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特許6182009複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182009
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20170807BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
   G10K15/02
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-157330(P2013-157330)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-28510(P2015-28510A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】永田 明峰
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−242560(JP,A)
【文献】 特開2011−191357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00 − 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信回線により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末において同時に歌唱を行う機能を有し、前記カラオケ演奏端末のうちのいずれか1機をマスター機とするとともに、その他のカラオケ演奏端末をスレーブ機としたシステムであって、
前記マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホンから入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、前記データ通信回線を介して、前記スレーブ機に送信する混合音声信号送信手段と、
前記スレーブ機において、前記混合音声信号を受信する混合音声信号受信手段と、
前記カラオケ楽曲の演奏に同期して歌詞文字の色変わり表示を制御する色変わり表示制御手段と、
前記カラオケ楽曲の再生制御を行う再生制御手段と、を備え、
前記マスター機の前記再生制御手段は、所定のタイミングで前記カラオケ楽曲の演奏を開始させ、
前記スレーブ機の前記再生制御手段は、前記カラオケ楽曲の演奏を開始させた後、所定時間経過後に演奏を待機状態とし、所定のタイミングで前記カラオケ楽曲の演奏を再開させ、
前記マスター機では、当該マスター機において生成したカラオケ演奏信号を使用し、前記スレーブ機では、当該スレーブ機において生成したカラオケ演奏信号を使用せずに、前記受信した混合音声信号に含まれるカラオケ演奏信号を使用してカラオケ演奏音声を出力する、
ことを特徴とする複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム。
【請求項2】
前記スレーブ機の前記再生制御手段は、前記マスター機から送信される演奏開始指示信号を受信すると、前記カラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、前記マスター機に対してレスポンス信号を送信し、
前記マスター機の前記再生制御手段は、前記スレーブ機から送信されたレスポンス信号の受信を契機として、前記カラオケ楽曲の演奏を開始させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム。
【請求項3】
前記スレーブ機の前記再生制御手段は、任意のタイミングで前記カラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、前記マスター機に対して演奏開始指示信号を送信し、
前記マスター機の前記再生制御手段は、前記スレーブ機から送信される演奏開始指示信号の受信を契機として、前記カラオケ楽曲の演奏を開始させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム。
【請求項4】
前記スレーブ機の前記再生制御手段は、前記マスター機から送信される前記混合音声信号に含まれる歌唱音声信号の受信を契機として、前記カラオケ楽曲の演奏を再開させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム。
【請求項5】
前記スレーブ機は、マイクロホンを備え、
前記スレーブ機の前記再生制御手段は、当該スレーブ機の前記マイクロホンから歌唱音声信号が入力されたことを契機として、前記カラオケ楽曲の演奏を再開させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムに関するものであり、詳しくは、データ通信回線により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末において、例えば、デュエット歌唱を楽しむ際に、カラオケ楽曲の演奏に合わせて適切なタイミングで歌詞文字の色変わり表示を行うためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケシステムでは、データ通信回線により接続されたカラオケ演奏端末において、デュエット歌唱を行うことができるシステムが普及し始めており、通信デュエット歌唱を行うためのシステムが種々開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、双方向ブロードバンド方式の通信網に接続される複数の音楽演奏通信装置と、この音楽演奏通信装置の情報を管理する情報管理サーバとを接続して情報をやりとりする送受信システムを利用した通信デュエットに関する技術である。すなわち、音楽演奏通信装置間で映像・音響信号を、相互に送受信可能として複数の利用者が同時に演奏・参加するための検索・参加手段を備えており、演奏開始時刻及び進行中の演奏位置を相互で同時刻に合わせる同期信号方式と音響信号ストリームの通信上の欠損率(通信パケットロスの割合)と遅延とが大きくならないように他の映像ストリームや特徴情報よりも、音響信号を優先して通信網に配信する方式を用いるようになっている。
【0004】
従来の通信デュエット歌唱を行うシステムでは、データ通信回線で接続されたカラオケ演奏端末同士でデュエット歌唱を行うために、一方のカラオケ演奏端末から他方のカラオケ演奏端末に対してカラオケ楽曲の演奏開始指示信号を送信することにより、両者でほぼ同時にカラオケ楽曲の演奏を開始する仕組みを採用している。しかし、データ通信回線を介して演奏開始指示信号を送信する方式を用いた場合には、データ通信回線のトラフィックの状態等に応じて、データ伝送の遅延が生じる場合があり、この遅延が許容範囲を超えてしまうと、各カラオケ演奏端末における演奏同期を図ることができず、快適な通信デュエット歌唱を行うことができなくなってしまう。
【0005】
さらに、遅延自体がデータ通信回線のトラフィックに依存するため、通信デュエット歌唱を行う毎に、遅延時間にバラツキが生じる。この遅延時間のバラツキに対処するためには、通信デュエット歌唱を行う各カラオケ演奏端末において、時刻合わせをした上で、絶対時刻で演奏開始予約するという手法を採用しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−77485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、通信デュエット歌唱を行う各カラオケ演奏端末をマスター機とスレーブ機とに区別し、マスター機側からスレーブ機側に向かって、カラオケ演奏信号とマスター機側での歌唱信号の混合信号を送信し、スレーブ機側からマスター機側に向かって、スレーブ機側での歌唱信号のみを送信するという方式が有効な手段として考えられる。これにより、各カラオケ演奏端末における演奏同期を図ることができ、快適な通信デュエット歌唱を行うことができるようになる。
【0008】
このマスター/スレーブ方式では、スレーブ機側のカラオケ演奏端末も演奏開始指示信号によりカラオケ楽曲の演奏動作を開始するが、オーディオ出力は行わずに歌詞表示のみを利用している。これは、歌詞文字の色変わりの遅延は、オーディオ信号の遅延ほど気にはならないためである。また、マスター機側、スレーブ機側の双方において、カラオケ楽曲の演奏とマスター機側での歌唱のタイミングとは完全に一致しているため、スレーブ機側の歌唱者はストレスなくデュエットを楽しむことができる。
【0009】
しかし、このようなマスター/スレーブ方式を採用した場合であっても、データ通信回線のトラフィックの状態によっては、スレーブ機側のカラオケ演奏端末において、演奏開始指示信号の伝送遅延が発生し、マスター機側よりも演奏開始指示の受け取りが遅れる場合がある。このような演奏開始指示信号の伝送遅延が発生すると、結果的に歌詞文字の色変わりの遅れが気になるおそれがあり、さらなる改良が求められている。さらに、スレーブ機側の演奏開始動作がマスター機側からの演奏開始指示に完全依存するのではなく、スレーブ機側が主導権を握って演奏開始を指示したいという要望もある。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、データ通信回線により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末において同時に歌唱を行う際に、カラオケ楽曲の演奏に合わせて適切なタイミングで歌詞文字の色変わり表示を行うことが可能な複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムは、データ通信回線により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末において同時に歌唱を行う機能を有し、カラオケ演奏端末のうちのいずれか1機をマスター機とするとともに、その他のカラオケ演奏端末をスレーブ機としたシステムであり、混合音声信号送信手段と、混合音声信号受信手段と、色変わり表示制御手段と、再生制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
混合音声信号送信手段は、マスター機の機能として実現される手段である。混合音声信号受信手段は、スレーブ機の機能として実現される手段である。色変わり表示制御手段及び再生制御手段は、マスター機及びスレーブ機の双方の機能として実現される手段である。なお、複数のカラオケ演奏端末の中で、いずれのカラオケ演奏端末がマスター機となるか、あるいはスレーブ機となるかは、複数歌唱者による歌唱を行うためのカラオケ楽曲を選曲する際等、適宜なタイミングで設定される。
【0013】
混合音声信号送信手段は、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホンから入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、データ通信回線を介して、スレーブ機に送信するための手段である。混合音声信号受信手段は、スレーブ機において、混合音声信号を受信する他の手段である。色変わり表示制御手段は、カラオケ楽曲の演奏に同期して歌詞文字の色変わり表示を制御するための手段である。再生制御手段は、カラオケ楽曲の再生制御を行うための手段である。
【0014】
ここで、マスター機の再生制御手段は、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させるように機能する。また、スレーブ機の再生制御手段は、カラオケ楽曲の演奏を開始させた後、所定時間経過後に演奏を待機状態とし、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を再開させるように機能する。さらに、マスター機では、当該マスター機において生成したカラオケ演奏信号を使用し、スレーブ機では、当該スレーブ機において生成したカラオケ演奏信号を使用せずに、受信した混合音声信号に含まれるカラオケ演奏信号を使用してカラオケ演奏音声を出力する。
【0015】
また、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムにおいて、スレーブ機の再生制御手段は、マスター機から送信される演奏開始指示信号を受信すると、カラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、マスター機に対してレスポンス信号を送信するように機能させることが可能である。この場合、マスター機の再生制御手段は、スレーブ機から送信されたレスポンス信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させるように機能する。
【0016】
また、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムにおいて、スレーブ機の再生制御手段は、任意のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、マスター機に対して演奏開始指示信号を送信するように機能させることが可能である。この場合、マスター機の再生制御手段は、スレーブ機から送信される演奏開始指示信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させるように機能する。
【0017】
また、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムにおいて、スレーブ機の再生制御手段は、マスター機から送信される混合音声信号に含まれる歌唱音声信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を再開するように機能させることが可能である。
【0018】
また、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムにおいて、スレーブ機は、マイクロホンを備えており、スレーブ機の再生制御手段は、当該スレーブ機のマイクロホンから歌唱音声信号が入力されたことを契機として、カラオケ楽曲の演奏を再開するように機能させることが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムでは、データ通信回線により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末において同時に歌唱を行う機能を有し、カラオケ演奏端末のうちのいずれか1機をマスター機とするとともに、その他のカラオケ演奏端末をスレーブ機としている。
【0020】
そして、マスター機では、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させ、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏を開始させた後、所定時間経過後に演奏を待機状態とし、所定のタイミングで演奏を再開させる。歌詞文字の色変わり表示制御は、カラオケ楽曲の演奏に同期して行われるため、マスター機及びスレーブ機の双方において、適切なタイミングで歌詞文字の色変わり表示制御が開始する。
【0021】
特に、スレーブ機では、マスター機から送信される演奏開始指示信号を受信すると、カラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、マスター機に対してレスポンス信号を送信する。そして、マスター機では、スレーブ機から送信されたレスポンス信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させる。あるいは、スレーブ機では、任意のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、マスター機に対して演奏開始指示信号を送信する。そして、マスター機では、スレーブ機から送信された演奏開始指示信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させる。これにより、常に、スレーブ機の演奏開始を先行させることができる。
【0022】
また、スレーブ機の再生制御手段は、マスター機から送信される混合音声信号に含まれる歌唱音声信号を受信したことを契機とし、あるいはスレーブ機においてマイクロホンから歌唱音声信号が入力されたことを契機として、待機状態にあったカラオケ楽曲の演奏を再開させる。これにより、カラオケ楽曲の演奏に同期して、色変わり待機状態にあった歌詞文字の色変わり表示が開始するので、マスター機及びスレーブ機において、歌詞文字の色変わり表示の開始タイミングが許容範囲を超えてずれることがない。
【0023】
したがって、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムを用いることにより、例えば、通信デュエット歌唱を行う際に、カラオケ楽曲の演奏に合わせて適切なタイミングで歌詞文字の色変わり表示を行うことが可能となり、マスター機及びスレーブ機において、違和感なく通信デュエット歌唱を行うことができる。なお、スレーブ機が複数存在し、複数のカラオケ演奏端末において、歌唱者がそれぞれ異なる歌唱パートを歌唱する場合においても、同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システムの構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施形態における歌詞文字の色変わり表示システムにおける色変わり表示制御のタイミングチャート(実施例1)。
図3】本発明の実施形態における歌詞文字の色変わり表示システムにおける色変わり表示制御のタイミングチャート(実施例2)。
図4】本発明の実施形態における歌詞文字の色変わり表示システムにおける色変わり表示制御のタイミングチャート(実施例3)。
図5】本発明の実施形態における歌詞文字の色変わり表示システムにおける色変わり表示制御のタイミングチャート(実施例4)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照して、本発明の複数歌唱者による通信歌唱における歌詞文字の色変わり表示システム(以下、歌詞文字の色変わり表示システムと略記する)の実施形態について説明する。図1図5は本発明の実施形態に係る歌詞文字の色変わり表示システムを示すもので、図1は歌詞文字の色変わり表示システムの構成を示すブロック図、図2図5は歌詞文字の色変わり表示制御のタイミングチャートである。
【0026】
<歌詞文字の色変わり表示システムの概要>
本発明の実施形態に係る歌詞文字の色変わり表示システム10は、図1に示すように、データ通信回線(専用電話回線20a、汎用回線20b、インターネット20c等)により接続された少なくとも2機のカラオケ演奏端末30において、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末30において同時に歌唱を行う機能を有し、カラオケ演奏端末30のうちのいずれか1機をマスター機とするとともに、その他のカラオケ演奏端末30をスレーブ機としたシステムである。
【0027】
以下に示す実施形態では、説明を簡単なものとするため、2機のカラオケ演奏端末30の間で通信デュエット歌唱を行う場合を説明するが、3機以上のカラオケ演奏端末30の間で、同一のカラオケ楽曲の演奏同期をとりながら、各カラオケ演奏端末30において同時に歌唱を行う場合にも、本発明を適用することができる。
【0028】
なお、マスター機は、データ通信回線を介した複数歌唱者による同時歌唱において、当該マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、マイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、データ通信回線を介して、スレーブ機に送信する機能を有するカラオケ演奏端末30である。これに対して、スレーブ機は、自らカラオケ演奏信号を生成するのではなく、マスター機から受信した混合音声信号に含まれるカラオケ演奏信号を用いてカラオケ演奏音を生成するカラオケ演奏端末30である。スレーブ機においてマイクロホン34から入力された歌唱音声信号は、データ通信回線を介して、マスター機に送信して再生される。
【0029】
本実施形態の歌詞文字の色変わり表示システム10は、混合音声信号送信手段52と、混合音声信号受信手段53と、色変わり表示制御手段54aと、再生制御手段49を備えることにより、歌詞文字の色変わり表示制御を行う。さらに、通信デュエット歌唱を実現するために、スレーブ歌唱音声信号送信手段46及びスレーブ歌唱音声信号受信手段47を備えている。
【0030】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0031】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係る歌詞文字の色変わり表示システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、図1に示すように、カラオケ本体31、ビデオカメラ32、スピーカ33、マイクロホン34、ミキシングアンプ35、表示装置36、カラオケリモコン装置37を備えている。また、カラオケ演奏端末30は、ルータ40及びデータ通信回線(専用電話回線20a、汎用回線20b、インターネット20c等)を介して、他のカラオケ演奏端末30及び管理サーバ60とネットワーク接続されている。
【0032】
なお、図1に示すカラオケ演奏装置30は、マスター機又はスレーブ機のいずれか一方として機能するものであるが、マスター機又はスレーブ機のいずれとなるかは、通信デュエット歌唱の選曲予約の態様等により異なるため、マスター機及びスレーブ機の双方で必要となるすべての手段等を含んでいる。
【0033】
<データ通信回線>
データ通信回線は、専用電話回線20a、汎用回線(一般電話回線)20b、インターネット20c、光通信網、LAN及びこれらを組み合わせた通信回線等を使用することができる。使用するデータ通信回線は、カラオケ演奏端末30が設置された環境等に応じて、適宜選択することができるが、特に、混合音声信号やスレーブ歌唱音声信号の送受信を行うデータ通信回線は、可能な限りデータ伝送の遅延をなくすために、専用電話回線20aを用いることが好ましい。また、データ伝送の遅延が問題とならない場合には、インターネット20cのVPN機能等を用いて、データの送受信を行ってもよい。
【0034】
<管理サーバ>
管理サーバ60は、会員情報の管理、カラオケ演奏端末30に対する楽曲データの配信、録音録画データの公開等を行うためのサーバである。なお、単独の管理サーバ60により、上述した複数の機能を実現するのではなく、各機能に特化したサーバを設け、各サーバにより各機能を実現してもよい。この際、仮想化技術により、1つのサーバに複数の機能を持たせることもできる。
【0035】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置37は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ40を介して、カラオケ本体31のネットワーク送受信手段41との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置37は、楽曲検索手段37aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース37b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部37c、データの入出力を行うための入出力表示部37d等を備えている。このカラオケリモコン装置37に付帯するスイッチ類や、入出力表示部37dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0036】
また、カラオケ演奏端末30と、利用者が所持する携帯情報端末とをペアリングすることにより、相互にデータの送受信を可能とするとともに、携帯情報端末に選曲予約のためのアプリケーションソフトをインストールして、当該携帯情報端末に選曲予約機能を持たせることもできる。
【0037】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段37aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース37bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース37bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0038】
<ビデオカメラ>
ビデオカメラ32は、利用者の姿態を撮影するための装置であり、歌唱ステージ側に向けて設置して歌唱者の歌唱姿態を撮影してもよいし、客席側に向けて設置して、利用者全体を撮影するようにしてもよい。また、ビデオカメラ32は、フォーカシング機能、ズーム機能、パン・チルト機能等を備えていてもよく、さらに、マイクロホンを備えていてもよい。このビデオカメラ32で撮影した歌唱者の歌唱姿態の映像データは、ビデオI/F55を介して、カラオケ本体31に取り込まれ、通信デュエット歌唱を行う相手側のカラオケ演奏端末30に送信して、その表示装置36に表示したり、動画撮影を行う際に利用したりすることができる。
【0039】
<マイクロホン>
マイクロホン34は、歌唱音声の入力を行うための装置である。通常のカラオケ演奏を行う場合には、マイクロホン34から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ35により、音楽再生制御手段50から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ33へ出力される。
【0040】
また、通信デュエット歌唱を行う場合には、マスター機において、マイクロホン34から入力され、A/Dコンバータ51によりデジタル変換された歌唱音声信号は、混合音声信号送信手段52の機能により、スレーブ機に送信される。一方、スレーブ機において、マイクロホン34から入力され、A/Dコンバータ51によりデジタル変換された歌唱音声信号は、スレーブ歌唱音声信号送信手段46の機能により、マスター機に送信される。
【0041】
なお、図示しないが、マイクロホン34からの音声入力信号をA/Dコンバータ51によりデジタル変換し、採点処理手段における歌唱採点等に使用してもよい。
【0042】
<表示装置>
表示装置36は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ、通信デュエット歌唱の相手映像等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0043】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、ネットワーク送受信手段41、中央制御手段42、ROM43、RAM44、HDD45、スレーブ歌唱音声信号送信手段46、スレーブ歌唱音声信号受信手段47、予約管理手段48、再生制御手段49、音楽再生制御手段50、A/Dコンバータ51、混合音声信号送信手段52、混合音声信号受信手段53、映像再生制御手段54、色変わり表示制御手段54a、ビデオI/F55を備えている。
【0044】
<中央制御手段>
中央制御手段42は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM43等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0045】
<ROM/RAM>
ROM43は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM44は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。
【0046】
本実施形態では、RAM44に、予約待ち行列44aが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列44aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲予約者の利用者ID等、他の識別データが紐付けされている場合もある。
【0047】
<HDD>
HDD45は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース45a、映像データベース45bが格納されている。なお、HDD45に替えて、あるいはHDD45と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0048】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース45aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース45bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0049】
<ネットワーク送受信手段>
ネットワーク送受信手段41は、ルータ40を介して管理サーバ60及び他のカラオケ演奏端末30との間でデータの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。また、カラオケ演奏端末30がルータ40を介して店内LAN接続されている場合には、ネットワーク送受信手段41の機能により、店内LANに接続された他のカラオケ演奏端末30やPOSサーバ(図示せず)等の間で行われるデータの送受信も制御する。
【0050】
さらに、ローカル送受信手段を設けて、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間で、赤外線通信等によるデータの送受信を行い、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37とのペアリング等を行ってもよい。
【0051】
<予約管理手段>
予約管理手段48は、任意の利用者が選曲予約する際に、当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDを含む予約待ち行列44aを作成して管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段48は、利用者により楽曲検索手段37aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列44aを作成し、この予約待ち行列44aをRAM44に格納して管理する。また、予約待ち行列44aに選曲者の利用者IDを含める場合には、利用者IDの取得が必要となる。
【0052】
利用者IDは、利用者IDカードに記憶された利用者IDをカードリーダにより読み取り、あるいは、カラオケリモコン装置37の入出力表示部37dを用いて入力された利用者ID及びパスワードに基づいて取得すればよい。さらに、利用者が携帯する携帯情報端末を用いて予約を行う機能を有する場合には、当該携帯情報端末の機器IDに紐付けされた利用者IDを取得してもよい。また、カラオケ演奏端末30を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与してもよい。
【0053】
<スレーブ歌唱音声信号送信手段>
スレーブ歌唱音声信号送信手段46は、スレーブ機として機能する場合に動作する手段である。このスレーブ歌唱音声信号送信手段46は、スレーブ機において、当該スレーブ機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号を、データ通信回線を介して、マスター機に送信するためのプログラムからなる。すなわち、スレーブ機では、スレーブ機のマイクロホン34から入力された歌唱音声信号のみをマスター機に送信する。
【0054】
<スレーブ歌唱音声信号受信手段>
スレーブ歌唱音声信号受信手段47は、マスター機として機能する場合に動作する手段である。このスレーブ歌唱音声信号受信手段47は、マスター機において、スレーブ歌唱音声信号を受信するためのプログラムからなる。このスレーブ歌唱音声信号は、通信デュエット歌唱を行うマスター機で使用され、例えば、音楽再生制御手段50の機能により出力される。
【0055】
<混合音声信号送信手段>
混合音声信号送信手段52は、マスター機として機能する場合に動作する手段である。この混合音声信号送信手段52は、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、データ通信回線を介して、スレーブ機に送信するためのプログラムからなる。本実施形態では、楽曲データベースから抽出したカラオケ演奏信号と、マイクロホン34から入力され、A/Dコンバータ51によりデジタル変換された歌唱音声信号とを混合して混合音声信号を生成する。
【0056】
<混合音声信号受信手段>
混合音声信号受信手段53は、スレーブ機として機能する場合に動作する手段である。この混合音声信号受信手段53は、スレーブ機において、混合音声信号を受信するためのプログラムからなる。スレーブ機において受信した混合混声は、音楽再生制御手段50の機能によりミキシングアンプ35に出力し、カラオケ演奏音及びマスター機の歌唱音声として使用する。
【0057】
<再生制御手段>
再生制御手段49は、マスター機及びスレーブ機において、音楽再生制御手段50及び映像再生制御手段54の上位制御を行うためのプログラムからなる。再生制御手段49は、マスター機及びスレーブ機の機能の相違に基づいて、それぞれ異なる動作を行うようになっている。
【0058】
すなわち、マスター機の再生制御手段49は、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させる制御を行う。一方、スレーブ機の再生制御手段49は、カラオケ楽曲の演奏を開始させた後、所定時間経過後に演奏を待機状態とし、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を再開させる制御を行う。マスター機及びスレーブ機における再生制御手段49は、このような制御を行うため、種々の態様で動作させることができる。
【0059】
例えば、スレーブ機の再生制御手段49は、マスター機から送信される演奏開始指示信号を受信すると、カラオケ楽曲の演奏を開始させるとともにマスター機に対してレスポンス信号を送信する。この場合には、マスター機の再生制御手段49は、スレーブ機から送信されたレスポンス信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させる。
【0060】
また、スレーブ機の再生制御手段49は、任意のタイミングでカラオケ楽曲の演奏を開始させるとともに、マスター機に対して演奏開始指示信号を送信してもよい。この場合には、マスター機の再生制御手段49は、スレーブ機から送信される演奏開始指示信号の受信を契機として、カラオケ楽曲の演奏を開始させる。
【0061】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段50は、通常のカラオケ楽曲の演奏では、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データを用いて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン34から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段50から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ33より出力するための装置である。
【0062】
なお、本実施形態では、再生制御手段49を備えているため、通信デュエット歌唱を行う場合には、再生制御手段49の制御下において音楽再生制御手段50が動作し、演奏音声信号及び歌唱音声信号の出力が行われる。
【0063】
すなわち、通信デュエット歌唱を行う場合に、マスター機では、当該マスター機において生成したカラオケ演奏信号を使用してカラオケ演奏音声を出力し、スレーブ機では、当該スレーブ機において生成したカラオケ演奏信号を使用せずに、受信した混合音声信号に含まれるカラオケ演奏信号を使用してカラオケ演奏音声を出力する。この際、スレーブ機では、音源の電源をオフとしてカラオケ音声出力をカットしてもよいし、音源の電源はオンのままで、カラオケ音声出力のみをカットしてもよい。
【0064】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段54は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース45bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置36に出力するためのプログラムからなる。なお、本発明では、歌詞文字の色変わり表示については、色変わり表示制御手段54aの制御を受けている。
【0065】
<色変わり表示制御手段>
色変わり表示制御手段54aは、マスター機及びスレーブ機の双方において動作する手段である。この色変わり表示制御手段54aは、歌詞文字の色変わり表示を制御するプログラムからなり、カラオケ楽曲の演奏に同期して、歌詞文字の色変わりの表示制御を行う。
【0066】
すなわち、カラオケ楽曲の演奏が開始すると、背景映像にスーパーインポーズして歌詞文字が表示され、カラオケ楽曲の演奏に同期して、歌唱すべき歌詞文字を色変わり表示する。この際、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏が開始して所定時間経過後に、一旦、カラオケ楽曲の演奏を待機状態とする。したがって、歌詞文字の色変わり表示も待機状態となる。その後、所定のタイミングでカラオケ楽曲の演奏が再開されると、カラオケ楽曲の演奏に同期して色変わり表示も再開する。
【0067】
所定時間経過後に行われる歌詞文字の色変わり表示の待機は、演奏が開始してから待機状態となるタイミングによって種々の態様が考えられる。例えば、カラオケ楽曲の演奏が開始して最初に歌唱すべき歌詞文字が表示された状態で色変わりせずに待機状態となったり、カラオケ楽曲の演奏が開始して最初に歌唱すべき歌詞文字の1文字目、2文字目、3文字目等のように、何文字かが色変わり表示された状態で、色変わりが待機状態となったりする。
【0068】
ここで、所定時間とは、カラオケ楽曲の演奏が開始してから、歌詞文字が表示された状態となるまでの時間のことである。カラオケ楽曲の演奏が開始してから、最初に歌唱すべき歌詞文字が表示されるまでの時間は、各カラオケ楽曲の前奏時間等により異なる。なお、カラオケ楽曲の演奏が開始してから、実際に歌詞文字が表示される所定時間の経過を待つのではなく、所定時間経過後の状態にジャンプさせてもよい。いずれの場合も、カラオケ楽曲の演奏が再開されると、カラオケ楽曲の演奏に同期して色変わり表示も再開するのは同様である。
【0069】
以下、図2図5を参照して、歌詞文字の色変わり表示制御の具体的な実施例について説明する。各図に示す実施例は、マスター機における演奏開始タイミングの複数の態様と、スレーブ機における歌詞文字の色変わり開始タイミングの複数の態様とを組み合わせたものである。
【0070】
<歌詞文字の色変わり表示制御(実施例1)>
実施例1に係る歌詞文字の色変わり表示制御では、図2に示すように、マスター機及びスレーブ機において、それぞれ通信デュエットを行うための設定を実施するとともに(S1−1、S2−1)、演奏準備を行う(S1−2、S2−2)。この際、マスター機及びスレーブ機のそれぞれの表示装置36の表示画面に、相手側のビデオカメラ32で撮影している歌唱者の姿態を表示してもよい。
【0071】
続いて、マスター機からスレーブ機に対して演奏開始指示信号を送信し(S1−3)、演奏開始指示信号を受信したスレーブ機は(S2−3)、カラオケ楽曲の演奏を開始し(S2−4)、マスター機に対してレスポンス信号を送信し(S2−5)、カラオケ楽曲の演奏を待機状態とする(S2−6)。
【0072】
一方、レスポンス信号を受信したマスター機は(S1−4)、カラオケ楽曲の演奏を開始する(S1−5)。そして、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、スレーブ機に送信する(S1−6)。この際、マスター機では、通常のカラオケ演奏と同様に、歌詞文字の色変わり表示制御が行われる。混合音声信号を受信したスレーブ機は(S2−7)、受信した混合音声信号に歌唱音声信号が含まれていたら、待機状態であったカラオケ楽曲の演奏を再開する(S2−8)。これにより、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏に同期させて、歌詞文字の色変わり表示が開始する。
【0073】
そして、マスター機及びスレーブ機におけるカラオケ楽曲の演奏終了(S1−7、S2−9)により、歌詞文字の色変わり表示制御(演奏制御)が終了する。
【0074】
<歌詞文字の色変わり表示制御(実施例2)>
実施例2に係る歌詞文字の色変わり表示制御では、図3に示すように、マスター機及びスレーブ機において、それぞれ通信デュエットを行うための設定を実施するとともに(S12−1、S22−1)、演奏準備を行う(S12−2、S22−2)。この際、マスター機及びスレーブ機のそれぞれの表示装置36の表示画面に、相手側のビデオカメラ32で撮影している歌唱者の姿態を表示してもよい。
【0075】
続いて、スレーブ機では演奏を開始するとともに、マスター機に対して演奏開始指示信号を送信し(S22−3)、カラオケ楽曲の演奏を待機状態とする(S22−4)。
【0076】
一方、演奏開始指示信号を受信したマスター機は(S12−3)、カラオケ楽曲の演奏を開始する(S12−4)。続いて、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、スレーブ機に送信する(S12−5)。この際、マスター機では、通常のカラオケ演奏と同様に、歌詞文字の色変わり表示制御が行われる。混合音声信号を受信したスレーブ機は(S22−5)、受信した混合音声信号に歌唱音声信号が含まれていたら、待機状態であったカラオケ楽曲の演奏を再開する(S22−6)。これにより、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏に同期させて、歌詞文字の色変わり表示が開始する。
【0077】
そして、マスター機及びスレーブ機におけるカラオケ楽曲の演奏終了(S12−6、S22−7)により、歌詞文字の色変わり表示制御が終了する。
【0078】
<歌詞文字の色変わり表示制御(実施例3)>
実施例3に係る歌詞文字の色変わり表示制御では、図4に示すように、マスター機及びスレーブ機において、それぞれ通信デュエットを行うための設定を実施するとともに(S13−1、S23−1)、演奏準備を行う(S13−2、S23−2)。この際、マスター機及びスレーブ機のそれぞれの表示装置36の表示画面に、相手側のビデオカメラ32で撮影している歌唱者の姿態を表示してもよい。
【0079】
続いて、マスター機からスレーブ機に対して演奏開始指示信号を送信し(S13−3)、演奏開始指示信号を受信したスレーブ機は(S23−4)、カラオケ楽曲の演奏を開始し(S23−4)、マスター機に対してレスポンス信号を送信し(S23−5)、カラオケ楽曲の演奏を待機状態とする(S23−6)。
【0080】
一方、レスポンス信号を受信したマスター機は(S13−4)、カラオケ楽曲の演奏を開始する(S13−5)。そして、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、スレーブ機に送信する(S13−6)。この際、マスター機では、通常のカラオケ演奏と同様に、歌詞文字の色変わり表示制御が行われる。混合音声信号を受信したスレーブ機は(S23−7)、自機のマイクロホン34からの歌唱音声信号の入力を契機として、待機状態であったカラオケ楽曲の演奏を再開する(S23−8)。これにより、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏に同期させて、歌詞文字の色変わり表示が開始する。
【0081】
そして、マスター機及びスレーブ機におけるカラオケ楽曲の演奏終了(S13−7、S23−9)により、歌詞文字の色変わり表示制御が終了する。
【0082】
<歌詞文字の色変わり表示制御(実施例4)>
実施例4に係る歌詞文字の色変わり表示制御では、図5に示すように、マスター機及びスレーブ機において、それぞれ通信デュエットを行うための設定を実施するとともに(S14−1、S24−1)、演奏準備を行う(S14−2、S24−2)。この際、マスター機及びスレーブ機のそれぞれの表示装置36の表示画面に、相手側のビデオカメラ32で撮影している歌唱者の姿態を表示してもよい。
【0083】
続いて、スレーブ機では演奏を開始するとともに、マスター機に対して演奏開始指示信号を送信し(S24−3)、カラオケ楽曲の演奏を待機状態とする(S24−4)。
【0084】
一方、演奏開始指示信号を受信したマスター機は(S14−3)、カラオケ楽曲の演奏を開始する(S14−4)。続いて、マスター機において生成したカラオケ演奏信号と、当該マスター機に付帯したマイクロホン34から入力された歌唱音声信号とを混合した混合音声信号を、スレーブ機に送信する(S14−5)。この際、マスター機では、通常のカラオケ演奏と同様に、歌詞文字の色変わり表示制御が行われる。混合音声信号を受信したスレーブ機は(S24−5)、自機のマイクロホン34からの歌唱音声信号の入力を契機として、待機状態であったカラオケ楽曲の演奏を再開する(S24−6)。これにより、スレーブ機では、カラオケ楽曲の演奏に同期させて、歌詞文字の色変わり表示が開始する。
【0085】
そして、マスター機及びスレーブ機におけるカラオケ楽曲の演奏終了(S14−6、S24−7)により、歌詞文字の色変わり表示制御が終了する。
【0086】
上記実施例に関して、デュエット歌唱を楽しむ場合、マスター機の歌唱者とスレーブ機の歌唱者が同時に歌唱を始めるような楽曲であれば、実施例1から実施例4のいずれの構成を用いてもよい。これに対して、まずマスター機の歌唱者のみが先行して歌唱を始めるような楽曲においては、実施例1または実施例2の構成が好適である。逆にスレーブ機の歌唱者のみが先行して歌唱を始めるような楽曲においては、実施例3または4の構成が好適である。
【0087】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 歌詞文字の色変わり表示システム
20a 専用電話回線
20b 汎用回線
20c インターネット
30 カラオケ演奏端末
31 カラオケ本体
32 ビデオカメラ
33 スピーカ
34 マイクロホン
35 ミキシングアンプ
36 表示装置
37 カラオケリモコン装置
37a 楽曲検索手段
37b 楽曲索引データベース
37c データ記憶部
37d 入出力表示部
40 ルータ
41 ネットワーク送受信手段
42 中央制御手段
43 ROM
44 RAM
44a 予約待ち行列
45 HDD
45a 楽曲データベース
45b 映像データベース
46 スレーブ歌唱音声信号送信手段
47 スレーブ歌唱音声信号受信手段
48 予約管理手段
49 再生制御手段
50 音楽再生制御手段
51 A/Dコンバータ
52 混合音声信号送信手段
53 混合音声信号受信手段
54 映像再生制御手段
54a 色変わり表示制御手段
55 ビデオI/F
60 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5