特許第6182118号(P6182118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182118
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   H01R13/631
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-169317(P2014-169317)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2016-46085(P2016-46085A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(74)【代理人】
【識別番号】100175536
【弁理士】
【氏名又は名称】陸名 智之
(72)【発明者】
【氏名】清水 智彦
【審査官】 山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−086478(JP,A)
【文献】 特開2006−331929(JP,A)
【文献】 特開2011−080795(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0166739(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/62−13/645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)雄コネクタ本体及びムービングプレートを備える雄コネクタと、雌コネクタ本体及びレバーを備える雌コネクタとを含み、
(b)前記雄コネクタ本体は、絶縁性を有する樹脂製の雄コネクタハウジングと、導電性を有する複数の金属製の雄端子とを備え、
(c)前記ムービングプレートは、絶縁性を有する樹脂製のプレート本体を有し、
(d)前記雌コネクタ本体は、絶縁性を有する樹脂製の雌コネクタハウジングと、導電性を有する複数の金属製の雌端子とを備え、
(e)前記雄コネクタハウジングには、コネクタ嵌合・離脱の方向に沿って前記雌コネクタを移動自在に収容するフード部と、該フード部の内部空間の奥位置に配置される雄端子収容部とを形成し、
(f)前記雄端子には、前記雄端子収容部から前記内部空間側に突出する雄形電気接触部と、該雄形電気接触部に連続して前記雄端子収容部に収容される電線接続部とを形成し、
(g)前記プレート本体には、前記コネクタ嵌合・離脱の方向に直交するコネクタ長手方向の両側部に配置される一対の被係止部と、前記コネクタ長手方向に直交するコネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のプレート持ち上げロックとを形成し、
(h)前記雌コネクタハウジングには、前記コネクタ長手方向の両側部に配置される一対のアーム作用部と、前記コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロックビークとを形成し、
(i)前記フード部には、前記コネクタ長手方向の両側部に配置される一対のアーム状係止部と、前記コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロック撓み規制部とを形成し、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとのコネクタ嵌合では、
(1)前記フード部内に前記ムービングプレートを挿入して前記アーム状係止部に前記被係止部を引っ掛けることにより前記ムービングプレートを一時的に係止した状態にし、且つ、該一時的な係止状態により前記プレート本体にて前記雄形電気接触部の位置決め及び保護をし、
(2)前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態で前記雌コネクタ本体を前記フード部内に挿入し前記プレート持ち上げロックを前記ロックビークにて非外側となる横倒し方向に撓ませ、且つ、該横倒し方向に撓ませた後に前記プレート持ち上げロックと前記ロックビークとを係合させ、
(3)前記レバーを操作して前記雌コネクタ本体を前記雄コネクタ本体に近づけつつ前記雌コネクタ本体にて前記プレート本体を押圧し、且つ、前記アーム作用部にて前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態を解除する一方、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとのコネクタ離脱では、
(イ)前記レバーを操作して前記雌コネクタ本体を前記雄コネクタ本体から遠ざける最中に前記プレート持ち上げロックの外側への撓みを前記ロック撓み規制部にて規制し、且つ、該規制により前記プレート持ち上げロックと前記ロックビークとの係合を維持し、且つ、該係合の維持により前記ムービングプレートを持ち上げるような状態で前記雌コネクタ本体と共に移動させ、
(ロ)前記アーム作用部にて前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態に復帰させた後、且つ、前記ロック撓み規制部による規制を受けない位置まで前記プレート持ち上げロックを移動させた後に該プレート持ち上げロックと前記ロックビークとの係合解除をするにあたり、該係合解除として前記プレート持ち上げロックを前記ロックビークにて前記横倒し方向でなく前記外側に撓ませる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記コネクタ嵌合をする前に外力によって前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態が解除され、且つ、前記ムービングプレートが前記雄端子収容部の側に落ち込んだ状態になった時でも、前記プレート持ち上げロックを前記横倒し方向に撓ませて前記ロックビークと係合させる
ことを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄端子の雄形電気接触部の位置決め及び保護をするためのムービングプレートが設けられたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的な接続を行うため用いられるコネクタは、一方の電線束の端末に設けられる雄コネクタと、他方の電線束の端末に設けられる雌コネクタとを備えて構成される。雄コネクタは、フード部及び雄端子収容部を有する雄コネクタハウジングと、このコネクタハウジングに収容される多数の雄端子とを備えて構成される。また、雄コネクタは、雄端子が多数ある場合、ムービングプレートを更に備えて構成される。ムービングプレートは、雄コネクタに対し雌コネクタが未嵌合の状態で、雄コネクタのフード部内に突出する雄端子の雄形電気接触部(雄タブ)の位置決め及び保護をするために備えられる。ムービングプレートは、フード部の内部中間位置に一時的に係止された状態に組み付けられる。以上のようなコネクタに関しては、例えば下記特許文献1に開示される。
【0003】
特許文献1に開示されたコネクタよりも多極になる場合は、レバーを備え、このレバーの操作によって雄コネクタと雌コネクタとのコネクタ嵌合及びコネクタ離脱を行うことが有効である。レバーの図示は特に無いが、下記特許文献2には、ムービングプレートを構成に含む多極のコネクタについて開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−195610号公報
【特許文献2】特開2009−187865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されたコネクタにあっては、雄コネクタと雌コネクタとのコネクタ嵌合の際にムービングプレートを雌コネクタと共に移動させる必要があることから、ムービングプレートの一部を破断させる構造を採用する。従って、コネクタ嵌合をさせた後にコネクタ離脱を行うと、ムービングプレートは雄コネクタのフード部の奥位置に残ったままの状態になってしまう。すなわち、従来技術にあっては、一度コネクタ嵌合を行うとムービングプレートが元の位置に戻らないという問題点を有する。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、コネクタ離脱の際にムービングプレートを元の位置に戻すことが可能な構造のコネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のコネクタは、(a)雄コネクタ本体及びムービングプレートを備える雄コネクタと、雌コネクタ本体及びレバーを備える雌コネクタとを含み、(b)前記雄コネクタ本体は、絶縁性を有する樹脂製の雄コネクタハウジングと、導電性を有する複数の金属製の雄端子とを備え、(c)前記ムービングプレートは、絶縁性を有する樹脂製のプレート本体を有し、(d)前記雌コネクタ本体は、絶縁性を有する樹脂製の雌コネクタハウジングと、導電性を有する複数の金属製の雌端子とを備え、(e)前記雄コネクタハウジングには、コネクタ嵌合・離脱の方向に沿って前記雌コネクタを移動自在に収容するフード部と、該フード部の内部空間の奥位置に配置される雄端子収容部とを形成し、(f)前記雄端子には、前記雄端子収容部から前記内部空間側に突出する雄形電気接触部と、該雄形電気接触部に連続して前記雄端子収容部に収容される電線接続部とを形成し、(g)前記プレート本体には、前記コネクタ嵌合・離脱の方向に直交するコネクタ長手方向の両側部に配置される一対の被係止部と、前記コネクタ長手方向に直交するコネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のプレート持ち上げロックとを形成し、(h)前記雌コネクタハウジングには、前記コネクタ長手方向の両側部に配置される一対のアーム作用部と、前記コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロックビークとを形成し、(i)前記フード部には、前記コネクタ長手方向の両側部に配置される一対のアーム状係止部と、前記コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロック撓み規制部とを形成し、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとのコネクタ嵌合では、(1)前記フード部内に前記ムービングプレートを挿入して前記アーム状係止部に前記被係止部を引っ掛けることにより前記ムービングプレートを一時的に係止した状態にし、且つ、該一時的な係止状態により前記プレート本体にて前記雄形電気接触部の位置決め及び保護をし、(2)前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態で前記雌コネクタ本体を前記フード部内に挿入し前記プレート持ち上げロックを前記ロックビークにて非外側となる横倒し方向に撓ませ、且つ、該横倒し方向に撓ませた後に前記プレート持ち上げロックと前記ロックビークとを係合させ、(3)前記レバーを操作して前記雌コネクタ本体を前記雄コネクタ本体に近づけつつ前記雌コネクタ本体にて前記プレート本体を押圧し、且つ、前記アーム作用部にて前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態を解除する一方、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとのコネクタ離脱では、(イ)前記レバーを操作して前記雌コネクタ本体を前記雄コネクタ本体から遠ざける最中に前記プレート持ち上げロックの外側への撓みを前記ロック撓み規制部にて規制し、且つ、該規制により前記プレート持ち上げロックと前記ロックビークとの係合を維持し、且つ、該係合の維持により前記ムービングプレートを持ち上げるような状態で前記雌コネクタ本体と共に移動させ、(ロ)前記アーム作用部にて前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態に復帰させた後、且つ、前記ロック撓み規制部による規制を受けない位置まで前記プレート持ち上げロックを移動させた後に該プレート持ち上げロックと前記ロックビークとの係合解除をするにあたり、該係合解除として前記プレート持ち上げロックを前記ロックビークにて前記横倒し方向でなく前記外側に撓ませる
ことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記コネクタ嵌合をする前に外力によって前記ムービングプレートの前記一時的な係止状態が解除され、且つ、前記ムービングプレートが前記雄端子収容部の側に落ち込んだ状態になった時でも、前記プレート持ち上げロックを前記横倒し方向に撓ませて前記ロックビークと係合させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載された本発明によれば、雄コネクタ本体及びムービングプレートを備える雄コネクタと、雌コネクタ本体及びレバーを備える雌コネクタとを含むコネクタであり、また、雌コネクタ本体には、一対又は複数対のロックビークを形成し、ムービングプレートには、ロックビークに対し係合及び係合解除する一対又は複数対のプレート持ち上げロックを形成し、雄コネクタ本体には、プレート持ち上げロックの撓みを規制するロック撓み規制部を複数形成し、さらに、プレート持ち上げロックを、ロック撓み規制部との位置に応じて異なる撓みを可能に形成してなる構造のコネクタであることから、このようなコネクタを採用することにより、コネクタ離脱の際にムービングプレートを持ち上げることができる。従って、本発明によれば、コネクタ離脱の際にムービングプレートを元の位置に戻すことができるという効果を奏する。
【0010】
請求項2に記載された本発明によれば、ムービングプレートがフード部の内部空間の奥位置まで(雄端子収容部の側まで)落ち込んだ状態においてもコネクタ嵌合を行うことができる。すなわち、上記落ち込んだ状態でムービングプレートのプレート持ち上げロックの隣にロック撓み規制部が配置された状態であっても、プレート持ち上げロックを外側でなく横倒し方向に撓ませるようにすることで、この後にプレート持ち上げロックとロックビークとを破損なく係合させることができる。従って、本発明のコネクタを採用することで、ムービングプレートが落ち込んだとしても破損することなくコネクタ嵌合を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のコネクタの構成を示す分解斜視図である。
図2】コネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、図1の矢印B側から見たコネクタの図(電線は省略)である。
図3図2のD−D線断面図である。
図4】ムービングプレートの斜視図である。
図5】コネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、図1の矢印C側から見たコネクタの図(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)である。
図6図5のE−E線断面図である。
図7図5及び図6におけるプレート持ち上げロックとロックビークとの状態を示す平面図である。
図8】ロックビークとプレート持ち上げロックとの係合に係るコネクタの状態を示す図である(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)。
図9図8のF−F線断面図である。
図10図8の要部拡大図である。
図11図9の要部拡大図である。
図12】ムービングプレートがフード部の奥位置まで移動した時のコネクタの状態を示す図である(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)。
図13図12のG−G線断面図である。
図14図12の要部拡大図である。
図15図13の要部拡大図である。
図16図12及び図13におけるプレート持ち上げロックとロックビークとの状態を示す平面図である。
図17】コネクタ離脱を開始した直後のプレート持ち上げロックとロック撓み規制部との作用に係る要部拡大図である。
図18】ロックビークとプレート持ち上げロックとの係合解除に係る要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
コネクタは、雄コネクタ本体及びムービングプレートを備える雄コネクタと、雌コネクタ本体及びレバーを備える雌コネクタとを含んで構成される。雄コネクタ本体は、雄コネクタハウジングと複数の金属製の雄端子とを備え、ムービングプレートはプレート本体を有する。一方、雌コネクタ本体は、雌コネクタハウジングと複数の金属製の雌端子とを備える。
【0013】
雄コネクタハウジングには、コネクタ嵌合・離脱の方向に沿って雌コネクタを移動自在に収容するフード部を形成する。また、フード部には、コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロック撓み規制部を形成する。プレート本体には、コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のプレート持ち上げロックを形成する。雌コネクタハウジングには、コネクタ短手方向の両側部に配置される一対又は複数対のロックビークを形成する。
【0014】
プレート持ち上げロックは、ロック撓み規制部との位置に応じて異なる撓みを可能にする形状に形成する。具体的には、横倒し方向に撓み、また、外側にも撓むような形状にプレート持ち上げロックを形成する。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のコネクタの構成を示す分解斜視図である。また、図2はコネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、図1の矢印B側から見たコネクタの図(電線は省略)、図3図2のD−D線断面図、図4はムービングプレートの斜視図である。
【0016】
また、図5はコネクタ嵌合を開始した直後のコネクタの状態を示す図であり、図1の矢印C側から見たコネクタの図(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)、図6図5のE−E線断面図、図7図5及び図6におけるプレート持ち上げロックとロックビークとの状態を示す平面図である。
【0017】
<コネクタの構成>
図1において、コネクタ1は、例えば自動車のカウルサイドで用いられるものである。もう少し詳しく説明をすると、所謂インパネやエンジン、フロア等に配策された多くの電線(回路)を集結するために用いられるものである。コネクタ1は、雄コネクタ2と、雌コネクタ3とを備えて構成される。雄コネクタ2と、雌コネクタ3は、矢印A方向に沿ってコネクタ嵌合・離脱をする。コネクタ1は、図からも分かるように多極コネクタであって、比較的大きな物として形成される。先ず、雄コネクタ2と雌コネクタ3の構成及び構造について説明をする。
【0018】
<雄コネクタの構成>
図1ないし図3において、雄コネクタ2は、雄コネクタ本体4と、ムービングプレート5とを含んで構成される。
【0019】
<雄コネクタ本体の構成と、雄端子の構成及び構造>
雄コネクタ本体4は、導電性を有する複数の(多数の)金属製の雄端子6と、絶縁性を有する樹脂製の雄コネクタハウジング7とを備えて構成される。雄端子6は、雄形電気接触部8と、この雄形電気接触部8に連続する電線接続部9とを有する。雄形電気接触部8は、雄タブやピンなどと呼ばれる雄形に形成される。電線接続部9は、電線10の端末に接続される部分として形成される。
【0020】
<雄コネクタハウジングの構造>
雄コネクタハウジング7は、フード部11と、雄端子収容部12とを有する。フード部11と雄端子収容部12は、樹脂成形により一体の形状に形成される。また、フード部11は、コネクタ嵌合・離脱の方向(矢印Aの方向)に沿って雌コネクタ3を移動自在に収容する部分として形成される。ここで、コネクタ嵌合・離脱の方向に直交する方向を、図1に示す如くコネクタ長手方向及びコネクタ短手方向と定義すると、フード部11は、コネクタ長手方向に沿って形成される一対の長手側壁13、14と、コネクタ短手方向に沿って形成される一対の短手側壁15、16と、開口部17と、内部空間18とを有する(別な言い方をすれば、コネクタ長手方向の両側部に短手側壁15、16が配置形成され、コネクタ短手方向の両側部に長手側壁13、14が配置形成され、この他に開口部17と内部空間18とが形成される)。
【0021】
長手側壁13には、ブラケット取付部19が形成される。このブラケット取付部19は、図示しないブラケットに取り付けられる部分であって、外面側に形成される。長手側壁13、14の各内面には、支点突起収容溝20と、ロック対向部21とが形成される。支点突起収容溝20は、後述するレバー39の支点突起56を収容して案内する溝部分として形成される。尚、支点突起収容溝20や支点突起56は、LIF機構の一部であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0022】
ロック対向部21は、コネクタ嵌合・離脱の方向に沿ってのびるように形成される。別な言い方をすれば、開口部17からフード部11の内部空間18の奥位置22まで真っ直ぐのびるように形成される。また、ロック対向部21は、ムービングプレート5の後述するプレート持ち上げロック33に対向する位置に配置形成される。
【0023】
ロック対向部21の中間には、ロック撓み規制部23が配置形成される。このロック撓み規制部23は、ムービングプレート5の後述するプレート持ち上げロック33を撓ませないように規制をする部分として形成される。すなわち、撓みを規制してプレート持ち上げロック33と雌コネクタ3の後述するロックビーク50との係合が解除されないようにするための部分として形成される。ロック撓み規制部23は、ロック対向部21の溝底面から突出するような形状に形成される。尚、ロック撓み規制部23よりも開口部17側の空間は、プレート持ち上げロック33に対する撓み許容空間24になる。
【0024】
図1及び図5において、短手側壁15、16の各内面には、ムービングプレート5や雌コネクタ3に対するガイド部(符号省略)が形成される。また、各内面には、アーム状係止部25も形成される。アーム状係止部25は、ムービングプレート5を一時的に係止させるアーム状の係止部分として形成される。アーム状係止部25は、このアーム基端部分が内面中間に連成されるとともに、アーム先端側がフード部11の奥側に向くように形成される。また、アーム状係止部25は、アーム先端側が外側に移動するような可撓性を有する部分に形成される。アーム状係止部25には、特に図示しないが、ムービングプレート5を引っ掛けるフック状の部分が形成される。
【0025】
図1ないし図3において、雄端子収容部12は、フード部11の内部空間18の奥位置22に連続するように配置形成される。雄端子収容部12には、端子収容室26が複数(多数)形成される。端子収容室26には、雄端子6を係止するためのランス(符号省略)が形成される。本実施例においては、端子収容室26に収容された雄端子6がスペーサ27により二重に係止される。雄端子6は、この雄形電気接触部8が隔壁28を貫通して内部空間18に突出するような状態で収容される。
【0026】
<ムービングプレートの構造>
図1及び図4において、ムービングプレート5は、絶縁性を有する樹脂成形品であって、フード部11の内部中間位置に一時的に係止されるように組み付けられる。ムービングプレート5は、雄コネクタ2に対し雌コネクタ3が未嵌合の状態にある時に、フード部11内に突出する雄端子6の雄形電気接触部8の位置決め及び保護をすることができるように形成される。このようなムービングプレート5は、プレート本体29を有する図示形状に形成される。尚、ムービングプレート5は、アライニングプレートと呼ばれることもある。
【0027】
プレート本体29は、フード部11の断面形状に合わせた外形を有する板状の部分に形成される。本実施例においては、コネクタ長手方向に沿った辺が比較的長くなる長方形の板状部分に形成される。プレート本体29には、雄形電気接触部8を挿通するための挿通部30が複数(多数)貫通形成される。この他、プレート本体29には、一対の被係止部31と、一対のガイド部32と、二対のプレート持ち上げロック33とが形成される。
【0028】
被係止部31は、雄コネクタハウジング7の短手側壁15、16に対向する側部に配置形成される(別な言い方をすれば、コネクタ長手方向の両側部に配置形成される)。被係止部31は、雄コネクタハウジング7のアーム状係止部25(図5参照)に引っ掛かり一時的に係止される部分として形成される。被係止部31は、プレート本体29の裏面側に配置形成される。
【0029】
ガイド部32は、可撓性を有する片状の部分に形成される。このようなガイド部32は、被係止部31の反対側の位置に、すなわち表面側に配置形成される。ガイド部32は、雄コネクタハウジング7の短手側壁15、16と、雌コネクタ3の後述する雌コネクタ本体38との間に介在するように配置形成される。
【0030】
図4図5図7、及び図10において、プレート持ち上げロック33は、雄コネクタハウジング7の長手側壁13、14に対向する側部に二つずつ配置形成される(別な言い方をすれば、コネクタ短手方向の両側部に二つずつ配置形成される)。プレート持ち上げロック33は、雌コネクタ3の後述する雌コネクタ本体38に対し係合・離脱する部分として形成される。
【0031】
プレート持ち上げロック33は、雌コネクタ3に向けて突出するようなアーム状の部分と、このアーム状の部分に連続する係合用の部分とを有して図示形状に形成される。プレート持ち上げロック33は、後の説明で分かるようになるが、横倒し方向に撓むことが可能な、また、外側にも撓むことが可能な可撓性を有する形状に形成される。別な言い方をすれば、プレート持ち上げロック33は、雄コネクタハウジング7のロック撓み規制部23との位置に応じて異なる撓みを可能にする形状に形成される。
【0032】
プレート持ち上げロック33の先端側には(上記係合用の部分には)、三つのテーパ34、35、36(図7参照)と、係合部37とが形成される。三つのテーパ34、35、36は、プレート持ち上げロック33の突出方向先端が頂部になるような山形状の斜面部分として形成される。係合部37は、雌コネクタ3の後述するロックビーク50との係合部分として形成される。尚、係合部37は、ロックビーク50に対し離脱可能な部分にも形成される。
【0033】
上記三つのテーパ34、35、36のうち、テーパ36はコネクタ嵌合の際にロックビーク50が当接する部分として形成される。このテーパ36は、もう少し具体的に説明すると、ロックビーク50からの力の向きをコネクタ嵌合の方向(Aの方向)とは異なる方向に変換することができるように形成される。プレート持ち上げロック33は、テーパ36を有することから、コネクタ嵌合の際、テーパ36にロックビーク50が当接すると矢印方向に撓むような、すなわち横倒し方向に撓むような部分に形成されるといえる。尚、矢印方向(横倒し方向)にプレート持ち上げロック33が撓むのは、上記のように通常のコネクタ嵌合の際のロックビーク50が当接する時と、ムービングプレート5がフード部11の奥位置22まで落ち込んだ状態でコネクタ嵌合する時(後述する)の2パターンのみである(コネクタ離脱の際には横倒し方向に撓むことがない)。
【0034】
プレート持ち上げロック33は、コネクタ離脱の際に、すなわち雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に、雌コネクタ3によってムービングプレート5を持ち上げる部分として形成される。
【0035】
<雌コネクタの構成>
図1ないし図3において、雌コネクタ3は、雌コネクタ本体38と、レバー39とを含んで構成される。
【0036】
<雌コネクタ本体の構成と、雌端子の構成及び構造>
雌コネクタ本体38は、導電性を有する複数の(多数の)金属製の雌端子40と、絶縁性を有する樹脂製の雌コネクタハウジング41とを備えて構成される。雌端子40は、雌形電気接触部42と、この雌形電気接触部42に連続する電線接続部43とを有する。雌形電気接触部42は、雄形電気接触部8との電気的な接続を行う部分として箱形に形成される。一方、電線接続部43は、電線44の端末に接続される部分として形成される。
【0037】
<雌コネクタハウジングの構造>
図1図2図5図7において、雌コネクタハウジング41は、雄コネクタ2の長手側壁13、14及び短手側壁15、16に対向する一対の長手側壁45及び一対の短手側壁46と、ムービングプレート5のプレート本体29に対向するプレート対向壁47とを有して箱形に形成される。雌コネクタハウジング41の内部には、端子収容室48が複数(多数)形成される。また、雌コネクタハウジング41は、雌端子40に対する収納部分としても形成される。端子収容室48には、雌端子40を係止するためのランス(符号省略)が形成される。本実施例においては、端子収容室48に収容された雌端子40がスペーサ49により二重に係止される。雌端子40は、プレート対向壁47を介して挿入される雄端子6の雄形電気接触部8と電気的に接続される。
【0038】
各長手側壁45には、凸状のロックビーク50が二つずつ形成される。このロックビーク50は、プレート対向壁47の近傍に配置形成される。ロックビーク50は、コネクタ嵌合の際に、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に当接し(テーパ36に当接し)、このプレート持ち上げロック33を図10の矢印のように横倒し方向に撓ませた後、プレート持ち上げロック33に係合(係合部37に係合)する部分として形成される。また、ロックビーク50は、コネクタ離脱の際に(雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に)、係合状態にあるプレート持ち上げロック33を介してムービングプレート5を持ち上げ、そして、この後にプレート持ち上げロック33を外側に押し広げて係合解除をすることが可能な部分として形成される。尚、長手側壁45における引用符号51、52は、レバー39に係合するカム突起を示す。
【0039】
各短手側壁46には、凸状のアーム作用部53が二つずつ形成される(図1及び図5参照)。このアーム作用部53は、プレート対向壁47の近傍に配置形成される。アーム作用部53は、コネクタ嵌合の際に、雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接してこれを外側に押し広げ、そして、ムービングプレート5の一時的な係止状態を解除する部分として形成される。また、アーム作用部53は、コネクタ離脱の際に(雌コネクタ3が雄コネクタ2から遠ざかる際に)、ムービングプレート5を再度、一時的な係止状態に復帰させる部分としても形成される。
【0040】
<レバーの構造>
図1図2、及び図4において、レバー39は、樹脂成形品であって、LIF機構の一部として用いられる。レバー39には、雌コネクタ本体38のカム突起51、52に係合するカム溝54、55が形成される。また、レバー39には、雄コネクタ2の支点突起収容溝20に係合する支点突起56や、雄コネクタ2に係合する仮止め部57等が形成される。レバー39は、公知の構造であり、操作部58を持って回転操作が行われる。
【0041】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、雄コネクタ2の組み付け、雌コネクタ3の組み付け、これら雄コネクタ2と雌コネクタ3の組み付け(コネクタ嵌合・離脱)について説明をする。
【0042】
図8はロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合に係るコネクタ1の状態を示す図である(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)。また、図9図8のF−F線断面図、図10図8の要部拡大図、図11図9の要部拡大図である。
【0043】
また、図12はムービングプレート5がフード部11の奥位置22まで移動した時のコネクタ1の状態を示す図(断面を含む。電線、端子、及びレバーの図示は省略)、図13図12のG−G線断面図、図14図12の要部拡大図、図15図13の要部拡大図である。
【0044】
また、図16図12及び図13におけるプレート持ち上げロック33とロックビーク50との状態を示す平面図、図17はコネクタ離脱を開始した直後のプレート持ち上げロック33とロック撓み規制部23との作用に係る要部拡大図、図18はロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合解除に係る要部拡大図である。
【0045】
<雄コネクタの組み付け>
図1及び図3において、雄コネクタハウジング7の雄端子収容部12に雄端子6を収容係止するとともに、スペーサ27にて雄端子6を二重に係止して雄コネクタ本体4の組み付けをすると、雄端子6の雄形電気接触部8が隔壁28を貫通して内部空間18に突出する。雄コネクタ本体4の組み付け後は、開口部17を介してフード部11の内部空間18にムービングプレート5を挿入して、このムービングプレート5を一時的に係止した状態にすると、雄コネクタ2の組み付けが完了する。ムービングプレート5の一時的な係止状態において、内部空間18に突出した雄形電気接触部8は、プレート本体31にて位置決め及び保護(図11参照)される。
【0046】
<雌コネクタの組み付け>
図1ないし図3において、雌コネクタハウジング41の端子収容室48に雌端子40を収容係止するとともに、スペーサ49にて雌端子40を二重に係止して雌コネクタ本体38の組み付けをすると、プレート対向壁47の奥に雌端子40の雌形電気接触部42が配置される。この後、雌コネクタ本体38の外側にレバー39を回転操作自在に取り付けるとともに、図示の如くレバー39を初期位置に取り付けると、雌コネクタ3の組み付けが完了する。
【0047】
<コネクタ嵌合>
図2及び図3において、コネクタ嵌合の方向(矢印Aの方向)に沿って雌コネクタ3を雄コネクタ2のフード部11に挿入すると、レバー39の支点突起56が雄コネクタ2の支点突起収容溝20に挿入され、そして、コネクタ嵌合の方向に沿って案内される。この時、図5ないし図7に示す如く、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に当接する(テーパ36に当接する)。プレート持ち上げロック33は、ロックビーク50からの押圧を受けると、図10の矢印に示す如く横倒し方向に撓み、これによってロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過する(図8ないし図11参照)。
【0048】
尚、図面上ではロックビーク50とプレート持ち上げロック33とがラップするような図で示すが、実際にはラップの分に応じた撓みが生じるようになる。
【0049】
ロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過すると、横倒し方向に撓んでいたプレート持ち上げロック33が元の状態に戻り、これによりロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合が完了する。
【0050】
コネクタ嵌合の方向に沿って雌コネクタ3を更に挿入すると、特に図示しないが、雌コネクタ3における雌コネクタ本体38のプレート対向壁47がムービングプレート5のプレート本体29に面接触する(当接する)。この時、ムービングプレート5によって位置決めされた雄形電気接触部8の先端がプレート対向壁47に挿入される。
【0051】
また、特に図示しないが、レバー39を所定方向に回転操作すると、雌コネクタ本体38がフード部11の奥位置22に向けて移動する。この時、ムービングプレート5のプレート本体29は、雌コネクタ本体38のプレート対向壁47に押圧される。また、雌コネクタ本体38のアーム作用部53が雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接し、これを外側に押し広げると、アーム状係止部25によるムービングプレート5の上記係止状態が解除される。
【0052】
尚、雌コネクタ本体38がフード部11の奥位置22に向けて移動する際、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33がフード部11のロック撓み規制部23の前を通過する。
【0053】
レバー39の回転操作を終えると、図12及び図13に示す如く、雌コネクタ本体38がムービングプレート5のプレート本体29を介在させた状態でフード部11の奥位置22まで移動する。これにより、雄形電気接触部8が雌形電気接触部42(図3参照)に完全に挿入されて雄端子6と雌端子40との電気的な接続が完了する。以上により、雄コネクタ2と雌コネクタ3とのコネクタ嵌合が完了する。
【0054】
尚、図12及び図13の状態の時、すなわちムービングプレート5がフード部11の奥位置22にある時、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33は、雌コネクタ本体38のロックビーク50と係合状態にある(図14参照)。また、プレート持ち上げロック33は、図15及び図16に示す如く、ロック撓み規制部23の存在によって外側への撓みが規制された状態にある。
【0055】
<コネクタ離脱>
上記コネクタ嵌合の逆の操作を行うことになり、レバー39を初期位置に向けて回転操作し始めると、この時、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33に係合した状態にあることから、雌コネクタ本体38はムービングプレート5を持ち上げてフード部11の奥位置22から離れる方向に移動する。この時、プレート持ち上げロック33には、外側に撓もうとする力が作用するが、ロック撓み規制部23により撓みが規制される。そして、雌コネクタ本体38及びムービングプレート5の移動が開始されると、プレート持ち上げロック33はフード部11のロック撓み規制部23の前を通過する。
【0056】
雌コネクタ本体38のアーム作用部53が雄コネクタ2のアーム状係止部25に当接し、これを外側に押し広げると、アーム状係止部25によるムービングプレート5の上記係止状態の復帰が行われる(図12参照)。
【0057】
レバー39の回転操作を終えてレバー39を初期位置まで戻し、更に、雌コネクタ3をフード部11から抜こうとすると、図18に示す如く、雌コネクタ本体38のロックビーク50がムービングプレート5のプレート持ち上げロック33を外側に押し広げる(コネクタ離脱の場合は、プレート持ち上げロック33が上記横倒し方向に撓まない)。そして、ロックビーク50がプレート持ち上げロック33の突出先端側を通過すると、ロックビーク50とプレート持ち上げロック33との係合が解除される(図3図5、及び図6参照)。
【0058】
雌コネクタ3をフード部11から抜き取ると、雄コネクタ2と雌コネクタ3とのコネクタ離脱が完了する。
【0059】
<ムービングプレートがフード部の奥位置まで落ち込んだ場合>
以上のようなコネクタ1であるが、何らかの要因により外力が掛かると、ムービングプレート5がフード部11の奥位置24まで落ち込んでしまう虞がある。ムービングプレート5が落ち込み、そして、この落ち込みを知らずにフード部11内に雌コネクタ3が差し込まれてコネクタ嵌合が行われることが想定されるが、本発明のコネクタ1では次のような特徴を有し、何ら問題はない。
【0060】
すなわち、特に図示しないが、ムービングプレート5がフード部11の奥位置24に落ち込んだ状態の時、ムービングプレート5のプレート持ち上げロック33は外側への撓みがロック撓み規制部23により規制されるものの、上記横倒し方向への撓みは規制されないことから、プレート持ち上げロック33とロックビーク50との係合を破損なく行うことができる。
【0061】
<コネクタの効果>
以上、図1ないし図18を参照しながら説明してきたように、本発明のコネクタ1を採用することで、コネクタ離脱の際にムービングプレート5を持ち上げ、そして、ムービングプレート5を元の位置に戻すことができるという効果を奏する。また、本発明のコネクタ1を採用することで、ムービングプレート5が落ち込んだとしても破損することなくコネクタ嵌合を行うことができるという効果も奏する。
【0062】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0063】
A…コネクタ嵌合・離脱の方向、 1…コネクタ、 2…雄コネクタ、 3…雌コネクタ、 4…雄コネクタ本体、 5…ムービングプレート、 6…雄端子、 7…雄コネクタハウジング、 8…雄形電気接触部、 9…電線接続部、 10…電線、 11…フード部、 12…雄端子収容部、 13、14…長手側壁、 15、16…短手側壁、 17…開口部、 18…内部空間、 19…ブラケット取付部、 20…支点突起収容溝、 21…ロック対向部、 22…奥位置、 23…ロック撓み規制部、 24…撓み許容空間、 25…アーム状係止部、 26…端子収容室、 27…スペーサ、 28…隔壁、 29…プレート本体、 30…挿通部、 31…被係止部、 32…ガイド部、 33…プレート持ち上げロック、 34〜36…テーパ、 37…係合部、 38…雌コネクタ本体、 39…レバー、 40…雌端子、 41…雌コネクタハウジング、 42…雌形電気接触部、 43…電線接続部、 44…電線、 45…長手側壁、 46…短手側壁、 47…プレート対向壁、 48…端子収容室、 49…スペーサ、 50…ロックビーク、 51、52…カム突起、 53…アーム作用部、 54、55…カム溝、 56…支点突起、 57…仮止め部、 58…操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
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図18