(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示中の前記第1の表示要素がスライドアウト又はフェードアウトして消去されると、これにより空いた前記表示領域に、前記第2の表示要素が前記表示部の表示面に対する傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして、該第2の表示要素の表示が開始される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
前記傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして表示が開始された前記第2の表示要素が、その後、前記傾斜角が徐々に減少するように表示されることによりフェードアウトして消去され、これにより空いた前記表示領域に、前記第1の表示要素がスライドイン又はフェードインして該第1の表示要素の表示が開始される、
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、メータユニットにグラフィック表示を採用する場合には、表示する内容を様々な形態で自由に表現することが可能である。しかしながら、グラフィック表示を採用した場合であっても、運転中の視認性を重視するために、メータユニットの表示画面上には、指針を有する従来のアナログメータと同等の内容を表示することが求められる傾向がある。
【0008】
このようにアナログメータと同等の表現方法を利用する場合には、高機能のグラフィック表示を採用しているにもかかわらず、既視的な古い表示と変わりないものと車両のユーザに認識されてしまう虞があった。また、上記特許文献2のように、単にディスプレイの中央部に画像を表示するのでは、ユーザにとって新味に欠ける虞があった。つまり、斬新さや特別な高級感をユーザに感じさせることができないために、グラフィック表示を採用してもそれに見合った特別な付加価値を生み出すことができない虞があった。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、表示態様の斬新さを向上した表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る上記目的は、下記の構成の表示装置により達成される。
(1) 個別に表示形態を制御可能な多数の画素の組み合わせにより任意の画像を表示可能な表示部を備え、車両の状態に関する情報を呈示可能な
、前記車両のインストルメントパネルに設置される表示装置であって、
前記表示部の表示領域には、第1の表示要素と
、第2の表示要素と
、車両の状態に関する情報を呈示するための略円形の第3の表示要素と、該第3の表示要素と重複する部分を有して当該重複部分に該第3の表示要素が表示される、該第3の表示要素が呈示する情報とは異なる前記車両の状態に関する情報を呈示するための、前記第3の表示要素よりも表示面積が小さい略円形の第4の表示要素とが表示可能であり、
且つ、前記第3の表示要素及び前記第4の表示要素は、前記重複部分を有する通常状態と、前記重複部分の面積が前記通常状態よりも大きい収納状態とで表示可能であり、
前記第1の表示要素、並びに前記通常状態の前記第3の表示要素及び前記第4の表示要素が表示された状態から、表示中の前記第1の表示要素がスライドアウト又はフェードアウトして消去されると、
これと並行して前記第3の表示要素及び前記第4の表示要素が前記収納状態に遷移し、これ
らにより空いた前記表示領域に、前記第2の表示要素がスライドイン又はフェードインして該第2の表示要素の表示が開始される、
こと。
(2) 上記(1)に記載の表示装置であって、
表示中の前記第2の表示要素は、前記収納状態の前記第4の表示要素における前記第3の表示要素との前記重複部分以外の部分と重複する第2重複部分を有して前記第2重複部分に前記第4の表示要素が表示される、
こと。
(3) 上記
(1)又は(2)に記載の表示装置であって、
前記第4の表示要素は、前記通常状態及び前記収納状態のいずれにおいても、前記第4の表示要素が呈示する前記情報が読み取り可能であるように表示される、
こと。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の表示装置であって、
前記第2の表示要素がナビゲーション画像であって、
予め登録された地点に車両が到達すると、前記第2の表示要素がスライドイン又はフェードインして該第2の表示要素の表示が開始される、
こと。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の表示装置であって、
表示中の前記第1の表示要素がスライドアウト又はフェードアウトして消去されると、これにより空いた前記表示領域に、前記第2の表示要素が前記表示部の表示面に対する傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして、該第2の表示要素の表示が開始される、
こと。
(6) 上記(5)に記載の表示装置であって、
前記傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして表示が開始された前記第2の表示要素が、その後、前記傾斜角が徐々に減少するように表示されることによりフェードアウトして消去され、これにより空いた前記表示領域に、前記第1の表示要素がスライドイン又はフェードインして該第1の表示要素の表示が開始される、
こと。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の表示装置であって、
前記第2の表示要素が
、フェードインして表示が開始される際に、表示サイズが徐々に大きくなるように表示される、
こと。
(8) 上記(6)に記載の表示装置であって、
前記第2の表示要素が、前記傾斜角が徐々に減少するように表示されることによりフェードアウトして消去される際に、表示サイズが徐々に小さくなるように表示される、
こと。
【0011】
上記(1)
及び上記(2)の構成の表示装置によれば、表示中の第1の表示要素がスライドアウト又はフェードアウトして消去されると、これにより空いた表示領域に、第2の表示要素がスライドイン又はフェードインしてその表示が開始され、表示レイアウトが変更される。このように表示レイアウトを適宜変えることによって、新規な感覚に富む表示を実現でき、一般的なアナログメータとは異なる斬新な印象をユーザに与えることができる。また、第2の表示要素がスライドイン又はフェードインしてその表示が開始されるので、第2の表示要素にユーザの視線を誘導することができる。また、表示中の第1の表示要素が消去されることによって空いた表示領域に、新たに第2の表示要素を表示するので、表示領域を有効に活用することができる。
加えて、表示中の第1の表示要素がスライドアウト又はフェードアウトして消去されると、これと並行して第3の表示要素及び第4の表示要素が重複部分の大きい収納状態に遷移し、これにより空いた表示領域に第2の表示要素がスライドイン又はフェードインしてその表示が開始されるので、新規な感覚に富む表示を実現でき、一般的なアナログメータとは異なる斬新な印象をユーザに与えることができる。また、第3の表示要素及び第4の表示要素が重複部分の大きい収納状態に遷移したことによって空いた表示領域に、新たに第2の表示要素を表示するので、表示領域を有効に活用することができる。
上記(3)の構成の表示装置によれば、通常状態及び収納状態のいずれにおいても、第4の表示要素が呈示する状態量が読み取り可能であるので、ユーザは常に第4の表示要素が呈示する状態量を知ることができる。即ち、重複部分の大きい収納状態であっても、第4の表示要素が呈示する状態量が読み取り可能であるので、利便性が高い。また、表示領域を有効活用することができる。
上記(4)の構成の表示装置によれば、予め登録された地点に車両が到達すると、第2の表示要素が現れてその表示が開始されるので、ナビゲーション画像の利用が促進される。また、操作を要することなく第2の表示要素の表示が開始されるので、斬新な印象をユーザに与えることができる。
上記(5)の構成の表示装置によれば、第2の表示要素が、表示面に対する傾斜角が徐々に増加するように表示されてフェードインするので、該第2の表示要素が起き上がってくるような印象をユーザに与えることができ、表示態様の斬新さを高めることができる。
上記(6)の構成の表示装置によれば、表示面に対する傾斜角が徐々に増加するように表示されてフェードインした第2の表示要素が、表示面に対する傾斜角が徐々に減少するように表示されてフェードアウトする。このため、起き上がってくるように表示されてその表示が開始された第2の表示要素が、消去される際には倒れていくような印象をユーザに与えることができる。さらに、このように第2の表示要素が消去されたことにより空いた表示領域に、第1の表示要素がスライドイン又はフェードインするため、新規な感覚に富む表示を実現でき、一般的なアナログメータとは異なる斬新な印象をユーザに与えることができる。
上記(7)の構成の表示装置によれば、第2の表示要素が、その表示が開始される際に、表示サイズが徐々に大きくなるように表示されるので、該第2の表示要素が近づいてくるような印象をユーザに与えることができ、表示態様の斬新さを高めることができる。
上記(8)の構成の表示装置によれば、第2の表示要素が、消去される際に、表示サイズが徐々に小さくなるように表示されるので、該第2の表示要素が遠ざかっていくような印象をユーザに与えることができ、表示態様の斬新さを高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示態様の斬新さを向上した表示装置を提供することができる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る表示装置について図面を用いて説明する。実施形態の表示装置は、車室内のインストルメントパネルに設置されたグラフィックメータに適用される。実施形態の表示装置は、通常時と機能画像表示時(後席画像表示時及びナビゲーション画像表示時)とで表示レイアウトを変更する機能を有するものである(後述する
図4、
図9参照。)。
【0016】
(第1の実施形態)
<表示装置の構成例>
図1は第1の実施形態におけるグラフィックメータ100Aのハードウェアの構成例を示した図である。
図1に示すように、グラフィックメータ100Aは、マイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)101、読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)102、インタフェース103、インタフェース104、CPU電源部105、グラフィックコントローラ106、フレームメモリ107、Xドライバ108、Yドライバ109、LCD(Liquid Crystal Display)電源部110、液晶表示器(TFT−LCD:Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)111、及びインタフェース112を備えている。
【0017】
マイクロコンピュータ101は、制御部であり、予め用意されたプログラムを実行し、グラフィックメータ100Aの機能を実現するために必要な様々な処理を行う。例えば、後述する
図3のフローチャートに示した処理等をマイクロコンピュータ101が行う。
【0018】
読み出し専用メモリ102は、マイクロコンピュータ101が実行するプログラムの内容や、各メータ画像(後述する速度計41、燃料計42、回転計51、水温計52)等の画像データや、後述する位置コンテンションデータ等の各種固定データ等を保持している。
【0019】
インタフェース103は、車両側のイグニッションスイッチの状態を表す信号(IGN+)をマイクロコンピュータ101に入力する。
【0020】
インタフェース104は、マイクロコンピュータ101と車両側の各種制御装置(ECU:Electronic Control Unit)との間で、CAN(Controller Area Network)規格による通信を行うために利用される。具体的には、現在の車両の走行速度、エンジン回転速度、冷却水温、燃料残量、クラッチ接続の有無等の現在の様々な車両状態を表すデータが、ほぼリアルタイムのデータとして車両側からインタフェース104を介してマイクロコンピュータ101に入力される。
【0021】
例えば、インタフェース104は、車両が所定量移動する毎に当該車両側に搭載された速度センサから出力される車速パルス信号を受け付け、現在の車両の走行速度の値を表す走行速度情報としてマイクロコンピュータ101に出力する。
【0022】
また、インタフェース104は、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサから出力されるパルス信号を受け付け、エンジン回転数情報としてマイクロコンピュータ101に出力する。また、インタフェース104は、燃料センサによって検出された燃料残量に関する情報を受け付け、マイクロコンピュータ101に出力する。また、インタフェース104は、ラジエータ内の冷却水の温度を検出する水温センサからの信号を受け付け、冷却水情報としてマイクロコンピュータ101に出力する。
【0023】
インタフェース112は、液晶表示器111に表示されるグラフィック画面に関する操作等を指示するスイッチ(例えば、ステアリングスイッチ(STスイッチ)や後部座席に配置された後席スイッチ。)に接続され、ユーザからの操作指示を受け付け、当該操作指示に対応した信号をマイクロコンピュータ101に出力する。このSTスイッチ及び後席スイッチは、後述するように、表示レイアウト変更の開始時点を決定するために用いることができる。また、インタフェース112は、車室内に配置された、車室内の後席を撮影する後席用カメラ(図示せず。)に接続され、この後席用カメラで撮影された映像データをマイクロコンピュータ101に出力する。即ち、当該後席用カメラは、映像データ取得部としての外部機器である。また、インタフェース112は、ナビゲーション装置(図示せず。)に接続され、このナビゲーション装置からナビゲーション画像(映像)データを受け付け、マイクロコンピュータ101に出力する。即ち、当該ナビゲーション装置も、後席用カメラと同様に、映像データ取得部としての外部機器である。
【0024】
また、インタフェース112は、GPS(Global Positioning System)受信機(図示せず。)に接続されており、当該GPS受信機から得られる位置情報をマイクロコンピュータ101に出力する。
【0025】
CPU電源部105は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力してマイクロコンピュータ101の動作に必要な直流電圧(Vcc)を生成する。また、必要に応じてリセット信号を生成したり、マイクロコンピュータ101から出力されるスリープ信号に従って電力供給を抑制するための動作も行う。
【0026】
液晶表示器111は、表示部であり、液晶デバイスにより構成された多数の微小表示セルをX方向およびY方向に並べて配置されたカラーの2次元表示画面を有している。多数の微小表示セルの表示状態をセル毎に個別に制御することにより、2次元表示画面上に図形、文字、画像等の所望の情報をグラフィック表示することができる。
【0027】
このように、液晶表示器111は、2次元画面表示によってグラフィックメータ100Aのグラフィック表示領域111aを表示する。また、液晶表示器111の表示内容の制御は、後述するようにマイクロコンピュータ101によって実行される。
【0028】
液晶表示器111の表示画面のY方向の走査位置は、Yドライバ109の出力により順次に切り替わる。Yドライバ109は、グラフィックコントローラ106から出力される垂直同期信号に同期して、Y方向の走査位置を順次に切り替える。
【0029】
Xドライバ108は、グラフィックコントローラ106から出力される水平同期信号に同期して液晶表示器111の表示画面のX方向の走査位置を順次に切り替える。また、Xドライバ108はグラフィックコントローラ106から出力されるRGB各色の画像データを走査位置の表示セルに与えて画面中の表示内容を制御する。
【0030】
グラフィックコントローラ106は、マイクロコンピュータ101から入力される様々な命令に従って、様々なグラフィック要素を液晶表示器111の画面上に表示する。実際には、画素毎の表示内容を保持するフレームメモリ107に対して、マイクロコンピュータ101又はグラフィックコントローラ106が表示データを書き込みグラフィックの描画を行う。また、液晶表示器111の画面を2次元走査するための垂直同期信号及び水平同期信号を生成し、これらの同期信号に同期したタイミングでフレームメモリ107上の該当するアドレスに格納されている表示データを液晶表示器111に与える。
【0031】
LCD電源部110は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力して、液晶表示器111の表示に必要とされる所定の直流電力を生成する。
【0032】
<表示画面の具体例>
図2は、通常時におけるグラフィックメータ100Aの液晶表示器111に表示されるグラフィック表示領域111aを示す図である。
図2に示したグラフィック表示領域111a上には、速度計41、燃料計42、回転計51、水温計52、及び車両画像61がそれぞれ表示されている。尚、これらの各表示要素は、多数の表示画素の集合により表現されるグラフィック表示要素として実現されている。
【0033】
速度計41(第3の表示要素)は、車両の状態に関する情報として現在の走行速度(車速:km/h)を呈示するための円形状の表示要素である。本実施形態では、一般的なアナログ計器と同様に、速度計41は、円環状の速度スケール45と、速度スケール45の中心近傍に配置され、速度スケール45の一部を指し示して現在の車速を呈示する指針46と、を含んで構成されている。速度計41は、
図2に示すように、グラフィック表示領域111aにおける一端側(図中左端側)に配置されている。
【0034】
燃料計42(第4の表示要素)は、車両の状態に関する情報として現在の車両の燃料残量を呈示するための円形状の表示要素である。即ち、燃料計42は、速度計41とは異なる車両に関する情報を呈示する。本実施形態では、一般的なアナログ計器と同様に、燃料計42は、上記速度スケール45よりも径が小さい円環状の燃料スケール47と、燃料スケール47の中心近傍に配置され、燃料スケール47の一部を指し示して現在の燃料残量を呈示する指針48と、を含んで構成されている。
図2に示すように、燃料計42は、速度計41よりも表示面積が小さい。また、燃料計42は、グラフィック表示領域111aにおいて、速度計41と重複する部分を有するように、当該速度計41よりも回転計51側に(即ち、中央側、他端側に。)配置されている。また、当該重複部分には、燃料計42は表示されず、速度計41が表示されている。
【0035】
これら速度計41(第3の表示要素)及び燃料計42(第4の表示要素)は、図
2に示す通常時における通常状態と、後述する
図4(C)に示す機能画像表示時における収納状態とで表示可能である。第1の実施形態では、収納状態においては、燃料計42は速度計41の背後にその全てが隠れるように配置される。即ち、収納状態においては、燃料計42は表示されない。換言すれば、収納状態においては、速度計41と燃料計42との重複部分の面積が通常状態よりも大きい。
【0036】
回転計51(第
3の表示要素)は、車両の状態に関する情報として現在のエンジンの回転速度(×1000rpm)を呈示するための円形状の表示要素である。本実施形態では、一般的なアナログ計器と同様に、回転計51は、上記速度スケール45と略同一形状の円環状の回転速度スケール55と、該回転速度スケール55の中心近傍に配置され、回転速度スケール55の一部を指し示して現在の回転速度を呈示する指針56と、を含んで構成されている。回転計51は、
図2に示すように、グラフィック表示領域111aにおいて、速度計41が配置された一端側とは反対側の他端側(図中右端側)に、速度計41と対向して配置されている。
【0037】
水温計52(第
4の表示要素)は、車両の状態に関する情報として現在の車両の冷却水の温度を呈示するための円形状の表示要素である。本実施形態では、一般的なアナログ計器と同様に、水温計52は、上記燃料スケール47と略同一形状の円環状の水温スケール57と、該水温スケール57の中心近傍に配置され、水温スケール57の一部を指し示して現在の冷却水の温度を呈示する指針58と、を含んで構成されている。水温計52は、
図2に示すように、グラフィック表示領域111aにおいて、回転計51と重複する部分を有するように、当該回転計51よりも速度計41側に(即ち、中央側、一端側に。)配置されている。また、当該重複部分には、水温計52は表示されず、回転計51が表示されている。
【0038】
これら回転計51(第3の表示要素)及び水温計52(第4の表示要素)は、図
2に示す通常時における通常状態と、後述する
図4(C)に示す機能画像表示時における収納状態とで表示可能である。第1の実施形態では、収納状態においては、水温計52は回転計51の背後にその全てが隠れるように配置される。即ち、収納状態においては、水温計52は表示されない。換言すれば、収納状態においては、回転計51と水温計52との重複部分の面積が通常状態よりも大きい。
【0039】
車両画像61(第1の表示要素)は、車両の全体形状を模擬した表示要素であり、
図2に示したグラフィック表示領域111aにおいては画面の中央部に配置されている。即ち、車両画像61は、通常時には、一端側に配置された速度計41及び燃料計42と、他端側に配置された回転計51及び水温計52との間に配置されている。この車両画像61は、例えば、当該車両の現在の状態を数値等による表示ではなくグラフィック的に表現するために利用できる。例えば、グラフィックメータ100Aが搭載された車両の助手席のドアが開いている場合に、車両画像61の助手席のドアが開いているように表示することにより、ユーザに助手席のドアが開いていることを報知できる。つまり、車両画像61は、車両の状態に関する情報を、車両を模擬した画像により表示するための装飾画像である。また、車両画像61は、後述するように、表示レイアウトの変更時には、グラフィック表示領域111aの下方にスライドアウトして消去されるように表示される。
【0040】
また、
図2には示されていないが、グラフィック表示領域111aには、後述する
図4(C)に示す後席画像71(第2の表示要素)が表示可能である。後席画像71は、前述した後席カメラにより撮影された映像を表す画像である。即ち、後席画像71は、外部機器(映像データ取得部)から得られた映像データを表示するための機能画像である。後席画像71は、後述するように、表示レイアウトの変更時には、グラフィック表示領域111aにフェードインしてその表示が開始される。
【0041】
<表示装置の動作>
以上の構成を有するグラフィックメータ100Aの表示レイアウトの変更時における動作について
図3〜
図7を参照しつつ説明する。
図3は、表示レイアウトの変更時におけるグラフィックメータ100Aの表示動作手順を示すフローチャートである。
図4(A)〜
図4(C)は、表示レイアウトの変更時におけるグラフィック表示領域111aの遷移を示す図である。
図3に示す処理を実行するための動作プログラムは、読み出し専用メモリ102に記憶されており、マイクロコンピュータ101によって実行される。
【0042】
まず、運転手は、イグニッションスイッチをオンにする。直流電圧(Vcc)が供給されたマイクロコンピュータ101は、グラフィック表示領域111aへの表示を開始する。
【0043】
マイクロコンピュータ101は、まず、通常時におけるメータ表示処理(通常処理)を行う(ステップS1)。通常処理では、
図4(A)に示すように、マイクロコンピュータ101は、グラフィック表示領域111aの表示内容が自動車用の通常のメータユニットとして機能するように、表示制御を実施する。即ち、最新の車速の情報をインタフェース104を介して取得して、この車速を速度計41の指針46の表示位置及び向きに反映するように表示内容を更新する。また、最新のエンジン回転速度の情報をインタフェース104を介して取得して、このエンジン回転速度を回転計51の指針56の表示位置及び向きに反映するように表示内容を更新する。燃料計42、水温計52等の他の表示要素についても同様である。
【0044】
続いて、マイクロコンピュータ101は、後席表示要求があるか否かを判定する(ステップS2)。より具体的には、STスイッチがオンである否かを判定し、オンであると判定した場合には、後席表示要求があると判定し、オフであると判定した場合には、後席表示要求がないと判定する。後席表示要求がある場合、マイクロコンピュータ101は、後席表示開始処理を行う(ステップS3、
図5)。後席表示開始処理が行われた後、マイクロコンピュータ101はステップS1の処理に戻る。
【0045】
一方、ステップS2で後席表示要求がない場合には、マイクロコンピュータ101は、現在、グラフィック表示領域111aに後席画像71が表示されているか否かを判定する(ステップS4)。後席画像71が表示されていない場合、マイクロコンピュータ101は、ステップS1の処理に戻る。一方、後席画像71が表示されている場合、マイクロコンピュータ101は、後席表示終了処理を行う(ステップS5、
図7)。この後、マイクロコンピュータ101は、ステップS1の処理に戻る。
【0046】
図5は、
図3に示したフローチャートの後席表示開始処理における処理手順を示すフローチャートである。後席表示開始処理では、概略的には、車両画像61がスライドアウトして消去され、これにより空いた表示領域に、後席画像71がフェードインしてその表示が開始される。
【0047】
マイクロコンピュータ101は、まず、中央に表示されている車両画像61を、
図4(A)の矢印aに示すように下方に連続的に移動させることにより、グラフィック表示領域111aの外側に移動させる処理を開始する(ステップS11)。その後、マイクロコンピュータ101は、車両画像61を、後述するステップS15までの間にグラフィック表示領域111aの下方にスライドアウトして消去されるように表示する。
【0048】
マイクロコンピュータ101は、通常状態で表示されている燃料計42及び水温計52を、それぞれ
図4の矢印b1、b2に示すように、速度計41及び回転計51に接近するように連続的に移動させ、速度計41及び回転計51の裏側に一部が隠れるように移動させる処理を開始する(ステップS12)。
図4(B)は、燃料計42及び水温計52が移動中である状態を示している。このように、燃料計42及び水温計52は、速度計41及び回転計51に接近するように連続的に移動し、速度計41及び回転計51と重複する範囲が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように移動する。
【0049】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52が移動したことで空き領域が広がった中央部分の表示領域に、後席画像71を表示させる処理を開始する(ステップS13)。表示開始当初、後席画像71は、図中奥行き方向の傾斜角が小さく、且つ表示サイズが小さい状態で、表示領域における中央部分のやや上方に表示される。
【0050】
ここで、
図6を参照して、奥行き方向の傾斜角とグラフィック表示領域111aに表示される後席画像71の表示像との関係について説明する。
図6は、グラフィック表示領域111aに表示される表示像と傾斜角との関係を説明するための説明図である。
図6に示すように、後席画像71が液晶表示器111の表示面に垂直な方向に対して傾斜角θだけ傾いている場合、ユーザからは、後席画像71が表示面に投影された表示像71aとして視認される。即ち、この表示像71aが、グラフィック表示領域111aに表示される。したがって、上記表示開始当初においては、傾斜角θが小さいので、後席画像71は、倒れているように視認される。
【0051】
マイクロコンピュータ101は、ステップS13の後、後述するステップS15までの間に、後席画像71を、後席画像71の傾斜角が徐々に大きくなり、且つ表示サイズが大きくなるように表示する。また、マイクロコンピュータ101は、後席画像71を、表示色が徐々に濃くなるように表示する。
【0052】
このように表示されることにより、後席画像71は、傾斜角が徐々に大きくなることによってグラフィック表示領域111aにフェードインするように表示される。このため、第1の実施形態に係るグラフィックメータ100Aによれば、後席画像71が起き上がってくるような印象をユーザに与えることができ、表示態様の斬新さを高めることができる。さらに、後席画像71は、当該フェードインの際に、表示サイズが徐々に大きくなるように表示されるので、後席画像71が起き上がりつつ近づいてくるような印象をユーザに与えることができ、表示態様の斬新さを更に高めることができる。また、後席画像71は、当該フェードインの際に、表示色が徐々に濃くなるように表示されるので、これによっても表示態様を新規なものとすることができる。
【0053】
続いて、マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52を徐々に薄くして消去する処理を行う(ステップS14)。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、速度計41及び回転計51に接近し、これらと略全ての部分が重なるように表示されている燃料計42及び水温計52の表示濃度を徐々に薄くすることにより消去する。換言すれば、ステップS12からステップS14までの間に、燃料計42及び水温計52は、速度計41及び回転計51に対してスライドインするように表示されつつ、その表示濃度が徐々に薄くなることによってフェードアウトするように表示される。これにより、燃料計42及び水温計52が収納状態に遷移する。
【0054】
マイクロコンピュータ101は、傾斜角を徐々に大きくすることにより後席画像71を正立した状態にする(ステップS15)。
図4(C)は後席画像71が正立した状態を示している。この後、マイクロコンピュータ101は、
図3のステップS1の通常処理に復帰する。
【0055】
図7は、
図3に示したフローチャートの後席表示終了処理における処理手順を示すフローチャートである。後席表示終了処理においては、基本的に上述した後席表示開始処理とは逆の手順により、後席画像71が消去され、これにより空いた表示領域に車両画像61が表示される。
【0056】
マイクロコンピュータ101は、まず、後席画像71を消去させる処理を開始する(ステップS21)。この消去処理は、後席画像71の表示処理とは逆の手順で行われる。即ち、マイクロコンピュータ101は、後席画像71の傾斜角を徐々に小さくし、且つ、後席画像71の表示サイズを縮小する処理を行う。
【0057】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52の表示を開始する処理を行う(ステップS22)。即ち、燃料計42及び水温計52を、後席表示開始処理のステップS14で消去される直前の位置である表示開始位置に表示する。そして、マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52を、速度計41及び回転計51から離れるように通常時における位置まで移動させる(ステップS23)。これにより、燃料計42及び水温計52が収納状態から通常状態まで遷移する。
【0058】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52が移動した後、車両画像61を、
図4(A)中の矢印aと反対方向に移動させてグラフィック表示領域111aの下方からスライドインさせ、中央部まで移動させる処理を開始する(ステップS24)。尚、本実施形態では、燃料計42及び水温計52が移動した後で、車両画像61をグラフィック表示領域111aの中央部に移動させる構成としたが、これらが同時に(並行して)移動する構成としても構わない。
【0059】
マイクロコンピュータ101は、傾斜角が小さくなって倒れるように傾いた後席画像71をフェードアウトするように消去させる処理を行う(ステップS25)。この後、マイクロコンピュータ101は、
図3のステップS1の通常処理に復帰する。
【0060】
以上説明した処理により、後席表示要求の有無に従って後席表示が開始され、後席表示開始処理では、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去され、これにより空いた表示領域に、後席画像71がフェードインしてその表示が開始される。また、後席表示終了処理では、後席表示開始処理とは逆の手順により、後席画像71がフェードアウトして消去され、これにより空いた表示領域に車両画像61がフェードインして表示される。
このように後席表示要求の有無に従って表示レイアウトを適宜変えることによって、新規な感覚に富む表示を実現でき、一般的なアナログメータとは異なる斬新な印象をユーザに与えることができる。また、後席画像71がフェードインしてその表示が開始されるので、後席画像71にユーザの視線を誘導することができる。また、表示領域を有効に活用することができる。
【0061】
また、後席表示開始処理では、車両画像61、並びに通常状態の速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が表示された状態から、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去されると、これと並行して速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態に遷移し、これにより空いた表示領域に、後席画像71がフェードインしてその表示が開始される。また、後席表示終了処理では、後席表示開始処理とは逆の手順により、速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態である状態から、後席画像71がフェードアウトして消去されると、これと並行して速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が通常状態に遷移し、車両画像61がフェードインして表示される。
このように、速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態に遷移したことによって空いた表示領域に、新たに後席画像71を表示するので、新規な感覚に富む表示を実現すると共に、表示領域を更に有効活用することができる。
【0062】
また、後席表示開始処理では、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去され、これにより空いた表示領域に、後席画像71が、傾斜角が徐々に増加しつつ、且つ表示サイズが徐々に大きくなるように表示されることによりフェードインしてその表示が開始される。また、後席表示終了処理では、当該後席画像71が、傾斜角が徐々に減少しつつ、且つ表示サイズが徐々に小さくなるように表示されることによりフェードアウトして消去され、これにより空いた表示領域に車両画像61がフェードインしてその表示が開始される。
このため、後席画像71が、表示が開始される際には起き上がりつつ接近し、表示が消去される際には倒れつつ遠ざかっていくような印象をユーザに与えることができる。また、このように表示が開始されてその後消去される後席画像71と入れ替わるように、車両画像61を表示するため、新規な感覚に富む表示を実現でき、一般的なアナログメータとは異なる斬新な印象をユーザに与えることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、機能画像として後席画像71が表示される場合を説明したが、第2の実施形態では、後席画像71の代わりにナビゲーション画像91が表示される場合について説明する。尚、第2の実施形態に係るグラフィックメータ100B(図示せず。)は、第1の実施形態におけるグラフィックメータ100Aと同一のハードウェアの構成を有する。即ち、
図1に示したハードウェアの構成と同一の構成を有する。このため、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
<表示画面の具体例>
通常時における第2の実施形態に係るグラフィックメータ100Bの液晶表示器111に表示されるグラフィック表示領域111aは、第1の実施形態の場合と同一である。即ち、
図2に示したグラフィック表示領域111aが表示される。
【0065】
速度計41(第3の表示要素)及び燃料計42(第4の表示要素)は、通常時における通常状態と、後述する図
9(C)に示す機能画像表示時における収納状態とで表示可能である。第2の実施形態では、収納状態においては、燃料計42は速度計41の背後にその一部が隠れるように配置される。即ち、収納状態においても、燃料計42は表示される。収納状態においては、速度計41と燃料計42との重複部分の面積が通常状態よりも大きい。また、図
9(C)に示すように、燃料計42は、収納状態においても、燃料計42が呈示する燃料残量が読み取り可能に表示されている。
【0066】
同様に、回転計51(第3の表示要素)及び水温計52(第4の表示要素)は、通常時における通常状態と、後述する図
9(C)に示す機能画像表示時における収納状態とで表示可能である。第2の実施形態では、収納状態においては、水温計52は回転計51の背後にその一部が隠れるように配置される。即ち、収納状態においても、水温計52は表示される。収納状態においては、回転計51と水温計52との重複部分の面積が通常状態よりも大きい。また、図
9(C)に示すように、水温計52は、収納状態においても、水温計52が呈示する冷却水の温度が読み取り可能に表示されている。
【0067】
また、グラフィック表示領域111aには、後述する図
9(C)に示すナビゲーション画像91(第2の表示要素)が表示可能である。ナビゲーション画像91は、前述したナビゲーション装置から受け付けた映像を表す画像である。即ち、ナビゲーション画像91は、外部機器(映像データ取得部)から得られた映像データを表示するための機能画像である。ナビゲーション画像91は、後述するように、表示レイアウトの変更時には、グラフィック表示領域111aにフェードインしてその表示が開始される。
【0068】
<表示装置の動作>
以上の構成を有するグラフィックメータ100Bの表示レイアウトの変更時における動作について
図8〜
図11を参照しつつ説明する。
図8は、表示レイアウトの変更時におけるグラフィックメータ100Bの表示動作手順を示すフローチャートである。
図9(A)〜
図9(C)は、表示レイアウトの変更時におけるグラフィック表示領域111aの遷移を示す図である。
【0069】
まず、運転手は、イグニッションスイッチをオンにする。直流電圧(Vcc)が供給されたマイクロコンピュータ101は、グラフィック表示領域111aへの表示を開始する。
【0070】
マイクロコンピュータ101は、まず、通常時におけるメータ表示処理(通常処理)を行う(ステップS31)。
【0071】
続いて、マイクロコンピュータ101は、ナビ表示要求があるか否かを判定する(ステップS32)。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、読み出し専用メモリ102に保持されている、予め登録された複数の地点を特定するための情報である位置コンテンションデータを参照し、インタフェース112を介して得られる位置情報に基づいて特定される現在地が、当該位置コンテンションデータとして登録された地点と一致するか否かを判定する。例えば、現在地が、位置コンテンションデータとして登録された地点から所定の範囲内(例えば、10m。)に位置しているか否かを判定する。現在地が当該所定の範囲内に位置していると判定した場合には、ナビ表示要求があると判定し、位置していないと判定した場合には、ナビ表示要求がないと判定する。ナビ表示要求がある場合、マイクロコンピュータ101は、ナビ表示開始処理を行う(ステップS33、
図9)。ナビ表示開始処理が行われた後、マイクロコンピュータ101はステップS31の処理に戻る。
【0072】
一方、ステップS32でナビ表示要求がない場合、マイクロコンピュータ101は、現在、グラフィック表示領域111aにナビゲーション画像91が表示されているか否かを判定する(ステップS34)。ナビゲーション画像91が表示されていない場合、マイクロコンピュータ101は、ステップS31の処理に戻る。一方、ナビゲーション画像91が表示されている場合、マイクロコンピュータ101は、ナビ表示終了処理を行う(ステップS35)。この後、マイクロコンピュータ101は、ステップS31の処理に戻る。
【0073】
図10は、
図8に示したフローチャートのナビ表示開始手順を示すフローチャートである。ナビ表示開始処理では、概略的には、ナビゲーション画像91がスライドアウトして消去され、これにより空いた表示領域に、ナビゲーション画像91がフェードインしてその表示が開始される。
【0074】
マイクロコンピュータ101は、まず、中央に表示されているナビゲーション画像91を、図
9(A)の矢印aに示すように下方に連続的に移動させることにより、グラフィック表示領域111aの外側に移動させる処理を開始する(ステップS41)。その後、マイクロコンピュータ101は、ナビゲーション画像91を、後述するステップS45までの間にグラフィック表示領域111aの下方にスライドアウトして消去されるように表示する。
【0075】
マイクロコンピュータ101は、通常状態で表示されている燃料計42及び水温計52を、それぞれ
図9の矢印b1、b2に示すように、速度計41及び回転計51に接近するように連続的に移動させ、速度計41及び回転計51の裏側に一部が隠れるように移動させる処理を開始する(ステップS42)。
図9(B)は、燃料計42及び水温計52の移動が完了した状態を示している。このように、燃料計42及び水温計52は、速度計41及び回転計51に接近するように連続的に移動し、速度計41及び回転計51と重複する範囲が時間の経過に伴って徐々に大きくなるように移動する。これにより、燃料計42及び水温計52は収納状態に遷移する。
【0076】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52が移動したことで空き領域が広がった中央部分の表示領域に、ナビゲーション画像91を表示させる処理を開始する(ステップS43)。表示開始当初、ナビゲーション画像91は、図中奥行き方向の傾斜角が小さく、且つ表示サイズが小さい状態で、表示領域における中央部分のやや上方に表示される。
【0077】
マイクロコンピュータ101は、ステップS43の後、後述するステップS45までの間に、ナビゲーション画像91を、ナビゲーション画像91の傾斜角が徐々に大きくなり、且つ表示サイズが大きくなるように表示する。また、マイクロコンピュータ101は、ナビゲーション画像91を、表示色が徐々に濃くなるように表示する。
【0078】
このように表示されることにより、ナビゲーション画像91は、傾斜角が徐々に大きくなることによってグラフィック表示領域111aにフェードインするように表示される。
【0079】
マイクロコンピュータ101は、ナビゲーション画像91が、燃料計42及び水温計52と重複する部分を有する状態まで遷移すると、当該重複部分に燃料計42及び水温計52を表示させる処理を行う(ステップS44)。
【0080】
続いて、マイクロコンピュータ101は、傾斜角を徐々に大きくすることによりナビゲーション画像91を正立した状態にする(ステップS45)。
図9(C)はナビゲーション画像91が正立した状態を示している。この後、マイクロコンピュータ101は、
図8のステップS31の通常処理に復帰する。
【0081】
図11は、
図8に示したフローチャートのナビ表示終了手順を示すフローチャートである。ナビ表示終了処理においては、基本的に上述したナビ表示開始処理とは逆の手順により、ナビゲーション画像91が消去され、これにより空いた表示領域に車両画像61が表示される。
【0082】
マイクロコンピュータ101は、まず、ナビゲーション画像91を消去させる処理を開始する(ステップS51)。この消去処理は、ナビゲーション画像91の表示処理とは逆の手順で行われる。即ち、マイクロコンピュータ101は、ナビゲーション画像91の傾斜角を徐々に小さくし、且つ、ナビゲーション画像91の表示サイズを縮小する処理を行う。
【0083】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52を、速度計41及び回転計51から離れるように通常時における位置まで移動させる(ステップS53)。これにより、燃料計42及び水温計52が収納状態から通常状態まで遷移する。
【0084】
マイクロコンピュータ101は、燃料計42及び水温計52が移動した後、車両画像61を、
図9(A)中の矢印aと反対方向に移動させてグラフィック表示領域111aの下方からスライドインさせ、中央部まで移動させる処理を開始する(ステップS53)。尚、本実施形態では、燃料計42及び水温計52が移動した後で、車両画像61をグラフィック表示領域111aの中央部に移動させる構成としたが、これらが同時に(並行して)移動する構成としても構わない。
【0085】
マイクロコンピュータ101は、傾斜角が小さくなって倒れるように傾いたナビゲーション画像91をフェードアウトするように消去させる処理を行う(ステップS55)。この後、マイクロコンピュータ101は、
図8のステップS31の通常処理に復帰する。
【0086】
以上説明した処理により、ナビ表示開始処理では、車両画像61、並びに通常状態の速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が表示された状態から、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去されると、これと並行して速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態に遷移し、これにより空いた表示領域に、ナビゲーション画像91がフェードインしてその表示が開始される。また、ナビ表示終了処理では、ナビ表示開始処理とは逆の手順により、速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態である状態から、ナビゲーション画像91がフェードアウトして消去されると、これと並行して速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が通常状態に遷移し、車両画像61がフェードインして表示される。このとき、通常状態及び収納状態のいずれにおいても、燃料計42及び水温計52が、これらが呈示する状態量が読み取り可能であるように表示される。
このため、ユーザは、常に燃料計42及び水温計52が呈示する状態量を知ることができる。即ち、重複部分の大きい収納状態であっても、燃料計42及び水温計52が呈示する状態量が読み取り可能であるので、利便性が高い。また、表示領域を有効活用することができる。
【0087】
また、第2の実施形態に係るグラフィックメータ100Bでは、機能画像がナビゲーション画像91であり、予め登録された地点に車両が到達すると、ナビゲーション画像91がフェードインしてその表示が開始される。
このように、予め登録された地点に車両が到達すると、ナビゲーション画像91が現れてその表示が開始されるので、ナビゲーション機能の利用が促進される。また、操作を要することなくナビゲーション画像91の表示が開始されるので、斬新な印象をユーザに与えることができる。
【0088】
以下では、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bについて纏める。
【0089】
(1)実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bは、個別に表示形態を制御可能な多数の画素の組み合わせにより任意の画像を表示可能な液晶表示器111(表示部)を備え、車両の状態に関する情報を呈示可能な表示装置である。液晶表示器111の表示領域(グラフィック表示領域111a)には、車両画像61(第1の表示要素)と後席画像71(又はナビゲーション画像91、第2の表示要素)とが表示可能である。そして、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去されると、これにより空いた表示領域に、後席画像71がフェードインして後席画像71の表示が開始される。
【0090】
(2)また、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bでは、液晶表示器111の表示領域には、車速及びエンジンの回転速度(車両の状態に関する情報)を呈示するための円形の速度計41及び回転計51(第3の表示要素)と、当該速度計41及び回転計51と重複する部分を有して当該重複部分に当該速度計41及び回転計51が表示される、燃料残量及び冷却水の温度(速度計41及び回転計51が呈示する情報とは異なる車両の状態に関する情報)を呈示するための、速度計41及び回転計51よりも表示面積が小さい円形の燃料計42及び水温計52(第4の表示要素)とが更に表示可能である。また、これら速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52は、通常状態と、上記重複部分の面積が当該通常状態よりも大きい収納状態とで表示可能である。そして、車両画像61、並びに通常状態の速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が表示された状態から、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去されると、これと並行して速度計41、燃料計42、回転計51、及び水温計52が収納状態に遷移し、これにより空いた表示領域に、後席画像71(又はナビゲーション画像91)がスライドイン又はフェードインして後席画像71の表示が開始される。
【0091】
(3)また、第2の実施形態に係るグラフィックメータ100Bでは、燃料計42及び水温計52は、通常状態及び収納状態のいずれにおいても、燃料残量及び冷却水の温度が読み取り可能であるように表示される。
【0092】
(4)また、第2の実施形態に係るグラフィックメータ100Bでは、予め登録された地点に車両が到達すると、ナビゲーション画像91がフェードインしてナビゲーション画像91の表示が開始される。
【0093】
(5)また、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bでは、表示中の車両画像61がスライドアウトして消去されると、これにより空いた表示領域に、後席画像71(又はナビゲーション画像91)が液晶表示器111の表示面に対する傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして、後席画像71の表示が開始される。
【0094】
(6)また、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bでは、傾斜角が徐々に増加するように表示されることによりフェードインして表示が開始された後席画像71(又はナビゲーション画像91)が、その後、傾斜角が徐々に減少するように表示されることによりフェードアウトして消去され、これにより空いた表示領域に、車両画像61がスライドインして車両画像61の表示が開始される。
【0095】
(7)また、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bでは、後席画像71(又はナビゲーション画像91)が、フェードインして表示が開始される際に、表示サイズが徐々に大きくなるように表示される。
【0096】
(8)また、実施形態に係るグラフィックメータ100A,100Bでは、後席画像71(又はナビゲーション画像91)が、傾斜角が徐々に減少するように表示されることによりフェードアウトして消去される際に、表示サイズが徐々に小さくなるように表示される。
【0097】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0098】
例えば、上述した実施形態では、車両画像61がスライドアウトして消去され、後席画像71(又はナビゲーション画像91)がフェードインしてその表示が開始される構成としたが、車両画像61はスライドアウトする代わりにフェードアウトしてもよいし、後席画像71はフェードインする代わりにスライドインしても構わない。
【0099】
また、上述した実施形態では、第1の表示要素を車両画像61とし、第2の表示要素を後席画像71又はナビゲーション画像91としたが、第1の表示要素及び第2の表示要素は、これに限られない。例えば、各種機能の操作画面やテレビ画像等をこれらの代わりに表示しても構わない。
【0100】
また、上述した実施形態では、第3の表示要素である速度計41、回転計51、第4の表示要素である燃料計42、水温計52のいずれもが円形状である構成としたが、これらは略円形状でもよく、例えば楕円形状であっても構わない。
【0101】
また、上述した実施形態では、第4の表示要素である燃料計42、水温計52が第3の表示要素である速度計41、回転計51に接近するように移動することにより、第3の表示要素及び第4の表示要素が収納状態に遷移する構成としたが、第3の表示要素が第4の表示要素に接近するように移動する、或いは互いに接近するように移動するように移動することにより、第3の表示要素及び第4の表示要素が収納状態に遷移する構成としても構わない。
【0102】
また、上記第1の実施形態では、STスイッチの状態に基づいて後席表示要求の有無を判定する構成としたが、これに代えて、後部座席に配置された後席スイッチの状態に基づいて後席表示要求の有無を判定する構成としても構わない。但し、この場合には、安全性を確保するために、車両が停止中である場合にのみ、後席表示を開始する構成とすることが考えられる。また、STスイッチ及び後席スイッチの双方を利用して、後席スイッチが押下された後、ユーザ(運転者)が当該要求を認識して、STスイッチを押下した場合にのみ、後席表示を開始する構成とすることが考えられる。