【実施例】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
図1は本発明のコネクタの構成を示す分解斜視図である。また、
図2はコネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、
図1の矢印B側から見たコネクタの図(電線は省略)、
図3は
図2のD−D線断面図、
図4はムービングプレートの斜視図である。
【0016】
また、
図5はコネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、
図1の矢印C側から見たコネクタの図(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)、
図6は
図5のE−E線断面図、
図7は
図5及び
図6におけるプレート持ち上げロックとロックビークとの状態を示す平面図である。
【0017】
<コネクタの構成>
図1において、コネクタ1は、例えば自動車のカウルサイドで用いられるものである。もう少し詳しく説明をすると、所謂インパネやエンジン、フロア等に配策された多くの電線(回路)を集結するために用いられるものである。コネクタ1は、雄コネクタ2と、雌コネクタ3とを備えて構成される。雄コネクタ2と、雌コネクタ3は、矢印A方向に沿ってコネクタ嵌合・離脱をする。コネクタ1は、図からも分かるように多極コネクタであって、比較的大きな物として形成される。先ず、雄コネクタ2と雌コネクタ3の構成及び構造について説明をする。
【0018】
<雄コネクタの構成>
図1ないし
図3において、雄コネクタ2は、雄コネクタ本体4と、ムービングプレート5とを含んで構成される。
【0019】
<雄コネクタ本体の構成と、雄端子の構成及び構造>
雄コネクタ本体4は、導電性を有する複数の(多数の)金属製の雄端子6と、絶縁性を有する樹脂製の雄コネクタハウジング7とを備えて構成される。雄端子6は、雄形電気接触部8と、この雄形電気接触部8に連続する電線接続部9とを有する。雄形電気接触部8は、雄タブやピンなどと呼ばれる雄形に形成される。電線接続部9は、電線10の端末に接続される部分として形成される。
【0020】
<雄コネクタハウジングの構造>
雄コネクタハウジング7は、フード部11と、雄端子収容部12とを有する。フード部11と雄端子収容部12は、樹脂成形により一体の形状に形成される。また、フード部11は、コネクタ嵌合・離脱の方向(矢印Aの方向)に沿って雌コネクタ3を移動自在に収容する部分として形成される。ここで、コネクタ嵌合・離脱の方向に直交する方向を、
図1に示す如くコネクタ長手方向及びコネクタ短手方向と定義すると、フード部11は、コネクタ長手方向に沿って形成される一対の長手側壁13、14と、コネクタ短手方向に沿って形成される一対の短手側壁15、16と、開口部17と、内部空間18とを有する(別な言い方をすれば、コネクタ長手方向の両側部に短手側壁15、16が配置形成され、コネクタ短手方向の両側部に長手側壁13、14が配置形成され、この他に開口部17と内部空間18とが形成される)。
【0021】
長手側壁13には、ブラケット取付部19が形成される。このブラケット取付部19は、図示しないブラケットに取り付けられる部分であって、外面側に形成される。長手側壁13、14の各内面には、支点突起収容溝20と、ロック対向部21とが形成される。支点突起収容溝20は、後述するレバー39の支点突起56を収容して案内する溝部分として形成される。尚、支点突起収容溝20や支点突起56は、LIF機構の一部であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0022】
ロック対向部21は、コネクタ嵌合・離脱の方向に沿ってのびるように形成される。別な言い方をすれば、開口部17からフード部11の内部空間18の奥位置22まで真っ直ぐのびるように形成される。また、ロック対向部21は、ムービングプレート5の後述するプレート持ち上げロック33に対向する位置に配置形成される。
【0023】
ロック対向部21の中間には、ロック撓み規制部23が配置形成される。このロック撓み規制部23は、ムービングプレート5の後述するプレート持ち上げロック33を撓ませないように規制をする部分として形成される。すなわち、撓みを規制してプレート持ち上げロック33と雌コネクタ3の後述するロックビーク50との係合が解除されないようにするための部分として形成される。ロック撓み規制部23は、ロック対向部21の溝底面から突出するような形状に形成される。尚、ロック撓み規制部23よりも開口部17側の空間は、プレート持ち上げロック33に対する撓み許容空間24になる。
【0024】
図1及び
図5において、短手側壁15、16の各内面には、ムービングプレート5や雌コネクタ3に対するガイド部(符号省略)が形成される。また、各内面には、アーム状係止部25も形成される。アーム状係止部25は、ムービングプレート5を一時的に係止させるアーム状の係止部分として形成される。アーム状係止部25は、このアーム基端部分が内面中間に連成されるとともに、アーム先端側がフード部11の奥側に向くように形成される。また、アーム状係止部25は、アーム先端側が外側に移動するような可撓性を有する部分に形成される。アーム状係止部25には、特に図示しないが、ムービングプレート5を引っ掛けるフック状の部分が形成される。
【0025】
図1ないし
図3において、雄端子収容部12は、フード部11の内部空間18の奥位置22に連続するように配置形成される。雄端子収容部12には、端子収容室26が複数(多数)形成される。端子収容室26には、雄端子6を係止するためのランス(符号省略)が形成される。本実施例においては、端子収容室26に収容された雄端子6がスペーサ27により二重に係止される。雄端子6は、この雄形電気接触部8が隔壁28を貫通して内部空間18に突出するような状態で収容される。
【0026】
<ムービングプレートの構造>
図1及び
図4において、ムービングプレート5は、絶縁性を有する樹脂成形品であって、フード部11の内部中間位置に一時的に係止されるように組み付けられる。ムービングプレート5は、雄コネクタ2に対し雌コネクタ3が未嵌合の状態にある時に、フード部11内に突出する雄端子6の雄形電気接触部8の位置決め及び保護をすることができるように形成される。このようなムービングプレート5は、プレート本体29を有する図示形状に形成される。尚、ムービングプレート5は、アライニングプレートと呼ばれることもある。
【0027】
プレート本体29は、フード部11の断面形状に合わせた外形を有する板状の部分に形成される。本実施例においては、コネクタ長手方向に沿った辺が比較的長くなる長方形の板状部分に形成される。プレート本体29には、雄形電気接触部8を挿通するための挿通部30が複数(多数)貫通形成される。この他、プレート本体29には、一対の被係止部31と、一対のガイド部32と、二対のプレート持ち上げロック33とが形成される。
【0028】
被係止部31は、雄コネクタハウジング7の短手側壁15、16に対向する側部に配置形成される(別な言い方をすれば、コネクタ長手方向の両側部に配置形成される)。被係止部31は、雄コネクタハウジング7のアーム状係止部25(
図5参照)に引っ掛かり一時的に係止される部分として形成される。被係止部31は、プレート本体29の裏面側に配置形成される。
【0029】
ガイド部32は、可撓性を有する片状の部分に形成される。このようなガイド部32は、被係止部31の反対側の位置に、すなわち表面側に配置形成される。ガイド部32は、雄コネクタハウジング7の短手側壁15、16と、雌コネクタ3の後述する雌コネクタ本体38との間に介在するように配置形成される。
【0030】
図4、
図5、
図7、及び
図10において、プレート持ち上げロック33は、雄コネクタハウジング7の長手側壁13、14に対向する側部に二つずつ配置形成される(別な言い方をすれば、コネクタ短手方向の両側部に二つずつ配置形成される)。プレート持ち上げロック33は、雌コネクタ3の後述する雌コネクタ本体38に対し係合・離脱する部分として形成される。
【0031】
プレート持ち上げロック33は、雌コネクタ3に向けて突出するようなアーム状の部分と、このアーム状の部分に連続する係合用の部分とを有して図示形状に形成される。プレート持ち上げロック33は、後の説明で分かるようになるが、横倒し方向に撓むことが可能な、また、外側にも撓むことが可能な可撓性を有する形状に形成される。別な言い方をすれば、プレート持ち上げロック33は、雄コネクタハウジング7のロック撓み規制部23との位置に応じて異なる撓みを可能にする形状に形成される。
【0032】
プレート持ち上げロック33の先端側には(上記係合用の部分には)、三つのテーパ34、35、36(
図7参照)と、係合部37とが形成される。三つのテーパ34、35、36は、プレート持ち上げロック33の突出方向先端が頂部になるような山形状の斜面部分として形成される。係合部37は、雌コネクタ3の後述するロックビーク50との係合部分として形成される。尚、係合部37は、ロックビーク50に対し離脱可能な部分にも形成される。
【0033】
上記三つのテーパ34、35、36のうち、テーパ36はコネクタ嵌合の際にロックビーク50が当接する部分として形成される。このテーパ36は、もう少し具体的に説明すると、ロックビーク50からの力の向きをコネクタ嵌合の方向(Aの方向)とは異なる方向に変換することができるように形成される。プレート持ち上げロック33は、テーパ36を有することから、コネクタ嵌合の際、テーパ36にロックビーク50が当接すると矢印方向に撓むような、すなわち横倒し方向に撓むような部分に形成されるといえる。尚、矢印方向(横倒し方向)にプレート持ち上げロック33が撓むのは、上記のように通常のコネクタ嵌合の際のロックビーク50が当接する時と、ムービングプレート5がフード部11の奥位置22まで落ち込んだ状態でコネクタ嵌合する時(後述する)の2パターンのみである(コネクタ離脱の際には横倒し方向に撓むことがない)。
【0034】
プレート持ち上げロック33は、コネクタ離脱の際に、すなわち雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に、雌コネクタ3によってムービングプレート5を持ち上げる部分として形成される。
【0035】
<雌コネクタの構成>
図1ないし
図3において、雌コネクタ3は、雌コネクタ本体38と、レバー39とを含んで構成される。
【0036】
<雌コネクタ本体の構成と、雌端子の構成及び構造>
雌コネクタ本体38は、導電性を有する複数の(多数の)金属製の雌端子40と、絶縁性を有する樹脂製の雌コネクタハウジング41とを備えて構成される。雌端子40は、雌形電気接触部42と、この雌形電気接触部42に連続する電線接続部43とを有する。雌形電気接触部42は、雄形電気接触部8との電気的な接続を行う部分として箱形に形成される。一方、電線接続部43は、電線44の端末に接続される部分として形成される。
【0037】
<雌コネクタハウジングの構造>
図1、
図2、
図5〜
図7において、雌コネクタハウジング41は、雄コネクタ2の長手側壁13、14及び短手側壁15、16に対向する一対の長手側壁45及び一対の短手側壁46と、ムービングプレート5のプレート本体29に対向するプレート対向壁47とを有して箱形に形成される。雌コネクタハウジング41の内部には、端子収容室48が複数(多数)形成される。また、雌コネクタハウジング41は、雌端子40に対する収納部分としても形成される。端子収容室48には、雌端子40を係止するためのランス(符号省略)が形成される。本実施例においては、端子収容室48に収容された雌端子40がスペーサ49により二重に係止される。雌端子40は、プレート対向壁47を介して挿入される雄端子6の雄形電気接触部8と電気的に接続される。
【0038】
各長手側壁45には、凸状のロックビーク50が二つずつ形成される。このロックビーク50は、プレート対向壁47の近傍に配置形成される。ロックビーク50は、コネクタ嵌合の際に、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に当接し(テーパ36に当接し)、このプレート持ち上げロック33を
図10の矢印のように横倒し方向に撓ませた後、プレート持ち上げロック33に係合(係合部37に係合)する部分として形成される。また、ロックビーク50は、コネクタ離脱の際に(雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に)、係合状態にあるプレート持ち上げロック33を介してムービングプレート5を持ち上げ、そして、この後にプレート持ち上げロック33を外側に押し広げて係合解除をすることが可能な部分として形成される。尚、長手側壁45における引用符号51、52は、レバー39に係合するカム突起を示す。
【0039】
各短手側壁46には、凸状のアーム作用部53が二つずつ形成される(
図1及び
図5参照)。このアーム作用部53は、プレート対向壁47の近傍に配置形成される。アーム作用部53は、コネクタ嵌合の際に、雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接してこれを外側に押し広げ、そして、ムービングプレート5の一時的な係止状態を解除する部分として形成される。また、アーム作用部53は、コネクタ離脱の際に(雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に)、ムービングプレート5を再度、一時的な係止状態に復帰させる部分としても形成される。
【0040】
<レバーの構造>
図1、
図2、及び
図4において、レバー39は、樹脂成形品であって、LIF機構の一部として用いられる。レバー39には、雌コネクタ本体38のカム突起51、52に係合するカム溝54、55が形成される。また、レバー39には、雄コネクタ2の支点突起収容溝20に係合する支点突起56や、雄コネクタ2に係合する仮止め部57等が形成される。レバー39は、公知の構造であり、操作部58を持って回転操作が行われる。
【0041】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、雄コネクタ2の組み付け、雌コネクタ3の組み付け、これら雄コネクタ2と雌コネクタ3の組み付け(コネクタ嵌合・離脱)について説明をする。
【0042】
図8はロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合に係るコネクタ1の状態を示す図である(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)。また、
図9は
図8のF−F線断面図、
図10は
図8の要部拡大図、
図11は
図9の要部拡大図である。
【0043】
また、
図12はムービングプレート5がフード部11の奥位置22まで移動した時のコネクタ1の状態を示す図(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)、
図13は
図12のG−G線断面図、
図14は
図12の要部拡大図、
図15は
図13の要部拡大図である。
【0044】
また、
図16は
図12及び
図13におけるプレート持ち上げロック33とロックビーク50との状態を示す平面図、
図17はコネクタ離脱を開始した直後のプレート持ち上げロック33とロック撓み規制部23との作用に係る要部拡大図、
図18はロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合解除に係る要部拡大図である。
【0045】
<雄コネクタの組み付け>
図1及び
図3において、雄コネクタハウジング7の雄端子収容部12に雄端子6を収容係止するとともに、スペーサ27にて雄端子6を二重に係止して雄コネクタ本体4の組み付けをすると、雄端子6の雄形電気接触部8が隔壁28を貫通して内部空間18に突出する。雄コネクタ本体4の組み付け後は、開口部17を介してフード部11の内部空間18にムービングプレート5を挿入して、このムービングプレート5を一時的に係止した状態にすると、雄コネクタ2の組み付けが完了する。ムービングプレート5の一時的な係止状態において、内部空間18に突出した雄形電気接触部8は、プレート本体31にて位置決め及び保護(
図11参照)される。
【0046】
<雌コネクタの組み付け>
図1ないし
図3において、雌コネクタハウジング41の端子収容室48に雌端子40を収容係止するとともに、スペーサ49にて雌端子40を二重に係止して雌コネクタ本体38の組み付けをすると、プレート対向壁47の奥に雌端子40の雌形電気接触部42が配置される。この後、雌コネクタ本体38の外側にレバー39を回転操作自在に取り付けるとともに、図示の如くレバー39を初期位置に取り付けると、雌コネクタ3の組み付けが完了する。
【0047】
<コネクタ嵌合>
図2及び
図3において、コネクタ嵌合の方向(矢印Aの方向)に沿って雌コネクタ3を雄コネクタ2のフード部11に挿入すると、レバー39の支点突起56が雄コネクタ2の支点突起収容溝20に挿入され、そして、コネクタ嵌合の方向に沿って案内される。この時、
図5ないし
図7に示す如く、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に当接する(テーパ36に当接する)。プレート持ち上げロック33は、ロックビーク50からの押圧を受けると、
図10の矢印に示す如く横倒し方向に撓み、これによってロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過する(
図8ないし
図11参照)。
【0048】
尚、図面上ではロックビーク50とプレート持ち上げロック33とがラップするような図で示すが、実際にはラップの分に応じた撓みが生じるようになる。
【0049】
ロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過すると、横倒し方向に撓んでいたプレート持ち上げロック33が元の状態に戻り、これによりロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合が完了する。
【0050】
コネクタ嵌合の方向に沿って雌コネクタ3を更に挿入すると、特に図示しないが、雌コネクタ3における雌コネクタ本体38のプレート対向壁47がムービングプレート5のプレート本体29に面接触する(当接する)。この時、ムービングプレート5によって位置決めされた雄形電気接触部8の先端がプレート対向壁47に挿入される。
【0051】
また、特に図示しないが、レバー39を所定方向に回転操作すると、雌コネクタ本体38がフード部11の奥位置22に向けて移動する。この時、ムービングプレート5のプレート本体29は、雌コネクタ本体38のプレート対向壁47に押圧される。また、雌コネクタ本体38のアーム作用部53が雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接し、これを外側に押し広げると、アーム状係止部25によるムービングプレート5の上記係止状態が解除される。
【0052】
尚、雌コネクタ本体38がフード部11の奥位置22に向けて移動する際、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33がフード部11のロック撓み規制部23の前を通過する。
【0053】
レバー39の回転操作を終えると、
図12及び
図13に示す如く、雌コネクタ本体38がムービングプレート5のプレート本体29を介在させた状態でフード部11の奥位置22まで移動する。これにより、雄形電気接触部8が雌形電気接触部42(
図3参照)に完全に挿入されて雄端子6と雌端子40との電気的な接続が完了する。以上により、雄コネクタ2と雌コネクタ3とのコネクタ嵌合が完了する。
【0054】
尚、
図12及び
図13の状態の時、すなわちムービングプレート5がフード部11の奥位置22にある時、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33は、雌コネクタ本体38のロックビーク50と係合状態にある(
図14参照)。また、プレート持ち上げロック33は、
図15及び
図16に示す如く、ロック撓み規制部23の存在によって外側への撓みが規制された状態にある。
【0055】
<コネクタ離脱>
上記コネクタ嵌合の逆の操作を行うことになり、レバー39を初期位置に向けて回転操作し始めると、この時、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に係合した状態にあることから、雌コネクタ本体38はムービングプレート5を持ち上げてフード部11の奥位置22から離れる方向に移動する。この時、プレート持ち上げロック33には、外側に撓もうとする力が作用するが、ロック撓み規制部23により撓みが規制される。そして、雌コネクタ本体38及びムービングプレート5の移動が開始されると、プレート持ち上げロック33はフード部11のロック撓み規制部23の前を通過する。
【0056】
雌コネクタ本体38のアーム作用部53が雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接し、これを外側に押し広げると、アーム状係止部25によるムービングプレート5の上記係止状態の復帰が行われる(
図12参照)。
【0057】
レバー39の回転操作を終えてレバー39を初期位置まで戻し、更に、雌コネクタ3をフード部11から抜こうとすると、
図18に示す如く、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33を外側に押し広げる(コネクタ離脱の場合は、プレート持ち上げロック33が上記横倒し方向に撓まない)。そして、ロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過すると、ロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合が解除される(
図3、
図5、及び
図6参照)。
【0058】
雌コネクタ3をフード部11から抜き取ると、雄コネクタ2と雌コネクタ3とのコネクタ離脱が完了する。
【0059】
<ムービングプレートがフード部の奥位置まで落ち込んだ場合>
以上のようなコネクタ1であるが、何らかの要因により外力が掛かると、ムービングプレート5がフード部11の奥位置24まで落ち込んでしまう虞がある。ムービングプレート5が落ち込み、そして、この落ち込みを知らずにフード部11内に雌コネクタ3が差し込まれてコネクタ嵌合が行われることが想定されるが、本発明のコネクタ1では次のような特徴を有し、何ら問題はない。
【0060】
すなわち、特に図示しないが、ムービングプレート5がフード部11の奥位置24に落ち込んだ状態の時、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33は外側への撓みがロック撓み規制部23により規制されるものの、上記横倒し方向への撓みは規制されないことから、プレート持ち上げロック33とロックビーク50との係合を破損なく行うことができる。
【0061】
<コネクタの効果>
以上、
図1ないし
図18を参照しながら説明してきたように、本発明のコネクタ1を採用することで、コネクタ離脱の際にムービングプレート5を持ち上げ、そして、ムービングプレート5を元の位置に戻すことができるという効果を奏する。また、本発明のコネクタ1を採用することで、ムービングプレート5が落ち込んだとしても破損することなくコネクタ嵌合を行うことができるという効果も奏する。
【0062】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。