを搬送する際の速度V2より遅くする構成としているが、速度V1を速度V2より常に遅くする必要はないことは言うまでもない。また、パドル5が食パンBに当接する際の速度は、必ずしも0とする必要はなく、食パンBに傷を付けたり、搬送経路Tから押し出すことのない程度の速度であれば良い。
【0062】
さらに、図4(d)に示されるように、パドル5bはV2で食パンBがジョー83により画成される空間に進入し、さらに袋C開口部を通過する(図4(e)、(f))。また、パドル5bの速度は、必ずしも0からV2へ加速する必要はない。速度V2が搬送に適した速度であれば、速度V1からV2へ加速する構成とすることも可能である。
【0063】
図4(g)は、食パンBの平坦な底面が袋Cの開口部に対向する内底面に到達し、さらに、食パンBがアウトフィードコンベア109に移送される状態を示す。この時点が図5のt4に対応する。すなわち、図4(g)に示す時点では、パドル5bの速度V2は、アウトフィードコンベア109の搬送速度Vbelt3より遅くなるように設定されている。本実施形態では、パドル5bの速度V2は、0又はそれに近い値にしている。従って、図4(h)に示すように、アウトフィードコンベア109に移送された袋詰めされている食パンBは、パドル5bに対する当接が解除され、次工程へと搬送される。その後、パドル5bは、速度V1で移動しつつ搬送経路Tから離間していく(図5のt1時点。)。なお、当接が解除される際のパドル5bの速度は、0である必要はなく、相対的に搬送速度Vbelt3より遅い速度であれば良い。
【0064】
さらに、図4(g)に示す状態では、第2の駆動系により駆動されるパドル6bが、図5のt2の時点に到達する。すなわち、パドル5bにより袋詰めされた食パンBに続く次の食パンBがインフィードコンベア107により食パン包装装置103のジョー83の上流側に移送される。また、本食パン包装装置103においては、エアが供給されることにより、袋Cの開口部が開き始めている。
【0065】
図4(h)に示す状態では、パドル6bは、その近傍に載置されている食パンBを速度V2で搬送し(図5のt3時点)、図3(c)に関連し説明したように、開いたジョー83内に進入する。その後、食パンBは、パドル6bにより開口する袋Cの開口部に到達し(図4(i))、さらに搬送方向Dの下流側に搬送され袋C内部へ導入される(図4(j))。
【0066】
本実施形態では、食パンBにパドル5、6が当接する時点t3近傍において、パドル5、6を速度V1から減速し0としている。その後、パンBに当接するパドル5、6の速度を0から所定の速度V2まで加速している。パドル5、6の速度V1は、パンBに当接する目的に適した値であり、パドル5、6を一旦停止させずに、速度V2まで加速する構成であっても、食パンBが傷つくことや、搬送経路Tの外へ弾き飛ばされることを防止できる。しかし、パドル5、6を一旦停止させ、パドル5、6の速度を0からV2へ加速することにより、食パンBに与える衝撃を抑えることができる。よって、パンの材質や柔らかさ等によって当接に際する速度V1を重視する場合には、上記実施形態のように制御することが好ましい。
【0067】
以下に、パン搬送システム101のその他の構成要素について簡単に説明する。制御部111は、パン包装装置103、インフィードコンベア107、及びアウトフィードコンベア109等の各構成要素に電気的に連結されている。制御部111は、既知のCPU(Central Processing Unit)、所定のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種設定値を格納するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等を備えるともに、CPUがROM等に記憶されている制御プログラムを実行することで上述した食パンの搬送、包装といった種々の処理を実行する。
【0068】
インフィードコンベア107は、図1に示される通り、食パンBの突出する凸上面が上流側に向くように横倒しにされた状態で載置される主コンベア88と、主コンベア88を搬送方向Dに直交する方向で対向配置される2つの副コンベア89、91と、を備える。このインフィードコンベア107では、食パンBの3面が、主コンベア88及び副コンベア89、91により支持され、搬送される。本実施形態では、インフィードコンベア107の搬送速度Vbelt2が、前工程のアウトフィードコンベア113の搬送速度Vbelt1と同じになるように、制御部111により制御されている。従って、食パンBは、前工程のアウトフィードコンベア113により搬送される速度で、インフィードコンベア107により搬送されることになる。
【0069】
一方、アウトフィードコンベア109には、アウトフィードコンベアと同様に、袋詰された食パンBが、凸状の上面が搬送方向Dの上流側に向いた状態で食パン包装装置103により搬送される。アウトフィードコンベア109は、インフィードコンベア107と異なり、袋詰めされた食パンBの一側面を支持する主コンベアのみを備え、副コンベアを備えない構成である。また、アウトフィードコンベア109の搬送速度Vbelt3は、パドル5、6と食パンBとの当接が解除される時点では、パドル5、6の速度V2より速くなるように、制御部111により制御されている。
【0070】
本実施形態では、パドル5、6が食パンBをアウトフィードコンベア109に移送した時点t4(図5図4(g)参照)では、搬送速度が0またはそれに近い値としているので、アウトフィードコンベア109の速度を比較的遅くでき、後工程での食パンBの供給速度の設計の自由度を高めことができる。このように、パドル5、6の速度V2は、アウトフィードコンベア109の搬送速度Vbelt3より常に低くするのではなく、食パンBとパドル5、6との当接が解除される際に、速度V2が、アウトフィードコンベア109の搬送速度Vbelt3より遅くなるように設定することで本発明の目的を達成できる。

【0071】
本実施形態では、駆動モータにウォームギアを連結し、図1(a)の平面視において、駆動シャフト及び副駆動シャフトが下方にのみ延在する構成としたが、駆動シャフト(又は駆動シャフト及び副駆動シャフト)を上方に延在させる構成とし、搬送経路を複数備えるパン包装装置やパン搬送システムとすることも可能である。さらに、本実施形態のプッシャー組立体は、第2及び第3の従動プーリを備え、側面視において、無端帯状体が丸みを帯びた矩形状の周回軌道を有するが、第2及び第3の従動プーリの一方を設ける構成とし、丸みを帯びた3角形状の周回軌道を有する構成や、従動プーリをさらに増やし、丸みを帯びた多角形状の周回軌道とする構成も可能である。
【0072】
本実施形態では、プッシャー組立体1の駆動伝達機構のスプロケットに巻回される無端帯状体として、樹脂製の無端ベルト7a、7bを利用しているが、金属製の無端ベルトや、樹脂製又は金属製のチェーンを利用することも可能である。
【0073】
また、本実施形態は、凸状の一面を有する立方体形状の角型食パンを用いて説明したが、本発明は、角型食パンに限定されず、種々の寸法及び形状のパンを処理するためのパン包装装置又はパン搬送システムに適用できる。さらに、本実施形態では、搬送される対象物は、食パンであるが、本発明は食品に限らず様々な物品を搬送する包装装置や搬送システムに適用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 プッシャー組立体
3 袋供給装置
5、6 パドル
13 主駆動シャフト
27 副駆動シャフト
17、21、25a、33、55、57、59 従動プーリ
101 食パン搬送システム
103 食パン包装装置
107 インフィードコンベア
109 アウトフィードコンベア
111 制御部
B 食パン
D 搬送方向
T 搬送経路
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5