(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステム(101)を示す。本システム(101)は、交換可能な第1のカプセル(102)および装置(104)を備えている。本実施例においては、該装置(104)は、該交換可能なカプセル(102)を保持するための収容器(106)を備えている。
図1においては、該カプセル(102)と該収容器(106)との間に、明瞭のため隙間が描かれている。使用中に、該カプセル(102)は、該収容器(106)に接触して置かれうることが理解されるであろう。一般に、該収容器(106)は該カプセル(102)の形状に相補的な形状を有している。さらに該装置(104)は、ある量の流体、例えば水を、(例えば9バールの)圧力下で、該交換可能なカプセル(102)へ供給するための流体供給器具(108)を備えている。
【0016】
本図面から分かるように、交換可能なカプセル(102)は、外周壁(110)、第1の端部(114)で該外周壁(110)を閉じている底(112)、および該底(112)の反対側の第2の端部(118)で該外周壁(110)を閉じている蓋(116)を備えている。外周壁(110)、底(112)および蓋(116)は、抽出可能な製品を備えている内部空間(120)を取り囲んでいる。
【0017】
図1のシステム(101)は、カプセル(102)を刺し貫くことを意図した底貫通手段(122)を備えている。
図1は、引き込まれた位置での底貫通手段(122)を示している。底貫通手段(122)が引き延ばされた位置にあるとき(図示されない)、入口開口部を通して流体を抽出可能な製品へ供給するために、カプセルの底(112)に入口開口部を作り出しうる。例えば、該貫通手段(122)は、それを通じて液体がカプセルへ供給されうる穴(126)を備えうる。
図1のシステム(101)は、さらに蓋貫通手段(128)を備えており、該蓋貫通手段は、カプセル(102)の蓋(116)を刺し貫くことを意図して、突起物として具体化されている。例えば、蓋貫通手段(128)は、カプセルホールダ(190)の部分でありうる(
図1、2を参照)。
【0018】
図1に示されたシステム(101)は、1杯のコーヒーを用意するために、以下のように操作されうる。ここで、抽出可能な製品は、焙煎され且つ挽かれたコーヒーである(また欧州特許1700548号の内容を参照)。操作中は、カプセル(102)は収容器(106)内に置かれる(
図1参照)。収容器(106)とカプセルホールダ(190)は、それらの間にカプセル(102)を保持しうる。特に、収容器(106)とカプセルホールダ(190)は、カプセル保持状態になり、それらの間にカプセルを保持するために、相互に近づく方へ移動され、そして使用済みのカプセルを解放し、そして新しいカプセルを受け取るために、相互に離れるように移動されうる。
【0019】
操作中に、カプセルが収容器(106)とカプセルホールダ(190)との間に保持されとき、底貫通手段は入口開口部を作るために、カプセル(102)の底(112)を刺し貫くように駆動される。流体(ここでは圧力下の湯)は、この入口開口部を通して、内部空間(120)内の抽出可能な製品に供給される。この湯は、コーヒー飲料を作るために、挽かれたコーヒーを濡らし且つ所望の物質を抽出するであろう。例えば、圧力下の湯を内部空間(120)へ供給する間に、カプセル(102)内部の圧力は上昇するであろう。この圧力の上昇は、蓋(116)を変形し、そして蓋貫通手段(128)に対して押し付けるであろう。圧力がある水準に達すると、蓋(116)の引裂強度を上回り、そして蓋は蓋貫通手段(128)によって破裂し、出口開口部を作るであろう。用意されたコーヒーは、この出口開口部(130)と収容器(106)の出口(132)を通ってカプセル(102)から流れ出、そして、入れ物、例えばカップ(図示されない)に供給されうる。
【0020】
操作中に、特に、収容器(106)およびカプセルホールダ(190)が、互に近づく方向へ動かされ、これらの間にカプセル(102)を保持するときに、好ましくは、水流はカプセル(102)の内部を通じて実際に生じているのみであることが保障される。既知のシステムにおいては、カプセルの外側の水流は封止的係合によって止められ、該封止的係合は、収容器の環状部材とカプセルの側壁のフランジ様の縁とカプセルホールダとの間の締め付ける係合によって達成される。代替システムにおいては、カプセルは、飲料製造器具の囲い部材と該生産器具のカプセルホールダとの間の封止効果を達成するために、カプセルの外表面上に専用の中空封止部材を備える。
【0021】
図2は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステム(1)の代替の実施態様を示している。本システム(1)は、交換可能なカプセル(2)および装置(104)を備えている。該装置(104)は、交換可能なカプセル(2)を保持するための収容器(106)を備えている。本実施例においては、該収容器(106)は、カプセル(2)の形状に相補的な形状を有している。
図2においては、カプセル(2)と収容器(106)との間に、明瞭のために間隙が描かれている。使用中は、カプセル(2)は収容器(106)と接触するように置かれうることが理解されよう。装置(104)はさらに、圧力下である量の流体、例えば水を交換可能なカプセル(2)へ供給するための流体供給器具(108)を備えている。
【0022】
図2に示されたシステム(1)においては、交換可能なカプセル(2)は、外周壁(10)、第1の端部(14)で該外周壁(10)を閉じている底(12)、該底(12)の反対側の第2の端部(18)で該外周壁(10)を閉じている蓋(16)を備えている。該外周壁(10)と底(12)と蓋(16)とは、抽出可能な製品を備えている内部空間(20)を囲む。本実施例においては、交換可能なカプセル(2)は、飲料の一回分、好ましくは1杯の飲料(例えば30〜200mlの用意された飲料)を用意するのに適する抽出可能な製品の量を備えている。交換可能なカプセルは、したがって一回分のパックである。
【0023】
図2のシステム(1)は、
図1で示されたようなカプセル(102)を刺し貫くことを意図された底貫通手段(122)を備えうる。
図2は、第1のカプセル(102)の底(112)に入口開口部(124)を作り出すことを意図された、引き延ばされた位置での底貫通手段を示している。1実施態様に従えば、カプセル(2)は、入口フィルタ(34)(
図3a〜3d参照)を備えることができ、該入口フィルタ(34)は、底貫通手段が引き延ばされた位置にあるときに、カプセル(2)が底貫通手段(122)によって刺し貫かれないで底(12)が傷を受けないままであるように、底貫通手段(122)からある距離に配置されている。
【0024】
図2においては、該貫通手段(122)は、それを通して流体が収容器(106)の内部空間へ供給されるところの穴(126)を備えている。流体、ここでは、例えば6バールを超える圧力下の湯が、抽出可能な製品から所望の物質を抽出するために、入口フィルタ(34)を通してカプセル(2)の内部空間(20)へ流れ込むであろう。上記抽出可能な製品は、本実施例においては、1杯分の飲料、ここではコーヒーを用意するために、本実施例においては、約4.5〜8グラム、例えば5〜6グラム(または例えば7グラム)の焙煎された且つ挽かれたコーヒーである。
【0025】
このようにして、より一般に、
図2の実施例においては、底(12)は、入口フィルタ(34)によって形成された入口領域を備え、そしてシステム(1)は、飲料を用意するための抽出可能な製品へ流体を供給するために、流体供給器具(108)が該入口領域と流体連絡状態にあるように配置される。
【0026】
図2の実施例においては、外周壁(10)は、実質的に硬い。該外周壁(10)は、例えばプラスチック材料から成り、例えば射出成形、真空成形または熱成形などによって形成されうる。
図2の実施例においては、底(12)は外周壁と一体化されている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は、複数の入口開口部(24)によって、底(12)に形成されている。本実施例においては、複数の入口開口部(24)は、実質的に底(12)全体にわたって分布せられている。このようにして、流体は、複数の入口開口部(24)を介して抽出可能な製品へ供給され、該流体は該抽出可能な製品をカプセル(2)の実質的に全断面にわたって濡らす。それ故に、抽出可能な製品への流体の非常に均一な供給が得られる。かくして、それを介して流体が抽出可能な製品を通して流れるところの優先的通路の生起の危険性は、非常に減少させられる。
【0027】
別の実施態様に従えば、それを通して飲料がカプセル(102)から排出されるところの少なくとも1つの出口開口部(130)を作りだすために、カプセル(102)内の流体及び/又は飲料の圧力の影響下で、蓋(116)が蓋貫通手段(128)を十分に圧迫するとき、第1のカプセル(102)の蓋(116)を刺し貫くことを意図された蓋貫通手段(128)を
図2のシステム(1)は備えうる。1実施態様に従えば、カプセル(2)は、それを通して飲料がカプセル(2)から排出されうるところの出口フィルタ(36)を備えうる。この場合には、出口フィルタ(36)は、好ましくは、カプセル(2)内の圧力の影響下で蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれないように十分に高い引き裂き強度を有するように配置されている。代替的または付加的には、出口フィルタ(36)は、カプセル(2)から出て行く飲料に対する十分に低い流れ抵抗を形成しうる。すなわち、出口フィルタ(36)は、蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれるための十分な力では蓋貫通手段(128)に対して押し付けられず、そして該蓋は傷つかないままである。それ故に、使用中にカプセル(2)が蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれず、すなわち蓋(16)は傷付かないままであるように、出口フィルタ(36)は蓋貫通手段(128)に適合させられる。より一般的には、カプセル(2)が使用中に蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれずそして蓋(16)は傷付かないままでいるように、出口フィルタ(36)および蓋貫通手段(128)は、相互に適合させられることが当てはまる。
【0028】
図2の実施例においては、出口フィルタ(36)(カプセル(2)の出口領域を形成し、それを通して飲料、ここではコーヒーがカプセルから排出されうる)は、多孔質のシート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、蓋(16)全体が、出口フィルタ(36)として形成されている。
図2の実施例においては、カプセル(2)は、第2の端部(18)で外向きに延在している縁(38)を備えており、該第2の端部において、蓋(16)は、例えば、接着または溶接などによって、外向きに延在している縁(38)へ取り付けられている。それ故に、本実施例においては、出口フィルタ(36)、例えば、多孔質シートは、外向きに延在している縁(38)へ取り付けられている。
【0029】
本実施例においては、出口フィルタ(36)は、カプセル(2)の第2の開放の端部(18)の実質的に全体に及ぶ実質的に連続した流体透過性シートを形成する。したがって、流体はカプセル(2)から広い領域にわたって流れ出ることが出来る。それ故に、抽出可能な製品からの飲料の非常に均一な排出が得られる。このようにして、それを介して流体が抽出可能な製品を流れ通るところの優先的な通路の生起の危険性は、非常に減少させられる。
【0030】
一般には、システム(1)のカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、例えば、刺し貫かれ又は裂かれないように十分に高い引裂強度を有する及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように、選択されうる。蓋及び/又は出口フィルタは、破裂または裂かれることはないであろうが、蓋貫通手段に抗して変形しうることは理解されよう。出口フィルタ(36)が、例えば、フィルタ紙で作られているとき、フィルタ紙の複数のパラメータ、例えば、密度、厚さ、及び/又はPE(ポリエチレン)含有量は、十分に高い引裂強度を有し、及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成している出口フィルタを提供するために、容易に選択されることができる。代替的には、出口フィルタ(36)は、例えば、複数の出口開口部を備えた高分子フィルムによって形成されるとき、高分子体箔のパラメータ、例えば、密度、厚さ、出口開口部の数、出口開口部のサイズ及び/又は形状は、十分に高い引裂強度を有し及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成している第3の壁を提供するために容易に選択されることができる。
【0031】
図2の実施例においては、蓋貫通手段(128)は、蓋を刺し貫くために意図された鋭い歯型の点を有しているように示されている。代替的には、蓋貫通手段(128)は、例えば
図2で点線で示されたように、尖っていない貫通面を有しうることが理解されよう。このような実施態様においては、カプセル(102)は、それにもかかわらず、例えば、蓋(116)がアルミニウム箔のシートで構成されているときに、尖っていない貫通手段(128)によって、刺し貫かれうる。システムのカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように選択されうる。蓋貫通手段が鈍いときは、出口フィルタのパラメータは、これらの尖っていない貫通手段に適合するように選ばれうることが理解されよう。貫通手段が鈍いときには、出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように十分に高い引裂強度を有すること及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成することを保障しながら、出口フィルタは例えば蓋貫通手段が鋭利であるときよりも薄くてよい。
【0032】
蓋貫通手段は、使用中に蓋がそれに対して当接するところの複数のリッジを備えることが可能である。そのような複数のリッジは、
図2の点線で示されたような鈍い貫通手段(128)によって形成されうる。該リッジは、収容器(106)の表面部分(使用中は第2の開放端部(18)を覆っている蓋(16)の表面領域の部分と一致する)の、例えば少なくとも10%、たぶん少なくとも25%を占めることが可能である。したがって、使用中に蓋(16)は第2の開放の端部(18)を覆っている蓋(16)の表面領域の部分の、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%にわたるリッジによって支持されうる。既に示されたように、カプセル(102)の蓋(116)はそのようなリッジによって貫かれうるが、一方、システム(1)のカプセル(2)の出口フィルタ(36)の複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように容易に選択されうる。蓋貫通手段がリッジを備えているとき、出口フィルタの複数のパラメータはそのような蓋貫通手段に適合するように選択されうることが理解されよう。
【0033】
図2の実施例においては、リッジは鋭くないエッジを備えている。エッジの曲率半径は、例えば、100、200、500μmも考えられるけれども、本実施例においては、エッジの曲率半径は約50μmである。それにも関わらず、カプセル(102)は、例えば蓋(116)がアルミニウム箔のシートで構成されているときは、鈍い貫通手段(128)によって貫かれうる。蓋貫通手段が鋭利でないエッジを備えているとき、出口フィルタの複数のパラメータは、そのような蓋貫通手段に適合するように選択されうることが理解されよう。システムのカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように選択されうる。
【0034】
蓋貫通手段(128)のリッジは、蓋(16)が当接する凸状の頂点を有することも可能である。したがって、蓋が使用中にリッジに対して押し付けられるとき、蓋がリッジによって支えられている表面領域は増加し、したがってリッジによって蓋にかけられた局部的な圧力は減少する。このようにして、蓋が使用中に裂けずに及び/又は破裂せずに且つ傷付かないままでいることを、容易な仕方で提供することが可能である。
【0035】
図3a〜3dは、カプセル(2)の限定的でない別の実施形態を示す。
【0036】
図3aにおいては、底(12)は、
図2におけるように外周壁(10)と一体化されている。入口フィルタ(34)は底(12)の複数の入口開口部(24)によって形成される。出口フィルタ(36)は、箔(40)、例えば可撓性高分子箔によって形成され、複数の出口開口部(30)を備えている。
【0037】
図3bにおいては、出口フィルタ(36)は、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。
図3bにおいては、入口フィルタ(34)はまた、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、入口フィルタは内向きに延在している縁(42)へ取り付けられている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は該内向きに延在している縁(42)の内側へ取り付けられている。このことは、該縁の厚さがカプセル(2)の内部空間(20)内に存在しないので、カプセル(2)の内容積を最大化する。
【0038】
図3cにおいては、出口フィルタ(36)は、
図2および
図3bと同様に、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。
図3cにおいては、入口フィルタ(34)はまた、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は、該内向きに延在している縁(42)の外側へ取り付けられている。したがって、圧力下の流体が入口フィルタ(34)を内向きに延在している縁(42)から引剥がす危険は低減される。入口フィルタ(34)は底の外周端の上に覆いかぶさることが可能である。したがって、より広い表面領域が、入口フィルタ(34)を底(12)と外周壁(10)とに取り付けるために利用可能であり、より強い接着をもたらす。
【0039】
図3dにおいては、出口フィルタ(36)は、箔(40)、例えば可撓性のある高分子箔によって形成され、
図3aのように複数の出口開口部(30)を備えている。
図3dにおいては、入口フィルタ(34)はまた、箔(44)によって形成され、複数の入口開口部(24)を備えている。
【0040】
図3a〜3dの全ての実施態様において、出口フィルタは可撓性のシート状材料によって形成されている。より具体的には、
図3a〜3dの全ての実施態様において、蓋は可撓性のシート状材料によって専ら形成されている。一般に、出口箔を引裂き及び/又は破裂から防ぐために、いかなる支持構造、例えば実質的に硬い格子(例えば出口箔の下流の)も、出口箔を支持するために必要とされないことが分かっている。
【0041】
図3b〜3dの全ての実施態様において、入口フィルタは可撓性のあるシート状の材料によって形成されている。より具体的には、
図3b〜3dの全ての実施態様において、入口領域は可撓性のあるシート状の材料によって専ら形成されている。一般的に、入口箔を引裂き及び/又は破裂から防ぐために、いかなる支持構造、例えば実質的に硬い格子(例えば入口箔の下流の)も、入口箔を支持するために必要とされないことが分かっている。
【0042】
図3a〜3dの全ての実施態様において、出口フィルタは、その軸方向におけるカプセルの最外部の境界を形成する。
【0043】
カプセル(2)は、示された実施態様のいずれか1つに従う任意の出口フィルタと組合されている、示された実施態様のいずれか1つに従う任意の入口フィルタを備えうることが理解されよう。図示されていないけれども、蓋は、出口開口部(30)を備えた実質的に硬い壁を備えていることが可能である。
【0044】
一般には、出口開口部(30)または多孔質のシートの細孔は、該開口部(30)または細孔の寸法がカプセル(2)内に抽出可能な製品、例えば挽かれたコーヒーを保持するために十分に小さいように寸法付けられている。また、一般には入口開口部(24)または多孔質シートの細孔は、該開口部(24)または細孔の寸法がカプセル(2)内に抽出可能な製品、例えば挽かれたコーヒーを保持するために十分に小さいように寸法付けられている。
【0045】
一般には、入口開口部(24)は、好ましくは底または箔(44)の実質的に全表面にわたって、少なくとも該内向きに延在する縁(42)によって規定された開口の実質的に全表面にわたって、分布せられる。任意的には、入口開口部(24)はまた、該外周壁(10)に、例えば第1の端部(14)の近くの該外周壁(10)の一部分に置かれる。このことは、カプセル(2)内の抽出可能な製品への流体の均一な供給を可能にする。
【0046】
一般には、出口開口部(30)は、好ましくは、蓋または箔(40)の実質的に全表面にわたって、少なくとも該外向きに延在する縁(38)によって規定された開口の実質的に全表面にわたって分布せられる。このことは、カプセル(2)内の抽出可能な製品からの飲料の均一な排出を可能にする。
【0047】
図2と
図3a〜3dの実施例においては、入口開口部(24)および出口開口部(30)は円形断面を有している。円形断面をもつ該開口部(24、30)は容易に製造される。任意的には、入口開口部(24)の断面は、内部空間(20)の方向へ次第に細く(狭く)なる。このことは、該入口開口部が、流体の噴流を内部空間(20)へ入れるノズルとして働くという利点をもたらす。
【0048】
入口開口部(24)及び/又は出口開口部(30)はまた、代替形状を有しうることが理解されよう。開口部(24、30)は、例えば、細長いスリットの形状を有しうる。好ましくは、該スリットの小さな寸法は、カプセル(2)内に抽出可能な製品を保持するように十分に小さい。
【0049】
特別の実施態様においては、該スリットは、底の平面における舌の輪郭を規定するところの形状を有しうる。そして該スリットは、実質的にU字形、例えば半円形、馬蹄形、矩形またはV字形でありうる。このことは、舌によって輪郭を規定された該開口部を通る流体の流れの効果で、舌が、底の平面から離れるように曲げられうるという利点を有する。それ故に、流体のより大きい体積の流れが達成されうる。もし底が弾力性材料で作られているならば、流体の流れが止まると、該舌は底の平面へ戻り、したがって、飲料を用意(する前および)した後に抽出可能な製品がこぼれるのを防止するであろう。舌の輪郭を規定するスリットは必要に応じて変更して、蓋に適用されうることが理解されよう。
【0050】
上記の実施態様に従うと、カプセル(2、102)は、好ましくは、外周第一壁(10、110)、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁(12、112)および該第二壁の反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁(16、116)を備え、該第一、第二および第三壁は飲料成分を備える内部空間を取り囲んでいる。
【0051】
別の実施態様(この別の実施態様は上述した実施態様、例えば
図1、2、3a、3b、3c、3dの任意の実施態様の別の精密化でありうる)に従うと、カプセル(2、102)は、カプセル(2、102)と飲料製造用具(104)との間の封止効果を達成するために封止部材を備えている。この目的のために、有利には、本発明は、それ自体が封止部材として働くように構成された、該第一、第二および第三壁の内の少なくとも1つを備えている。この仕方で、非常に耐久性のあるカプセルが効率的経済的方法で生産されうる。そのうえ、独立した別の(例えば、中空の)封止部材の適用は避けられうる。
【0052】
別の実施態様においては、封止効果は、操作中に(該装置が飲料を用意するために、カプセル内の抽出可能な製品へ圧力下で流体を供給するとき)、水流はカプセルの内部を通じて実際に生じているのみであることを保障しうる。封止効果は、欧州特許1700548号のように、環状部材とカプセルホールダとの間で達成されうるが、このことは必ずしも必要ではない。
【0053】
封止部材として働く壁は様々な仕方で構成されうる。本発明の幾つかの有利な限定的でない実施例は、
図4から9までに描かれており、より詳細に以下で説明されるであろう。
【0054】
例えば、第一壁のみ、第二壁のみまたは第三壁のみであってもそれ自体が、封止部材を提供するように構成されうる。代替的には、第一壁、第二壁及び/又は第三壁の組合せは、封止部材として働くように構成されうるであろう。例えば、1実施態様においては、第一壁、第二壁及び第三壁の少なくとも2つが、一体として作られ、そしてまた封止部材として働くことができる。
【0055】
第1の好ましい実施例においては、該第一、第二および第三壁の少なくとも1つは、それ自体が封止部材として働くように寸法付けられうる。例えば、1以上のカプセルの壁が、カプセルが該装置の収容器(2、102)内の操作位置に保持されるときに、該装置の1以上の対向する壁と封止的に係合するように寸法付けがなされうる。
【0056】
カプセルが中空の封止部材を備えていないが、しかし例えばしっかりした封止部材を備えるケースにおいて良好な結果が得られうる。このような仕方で、一層信頼性がありかつ耐久性がある構成が得られうる。
【0057】
また、封止部材として働くように構成されている壁は、外表面の少なくとも一部分が、操作中に飲料製造用具(104)の封止部材と封止的係合を提供するように構成されているところの外表面を有することが可能である。
【0058】
好ましくは、封止部材は、例えば同じ製造工程によって個々のカプセル壁と一体として作られている。また、有利には、封止部材として働くように構成されている壁は、弾性的な壁、例えば、しなやかな材料または弾力性材料、例えば、ゴムまたは弾性的プラスチック材料から成る壁でありうる。
【0059】
さらに、1実施形態に従えば、封止部材として働くように構成されている壁は、操作中に封止効果を奏するように、飲料製造器具(1)の囲い部材およびカプセルホールダの少なくとも1つと弾力的に協働する。代替的には、封止部材として働くように構成されている壁は、操作中に封止効果を奏するように、飲料製造器具の囲い部材およびカプセルホールダの少なくとも1つと協働するときに、可塑的に変形する。
【0060】
例えば、本発明に従うカプセルは、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムの一部分でありえて、該システムはまた、ある量の流体、例えば水を少なくとも6バールの圧力下でまたは該圧力を作りながら該交換可能なカプセルへ供給するための流体供給器具および該交換可能なカプセルを保持するための収容器を備えている該装置(104)を備えている。
【0061】
カプセルの使用は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するための方法を含むことができ、該方法は、少なくとも以下の工程;(交換可能な)カプセルの1つの壁を該装置(104)の該収容器(106)の支持表面と当接するように配置すること、ここで、該カプセルの該壁が、該カプセルと該飲料製造器具(104)との間の流体不通封止を達成するように、好ましくは封止部材として働く、を含んでいる。
第1の限定的でない実施例
【0062】
図4Aは、本発明の別の実施態様に従うカプセル(202)を表示している。例えば、カプセル(202)は、
図1で示されたカプセルの代替でありうる。
図4のカプセル(202)は、外周壁(210)および底(212)(これらは好ましくは相互に一体として作られている)を含む。その上に、本実施例は蓋(216)を含む。好ましくは、カプセル(202)は回転対称な構成を有する。
【0063】
例えば、カプセルは、蓋(216)が該装置(104)の蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれるように構成されうる。代替的には、蓋(204)は、操作中に蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれないように、例えば
図2、3a〜3dに示されたカプセルの蓋に類似または同一の蓋のように構成されうる。また、カプセル(202)は、操作中にその底(212)が底貫通手段(122)によって刺し貫かれるように構成されうる。1実施例として、
図4に示されたカプセルの底(216)は、
図1で示されたカプセルの底(16)、または代替的に、
図2、3a〜3dのいずれかに示されたカプセルの底(16)と同じように構成されうる。
【0064】
図4の実施態様においては、好ましくは、外周壁(210)および底(212)の両方とも、しなやかな弾力的材料、例えばゴム様のプラスチックで作られている。特に、
図4のカプセルの実施態様(202)は、外周第一壁(210)それ自体が封止部材として働くように構成されている点で
図1に示されたカプセルとは異なっている。例えば、該壁(210)は、封止部材として働くように構成されることができ、且つ操作中は封止効果を達成するように囲い部材(106)の少なくとも1つおよび飲料製造器具(1)のカプセルホールダ(190)と弾力的に協働しうる。
【0065】
例えば、
図4Bに示されているように、カプセル(202)の操作は、特に、該壁が、該装置(101)の収容器(106)に対して封止として働くように、該外周壁(210)の変形を含んでいる。例えば、カプセル(202)と収容器(106)との間の流体流の経路が完全に遮断されうるように、該外周壁(210)は、収容器(106)と堅固に係合するために、外向きに押されまたは曲げられうる。
【0066】
カプセル(202)の弾性部分の変形は、様々な仕方で、例えばカプセル(202)と装置(104)との間の機械的な相互作用によって、操作中に収容器とカプセルへ供給される流体の静水圧によって、またはその両方によって達成されうる。
【0067】
例えば、1の別の実施態様に従うと、カプセルの壁(210)の外向きの変形は、収容器(106)を閉じることの結果として、すなわち、カプセルホールダ(190)およびカプセル(202)を相互の方向へ(カプセル保持状態へ)動かすことによって、装置(101)によってカプセルにかけられる圧力によって達成されうる。例えば、カプセル(202)がホールダ(190)と収容器(106)との間に保持されているとき(そしてホールダ(190)と収容器(106)は相互の方向へ、すなわちカプセル保持状態へと動かされたとき)、カプセル(202)は、収容器(106)によって(軸方向に)圧縮されるように寸法付けられうる。
図4Aにおいては、矢印Rは(例えば、収容器(106)とホールダ(190)の相互の方向への移動の間)装置(104)によってかけられる力を図式的に示しており、該力はカプセル(202)の先端軸方向圧縮を提供するようにカプセルに働く(例えば、収容器(106)とホールダ(190)が互いの方向に動くときに)。
【0068】
図4A、4Bに示されたように、カプセルの圧縮は、外周壁(210)の外方向への曲げ(矢印Qで示される)および蓋(216)と底(212)の両方の軸方向への動きを含みうる。例えば該圧縮は、外周壁(210)を(例えば、実質的に円錐形から)一層曲がった形状(断面で見られるとき)例えば、より半球状または回転放物面へ変形させることができる。また圧縮は、外周壁(210)の外表面が、収容器(106)の内表面に対して少なくとも部分的に押し付けられることをもたらす。
【0069】
さらに、弾性的なカプセル壁の曲げは、操作中にカプセル(202)の底(212)を刺し貫きうる底貫通手段(108)によって達成されうる。例えば、底貫通手段(108)は、操作中にカプセル底(212)との係合(および移動または変形)によって、上述した外周壁の外方向への変形を助けうる。1実施例として、この目的のため、カプセル底(212)は、摩擦を利用して、ある距離(比較的短い)にわたって軸上、内方向へ(反対の蓋(216)の方向へ)動くように、カプセル底(212)は、底貫通手段(108)と協働するように構成されうる。さらに別の実施態様においては、封止効果を実現するための外周壁(210)の変形は、底貫通手段とカプセル部分との間の相互作用に全面的に基づきうる。
【0070】
実施態様に従えば、操作中にカプセル(202)は、圧縮がカプセル(202)の内容積の減少をもたらすように圧縮されるように構成されている。この容積減少は、カプセルの内容物(例えば抽出可能な製品)の圧縮へと導くことができ、一層向上された強い味覚と構成を有する抽出された飲料をもたらしうる。
【0071】
また、代替的な実施態様に従うと、カプセル(202)は、圧縮がカプセル(202)の内容積の増加をもたらすように圧縮されるように構成される。例えば、容積増加は、操作中にカプセルの内容物(例えば抽出可能な製品)の曝気に導くことができ、一層デリケートな味わいおよび、例えば、製品の圧縮を利用して得ることができた構成とは違った別の構成を有する抽出された飲料をもたらしうる。
【0072】
さらに別の実施態様においては、カプセル(202)は、操作中に圧縮されるように構成されうるが、ここでは、この圧縮がカプセルの内部空間(220)の容積変化へと実質的には導かない。依然としてこのケースで、例えば、カプセル(202)の外部体積は、装置(104)との所望の封止効果を達成するために、圧縮により変化しうる。限定的でない実施例においては、カプセル(202)(特にカプセル(202)の外部)が変形されるとき、カプセルの内部空間(220)が容積を実質的に変えないように、カプセル(202)の内容物は圧縮に対抗しうる。1実施例として、このことは、ぎっしり詰められた抽出可能な製品、例えば、ぎっしり詰められた焙煎され挽かれたコーヒーで十分に充填されたカプセルによって達成されうる。
【0073】
また、カプセルの封止壁(本実施例においては外周壁(210)である)の変形は、(
図4Aの矢印Hによって概略的に示された)静水圧の部分的または全面的な結果でありうる。1例として、圧力下でカプセルへ供給される流体は、可撓性の外周壁(210)を外向き(矢印Q参照)に変形でき、(収容器の内表面とで)所望の封止効果をもたらす。
【0074】
図4の代替的な実施例においては、カプセルの外周壁(210)のみが、しなやかな弾力性材料で作られ、カプセル底(212)はそれ以外の構成(例えば、堅固な構成)を有しうる。例えば、カプセル(202)の底(212)は、弾性の外周壁(210)の材料とは異なった材料で作りうる。
第2の限定的でない実施例
【0075】
図5は本発明の別の実施態様(302)を表示している。
図5に従う実施態様(302)は、
図4に従う実施態様(202)の特徴の全てまたは部分を備えている。
【0076】
また、第2の実施態様に従うカプセル(302)は、
図1に示されたカプセルの1つの代替でありうる。
図5のカプセル(302)は、外周壁(310)および底(312)を備えている。その上、本実施例は蓋(316)を備えている。さらに、1例として、
図5で示されたカプセル(302)の底(316)は、
図1に示されたようなカプセルの底(16)と同一に構成されうる。
【0077】
上述した実施態様におけるように、本カプセル(302)は、蓋(316)が該装置(104)の蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれうるように構成されうる。しかし、好ましくは、蓋(316)は、操作中に蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれないように構成されうる。図面から分かるように、好ましくは、蓋(316)は出口フィルタを備え、かつ複数の出口開口部または細孔(330)を備えている。
【0078】
図5の実施例においては、有利には、蓋は封止部材として働くように構成される。この目的のために、特に、蓋(316)は個々の外向きに延在する縁(フランジ)(338)を備え、好ましくは蓋(316)と一体的に作られている。本封止縁(338)は、個別のカプセルの蓋(316)の外表面に対して実質的に法線方向に少なくとも変形されるようにデザインされている。
【0079】
別の実施態様に従うと、蓋(316)(および個々の封止縁(338))は例えば弾性材料、例えばゴムまたは弾性プラスチック材料で作られている弾性壁である。また、
図5に示されたように、封止縁(338)は、蓋(316)の固い部分である(すなわち、封止縁(338)はフィルタ開口部を含まない)。好ましくは、(封止部材として働く)該縁(338)は、固くしっかりした封止リング、例えば、固い平らな封止フランジである。この実施態様においては、該縁(338)は、カプセル(302)の中心線に対して半径方向に延在している、平らで平行な外側リング状の表面を含んでいる。
【0080】
例えば、該一体化され平らな縁(316)は、操作中に収容器(106)とカプセルとの間の流体流の経路の遮断を提供するように、収容器(106)(の環状部分)とカプセルホールダ(190)との間で圧縮されるように構成されうる。
【0081】
一実施態様に従えば、蓋(316)は、好ましくは、操作中に(すなわち、圧力下の流体がカプセルへ供給されるとき)引き裂かれ及び/又は破裂しないように構成される。さらに、蓋(316)は、それに働いている流体圧力の下で、操作中に外向きに変形することが考えられる。例えば、蓋(316)の外向きの変形は、出口開口部(330)の増加をもたらしうる。好ましくは、個々の蓋(316)が操作中に流体圧力によって変形されるとき、各開口部(330)(または細孔)が抽出可能な製品、例えば挽かれたコーヒーをカプセル(302)内に保持しうるように、出口開口部(330)は構成されている。
第3の限定的でない実施例
【0082】
図6は、カプセル(402)の第3の限定的でない実施例を表示する。本実施例においては、カプセル(402)の底(412)は、カプセルと飲料製造器具(104)との間の封止効果を達成するための封止部材として働くように構成されている。本カプセルはまた、外周壁(410)および(例えば出口開口部(430)を有する)出口フィルタ(436)を提供する蓋(416)を備えている。
【0083】
図6に示された実施態様は、底(412)が該装置(104)の底貫通手段(供給器具)(108)によって刺し貫かれないように構成されている点で
図4に示された実施態様とは異なっている。本目的のために、(第1の端部で該外周第一壁(410)を閉じている)底(412)は部分的に中空の構成を有している。
【0084】
特に、底(412)は、流体受け領域(412A、412B)を取り囲んでいる第一底部分(412U)および第二底部分(412L)を含む。該流体受け領域は、該供給器具(108)が引き延ばされた位置にあるときは、該供給器具(108)を受け取るように(中央)開口部(412A)である第1部分(412A)を有している。流体受け領域の第2部分(412B)は、供給器具(108)から受けられた流体を、該第二底部分(412U)にわたって分配するように構成されている。該第二底部分(412L)は、カプセル(402)の内部空間(420)内へ流体を供給するために、入力フィルタとして働く。例えば、該第二底部分(412U)の構成それ自体は、
図3a、3b、3cまたは3dの実施態様のカプセル底(12)の構成と同一または類似でありえ、またはそれ以外の別の構成を有しうる。
【0085】
好ましくは、カプセル底(412)の少なくとも第一(外側)部分(412U)は、操作中に封止効果を達成するために、封止部材として働くように、すなわち飲料製造器具の囲い部材と弾力的に協働するように構成されている。例えば、第一底部分(412U)は弾性の好ましくは弾力的な材料、例えばゴムまたは弾性プラスチック材料で構成しうる。1例として、カプセル(202)がホールダ(190)と収容器(106)との間に保持されているとき(そしてホールダ(190)と収容器(106)は相互の方向へ、すなわちカプセル保持状態へ動かされたとき)、第一底部分(412U)は、収容器(106)によって(軸方向に)圧縮されるように寸法付けられうる。
第4の限定的でない実施例
【0086】
図7は、カプセル(502)の一層好ましい第4の実施例を表示している。本実施例は、比較的低価格で、操作中の信頼しうる封止および一層向上された飲料製造を提供できる。
図7に示された実施態様は、
図3aに示された実施例に類似しているが、カプセル(502)が(個別の一体化された縁部分(538)を介して)封止部材として働いている蓋(516)を備えている点で、その実施例とは少なくとも異なっている。例えば、蓋(516)は、
図5に示された第2の実施例の蓋(316)と同一または類似に構成されうる。
図7の実施例においては、カプセルは、操作中に供給器具(108)によって刺し貫かれないところの底(12)を備え、上述した利点をもたらしうる。蓋(516)および底(12)の両方とも、様々に異なった仕方(その中の幾つかは上で更に説明された)で構成されうる。
第5の限定的でない実施例
【0087】
図8は、カプセル(602)の別の実施例を表示している。
図8に示された実施態様は、
図3dで示された実施例に類似しているが、カプセル(602)が(個々の一体化されたリング状の固い封止部分(638)を介して)封止部材として働いている外周壁(610)含んでいる点でこの実施例とは少なくとも異なっている。第6の実施態様においては、外周壁(610)の封止部材(638)は、該個別の壁から(例えば径方向に)突出している。特に、封止部材(638)および個別のカプセル壁(610)は、例えば該装置の収容器(106)によって封止部材へ加えられた外からの圧力の影響の下に、同時に一緒に変形されるようにデザインされうる。
【0088】
例えば、外向きに突出する封止部分(638)および外周壁(610)は、同じ材料、例えば弾性材料、より特別にはゴムまたはゴム様(プラスチック)材料から一体に作られうる。
図8から分かるように、例えば、外向きに突出する封止部分(638)は、外周壁(610)の軸方向端部分から空間的に隔たっている。例えば、該封止部分(638)は外周壁(610)の軸中心にまたはその近くに置かれうる。代替的実施態様においては、外周壁(610)の該封止部分(638)は、カプセルの底部分にまたはその近くに置かれうる。
第6の限定的でない実施例
【0089】
図9はカプセル(702)の第6に実施例を表示している。本実施例は
図8に示された実施態様の代替案を提供する。
図6におけるように、
図9のカプセルの実施態様(702)は、該カプセルと該飲料製造器具(104)との間に封止効果を達成するために、封止部材として働くように構成されているところの底(712)を備えている。本カプセルはまた、外周壁(710)、および出口フィルタ(736)を提供しうる蓋(716)を備えている。
【0090】
図9に示された実施態様の底(712)(該底は第1の端部で外周第一壁(710)を閉じている)は、部分的に中空の構成を有している。
【0091】
特に、底(712)は、外周底部分(710A)と共に、流体受け領域(712A)を取り囲んでいる第一底部分(612U)および第二底部分(712L)を含んでいる。例えば、外周壁(710)の部分は、該中空の底(712)の外周底部分(710A)を提供しうる。
【0092】
該カプセルの底(712)の流体受け領域(712A)は、供給器具(108)が引き延ばされた位置にあるとき、該供給器具(108)を受け取りうる。流体受け領域(712A)はまた、流体を供給器具(108)から受けた流体を、第二底部分(712U)全体に分配する。
図6の実施例のように、第二底部分(712L)は、抽出可能な製品を容れている該空間(720)へ流体を供給する入口フィルタとして働く。
【0093】
図9の実施態様においては、好ましくは、カプセル底(712)の少なくとも第一(外側)部分(712U)は、操作中に飲料製造器具の囲い部材と封止的に係合することによって、封止部材として働きうる。例えば、第一底部分(712U)は、弾性の、好ましくは弾力的材料、例えばゴムまたは弾性プラスチック材料で構成されうる。
図9に、矢印Gで示されているように、弾力的部分(712U)は、該底(712)中へ圧力下で供給された流体によって、外向きに(少なくとも半径方向に)押されうる(各静水圧は、
図9で矢印Hによって概略的に示されている)。
【0094】
本実施例においては、中空底(712)は、カプセル底から該装置の収容器(106)へ流体が流出するのを防ぎまたは緩和するための流体流阻止構造を含む。例えば該阻止構造は、該第一(外側)底部分(712U)から第二(内側)底部分(712L)の方へ延在して、次第に細くなるまたは円筒状のスリーブ(788)を含みうる。好ましくは、該阻止構造は、比較的僅かの隙間または隙間なく、上述した流体分配器具(108)を受け取るように寸法付けられている。該スリーブ(788)の半径方向に外側の表面および外周壁部分(710A)の内側表面は、操作中に(底に供給された)圧力をかけられた流体を受け取る領域を取り囲みうる。得られた流体圧力は、該スリーブ(788)と外周壁の部分(710A)とを(半径方向に)離すように強制することができ、好ましくは、外周壁の部分(710A)を、該装置(104)の内側表面に対して押し付けられるように、および好ましくは、また該スリーブ(788)を流体供給器具(108)に対して(周りに)押し付けるようにうする。このようにして、向上された封止効果が得られる。
第7の限定的でない実施例
【0095】
図10は、本発明の別の実施態様(802)を表示している。例えば、
図10に従う実施態様(802)は、
図5に従う実施態様(302)の特徴の全てまたは部分を含んでいる。また、第7の実施態様に従うカプセル(802)は
図1に示されたカプセルの代替案でありうる。
【0096】
特に、
図10のカプセル(802)は外周壁(810)および底(812)を含む。さらに、本実施例は、蓋(816)を含む。
図10の実施例においては、代替的に、外向きに延在する(リング様の)縁(フランジ)(838)は、封止部材として働くように備えられる。任意的に、該縁(838)は、該蓋(816)と一体として作られうる。好ましくは、該縁(838)は、外周壁(810)と一体として作られる。好ましくは、該縁(838)は、外周壁(810)と同一の材料で作られる。
【0097】
本カプセル縁(838)は、比較的厚い部分(838A)(リッジ)を備え、例えば該部分は(各カプセル蓋(816)の外表面に対して法線方向Nに測られたとき)該縁の隣接部分(838B)よりも厚い。本実施例においては、該リッジ部分(838A)は、外周壁(810)の先端部に隣接して延在し、(該リッジ部分の厚みよりも薄い厚みを有している)第2の縁部分(838B)は該リッジ部分(838A)の周りに延在している。代替的には、該リッジ部分(838A)は、外周壁(810)の先端部から半径方向に隙間を空けられうる。該リッジ部分(838A)の半径方向幅は、該縁の残りの部分(838B)の半径方向幅とおよそ同じでありえ、または半径方向幅より小さい若しくは大きい(例えば、約1〜99%の範囲で小さい若しくは大きい)ことも可能である。
【0098】
該リッジ部分(838A)の厚さは、本実施例においては一定である。例えば、該リッジ部分(838A)の厚さ(上記法線方向Nに測られた)は、第2縁部分(838B)の厚さ(上記法線方向Nに測られた)よりも0.1mmまたはそれ以上に厚いことが可能である。別の限定的ではない実施態様においては、該2つの(例えば、該部分(838A)および(838B)の)厚みの間の差は、0.1〜1mmの範囲でありうる。
【0099】
別の実施例においては、使用前に第2縁部分(838B)の厚さは、約0.2mmでありうる。本ケースにおいては、好ましくは、該リッジ部分(838A)の厚さは、0.5mm未満、より好ましくは0.41mm未満、例えば0.35mm未満である。
【0100】
こうして、1実施態様においては、
図10に示されたカプセルは、カップの外方向に延在している単一の実質的に同心の外周状リッジ(838A)を備えうる。別に実施態様においては、該リッジ(838A)は外周壁(810)と同じ材料で作られうる。
【0101】
本封止縁部分(838A)は、各カプセル蓋(816)の外表面に対して実質的に法線方向に少なくとも変形されるようにデザインされうる。別の実施態様に従うと、全封止縁(838)は、例えば弾性材料(例えばゴムまたは弾性プラスチック材料)で作られた弾性部分である。別の実施態様においては、該封止縁(838)は、封止効果を実現するために、操作中に圧縮される例えば塑性変形可能な材料で作られた非弾性変形部分である。好ましくは、(封止部材として働いている)該縁(838)は、固くしっかりした封止リング、例えば固い平らな封止フランジである。
【0102】
また、例えば、該リッジ部分(838A)は、収容器とカプセルとの間の流体流れ経路の遮断をするために、操作中に収容器(106)(の環状部分)とカプセルホールダ(190)との間で圧縮されるように構成されうる。
【0103】
図10においては、該2つの縁部分(838A、838B)の上側表面(該表面は該蓋(816)の外表面から遠ざかる方向に向けられている)は、互に対して且つ該蓋の外表面に対して平行に延在する。しかし、このことは本質的ではない。例えば、1の代替的実施態様においては、該縁部分(838A)は、(断面で見られるときは)カーブした形状を有している上側表面、または(断面で見られるときは)他方の縁部分(838B)の上側表面との角度が約10〜80度、例えば30〜60度の範囲に含まれるような表面を備えうる。
【0104】
図10に示されたように、カプセル(802)の様々な別の実施態様が意図される。例えば、該カプセルは、リッジ部分を備えることができ、該リッジ部分は第1リッジ部分から隙間を空けられており、より薄い縁部分はそれら(該リッジ部分と第1リッジ部分と)の間に取り囲まれている。また、1の代替的実施態様においては、該カプセルは、該縁の外側周辺に沿って延在しているリッジ部分を備えうる。
【0105】
上に記載された例示的な実施態様は、先行技術のカプセルおよび各飲料製造システムを超える顕著な向上を提供する。該第一、第二および第三壁の少なくとも1つは、それ自体が封止部材として働くように構成される故に、該カプセルは、専用の中空封止部材を必ずしも備える必要はない。さらに、本発明に従うカプセルの実施態様は、比較的少ないエネルギーと材料を使って非常に効率的に製作されうる。また、特定の実施態様は、圧縮可能なまたは別の仕方で変形するカプセル壁を備え、該カプセル壁は封止壁として働き、該壁は飲料抽出工程自体の向上を提供しうる。例えば、封止部材が、カプセル壁の一体的部分であるところの固いリング状部材であるケースにおいては、比較的に良好な結果が達成されうる。
【0106】
上述した明細においては、本発明は、本発明の実施態様の特定の実施例を参照して記載されてきた。しかし、添付された請求項で述べられている本発明の広い精神と範囲から離れることなく、様々な別の実施態様や変更が作られうることは明らかであろう。
【0107】
請求項においては、括弧の間に入れられた如何なる参照符号も、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。用語「備える」は、請求項に列挙された以外の特徴または工程の存在を除外するものではない。さらに、用語「1つの」は「ただ1つ」に制限して解釈されるべきではなく、むしろ、「少なくとも1つ」の意味に使われ、かつ複数を除外していない。特定の手段が相互に異なる請求項の中で言及されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが利益をもたらすように使えないということを意味しない。
【0108】
また、例えば、該カプセルの種々の部分は種々の材料で作られうる。代替的実施態様においては、封止部材として働く壁または壁部分は、弾性材料、例えばゴムまたは弾性プラスチック材料で作られうる。また、封止部材として働く壁は、例えば金属、例えば金属箔の1以上の層で作られうる。さらに、封止部材として働くように構成された壁は、弾性材料と金属材料の組合せ、例えば1以上の弾性層および1以上の弾性プラスチックで作られた壁を含みうる。
【0109】
一層好ましい実施態様においては、封止部材として働く壁(または複数の壁)は、少なくとも1つの外側弾性層(例えばゴムまたはゴム様の材料で構成される)および異なる材料(例えば金属箔)で作られた少なくとも1つの内側層とを含みうる。1実施例として、該カプセルは、飲料成分を容れる第1の堅固なカプセル部分と、封止部材として働くために該第1の部分に接続された第2のカプセル部分を備えうる。
【0110】
また、1実施態様に従うと、封止効果の一層の向上のために、カプセル、例えば封止部材として働きうる壁が、撥水性物資、例えば、テフロン(登録商標)のコーティングまたは層を備えうる。