(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182057
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ステアリングメンバー装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20170807BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20170807BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
B60R11/02 B
B60R16/02 623A
B62D25/08 J
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-244601(P2013-244601)
(22)【出願日】2013年11月27日
(65)【公開番号】特開2015-101262(P2015-101262A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000178804
【氏名又は名称】ユニプレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 将士
【審査官】
倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−193125(JP,A)
【文献】
特開2008−207580(JP,A)
【文献】
特開昭63−049587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 16/02
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングメンバー本体の車幅方向両外側端にそれぞれ取付けられて前記ステアリング本体が車幅方向に延在するように車体に配設する一対のサイドブラケット、前記ステアリングメンバー本体における前記両サイドブラケットを挟む中間部において設置するステアリングコラムブラケット、ポストブラケット、或いはインストルメントパネルを車体に取付けるためのインストステイなどが構成するブラケット類を有し、且つ、前記インストステイに音響機器を装着して構成するステアリングメンバー装置であって、前記音響機器から延設されたハーネスをクリップを用いて掛止すべく、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体自体に前記クリップを取付けるためのクリップ取付け孔を設けており、該クリップ取付け孔が、前記音響機器の仕様違い或いは仕向け地違いなどによって、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体に対するハーネス取付け位置を適正位置に選択可能にすべくそれぞれ複数個形成されており、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体にそれぞれ設けられた前記複数個のクリップ取付け孔のうち一つのクリップ取付け孔を選択して前記インストステイ側クリップを取付けた場合、残余の前記クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起により前記クリップが挿着されないようにする識別マークを構成したことを特徴とするステアリングメンバー装置。
【請求項2】
前記ハーネスを前記インストステイに対して掛止して取回すべく、前記クリップがインストステイ側クリップであると共に、前記複数個のクリップ取付け孔が、前記インストステイに設けられたインストステイ側クリップ取付け孔であって、該複数個のインストステイ側クリップ取付け孔のうち一つのインストステイ側クリップ取付け孔を選択して前記インストステイ側クリップを取付けた場合、残余のインストステイ側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接により前記クリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起により前記クリップが挿着されないようにする識別マークを構成したことを特徴とする請求項1に記載のステアリングメンバー装置。
【請求項3】
前記ハーネスを前記サイドブラケットに対しても掛止して取回すべく、前記クリップがサイドブラケット側クリップであると共に、前記複数個のクリップ取付け孔が、前記サイドブラケットに設けられたサイドブラケット側クリップ取付け孔であって、該複数個のサイドブラケット側クリップ取付け孔のうち一つのサイドブラケット側クリップ取付け孔を選択して前記サイドブラケット側クリップを取付けた場合、残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接により前記クリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起を前記サイドブラケット側クリップが誤って挿着されないようにする識別マークとして構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリングメンバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の操舵制御を司るべく構成したステアリング機構を支承するステアリングメンバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ステアリングメンバー装置は、ステアリングメンバー本体がその車幅方向両外側端にそれぞれ取付けられた一対のサイドブラケットを介して車幅方向に延在するように車体に配設されている。且つ、ステアリングメンバー本体における両サイドブラケットを挟む中間部に、サイドブラケットと共にブラケット類を構成するステアリングコラムブラケット、ポストブラケット或いはインストルメントパネルを車体に取付けるためのインストステイ、加えて、エアバッグ装置をステアリングメンバー本体に取り付けるためのエアバッグ装置取付けブラケットなどのブラケット類を設置し、さらに、インストステイにインストルメントパネルに配設される音響機器を装着して構成している。
【0003】
この種の従来のステアリングメンバー装置は、音響機器から延出されたハーネスをクリップを用いて掛止すべく、例えば、インストステイには、インストステイ側クリップ取付け孔が設けられ、サイドブラケット側には、サイドブラケット側クリップ取付け孔が設けられて構成している(特許文献1参照)。
【0004】
そして、これらインストステイ側クリップ取付け孔或いはサイドブラケット側クリップ取付け孔は、音響機器の仕様違い或いは仕向け地違いなどによってハーネスが周囲に設置された取付け部品に干渉など起こしてしまわないようにインストステイやサイドブラケットに対するハーネス取付け位置を適正位置に選択可能にすべく通常インストステイ或いはサイドブラケットなどにおける互いに異なる位置に複数個形成することにより、部品の共通化を図っている。
【0005】
このように、インストステイ側クリップ取付け孔或いはサイドブラケット側クリップ取付け孔などが複数個形成されたことにより、組立作業者がインストルメントパネルにおいてハーネスを適正位置に取回しするには、例えば複数個あるインストステイ側クリップ取付け孔或いはサイドブラケット側クリップ取付け孔などの中から所定のクリップ取付け孔を選択してクリップを取付け、該クリップにハーネスを掛止する必要がある。
【0006】
そこで、従来のステアリングメンバー装置においては、例えば
図6及び
図7に示すように、ステアリングメンバー本体aに溶接などにより設置されたインストステイbに不図示の音響機器を取付けブラケットcを介して取付ける場合に、当該音響機器から延出したハーネス(不図示)をクリップdに掛止して取回すように構成しており、かかるクリップdをインストステイbに装着すべく、複数例えば2つのインストステイ側クリップ取付け孔e、fをインストステイbに互いに離間した状態で形成して部品の共通化を図っており、かかる2つのインストステイ側クリップ取付け孔e、fのうち、例えばインストステイbの下側に位置するインストステイ側クリップ取付け孔eを選択してクリップdを挿着して、ハーネスが前記音響機器の仕様違い或いは仕向け地違いに適合する適正位置においてクリップdに掛止されるように、構成している。
【0007】
そして、2つのインストステイ側クリップ取付け孔e、fのうち、残余のインストステイ側クリップ取付け孔f側に組立作業者が誤ってクリップdを挿着してワイヤの掛止位置が不適正にならないようにすべく、
図6に示す例のように、残余のクリップ取付け孔fを識別ラベルgにより閉塞したり、
図7に示す例のように、残余のクリップ取付け孔fの近傍に識別マークhを塗布したりしておき、クリップdの誤着防止機能を果たさせていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−207580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、残余のインストステイ側クリップ取付け孔f(ステアリングメンバー本体aに取付けられる他のブラケット類(不図示)に設けられた他のクリップ取付け孔の場合も含む)に、識別ラベルgにより閉塞してクリップdの誤着防止を行う
図6に示す方式では、実際にハーネスを掛止する段階において識別ラベルgが既に剥がれてしまっていたり、識別ラベルgを貼付すべき所定のクリップ取付け孔以外のクリップ取付け孔eを識別ラベルgにて閉塞してしまったり、あるいは、貼付すべき正規の識別ラベルgとは異なる他種の識別ラベルを貼付してしまったりするような場合には、クリップdの誤着を完全に防止することができない可能性がある。
【0010】
また、残余のインストステイ側クリップ取付け孔fの近傍に、ペンキなどによる識別マークhを塗布してクリップdの誤着防止を行う
図7に示す方式では、識別マークh自体を所定の色彩以外のペンキなどを用いて形成してしまったり、折角所定の色彩を塗布することにより識別マークhを形成したとしても、クリップdを挿着する際には、識別マークhがかすれてしまったりしてどちらのインストステイ側クリップ取付け孔にクリップdを装着すべきか判明できなくなってしまったり、ペンキなどを未塗布のままにして結果的に識別マークhを形成し忘れるような場合が起こり得て、誤着を完全に防止することができない可能性がある。
【0011】
そこで、この発明は、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業を利用して、クリップ取付け孔へのクリップの誤着防止のための識別マークを溶接により形成して、識別マークの形成忘れやかすれなど起こさず確実にクリップを取付けるべき所定のクリップ取付け孔を組立作業者が確実に選択できるように構成したステアリングメンバー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係るステアリングメンバー装置は、ステアリングメンバー本体の車幅方向両外側端にそれぞれ取付けられて前記ステアリング本体が車幅方向に延在するように車体に配設する一対のサイドブラケット、前記ステアリングメンバー本体における前記両サイドブラケットを挟む中間部において設置するステアリングコラムブラケット、ポストブラケット、或いはインストルメントパネルを車体に取付けるためのインストステイなどが構成するブラケット類を有し、且つ、前記インストステイに音響機器を装着して構成するステアリングメンバー装置であって、前記音響機器から延設されたハーネスをクリップを用いて掛止すべく、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体自体に前記クリップを取付けるためのクリップ取付け孔を設けて、該クリップ取付け孔が、前記音響機器の仕様違い或いは仕向け地違いなどによって、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体に対するハーネス取付け位置を適正位置に選択可能にすべくそれぞれ複数個形成されており、前記ブラケット類或いは前記ステアリングメンバー本体にそれぞれ設けられた前記複数個のクリップ取付け孔のうち一つのクリップ取付け孔を選択して前記インストステイ側クリップを取付けた場合、残余の前記クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起により前記クリップが挿着されないようにする識別マークを構成したことを特徴とする。
【0013】
かかる構成を有するこの発明は、インストステイなどのブラケット類或いはステアリングメンバー本体自体に設けたにクリップ取付け孔のうち、クリップを挿着すべきでない残余のクリップ取り付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設したことにより、クリップ誤着防止用突起の突設作業を、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて行うできることになる。その結果、クリップ誤着防止用突起の形成し忘れやクリップを挿着すべきクリップ取付け孔にクリップ誤着防止用突起を突設してしまうことを防止することができ、ブラケット類或いはステアリングメンバー本体へのハーネスの掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0014】
また、かかる構成を有するこの発明は、クリップを挿着すべきでない残余のクリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設することにより、クリップの誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【0015】
この発明における一の実施の形態に係るステアリングメンバー装置は、前記ハーネスを前記インストステイに対して掛止して取回すべく、前記クリップがインストステイ側クリップであると共に、前記複数個のクリップ取付け孔が、前記インストステイに設けられたインストステイ側クリップ取付け孔であって、該複数個のインストステイ側クリップ取付け孔のうち一つのインストステイ側クリップ取付け孔を選択して前記インストステイ側クリップを取付けた場合、残余のインストステイ側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接により前記クリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起により前記クリップが挿着されないようにする識別マークを構成したことを特徴とする。
【0016】
かかる構成を有するこの発明は、インストステイに設けた複数のインストステイ側クリップ取付け孔のうち、インストステイ側クリップを挿着すべきでない残余のインストステイ側クリップ取り付け孔における孔内壁に、溶接によりインストステイ側クリップ誤着防止用突起を突設したことにより、インストステイ側クリップ誤着防止用突起の突設作業を、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて、行うできることになる。その結果、インストステイ側クリップ誤着防止用突起の形成し忘れやインストステイ側クリップを挿着すべきインストステイ側クリップ取付け孔にインストステイ側クリップ誤着防止用突起を突設してしまうことを防止することができ、インストステイへのハーネスの掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0017】
また、かかる構成を有するこの発明は、インストステイ側クリップを挿着すべきでない残余のインストステイ側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりインストステイ側クリップ誤着防止用突起を突設することにより、インストステイ側クリップの誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【0018】
また、この発明における他の実施の形態におけるステアリングメンバー装置は、上記発明において、前記ハーネスを前記サイドブラケットに対して掛止して取回すべく、前記クリップがサイドブラケット側クリップであると共に、前記複数個のクリップ取付け孔が、前記サイドブラケットに設けられたサイドブラケット側クリップ取付け孔であって、該複数個のサイドブラケット側クリップ取付け孔のうち一つのサイドブラケット側クリップ取付け孔を選択して前記サイドブラケット側クリップを取付けた場合、残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接により前記クリップ誤着防止用突起を突設して、該クリップ誤着防止用突起を前記サイドブラケット側クリップが誤って挿着されないようにする識別マークとして構成している。
【0019】
かかる構成を有する一の実施の形態は、サイドブラケットに設けた複数のサイドブラケット側クリップ取付け孔のうち、サイドブラケット側クリップを装着すべきでない残余のサイドブラケット側クリップ取り付け孔における孔内壁に、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起を突設したことにより、サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起の突設作業が、ステアリングメンバー本体にサイドブラケットなどのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて、サイドブラケット側クリップ取付け孔へのサイドブラケット側クリップの誤着防止のための識別マークを溶接により形成することができることから、サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起の形成し忘れやサイドブラケット側クリップを挿着すべきサイドブラケット側クリップ取付け孔にサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起を突設してしまうことを防止することができ、サイドブラケットへのハーネスの掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0020】
また、かかる構成を有するこの発明は、サイドブラケット側クリップを挿着すべきでない残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起を突設することにより、サイドブラケット側クリップの誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【0021】
なお、この発明におけるクリップ誤着防止用突起は、一方のインストステイやサイドブラケット以外のブラケット類、例えば他方のインストステイ7やステアリングコラムブラケット或いはポストブラケットなど、さらにはステアリングメンバー本体自体に、例えば一対のクリップ取付け孔を設ける必要がある場合には、これらブラケット類及びステアリング本体に設けた一対のクリップ取付け孔のうち、他方のクリップ取付け孔側に対して、形成することになる。
【発明の効果】
【0022】
この発明は、インストステイなどのブラケット類或いはステアリングメンバー本体自体に設けたにクリップ取付け孔のうち、クリップを挿着すべきでない残余のクリップ取り付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設したことにより、クリップ誤着防止用突起の突設作業を、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて行うできることになる。その結果、クリップ誤着防止用突起の形成し忘れやクリップを挿着すべきクリップ取付け孔にクリップ誤着防止用突起を突設してしまうことを防止することができ、ブラケット類或いはステアリングメンバー本体へのハーネスの掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0023】
さらに、この発明は、また、かかる構成を有するこの発明は、クリップを挿着すべきでない残余のクリップ取付け孔における孔内壁に、溶接によりクリップ誤着防止用突起を突設することにより、クリップの誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】この発明の実施例に係るステアリングメンバー装置を描画した概略的斜視図である。
【
図2】
図1に描画したステアリングメンバー装置のインストステイの周辺を拡大して描画した斜視図である。
【
図5】インストステイ側クリップの挿着前における
図2のC−C断面図である。
【
図6】従来ステアリングメンバー装置の一例を示す要部斜視図である。
【
図7】従来ステアリングメンバー装置の他の例をを示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明に係る実施例におけるステアリングメンバー装置は、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業を利用して、クリップ取付け孔へのクリップの誤着防止のための識別マークを溶接により形成して、識別マークの形成忘れやかすれなど起こさず組立作業者がクリップを挿着すべきクリップ取付け孔確実に選択できるように構成している。
【0026】
次に、図を用いて、この発明を採用した実施例に係るステアリングメンバー装置について説明する。
【0027】
まず、
図1において、ステアリングメンバー装置1は、車体の車幅方向に延在するステアリングメンバー本体2を有して構成されており、ステアリングメンバー本体2は、その車幅方向両外端部に取付けられたサイドブラケット3、3を介して不図示の車体両側部に延設するように装着されている。
【0028】
そして、ステアリングメンバー本体2は、両サイドブラケット3、3を挟む中間部において、ステアリングコラムブラケット4、ポストブラケット5、或いはインストステイ6、7、さらには、不図示のエアバッグ装置を取付けるためのエアバッグ装置取付けブラケット18などのブラケット類が溶接によって取着されている。
【0029】
ステアリングコラムブラケット4及びポストブラケット5は、不図示のステアリング機構を支持するステアリングコラムシャフト(不図示)を装着支持している。ステアリングコラムブラケット4及びポストブラケット5が、ステアリングメンバー本体2における車体左側に設置されていることから、かかるステアリングメンバー装置1は、所謂左ハンドル車用を表しており、右ハンドル車用の場合には、ステアリングメンバー本体2の車体右側にステアリングコラムブラケット4及びポストブラケット5が装着され、これに関連して、インストステイ6、7は、ステアリングコラムブラケット4及びポストブラケット5に対してステアリングメンバー本体2の左側に配設されることになる。
【0030】
また、インストステイ6、7は、不図示のインストルメントパネルを取付けるべく構成している。
【0031】
そして、2つのインストステイ6、7は、ステアリングコラムブラケット4側すなわち車体左側に向かって開口する断面コ字状を呈して構成されており、その上端部が溶接などによりステアリングメンバー本体2に装着されている。
【0032】
2つのインストステイ6、7のうち、ステアリングコラムブラケット4側近傍に装着された一方のインストステイ6における車体後方側に面する側壁面6aには、
図2に示すように、一点鎖線示する音響機器8をインストステイ6に装着すべく音響機器取付けブラケット9が
図4に示すように溶接によりインストステイ6に取着されている。
【0033】
音響機器取付けブラケット9に装着された音響機器8は、不図示の自動車電源などに接続すべく、複数本束ねられて構成する一点鎖線示のハーネス10が延出して構成している。
【0034】
ハーネス10は、電源などに接続されるまでの中間部においては、インストルメントパネル内において他の部品に邪魔にならないようにすべく、クリップなどを用いて取回された上でインストルメントパネルなどに設置されている。
【0035】
かかることから、一方のインストステイ6の側壁面6aには、クリップ取付け孔を構成すべく、音響機器取付けブラケット9を挟んで上下に離間配設された状態で、例えば一対のインストステイ側クリップ取付け孔11、12が穿設されており、これら一対のインストステイ側クリップ取付け孔11、12は、選択的にインストステイ側クリップ13が挿着されて(この実施例は、インストステイ6の下方に位置するインストステイ側クリップ取付け孔11にインストステイ側クリップ13が挿着されている場合を示している)、ハーネス10の中途部を掛止するようになっている。
【0036】
このことは、音響機器8の仕様なり形状や仕向け地などによりハーネス10の延出場所、延出姿、太さなどが異なる関係で、ハーネス10のインストステイ側クリップ13による掛止位置を適正化するとともに、インストステイ6の部品共通化を図ったものである。
【0037】
かかることから、インストステイ側クリップ13を挿着してはいけない他方すなわちインストステイ6における音響機器取付けブラケット9に対して上方に位置するインストステイ側クリップ取付け孔12は、インストステイ側クリップ13を誤って挿着しないように、誤着防止処理がなされている。
【0038】
この実施例におけるインストステイ側クリップ13の誤着防止処理は、
図2及び
図3に示すように、他方のインストステイ側クリップ取付け孔12の孔内壁12aに、溶接によりインストステイ側クリップ誤着防止用突起14が突設されている。
【0039】
インストステイ側クリップ誤着防止用突起14は、他方のインストステイ側クリップ取付け孔12内に張り出し形成されていることから、
図5に示すように、インストステイ側クリップ13を挿着しようとしても、邪魔となってインストステイ側クリップ13を挿着できないことから、組立作業者にとって識別マーク機能を果たすことができることになる。
【0040】
さらに、この実施例においては、
図1に示すように、ステアリングメンバー本体2の車幅方向両外側端にそれぞれ取付けられたサイドブラケット3、3にも、同様に、クリップ取付け孔を構成すべく、車体前後方向に並設する一対のサイドブラケット側クリップ取付け孔15、16がそれぞれ穿設されており、一方のサイドブラケット側クリップ取付け孔15には、ハーネス10の中途部を掛止すべく、サイドブラケット側クリップ13aが挿着されており、他方のサイドブラケット側クリップ取付け孔16の孔内壁に、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17が突設されている。
【0041】
以上のように構成するこの発明に係る実施例においては、インストステイ6に設けた一対のインストステイ側クリップ取付け孔11、12のうち、サイドブラケット側クリップ13を挿着すべきでない残余のインストステイ側クリップ取り付け孔12における孔内壁12aに、溶接によりインストステイ側クリップ誤着防止用突起14を突設したことにより、インストステイ側クリップ誤着防止用突起14の突設作業を、ステアリングメンバー本体2にインストステイ6などのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて行うできることになる。この結果、インストステイ側クリップ誤着防止用突起14の形成し忘れやインストステイ側クリップ13を挿着すべきインストステイ側クリップ取付け孔11にインストステイ側クリップ誤着防止用突起14を突設してしまうことを防止することができ、インストステイ6へのハーネス10の掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0042】
加えて、この発明に係る実施例においては、インストステイ側クリップ13を挿着すべきでない残余のインストステイ側クリップ取付け孔12における孔内壁12aに、溶接によりインストステイ側クリップ誤着防止用突起14を突設することにより、インストステイ側クリップ13の誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【0043】
また、この発明に係る実施例においては、ハーネス10を前記サイドブラケット3、3に対しても掛止して取回すべく、サイドブラケット3、3にサイドブラケット側クリップ取付け孔15、16を形成しており、サイドブラケット側クリップ取付け孔15、16が、音響機器の仕様違い或いは仕向け地違いなどによってハーネス取付け位置を適正位置に選択可能にすべく複数個形成されており、該複数個のサイドブラケット側クリップ取付け孔15、16のうち一つのサイドブラケット側クリップ取付け孔15を選択して前記サイドブラケット側クリップ13aを取付けた場合、残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔16aにおける孔内壁16aに、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17を突設して、サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17をサイドブラケット側クリップ13aが誤って挿着されないようにする識別マークとして構成している。
【0044】
さらに、この発明における実施例は、サイドブラケット3、3に設けた複数のサイドブラケット側クリップ取付け孔15、16のうち、サイドブラケット側クリップ13aを装着すべきでない残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔16における孔内壁16aに、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17を突設したことにより、サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17の突設作業が、ステアリングメンバー本体2にサイドブラケット3、3などのブラケット類を取付けるための溶接作業に引き続いて、サイドブラケット側クリップ取付け孔16へのクリップの誤着防止のための識別マークを溶接により形成することができることから、サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17の形成し忘れやサイドブラケット側クリップ13aを挿着すべきサイドブラケット側クリップ取付け孔15にサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17を突設してしまうことを防止することができ、サイドブラケット3,3へのハーネス10の掛止位置を常に所定位置に設定することができる。
【0045】
加えて、かかる構成を有するこの発明は、サイドブラケット側クリップ13aを挿着すべきでない残余のサイドブラケット側クリップ取付け孔16における孔内壁16aに、溶接によりサイドブラケット側クリップ誤着防止用突起17を突設することにより、サイドブラケット側クリップ13aの誤着防止用識別マークを構成したことから、従来の識別ラベルの剥がれや異なる識別ラベルの貼付などの防止、あるいは、従来の識別マークにおけるかすれ現象などを確実になくすことができる。
【0046】
そして、この発明における実施例に係るクリップ誤着防止用突起は、一方のインストステイ6やサイドブラケット3、3以外のブラケット類、例えば他方のインストステイ7やステアリングコラムブラケット4或いはポストブラケット5など、さらにはステアリングメンバー本体2自体に、例えば一対のクリップ取付け孔19、20を設ける必要がある場合には、これらブラケット類及びステアリング本体2に設けた一対のクリップ取付け孔19、20のうち、他方のクリップ取付け孔20側に対して、形成することになる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したこの発明は、ステアリングメンバー本体にインストステイなどのブラケット類を取付けるための溶接作業を利用して、クリップ取付け孔へのクリップの誤着防止のための識別マークを溶接により形成して、識別マークの形成忘れやかすれなど起こさず確実にクリップを取付けるべき所定のクリップ取付け孔を組立作業者が確実に選択できることから、自動車の操舵制御を司るべく構成したステアリング機構を支承するステアリングメンバー装置等に好適であるといえる。
【符号の説明】
【0048】
1 ステアリングメンバー装置
2 ステアリングメンバー本体
3 サイドブラケット
4 ステアリングコラムブラケット(ブラケット類)
5 ポストブラケット(ブラケット類)
6、7 インストステイ(ブラケット類)
8 音響機器
9 音響機器取付けブラケット
10 ハーネス
11 一方のインストステイ側クリップ取付け孔(クリップ取付け孔)
12 他方のインストステイ側クリップ取付け孔(クリップ取付け孔)
12a 孔内壁
13、13a 13b クリップ
14 インストステイ側クリップ誤着防止用突起(誤着防止用突起)
15 サイドブラケット側クリップ取付け孔(クリップ取付け孔)
16 サイドブラケット側クリップ取付け孔(クリップ取付け孔)
16a 孔内壁
17 サイドブラケット側クリップ誤着防止用突起(誤着防止用突起)
18 エアバッグ装置取付け用ブラケット(ブラケット類)
19 一方のクリップ取付け孔
20 他方のクリップ取付け孔