特許第6182163号(P6182163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6182163トリプレックス自動接着装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182163
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】トリプレックス自動接着装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 9/06 20060101AFI20170807BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20170807BHJP
   C09J 5/06 20060101ALI20170807BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20170807BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B63B9/06 Z
   B63B25/16 F
   B63B25/16 103
   C09J5/06
   B05C5/00 101
   B05C9/14
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-559816(P2014-559816)
(86)(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公表番号】特表2015-515407(P2015-515407A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】KR2012011654
(87)【国際公開番号】WO2013129765
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2014年9月3日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0020229
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512070698
【氏名又は名称】ヒョンデ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェムク
(72)【発明者】
【氏名】キム デスン
(72)【発明者】
【氏名】パク インワン
(72)【発明者】
【氏名】キム デヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン サンリョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョムグ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ウンハ
(72)【発明者】
【氏名】ベク ユンホ
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−332459(JP,A)
【文献】 特表2010−513136(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0028076(KR,A)
【文献】 特開平08−105843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 9/06
B05C 5/00
B05C 9/14
B63B 25/16
C09J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガス運搬船の貨物艙の内部に固定された断熱パネルの表面における幅方向一端側に設けられたガイドレールに沿って移動し、底面、壁面及び天井面にトリプレックスを付着するトリプレックス自動接着装置において、
メインフレームと、
前記メインフレームに固定され、前記ガイドレールの内側面に所定の圧力で密着して前記トリプレックス自動接着装置を保持する複数の走行ローラ部と、
前記トリプレックス自動接着装置の駆動によって前記底面、壁面及び天井面に所定の量のグルーを塗布する少なくとも1つのグルー塗布ガン部と、
前記少なくとも1つのグルー塗布ガン部によって塗布されたグルー上に配置される前記トリプレックスを所定の圧力または温度で加熱圧着する加熱圧着部と、を備え、
前記複数の走行ローラ部は、
前記ガイドレールの内側面に所定の圧力で密着されて回転する一対の走行ローラと、
空圧制御バルブによって圧力値を変化させ、前記変化された圧力値に応じてピストンを前後進させる空圧シリンダと、
前記空圧シリンダの両下端に密着されて、前記ピストンの前後進運動を回転運動に切り換える回転ギアと、
前記一対の走行ローラの中心軸と結合され、前記回転ギアと噛み合って、前記回転ギアの回転運動によって前記ガイドレールの幅方向に可変移動される一対の可変部材と、を備え、
前記加熱圧着部は、
所定の温度を維持し、前記トリプレックスに直接接触する板形のヒートスケートと、
ピストンの前方または後方運動によって所定の圧力を加圧または減圧できる第2の空圧シリンダと、
前記ヒートスケートと前記第2の空圧シリンダとを連結して、前記第2の空圧シリンダの圧力を前記ヒートスケートに伝達するヒンジとを備え、
前記加熱圧着部の前方に位置して、前記底面、壁面及び天井面に塗布されたグルー上に配置される前記トリプレックスを所定の圧力で1次圧着する少なくとも1つの加圧ローラ部をさらに備え、
前記加熱圧着部及び加圧ローラ部は、前記グルー塗布ガン部によってグルーが付着され
た前記トリプレックスを1次圧着する第1の加圧ローラ部と、前記1次加圧ローラ部によって圧着された前記トリプレックスを加熱して2次圧着する第1の加熱圧着部と、前記第1の加熱圧着部によって加熱され2次圧着された前記トリプレックスを再度3次圧着する第2の加圧ローラ部と、前記第2の加圧ローラ部によって3次圧着された前記トリプレックスを加熱して4次圧着する第2の加熱圧着部とを備え、
前記第1及び第2の加圧ローラ部は、加圧ローラの上部に隣接連結され、空気圧を調節して接着面方向に圧着する第3の空圧シリンダと、前記第3の空圧シリンダの上部に隣接連結され、トリプレックスジグの幅方向テンションを一定に維持して前記トリプレックスが一定幅を有して接着されるようにするテンション維持ロールを備える、ことを特徴とするトリプレックス自動接着装置。
【請求項2】
前記複数の走行ローラ部は、
前記メインフレームの前端部及び後端部に各々固定されることを特徴とする、レール走行方式の請求項1に記載のトリプレックス自動接着装置。
【請求項3】
前記ヒートスケートは、
前端と後端にローラが備えられることを特徴とする、請求項1に記載のトリプレックス自動接着装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの加圧ローラ部は円筒形で構成され、両端に各々円周面から突出するガイド鍔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のトリプレックス自動接着装置。
【請求項5】
液化天然ガス運搬船の貨物艙の内部に固定された断熱パネルの表面における幅方向一端側に設けられたガイドレールに沿って移動し、底面、壁面及び天井面にトリプレックスを付着する請求項1に記載のトリプレックス自動接着装置において行われるトリプレックス自動接着装置の制御方法であって、
(a)前記トリプレックス自動接着装置の姿勢情報を収集し、収集された姿勢情報に基づいて姿勢による横方向加圧範囲を確認するステップと、
(b)前記横方向加圧範囲を満たすように第1の空圧シリンダを制御して、前記トリプレックス自動接着装置の走行ローラをガイドレールに密着させるステップと、
(c)前記トリプレックス自動接着装置を走行させ、走行中の前記トリプレックス自動接着装置の加圧状態を確認して、走行中にも前記横方向加圧範囲を満たすように前記第1の空圧シリンダを制御するステップと、を含み、
前記ステップ(c)は、
前記トリプレックス自動接着装置の走行により変化された圧力を確認するステップと、
前記横方向加圧範囲が適合するように、前記変化された圧力に所定の圧力を加圧または減圧するステップと、を含み、さらに、
前記ステップ(c)では、前記トリプレックス自動接着装置と前記ガイドレールとの間に所定の圧力を維持するように前記空圧シリンダを制御し、前記トリプレックス自動接着装置の配向情報及び傾斜角に関する情報を確認して、空気圧によって前記第1の空圧シリンダを上下に移動させること
を含むことを特徴とする、トリプレックス自動接着装置の制御方法。
【請求項6】
前記トリプレックス自動接着装置の制御方法は、
(d)前記収集された姿勢情報に基づいて姿勢による横方向加圧範囲を確認し、前記横方向加圧範囲を満たすように第1の空圧シリンダを制御して、前記トリプレックス自動接着装置の加熱圧着部を前記底面、壁面及び天井面に圧着させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のトリプレックス自動接着装置の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、トリプレックス自動接着装置及びその制御方法に関し、特に、レール間隔に変化が発生しても流動的にレールに沿って幅間隔変化を提供できるトリプレックス自動接着装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のトリプレックス(Triplex)自動接着装備は、ディスペンスに連結されている塗布ノズルを本体に付着して接着剤を接着面に塗布し、塗布された接着剤上にトリプレックスストリップを加圧して接触面に付着する方式であった。
【0003】
そして、このような従来の自動接着装備は、断熱パネルの横面に対して機構的なリンク(例えば、スパイクホイール)で圧着して断熱パネルの横面を走行し、また、 断熱パネル間の交差部位を通るために、さらにブリッジを設置して、ブリッジに圧着して通るようにした。
【0004】
一方、特許文献1は、トリプレックス自動付着装置に関するものであって、メインフレームと、メインフレームの前端側と後端側に一対ずつの駆動ホイールが設置されて、断熱パネルの壁面に沿って走行する前輪走行部及び後輪走行部と、主剤と硬化剤の接着剤が充填されているディスペンサーをメインフレームに脱装着可能なように設置させるディスペンサー装着部と、メインフレーム上に固設され、トリプレックスが巻き取られるシートジグと、シートジグから解けてくるトリプレックスの一端にディスペンサーから供給される接着剤が抜け出ることを防止するようにメインフレームに設置されるテープ設置用テープジグと、テープジグと近接設置されて、ディスペンサーから供給される接着剤とトリプレックスとを加圧して接着剤がトリフレックスに均等に分布するように導く加圧ローラ部と、加圧ローラ部により付着された状態のトリプレックスを加圧と同時に加熱させて接着力を向上させるためのヒートパッド部と、ディスペンサー装着部に装着されたディスペンサーの制御機能を備えて運転を制御する制御部とを備える。したがって、当該発明によれば、装備の駆動方式で前輪と後輪に走行部を設置して、装備の移動系統の平坦度が劣ることになっても持ち上がるか、差し込まれることなく、安定的な移動が可能なようにし、断熱パネルに挿入されて移動をガイドするガイド試片に空気圧プッシュ方式を採択して、いかなる条件下でも同じ圧力が加えられて、運転負荷を前後輪走行部に均等に分布させる。また、小型の円筒形ディスペンサーが装着されることにより移動性の向上をもたらして、作業投入人力を減らすことができ、吐出ホースにおけるダンピング現象の最小化をなすことができる。
【0005】
しかし、このような従来の技術は、壁面、天井面のように所定の角度を有する傾斜がある場合、重力による影響によってトリプレックスを付着し難いという限界性があったが、つまり、密閉されたLNG船貨物艙等において、底面では接着が可能であるが、壁面や天井面に対しては、付加的な装置を備えるなどの手段無しでは実質的にトリプレックスが自動付着できないという限界があった。
【0006】
そして、このような従来の技術は、断熱パネル間の段差により、接着装置がその段差にしたがって動いてトリプレックスの傾き現象が起こるという問題があり、また、既存の装備の走行概念では、断熱パネルのプライウッドとPUフォームとの間の溝を用いなければならないので、断熱パネルの製作の際、追加的作業を必要とするという短所があった。
【0007】
しかも、従来の自動接着装備は、駆動力が弱く、底で発生する圧力に脆弱であり、全姿勢対応が難しいという短所があり、ブリッジを設置するさらなる作業が必要で、また、バブルを均等に押し出すことができないという問題が生じた。
【0008】
そして、従来の自動接着装備には、接着剤を均等に拡散するために加圧ローラを使用するが、このとき、加圧ローラを使用する場合にグルーが均等に広がらない状況がしばしば発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0028076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願は、断熱パネルに固定されたガイドレールに沿って走行し、グルーを塗布したトリプレックスを加熱及び圧着して接着面に付着することにより、メンブレンガス船貨物艙の側面または天井面に対しても安定的なトリプレックスを付着することができるトリプレックス自動接着装置及びその提供方法を提供する。
【0011】
本出願は、加圧ローラの使用を最小化、または使用せずに、ヒートスケートの使用を極大化して、加圧ローラを用いるときに起こるグルーが均等に広がらないという問題点を解決したトリプレックス自動接着装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態のうち、トリプレックス自動接着装置は、メインフレームと、前記メインフレームに固定され、前記ガイドレールの内側面に所定の圧力で密着して前記トリプレックス自動接着装置を保持する複数の走行ローラ部と、前記トリプレックス自動接着装置の駆動によって底面に所定の量のグルーを塗布する少なくとも1つのグルー塗布ガン部と、前記少なくとも1つのグルー塗布ガン部によって塗布されたグルー上に配置される前記トリプレックスを所定の圧力または温度で加熱圧着する加熱圧着部とを備える。
【0013】
一実施形態において、前記複数の走行ローラ部は、前記ガイドレールの内側面に所定の圧力で密着されて回転する一対の走行ローラと、空圧制御バルブによって圧力値を変化させ、前記変化された圧力値に応じてピストンを前後進させる空圧シリンダと、前記空圧シリンダの両側下端に密着されて、前記ピストンの前後進運動を回転運動に切り換える回転ギアと、前記一対の走行ローラの中心軸と結合され、前記回転ギアと噛み合って、前記回転ギアの回転運動によって左側または右側方向に可変移動される一対の可変部材とを備えることを特徴とすることができる。
【0014】
一実施形態において、前記複数の走行ローラ部は、前記メインフレームの前端部及び後端部に各々固定されることを特徴とすることができる。
【0015】
一実施形態において、前記トリプレックス自動接着装置は、前記加熱圧着部の前方に位置して、前記底面に塗布されたグルー上に配置される前記トリプレックスを所定の圧力で1次圧着する少なくとも1つの加圧ローラ部をさらに備え、前記加熱圧着部は、前記少なくとも1つの加圧ローラ部によって1次圧着されたトリプレックスを所定の圧力または温度で2次圧着または加熱することを特徴とすることができる。
【0016】
一実施形態において、前記加熱圧着部は、所定の温度を維持し、前記トリプレックスに直接接触する板形のヒートスケートと、ピストンの前方または後方運動によって所定の圧力を加圧または減圧できる第2の空圧シリンダと、前記ヒートスケートと前記第2の空圧シリンダとを連結して、前記第2の空圧シリンダの圧力を前記ヒートスケートに伝達するヒンジとを備えることを特徴とすることができる。
【0017】
一実施形態において、前記ヒートスケートは、前端と後端にローラが備えられることを特徴とすることができる。
【0018】
一実施形態において、前記少なくとも1つの加圧ローラ部は円筒形で構成され、両端に各々円周面から突出されるガイド鍔が形成されることを特徴とすることができる。
【0019】
実施形態のうち、トリプレックス自動接着装置の制御方法は、(a)前記トリプレックス自動接着装置の姿勢情報を収集し、収集された姿勢情報に基づいて姿勢による横方向加圧範囲を確認するステップ、(b)前記横方向加圧範囲を満たすように第1の空圧シリンダを制御して、前記トリプレックス自動接着装置のガイドローラをガイドレールに密着させるステップ、及び(c)前記トリプレックス自動接着装置を走行させ、走行中の前記トリプレックス自動接着装置の加圧状態を確認して、走行中にも前記横方向加圧範囲を満たすように前記第1の空圧シリンダを制御するステップを含む。
【0020】
一実施形態において、前記(c)ステップは、前記トリプレックス自動接着装置の走行により変化された圧力を確認するステップ及び前記横方向加圧範囲が適合するように、前記変化された圧力に所定の圧力を加圧または減圧するステップを含むことを特徴とすることができる。
【0021】
一実施形態において、前記トリプレックス自動接着装置の制御方法は、(d)前記収集された姿勢情報に基づいて姿勢による横方向加圧範囲を確認し、前記横方向加圧範囲を満たすように第1の空圧シリンダを制御して、前記トリプレックス自動接着装置の加熱圧着部を底面に圧着させるステップをさらに含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本出願の開示された技術によれば、第1の空圧シリンダによってガイドレールとの圧縮力を維持することにより、傾斜壁面や天井面に対しても安定的に実行可能であるという効果がある。
【0023】
また、本出願の開示された技術によれば、レールを設置して断熱パネル間の段差をレールにおいて補償することにより、接着装置とトリプレックスの傾き現象を効果的に防止することができる。
【0024】
また、本出願の開示された技術によれば、既存の加圧ローラを使用してグルーを1次的に拡散し、加熱圧着部の所定圧力と温度で2次加圧していた技術から、加圧ローラを使用せずに、加熱圧着部のみの高い圧力と所定の温度で底面に塗布されたグルーを均等に拡散できるようにすることによりバブルがよく押し出されて品質が向上し、加圧ローラを使用しないので、装置の体積が小さくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置の第1動作を説明するための複数の走行ローラ部の参考図である。
図3】本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置のガイドレールを示す参考図である。
図4】本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置のヒートスケートに対する参考図である。
図5図1による本出願のトリプレックス自動接着装置の制御方法の一実施形態に対する制御順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
開示された技術に関する説明は、構造的ないし機能的説明のための実施形態にすぎないため、開示された技術の権利範囲は、本文に説明された実施形態によって制限されることと解析されてはならない。すなわち、実施形態は、様々な変更が可能で、種々の形態を有することができるので、開示された技術の権利範囲は、技術的思想を実現できる均等物等を含むものと理解されなければならない。また、開示された技術において提示された目的または効果は、特定実施形態がこれを全て含まなければならないとか、そのような効果のみを含まなければならないという意味ではないので、開示された技術の権利範囲は、これによって制限されることと理解されてはいけないことである。
【0027】
一方、本出願で述べられる用語の意味は、次のように理解されなければならない。
【0028】
「第1」、「第2」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであって、これらの用語等により権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在できるとも理解されるべきである。それに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「〜間に」と「すぐ〜間に」、または「〜に隣り合う」と「〜に直接隣り合う」等も同様に解析されなければならない。
【0030】
単数の表現は、文脈上、明白に違って意味しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならず、「備える」または「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、或いはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、或いはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0031】
ここで使用される全ての用語は別途定義されない限り、開示された技術が属する分野における通常の知識を有した者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致するものと解析されなければならず、本出願において、明白に定義しない限り、理想的とか過度に形式的な意味を有することと解析されることができない。
【0032】
図1は、開示された技術によるトリプレックス自動接着装置の一実施形態に対する正面図である。
【0033】
図1に示すように、トリプレックス自動接着装置10は、メインフレーム100、複数の走行ローラ部300、少なくとも1つのグルー塗布ガン部500、及び加熱圧着部400を備えることができる。一実施形態において、トリプレックス自動接着装置10は、トリプレックスジグ200、加圧ローラ部600、マスキングテープジグ700、駆動部(図示せず)、制御部800、またはセンサ部(図示せず)のうち、少なくとも1つをさらに備えることができる。
【0034】
トリプレックスジグ200は、トリプレックス210を積載することができる。例えば、トリプレックスジグ200は、トリプレックス210を円形ロール形態で巻いて積載することができる。
【0035】
トリプレックス210は、トリプレックスジグ200から引き出されグルーが塗布された接着面上に配置されることができる。一実施形態において、トリプレックスジグ200から引き出されたトリプレックス210は、少なくとも1つのテンション維持ロール630を経た後、トリプレックスガイドローラ640を経て底面上にガイドされることができる。
【0036】
グルー塗布ガン部500は、トリプレックスジグ200から引き出されるトリプレックス210の底面に所定の量のグルーを塗布することができる。
【0037】
一実施形態において、グルー塗布ガン部500は、トリプレックス210の接着面に直接所定の量のグルーを塗布することができる。
【0038】
一実施形態において、グルー塗布ガン部500は、所定の傾斜角を有してトリプレックス自動接着装置10の前端に位置することができる。
【0039】
一実施形態において、グルー塗布ガン部500は、制御部800によって設定された所定の量のグルーを、引き出されたトリプレックス210の接着面または底面に塗布することができる。開示された技術は、トリプレックスジグ200から引き出されたトリプレックス210を接着面に付着するために、トリプレックス210の接着面または底面にグルーを塗布した後、加圧ローラ部600及び加熱圧着部400を介してトリプレックス210に1次圧着、2次圧着、及び加熱をして接着させることができる。
【0040】
一実施形態において、グルー塗布ガン部500は、グルーを押して圧縮する圧着機、グルーを積載する円筒形のグルー管、及びグルーが塗布される排出口を備えることができる。ここで、排出口は、出口が広くなる扇状で平たい形状として実現することができる。これは、円筒形のグルー管に積載されたグルーを底面に比較的広くて均等に塗布できる効果を有するためである。
【0041】
加圧ローラ部600は、グルーが塗布されたトリプレックス210を1次圧着し、トリプレックス210のテンションを維持させることができる。
【0042】
一実施形態において、加圧ローラ部600は、一対の加圧ローラ610、第3の空圧シリンダ620、テンション維持ロール630、及びトリプレックスガイドローラ640を備えることができる。一対の加圧ローラ610は、接着面と平行した軸を有して回転する一対のローラで構成することができる。または、一対の加圧ローラ610は、接着面と平行した軸を各々有し、相互間に所定間隔で密着された複数個の円形ローラで構成することができる。
【0043】
一実施形態において、加圧ローラ部600は円筒形で構成され、両端に各々円周面から突出されるガイド鍔が形成され得る。
【0044】
一実施形態において、加圧ローラ部600は、両端に所定の傾斜角を有し、底面と平行をなす圧着面で形成されることができる。
【0045】
第3の空圧シリンダ620は、一対の加圧ローラ610の上部に隣接連結され、制御部800の制御によって空気圧を調節して一対の加圧ローラ610を接着面方向に圧着することができる。
【0046】
テンション維持ロール630は、第3の空圧シリンダ620の上部に隣接連結され、トリプレックスジグ200から引き出されたトリプレックス210の幅方向テンションを一定に維持してトリプレックス210の傾き現象を防止することができる。
【0047】
一実施形態において、テンション維持ロール630は、圧延ロール形態で形成されることができる。
【0048】
トリプレックスガイドローラ640は、一対の加圧ローラ610の前端に位置し、マスキングテープ710とトリプレックス210とが所定の幅を有して接着されるようにすることができる。
【0049】
加熱圧着部400は、グルーが塗布されたトリプレックス210を加熱及び2次圧着することができる。一実施形態において、加熱圧着部400は、ヒートスケート410、第2の空圧シリンダ420、及びヒートスケート410と第2の空圧シリンダ420とを連結するヒンジ(図示せず)を備えることができる。
【0050】
このような加熱圧着部400は高圧を使用するので、従来のトリプレックス付着装置よりバブルが少なく、接着力と密着性においてさらに優れて、より強くトリプレックスを付着できるという効果がある。
【0051】
一実施形態において、ヒートスケート410は四角形状で実現され、トリプレックス210と底面の接着力を向上させるために、前端と後端に図4に示すようなスケートローラ411を備えることができる。ここで、図4は、本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置のヒートスケートに対する参考図である。
【0052】
一実施形態において、加熱圧着部400は、制御部800の制御によって加熱温度または空気圧を調節してヒートスケート410を接着面方向に所定の温度で圧着することができる。
【0053】
一実施形態において、加圧ローラ部600及び加熱圧着部400は、順次繰り返す手順で複数配置することができる。例えば、加熱圧着部400及び加圧ローラ部600は、グルー塗布ガン部500によってグルーが付着されたトリプレックス210を1次圧着する第1の加圧ローラ部と、1次加圧ローラ部によって圧着されたトリプレックス210を加熱して2次圧着する第1の加熱圧着部と、第1の加熱圧着部によって加熱され2次圧着されたトリプレックス210を再度3次圧着する第2の加圧ローラ部と、第2の加圧ローラ部によって3次圧着されたトリプレックス210を加熱して4次圧着する第2の加熱圧着部とで構成することができる。
【0054】
一実施形態において、加熱圧着部400は、加圧ローラ部600の存在有無と関係なく、加熱圧着部400のシリンダを用いた高い圧力でトリプレックス210を圧着させることができる。
【0055】
複数の走行ローラ部300は、トリプレックス自動接着装置10の左右側に位置したパネル30に固定されているガイドレール20の側面に所定の圧力で密着することができる。一実施形態において、複数の走行ローラ部300は、一対の走行ローラ310、第1の空圧シリンダ320、垂直移動バー370、回転ギア330、可変部材340、走行ガイドバー380、走行モータ350、及びピニオンギア360とを備えることができる。
【0056】
一実施形態において、複数の走行ローラ部300は、トリプレックス自動接着装置10とガイドレール20との間に所定の圧力を維持してトリプレックス自動接着装置10がガイドレール20に密着するようにできる。
【0057】
一実施形態において、複数の走行ローラ部300は、第1の空圧シリンダ320による空圧によってガイドレール20に密着され得る。
【0058】
一実施形態において、複数の走行ローラ部300は、トリプレックス自動接着装置10の前方及び後方に各々位置することができる。
【0059】
一対の走行ローラ310は、第1の空圧シリンダ320によって可変される一対の走行ローラ310である。一対の走行ローラ310は、ガイドレール20と所定の圧力で密着することができる。一実施形態において、一対の走行ローラ310は、ガイドレール20の一端と噛み合うことができる所定の溝を備えることができる。
【0060】
第1の空圧シリンダ320は、垂直移動バー370の一端に隣接されている。一実施形態において、第1の空圧シリンダ320は、制御部800で制御される空気圧によって垂直移動バー370を上下に移動させることができる。
【0061】
垂直移動バー370は、本体に所定の凹凸を備える。一実施形態において、第1の空圧シリンダ320の一端と隣接されて、ピストンの上下運動によって上下に移動することができる。
【0062】
一実施形態において、垂直移動バー370は、上下運動し、回転ギア330を回転運動させるために、所定のギアと歯車とで構成されることができる。
【0063】
回転ギア330は、垂直移動バー370と可変部材340の一端に密着する。一実施形態において、回転ギア330は、垂直移動バー370の上下運動を回転運動に変換して可変部材340が左側や右側に動けるように歯車形式で構成されることができる。
【0064】
可変部材340の一端は、一対の走行ローラ310と隣接され、回転ギア330の回転によって左側または右側に移動して一対の走行ローラ310を幅方向に可変移動させることができる。
【0065】
手動クランピング方式の走行ガイドバー380は、突然の空圧低下のため、複数の走行ローラ部300がガイドレール20から離脱するとき、装備の落下を防止することができる。
【0066】
走行モータ350は動力を生産する。一実施形態において、走行モータ350は、1つのモータで構成されるか、直列または並列に連結された複数の走行モータ350で構成されることができる。
【0067】
ピニオンギア360は、走行モータ350から動力を受けて回転運動をすることができる。一実施形態において、ピニオンギア360は、走行モータ350から動力を受けて回転運動に切り換える。ピニオンギア360は、ガイドレール20の一端に固定されたラックギア21に噛み合うように形成されて、トリプレックス自動接着装置10を前方及び後方に移動させることができる。
【0068】
このような複数の走行ローラ部300及びそれに対する制御については、図5を参照して以下においてさらに詳しく説明する。
【0069】
一実施形態において、トリプレックス自動接着装置10は、センサ部(図示せず)を備えることができる。
【0070】
センサ部は、配向センサまたはジャイロセンサなどを備えて、トリプレックス自動接着装置10が地面に対して有する傾斜角を感知して配向情報を生成することができる。
【0071】
マスキングテープジグ700は、マスキングテープ710を積載することができる。例えば、マスキングテープジグ700は、マスキングテープ710を円形ロール形態で巻いて積載することができる。
【0072】
マスキングテープ710は、マスキングテープジグ700から引き出されてトリプレックス210の上面に接着される。一実施形態において、マスキングテープジグ700から引き出されたマスキングテープ710は、トリプレックスガイドローラ640を経てトリプレックス210の上面にガイドされて接着され得る。
【0073】
制御部800は、トリプレックス自動接着装置10の制御を担当する。
【0074】
一実施形態において、制御部800は、センサ部で提供された配向情報を利用して姿勢情報を生成することができる。姿勢情報は、トリプレックス自動接着装置10の現在姿勢を表す情報でありうる。例えば、姿勢情報は、地面、壁面、または天井面のうち、いずれか1つで表現されることができ、所定の傾斜角に関する情報をさらに含むことができる。例えば、姿勢情報が壁面であれば、トリプレックス自動接着装置10が所定角度からなる壁面に沿って走行し、トリプレックスを付着している状態を意味する。
【0075】
一実施形態において、制御部800は、各構成要素別の姿勢情報の加圧範囲に対するデータを保存することができ、姿勢情報に応じて現在姿勢に対する加圧範囲を確認し、これに基づいて他の構成要素等の加圧範囲を制御することができる。例えば、加圧範囲に対するデータは、壁面を走行する場合でも傾斜角の範囲によって異なる加圧範囲を有することができ、制御部800は、当該加圧範囲に満たないか、または、超過する圧力を感知すると、当該加圧範囲を満たすように圧力を加圧または減圧するように制御することができる。
【0076】
図2は、図1によるトリプレックス自動接着装置の複数の走行ローラ部の一実施形態に対する参考図である。
【0077】
図2に示すように、図2に開示されたトリプレックス自動接着装置の一実施形態は、ガイドレール20と複数の走行ローラ部300が離隔された状態(a)と密着した状態(b)とを示している。例えば、(a)トリプレックス自動接着装置10が最初駆動を始める前であるか、またはガイドレール20の幅が広くなった場合、(b)トリプレックス自動接着装置10が最初駆動をしているか、進行中である場合、図示された例のような状態でありうる。
【0078】
(a)離隔した状態で第1の空圧シリンダ320の圧力が増加されれば、垂直移動バー370の位置を変動することができ、垂直移動バー370の移動によって回転ギア330が回転し得る。回転ギア330の回転によって可変部材340が移動され、それにより、回転ローラは、ガイドレール20側に密着した状態(b)となる。
【0079】
図3は、本発明の一実施形態に係る本出願のトリプレックス自動接着装置のガイドレールを示す参考図である。
【0080】
図3に示すように、ガイドレール20は、断熱パネル30の上部の一端に並んで付着され得る。
【0081】
一実施形態において、ガイドレール20は、手動工法において使用されるエアバックの固定のために使用される固定サポートを組み立てるためのねじ穴を用いて断熱パネル30に結束され得る。例えば、図示された例において、断熱パネル30上に規則的に配置された黒い点は、手動工法で使用するエアバックの固定のために使用される固定サポートを組み立てるためのねじ穴であってよく、本発明は、このようなねじ穴を活用してガイドレール20を断熱パネル30に結束させることができる。このような実施形態の場合、ガイドレール20を付着するための工程が非常に簡単で設置効率が高く、またガイドレール20がより固く結束されることができ、トリプレックス自動付着装置10の荷重を容易に保持することができるという効果がある。
【0082】
図5は、トリプレックス自動接着装置の制御方法の一実施形態に係る順序図である。
【0083】
図5に示すように、トリプレックス自動接着装置10(以下、自動接着装置)の制御方法の一実施形態を説明すると、自動接着装置10は、現在自動接着装置10の姿勢情報を収集し(S410)、収集された姿勢情報に基づいて加圧範囲を確認することができる(S420)。
【0084】
自動接着装置10は、横方向の加圧範囲を満たすように第1の空圧シリンダを制御し、前記自動接着装置10の一対の走行ローラをガイドレールに密着させることができる(S430)。
【0085】
自動接着装置10は、前進方向に駆動した後(S440)、走行中である自動接着装置10の加圧状態を確認して、走行中にも横方向の加圧範囲に適合するように第1の空圧シリンダ320を制御するこができる(S450)。
【0086】
一実施形態において、自動接着装置10は、横方向加圧範囲を利用してヒートスケート410を圧着させることができる。さらに詳しく説明すれば、自動接着装置10は、収集された姿勢情報に基づいて姿勢による横方向加圧範囲を確認し、横方向加圧範囲を満たすように第2の空圧シリンダ420を制御して、トリプレックス自動接着装置の加熱圧着部のヒートスケートを底面に圧着させることができる(S460)。
【0087】
ステップS430に対する一実施形態において、自動接着装置10は、走行によって変化された圧力を確認し、横方向加圧範囲に適合するように、変化された圧力に所定の圧力を加圧または減圧することができる。
【0088】
上記では、本出願の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本出願の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本出願を様々に修正及び変更させ得ることは理解するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5