特許第6182111号(P6182111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182111
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】キャスタの取付構造および台車
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   B60B33/00 504B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-118217(P2014-118217)
(22)【出願日】2014年6月6日
(65)【公開番号】特開2015-229482(P2015-229482A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2016年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】391009707
【氏名又は名称】株式会社ナンシン
(74)【代理人】
【識別番号】100083183
【弁理士】
【氏名又は名称】西 良久
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 彰則
(72)【発明者】
【氏名】三浦 裕昭
【審査官】 倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−264851(JP,A)
【文献】 特開2014−227083(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/129090(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付体の台盤に設けられたキャスタ取付部にキャスタの取付台板の上面を所定姿勢に支承する支承部と、前記取付台板の一端側を下方から掛止める台盤に固定された第1台盤側掛止部と、該第1台盤側掛止部と対峙して前記取付台板の他側を下方から掛止めると共に、台盤に基端が前記取付台板と離間する方向に傾動可能に取り付けられた第2台盤側掛止部とを有し、該第2台盤側掛止部の後方に前記第2台盤側掛止部を拘束する取付部材を収納する収納室を備えたキャスタの取付構造において、
収納室が、第2台盤側掛止部と所定の間隔を隔てて前後に対峙して、台盤に固定された後方壁部と、
第2台盤側掛止部と後方壁部の間に沿って平行に延びる左右一対の側壁部と、
該側壁部に設けられて第2台盤側掛止部側で開口し後方壁部に向かって斜めに傾斜する一対の長穴部とが設けられており、
取付部材は、略ロール形状からなる取付部本体と、左右両側の側壁面から外方に突出し、前記長穴部に摺動可能に挿入される支軸部と、取付部本体の外周壁面に設けられて前記後方壁部の内面に衝合して取付部材の回転を規制するカム面部と、
該カム面部が後方壁部に衝合した位置で、前記第2台盤側掛止部を垂直姿勢に維持し第2台盤側掛止部の掛止部を外側から覆って拘束する拘束片部とからなっていることを特徴とするキャスタの取付構造。
【請求項2】
カム面が後方壁部の内面に衝合する平坦面からなる補助カム面と、該補助カム面に連続して折れ曲がる拘束ガイド用のカム面とからなり、
取付部材の拘束片部が、前記補助カム面の延長上で同一面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの取付構造。
【請求項3】
取付部材の左右側壁面に一対の大径の側板が設けられており、該側板にカム面部が形成されており、側板間に設けられた中軸部には、支軸部を長部に挿入した際に第2台盤側掛止部と衝合しないように切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの取付構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のキャスタ取付構造を有することを特徴とする被取付体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車の底面等の被取付面にキャスタを取り付けるに際して、ネジやボルト等の固定金具の使用を不要化し、取付部材を用いて容易に且つ確実に取付けることができるようにしたキャスタの取付構造およびそれを用いた台盤を有する被取付体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のキャスタの取付構造として、例えば特開2006−62429号の台車では、合成樹脂製の台盤に、複数のキャスタを取り付けてなる台車において、前記台盤には、前記キャスタの座板が水平方向から挿入されるスライド受容部が設けられ、そのスライド受容部には、挿入された前記座板に摺接して上方に弾性変形しかつ前記座板が前記スライド受容部の奥部に到達したときに復元して前記座板の縁部に係止することで前記座板を抜け止めするロックアームが形成され、前記ロックアームの上方空間に水平方向から挿入されて、前記ロックアームの上方への弾性変形を規制するリテーナと、前記リテーナを前記台盤に係止するためのリテーナ係止部とを備えた構成が開示されている。
しかし、上記構成では、リテーナの挿入によりロックアームの弾性変形を規制することができるが、リテーナを台盤に係止するために、先端に係合突部を有するリテーナ係止片を左右一対に設け、台盤側には上記係合突部を掛止めるリテーナ係止孔を前記リテーナ係止片の係合突部に対応する個所に穿設する必要があり、構造が複雑となると共に、係合孔と係合突部とは正確な位置決めが必要となるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−62429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする問題点は、単一の取付部材をリテーナとして用いることで、固定された第1台盤側掛止部に対向して傾動する第2台盤側掛止部を取付部材を回転させることで掛止位置にて拘束することができるキャスタの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
被取付体の台盤に設けられたキャスタ取付部にキャスタの取付台板の上面を所定姿勢に支承する支承部と、前記取付台板の一端側を下方から掛止める台盤に固定された第1台盤側掛止部と、該第1台盤側掛止部と対峙して前記取付台板の他側を下方から掛止めると共に、台盤に基端が前記取付台板と離間する方向に傾動可能に取り付けられた第2台盤側掛止部とを有し、該第2台盤側掛止部の後方に前記第2台盤側掛止部を拘束する取付部材を収納する収納室を備えたキャスタの取付構造において、
収納室が、第2台盤側掛止部と所定の間隔を隔てて前後に対峙して、台盤に固定された後方壁部と、
第2台盤側掛止部と後方壁部の間に沿って平行に延びる左右一対の側壁部と、
該側壁部に形成されて第2台盤側掛止部側で開口し後方壁部に向かって斜めに傾斜する一対の長穴部とが形成されており、
取付部材は、略ロール形状からなる取付部本体と、左右両側の側壁面から外方に突出し、前記長穴部に摺動可能に挿入される支軸部と、取付部本体の外周壁面に設けられて前記後方壁部の内面に衝合して取付部材の回転を規制するカム面部と、
該カム面部が後方壁部に衝合した位置で、前記第2台盤側掛止部を垂直姿勢に維持し第2台盤側掛止部の掛止部を外側から覆って拘束する拘束片部とからなっていることを特徴とする。
請求項2の発明では、
カム面が後方壁部の内面に衝合する平坦面からなる補助カム面と、該補助カム面に連続して折れ曲がる拘束ガイド用のカム面とからなり、
取付部材の拘束片部が、前記補助カム面の延長上で同一面状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、
取付部材の左右側壁面に一対の大径の側板が設けられており、該側板にカム面部が形成されており、側板間に設けられた中軸部には、支軸部を長穴部に挿入した際に第2台盤側掛止部と衝合しないように切欠部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明では、台盤に設けられて固定された第1台盤側掛止部と、傾動可能に設けられた第2台盤側掛止部によってキャスタの取付台板を支持する構造であって、前記第2台盤側掛止部により取付台板を掛け止めた後に、第2台盤側掛止部が傾動しないように取付部材によって第2台盤側掛止部を拘束することができる。
上記取付部材では、台盤側との間に係脱する構成を設けることなく、取付部材にカム面と拘束片部を設けるだけで第2台盤側掛止部を拘束することができるので、簡単な構成で確実にキャスタの取り付けを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】取付部材の斜視図であって(a)は拘束片部側から見た図、(b)はその底面側から見た図である。
図2】異なる側から見た取付部材の斜視図であって(a)は切欠側から見た図、(b)は反対側から見た図である。
図3】台盤のキャスタ取付部を底面側から見た斜視図である。
図4】底面側から見た台盤全体の斜視図である。
図5】台盤の平面図である。
図6】(a)は取付台板の掛止状態を示す図5のA−A線断面図、(b)はキャスタ取付部の中間部分を省略した要部断面図、(c)は第2台盤側掛止部を傾斜した状態の要部断面図である。
図7】取付部材を装着する際の図5のA−A線断面図、(b)は同要部断面図である。
図8】取付部材を収納室に収納した状態の図5のA−A線断面図、(b)は同要部断面図、(c)は異なる取り付け状態の断面図である。
図9】取付部材で第2台盤側掛止部を拘束した状態の図5のA−A線断面図、(b)は同要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
傾動可能な第2台盤側掛止部に隣接して収納室を設け、該収納室に取付部材を嵌合し回転することで取付部材のカム面を収納室の後方壁部に当接させて取付部材の拘束片部が第2台盤側掛止部を外側から拘束することで、簡単で確実なキャスタの台盤への取付を実現した。
【実施例1】
【0009】
以下に、この発明のキャスタの取付構造を台車の台盤(荷台)に適用した場合の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
台盤1は、本実施例の場合、図4図5に示すように、矩形の合成樹脂製の台盤からなっており、上面には、把持用の貫通孔H1や、スタッキングに際してキャスタ30の車輪を嵌込むH2などが適宜形成されている。
上記台盤1の裏面には補強用のリブLが格子状や輪郭状などの適宜形状に突設されており、その四隅にはキャスタ30を装着するためのキャスタ取付部2が形成されている。
【0010】
ここでキャスタ30は、上部にプレート状の取付台板31を有し、車輪Wを軸支した支持ヨーク33は軸受部32を介して取付台板31に旋回可能に取り付けた旋回キャスタを用いたが、前記支持ヨーク33を取付台板31に固定した直進用のキャスタを用いてもよい。
また、車輪は単輪でも双輪でよい。
更に、1枚の取付台板31に複数のキャスタが装着されたものも、この発明では取付用のキャスタとして用いることができる。
【0011】
台盤1の裏面には、多数の補強リブLが突設しており、四隅にキャスタ30取付用のキャスタ取付部2が設けられている。
キャスタ取付部2は、図3に示すように、キャスタ30の取付台板31の上面と接して所定高さで取付台板31を水平に支持するため高さを揃えたリブ3a、3bからなる支承部3と、該支承部3の一方の端部に台盤1の上面から垂設すると共に支承部3の内側に向かって突出する鉤状の第1台盤側掛止部4と、前記支承部3の基端側で第1台盤側掛止部4と対峙する個所に形成された第2台盤側掛止部5と、該第2台盤側掛止部5の後方(支承部3と離間する方向)に形成された収納室7とを有している。
【0012】
支承部3は、前記補強リブLの略半分の長さとなっており、該支承部3の一方の端部で台盤1の長手方向の外端寄りに第1台盤側掛止部4が固設されている。
図示例の場合、第1台盤側掛止部4は、台盤1の上面から垂下するリブの中途位置で支承部3側へ突出し、該突出した面で前記取付台板31を下から支持するように、先端が直角に折れ曲がった鉤状からなっている。
【0013】
支承部3の他方の端部には、前記第1台盤側掛止部4に対峙して、前記取付台板31の他側を下方から掛止める第2台盤側掛止部5が形成されている。
該第2台盤側掛止部5は、その基端が台盤1の上壁面にV字状のヒンジ部6を介して前記取付台板31と離間する方向に傾動可能に取り付けられている。
上記第2台盤側掛止部5を傾動させる構造は、上記ヒンジ構造に限らず、枢着構造その他の公知の折曲げ構造を用いることができる。
【0014】
上記第2台盤側掛止部5の後方に接して収納室7が設けられている。
該収納室7は、図3に明瞭なように、取付部材11を収納して第2台盤側掛止部5を取付台板31の掛止位置でその姿勢を拘束するための構造である。
即ち、収納室7は、第2台盤側掛止部5と所定の間隔を隔てて後方に対峙して、台盤1に固定されて垂下する後方壁部8を有している。
【0015】
第2台盤側掛止部5と後方壁部8の間隔は、取付部材11を略隙間なく嵌合しうる長さに設定されている。
また、第2台盤側掛止部5と後方壁部8の間には、その左右の側方を塞ぐ左右一対の側壁部9、9が平行に設けられている。
そして、側壁部9、9には、それぞれ第2台盤側掛止部5側で開口し後方壁部8に向かって漸次斜め上向きに傾斜する一対の長穴部10、10が形成されている。
【0016】
次に、取付部材11は、略ロール形状からなる取付部本体12と、該取付部本体12の左右両側の側壁面から外方に突出する支軸部13と、前記取付部本体12の外周壁面に設けられたカム面部14と、前記取付部本体12に突設されて外方へ延びる拘束片部15とからなっている。
該拘束片部15は取付部本体12の接線方向に延びる突片からなっている。
【0017】
本実施例では、取付部本体12は、左右側壁面に一対の大径の側板16が形成されており、該側板16から外方へ支持部13が突設されており、また側板16の環状の外周面にカム面部14が形成されている。
また、一対の側板16間は中軸部17によって連結されており、該中軸部17には、切欠部18が形成されている。
【0018】
この取付部材11は、支軸部13を長穴部10に挿入した際に、側板16の外周面が第2台盤側掛止部5と後方壁部8とに同時に接しうるように配置される。
また、カム面部14は、本実施例では、拘束片部15の平坦面の延長線上に延びる平坦面からなる補助カム面14aと、該補助カム面aに連続して折れ曲がる平坦面からな拘束ガイド用のカム面14bとからなっている。
【0019】
該カム面14bは、後方壁部8と平行に衝合した際に、前記拘束片部15が第2台盤側掛止部5の下端に接して覆うように変位する。
これにより、カム面14bによって収納室7内で動きを規制された取付部材11は、その側板16により第2台盤側掛止部5と後方壁部8との間隔を維持するので第2台盤側掛止部5は後方へ傾動することができない。
更に、拘束片部15が第2台盤側掛止部5の下端に接してこれを覆うので、第2台盤側掛止部5の取付台板31の掛止姿勢が強固に保持される。
【0020】
また取付部材11は、支軸部13が長穴部10に挿入されており、長穴部10は傾斜しているので、支軸部13が長穴部10から抜け落ちることもない。
また、前記長穴部10の開口は第2台盤側掛止部5の近傍に形成されているので、支軸部13の挿入に際して中軸部17が第2台盤側掛止部5と衝合するおそれがある。
その場合は、中軸部17に切欠部18を形成することで、中軸部17が第2台盤側掛止部5に衝合せずに収納室7内に嵌合させることができる(図7(b)参照)。
【0021】
取付部材11の収納室7への取付け方法は、図6から図9に示す。
即ち、キャスタ30の取付台板31は後端が上方となるよう斜めに傾斜させ、第2台盤側掛止部5を後方に傾動させることで掛止めると共に、第1台盤側掛止部4との間隔を広げることができる。
次いで、上記広がった間隔から取付台板31の先端を第1台盤側掛止部4の上方に通過させ、第2台盤側掛止部5を前方へ傾動させて前記間隙を元に戻すと共に、キャスタ30の取付台板31を支承部3に接するように水平に挿入する。
そして、前記取付台板31の先端を第1台盤側掛止部4に掛止め、第2台盤側掛止部5を垂直姿勢に戻して、前記取付台板31を、第1台盤側掛止部4と第2台盤側掛止部5とで水平に支持することができる(図6参照)。
【0022】
次いで、長穴部10に取付部材11の支軸部13を挿入して、該長穴部10にガイドされながら取付部材11を収納室7内に嵌合する。
この際に、本実施例では、取付部材11は拘束片部15が垂直姿勢に向いた時に中軸部17の横幅が最も薄くなるように設定されており、第2台盤側掛止部5とぶつかることなく取付部材11を収納室7内に嵌合することができる(図7図8参照)。
この際に拘束片部15と補助カム面14aとは同一面状となっているので、補助カム面14aは後方壁部8と平行に接し取付部材11は第2台盤側掛止部5を垂直に維持することができる。
【0023】
そして、収納室7内で取付部材11を90度回転させることで、カム面14bが後方壁部8と平行に接し、拘束片部15が第2台盤側掛止部5の下端に接して第2台盤側掛止部5を垂直姿勢に保持することができる。
また、取付部材11も、中軸部17が第2台盤側掛止部5と拘束片部15の間を横に塞ぐように変位するので、第2台盤側掛止部5と拘束片部15とに挟持され、同時に、支軸部13が長穴部10から抜け落ちることがない(図9参照)。
【0024】
また、上記実施例では、先に取付台板31を第2台盤側掛止部5および第1台盤側掛止部4に掛止める場合を説明したが、この発明では、取付部材11を先に収納室7にセットし、その後に取付台板31を第2台盤側掛止部5および第1台盤側掛止部4に掛止めるようにしてもよい(図8(c)参照)。
即ち、収納室7にセットされた取付部材11は、拘束片部15が垂直姿勢の状態であり、中軸部17の切欠部18が第2台盤側掛止部5側に対峙しているので取付部材11をセットしたまま切欠部18のスペースを利用して第2台盤側掛止部5を図中後方へ傾動することができる。
【0025】
そこで、上記傾動した第2台盤側掛止部5にキャスタの取付台板31の他方の端部を掛止め、第2台盤側掛止部5の後傾により広がった第1台盤側掛止部4との隙間から取付台板31の一方の端部を差し込み、第2台盤側掛止部5を前方へ傾動させながら前記取付台板31を第1台盤側掛止部4と、垂直姿勢に変位した第2台盤側掛止部5とに水平に掛止めることができる。
その後、図9に示したように、収納室7内で取付部材11を90度回転させることで垂直姿勢の第2台盤側掛止部5を拘束することができる。
【0026】
上記実施例では、台盤や取付部材は合成樹脂製の場合を例示したが、それらの素材は上記実施例に限定されない。
また、キャスタの取付台板の形状によっては、先に一方の端部を第1台盤側掛止部に掛止めてから、第2台盤側掛止部を後方に傾けて第1台盤側掛止部との間隔を広げ、前記取付台板の他方の端部を差し込んで略水平姿勢にしてからその端部を垂直姿勢に戻した第2台盤側掛止部に掛止めるようにしてもよい。
【0027】
また、上記実施例では、キャスタの被取付体として台車の台盤を例に説明したが、この発明では、キャスタを取り付ける台盤を備えた被取付体であれば、その構造や用途は特に限定されない。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【符号の説明】
【0028】
1 台盤
2 キャスタ取付部
3 支承部
4 第1台盤側掛止部
5 第2台盤側掛止部
6 ヒンジ部
7 収納室
8 後方壁部
9 側壁部
10 長穴部
11 取付部材
12 取付部本体
13 支軸部
14 カム面部
15 拘束片部
16 側板
17 中軸部
18 切欠部
30 キャスタ
31 取付台板
32 軸受部
33 支持ヨーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9