(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プラスミドは、抗生物質選択の非存在下で前記組み換えリステリアワクチン株において安定して維持されることを特徴とする請求項5に記載の組み換えリステリア株。
前記代謝酵素は、アラニンラセマーゼ酵素またはDアミノ酸トランスフェラーゼ酵素であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組み換えリステリア株。
前記異種抗原は、前立腺特異抗原(PSA)またはその断片、若しくはヒトパピローマウイルスE7(HPV−E7)またはその断片であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の組み換えリステリア株。
対象における免疫応答を誘導する薬剤を製造するための、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組み換えリステリア株、または請求項11乃至13のいずれか一項に記載のワクチンまたは免疫原性組成物の使用。
対象における腫瘍または癌を治療する薬剤を製造するための、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組み換えリステリア株、または請求項11乃至13のいずれか一項に記載のワクチンまたは免疫原性組成物の使用。
対象における腫瘍または癌の発症を防止または遅延させる薬剤を製造するための、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組み換えリステリア株、または請求項11乃至13のいずれか一項に記載のワクチンまたは免疫原性組成物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一実施形態では、ポリペプチドをコードする核酸が、一実施形態ではLLOである、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる、抗原ポリペプチドを発現する組み換えリステリア株に関する。一実施形態では、リステリアは、2つのポリペプチドを発現し、1つは腫瘍関連抗原であり、1つは血管新生ポリペプチドである。
【0014】
一実施形態では、本発明は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含む組み換えリステリア株を提供し、それぞれの該核酸分子は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードし、第1の核酸分子は、内因性LLO遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれ、第2の核酸分子は、組み換えリステリア株内のエピソーム発現ベクターに存在する。一実施形態では、第1の核酸分子は、KLK3タンパク質をコードし、第2の核酸分子は、HMW−MAAペプチドをコードし、一実施形態では、非溶血性LLO、短縮ActA、またはPEST配列をコードする核酸を伴うオープンリーディングフレームにある。
【0015】
一実施形態では、本発明は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含む組み換えリステリア株を提供し、それぞれの該核酸分子は、異種抗原ポリペプチドをコードする。
【0016】
一実施形態では、第1の核酸分子は、PEST配列を含むポリペプチドをコードする内因性核酸配列を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。一実施形態では、第1の核酸分子は、LLOをコードする核酸配列を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。別の実施形態では、第1の核酸分子は、ActAをコードする核酸配列を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0017】
一実施形態では、第1の核酸分子は、LLOをコードする内因性核酸配列を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。一実施形態では、組み込みは、LLOの機能性を排除しない。別の実施形態では、組み込みは、ActAの機能性を排除しない。一実施形態では、LLOまたはActAの機能性は、その天然の機能性である。一実施形態では、LLO機能性は、生物がファゴリソソームから抜け出ることを可能にしているが、別の実施形態では、LLO機能性は、それが融合するポリペプチドの免疫原性を強化している。一実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、LLO機能を保持し、それは、一実施形態では溶血機能であり、別の実施形態では抗原機能である。LLOの他の機能は当技術分野で知られており、LLO機能性を評価する方法およびそのための検定も同様である。一実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、野生型病原性を有するが、別の実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、弱毒化病原性を有する。別の実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、非病原性である。一実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、ファゴリソソームから抜け出て、サイトゾルに進入するのに十分な病原性を有する。一実施形態では、本発明の組み換えリステリアは、融合された抗原−LLOタンパク質を発現する。したがって、一実施形態では、第1の核酸分子のリステリアゲノムへの組み込みは、内因性PEST含有遺伝子の構造を乱さず、別の実施形態では、それは、内因性PEST含有遺伝子の機能を乱さない。一実施形態では、第1の核酸分子のリステリアゲノムへの組み込みは、該リステリアのファゴリソソームから抜け出る能力を乱さない。
【0018】
別の実施形態では、第2の核酸分子は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいて、該第1の核酸分子と共にリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。したがって、一実施形態では、第1の核酸分子および第2の核酸分子は、LLOをコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれるが、別の実施形態では、それらは、ActAをコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれる。別の実施形態では、第2の核酸分子は、第1の核酸分子の組み込み部位と区別できる部位においてPEST配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムへ機能可能に組み込まれる。一実施形態では、第1の核酸分子は、LLOをコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれるが、第2の核酸分子は、ActAコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれ、別の実施形態では、第1の核酸分子は、ActAコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれるが、第2の核酸分子は、LLOをコードする核酸配列を伴うフレームにおいて組み込まれる。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、第1の異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする第1の核酸分子、および第2の異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする第2の核酸分子を含む組み換えリステリア株を提供し、該第1の核酸分子は、異種抗原ポリペプチドおよび内因性PEST含有ポリペプチドが融合タンパク質として発現されるように、リステリアゲノムに組み込まれる。一実施形態では、第1の異種抗原ポリペプチドおよび内因性PEST含有ポリペプチドは、単一のオープンリーディングフレームにおいて翻訳されるが、別の実施形態では、第1の異種抗原ポリペプチドおよび内因性PEST含有ポリペプチドは、別々に翻訳された後に融合される。
【0020】
一実施形態では、リステリアゲノムは、内因性ActA遺伝子の欠失を含み、一実施形態では、その内因性ActA遺伝子は毒性因子である。一実施形態では、そのような欠失は、より弱毒化した、そのため、ヒトの使用に対してより安全なリステリア株を提供する。この実施形態によると、抗原ポリペプチドは、リステリア染色体におけるLLOを伴うフレームにおいて組み込まれる。別の実施形態では、組み込まれた核酸分子は、ActA遺伝子座に組み込まれる。別の実施形態では、ActAをコードする染色体核酸は、抗原をコードする核酸分子によって置換される。
【0021】
別の実施形態では、組み込まれた核酸分子は、リステリア染色体に組み込まれる。
【0022】
一実施形態では、該第1の核酸分子は、リステリアゲノムへの部位特異的相同的組み換えのために設計されるベクターである。別の実施形態では、コンストラクトまたは異種遺伝子は、相同的組み換えを使用してリステリア染色体に組み込まれる。
【0023】
相同的組み換えのための技術は、当技術分野で知られており、例えば、Frankel,FR,Hegde,S,Lieberman,J,and Y Paterson.Induction of a cell−mediated immune response to HIV gag using Listeria monocytogenes as a live vaccine vector.J.Immunol.155:4766−4774.1995、Mata,M,Yao,Z,Zubair,A,Syres,K and Y Paterson,Evaluation of a recombinant Listeria monocytogenes expressing an HIV protein that protects mice against viral challenge.Vaccine 19:1435−45,2001、Boyer,JD,Robinson,TM,Maciag,PC,Peng,X,Johnson,RS,Pavlakis,G,Lewis,MG,Shen,A,Siliciano,R,Brown,CR,Weiner,D,and Y Paterson.DNA prime Listeria boost induces a cellular immune response to SIV antigens in the Rhesus Macaque model that is capable of limited suppression of SIV239 viral replication.Virology.333:88−101,2005に記載される。別の実施形態では、相同的組み換えは、米国特許第6,855,320号に記載されるように行われる。別の実施形態では、温度感受性プラスミドを使用して、組み換え体を選択する。各技術は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0024】
別の実施形態では、コンストラクトまたは異種遺伝子は、トランスポゾン挿入を使用してリステリア染色体に組み込まれる。トランスポゾン挿入のための技術は、当技術分野で知られており、DP−L967の構造物において、とりわけ、Sun et al.(Infection and Immunity 1990、58:3770−3778)によって記載される。トランスポゾン突然変異生成は、一実施形態では、安定したゲノム挿入変異体を形成することができるという利点を有する。別の実施形態では、外来遺伝子がトランスポゾン突然変異生成によって挿入されたゲノムにおける位置は、不明である。
【0025】
別の実施形態では、コンストラクトまたは異種遺伝子は、ファージ組み込み部位を使用してリステリア染色体に組み込まれる(Lauer P,Chow MY et al,Construction,characterization,and use of two LM site−specific phage integration vectors.J Bacteriol 2002;184(15):4177−86)。別の実施形態では、インテグラーゼ遺伝子およびバクテリオファージ(例えば、U153またはPSAリステリオファージ)の付着部位を使用して、ゲノムにおける任意の適切な部位であり得る(例えば、comKまたはarg tRNA遺伝子の3´末端)、対応する付着部位に異種遺伝子を挿入する。別の実施形態では、内因性プロファージは、コンストラクトまたは異種遺伝子の組み込み前に利用される付着部位から欠失させられる。別の実施形態では、この方法は、単一配列成分を引き起こす。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0026】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の第1の核酸配列は、プロモータ/調節配列に機能的に連結される。別の実施形態では、第2の核酸配列は、プロモータ/調節配列に機能的に連結される。別の実施形態では、核酸配列のそれぞれは、プロモータ/調節配列に機能的に連結される。一実施形態では、プロモータ/調節配列は、該核酸配列を含むエピソームプラスミド上に存在する。一実施形態では、内因性リステリアプロモータ/調節配列は、本発明の方法および組成物の核酸配列の発現を制御する。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0027】
別の実施形態では、本明細書において提供される核酸配列は、リステリア株におけるコードされたペプチドの発現を駆動するプロモータ、調節配列、またはそれらの組み合わせに機能的に連結される。遺伝子の構成的発現を駆動するために有用なプロモータ、調節配列、およびそれらの組み合わせは、当技術分野で知られており、例えば、リステリアのP
hlyA、P
ActA、hly、ActA、およびp60プロモータ、ストレプトコッカスbacプロモータ、ストレプトマイセスグリセウスsgiAプロモータ、およびB.チューリンゲンシスphaZプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、本明細書において提供されるペプチドをコードする核酸の誘導性かつ組織特異的発現は、ペプチドをコードする核酸を、誘導性または組織特異的プロモータ/調節配列の制御下に置くことによって遂行される。この目的のために有用である、組織特異的または誘導性調節配列、プロモータ、およびそれらの組み合わせの例としては、MMTV LTR誘導性プロモータ、およびSV40後期エンハンサ/プロモータが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、金属、グルココルチコイド等の誘発剤に応答して誘導されるプロモータが利用される。したがって、本発明が、知られているまたは知られていない、それに機能的に連結される所望のタンパク質の発現を駆動することが可能である、任意のプロモータまたは調節配列の使用を含むことが理解される。一実施形態では、調節配列は、プロモータであり、別の実施形態では、調節配列は、エンハンサであり、別の実施形態では、調節配列は、サプレッサであり、別の実施形態では、調節配列は、リプレッサであり、別の実施形態では、調節配列は、サイレンサである。
【0028】
一実施形態では、リステリアゲノムへの組み込みのために使用される核酸コンストラクトは、組み込み部位を含有する。一実施形態では、部位は、PhSA(Scott Aからのファージ)attPP´組み込み部位である。PhSAは、別の実施形態では、L.モノサイトゲネス株ScottAのプロファージ(参照することにより本明細書に組み込まれる、Loessner,M.J.,I.B.Krause,T.Henle,and S.Scherer.1994.Structural proteins and DNA characteristics of 14 Listeria typing bacteriophages.J.Gen.Virol.75:701-710)、ヒトリステリア症の蔓延中に単離された血清型4b株である。別の実施形態では、部位は、当技術分野で知られている任意の別の組み込み部位である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0029】
別の実施形態では、核酸コンストラクトは、インテグラーゼ遺伝子を含有する。別の実施形態では、インテグラーゼ遺伝子は、PhSAインテグラーゼ遺伝子である。別の実施形態では、インテグラーゼ遺伝子は、当技術分野で知られている任意の他のインテグラーゼ遺伝子である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0030】
一実施形態では、核酸コンストラクトは、プラスミドである。別の実施形態では、核酸コンストラクトは、シャトルプラスミドである。別の実施形態では、核酸コンストラクトは、組み込みベクターである。別の実施形態では、核酸コンストラクトは、部位特異的組み込みベクターである。別の実施形態では、核酸コンストラクトは、当技術分野で知られている任意の他の種類の核酸コンストラクトである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0031】
本明細書において提供される方法よび組成物の組み込みベクターは、別の実施形態では、ファージベクターである。別の実施形態では、組み込みベクターは、部位特異的組み込みベクターである。別の実施形態では、ベクターは、attPP´部位をさらに含む。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0032】
別の実施形態では、組み込みベクターは、U153ベクターである。別の実施形態では、組み込みベクターは、A118ベクターである。別の実施形態では、組み込みベクターは、PhSAベクターである。
【0033】
別の実施形態では、ベクターは、A511ベクター(例えば、GenBank受入番号:X91069)である。別の実施形態では、ベクターは、A006ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B545ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B053ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A020ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A500ベクター(例えば、GenBank受入番号:X85009)である。別の実施形態では、ベクターは、B051ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B052ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B054ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B055ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B056ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B101ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B110ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B111ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A153ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、D441ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A538ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B653ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A513ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A507ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A502ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A505ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A519ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B604ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、C703ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B025ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A528ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B024ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B012ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B035ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、C707ベクターである。
【0034】
別の実施形態では、ベクターは、A005ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A620ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、A640ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、B021ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、HSO47ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H10Gベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H8/73ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H19ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H21ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H43ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H46ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H107ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H108ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H110ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H163/84ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H312ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H340ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H387ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H391/73ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H684/74ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、H924Aベクターである。別の実施形態では、ベクターは、fMLUP5ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、syn(=P35)ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、00241ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、00611ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、02971Aベクターである。別の実施形態では、ベクターは、02971Cベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/476ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/911ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/939ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/11302ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/11605ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5/11704ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、184ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、575ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、633ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、699/694ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、744ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、900ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1090ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1317ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1444ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1652ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1806ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1807ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/959ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/11367ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/11500ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/11566ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/12460ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1921/12582ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、1967ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、2389ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、2425ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、2671ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、2685ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、3274ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、3550ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、3551ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、3552ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4276ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4277ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4292ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4477ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5337ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5348/11363ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5348/11646ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5348/12430ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、5348/12434ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、10072ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、11355Cベクターである。別の実施形態では、ベクターは、11711Aベクターである。別の実施形態では、ベクターは、12029ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、12981ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、13441ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、90666ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、90816ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、93253ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、907515ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、910716ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、NN−リステリアベクターである。別の実施形態では、ベクターは、O1761ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4211ベクターである。別の実施形態では、ベクターは、4286ベクターである。
【0035】
別の実施形態では、組み込みベクターは、リステリアを感染させることが可能である、当技術分野で知られている任意の他の部位特異的組み込みベクターである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の組み込みベクターまたはプラスミドは、抗生物質耐性をリステリアワクチン株に与えない。別の実施形態では、組み込みベクターまたはプラスミドは、抗生物質耐性遺伝子を含有しない。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0036】
別の実施形態では、本発明は、組み換えポリペプチドをコードする単離核酸を提供する。一実施形態では、単離核酸は、本明細書において提供される組み換えポリペプチドをコードする核酸と少なくとも85%の相同性を共有する配列を含む。別の実施形態では、単離核酸は、本明細書において提供される組み換えポリペプチドをコードする核酸と少なくとも90%の相同性を共有する配列を含む。別の実施形態では、単離核酸は、本明細書において提供される組み換えポリペプチドをコードする核酸と少なくとも95%の相同性を共有する配列を含む。別の実施形態では、単離核酸は、本明細書において提供される組み換えポリペプチドをコードする核酸と少なくとも97%の相同性を共有する配列を含む。別の実施形態では、単離核酸は、本明細書において提供される組み換えポリペプチドをコードする核酸と少なくとも99%の相同性を共有する配列を含む。
【0037】
一実施形態では、2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア株を産生する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリアは、少なくとも3つ以上の区別できる異種抗原を発現する。別の実施形態では、組み換えリステリアは、4つ以上の区別できる異種抗原を発現する。別の実施形態では、組み換えリステリアは、5つ以上の区別できる異種抗原を発現する。
【0038】
別の実施形態では、方法は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいて、第1の抗原をコードする第1の核酸をリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。別の実施形態では、方法は、2つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも2つの核酸を、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。別の実施形態では、方法は、2つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも3つの核酸を、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。別の実施形態では、方法は、2つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも4つの核酸を、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。別の実施形態では、方法は、2つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも5つの核酸を、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。
【0039】
別の実施形態では、方法は、第2の抗原をコードする第2の核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、少なくとも2つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも2つの核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、少なくとも3つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも3つの核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、少なくとも4つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも4つの核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、少なくとも5つの区別できる異種抗原をコードする少なくとも5つの核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。
【0040】
さらに別の実施形態では、方法は、該組み換えリステリア株における、当技術分野で知られている、抗原発現を促す条件下で該第1の抗原および該第2の抗原を発現することを含む。
【0041】
別の実施形態では、方法は、上記の異種抗原を含む少なくとも1つのエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、上記の異種抗原を含む少なくとも2つのエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、上記の異種抗原を含む少なくとも3つのエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。別の実施形態では、方法は、上記の異種抗原を含む少なくとも4つのエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換することを含む。
【0042】
別の実施形態では、組み換えリステリア株は、3つ以上の抗原を発現してもよく、そのうちのいくつかは、リステリア染色体に組み込まれる1つ以上の核酸分子から発現され、そのうちのいくつかは、組み換えリステリア株に存在する1つ以上のエピソーム発現ベクターを介して発現される。したがって、上記のように、一実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、2つ以上のエピソーム発現ベクターを含み、一実施形態では、別々の抗原ポリペプチドをそれぞれ発現する。一実施形態では、抗原のうちの1つ以上は、LLOを伴う融合タンパク質として発現され、一実施形態では、それは非溶血性LLOであり、別の実施形態では短縮LLOである。一実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、一実施形態では細胞表面抗原および抗血管新生ポリペプチドである、2つの異なる細胞型によって発現される、2つの別々の抗原に対する免疫応答を誘発することによって腫瘍を標的とするが、別の実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、同じ細胞型によって発現される2つの異なる抗原に対する免疫応答を誘発することによって腫瘍を標的とし、一実施形態では、それらの異なる抗原は、前立腺特異抗原(PSA)および前立腺特異的膜抗原(PSMA)であり、一実施形態ではFOLH1である。別の実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、後述の、または当技術分野で知られている2つの異なる抗原に対する免疫応答を誘発することによって腫瘍を標的とする。
【0043】
一実施形態では、本発明の組成物および方法の第1の抗原は、特定の細胞表面抗原または腫瘍標的に対して向けられ、第2の抗原は、血管新生抗原または腫瘍微環境に対して向けられる。別の実施形態では、本発明の組成物および方法の第1の抗原および第2の抗原は、腫瘍細胞によって発現されるポリペプチドであるか、または別の実施形態では、腫瘍微環境において発現されるポリペプチドである。別の実施形態では、本発明の組成物および方法の第1の抗原は、腫瘍によって発現されるポリペプチドであり、本発明の組成物および方法の第2の抗原は、受容体標的、NOシンテターゼ、Arg−1、または当技術分野で知られている他の酵素である。
【0044】
一実施形態では、2つの抗原を発現する組み換えリステリア株を産生する方法が本明細書において提供され、方法は、一実施形態では、第1の抗原をコードする第1の核酸および第2の抗原をコードする第2の核酸を、PEST配列を含む天然ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合することを含む。別の実施形態では、該第1の抗原および該第2の抗原の発現は、該組み換えリステリア株における抗原発現を促す条件下で産生される。
【0045】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリア株は、異種抗原をコードする第2の核酸分子を含むエピソーム発現ベクターを含む。別の実施形態では、異種抗原をコードする第2の核酸分子は、PEST配列を含むポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームにおける該エピソーム発現ベクターに存在する。
【0046】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のエピソーム発現ベクターは、PEST様AA配列をコードする核酸配列にフレームにおいて融合される抗原を含む。一実施形態では、抗原は、HMW−MAAであり、別の実施形態では、HMW−MAA断片である。別の実施形態では、PEST様AA配列は、KENSISSMAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDK(配列番号1)である。別の実施形態では、PEST様配列は、KENSISSMAPPASPPASPK(配列番号2)である。別の実施形態では、本明細書において列挙されるPEST様AA配列のうちの1つを含む任意のLLO配列への抗原の融合は、HMW−MAAに対する細胞媒介性免疫を強化することができる。
【0047】
別の実施形態では、PEST様AA配列は、リステリアActAタンパク質からのPEST様配列である。別の実施形態では、PEST様配列は、KTEEQPSEVNTGPR(配列番号3)、KASVTDTSEGDLDSSMQSADESTPQPLK(配列番号4)、KNEEVNASDFPPPPTDEELR(配列番号5)、またはRGGIPTSEEFSSLNSGDFTDDENSETTEEEIDR(配列番号6)である。別の実施形態では、PEST様配列は、lso遺伝子によってコードされる、リステリアシリゲリ細胞溶解素からのものである。別の実施形態では、PEST様配列は、RSEVTISPAETPESPPATP(配列番号7)である。別の実施形態では、PEST様配列は、ストレプトコッカス種のストレプトリジンOタンパク質からのものである。別の実施形態では、PEST様配列は、ストレプトコッカスピオゲネスストレプトリジンOからのものであり、例えば、AA35−51でのKQNTASTETTTTNEQPK(配列番号8)である。別の実施形態では、PEST様配列は、ストレプトコッカスエクイシミリスストレプトリジンOからのものであり、例えば、AA38−54でのKQNTANTETTTTNEQPK(配列番号9)である。別の実施形態では、PEST様配列は、配列番号3−9から選択される配列を有する。別の実施形態では、PEST様配列は、配列番号1−9から選択される配列を有する。別の実施形態では、PEST様配列は、原核生物由来の別のPEST様AA配列である。
【0048】
PEST様配列の特定は、当技術分野で知られており、例えば、Rogers S et al(参照することにより本明細書に組み込まれる、Amino acid sequences common to rapidly degraded proteins:the PEST hypothesis.Science 1986;234(4774):364−8)およびRechsteiner M et al(参照することにより本明細書に組み込まれる、PEST sequences and regulation by proteolysis.Trends Biochem Sci 1996;21(7):267−71)に記載される。「PEST様配列」とは、別の実施形態では、プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、およびトレオニン(T)残基に富む領域を指す。別の実施形態では、PEST様配列は、いくつかの正荷電アミノ酸を含有する1つ以上のクラスタを側面に有する。別の実施形態では、PEST様配列は、それを含有するタンパク質の急速な細胞内分解を媒介する。別の実施形態では、PEST様配列は、Rogers et alにおいて開示されるアルゴリズムに適合する。別の実施形態では、PEST様配列は、Rechsteiner et alにおいて開示されるアルゴリズムに適合する。別の実施形態では、PEST様配列は、1つ以上の内部リン酸化部位を含有し、これらの部位でのリン酸化は、タンパク質分解に先行する。一実施形態では、PEST様配列として本明細書において称される配列は、PEST配列である。
【0049】
一実施形態では、原核生物のPEST様配列は、例えば、LMに対するRechsteinerおよびRogers(1996,Trends Biochem.Sci.21:267−271)によって、およびRogers S et al(Science 1986;234(4774):364−8)等において記載される方法に従って特定される。代替として、他の原核生物からのPEST様AA配列も、この方法に基づいて特定することができる。PEST様AA配列が、これらに限定されないが、他のリステリア種を含むことが予期される、他の原核生物。一実施形態では、PEST様配列は、Rogers et alにおいて開示されるアルゴリズムに適合する。別の実施形態では、PEST様配列は、Rechsteiner et alにおいて開示されるアルゴリズムに適合する。別の実施形態では、PEST様配列は、PEST発見プログラムを使用して特定される。
【0050】
別の実施形態では、PESTモチーフの特定は、特定されたタンパク質配列内の正荷電アミノ酸R、H、およびKに対する初期スキャンによって達成される。正荷電側面の間にある全てのアミノ酸は、数えられ、ウィンドウサイズパラメータと同等か、またはそれ以上の多数のアミノ酸を含有する、それらのモチーフのみがさらに考慮される。別の実施形態では、PEST様配列は、少なくとも1つのP、1つのDまたはE、および少なくとも1つのSまたはTを含有しなければならない。
【0051】
別の実施形態では、PESTモチーフの質は、重大なアミノ酸の局所濃縮およびモチーフの疎水性に基づく得点パラメータを用いて精緻化される。D、E、P、SおよびTの濃縮は、質量パーセント(w/w)で表され、DまたはEの1等量、Pの1等量、およびSまたはTの1等量に対して補正される。別の実施形態では、疎水性の計算は、原則として、参照することにより本明細書に組み込まれる、J.Kyte and R.F.Doolittle(Kyte,J and Dootlittle,RF.J.Mol.Biol.157,105(1982)の方法に従う。簡易計算のために、本来、アルギニンに対する−4.5からイソロイシンに対する+4.5の範囲であった、Kyte−Doolittle疎水性度指標は、以下の線形変換を使用して正整数に変換され、アルギニンに対する0からイソロイシンに対する90の値となる。
【0052】
疎水性度指標=10
*Kyte−Doolittle疎水性度指標+45
【0053】
別の実施形態では、可能性のあるPESTモチーフの疎水性は、各アミノ酸種に対するモルパーセントおよび疎水性指標の積の合計として計算される。所望のPEST得点は、局所濃縮の項および以下の式によって表される疎水性の項の組み合わせとして得られる。
【0054】
PEST得点=0.55
*DEPST−0.5
*疎水性指標
【0055】
別の実施形態では、「PEST配列」、「PEST様配列」、または「PEST様配列ペプチド」とは、上記のアルゴリズムを使用して少なくとも+5の得点を有するペプチドを指す。別の実施形態では、用語は、少なくとも6の得点を有するペプチドを指す。別の実施形態では、ペプチドは、少なくとも7の得点を有する。別の実施形態では、得点は、少なくとも8である。別の実施形態では、得点は、少なくとも9である、別の実施形態では、得点は、少なくとも10である。別の実施形態では、得点は、少なくとも11である。別の実施形態では、得点は、少なくとも12である。別の実施形態では、得点は。少なくとも13である。別の実施形態では、得点は、少なくとも14である。別の実施形態では、得点は、少なくとも15である。別の実施形態では、得点は、少なくとも16である。別の実施形態では、得点は、少なくとも17である。別の実施形態では、得点は、少なくとも18である。別の実施形態では、得点は、少なくとも19である。別の実施形態では、得点は、少なくとも20である。別の実施形態では、得点は、少なくとも21である。別の実施形態では、得点は、少なくとも22である。別の実施形態では、得点は、少なくとも22である。別の実施形態では、得点は、少なくとも24である。別の実施形態では、得点は、少なくとも24である。別の実施形態では、得点は、少なくとも25である。別の実施形態では、得点は、少なくとも26である。別の実施形態では、得点は、少なくとも27である。別の実施形態では、得点は、少なくとも28である。別の実施形態では、得点は、少なくとも29である。別の実施形態では、得点は、少なくとも30である。別の実施形態では、得点は、少なくとも32である。別の実施形態では、得点は、少なくとも35である。別の実施形態では、得点は、少なくとも38である。別の実施形態では、得点は、少なくとも40である。別の実施形態では、得点は、少なくとも45である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0056】
別の実施形態では、PEST様配列は、当技術分野で知られている任意の他の方法またはアルゴリズム、例えば、CaSPredictor(Garay−Malpartida HM,Occhiucci JM,Alves J,Belizario JE.Bioinformatics.2005 Jun;21 Suppl 1:i169−76)を使用して特定される。別の実施形態では、以下の方法が使用される。
【0057】
PEST指標は、1の値をアミノ酸Ser、Thr、Pro、Glu、Asp、Asn、またはGlnに割り当てることによって適切な長さの各広がり(例えば、30−35のアミノ酸広がり)に対して計算される。PEST残基のそれぞれに対する係数値(CV)は、1であり、他のアミノ酸(非PEST)のそれぞれに対しては、0である。
【0058】
PEST様配列を特定するための各方法は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0059】
別の実施形態では、PEST様配列は、当技術分野で知られている任意の他のPEST様配列である。各PEST様配列およびその種類は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0060】
一実施形態では、本発明は、融合タンパク質を提供し、一実施形態では、それはリステリアによって発現される。一実施形態では、そのような融合タンパク質は、PEST様配列に融合され、それは、一実施形態では、PEST様配列を含むタンパク質断片への融合を指す。別の実施形態では、この用語は、タンパク質断片がPEST様配列以外の周囲配列を含む場合を含む。別の実施形態では、タンパク質断片は、PEST様配列から成る。そのため、別の実施形態では、「融合」とは、それらのそれぞれの端部で互いに連結されるか、または一方が他方に包含されるかのいずれかの2つのペプチドまたはタンパク質断片を指す。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0061】
別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリア株は、完全長LLOポリペプチドを含み、一実施形態ではそれは溶血性である。
【0062】
別の実施形態では、組み換えリステリア株は、非溶血性LLOポリペプチドを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、LLO断片である。別の実施形態では、オリゴペプチドは、完全LLOタンパク質である。別の実施形態では、ポリペプチドは、当技術分野で知られている任意のLLOタンパク質またはその断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0063】
別の実施形態では、LLOタンパク質断片は、本明細書において提供される組成物および方法において利用される。一実施形態では、短縮LLOタンパク質は、ポリペプチド、すなわち、一実施形態では抗原、別の実施形態では血管新生因子、または別の実施形態では抗原および血管新生因子の両方を発現する本明細書において提供されるエピソーム発現ベクターによってコードされる。別の実施形態では、LLO断片は、N末端断片である。
【0064】
別の実施形態では、N末端LLO断片は、以下の配列を有する。
【0065】
MKKIMLVFITLILVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSVAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYSNVSAKIDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQIYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNIIKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYIETTSKAYTDGKINIDHSGGYVAQFNISWDEVNYD(配列番号10)。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のLLO AA配列は、配列番号10に記載される配列を含む。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号10の相同体である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号10の変異形である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号10の断片である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号10のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0066】
別の実施形態では、LLO断片は、以下の配列を有する。
【0067】
mkkimlvfitlilvslpiaqqteakdasafnkensissvappasppaspktpiekkhadeidkyiqgldynknnvlvyhgdavtnvpprkgykdgneyivvekkkksinqnnadiqvvnaissltypgalvkanselvenqpdvlpvkrdsltlsidlpgmtnqdnkivvknatksnvnnavntlverwnekyaqaysnvsakidyddemaysesqliakfgtafkavnnslnvnfgaisegkmqeevisfkqiyynvnvneptrpsrffgkavtkeqlqalgvnaenppayissvaygrqvylklstnshstkvkaafdaavsgksvsgdveltniiknssfkaviyggsakdevqiidgnlgdlrdilkkgatfnretpgvpiayttnflkdnelaviknnseyiettskaytd(配列番号11)。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のLLO AA配列は、配列番号11に記載される配列を含む。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号11の相同体である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号11の変異形である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号11の断片である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号11のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0068】
本明細書において提供される組成物および方法において使用されるLLOタンパク質は、別の実施形態では、以下の配列を有する。
【0069】
MKKIMLVFITLILVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSMAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYPNVSAKIDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQIYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNIIKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYIETTSKAYTDGKINIDHSGGYVAQFNISWDEVNYDPEGNEIVQHKNWSENNKSKLAHFTSSIYLPGNARNINVYAKECTGLAWEWWRTVIDDRNLPLVKNRNISIWGTTLYPKYSNKVDNPIE(GenBank受入番号P13128;配列番号12、核酸配列は、GenBank受入番号X15127に記載される)。この配列に対応する前駆タンパク質の最初の25のAAは、信号配列であり、LLOが細菌によって分泌される場合にLLOから開裂される。したがって、本実施形態では、完全長活性LLOタンパク質は、504の残基の長さである。別の実施形態では、上記のLLO断片は、本明細書において提供されるワクチンに取り込まれるLLO断片源として使用される。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のLLO AA配列は、配列番号12に記載される配列を含む。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号12の相同体である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号12の変異形である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号12の断片である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号12のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0070】
本明細書において提供される組成物および方法において使用されるLLOタンパク質は、別の実施形態では、以下の配列を有する。
【0071】
MKKIMLVFITLILVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSVAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYSNVSAKIDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQIYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNIIKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYIETTSKAYTD(配列番号13)。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のLLO AA配列は、配列番号13に記載される配列を含む。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号13の相同体である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号13の変異形である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号13の断片である。別の実施形態では、LLO AA配列は、配列番号13のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0072】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法のLLOポリペプチドのアミノ酸配列は、GenBank受入番号:ZP_01942330、EBA21833に記載されるリステリアモノサイトゲネス10403S株からのものであるか、またはGenBank受入番号:NZ_AARZ01000015またはAARZ01000015.1に記載される核酸配列によってコードされる。別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法で使用するためのLLO配列は、リステリアモノサイトゲネスからのものであり、一実施形態では、それは4b F2365株(一実施形態では、GenBank受入番号:YP_012823)、EGD−e株(一実施形態では、GenBank受入番号:NP_463733)、または当技術分野で知られているリステリアモノサイトゲネスの任意の他の株である。
【0073】
別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法で使用するためのLLO配列は、フラボバクテリア細菌HTCC2170(一実施形態では、GenBank受入番号:ZP_01106747またはEAR01433、一実施形態では、GenBank受入番号:NZ_AAOC01000003によってコードされる)からのものである。一実施形態では、一実施形態では、パエニバチルスアルベイ(一実施形態では、GenBank受入番号:P23564またはAAA22224、一実施形態では、GenBank受入番号:M62709によってコードされる)で見られる、アルベオリシン等の他の種におけるLLOと相同であるタンパク質は、本明細書において提供される組成物および方法において使用されてもよい。他のそのような相同タンパク質は、当技術分野において知られている。
【0074】
各LLOタンパク質およびLLO断片は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0075】
別の実施形態では、既知のリシン、またはその断片を含む、他の種からのLLOの相同体を使用して、本明細書において提供される組成物および方法の抗原を伴うLLOの融合タンパク質を作製することができ、一実施形態ではそれはHMW−MAAであり、別の実施形態ではHMW−MAAの断片である。
【0076】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のLLO断片は、PEST様ドメインである。別の実施形態では、PEST配列を含むLLO断片は、本明細書において提供される組成物の一部としてか、または方法において利用される。
【0077】
別の実施形態では、LLO断片は、カルボキシ末端に活性化ドメインを含有しない。別の実施形態では、LLO断片は、システイン484を含まない。別の実施形態では、LLO断片は、非溶血性断片である。別の実施形態では、LLO断片は、活性化ドメインの欠失または突然変異によって非溶血性にされる。別の実施形態では、LLO断片は、システイン484の欠失または突然変異によって非溶血性にされる。別の実施形態では、LLO配列は、別の場所での欠失または突然変異によって非溶血性にされる。
【0078】
別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の約441のAAから成る。別の実施形態では、LLO断片は、529のAA完全長LLOタンパク質の最初の約400−441のAAを含む。別の実施形態では、LLO断片は、本明細書に開示されるLLOタンパク質のAA1−441に対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOの最初の約420のAAから成る。別の実施形態では、LLO断片は、本明細書に開示されるLLOタンパク質のAA1−420に対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOの約AA20−442から成る。別の実施形態では、LLO断片は、本明細書に開示されるLLOタンパク質のAA20−442に対応する。別の実施形態では、システイン484を含む活性化ドメインを伴わず、および特にシステイン484を伴わない任意のΔLLOは、本明細書において提供される方法および組成物に好適である。
【0079】
別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の400のAAに対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の300のAAに対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の200のAAに対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の100のAAに対応する。別の実施形態では、LLO断片は、LLOタンパク質の最初の50のAAに対応し、一実施形態では、1つ以上のPEST様配列を含む。
【0080】
別の実施形態では、LLO断片は、上記のAA範囲のうちの1つに対応する相同LLOタンパク質の残基を含有する。残基番号は、別の実施形態では、上に列挙される残基番号と正確に一致する必要はない。例えば、相同LLOタンパク質が、本明細書において利用されるLLOタンパク質に対して挿入または欠失を有する場合ではそうである。
【0081】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の組み換えリステリア株は、内因性ActA配列を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる核酸分子を含む。別の実施形態では、本明細書において提供されるエピソーム発現ベクターは、ActAまたは短縮ActAに融合される抗原を含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、抗原は、HMW−MAAであるが、別の実施形態では、それは、HMW−MAAの免疫原性断片である。
【0082】
一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の抗原は、ActAタンパク質に融合されるが、それは、一実施形態ではActAタンパク質のN末端断片であり、一実施形態ではActAの最初の390のAAを、別の実施形態ではActAの最初の418のAAを、別の実施形態ではActAの最初の50のAAを、別の実施形態ではActAの最初の100のAAを含むか、またはそれから成り、一実施形態では、配列番号2において提供されるもの等のPEST様配列を含む。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物において利用されるActAタンパク質のN末端断片は、ActAの最初の150のAA、別の実施形態では、ActAの最初の約200のAAを含むか、またはそれから成り、それは、一実施形態では本明細書において記載される2つのPEST様配列を含む。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物において利用されるActAタンパク質のN末端断片は、ActAの最初の250のAA、別の実施形態では、ActAの最初の300のAAを含むか、またはそれから成る。別の実施形態では、ActA断片は、上記のAA範囲のうちの1つに対応する相同ActAタンパク質の残基を含有する。残基番号は、上に列挙される残基番号と正確に一致する必要はない。例えば、相同ActAタンパク質が、本明細書において利用されるActAタンパク質に対して挿入または欠失を有する場合、残基番号は、当業者にとっては通常の作業であろう、当技術分野で知られているNCBI BLAST等の配列整合ツールを使用して、適宜に調整することができる。
【0083】
別の実施形態では、ActAタンパク質のN末端部分は、1つ、2つ、3つ、または4つのPEST様配列を含み、一実施形態では、それは、本明細書において特に記述されるPEST様配列、もしくは本明細書において記載されるそれらの相同体、または本明細書において記載される方法およびアルゴリズムを使用してか、または当技術分野で知られている代替の方法を使用することによって決定することができる他のPEST様配列である。
【0084】
本明細書において提供される方法および組成物において利用されるActAタンパク質のN末端断片は、別の実施形態では、配列番号14に記載される配列を有する。
【0085】
MRAMMVVFITANCITINPDIIFAATDSEDSSLNTDEWEEEKTEEQPSEVNTGPRYETAREVSSRDIKELEKSNKVRNTNKADLIAMLKEKAEKGPNINNNNSEQTENAAINEEASGADRPAIQVERRHPGLPSDSAAEIKKRRKAIASSDSELESLTYPDKPTKVNKKKVAKESVADASESDLDSSMQSADESSPQPLKANQQPFFPKVFKKIKDAGKWVRDKIDENPEVKKAIVDKSAGLIDQLLTKKKSEEVNASDFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPATSEPSSFEFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPATSEPSSFEFPPPPTEDELEIIRETASSLDSSFTRGDLASLRNAINRHSQNFSDFPPIPTEEELNGRGGRP(配列番号14)。別の実施形態では、ActA断片は、配列番号14に記載される配列を含む。別の実施形態では、ActA断片は、当技術分野で知られている任意の他のActA断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14の相同体である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14の変異形である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14のイソ型である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14の相同体の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14の変異形の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号14のイソ型の断片である。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0086】
別の実施形態では、ActAタンパク質の断片をコードする組み換えヌクレオチドは、配列番号15に記載される配列を含む。atgcgtgcgatgatggtggttttcattactgccaattgcattacgattaaccccgacataatatttgcagcgacagatagcgaagattctagtctaaacacagatgaatgggaagaagaaaaaacagaagagcaaccaagcgaggtaaatacgggaccaagatacgaaactgcacgtgaagtaagttcacgtgatattaaagaactagaaaaatcgaataaagtgagaaatacgaacaaagcagacctaatagcaatgttgaaagaaaaagcagaaaaaggtccaaatatcaataataacaacagtgaacaaactgagaatgcggctataaatgaagaggcttcaggagccgaccgaccagctatacaagtggagcgtcgtcatccaggattgccatcggatagcgcagcggaaattaaaaaaagaaggaaagccatagcatcatcggatagtgagcttgaaagccttacttatccggataaaccaacaaaagtaaataagaaaaaagtggcgaaagagtcagttgcggatgcttctgaaagtgacttagattctagcatgcagtcagcagatgagtcttcaccacaacctttaaaagcaaaccaacaaccatttttccctaaagtatttaaaaaaataaaagatgcggggaaatgggtacgtgataaaatcgacgaaaatcctgaagtaaagaaagcgattgttgataaaagtgcagggttaattgaccaattattaaccaaaaagaaaagtgaagaggtaaatgcttcggacttcccgccaccacctacggatgaagagttaagacttgctttgccagagacaccaatgcttcttggttttaatgctcctgctacatcagaaccgagctcattcgaatttccaccaccacctacggatgaagagttaagacttgctttgccagagacgccaatgcttcttggttttaatgctcctgctacatcggaaccgagctcgttcgaatttccaccgcctccaacagaagatgaactagaaatcatccgggaaacagcatcctcgctagattctagttttacaagaggggatttagctagtttgagaaatgctattaatcgccatagtcaaaatttctctgatttcccaccaatcccaacagaagaagagttgaacgggagaggcggtagacca(配列番号15)。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、配列番号15に記載される配列を有する。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、ActAタンパク質の断片をコードする任意の他の配列を含む。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0087】
本明細書において提供される方法および組成物において利用されるActAタンパク質のN末端断片は、別の実施形態では、配列番号16:MRAMMVVFITANCITINPDIIFAATDSEDSSLNTDEWEEEKTEEQPSEVNTGPRYETAREVSSRDIEELEKSNKVKNTNKADLIAMLKAKAEKGPNNNNNNGEQTGNVAINEEASGVDRPTLQVERRHPGLSSDSAAEIKKRRKAIASSDSELESLTYPDKPTKANKRKVAKESVVDASESDLDSSMQSADESTPQPLKANQKPFFPKVFKKIKDAGKWVRDKIDENPEVKKAIVDKSAGLIDQLLTKKKSEEVNASDFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPTPSEPSSFEFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPATSEPSSFEFPPPPTEDELEIMRETAPSLDSSFTSGDLASLRSAINRHSENFSDFPLIPTEEELNGRGGRP(配列番号16)に記載される配列を有し、それは、一実施形態では、リステリアモノサイトゲネス、株10403SからのActAの最初の390のAAである。別の実施形態では、ActA断片は、配列番号16に記載される配列を含む。別の実施形態では、ActA断片は、当技術分野で知られている任意の他のActA断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16の相同体である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16の変異形である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16のイソ型である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16の相同体の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16の変異形の断片である。別の実施形態では、ActAタンパク質は、配列番号16のイソ型の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0088】
別の実施形態では、ActAタンパク質の断片をコードする組み換えヌクレオチドは、配列番号17:atgcgtgcgatgatggtagttttcattactgccaactgcattacgattaaccccgacataatatttgcagcgacagatagcgaagattccagtctaaacacagatgaatgggaagaagaaaaaacagaagagcagccaagcgaggtaaatacgggaccaagatacgaaactgcacgtgaagtaagttcacgtgatattgaggaactagaaaaatcgaataaagtgaaaaatacgaacaaagcagacctaatagcaatgttgaaagcaaaagcagagaaaggtccgaataacaataataacaacggtgagcaaacaggaaatgtggctataaatgaagaggcttcaggagtcgaccgaccaactctgcaagtggagcgtcgtcatccaggtctgtcatcggatagcgcagcggaaattaaaaaaagaagaaaagccatagcgtcgtcggatagtgagcttgaaagccttacttatccagataaaccaacaaaagcaaataagagaaaagtggcgaaagagtcagttgtggatgcttctgaaagtgacttagattctagcatgcagtcagcagacgagtctacaccacaacctttaaaagcaaatcaaaaaccatttttccctaaagtatttaaaaaaataaaagatgcggggaaatgggtacgtgataaaatcgacgaaaatcctgaagtaaagaaagcgattgttgataaaagtgcagggttaattgaccaattattaaccaaaaagaaaagtgaagaggtaaatgcttcggacttcccgccaccacctacggatgaagagttaagacttgctttgccagagacaccgatgcttctcggttttaatgctcctactccatcggaaccgagctcattcgaatttccgccgccacctacggatgaagagttaagacttgctttgccagagacgccaatgcttcttggttttaatgctcctgctacatcggaaccgagctcattcgaatttccaccgcctccaacagaagatgaactagaaattatgcgggaaacagcaccttcgctagattctagttttacaagcggggatttagctagtttgagaagtgctattaatcgccatagcgaaaatttctctgatttcccactaatcccaacagaagaagagttgaacgggagaggcggtagacca(配列番号17)に記載される配列を含み、それは、一実施形態では、リステリアモノサイトゲネス10403S株におけるActAをコードする最初の1170のヌクレオチドである。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、配列番号17に記載される配列を有する。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、ActAタンパク質の断片をコードする任意の他の配列を含む。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0089】
別の実施形態では、ActA断片は、当技術分野で知られている別のActA断片であり、一実施形態では、PEST配列を含む任意の断片である。したがって、一実施形態では、ActA断片は、ActA配列のアミノ酸1−100である。別の実施形態では、ActA断片は、ActA配列のアミノ酸1−200である。別の実施形態では、ActA断片は、ActA配列のアミノ酸200−300である。別の実施形態では、ActA断片は、ActA配列のアミノ酸300−400である。別の実施形態では、ActA断片は、ActA配列のアミノ酸1−300である。別の実施形態では、本明細書において提供される組み換えヌクレオチドは、ActAタンパク質の断片をコードする任意の他の配列を含む。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、ActAタンパク質全体をコードする任意の他の配列を含む。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0090】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法で使用するためのActA配列は、リステリアモノサイトゲネスからのものであり、一実施形態では、EGD株、10403S株(GenBank受入番号:DQ054585)、NICPBP54002株(GenBank受入番号:EU394959)、S3株(GenBank受入番号:EU394960)、NCTC5348株(GenBank受入番号:EU394961)、NICPBP54006株(GenBank受入番号:EU394962)、M7株(GenBank受入番号:EU394963)、S19株(GenBank受入番号:EU394964)、または当技術分野で知られているリステリアモノサイトゲネスの任意の他の株である。
【0091】
一実施形態では、株、LmddΔActAにおける欠失ActA領域の配列は、以下の通りである。
【0092】
gcgccaaatcattggttgattggtgaggatgtctgtgtgcgtgggtcgcgagatgggcgaataagaagcattaaagatcctgacaaatataatcaagcggctcatatgaaagattacgaatcgcttccactcacagaggaaggcgactggggcggagttcattataatagtggtatcccgaataaagcagcctataatactatcactaaacttggaaaagaaaaaacagaacagctttattttcgcgccttaaagtactatttaacgaaaaaatcccagtttaccgatgcgaaaaaagcgcttcaacaagcagcgaaagatttatatggtgaagatgcttctaaaaaagttgctgaagcttgggaagcagttggggttaactgattaacaaatgttagagaaaaattaattctccaagtgatattcttaaaataattcatgaatattttttcttatattagctaattaagaagataactaactgctaatccaatttttaacggaacaaattagtgaaaatgaaggccgaattttccttgttctaaaaaggttgtattagcgtatcacgaggagggagtataa
gtgggattaaacagatttatgcgtgcgatgatggtggttttcattactgccaattgcattacgattaaccccgacgtcgacccatacgacgttaattcttgcaatgttagctattggcgtgttctctttaggggcgtttatcaaaattattcaattaagaaaaaataattaaaaacacagaacgaaagaaaaagtgaggtgaatgatatgaaattcaaaaaggtggttctaggtatgtgcttgatcgcaagtgttctagtctttccggtaacgataaaagcaaatgcctgttgtgatgaatacttacaaacacccgcagctccgcatgatattgacagcaaattaccacataaacttagttggtccgcggataacccgacaaatactgacgtaaatacgcactattggctttttaaacaagcggaaaaaatactagctaaagatgtaaatcatatgcgagctaatttaatgaatgaacttaaaaaattcgataaacaaatagctcaaggaatatatgatgcggatcataaaaatccatattatgatactagtacatttttatctcatttttataatcctgatagagataatacttatttgccgggttttgctaatgcgaaaataacaggagcaaagtatttcaatcaatcggtgactgattaccgagaagggaa(配列番号18)。一実施形態では、下線を引いた領域は、LmddΔActA株に存在するactA配列要素を含有する。一実施形態では、太字の配列gtcgacは、N−TおよびC−T配列の接合の部位を表す。
【0093】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリア株は、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)、または、別の実施形態では、HMW−MAAの断片をコードする第1の核酸分子または第2の核酸分子を含む。
【0094】
一実施形態では、HMW−MAAは、メラノーマコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)としても知られており、別の実施形態では、2322の残基の膜結合タンパク質である。一実施形態では、HMW−MAAは、外科的に除去された良性母斑およびメラノーマ病変の90%以上に対して発現され、基底細胞癌、神経堤起原腫瘍(例えば、星状細胞腫、グリオーマ、神経芽細胞腫、および肉腫)、小児白血病、および小葉乳癌病巣においても発現される。別の実施形態では、HMW−MAAは、別の実施形態では、体内での新血管形成に関連する、腫瘍血管新生血管系における活性周皮細胞および周皮細胞の両方に対して高度に発現される。別の実施形態では、HMW−MAAの断片(残基2160−2258)を発現する、本明細書において提供される、組み換えリステリアでのマウスの免疫付与は、HMW−MAAを発現するように操作されていない腫瘍の成長を弱める(
図9D)。別の実施形態では、HMW−MAAの断片(残基2160−2258)を発現する組み換えリステリアでのマウスの免疫付与は、腫瘍血管系における周皮細胞の数を低下させる。別の実施形態では、HMW−MAAの断片(残基2160−2258)を発現する組み換えリステリアでのマウスの免疫付与は、血管の周囲および腫瘍へのCD8
+T細胞の浸潤を引き起こす。
【0095】
一実施形態では、NG2またはAN2として知られるHMW−MAAのマウス相同体は、HMW−MAAとの80%の相同性、および同様の発現パターンおよび機能を有する。別の実施形態では、HMW−MAAは、活性周皮細胞および腫瘍血管新生血管系における周皮細胞の両方で高度に発現される。一実施形態では、活性周皮細胞は、体内での新血管形成に関連する。一実施形態では、活性周皮細胞は、血管新生に関与する。別の実施形態では、血管新生は、腫瘍の生存のために重要である。別の実施形態では、腫瘍血管新生血管系における周皮細胞は、体内での新血管形成に関連する。別の実施形態では、活性周皮細胞は、血管発生、安定化、成熟、および再構築における重要な細胞である。したがって、一実施形態では、腫瘍関連抗原としてその役割の他に、HMW−MAAは、免疫療法アプローチを使用する抗血管新生のための潜在的な普遍的標的でもある。本明細書において記載されるように(実施例8)、この抗原に対するLmベースのワクチンを使用し得えられた結果は、この可能性を裏付けている。
【0096】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の抗原のうちの1つは、活性周皮細胞において発現される。別の実施形態では、抗原のうちの少なくとも1つは、活性周皮細胞において発現される。
【0097】
本明細書において提供されるHMW−MAA断片が由来するHMW−MAAタンパク質は、別の実施形態では、ヒトHMW−MAAタンパク質である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、マウスタンパク質である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、ラットタンパク質である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、霊長類タンパク質である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他の種からのものである。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、メラノーマコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)である。別の実施形態では、AN2タンパク質が、本明細書において提供される方法および組成物において使用される。別の実施形態では、NG2タンパク質が、本明細書において提供される方法および組成物において使用される。
【0098】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAAタンパク質は、以下の配列を有する。
【0099】
MQSGRGPPLPAPGLALALTLTMLARLASAASFFGENHLEVPVATALTDIDLQLQFSTSQPEALLLLAAGPADHLLLQLYSGRLQVRLVLGQEELRLQTPAETLLSDSIPHTVVLTVVEGWATLSVDGFLNASSAVPGAPLEVPYGLFVGGTGTLGLPYLRGTSRPLRGCLHAATLNGRSLLRPLTPDVHEGCAEEFSASDDVALGFSGPHSLAAFPAWGTQDEGTLEFTLTTQSRQAPLAFQAGGRRGDFIYVDIFEGHLRAVVEKGQGTVLLHNSVPVADGQPHEVSVHINAHRLEISVDQYPTHTSNRGVLSYLEPRGSLLLGGLDAEASRHLQEHRLGLTPEATNASLLGCMEDLSVNGQRRGLREALLTRNMAAGCRLEEEEYEDDAYGHYEAFSTLAPEAWPAMELPEPCVPEPGLPPVFANFTQLLTISPLVVAEGGTAWLEWRHVQPTLDLMEAELRKSQVLFSVTRGARHGELELDIPGAQARKMFTLLDVVNRKARFIHDGSEDTSDQLVLEVSVTARVPMPSCLRRGQTYLLPIQVNPVNDPPHIIFPHGSLMVILEHTQKPLGPEVFQAYDPDSACEGLTFQVLGTSSGLPVERRDQPGEPATEFSCRELEAGSLVYVHRGGPAQDLTFRVSDGLQASPPATLKVVAIRPAIQIHRSTGLRLAQGSAMPILPANLSVETNAVGQDVSVLFRVTGALQFGELQKQGAGGVEGAEWWATQAFHQRDVEQGRVRYLSTDPQHHAYDTVENLALEVQVGQEILSNLSFPVTIQRATVWMLRLEPLHTQNTQQETLTTAHLEATLEEAGPSPPTFHYEVVQAPRKGNLQLQGTRLSDGQGFTQDDIQAGRVTYGATARASEAVEDTFRFRVTAPPYFSPLYTFPIHIGGDPDAPVLTNVLLVVPEGGEGVLSADHLFVKSLNSASYLYEVMERPRHGRLAWRGTQDKTTMVTSFTNEDLLRGRLVYQHDDSETTEDDIPFVATRQGESSGDMAWEEVRGVFRVAIQPVNDHAPVQTISRIFHVARGGRRLLTTDDVAFSDADSGFADAQLVLTRKDLLFGSIVAVDEPTRPIYRFTQEDLRKRRVLFVHSGADRGWIQLQVSDGQHQATALLEVQASEPYLRVANGSSLVVPQGGQGTIDTAVLHLDTNLDIRSGDEVHYHVTAGPRWGQLVRAGQPATAFSQQDLLDGAVLYSHNGSLSPRDTMAFSVEAGPVHTDATLQVTIALEGPLAPLKLVRHKKIYVFQGEAAEIRRDQLEAAQEAVPPADIVFSVKSPPSAGYLVMVSRGALADEPPSLDPVQSFSQEAVDTGRVLYLHSRPEAWSDAFSLDVASGLGAPLEGVLVELEVLPAAIPLEAQNFSVPEGGSLTLAPPLLRVSGPYFPTLLGLSLQVLEPPQHGALQKEDGPQARTLSAFSWRMVEEQLIRYVHDGSETLTDSFVLMANASEMDRQSHPVAFTVTVLPVNDQPPILTTNTGLQMWEGATAPIPAEALRSTDGDSGSEDLVYTIEQPSNGRVVLRGAPGTEVRSFTQAQLDGGLVLFSHRGTLDGGFRFRLSDGEHTSPGHFFRVTAQKQVLLSLKGSQTLTVCPGSVQPLSSQTLRASSSAGTDPQLLLYRVVRGPQLGRLFHAQQDSTGEALVNFTQAEVYAGNILYEHEMPPEPFWEAHDTLELQLSSPPARDVAATLAVAVSFEAACPQRPSHLWKNKGLWVPEGQRARITVAALDASNLLASVPSPQRSEHDVLFQVTQFPSRGQLLVSEEPLHAGQPHFLQSQLAAGQLVYAHGGGGTQQDGFHFRAHLQGPAGASVAGPQTSEAFAITVRDVNERPPQPQASVPLRLTRGSRAPISRAQLSVVDPDSAPGEIEYEVQRAPHNGFLSLVGGGLGPVTRFTQADVDSGRLAFVANGSSVAGIFQLSMSDGASPPLPMSLAVDILPSAIEVQLRAPLEVPQALGRSSLSQQQLRVVSDREEPEAAYRLIQGPQYGHLLVGGRPTSAFSQFQIDQGEVVFAFTNFSSSHDHFRVLALARGVNASAVVNVTVRALLHVWAGGPWPQGATLRLDPTVLDAGELANRTGSVPRFRLLEGPRHGRVVRVPRARTEPGGSQLVEQFTQQDLEDGRLGLEVGRPEGRAPGPAGDSLTLELWAQGVPPAVASLDFATEPYNAARPYSVALLSVPEAARTEAGKPESSTPTGEPGPMASSPEPAVAKGGFLSFLEANMFSVIIPMCLVLLLLALILPLLFYLRKRNKTGKHDVQVLTAKPRNGLAGDTETFRKVEPGQAIPLTAVPGQGPPPGGQPDPELLQFCRTPNPALKNGQYWV(配列番号19)。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAA AA配列は、配列番号19に記載される配列を含む。別の実施形態では、HMW−MAA AA配列は、配列番号19の相同体である。別の実施形態では、HMW−MAA AA配列は、配列番号19の変異形である。別の実施形態では、HMW−MAA AA配列は、配列番号19の断片である。別の実施形態では、HMW−MAA AA配列は、配列番号19のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0100】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAAタンパク質は、以下の配列によってコードされる。
【0101】
atgcagtccggccgcggccccccacttccagcccccggcctggccttggctttgaccctgactatgttggccagacttgcatccgcggcttccttcttcggtgagaaccacctggaggtgcctgtggccacggctctgaccgacatagacctgcagctgcagttctccacgtcccagcccgaagccctccttctcctggcagcaggcccagctgaccacctcctgctgcagctctactctggacgcctgcaggtcagacttgttctgggccaggaggagctgaggctgcagactccagcagagacgctgctgagtgactccatcccccacactgtggtgctgactgtcgtagagggctgggccacgttgtcagtcgatgggtttctgaacgcctcctcagcagtcccaggagcccccctagaggtcccctatgggctctttgttgggggcactgggacccttggcctgccctacctgaggggaaccagccgacccctgaggggttgcctccatgcagccaccctcaatggccgcagcctcctccggcctctgacccccgatgtgcatgagggctgtgctgaagagttttctgccagtgatgatgtggccctgggcttctctgggccccactctctggctgccttccctgcctggggcactcaggacgaaggaaccctagagtttacactcaccacacagagccggcaggcacccttggccttccaggcagggggccggcgtggggacttcatctatgtggacatatttgagggccacctgcgggccgtggtggagaagggccagggtaccgtattgctccacaacagtgtgcctgtggccgatgggcagccccatgaggtcagtgtccacatcaatgctcaccggctggaaatctccgtggaccagtaccctacgcatacttcgaaccgaggagtcctcagctacctggagccacggggcagtctccttctcggggggctggatgcagaggcctctcgtcacctccaggaacaccgcctgggcctgacaccagaggccaccaatgcctccctgctgggctgcatggaagacctcagtgtcaatggccagaggcgggggctgcgggaagctttgctgacgcgcaacatggcagccggctgcaggctggaggaggaggagtatgaggacgatgcctatggacattatgaagctttctccaccctggcccctgaggcttggccagccatggagctgcctgagccatgcgtgcctgagccagggctgcctcctgtctttgccaatttcacccagctgctgactatcagcccactggtggtggccgaggggggcacagcctggcttgagtggaggcatgtgcagcccacgctggacctgatggaggctgagctgcgcaaatcccaggtgctgttcagcgtgacccgaggggcacgccatggcgagctcgagctggacatcccgggagcccaggcacgaaaaatgttcaccctcctggacgtggtgaaccgcaaggcccgcttcatccacgatggctctgaggacacctccgaccagctggtgctggaggtgtcggtgacggctcgggtgcccatgccctcatgccttcggaggggccaaacatacctcctgcccatccaggtcaaccctgtcaatgacccaccccacatcatcttcccacatggcagcctcatggtgatcctggaacacacgcagaagccgctggggcctgaggttttccaggcctatgacccggactctgcctgtgagggcctcaccttccaggtccttggcacctcctctggcctccccgtggagcgccgagaccagcctggggagccggcgaccgagttctcctgccgggagttggaggccggcagcctagtctatgtccaccgcggtggtcctgcacaggacttgacgttccgggtcagcgatggactgcaggccagccccccggccacgctgaaggtggtggccatccggccggccatacagatccaccgcagcacagggttgcgactggcccaaggctctgccatgcccatcttgcccgccaacctgtcggtggagaccaatgccgtggggcaggatgtgagcgtgctgttccgcgtcactggggccctgcagtttggggagctgcagaagcagggggcaggtggggtggagggtgctgagtggtgggccacacaggcgttccaccagcgggatgtggagcagggccgcgtgaggtacctgagcactgacccacagcaccacgcttacgacaccgtggagaacctggccctggaggtgcaggtgggccaggagatcctgagcaatctgtccttcccagtgaccatccagagagccactgtgtggatgctgcggctggagccactgcacactcagaacacccagcaggagaccctcaccacagcccacctggaggccaccctggaggaggcaggcccaagccccccaaccttccattatgaggtggttcaggctcccaggaaaggcaaccttcaactacagggcacaaggctgtcagatggccagggcttcacccaggatgacatacaggctggccgggtgacctatggggccacagcacgtgcctcagaggcagtcgaggacaccttccgtttccgtgtcacagctccaccatatttctccccactctataccttccccatccacattggtggtgacccagatgcgcctgtcctcaccaatgtcctcctcgtggtgcctgagggtggtgagggtgtcctctctgctgaccacctctttgtcaagagtctcaacagtgccagctacctctatgaggtcatggagcggccccgccatgggaggttggcttggcgtgggacacaggacaagaccactatggtgacatccttcaccaatgaagacctgttgcgtggccggctggtctaccagcatgatgactccgagaccacagaagatgatatcccatttgttgctacccgccagggcgagagcagtggtgacatggcctgggaggaggtacggggtgtcttccgagtggccatccagcccgtgaatgaccacgcccctgtgcagaccatcagccggatcttccatgtggcccggggtgggcggcggctgctgactacagacgacgtggccttcagcgatgctgactcgggctttgctgacgcccagctggtgcttacccgcaaggacctcctctttggcagtatcgtggccgtagatgagcccacgcggcccatctaccgcttcacccaggaggacctcaggaagaggcgagtactgttcgtgcactcaggggctgaccgtggctggatccagctgcaggtgtccgacgggcaacaccaggccactgcgctgctggaggtgcaggcctcggaaccctacctccgtgtggccaacggctccagccttgtggtccctcaagggggccagggcaccatcgacacggccgtgctccacctggacaccaacctcgacatccgcagtggggatgaggtccactaccacgtcacagctggccctcgctggggacagctagtccgggctggtcagccagccacagccttctcccagcaggacctgctggatggggccgttctctatagccacaatggcagcctcagcccccgcgacaccatggccttctccgtggaagcagggccagtgcacacggatgccaccctacaagtgaccattgccctagagggcccactggccccactgaagctggtccggcacaagaagatctacgtcttccagggagaggcagctgagatcagaagggaccagctggaggcagcccaggaggcagtgccacctgcagacatcgtattctcagtgaagagcccaccgagtgccggctacctggtgatggtgtcgcgtggcgccttggcagatgagccacccagcctggaccctgtgcagagcttctcccaggaggcagtggacacaggcagggtcctgtacctgcactcccgccctgaggcctggagcgatgccttctcgctggatgtggcctcaggcctgggtgctcccctcgagggcgtccttgtggagctggaggtgctgcccgctgccatcccactagaggcgcaaaacttcagcgtccctgagggtggcagcctcaccctggcccctccactgctccgtgtctccgggccctacttccccactctcctgggcctcagcctgcaggtgctggagccaccccagcatggagccctgcagaaggaggacggacctcaagccaggaccctcagcgccttctcctggagaatggtggaagagcagctgatccgctacgtgcatgacgggagcgagacactgacagacagttttgtcctgatggctaatgcctccgagatggatcgccagagccatcctgtggccttcactgtcactgtcctgcctgtcaatgaccaaccccccatcctcactacaaacacaggcctgcagatgtgggagggggccactgcgcccatccctgcggaggctctgaggagcacggacggcgactctgggtctgaggatctggtctacaccatcgagcagcccagcaacgggcgggtagtgctgcggggggcgccgggcactgaggtgcgcagcttcacgcaggcccagctggacggcgggctcgtgctgttctcacacagaggaaccctggatggaggcttccgcttccgcctctctgacggcgagcacacttcccccggacacttcttccgagtgacggcccagaagcaagtgctcctctcgctgaagggcagccagacactgactgtctgcccagggtccgtccagccactcagcagtcagaccctcagggccagctccagcgcaggcactgacccccagctcctgctctaccgtgtggtgcggggcccccagctaggccggctgttccacgcccagcaggacagcacaggggaggccctggtgaacttcactcaggcagaggtctacgctgggaatattctgtatgagcatgagatgccccccgagcccttttgggaggcccatgataccctagagctccagctgtcctcgccgcctgcccgggacgtggccgccacccttgctgtggctgtgtcttttgaggctgcctgtccccagcgccccagccacct
ctggaagaacaaaggtctctgggtccccgagggccagcgggccaggatcaccgtggctgctctggatgcctccaatctcttggccagcgttccatcaccccagcgctcagagcatgatgtgctcttccaggtcacacagttccccagccggggccagctgttggtgtccgaggagcccctccatgctgggcagccccacttcctgcagtcccagctggctgcagggcagctagtgtatgcccacggcggtgggggcacccagcaggatggcttccactttcgtgcccacctccaggggccagcaggggcctccgtggctggaccccaaacctcagaggcctttgccatcacggtgagggatgtaaatgagcggccccctcagccacaggcctctgtcccactccggctcacccgaggctctcgtgcccccatctcccgggcccagctgagtgtggtggacccagactcagctcctggggagattgagtacgaggtccagcgggcaccccacaacggcttcctcagcctggtgggtggtggcctggggcccgtgacccgcttcacgcaagccgatgtggattcagggcggctggccttcgtggccaacgggagcagcgtggcaggcatcttccagctgagcatgtctgatggggccagcccacccctgcccatgtccctggctgtggacatcctaccatccgccatcgaggtgcagctgcgggcacccctggaggtgccccaagctttggggcgctcctcactgagccagcagcagctccgggtggtttcagatcgggaggagccagaggcagcataccgcctcatccagggaccccagtatgggcatctcctggtgggcgggcggcccacctcggccttcagccaattccagatagaccagggcgaggtggtctttgccttcaccaacttctcctcctctcatgaccacttcagagtcctggcactggctaggggtgtcaatgcatcagccgtagtgaacgtcactgtgagggctctgctgcatgtgtgggcaggtgggccatggccccagggtgccaccctgcgcctggaccccaccgtcctagatgctggcgagctggccaaccgcacaggcagtgtgccgcgcttccgcctcctggagggaccccggcatggccgcgtggtccgcgtgccccgagccaggacggagcccgggggcagccagctggtggagcagttcactcagcaggaccttgaggacgggaggctggggctggaggtgggcaggccagaggggagggcccccggccccgcaggtgacagtctcactctggagctgtgggcacagggcgtcccgcctgctgtggcctccctggactttgccactgagccttacaatgctgcccggccctacagcgtggccctgctcagtgtccccgaggccgcccggacggaagcagggaagccagagagcagcacccccacaggcgagccaggccccatggcatccagccctgagcccgctgtggccaagggaggcttcctgagcttccttgaggccaacatgttcagcgtcatcatccccatgtgcctggtacttctgctcctggcgctcatcctgcccctgctcttctacctccgaaaacgcaacaagacgggcaagcatgacgtccaggtcctgactgccaagccccgcaacggcctggctggtgacaccgagacctttcgcaaggtggagccaggccaggccatcccgctcacagctgtgcctggccaggggccccctccaggaggccagcctgacccagagctgctgcagttctgccggacacccaaccctgcccttaagaatggccagtactgggtgtgaggcctggcctgggcccagatgctgatcgggccagggacaggc(配列番号20)。別の実施形態では、組み換えヌクレオチドは、配列番号20に記載される配列を有する。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAAをコードするヌクレオチドは、配列番号20に記載される配列を含む。別の実施形態では、HMW−MAAをコードするヌクレオチドは、配列番号20の相同体である。別の実施形態では、HMW−MAAをコードするヌクレオチドは、配列番号20の変異形である。別の実施形態では、HMW−MAAをコードするヌクレオチドは、配列番号20の断片である。別の実施形態では、HMW−MAAをコードするヌクレオチドは、配列番号20のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0102】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAAタンパク質は、NM_001897およびX96753から選択される受入番号を有するGenBankエントリに記載されるAA配列を有する。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載されるヌクレオチド配列によってコードされる。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載される配列を含む。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載される配列の相同体である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載される配列の変異形である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載される配列の断片である。別の実施形態では、HMW−MAAタンパク質は、上記のGenBankエントリのうちの1つに記載される配列のイソ型である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0103】
本発明において利用されるHMW−MAA断片は、別の実施形態では、AA360−554を含む。別の実施形態では、断片は、本質的にAA360−554から成る。別の実施形態では、断片は、AA360−554から成る。別の実施形態では、断片は、AA701−1130から成る。別の実施形態では、断片は、本質的にAA701−1130から成る。別の実施形態では、断片は、AA701−1130から成る。別の実施形態では、断片は、AA2160−2258を含む。別の実施形態では、断片は、本質的に2160−2258から成る。別の実施形態では、断片は、2160−2258から成る。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0104】
別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリアは、一実施形態では、血管新生であり、別の実施形態では、抗原性である組み換えポリペプチドをコードするプラスミドを含む。一実施形態では、ポリペプチドは、HMW−MAAであり、別の実施形態では、ポリペプチドは、HMW−MAA断片である。別の実施形態では、プラスミドは、非HMW−MAAペプチドをさらにコードする。一実施形態では、非HMW−MAAペプチドは、ポリペプチドの免疫原性を強化する。一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のHMW−MAA断片は、非HMW−MAA AA配列に融合する。別の実施形態では、HMW−MAA断片は、非HMW−MAA AA配列内に包含される。別の実施形態では、HMW−MAA由来のペプチドは、LLO断片、ActAタンパク質もしくは断片、またはPEST様配列に取り込まれる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0105】
非HMW−MAAペプチドは、一実施形態では、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチドである。別の実施形態では、非HMW−MAAペプチドは、ActAオリゴペプチドである。別の実施形態では、非HMW−MAAペプチドは、PEST様オリゴペプチドである。一実施形態では、LLO、ActA、PEST様配列、およびそれらの断片への融合は、抗原の細胞媒介性免疫原性を強化する。一実施形態では、LLO、ActA、PEST様配列、およびそれらの断片への融合は、多様な発現系における抗原の細胞媒介性免疫原性を強化する。別の実施形態では、非HMW−MAAペプチドは、当技術分野で知られている任意の他の免疫原性非HMW−MAAペプチドである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0106】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリア株は、腫瘍細胞によって発現される異種抗原ポリペプチドを発現する。一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリア株は、前立腺特異抗原(PSA)をコードする第1の核酸分子または第2の核酸分子を含み、一実施形態では、PSAは、前立腺腫瘍によって高度に発現される前立腺癌に対するマーカであり、一実施形態では、前立腺癌は、アメリカ人男性において最も頻繁に見られる種類の癌であり、別の実施形態では、アメリカ人男性における癌に関連した死亡の第2の原因である。一実施形態では、PSAは、前立腺上皮細胞によって分泌されるカリクレインセリンプロテアーゼ(KLK3)であり、一実施形態では、それは、前立腺癌に対するマーカとして広く使用される。
【0107】
一実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、KLK3タンパク質をコードする核酸分子を含む。
【0108】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。
【0109】
MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号21;GenBank受入番号CAA32915)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号21の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号21の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号21の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号21の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0110】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。
【0111】
IVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCYGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号22)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号22の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号22の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号22の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号22の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0112】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。IVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号23;GenBank受入番号AAA59995.1)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号23の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号23の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号23の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号23の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0113】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。ggtgtcttaggcacactggtcttggagtgcaaaggatctaggcacgtgaggctttgtatgaagaatcggggatcgtacccaccccctgtttctgtttcatcctgggcatgtctcctctgcctttgtcccctagatgaagtctccatgagctacaagggcctggtgcatccagggtgatctagtaattgcagaacagcaagtgctagctctccctccccttccacagctctgggtgtgggagggggttgtccagcctccagcagcatggggagggccttggtcagcctctgggtgccagcagggcaggggcggagtcctggggaatgaaggttttatagggctcctgggggaggctccccagccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgagaggggccatggttggggggatgcaggagagggagccagccctgactgtcaagctgaggctctttcccccccaacccagcaccccagcccagacagggagctgggctcttttctgtctctcccagccccacttcaagcccatacccccagtcccctccatattgcaacagtcctcactcccacaccaggtccccgctccctcccacttaccccagaactttcttcccatttgcccagccagctccctgctcccagctgctttactaaaggggaagttcctgggcatctccgtgtttctctttgtggggctcaaaacctccaaggacctctctcaatgccattggttccttggaccgtatcactggtccatctcctgagcccctcaatcctatcacagtctactgacttttcccattcagctgtgagtgtccaaccctatcccagagaccttgatgcttggcctcccaatcttgccctaggatacccagatgccaaccagacacctccttctttcctagccaggctatctggcctgagacaacaaatgggtccctcagtctggcaatgggactctgagaactcctcattccctgactcttagccccagactcttcattcagtggcccacattttccttaggaaaaacatgagcatccccagccacaactgccagctctctgagtccccaaatctgcatccttttcaaaacctaaaaacaaaaagaaaaacaaataaaacaaaaccaactcagaccagaactgttttctcaacctgggacttcctaaactttccaaaaccttcctcttccagcaactgaacctcgccataaggcacttatccctggttcctagcaccccttatcccctcagaatccacaacttgtaccaagtttcccttctcccagtccaagaccccaaatcaccacaaaggacccaatccccagactcaagatatggtctgggcgctgtcttgtgtctcctaccctgatccctgggttcaactctgctcccagagcatgaagcctctccaccagcaccagccaccaacctgcaaacctagggaagattgacagaattcccagcctttcccagctccccctgcccatgtcccaggactcccagccttggttctctgcccccgtgtcttttcaaacccacatcctaaatccatctcctatccgagtcccccagttccccctgtcaaccctgattcccctgatctagcaccccctctgcaggcgctgcgcccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaagtgagtaggggcctggggtctggggagcaggtgtctgtgtcccagaggaataacagctgggcattttccccaggataacctctaaggccagccttgggactgggggagagagggaaagttctggttcaggtcacatggggaggcagggttggggctggaccaccctccccatggctgcctgggtctccatctgtgtccctctatgtctctttgtgtcgctttcattatgtctcttggtaactggcttcggttgtgtctctccgtgtgactattttgttctctctctccctctcttctctgtcttcagtctccatatctccccctctctctgtccttctctggtccctctctagccagtgtgtctcaccctgtatctctctgccaggctctgtctctcggtctctgtctcacctgtgccttctccctactgaacacacgcacgggatgggcctgggggaccctgagaaaaggaagggctttggctgggcgcggtggctcacacctgtaatcccagcactttgggaggccaaggcaggtagatcacctgaggtcaggagttcgagaccagcctggccaactggtgaaaccccatctctactaaaaatacaaaaaattagccaggcgtggtggcgcatgcctgtagtcccagctactcaggagctgagggaggagaattgcattgaacctggaggttgaggttgcagtgagccgagaccgtgccactgcactccagcctgggtgacagagtgagactccgcctcaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaagaaaagaaaagaaaagaaaaggaagtgttttatccctgatgtgtgtgggtatgagggtatgagagggcccctctcactccattccttctccaggacatccctccactcttgggagacacagagaagggctggttccagctggagctgggaggggcaattgagggaggaggaaggagaagggggaaggaaaacagggtatgggggaaaggaccctggggagcgaagtggaggatacaaccttgggcctgcaggcaggctacctacccacttggaaacccacgccaaagccgcatctacagctgagccactctgaggcctcccctccccggcggtccccactcagctccaaagtctctctcccttttctctcccacactttatcatcccccggattcctctctacttggttctcattcttcctttgacttcctgcttccctttctcattcatctgtttctcactttctgcctggttttgttcttctctctctctttctctggcccatgtctgtttctctatgtttctgtcttttctttctcatcctgtgtattttcggctcaccttgtttgtcactgttctcccctctgccctttcattctctctgcccttttaccctcttccttttcccttggttctctcagttctgtatctgcccttcaccctctcacactgctgtttcccaactcgttgtctgtattttggcctgaactgtgtcttcccaaccctgtgttttctcactgtttctttttctcttttggagcctcctccttgctcctctgtcccttctctctttccttatcatcctcgctcctcattcctgcgtctgcttcctccccagcaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagtgtacgcctgggccagatggtgcagccgggagcccagatgcctgggtctgagggaggaggggacaggactcctgggtctgagggaggagggccaaggaaccaggtggggtccagcccacaacagtgtttttgcctggcccgtagtcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcggtgagtcatccctactcccaagatcttgagggaaaggtgagtgggaccttaattctgggctggggtctagaagccaacaaggcgtctgcctcccctgctccccagctgtagccatgccacctccccgtgtctcatctcattccctccttccctcttctttgactccctcaaggcaataggttattcttacagcacaactcatctgttcctgcgttcagcacacggttactaggcacctgctatgcacccagcactgccctagagcctgggacatagcagtgaacagacagagagcagcccctcccttctgtagcccccaagccagtgaggggcacaggcaggaacagggaccacaacacagaaaagctggagggtgtcaggaggtgatcaggctctcggggagggagaaggggtggggagtgtgactgggaggagacatcctgcagaaggtgggagtgagcaaacacctgcgcaggggaggggagggcctgcggcacctgggggagcagagggaacagcatctggccaggcctgggaggaggggcctagagggcgtcaggagcagagaggaggttgcctggctggagtgaaggatcggggcagggtgcgagagggaacaaaggacccctcctgcagggcctcacctgggccacaggaggacactgcttttcctctgaggagtcaggaactgtggatggtgctggacagaagcaggacagggcctggctcaggtgtccagaggctgcgctggcctcctatgggatcagactgcagggagggagggcagcagggatgtggagggagtgatgatggggctgacctgggggtggctccaggcattgtccccacctgggcccttacccagcctccctcacaggctcctggccctcagtctctcccctccactccattctccacctacccacagtgggtcattctgatcaccgaactgaccatgccagccctgccgatggtcctccatggctccctagtgccctggagaggaggtgtctagtcagagagtagtcc
tggaaggtggcctctgtgaggagccacggggacagcatcctgcagatggtcctggcccttgtcccaccgacctgtctacaaggactgtcctcgtggaccctcccctctgcacaggagctggaccctgaagtcccttcctaccggccaggactggagcccctacccctctgttggaatccctgcccaccttcttctggaagtcggctctggagacatttctctcttcttccaaagctgggaactgctatctgttatctgcctgtccaggtctgaaagataggattgcccaggcagaaactgggactgacctatctcactctctccctgcttttacccttagggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaagtccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaagcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagttaggatggggtgtctgtgttatttgtgggatacagagatgaaagaggggtgggatcc(配列番号22;GenBank受入番号X14810)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号24の残基401..446、1688..1847、3477..3763、3907..4043、および5413..5568によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号24の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号24の変異体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号24の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号24の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0114】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSWVILITELTMPALPMVLHGSLVPWRGGV(配列番号25;GenBank受入番号NP_001025218)別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号25の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号25の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号25の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号25の断片である。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0115】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。agccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgtgggtcattctgatcaccgaactgaccatgccagccctgccgatggtcctccatggctccctagtgccctggagaggaggtgtctagtcagagagtagtcctggaaggtggcctctgtgaggagccacggggacagcatcctgcagatggtcctggcccttgtcccaccgacctgtctacaaggactgtcctcgtggaccctcccctctgcacaggagctggaccctgaagtcccttccccaccggccaggactggagcccctacccctctgttggaatccctgcccaccttcttctggaagtcggctctggagacatttctctcttcttccaaagctgggaactgctatctgttatctgcctgtccaggtctgaaagataggattgcccaggcagaaactgggactgacctatctcactctctccctgcttttacccttagggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaaccccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaagcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgagccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtaaggagagggactggaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgtg(配列番号26;GenBank受入番号NM_001030047)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号26の残基42−758によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号26の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号26の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号26の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号26の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0116】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRK(配列番号27;GenBank受入番号NP_001025221)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号27の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号27の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質の配列は、配列番号27を含む。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号27の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号27の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0117】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。agccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcacccttccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaagtgagtaggggcctggggtctggggagcaggtgtctgtgtcccagaggaataacagctgggcattttccccaggataacctctaaggccagccttgggactgggggagagagggaaagttctggttcaggtcacatggggaggcagggttggggctggaccaccctccccatggctgcctgggtctccatctgtgttcctctatgtctctttgtgtcgctttcattatgtctcttggtaactggcttcggttgtgtctctccgtgtgactattttgttctctctctccctctcttctctgtcttcagt(配列番号28;GenBank受入番号NM_001030050)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号28の残基42−758によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号28の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号28の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号28の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号28の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0118】
別の実施形態では、KLK3ペプチド源であるKLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号29;GenBank受入番号NP_001025220)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号29の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号29の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号29の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号29の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0119】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。agccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaaccccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaagcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgagccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtaaggagagggactggaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgtg(配列番号30;GenBank受入番号NM_001030049)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号30の残基42−758によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号30の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号30の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号30の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号30の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0120】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRKPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号31;GenBank受入番号NP_001025219)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号31の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号31の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号31の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号31の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0121】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。agccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaagccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattacccaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaaccccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaagcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgagccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtaaggagagggactggaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgtg(配列番号32;GenBank受入番号NM_001030048)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号32の残基42−758によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号32の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号32の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号32の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号32の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0122】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号33;GenBank受入番号NP_001639)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号33の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号33の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号33の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号33の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0123】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。agccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaaccccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaagcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgagccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtaaggagagggactggaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgtg(配列番号34;GenBank受入番号NM_001648)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号34の残基42−827によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号34の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号34の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号34の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号34の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0124】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号35GenBank受入番号AAX29407.1)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号35の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号35の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号35の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質の配列は、配列番号35を含む。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号35の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0125】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。gggggagccccaagcttaccacctgcacccggagagctgtgtcaccatgtgggtcccggttgtcttcctcaccctgtccgtgacgtggattggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaactccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaggcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgagccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtagggagagggactggaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgcgaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa(配列番号36;GenBank受入番号BC056665)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号36の残基47−832によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号36の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号36の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号36の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号36の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0126】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVA(配列番号37;GenBank受入番号AJ459782)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号37の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号37の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号37の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号37の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0127】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSVSHPYSQDLEGKGEWGP(配列番号38、GenBank受入番号AJ512346)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号38の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号38の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号38の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質の配列は、配列番号38を含む。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号38の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0128】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGERGHGWGDAGEGASPDCQAEALSPPTQHPSPDRELGSFLSLPAPLQAHTPSPSILQQSSLPHQVPAPSHLPQNFLPIAQPAPCSQLLY(配列番号39GenBank受入番号AJ459784)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号39の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号39の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質の配列は、配列番号39を含む。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号39の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号39の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0129】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有する。MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWVLTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHDLMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVISNDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERPSLYTKVVHYRKWIKDTIVANP(配列番号40GenBank受入番号AJ459783)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号40の相同体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号40の変異形である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号40の異性体である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号40の断片である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0130】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下の配列を有するヌクレオチド分子によってコードされる。aagtttcccttctcccagtccaagaccccaaatcaccacaaaggacccaatccccagactcaagatatggtctgggcgctgtcttgtgtctcctaccctgatccctgggttcaactctgctcccagagcatgaagcctctccaccagcaccagccaccaacctgcaaacctagggaagattgacagaattcccagcctttcccagctccccctgcccatgtcccaggactcccagccttggttctctgcccccgtgtcttttcaaacccacatcctaaatccatctcctatccgagtcccccagttcctcctgtcaaccctgattcccctgatctagcaccccctctgcaggtgctgcacccctcatcctgtctcggattgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtagcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctacccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctatgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgtaatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctgagcacccctatcaactccctattgtagtaaacttggaaccttggaaatgaccaggccaagactcaggcctccccagttctactgacctttgtccttaggtgtgaggtccagggttgctaggaaaagaaatcagcagacacaggtgtagaccagagtgtttcttaaatggtgtaattttgtcctctctgtgtcctggggaatactggccatgcctggagacatatcactcaatttctctgaggacacagataggatggggtgtctgtgttatttgtggggtacagagatgaaagaggggtgggatccacactgagagagtggagagtgacatgtgctggacactgtccatgaagcactgagcagaagctggaggcacaacgcaccagacactcacagcaaggatggagctgaaaacataacccactctgtcctggaggcactgggaagcctagagaaggctgtgaaccaaggagggagggtcttcctttggcatgggatggggatgaagtaaggagagggactgaccccctggaagctgattcactatggggggaggtgtattgaagtcctccagacaaccctcagatttgatgatttcctagtagaactcacagaaataaagagctgttatactgtgaa(配列番号41;GenBank受入番号X07730)。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号41の残基67−1088によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号41の相同体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号41の変異形によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号41の異性体によってコードされる。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、配列番号41の断片によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0131】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下のGenBank受入番号のうちの1つに記載される配列によってコードされる。BC005307、AJ310938、AJ310937、AF335478、AF335477、M27274、およびM26663。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、上記のGenBank受入番号のうちの1つに記載される配列によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0132】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下のGenBank受入番号のうちの1つに記載される配列によってコードされる。NM_001030050、NM_001030049、NM_001030048、NM_001030047、NM_001648、AJ459782、AJ512346、またはAJ459784。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。一実施形態では、KLK3タンパク質は、配列がMWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSR(配列番号42)を欠く、本明細書に記載される任意の配列の変形によってコードされる。
【0133】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、以下のGenBank受入番号のうちの1つに記載される配列を含む配列を有する。X13943、X13942、X13940、X13941、およびX13944。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0134】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のKLK3タンパク質である。各KLK3タンパク質は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0135】
別の実施形態では、KLK3ペプチドは、当技術分野で知られている任意の他のKLK3ペプチドである。別の実施形態では、KLK3ペプチドは、当技術分野で知られている任意の他のKLK3ペプチドの断片である。各種のKLK3ペプチドは、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0136】
「KLK3ペプチド」とは、別の実施形態では、完全長KLK3タンパク質を指す。別の実施形態では、この用語は、KLK3タンパク質の断片を指す。別の実施形態では、この用語は、KLK3信号ペプチドを欠くKLK3タンパク質の断片を指す。別の実施形態では、この用語は、KLK3信号ペプチドを除くKLK3配列全体を含有するKLK3タンパク質を指す。「KLK3信号配列」とは、別の実施形態では、KLK3タンパク質上で天然に見られる任意の信号配列を指す。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のKLK3タンパク質は、いかなる信号配列も含有しない。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0137】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物で使用するためのKLK3ペプチド源であるカリクレイン関連ペプチダーゼ3(KLK3タンパク質)は、PSAタンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、P−30抗原タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、γ−セミノプロテインタンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、カリクレイン3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、セミノゲラーゼタンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、セミニンタンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、当技術分野で知られている任意の他の種類のKLK3タンパク質である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0138】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、スプライス変異形1KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、スプライス変異形2KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、スプライス変異形3KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形1KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形2KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形3KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形4KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形5KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、転写変異形6KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、スプライス変異形RP5KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、当技術分野で任意の他のスプライス変異形KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、当技術分野で知られている任意の他の転写変異形KLK3タンパク質である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0139】
別の実施形態では、KLK3タンパク質は、成熟KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、プロKLK3タンパク質である。別の実施形態では、リーダー配列は、本明細書において提供される方法および組成物の成熟KLK3タンパク質から除去されている。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0140】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のKLK3ペプチド源であるKLK3タンパク質は、ヒトKLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、霊長類KLK3タンパク質である。別の実施形態では、KLK3タンパク質は、当技術分野で知られている任意の他の種のKLK3タンパク質である。別の実施形態では、上記のKLK3タンパク質のうちの1つは、「KLK3タンパク質」と当技術分野で称される。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0141】
別の実施形態では、対象の抗原は、KLK9ポリペプチドである。
【0142】
別の実施形態では、対象の抗原は、HPV−E7である。別の実施形態では、抗原は、HPV−E6である。別の実施形態では、抗原は、Her−2/neuである。別の実施形態では、抗原は、NY−ESO−1である。別の実施形態では、抗原は、テロメラーゼ(TERT)である。別の実施形態では、抗原は、SCCEである。別の実施形態では、抗原は、CEAである。別の実施形態では、抗原は、LMP−1である。別の実施形態では、抗原は、p53である。別の実施形態では、抗原は、カルボニックアンヒドラーゼIX(CAIX)である。別の実施形態では、抗原は、PSMAである。別の実施形態では、抗原は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)である。別の実施形態では、抗原は、HMW−MAAである。別の実施形態では、抗原は、WT−1である。別の実施形態では、抗原は、HIV−1Gagである。別の実施形態では、抗原は、プロテイナーゼ3である。別の実施形態では、抗原は、チロシナーゼ関連タンパク質2である。別の実施形態では、抗原は、PSA(前立腺特異抗原)である。別の実施形態では、抗原は、HPV−E7、HPV−E6、Her−2、NY−ESO−1、テロメラーゼ(TERT)、SCCE、HMW−MAA、WT−1、HIV−1Gag、CEA、LMP−1、p53、PSMA、PSCA、プロテイナーゼ3、チロシナーゼ関連タンパク質2、Muc1、PSA(前立腺特異抗原)、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0143】
別の実施形態では、抗原は、腫瘍関連抗原であり、一実施形態では、以下の腫瘍抗原のうちの1つである。MAGE(メラノーマ−関連抗原E)タンパク質、例えば、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、チロシナーゼ、変異体rasタンパク質、変異体p53タンパク質、進行癌に関連するp97メラノーマ抗原、rasペプチド、またはp53ペプチド、子宮頸癌に関連するHPV16/18抗原、乳癌に関連するKLH抗原、結腸直腸癌に関連するCEA(癌胎児性抗原)、gp100、メラノーマに関連するMART1抗原、または前立腺癌に関連するPSA抗原。別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法のための抗原は、メラノーマ関連抗原であり、一実施形態では、TRP−2、MAGE−1、MAGE−3、gp−100、チロシナーゼ、HSP−70、ベータ−HCG、またはそれらの組み合わせである。
【0144】
一実施形態では、第1の核酸および第2の核酸は、腫瘍標的として機能する2つの別々の抗原をコードし得、一実施形態では、その抗原は、前立腺特異抗原(PSA)および前立腺癌幹細胞(PSCA)抗原である。一実施形態では、第2の核酸によってコードされるポリペプチドは、抗原ポリペプチドをコードする第1の核酸に対する免疫応答を補完するか、または相乗作用を与え得る。別の実施形態では、第2の核酸によってコードされるポリペプチドは、血管成長に影響を与える。一実施形態では、第1の核酸および第2の核酸は、血管成長に影響を与える2つのポリペプチドをコードし得、一実施形態では、それらは、区別できる別の機構を介して作用して、血管成長に影響を与える。一実施形態では、そのようなポリペプチドは、EGFR−III、HMW−MAA、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍抗体および血管新生因子の両方として機能し得る。一実施形態では、第1の核酸は、腫瘍抗体をコードし得、第2の核酸は、ARG−1もしくはNOS、または組み合わせの機能または発現の阻害因子であるポリペプチドをコードし得る。一実施形態では、NOSの阻害因子は、N
G−モノ−メチル−L−アルギニン(L−NMMA)、N
G−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)、7−NI、L−NIL、またはL−NIOである。一実施形態では、酸化窒素シンターゼ阻害因子およびL−アルギニン競合阻害因子である、N−オメガ−ニトロ−L−アルギニンは、核酸によってコードされ得る。一実施形態では、第2の核酸は、ARG−1またはNOSの機能または発現を阻害するmRNAをコードし得る。
【0145】
一実施形態では、本発明のリステリアによって発現されるポリペプチドは、神経ペプチド成長因子アンタゴニストであり得、一実施形態では、[D−Arg1、D−Phe5、D−Trp7,9、Leu11]物質P、[Arg6、D−Trp7,9、NmePhe8]物質P(6−11)である。これら、および関連する実施形態実施形態は、当業者によって理解される。
【0146】
別の実施形態では、抗原は、感染症抗原である。一実施形態では、抗原は、自己抗原または自己抗原である。
【0147】
他の実施形態では、抗原は、菌類病原体、細菌、寄生生物、寄生蠕虫、またはウイルスに由来する。他の実施形態では、抗原は、破傷風トキソイド、インフルエンザウイルスからの血球凝集素分子、ジフテリアトキソイド、HIV gp120、HIV gagタンパク質、IgAプロテアーゼ、インスリンペプチドB、ジャガイモ粉状そうか病菌抗原、ビブリオ抗原、サルモネラ菌抗原、肺炎球菌抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、インフルエンザ菌外膜タンパク質、ヘリコバクターピロリウレアーゼ、髄膜炎菌ピリン、淋菌ピリン、HPV−16、−18、−31、−33、−35、もしくは−45型ヒトパピローマウイルスからのヒトパピローマウイルス抗原E1およびE2、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0148】
他の実施形態では、抗原は、以下の疾病のうちの1つに関連する。コレラ、ジフテリア、ヘモフィルス属、A型肝炎、B型肝炎、インフルエンザ、はしか、髄膜炎、おたふく風邪、百日咳、天然痘、肺炎球菌性肺炎、ポリオ、狂犬病、風疹、破傷風、結核、腸チフス、水痘帯状疱疹、百日咳、黄熱病、アジソン病からの免疫原および抗原、アレルギー、アナフィラキシー、ブルートン症候群、固形および血液感染性腫瘍を含む癌、湿疹、橋本甲状腺炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、1型糖尿病、後天性免疫不全症候群、腎臓、心臓、膵臓、肺、骨、および肝臓移植等の移植拒絶反応、バセドウ病、多腺性自己免疫疾患疾病、肝炎、顕微鏡的多発動脈炎、結節性多発動脈炎、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、悪性貧血、セリアック病、抗原介在性腎炎、糸球体腎炎、リウマチ性疾患、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、血清反応陰性脊椎関節炎、鼻炎、シェーグレン症候群、全身性硬化、硬化性胆管炎、ウェゲナー肉芽腫症、疱疹状皮膚炎、乾癬、白斑、多発性硬化、脳脊髄炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症、ランバートイートン症候群、強膜、上強膜、ブドウ膜炎、慢性粘膜皮膚カンジダ症、じんま疹、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、骨髄腫、X連鎖高IgM症候群、ヴィスコットアルドリッチ症候群、毛細血管拡張性運動失調、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性好中球減少症、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、アミロイドーシス、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、マラリアスポロゾイト周囲タンパク質、微生物抗原、ウイルス抗原、自己抗原、およびリステリア症。各抗原は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0149】
本明細書において提供される方法および組成物によって誘導される免疫応答は、別の実施形態では、T細胞応答である。別の実施形態では、免疫応答は、T細胞応答を含む。別の実施形態では、応答は、CD8+T細胞応答である。別の実施形態では、応答は、CD8
+T細胞応答を含む。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0150】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法の組み換えリステリアは、血管新生ポリペプチドを含む。別の実施形態では、癌療法に対する抗血管新生のアプローチは、非常に有望であり、一実施形態では、そのような抗脈管形成療法の1つの種類は、周皮細胞を標的とする。別の実施形態では、血管内皮細胞および周皮細胞に対する分子標的は、抗腫瘍療法のための重要な標的である。別の実施形態では、血小板由来成長因子受容体(PDGF−B/PDGFR−β)信号伝達は、周皮細胞を新規に形成された血管に動員するために重要である。したがって、一実施形態では、本明細書において提供される血管新生ポリペプチドは、一実施形態では、PDGFR−βである、周皮細胞信号伝達に関与する分子を阻害する。
【0151】
一実施形態では、本発明の組成物は、血管新生因子、またはその免疫原性断片を含み、一実施形態では、免疫原性断片は、宿主免疫系によって認識される1つ以上のエピトープを含む。一実施形態では、血管新生因子は、新規血管の形成に関与する分子である。一実施形態では、血管新生因子は、VEGFR2である。別の実施形態では、本発明の血管新生因子は、アンギオジェニン、アンジオポイエチン−1、Del−1、酸性(aFGF)および塩基性(bFGF)の線維芽細胞成長因子、ホリスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、肝細胞成長因子(HGF)/散乱因子(SF)、インターロイキン−8(IL−8)、レプチン、ミッドカイン、胎盤成長因子、血小板由来内皮細胞成長因子(PD−ECGF)、血小板由来成長因子−BB(PDGF−BB)、プレイオトロフィン(PTN)、プログラヌリン、プロリフェリン、形質転換成長因子−α(TGF−α)、形質転換成長因子−β(TGF−β)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、血管内皮成長因子(VEGF)/血管透過因子(VPF)である。別の実施形態では、血管新生因子は、血管新生のタンパク質である。一実施形態では、成長因子は、血管新生のタンパク質である。一実施形態では、本発明の組成物および方法で使用するための血管新生のタンパク質は、線維芽細胞成長因子(FGF)、VEGF、VEGFR、およびニューロピリン1(NRP−1)、アンジオポイエチン1(Ang1)およびTie2、血小板由来成長因子(PDGF、BB−ホモ二量体)およびPDGFR、形質転換成長因子−β(TGF−β)、エンドグリンおよびTGF−β受容体、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)、インテグリンαVβ3、αVβ5、およびα5β1、VE−カドヘリンおよびCD31、エフリン、プラスミノゲン活性化因子、プラスミノゲン活性化因子阻害剤−1、酸化窒素シンターゼ(NOS)およびCOX−2、AC133、またはId1/Id3である。一実施形態では、本発明の組成物および方法で使用するための血管新生のタンパク質は、アンジオポイエチンであり、一実施形態では、アンジオポイエチン1、アンジオポイエチン3、アンジオポイエチン4、またはアンジオポイエチン6である。一実施形態では、エンドグリンは、CD105、EDG、HHT1、ORW、またはORW1としても知られている。一実施形態では、エンドグリンは、TGF−β共受容体である。
【0152】
一実施形態では、本明細書において提供される癌ワクチンは、腫瘍を浸潤し、腫瘍細胞を破壊し、疾病を根絶することが可能なエフェクターT細胞を生成する。一実施形態では、リンパ球(TIL)に浸潤する自然発生の腫瘍は、結腸、卵巣、およびメラノーマ等のいくつかの腫瘍においてより良い予後に関連する。直腸癌では、微小転移の兆候を伴わない腫瘍は、免疫細胞の浸潤の増加およびTh1発現プロファイルを有し、それは、患者の生存の改善と相関する。また、T細胞による腫瘍の浸潤は、前臨床および臨床試験の両方における免疫療法アプローチの成功に関連している。一実施形態では、腫瘍部位へのリンパ球の浸潤は、概して、IFN−γ、TNF−α、およびIL−1等の炎症性サイトカインによる、腫瘍血管系の内皮細胞における接着分子の上方調節に依存する。細胞間接着分子1(ICAM−1)、血管内皮細胞接着分子1(V−CAM−1)、血管接着タンパク質1(VAP−1)、およびE−セレクチンを含む、いくつかの接着分子は、腫瘍へのリンパ球浸潤の過程に関連付けられている。しかしながら、これらの細胞接着分子は、腫瘍血管系において頻繁に下方調節されている。したがって、一実施形態では、本明細書において提供される癌ワクチンは、TILを増加させるか、接着分子(一実施形態では、ICAM−1、V−CAM−1、VAP−1、E−セレクチン、またはそれらの組み合わせ)を上方調節するか、炎症性サイトカイン(一実施形態では、IFN−γ、TNF−α、IL−1、またはそれらの組み合わせ)を上方調節するか、またはそれらの組み合わせである。
【0153】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法は、抗血管新生療法を提供し、一実施形態では、免疫療法戦略を改善し得る。一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法は、腫瘍血管における接着分子を上方調節し、白血球血管相互作用を強化することによって、体内の内皮細胞アネルギーを回避し、CD8
+T細胞等の、腫瘍に浸潤する白血球の数を増加させる。興味深いことに、強化された抗腫瘍保護は、活性化された腫瘍に浸潤するCD4
+およびCD8
+T細胞の数の増加およびVEGF遮断後の腫瘍における調節性T細胞の数の顕著な低下と相関する。
【0154】
一実施形態では、本明細書において記載される腫瘍を患っている宿主への腫瘍関連抗原と同時の抗血管新生抗原の送達は、腫瘍成長に影響を与える上で、相乗効果、およびより強力な治療効果を有する。
【0155】
別の実施形態では、ワクチン接種を通して周皮細胞を標的とすることは、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)浸潤、周皮細胞の破壊、血管不安定化、および血管炎症につながり、別の実施形態では、リンパ球接着および移行にとって重要である内皮細胞における接着分子の上方調節に関連し、最終的に、腫瘍組織に浸潤するリンパ球の能力を改善する。別の実施形態では、腫瘍特異性抗原の同時送達は、腫瘍部位に侵入し、腫瘍細胞を死滅させることが可能なリンパ球を生成する。
【0156】
一実施形態では、血小板由来成長因子受容体(PDGF−B/PDGFR−β)信号伝達は、周皮細胞を新規に形成された血管に動員するために重要である。別の実施形態では、VEGFR−2およびPDGFR−βの同時阻害は、内皮細胞アポトーシスおよび腫瘍血管の退行を誘導し、一実施形態では、腫瘍血管の約40%となる。
【0157】
別の実施形態では、該組み換えリステリア株は、栄養要求性リステリア株である。別の実施形態では、該栄養要求性リステリア株は、dal/dat変異体である。別の実施形態では、核酸分子は、抗生物質選択の非存在下で組み換え細菌株において安定して維持される。
【0158】
一実施形態では、ワクチンベクターとして有用な栄養要求性変異体は、多数の方法で生成され得る。別の実施形態では、D−アラニン栄養要求性変異体は、一実施形態では、成長のための外から加えられたD−アラニンを必要とするリステリアの弱毒化した栄養要求性株を生成するためのdal遺伝子およびdat遺伝子の両方の妨害を介して生成することができる。
【0159】
一実施形態では、D−アラニンに欠乏しているリステリアのAA株の生成は、例えば、当業者に知られている多数の方法で達成することができ、その方法には、欠失突然変異生成、挿入突然変異生成、およびフレームシフト突然変異の生成を引き起こす突然変異生成、タンパク質の未完熟終了を引き起こす突然変異、または遺伝子発現に影響を与える調節配列の突然変異が含まれる。別の実施形態では、突然変異生成は、組み換えDNA技術を使用してか、または変異原性化学物質もしくは放射および変異体のその後の選択を使用する伝統的な突然変異生成技術を使用して達成することができる。別の実施形態では、欠失変異体は、栄養要求性表現型の復帰変異の付随する低い可能性のために好ましい。別の実施形態では、本明細書に提示されるプロトコルに従って生成されるD−アラニンの変異体は、簡易培養検定において、D−アラニンの非存在下で成長する能力に対して試験することができる。別の実施形態では、この化合物の非存在下で成長することができないそれらの変異体は、さらなる研究のための選択される。
【0160】
別の実施形態では、前述のD−アラニン関連遺伝子に加えて、本明細書において提供される、代謝酵素の合成に関与する他の遺伝子を、リステリアの突然変異生成のための標的として使用することができる。
【0161】
一実施形態では、該栄養要求性リステリア株は、該栄養要求性リステリア株の栄養要求性を補完する代謝酵素を含むエピソーム発現ベクターを含む。別の実施形態では、コンストラクトは、エピソームの型でリステリア株に含有される。別の実施形態では、外来抗原は、組み換えリステリア株に宿るベクターから発現される。別の実施形態では、該エピソーム発現ベクターは、抗生物質耐性マーカを欠く。一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の抗原は、PEST配列を含むオリゴペプチドに遺伝子的に融合される。別の実施形態では、PEST配列を含む該内因性ポリペプチドは、LLOである。別の実施形態では、PEST配列を含む該内因性ポリペプチドは、ActAである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0162】
別の実施形態では、代謝酵素は、組み換え細菌株の染色体の残余に欠けている内因性代謝関連遺伝子を補完する。一実施形態では、内因性代謝関連遺伝子は、染色体において突然変異している。別の実施形態では、内因性代謝関連遺伝子は、染色体から欠失している。別の実施形態では、該代謝酵素は、アミノ酸代謝酵素である。別の実施形態では、該代謝酵素は、該組み換えリステリア株における細胞壁合成のために使用されるアミノ酸の形成を触媒する。別の実施形態では、該代謝酵素は、アラニンラセマーゼ酵素である。別の実施形態では、該代謝酵素は、D−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0163】
別の実施形態では、代謝酵素は、細胞壁合成において使用されるアミノ酸(AA)の形成を触媒する。別の実施形態では、代謝酵素は、細胞壁合成において使用されるAAの合成を触媒する。別の実施形態では、代謝酵素は、細胞壁合成において使用されるAAの合成に関与する。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0164】
別の実施形態では、代謝酵素は、細胞壁の構成要素であるD−グルタミン酸の合成酵素である。
【0165】
別の実施形態では、代謝酵素は、アラニンラセマーゼ遺伝子(dal)遺伝子によってコードされる。別の実施形態では、dal遺伝子は、反応L−アラニン⇔D−アラニンを触媒する、アラニンラセマーゼをコードする。
【0166】
本明細書において提供される方法および組成物の方法および組成物のdal遺伝子は、別の実施形態では、以下の配列によってコードされる。
【0167】
atggtgacaggctggcatcgtccaacatggattgaaatagaccgcgcagcaattcgcgaaaatataaaaaatgaacaaaataaactcccggaaagtgtcgacttatgggcagtagtcaaagctaatgcatatggtcacggaattatcgaagttgctaggacggcgaaagaagctggagcaaaaggtttctgcgtagccattttagatgaggcactggctcttagagaagctggatttcaagatgactttattcttgtgcttggtgcaaccagaaaagaagatgctaatctggcagccaaaaaccacatttcacttactgtttttagagaagattggctagagaatctaacgctagaagcaacacttcgaattcatttaaaagtagatagcggtatggggcgtctcggtattcgtacgactgaagaagcacggcgaattgaagcaaccagtactaatgatcaccaattacaactggaaggtatttacacgcattttgcaacagccgaccagctagaaactagttattttgaacaacaattagctaagttccaaacgattttaacgagtttaaaaaaacgaccaacttatgttcatacagccaattcagctgcttcattgttacagccacaaatcgggtttgatgcgattcgctttggtatttcgatgtatggattaactccctccacagaaatcaaaactagcttgccgtttgagcttaaacctgcacttgcactctataccgagatggttcatgtgaaagaacttgcaccaggcgatagcgttagctacggagcaacttatacagcaacagagcgagaatgggttgcgacattaccaattggctatgcggatggattgattcgtcattacagtggtttccatgttttagtagacggtgaaccagctccaatcattggtcgagtttgtatggatcaaaccatcataaaactaccacgtgaatttcaaactggttcaaaagtaacgataattggcaaagatcatggtaacacggtaacagcagatgatgccgctcaatatttagatacaattaattatgaggtaacttgtttgttaaatgagcgcatacctagaaaatacatccattag(配列番号42;GenBank受入番号:AF038438)。別の実施形態では、dalをコードするヌクレオチドは、配列番号42と相同である。別の実施形態では、dalをコードするヌクレオチドは、配列番号42の変異形である。dalをコードするヌクレオチドは、配列番号42の断片である。別の実施形態では、dalタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のdal遺伝子によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0168】
別の実施形態では、dalタンパク質は、以下の配列を有する。
【0169】
MVTGWHRPTWIEIDRAAIRENIKNEQNKLPESVDLWAVVKANAYGHGIIEVARTAKEAGAKGFCVAILDEALALREAGFQDDFILVLGATRKEDANLAAKNHISLTVFREDWLENLTLEATLRIHLKVDSGMGRLGIRTTEEARRIEATSTNDHQLQLEGIYTHFATADQLETSYFEQQLAKFQTILTSLKKRPTYVHTANSAASLLQPQIGFDAIRFGISMYGLTPSTEIKTSLPFELKPALALYTEMVHVKELAPGDSVSYGATYTATEREWVATLPIGYADGLIRHYSGFHVLVDGEPAPIIGRVCMDQTIIKLPREFQTGSKVTIIGKDHGNTVTADDAAQYLDTINYEVTCLLNERIPRKYIH(配列番号43;GenBank受入番号:AF038428)。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43と相同である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の変異形である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の異性体である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の断片である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の相同体の断片である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の変異形の断片である。別の実施形態では、dalタンパク質は、配列番号43の異性体の断片である。
【0170】
別の実施形態では、dalタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のリステリアdalタンパク質である。別の実施形態では、dalタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のグラム陽性のdalタンパク質である。別の実施形態では、dalタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のdalタンパク質である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0171】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のdalタンパク質は、その酵素活性を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の90%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の80%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の70%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の60%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の50%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の40%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の30%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の20%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の10%を保持する。別の実施形態では、dalタンパク質は、野生型活性の5%を保持する。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0172】
別の実施形態では、代謝酵素は、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(dat)によってコードされる。D−グルタミン酸合成は、D−glu+pyrのアルファ−ケトグルタル酸+D−alaへの変換、および逆反応に関与するdat遺伝子によって、部分的に制御される。
【0173】
別の実施形態では、本発明において利用されるdat遺伝子は、GenBank受入番号AF038439に記載される配列を有する。別の実施形態では、dat遺伝子は、当技術分野で知られる任意の別のdat遺伝子である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0174】
本明細書において提供される方法および組成物の方法および組成物のdat遺伝子は、別の実施形態では、以下の配列によってコードされる。
【0175】
atgaaagtattagtaaataaccatttagttgaaagagaagatgccacagttgacattgaagaccgcggatatcagtttggtgatggtgtatatgaagtagttcgtctatataatggaaaattctttacttataatgaacacattgatcgcttatatgctagtgcagcaaaaattgacttagttattccttattccaaagaagagctacgtgaattacttgaaaaattagttgccgaaaataatatcaatacagggaatgtctatttacaagtgactcgtggtgttcaaaacccacgtaatcatgtaatccctgatgatttccctctagaaggcgttttaacagcagcagctcgtgaagtacctagaaacgagcgtcaattcgttgaaggtggaacggcgattacagaagaagatgtgcgctggttacgctgtgatattaagagcttaaaccttttaggaaatattctagcaaaaaataaagcacatcaacaaaatgctttggaagctattttacatcgcggggaacaagtaacagaatgttctgcttcaaacgtttctattattaaagatggtgtattatggacgcatgcggcagataacttaatcttaaatggtatcactcgtcaagttatcattgatgttgcgaaaaagaatggcattcctgttaaagaagcggatttcactttaacagaccttcgtgaagcggatgaagtgttcatttcaagtacaactattgaaattacacctattacgcatattgacggagttcaagtagctgacggaaaacgtggaccaattacagcgcaacttcatcaatattttgtagaagaaatcactcgtgcatgtggcgaattagagtttgcaaaataa(配列番号44;GenBank受入番号:AF038439)。別の実施形態では、datをコードするヌクレオチドは、配列番号44と相同である。別の実施形態では、datをコードするヌクレオチドは、配列番号44の変異形である。別の実施形態では、datをコードするヌクレオチドは、配列番号44の断片である。別の実施形態では、datタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のdat遺伝子によってコードされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0176】
別の実施形態では、datタンパク質は、以下の配列を有する。
【0177】
MKVLVNNHLVEREDATVDIEDRGYQFGDGVYEVVRLYNGKFFTYNEHIDRLYASAAKIDLVIPYSKEELRELLEKLVAENNINTGNVYLQVTRGVQNPRNHVIPDDFPLEGVLTAAAREVPRNERQFVEGGTAITEEDVRWLRCDIKSLNLLGNILAKNKAHQQNALEAILHRGEQVTECSASNVSIIKDGVLWTHAADNLILNGITRQVIIDVAKKNGIPVKEADFTLTDLREADEVFISSTTIEITPITHIDGVQVADGKRGPITAQLHQYFVEEITRACGELEFAK(配列番号45;GenBank受入番号:AF038439)。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45と相同である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の変異形である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の異性体である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の断片である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の相同体の断片である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の変異形の断片である。別の実施形態では、datタンパク質は、配列番号45の異性体の断片である。
【0178】
別の実施形態では、datタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のリステリアdatタンパク質である。別の実施形態では、datタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のグラム陽性のdatタンパク質である。別の実施形態では、datタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のdatタンパク質である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0179】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の方法および組成物のdatタンパク質は、その酵素活性を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の90%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の80%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の70%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の60%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の50%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の40%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の30%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の20%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の10%を保持する。別の実施形態では、datタンパク質は、野生型活性の5%を保持する。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0180】
別の実施形態では、代謝酵素は、dgaによってコードされる。D−グルタミン酸合成も、dga遺伝子によって、部分的に制御され、D−グルタミン酸合成のための栄養要求性変異体は、D−グルタミン酸の非存在下で成長しない(Pucci et al,1995,J Bacteriol.177:336−342)。別の実施形態では、組み換えリステリアは、D−グルタミン酸に対して栄養要求性である。さらなる例は、ジアミノピメリン酸の合成に関与する遺伝子を含む。そのような合成遺伝子は、β−セミアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードし、不活性化されると、変異体を、この合成経路に対して栄養要求性とする(Sizemore et al,1995,Science 270:299−302)。別の実施形態では、dgaタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のリステリアdgaタンパク質である。別の実施形態では、dgaタンパク質は、当技術分野で知られている任意の他のグラム陽性のdgaタンパク質である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0181】
別の実施形態では、代謝酵素は、alr(アラニンラセマーゼ)遺伝子によってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アラニン合成に関与する、当技術分野で知られている任意の他の酵素である。別の実施形態では、代謝酵素は、L−アラニン合成に関与する、当技術分野で知られている任意の他の酵素である。別の実施形態では、代謝酵素は、D−アラニン合成に関与する、当技術分野で知られている任意の他の酵素である。別の実施形態では、組み換えリステリアは、D−アラニンに対して栄養要求性である。アラニン合成に対して栄養要求性である細菌は、当技術分野で知られており、例えば、E.coli(Strych et al,2002,J.Bacteriol.184:4321−4325),Corynebacterium glutamicum(Tauch et al,2002,J.Biotechnol 99:79−91)、およびListeria monocytogenes(Frankel et al,米国特許第6,099,848号))、Lactococcus species,and Lactobacillus species,(Bron et al,2002,Appl Environ Microbiol,68:5663−70)に記載される。別の実施形態では、当技術分野で知られている任意のD−アラニン合成遺伝子は、不活性化されている。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0182】
別の実施形態では、代謝酵素は、アミノ酸アミノトランスフェラーゼである。
【0183】
別の実施形態では、代謝酵素は、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼであるserCによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、細胞壁成分ジアミノピメリン酸の合成に関与するasd(アスパラギン酸ベータ−セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ)によってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、(S)−4−アミノ−5−オキソペンタノアートからの5−アミノレブリン酸の形成を触媒する、gsaB−グルタミン酸塩−1−セミアルデヒドアミノトランスフェラーゼによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、(S)−4−アミノ−5−オキソペンタノアートからの5−アミノレブリン酸の形成を触媒する、HemLによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、L−アスパラギン酸および2−オキソグルタル酸からのオキサロ酢酸およびL−グルタミン酸の形成を触媒する、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼであるaspBによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アルギニン生合成に関与するargF−1によってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アミノ酸生合成に関与するaroEによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、3−デヒドロキナ酸生合成に関与するaroBによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アミノ酸生合成に関与するaroDによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アミノ酸生合成に関与するaroCによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、ヒスチジン生合成に関与するhisBによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、ヒスチジン生合成に関与するhisDによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、ヒスチジン生合成に関与するhisGによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、メチオニン生合成に関与するmetXによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、プロリン生合成に関与するproBによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アルギニン生合成に関与するargRによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、アルギニン生合に関与するargJによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、チアミン生合成に関与するthiIによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、トリプトファン生合成に関与するLMOf2365_1652によってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、トリプトファン生合成に関与するaroAによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、バリンおよびイソロイシン生合成に関与するilvDによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、バリンおよびイソロイシン生合成に関与するilvCによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、ロイシン生合成に関与するleuAによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、リジン生合に関与するdapFによってコードされる。別の実施形態では、代謝酵素は、トレオニン生合成に関与するthrBによってコードされる(全てのGenBank受入番号NC_002973)。
【0184】
別の実施形態では、代謝酵素は、tRNAシンテターゼである。別の実施形態では、代謝酵素は、trpS遺伝子によってコードされ、トリプトファンtRNAシンテターゼをコードする。別の実施形態では、代謝酵素は、当技術分野で知られているの任意の他のtRNAシンテターゼである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0185】
別の実施形態では、本明細書において提供される組み換えリステリア株は、動物宿主に継代されている。別の実施形態では、継代は、ワクチンベクターとしての株の有効性を最大にする。別の実施形態では、継代は、リステリア株の免疫原性を安定させる。別の実施形態では、継代は、リステリア株の病原性を安定させる。別の実施形態では、継代は、リステリア株の免疫原性を増加させる。別の実施形態では、継代は、リステリア株の病原性を増加させる。別の実施形態では、継代は、リステリア株の不安定な亜株を除去する。別の実施形態では、継代は、リステリア株の不安定な亜株の率を低下させる。別の実施形態では、継代は、株を弱化させるか、または別の実施形態では、株の病原性を弱める。動物宿主を通して組み換えリステリア株を継代するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、米国特許出願第10/541,614号に記載される。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0186】
本明細書において提供される方法および組成物の組み換えリステリア株は、別の実施形態では、組み換えリステリアモノサイトゲネス株である。別の実施形態では、リステリア株は、組み換えリステリアシリゲリ株である。別の実施形態では、リステリア株は、組み換えリステリアグライ株である。別の実施形態では、リステリア株は、組み換えリステリアイバノビイ株である。別の実施形態では、リステリア株は、組み換えリステリアムレイ株である。別の実施形態では、リステリア株は、組み換えリステリアウェルシュメリ株である。別の実施形態では、リステリア株は、当技術分野で知られている任意の他のリステリア種の組み換え株である。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物で使用するためのリステリアタンパク質の配列は、上述される株のうちのいずれかからのものである。
【0187】
一実施形態では、本明細書において提供されるリステリアモノサイトゲネス株は、EGD株、10403S株、NICPBP54002株、S3株、NCTC5348株、NICPBP54006株、M7株、S19株、または当技術分野で知られている、リステリアモノサイトゲネスの別の株である。
【0188】
別の実施形態では、組み換えリステリア株は、ワクチン株であり、一実施形態では、細菌ワクチン株である。
【0189】
一実施形態では、ワクチンは、組成物であり、組成物への暴露の結果として、組成物における抗原またはポリペプチドに対する免疫応答を誘発する。別の実施形態では、ワクチンは、アジュバント、サイトカイン、ケモカイン、またはそれらの組み合わせを付加的に含む。別の実施形態では、ワクチンまたは組成物は、抗原提示細胞(APC)を付加的に含み、一実施形態では、それは自己であるが、別の実施形態では対象と同種である。
【0190】
一実施形態では、「ワクチン」は、組成物であり、組成物への暴露の結果として、組成物における抗原またはポリペプチドに対する宿主における免疫応答を誘発する。一実施形態では、免疫応答は、特異抗原に対するか、または抗原上の特異的エピトープに対する。一実施形態では、ワクチンは、ペプチドワクチンであり得、別の実施形態では、DNAワクチンであり得る。別の実施形態では、ワクチンは、細胞内に含有され、別の実施形態では、それによって送達され得、その細胞は、一実施形態では細菌細胞であり、一実施形態ではリステリアである。一実施形態では、ワクチンは、対象が疾病または病気にかかるか、または発症することを防止することができ、別の実施形態では、ワクチンは、疾病または病気を有する対象に対して治療的であり得る。一実施形態では、本発明のワクチンは、本発明の組成物およびアジュバント、サイトカイン、ケモカイン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0191】
別の実施形態では、本発明は、本発明の組み換えリステリアを含む免疫原性組成物を提供する。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の免疫原性組成物は、本発明の組み換えワクチンベクターを含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は、本発明のプラスミドを含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は、アジュバントを含む。一実施形態では、本発明のベクターは、ワクチン組成物の一部として投与され得る。各可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0192】
別の実施形態では、本発明のワクチンは、アジュバントと共に送達される。一実施形態では、アジュバントは、大部分がTh1媒介性である免疫応答を好む。別の実施形態では、アジュバントは、Th1型免疫応答を好む。別の実施形態では、アジュバントは、Th1媒介性免疫応答を好む。別の実施形態では、アジュバントは、抗体媒介性応答より細胞媒介性免疫応答を好む。別の実施形態では、アジュバントは、任意の他の種類の当技術分野で知られているアジュバントである。別の実施形態では、免疫原性組成物は、標的タンパク質に対するT細胞免疫応答の形成を誘導する。
【0193】
別の実施形態では、アジュバントは、MPLである。別の実施形態では、アジュバントは、QS21である。別の実施形態では、アジュバントは、TLRアゴニストである。別の実施形態では、アジュバントは、TLR4アゴニストである。別の実施形態では、アジュバントは、TLR9アゴニストである。別の実施形態では、アジュバントは、Resiquimod(登録商標)である。別の実施形態では、アジュバントは、イミキモドである。別の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴヌクレオチドである。別の実施形態では、アジュバントは、サイトカインであるか、またはそれをコードする核酸である。別の実施形態では、アジュバントは、ケモカインであるか、またはそれをコードする核酸である。別の実施形態では、アジュバントは、IL−12であるか、またはそれをコードする核酸である。別の実施形態では、アジュバントは、IL−6であるか、またはそれをコードする核酸である。別の実施形態では、アジュバントは、リポ多糖体である。別の実施形態では、アジュバントは、参照することによって本明細書に組み込まれる、Fundamental Immunology,5th ed(August 2003):William E.Paul(Editor);Lippincott Williams & Wilkins Publishers;Chapter 43:Vaccines,GJV Nossalに記載される通りである。別の実施形態では、アジュバントは、当技術分野で知られている任意の他のアジュバントである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0194】
一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における抗原に対する免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供される。一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における抗原に対する抗血管新生の免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、該組み換えリステリア株は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含む。別の実施形態では、それぞれの該核酸分子は、異種抗原をコードする。さらに別の実施形態では、該第1の核酸分子は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0195】
一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における少なくとも1つの癌を治療、抑制、または阻害する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、該組み換えリステリア株は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含む。別の実施形態では、それぞれの該核酸分子は、異種抗原をコードする。さらに別の実施形態では、該第1の核酸分子は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドをコードする核酸配列を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。別の実施形態では、該抗原のうちの少なくとも1つは、該癌細胞のうちの少なくとも1つによって発現される。
【0196】
一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における癌に対する発症を遅延させる方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における癌に対する進行を遅延させる方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における癌に対する寛解を延長させる方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における既存の腫瘍のサイズを減少させる方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における既存の腫瘍の成長を防止する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における新規または付加的な腫瘍の成長を防止する方法が本明細書において提供される。
【0197】
一実施形態では、癌または腫瘍は、特定の癌または腫瘍にかかりやすいことが知られている特定の集団において防止されることができる。一実施形態では、そのような感受性は、一実施形態では、集団を肺癌にかからせる可能性がある、喫煙等の環境因子による場合があるが、別の実施形態では、そのような感受性は、遺伝因子による場合があり、例えば、BRCA1/2突然変異を伴う集団は、一実施形態では乳癌に、別の実施形態では卵巣癌にかかりやすい可能性がある。別の実施形態では、染色体8q24、染色体17q12、および染色体17q24.3上にある1つ以上の突然変異は、当技術分野で知られているように、前立腺癌への感受性を増加させる場合がある。癌の感受性の一因となる他の遺伝および環境因子は、当技術分野で知られている。
【0198】
別の実施形態では、本発明の方法は、本明細書において提供される組み換えリステリア株を接種してヒト対象の免疫強化をするステップをさらに含む。別の実施形態では、追加接種において使用される組み換えリステリア株は、初期の「プライミング」接種において使用される株と同じである。別の実施形態では、追加免疫株は、プライミング株と異なる。別の実施形態では、同じ投与量がプライミングおよび追加接種において使用される。別の実施形態では、より多い投与量が追加免疫において使用される。別の実施形態では、より少ない投与量が追加免疫において使用される。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0199】
一実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、前立腺特異抗原(PSA)をコードし、この方法は、前立腺癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、PSAをコードし、この方法は、卵巣癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、PSAをコードし、この方法は、前立腺癌の転移を治療、阻害、または抑制することであり、転移は、一実施形態では、骨への転移を含み、別の実施形態では、他の臓器への転移を含む。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、PSAをコードし、この方法は、前立腺癌の骨への転移を治療、阻害、または抑制するためのものである。さらに別の実施形態では、方法は、前立腺癌の他の内臓への転移を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、PSAをコードし、この方法は、乳癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、PSAをコードし、この方法は、卵巣および乳癌の両方を治療、阻害、または抑制するためのものである。
【0200】
一実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)をコードし、この方法は、メラノーマを治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、乳癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、卵巣癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、良性母斑病変を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、基底細胞癌を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、を治療、阻害、または抑制するためのものであり、神経堤起原の腫瘍は、一実施形態では、星状細胞腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、またはそれらの組み合わせである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、小児白血病を治療、阻害、または抑制するためのものであり、それは、一実施形態では、小児急性リンパ性白血病であり、別の実施形態では、小児急性骨髄白血病(一実施形態では、急性骨髄性白血病、急性骨髄系白血病、急性骨髄球性白血病、または急性非リンパ性白血病)であり、別の実施形態では、急性リンパ性白血病(一実施形態では、急性リンパ性白血病と称される)であり、別の実施形態では、急性骨髄性白血病(急性骨髄白血病、急性骨髄球性白血病、または急性非リンパ性白血病とも称される)であり、別の実施形態では、ハイブリッドまたは混合系統白血病である。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、慢性骨髄性白血病または若年性骨髄単球性白血病(JMML)を治療、阻害、または抑制するためのものである。別の実施形態では、第1の核酸分子または第2の核酸分子は、HMW−MAAをコードし、この方法は、小葉乳癌病巣を治療、阻害、または抑制するためのものである。
【0201】
本明細書において提供される方法および組成物の標的である癌は、別の実施形態では、メラノーマである。別の実施形態では、癌は、肉腫である。別の実施形態では、癌は、癌腫である。別の実施形態では、癌は、中皮腫(例えば、悪性中皮腫)である。別の実施形態では、癌は、神経膠腫である。別の実施形態では、癌は、胚細胞腫瘍である。別の実施形態では、癌は、絨毛癌である。
【0202】
別の実施形態では、癌は、膵臓癌である。別の実施形態では、癌は、卵巣癌である。別の実施形態では、癌は、胃癌である。別の実施形態では、癌は、膵臓の癌の病巣である。別の実施形態では、癌は、肺腺癌である。別の実施形態では、癌は、結腸直腸腺癌である。別の実施形態では、癌は、肺扁平腺癌である。別の実施形態では、癌は、胃腺癌である。別の実施形態では、癌は、卵巣表面上皮新生物(例えば、良性、増殖性、またはそれらの悪性種)である。別の実施形態では、癌は、口腔扁平上皮癌である。別の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌である。別の実施形態では、癌は、子宮内膜癌である。別の実施形態では、癌は、膀胱癌である。別の実施形態では、癌は、頭頸部癌癌である。別の実施形態では、癌は、前立腺癌である。
【0203】
別の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。別の実施形態では、癌は、結腸癌である。別の実施形態では、癌は、肺癌である。別の実施形態では、癌は、卵巣癌である。別の実施形態では、癌は、子宮癌である。別の実施形態では、癌は、甲状腺癌である。別の実施形態では、癌は、肝細胞癌である。別の実施形態では、癌は、甲状腺癌である。別の実施形態では、癌は、肝癌である。別の実施形態では、癌は、腎癌である。別の実施形態では、癌は、カポジである。別の実施形態では、癌は、肉腫である。別の実施形態では、癌は、別の癌または肉腫である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0204】
一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法は、上述される癌のいずれに関連するか、またはそれから生じる固形腫瘍を治療するために使用することができる。別の実施形態では、腫瘍は、ウィルムス腫瘍である。別の実施形態では、腫瘍は、線維形成性小円形細胞腫瘍である。
【0205】
別の実施形態では、本発明は、異種抗原をコードする組み換えリステリアを含む組成物を対象に投与することを含む、対象における固形腫瘍の血管新生を妨げる方法を提供する。別の実施形態では、抗原は、HMW−MAAである。別の実施形態では、抗原は、線維芽細胞成長因子(FGF)である。別の実施形態では、抗原は、血管内皮成長因子(VEGF)である。別の実施形態では、抗原は、血管新生に関与することが当技術分野で知られている任意の他の抗原である。別の実施形態では、本明細書において提供される、対象における固形腫瘍の血管新生を妨げる方法および組成物は、2つの異種抗原をコードする組み換えリステリアを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、2つの異種抗原の1つは、HMW−MAAである。別の実施形態では、抗原は、血管新生に関与することが当技術分野で知られている任意の他の抗原である。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0206】
前立腺癌ワクチンの有効性を評価するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、Dzojic H et al(Adenovirus−mediated CD40 ligand therapy induces tumor cell apoptosis and systemic immunity in the TRAMP−C2 mouse prostate cancer model.Prostate.2006 Jun 1;66(8):831−8),Naruishi K et al(Adenoviral vector−mediated RTVP−1 gene−modified tumor cell−based vaccine suppresses the development of experimental prostate cancer.Cancer Gene Ther.2006 Jul;13(7):658−63),Sehgal I et al(Cancer Cell Int.2006 Aug 23;6:21)、およびHeinrich JE et al(Vaccination against prostate cancer using a live tissue factor deficient cell line in Lobund−Wistar rats.Cancer Immunol Immunother 2007;56(5):725−30)に記載される。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0207】
別の実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物を試験するために使用される前立腺癌モデルは、TPSA23(PSAを安定的に発現するTRAMP−C1由来)マウスモデルである。別の実施形態では、前立腺癌モデルは、178−2BMA細胞モデルである。別の実施形態では、前立腺癌モデルは、PAIII腺癌細胞モデルである。別の実施形態では、前立腺癌モデルは、PC−3Mモデルである。別の実施形態では、前立腺癌モデルは、当技術分野で知られている任意の他の前立腺癌モデルである。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0208】
別の実施形態では、ワクチンは、ヒト対象において試験され、有効性は、当技術分野で知られている方法、例えば、CD4
+およびCD8
+T細胞応答を直接測定するか、または例えば、腫瘍転移の数もしくはサイズを判断するか、または病徴(咳、胸痛、体重減少等)を監視することによって疾病の進行を測定することを使用して監視される。ヒト対象における前立腺癌ワクチンの有効性を評価するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、Uenaka A et al(T cell immunomonitoring and tumor responses in patients immunized with a complex of cholesterol−bearing hydrophobized pullulan(CHP)and NY−ESO−1 protein.Cancer Immun.2007 Apr 19;7:9)およびThomas−Kaskel AK et al(Vaccination of advanced prostate cancer patients with PSCA and PSA peptide−loaded dendritic cells induces DTH responses that correlate with superior overall survival.Int J Cancer.2006 Nov 15;119(10):2428−34)に記載される。各方法は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0209】
別の実施形態では、本発明は、対象における良性前立腺肥大(BPH)を治療する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、対象における前立腺上皮内腫瘍(PIN)を治療する方法を提供する。
【0210】
一実施形態では、リステリアゲノムに機能可能に組み込まれる核酸分子を含む組み換えリステリア株が本明細書において提供される。別の実施形態では、該核酸分子は、(a)PEST配列を含む内因性ポリペプチド、および(b)オープンリーディングフレームにおいて抗原を含むポリペプチドをコードする。
【0211】
一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における少なくとも1つの腫瘍を治療、抑制、または阻害する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、該組み換えリステリア株は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含む。別の実施形態では、それぞれの該核酸分子は、異種抗原をコードする。別の実施形態では、該第1の核酸分子は、PEST配列を含む天然ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれ、該抗原は、該腫瘍の少なくとも1つの細胞によって発現される。
【0212】
一実施形態では、「抗原」は、本明細書において、生物と接触させられる場合、生物から検出可能な免疫応答を引き起こす物質を指すために使用される。抗原は、脂質、ペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸、またはそれらの組み合わせおよび変形であり得る。
【0213】
一実施形態では、「変異形」とは、集団の大部分と異なるが、それらの1つ、例えば、スプライス変異形として考慮されるように、一般的な様態と十分に同様である、アミノ酸または核酸配列(もしくは他の実施形態では、生物または組織)を指す。
【0214】
一実施形態では、「イソ型」とは、同じタンパク質の別のイソ型、または型と比較されるわずかな差異を伴う分子、例えば、タンパク質の型を指す。一実施形態では、イソ型は、異なるが関連する遺伝子から産生され得るか、または別の実施形態では、代替のプライシングによって同じ遺伝子から発生し得る。別の実施形態では、イソ型は、単一ヌクレオチド多型によって引き起こされる。
【0215】
一実施形態では、「断片」とは、完全長タンパク質またはポリペプチドより短いか、またはより少ないアミノ酸を含むタンパク質またはポリペプチドを指す。別の実施形態では、断片とは、完全長核酸より短いか、またはより少ないヌクレオチドを含む核酸を指す。別の実施形態では、断片は、N末端断片である。別の実施形態では、断片は、C末端断片である。一実施形態では、断片は、タンパク質、ペプチド、または核酸の配列内(intrasequential)区分である。一実施形態では、断片は、機能的断片である。別の実施形態では、断片は、免疫原性断片である。一実施形態では、断片は、10〜20の核酸またはアミノ酸を有し、別の実施形態では、断片は、5つ以上の核酸またはアミノ酸を有し、別の実施形態では、断片は、100〜200の核酸またはアミノ酸を有し、別の実施形態では、断片は、100〜500の核酸またはアミノ酸を有し、別の実施形態では、断片は、50〜200の核酸またはアミノ酸を有し、別の実施形態では、断片は、10〜250の核酸またはアミノ酸を有する。
【0216】
一実施形態では、「免疫原性」または「免疫原性の」は、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物が動物に投与される場合、動物における免疫応答を誘発する、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物の先天的能力を指すために本明細書において使用される。そのため、「免疫原性の強化」とは、一実施形態では、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物が動物に投与される場合、動物における免疫応答を誘発する、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物の能力を増加させることを指す。タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物の免疫応答を誘発する能力の増加は、一実施形態では、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物に対するより多くの抗体、抗原または生物に対するより多様な抗体、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物に特異的なより多くのT細胞、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原、または生物に対するより多い細胞毒性またはヘルパーT細胞応答等によって測定することができる。
【0217】
一実施形態では、「相同体」とは、特定の核酸またはアミノ酸配列と配列同一性のある割合を共有する核酸またはアミノ酸配列を指す。一実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法において有用な配列は、特定のLLO配列の相同体またはそのN末端断片、ActA配列またはそのN末端断片、または本明細書において記載されるか、もしくは当技術分野で知られているPEST様配列であり得る。一実施形態では、そのような相同体は、維持する。別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法において有用な配列は、抗原性ペプチドの相同体であり得、一実施形態では、KLK3またはHMW−MAAもしくはその機能的断片である。一実施形態では、本発明のポリペプチドの相同体、および一実施形態では、そのような相同体をコードする核酸は、親ポリペプチドの機能的特徴を維持する。例えば、一実施形態では、本発明の抗原ポリペプチドの相同体は、親ポリペプチドの抗原性特徴を維持する。別の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法において有用な配列は、本明細書において記載される任意の配列の相同体であり得る。一実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも70%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも72%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも75%の同一性を共有する。別の実施形態では相同体は、特定の配列と少なくとも78%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも80%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも82%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも83%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも85%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも87%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも88%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも90%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも92%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも93%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも95%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも96%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも97%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも98%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と少なくとも99%の同一性を共有する。別の実施形態では、相同体は、特定の配列と100%の同一性を共有する。各可能性は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0218】
一実施形態では、本明細書において提供され、および/または本明細書において記載される任意の配列の相同体は、本発明の一部であると考えられることが理解される。
【0219】
一実施形態では、本発明の意味範囲内の「機能的」は、タンパク質、ペプチド、核酸、断片またはそれらの変異形の、生物活性または機能を提示する先天的能力を指すために本明細書において使用される。一実施形態では、そのような生物学的機能は、相互作用パートナー、例えば、膜関連受容体へのその結合特性であり、別の実施形態では、その三量化特性である。本発明の機能的断片および機能的変異形の場合、これらの生物学的機能は、実際は、例えば、それらの特異性または選択性に対して変化され得るが、基礎的な生物学的機能は保持される。
【0220】
一実施形態では、「治療」とは、治療療法および予防的または防止的対策の両方を指し、目的は、本明細書において記載される標的とされる病態または疾患を予防するか、または軽減することである。したがって、一実施形態では、治療は、疾病、疾患、もしくは病気、またはそれらの組み合わせに直接影響を与えるか治癒する、抑制する、阻害する、予防する、その重症度を低下させる、その発症を遅延させる、それに関連する症状を軽減することを含み得る。、一実施形態では、「治療」とは、とりわけ、進行の遅延、寛解の促進、寛解の誘導、寛解の増加、回復の促進、代替の治療法の有効性の増加もしくはそれに対する抵抗の低下、またはそれらの組み合わせを指す。一実施形態では、「予防」または「妨げる」とは、とりわけ、症状の発症の遅延、疾病の再発の予防、再発エピソードの回数または頻度の低下、症候性エピソードの間の潜伏の増加、またはそれらの組み合わせを指す。一実施形態では、「抑制」または「阻害」は、とりわけ、症状の重症度の低下、急性エピソードの重症度の低下、症状の回数の低下、疾病関連症状の発生率の低下、症状の潜伏の低下、症状の改善、二次的症状の低下、二次感染の低下、患者生存の延長、またはそれらの組み合わせを指す。
【0221】
一実施形態では、症状は一次的であるが、別の実施形態では、症状は二次的である。一実施形態では、「一次的」とは、特定の疾病または疾患の直接的結果である症状を指すが、一実施形態では、「二次的」とは、第一要因に由来するか、またはその結果生じる症状を指す。一実施形態では、本発明で使用するための化合物は、一次的もしくは二次的症状、または二次的合併症を治療する。別の実施形態では、「症状」は、疾病または病態の任意の兆候であり得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、「含む」という用語は、他の組み換えポリペプチド、アミノ酸配列、または核酸配列の包含、および当技術分野で知られ得る他のポリペプチド、アミノ酸配列、または核酸配列の包含を指し、それは、一実施形態では、抗原もしくはリステリアポリペプチド、アミノ酸配列、または核酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、「から本質的に成る」という用語は、特定の組み換えポリペプチド、アミノ酸配列、もしくは核酸配列、またはそれらの断片を有する、本明細書において提供される方法で使用するための組成物を指す。しかしながら、組み換えポリペプチドの有用性に直接関与しない他のポリペプチド、アミノ酸配列、または核酸配列が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、「成る」という用語は、任意の形態か、または本明細書において記載される実施形態における、特定の組み換えポリペプチド、アミノ酸配列、もしくは核酸配列、または断片、または本明細書において提供される組み換えポリペプチド、アミノ酸配列、または核酸配列もしくは断片の組み合わせを有する、本明細書において提供される方法で使用するための組成物を指す。
【0223】
一実施形態では、本明細書において提供される方法で使用するための組成物は、静脈内投与される。別の実施形態では、ワクチンは、経口で投与されるが、別の実施形態では、ワクチンは、非経口(例えば、皮下、筋肉内等)で投与される。
【0224】
さらに、別の実施形態では、組成物またはワクチンは、座薬、例えば、肛門座薬または尿道座薬として投与される。さらに、別の実施形態では、医薬組成物は、ペレットの皮下移植によって投与される。さらなる実施形態では、ペレットは、長期にわたる薬剤の制御放出を提供する。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、カプセルの形態で投与される。
【0225】
一実施形態では、投与経路は、非経口であってもよい。別の実施形態では、経路は、眼球内、結膜、局所、経皮、皮内、皮下、腹腔内、静脈内、動脈内、膣内、直腸内、腫瘍内、経癌、経粘膜、筋肉内、血管内、心室内、頭蓋内、吸入(エアロゾル)、鼻吸引(スプレー)、鼻腔内(点滴剤)、舌下、経口、エアロゾル、もしくは座薬、またはそれらの組み合わせであってもよい。鼻腔内投与または吸入による適用のためには、混合され、適切な担体の存在下でエアロゾル化されるか、または霧状にされる化合物の溶液または懸濁液が好適である。そのようなエアロゾルは、本明細書において記載される任意の薬剤を含むことができる。一実施形態では、本明細書に記載される組成物は、一実施形態では、くも膜下および脳室内投与である、頭蓋内投与のために好適な形態であってもよい。一実施形態では、投与計画は、治療される房木の正確な性質、病気の重症度、患者の年齢および全身的な身体状態、体重、個々の患者の応答等に基づいて熟練した臨床医によって決定される。
【0226】
一実施形態では、非経口適用で、特に好適なものは、注入可能な滅菌溶液、好ましくは、油性または水性溶液、および懸濁液、乳液、または座薬およびかん腸を含むインプラントである。アンプルは、便利な投与単位である。そのような座薬は、本明細書において記載される任意の薬剤を含むことができる。
【0227】
一実施形態では、持続または指定放出型組成物を調剤することができ、例えば、リポソーム、または活性化合物が、例えば、マイクロカプセル化による差動分解性コーティング、複数のコーティング等で保護されるものがある。そのような組成物は、即時放出または徐放のために調剤することができる。新規化合物を凍結乾燥させ、例えば、注入のための生成物の調製のために得られる結乾燥品を使用することも可能である。
【0228】
一実施形態では、液剤のために、薬学的に許容される担体は、水または非水溶液、懸濁液、乳液、または油であってもよい。非水溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびオレイン酸エチル等の注入可能な有機エステルである。水性担体としては、生理食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール/水溶液、乳液、または懸濁液が挙げられる。油の例としては、石油、動物、植物、または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、オリーブ油、ひまわり油、および魚肝油がある。
【0229】
一実施形態では、本発明の組成物は、薬学的に許容される。一実施形態では、「薬学的に許容される」という用語は、安全であり、本発明で使用するための少なくとも1つ化合物の有効量の所望の投与経路のための適切な送達を提供する任意の製剤を指す。この用語は、pHが、化合物の安定性および投与経路に従って、pH4.0〜pH9.0の範囲にある特定の所望の値で維持される、緩衝製剤の使用も指す。
【0230】
一実施形態では、本発明の組成物またはその方法において使用される組成物は、単独または組成物内で投与されてもよい。別の実施形態では、従来の賦形剤、すなわち、活性化合物と有害に反応しない非経口、腸内(例えば、経口)、または局所適用に好適な薬学的に許容される有機または無機担体物質との本発明の組成物混合剤を使用することができる。一実施形態では、好適な薬学的に許容される担体としては、水、食塩水、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、またはでんぷん等の炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、白パラフィン、グリセロール、アルギン酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、医薬品は、滅菌することができ、所望であれば、活性化合物と有害に反応しない助剤、例えば、滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、着色剤、香味料および/または芳香剤等と混合することができる。別の実施形態では、それらは、所望であれば、他の活性薬剤、例えば、ビタミンと組み合わせることもできる。
【0231】
一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の使用のための組成物は、担体/希釈剤と共に投与されてもよい。固体担体/希釈剤としては、ゴム、でんぷん(例えば、トウモロコシでんぷん、アルファ化でんぷん)、糖類(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリル酸(例えば、ポリアクリル酸メチル)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0232】
一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物の組成物は、本発明の組成物および癌を予防するか、または治療する際に効果的な1つ以上の付加的化合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、付加的化合物は、化学療法に有用な化合物を含むことがで、一実施形態では、それはシスプラチンである。別の実施形態では、イホスファミド、フルオロウラシルまたは5−FU、イリノテカン、パクリタキセル(タクソール)、ドセタキセル、ゲムシタビン、トポテカン、またはそれらの組み合わせ、本明細書において提供される方法で使用するための本明細書において提供される組成物と共に投与することができる。別の実施形態では、アムサクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルマスティン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、グリアデルインプラントs、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、サトラプラチン、ストレプトゾシン、テガフールウラシル、テモゾロマイド、テニポシド、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、またはそれらの組み合わせを、本明細書において提供される方法で使用するための本明細書において提供される組成物と共に投与することができる。
【0233】
別の実施形態では、本明細書において提供される融合タンパク質は、適切な配列のサブクローニング、その後の得られたヌクレオチドの発現を含む過程によって調製される。別の実施形態では、部分列は、クローンされ、適切な部分列は、適切な制限酵素を使用して開裂される。その後、断片は、別の実施形態では、所望のDNA配列を産生するために結紮される。別の実施形態では、融合タンパク質をコードするDNAは、DNA増幅方法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して産生される。まず、新規の末端の両側上の天然DNAの切片は、別々に増幅される。1つの増幅配列の5´末端は、ペプチドリンカーをコードするが、他の増幅配列の3´末端も、ペプチドリンカーをコードする。第1の断片の5´末端は、第2の断片の3´末端に相補的であるため、2つの断片(例えば、LMPアガロース上の部分的精製後)を第3のPCR反応における重複鋳型として使用することができる。増幅配列は、コドン、開放部位のカルボキシ側上の切片(ここでアミノ配列を形成する)、リンカー、および開放部位のアミノ側上の配列(ここでカルボキシ配列を形成する)を含有する。その後、挿入物は、プラスミドに結紮される。別の実施形態では、同様の戦略を使用して、HMW−MAA断片が異種ペプチド内に包含されるタンパク質を産生する。
【0234】
一実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリアも提供し、該核酸分子は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0235】
一実施形態では、PEST配列を含む第1のポリペプチドまたはその断片を伴うオープンリーディングフレームとしてゲノムに機能可能に組み込まれる第1の抗原、およびPEST配列を含む第2のポリペプチドまたはその断片を伴うオープンリーディングフレームとしてゲノムに機能可能に組み込まれる第2の抗原を含む2つの区別できる異種抗原を発現し、分泌することが可能な組み換えリステリアが本明細書において提供される。別の実施形態では、該第1のポリペプチドもしくは該第2のポリペプチドまたはそれらの断片は、ActA、またはLLOである。別の実施形態では、該第1の抗原または該第2の抗原は、前立腺腫瘍関連抗原(PSA)、または高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA)である。別の実施形態では、該断片は、免疫原性断片である。さらに別の実施形態では、該エピソーム発現ベクターは、抗生物質耐性マーカを欠く。
【0236】
別の実施形態では、第1の抗原および第2の抗原は、区別できる。別の実施形態では、該第1の抗原および該第2の抗原は、同時に発現される。別の実施形態では、該第1の抗原または該第2の抗原は、同レベルで発現される。別の実施形態では、該第1の抗原または該第2の抗原は、異なって発現される。別の実施形態では、遺伝子またはタンパク質は、別の実施形態では、リアルタイムPCR、ノーザンブロット法、免疫ブロット法等を含む、当技術分野で知られている方法によって決定される。別の実施形態では、該第1の抗原または該第2の抗原の発現は、誘導系によって制御されるが、別の実施形態では、該第1の抗原または該第2の抗原の発現は、構成プロモータによって制御される。別の実施形態では、誘導性発現系は、当技術分野で知られている。
【0237】
一実施形態では、腫瘍細胞および血管新生を同時に標的とする2つの区別できる異種抗原を発現し、分泌することが可能な組み換えリステリアを調製する方法が本明細書において提供される。別の実施形態では、該組み換えリステリアを調製する該方法は、PEST配列を含む第1のポリペプチドまたはその断片をコードするオープンリーディングフレームに機能的に連結されるゲノムに第1の抗原を遺伝子的に融合するステップ、およびPEST配列を含む第2のポリペプチドまたはその断片をコードするオープンリーディングフレームに機能的に連結される第2の抗原をコードするエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換するステップを含む。別の実施形態では、該組み換えリステリアを調製する方法は、PEST配列を含む第1のポリペプチドまたはその断片をコードするオープンリーディングフレームに機能的に連結されるゲノムに第1の抗原を遺伝子的に融合するステップ、およびPEST配列を含む第2のポリペプチドまたはその断片をコードするオープンリーディングフレームに機能的に連結される第2の抗原を遺伝子的に融合するステップを含む。
【0238】
細菌を形質転換するための方法は、当技術分野で知られており、塩化カルシウムコンピテント細胞に基づく方法、エレクトロポレーション法、バクテリオファージ媒介媒介性形質導入、化学的かつ物理的形質転換技術が挙げられる(de Boer et al,1989,Cell 56:641−649、Miller et al,1995,FASEB J.,9:190−199、Sambrook et al.1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York、Ausubel et al.,1997,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York、Gerhardt et al.,eds.,1994,Methods for General and Molecular Bacteriology,American Society for Microbiology,Washington,DC、Miller,1992,A Short Course in Bacterial Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.)。別の実施形態では、本明細書において提供されるリステリアワクチン株は、エレクトロポレーションによって形質転換される。各方法は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0239】
一実施形態では、組み換えリステリア株を対象に投与することを含む、該対象における抗原に対する免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供され、該組み換えリステリア株は、第1の核酸分子および第2の核酸分子を含み、それぞれの該核酸分子は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードし、該第1の核酸分子は、PEST配列を含む内因性ポリペプチドをコードする核酸を伴うオープンリーディングフレームとしてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0240】
別の実施形態では、癌の発症を阻害する方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。
【0241】
一実施形態では、対象における第1および第2の腫瘍を治療する方法が本明細書において提供され、該方法は、第1および第2の腫瘍上に特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。
【0242】
別の実施形態では、対象における癌に関連する症状を改善する方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。
【0243】
一実施形態では、癌から対象を保護する方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。
【0244】
別の実施形態では、癌の発症を遅延させる方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、転移癌を治療する方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、転移癌または微小転移を予防する方法が本明細書において提供され、該方法は、該癌において特異的に発現される2つの区別できる異種抗原を発現する組み換えリステリア組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、組み換えリステリア組成物は、経口または非経口で投与される。
【0245】
一実施形態では、本発明は、2つの抗原を発現する組み換えリステリア株を産生する方法を提供し、方法は、(a)第1の抗原をコードする第1の核酸を、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合すること、(b)第2の抗原をコードする第2の核酸を含むエピソーム発現ベクターで、該組み換えリステリアを形質転換すること、および(c)該組み換えリステリア株における抗原発現を促す条件下で該第1の抗原および該第2の抗原を発現すること、を含む。別の実施形態では、本発明は、2つの抗原を発現する組み換えリステリア株を産生する方法を提供し、方法は、(a)第1の抗原をコードする第1の核酸および第2の抗原をコードする第2の核酸を、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合すること、および(b)該組み換えリステリア株における抗原発現を促す条件下で該第1の抗原および該第2の抗原を発現すること、を含む。一実施形態では、遺伝子融合は、本明細書において記載されるように、相同的組み換えを介する。一実施形態では、抗原発現を促す条件は、当技術分野で知られている。
【0246】
本明細書において提供される方法および組成物の別の実施形態では、「核酸」または「ヌクレオチド」とは、少なくとも2つの塩基−糖類−リン酸の組み合わせの列を指す。この用語は、一実施形態では、DNAおよびRNAを含む。「ヌクレオチド」とは、一実施形態では、核酸ポリマーのモノマー単位を指す。RNAは、一実施形態では、tRNA(転移RNA)、snRNA(核内低分子RNA)、rRNA(リボソームRNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、アンチセンスRNA、阻害的低分子RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、およびリボザイムの形態であり得る。siRNAおよびmiRNAの使用が記載されている(Caudy AA et al,Genes & Devel 16:2491−96およびその中に挙げられる参考文献)。DNAは、プラスミドDNA、ウイルスDNA、線状DNAもしくは染色体DNA、またはこれらの群の誘導体の形態であり得る。さらに、DNAおよびRNAのこれらの形態は、一本、二本、三本、または四本鎖であり得る。この用語は、別の実施形態では、他の種類の骨格であるが同じ塩基を含有する場合がある人工核酸も含む。一実施形態では、人工核酸は、PNA(ペプチド核酸)である。PNAは、ペプチド骨格およびヌクレオチド塩基を含有し、一実施形態では、DNAおよびRNA分子の両方に結合することができる。別の実施形態では、ヌクレオチドは、オキセタン修飾される。別の実施形態では、ヌクレオチドは、1つ以上のリン酸ジエステル結合をホスホロチオエート結合で置換することによって修飾される。別の実施形態では、人工核酸は、当技術分野で知られている天然の核酸のリン酸骨格の任意の他の変異形を含有する。ホスホチオレート核酸およびPNAの使用は、当業者に知られており、例えば、Neilsen PE,Curr Opin Struct Biol 9:353−57、およびRaz NK et al Biochem Biophys Res Commun.297:1075−84に記載される。核酸の産出および使用は、当業者に知られており、例えば、Molecular Cloning,(2001),Sambrook and Russell,eds.and Methods in Enzymology:Methods for molecular cloning in eukaryotic cells(2003)Purchio and G.C.Fareedに記載される。各核酸誘導体は、本明細書において提供される個別の実施形態を表す。
【0247】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「組み換えペプチド」という用語は、別の実施形態では、任意の長さのペプチドまたはポリペプチドを指す。別の実施形態では、本明細書において提供されるペプチドまたは組み換えペプチドは、HMW−MAA断片に関して上記に列挙される長さのうちの1つを有する。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。一実施形態では、「ペプチド」という用語は、天然ペプチド(分解生成物、合成的に合成されたペプチド、または組み換えペプチドのいずれか)および/または例えば、ペプチドを体内にある間により安定させるか、細胞に侵入することをより可能にする修飾を有する場合がある、ペプチド類似体であるペプトイドおよびセミペプトイド等のペプチド模倣薬(典型的に、合成的に合成されたペプチド)を指す。そのような修飾としては、N末端修飾、C末端修飾、CH2−NH、CH2−S、CH2−S=O、O=C−NH、CH2−O、CH2−CH2、S=C−NH、CH=CH、またはCF=CHを含むが、これらに限定されない、ペプチド結合修飾、骨格修飾、および残基修飾が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチド模倣化合物を調製するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、本明細書に完全に記載されるかのように参照することによって組み込まれる、Quantitative Drug Design,C.A.Ramsden Gd.,Chapter 17.2,F.Choplin Pergamon Press(1992)において特定される。この点におけるさらなる詳細は、以下に提供される。
【0248】
一実施形態では、「抗原ポリペプチド」は、宿主にとって異物であり、宿主に存在するか、または別の実施形態では、それによって検出される際、免疫応答の上昇につながる、上述されるポリペプチド、ペプチド、または組み換えペプチドを指すために本明細書において使用される。
【0249】
ペプチド内でのペプチド結合(−CO−NH−)は、例えば、N−メチル化結合(−N(CH3)−CO−)、エステル結合(−C(R)H−C−O−O−C(R)−N−)、ケトメチレン結合(−CO−CH2−)、
*−アザ結合(−NH−N(R)−CO−)によって置換されてもよく、Rは、任意のアルキル、例えば、炭素原子上に自然に提示される、メチル、カルバ結合(−CH2−NH−)、ヒドロキシエチレン結合(−CH(OH)−CH2−)、チオアミド結合(−CS−NH−)、オレフィン二重結合(−CH=CH−)、レトロアミド結合(−NH−CO−)、ペプチド誘導体(−N(R)−CH2−CO−)であり、Rは、「通常の」側鎖である。
【0250】
これらの修飾は、ペプチド鎖に沿った任意の結合で、および同時にいくつか(2−3)においてでも生じることができる。天然芳香族アミノ酸、Trp、Tyr、およびPheは、TIC、ナフチルアラニン(Nol)、Pheの環上メチル化誘導体、Pheのハロゲン化誘導体、またはo−メチル−Tyr等の合成非天然酸に対して置換されてもよい。
【0251】
上記に加えて、本明細書において提供されるペプチドは、1つ以上の修飾アミノ酸または1つ以上の非アミノ酸モノマー(例えば、脂肪酸、複合炭水化物等)も含んでもよい。
【0252】
一実施形態では、「オリゴヌクレオチド」という用語は、「核酸」という用語と代替可能であり、原核生物配列、真核生物mRNA、真核生物mRNAからのcDNA、真核生物(例えば、哺乳類)DNAからのゲノムDNA配列、およびさらに合成DNA配列を含み得るが、これらに限定されない、分子を指す。この用語は、DNAおよびRNAの任意の知られている類似体を含む配列も指す。
【0253】
「安定的に維持される」とは、別の実施形態では、検出可能な損失を伴わずに、10世代、選択(例えば、抗生物質選択)の非存在下での核酸分子またはプラスミドの維持を指す。別の実施形態では、期間は、15世代である。別の実施形態では、期間は、20世代である。別の実施形態では、期間は、25世代である。別の実施形態では、期間は、30世代である。別の実施形態では、期間は、40世代である。別の実施形態では、期間は、50世代である。別の実施形態では、期間は、60世代である。別の実施形態では、期間は、80世代である。別の実施形態では、期間は、100世代である。別の実施形態では、期間は、150世代である。別の実施形態では、期間は、200世代である。別の実施形態では、期間は、300世代である。別の実施形態では、期間は、500世代である。別の実施形態では、期間は、500世代より多い。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、体外(例えば、培養内)で安定的に維持される。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、体内で安定的に維持される。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、体外および体外の両方で安定的に維持される。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0254】
一実施形態では、「アミノ酸」または「アミノ酸」という用語は、20の自然発生のアミノ酸を含むことが理解され、それらのアミノ酸は、しばしば体内で翻訳後に修飾され、例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリン、およびホスホトレオニン、ならびに2−アミノアジピン酸、ヒドロキシリシン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシンおよび/またはニチンを含むが、これらに限定されない他の異常アミノ酸を含む。さらに、「アミノ酸」という用語は、D−およびL−アミノ酸の両方を含み得る。
【0255】
「核酸」または「核酸配列」という用語は、一本または二本鎖の形態のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドオリゴヌクレオチドを指す。この用語は、参照核酸として、所望の目的のために、同様または改善された結合特性を有する天然ヌクレオチドの知られている類似体を含有する核酸、すなわち、オリゴヌクレオチドを包含する。用語は、自然発生のヌクレオチドと同様の方法か、または所望の目的のためにそれより改善される割合で代謝する核酸も含む。この用語は、合成骨格を伴う核酸様構造も包含する。本発明によって提供されるDNA骨格類似体としては、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホン酸、ホスホロアミダート、アルキルホスホトリエステル、スルファミン酸、3´−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3´−N−カルバメート、モルホリノカルバメート、およびペプチド核酸(PNA)が挙げられ、例えば、Oligonucleotides and Analogues,a Practical Approach,edited by F.Eckstein,IRL Press at Oxford University Press(1991)、Antisense Strategies,Annals of the New York Academy of Sciences,Volume 600,Eds.Baserga and Denhardt(NYAS 1992)、Mulligan(1993)J.Med.Chem.36:1923−1937、Antisense Research and Applications(1993,CRC Press)を参照されたい。PNAは、N−(2−アミノエチル)グリシン単位等の非イオン性骨格を含有する。ホスホロチオエート結合は、例えば、国際公開第WO97/03211号、同第WO96/39154号、Mata(1997)Toxicol.Appi.Pharmacol.144:189−197に記載される。この用語によって包含される他の合成骨格は、メチル−ホスホン酸結合または交互のメチルホスホン酸およびホスホジエステル結合(Strauss−Soukup(1997)Biochemistry 36:8692−8698)、ならびにベンジルホスホン酸結合(Samstag(1996)Antisense Nucleic Acid Drug Dev.6:153−156)を含む。核酸という用語は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチドプライマー、プローブ、および増幅生成物と代替可能に使用される。
【0256】
本明細書において提供される方法および組成物の一実施形態では、「組み換え部位」または「部位特異的組み換え部位」という用語は、組み換え部位の側面にある核酸切片の交換または切除を媒介するリコンビナーゼ(場合によっては、関連タンパク質と共に)によって認識される核酸分子における塩基の配列を指す。リコンビナーゼおよび関連タンパク質は、「組み換えタンパク質」と総称され、例えば、Landy,A.,(Current Opinion in Genetics & Development 3:699−707;1993)を参照されたい。
【0257】
「ファージ発現ベクター」または「ファージミド」とは、原核、酵母、真菌、植物、昆虫、または哺乳類細胞を含む任意の細胞における、構造的または誘導的に、体外または体内で、本明細書において提供される方法および組成物の核酸配列を発現する目的のための任意のファージベースの組み換え発現系を指す。ファージ発現ベクターは、典型的に、細菌細胞において再生すること、および適切な条件下でファージ粒子を産生することの両方ができる。この用語は、線状または環状発現系を含み、エピソームのままでいるか、または宿主細胞ゲノムに組み込む、両方のファージベースの発現ベクターを包含する。
【0258】
一実施形態では、本明細書において使用される「機能的に連結される」という用語は、転写および翻訳調節核酸が、転写が始動される方法で、任意のコード配列に対して位置付けられることを意味する。概して、これは、プロモータおよび転写始動または開始配列は、コード領域まで5´の場所に位置付けられることを意味する。
【0259】
一実施形態では、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、タンパク質をコードすることができる可能性のある塩基の配列を含有する生物のゲノムの一部である。別の実施形態では、ORFの開始および終止端部は、mRNAの端部と同等ではないが、それらは、通常、mRNA内に含有される。一実施形態では、ORFは、遺伝子の開始コード配列(始動コドン)と終止コドン配列(終端コドン)との間に位置する。、一実施形態では、内因性ポリペプチドを伴うオープンリーディングフレームとしてゲノムに機能可能に組み込まれる核酸分子は、内因性ポリペプチドを伴う同じオープンリーディングフレームにおいてゲノムに組み込まれた核酸分子である。
【0260】
一実施形態では、本発明は、リンカー配列を含む融合ポリペプチドを提供する。一実施形態では、「リンカー配列」は、2つの異種ポリペプチドまたはその断片もしくはドメインを接合するアミノ酸配列を指す。一般的に、本明細書において使用される場合、リンカーは、融合ポリペプチドを形成するように、ポリペプチドに共有結合するアミノ酸配列である。リンカーは、典型的に、オープンリーディングフレームによってコードされるアミノ酸配列および表示タンパク質を含む融合タンパク質を作製するための表示ベクターからのレポーター遺伝子の除去後に残りの組み換え信号から翻訳されるアミノ酸を含む。当業者によって理解されるように、リンカーは、グリシンおよび他の小さい中性アミノ酸等の付加的なアミノ酸を含むことができる。
【0261】
一実施形態では、本明細書において使用される「内因性」は、参照生物内で発生もしくは由来したか、または参照生物内の原因から生じた事項を説明する。別の実施形態では、内因性は、天然を指す。
【0262】
一実施形態では、本明細書において使用される「異種の」は、参照種と異なる種に由来する核酸、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を説明する。したがって、例えば、異種ポリペプチドを発現するリステリア株は、一実施形態では、リステリア株に対して天然または内因性ではないポリペプチド、または別の実施形態では、リステリア株によって通常発現されないポリペプチド、または別の実施形態では、リステリア株以外の源からのポリペプチドを発現する。別の実施形態では、異種は、同種内の異なる生物に由来するものを説明するために使用されてもよい。別の実施形態では、異種抗原は、リステリアの組み換え株によって発現され、組み換え株によって、哺乳類細胞の感染後、処理され、細胞毒性T細胞に提示される。別の実施形態では、リステリア種によって発現される異種抗原は、それが、哺乳類において自然に発現される未修飾抗原またはタンパク質を認識するT細胞応答を引き起こす限り、腫瘍細胞または感染性病原体における対応する未修飾抗原またはタンパク質に正確に一致する必要はない。
【0263】
一実施形態では、本明細書において記載される「エピソーム発現ベクター」とは、線状または環状であってもよく、通常二重鎖の形態である核酸ベクターを指す。一実施形態では、エピソーム発現ベクターは、対象の遺伝子を含む。別の実施形態では、対象の挿入された遺伝子は、中断されないか、またはしばしば細胞DNAへの組み込みから生じる調節拘束に供されない。別の実施形態では、挿入された異種遺伝子の存在は、細胞自体の重要な領域の再配列または中断につながらない。別の実施形態では、エピソームベクターは、細菌細胞質における複数の複製物に存続し、対象の遺伝子の増幅を引き起こし、別の実施形態では、ウイルス性トランス作用因子が、必要である場合に供給される。別の実施形態では、安定したトランスフェクション手順では、エピソームベクターの使用は、しばしば、染色体を組み込むプラスミドの使用より高いトランスフェクション効率を引き起こす(Belt,P.B.G.M.,et al(1991)Efficient cDNA cloning by direct phenotypic correction of a mutant human cell line(HPRT2)using an Epstein−Barr virus−derived cDNA expression vector.Nucleic Acids Res.19,4861−4866、Mazda,O.,et al.(1997)Extremely efficient gene transfection into lympho−hematopoietic cell lines by Epstein−Barr virus−based vectors.J.Immunol.Methods 204,143−151)。一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のエピソーム発現ベクターは、DNA分子を細胞に送達するために採用される任意の多様な方法によって、体内、生体外、または体外で細胞に送達されてもよい。ベクターは、単独、または対象の細胞への送達を強化する医薬組成物の形態で送達されてもよい。
【0264】
一実施形態では、「融合された」とは、共有結合による結合を指す。
【0265】
「形質転換」とは、一実施形態では、プラスミドまたは他の異種DNA分子を取り込むように細菌細胞を操作することを指す。別の実施形態では、「形質転換する」は、プラスミドまたは他の異種DNA分子の遺伝子を発現するように細菌細胞を操作することを指す。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0266】
別の実施形態では、接合は、遺伝物質および/またはプラスミドを細菌に導入するために使用される。接合のための方法は、当技術分野で知られており、例えば、Nikodinovic J et al(A second generation snp−derived Escherichia coli−Streptomyces shuttle expression vector that is generally transferable by conjugation.Plasmid.2006 Nov;56(3):223−7)およびAuchtung JM et al(Regulation of a Bacillus subtilis mobile genetic element by intercellular signaling and the global DNA damage response.Proc Natl Acad Sci USA.2005 Aug 30;102(35):12554−9)に記載される。各方法は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0267】
「代謝酵素」とは、別の実施形態では、宿主細菌によって必要とされる栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、この用語は、宿主細菌によって必要とされる栄養素の合成に必要とされる酵素を指す。別の実施形態では、この用語は、宿主細菌によって利用される栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、この用語は、宿主細菌の持続的成長のために必要とされる栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、酵素は、栄養素の合成のために必要とされる。各可能性は、本明細書において提供される方法および組成物の個別の実施形態を表す。
【0268】
一実施形態では、本明細書において使用される「弱化」という用語は、細菌の動物における疾病を引き起こす能力の減少を意味する。すなわち、弱毒化リステリア株の病因的特徴は、野生型リステリアと比較して低下しているが、弱毒化リステリアは、培養における成長および維持が可能である。例として、弱毒化リステリアによるBALB/cマウスの静脈内接種を使用して、接種された動物の50%が生存する(LD
50)致死量は、好ましくは、少なくとも約10倍、より好ましくは、少なくとも約100倍、より好ましくは、少なくとも約1,000倍、さらにより好ましくは、少なくとも約10,000倍、最も好ましくは、少なくとも約100,000倍で、野生型リステリアのLD
50を超えて増加する。したがって、リステリアの弱毒化株は、それが投与される動物を死亡させないものであるか、または投与される細菌の数が、同じ動物を死亡させるために必要とされる野生型非弱毒化細菌の数より大幅に多い場合にのみ動物を死亡させるものである。弱毒化細菌は、その成長のために必要とされる栄養素がその中に存在しないため、一般環境における複製が可能であるものを意味するとも解釈されるべきである。したがって、細菌は、必要とされる栄養素が提供される制御環境における複製に限定される。したがって、本発明の弱毒化株は、それらが、無制御複製が可能であるという点において、環境的に安全である。
【0269】
本明細書において使用される「約」という用語は、量に関する用語において、プラスマイナス5%、または別の実施形態では、プラスマイナス10%、または別の実施形態では、プラスマイナス15%、または別の実施形態では、プラスマイナス20%を意味する。
【0270】
「対象」という用語は、一実施形態では、病気またはその続発症のための療法を必要とするか、またはそれらにかかりやすい、ヒトを含む、哺乳類を指す。対象は、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、およびマウス、ならびにヒトを含み得る。一実施形態では、「対象」という用語は、全ての点で健康であり、疾病もしくは疾患の兆候を有さないか、または示さない個人を除外しない。
【0271】
一実施形態では、本明細書において提供されるリステリアは、本明細書において記載されるように、異種ポリペプチドを発現し、別の実施形態では、本明細書において提供されるリステリアは、本明細書において記載されるように、異種ポリペプチドを分泌し、別の実施形態では、本明細書において提供されるリステリアは、本明細書において記載されるように、異種ポリペプチドを発現し、分泌する。別の実施形態では、本明細書において提供されるリステリアは、異種ポリペプチドを含み、別の実施形態では、異種ポリペプチドをコードする核酸を含む。
【0272】
一実施形態では、本明細書において提供されるリステリア株を、ワクチンの調製において使用することができる。一実施形態では、本明細書において提供されるリステリア株は、ペプチドワクチンの調製において使用することができる。ペプチドワクチンを調製するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、EP1408048,米国特許第20070154953号、およびOGASAWARA et al(Proc.Nati.Acad.Sci.USA Vol.89,pp.8995−8999,October 1992)に記載される。一実施形態では、ペプチド進化技術を使用して、より高い免疫原性を伴う抗原を作製する。ペプチド進化のための技術は、当技術分野で知られており、例えば、米国特許第6773900号に記載される。
【0273】
一実施形態では、本明細書において提供される方法および組成物のワクチンは、宿主脊椎動物、好ましくは、哺乳類、より好ましくは、ヒトに、単独、または薬学的に許容される担体と組み合わせてのいずれかで投与することができる。別の実施形態では、ワクチンは、リステリア株自体か、またはリステリア種が発現するように修飾された異種抗原への免疫応答を誘導するために有効な量で投与される。別の実施形態では、投与されるワクチンの量は、本開示を保有している場合、当業者によって日常的に決定され得る。別の実施形態では、薬学的に許容される担体としては、滅菌蒸留水、生理食塩水、リン酸緩衝液、または重炭酸塩緩衝液を挙げ得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、選択される薬学的に許容される担体および使用される担体の量は、投与方法、リステリアの株、およびワクチンの年齢および病状を含むいくつかの要因に依存する。別の実施形態では、ワクチンの投与は、経口経路によるか、またはそれは、非経口、鼻腔内、筋肉内、血管内、直腸内、腹腔内、または投与の多様な知られている経路の任意の1つであり得る。別の実施形態では、投与経路は、感染性病原体または治療される腫瘍の種類に従って選択することができる。
【0274】
一実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリア株を提供し、該核酸分子は、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0275】
別の実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリア株を投与することを含む、対象における抗原に対する免疫応答を誘導する方法を提供し、該核酸分子は、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0276】
別の実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリア株を投与することを含む、対象における癌を治療、抑制、または阻害する方法を提供し、該核酸分子は、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0277】
別の実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリア株を投与することを含む、対象における少なくとも1つの腫瘍を治療、抑制、または阻害する方法を提供し、該核酸分子は、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0278】
別の実施形態では、本発明は、抗原を発現する組み換えリステリア株を産生する方法を提供し、方法は、抗原をコードする第1の核酸を、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに遺伝子的に融合すること、および該組み換えリステリア株における抗原発現を促す条件下で該抗原を発現することを含む。
【0279】
別の実施形態では、本発明は、異種抗原ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸分子を含む組み換えリステリア株を使用して上記に記載される任意の方法を提供し、該核酸分子は、内因性PEST含有遺伝子を伴うオープンリーディングフレームにおいてリステリアゲノムに機能可能に組み込まれる。
【0280】
別の実施形態では、本発明は、本明細書において提供される1つ以上のリステリア株、アプリケータ、および本明細書において提供される方法を履行する際のキットの構成要素の使用法を説明する説明資料を含む、本明細書において提供される方法を便利に履行するためのキットを提供する。
【0281】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に示すために提示される。しかしながら、それらは、本発明の広い範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0282】
我々は、前立腺癌のマウスモデルにおける腫瘍の退行に関連する強力なPSA特異的免疫応答を誘発する、tLLOに融合されるPSAを分泌する組み換えLm(Lm−LLO−PSA)を開発し、tLLO−PSAの発現は、ベクターに対する抗生物質耐性を与える、pGG55(表1)に基づくプラスミドに由来する。我々は、近年、抗生物質耐性マーカを有さない、pADV142プラスミドに基づくPSAワクチンのための新規の株を開発し、LmddA−142(表1)と称した。この新規の株は、Lm−LLO−PSAより、10倍弱毒化されている。さらに、LmddA−142は、Lm−LLO−PSAよりわずかに免疫原性であり、腫瘍を発現するPSAを退行させる際に有意により有効であった。
【0283】
表1.プラスミドおよび株
【0284】
【表1】
【0285】
プラスミドpADV142(6523bp)の配列は、以下の通りである。
【0286】
cggagtgtatactggcttactatgttggcactgatgagggtgtcagtgaagtgcttcatgtggcaggagaaaaaaggctgcaccggtgcgtcagcagaatatgtgatacaggatatattccgcttcctcgctcactgactcgctacgctcggtcgttcgactgcggcgagcggaaatggcttacgaacggggcggagatttcctggaagatgccaggaagatacttaacagggaagtgagagggccgcggcaaagccgtttttccataggctccgcccccctgacaagcatcacgaaatctgacgctcaaatcagtggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggcggctccctcgtgcgctctcctgttcctgcctttcggtttaccggtgtcattccgctgttatggccgcgtttgtctcattccacgcctgacactcagttccgggtaggcagttcgctccaagctggactgtatgcacgaaccccccgttcagtccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggaaagacatgcaaaagcaccactggcagcagccactggtaattgatttagaggagttagtcttgaagtcatgcgccggttaaggctaaactgaaaggacaagttttggtgactgcgctcctccaagccagttacctcggttcaaagagttggtagctcagagaaccttcgaaaaaccgccctgcaaggcggttttttcgttttcagagcaagagattacgcgcagaccaaaacgatctcaagaagatcatcttattaatcagataaaatatttctagccctcctttgattagtatattcctatcttaaagttacttttatgtggaggcattaacatttgttaatgacgtcaaaaggatagcaagactagaataaagctataaagcaagcatataatattgcgtttcatctttagaagcgaatttcgccaatattataattatcaaaagagaggggtggcaaacggtatttggcattattaggttaaaaaatgtagaaggagagtgaaacccatgaaaaaaataatgctagtttttattacacttatattagttagtctaccaattgcgcaacaaactgaagcaaaggatgcatctgcattcaataaagaaaattcaatttcatccatggcaccaccagcatctccgcctgcaagtcctaagacgccaatcgaaaagaaacacgcggatgaaatcgataagtatatacaaggattggattacaataaaaacaatgtattagtataccacggagatgcagtgacaaatgtgccgccaagaaaaggttacaaagatggaaatgaatatattgttgtggagaaaaagaagaaatccatcaatcaaaataatgcagacattcaagttgtgaatgcaatttcgagcctaacctatccaggtgctctcgtaaaagcgaattcggaattagtagaaaatcaaccagatgttctccctgtaaaacgtgattcattaacactcagcattgatttgccaggtatgactaatcaagacaataaaatagttgtaaaaaatgccactaaatcaaacgttaacaacgcagtaaatacattagtggaaagatggaatgaaaaatatgctcaagcttatccaaatgtaagtgcaaaaattgattatgatgacgaaatggcttacagtgaatcacaattaattgcgaaatttggtacagcatttaaagctgtaaataatagcttgaatgtaaacttcggcgcaatcagtgaagggaaaatgcaagaagaagtcattagttttaaacaaatttactataacgtgaatgttaatgaacctacaagaccttccagatttttcggcaaagctgttactaaagagcagttgcaagcgcttggagtgaatgcagaaaatcctcctgcatatatctcaagtgtggcgtatggccgtcaagtttatttgaaattatcaactaattcccatagtactaaagtaaaagctgcttttgatgctgccgtaagcggaaaatctgtctcaggtgatgtagaactaacaaatatcatcaaaaattcttccttcaaagccgtaatttacggaggttccgcaaaagatgaagttcaaatcatcgacggcaacctcggagacttacgcgatattttgaaaaaaggcgctacttttaatcgagaaacaccaggagttcccattgcttatacaacaaacttcctaaaagacaatgaattagctgttattaaaaacaactcagaatatattgaaacaacttcaaaagcttatacagatggaaaaattaacatcgatcactctggaggatacgttgctcaattcaacatttcttgggatgaagtaaattatgatctcgag
attgtgggaggctgggagtgcgagaagcattcccaaccctggcaggtgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtgcacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgtgatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccaggtatttcaggtcagccacagcttcccacacccgctctacgatatgagcctcctgaagaatcgattcctcaggccaggtgatgactccagccacgacctcatgctgctccgcctgtcagagcctgccgagctcacggatgctgtgaaggtcatggacctgcccacccaggagccagcactggggaccacctgctacgcctcaggctggggcagcattgaaccagaggagttcttgaccccaaagaaacttcagtgtgtggacctccatgttatttccaatgacgtgtgtgcgcaagttcaccctcagaaggtgaccaagttcatgctgtgtgctggacgctggacagggggcaaaagcacctgctcgggtgattctgggggcccacttgtctgttatggtgtgcttcaaggtatcacgtcatggggcagtgaaccatgtgccctgcccgaaaggccttccctgtacaccaaggtggtgcattaccggaagtggatcaaggacaccatcgtggccaacccctaacccgggccactaactcaacgctagtagtggatttaatcccaaatgagccaacagaaccagaaccagaaacagaacaagtaacattggagttagaaatggaagaagaaaaaagcaatgatttcgtgtgaataatgcacgaaatcattgcttatttttttaaaaagcgatatactagatataacgaaacaacgaactgaataaagaatacaaaaaaagagccacgaccagttaaagcctgagaaactttaactgcgagccttaattgattaccaccaatcaattaaagaagtcgagacccaaaatttggtaaagtatttaattactttattaatcagatacttaaatatctgtaaacccattatatcgggtttttgaggggatttcaagtctttaagaagataccaggcaatcaattaagaaaaacttagttgattgccttttttgttgtgattcaactttgatcgtagcttctaactaattaattttcgtaagaaaggagaacagctgaatgaatatcccttttgttgtagaaactgtgcttcatgacggcttgttaaagtacaaatttaaaaatagtaaaattcgctcaatcactaccaagccaggtaaaagtaaaggggctatttttgcgtatcgctcaaaaaaaagcatgattggcggacgtggcgttgttctgacttccgaagaagcgattcacgaaaatcaagatacatttacgcattggacaccaaacgtttatcgttatggtacgtatgcagacgaaaaccgttcatacactaaaggacattctgaaaacaatttaagacaaatcaataccttctttattgattttgatattcacacggaaaaagaaactatttcagcaagcgatattttaacaacagctattgatttaggttttatgcctacgttaattatcaaatctgataaaggttatcaagcatattttgttttagaaacgccagtctatgtgacttcaaaatcagaatttaaatctgtcaaagcagccaaaataatctcgcaaaatatccgagaatattttggaaagtctttgccagttgatctaacgtgcaatcattttgggattgctcgtataccaagaacggacaatgtagaattttttgatcccaattaccgttattctttcaaagaatggcaagattggtctttcaaacaaacagataataagggctttactcgttcaagtctaacggttttaagcggtacagaaggcaaaaaacaagtagatgaaccctggtttaatctcttattgcacgaaacgaaattttcaggagaaaagggtttagtagggcgcaatagcgttatgtttaccctctctttagcctactttagttcaggctattcaatcgaaacgtgcgaatataatatgtttgagtttaataatcgattagatcaacccttagaagaaaaagaagtaatcaaaattgttagaagtgcctattcagaaaactatcaaggggctaatagggaatacattaccattctttgcaaagcttgggtatcaagtgatttaaccagtaaagatttatttgtccgtcaagggtggtttaaattcaagaaaaaaagaagcgaacgtcaacgtgttcatttgtcagaatggaaagaagatttaatggcttatattagcgaaaaaagcgatgtatacaagccttatttagcgacgaccaaaaaagagattagagaagtgctaggcattcctgaacggacattagataaattgctgaaggtactgaaggcgaatcaggaaattttctttaagattaaaccaggaagaaatggtggcattcaacttgctagtgttaaatcattgttgctatcgatcattaaattaaaaaaagaagaacgagaaagctatataaaggcgctgacagcttcgtttaatttagaacgtacatttattcaagaaactctaaacaaattggcagaacgccccaaaacggacccacaactcgatttgtttagctacgatacaggct
gaaaataaaacccgcactatgccattacatttatatctatgatacgtgtttgtttttctttgctggctagcttaattgcttatatttacctgcaataaaggatttcttacttccattatactcccattttccaaaaacatacggggaacacgggaacttattgtacaggccacctcatagttaatggtttcgagccttcctgcaatctcatccatggaaatatattcatccccctgccggcctattaatgtgacttttgtgcccggcggatattcctgatccagctccaccataaattggtccatgcaaattcggccggcaattttcaggcgttttcccttcacaaggatgtcggtccctttcaattttcggagccagccgtccgcatagcctacaggcaccgtcccgatccatgtgtctttttccgctgtgtactcggctccgtagctgacgctctcgccttttctgatcagtttgacatgtgacagtgtcgaatgcagggtaaatgccggacgcagctgaaacggtatctcgtccgacatgtcagcagacgggcgaaggccatacatgccgatgccgaatctgactgcattaaaaaagccttttttcagccggagtccagcggcgctgttcgcgcagtggaccattagattctttaacggcagcggagcaatcagctctttaaagcgctcaaactgcattaagaaatagcctctttctttttcatccgctgtcgcaaaatgggtaaatacccctttgcactttaaacgagggttgcggtcaagaattgccatcacgttctgaacttcttcctctgtttttacaccaagtctgttcatccccgtatcgaccttcagatgaaaatgaagagaaccttttttcgtgtggcgggctgcctcctgaagccattcaacagaataacctgttaaggtcacgtcatactcagcagcgattgccacatactccgggggaaccgcgccaagcaccaatataggcgccttcaatccctttttgcgcagtgaaatcgcttcatccaaaatggccacggccaagcatgaagcacctgcgtcaagagcagcctttgctgtttctgcatcaccatgcccgtaggcgtttgctttcacaactgccatcaagtggacatgttcaccgatatgttttttcatattgctgacattttcctttatcgcggacaagtcaatttccgcccacgtatctctgtaaaaaggttttgtgctcatggaaaactcctctcttttttcagaaaatcccagtacgtaattaagtatttgagaattaattttatattgattaatactaagtttacccagttttcacctaaaaaacaaatgatgagataatagctccaaaggctaaagaggactataccaactatttgttaattaa(配列番号46)。このプラスミドは、2−20−08に大腸菌からGenewiz施設で配列された。
【0287】
実施例1:弱毒化リステリア株−LmddΔActAの構造物、ならびにLmddおよびLmddA株におけるklk遺伝子へのフレームにおけるヒトklk3遺伝子の挿入
【0288】
株Lm dal dat(Lmdd)を、病原性因子、ActAの不可逆的欠失によって弱毒化した。Lmdaldat(Lmdd)背景におけるActAのインフレーム欠失は、下流遺伝子の発現に対する任意の極性効果を回避するために構築した。Lm dal dat ΔActAは、ActAのN末端にある最初の19のアミノ酸およびC末端にある28のアミノ酸残基を含有し、591のアミノ酸が欠失する。
【0289】
ActA欠失変異体は、ActAの上流(657bp−オリゴのAdv271/272)および下流(625bp−オリゴのAdv273/274)部分に対応する染色体領域を増殖し、PCRによって結合することによって産生した。この増幅のために使用されたプライマーの配列を表2に示す。ActAの上流および下流DNA領域は、EcoRI/PstI制限部位にあるpNEB193において、このプラスミドからクローンし、EcoRI/PstIは、温度感受性プラスミドpKSV7においてさらにクローンし、ΔActA/pKSV7(pADV120)を得た。
【0290】
表2:ActAの上流および下流のDNA配列の増幅のために使用されたプライマーの配列
【0291】
【表2】
【0292】
遺伝子のその染色体場所からの欠失は、プライマー3(Adv305−tgggatggccaagaaattc、配列番号51)およびプライマー4(Adv304−ctaccatgtcttccgttgcttg;配列番号52)として
図1に示される、ActA欠失領域に外部で結合するプライマーを使用して検証した。PCR分析は、LmddおよびLmddΔActAから単離された染色体DNAに対して行った。Lmdd染色体DNAにおける2つの異なるセットのプライマー対1/2および3/4での増幅後のDNA断片のサイズは、3.0Kbおよび3。4Kbと予想した。一方、LmddΔActAのためのプライマー対1/2および3/4を使用したPCRの予想されたサイズは、1.2Kbおよび1.6Kbであった。このように、
図1のPCR分析は、ActAの1.8kb領域が、LmddΔActA株において欠失されたことを確認する。DNA配列決定も、株、LmddΔActA.に領域を含有するActAの欠失を確認するために、PCR生成物に対して行った。
【0293】
実施例2:Lmベクターによる抗原送達のための抗生物質依存性エピソーム発現系の構築
【0294】
Lmベクターによる抗原送達のための抗生物質依存性エピソーム発現系(pADV142)は、抗生物質を有さないプラスミドpTV3の次の世代である(参照することにより本明細書に組み込まれる、Verch et al.,Infect Immun,2004.72(11):6418−25)。病原性遺伝子転写活性化剤のための遺伝子であるprfAは、リステリア株Lmddが、染色体におけるprfA遺伝子の複製物を含有するため、pTV3から欠失された。さらに、NheI/PacI制限部位にあるp60−リステリアdalのためのカセットは、p60−枯草菌dalによって置換し、プラスミドpADV134(
図2A)を得た。リステリアおよびバチルスdal遺伝子の類似性は、約30%であり、プラスミドと、Lmdd染色体におけるdal遺伝子の残りの断片との間の組み換えの機会を実質上排除する。プラスミドpADV134は、抗原発現カセットtLLO−E7を含有した。LmddA株は、pADV134プラスミドで形質転換し、選択されたクローンからのLLO−E7タンパク質の発現は、ウエスタンブロット法によって確認された(
図2B)。10403S野生型株に由来するLmdd系は、Lmddストレプトマイシン抵抗を除いて、抗生物質耐性マーカを欠く。
【0295】
さらに、pADV134は、ヒトPSA、klk3をクローン化するためにXhoI/XmaIで制限し、プラスミド、pADV142を得た。新規のプラスミド、pADV142(
図2C、表1)は、リステリアp60プロモータの制御下でバチルスdal(B−Dal)を含有する。シャトルプラスミド、pADV142は、外因性D−アラニンの非存在下で大腸菌ala drx MB2159およびリステリアモノサイトゲネス株Lmddの両方の成長を補完した。プラスミドpADV142の抗原発現カセットは、klkプロモータおよびLLO−PSA融合タンパク質から成る(
図2C)。
【0296】
プラスミドpADV142は、リステリア背景株、LmddActA株に形質転換し、LmddA−LLO−PSAを得た。株、LmddA−LLO−PSAによるLLO−PSA融合タンパク質の発現および分泌は、抗LLOおよび抗PSA抗体を使用してウエスタンブロット法によって確認した(
図2D)。2つの体内継代後、株、LmddA−LLO−PSAによるLLO−PSA融合タンパク質の安定した発現および分泌があった。
【0297】
実施例3:株LmddA−LLO−PSAの体外および体内安定性
【0298】
プラスミドの体外安定性は、8日間、選択圧の存在または非存在下でLmddA−LLO−PSAリステリア株を培養することによって検査した。株LmddA−LLO−PSAのための選択圧は、D−アラニンである。したがって、株LmddA−LLO−PSAは、ブレインハートインフュージョン(BHI)およびBHI+100μg/mlのD−アラニンにおいて継代した。CFUは、選択的(BHI)および非選択的(BHI+D−アラニン)培地上に播種した後、毎日決定した。プラスミドの損失は、非選択的培地(BHI+D−アラニン)上に播種した後、より高いCFUをもたらすことが予想された。
図3Aに示すように、選択的および非選択的培地におけるCFUの数に差異はなかった。これは、プラスミドpADV142は、実験が終了する少なくとも50世代の間、安定していることを示唆する。
【0299】
体内でのプラスミド維持は、C57BL/6マウスにおける、5×10
7CFU LmddA−LLO−PSAの静脈内注入によって決定した。生菌は、24時間および48時間でPBS内で均質化された脾臓から単離した。各資料のCFUは、BHIプレートおよびBHI+100μg/mlのD−アラニン上で、各時点で決定した。脾細胞を選択的および非選択的培地上に播種した後、コロニーを24時間後に回収した。この株は、高度に弱毒化しているため、細菌負荷は、24時間で体内で除去される。CFUの有意な差異は、選択的および非選択的プレート上で検出されず、全ての単離された最近における組み換えプラスミドの安定した存在を示唆する(
図3B)。
【0300】
実施例4:株LmddA−142(LmddA−LLO−PSA)の体内継代、病原性、およびクリアランス
【0301】
LmddA−142は、エピソームに発現されたtLLO−PSA融合タンパク質を分泌する組み換えリステリア株である。安全な投与量を決定するために、マウス様々な投与量のLmddA−LLO−PSAで免疫付与し、毒作用を決定した。LmddA−LLO−PSAは、最小限の毒作用を引き起こした(データは示されず)。結果は、LmddA−LLO−PSAの10
8CFUの投与量は、マウスによる良好な耐容性を示したことを示唆した。病原性の研究では、株LmddA−LLO−PSAは、高度に弱毒化されていたことが示される。
【0302】
C57BL/6マウスにおける、安全量10
8CFUの腹腔内投与後のLmddA−LLO−PSAの体内クリアランスを決定した。2日目後のLmddA−LLO−PSAで免疫付与されたマウスの肝臓および脾臓において検出可能なコロニーは存在しなかった。この株は、高度に弱毒化しているため、48時間で体内で完全に除去された(
図4A)。
【0303】
LmddA−LLO−PSAの弱化が、マクロファージを感染させ、細胞内で成長する、株LmddA−LLO−PSAの能力を弱化させたかを判断するために、我々は、細胞感染検定を行った。J774A.1等のマウスマクロファージ様細胞株は、リステリアコンストラクトに体外で感染させ、細胞内成長を定量化した。陽性対照菌株野生型リステリア株10403Sは、細胞内で成長し、陰性対照XFL7であるprfA変異体は、ファゴリソソームを回避することができないため、J774細胞において成長しない。LmddA−LLO−PSAの細胞質内成長は、細胞から細胞へ広がる、この株の能力の損失のため、10403Sより遅かった(
図4B)。結果は、LmddA−LLO−PSAが、マクロファージを感染させ、細胞質内で成長する能力を有することを示す。
【0304】
実施例5:C57BL/6マウスにおける株−LmddA−LLO−PSAの免疫原性
【0305】
C57BL/6マウスにおけるコンストラクトLmddA−LLO−PSAによって誘発されたPSA特異的免疫応答は、PSA四量体染色を使用して決定した。マウスは、1週間間隔でLmddA−LLO−PSAで2回免疫付与し、脾細胞は、追加接種後6日目にPSA四量体に対して染色した。PSA特異的四量体での脾細胞の染色は、LmddA−LLO−PSAが、PSA四量体
+CD8
+CD62L
low細胞の23%を誘発したことを示した(
図5A)。
【0306】
5hのPSAペプチドでの刺激の後のIFN−γを分泌するPSA特異的T細胞の機能的能力を、細胞内サイトカイン染色を使用して検査した。未感作マウスと比較して、LmddA−LLO−PSA群において、PSAペプチドで刺激されたCD8
+CD62L
lowIFN−γ分泌細胞の割合(%)が200倍し(
図5B)、LmddA−LLO−PSA株が、非常に免疫原性であり、脾臓におけるPSAに対する高レベルの機能的に活性なPSA CD8
+T細胞応答の原因となることを示唆する。
【0307】
マウスをLmddA−LLO−PSAで免疫付与した後にPSAに対して生成された細胞毒性T細胞の機能活性を決定するために、我々は、体外検定において、PSA特異的CTLのH−2D
bペプチドでパルスされた細胞EL4細胞を溶解する能力を試験した。FACSに基づくカスパーゼ検定(
図5C)およびユウロピウム放出(
図5D)を使用して、細胞溶解を測定した。LmddA−LLO−PSAで免疫付与されたマウスの脾細胞は、標的抗原としてPSAペプチドを提示する細胞のための高い細胞溶解活性を伴うCTLを含有した。
【0308】
Elispotは、抗原での24時間の刺激の後のエフェクターT細胞のIFN−γを分泌する機能的能力を決定するために行った。ELISpotを使用して、我々は、未感作マウスの脾細胞と比較して、特異ペプチドで刺激されたLmddA−LLO−PSAで免疫付与されたマウスからの脾細胞において、IFN−γのスポットの数が20倍の増加したことを確認した(
図5E)。
【0309】
実施例6:LmddA−142株での免疫付与は、PSAを発現する腫瘍の退行およびPSA特異的CTLによる腫瘍の浸潤を誘導する
【0310】
コンストラクトLmddA−142(LmddA−LLO−PSA)の治療効果を、PSA(Tramp−C1−PSA(TPSA)、Shahabi et al.,2008)を発現するように操作された前立腺腺癌細胞株を使用して決定した。マウスに、2×10
6TPSA細胞を皮下的に埋め込んだ。腫瘍が、6日目に4−6mmの触診可能なサイズに到達すると、マウスは、10
8CFU LmddA−142、10
7CFU Lm−LLO−PSA(陽性対照)で1週間間隔で3回免疫付与するか、未処理のままとした。未感作マウスは、徐々に腫瘍を発症した(
図6A)。LmddA−142で免疫付与されたマウスは、35日目まで全て腫瘍を有さず、8匹中3匹のマウスが、徐々に、腫瘍を発症し、腫瘍は、未感作マウスと比較してかなり遅い速度で成長した(
図6B)。8匹中5匹のマウスは、70日目まで腫瘍を有さないままであった。予想した通り、Lm−LLO−PSA接種マウスは、未感作対照より少ない腫瘍を有し、腫瘍は、対照よりゆっくりと発症した(
図6C)。このように、コンストラクトLmddA−LLO−PSAは、TPSA細胞株によって確立された腫瘍の60%を退行させ、他のマウスにおける腫瘍の成長を遅くすることができる。腫瘍を有さない状態であった治癒されたマウスは、68日目にTPSA腫瘍で再免疫試験した。
【0311】
LmddA−142でのマウスの免疫付与は、未処理群における0%と比較して(
図6A)、実験動物の60%以上において、PSAを発現するように操作された7日間確立Tramp−C1腫瘍の成長および退行を制御することができる(
図6B)。LmddA−142は、高度に弱化されたベクター(LmddA)およびプラスミドpADV142を使用して構築した(表1)。
【0312】
さらに、腫瘍に浸潤する、LmddA−LLO−PSAコンストラクトによって生成されたPSA特異的CD8リンパ球の能力を調査した。マウスは、腫瘍の混合物およびマトリゲルを皮下的に埋め込み、未感作または対照(Lm−LLO−E7)リステリアか、またはLmddA−LLO−PSAによる7日間隔での2つの免疫付与を続けた。腫瘍は、21日目に切除し、腫瘍に浸潤するCD8
+CD62L
lowPSA
四量体+およびCD4
+CD25
+FoxP3
+調節性T細胞の集団に対して分析した。
【0313】
未感作およびLm−LLO−E7対象免疫付与マウスの両方には、非常に低い数のPSAに特異的なCD8
+CD62L
lowPSA
四量体+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が観察された。しかしながら、LmddA−LLO−PSAで免疫付与されたマウスにおいて、PSA特異的CD8
+CD62L
lowPSA
四量体+TILの割合は10−30倍の増加があった(
図7A)。興味深いことに、脾臓におけるCD8
+CD62L
lowPSA
四量体+細胞の集団は、腫瘍におけるものより7.5倍少なかった(
図7A)。
【0314】
さらに、未処理マウスおよびリステリア免疫付与マウスの腫瘍におけるCD4
+/CD25
+/FoxP3
+T調節細胞(reg)の存在を決定した。興味深いことに、リステリアでの免疫付与は、腫瘍におけるCD4
+CD25
+FoxP3
+T−regの数の相当な減少を引き起こしたが、脾臓においては減少はなかった(
図7B)。しかしながら、コンストラクトLmddA−LLO−PSAは、未感作およびLm−LLO−E7免疫付与群と比較して、腫瘍におけるCD4
+CD25
+FoxP3
+T−regの頻度の減少に強い影響を有した(
図7B)。
【0315】
このように、LmddA−142ワクチンは、腫瘍部位に浸潤することが可能なPSA特異的CD8
+T細胞を誘導することができる(
図7A)。興味深いことに、LmddA−142での免疫付与は、腫瘍における調節性T細胞の数の減少を伴い(
図7B)、恐らく、効率的な抗腫瘍CTL活性に対するより好ましい環境を作る。
【0316】
実施例7:Lmdd−143およびLmddA−143は、PSA融合にもかかわらず機能的LLOを分泌する
【0317】
Lmdd−143およびLmddA−143は、下流で、完全長ヒトklk3遺伝子を含有し、これは、PSAタンパク質をコードし、染色体におけるklk遺伝子を伴うフレームにおいて相同的組み換えによって挿入される。これらのコンストラクトは、klk−klk3−mpl組み換えカセットを携持し、温度感受性レプリコンを有するpKSV7プラスミドを使用して相同的組み換えによって作製した(Smith and Youngman,Biochimie.1992;74(7−8)p705−711)。第2の組み換えイベント後のプラスミド切除のために、組み込み選択のために使用される抗生物質耐性マーカは、損失される。さらに、ActA遺伝子は、LmddA−143株において欠失される(
図8A)。染色体へのklkを伴うフレームにおけるklk3の挿入は、両コンストラクトにおいて、PCR(
図8B)および配列決定(データは示されず)によって検証した。
【0318】
これらの染色体コンストラクトの重要な一態様は、LLO−PSAの産生は、リステリアのファゴソームからの回避、サイトゾル侵入、およびL.モノサイトゲネスによって生成される効率的な免疫のために必要とされる、LLOの機能を完全に消失しないということである。Lmdd−143およびLmddA−143培養上清からの分泌されたタンパク質のウエスタンブロット分析は、LLO−PSA融合タンパク質に対応する約81kDaのバンド、およびLLOの予想されたサイズである約60kDaのバンドを明らかにし(
図9A)、LLOが、染色体における融合遺伝子にもかかわらず、LLO−PSA融合から開裂されるか、またはL.モノサイトゲネスによって単一のタンパク質として未だに産生されているかのいずれかを示す。Lmdd−143およびLmddA−143によって分泌されるLLOは、野生型L.モノサイトゲネス10403Sと比較して、50%の溶血活性を保持した(
図9B)。これらの結果と一致して、Lmdd−143およびLmddA−143の両方は、マクロファージ様J774細胞株において細胞内で複製することが可能であった(
図9C)。
【0319】
実施例8:Lmdd−143およびLmddA−143の両方は、PSA抗原に対する細胞媒介性免疫応答を誘発する
【0320】
Lmdd−143およびLmddA−143の両方が、LLOに融合されるPSAを分泌することが可能であることを示した後、我々は、これらの株が、体内でPSA特異的免疫応答を誘発することができるかどうかを調査した。C57Bl/6マウスは、未処理のままか、またはLmdd−143、LmddA−143、もしくはLmddA−142で2回免疫付与した。PSA特異的CD8
+T細胞応答は、PSA
65−74ペプチドで脾細胞を刺激すること、およびIFN−γに対する細胞内染色によって測定した。
図10に示されるように、染色体およびプラスミドベースのベクターによって誘発された免疫応答は、同様である。
【0321】
実施例9:LLO−HMW−MAA融合タンパク質を分泌する組み換えLm株は、広範な抗腫瘍応答を引き起こす
【0322】
事前にマップされ、予測されたHLA−A2エピトープの位置に基づいて、区別できるHMW−MAA断片を発現する3つのLmベースのワクチンを設計した(
図11A)。Lm−tLLO−HMW−MMA
2160−2258(Lm−LLO−HMW−MAA−Cとも称される)は、非病原性Lm XFL−7株およびpGG55ベースのプラスミドに基づく。この株は、tLLO−HMW−MAA
2160−2258融合タンパク質に対応する約62kDaのバンドを分泌する(
図11B)。tLLO−HMW−MAA
2160−2258の分泌は、恐らくHMW−MAA膜貫通ドメインに対応、この断片の高い疎水性のために比較的弱い。完全長HMW−MAA遺伝子でトランスフェクトされたB16F10メラノーマ細胞を使用して、我々は、Lm−LLO−HMW−MAA−Cで免疫付与されたマウスの62.5%までが、確立された腫瘍の成長を妨げることができたことを確認した(
図11C)。この結果は、HMW−MAAが、ワクチン接種戦略において標的抗原として使用することができることを示す。興味深いことに、我々は、Lm−LLO−HMW−MAA−Cでのマウスの免疫付与は、区別できるマウス株に由来した、B16F10、RENCA、およびNT−2(
図11D)等のHMW−MAAを発現するように操作されていない腫瘍の成長を有意に弱めたことも確認した。ラットHER−2/neuタンパク質を発現する哺乳類癌細胞株であり、FVB/Nトランスジェニックマウスに由来するNT−2腫瘍モデルでは、腫瘍接種後7日目のLm−LLO−HMW−MAA−Cでの免疫付与は、腫瘍成長を弱めただけではなく、5匹中1匹のマウスにおける腫瘍の退行も誘導した(
図11D)。
【0323】
実施例10:Lm−LLO−HMW−MAA−Cでのマウスの免疫付与は、CD8
+T細胞による腫瘍間質の浸潤および腫瘍血管系における周皮細胞範囲の有意な低下を誘導する
【0324】
NT−2細胞は、HMW−MAA相同体NG2を発現しないが、Lm−LLO−HMW−MAA−CでのFVB/Nマウスの免疫付与は、NT−2腫瘍の成長を有意に弱め、最終的には、腫瘍退行をもたらした(
図11D)。この腫瘍モデルを使用して、免疫蛍光によって腫瘍部位におけるCD8
+T細胞および周皮細胞を評価した。CD8に対するNT−2腫瘍区分の染色は、Lm−LLO−HMW−MAA−Cワクチンで免疫付与されたマウスにおける腫瘍への、および血管の周囲のCD8
+T細胞の浸潤を示し、これは対照ワクチンで免疫付与されたマウスにおいては観察されなかった(
図12A)。NT−2腫瘍における周皮細胞も、αSMAおよびNG2(HMW−MAAのマウス相同体)抗体での二重染色によって分析した。3つの独立したNT−2腫瘍からのデータ分析は、対照と比較して、Lm−LLO−HMW−MAA−Cで免疫付与されたマウスにおける周皮細胞の数において有意な低下を示した(P
<0.05)(
図12B)。分析が、ワクチンによって標的とされないαSMAに対して染色された細胞に制限された場合、同様の結果が得られた(データは示されず)。このように、Lm−LLO−HMW−MAA−Cワクチン接種は、周皮細胞を標的とすることによって腫瘍部位における血管形成に影響を与える。
【0325】
実施例11:LLO−PSAおよびtLLO−HMW−MAA
2160−2258融合タンパク質の同時発現および分泌による強化された抗腫瘍活性を有する組み換えL.モノサイトゲネスベクターの開発、および双方の異種抗原に対する免疫応答の誘発
【0326】
材料および方法:
【0327】
pADV168プラスミドの構築 HMW−MAA−C断片は、XhoIおよびXmaI制限エンドヌクレアーゼでの二重消化によってPCR2.1−HMW−MAA
2160−2258プラスミドから切除する。この断片は、既にXhoIおよびXmaIで消化されたpADV134プラスミドにおいてクローン化して、E7遺伝子を切除する。pADV168プラスミドは、エレクトロコンピテントdal
(−)dat
(−)大腸菌株MB2159に電気穿孔し、陽性クローンは、RFLPおよび配列分析のためにスクリーニングする。
【0328】
対照菌株LmddA−168、ならびにLmdd−143/134およびLmddA−143/134の構築 Lmdd、Lmdd−143、およびLmddA−143は、pADV168またはpADV134プラスミドのいずれかで形質転換する。形質転換細胞は、D−アラニン(BHI培地)を含有しないストレプトマイシン(250μg/ml)で補給されたブレインハートインフュージョンアガープレート上で選択する。個々のクローンは、抗LLO、抗PSA、または抗E7抗体を使用して、ウエスタンブロット法によって、細菌性培養上清におけるLLO−PSA、tLLO−HMW−MAA
2160−2258、およびtLLO−E7分泌に対してスクリーニングする。各株からの選択されたクローンは、体外および体内病原性に対して評価する。各株は、最も安定した組み換えクローンを選択するために体内で2回継代する。簡潔に述べると、各コンストラクトからの選択されたクローンは、成長させ、1×10
8CFU/マウスで4匹のマウスの群に腹腔内注入する。脾臓は、1日目および3日目に採取し、均質化し、BHIアガープレート上に播種する。最初の継代後、各株からの1つのコロニーを選択し、体内で2回目の継代を行う。ベクターのさらなる弱化を防止するために、その生存能力を弱めるレベルにまで、区別できる弱化レベル(Lmdd−143/168、LmddA−143/168)の2つのベクターにおけるコンストラクトを生成する。
【0329】
J774細胞における細胞内複製による体外病原性決定 マクロファージによるLmの取り込み、その後のサイトゾル侵入および細胞内増殖は、Lmベースのワクチンによる抗原送達および提示の成功のために必要とされる。マクロファージ様J774細胞株を使用する体外侵入検定を使用して、新規の組み換えLm株におけるこれらの特性を試験する。簡潔に述べると、J774細胞は、対照野生型Lm株10403Sまたは試験される新規のLm株のいずれかにより、1:1のMOIで抗生物質を伴わない培地において1時間感染させる。細胞外細菌は、10μg/mlのゲンタマイシンの培地における1時間の培養により死滅させる。サンプルは、一定間隔で収穫し、細胞は、水で溶解する。10倍の連続希釈の溶解物を、BHIプレート上に二重播種し、コロニー形成単位(CFU)を各サンプルにおいて数える。
【0330】
体内病原性の研究 4匹のC57BL/6マウス(7週齢)の群に、Lmdd−143/168、LmddA−143/168、LmddA−168、Lmdd−143/134、またはLmddA−143/134株の2つの異なる投与量(1×10
8および1×10
9CFU/投与量)を腹腔内で注入する。マウスは、生存およびLD
50推定に対して2週間観察した。1×10
8より高いLD
50が、他のLmベースのワクチンでの過去の経験に基づき、許容できる値を成す。
【0331】
結果
【0332】
pADV168プラスミドの構築に成功すると、それは、正確なHMW−MAA配列の存在に対して配列決定される。これらの新規の株におけるこのプラスミドは、各コンストラクトに特異的なLLO融合タンパク質を発現し、分泌する。これらの株は、高度に弱化され、少なくとも1×10
8CFUのLD
50を有し、ActA遺伝子に欠け、その結果として細胞間伝播の能力に欠ける、ActA欠損(LmddA)株に対しては、1×10
9CFUより高い可能性が高い。コンストラクトを試験し、弱化と治療効果との間のより良いバランスを有するものを選択する。
【0333】
実施例12:Lmdd−143/168およびLmddA−143/168での免疫付与後に誘発される免疫応答および抗腫瘍効果の検出
【0334】
PSAおよびHMW−MAAに対する免疫応答は、IFN−γ産生、およびこれらの抗原に対する特異的CTL活性の検出等の標準的な方法を使用して、Lmdd−143/168およびLmddA−143/168株での免疫付与後のマウスにおいて研究した。二重発現ベクターの治療効果は、TPSA23腫瘍モデルにおいて試験する。
【0335】
IFN−γに対する細胞内サイトカイン染色 C57BL/6マウス(1つの治療群につき3匹のマウス)は、Lmdd−143/168およびLmddA−143/168株により1週間間隔で2回免疫付与する。この実験のための対照として、マウスは、Lmdd−143、LmddA−143、LmddA−142、LmddA−168、Lmdd−143/134、LmddA−143/134で免疫付与するか、または未処理のままにする(未感作群)。脾臓は、7日後に採取し、脾細胞の単細胞懸濁液を調製する。これらの脾細胞は、IL−2(50U/ml)を有する新しく調製された完全RPMI培地において、丸底96ウェルプレートにける2×10
6細胞/ウェルで播種し、1μMの最終濃度の、PSA H−2Dbペプチド、HCIRNKSVIL(配列番号53)、またはHPV16E7H−2Db対照ペプチドRAHYNIVTF(配列番号54)のいずれかで刺激する。HMW−MAA−エピトープは、C57Bl/6マウスにおいてマップされていないため、HMW−MAA特異的免疫応答は、2×10
6脾細胞を2×10
5EL4−HMW−MAA細胞とともに培養することによって検出する。細胞は、細胞における細胞内IFN−γを保持するために、モネンシンの存在下で5時間培養する。培養後、細胞は、抗マウスCD8−FITC、CD3−PerCP、CD62L−APC抗体で染色する。その後、それらは、IFNγ−PEに対して透過処理し、染色し、4色FACS Calibur(BD Biosciences)において分析する。
【0336】
細胞毒性検定 ワクチン接種の際に生成されるPSAおよびHMW−MAA特異的T細胞のエフェクター活性を調査するために、単離脾細胞を、刺激細胞(PSAまたはHMW−MAA牛痘のいずれかに感染したマイトマイシンC処理されたMC57G細胞)の存在下で、20U/mlのマウスIL−2(Sigma)を含有する完全RPMI培地において5日間培養する。細胞毒性検定のために、EL4標的細胞は、DDAO−SE(0.6μM)(Molecular Probes)で15分標識化し、完全培地で2回洗浄する。標識化標的細胞は、5μMの最終濃度のPSA H−2DbペプチドまたはHPV16E7H−2Db対照ペプチドのいずれかを1時間適用する。HMW−MAA特異的細胞毒性応答のために、EL4−HMW−MAA細胞を、標的として使用する。細胞毒性検定は、標的細胞(T)をエフェクター細胞(E)と共に、異なるE:T比率で2−3時間培養することによって2時間行う。細胞は、ホルマリンで固定し、透過処理し、標的T細胞におけるアポトーシスの誘導を検出するために、開裂カスパーゼ−3に大して染色する。
【0337】
抗腫瘍有効性 Lmdd−143/168およびLmddA−143/168株の抗腫瘍有効性を、T−PSA23腫瘍モデル(TrampC−1/PSA)を使用して、LmddA−142およびLmddA−168の抗腫瘍有効性と比較する。8匹の雄C57BL/6マウス(6−8週齢)の群は、2×10
6T−PSA23細胞を皮下に接種し、7日後、Lmdd−143/168、LmddA−143/168、LmddA−142、およびLmddA−168の0.1×LD
50投与量を腹腔内に免疫付与する。対照として、マウスは、未処理のままか、またはLm対照菌株(LmddA−134)で免疫付与するかのいずれかである。各群は、7日間隔でワクチンの2つの付加的投与量を受ける。腫瘍は、60日間か、またはそれらが、2cmのサイズに到達するまで監視し、この時点でマウスを殺す。
【0338】
結果
【0339】
LmddA−168でのマウスの免疫付与は、HMW−MAAに対する特異的応答の誘導を引き起こす。同様に、Lmdd−143/168およびLmddA−143/168は、PSAおよびHMW−MAAに対する免疫応答を誘発し、その誘導は、個々に各抗原を発現するL.モノサイトゲネスベクターによって生成される免疫応答と同程度である。Lmdd−143/168およびLmddA−143/168でのT−PSA−23によるマウスの免疫付与は、LmddA−142またはLmddA−168のいずれかでの免疫付与より良い抗腫瘍治療効果を引き起こす。
【0340】
実施例13:Lmdd−143/168またはLmddA−143/168のいずれかでの免疫付与は、周皮細胞破壊、内皮細胞における接着分子の上方調節、およびPSAに特異的なTILの強化された浸潤を引き起こす
【0341】
Lmdd−143/168またはLmddA−143/168での免疫付与後に誘導される腫瘍浸潤リンパ球および内皮細胞接着分子の特徴付け Lmdd−143/168またはLmddA−143/168のいずれかで免疫付与されたマウスからの腫瘍は、免疫蛍光によって分析し、内皮細胞による接着分子の発現、腫瘍血管系における血管密度および周皮細胞範囲、ならびにCD8およびCD4T細胞を含む免疫細胞による腫瘍の浸潤を研究する。PSA抗原に特異的なTILは、四量体分析および機能試験によって特徴付ける。
【0342】
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分析 マトリゲルに包含されるTPSA23細胞をマウス(n=1群につき3匹)に皮下注射で接種し、抗腫瘍研究において得られた結果に従い、どちらがより効果的であるかによって、Lmdd−143/168またはLmddA−143/168を7日目および14日目に免疫付与する。比較のために、マウスは、対照LmワクチンであるLmddA−142、LmddA−168で免疫付与するか、または未処理のままにする。21日目に、腫瘍は、外科的に切除し、氷冷PSBで洗浄し、外科用メスで細分化する。腫瘍は、ディスパーゼで処理し、マトリゲルを可溶化にし、分析のために単一細胞を放出する。PSA特異的CD8
+T細胞は、PSA65−74H−2Db四量体−PEおよび抗マウスCD8−FITC、CD3−PerCP−Cy5.5およびCD62L−APC抗体で染色する。腫瘍における調節性T細胞を分析するために、TILは、CD4−FITC、CD3−PerCP−Cy5.5、およびCD25−APCで染色し、続いて、FoxP3染色(抗FoxP3−PE、Milteny Biotec)のために透過処理する。細胞は、FACS Calibur血球計算器およびCellQuestProソフトウェア(BD Biosciences)によって分析する。
【0343】
免疫蛍光 腫瘍接種後21日目に、マトリゲルに埋め込まれたTPSA23腫瘍は、外科的に切除し、断片は、OCT凍結培地において即座に凍結保存する。腫瘍断片は、8−10μm厚の凍結切片にする。免疫蛍光のために、サンプルは、解凍し、4%ホルマリンを使用して固定する。ブロッキング後、切片は、37℃の加湿チャンバ内のブロッキング溶液における抗体で1時間染色する。DAPI(Invitrogen)染色は、メーカーの使用説明書に従って行う。細胞内染色(αSMA)のために、培養は、PBS/0.1%Tween/1%BSA溶液において行う。スライドは、フェージング防止剤を伴う封入溶液(Biomeda)を使用してカバースリップし、24時間固定して、4℃に保った後、Spot Image Software(2006)およびBX51シリーズのオリンパス蛍光顕微鏡を使用して画像化する。CD8、CD4、FoxP3、αSMA、NG2、CD31、ICAM−1、VCAM−1、およびVAP−1は、免疫蛍光によって評価する。
【0344】
統計分析:ノンパラメトリックのマンホイットニーおよびクラスカルワリス検定を、異なる処置群の間の腫瘍サイズを比較するために適用する。腫瘍サイズは、各群におけるマウスの最大数(8匹のマウス)で、最新の時点で比較する。0.05未満のp値を、これらの分析において統計的に有意であると見なす。
【0345】
結果
【0346】
Lmdd−143/168およびLmddA−143/168でのTPSA23によるマウスの免疫付与は、より多数のPSAに特異的なエフェクターTILをもたらし、腫瘍血管系の周皮細胞範囲も減少させる。さらに、細胞接着マーカは、免疫付与されたマウスにおいて有意に上方調節される。
【0347】
付随図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は、それらの実施形態のみに限定されず、様々な変更および修飾が、添付請求項において定義される本発明の範囲または趣旨から逸脱せずに当業者によってその中で達成されてもよいことが理解される。