特許第6181987号(P6181987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181987
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ロボット梱包容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20170807BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20170807BHJP
   B65D 19/20 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B65D85/68 ZBRC
   B25J19/00 Z
   B65D19/20BSR
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-123750(P2013-123750)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-240292(P2014-240292A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】505362942
【氏名又は名称】東海紙器株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 武峰人
(72)【発明者】
【氏名】西山 典孝
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−054924(JP,U)
【文献】 実開昭60−010788(JP,U)
【文献】 特開2007−161272(JP,A)
【文献】 特開2004−035094(JP,A)
【文献】 特開2007−161265(JP,A)
【文献】 特開平08−119336(JP,A)
【文献】 特開平05−016940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 19/00−19/44
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用のロボットを収容する段ボール製のロボット梱包容器であって、
一対の第一辺および第二辺を有する矩形状の台座部と、
前記台座部の上方に前記台座部から着脱可能に設けられている筒状の筒部と、
前記筒部の前記台座部と反対側の端部である上端に前記筒部から着脱可能に設けられ、前記筒部の上端を塞ぐ蓋部と、
前記台座部の上方において前記第一辺の少なくとも一方の端部側に前記第二辺に沿って設けられ、前記筒部に対応して一端が前記台座部に接し、他端が前記蓋部に接する筒状の支柱部と
記支柱部の内部に設けられている収容部と、
を備え
前記支柱部は、前記台座部に固定され前記蓋側の端部が開口している支柱脚部と、前記支柱脚部から着脱可能であり前記収容部を形成する収容箱部と、を有するロボット梱包容器。
【請求項2】
前記支柱部は、前記第一辺の両端部にそれぞれ設けられ、
一方の前記支柱部に形成されている前記収容部は、前記制御装置を収容し、
他方の前記支柱部に形成されている前記収容部は、前記ロボットと前記制御装置とを接続するケーブルおよび前記ロボットの付属品を収容する請求項1記載のロボット梱包容器。
【請求項3】
前記台座部と前記蓋部とは、それぞれ上方からの投影面積が同一に設定され、互いに噛み合い可能な凹凸部を有する請求項1または2記載のロボット梱包容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用のロボットを梱包するロボット梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用のロボットをはじめとする工業製品は、各種の梱包容器によって梱包されている。従来、主として梱包には位置決めおよび緩衝の目的で木枠や発泡樹脂が用いられていた。しかし、廃棄物および環境負荷の軽減の必要性の高まりから、木枠や発泡樹脂に代えてリサイクルが容易な段ボールを用いた梱包容器の使用が拡大している。段ボール製の梱包容器は、木枠や発泡樹脂に比較して衝撃吸収性や梱包対象品の位置の保持能力が低いことから、これらを高める様々な工夫がされている(特許文献1)。しかしながら、ロボットの梱包容器の場合、梱包の対象となるロボットが重量物であるとともに精密な工業製品であることから、発泡樹脂の利用の低減には限界があるという問題がある。
【0003】
また、産業用のロボットは、ロボットの本体と、制御用の制御装置との同梱が求められる。このようにロボットと制御装置とを同梱する場合、ロボットと制御装置とは重量的な差が大きくなるため、梱包後の重量バランスが不安定になりやすい。さらに、従来の梱包容器は、ロボットおよび制御装置を単に収容するだけであったため、段ボール製の容器自体の強度が低い。輸送上のコストを考慮した場合、容積を可能な限り小さくするだけでなく、各容器を積み重ねることも求められる。しかし、従来の容器では、ロボットの重量に対して強度が低いため、積み重ねに対応することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−22219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、木枠や発泡樹脂の使用をさらに低減しつつ、小型で強度が高く安定性の高いロボット梱包容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、台座部の上方に着脱可能な筒部を有している。そして、この筒部は、下方で台座部に保持され、上方で蓋部に覆われる。また、台座部と蓋部との間には、少なくとも一つの支柱部が設けられる。したがって、ロボットの移動を制限するための木枠や発泡樹脂の使用を低減することができる
た、請求項1記載の発明では台座部と筒部、筒部と蓋とは互いに着脱可能である。そのため、梱包されたロボットを取り出すとき、蓋を取り外した後、筒部を台座部から取り外す。これにより、台座部に載せられているロボットは露出する。したがって、梱包されているロボットの取り出しを容易にすることができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、支柱部は、台座部の第一辺方向において両端部にそれぞれ設けられている。そのため、上下方向の荷重は、第一辺方向の両端部に位置する支柱部によってそれぞれ負担される。これにより、上下方向の強度をより高めることができる。そして、この支柱部は、一方に制御装置を収容し、他方にケーブルや付属品を収容する。これにより、第一辺方向における重量バランスも確保される。したがって、小型で強度が高く、より安定性を高めることができる。
【0008】
請求項1記載の発明では、支柱部は、分離可能な支柱脚部と収容箱部を有している。支柱部を一体とするとき、比較的重量の大きな制御装置は、支柱部を固定したまま支柱部が形成する収容部をから持ち上げて取り出す必要がある。これに対し、収容箱部を支柱脚部から着脱可能とすることにより、制御装置を収容した収容箱部は、支柱脚部からわずかに持ち上げるだけで、台座部から分離することができる。この分離した収容箱部を、例えば寝かせた後に制御装置を取り出すことにより、収容部に収容されている制御装置の取り扱いは容易になる。したがって、使用者の負担を軽減しつつ、収容された制御装置の取り扱いを容易にすることができる。
【0009】
請求項4記載の発明では、台座部と蓋部とは上方からの投影面積が同一である。そのため、台座部と蓋部とを重ねたとき、突出部分が小さくなり、未使用時の専有面積を低減することができる。また、台座部と蓋部とは凹凸部によって噛み合うため、分離が低減される。したがって、未使用時の台座部および蓋部の取り扱いを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態のロボット梱包容器を示す概略分解斜視図
図2】一実施形態のロボット梱包容器の図3のII−II線における断面に相当する模式図
図3】一実施形態のロボット梱包容器の蓋部を取り外して上方から見た状態を示す模式図
図4】一実施形態のロボット梱包容器の筒部および蓋部を取り外した状態を示す斜視図
図5】一実施形態の変形例を示す図3に相当する模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、ロボット梱包容器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すようにロボット梱包容器10は、台座部11、筒部12、蓋部13および支柱部14を備えている。これら、ロボット梱包容器10を構成する台座部11、筒部12、蓋部13および支柱部14は、いずれも段ボールで形成されている。ロボット梱包容器10は、平面視、すなわち上方から見た概略的な形状が長方形または正方形状である。つまり、ロボット梱包容器10の平面視は、一対の平行な第一辺と、この第一辺にほぼ垂直な一対の第二辺を有する正方形または正方形に近い長方形に設定されている。ここで、図1において左右方向は第一辺方向と定義し、紙面方向に対応する前後方向は第二辺方向と定義する。第一辺と第二辺とは、概ね垂直である。
【0012】
台座部11は、重力方向においてロボット梱包容器10の下端側に設けられている。台座部11は、台座本体16および台座脚17を有している。台座本体16は、上方が開口した箱状に形成されており、底板18および底縁部19を有している。底板18は、ロボット梱包容器10の平面形状に対応した四角形状である。底縁部19は、底板18の周囲から上方へ伸びている。また、台座本体16は、図2に示すように下面に底板18とほぼ同一の平面形状の板部材21が設けられている。台座脚17は、台座本体16の下方に設けられており、段ボールを第一辺方向へ重ねて形成されている。台座脚17は、図1に示すように第二辺方向へ伸びて設けられている。また、台座脚17は、第一辺方向へ間隔を空けて複数設けられている。各台座脚17の間に形成される空間22は、フォークリフトなどの運搬機器のフォークが挿入される。
【0013】
筒部12は、台座部11の上方に設けられている。筒部12は、台座部11から着脱可能である。筒部12の下端は、台座部11で立ち上がる底縁部19の内側に挿入される。蓋部13は、筒部12の上方に設けられている。蓋部13は、筒部12から着脱可能である。蓋部13は、台座部11の反対側の端部である上端に取り付けられる。蓋部13は、天板23および蓋縁部24を有している。天板23は、底板18とほぼ同一の平面形状である。蓋縁部24は、天板23の周囲から下方へ伸びている。筒部12の上端は、天板23から下方へ伸びる蓋縁部24の内側に挿入される。これにより、筒部12は、台座部11と蓋部13との間に着脱可能に挟み込まれる。すなわち、台座部11、筒部12および蓋部13は、互いに分離する。
【0014】
支柱部14は、台座部11の上方に設けられている。支柱部14は、第一辺方向において少なくとも一方の端部側に設けられている。本実施形態の場合、支柱部14は、第一辺方向の各端部側にそれぞれ設けられている。これら支柱部14は、いずれも第二辺方向に伸びて設けられており、内部に空間を形成する四角形の筒状に形成されている。この支柱部14は、ロボット梱包容器10を組み立てたとき、一方の端部が台座部11に接し、他方の端部が蓋部13に接する。
【0015】
支柱部14は、収容箱部25および支柱脚部26を有している。収容箱部25は、内部に収容部27を形成している。支柱脚部26は、上方すなわち蓋部13側の端部が開口した箱状に形成されており、例えば接着剤などにより台座部11の底板18に固定されている。支柱脚部26は、図2に示すように内側にスペーサ28を有している。スペーサ28は、上下方向の高さを調整する。収容箱部25は、支柱脚部26から着脱可能に設けられている。収容箱部25は、支柱脚部26と反対の上端側に持ち手部251を有している。持ち手部251は、ロボット梱包容器10が組み立てられるとき、内側に折り込まれている。一方、収容箱部25を取り出すとき、上方へ取り出され、作業者の持ち手となる。収容箱部25の下端とスペーサ28とが接することにより、支柱部14の高さが決定される。また、支柱脚部26は、台座部11の底縁部19との間に筒部12を挿入可能な空間を形成している。これにより、筒部12の下端は、支柱脚部26と底縁部19との間の隙間に挿入することにより、位置が決定される。スペーサ28の高さを調整することにより、収容箱部25および支柱脚部26をあわせた高さは筒部12の高さに一致する。すなわち、スペーサ28によって調整された支柱部14の全体の高さは、筒部12とほぼ一致する。スペーサ28は、収容されるロボットに応じて高さが調整される。
【0016】
このように、台座部11に筒部12および支柱部14を取り付けると、筒部12と支柱部14との間には空間が区画される。この区画される空間は、図3に示すようにロボットを収容するロボット収容部29である。ロボット収容部29は、台座部11の第一辺方向において両端部に取り付けられている支柱部14の間に形成することにより、長手方向が第二辺とほぼ平行に設定される。図3および図4に示すように、ロボット30は例えばベース31およびアーム32を有している。ロボット30のアーム32は、ベース31から径方向の外側へ向けて伸びている。ロボット30は、このロボット収容部29に収容されるとき、アーム32が第二辺の方向へ沿って伸びるように収容される。すなわち、アーム32の中心軸は、第二辺とほぼ平行となる。
【0017】
ロボット30は、図3に示すようにロボット30を制御するための制御装置33を備えている。制御装置33は、電子機器などが収容する箱状に形成されている。これらロボット30と制御装置33は、一組のユニットとしてロボット梱包容器10に梱包される。また、ロボット30と制御装置33とを接続するためのケーブルをはじめとする付属品34も、これらロボット30および制御装置33とともにロボット梱包容器10に梱包される。支柱部14の収容箱部25は、上述のように内部に収容部27を形成している。収容部27は、図2および図3に示すように制御装置33を上下に立った状態で収容する。二つの支柱部14によって二つの収容部27を備える場合、一方の支柱部14が形成する収容部27には制御装置33が収容され、他方の支柱部14が形成する収容部27にはケーブルをはじめとする付属品34が収容される。
【0018】
ロボット梱包容器10の台座部11と蓋部13とは、平面視すなわち上方から投影した形状がほぼ同一に設定されている。そして、台座部11は、図1に示すように凸部41および凹部42を有している。同様に蓋部13も、凸部43および凹部44を有している。台座部11の凸部43は蓋部13の凹部44に噛み合い、蓋部13の凸部43は台座部11の凹部42に噛み合う。台座部11と蓋部13とを互いに噛み合うように重ねることにより、台座部11と蓋部13とは緩やかに固定される。そのため、ロボット30を梱包する前、台座部11および蓋部13は互いに重ねて保管してもずれたり分離することが無い。また、台座部11および蓋部13を互いに重ねて保管できるので、使用前の保管時に必要な空間を小さくすることができる。
【0019】
ロボット梱包容器10は、上記に加え、保持部材50を備えている。保持部材50は、ロボット30の上端側に取り付けられる。保持部材50は、ロボット30に取り付けることにより、ロボット30の上端側を二つの支柱部14の間に保持する。保持部材50は、段ボール製であり、ロボット梱包容器10の各部材、すなわち台座部11、筒部12、蓋部13および支柱部14から着脱可能である。
【0020】
次に、上記の構成によるロボット梱包容器10において、ロボット30の梱包を解く手順について説明する。
梱包を解く前、ロボット梱包容器10は、台座部11、筒部12および蓋部13が一体に組み立てられている。また、ロボット梱包容器10の内側には、支柱部14およびロボット30が収容されている。梱包を解く場合、まず蓋部13が取り外される。蓋部13は、筒部12の上方に嵌め込まれている。そのため、蓋部13は、上方へ持ち上げることにより、筒部12から取り外される。蓋部13が取り外されると、筒部12が台座部11から取り外される。筒部12も、下端が台座部11の底縁部19と支柱部14の支柱脚部26との間に挿入されているため、上方へ持ち上げることにより台座部11から取り外される。筒部12は、支柱部14の上方まで引き上げることにより、抜き取ることができる。筒部12は、段ボール製であるので、軽量であり、容易に上方へ抜き取ることができる。
【0021】
筒部12が抜き取られると、図4に示すように支柱部14およびロボット30が台座部11の上方に露出した状態となる。この状態で支柱部14の収容箱部25が取り外される。このとき、作業者は、収容箱部25の持ち手部251を握ることにより、収容箱部25を容易に上方へ持ち上げることができる。また、収容箱部25の下端は、スペーサ28によって台座部11の底板18よりも上方にある。そのため、収容箱部25は、支柱脚部26の縁を乗り越えるために、上方へ大きく持ち上げる必要が無い。収容部27に収容されている制御装置33は、数kgから十数kg程度と比較的重い。しかし、制御装置33は、収容箱部25ごと支柱脚部26から取り出される。そのため、重量が大きな制御装置33、つまり制御装置33を収容している収容箱部25は大きく持ち上げる必要が無く、取り扱いが容易である。制御装置33を収容している収容箱部25は、台座部11から取り外された後、地面と平行に寝かされる。これにより、収容箱部25を分解しつつ制御装置33を取り出すことにより、重量物である制御装置33は高く持ち上げることなく容易に梱包を解くことができる。
【0022】
制御装置33と同様に、収容箱部25に収容されているケーブルなどの付属品34も、収容箱部25から取り出される。収容箱部25が取り外されると、台座部11に残ったロボット30が取り外される。ロボット30は、図示しないボルトおよびナットなどの固定部材によって台座部11に固定されている。そのため、ロボット30を吊り下げる図示しないクレーンなどの吊り下げ装置をロボット30に取り付けた後、図示しない固定部材がロボット30および台座部11から取り外される。そして、ロボット30は、吊り下げ装置を用いて台座部11から上方へ持ち上げられ、所定の位置へ移動される。
【0023】
以上説明したように一実施形態のロボット梱包容器10では、ロボット収容部29に収容されるロボット30は、アーム32が台座部11の第二辺方向に沿うように収容される。そのため、ロボット30は、台座部11の第一辺方向において、端部が支柱部14に接近して配置されるので、第一辺方向の移動が低減される。したがって、ロボット30の移動を制限するための木枠や発泡樹脂の使用を低減することができる。また、このロボット30に接近する支柱部14は、筒状の内部に収容部27を有している。ロボット30の制御装置33は、この収容部27に上下に立った状態で収容される。これにより、ロボット収容部29に収容されているロボット30と収容部27に収容された制御装置33とは、お互いの間の距離が小さくなる。また、制御装置33は、立ち上がっているので、収容に要する面積が低減される。そのため、ロボット梱包容器10は、全体の重心のアンバランスが低減されるとともに、小型化される。さらに、支柱部14が台座部11から蓋部13側へ伸びているため、上下方向の荷重は筒部12だけでなく支柱部14も負担する。したがって、小型で強度が高く安定性を高めることができる。強度が高まることにより、ロボット梱包容器10を積み重ねることができ、輸送コストの低減を図ることができる。
【0024】
また、一実施形態では台座部11と筒部12、筒部12と蓋部13とは互いに着脱可能である。そのため、梱包されたロボット30を取り出すとき、蓋部13を取り外した後、筒部12を台座部11から取り外す。これにより、台座部11に載せられているロボット30は露出する。したがって、梱包されているロボット30の取り出しを容易にすることができる。
【0025】
一実施形態では、支柱部14は、台座部11の第一辺方向において両端部にそれぞれ設けられている。そのため、上下方向の荷重は、第一辺方向の両端部に位置する支柱部14によってそれぞれ負担される。これにより、上下方向の強度をより高めることができる。そして、この支柱部14は、一方に制御装置33を収容し、他方にケーブルなどの付属品34を収容する。これにより、第一辺方向における重量バランスも確保される。したがって、小型で強度が高く、より安定性を高めることができる。例えば本実施形態の場合、ロボット梱包容器10は、いわゆる小型ロボットに分類されるロボット30を収容する。この小型のロボット30は、可搬質量が20kg以下であることから、自身の重量が100kg以下程度である。また、制御装置33は、一般に19インチのラックに収容可能な寸法が用いられ、重量が20kg程度である。これに用いる付属品34の重量も、制御装置33と同様に10kg程度である。これにより、各支柱部14に、それぞれ制御装置33および付属品34を収容することにより、第一辺方向における重量バランスは安定する。
【0026】
一実施形態では、支柱部14は、分離可能な収容箱部25および支柱脚部26を有している。収容箱部25を支柱脚部26から着脱可能とすることにより、制御装置33を収容した収容箱部25は、支柱脚部26からわずかに持ち上げるだけで、台座部11から分離することができる。この分離した収容箱部25を、寝かせた後に制御装置33を取り出すことにより、重量の大きな制御装置33の梱包を解くときの取り扱いは容易になる。したがって、使用者の負担を軽減しつつ、収容された制御装置33の取り扱いを容易にすることができる。
【0027】
一実施形態では、台座部11と蓋部13とは上方からの投影面積が同一である。そのため、台座部11と蓋部13とを重ねたとき、周方向において外側へ突出部分が小さくなり、未使用時の専有面積を低減することができる。また、台座部11と蓋部13とは互いに噛み合うため、分離が低減される。したがって、未使用時の台座部11および蓋部13の取り扱いを容易にすることができる。
【0028】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
上述の実施形態では、一本のアーム32がベース31から伸びるロボット30を例に説明した。しかし、例えば図5に示す6軸のロボット60のように、ロボット60は二本以上のアーム61、62を備えていてもよい。この場合、ロボット60のアーム61およびアーム62のうち一部のアーム62は、第二辺方向に対して平行でなくてもよい。すなわち、ロボット60が複数のアーム61、62を備える場合、ロボット60のアーム61、62は、折りたたまれた状態で全体として第二辺方向へ伸びていてもよい。
【符号の説明】
【0029】
図面中、10はロボット梱包容器、11は台座部、12は筒部、13は蓋部、14は支柱部、25は収容箱部、26は支柱脚部、27は収容部、29はロボット収容部、30、60はロボット、32、61、62はアーム、33は制御装置、34は付属品、41、43は凸部(凹凸部)、42、44は凹部(凹凸部)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5