(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記両側面と前記連結面とは、前記両側面および前記連結面を構成する第1の合成樹脂とは別部材の筒状の第2の合成樹脂を芯材として、接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のレインカバー。
前記保持部材により前記上部カバーと前記下部カバーとを接続した場合に、前記上部カバーが前記チャイルドシートから離隔した状態で、前記上部カバーの形状が保持されることを特微とする、請求項1または請求項2に記載のレインカバー。
【背景技術】
【0002】
自転車を用いて、幼児とともに外出する場合、自転車前部または後部荷台に取り付けた幼児用座席に着座させて移動することが一般的となっている。自転車は、通常、搭乗者が外界に剥き出しになる構造であるために、降雨や降雪などの悪天候時に自転車を使用すると、自転車の運転者(保護者等)とともに幼児用座席に着座した幼児も悪天候の影響を受ける。
【0003】
保護者等は、雨合羽などの雨具を着用すれば悪天候の影響を軽減または遮断することができるが、幼児用座席に着座している幼児は、雨合羽を嫌う傾向もあり悪天候の影響を遮断することが難しく、さらに、雨合羽を嫌う幼児を気にしながら保護者等が自転車を運転することは(後部荷台に取り付けた幼児用座席の場合には特に)危険である。
そのため、最近では、幼児用座席に着座している幼児を、悪天候の影響から保護するための雨具が開発され、たとえば、特開2014−024517(特許文献1)は、チャイルドシートに座った幼児の周囲に十分な居住空間を形成することができるとともに、容易にかつ安価に製造することができる自転車のチャイルドシート用レインカバーを開示する。
【0004】
このレインカバーは、可撓性および弾力性を有するリング状の張り枠と、この張り枠の内側に張設された透明または半透明の内カバー体と、張り枠から下側に垂下された外カバー体とを備え、内カバー体がチャイルドシートの座部の上側を後上がりに傾斜して覆い、外カバー体が背もたれ部の後側、背もたれ部および座部の両側方ならびに座部の前部下方を覆うように、張り枠が座部の上側に後上がりに傾斜して配置可能とされていることを特徴とする。
【0005】
このレインカバーによると、チャイルドシートの周囲を覆っても、リング状の張り枠により内カバー体および外カバー体を効果的に保形して、チャイルドシートに座った幼児の周囲に十分な空間を形成することができ、チャイルドシートへの座り心地がよいものとな
る。しかも、このレインカバーは、可撓性および弾力性を有する1つのリング状の張り枠があれば内カバー体および外カバー体を保形することができるので幼児の周囲に十分な居住空間を形成することができるため、構成部材が少なくて済み、容易にかつ安価に製造することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1のレインカバーは、内カバー体がチャイルドシートの座部の上側を後上がりに傾斜して覆いチャイルドシートに座った幼児の周囲に空間を形成するものではあるものの、特許文献1の
図7に示すように、チャイルドシートの背もたれ部から続くヘッドレストの上端までしか空間がないので、チャイルドシートに座った幼児の上方に十分な空間を形成するものとはいえない。特に、幼児がヘルメットを被ってチャイルドシートに座った場合、ヘルメットが内カバー体の上内面に接してしまい上方に十分な空間を形成するものとはいえない。さらに、このような場合、内カバー体がビニル製でヘルメットがプラスチック製であることが多いために、ヘルメットが内カバー体の上内面に接してしまうと滑りが悪く、幼児が顔を左右方向へ動かすことを阻害してしまう。
【0008】
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、自転車の前部または後部荷台に取り付けられたチャイルドシートに着座する幼児を悪天候から保護するレインカバーであって、幼児の周囲に十分な空間を確保することのできるレインカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る、自転車のチャイルドシート用のレインカバーは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、このレインカバーは、自転車の前部または後部荷台に取り付けられたチャイルドシートに装着される。このレインカバーは、前記チャイルドシート
上に四辺形の上方開口部を形成させたうえで前記チャイルドシートのまわりを取り囲んで装着する筒状の下部カバーと、前記下部カバーの前記上部開口部上に被せる状態に設けられて前記チャイルドシートに着座する幼児の上方に頭部収容空間を形成させる合成樹脂製の上部カバーと、を有し、前記下部カバーと前記上部カバーとの間は前記下部カバーの前記上方開口部に対する少なくとも3辺を開閉自在に保持させる保持部材により接続されており、前記上部カバーは、前記下部カバーにおける前記上部開口部の後辺から前記チャイルドシートに着座する幼児の頭部高さを超えて立ち上がる透明又は半透明の後方連結面と、前記後方連結面の上部に曲面で繋がり且つ前記幼児の頭部高さを超えたまま前記下部カバーにおける前記上部開口部の前辺上方まで延びる透明又は半透明の上方連結面と、前記下部カバーにおける前記上部開口部の前辺から前記幼児の頭部高さを超えて立ち上がり且つ前記上方連結面の前部と曲面で繋がる透明又は半透明の前方連結面と、前記下部カバーにおける前記上部開口部の左右各辺から立ち上がって前記後方連結面、前記上方連結面、及び前記前方連結面の各左右側部と連結する左右一対の側面と、を有していることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記両側面と前記連結面とは、前記両側面および前記連結面を構成する第1の合成樹脂とは別部材の筒状の第2の合成樹脂を芯材として、接続されているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記保持部材により前記上部カバーと前記下部カバーとを接続した場合に、前記上部カバーが前記チャイルドシートから離隔した状態で、前記上部カバーの形状が保持されるように構成することができる。
【0011】
さらに好ましくは、前記連結面の最も高い位置は、前記チャイルドシートの最上部よりも高いように構成することができる。
さらに好ましくは、前記保持部材は、線ファスナーまたは面ファスナーであるように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレインカバーによれば、自転車の前部または後部荷台に取り付けられたチャイルドシートに着座する幼児を悪天候から保護するレインカバーであって、幼児の周囲に十分な空間を確保することのできるレインカバーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るレインカバー100を、図面に基づき詳しく説明する。なお、以下においては、自転車の前部に取り付けられたチャイルドシート200にレインカバー100を装着する場合について説明する。この場合におけるチャイルドシート200は、たとえば、特開2012−254761号公報の
図2に開示されたものである。しかしながら、本発明に係るレインカバー100は、後部荷台に取り付けられたチャイルドシートであっても、また、自転車の前部に本実施の形態とは異なる方法で取り付けられたチャイルドシートであっても適用することができる。後部荷台に取り付けられたチャイルドシートの一例として特開2014−024517号公報(特許文献1)の
図7に示すものがあり、自転車の前部に本実施の形態とは異なる方法で取り付けられたチャイルドシートの一例として特開2011−088535号公報の
図2に示すものがある。また、以下の記述における前後方向は自転車の進行方向と同じ方向であって、左右方向は自転車の搭乗者(チャイルドシート200に着座した幼児も同じ)から見た左右方向である。
【0015】
[レインカバー構造]
図1〜
図4は、本実施の形態に係るレインカバー100を自転車の前部のチャイルドシート200に装着した状態を示す斜視図である。上部カバー(以下、風防と記載する場合がある)110を閉じた状態についての自転車前方からの斜視図を
図1に、自転車後方からの斜視図を
図2にそれぞれ示す。後述する
図7に示す矢示R(2)方向に上部カバー110を開いた状態についての自転車前方からの斜視図を
図3に、自転車後方からの斜視図を
図4にそれぞれ示す。
図5〜
図7は、レインカバー100をチャイルドシート200に装着した状態を示す平面図である。上部カバー110を閉じた状態についての正面図を
図5に、その側面図を
図6に、上部カバー110を開いた状態についての側面図を
図7に、それぞれ示す。
【0016】
これらの斜視図および平面図に示すように、このレインカバー100は、自転車の前部に取り付けられたチャイルドシート200に装着するレインカバーである。大略的には、このレインカバー100は、チャイルドシート200の上方を覆う、合成樹脂製の上部カバー110と、チャイルドシート200に固着され、チャイルドシート200の下方を覆う、上方開口部が四辺形である筒状の下部カバー120とで構成される。
【0017】
特徴的であるのは、この上部カバー110は、開放側を下方とした略逆U字形状の側面112(左側面112Lおよび右側面112R)と、自転車の前後方向に亘って両側の側面112を曲面で接続する連結面114とで構成され、前方連結面114Fは略垂直に立ち上がる面を形成している。そして、少なくともこの連結面114はPVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂製であって透明または半透明であり、側面112は不透明であっても構わないが(自転車の運転者である保護者等の視界を妨げないため)、幼児の視界を確保
するために、側面112も同じPVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂製であって透明または半透明であることが好ましい。以下においては、側面112および連結面114は、同じ素材で構成されており、透明なPVC製であるとする。また、下部カバー120は、繊維生地(綿、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等)であって、このような繊維生地に撥水加工および/または防水加工した生地が好ましい。
【0018】
さらに、この上部カバー110の開放側端面と下部カバー120の上方開口部とが、上方開口部の四辺形のいずれかの3辺を開閉自在に保持する保持部130により接続されている。なお、上部カバー110は、
図7に示すように前方に倒れて開くことに限定されるものではなく、後方に倒れて開いても、左側または右側に倒れて開いても、構わない。
さらに、特徴的であるのは、略逆U字形状の側面112(右側面112Rおよび左側面112L)と連結面114とは、側面112および連結面114を構成する第1の合成樹脂(たとえば上述したPVC)とは別部材の筒状の第2の合成樹脂を
図5のA部詳細断面に示すように芯材116として(いわゆるパイピング)接続されている。
【0019】
このように上部カバー110を構成する側面112および連結面114がパイピング接続されていることに加えて、上部カバー110と下部カバー120とが、開閉自在に保持する線ファスナー132または面ファスナーのような保持部130により接続されている。
この場合において、側面112および連結面114を構成する第1の合成樹脂よりも芯材116を構成する第2の合成樹脂が柔軟性がないようにして(保形性があるようにして)、さらに、多くの場合、側面112および連結面114を構成する第1の合成樹脂よりも線ファスナー132または面ファスナーのような保持部130が柔軟性がないので(保形性があるので)、保持部130により上部カバー110と下部カバー120とを接続した場合に、上部カバー110がチャイルドシート200から離隔した状態で、上部カバー110の形状(側面視で略逆U字形状)が保持される。また、上部カバー110と下部カバー120とを分離して上部カバー110を開放した場合であっても、上部カバー110の形状が保持されやすくなる。この場合も、上部カバー110はチャイルドシート200から離隔した状態である。
【0020】
このため、上部カバー110とチャイルドシート200のヘッドレスト210および/または背もたれ部220とが接触していなくても(上部カバー110とチャイルドシート200とが離隔した状態であっても)、保持部130により上部カバー110と下部カバー120とを接続した場合に上部カバー110の形状が保持されて形状が崩れることがなく、チャイルドシート200に幼児を着座させているときに幼児の顔等に上部カバー110が接触することがない。また、上部カバー110と下部カバー120とを分離して上部カバー110を開放した場合に上部カバー110の形状が保持されると、チャイルドシート200に幼児を着座させた後に上部カバー110と下部カバー120とを容易に接続することができるようになる。
【0021】
さらに、特徴的であるのは、連結面114の最も高い位置(上方連結面114Tの位置)は、チャイルドシート200の最上部(ヘッドレスト210がある場合にはヘッドレスト210上端よりも高く、ヘッドレスト210がない場合には背もたれ220上端)よりも高い。より詳しくは、連結面114の最も高い位置は、チャイルドシート200に着座した幼児(が装着したヘルメット)の最上部よりも高いものである。上方連結面114Tの位置がチャイルドシート200の最上部よりもどの程度高いのかについては、たとえば、このチャイルドシート200に着座可能な最も大柄な幼児の身長、座高および頭長等ならびにヘルメット厚み等から算出される。具体的には、ヘッドレスト210がある場合には上方連結面114Tとヘッドレスト210上端との高さ方向の寸法は、200〜400mm程度、ヘッドレスト210がない場合には上方連結面114Tと背もたれ部220上端との高さ方向の寸法は、400〜600mm程度である。なお、この高さ方向の寸法200〜600mm程度は、上述したように保持部130により上部カバー110と下部カバー120とを接続した場合に、上部カバー110がチャイルドシート200のどの部分にも接触することなく(上部カバー110がチャイルドシート200に寄りかからないで
)形状を保持することのできる寸法でもある。
【0022】
以下において、このレインカバー100の構造について、
図1〜
図7を参照して、さらに詳しく説明する。まず、このレインカバー100が装着されるチャイルドシート200は、自転車(構成するハンドルH、サドルS、前かごB、フレームFの一部を図示する)の前部に取り付けられ、ヘッドレスト210、背もたれ部220、持ち手230、サイドカバー240およびベルト250を備える。なお、座面、足乗せ部(足置き)、足ガード(前輪巻き込み防止ガード)、ベルトバックル、ハンドル係止部(ハンドル掛けフック)等については図示していない。また、
図2および
図4に示す自転車は、前かごBを備えない。
【0023】
このレインカバー100の上部カバー110は、保持部130で下部カバー120と接続されることにより、閉じた空間を形成する風防として機能する。この上部カバー110は、略逆U字形状の左右の側面112(左側面112Lおよび右側面112R)と、これら左右の側面112を曲面で接続する連結面114とで構成されており、連結面114は自転車の前後方向に亘って曲面で接続するために、連結面114は前方連結面114F、上方連結面114Tおよび後方連結面114Bとで構成される。
【0024】
これらの側面112と連結面114との接続について、
図5を参照して説明する。
図5に示すA部詳細断面は、
図6のA−A断面の詳細を示すものである。この
図5のA部詳細断面に示すように、PVC製の側面112(右側面112R)および連結面114(前方連結面114F)とは別部材であってこれらのPVCよりも柔軟性のない(保形性がある)合成樹脂で構成された長細い平板状の芯材116を筒状に丸めて(パイプ状にして)、この芯材116と合成樹脂で構成されたさらに別部材である被覆材118とにより側面112および連結面114を挟み込んで縫着線119で縫着する、いわゆるパイピング接続している。
【0025】
このように接続することにより、金属製のワイヤーまたはピアノ線を用いることなく、レインカバー100の使用時には上部カバー110の形状を保持することができる。また、雨天から晴天になってチャイルドシート200から取り外したレインカバー100の不使用時には、金属製のワイヤーまたはピアノ線等の硬質部材を用いていないために上部カバー110をどのようにでも折り畳むことができる。この場合において、保持部130を構成する線ファスナー132および面ファスナーは、折り畳みを阻害しない。さらに、下部カバー120も生地で構成され硬質部材を用いていないために、レインカバー100をどのようにでも折り畳むことができる。
【0026】
なお、ヴェルダー加工と呼ばれる溶着加工により側面112および連結面114を接続しても構わない。また、側面112および連結面114の接続方法は、このようなパイピング接続およびヴェルダー加工でなくても構わない。
次に、下部カバー120は、たとえば、面ファスナー等で構成された固着バンド128をヘッドレスト210と背もたれ部220との境界近傍へ廻したり、足乗せ部へ固着ひも129を通したりすることによりチャイルドシート200に固着される。
【0027】
下部カバー120は、チャイルドシート200の下方を覆う、上方開口部が四辺形である筒状生地122と、側面生地124および正面生地126とで構成される。さらに具体的には、筒状生地122は、背もたれ部220およびサイドカバー240近傍を覆う上方筒状生地122Uと足乗せ部近傍を覆う下方筒状生地122Dとから構成される。さらには、平面状の生地から筒状生地122を構成するために、上方筒状生地122Uおよび下方筒状生地122Dをそれぞれ左右に分けて、上方左側筒状生地122ULおよび上方右側筒状生地122URならびに下方左側筒状生地122DLおよび下方右側筒状生地122DRで構成するようにしても構わない。
【0028】
また、下部カバー120は、立体形状とするために、これらの筒状生地122を側面生地124(左側側面生地124Lおよび右側側面生地124R)および正面生地126とともに縫製されてチャイルドシート200に着座した幼児を悪天候の影響を遮断する。なお、正面生地126は左右の側面生地124と面ファスナーで接続されており、たとえば、ハンドルHとチャイルドシート200のハンドル係止部との係合状態を容易に確認する
ことができる。
【0029】
なお、下部カバー120を構成する生地の形状、生地の縫製方法および下部カバー120の詳細な立体形状、ならびに、レインカバー100をチャイルドシート200へ固着する方法は、上述のものに限定されるものではない。
上部カバー110の開放側端面と下部カバー120の上方開口部とが、上方開口部の四辺形の前方の1辺以外の3辺(ここでは前方以外の左側、右側および後方)を開閉自在に保持する保持部130により接続されている。以下においては、保持部130は、線ファスナー132およびその線ファスナー132を開閉するスライダー134と、雨等から線ファスナー132を保護する線ファスナー隠し生地136とで構成されるものとする。なお、線ファスナー隠し生地136の一部を透過して線ファスナー132を図示している。また、残りの1辺の途中まで線ファスナーを設けるようにしても構わないが、この線ファスナー132は少なくとも3辺について開閉自在に上部カバー110と下部カバー120とを接続する。この線ファスナー132は(1個に限定されるものではないが)1個のスライダー134を備え、
図1および
図2に示す閉塞状態(接続状態)から、
図3および
図4に示す開放状態(分離状態)へ移行させることができる。また、この線ファスナー132は、金属製であっても樹脂製であっても構わない。いずれであっても下部カバー120を構成する生地よりも柔軟性がない(保形性がある)。
【0030】
[使用方法]
以上のような構造を備える本実施の形態に係るレインカバー100の使用方法を
図1〜
図7を参照して説明する。以下においては、幼児がチャイルドシート200に着座していない
図1、
図2、
図5および
図6(これらを閉塞状態図と記載する場合がある)に示す閉塞状態から
図3、
図4および
図7(これらを開放状態図と記載する場合がある)に示す開放状態へ移行させて幼児をチャイルドシート200に着座させて、その後に開放状態図に示す開放状態から閉塞状態図に示す閉塞状態へ移行させる。その後に、チャイルドシート200に着座させた幼児をチャイルドシート200から下ろす際に閉塞状態から開放状態へ移行させる手順は、幼児がチャイルドシート200に着座していない閉塞状態から開放状態へ移行させる手順と同じであるため繰り返して説明しない。
【0031】
まず、閉塞状態図に示すように、自宅の駐輪場等に停めた自転車に近づいて、線ファスナー隠し生地136に隠れたスライダー134を把持して、チャイルドシートの左側、後方、右側へとスライダー134を移動させる。これにより、上部カバー110と下部カバー120とは前方の一辺のみで接続された状態となる。このとき、上部カバー110はチャイルドシート200と接触することなく形状を保持して自立している。
【0032】
図7の矢示R(2)方向へ、上部カバー110を下部カバー120から分離させて、上述した前方の一辺を回転中心として回転させる。このとき、自転車に前かごBが装着されている場合には
図3に示すように上部カバー110が前かごBの上に載置され、自転車に前かごBが装着されていない場合には
図4に示すように上部カバー110がさらに下がってハンドルHの前に載置される。
図3および
図4のいずれの場合であっても、上部カバー110は概ね形状を保持している。なお、
図7は
図3に対応し、
図7においては、前方連結面114Fが図示しない前かごBに当接して、上部カバー110が前かごBに載置されて、矢示R(2)方向への回転が停止している。
【0033】
幼児をチャイルドシート200へ着座させる場合には、上部カバー110が矢示R(2)方向へ大きく回転しており、下部カバー120に大きな開口部が形成されており、幼児をチャイルドシート200へ容易に着座させることができる。幼児をチャイルドシート200へ着座させた後は、
図7の矢示R(1)方向へ、上部カバー110を下部カバー120へ接近させて、上述した前方の一辺を回転中心として回転させる。このとき、上部カバー110は概ね形状を保持しているので、上部カバー110を矢示R(1)方向へ回転させやすい。
【0034】
次に、線ファスナー隠し生地136に隠れたスライダー134を把持して、チャイルドシートの右側、後方、左側へとスライダー134を移動させる。これにより、上部カバー110と下部カバー120とは4辺で接続された状態となる。このとき、上部カバー11
0はチャイルドシート200と接触することなく形状を保持して自立している。そして、幼児がチャイルドシート200に着座している場合において、前方連結面114Fは略垂直に立ち上がる面を形成し、かつ、上方連結面114Tとヘッドレスト210上端との高さ方向の寸法は、200〜400mm程度であるので、幼児の周囲に十分な空間を確保することができて、幼児を悪天候から保護することができる。
【0035】
以上のようにして、本実施の形態に係るレインカバー100によると、自転車の前部または後部荷台に取り付けられたチャイルドシート200に着座する幼児を悪天候から保護するレインカバー100であって、幼児の周囲に十分な空間を確保することのできるレインカバー100を提供することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。