(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0012】
〔遮熱組成物〕
本実施形態に係る遮熱組成物は、
コロイダルシリカ(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
前記重合体粒子(B)は、赤外線吸収材(b1)を含むコアと、該コアを被覆し、重合体(b2)を含むシェルと、を有する。
【0013】
コロイダルシリカ(A)は、重合体粒子(B)と相互作用することにより、(B)成分の硬化剤として作用すると考えられる。当該相互作用としては、特に限定されないが、例えば、(A)成分が一般に有する水酸基と、(B)成分が有し得る水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、及び/又はエーテル基と、の水素結合、(A)成分が一般に有する水酸基と、(B)成分を構成する重合体(b2)が有し得る官能基との縮合(化学結合)等が挙げられる。
【0014】
これにより、赤外線吸収材の配合安定性に優れる遮熱組成物を得ることができる。その上、防汚性及び全光線透過率に優れ、かつ、赤外線遮熱効果によって太陽電池の温度上昇を抑制できる遮熱塗膜を与える遮熱組成物を得ることができる。
【0015】
〔コロイダルシリカ(A)〕
コロイダルシリカ(A)は、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体である。コロイダルシリカ(A)の数平均粒子径は、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは1nm〜200nmであり、さらに好ましくは1nm〜100nmであり、よりさらに好ましくは5nm〜30nmである。数平均粒子径が1nm以上であることにより、遮熱組成物の貯蔵安定性がより良好となる傾向にある。また、数平均粒子径が100nm以下であることにより、遮熱組成物から得られる遮熱塗膜の透明性がより良好となる傾向にある。コロイダルシリカ(A)は、水又は水溶性溶媒の分散体の状態で、酸性及び塩基性のいずれであってもよい。なお、遮熱組成物に含まれる(B)成分の水性分散体が安定に存在しうるpH領域に応じて、コロイダルシリカ(A)のpHを適宜選択することができる。
【0016】
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、市販品として日産化学工業(株)製のスノーテックス(商標)−O、スノーテックスOS、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製のアデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製のクレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25等が挙げられる。
【0017】
また、水を分散媒体とする塩基性のコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又はアミンの添加で安定化したコロイダルシリカ等が挙げられる。このようなコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、より具体的には、市販品として日産化学工業(株)製のスノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−L等、旭電化工業(株)製のアデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50等、クラリアントジャパン(株)製のクレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50、デュポン社製のルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30等が挙げられる。
【0018】
水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、市販品として日産化学工業(株)製のMA−ST−M(数平均粒子径が20nm〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(数平均粒子径が10nm〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(数平均粒子径が10nm〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(数平均粒子径が70nm〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(数平均粒子径が10nm〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)等が挙げられる。
【0019】
これらコロイダルシリカは1種を単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。コロイダルシリカ(A)は、少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウム等を含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)等を含んでいてもよい。
【0020】
〔重合体粒子(B)〕
重合体粒子(B)は、赤外線吸収材(b1)を含むコアと、該コアを被覆し、重合体(b2)を含むシェルと、を有する。
【0021】
(赤外線吸収材(b1))
赤外線吸収材(b1)が重合体粒子(B)のコアとして含まれることにより、赤外線吸収材(b1)同士の凝集を抑制することができ、遮熱組成物中における赤外線吸収材の配合安定性がより向上する。
【0022】
赤外線吸収性剤(b1)としては、赤外線領域(波長800nm以上)に吸収帯を有する吸収性剤であれば特に限定されず、例えば、有機物微粒子、無機物微粒子及びそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
有機物微粒子としては、特に限定されないが、具体的には、シアニン系、ポルフィリン系、フタロシアニン系等が挙げられる。
【0024】
無機微粒子としては、特に限定されないが、具体的には、錫をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化錫、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン及びこれらの複合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の透明導電性微粒子;銀、金、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属微粒子;式M
xW
yO
z(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIからなる群より選択される1種類以上の元素を表し、Wはタングステンを表し、Oは酸素を表し、0.0001≦x/y≦1.5、1.0≦z/y≦5.0)で表記される複合タングステン酸化物;酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ビスマス、酸化チタン等の紫外領域に吸収を有する微粒子が挙げられる。無機微粒子は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
【0025】
このなかでも、赤外線吸収材(b1)が、錫をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化錫、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、及びこれらの複合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。このような赤外線吸収材(b1)を用いることにより、赤外線吸収効率により優れる傾向にある。
【0026】
赤外線吸収性剤(b1)は太陽光の赤外線波長、特にシリコンの吸収帯に相当する波長域に吸収が無いことが好ましい。赤外線吸収性剤(b1)の可視紫外光領域波長300nm〜780nmにおける平均反射率は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。可視紫外光領域波長300nm〜780nmにおける平均反射率の下限は、低いほど好ましく、より好ましくは2%以下である。可視紫外光領域波長300nm〜780nmにおける平均反射率が上記範囲内であることにより、太陽電池の発電に使用される透過光を低減させないことにより優れる傾向にある。なお、可視紫外光領域波長300nm〜780nmにおける平均反射率は、反射分光計により測定することができる。
【0027】
また、赤外線吸収性剤(b1)の赤外線領域波長780nm〜2500nmにおける平均反射率は、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上がさらに好ましい。赤外線領域波長780nm〜2500nmにおける平均反射率の上限は、80%以下が好ましい。赤外線領域波長780nm〜2500nmにおける平均反射率が上記範囲内であることにより、太陽電池の発電に使用される透過光を低減させずに遮熱機能を持たせることにより優れる傾向にある。なお、赤外線領域波長780nm〜2500nmにおける平均反射率は、反射分光計により測定することができる。
【0028】
赤外線吸収性剤(b1)の赤外線領域波長1000nm〜2500nmにおける吸収は、0.1%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。赤外線領域波長1000nm〜2500nmにおける吸収の上限は、80%以下が好ましい。波長1000nm〜2500nmの領域は赤外線が熱に効率よく変換される波長域であり、波長1000nm〜2500nmの波長域における吸収が上記範囲内であることにより、太陽電池の発電に使用される透過光を低減させずに遮熱機能を持たせることにより優れる傾向にある。なお、この波長域はシリコンの吸収領域とも重なるため赤外線吸収剤の赤外線吸収能力に応じて添加量を調整して用いることもできる。赤外線領域波長1000nm〜2500nmにおける吸収は、紫外可視吸収スペクトルにより測定することができる。
【0029】
赤外線吸収性剤(b1)の数平均粒子径は、5nm〜200nmが好ましく、5nm〜150nmがより好ましく、5nm〜100nmがさらに好ましい。数平均粒子径が5nm以上であることにより、配合安定性により優れる傾向にある。また、数平均粒子径が200nm以下であることにより、赤外線吸収性剤(b1)の粒子に起因する散乱による、シリコンの吸収帯波長の光の散乱をより抑制できるため、太陽電池の発電性能に悪影響を与えずに温度の上昇を効率的に抑制することができる傾向にある。また、数平均粒子径が200nm以下であることにより、(A)成分の添加量が多い場合でも散乱光が強くならず太陽電池の発電効率が低下しない傾向にある。
【0030】
(重合体(b2))
重合体粒子(B)のシェルを構成する重合体(b2)としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、ポリブタジエン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂などのポリカルボニル化合物などから構成される重合体等が挙げられる。
【0031】
重合体(b2)は、加水分解性珪素化合物(b3)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b4)と、の重合体を含むことが好ましい。加水分解性珪素化合物(b3)及びビニル単量体(b4)としては、特に限定されないが、例えば、後述するものと同様のものを用いることができる。このような重合体(b2)を用いることにより、塗膜の親水性(防汚性)により優れる傾向にある。
【0032】
本実施形態に用いる重合体粒子(B)としては、特に限定されないが、水及び乳化剤の存在下で、赤外線吸収材(b1)と、加水分解性珪素化合物(b3)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b4)と、を重合して得られる、重合体粒子が好ましい。このような重合体粒子(B)の形態は、特に限定されないが、例えば、重合体エマルジョン粒子であることが好ましい。このような重合体粒子(B)を用いることにより、塗膜の透明性により優れる傾向にある。なお、乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、後述するものと同様のものを用いることができる。
【0033】
(加水分解性珪素化合物(b3))
重合体粒子(B)を製造するのに用いる加水分解性珪素化合物(b3)としては、特に限定されないが、例えば、後述する加水分解性珪素化合物(C)で例示するものが挙げられる。
【0034】
なお、これらの加水分解性珪素化合物(b3)は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
【0035】
(ビニル単量体(b4))
重合体粒子(B)を製造するのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b4)としては、特に限定されないが、例えば、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等を例示することができる。具体的には、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。
【0036】
重合体粒子(B)を製造するために用いるビニル単量体(b4)のアミド基は、2級、3級いずれであってもよいが、3級アミド基が好ましい。3級アミド基を有するビニル単量体(b4)を用いることにより、得られる重合体粒子(B)と、コロイダルシリカ(A)との間の水素結合等の相互作用性がより強まる傾向にある。このようなビニル単量体(b4)の中でも、N,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に非常に優れるとともに、上述した加水分解性珪素化合物(b3)の重合生成物の水酸基やコロイダルシリカ(A)の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能であるため、より好ましい。
【0037】
〔重合体粒子(B)の製造方法〕
赤外線吸収材(b1)をコアとした重合体粒子(B)を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法が好ましい。シード重合法としては、特に限定されないが、例えば、赤外線吸収材(b1)のエマルジョン粒子を分散させた反応容器に、加水分解性珪素化合物(b3)及びビニル単量体(b4)をそのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割して、又は連続的に滴下し、重合触媒の存在下、重合させる方法が挙げられる。反応圧力は、大気圧から10MPaが好ましい。また、反応温度は、30〜150℃が好ましい。なお、必要に応じて、圧力や反応温度を変更してもよい。
【0038】
重合体粒子(B)の合成には乳化剤を使用してもよい。乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤;ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
【0039】
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤が好ましい。反応性乳化剤を用いることにより、得られる重合体粒子(B)の水分散安定性がより一層良好になるとともに、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた遮熱塗膜を形成することができる傾向にある。
【0040】
反応性乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体、それらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体;4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
【0041】
スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物等が挙げられる。
【0042】
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
【0043】
スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、アリルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、市販品としては、特に限定されず、例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)等が挙げられる。
【0044】
ノニオン基を有するビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業(株)製)等が挙げられる。
【0045】
本実施形態において使用する重合体粒子(B)には、その用途及び使用方法などに応じて、通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等を配合することができる。
【0046】
〔加水分解性珪素化合物(C)〕
本実施形態に係る遮熱組成物は、加水分解性珪素化合物(C)をさらに含むことができる。加水分解性珪素化合物(C)を含むことにより、加水分解性珪素化合物(C)のシラノール基とコロイダルシリカ(A)の表面に存在する水酸基との間の縮合反応により結合が形成されたり、あるいは、加水分解性珪素化合物(C)とコロイダルシリカ(A)との間に水素結合が形成されることにより、塗膜の機械的強度がより増加する傾向にある。
【0047】
加水分解性珪素化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、等のテトラアルコキシシラン類;、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、等のトリアルコキシシラン類;、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、等のモノアルコキシシラン類;テトラアセトキシシラン、テトラキス(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラキス(トリフルオロアセトキシ)シラン、トリアセトキシシラン、トリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリス(トリフルオロアセトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(トリクロロアセトキシ)シラン、等のアセトキシシラン類;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラフルオロシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、メチルトリフルオロシラン等のハロゲン化シラン類;テトラキス(メチルエチルケトキシム)シラン、トリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シン、ビス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン等のケトキシウムシラン類;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等のシラザン類;ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルシラン等のその他のシラン類が挙げられる。
【0048】
〔遮熱塗膜〕
本実施形態に係る遮熱塗膜は、赤外線吸収材(b1)を含むコアと、該コアを被覆し、重合体(b2)を含むシェルと、を含む重合体粒子(B)と、該重合体粒子(B)表面のシラノール基及び/又はアミド基と共有結合及び/又は水素結合により結合したコロイダルシリカ(A)と、を有する。本実施形態に係る遮熱塗膜は、例えば本実施形態に係る遮熱組成物を塗布し、乾燥させることで得ることができる。得られた遮熱塗膜は、コロイダルシリカ(A)や、必要に応じて加える加水分解性珪素化合物に起因する表面親水性を有しているので、防汚効果があるものと考えられる。すなわち、遮熱塗膜が表面親水性を有するため、その帯電防止効果によって砂埃等の汚れの付着が低減されると共に、汚れが付着した場合でも雨水により洗い流されると考えられる。ただし、機序はこれによらない。また、この遮熱塗膜は、全光線透過率に優れ、かつ、赤外線遮熱効果を有するため、太陽電池の保護膜として好適に使用することができる。なお、重合体粒子(B)表面のシラノール基及び/又はアミド基と、コロイダルシリカ(A)と、の共有結合及び/又は水素結合は、遮熱塗膜をFTIRで測定することにより確認することができる。
【0049】
〔遮熱部材〕
本実施形態に係る遮熱部材は、基材と、該基材上に上記遮熱組成物を塗布し、乾燥させて形成された遮熱塗膜と、を備える。また、遮熱部材は、防汚性を有し、全光線透過率に優れ、かつ、赤外線遮熱効果を有するため、太陽電池の保護部材用として好適に用いることができる。
【0050】
本実施形態で使用される基材としては、特に限定されず、例えば、その材料がガラスや樹脂であるものが好ましく用いられる。また、透明性、耐候性、軽量化の観点から、基材を構成する材料が、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びエチレン−フルオロエチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料、又はそれらの複合材料であると好ましい。アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレン−フルオロエチレン共重合体には、耐候性を付与する目的で耐候剤等をさらに練り込んでもよい。
【0051】
また、本実施形態に係る太陽電池用遮熱部材は、例えば、水等の溶媒等に分散させた上記遮熱組成物(以下、単に「水分散体」と略記することがある。)を基材上に塗布し乾燥することで形成される。ここで、水分散体の固形分濃度は、好ましくは0.01〜60質量%であり、より好ましくは1〜40質量%である。また、水分散体の粘度は、20℃において好ましくは0.1〜100000mPa・s、より好ましくは1〜10000mPa・sである。さらに、遮熱組成物の基材への塗布方法としては、例えばスプレー吹き付け法、フロー遮熱法、ロールコート法、バーコート法、刷毛塗り法、ディップ遮熱法、スピン遮熱法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。なお、塗膜を基材上で乾燥した後、所望により好ましくは100℃以下での熱処理や紫外線照射等を行って得ることも可能である。
【実施例】
【0052】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各種物性は下記の方法で評価した。
【0053】
1.数平均粒子径
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて、試料に含まれるコロイダルシリカ又は重合体粒子の数平均粒子径を測定した。
【0054】
2.防汚性(初期接触角)
遮熱塗膜の表面に脱イオン水の水滴を載せ、23℃で1分間放置した後、接触角測定装置(協和界面科学製、CA−X150型接触角計)を用いて、その水滴の接触角を測定した。
【0055】
3.全光線透過率
濁度計(日本電色工業製、商品名「NDH2000」)を用い、JIS−K7105に準じて、白板ガラスと遮熱塗膜との積層体(遮熱部材)の全光線透過率を測定した。
【0056】
4.配合安定性
遮熱組成物を400メッシュでろ過し、残渣の有無を確認した。残渣がほとんど確認されないものを良好とした。また、残渣が確認されたものは凝集沈殿物有りと評価した。
【0057】
5.赤外線遮蔽効果(赤外線吸収率)
赤外分光光度計(日本分光製「FT/IR4100」を用い、遮熱塗膜の赤外線吸収率を測定した(測定波長1300nm)
【0058】
6.太陽電池モジュール温度
定格出力70Wの太陽電池に遮熱組成物を塗布して得られた太陽電池モジュールを、屋外(日本国静岡県富士市)に30度の傾斜角度で曝露し、モジュールの背面に取り付けた熱電対で太陽電池のモジュールの温度を測定した。測定時の天気は晴れ、大気温度は25℃であった。
【0059】
〔製造例1〕
・重合体粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1400g、ZnO
2・Sb
2O
5複合粒子(固形分30.5%)200g及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。得られた混合液(1)に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン300gを反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(2)を得た。その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(2)を約1時間撹拌して、混合液(3)を得た。次に、得られた混合液(3)に、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを含む混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを含む混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で液中の固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径100nmの重合体粒子(B−1)の水分散体を得た。
【0060】
〔製造例2〕
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応容器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸6gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、ジメチルジメトキシシラン185gとフェニルトリメトキシシラン117gとの混合液を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応容器中の温度を80℃に維持した状態で約1時間撹拌を続行した。次にアクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン133g及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを含む混合液と、ジエチルアクリルアミド137g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(旭電化(株)製、商品名「アデカリアソープSR−1025」、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g及びイオン交換水1900gを含む混合液とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応容器中の温度を80℃に維持した状態で約2時間撹拌を続行した後、液を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で液中の固形分を10.0質量%に調整し、(B)成分である数平均粒子径70nmの重合体粒子(B−2)の水分散体を得た。
【0061】
[実施例1]
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名「スノーテックス−OS」((A
)成分)を水で希釈して、固形分10質量%の分散液(粒子の数平均粒子径8nm)に調
整した。分散液と、製造例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体と、を固形分換算でA/B=100/100(質量比)の割合で配合し、遮熱組成物を得た。得られた遮
熱組成物を膜厚1000nmになるように白板ガラス(厚み2mm、6×6cm角)上にディップコートにて塗布した後、70℃で30分間乾燥させて遮熱塗膜を得た。得られた遮熱組成物の配合安定性は良好であった。得られた遮熱塗膜の物性を表1に示す。
【0062】
[実施例2]
(C)成分としてテトラエトキシシラン(和光純薬製試薬特級)をA/B/C=100/100/40(質量比)の割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の遮熱組成物及び遮熱塗膜を得た。得られた遮熱組成物の配合安定性は良好であった。得られた遮熱塗膜の物性を表1に示す。
【0063】
[比較例1]
B成分を含まないこと以外は実施例2と同様にして比較例1の遮熱組成物及び遮熱塗膜を得た。得られた遮熱組成物の配合安定性は良好であった。得られた遮熱塗膜の物性を表1に示す。
【0064】
[比較例2]
重合体粒子(B−1)の代わりにb1成分としてZnO
2・Sb
2O
5複合粒子(固形分30.5%)をA/b1/C=100/10/40(質量比)の割合で添加したこと以外は、実施例2と同様にして比較例2の遮熱組成物及び遮熱塗膜を得た。得られた遮熱組成物は凝集沈殿物が確認され、配合安定性は低かった。得られた遮熱塗膜の物性を表1に示す。
【0065】
[比較例3]
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名「スノーテックス−OS」((A)成分)を水で希釈して、固形分10質量%の分散液(粒子の数平均粒子径8nm)に調整した。そこに、ZnO
2・Sb
2O
5複合粒子(固形分30.5%)((b1)成分)と製造例2で合成した重合体粒子(B−2)の水分散体とを固形分換算でA/b1/B−2=100/5/100(質量比)の割合で配合し、比較例3の遮熱組成物及び遮熱塗膜を得た。得られた遮熱組成物は凝集沈殿物が確認され、配合安定性は低かった。得られた遮熱塗膜の物性を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
以上より、各実施例の遮熱組成物は、配合安定性、防汚性、全光線透過率に優れ、赤外線遮蔽効果によって太陽電池の温度上昇を抑制し発電効率の向上に寄与できることが確認された。