(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電力貯蔵装置においては、多数の段間配線が容器及び蓋の隙間の近くを通過する。モジュール電池が燃焼した場合は、容器及び蓋の隙間から火炎又は高温物が噴出する。このため、特許文献1の電力貯蔵装置においては、モジュール電池が燃焼した場合に燃焼の影響が配線に及びやすく、燃焼の影響が配線に及んだ場合に配線の絶縁を維持できない。
【0005】
本発明は、これらの問題を解決するためになされる。本発明の目的は、電力貯蔵装置の安全性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電力貯蔵装置に向けられる。
【0007】
本発明の第1の局面においては、2個以上の直列接続体が鉛直方向に配列され段間配線により直列接続される。2個以上の直列接続体の各々においては、2個以上のモジュール電池が水平方向に配列され段内配線により直列接続される。
【0008】
2個以上のモジュール電池の各々は、箱、架台、主極、主極支持体及び2個以上のセルを備える。
【0009】
箱の内部に収容空間が形成される。箱は、容器及び蓋を備える。容器は、側壁及び開口を有する。開口は、鉛直方向上方を向き、蓋に塞がれる。箱は、架台に載せられる。
【0010】
主極は、主極貫通部及び主極端子を備える。主極貫通部は、側壁を貫通する。主極端子は、箱の外部にある。
【0011】
主極支持体は、碍子、第1の結合部及び第2の結合部を備える。碍子は、第1の結合部及び第2の結合部を絶縁する。第1の結合部は、架台に結合される。第2の結合部は、主極端子に結合される。
【0012】
2個以上のセルは、収容空間に収容され、主極を経由して充放電される。
【0013】
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面にさらなる事項を付加する。
【0014】
本発明の第2の局面においては、段内配線が可とう導体を備える。主極端子の接続部の表面及び可とう導体の接続部の表面は、ニッケルめっきされる。
【0015】
2個以上の直列接続体の各々は、締結機構を備える。締結機構は、主極端子の接続部及び可とう導体の接続部を締結する。
【0016】
本発明の第3の局面は、本発明の第2の局面にさらなる事項を付加する。
【0017】
本発明の第3の局面においては、第1の電圧計測線が主極端子に結合され、第2の電圧計測線が可とう導体に結合される。
【0018】
本発明の第4の局面は、本発明の第2又は第3の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第4の局面においては、締結機構がボルト及びナットを備える。ナットは、ボルトに螺合される。
【0019】
容器の側壁から主極端子の接続部までの距離は、ボルトのボルト長より長く、容器の側壁から主極端子の近接部までの距離より長い。主極端子の近接部には、主極貫通部が結合される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の局面によれば、容器及び蓋の隙間の近くを通過する配線が少なく、モジュール電池が燃焼した場合に燃焼の影響が配線に及びにくい。燃焼の影響が配線に及んだ場合に配線が脱落しにくく絶縁が維持される。電力貯蔵装置の安全性が向上する。
【0021】
本発明の第2の局面によれば、主極端子及び可とう導体の接続の耐久性及び耐熱性が向上する。
【0022】
本発明の第3の局面によれば、主極端子及び可とう導体の接続抵抗が測定される。主極端子及び可とう導体の接触不良が容易に検出される。
【0023】
本発明の第4の局面によれば、主極貫通部が短くなる。主極貫通部を経由する熱の出入りが抑制される。収容空間の温度の調整が容易になる。ボルトが側壁に接触しにくい。
【0024】
これらの及びこれら以外の本発明の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面とともに考慮されたときに下記の本発明の詳細な説明によってより明白となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(電力貯蔵装置の概略)
図1の模式図は、電力貯蔵装置の望ましい実施の形態を示す。
【0027】
図1に示されるように、電力貯蔵装置1000は、筐体1020、第1の直列接続体1021、第2の直列接続体1022、第3の直列接続体1023、第4の直列接続体1024、第5の直列接続体1025、第6の直列接続体1026、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028を備える。
【0028】
電力貯蔵装置1000が備える直列接続体の数が増減されてもよい。一般的に言って、電力貯蔵装置1000は、2個以上の直列接続体を備える。
【0029】
第1の直列接続体1021は、8個のモジュール電池1040及び第1の段内配線1060を備える。第2の直列接続体1022は、8個のモジュール電池1040及び第2の段内配線1061を備える。第3の直列接続体1023は、4個のモジュール電池1040及び第3の段内配線1062を備える。第4の直列接続体1024は、4個のモジュール電池1040及び第4の段内配線1063を備える。第5の直列接続体1025は、8個のモジュール電池1040及び第5の段内配線1064を備える。第6の直列接続体1026は、8個のモジュール電池1040及び第6の段内配線1065を備える。
【0030】
第1の直列接続体1021から第6の直列接続体1026までの各々が備えるモジュール電池1040の数が増減されてもよい。より一般的には、第1の直列接続体1021から第6の直列接続体1026までの各々は、2個以上のモジュール電池1040を備える。
【0031】
電力貯蔵装置1000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。例えば、電力貯蔵装置1000が電力機器、制御機器、空調機器等を備えてもよい。電力機器は、例えば、交直変換器(PCS)、変圧器、電圧センサー、電流センサー等である。
【0032】
(モジュール電池の接続)
図1に示されるように、第1の直列接続体1021に属する8個のモジュール電池1040は、第1の段内配線1060により電気的に直列接続される。第2の直列接続体1022に属する8個のモジュール電池1040は、第2の段内配線1061により電気的に直列接続される。第3の直列接続体1023に属する4個のモジュール電池1040は、第3の段内配線1062により電気的に直列接続される。第4の直列接続体1024に属する4個のモジュール電池1040は、第4の段内配線1063により電気的に直列接続される。第5の直列接続体1025に属する8個のモジュール電池1040は、第5の段内配線1064により電気的に直列接続される。第6の直列接続体1026に属する8個のモジュール電池1040は、第6の段内配線1065により電気的に直列接続される。モジュール電池1040の直列数が増減されてもよい。
【0033】
第1の直列接続体1021から第3の直列接続体1023までは、第1の段間配線1027により電気的に直列接続される。第4の直列接続体1024から第6の直列接続体1026までは、第2の段間配線1028により電気的に直列接続される。直列接続体の直列数が増減されてもよい。
【0034】
(モジュール電池の配列)
図1に示されるように、40個のモジュール電池1040の配列は、直方格子をなす。40個のモジュール電池1040は、左右方向DH1の配列数が4列となり、前後方向DH2の配列数が2列となり、上下方向DVの配列数が5段となるように配列される。左右方向DH1及び前後方向DH2は、水平方向である。上下方向DVは、鉛直方向である。左右方向DH1、前後方向DH2及び上下方向DVは、互いに垂直をなす。40個のモジュール電池1040の配列が直方格子以外の格子をなしてもよい。左右方向DH1の配列数、前後方向DH2の配列数及び上下方向DVの配列数の全部又は一部が増減されてもよい。
【0035】
上下方向DVの下から1段目の8個のモジュール電池1040は、第1の直列接続体1021に属する。上下方向DVの下から2段目の8個のモジュール電池1040は、第2の直列接続体1022に属する。上下方向DVの下から3段目であって前後方向DH2の前から1列目の4個のモジュール電池1040は、第3の直列接続体1023に属する。上下方向DVの下から3段目であって前後方向DH2の前から2列目の4個のモジュール電池1040は、第4の直列接続体1024に属する。上下方向DVの下から4段目の8個のモジュール電池1040は、第5の直列接続体1025に属する。上下方向DVの下から5段目の8個のモジュール電池1040は、第6の直列接続体1026に属する。
【0036】
第1の直列接続体1021から第3の直列接続体1023までは、上下方向DVに配列される。第4の直列接続体1024から第6の直列接続体1026までは、上下方向DVに配列される。
【0037】
(段内配線の配置)
図1に示されるように、第1の段内配線1060から第6の段内配線1065までの各々は、水平方向に延在し、水平方向に配列されるモジュール電池1040を接続する。このため、第1の段内配線1060から第6の段内配線1065までは、後述の真空断熱容器1120及び大気断熱蓋1121の隙間から離される。モジュール電池1040が燃焼した場合に燃焼の影響が第1の段内配線1060から第6の段内配線1065までに及びにくい。
【0038】
(筐体の内部への収容)
図1に示されるように、筐体1020の内部には、筐体内空間1080が形成される。第1の直列接続体1021から第6の直列接続体1026まで、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028は、筐体内空間1080に収容される。
【0039】
(電力貯蔵装置の運転)
電力貯蔵装置1000が電力を吸収する場合は、第1の段内配線1060から第6の段内配線1065まで、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028を経由して電力貯蔵装置1000の外部からモジュール電池1040へ電力が供給され、モジュール電池1040が充電される。電力貯蔵装置1000が電力を放出する場合は、モジュール電池1040が放電させられ、第1の段内配線1060から第6の段内配線1065まで、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028を経由してモジュール電池1040から電力貯蔵装置1000の外部へ電力が供給される。
【0040】
(電力貯蔵装置の使用例)
図2の模式図は、電力貯蔵装置の使用例を示す。
【0041】
図2に示されるように、電力貯蔵装置1000は、電力系統9000に接続され、停電の防止、電力の需給の調整等に使用される。
【0042】
(モジュール電池の概略)
図3の模式図は、モジュール電池の斜視図である。
図4の模式図は、モジュール電池の鉛直断面図である。
図5から
図8までの模式図は、モジュール電池の水平断面図である。
図5から
図8までは、後述の砂及びヒーターが取り除かれた状態を示す。
図5から
図8までは、それぞれ、モジュール電池の右前、左前、右後及び左後を示す。
【0043】
図3から
図8までに示されるように、40個のモジュール電池1040の各々は、箱1100、架台1101、n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_n、正極1106、m個の並列ブス1108_1,1108_2,・・・,1108_m、負極1110、正極支持体1111、負極支持体1112、砂1113及びヒーター1114を備える。正極1106は一方の主極であり、負極1110は他方の主極である。
【0044】
モジュール電池1040の各々が備えるストリング群の数nは、2以上である。モジュール電池1040の各々が備えるストリング群の数nが1であってもよい。モジュール電池1040の各々が備える並列ブスの数mは、モジュール電池1040の各々が備えるストリング群の数nに応じて増減される。
【0045】
(箱)
図3から
図8までに示されるように、箱1100は、真空断熱容器1120及び大気断熱蓋1121を備える。真空断熱容器1120は、直方体に近い形状を有する。箱1100の断熱性能は、モジュール電池1040の仕様に応じて変更される。このため、真空断熱容器1120は、真空断熱容器以外の断熱容器に置き換えられてもよく、断熱容器ではない容器に置き換えられてもよい。大気断熱蓋1121は、大気断熱蓋以外の断熱蓋に置き換えられてもよく、断熱蓋ではない蓋に置き換えられてもよい。箱1100の形状が変更されてもよい。
【0046】
真空断熱容器1120は、第1の側壁1140、第2の側壁1141、第3の側壁1142、第4の側壁1143及び底壁1144を備え、開口1160を有する。大気断熱蓋1121は、天壁1180及び庇1181を備える。
【0047】
大気断熱蓋1121は、開口1160を塞ぐ。箱1100は、架台1101に載せられる。
【0048】
(セルの接続)
図3から
図8までに示されるように、n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nの各々は、p個のストリング1200を備える。n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nの各々が備えるストリング1200の数pは、2以上である。
【0049】
n×p個のストリング1200の各々は、第1のセル1220、第2のセル1221、第3のセル1222、第4のセル1223、第1のヒューズ1224、第2のヒューズ1225、第1のセル接続子1226、第2のセル接続子1227及び第3のセル接続子1228を備える。n×p個のストリング1200の各々が備えるセルの数が増減されてもよい。一般的に言って、n×p個のストリング1200の各々は、2個以上のセルを備える。
【0050】
モジュール電池1040が備えるセルの数が増減されてもよい。より一般的に言って、モジュール電池1040は、2個以上のセルを備える。2個以上のセルの接続は、モジュール電池1040の仕様に応じて変更される。
【0051】
(主極)
図3から
図8までに示されるように、正極1106は、正極ブス1240及び正極ブスバー1241を備える。負極1110は、負極ブス1260及び負極ブスバー1261を備える。
【0052】
(箱の内部への収容)
図3から
図8までに示されるように、箱1100の内部には、収容空間1280が形成される。n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_n、m個の並列ブス1108_1,1108_2,・・・,1108_m、砂1113及びヒーター1114は、収容空間1280に収容される。架台1101、正極支持体1111、負極支持体1112、正極ブスバー1241及び負極ブスバー1261は、箱1100の外部にある。正極ブス1240及び負極ブス1260は、収容空間1280及び箱1100の外部にまたがる。
【0053】
(モジュール電池の充放電)
モジュール電池1040が充放電される場合は、正極1106及び負極1110を経由して第1のセル1220から第4のセル1223までが充放電される。
【0054】
第1のセル1220から第4のセル1223までの各々は、ナトリウム−硫黄電池である。モジュール電池1040が充放電される場合は、収容空間1280の温度がヒーター1114によりナトリウム−硫黄電池が動作する温度に調整される。例えば、収容空間1280の温度が約300℃に調整される。ナトリウム−硫黄電池が他の種類の二次電池に置き換えられてもよい。
【0055】
(側壁及び開口の配置)
図1に示されるように、前後方向DH2の前から1列目の20個のモジュール電池1040の各々においては、第1の側壁1140の外面1150は前後方向DH2の前方を向く。前後方向DH2の前から2列目の20個のモジュール電池1040の各々においては、第1の側壁1140の外面1150は前後方向DH2の後方を向く。
図4に示されるように、開口1160は上下方向DVの上方を向く。
【0056】
(セル、ストリング及びストリング群の配列)
図4から
図7までに示されるように、n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nは、左右方向DH1(モジュール電池1040の幅方向)に直線的に配列される。n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nの配列が左右反転されてもよい。n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nの配列が直線的であって折り返しを伴わない場合は、直線的でなく折り返しを伴う場合と比較して、一のストリング群及び他のストリング群の間に短絡回路が形成されにくく、電力貯蔵装置1000の安全性が向上する。
【0057】
n個のストリング群1103_1,1103_2,・・・,1103_nの各々において、p個のストリング1200は前後方向DH2(モジュール電池1040の奥行方向)に配列される。
【0058】
ストリング1200の各々において、第1のセル1220から第4のセル1223までは、左右方向DH1に配列される。
【0059】
第1のセル1220から第4のセル1223までの各々は、円筒セルであり、円筒軸1300を有し、鉛直に立てられる。円筒軸1300は、上下方向DVに伸びる。
【0060】
(正極ブスの構造及び配置)
図9の模式図は、正極ブスの斜視図である。
【0061】
図4、
図5、
図7及び
図9に示されるように、正極ブス1240は、正極集電板1320、正極延長板1321及び正極ポール1322を備える。
【0062】
正極集電板1320及び正極延長板1321は、収容空間1280に収容される。正極ポール1322は、第1の側壁1140を貫通する。
【0063】
正極集電板1320及び正極延長板1321は、連続する。正極集電板1320及び正極延長板1321は、直角に曲げられた1個の部品を構成し、電気的に導通する。正極集電板1320及び正極延長板1321が2個以上の部品の結合物であってもよい。
【0064】
正極集電板1320及び正極延長板1321が板形状を有することは、正極ブス1240の電気抵抗の低下に寄与する。しかし、正極集電板1320及び正極延長板1321が板形状を有しない形状物に置き換えられてもよい。例えば、正極集電板1320及び正極延長板1321が棒形状、管形状等を有する形状物に置き換えられてもよい。
【0065】
正極ポール1322は、収容空間1280において正極延長板1321に結合され、箱1100の外部において正極ブスバー1241に結合される。正極集電板1320、正極延長板1321、正極ポール1322及び正極ブスバー1241は、電気的に導通する。
【0066】
正極ポール1322がポール形状を有することは、正極ポール1322を経由する熱の出入りの抑制に寄与する。しかし、正極ポール1322がポール形状を有しない形状物に置き換えられてもよい。例えば、正極ポール1322が板形状を有する形状物に置き換えられてもよい。
【0067】
正極集電板1320は、第2の側壁1141の内面1341に沿う。正極延長板1321は、第1の側壁1140の内面1340に沿う。
【0068】
(正極ブスバー)
図1に示されるように、正極ブスバー1241は、正極端子になる。第1の段内配線1060から第6の段内配線1065まで、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028のいずれかが正極ブスバー1241に結合される。正極ブスバー1241が省略され正極ポール1322の箱1100の外部に露出する部分が正極端子になってもよい。正極ブスバー1241が「ブスバー」とは呼びがたい形状を有する端子に置き換えられてもよい。
【0069】
(負極ブスの構造及び配置)
図10の模式図は、負極ブスの斜視図である。
【0070】
図4、
図6、
図8及び
図10に示されるように、負極ブス1260は、負極集電板1360、負極延長板1361及び負極ポール1362を備える。
【0071】
負極集電板1360及び負極延長板1361は、収容空間1280に収容される。負極ポール1362は、第1の側壁1140を貫通する。
【0072】
負極集電板1360及び負極延長板1361は、連続する。負極集電板1360及び負極延長板1361は、直角に曲げられた1個の部品を構成し、電気的に導通する。負極集電板1360及び負極延長板1361が2個以上の部品の結合物であってもよい。
【0073】
負極集電板1360及び負極延長板1361が板形状を有することは、負極ブス1260の電気抵抗の低下に寄与する。しかし、負極集電板1360及び負極延長板1361が板形状を有しない形状物に置き換えられてもよい。例えば、負極集電板1360及び負極延長板1361が棒形状、管形状等を有する形状物に置き換えられてもよい。
【0074】
負極ポール1362は、収容空間1280において負極延長板1361に結合され、箱1100の外部において負極ブスバー1261に結合される。負極集電板1360、負極延長板1361、負極ポール1362及び負極ブスバー1261は電気的に導通する。
【0075】
負極ポール1362がポール形状を有することは、負極ポール1362を経由する熱の出入りの抑制に寄与する。しかし、負極ポール1362がポール形状を有しない形状物に置き換えられてもよい。例えば、負極ポール1362が板形状を有する形状物に置き換えられてもよい。
【0076】
負極集電板1360は、第3の側壁1142の内面1342に沿う。負極延長板1361は、第1の側壁1140の内面1340に沿う。
【0077】
(負極ブスバー)
図1に示されるように、負極ブスバー1261は負極端子になる。第1の段内配線1060から第6の段内配線1065まで、第1の段間配線1027及び第2の段間配線1028のいずれかが負極ブスバー1261に結合される。負極ブスバー1261が省略され負極ポール1362の箱1100の外部に露出する部分が負極端子になってもよい。負極ブスバー1261が「ブスバー」とは呼びがたい形状を有する端子に置き換えられてもよい。
【0078】
(接続構造)
図11の模式図は、正極ブスバー及びその近傍の斜視図である。
図12の模式図は、正極ブスバー及びその近傍の鉛直断面図である。
図13は、正極ブスバー及び可とう導体の接続構造の断面図である。
【0079】
図11から
図13までに示されるように、正極ブスバー1241は、接続部1380及び近接部1381を備える。第1の段内配線1060から第6の段内配線1065までの各々は、可とう導体1400を備える。可とう導体1400は、一のモジュール電池1040の正極ブスバー1241と他のモジュール電池1040の負極ブスバー1261とを接続する。一のモジュール電池1040及び他のモジュール電池1040は、左右方向DH1に隣接する。可とう導体1400は、接続部1420及び網線1421を備える。
【0080】
正極ブスバー1241の近接部1381には、正極ポール1322が結合される。
【0081】
正極ブスバー1241の接続部1380には、ボルト孔1440が形成される。可とう導体1400の接続部1420にも、ボルト孔1460が形成される。正極ブスバー1241の接続部1380及び可とう導体1400の接続部1420は重ねられ、正極ブスバー1241の接続部1380に形成されるボルト孔1440及び可とう導体1400の接続部1420に形成されるボルト孔1460にボルト1401が挿入される。ナット1402は、ボルト1401に螺合される。正極ブスバー1241の接続部1380及び可とう導体1400の接続部1420は、ボルト1401及びナット1402により締結される。
【0082】
ボルト1401及びナット1402は、正極ブスバー1241の接続部1380及び可とう導体1400の接続部1420を締結する締結機構である。ボルト1401及びナット1402が他の種類の締結機構に置き換えられてもよい。例えば、ボルト1401及びナット1402がリベットに置き換えられてもよい。
【0083】
正極ブスバー1241の接続部1380の表面及び可とう導体1400の接続部1420の表面は、ニッケルめっきされる。
【0084】
正極ブスバー1241の接続部1380の表面及び可とう導体1400の接続部1420の表面がニッケルめっきされる場合は、銀メッキされた場合と比較して、正極ブスバー1241及び可とう導体1400の耐久性及び耐熱性が向上するが、接続抵抗が高くなる。接続抵抗が高くなる問題は、正極ブスバー1241の接続部1380及び可とう導体1400の接続部1420の接触面積を大きくし、正極ブスバー1241の接続部1380及び可とう導体1400の接続部1420を強力に密着させることにより解消する。
【0085】
正極ブスバー1241は、板形状を有する。正極ブスバー1241の接続部1380は、正極ブスバー1241の一端寄りを占める。正極ブスバー1241の近接部1381は、正極ブスバー1241の他端寄りを占める。正極ブスバー1241の接続部1380及び近接部1381は、第1の側壁1140の外面1150に平行に配置される。第1の側壁1140から正極ブスバー1241の接続部1380までの距離は、ボルト1401のボルト長より長く、第1の側壁1140から近接部1381までの距離より長い。望ましくは、第1の側壁1140から正極ブスバー1241の接続部1380までの距離は、ボルト長の2倍以上である。
【0086】
第1の側壁1140から正極ブスバー1241の接続部1380までの距離がボルト長より長い場合は、ボルト1401が第1の側壁1140に接触しにくい。
【0087】
第1の側壁1140から正極ブスバー1241の近接部1381までの距離が短い場合は、正極ポール1322が短くなる。正極ポール1322を経由する熱の出入りが抑制され、収容空間1280の温度の調整が容易になる。
【0088】
正極ブスバー1241及び負極ブスバー1261が左右対称の構造を有する点を除いて、負極ブスバー1261及び可とう導体1400も同様に接続される。
【0089】
(支持構造)
図11及び
図12に示されるように、正極支持体1111は、台座1500、台座固定用のボルト1501、下端キャップ1502、碍子1503、上端キャップ1504、L字金具1505、L字金具固定用のボルト1506及びL字金具固定用のナット1507を備える。
【0090】
碍子1503の下端1520及び下端キャップ1502の内面1540は、セメント接合される。碍子1503の下端1520及び下端キャップ1502の内面1540がセメント接合以外により接合されてもよい。
【0091】
下端キャップ1502の外面1541及び台座1500の上面1560は、溶接される。下端キャップ1502の外面1541及び台座1500の上面1560が溶接以外により接合されてもよい。
【0092】
台座1500は、台座固定用のボルト1501により架台1101に固定される。台座1500にはボルト孔1580が形成される。架台1101にはボルト孔1600が形成される。ボルト孔1600の内面には、ねじ溝が切られる。台座1500は、架台1101に載せられる。台座固定用のボルト1501は、台座1500に形成されるボルト孔1580及び架台1101に形成されるボルト孔1600に挿入され、架台1101に形成されるボルト孔1600に切られるねじ溝に螺合される。台座1500に形成されるボルト孔1580は、前後方向DH2に長い長孔である。これにより、台座1500の位置を前後方向DH2に調整可能である。
【0093】
碍子1503の上端1521及び上端キャップ1504の内面1620は、セメント接合される。碍子1503の上端1521及び上端キャップ1504の内面1620がセメント接合以外により接合されてもよい。
【0094】
上端キャップ1504の外面1621及びL字金具1505の水平部1640の外面1660は、溶接される。上端キャップ1504の外面1621及びL字金具1505の水平部1640の外面1660が溶接以外により接合されてもよい。
【0095】
L字金具1505の鉛直部1641は、L字金具固定用のボルト1506及びナット1507により正極ブスバー1241に固定される。L字金具1505の鉛直部1641には、ボルト孔1665が形成される。正極ブスバー1241には、ボルト孔1680が形成される。L字金具1505の鉛直部1641及び正極ブスバー1241は、重ねられる。L字金具固定用のボルト1506は、L字金具1505に形成されるボルト孔1665及び正極ブスバー1241に形成されるボルト孔1680に挿入される。L字金具固定用のナット1507は、L字金具固定用のボルト1506に螺合される。L字金具1505に形成されるボルト孔1665は、上下方向DVに長い長孔である。これにより、L字金具1505の位置を上下方向DVに調整可能である。
【0096】
碍子1503の寸法のばらつきは、台座1500及びL字金具1505の位置調整により吸収される。
【0097】
正極ブスバー1241は、正極支持体1111に支持される。架台1101に結合される台座1500及び正極ブスバー1241に結合されるL字金具1505は、碍子1503により絶縁される。
【0098】
架台1101に結合される結合部が台座1500以外であってもよく、正極ブスバー1241に結合される結合部がL字金具1505以外であってもよい。
【0099】
モジュール電池1040が燃焼し燃焼の影響が可とう導体1400に及んだ場合でも、正極ブスバー1241が正極支持体1111に支持されている限り、可とう導体1400は脱落しにくく、絶縁は維持される。このため、電力貯蔵装置1000の安全性が向上する。
【0100】
正極支持体1111が正極ブスバー1241を支持するのと同じように負極支持体1112も負極ブスバー1261を支持する。
【0101】
(電圧計測線)
図11に示されるように、正極ブスバー1241には第1の電圧計測線1670が結合され、可とう導体1400には第2の電圧計測線1671が結合される。モジュール電池1040に流れる電流並びに第1の電圧計測線1670及び第2の電圧計測線1671の間に現れる電圧から、正極ブスバー1241及び可とう導体1400の接続抵抗が測定される。これにより、正極ブスバー1241及び可とう導体1400の接触不良が容易に検出される。接触不良が検出された場合は、モジュール電池1040の充放電が停止される。
【0102】
(ストリング間の接続)
図14の回路図は、モジュール電池を示す。
【0103】
図4から
図10まで及び
図14に示されるように、正極集電板1320は、p個の接続端子1700を備える。p個の接続端子1700は、正極集電板1320の上端にある。負極集電板1360は、p個の接続端子1720を備える。p個の接続端子1720は、負極集電板1360の上端にある。
【0104】
最も正極側の第1のストリング群1103_1に属するp個のストリング1200の各々の正極端1740は、p個の接続端子1700のいずれかに結合される。第1のストリング群1103_1に属するp個のストリング1200の各々の負極端1741は、第1の並列ブス1108_1に結合される。第1のストリング群1103_1に属するp個のストリング1200は正極集電板1320及び第1の並列ブス1108_1により並列接続され、第1のブロックが構成される。第1のブロックに電流が流れる場合は、第1のストリング群1103_1に属するp個のストリング1200に分かれて電流が流れる。
【0105】
整数iが2以上n−1以下である場合に、第iのストリング群1103_iに属するp個のストリング1200の各々の正極端1740は、第i−1の並列ブス1108_i−1に結合される。第iのストリング群1103_iに属するp個のストリング1200の各々の負極端1741は、第iの並列ブス1108_iに結合される。第iのストリング群1103_iに属するp個のストリング1200は第i−1の並列ブス1108_i−1及び第iの並列ブス1108_iにより並列接続され、第iのブロックが構成される。第iのブロックに電流が流れる場合は、第iのストリング群1103_iに属するp個のストリング1200に分かれて電流が流れる。
【0106】
最も負極側の第nのストリング群1103_nに属するp個のストリング1200の各々の正極端1740は、第mの並列ブス1108_mに結合される。第nのストリング群1103_nに属するp個のストリング1200の各々の負極端1741は、p個の接続端子1720のいずれかに電気的に結合される。第nのストリング群1103_nに属するp個のストリング1200は第mの並列ブス1108_m及び負極集電板1360により並列接続され、第nのブロックが構成される。第nのブロックに電流が流れる場合は、第nのストリング群1103_nに属するp個のストリング1200に分かれて電流が流れる。
【0107】
(ストリングの接続)
図4から
図8まで及び
図14に示されるように、ストリング1200の各々においては、第1のセル1220から第4のセル1223まで、第1のヒューズ1224及び第2のヒューズ1225が直列接続される。第1のセル1220から第4のセル1223までは、第1のセル接続子1226から第3のセル接続子1228までにより直列接続される。第1のセル接続子1226から第3のセル接続子1228までの全部又は一部が省略され、セルの負極端子及びセルの正極端子が直結されてもよい。セルの直列数が増減されてもよい。第1のヒューズ1224及び第2のヒューズ1225の両方又は片方が省略されてもよい。
【0108】
ストリング1200に電流が流れる場合は、第1のセル1220から第4のセル1223まで及び第1のヒューズ1224及び第2のヒューズ1225に電流が流れる。
【0109】
(ブスの性質)
正極ブス1240、m個の並列ブス1108_1,1108_2,・・・,1108_m、負極ブス1260、正極ブスバー1241、負極ブスバー1261等のブスは、低い電気抵抗、高い機械的強度及び高い耐熱性を持つ配線構造物であり、典型的には板形状又は棒形状を持つ。ただし、ブスの全部又は一部が他の種類の配線構造物に置き換えられてもよい。例えば、ブスの全部又は一部がケーブルに置き換えられてもよい。
【0110】
ブスは、望ましくは金属又は合金からなり、さらに望ましくはアルミニウム合金からなる。
【0111】
ストリング1200及びブスの接続並びにブス同士の結合は、溶接、かしめ、ねじ止め等のナトリウム−硫黄電池が動作する高温に耐える方法で行われる。これにより、ストリング1200及びブスが電気的に導通し、ブス同士が電気的に導通する。
【0112】
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての局面において例示であって限定的ではない。したがって、本発明の範囲からはずれることなく無数の修正及び変形が案出されうると解される。