特許第6182081号(P6182081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182081
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/06 20060101AFI20170807BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H04M9/06
   H04M9/00 F
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-12514(P2014-12514)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-142164(P2015-142164A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 慎也
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−093644(JP,A)
【文献】 特開2012−034370(JP,A)
【文献】 特開2012−178664(JP,A)
【文献】 特開2002−218073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M9/00−9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状にポート番号が付与された複数の系統毎に設置される複数の分岐器と、前記分岐器に接続される複数の端末と、前記複数の系統のうち少なくとも2つの系統にそれぞれ割当てられる当該分岐器に幹線を経由して接続され、前記複数の端末間におけるデータ信号の送受信制御を行う制御装置とを備えるインターホンシステムにおいて、
前記分岐器は、自系統内における他の分岐器、前記制御装置及び前記複数の端末のうち任意の機器を接続可能で所定のポート番号を有する複数のポートと、前記ポートに接続された機器が前記他の分岐器、前記制御装置及び前記複数の端末のうち何れの機器であるかの機器情報を確認するための接続確認フレーム信号を生成する上りポート/系統/ID番号管理部と、前記複数のポート毎に接続され前記上りポート/系統/ID番号管理部で生成された前記接続確認フレーム信号を前記ポートを経由して前記幹線に送出するとともに前記接続確認フレーム信号を受信した前記任意の機器から伝送されてくる接続応答データ信号を前記ポートを経由して受信する複数のポートデータ通信部と、前記ポートデータ通信部で受信された前記接続応答データ信号をもとに前記任意の機器の機器情報について前記接続応答データ信号を受信した前記ポートが有する前記ポート番号に対応させてポート情報を管理するポート情報管理部とを備え、
前記制御装置は、当該制御装置が管理を行う系統番号及びID番号を前記分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号/ポート情報管理部と、前記複数の系統毎に設けられ前記系統/ID番号/ポート情報管理部で生成された前記番号付与フレーム信号を前記幹線に送出する複数の系統データ通信部とを備え、
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記複数のポートデータ通信部がそれぞれ接続された前記複数のポートのうち前記幹線を経由して伝送されてくる前記番号付与フレーム信号を受信した当該ポートを上りポートとして割当てて登録する機能と、前記番号付与フレーム信号に付加された前記系統番号及び前記ID番号を自分岐器の当該系統番号及び当該ID番号として登録する機能と、前記登録が完了したとき自管理部に登録された前記系統番号、前記ID番号及び前記ポート情報が付加された登録完了フレーム信号を生成し、前記上りポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該上りポートを経由して前記幹線に送出する機能とを有し、
前記制御装置の前記系統/ID番号/ポート情報管理部は、前記幹線を経由して伝送されてくる前記登録完了フレーム信号に付加された前記系統番号、前記ID番号及び前記ポート情報を登録する機能を有することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、自管理部に予め登録された前記機器情報を参照して前記複数のポートのうち前記上りポートを除く他のポートに接続されている機器が前記他の分岐器であったとき、自管理部に予め登録された前記ID番号に所定値を加算した番号付与フレーム信号を生成し、前記他の分岐器が接続されている前記他のポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該他のポートを経由して前記幹線に送出する機能を有することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記複数のポートのうち前記上りポートを除く他のポートに接続された前記ポートデータ通信部で前記番号付与フレーム信号を受信したとき、自分岐器に割当てられる前記系統番号及び前記ID番号が登録済みであることを前記他の分岐器に通知するための登録拒否フレーム信号を生成し、前記他のポートに接続された前記ポートデータ通信部を経由して前記幹線に送出する機能を有する請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記複数のポートのうち前記幹線を経由して伝送されてくる前記登録拒否フレーム信号を受信した当該ポートが有するポート番号を登録する機能を有することを特徴とする請求項3記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、自管理部に予め登録された前記機器情報を参照して前記複数のポートのうち前記上りポートを除く他のポートに接続されている機器が前記端末であったとき、自分岐器が最後段の当該分岐器であることを示す信号であって最終ID番号を付加した最終ID番号フレーム信号を生成し、前記上りポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該上りポートを経由して前記幹線に送出する機能を有することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記分岐器は、前記上りポート/系統/ID番号管理部に予め登録された前記機器情報を参照して前記複数のポートのうち前記幹線を経由して伝送されてくる前記最終ID番号フレーム信号を受信した当該ポートと前記上りポートを除く他のポートにそれぞれ接続されている機器が前記他の分岐器であったとき、前記最終ID番号フレーム信号を保存するフレームバッファ部を備え、
前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記フレームバッファ部に保存された前記最終ID番号フレーム信号に付加されている前記ID番号に所定値を加算した番号付与フレーム信号を生成し、前記他の分岐器が接続されている前記他のポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該他のポートを経由して前記幹線に送出する機能を有することを特徴とする請求項5記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記最終ID番号フレーム信号が前記フレームバッファ部に保存されているとき、前記複数のポートのうち前記上りポートを除く他のポートに接続された前記ポートデータ通信部で前記最終ID番号フレーム信号を受信すると、前記受信した前記最終ID番号フレーム信号を前記上りポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該上りポートを経由して前記幹線に送出する機能を有することを特徴とする請求項6記載のインターホンシステム。
【請求項8】
前記分岐器の前記上りポート/系統/ID番号管理部は、前記最終ID番号フレーム信号が前記フレームバッファ部に保存されているとき、前記複数のポートのうち前記上りポートを除く他のポートに接続された前記ポートデータ通信部で前記登録拒否フレーム信号を受信すると、前記フレームバッファ部から読出した前記最終ID番号フレーム信号を前記上りポートに接続された前記ポートデータ通信部から当該上りポートを経由して前記幹線に送出する機能を有することを特徴とする請求項6記載のインターホンシステム。
【請求項9】
前記制御装置の前記系統/ID番号/ポート情報管理部は、前記幹線を経由して伝送されてくる前記最終ID番号フレーム信号に付加された前記最終ID番号を登録する機能を有することを請求項5乃至請求項8のうち何れか1項記載のインターホンシステム。
【請求項10】
前記分岐器は、前記複数のポートのうち前記上りポートとして設定される接続優先順位を有することを請求項1乃至請求項9のうち何れか1項記載のインターホンシステム。
【請求項11】
当該インターホンシステムの初期起動後において、前記番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該ポートデータ通信部と前記幹線を経由して前記制御装置との間で通信を行うものであって、前記制御装置から前記番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該ポートデータ通信部への出力信号が不達であるとき、前記ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して前記接続優先順位にしたがって新たに選択された上りポートから前記幹線に送出することを特徴とする請求項10記載のインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに係り、特に、制御装置により制御、例えば、データ信号の送受信制御が行われる複数の端末を、複数の分岐器を経由して接続することができるインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインターホンシステムとして、複数の系統毎の幹線に接続される系統分岐器のうち最後段の系統分岐器と終端分岐器とを接続して通信経路を多重化し、系統分岐器間の接続断時又はその復旧時においてID番号を再付与して通信経路を変更することにより、継続した通信が可能なインターホンシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このインターホンシステムによれば、少なくとも2の系統における最後段の系統分岐器を終端分岐器に接続して通信経路を多重化し、系統分岐器の接続断時又はその接続断の復旧時においてID番号の再付与することで通信経路を変更することができる。これにより、ある系統分岐器と幹線との間が接続断となった場合であっても、他の系統分岐器を経由した継続通信が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−93644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、背景技術に記載されたインターホンシステムにおいて通信経路の多重化を行う場合、最後段の系統分岐器に他の系統分岐器を別途に接続する必要があるばかりでなく、系統分岐器を接続できるポートが予め決まっているため、制限が課されていた。
【0006】
本発明は、この難点を解消するためになされたものであって、分岐器が有する複数のポート全てに任意の機器を接続可能として通信経路を自動的に設定できるようにすることで、分岐器を追加することなく自由に通信経路の多重化を行うことができるインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホンシステムは、リング状にポート番号が付与された複数の系統毎に設置される複数の分岐器と、分岐器に接続される複数の端末と、複数の系統のうち少なくとも2つの系統にそれぞれ割当てられる当該分岐器に幹線を経由して接続され、複数の端末間におけるデータ信号の送受信制御を行う制御装置とを備えている。分岐器は、自系統内における他の分岐器、制御装置及び複数の端末のうち任意の機器を接続可能で所定のポート番号を有する複数のポートと、ポートに接続された機器が他の分岐器、制御装置及び複数の端末のうち何れの機器であるかの機器情報を確認するための接続確認フレーム信号を生成する上りポート/系統・ID番号管理部と、複数のポート毎に接続され上りポート/系統・ID番号管理部で生成された接続確認フレーム信号をポートを経由して幹線に送出するとともに接続確認フレーム信号を受信した任意の機器から伝送されてくる接続応答データ信号をポートを経由して受信する複数のポートデータ通信部と、ポートデータ通信部で受信された接続応答データ信号をもとに任意の機器の機器情報について接続応答データ信号を受信したポートが有するポート番号に対応させてポート情報を管理するポート情報管理部とを備えている。制御装置は、当該制御装置が管理を行う系統番号及びID番号を分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統・ID番号/ポート情報管理部と、複数の系統毎に設けられ系統・ID番号/ポート情報管理部で生成された番号付与フレーム信号を幹線に送出する複数の系統データ通信部とを備えている。分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、複数のポートデータ通信部がそれぞれ接続された複数のポートのうち幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号を受信した当該ポートを上りポートとして割当てて登録する機能と、番号付与フレーム信号に付加された系統番号及びID番号を自分岐器の当該系統番号及び当該ID番号として登録する機能と、登録が完了したとき自情報管理部に登録された系統番号、ID番号及びポート情報が付加された登録完了フレーム信号を生成し、上りポートに接続されたポートデータ通信部から当該上りポートを経由して幹線に送出する機能とを有している。制御装置の系統・ID番号/ポート情報管理部は、幹線を経由して伝送されてくる登録完了フレーム信号に付加された系統番号、ID番号及びポート情報を登録する機能を有している。
【0008】
また、本発明の第2の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、自管理部に予め登録された機器情報を参照して複数のポートのうち上りポートを除く他ポートに接続されている機器が他の分岐器であったとき、自管理部に予め登録されたID番号に所定値を加算した番号付与フレーム信号を生成し、他の分岐器が接続されている他のポートに接続されたポートデータ通信部から当該他のポートを経由して幹線に送出する機能を有している。
【0009】
また、本発明の第3の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、複数のポートのうち上りポートを除く他のポートに接続されたポートデータ通信部で番号付与フレーム信号を受信したとき、自分岐器に割当てられる系統番号及びID番号が登録済みであることを他の分岐器に通知するための登録拒否フレーム信号を生成し、他のポートに接続されたポートデータ通信部を経由して幹線に送出する機能を有している。
【0010】
また、本発明の第4の態様であるインターホンシステムは、本発明の第3の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、複数のポートのうち幹線を経由して伝送されてくる登録拒否フレーム信号を受信した当該ポートが有するポート番号を登録する機能を有している。
【0011】
また、本発明の第5の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、自管理部に予め登録された機器情報を参照して複数のポートのうち上りポートを除く他のポートに接続されている機器が端末であったとき、自分岐器が最後段の当該分岐器であることを示す信号であって最終ID番号を付加した最終ID番号フレーム信号を生成し、上りポートに接続されたポートデータ通信部から当該上りポートを経由して幹線に送出する機能を有している。
【0012】
また、本発明の第6の態様であるインターホンシステムは、本発明の第5の態様において、分岐器は、上りポート/系統・ID番号管理部に予め登録された機器情報を参照して複数のポートのうち幹線を経由して伝送されてくる最終ID番号フレーム信号を受信した当該ポートと上りポートを除く他ポートにそれぞれ接続されている機器が他の分岐器であったとき、最終ID番号フレーム信号を保存するフレームバッファ部を備えている。上りポート/系統・ID番号管理部は、フレームバッファ部に保存された最終ID番号フレーム信号に付加されているID番号に所定値を加算した番号付与フレーム信号を生成し、他の分岐器が接続されている他のポートに接続されたポートデータ通信部から当該他のポートを経由して幹線に送出する機能を有している。
【0013】
また、本発明の第7の態様であるインターホンシステムは、本発明の第6の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、最終ID番号フレーム信号がフレームバッファ部に保存されているとき、複数のポートのうち上りポートを除く他のポートに接続されたポートデータ通信部で最終ID番号フレーム信号を受信すると、受信した最終ID番号フレーム信号を上りポートに接続されたポートデータ通信部から当該上りポートを経由して幹線に送出する機能を有している。
【0014】
また、本発明の第8の態様であるインターホンシステムは、本発明の第6の態様において、分岐器の上りポート/系統・ID番号管理部は、最終ID番号フレーム信号がフレームバッファ部に保存されているとき、複数のポートのうち上りポートを除く他のポートに接続されたポートデータ通信部で登録拒否フレーム信号を受信すると、フレームバッファ部から読出した最終ID番号フレーム信号を上りポートに接続されたポートデータ通信部から当該上りポートを経由して幹線に送出する機能を有している。
【0015】
また、本発明の第9の態様であるインターホンシステムは、本発明の第5の態様乃至第8の態様のうち何れか1の態様において、制御装置の系統・ID番号/ポート情報管理部は、幹線を経由して伝送されてくる最終ID番号フレーム信号に付加された最終ID番号を登録する機能を有している。
【0016】
また、本発明の第10の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様乃至第9の態様のうち何れか1の態様において、分岐器は、複数のポートのうち上りポートとして設定される接続優先順位を有している。
【0017】
また、本発明の第11の態様であるインターホンシステムは、本発明の第10の態様において、当該インターホンシステムの初期起動後において、番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該ポートデータ通信部と幹線を経由して制御装置との間で通信を行うものであって、制御装置から番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該ポートデータ通信部への出力信号が不達であるとき、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して接続優先順位にしたがって新たに選択された上りポートから幹線に送出するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のインターホンシステムによれば、リング状にポート番号が付与された複数の異なる系統毎に設置され、当該系統毎に異なる幹線を経由して制御装置に接続される複数の分岐器が有するポート全てに任意の機器、例えば、インターホン端末を接続可能として、少なくとも2の系統における分岐器間における通信経路を多重化し、分岐器の接続断時やその復旧時においてID番号の再付与することで通信経路を自動的に変更することができる。これにより、分岐器を追加することなく自由に通信経路の多重化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、その全体構成の一例を示すシステム説明図。
図2】本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、(A)は複数の分岐器の具体的な構成を示すブロック図、(B)は制御装置の具体的な構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施例によるインターホンシステムにいて、具体的な動作(第2の動作)を説明するための模式説明図。
図4】本発明の実施例によるインターホンシステムにいて、具体的な動作(第2の動作)を説明するための模式説明図。
図5】本発明の実施例によるインターホンシステムにいて、具体的な動作(第3の動作)を説明するための模式説明図。
図6】本発明の実施例によるインターホンシステムにいて、具体的な動作(第3の動作)を説明するための模式説明図。
図7】本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、具体的な動作(第2、第3の動作)を説明するためのフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、その全体構成の一例を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、所定の建物内、例えば、マンション等の集合住宅の複数のフロア毎のフロア玄関、住戸内、住戸玄関等にそれぞれ設置される複数の端末、例えば、インターホン端末を構成するカメラ端末1、モニタ端末2及び子機端末3と、複数の端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3のうち例えば、複数のフロア毎に設置可能な端末の台数に制限が設けられている場合において当該端末を後述する複数の異なる系統毎に割当てて分岐する複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iと、リング状に後述するポート番号が付加された複数の系統のうち少なくとも2以上の系統にそれぞれ割当てられる当該分岐器に系統毎の後述する幹線を経由して接続され、複数の端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3間におけるデータ信号の送受信制御、例えば、インターホン関連動作としての、呼出時における制御フレーム信号の伝送、映像撮像時における映像フレーム信号の伝送、通話成立時における音声フレーム信号の送受信等を行う制御装置5とが備えられている。
【0022】
なお、本発明の実施例において、複数の系統としては、系統番号が「1」、「2」、「3」で異なる第1乃至第3の系統が設定されているものとし、これら系統毎の幹線としては、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3がそれぞれ割当てられているものとする。
【0023】
また、複数の端末1、2、3としては、前述のようなカメラ端末1、モニタ端末2及び子機端末3の構成態様に限定されるものではなく、例えば、インターホン通信技術に適用される端末であれば、多種・多様な端末を適用することができる。
【0024】
さらに、複数の分岐器としては、同実施例に示す分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iの台数(9台)に限定されるものでなく、任意の台数を適用することができる。これら分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iは、それぞれ同一な構成であって、自系統内における複数の端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3及び制御装置5のうち任意の機器を接続可能で所定のポート番号を有する複数のポート、ここでは、ポート番号「1」、「2」、「3」、「4」を有する4個のポート(以下、第1乃第4の分岐器ポートという)P41、P42、P43、P44を有しているものとする。なお、所定のポート番号を有する複数のポートの当該ポート数は、前述のような4個に限定されるものでなく、任意の数を適用することもできる。
【0025】
次に、図1に示す構成のインターホンシステムを、例えば、当該システムの施工時等における初期起動前の構成として仮定するにあたって、系統(ポート)番号「1」に該当する第1の幹線L1には、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、制御装置5寄りの最前段から最後段までの順で(3台の)分岐器4A、4B、4Cが接続されているものとする。ここで、分岐器4A、4B、4Cにおいて制御装置5寄りの第1の幹線L1は第1の分岐器ポートP41に接続され、分岐器4A、4Bにおいて後段側の第1の幹線L1は第3の分岐器ポートP43に接続されており、分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43はカメラ端末1に接続され、この分岐器4Cの第2の分岐器ポートP42及び(隣接する)分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44間は相互にライン接続(符号は付与・図示せず)されているものとする。
【0026】
また、同様な初期起動前の構成として、系統(ポート)番号「2」に該当する第2の幹線L2には、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、制御装置5寄りの最前段から最後段までの順で(3台の)分岐器4D、4E、4Fが接続されているものとする。ここで、分岐器4D、4E、4Fにおいて制御装置5寄りの第2の幹線L2は第1の分岐器ポートP41に接続され、分岐器4D、4Eにおいて後段側の第2の幹線L2は第3の分岐器ポートP43に接続され、分岐器4Fの第2の分岐器ポートP42及(隣接する)分岐器4Iの第4の分岐器ポートP44間は相互にライン接続(符号は付与・図示せず)されているものとする。
【0027】
さらに、同様な初期起動前の構成として、系統(ポート)番号「3」に該当する第3の幹線L3には、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、制御装置5寄りの最前段から最後段までの順で(2台の)分岐器4G、4Hが接続されているものとする。ここで、分岐器4G、4Hにおいて制御装置5寄りの第3の幹線L3は第1の分岐器ポートP41に接続され、この分岐器4Gの第2の分岐器ポートP42はモニタ端末2を経由して子機端末3に接続されているものとする。
【0028】
なお、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iが有する第1乃第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44にそれぞれ接続可能な複数の端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3としては、前述のような初期起動前の構成態様に限定されるものではなく、任意の分岐器ポートに対してカメラ端末1のみの接続、モニタ端末2のみの接続、モニタ端末2を経由して子機端末3への接続等、多種・多様な態様の接続を適用することができる。
【0029】
次に、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iの具体的な構成について、図2(A)のブロック図を参照して説明する。同図に示す分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iには、前述の第1乃第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44と、上りポート/系統・ID番号管理部40、複数のポートデータ通信部(以下、第1乃至第4のポートデータ通信部という)41、42、43、44、ポート情報管理部45及びフレームバッファ部46とが備えられている。
【0030】
これら分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iにおいて、上りポート/系統・ID番号管理部40は、第1乃第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44に接続された機器が他の分岐器、制御装置5及び複数の端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3のうち何れの機器であるかの機器情報を確認するための接続確認フレーム信号を生成するものである。また、第1乃至第4のポートデータ通信部41、42、43、44は、第1乃第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44毎に接続され、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された接続確認フレーム信号を(ライン接続状態の)分岐器ポートP41、P42、P43、P44を経由して第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ送出するとともに接続確認フレーム信号を受信した任意の機器から伝送されてくる接続応答データ信号を(接続確認フレーム信号を送出した)分岐器ポートP41、P42、P43、P44を経由して受信するものである。また、ポート情報管理部45は、第1乃至第4のポートデータ通信部41、42、43、44で受信された接続応答データ信号をもとに任意の機器の機器情報について接続応答データ信号を受信した分岐器ポートP41、P42、P43、P44が有するポート番号「1」、「2」、「3」、「4」にそれぞれ対応させてポート情報として管理するものである。さらに、フレームバッファ部46は、上りポート/系統・ID番号管理部40に予め登録された機器情報を参照して第1乃至第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44のうち第1乃至第3の幹線L1、L2、L3をそれぞれ経由して伝送されてくる後述の最終ID番号フレーム信号を受信した当該ポートと上りポートを除く他のポートにそれぞれ接続されている機器が他の分岐器であったとき、最終ID番号フレーム信号を保存するものである。
【0031】
なお、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iにおいて、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1乃至第4のポートデータ通信部41、42、43、44、ポート情報管理部45及びフレームバッファ部46間はそれぞれ、相互に接続、例えば、LAN等のバスラインで接続されている。
【0032】
次に、制御装置5の具体的な構成について、図2(B)のブロック図を参照して説明する。同図に示す制御装置5には、複数のポート(以下、第1乃至第3の系統ポートという)P51、P52、P53、系統・ID番号/ポート情報管理部50及び複数の系統データ通信部(以下、第1乃至第3の系統データ通信部という)51、52、53が備えられている。
【0033】
この制御装置5において、第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53は、リング状のポート番号としての系統番号「1」、「2」、「3」が割当てられており、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ接続されている。また、系統・ID番号/ポート情報管理部50は、当該制御装置が管理を行う系統番号及びID番号を複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iにそれぞれ付与するための番号付与フレーム信号を生成するものである。また、第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53は、第1乃至第3の系統毎に設けられ第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53にそれぞれ接続されており、系統・ID番号/ポート情報管理部50で生成された番号付与フレーム信号を系統毎の幹線L1、L2、L3に送出するものである。なお、系統・ID番号/ポート情報管理部50及び第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53間はそれぞれ、相互に接続、例えば、LAN等のバスラインで接続されている。
【0034】
このように構成された本発明のインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について図7のフローチャート図を参照して説明する。なお、具体的な動作を説明するにあたり送受信される各種データ信号の図示については、図3乃至図6の模式説明図にのみ記載し、図1図2(A)、(B)においては省略するものとする。
『第1の動作』
本発明の実施例における第1の動作として、図1に示す構成のインターホンシステムを所定の建物内、例えば、マンション等の集合住宅に設置した後のタイミングであって、当該システムの初回起動前、例えば、電源投入時において、図2(A)に示す複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40は、自分岐器の第1乃至第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44に接続されている機器が他の分岐器、制御装置5及び複数の端末(カメラ端末、モニタ端末、子機端末)1、2、3のうち何れの機器であるかの機器情報を確認するための接続確認フレーム信号(以下、当該信号の符号は不図示とする)をそれぞれ生成する。この接続確認フレーム信号は、上りポート/系統・ID番号管理部40から第1乃至第4のポートデータ通信部41、42、43、44を経由して第1乃至第4の分岐器ポートP41、P42、P43、P44にそれぞれ伝送される。
【0035】
ここで、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、分岐器4A、4D、4Gの第1の分岐器ポートP41には、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、制御装置5の第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53、図2(B)に示す第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53を経由して系統・ID番号/ポート番号管理部50までの信号伝送路がそれぞれ形成されており、これらの信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した系統・ID番号/ポート番号管理部50は、自機器が制御装置5である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号(以下、当該信号の符号は不図示とする)を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4A、4D、4Gのポート情報管理部45はそれぞれ、第1の分岐器ポートP41を経由して第1のポートデータ通信部41で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第1の分岐器ポートP41に接続されている機器が制御装置5である旨の機器情報を、第1の分岐器ポートP41が有するポート番号「1」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0036】
また、分岐器4A、4D、4Gの第3の分岐器ポートP43には、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、(直後段の)分岐器4B、4E、4Hの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路がそれぞれ形成されており、これらの信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4A、4D、4Gのポート情報管理部45はそれぞれ、第3の分岐器ポートP43を経由して第3のポートデータ通信部43で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第3の分岐器ポートP43に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第3の分岐器ポートP43が有するポート番号「3」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0037】
なお、分岐器4A、4D、4Gの第2、第4の分岐器ポートP42、P44にはそれぞれ、図1に示すように接続機器が何ら存在しないため、第2、第4のポートデータ通信部42、44で接続応答フレーム信号が受信されることもなく、ゆえに、(機器情報としての)ポート情報がポート情報管理部45に登録されることもない。
【0038】
次に、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、分岐器4B、4E、4Hの第1の分岐器ポートP41には、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、(直前段の)分岐器4A、4D、4Gの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路がそれぞれ形成されており、これらの信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4B、4E、4Hのポート情報管理部45はそれぞれ、第1の分岐器ポートP41を経由して第1のポートデータ通信部41で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第1の分岐器ポートP41に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第1の分岐器ポートP41が有するポート番号「1」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0039】
また、分岐器4B、4Eの第3の分岐器ポートP43には、第1、第2の幹線L1、L2、(直後段の)分岐器4C、4Fの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、これらの信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4B、4Eのポート情報管理部45はそれぞれ、第3の分岐器ポートP43を経由して第3のポートデータ通信部43で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第3の分岐器ポートP43に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第3の分岐器ポートP43が有するポート番号「3」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0040】
さらに、分岐器4Hの第2の分岐器ポートP42には、モニタ端末2までの信号伝送路が形成されており、このモニタ端末2は、分岐器4Hの上りポート/系統・ID番号管理部40から前述の信号伝送路を経由して伝送されてくる接続確認フレーム信号を受信すると、自機器がモニタ端末2である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Hのポート情報管理部45は、第2の分岐器ポートP42を経由して第2のポートデータ通信部42で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第2の分岐器ポートP42に接続されている機器がモニタ端末2である旨の機器情報を、第2の分岐器ポートP42が有するポート番号「2」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0041】
なお、分岐器4B、4Eの第2、第4の分岐器ポートP42、P44にはそれぞれ、図1に示すように接続機器が何ら存在しないため、第2、第4のポートデータ通信部42、44で接続応答フレーム信号が受信されることもなく、ゆえに、(機器情報としての)ポート情報がポート情報管理部45に登録されることもない。
【0042】
次に、複数の複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち、分岐器4C、4Fの第1の分岐器ポートP41には、第1、第2の幹線L1、L2、(直前段の)分岐器4B、4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、これらの信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4C、4Fのポート情報管理部45はそれぞれ、第1の分岐器ポートP41を経由して第1のポートデータ通信部41で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第1の分岐器ポートP41に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第1の分岐器ポートP41が有するポート番号「1」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0043】
また、分岐器4Cの第2の分岐器ポートP42には、ライン接続された分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、この信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Cのポート情報管理部45は、第2の分岐器ポートP42を経由して第2のポートデータ通信部42で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第2の分岐器ポートP42に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第2の分岐器ポートP42が有するポート番号「2」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0044】
また、分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43には、カメラ端末1までの信号伝送路が成されており、このカメラ端末1は、分岐器4Cの上りポート/系統・ID番号管理部40から前述の信号伝送路を経由して伝送されてくる接続確認フレーム信号を受信すると、自機器がカメラ端末1である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Cのポート情報管理部45は、第3の分岐器ポートP43を経由して第3のポートデータ通信部43で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第3の分岐器ポートP43に接続されている機器がカメラ端末1である旨の機器情報を、第3の分岐器ポートP43が有するポート番号「3」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0045】
また、分岐器4Fの第2の分岐器ポートP42には、ライン接続された分岐器4Iの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、この信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Fのポート情報管理部45は、第2の分岐器ポートP42を経由して第2のポートデータ通信部42で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第2の分岐器ポートP42に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第2の分岐器ポートP42が有するポート番号「2」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0046】
また、分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44には、ライン接続された分岐器4Cの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、この信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Fのポート情報管理部45は、第4の分岐器ポートP44を経由して第4のポートデータ通信部44で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第4の分岐器ポートP44に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第4の分岐器ポートP44が有するポート番号「4」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0047】
さらに、分岐器4Iの第4の分岐器ポートP44には、ライン接続された分岐器4Fの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40までの信号伝送路が形成されており、この信号伝送路を経由して接続確認フレーム信号を受信した上りポート/系統・ID番号管理部40は、自機器が分岐器である旨の機器情報を付加した接続応答フレーム信号を生成し、受信した接続確認フレーム信号の信号伝送路と逆の経路を経由して送出する。ここまでの動作により、分岐器4Iのポート情報管理部45は、第4の分岐器ポートP44を経由して第4のポートデータ通信部44で受信された接続応答フレーム信号をもとに、第4の分岐器ポートP44に接続されている機器が他の分岐器である旨の機器情報を、第4の分岐器ポートP44が有するポート番号「4」に割当てられたポート情報として登録することができる。
【0048】
なお、分岐器4Cの第4の分岐器ポートP44、分岐器4Fの第3の分岐器ポートP43、分岐器4Iの第1乃至第3の分岐器ポートP41、P42、43にはそれぞれ、図1に示すように接続機器が何ら存在しないため、それぞれのポートデータ通信部41、42、43、44で接続応答フレーム信号が受信されることもなく、ゆえに、(機器情報としての)ポート情報がポート情報管理部45に登録されることもない。
『第2の動作』
次に、本発明の実施例における第2の動作について図7のフローチャート図を参照して説明するにあたり、前述の第1の動作後のタイミングであって図1に示す構成のインターホンシステムの初回起動前、例えば、電源投入時において、図3の模式説明図に示すように、制御装置5の系統・ID番号/ポート情報管理部50におけるテーブルT50の登録内容であって、前述のポート(幹線)番号「1」、「2」、「3」にそれぞれ割当てられる系統番号に対応する情報として、自系統に該当する分岐器の台数に対応する最終ID番号と、自系統内における何れかの分岐器が有する何れかのポートに何れの機器が接続されているかを示すポート接続情報が登録状態ではない、すなわち、「未登録」である場合において、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50は、第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53を経由して第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ接続される第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53に対して同時のタイミングで、自制御装置5が管理を行うためのID番号を付与する当該信号であって系統番号「1」、「2」、「3」がそれぞれ付加された番号付与フレーム信号(以下、第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号という)S1、S2、S3を生成する。
【0049】
ここで、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50で生成された第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1、S2、S3にはそれぞれ、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、第1の系統番号付与フレーム信号S1は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第1の系統データ通信部51、第1の系統ポートP51、第1の幹線L1、分岐器4Aの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。また、第2の系統番号付与フレーム信号S2は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第2の系統データ通信部52、第2の系統ポートP52、第2の幹線L2、分岐器4Dの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。さらに、第3の系統番号付与フレーム信号S3は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第3の系統データ通信部53、第3の系統ポートP53、第3の幹線L3、分岐器4Gの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。
【0050】
分岐器4A、4D、4Gの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、図4の模式説明図に示すように、そのテーブルT40の登録内容であって、第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1、S2、S3を受信した第1のポートデータ通信部41が接続されている第1の分岐器ポートP41を「上りポート」として、そのポート番号「1」に割当ててテーブルT40に登録するとともに(ステップST2、ST3)、受信された第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1、S2、S3を構成するID番号「1」を自分岐器4A、4D、4Gに割当てられる当該ID番号として、それぞれの系統番号「1」、「2」、「3」とともにテーブルT40に登録する(ステップST3)。この後、上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、登録済みの系統番号「1」、「2」、「3」及びID番号「1」とポート情報管理部45から読出した自分岐器におけるポート情報を付加した登録完了フレーム信号S10a、S20d、S30gを生成する。これらの登録完了フレーム信号S10a、S20d、S30gは、上りポート/系統・ID番号管理部40から「上りポート」として登録された第1の分岐器ポートP41に接続されている第1のポートデータ通信部P41、第1の分岐器ポートP41を経由して第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ送出されるように、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、制御装置5の第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53、第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53をそれぞれ経由して系統・ID番号/ポート情報管理部50に伝送される(ステップST4、ST7、ST8)。
【0051】
また、分岐器4A、4D、4Gの上りポート/系統/ID番号管理部40はそれぞれ、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1、S2、S3を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「1」、「2」、「3」を付加した第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1a、S2d、S3gを生成し、他の分岐器が接続されている分岐器ポートに接続された当該ポートデータ通信部に送出する(ステップST6)。ここでは、第3の分岐器ポートP43にそれぞれ他の分岐器が接続されているため、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1a、S2d、S3gは、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、他の分岐器である(直後段の)分岐器4B、4E、4Hの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0052】
分岐器4B、4E、4Hの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1a、S2d、S3gを受信した第1のポートデータ通信部41が接続されている第1の分岐器ポートP41を「上りポート」として、そのポート番号「1」に割当ててテーブルT40に登録するとともに(ステップST2、ST3)、受信された第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1a、S2d、S3gを構成するID番号「2」を自分岐器4B、4E、4Hに割当てられる当該ID番号として、それぞれの系統番号「1」、「2」、「3」とともにテーブルT40に登録する(ステップST3)。この後、上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、登録済みの系統番号「1」、「2」、「3」及びID番号「2」とポート情報管理部45から読出した自分岐器におけるポート情報を付加した登録完了フレーム信号S10b、S20e、S30hを生成する。これらの登録完了フレーム信号S10b、S20e、S30hは、上りポート/系統・ID番号管理部40から「上りポート」として登録された第1の分岐器ポートP41に接続されている第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ送出され、(直前段の)分岐器4A、4D、4Gの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、第1のポートデータ通信部41、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1の分岐器ポートP41、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、制御装置5の第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53、第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53をそれぞれ経由して系統/ID番号/ポート情報管理部50に伝送される(ステップST4、ST7、ST8)。
【0053】
また、分岐器4B、4Eの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1a、S2dを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「3」と前述の系統番号「1」、「2」を付加した第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1b、S2eを生成し、他の分岐器が接続されている分岐器ポートに接続された当該ポートデータ通信部に送出する(ステップST6)。ここでは、第3の分岐器ポートP43にそれぞれ他の分岐器が接続されているため、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1b、S2eは、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第1、第2の幹線L1、L2、他の分岐器である(直後段の)分岐器4C、4Fの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0054】
なお、分岐器4Hの上りポート/系統・ID番号管理部40は、第3の系統番号付与フレーム信号S3gを受信したとき、ポート情報管理部45に登録されているポート情報を参照し、他の分岐器が接続されている当該分岐器ポートがないことから、第3の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「2」が付加された最終ID番号フレーム信号S300hを生成する。この最終ID番号フレーム信号S300hは、前述の登録完了フレーム信号S3gと同一の信号伝送路を経由して制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される(ステップST9、ST11、ST12)。
【0055】
分岐器4C、4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1b、S2eを受信した第1のポートデータ通信部41が接続されている第1の分岐器ポートP41を「上りポート」として、そのポート番号「1」に割当ててテーブルT40に登録するとともに(ステップST2、ST3)、受信された第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1b、S2eを構成するID番号「3」を自分岐器4C、4Fに割当てられる当該ID番号として、それぞれの系統番号「1」、「2」とともにテーブル40に登録する(ステップST3)。この後、上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、登録済みの系統番号「1」、「2」及びID番号「3」とポート情報管理部45から読出した自分岐器におけるポート情報を付加した登録完了フレーム信号S10c、S20fを生成する。これらの登録完了フレーム信号S10c、S20fは、上りポート/系統・ID番号管理部40から「上りポート」として登録された第1の分岐器ポートP41に接続されている第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1、第2の幹線L1、L2にそれぞれ送出され、(直前段の)分岐器4B、4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1、第2の幹線L1、L2、分岐器4A、4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1、第2の幹線L1、L2、制御装置5の第1、第2の系統ポートP51、P52、第1、第2の系統データ通信部51、52をそれぞれ経由して系統・ID番号/ポート情報管理部50に伝送される(ステップST4、ST7、ST8)。
【0056】
また、分岐器4C、4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1b、S2eを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「4」と前述の系統番号「1」、「2」を付加した第1、第2の系統番号付与フレーム信号S1c、S2fを生成し、他の分岐器が接続されている当該分岐器ポートに接続された当該ポートデータ通信部に送出する(ステップST6)。
【0057】
ここで、分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40は、分岐器4Cの上りポート/系統・ID番号管理部40から第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42、第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して伝送されてきた第1の系統番号付与フレーム信号S1cを受信したとき、前述のように、テーブルT40の登録内容として上りポート番号「1」、系統番号「2」及びID番号「3」が登録済みであることを検出する。この上りポート/系統・ID番号管理部40は、自分岐器4Fへの各種データが登録済みである旨の登録拒否フレーム信号S200fを生成し、前述の第1の系統番号付与フレーム信号S1cを受信した第4のポートデータ通信部44から第4の分岐器ポートP44、分岐器4cの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に送出する(ステップST7、ST10)。
【0058】
分岐器4Cの上りポート/系統・ID番号管理部40は、分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40からの登録拒否フレーム信号S200fを受信すると、この登録拒否フレーム信号S200fが受信された第2の分岐器ポートP42を登録するとともに、第1の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「3」を付加した最終ID番号フレーム信号S100cを生成する。この最終ID番号フレーム信号S100cは、前述の登録完了フレーム信号S10cと同一の信号伝送路を経由して制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される(ステップST9、ST11、ST12)。
【0059】
分岐器4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40は、分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40から第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42、第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して伝送されてきた第2の系統番号付与フレーム信号S2fを受信すると、第4の分岐器ポートP44を「上りポート」として、そのポート番号「4」に割当ててテーブルT40に登録するとともに(ステップST2、ST3)、受信された第2の系統番号付与フレーム信号S2fを構成するID番号「4」を自分岐器4Iに割当てられる当該ID番号として、系統番号「2」とともにテーブルT40に登録する(ステップST3)。この後、上りポート/系統・ID番号管理部40は、登録済みの系統番号「2」及びID番号「4」とポート情報管理部45から読出した自分岐器におけるポート情報を付加した登録完了フレーム信号S20iを生成する。この登録完了フレーム信号S20iは、上りポート/系統・ID番号管理部40から「上りポート」として登録された第4の分岐器ポートP44に接続されている第4のポートデータ通信部44、第4の分岐器ポートP44、分岐器4Fの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、制御装置5の第2の系統ポートP52、第2の系統データ通信部52を経由して系統・ID番号/ポート情報管理部50に伝送される(ステップST4、ST7、ST8)。
【0060】
なお、分岐器4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40は、第2の系統番号付与フレーム信号S2fを受信したとき、ポート情報管理部45に登録されているポート情報を参照し、他の分岐器が接続されている当該分岐器ポートがないことから、第2の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「4」を付加した最終ID番号フレーム信号S200iを生成する。この最終ID番号フレーム信号S200iは、前述の登録完了フレーム信号S20iと同一の信号伝送路を経由して制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される(ステップST9、ST11、ST12)。
【0061】
前述までのデータ信号の伝送後のタイミングにおいて、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50によれば、第1の系統データ通信部51で受信された登録完了フレーム信号S10a、S10b、S10c及び最終ID番号フレーム信号S100cと、第2の系統データ通信部52で受信された登録完了フレーム信号S20d、S20e、S20f、S20i及び最終ID番号フレーム信号S200iと、第3の系統データ通信部53で受信された登録完了フレーム信号S30g、S30h及び最終ID番号フレーム信号S300hをもとに、テーブルT50の登録内容を更新することで、(1)系統(ポート)番号「1」に該当する最終ID番号は「3」、すなわち、第1の幹線L1には3台の分岐器4A、4B、4Cが順次接続され、このうち分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43にカメラ端末1が接続されていること(ポート接続情報)、(2)系統(ポート)番号「2」に該当する最終ID番号は「4」、すなわち、第2の幹線L2には4台の分岐器4D、4E、4F、4Iが順次接続されていること、(3)系統(ポート番号)番号「3」に該当する最終ID番号は「2」、すなわち、第3の幹線L3には2台の分岐器4G、4Hが順次接続され、このうち分岐器4Hの第2の分岐器ポートP42にモニタ端末2が接続されていること(ポート接続情報)、がそれぞれ初期登録されることになる(ステップST18)。
【0062】
ここで、前述のような初期登録後における具体的な動作として、カメラ端末1で生成されるデータ信号、例えば、映像データ及び音声データが付加された映像・音声フレーム信号(以下、当該信号の符号は不図示とする)は、分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1の幹線L1、分岐器4Bの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1の幹線L1、制御装置5の第1の系統ポートP51、第1の系統データ通信部51、系統・ID番号/ポート番号管理部50、第3の系統データ通信部53、第3の系統ポートP53、第3の幹線L3、分岐器4Gの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41、上りポート/系統・ID番号管理部40、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第3の幹線L3、分岐器4Hの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41、上りポート/系統・ID番号管理部40、第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42を経由してモニタ端末2に伝送され映像データが出画されるばかりでなく、音声データについては、モニタ端末2での出力又はこのモニタ端末2を経由して子機端末3に転送することもできる。
『第3の動作』
次に、本発明の実施例における第3の動作について前述の第2の実施例と同様に図7のフローチャート図を参照して説明するにあたり、前述のような初回登録後のタイミングの動作であり、図2(A)に示す分岐器4Bの第3のポートデータ通信部43又は分岐器4Cの第1のポートデータ通信部41に例えば、故障等が発生し、分岐器4Bの第3の分岐器ポートP43及び分岐器4Cの第1の分岐器ポートP41間を接続する第1の幹線L1が図5の模式説明図に示すように切断(接続断)されると、例えば、分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43に接続されているカメラ端末1で生成された映像・音声フレーム信号は、第3のポートデータ通信部43から上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41を経由して第1の分岐器ポートP41に送出できる一方、この分岐器ポートP41から第1の幹線L1を経由して(直前段の)分岐器4Bに伝送することができず、ゆえに、制御装置5に対して伝送されることもないため、制御装置5からの出力信号も不達とされ、所謂、不達状態となる。
【0063】
そこで、分岐器4Bの第3のポートデータ通信部43は、前述の接続断を検出し、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号(以下、第1の再付与要求通知フレーム信号という)S501bを生成する。この第1の再付与要求通知フレーム信号S501bは、複数の分岐器ポートP41、P42、P43、P44のうち上りポートとして設定されている優先接続順位に従い、その順位が高く設定された当該ポート、ここでは、上りポート/系統・ID番号管理部40のテーブルT40に上りポートとして登録された第2の分岐器ポートP41から送出するべく、第3のポートデータ通信部43から上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1の幹線L1、分岐器4Aの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第1の幹線L1、制御装置5の第1の系統ポートP51、第1の系統データ通信部51を経由して系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される。
【0064】
また、分岐器4Cの第1のポートデータ通信部41についても前述の接続断を検出し、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号(以下、第2の再付与要求通知フレーム信号という)S501cを生成する。この第2の再付与要求通知フレーム信号S501cは、複数の分岐器ポートP41、P42、P43、P44のうち上りポートとして設定されている優先接続順位に従い、その順位が高く設定された例えば、第2の分岐器ポートP42を上りポートとして送出するべく、第1のポートデータ通信部41から上りポート/系統・ID番号管理部40、第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42、分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、制御装置5の第2の系統ポートP52、第2の系統データ通信部52を経由して系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される。
【0065】
制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50は、前述のような接続断を検出した分岐器4Bの第3のポートデータ通信部43からの第1の再付与要求通知フレーム信号S501b、分岐器4Cの第1のポートデータ通信部41からの第2の再付与要求通知フレーム信号S501cをそれぞれ受信すると、図6の模式説明図に示すように、第1乃至第3の系統ポートP51、P52、P53を経由して第1乃至第3の幹線L1、L2、L3にそれぞれ接続される第1乃至第3の系統データ通信部51、52、53に対して同時のタイミングで、自制御装置5が管理を行うためのID番号を再付与する当該信号であって系統番号「1」、「2」、「3」がそれぞれ付加された番号再付与フレーム信号(以下、第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号という)S601、S602、S603を生成する。
【0066】
ここで、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50で生成された第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S601、S602、S603にはそれぞれ、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、第1の系統番号再付与フレーム信号S601は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第1の系統データ通信部51、第1の系統ポートP51、第1の幹線L1、分岐器4Aの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。また、第2の系統番号再付与フレーム信号S602は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第2の系統データ通信部52、第2の系統ポートP52、第2の幹線L2、分岐器4Dの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。さらに、第3の系統番号再付与フレーム信号S603は、系統・ID番号/ポート番号管理部50から第3の系統データ通信部53、第3の系統ポートP53、第3の幹線L3、分岐器4Gの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST1)。
【0067】
分岐器4A、4D、4Gの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S601、S602、S603に付加されている系統番号及びID番号とを比較する(ステップST2)。ここでは、それぞれの系統番号が「1」、「2」、「3」で、ID番号が「1」で一致しているため、前述のような登録完了フレーム信号S10a、S20d、S30gが上りポート/系統・ID番号管理部40で生成されることはなく、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S601、S602、S603を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「1」、「2」、「3」を付加した第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S601a、S602d、S603gが生成される(ステップST6)。また、第3の分岐器ポートP43にそれぞれ他の分岐器が接続されているため、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S601a、S602d、S603gは、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第1乃至第3の幹線L1、L2、L3、他の分岐器である(直後段の)分岐器4B、4E、4Hの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0068】
分岐器4B、4Hの上りポート/系統・ID番号管理部40はそれぞれ、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第1、第3の系統番号再付与フレーム信号S601a、S603gに付加されている系統番号及びID番号とを比較する(ステップST2)。ここでは、それぞれの系統番号が「1」、「3」で、ID番号が「2」で一致しているため、前述のような登録完了フレーム信号S10b、S30hが上りポート/系統・ID番号管理部40で生成されることはない。
【0069】
ここで、分岐器4Bの上りポート/系統・ID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S601aを受信したとき、前述の接続断により上ポートとして設定されている第1の分岐器ポートP41に接続された分岐器4A以外、他の分岐器が接続されている分岐器ポートがないことから、第1の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「2」を付加した最終ID番号フレーム信号S701bを生成する。この最終ID番号フレーム信号S701bは、前述の登録完了フレーム信号S1bと同一の信号伝送路を経由して制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される(ステップST9)。
【0070】
また、分岐器4Hの上りポート/系統・ID番号管理部40は、第3の系統番号再付与フレーム信号S603gを受信したとき、ポート情報管理部45に登録されている機器情報を参照し、上ポートとして設定されている第1の分岐器ポートP41に接続された分岐器4G以外、他の分岐器が接続されている分岐器ポートがないことから、第3の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「2」を付加した最終ID番号フレーム信号S703hを生成する。この最終ID番号フレーム信号S703hは、前述の登録完了フレーム信号S300hと同一の信号伝送路を経由して制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50に伝送される(ステップST9)。
【0071】
分岐器4Eの上りポート/系統・ID番号管理部40は、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第2の系統番号再付与フレーム信号S602dに付加されている系統番号及びID番号とを比較する(ステップST2)。ここでは、系統番号が「2」で、ID番号が「2」で一致しているため、前述のような登録完了フレーム信号S20eが上りポート/系統・ID番号管理部40で生成されることはなく、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S602dを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「3」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号再付与フレーム信号S602eが生成される(ステップST6)。
【0072】
また、分岐器4Eによれば、第3の分岐器ポートP43に他の分岐器が接続されているため、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された第2の系統番号再付与フレーム信号S602eは、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第2の幹線L2、他の分岐器である(直後段の)分岐器4Fの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0073】
分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40は、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第2の系統番号再付与フレーム信号S602eに付加されている系統番号及びID番号とを比較する(ステップST2)。ここでは、系統番号が「2」で、ID番号が「3」で一致しているため、前述のような登録完了フレーム信号S20fが上りポート/系統・ID番号管理部40で生成されることはなく、ポート情報管理部45から読出したポート情報をもとに他の分岐器が接続されていることを確認し(ステップST5)、受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S602eを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「4」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号再付与フレーム信号S602fが生成される(ステップST6)。
【0074】
また、分岐器4Fによれば、第2、第4の分岐器ポートP42、P44にそれぞれ他の分岐器が接続されているため、上りポート/系統・ID番号管理部40で生成された第2の系統番号再付与フレーム信号S602fは、第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42、他の分岐器である分岐器4Iの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送されるとともに、第4のポートデータ通信部44、第4の分岐器ポートP44、他の分岐器である分岐器4Cの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0075】
ここで、分岐器4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40は、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第2の系統番号再付与フレーム信号S602fに付加されている系統番号及びID番号とを比較する(ステップST2)。ここでは、系統番号が「2」で、ID番号が「4」で一致しているため、前述のような登録完了フレーム信号S20Iが上りポート/系統・ID番号管理部40で生成されることはなく、上りポートとして設定されている第2の分岐器ポートP42に接続された分岐器4I以外、他の分岐器が接続されている分岐器ポートがないことから、登録済みの系統番号「2」、ID番号「4」(及びポート情報)を付加した最終ID番号フレーム信号S803iを生成する。この最終ID番号フレーム信号S803iは、上りポート/系統・ID番号管理部40から第4のポートデータ通信部44、第4の分岐器ポートP44、分岐器4Fの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される(ステップST11)。
【0076】
分岐器4Fのポート/系統・ID番号管理部40は、受信した最終ID番号フレーム信号S803iをフレームバッファ部46に保存するとともに(ステップST13)、この信号に付加されているID番号「4」に、所定値である「1」を加えた当該ID番号と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号再付与フレーム信号S612fを生成し、上りポートとして設定されている第1の分岐器ポートP41と前述の最終ID番号フレーム信号S803iを受信した第2の分岐器ポートP42以外の当該分岐器ポートに接続されている他の分岐器に対して送出すべく、第4のポートデータ通信部44から第4の分岐器ポートP44、分岐器4Cの第2の分岐器ポートP42、第2のポートデータ通信部42を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に送出する(ステップST14)。
【0077】
分岐器4Cのポート/系統・ID番号管理部40は、初期登録時におけるテーブルT40の登録内容であって登録済みの系統番号及びID番号と、第2の系統番号再付与フレーム信号S612fに付加されている系統番号及びID番号とを比較する。ここでは、系統番号が「1」又は「2」で、ID番号が「3」又は「5」で不一致であるため、第2の系統番号再付与フレーム信号S612fを受信した第4のポートデータ通信部44が接続されている第4の分岐器ポートP44を「上りポート」として、そのポート番号「4」に割当ててテーブルT40に登録するとともに、受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S612fを構成するID番号「5」を自分岐器4Cに割当てられる当該ID番号として、系統番号「2」とともにテーブルT40に登録する(ステップST3)。
【0078】
この後、分岐器4Cの上りポート/系統・ID番号管理部40は、登録済みの系統番号「1」及びID番号「5」とポート情報管理部45から読出した自分岐器におけるポート情報を付加した登録完了フレーム信号S901cを生成し、「上りポート」に登録された第2の分岐器ポートP42に接続されている第2のポートデータ通信部P42、第2の分岐器ポートP42、分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44を経由して上りポート/系統・ID番号管理部40に送出する(ステップST4)。
【0079】
また、分岐器4Cの上りポート/系統・ID番号管理部40は、第2の系統番号再付与フレーム信号S612fを受信したとき、他の分岐器が接続されている分岐器ポートがないことから、第2の系統における最終の当該分岐器であり、登録済みのID番号「5」を付加した最終ID番号フレーム信号S911cを生成する。この最終ID番号フレーム信号S911cは、前述の登録完了フレーム信号S901cと同一の信号伝送路を経由して分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40に伝送される。
【0080】
分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40は、登録完了フレーム信号S901c及び最終ID番号フレーム信号S911cを受信すると、フレームバッファ部46に保存した最終ID番号フレーム信号S803iを破棄(削除)するとともに、受信した登録完了フレーム信号S901c及び最終ID番号フレーム信号S911cを、上りポートとして設定されている第1の分岐ポートP41から第2の幹線L2に送出すべく、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、制御装置5の第2の系統ポートP52、第2の系統ポート通信部52を経由して系統・ID番号/ポート番号管理部50に送出する(ステップST15、ST16)。
【0081】
前述までのデータ信号の伝送後のタイミングにおいて、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50によれば、第1の系統データ通信部51で受信された最終ID番号フレーム信号S701bと、第2の系統データ通信部52で受信された登録完了フレーム信号S901c及び最終ID番号フレーム信号S911cと、第3の系統データ通信部53で受信された最終ID番号フレーム信号S703hをもとに、テーブルT50の登録内容を更新することで、(1)系統(ポート)番号「1」に該当する最終ID番号は「2」、すなわち、第1の幹線L1には2台の分岐器4A、4Bが順次接続されていること、(2)系統(ポート)番号「2」に該当する最終ID番号は「5」、すなわち、第2の幹線L2には5台の分岐器4D、4E、4F、4I、4Cの接続順位で順次接続され、このうち分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43にカメラ端末1が接続されていること(ポート接続情報)、(3)系統(ポート)番号「3」に該当する最終ID番号は「2」、すなわち、第3の幹線L3には2台の分岐器4G、4Hが順次接続され、このうち分岐器4Hの第2の分岐器ポートP42にモニタ端末3が接続されていること(ポート接続情報)、がそれぞれ登録(書換え登録)されることになる(ステップST19)。
【0082】
ここで、前述のような書換え登録後における具体的な動作として、カメラ端末1で生成された前述の第2の動作時と同様な映像・音声フレーム信号は、分岐器4Cの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42、分岐器4Fの第4の分岐器ポートP44、第4のポートデータ通信部44、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、制御装置5の第2の系統ポートP52、第2の系統データ通信部52、系統・ID番号/ポート番号管理部50、第3の系統データ通信部53、第3の系統ポートP53、第3の幹線L3、分岐器4Gの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41、上りポート/系統・ID番号管理部40、第3のポートデータ通信部43、第3の分岐器ポートP43、第3の幹線L3、分岐器4Hの第1の分岐器ポートP41、第1のポートデータ通信部41、上りポート/系統・ID番号管理部40、第2のポートデータ通信部42、第2の分岐器ポートP42を経由してモニタ端末2に伝送され映像データが出画されるばかりでなく、音声データについては、モニタ端末2での出力又はこのモニタ端末2を経由して子機端末3に転送することもできる。
【0083】
なお、分岐器4Fの上りポート/系統・ID番号管理部40によれば、フレームバッファ部46に最終ID番号フレーム信号S803iが保存されているとき、自分岐器に接続されている他の分岐器4C、4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40で登録拒否フレーム信号がそれぞれ生成され、これらの登録拒否フレーム信号を受信すると、フレームバッファ部46に保存された最終ID番号フレーム信号S803iを読出し、上りポートとして設定されている第1の分岐ポートP41から第2の幹線L2に送出すべく、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Eの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、分岐器4Dの第3の分岐器ポートP43、第3のポートデータ通信部43、上りポート/系統・ID番号管理部40、第1のポートデータ通信部41、第1の分岐器ポートP41、第2の幹線L2、制御装置5の第2の系統ポートP52、第2の系統ポート通信部52を経由して系統・ID番号/ポート番号管理部50に送出することもできる(ステップST17、ST18、ST19)。
【0084】
本発明の実施例における第3の動作によれば、分岐器4B及び分岐器4C間を接続する第1の幹線L1が切断(接続断)された場合の動作について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iのうち相互にライン接続されている機器間の接続状態が切断された場合であっても同様な動作が可能となる。
【0085】
前述までの説明から明らかなように、本発明の実施例によるインターホンシステムでは、リング状にポート番号「1」、「2」、「3」が付与された複数の異なる系統毎に設置され、当該系統毎に異なる第1、第2、第3の幹線L1、L2、L3を経由して制御装置5に接続される複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iが有する第1乃至第4のポート(分岐器ポート)P41、P42、P43、P44全てに任意の機器、例えば、インターホン端末(カメラ端末、モニタ端末及び子機端末)1、2、3を接続可能として、少なくとも2の系統における分岐器間における通信経路を多重化し、分岐器の接続断時やその復旧時においてID番号の再付与することで通信経路を自動的に変更することができる。これにより、分岐器を追加することなく自由に通信経路の多重化を行うことができる。
【0086】
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということは言うまでもないことである。
【0087】
具体的に、本発明の実施例においては、制御装置5の系統・ID番号/ポート番号管理部50で生成される系統番号(再)付与フレーム信号を構成するID番号として、初期値「1」の当該ID番号を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値(初期値)のID番号を適用することもできる。
【0088】
また、本発明の実施例においては、複数の分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4Iの上りポート/系統・ID番号管理部40の動作として、受信した番号(再)付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加するにあたり、その所定値として「1」を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値を追加することもできる。
【符号の説明】
【0089】
1、2、3……複数の端末
4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I……複数の分岐器
40……上りポート/系統・ID番号管理部
41、42、43、44……第1乃至第4のポートデータ通信部(複数のポートデータ通信部)
45……ポート情報管理部
46……フレームバッファ部
5……制御装置
50……系統・ID番号/ポート情報管理部
51、52、53……第1乃至第3の系統データ通信部(複数の系統データ通信部)
L1、L2、L3……第1乃至第3の幹線(複数の系統毎の幹線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7