特許第6182042号(P6182042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182042
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ケーブル搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A63J 1/00 20060101AFI20170807BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20170807BHJP
   E04H 3/22 20060101ALI20170807BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170807BHJP
【FI】
   A63J1/00
   A63J5/02
   E04H3/22
   F21S2/00 621
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-211919(P2013-211919)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-73735(P2015-73735A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】304039065
【氏名又は名称】カヤバ システム マシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】副島 正浩
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−140686(JP,A)
【文献】 実公昭46−469(JP,Y1)
【文献】 実開平4−105081(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63J 1/00−99/00
E04H 3/10− 3/30
F21K 9/00− 9/90
F21S 2/00−19/00
F21V 21/00−21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
舞台と上記舞台の上側に設けられる足場との間に配置される演出用電気機器に接続される一以上のケーブルを回収し、運搬するケーブル搬送装置において、
上記足場の上側に水平方向に延びるとともに二本並べて設けられたレールと、
上記各レールに吊り下げられた状態で上記レールを走行する一以上の台車と、
上記台車に積載されて上記ケーブルを繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリールとを備え
上記台車は、上記レールの一方を走行する一以上の一方側走行手段と、上記一方側走行手段に連結される一方側支持体と、上記レールの他方を走行する一以上の他方側走行手段と、上記他方側走行手段にリンク機構を介して連結される他方側支持体と、上記一方側支持体と上記他方側支持体の間に架設され上記ケーブルリールが積載される支持台とを備えており、
上記リンク機構は、上記他方側走行手段と上記他方側支持体に対し進行方向に沿う軸回りに揺動可能とされている
ことを特徴とするケーブル搬送装置。
【請求項2】
舞台と上記舞台の上側に設けられる足場との間に配置される演出用電気機器に接続される一以上のケーブルを回収し、運搬するケーブル搬送装置において、
上記足場の上側に水平方向に延びる一以上のレールと、
上記各レールに吊り下げられた状態で上記レールを走行する一以上の台車と、
上記台車に積載されて上記ケーブルを繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリールとを備え、
上記ケーブルは、二種類設けられており、一方が上記演出用電気機器に制御信号を供給する信号ケーブルで、他方が上記演出用電気機器に電力を供給するとともに上記信号ケーブルと太さが異なる電源ケーブルであって、
上記ケーブルリールは、二台設けられており、一方が上記信号ケーブルを繰り出し、巻き取るとともに、他方が上記電源ケーブルを繰り出し、巻き取る
ことを特徴とするケーブル搬送装置。
【請求項3】
上記一方側支持体には、上記台車の進行方向に並ぶ二つの上記一方側走行手段が連結されており、
上記リンク機構には、一つの上記他方側走行手段が連結されている
ことを特徴とする請求項に記載のケーブル搬送装置。
【請求項4】
上記レールは、上記舞台の奥行き方向に延びている
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のケーブル搬送装置。
【請求項5】
上記レールは、鉛直方向に起立する中央片と、上記中央片の下端から両側に上記中央片に対して垂直方向に延びる一対の下側フランジ片とを備えており、
上記一方側走行手段および上記他方側走行手段は、上記下側フランジ片の上面に当接し水平方向に沿う軸回りに回転する一対の車輪を備えており、
上記一方側走行手段のみが、上記下側フランジ片の反中央片側端面に当接し鉛直方向に沿う軸回りに回転する一対のサイド車輪を備えている
ことを特徴とする請求項3または請求項1を引用する請求項4に記載のケーブル搬送装置。
【請求項6】
上記台車を任意の位置で停車させるストッパを設けた
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のケーブル搬送装置。
【請求項7】
上記台車が、上記レールに複数設けられるとともに、上記レールを走行する上記台車同士が接触した時の衝撃を吸収するクッション部材を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載のケーブル搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、演劇やコンサートに利用される多目的ホールや、テレビ局のスタジオでは、出演者を照らしたり地明かりをつくったりするための照明器具や、幕、書割等、種々の演出器具をバトンに吊っている。例えば、特許文献1には、バトンに吊り下げられて照明器具を保持する照明ブリッジが開示されており、異なるバトンに照明ブリッジを吊り替えることで、演目に合わせて照明器具の位置を変更できる。
【0003】
照明器具等の電力供給が必要な演出用電気機器には、電源ケーブルや信号ケーブル等のケーブルが接続されており、上記したように、照明器具の位置を変更する場合、上記ケーブルも照明器具の位置に合わせて変更する必要がある。そこで、このような演出用電気機器の位置の変更がある場合には、ケーブルを回収して演出用電気機器の移動先に移動するため、ケーブル搬送装置が利用されることがある。
【0004】
例えば、特許文献2に開示のように、照明器具を吊り下げるバトン上にケーブル受け籠を固定し、照明器具が上記ケーブル受け籠に収容されたケーブルから電力供給を受ける場合、上記ケーブル受け籠は、ケーブル搬送装置としても利用される。具体的には、照明器具の位置を変更する際、一旦、照明器具とともにケーブル受け籠を舞台上に降ろしてバトンから外し、照明器具からケーブルを外す。そして、ケーブル受け籠を手動フォークリフトで持ち上げて台車に載せ、舞台上を移動して照明器具の移動先に運ぶ。つづいて、この照明器具の移動先で、再度、ケーブル受け籠を手動フォークリフトで持ち上げて台車から降ろし、照明器具を吊るバトンに固定するとともに、ケーブルと照明器具とを接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−265804号公報
【特許文献2】特開平10−182012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、場合によっては、ケーブル受け籠とケーブルの合計重量が200kgを超えることもあるので、ケーブルを収容したケーブル受け籠を台車に載せたり、降ろしたり、移動したり、異なるバトンに付け替えたりする際の作業負荷が極めて大きい。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ケーブルの移動に伴う作業負荷を軽減することが可能なケーブル搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、舞台と上記舞台の上側に設けられる足場との間に配置される演出用電気機器に接続される一以上のケーブルを回収し、運搬するケーブル搬送装置において、上記足場の上側に水平方向に延びるとともに二本並べて設けられたレールと、上記各レールに吊り下げられた状態で上記レールを走行する一以上の台車と、上記台車に積載されて上記ケーブルを繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリールとを備え、上記台車は、上記レールの一方を走行する一以上の一方側走行手段と、上記一方側走行手段に連結される一方側支持体と、上記レールの他方を走行する一以上の他方側走行手段と、上記他方側走行手段にリンク機構を介して連結される他方側支持体と、上記一方側支持体と上記他方側支持体の間に架設され上記ケーブルリールが積載される支持台とを備えており、上記リンク機構は、上記他方側走行手段と上記他方側支持体に対し進行方向に沿う軸回りに揺動可能とされていることを特徴とする。他の手段としては、舞台と上記舞台の上側に設けられる足場との間に配置される演出用電気機器に接続される一以上のケーブルを回収し、運搬するケーブル搬送装置において、上記足場の上側に水平方向に延びる一以上のレールと、上記各レールに吊り下げられた状態で上記レールを走行する一以上の台車と、上記台車に積載されて上記ケーブルを繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリールとを備え、上記ケーブルは、二種類設けられており、一方が上記演出用電気機器に制御信号を供給する信号ケーブルで、他方が上記演出用電気機器に電力を供給するとともに上記信号ケーブルと太さが異なる電源ケーブルであって、上記ケーブルリールは、二台設けられており、一方が上記信号ケーブルを繰り出し、巻き取るとともに、他方が上記電源ケーブルを繰り出し、巻き取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のケーブル搬送装置によれば、ケーブルの移動に伴う作業負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係るケーブル搬送装置の取り付け状態を説明する正面図である。
図2図1の平面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係るケーブル搬送装置を具体的に示した正面図である。
図4】他方側走行手段と、リンク機構を省略した図3の左側面図である。
図5】一方側走行手段と、一方側支持体を省略した図3の右側面図である。
図6】一方側走行手段部分を拡大して示した図である。
図7】他方側走行手段部分を拡大して示した図である。
図8】ストッパ部分を拡大して示した図である。
図9】クッション部材部分を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施の形態に係るケーブル搬送装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係るケーブル搬送装置Aは、舞台とこの舞台の上側に設けられる足場Fとの間に配置される照明器具(演出用電気機器)Lに接続される一以上のケーブルK1,K2を回収し、運搬するものであり、上記足場Fの上側に水平方向に延びる一以上のレール1L,1Rと、これらレール1L,1Rに吊り下げられた状態で上記レール1L,1Rを走行する一以上の台車2と、これらの台車2に積載されて上記ケーブルK1,K2を繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリール3A,3Bとを備えている。
【0013】
また、ケーブル搬送装置Aは、本実施の形態において、演劇やコンサートが催される多目的ホールに利用されている。この多目的ホールの構成は、周知であるので詳細に図示しないが、客席と、出演者が演目を披露する舞台とを備えている。客席から見える舞台の左右方向の幅が舞台の間口であり、客席から見た奥行きが舞台の奥行きである。なお、本発明に係るケーブル搬送装置Aは、多目的ホール以外に利用されるとしてもよく、例えば、テレビ局のスタジオ等に利用されるとしてもよい。
【0014】
舞台の上側(天井側)には、複数の梁と、これら梁上に架設される簀子状の足場板からなる足場Fが設置されており、当該足場Fの下側には、舞台の間口方向に延びるとともに、奥行き方向に複数並んで配置されるバトンBがワイヤロープWで略水平に吊り下げられている。バトンBは、それぞれ、上下させることができ、照明器具Lや、幕、書割等、種々の演出器具を保持している。本実施の形態において、二本のバトンB(一方のバトンBのみを図示し、他方のバトンを図示せず)を利用して照明ブリッジLBが吊り下げられており、当該照明ブリッジLBに複数の照明器具Lが取り付けられている。そして、照明ブリッジLBを異なるバトンBに付け替えることで、照明器具Lの位置を舞台の手前や奥に移動することができる。
【0015】
以下、上記照明器具Lに接続されるケーブルK1,K2を回収し、運搬するケーブル搬送装置Aの各構成について詳細に説明する。以下の説明において、客席側から見たケーブル搬送装置Aの左をケーブル搬送装置Aの「左」、右を「右」、手前を「前」、奥を「後」とする。
【0016】
ケーブル搬送装置Aは、図1,2に示すように、舞台の間口方向に複数並んで配置されており、それぞれ、足場Fの上側を走る左右一対のレール1L,1Rと、これらのレール1L,1Rに吊り下げられた状態で前後に並んで上記レール1L,1Rを走行する複数の台車2とを備えている。そして、各台車2には、それぞれ、上下一対のケーブルリール3A,3Bが積載されている。本実施の形態において、ケーブル搬送装置Aが回収し、運搬するケーブルK1,K2は、照明器具Lに接続されるものであるが、照明器具L以外の、例えば、音響機器や、煙を発生するスモーク機器など、電力供給が必要な他の演出用電気機器に接続されるとしてもよい。また、ケーブル搬送装置A、台車2、及びケーブルリール3A,3Bの数や配置は、上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
【0017】
台車2は、それぞれ、図3〜5に示すように、左側のレール1Lを走行する前後二つの一方側走行手段4A,4Bと、これら一方側走行手段4A,4Bに連結される一方側支持体20と、右側のレール1Rを走行する一つの他方側走行手段5と、この他方側走行手段5に揺動可能に連結されるリンク機構21と、このリンク機構21に揺動可能に連結される他方側支持体22と、一方側支持体20と他方側支持体22の間に架設される上下一対の支持台23,24と、台車2を任意の位置で停車させるストッパ6とを備えており、各支持台23,24に、ケーブルリール3A,3Bがそれぞれ積載されている。
【0018】
台車2が走行する左右一対のレール1L,1Rは、共に、H鋼(H形鋼)からなり、足場Fの上側に配置され、前後に略水平に延びるとともに、略平行とされている。図6,7に示すように、両レール1L,1Rは、共に、鉛直方向に起立する中央片10と、この中央片10の上端から左右に張り出し中央片10に対して垂直方向に延びる一対の上側フランジ片11,12と、中央片10の下端から左右に張り出し中央片10に対して垂直方向に延びる一対の下側フランジ片13,14とを備えて、断面H形となっている。
【0019】
そして、左側のレール1Lを走行する前後二つの一方側走行手段4A,4Bは、図6に示すように、共に、左側のレール1Lの下側に配置される台座40と、この台座40の左右両側から起立する一対のブラケット41,41と、これらブラケット41,41に保持されて鉛直方向に起立する一対のピン42,42と、これらピン42,42に回転自在に保持されて下側フランジ片13,14の反中央片側の端面13a,14aにそれぞれ当接する一対のサイド車輪43,43と、上記各ブラケット41,41の上端部に固定され中央片10に向けて水平方向に延びる一対の車軸44,44と、これら車軸44,44の外周に回転自在に保持されて下側フランジ片13,14の上面に当接する一対の車輪45,45とを備えている。
【0020】
そして、台車2の走行時において、車輪45は、水平方向に沿う軸(車軸44)回りに回転し、サイド車輪43は、鉛直方向に沿う軸(ピン42)回りに回転して、レール1Lに対する走行手段4A,4Bの左右方向の移動を規制し、脱輪を防止する。また、各一方側走行手段4A,4Bの台座40には、それぞれ、下側に延びる連結片40aが設けられており、一方側走行手段4A,4Bは、それぞれ、当該連結片40aを介して一方側支持体20に連結されている。
【0021】
他方、他方側走行手段5は、図7に示すように、右側のレール1Rの下側に配置される台座50と、この台座50の左右両側から起立する一対のブラケット51,51と、これらブラケット51,51の上端部に固定されレール1Rの中央片10に向けて水平方向に延びる前後二対の車軸52,52(図7中、一方の一対の車軸52,52のみを図示し、他方の一対の車軸を図示せず)と、これら車軸52,52の外周に回転自在に保持されて下側フランジ片13,14の上面に当接する前後一対の車輪53,53(図7中、一方の一対の車輪53,53のみを図示し、他方の一対の車輪を図示せず)とを備えている。
【0022】
そして、台車2の走行時において、車輪53は、水平方向に沿う軸(車軸52)回りに回転する。また、他方側走行手段5は、一方側走行手段4A,4Bのサイド車輪43に相当する構成を備えておらず、レール1Rに対する左右の動きが許容されている。このため、レール長が長くレール幅を均一にできなくても、他方側走行手段5がレール1Rに対して左右に動き、一方側走行手段4A,4Bと他方側走行手段5の間隔をなるべく一定に維持できる。なお、他方側走行手段5は、一方側走行手段4A,4Bのサイド車輪43に相当する構成を備えていないものの、左側若しくは右側に配置される一方の車輪53が最大限中央片10側に寄ったとしても、他方の車輪53が下側フランジ片(13または14)から外れないようになっており、これにより脱輪が防止されている。また、台座50には、下側に延びる連結片50aが設けられており、他方側走行手段5は、当該連結片50aを介してリンク機構21に連結される。
【0023】
もどって、一方側走行手段4A,4Bに連結される一方側支持体20は、本実施の形態において、図3,4に示すように、鉛直方向に延び前端部に配置される上下一対の前縦支柱20a,20bと、同じく鉛直方向に延び後端部に配置される上下一対の後縦支柱20c,20dと、上側の前縦支柱20aと上側の後縦支柱20cの上部の間に架設される上横材20eと、上側の前縦支柱20aと上側の縦支柱20cの下端をつなぐとともに下側の前縦支柱20bと下側の後縦支柱20dの上端をつなぐ中横材20fと、下側の前縦支柱20bと下側の後縦支柱20dの下端をつなぐ下横材20gとを備えて矩形枠状に形成されている。そして、上側の前縦支柱20aの上端が前側の一方側走行手段4Aの連結片40aに剛接合されており、上側の後縦支柱20cの上端が後側の走行手段4Bの連結片40bに剛接合されている。
【0024】
さらに、上側の前縦支柱20aには、上下一対のブラケット20h,20iを介してストッパ6が取り付けられている。当該ストッパ6は、図8に示すように、筒状に形成されて内周面に螺子溝を有し上側のブラケット20hに固定されるナット部材60と、このナット部材60の内周に螺合される螺子軸部材61と、この螺子軸部材61から上側に延びる上部延設軸62と、この上部延設軸62の上端部に固定されるパッド63と、上記螺子軸部材61から下側に延びて下側のブラケット20iで回転可能に支持される下部延設軸64と、この下部延設軸64の下端部に固定されるハンドル65とを備えている。
【0025】
そして、上記ハンドル65を回転すると、上記螺子軸部材61、上部延設軸62、パッド63、下部延設軸64及びハンドル65が一体的に上下に動き、上記パッド63をレール1Lの下面に押し当てることで、台車2の移動を規制し、台車2を任意の位置で停車させることができる。なお、ストッパ6の取り付け位置は、適宜変更することが可能であり、例えば、上側の後縦支柱20cに取り付けられるとしてもよい。また、ストッパ6の構成も、適宜変更することが可能である。
【0026】
また、上側の後縦支柱20cには、ブラケット20jを介してクッション部材7が取り付けられており、同じレール1L,1Rを走行する台車2同士が接触した時の衝撃を吸収できるようになっている。本実施の形態においては、クッション部材7がナット部材60と同じ高さに配置されているので、前後の台車2が接触した時、前側の台車2のクッション部材7に、後側の台車2のナット部材60が当接し、衝撃を吸収するようになっている。なお、このクッション部材7の取り付け位置や構成も、適宜変更することが可能である。
【0027】
つづいて、他方側走行手段5にリンク機構21を介して連結される他方側支持体22は、本実施の形態において、図3,5に示すように、鉛直方向に延び前端部に配置される前縦支柱22aと、同じく鉛直方向に延び後端部に配置される後縦支柱22bと、前縦支柱22aと後縦支柱22bの上端をつなぐ上横材22cと、前縦支柱22aと後縦支柱22bの下端をつなぐ下横材22dとを備えて矩形枠状に形成されている。
【0028】
そして、上記リンク機構21は、本実施の形態において、図5に示すように、上記上横材22cの上側に上横材22cに沿って水平方向に延びる横軸21aと、この横軸21aの軸方向の両端から上側に斜めに延びる一対の斜材21b,21cと、これら斜材21b,21cの上端部を繋ぐ連結部21dとを備えて三角枠状に形成されている。さらに、リンク機構21は、横軸21aの前側端部と他方側支持体22の上横材22cを揺動可能に連結する連結具21fと、横軸21aの後側端部と上横材22cを揺動可能に連結する連結具21gと、連結部21dと他方側走行手段5の連結片50aとを揺動可能に連結する連結具21hとを備えている。つまり、リンク機構21は、他方側走行手段5と他方側支持体22にピン接合されており、他方側走行手段5と他方側支持体22に対し、進行方向に沿う軸回りに揺動可能とされている。
【0029】
つづいて、一方側支持体20と他方側支持体22の間に架設される上下の支持台23,24は、共に、矩形板状に形成されている。図3〜5に示すように、一方側支持体20の中横材20fと、他方側支持体22の上横材22cは、略同じ高さに配置されており、これらの間に上側の支持台23が架設されている。また、一方側支持体20の下横材20gと、他方側支持体22の下横材22dは、略同じ高さに配置されており、これらの間に下側の支持台24が架設されている。上下の支持台23,24には、それぞれ、ケーブルリール3A,3Bが固定されるとともに、台車2には、このケーブルリール3A,3Bから延びるケーブルK1,K2を案内するガイドローラ23a,24aが取り付けられている。
【0030】
また、本実施の形態において、一方側支持体20の中横材20fと、他方側支持体22の上横材22cの前後の端部の間には、それぞれ、上横材25a(前側の上横材25aのみを図示し、後側の上横材を図示せず)が架設されるとともに、一方側支持体20の下横材20gと、他方側支持体22の下横材22dの前後の端部の間には、それぞれ、下横材25b(前側の下横材25bのみを図示し、後側の下横材を図示せず)が架設されている。そして、これら下横材25bの間には、丸鋼管26が架設されてベルト8を引っ掛けられるようになっており、当該ベルト8で丸鋼管26と足場Fとをつないで台車2の揺れを抑制できるようになっている。
【0031】
なお、台車2の構成は、上記の限りではなく、レール1L,1Rに吊り下げられるとともに、ケーブルリール3A,3Bを積載しながらレール1L,1Rを走行可能な限りにおいて、適宜変更することが可能である。例えば、レール1L,1Rを走行する走行手段4A,4B,5の数は、レール1L,1Rの数や構成により変更できる。また、ケーブルリール3A,3Bを支える一方側支持体20、他方側支持体22及び支持台23,24の構成も、積載するケーブルリール3A,3Bの数や大きさ、重量に応じて変更できる。
【0032】
つづいて、本実施の形態において、上側の支持台23に積載される小型のケーブルリール3Aには、明るさ調整等の制御信号を照明器具Lに供給する信号ケーブルK1が巻き付けられ、下側の支持台24に積載される大型のケーブルリール3Bには、電力を照明器具Lに供給する電源ケーブルK2が巻き付けられている。さらに、本実施の形態において、両ケーブルリール3A,3Bは、スプリング式となっており、図示しないスプリングの反力でケーブルK1,K2を自動で巻き取れるようになっている。足場Fは、簀子状となっているので、各ケーブルリール3A,3Bから繰り出されたケーブルK1,K2を、足場Fの隙間から下側に垂れ下げるとしてもよいが、足場FにケーブルK1,K2を垂れ下げる開口と、この開口を開閉する蓋を設けるとしてもよい。また、ケーブルリール3A,3Bをモータや手動で駆動するとしてもよい。
【0033】
以下、本実施の形態に係るケーブル搬送装置Aの作動について説明する。
【0034】
照明器具Lが吊られた照明ブリッジLBに向けて台車2を押すと、車輪45,53とサイド車輪43が回転し、台車2がレール1L,1Rに吊り下げられた状態で移動する。このとき、レール幅が均一でなくても、レール幅が狭くなったり、広くなったりしている部分では、他方側走行手段5がレール1Rに対して左右に動いたり、リンク機構21が傾斜して一方側走行手段4A,4Bと他方側走行手段5との間隔を変えたりして、台車2が走行不能になることを防ぐことができる。
【0035】
また、台車2を照明ブリッジLBに対応する位置まで移動させた後、照明ブリッジLBを吊るバトンBを引き上げ、照明器具LにケーブルK1,K2を接続してからバトンBを所定の位置まで下げると、このバトンBの荷重でケーブルK1,K2がケーブルリール3A,3Bから繰り出される。反対に、ケーブルK1,K2を照明器具Lから外した場合には、ケーブルリール3A,3Bの図示しないスプリングの反力で、ケーブルK1,K2がケーブルリール3A,3Bに自動で巻き取られ、ケーブルK1,K2を回収できる。
【0036】
以下、本実施の形態に係るケーブル搬送装置Aの作用効果について説明する。
【0037】
本実施の形態において、ケーブルK1,K2は、二種類設けられており、一方が照明器具(演出用電気機器)Lに制御信号を供給する信号ケーブルK1で、他方が照明器具(演出用電気機器)Lに電力を供給する電源ケーブルK2である。そして、ケーブルリール3A,3Bは、二台設けられており、一方(3A)が上記信号ケーブルK1を繰り出し、巻き取るものであり、他方(3B)が上記電源ケーブルK2を繰り出し、巻き取るものである。
【0038】
上記構成によれば、信号ケーブルK1を繰り出し、巻き取るケーブルリール3Aと、電源ケーブルK2を繰り出し、巻き取るケーブルリール3Bを別けているので、信号ケーブルK1と電源ケーブルK2の太さが大きく異なる場合であっても、細いケーブル(本実施の形態においては、信号ケーブルK1)に負荷がかかることを抑制できる。なお、ケーブルK1,K2は、照明器具L以外の演出用電気機器に電力や制御信号を供給するものであるとしてもよく、ケーブルの種類や太さによっては、異なる種類のケーブルを一つのケーブルリールに巻き取るとしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態において、レール1L,1Rは、鉛直方向に起立する中央片10と、この中央片10の下端から両側に上記中央片10に対して垂直方向に延びる一対の下側フランジ片13,14とを備えている。そして、一方側走行手段4A,4Bは、下側フランジ片13,14の上面に当接し水平方向に沿う軸回りに回転する一対の車輪45,45と、下側フランジ片13,14の反中央片側端面13a,14aに当接し鉛直方向に沿う軸回りに回転する一対のサイド車輪43,43とを備えている。また、他方側走行手段5は、下側フランジ片13,14の上面に当接し水平方向に沿う軸回りに回転する一対の車輪53,53を備えている。
【0040】
上記構成によれば、一方側走行手段4A,4Bがサイド車輪43を備えているので、レール1Lに対する一方側走行手段4A,4Bの左右の移動が規制され、レール1Lに沿って走行できる。他方、他方側走行手段5はサイド車輪43に相当する構成を備えていないので、レール1Rに対する左右の移動が許容される。このため、レール長が長くレール幅を均一にできなくても、他方側走行手段5がレール1Rに対して左右に動き、一方側走行手段4A,4Bと他方側走行手段5の間隔をなるべく一定に維持できる。なお、本実施の形態においては、他方側支持体22と他方側走行手段5が、揺動可能なリンク機構21を介して連結されているので、他方側走行手段5にもサイド車輪43を設けるとしてもよい。また、中央片10で車輪45の脱輪を阻止できるので、一方側走行手段4A,4Bのサイド車輪43を廃するとしてもよい。さらに、本実施の形態において、他方側走行手段5は、前後二対の車輪53,53を備えているが、一対であっても、三対以上であってもよく、一方側走行手段4A,4B及び他方側走行手段5の構成は適宜変更することが可能である。
【0041】
また、本実施の形態において、レール1L,1Rは、舞台の奥行き方向に延びている。
【0042】
一般的に、照明器具L等の演出用電気機器は、舞台の間口方向に延びるとともに舞台の奥行き方向に複数並ぶバトンBを利用して、舞台の上側に吊られており、異なるバトンBに吊り替えることで、その位置を舞台の前後に変更できる。このため、上記構成によれば、演出用電気機器に電気や制御信号を供給するケーブルK1,K2を演出用電気機器の位置の変更方向に移動できる。しかし、演出用電気機器の位置の変更が左右方向に行われる場合には、レール1L,1Rが舞台の間口に沿って延びるとしても良い。
【0043】
また、本実施の形態において、一方側支持体20には、台車2の進行方向に並ぶ二つの一方側走行手段4A,4Bが連結されており、リンク機構21には、一つの他方側走行手段5が連結されている。
【0044】
上記構成によれば、三対の走行手段4A,4B,5で一台の台車2を支えているので、全ての走行手段4A,4B,5に荷重をかけることができ、車輪45,53の浮き上がりを抑制して、レール1L,1Rに対する接地性を良好にできる。なお、一方側走行手段4A,4Bや他方側走行手段5の数や配置は、適宜変更することが可能であり、他方側走行手段5を二つ以上にしたり、一方側走行手段4A,4Bを一つや、三つ以上にしたりするとしてもよい。
【0045】
また、本実施の形態において、レール1L,1Rは、水平方向に二本並べて設けられており、台車2は、左側のレール1Lを走行する一方側走行手段4A,4Bと、この一方側走行手段4A,4Bに連結される一方側支持体20と、右側のレール1Rを走行する他方側走行手段5と、この他方側走行手段5にリンク機構21を介して連結される他方側支持体22と、一方側支持体20と他方側支持体22の間に架設されケーブルリール3A,3Bが積載される支持台23,24とを備えている。そして、リンク機構21は、他方側走行手段5と他方側支持体22に対し進行方向に沿う軸回りに揺動可能とされている。
【0046】
つまり、本実施の形態においては、一方側走行手段4A,4Bと一方側支持体20とを剛接合するとともに、他方側走行手段5とリンク機構21、及び、このリンク機構21と他方側支持体22とをピン接合しており、リンク機構21は、その上側を下側に対し、左右に傾けることができる。このため、上記構成によれば、レール幅が均一でない場合であっても、リンク機構21の傾きで、一方側走行手段4A,4Bと他方側走行手段5が接近したり離間したりすることを許容でき、台車2の走行性を良好にできる。なお、一方側支持体20を、リンク機構を介して一方側走行手段4A,4Bに取り付けてもよい。また、本実施の形態において、一方側走行手段4A,4Bと一方側支持体20が左側に配置され、他方側走行手段5とリンク機構21と他方側支持体22が右側に配置されているが、逆であってもよい。また、台車2の構成は、上記の限りではなく、レール1L,1Rの数や構成に合わせて適宜変更することが可能である。
【0047】
また、本実施の形態において、ケーブル搬送装置Aは、足場Fの上側に水平方向に延びる一以上のレール1L,1Rと、これらレール1L,1Rに吊り下げられた状態で上記レール1L,1Rを走行する一以上の台車2と、これらの台車2に積載されてケーブルK1,K2を繰り出し、巻き取る一以上のケーブルリール3A,3Bとを備えている。
【0048】
上記構成によれば、照明器具L等の演出用電気機器の位置の変更がある場合であっても、演出用電気機器から外したケーブルK1,K2をケーブルリール3A,3Bに巻き取って回収し、ケーブルリール3A,3Bを台車2ごとレール1L,1Rに吊り下げて演出用電気機器の移動先まで運搬できる。したがって、ケーブルK1,K2の回収が容易であるとともに、回収したケーブルK1,K2を移動し易い。また、台車2へのケーブルK1,K2の積み降ろし作業が不要となるので、ケーブルK1,K2の移動に伴う作業負荷を格段に軽減することが可能となる。
【0049】
また、上記構成によれば、足場Fの上側にレール1L,1Rが配置されており、足場Fとレール1L,1Rとの間を作業者が通行できるので、作業者がレール1L,1Rに引っかかる心配がなく、レール1L,1Rが足場F上で作業する作業者の通行や、作業の邪魔にならない。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【符号の説明】
【0051】
A ケーブル搬送装置
F 足場
K1 信号ケーブル(ケーブル)
K2 電源ケーブル(ケーブル)
L 照明器具(演出用電子機器)
1L,1R レール
2 台車
3A,3B ケーブルリール
4A,4B 一方側走行手段
5 他方側走行手段
10 中央片
13,14 下側フランジ片
13a,14a 端面
20 一方側支持体
21 リンク機構
22 他方側支持体
23,24 支持台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9