(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1〜
図3を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。
図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが使用される遊技機1(パチスロ機)を例示する。
【0011】
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネット2と、前面扉3とを含んで構成される。
図2は、キャビネット2の内部構造の一例を示す図である。また、
図3は、前面扉3の裏面(遊技機1の内部側の面)の正面図の一例である。
図2に示すように、キャビネット2には蝶番機構2aが設けられる。前面扉3は、蝶番機構2aにより、キャビネット2の開口を開閉可能に軸支される。
【0012】
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(
図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
【0013】
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、遊技機1(前面扉3)の内部には、腰部パネル6を照射する発光体が設けられる。腰部パネル6を照射する発光体としては、例えば、発光ダイオードや冷陰極管が採用される。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
【0014】
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
【0015】
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネット2の内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
【0016】
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、
図2に示すように、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。また、各リール12は、リール支持体12Fに固定される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
【0017】
図4は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。
図4に示すように、複数のリール12の各々の外周は、21個のコマに区分される。
図4に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、
図4に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「20」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。
図4に示す通り、各リール12には、ベルx図柄とベルy図柄と白BAR図柄とリプレイx図柄とプラム図柄とリプレイy図柄と赤セブン図柄とチェリー図柄と黒BAR図柄とスイカ図柄とが配列される。具体的には、ベルx図柄は、左リール12Lの図柄位置「3、8、17」と、中リール12Cの図柄位置「1、4、9、12、17」と、右リール12Rの図柄位置「4、7、12、15、20」とに配列される。ベルy図柄は、左リール12Lの図柄位置「13、20」に配列される。リプレイx図柄は、左リール12Lの図柄位置「2、12、16、19」と、中リール12Cの図柄位置「2、7、10、15、20」と、右リール12Rの図柄位置「0、16、18」とに配列される。リプレイy図柄は、左リール12Lの図柄位置「7」と、中リール12Cの図柄位置「2、7、10、15、20」と、右リール12Rの図柄位置「5、8、13」とに配列される。プラム図柄は、左リール12Lの図柄位置「1、6、9、15、18」と、中リール12Cの図柄位置「0、3、8、11」と、右リール12Rの図柄位置「3、6、11、14」とに配列される。チェリー図柄は、左リール12Lの図柄位置「10」と、中リール12Cの図柄位置「6、19」と、右リール12Rの図柄位置「9、17」とに配列される。スイカ図柄は、左リール12Lの図柄位置「0、14」と、中リール12Cの図柄位置「13」と、右リール12Rの図柄位置「1」とに配列される。白BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「11」と、中リール12Cの図柄位置「16」と、右リール12Rの図柄位置「19」とに配列される。黒BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「4」と、中リール12Cの図柄位置「14」と、右リール12Rの図柄位置「2」とに配列される。赤セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「5」と、中リール12Cの図柄位置「5、18」と、右リール12Rの図柄位置「10」とに配列される。
【0018】
図4に示すように、ベルx図柄とベルy図柄とは、形状が類似する。ただし、ベルy図柄は、
図4に示す通り、星を表す図柄が付されている点において、ベルx図柄と相違する。本実施形態では、ベルx図柄とベルy図柄とを区別せず、ベル図柄という場合がある。また、リプレイx図柄とリプレイy図柄とは、形状が類似し、「REP」という文字を表示する。ただし、
図4に示す通り、「REP」という文字をリプレイx図柄は白色に表示するのに対し、リプレイy図柄は黒色に表示する点において、両者は相違する。本実施形態では、リプレイx図柄とリプレイy図柄とを区別せず、リプレイ図柄という場合がある。また、リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。なお、
図4では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
【0019】
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
【0020】
図5は、図柄表示領域を説明するための図である。
図5に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
【0021】
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、図柄表示領域に停止表示される各単位領域Uのうちリール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインである。
【0022】
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
【0023】
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」という場合がある。
【0024】
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
【0025】
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「メイン表示器ML」という)が設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
【0026】
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。具体的には、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態では、投入可能表示ランプ13が点灯する。一方で、メダルを受付ることができない状態では、投入可能表示ランプ13が消灯する。例えば、リール12が回転している期間は、メダルを受付けることができない状態であるため、投入可能表示ランプ13が消灯する。一方で、全てのリール12が停止してメダルを受付可能な状態になった場合は、投入可能表示ランプ13が点灯する。
【0027】
BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。具体的には、規定枚数の賭けメダルが設定された場合や再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止した場合に、スタートランプ15が点灯する。
【0028】
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、AT状態の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役の図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が有効ラインに停止表示された場合、9枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「9」を表示する。本実施形態の指示表示器16は、2桁の7セグメントディスプレイである。
【0029】
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。
【0030】
貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
【0031】
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX−BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
【0032】
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態で1BETボタン21が操作されると、クレジット数から数値「1」が減算され、賭けメダルが1枚に設定される。すなわち、遊技者は、1BETボタン21を操作することで、貯留されたメダルを利用して1枚の賭けメダルを設定することができる。MAX−BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態でMAX−BETボタン22が操作された場合、クレジット数から3枚(規定枚数)が減算され、3枚の賭けメダルが設定される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。なお、精算ボタン23の1度目の操作で賭けメダルを精算し、2度目の操作でクレジットを精算する構成としてもよい。本実施形態では、MAX−BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
【0033】
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
【0034】
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止する。
【0035】
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
【0036】
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。なお、後述するように、遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
【0037】
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、利用者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX−BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
【0038】
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。また、非遊技状態において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスター音量が変更される。
【0039】
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述したメイン表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a〜28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
【0040】
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。具体的には、停止操作順序表示ランプ29Lは、リール12Lに対応する位置(表示窓11の左下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Cは、リール12Cに対応する位置(表示窓11の中央下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Rは、リール12Rに対応する位置(表示窓11の右下側)に設けられる。例えば、第1停止操作で停止ボタン25R、第2停止操作で停止ボタン25C、第3停止操作で停止ボタン25Lの順序(いわゆる逆押し)を遊技者に対して報知する場合を想定する。以上の場合、遊技が開始された時点で停止操作順序表示ランプ29Rが点灯し、停止ボタン25Rが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Cが点灯し、停止ボタン25Cが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Lが点灯する。
【0041】
図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、遊技状態を示唆する情報などを報知する。
【0042】
図1および
図3に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
【0043】
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
【0044】
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネット2の係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。
図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネット2の内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネット2の内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
【0045】
図3に示すように、前面扉3の裏面には、メダル投入部8から投入されたメダルの流路を切替可能なセレクター34が設けられる。具体的には、セレクター34はソレノイド(図示略)を具備し、当該ソレノイドのON/OFFの状態に応じてメダルの流路が切替えられる。また、ソレノイドのON/OFFの状態は、メダルの投入が許可されているか否かに応じて変更される。例えば、メダルの投入が許可されている場合、セレクター34のソレノイドはON状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の内部に導く。
図3に示すように、遊技機1の内部側から見てセレクター34の右側の近傍には、投入メダルガイド部材522が設けられる。投入メダルガイド部材522は、セレクター34を通過したメダルを、キャビネット2の内部に設けられたホッパー520に導く。
【0046】
一方で、メダルの投入が許可されていない場合(例えばリール12が回転している場合)、セレクター34のソレノイドはOFF状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の外部に導く。また、セレクター34は、メダルの投入が許可されている場合であっても、メダル投入部8から投入された異物(例えば不正なメダル)を遊技機1の外部に導く。
図3に示すように、セレクター34の下側の近傍には、排出メダルガイド部材523が設けられる。排出メダルガイド部材523は、セレクター34からのメダル等を、前面扉3の正面側のメダル払出口9へ導く。
【0047】
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メダルを貯留するタンク部521aを具備するとともに、メダルを排出する排出スリット521bを有するホッパー520が設けられる。メダル投入部8から投入されたメダルがタンク部521aに貯留され、タンク部521aに貯留されたメダルが排出スリット521bからメダル払出口9を介して受皿ユニット7に払出される。例えば、ホッパー520は、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに表示された場合や精算ボタン23が操作された場合にメダルを払い出す。
【0048】
図3に示すように、前面扉3の裏面には、払出メダルガイド部材524が設けられる。払出メダルガイド部材524は、ホッパー520からのメダルをメダル払出口9に案内する。具体的には、払出メダルガイド部材524は開口を有し、当該開口は、前面扉3が閉塞された状態で、ホッパー520の排出スリット521bに対向する。排出スリット521bから排出されたメダルは、払出メダルガイド部材524の開口に入り、払出メダルガイド部材524によりメダル払出口9に案内される。
【0049】
図2に示すように、キャビネット2の内部には、補助貯留部530が設けられる。補助貯留部530は、ホッパー520から溢れたメダルを貯留する。なお、補助貯留部530の底部とキャビネット2の底部とを貫通する孔を設け、ホッパーから溢れたメダルを、当該孔を介して遊技機1の外部に排出する構成としてもよい。
【0050】
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネット2の背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
【0051】
図2に示すように、キャビネット2の内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴(図示略)に設定変更キー(図示略)を挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
【0052】
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1づつ加算して表示する。例えば、設定表示部36に数値「1」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作されると、設定表示部36に数値「2」が表示される。ただし、設定表示部36に数値「6」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作された場合、設定表示部36には数値「1」が表示される。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
【0053】
図3に示すように、前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
【0054】
図2に示すように、キャビネット2の内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC−DCコンバータおよびDC−DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
【0055】
電源装置510には、
図2に示すように、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、遊技状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
【0056】
図2に示すように、電源装置510には、遮蔽板513が設けられる。遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512の前面側に位置する。また、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とに移動することができる。具体的には、前面扉3が閉じている状態では、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する。以上の構成によれば、例えば、遊技機1の外部からスピーカー31の放音孔に針金を挿入し、遊技機1の内部の電源ボタン511またはリセットボタン512を操作する不正行為が抑止される。
【0057】
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、
図6を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、
図6に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
【0058】
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、
図6に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
【0059】
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
【0060】
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とホッパー520とメイン表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
【0061】
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」〜「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
【0062】
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」〜「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、乱数値R1と同様に、数値「0」〜「65535」の範囲で生成されるハードウェア乱数である。乱数値R3は、後述するAT決定処理で用いられる。なお、乱数値R3としてソフトウェア乱数を採用してもよい。
【0063】
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。
【0064】
I/F回路305は、メイン表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
【0065】
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
【0066】
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
【0067】
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
【0068】
中継基板200は、メイン制御基板300からメイン表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、メイン表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、
図6に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX−BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、
図6に示すように、電源基板500は、満タンセンサ530SE、リセットスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
【0069】
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
【0070】
MAX−BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX−BETボタン22の操作を検出する。また、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
【0071】
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
【0072】
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
【0073】
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
【0074】
満タンセンサ530SEは、補助貯留部530が満タンであることを検出する。具体的には、満タンセンサ530SEは、補助貯留部530の底部から所定の高さに設けられ、補助貯留部530の内部のメダルが増加して満タンセンサ530SEの位置に到達した場合に、ON信号をメイン制御基板300に出力する。満タンセンサ530SEのON信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、満タンセンサ530SEのON信号が入力された場合、例えば液晶表示装置30に「ホッパーフルエラー」というメッセージを表示し、エラー状態に移行する。当該メッセージが表示された場合、例えば遊技店の店員が補助貯留部530のメダルを回収した後に、リセットボタン512を操作することで、エラー状態が解除される。
【0075】
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
【0076】
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
【0077】
図6に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。なお、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、リセットスイッチ512SWからリセット信号が入力された場合と同様に、所定のリセット動作をする構成としてもよい。
【0078】
メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。具体的には、メダルセンサ34SEは、メダル流路のうちセレクター34の内部にメダルが位置する場合にON信号を出力する。一方で、メダルセンサ34SEは、セレクター34の内部にメダルが位置しない場合に、OFF信号を出力する。メダルセンサ34SEからのON/OFF信号は、中継基板200を介してメイン制御基板300に入力される。なお、上述したセレクター34のメダルセンサ34SEに加え、セレクター34の下流に位置する投入メダルガイド部材522にメダルセンサを設けてもよい。以上の構成において、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力された場合に、メインCPU301は、メダルが投入されたと判断してもよい。一方で、例えば、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力されない場合は、メダル流路でメダルが滞留している可能性があるため、メインCPU301がエラーの報知をしてもよい。
【0079】
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
【0080】
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
【0081】
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
【0082】
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。
図6に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプが電気的に接続される。
【0083】
また、
図6に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスター音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスター音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスター音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
【0084】
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量を同じにしてもよい。
【0085】
演出制御基板410は、
図6に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
【0086】
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
【0087】
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
【0088】
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0〜65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
【0089】
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、
図6に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
【0090】
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
【0091】
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。
図6に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
【0092】
音源ROM432は、複数の音データを圧縮して記憶する。各音データは、システム音と演出音とを含む各種の音響を再生するためのデータである。システム音は、例えば、遊技を進行させる遊技操作に応じて再生される。具体的には、システム音は、メダルの投入音、各リール12が始動する場合に再生される始動音、各リール12の停止音、および、遊技機1の異常を報知するエラー音を含む。また、演出音は、各遊技の背景楽曲および各演出の効果音(後述の上乗せ効果音など)を含む。詳細には後述するが、各音データは、ステレオで再生される音データとモノラルで再生される音データとを含む。なお、音データの圧縮方式は、例えば、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)が好適であるが、上述した圧縮方式以外を採用してもよい。また、音データを圧縮しないで音源ROM432が記憶する構成としてもよい。
【0093】
画像制御CPU421は、サブCPU412からの音制御コマンドXに応じてシステム音を音源IC431に再生させる。音制御コマンドXは、音データを特定するフレーズ番号を含む。画像制御CPU421は、音制御コマンドXを受信した場合、音出力要求コマンドZを音源IC431に入力する。音出力要求コマンドZにより、音制御コマンドXで特定されるシステム音の再生が指示される。
【0094】
画像制御CPU421には、上述の音制御コマンドXに加え、演出制御コマンドYがサブCPU412から入力される。演出制御コマンドYは、サブCPU412が決定した演出(後述のセリフ演出等)を特定する情報を含む。画像制御CPU421は、演出制御コマンドYで特定される演出に応じた演出音を決定し、当該演出音を再生させる音出力要求コマンドZを音源IC431に入力する。音源IC431は、各音響(システム音、演出音)を再生させる音出力要求コマンドZが入力された場合、当該音出力要求コマンドZに応じた音データを再生する。また、メインCPU301は、各遊技操作(開始操作、停止操作、BET操作)がされた場合、当該遊技操作を特定可能なコマンド(開始操作コマンド、停止操作コマンド)をサブCPU412に送信する。サブCPU412は、メインCPU301からのコマンドで特定される遊技操作を示す操作コマンドを画像制御CPU421に送信する。画像制御CPU421は、サブCPU412からの操作コマンドが示す遊技操作に応じて、演出音を再生させる音出力要求コマンドZを送信する場合がある。以上の構成によれば、各演出の各音響は、特定の遊技操作を契機に再生される。例えば、後述のセリフ演出のセリフ音声は、停止操作を契機に再生される。なお、VDP423と音源IC431とは、別々の装置(半導体装置)として設けてもよいし、VDP423の機能と音源IC431の機能とを具備する装置を設けてもよい。
【0095】
図7は、音源IC431の各機能を説明するためのブロック図である。音源IC431は、
図7に示すように、I/F回路450とチャンネル制御部451と各デコード部452と各チャンネル音量制御部453と各ミキサ454とエフェクト処理部455とDA変換部456とを含んで構成される。I/F回路450は、各装置(演出制御基板410など)とのデータの送受信に用いられる。また、音源IC431は、複数のチャンネル(ch0〜ch39)を具備し、異なる音響を各チャンネルchで並行して再生することができる。各チャンネルで各音響が並行して再生された場合、各音響の混合音が各スピーカー(31、32)から出力される。また、各ミキサ454は、スピーカー毎に設けられる。
【0096】
チャンネル制御部451は、I/F回路450が音出力要求コマンドZを受信した場合、当該音出力要求コマンドZが指定する音データを音源ROM432から読出し、当該音データを各チャンネルchの何れかで再生する。音出力要求コマンドZが受信された場合、音データが最初(例えば、楽曲の先頭)から再生される。
【0097】
チャンネル制御部451は、システム音の再生を指示する音出力要求コマンドZを受信した場合と、演出音の再生を指示する音出力要求コマンドZを受信した場合とで異なるチャンネルchで各音響を再生する。また、システム音のうちエラー音の再生を指示する音出力要求コマンドZを受信した場合と、エラー音以外のシステム音の再生を指示する音出力要求コマンドZを受信した場合とで、異なるチャンネルchにおいて各音響を再生する。すなわち、エラー音とシステム音(エラー音以外)と演出音とは互いに異なるチャンネルchで再生される。
【0098】
具体的には、チャンネル制御部451は、各チャンネルchのうちチャンネルch0からチャンネルch2(合計で3個のチャンネルch)でエラー音を再生する。エラー音は、警告音(例えば、サイレンの音)と呼出音声(例えば、「係員をお呼び下さい」という音声)とが混合した音響である。警告音は、チャンネルch0およびチャンネルch1においてステレオで再生され、呼出音声は、チャンネルch2においてモノラルで再生される。以下、エラー音が再生される各チャンネル(ch0〜ch2)の集合を「第1チャンネル群GA」という。
【0099】
チャンネル制御部451は、各チャンネルchのうちチャンネルch3からチャンネルch15(合計で13個のチャンネルch)でシステム音(エラー音を除く)を再生させる。システム音は、ステレオで再生される音響とモノラルで再生される音響とを含む。例えば、システム音のうち所定の効果音(メダルの投入音等)を再生させる音出力要求コマンドZが受信された場合、チャンネル制御部451は、当該効果音を2個のチャンネルchを用いてステレオで再生する。一方で、例えば、システム音のうち所定の音声を再生させる音出力要求コマンドZが受信された場合、チャンネル制御部451は、当該音声を1個のチャンネルchで再生する。以下、エラー音以外のシステム音が再生されるチャンネル(ch3〜ch15)の集合を「第2チャンネル群GB」という。
【0100】
チャンネル制御部451は、各チャンネルchのうちチャンネルch16からチャンネルch39(合計で24個のチャンネルch)で演出音を再生させる。演出音は、ステレオで再生される音響とモノラルで再生される音響とを含む。例えば、演出音のうち背景楽曲を再生させる音出力要求コマンドZが受信された場合、チャンネル制御部451は、2個のチャンネルchを用いて背景楽曲をステレオで再生する。また、演出音のうち所定の音声(セリフ音声等)を再生させる音出力要求コマンドZが受信された場合、チャンネル制御部451は、1個のチャンネルchで当該音声を再生する。なお、音声以外の音響をモノラルで再生してもよい。以下、演出音が再生されるチャンネル(ch16〜ch39)の集合を「第3チャンネル群GC」という。
【0101】
図7に示すように、チャンネル毎にデコード部(452−0〜452−39)とチャンネル音量制御部(453−0〜453−39)とが設けられる。各デコード部452は、音源ROM432から音データを読出し、当該音データを伸長(復号)する。また、各チャンネル音量制御部453は、各チャンネルchの音量を制御する。各チャンネルchの音量は、マスター音量等に応じて設定される。本実施形態では、各チャンネルchの音量を「出力音量」という。各チャンネルchの出力音量は、音出力要求コマンドZで指定される。各チャンネルchの各チャンネル音量制御部453から出力された音響信号は、各ミキサ454に供給され、スピーカー(31L、31R、32L、32R)毎に混合される。
【0102】
エフェクト処理部455は、ミキサ454が混合した音響信号に各種の音響効果を掛ける処理をする。例えば、エフェクト処理部455は、音響信号の特定の周波数帯域を増加または減少するイコライザ処理を実行する。また、エフェクト処理部455は、音像の定位を移動させるパン処理を実行する。なお、エフェクト処理部455が実行する処理は、上述した例に限定されない。エフェクト処理部455からの音響信号は、DA変換部456においてアナログ信号に変換され、各スピーカーに供給される。
【0103】
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。メインROM302には、
図8に示す図柄コードテーブル、
図9に示す当選エリア抽選テーブル、
図10に示す当選役決定テーブル、
図11に示す当選役規定テーブル、
図14に示す移行図柄規定テーブル、
図16に示す指示決定テーブル、
図18に示す回胴演出決定テーブル、
図19に示すAT決定テーブルを含む各種のデータが記憶される。
【0104】
図8は、図柄コードテーブルの概念図である。図柄コードテーブルは、各リール12の各図柄を特定する図柄コードを含んで構成される。
図8から理解されるとおり、各リール12には、「赤セブン」「黒BAR」「白BAR」「リプレイx」「リプレイy」「ベルx」「ベルy」「プラム」「スイカ」「チェリー」の10種類の図柄が配列される。
図7に示すように、各図柄コードは、各図柄に対応する。具体的には、「赤セブン」には図柄コード01の「00000001」が対応し、「黒BAR」には図柄コード02の「00000010」が対応し、「白BAR」には図柄コード03の「00000011」が対応し、「リプレイx」には図柄コード04の「00000100」が対応し、「リプレイy」には図柄コード05の「00000101」が対応し、「ベルx」には図柄コード06の「00000110」が対応し、「ベルy」には図柄コードには図柄コード07の「00000111」が対応し、「プラム」には図柄コード08の「00001000」が対応し、「スイカ」には図柄コード09の「00001001」が対応し、「チェリー」には図柄コード10の「00001010」が対応する。図柄コードは、例えば、後述の優先順位格納処理で用いられる。
【0105】
図9は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。
図9に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。
図9には、各当選エリアの名称が示されている。当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。
図9には、設定値「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示されている。
【0106】
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、
図10に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。なお、
図10において、リプレイを単に「リプ」と省略して記載する。また、他の図においても同様に、リプレイを「リプ」と省略する場合がある。
【0107】
例えば、当選エリア番号「01」の「打順リプレイX1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「01」は、
図10に示すように、当選役「通常リプレイ」と当選役「RT2移行リプレイ」とを指定する。すなわち、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
【0108】
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順(「00」から「32」の順番)に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、大きい抽選値ほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
【0109】
図9に示すように、当選エリア抽選テーブルは、RT状態毎の各抽選値を含んで構成される。各RT状態は、RT0状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とを含む。各RT状態は、後述のRT移行図柄が有効ラインに停止表示された場合に移行する。メインCPU301は、RT状態に応じた抽選値を乱数値R1に減算する。したがって、各当選エリアが当選する確率は、RT状態に応じる。
【0110】
また、
図9に示すように、当選エリア抽選テーブルは、ボーナス作動状態の各抽選値を含む。ボーナス作動状態には、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止表示された場合に移行する。メインCPU301は、ボーナス役が当選した遊技で有効ラインに停止表示されなかった場合、ボーナス役が当選した状態が維持される内部中状態に移行する。
図9から理解される通り、内部中状態において、ボーナス役および打順リプレイ(X、Y)は当選しない。また、ボーナス作動状態の各遊技においては、当選エリア番号「30」の「小役ALL」が当選する。
【0111】
図10に示すように、当選エリア「小役ALL」が当選した遊技では、上段ベル1〜8および中段ベル(以下「ベル役」という)と1枚役Aおよび1枚役B(以下「チャンス役」という)と角チェリーおよび中段チェリー(以下「チェリー役」という)とスイカ役とが有効ラインへの停止を許可される。ただし、チャンス役、チェリー役およびスイカ役に係る図柄組合せよりベル役に係る図柄組合せが優先して有効ラインに停止表示される。
【0112】
ボーナス作動状態の賭メダルの規定枚数は3枚であり、297枚のメダルが払出された場合にボーナス作動状態が終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、RT0状態に移行する。
【0113】
図9から理解されるとおり、当選エリア番号「01」から「11」(以下「再遊技当選エリア」という)の各抽選値がRT状態毎に相違する。具体的には、RT0状態では、
図9に示すように、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「8978」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT0状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」が当選する。
【0114】
図9に示すように、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X6」の各当選エリアに抽選値「748」が割り振られ、「BARリプレイ」の当選エリアに抽選値「8」が割り振られ、「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「4490」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X6」と「通常リプレイ」と「BARリプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は8986(748×6+8+4490)/65536である。
【0115】
図9に示すように、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y3」の各当選エリアに抽選値「7670」が割り振られ、「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「23010」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y3」と「通常リプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は46020(7670×3+23010)/65536である。
【0116】
図9に示すように、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「46020」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は46020/65536である。
【0117】
以上の説明から理解される通り、RT2状態およびRT3状態の再遊技当選エリアの当選確率は、RT0状態およびRT1状態の再遊技当選エリアと比較して高い。また、
図9から理解されるとおり、当選エリア番号「12」から「31」(以下「入賞当選エリア」という)および当選エリア番号「32」の各抽選値は各RT状態で共通である。すなわち、入賞当選エリアの当選確率は、各RT状態で等しい。したがって、RT2状態およびRT3状態は、RT0状態およびRT1状態と比較して、当選役の当選確率が高く、遊技者にとって有利なRT状態である。
【0118】
図11は、当選役規定テーブルの概念図である。当選役規定テーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「中段ベル」が当選した遊技においては、「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが有効ラインに停止することが許可される。
【0119】
当選役規定テーブルは、
図11に示すように、各当選役の許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。
図11には、規定枚数が3枚の遊技状態において各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数を示す。なお、複数の当選役が重複して当選した場合、払出枚数が多い当選役ほど優先して有効ラインに停止表示される。また、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、ボーナス役は、他の当選役より優先順位が低い。
【0120】
図11に示すように、当選役「中段ベル」「上段ベル1〜8」「スイカ役」「角チェリー」「中段チェリー」「1枚役A」「1枚役B」(入賞当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)に係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、「RT3移行リプレイ」「RT2移行リプレイ」「制御用リプレイ1〜3」「BARリプレイ」「通常リプレイ」(再遊技当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)が有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称してリプレイという。
【0121】
当選役規定テーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「12」の打順ベルL1が当選して、当選役「中段ベル」と「上段ベル1」と「上段ベル4」との各図柄組合せが有効ラインに停止を許可された場合を想定する(
図10参照)。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「8」「9」「12」で指定される各表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
【0122】
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
【0123】
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作の順序に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。
【0124】
図12および
図13は、当選エリアと停止操作順序と有効ラインに停止する当選役(有効ラインに停止する図柄の組合せ)との対応関係の説明図である。
【0125】
図12は、再遊技当選エリアが当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役(リプレイ)を説明する図である。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイX1〜X6」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、リール12Lが第1停止操作、リール12Cが第2停止操作、リール12Rが第3停止操作される停止操作順序(以下単に「左中右」の停止操作順序という)の場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、「左中右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
【0126】
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイX5」が当選した遊技において、「右左中」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、「右左中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイX6」が当選した遊技において、「右中左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、「右中左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
【0127】
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイY1〜Y3」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT3移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイY1」が当選した遊技において、左第1停止で停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY1」が当選した遊技において、左第1停止以外の順序で停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、中第1停止で停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、中第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、右第1停止で停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、右第1停止以外の順序で停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
【0128】
図12に示すように、BARリプレイが当選した場合であって、右第1停止の場合、「BARリプレイ」または「通常リプレイ」に係る図柄組合せが停止表示される。具体的には、BARリプレイが当選した遊技において、右第1停止操作の場合であって、右リール12Rの「リプレイx」図柄または「リプレイy」図柄、中リール12Cの「リプレイx」図柄、左リール12Lの「チェリー」図柄が引込範囲内に位置するタイミングで停止操作された場合、当選役「BARリプレイ」に係る図柄組合せが停止表示される。例えば、BARリプレイが当選した遊技では、左リール12Lの図柄位置「10」の「チェリー」図柄と、中リール12Cの図柄位置「15」の「リプレイx」図柄と、右リール12Rの図柄位置「18」の「リプレイx」図柄(
図4参照)との図柄組合せを有効ラインに停止表示可能となる。以上の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、上段ラインに「白BAR−白BAR−白BAR」の図柄組合せが停止表示される。すなわち、BARリプレイが当選した遊技では、停止操作の態様に応じて、「白BAR−白BAR−白BAR」の図柄組合せが停止表示される。
【0129】
一方で、BARリプレイが当選した遊技で、右第1停止操作がされた場合であって、「チェリー」図柄が引込範囲内に位置するタイミングでリール12Rが停止操作されなかった場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが停止表示される。また、上乗せリプレイが当選した遊技で、左第1停止操作または中第1停止操作がされた場合、停止操作位置によらず、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが停止表示される。なお、当選エリア「通常リプレイ」が当選した場合、何れの停止操作順序であっても、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが停止表示される。
【0130】
図13は、当選エリア「打順ベル」(L1〜L4、C1〜C4、R1〜R4)が当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役を説明する図である。当選エリア「打順ベル」が決定された場合、当選役「中段ベル」および当選役「上段ベル1〜8」の何れかが当選役として指定される(
図10参照)。
図13から理解される通り、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技において、停止操作順序に応じて、当選役「中段ベル」または当選役「上段ベル」に係る図柄組合せの一方が有効ラインに停止する。本実施形態において、当選役が停止表示される停止操作順序を当該当選役の正解押順という。打順ベルL(1〜4)が当選した場合の中段ベルの正解押順は、左第1停止である。また、打順ベルC(1〜4)が当選した場合の中段ベルの正解押順は、中第1停止であり、打順ベルR(1〜4)が当選した場合の中段ベル正解押順は、右第1停止である。打順ベルLと打順ベルCと打順ベルRとは、当選確率が互いに等しい。したがって、左第1停止と中第1停止と右第1停止とは、互いに等しい確率で中段ベルの正解押順になる。
【0131】
図13に示すように、当選エリア「打順ベルL1」が決定された遊技において、中第1停止操作の場合、当選役「中段ベル」に係る図柄組合せを有効ラインに引込む停止制御がされる。当選役「中段ベル」に係る図柄組合せは、何れの停止操作位置であっても有効ラインに停止表示される。他方で、停止ボタン25L以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル1」または「上段ベル4」に係る図柄組合せを有効ラインに引込む停止制御がされる。
【0132】
図13に示すように、当選エリア「打順ベルL2」が決定された遊技において、左第1停止操作の場合、当選役「中段ベル」に係る図柄組合せを有効ラインに引込む停止制御がされる。他方で、停止ボタン25L以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル2」または「上段ベル3」に係る図柄組合せを有効ラインに引込む停止制御がされる。同様に、当選エリア「打順ベルL3」が当選した遊技においては、左第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25L以外が操作された場合は、当選役「上段ベル5」または「上段ベル8」に係る図柄組合せが停止する。当選エリア「打順ベルL4」が当選した遊技においては、左第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25L以外が操作された場合は、当選役「上段ベル6」または「上段ベル7」に係る図柄組合せが停止する。
【0133】
図13に示すように、当選エリア「打順ベルC1」が決定された遊技において、中第1停止操作の場合、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止する。他方で、停止ボタン25C以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル1」または「上段ベル6」に係る図柄組合せが停止する。また、当選エリア「打順ベルC2」が決定された遊技において、中第1停止操作の場合、何れの停止操作位置であっても、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止する。他方で、停止ボタン25C以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル2」または「上段ベル5」に係る図柄組合せが停止する。同様に、当選エリア「打順ベルC3」が当選した遊技においては、中第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25C以外が操作された場合は、当選役「上段ベル3」または「上段ベル8」に係る図柄組合せが停止する。当選エリア「打順ベルC4」が当選した遊技においては、中第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25C以外が操作された場合は、当選役「上段ベル4」または「上段ベル7」に係る図柄組合せが停止する。
【0134】
図13に示すように、当選エリア「打順ベルR1」が決定された遊技において、右第1停止操作の場合、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止する。他方で、停止ボタン25R以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル1」または「上段ベル7」に係る図柄組合せが停止する。また、当選エリア「打順ベルR2」が決定された遊技において、右第1停止操作の場合、何れの停止操作位置であっても、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止する。他方で、停止ボタン25R以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル2」または「上段ベル8」に係る図柄組合せが停止する。同様に、当選エリア「打順ベルR3」が当選した遊技においては、右第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25R以外が操作された場合は、当選役「上段ベル3」または「上段ベル5」に係る図柄組合せが停止する。当選エリア「打順ベルR4」が当選した遊技においては、右第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「中段ベル」に係る図柄組合せが停止し、最初に停止ボタン25R以外が操作された場合は、当選役「上段ベル4」または「上段ベル6」に係る図柄組合せが停止する。ただし、当選役「上段ベル1〜8」に係る図柄組合せは、停止操作位置によっては取りこぼす。
【0135】
以上の説明から理解される通り、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技においては、正解押順で停止操作がされた場合、「中段ベル」(払出枚数は9枚)に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。一方で、正解押順以外で停止操作がされた場合、ハズレ目が有効ラインに停止する場合がある。したがって、正解押順で遊技をした場合は、正解押順以外で遊技した場合と比較して、遊技者にとって有利となる。詳細には後述するが、メインCPU301がAT状態の場合、中段ベルの正解押順が報知される。
【0136】
上述した通り、RT状態は、RT0状態からRT3状態を含んで構成される。また、RT状態は、RT移行図柄が有効ラインに表示された場合に移行する。具体的には、有効ラインにRT1移行図柄が表示された場合、RT1状態に移行する。同様に、有効ラインにRT2移行図柄が表示された場合、RT2状態に移行し、RT3移行図柄が表示された場合、RT3状態に移行する。
【0137】
図14は、RT移行図柄規定テーブルの概念図である。
図14および
図11から理解される通り、RT3移行図柄は、RT3移行リプレイの図柄の組合せである。すなわち、RT3移行リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、再遊技の権利が付与され、且つ、RT3状態に移行する。同様に、RT2移行リプレイに係る図柄組合せが停止表示された場合、再遊技の権利が付与されるとともにRT2状態に移行する。
【0138】
RT1移行図柄は、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技において、当選役(中段ベル、上段ベル)を取りこぼした場合に停止表示される。すなわち、打順ベルの正解押順以外で停止操作をし、且つ、当選した上段ベルが引き込めないタイミングで停止操作をした場合、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示される。RT1移行図柄は、当選役に係る図柄組合せではない。
【0139】
詳細には後述するが、メインCPU301がAT状態の場合、RT移行リプレイが停止表示される停止操作順序が報知される。また、メインCPU301がAT状態の場合、打順ベルの正解押順を報知することで、中段ベルに係る図柄組合せを停止表示可能とし、RT1移行図柄が停止表示されることを防止する。
【0140】
メインCPU301は、AT状態および通常状態を含む各状態に応じて、指示表示器16を制御する。本実施形態では、AT状態と通常状態とを総称して指示状態という場合がある。
【0141】
AT状態の各遊技において、メインCPU301は、停止操作順序を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。本実施形態では、メインCPU301は、AT状態において、遊技者にとって有利な停止操作順序を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。一方、通常状態では、遊技者にとって有利な停止操作順序の指示がされない。したがって、AT状態は、通常状態と比較して、遊技者にとって有利な指示状態となる。
【0142】
通常状態は、非前兆状態と第1前兆状態と第2前兆状態との3種類の指示状態を含む。また、AT状態は、開始準備状態とボーナス告知状態とAT中状態との3種類の指示状態を含む。メインCPU301は、以上の6種類の指示状態に遷移する。現在の指示状態を示す指示状態フラグがメインRAM303に記憶され、メインCPU301は、各遊技において、指示状態フラグを示す指示状態コマンドをサブCPU412に送信する。サブCPU412は、指示状態コマンドが示す指示状態に応じて演出を決定する。
【0143】
図15は、指示状態の遷移を説明するための図である。
図15に示すように、指示状態は、特定の契機で移行する。例えば、非前兆状態において、AT状態に当選した場合、第1前兆状態に移行する。具体的には、メインCPU301は、各遊技において、AT状態の当否をAT決定処理により決定する。メインCPU301は、非前兆状態でAT状態に当選した場合、上述の指示状態フラグを非前兆状態から第1前兆状態に変更する。また、メインCPU301は、非前兆状態でAT状態に当選した場合、第1前兆カウンタに初期値を設定する。第1前兆カウンタは、通常状態からAT状態に移行するまでの遊技回数を示し、例えば、メインRAM303に設けられる。第1前兆カウンタの初期値は、数値「0」〜「32」の何れかが抽選により決定される。メインCPU301は、第1前兆状態の各遊技で第1前兆カウンタから数値「1」を減算し、第1前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、指示状態をAT状態(開始準備状態)に移行する。また、通常状態でAT状態に当選した場合、メインCPU301は、AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタに初期値「50」を格納する。ATカウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
【0144】
以上の構成では、第1前兆カウンタの初期値が数値「1」〜「32」の場合、AT状態に当選してから1回から32回の遊技の第1前兆状態を介して、AT状態に移行する。なお、第1前兆カウンタの初期値が数値「0」の場合、AT状態に当選した次回の遊技がAT状態になる。
【0145】
図15に示すように、メインCPU301は、非前兆状態において、内部抽選処理でボーナス役に当選した場合(内部中状態に移行した場合)、指示状態を第2前兆状態に移行する。具体的には、メインCPU301は、非前兆状態でボーナス役に当選した場合、指示状態フラグを非前兆状態から第2前兆状態に変更する。また、メインCPU301は、ボーナス役に当選した場合、第2前兆カウンタに初期値を設定する。第2前兆カウンタは、AT状態(ボーナス告知状態)に移行するまでの遊技回数を示し、第2前兆カウンタの初期値は、数値「0」〜「5」の何れかが抽選により決定される。メインCPU301は、第2前兆状態の各遊技で第2前兆カウンタから数値「1」を減算し、第2前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、指示状態をAT状態に移行させる。なお、第2前兆状態(ボーナス告知状態に移行する前の遊技)において、ボーナス役が有効ラインに停止した場合、第2前兆状態が終了するとともに、その後、ボーナス告知状態へ移行しない。
【0146】
以上の通り、非前兆状態でAT状態に当選した場合、第1前兆状態を介して、AT状態に移行する。また、非前兆状態でボーナス役に当選した場合、第2前兆状態を介して、AT状態に移行する。本実施形態では、第1前兆状態と第2前兆状態とを総称して「前兆状態」という場合がある。前兆状態の各遊技では、非前兆状態の各遊技と比較して、各種の演出が実行されやすい。以上の構成では、演出が頻発した場合、AT状態またはボーナス役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、AT状態およびボーナス役に当選していない場合であっても、特定の契機(例えば、レア役の当選)で、非前兆状態より演出が実行されやすいガセの前兆状態に移行する構成としてもよい。
【0147】
開始準備状態は、第1前兆状態が終了した場合に移行する。すなわち、開始準備状態は、通常状態(非前兆状態)でAT状態に当選した場合に移行する。開始準備状態において、メインCPU301は、RT2移行リプレイの正解押順を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。以上の構成では、開始準備状態において、指示情報により指示される順序で停止操作がされた場合、RT2移行リプレイが有効ラインに停止表示され、RT状態がRT2状態に移行する。また、メインCPU301は、RT2状態に移行した後の開始準備状態において、中段ベルの正解押順を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。以上の構成では、開始準備状態において、指示情報により指示される順序で停止操作がされた場合、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示されない(中段ベルを取りこぼさない)ため、RT2状態からRT1状態に移行(転落)しない。さらに、メインCPU301は、RT2状態に移行した後の開始準備状態において、RT3移行リプレイの正解押順を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。以上の構成では、開始準備状態において、指示情報により指示される順序で停止操作がされた場合、RT3移行リプレイが有効ラインに停止表示され、RT状態がRT3状態に移行する。RT状態がRT3状態に移行した場合、メインCPU301は、開始準備状態からAT中状態に指示状態を移行する。なお、AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタは、開始準備状態においては減算されない。
【0148】
AT中状態において、メインCPU301は、開始準備状態と同様に、中段ベルの正解押順を指示する指示情報とRT2移行リプレイの正解押順を指示する指示情報とRT3移行リプレイの正解押順を指示する指示情報とを指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、AT中状態の各遊技において、ATカウンタから数値「1」を減算する。なお、AT中状態は、原則、RT3状態である。したがって、打順リプレイXおよび打順リプレイYは当選しないため(
図9参照)、RT2移行リプレイおよびRT3移行リプレイの正解押順は、通常、AT中状態では指示されない。しかし、打順ベルが当選したAT中状態の遊技で、指示された順序以外で停止操作がされた場合(操作ミスをした場合)、RT1移行図柄が有効ラインに停止し、RT3状態からRT1状態に移行する場合がある。以上の場合であっても、AT中状態において、RT2移行リプレイとRT3移行リプレイとの正解押順が指示されるため、指示情報の指示に従うことにより、RT1状態からRT3状態に復帰できる。
【0149】
メインCPU301は、AT中状態および開始準備状態において、通常状態と同様に、AT決定処理を実行する。AT中状態および開始準備状態において、AT状態に当選した場合、メインCPU301は、ATストックカウンタを加算する(セット数の上乗せをする)。なお、AT状態において、ATカウンタを加算(残り遊技回数の上乗せ)するか否かが抽選により決定される構成としてもよい。
【0150】
AT中状態の残り遊技回数を示すATカウンタが数値「0」まで減算された場合、メインCPU301は、AT中状態から通常状態(非前兆状態または第1前兆状態)に指示状態を移行する。具体的には、ATカウンタが数値「0」まで減算され場合であって、ATストックカウンタが数値「0」の場合、メインCPU301は、指示状態を非前兆状態に移行する。一方、ATカウンタが数値「0」まで減算され場合であって、ATストックカウンタが数値「0」より大きい場合、メインCPU301は、指示状態を第1前兆状態に移行する。AT状態終了後に第1前兆状態に移行した場合、当該第1前兆状態が終了した後に、再度AT状態(開始準備状態)に移行する。なお、AT中状態終了時に、ATストックカウンタが数値「0」より大きい場合、第1前兆状態を介さないで、AT中状態が継続する構成としてもよい。
【0151】
ボーナス告知状態は、第2前兆状態が終了した場合に移行する。すなわち、ボーナス告知状態は、ボーナス役に当選し、内部中状態に移行した場合に移行する。上述した通り、内部中状態は、ボーナス役が当選しない点において、他の遊技状態(例えばRT1状態)より遊技者にとって不利になる。したがって、内部中状態に移行してからボーナス役が有効ラインに停止表示されるまでの遊技回数が少ないほど遊技者にとって有利になる。しかし、例えば、目押が不得意な遊技者(初心者)は、ボーナス役を有効ラインに停止表示させるまでに多くの遊技を要する場合がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、ボーナス告知状態(内部中状態)において、中段ベルの正解押順が報知される構成とした。以上の構成によれば、目押が不得意な遊技者の内部中状態での不利益が抑制される。
【0152】
ボーナス作動状態が開始した場合、ボーナス告知状態が終了する。また、ボーナス作動状態が終了した場合、ボーナス役が当選した遊技における指示状態に移行(復帰)する。例えば、通常状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に通常状態に移行する。また、AT状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後にAT状態(開始準備状態)に移行する。なお、指示状態の種類は、
図15に例示した各指示状態に限定されない。
【0153】
図16は、各指示決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「1」〜「9」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
【0154】
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルA(
図16(a))と指示決定テーブルB(
図16(b))とを含んでいる。指示決定テーブルAは、通常状態の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルBは、開始準備状態およびAT中状態の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。なお、指示決定テーブルBは、ボーナス告知状態においても用いられる。また、
図16に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
【0155】
図16(a)に示すように、通常状態において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において消灯する。以上の構成によれば、通常状態では、指示表示器16により停止操作態様が指示されない。
【0156】
図16(b)に示すように、開始準備状態またはAT中状態の各遊技において、打順リプレイX1が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。また、
図16(b)に示すように、開始準備状態またはAT中状態の各遊技において、打順リプレイX2が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「2」を表示させる。また、打順リプレイX3が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定し、指示表示器16に指示情報「3」を表示させる。打順リプレイX4が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「04」を決定し、指示表示器16に指示情報「4」を表示させる。打順リプレイX5が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「05」を決定し、指示表示器16に指示情報「5」を表示させる。打順リプレイX6が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「06」を決定し、指示表示器16に指示情報「6」を表示させる。
【0157】
以上の構成では、指示表示器16に指示情報「1」が表示された場合、遊技者は、今回の遊技で打順リプレイX1が当選したことを認識可能である。したがって、指示情報「1」が表示された場合、遊技者は、打順リプレイX1が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順「左中右」で停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「1」が表示された場合、停止操作順序「左中右」が指示されるとも換言される。また、指示表示器16に指示情報「2」が表示された場合、遊技者は、今回の遊技で打順リプレイX2が当選したことを認識可能であるため、打順リプレイX2が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順「左右中」で停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「2」が表示される場合、停止操作順序「左右中」が指示されるとも換言される。同様に、指示表示器16に指示情報「3」が表示される場合、停止操作順序「中左右」が指示され、指示表示器16に指示情報「4」が表示される場合、停止操作順序「中右左」が指示され、指示表示器16に指示情報「5」が表示される場合、停止操作順序「右左中」が指示され、指示表示器16に指示情報「6」が表示される場合、停止操作順序「右中左」が指示される。以上の構成は、RT2移行リプレイの正解押順に対応する指示情報が指示表示器16に表示されるともいえる。
【0158】
図16(b)に示すように、開始準備状態またはAT中状態の各遊技において、打順リプレイY1または打順ベルL(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「07」を決定する。指示番号「07」を決定した場合、メインCPU301は、指示情報「7」を指示表示器16に表示させる。また、開始準備状態またはAT中状態の各遊技において、打順リプレイY2または打順ベルC(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「08」を決定する。指示番号「08」を決定した場合、メインCPU301は、指示情報「8」を指示表示器16に表示させる。さらに、開始準備状態またはAT中状態の各遊技において、打順リプレイY3または打順ベルR(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「09」を決定する。指示番号「09」を決定した場合、メインCPU301は、指示情報「9」を指示表示器16に表示させる。
【0159】
以上の構成では、指示表示器16に指示情報「7」が表示された場合、遊技者は、今回の遊技で打順リプレイY1または打順ベルLが当選したことを認識可能である。上述した通り、打順リプレイY1が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順と、打順ベルLが当選した場合の中段ベルの正解押順とは、共通して、左第1停止である。したがって、指示表示器16に指示情報「7」が表示された場合、遊技者は、中段ベルまたはRT3移行リプレイを有効ラインに停止表示するために、左第1停止で停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「7」が表示された場合、左第1停止が指示されるとも換言される。また、指示表示器16に指示情報「8」が表示された場合、遊技者は、今回の遊技で打順リプレイY2または打順ベルCが当選したことを認識可能である。上述した通り、打順リプレイY2が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順と、打順ベルCが当選した場合の中段ベルの正解押順とは、共通して、中第1停止である。したがって、指示表示器16に指示情報「8」が表示された場合、遊技者は、中第1停止で停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「8」が表示された場合、中第1停止が指示されるとも換言される。さらに、指示表示器16に指示情報「9」が表示された場合、遊技者は、今回の遊技で打順リプレイY3または打順ベルRが当選したことを認識可能である。上述した通り、打順リプレイY3が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順と、打順ベルRが当選した場合の中段ベルの正解押順とは、共通して、右第1停止である。したがって、指示表示器16に指示情報「9」が表示された場合、遊技者は、右第1停止で停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「9」が表示された場合、右第1停止が指示されるとも換言される。以上の構成は、RT3移行リプレイの正解押順および中段ベルの正解押順に対応する指示情報が指示表示器16に表示されるともいえる。また、開始準備状態またはAT中状態において、打順リプレイまたは打順ベル以外が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「99」を決定し、指示表示器16は、指示情報を表示しない。
【0160】
図17は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。メインCPU301は、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において、第1コマンドと第2コマンドとを含む各種のコマンドをサブCPU412に送信する。
【0161】
図17に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンド「A00」〜「A13」をサブCPU412に送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、打順リプレイ(X1〜X6、Y1〜Y3)が当選した場合、コマンド「A01」を送信し、BARリプレイが当選した場合、コマンド「A02」を送信し、通常リプレイが当選した場合、コマンド「A03」を送信する。同様に、打順ベル(L1〜L4、C1〜C4、R1〜R4)が当選した場合、メインCPU301は、コマンド「A04」を送信し、共通ベルが当選した場合、コマンド「A05」を送信し、スイカが当選した場合、コマンド「A06」を送信し、弱チェリーが当選した場合、コマンド「A07」を送信し、強チェリーが当選した場合、コマンド「A08」を送信し、弱チャンス目が当選した場合、コマンド「A09」を送信し、強チャンス目が当選した場合、コマンド「A10」を送信し、小役ALLが当選した場合、コマンド「A11」を送信し、重複ボーナスが当選した場合、コマンド「A12」を送信し、単独ボーナスが当選した場合、コマンド「A13」を送信する。
【0162】
サブCPU412は、以上の第1コマンドを受信した場合、当該第1コマンドに応じて各種の演出を決定する。例えば、スイカが当選した場合のコマンド「A06」が受信された場合、サブCPU412は、スイカが当選した旨を報知する演出を決定する。
【0163】
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンド(B01〜B12、B99)をサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、
図17に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、通常状態の毎回の遊技で決定される。したがって、通常状態では、コマンド「B99」が毎回の遊技で送信される。また、指示番号「99」は、AT中状態または開始準備状態で打順リプレイ(X、Y)および打順ベル(L、C、R)以外の当選エリア(ハズレ等)が当選した場合に決定される。
【0164】
図17に示すように、メインCPU301は、AT中状態または開始準備状態において、打順リプレイX1が当選し、指示番号「01」(左中右の順序)を決定した場合、コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、AT中状態または開始準備状態において、打順リプレイX2が当選し、指示番号「02」(左右中の順序)を決定した場合、コマンド「B02」を送信し、打順リプレイX3が当選し、指示番号「03」(中左右の順序)を決定した場合、コマンド「B03」を送信し、打順リプレイX4が当選し、指示番号「04」(中右左の順序)を決定した場合、コマンド「B04」を送信し、打順リプレイX5が当選し、指示番号「05」(右左中の順序)を決定した場合、コマンド「B05」を送信し、打順リプレイX6が当選し、指示番号「06」(右中左の順序)を決定した場合、コマンド「B06」を送信する。さらに、メインCPU301は、AT中状態または開始準備状態において、打順リプレイY1または打順ベルL(1〜4)が当選し、指示番号「07」(左第1停止)を決定した場合、コマンド「B07」をサブCPU412に送信する。同様に、メインCPU301は、AT中状態または開始準備状態において、打順リプレイY2または打順ベルC(1〜4)が当選し、指示番号「08」(中第1停止)を決定した場合、コマンド「B08」を送信し、打順リプレイY3または打順ベルR(1〜4)が当選し、指示番号「09」(右第1停止)を決定した場合、コマンド「B09」を送信する。
【0165】
以上の第2コマンドがサブCPU412で受信された場合、サブCPU412は、当該第2コマンドで特定される指示番号の停止操作順序を指示する指示演出を決定する。上述した通り、通常状態で送信される第2コマンドは、コマンド「B99」(指示なし)のみである。したがって、通常状態では、原則、指示演出は実行されない。ただし、出玉率に影響しない(影響が小さい)停止操作順序を指示する演出が実行される構成としてもよい。例えば、BARリプレイの正解押順が指示される演出が通常状態で実行される構成としてもよい。
【0166】
図18は、各回胴演出決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、回胴演出決定処理において、各回胴演出を実行するか否かを決定する。回胴演出において、メインCPU301は、予め定められた態様で各リール12を変動させる。各回胴演出は、回胴演出Aと回胴演出Bと回胴演出Cと回胴演出Dとを含み、回胴演出毎に各リール12の態様が相違する。なお、各回胴演出における各リール12の態様は、適宜に変更することができる。
【0167】
メインCPU301は、通常状態の各遊技において、回胴演出決定テーブルAを用いて回胴演出を決定する。また、メインCPU301は、AT中状態および開始準備状態の各遊技において、回胴演出決定テーブルBを用いて回胴演出を決定する。
【0168】
図18に示すように、各回胴演出決定テーブルは、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。また、各抽選値は、「演出なし」の抽選値と回胴演出Aの抽選値と回胴演出Bの抽選値と回胴演出Cの抽選値と回胴演出Dの抽選値とを含んでいる。各抽選値は、回胴演出決定処理において、「演出なし」から回胴演出Dの順序(演出なし→回胴演出A→回胴演出B→回胴演出C→回胴演出Dの順序)で乱数値R2(0〜255)に減算される。メインCPU301は、減算結果が負数になった抽選値の回胴演出を決定する。例えば、通常状態において、弱レア役が当選し、乱数値R2が数値「200」の場合を想定する。通常状態で弱レア役が当選した場合、
図18に示すように、「演出なし」の抽選値「228」が乱数値R2に減算される。乱数値R2から弱レア役の抽選値を減算した結果(200−228=−28)は、負数になるため、メインCPU301は、今回の遊技で回胴演出を実行しないことを決定する。また、例えば、通常状態において、弱レア役が当選し、乱数値R2が数値「230」の場合を想定する。以上の場合、乱数値R2から「演出なし」の抽選値を減算した結果(230−228=2)は負数にならず、その後、当該減算結果に回胴演出Aの抽選値「4」を減算した場合に負数になる。したがって、メインCPU301は、回胴演出Aを決定する。
【0169】
メインCPU301は、各遊技で決定した回胴演出を示す演出種別コマンドをサブCPU412に送信する。演出種別コマンドは、上述した第1コマンドおよび第2コマンドと同様に、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において送信される。なお、演出種別コマンドの送信時期は適宜に変更することができる。
【0170】
図19は、AT決定テーブルの概念図である。AT決定テーブルは、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。また、各当選エリアの各抽選値は、回胴演出に応じて設けられ、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。メインCPU301は、各遊技のAT決定処理において、当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。メインCPU301は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、AT状態への移行を決定する。以上の構成によれば、当選エリアと回胴演出とに応じた確率で、AT状態に移行するか否かが決定される。例えば、今回の遊技で打順ベルが当選し、且つ、回胴演出を実行しないことが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「0」であるから、AT状態に当選しない。一方、今回の遊技で打順ベルが当選し、且つ、回胴演出Aが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「3276」であるから、乱数値R3が範囲「0〜3275」の何れかである場合、AT状態に当選する。また、今回の遊技で打順ベルが当選し、且つ、回胴演出Bまたは回胴演出Cが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「6553」であるから、打順ベルが当選した遊技で回胴演出Aが当選した場合より、高い確率でAT状態に当選する。なお、
図19においては、弱レア役と強レア役との各抽選値を省略して示す。
【0171】
本実施形態においては、
図19に示すように、BARリプレイが当選した場合の「当選」の抽選値は数値「65536」であり、「非当選」の抽選値は数値「0」である。すなわち、BARリプレイに当選した場合、必ずAT状態に当選する。また、
図19に示すように、当選エリアが打順ベル、共通ベル、弱レア役、強レア役以外(ハズレ、打順リプレイ、通常リプレイ、ボーナス)の場合の抽選値は数値「0」である。なお、
図19の例では、BARリプレイに当選した場合、必ずATに当選する構成としたが、BARリプレイに当選した場合にAT状態に当選しない場合がある構成としてもよい。また、打順ベル、共通ベル、弱レア役、強レア役以外の当選エリアに当選した場合、AT状態に当選し得る構成としてもよい。さらに、
図19に示す例では、弱レア役(スイカ、弱チェリー、弱チャンス目)の抽選値を共通としたが、スイカの抽選値と弱チェリーの抽選値と弱チャンス目の抽選値とを別々に設け互いに異ならせてもよい。同様に、強チェリーの抽選値と強チャンス目の抽選値とを別々に設け互いに異ならせてもよい。また、AT決定テーブルを複数設ける構成としてもよい。例えば、通常状態で用いるAT決定テーブルとAT状態で用いるAT決定テーブルとを設ける構成としてもよい。
【0172】
メインRAM303には、有効ラインへの停止が許可された図柄の組合せを示す表示許可ビット格納領域、設定表示部36に表示される数値が格納される表示設定値格納領域、設定値が格納される設定値格納領域、乱数値R1が格納される乱数値R1格納領域、乱数値R2が格納される乱数値R2格納領域、乱数値R3が格納される乱数値R3格納領域、サブ制御基板400に送信するコマンドを格納するコマンド格納領域、各種のランプの表示態様を示すデータを格納するランプ関連データ格納領域、当選エリアを格納する当選エリア格納領域、停止操作がされていない停止ボタン25の個数を示す未停止操作カウンタ、各停止ボタン25の操作順序を格納する停止順序格納領域を含む格納領域が設けられている。
【0173】
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、
図20に示す指示演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
【0174】
図20は、指示演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンドを受信した場合、各指示演出(A、B、C)の何れかを指示演出決定テーブルにより決定する。指示演出を決定した場合、サブCPU412は、当該指示演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。画像制御CPU421は、指示演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該指示演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が第2コマンドを受信した場合、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。
【0175】
図20は、指示演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、第2コマンドとしてコマンド「B01」〜「B09」の何れかを受信した場合、指示演出決定テーブルにより指示演出を決定する。上述した通り、コマンド「B01」〜「B09」は、メインCPU301がAT状態で送信され、通常状態では送信されない。すなわち、サブCPU412は、メインCPU301がAT状態の遊技で、指示演出決定テーブルにより指示演出を決定する。
【0176】
図20に示すように、コマンド「A01」(打順リプレイ)を受信した場合、サブCPU412は、各指示演出A(1〜6)または各指示演出B(1〜3)の何れかを決定する。具体的には、サブCPU412は、第1コマンドとしてコマンド「A01」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B01」を受信した場合、指示演出A1を決定する。また、サブCPU412は、第1コマンドとしてコマンド「A01」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B02」を受信した場合、指示演出A2を決定し、コマンド「B03」を受信した場合、指示演出A3を決定し、コマンド「B04」を受信した場合、指示演出A4を決定し、コマンド「B05」を受信した場合、指示演出A5を決定し、コマンド「B06」を受信した場合、指示演出A6を決定する。
【0177】
以上の構成では、打順リプレイXが当選した場合であって、メインCPU301が指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「1」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A1が決定される。また、打順リプレイXが当選した場合であって、メインCPU301が指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「2」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A2が決定される。同様に、メインCPU301が指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「3」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A3が決定され、メインCPU301が指示番号「04」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「4」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A4が決定され、メインCPU301が指示番号「05」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「5」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A5が決定され、メインCPU301が指示番号「06」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「6」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出A6が決定される。
【0178】
本実施形態の指示演出A1では、停止操作順序「左中右」が指示される。すなわち、指示情報「1」で指示される停止操作順序は、指示演出A1においても指示される。また、指示演出A2では、指示情報「2」で指示される停止操作順序「左右中」が指示され、指示演出A3では、指示情報「3」で指示される停止操作順序「中左右」が指示され、指示演出A4では、指示情報「4」で指示される停止操作順序「中右左」が指示され、指示演出A5では、指示情報「5」で指示される停止操作順序「右左中」が指示され、指示演出A6では、指示情報「6」で指示される停止操作順序「右中左」が指示される。上述した通り、打順リプレイXが当選した場合に表示される指示情報は、RT2移行リプレイの正解押順を指示する。したがって、各指示演出A(1〜6)では、RT2移行リプレイの正解押順が指示される。以上の通り、本実施形態では、指示表示器16の指示情報と液晶表示装置30の指示演出Aとの双方でRT2移行リプレイの正解押順が指示される。
【0179】
また、サブCPU412は、
図20に示すように、第1コマンドとしてコマンド「A01」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B07」を受信した場合、指示演出B1を決定する。また、サブCPU412は、第1コマンドとしてコマンド「A01」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B08」を受信した場合、指示演出B2を決定し、コマンド「B09」を受信した場合、指示演出B3を決定する。
【0180】
以上の構成では、メインCPU301が指示番号「07」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「7」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出B1が決定される。また、メインCPU301が指示番号「08」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「8」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出B2が決定される。同様に、メインCPU301が指示番号「09」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「9」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出B3が決定される。
【0181】
本実施形態の指示演出B1では、左第1停止が指示される。すなわち、指示情報「7」で指示される停止操作順序は、指示演出B1においても指示される。また、指示演出B2では、指示情報「8」で指示される中第1停止が指示され、指示演出B3では、指示情報「9」で指示される右第1停止が指示される。上述した通り、打順リプレイYが当選した場合に表示される指示情報は、RT3移行リプレイの正解押順を指示する。したがって、各指示演出B(1〜3)では、RT3移行リプレイの正解押順が指示される。以上の通り、本実施形態では、指示表示器16の指示情報と液晶表示装置30の指示演出Bとの双方でRT3移行リプレイの正解押順が指示される。
【0182】
図20に示すように、コマンド「A04」(打順ベル)を受信した場合、サブCPU412は、各指示演出C(1〜3)の何れかを決定する。具体的には、サブCPU412は、第1コマンドとしてコマンド「A04」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B07」を受信した場合、指示演出C1を決定する。また、サブCPU412は、第1コマンドとしてコマンド「A04」を受信した場合であって、第2コマンドとしてコマンド「B08」を受信した場合、指示演出C2を決定し、コマンド「B09」を受信した場合、指示演出C3を決定する。
【0183】
以上の構成では、打順ベルが当選した場合であって、メインCPU301が指示番号「07」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「7」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出C1が決定される。また、打順ベルが当選した場合であって、メインCPU301が指示番号「08」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「8」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出C2が決定される。同様に、メインCPU301が指示番号「09」を決定した場合、メインCPU301により指示情報「9」が指示表示器16に表示され、サブCPU412により指示演出C3が決定される。
【0184】
本実施形態の指示演出C1では、左第1停止が指示される。すなわち、指示情報「7」で指示される停止操作順序は、指示演出C1においても指示される。また、指示演出C2では、指示情報「8」で指示される中第1停止が指示され、指示演出C3では、指示情報「9」で指示される右第1停止が指示される。上述した通り、打順ベルが当選した場合に表示される指示情報は、中段ベルの正解押順を指示する。したがって、各指示演出C(1〜3)では、打順ベルの正解押順が指示される。以上の通り、本実施形態では、指示表示器16の指示情報と液晶表示装置30の指示演出Cとの双方で中段ベルの正解押順が指示される。
【0185】
以上の通り、サブCPU412は、各遊技において、指示演出決定テーブル(
図20)を用いて、指示演出(A〜C)を決定する。また、サブCPU412は、演出抽選テーブルを用いて、各遊技の演出を決定する。演出抽選テーブルを用いて決定される各演出には、例えば、リプレイの当選を報知するリプレイナビ演出、および、後述のセリフ演出が含まれる。
【0186】
本実施形態では、複数の演出抽選テーブルが設けられ、サブCPU412は、指示状態に応じた演出抽選テーブルを用いて演出を決定する。以上の構成では、演出抽選テーブルで決定される演出は、指示状態に応じて決定される。詳細な説明は省略するが、特定の演出抽選テーブルにより決定される演出の種類は、他の演出抽選テーブルにより決定される演出の種類と相違する場合がある。また、特定の演出抽選テーブルを用いた場合と他の演出抽選テーブルを用いた場合とで、共通の演出が決定される場合であっても、当該演出が決定される確率は、演出抽選テーブルに応じて相違する場合がある。
【0187】
また、上述した通り、指示演出は、指示状態がAT状態の場合に決定され、通常状態の場合に決定されない。すなわち、指示演出は、演出抽選テーブルで決定される演出と同様に、指示状態に応じて決定されるといえる。以上の説明から理解される通り、サブCPU412は、メインCPU301の指示状態に応じて、セリフ演出および指示演出を含む各種の演出を決定する。ただし、メインCPU301の指示状態によらず、サブCPU412が演出を決定する場合があってもよい。
【0188】
図21は、各セリフ演出(X1〜X4、Y1〜Y4)が各遊技で決定される確率を説明するための図である。サブCPU412が各セリフ演出を決定する確率は、メインCPU301の指示状態に応じる。具体的には、サブCPU412が各セリフ演出を決定する確率は、指示状態が非前兆状態の場合と前兆状態の場合とで相違する。
【0189】
各セリフ演出は、各セリフ演出X(1〜4)と各セリフ演出Y(1〜4)とを含む。また、各セリフ演出では、遊技開始時に、所定の効果音(後述の吹出し効果音)が共通して再生され、その後、予め定められた契機で、所定の音声(セリフ音声)が再生される。具体的には、セリフ演出X1では、第1停止操作を契機に、セリフ音声A1が再生される。また、セリフ演出X2では、第1停止操作を契機に、セリフ音声A2が再生され、セリフ演出X3では、第1停止操作を契機に、セリフ音声A3が再生され、セリフ演出X4では、第1停止操作を契機に、セリフ音声A4が再生される。すなわち、各セリフ演出X(1〜4)では、互いに異なるセリフ音声が第1停止操作を契機に再生される。以下、第1停止操作を契機に再生が開始されるセリフ音声を「セリフ音声A」と総称する場合がある。
【0190】
一方、各セリフ演出Y(1〜4)では、互いに異なるセリフ音声が第3停止操作を契機に再生される。具体的には、セリフ演出Y1では、第3停止操作を契機に、セリフ音声B1が再生される。また、セリフ演出Y2では、第3停止操作を契機に、セリフ音声B2が再生され、セリフ演出Y3では、第3停止操作を契機に、セリフ音声B3が再生され、セリフ演出Y4では、第3停止操作を契機に、セリフ音声B4が再生される。以下、第3停止操作を契機に再生が開始されるセリフ音声を「セリフ音声B」と総称する場合がある。なお、本実施形態では、第1前兆状態と第2前兆状態とで各セリフ演出の何れかが決定される確率を共通にしたが、互いに異ならせてもよい。また、セリフ演出の種類は上述の例に限定されない。
【0191】
図21に示す通り、セリフ演出X1は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwaで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzaで決定される。確率Pzaは、確率Pwaより大きい(Pza>Pwa)。また、セリフ演出X2は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwbで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzbで決定される。確率Pzbは、確率Pwbより大きい(Pzb>Pwb)。セリフ演出X3は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwcで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzcで決定される。確率Pzcは、確率Pwcより大きい(Pzc>Pwc)。セリフ演出X4は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwdで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzdで決定される。確率Pzdは、確率Pwdより大きい(Pzd>Pwd)。すなわち、セリフ演出X(1〜4)の各々は、非前兆状態より前兆状態で決定されやすい。以上の構成では、前兆状態で各セリフ演出Xの何れかが決定される確率Pxz(前兆状態での各セリフ演出Xの決定確率の合算)は、非前兆状態で各セリフ演出Xの何れかが決定される確率Pxwより高くなる。
【0192】
図21に示す通り、セリフ演出Y1は、非前兆状態の各遊技において、確率Pweで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzeで決定される。確率Pzeは、確率Pweより大きい(Pze>Pwe)。また、セリフ演出Y2は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwfで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzfで決定される。確率Pzfは、確率Pwfより大きい(Pzf>Pwf)。セリフ演出Y3は、非前兆状態の各遊技において、確率Pwgで決定され、前兆状態の各遊技において、確率Pzgで決定される。確率Pzgは、確率Pwgより大きい(Pzg>Pwg)。セリフ演出Y4は、非前兆状態の各遊技において決定されず、前兆状態の各遊技において、確率Pzhで決定される。すなわち、セリフ演出Y(1〜4)の各々は、非前兆状態より前兆状態で決定されやすい。以上の構成では、前兆状態で各セリフ演出Yの何れかが決定される確率Pyz(前兆状態での各セリフ演出Yの決定確率の合算)は、非前兆状態で各セリフ演出Yの何れかが決定される確率Pywより高くなる。
【0193】
以上の説明から理解される通り、各セリフ演出(X、Y)の何れかが決定される確率は、非前兆状態より前兆状態で高くなる。したがって、セリフ演出が頻繁に実行された場合、前兆状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、以上の構成では、全てのセリフ演出について、非前兆状態より前兆状態で決定されやすくしたが、一部のセリフ演出について、前兆状態より非前兆状態で決定されやすい構成としてもよい。
【0194】
また、本実施形態では、非前兆状態において、セリフ演出Xが決定される確率Pxwは、セリフ演出Yが決定される確率Pywより高くなるように、各セリフ演出が決定される確率が定められる(Pxw>Pyw)。
【0195】
上述した通り、セリフ演出Xでは、第1停止操作を契機にセリフ音声A(1〜4)の再生が開始され、セリフ演出Yでは、第3停止操作を契機にセリフ音声B(1〜4)の再生が開始される。また、非前兆状態では、セリフ演出Xがセリフ演出Yより高い確率で決定される。したがって、非前兆状態では、セリフ演出のセリフ音声は、第3停止操作より第1停止操作を契機に再生が開始されやすいといえる。詳細には後述するが、本実施形態では、今回の遊技開始時において、前回の遊技のセリフ音声を強制的に停止させる場合がある。したがって、各遊技のセリフ音声は、当該遊技内で終了するのが望ましい。
【0196】
各遊技における第1停止操作の時点は、第3停止操作の時点より先になるため、第3停止操作(遊技の終盤)を契機にセリフ音声の再生を開始した場合と比較して、第1停止操作(遊技の序盤)を契機にセリフ音声の再生を開始した場合、各遊技のセリフ音声は、当該遊技内で終了しやすいという事情がある。上述した通り、非前兆状態では、第3停止操作より第1停止操作を契機に再生が開始されやすいため、各遊技のセリフ音声は、当該遊技内で終了しやすい。すなわち、セリフ音声が途中で停止され難くなるという利点がある。
【0197】
一方、前兆状態では、セリフ演出Yが決定される確率Pyzは、セリフ演出Xが決定される確率Pxzより高くなるように、各セリフ演出が決定される確率が定められる(Pxz<Pyz)。以上の構成では、セリフ演出Xよりセリフ演出Yが頻発した場合、前兆状態に対する期待感を向上させることができる。
【0198】
ただし、以上の構成では、前兆状態において、第1停止操作より第3停止操作を契機に、セリフ音声が再生されやすい。すなわち、前兆状態では、非前兆状態と比較して、セリフ音声の再生が開始された時点から当該セリフ音声が強制的に停止される時点(次回の遊技開始時点)までの時間長が短くなりやすい。したがって、セリフ音声が途中で停止されやすくなる問題が生じ得る。
【0199】
以上の事情を考慮して、本実施形態では、セリフ演出Yのセリフ音声Bの時間長の平均値をセリフ演出Xのセリフ音声Aの時間長の平均値より短く構成した。以上の構成によれば、例えば、セリフ音声Bの時間長の平均値がセリフ音声Aの時間長の平均値より長い(または等しい)構成と比較して、セリフ音声が強制的に停止され難くなる。なお、前兆状態において、セリフ演出Yが決定される確率を非前兆状態より高くしつつ、セリフ演出Yよりセリフ演出Xが決定される確率を高くしてもよい。
【0200】
以上がサブROM413に記憶される各種のデータの説明である。以下、音源ROM432に記憶される各音データについて説明する。
【0201】
図22は、各音データを説明するための図である。各音データは、フレーズ番号毎に音源ROM432に記憶される。
図22には、各音データの一部が例示される。また、
図22における文字「n」および文字「m」および文字「x」は、数値「1」より大きい整数である。
図22に示すように、各音データのうちフレーズ番号「00」(警告音)およびフレーズ番号「01」(呼出音声)の各音データは、エラー発生時に再生される。警告音は、エラーを報知するための音響である。呼出音声は、遊技機1の管理者(係員)の呼出を指示する音声である。例えば、「係員をお呼び下さい」という音声が呼出音声として採用され得る。
【0202】
以上の警告音および呼出音声(エラー音)は、音源IC431の第1チャンネル群GAで再生される。上述したように、警告音は、第1チャンネル群GAのチャンネルch0およびチャンネルch1の2個のチャンネルch(ステレオ)で再生される。また、呼出音声は、第1チャンネル群GAの1個のチャンネルch2(モノラル)で再生される。エラー発生時には、警告音と呼出音声とが各チャンネルchで並行して再生される。以上の説明から理解される通り、エラー音は、警告音と呼出音声とが混合した音響である。
【0203】
図22には、エラー音を除く各システム音の具体例が示される。システム音のうちフレーズ番号「n+00」の投入音は、メダルが投入された場合に再生される。具体的には、メダル投入部8からメダルが投入された場合、または、1BETボタン21またはMAX−BETボタン22の操作によりメダルが投入された場合、または、リプレイが有効ラインに停止表示された後にメダルが自動投入された場合に投入音が再生される。なお、賭メダルが投入された場合(1〜3枚目のメダルの投入)とクレジットに貯留されるメダルが投入された場合(4〜50枚目のメダルの投入)とで投入音を異ならせてもよい。
【0204】
システム音のうちフレーズ番号「n+01」の始動音は、各リール12が始動した場合に再生される。また、システム音のうちフレーズ番号「n+02」の停止音は、各遊技でリール12が停止する毎に再生される。また、上述した指示演出では、ナビ音声(「左」という音声、「中」という音声、「右」という音声)がシステム音として再生される(図示略)。例えば、左第1停止を指示する指示演出では、遊技開始時に「左」という音声が再生される。
【0205】
上述したように、各システム音は、サブCPU412からの音制御コマンドXを画像制御CPU421が受信した場合に再生される。具体的には、音制御コマンドXは、音制御コマンドXSと音制御コマンドXEとを含む。音制御コマンドSEは、エラー音の再生を指示する。また、音制御コマンドXSは、エラー音以外のシステム音の再生を指示する。以下、各音制御コマンドXを詳細に説明する。
【0206】
音制御コマンドXSは、音データ(システム音)のフレーズ番号と、当該音データを再生するチャンネルchのチャンネル番号と、出力音量と、変化時間とを指定する。音制御コマンドXSが画像制御基板(画像制御CPU421)420で受信された場合、当該音制御コマンドXSで指定される音データが、当該音制御コマンドXSで指定されるチャンネルchにおいて、当該音制御コマンドXSにより指定される出力音量で再生される。具体的には、モノラルの音データのフレーズ番号を指定する音制御コマンドXSは、1つのチャンネル番号を指定する。また、ステレオの音データのフレーズ番号を指定する音制御コマンドXSは、2つのチャンネル番号を指定する。
【0207】
音制御コマンドXSの変化時間は、当該音制御コマンドXSで指定される音響をフェードインまたはフェードアウトさせる時間長である。例えば、特定の音響を出力音量「v」(v>0)で再生させる音制御コマンドXSが画像制御CPU421で受信されたと仮定する。また、当該音制御コマンドXSでは、変化時間が「t」秒(t>0)に指定される。当該音制御コマンドXSが受信された場合、当該特定の音響の音量は、数値「0」(消音状態)から連続的に変化して、時間長「t」秒が経過する時点で数値「v」まで変化し、その後、一定となる。また、例えば、出力音量「v」および変化時間「0」秒を指定する音制御コマンドXSが受信されたと仮定する。以上の場合、特定の音響の出力音量は、数値「0」から直ちに数値「v」に変化する。すなわち、変化時間が「0」秒の場合、各音響は、フェードインまたはフェードアウトしない。
【0208】
音制御コマンドXEは、エラー音の再生を指示する。上述したように、エラー音は、音源IC431の各チャンネルchのうち予め定められたチャンネルchで再生される。音制御コマンドXEを受信した場合、マスター音量に関わらず、出力音量「100」(最大値)でエラー音が音源IC431で再生される。以上の通り、エラー音が再生されるチャンネルchおよび出力音量は予め定められている。ただし、エラー音が再生されるチャンネルchおよび出力音量が可変である構成としてもよい。また、エラー音がフェードインまたはフェードアウトする構成としてもよい。
【0209】
以上が各システム音の説明である。以下、各演出音の具体例を説明する。演出音は、各種の効果音(吹出し効果音)と、各種の音声(セリフA1〜A4、セリフB1〜B4)と、各種の背景楽曲(AT楽曲、ボーナス楽曲)とを含んでいる。
【0210】
演出音のうちフレーズ番号「m+00」の吹出し効果音は、各セリフ演出で再生される。各セリフ演出において、吹出し効果音は、遊技の開始操作がされた場合に再生される。具体的には、遊技の開始操作がされた場合、メインCPU301は、サブCPU412に開始操作コマンドを送信する。吹出し効果音は、開始操作コマンドがサブCPU412で受信された場合に再生される。なお、メインCPU301は、遊技の開始操作がされた後に、リール12が始動する場合、リール始動コマンドをサブCPU412に送信する。吹出し効果音は、リール始動コマンドがサブCPU412で受信された場合に再生される構成としてもよい。
【0211】
詳細には後述するが、各セリフ演出では、液晶表示装置30に、吹出し図像が表示される。また、吹出し図像には、今回のセリフ演出のセリフの文字列が表示される。吹出し効果音は、吹出し図像が表示される場合の効果音である。吹出し効果音の時間長は、例えば、約1秒程度である。ただし、吹出し効果音としては、任意の時間長の効果音が採用され得る。また、複数種類の吹出し効果音を設け、セリフ演出に応じて吹出し効果音を異ならせてもよい。
【0212】
演出音のうちフレーズ番号「m+01」のセリフ音声A1は、セリフ演出X1で再生される。また、演出音のうちフレーズ番号「m+02」のセリフ音声A2は、セリフ演出X2で再生され、フレーズ番号「m+03」のセリフ音声A3は、セリフ演出X3で再生され、フレーズ番号「m+04」のセリフ音声A4は、セリフ演出X4で再生され、フレーズ番号「m+05」のセリフ音声B1は、セリフ演出Y1で再生され、フレーズ番号「m+06」のセリフ音声B2は、セリフ演出Y2で再生され、フレーズ番号「m+07」のセリフ音声B3は、セリフ演出Y3で再生され、フレーズ番号「m+08」のセリフ音声B4は、セリフ演出Y4で再生される。各セリフ音声は、モノラルの音データである。ただし、各セリフ音声をステレオの音データとしてもよい。
【0213】
演出音のうちフレーズ番号「m+x−1」のAT楽曲は、AT状態の各遊技に亘り再生される。AT楽曲は、AT状態の各遊技に亘り、ループ再生される。また、フレーズ番号「m+x」のボーナス楽曲は、ボーナス作動状態の各遊技に亘り再生される。ボーナス楽曲は、ボーナス作動状態の各遊技に亘り、ループ再生される。なお、AT状態で再生される楽曲を複数の音データで構成してもよい。例えば、楽曲の導入部分(イントロ)の音データと、当該楽曲の導入部分以降の音データとがAT状態で再生される構成としてもよい。以上の構成では、例えば、AT状態が開始した直後に、導入部分の音データが再生され、その後、導入部分以降の音データがループ再生される。
【0214】
図22に示すように、演出音の各フレーズ番号には、優先度が設けられる。各フレーズ番号の優先度は、各フレーズ番号の各音データの再生を開始する場合に参照される。上述したように、各演出音は、音源IC431の第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルch(16〜39)で再生される。以上の構成において、演出の発生時期等によっては、特定の演出音の再生が指示された時点で、第3チャンネル群GCの全てのチャンネルchで演出音が再生中である場合がある(すなわち、空きチャンネルchがない場合がある)。以上の場合、画像制御CPU421は、再生中の各演出音の各優先度と再生が指示された演出音の優先度とを比較して、何れか一方の演出音を再生する。
【0215】
具体的には、第3チャンネル群GCに空きチャンネルがない場合であって、優先度が比較された結果、今回指示された演出音の優先度(例えば「低」)より再生中の全ての演出音の各優先度(例えば「中」または「高」)が高い場合、再生が指示された演出音は再生されない。一方で、再生が指示された演出音より優先度が低い演出音が再生されている場合、当該再生中の演出音の再生を停止して、当該演出音を再生していたチャンネルchにおいて、今回指示された演出音の再生を開始する。また、以上の構成において、指示された演出音の優先度(例えば「高」)より優先度が低い(例えば「低」または「中」)演出音が複数存在する場合、最も優先度が低い(例えば「低」)演出音の再生が停止される。さらに、最も優先度が低い演出音が複数ある場合は、当該各演出音のうち最も早い時期に再生が終了する演出音の再生を停止して、当該演出音を再生していたチャンネルchにおいて、再生が指示された演出音の再生を開始する。なお、優先度の種類数は適宜に変更することができ、例えば、4種類以上の優先度を設ける構成としてもよい。
【0216】
以上の通り、各演出音が再生されるチャンネルchは、当該演出音の優先度に応じて、画像制御CPU421により、第3チャンネル群GCから自動的に決定される。本実施形態において、第3チャンネル群GCのチャンネルchを「可変チャンネル」という場合がある。また、各システム音が再生されるチャンネルchは、第2チャンネル群GBから音制御コマンドXSで指定される。本実施形態において、第2チャンネル群GBのチャンネルchを「固定チャンネル」という場合がある。
【0217】
図23は、チャンネル情報テーブルTXの概念図である。画像制御CPU421は、チャンネル情報テーブルTXを用いて、音源IC431に各音響を再生させる。
図23に示すように、チャンネル情報テーブルTXは、チャンネルch毎の各チャンネル情報を含んで構成される。各チャンネルchの各チャンネル情報は、当該チャンネルchの状態(再生、停止)と、当該チャンネルchで再生しているフレーズ番号と、当該チャンネルchの出力音量と、当該チャンネルchに設定されたフェードタイマの現在値と、再生しているフレーズ番号の優先度とを含んで構成される。
【0218】
画像制御CPU421は、受信された各音制御コマンドXに応じて、チャンネル情報テーブルTXの各チャンネル情報を更新する。また、画像制御CPU421は、再生する演出音に応じて、チャンネル情報テーブルTXの各チャンネル情報を更新する。チャンネル情報テーブルTXの各チャンネル情報を示す音出力要求コマンドZが音源IC431に入力され、音源IC431は、当該音出力要求コマンドZに応じて各音響を再生する。
【0219】
各チャンネル情報の各出力音量は、マスター音量(数値「1」〜「5」の5段階)に応じる。例えば、マスター音量が数値「1」の場合、出力音量は、マスター音量が数値「5」の場合の20%になる。また、マスター音量が数値「2」の場合、出力音量は、マスター音量が数値「5」の場合の40%になり、マスター音量が数値「3」の場合、出力音量は、マスター音量が数値「5」の場合の60%になり、マスター音量が数値「4」の場合、出力音量は、マスター音量が数値「5」の場合の80%になる。
【0220】
チャンネル情報の「状態」は、各チャンネルchで音響が再生されているか否かを示す。また、チャンネル情報の「フレーズ番号」は、各チャンネルchで再生されている音データのフレーズ番号である。例えば、
図23の例では、第3チャンネル群GCのチャンネルch16とチャンネルch17とでフレーズ番号「m+w」(wは整数)の音データ(ステレオ)が出力音量「90」で再生されている。また、チャンネルch39でフレーズ番号「m+01」のセリフA1が出力音量「100」で再生されている。
【0221】
各チャンネルchの「フェードタイマ」には、当該チャンネルchで再生される音響をフェードインまたはフェードアウトさせる場合、初期値が設定される。その後、フェードタイマは所定の時間間隔(例えば約2ミリ秒の間隔)で減算される。フェードタイマが初期値に設定されてからタイムアップするまでの期間において、当該チャンネルchの出力音量が連続的に変化する。音制御コマンドで指定される変化時間がフェードタイマの初期値として設定される。
【0222】
チャンネル情報の「優先度」は、演出音の再生を開始させる場合であって、第3チャンネル群GCの全てのチャンネルchの状態が再生中である(すなわち、チャンネルchに空きがない)場合に参照される。上述したように、音データには、「低」「中」「高」の何れかの優先度が割振られ、音データの再生を開始する場合、当該音データより優先度が低い音データの再生が停止される。
【0223】
画像制御CPU421は、音制御コマンドXEを受信すると、第1チャンネル群GA(チャンネルch0〜2)の状態を「停止」から「再生」に変更し、第1チャンネル群GAのフレーズ番号に各チャンネルで再生する音データを設定する。具体的には、チャンネルch0およびチャンネルch1に警告音のフレーズ番号が設定され、チャンネルch2に呼出音声のフレーズ番号が設定される。また、第1チャンネル群GA各チャンネルchの出力音量が数値「100」(最大値)に設定される。また、画像制御CPU421は、第2チャンネル群GBおよび第3チャンネル群GCの各チャンネルchの出力音量を数値「0」(最小値)に設定する。以上の構成によれば、エラー音(警告音、呼出音声)が再生される場合、エラー音が最大の出力音量で再生され、且つ、エラー音以外の音響は消音される。なお、エラー音は、マスター音量に関わらず、最大の出力音量で再生される。
【0224】
仮に、エラー音を再生する場合に他の音響が消音されない構成を想定する。当該構成では、エラー音と他の音響とが混合するため、エラー音が他の音響により聞こえ難くなり、エラーの発生が適当に報知されない不都合が生じ得る。本実施形態においては、エラーが発生した場合、エラー音が最大の出力音量で再生され、且つ、エラー音以外の音響は消音される。したがって、例えば、エラー音以外の音響が消音されない構成と比較して、エラー音が知覚されやすく、上述した不都合が抑制される。
【0225】
上述したように、画像制御CPU421は、演出音の優先度に応じて、当該演出音を再生するチャンネルchを第3チャンネル群GCから決定する。以下、画像制御CPU421が演出音を再生するチャンネルchを決定するための構成の具体例を説明する。なお、演出音を再生するチャンネルchを決定する構成は、本実施形態で示した例に限定されず、適宜に変更可能である。本実施形態では、1個のチャンネルchを用いてモノラルで再生される演出音を「モノラル演出音」という。また、2個のチャンネルchを用いてステレオで再生される演出音を「ステレオ演出音」という。
【0226】
画像制御CPU421は、ステレオ演出音の再生を開始する場合、空きチャンネルchのうち最も小さい番号のチャンネルchで当該演出音を再生する。具体的には、画像制御CPU421は、空きチャンネルchのうち最も小さい番号の偶数番目のチャンネルch(16、18、20、…38)と当該チャンネルchの番号より数値「1」大きいチャンネルch(例えば、偶数番目のチャンネルchの番号が「16」の場合、チャンネルch17)とでステレオ演出音を再生する。すなわち、ステレオ演出音は、相前後する番号のチャンネルchで再生される。画像制御CPU421は、偶数番目のチャンネルchと対になる奇数番目のチャンネルchが空いていない場合、当該偶数番目のチャンネルchが空いている場合であっても当該偶数番目のチャンネルch以外でステレオ演出音が再生される。
【0227】
画像制御CPU421は、モノラル演出音の再生を開始する場合、空きチャンネルchのうち最も大きい番号のチャンネルchで当該演出音を再生する。すなわち、画像制御CPU421は、演出音の再生を開始する場合、ステレオ演出音を最も小さい番号の空きチャンネルchで再生し、モノラル演出音を最も大きい番号の空きチャンネルで再生する。具体的には、画像制御CPU421は、モノラル演出音の再生を開始する場合、原則、第3チャンネル群GCの各チャンネルchのうち、チャンネル番号が最も大きく、且つ、チャンネル番号が奇数のチャンネルchで当該演出音を再生する。例えば、第3チャンネル群GCの全てのチャンネルChが空きチャンネルchである場合、チャンネル番号「39」のチャンネルchでモノラル演出音が再生される。ただし、モノラル演出音を再生しているチャンネルchより番号が数値「1」小さいチャンネルch(偶数番目のチャンネルch)が空いている状態で、新たなモノラル演出音の再生が指示された場合は、当該偶数番目のチャンネルchでモノラル演出音が再生される。
【0228】
図24は、上述した各音データのうち各セリフ音声(A1〜A4、B1〜B4)の具体例を説明するための図である。上述した通り、各セリフ音声は、互いに異なる。本実施形態のセリフ音声A(1〜4)は、例えば、遊技の仕様を説明する音声を含む。具体的には、
図24に示す通り、セリフ音声A1は、「レア役に当選した場合はATに移行するチャンス」という音声である。また、セリフ音声A2は、「セリフ演出が頻発するとATに当選しているかも」という音声であり、セリフ音声A3は、「AT中はナビ通りの順序でストップボタンを押してね」という音声であり、セリフ音声A4は、「連続演出に発展するとボーナス当選のチャンス」という音声である。以上の各セリフ音声A(1〜4)は、各セリフ演出X(1〜4)において、第1停止操作を契機に再生が開始される。本実施形態では、各セリフ音声Aは、男の子の音声である。
【0229】
本実施形態のセリフ音声B(1〜4)は、例えば、遊技の状態(指示状態)を示唆する音声を含む。具体的には、
図24に示す通り、セリフ音声B1は、「がんばれ、がんばれ」という音声であり、セリフ音声B2は、「発展」という音声であり、セリフ音声B3は、「チャンス」という音声であり、セリフ音声B4は、「おめでとう」という音声である。以上の各セリフ音声Bは、各セリフ演出Y(1〜4)において、第3停止操作を契機に再生が開始される。本実施形態では、各セリフ音声Bは、女の子の音声である。ただし、各セリフ音声は、適宜に変更することができる。例えば、遊技の状態を示唆する音声をセリフ音声Aに含めてもよい。また、遊技の仕様を説明する音声をセリフ音声Bに含めてもよい。
【0230】
図24から理解される通り、各セリフ音声Aの文字数(セリフの長さ)は、各セリフ音声Bの文字数より多く、再生開始から終了するまでに要する時間長は、各セリフ音声Bより各セリフ音声Aの方が長い。すなわち、第1停止操作時に再生開始される各セリフ音声Aの時間長は、第3停止操作時に再生開始される各セリフ音声Bの時間長より長い。例えば、セリフ音声A1の時間長は、約5秒である。また、セリフ音声B1の時間長は、約2秒である。ただし、各セリフ音声Bの全てまたは一部より短いセリフ音声Aを設けてもよい。また、各セリフ音声Aの全てまたは一部より長いセリフ音声Bを設けてもよい。
【0231】
図25(a−1)および
図25(a−2)は、セリフ演出Xを説明するための図である。
図25(a−1)は、遊技の開始操作を契機に、液晶表示装置30に表示される画像GA1の模擬図であり、
図25(a−2)は、第1停止操作を契機に、画像GA1に替えて表示される画像GA2の模擬図である。
図25(a−1)および
図25(a−2)は、セリフ演出X1における画像GA1および画像GA2を例示する。
図25(a−1)に示す通り、画像GA1は、キャラクタ図像ZAと吹出し図像ZCとを含んで構成される。以上のセリフ演出Xでは、遊技の開始操作を契機に、キャラクタ図像ZAおよび吹出し図像ZCの表示が開始され、吹出し効果音の再生が開始される。セリフ演出Xでは、吹出し効果音の再生が開始される時点と吹出し図像ZCの表示が開始される時点とが略同時である。ただし、吹出し効果音の再生が開始される時点と吹出し図像ZCの表示が開始される時点とが略同時でなくともよい。
図25(a−1)に示す通り、キャラクタ図像ZAは、所定のキャラクタを表し、例えば、正面視で画面の左端側に表示される。また、吹出し図像ZCは、例えば、略矩形状の図像であり、キャラクタ図像ZAの右側近傍に表示される。
【0232】
図25(a−2)に示す通り、第1停止操作を契機に表示される画像GA2において、画像GA1と同様に、キャラクタ図像ZAと吹出し図像ZCとが表示される。すなわち、キャラクタ図像ZAと吹出し図像ZCとは、第1停止操作の前後で継続して表示される。また、画像GA2の吹出し図像ZCには、今回の遊技におけるセリフ演出Xのセリフ音声Aの文字列が表示される。以上の構成では、第1停止操作を契機に、セリフ音声Aの再生が開始され、当該セリフ音声Aの文字列の表示が開始される。各セリフ音声Aの文字列の各文字は、略同時に表示される。セリフ演出Xでは、セリフ音声Aの再生が開始される時点と当該セリフ音声Aの文字列の表示が開始される時点とが略同時である。ただし、セリフ音声Aの再生が開始される時点と当該セリフ音声Aの文字列の表示が開始される時点とが略同時でなくともよい。
【0233】
図25(b−1)および
図25(b−2)は、セリフ演出Yを説明するための図である。
図25(b−1)は、遊技の開始操作を契機に、液晶表示装置30に表示される画像GB1の模擬図であり、
図25(b−2)は、第3停止操作を契機に、画像GB1に替えて表示される画像GB2の模擬図である。
図25(b−1)および
図25(b−2)は、セリフ演出Y1における画像GB1および画像GB2を例示する。
図25(b−1)に示す通り、画像GB1は、キャラクタ図像ZBと吹出し図像ZCとを含んで構成される。以上のセリフ演出Yでは、遊技の開始操作を契機に、キャラクタ図像ZBおよび吹出し図像ZCの表示が開始され、吹出し効果音の再生が開始される。また、セリフ演出Yでは、上述のセリフ演出Xと同様に、吹出し効果音の再生が開始される時点と吹き出し図像ZCの表示が開始される時点とが略同時である。
図25(b−1)に示す通り、キャラクタ図像ZBは、所定のキャラクタを表し、例えば、正面視で画面の左端側に表示される。また、吹出し図像ZCは、キャラクタ図像ZBの右側近傍に表示される。
【0234】
図25(b−2)に示す通り、第3停止操作を契機に表示される画像GB2において、画像GB1と同様に、キャラクタ図像ZBと吹出し図像ZCとが表示される。すなわち、キャラクタ図像ZBと吹出し図像ZCとは、第3停止操作の前後で継続して表示される。また、画像GB2の吹出し図像ZCには、今回の遊技におけるセリフ演出Yのセリフ音声Bの文字列が表示される。以上の構成では、第3停止操作を契機に、セリフ音声Bの再生が開始され、当該セリフ音声Bの文字列の表示が開始される。各セリフ音声Bの文字列の各文字は、同時に表示される。セリフ演出Yでは、上述のセリフ演出Xと同様に、セリフ音声Bの再生が開始される時点と当該セリフ音声Bの文字列の表示が開始される時点とが略同時である。ただし、セリフ音声Bの再生が開始される時点と当該セリフ音声Bの文字列の表示が開始される時点とが略同時でなくともよい。
【0235】
なお、各セリフ演出における液晶表示装置30の画像は、適宜に変更することができる。例えば、各セリフ演出で表示されるキャラクタ図像を複数種類設ける構成としてもよい。また、各セリフ演出で表示される吹出し図像を複数設ける構成としてもよい。例えば、セリフ演出Xとセリフ演出Yとで吹出し図像を相違させてもよい。
【0236】
図26は、セリフ演出(X、Y)の各音響(セリフ音声、吹出し効果音)が再生される時期を説明するための図である。
図26には、音響の名称が表示された図形(矩形)が時間軸上に示される。各図形の左端の時間軸上の位置は、各音響の開始時点を示し、各図形の右端の時間軸上の位置は、各音響の終了時点を示す。なお、
図26では、吹出し効果音を単に「効果音」と記載する。また、
図26には、遊技の開始操作の時点と各停止操作(第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)の時点とが時間軸上に示される。さらに、
図26には、N回目(Nは正の整数)とN+1回目の各遊技で各音響が再生される時期が示される。すなわち、
図26には、連続する各遊技で再生される各音響の再生期間が示される。
【0237】
図26(a−1)は、セリフ演出XがN回目の遊技で実行され、N+1回目の遊技でセリフ演出が実行されない具体例である。上述した通り、セリフ演出が実行される場合、遊技の開始操作を契機に吹出し効果音の再生が開始される。本実施形態では、
図26(a−1)に示す通り、遊技の開始操作と略同時(開始操作の直後)に吹出し効果音の再生が開始される。吹出し効果音は、約1秒で終了する。
【0238】
セリフ演出Xが実行される遊技では、第1停止操作を契機に、セリフ音声Aが再生される。本実施形態では、
図26(a−1)に示す通り、第1停止操作と略同時(第1停止操作の直後)にセリフ音声Aの再生が開始される。例えば、各セリフ演出X(1〜4)のうちセリフ演出X1が実行される遊技では、第1停止操作を契機に、約5秒のセリフ音声A1が再生される。以上の場合、遊技者の各遊技操作(開始操作、停止操作)の時間間隔(遊技操作の速さ)によっては、N+1回目の遊技の開始操作の時点において、N回目の遊技のセリフ音声Aが終了していない場合がある。
図26(a−1)に示すように、N+1回目の遊技でセリフ演出が実行されない場合は、N+1回目の遊技の開始操作がされた場合であっても、N回目の遊技のセリフ音声Aが継続して再生される。
【0239】
図26(a−2)は、セリフ演出XがN回目の遊技で実行され、N+1回目の遊技でセリフ演出(XまたはY)が実行される具体例である。すなわち、
図26(a−2)の具体例は、セリフ演出XがN回目の遊技で実行される点において、上述した
図26(a−1)と共通し、セリフ演出がN+1回目の遊技で実行される点において相違する。なお、
図26(a−2)では、任意のセリフ演出がN+1回目の遊技で実行される場合を想定する。また、
図26(a−1)と
図26(a−2)とでは、開始操作の時間軸上の位置、および、各停止操作の時間軸上の位置が一致する場合を想定する。すなわち、
図26(a−1)の具体例と
図26(a−2)の具体例とでは、同じ時間間隔で各遊技操作がされた場合を想定する。
【0240】
仮に、以上の
図26(a−2)の具体例において、N回目の遊技で再生開始されたセリフ音声Aが最後まで再生される場合、セリフ音声Aの再生が終了する時点は、N+1回目の遊技の開始操作の時点より後になる。しかし、
図26(a−2)に示す通り、N+1回目の遊技でセリフ演出が実行される場合、N回目の遊技のセリフ音声Aは、N+1回目の遊技の開始操作を契機に停止される。以上の構成では、N+1回目の遊技の開始操作を契機に、N回目の遊技のセリフ音声Aが途中で停止され、N+1回目の遊技の吹出し効果音の再生が開始される。その後、停止操作(第1停止操作または第3停止操作)を契機に、N+1回目の遊技のセリフ演出(セリフ演出Xまたはセリフ演出Y)のセリフ音声(セリフ音声Aまたはセリフ音声B)が再生される。
【0241】
本実施形態の対比例として、N+1回目の遊技において、セリフ演出が実行される場合であっても、N回目の遊技のセリフ音声Aを停止しない構成を想定する。以上の対比例では、N回目の遊技のセリフ音声AがN+1回目の遊技の開始操作時に終了していない場合、N回目の遊技のセリフ音声AとN+1回目の遊技のセリフ演出の音響(吹出し効果音または/およびセリフ音声)とが混合する。複数種類のセリフ演出の各音響が混合した場合、一のセリフ演出の音響が他のセリフ演出の音響で聞こえ難くなるという不都合が生じやすくなる。以上の不都合を解消するための構成として、例えば、今回の遊技の開始時点で、前回の遊技のセリフ演出の音響を一律に終了する構成が考えられる。しかし、以上の構成では、例えば、比較的長いセリフの音声は、遊技の開始操作を契機に毎回中断され、最後まで再生されないという不都合が生じ得る。
【0242】
以上の事情を考慮して、本実施形態では、セリフ音声Aの再生中に新たな遊技が開始された場合であって、新たな遊技において、セリフ演出が実行される場合は、再生しているセリフ音声Aを停止し、新たな遊技でセリフ演出が実行されない場合は、セリフ音声Aの再生を継続する。以上の構成によれば、
図26(a−1)に示すように、今回の遊技でセリフ演出が実行されない場合は、前回の遊技におけるセリフ音声Aが今回の遊技開始時以降で継続して再生される。したがって、例えば、今回の遊技の開始時点で前回の遊技のセリフ演出Xの音響を一律に終了する構成と比較して、比較的長いセリフ音声Aであっても、最後まで再生されやすくなる。一方、
図26(a−2)に示すように、今回の遊技でセリフ演出が実行される場合は、前回の遊技におけるセリフ音声Aが今回の遊技開始時に停止されるため、前回の遊技のセリフ音声Aが今回の遊技のセリフ演出の各音響と混合しない。したがって、セリフ演出の音響が聞こえ難くなる不都合が抑制される。なお、上述した通り、セリフ音声Aは、遊技の仕様を説明する音声を含む。本実施形態によれば、遊技の仕様を説明するセリフ音声Aを聞き逃す不都合が抑制される。
【0243】
本実施形態において、前回の遊技におけるセリフ演出Yのセリフ音声Bは、上述したセリフ演出Xのセリフ音声Aと同様に、今回の遊技においてセリフ演出が実行される場合、今回の遊技の開始操作時に停止され、今回の遊技においてセリフ演出が実行されない場合、今回の遊技の開始操作時以降も継続して再生される。
【0244】
図26(b−1)は、セリフ演出YがN回目の遊技で実行され、N+1回目の遊技で各セリフ演出が実行されない具体例である。セリフ演出Yが実行される遊技では、セリフ演出Xが実行される遊技(
図26(a−1)参照)と同様に、開始操作を契機に吹出し効果音を再生する。また、セリフ演出Yが実行される遊技では、第3停止操作を契機に、セリフ音声Bが再生される。本実施形態では、
図26(b−1)に示す通り、第3停止操作と略同時(第3停止操作の直後)にセリフ音声Bの再生が開始される。以上の場合、遊技者の各遊技操作の時間間隔によっては、N+1回目の遊技の開始操作の時点において、N回目の遊技のセリフ音声Bが終了していない場合がある。本実施形態においては、
図26(b−1)に示すように、N+1回目の遊技の開始操作がされた場合であっても、N回目の遊技のセリフ音声Bが継続して再生される。
【0245】
図26(b−2)は、セリフ演出YがN回目の遊技で実行され、N+1回目の遊技でセリフ演出が実行される具体例である。すなわち、
図26(b−2)の具体例は、セリフ演出YがN回目の遊技で実行される点において、上述した
図26(b−1)と共通し、セリフ演出がN+1回目の遊技で実行される点において相違する。なお、
図26(b−2)では、任意のセリフ演出がN+1回目の遊技で実行される場合を想定する。また、
図26(b−1)と
図26(b−2)とでは、開始操作の時間軸上の位置、および、各停止操作の時間軸上の位置が一致する場合を想定する。すなわち、
図26(b−1)の具体例と
図26(b−2)の具体例とでは、同じ時間間隔で各遊技操作がされた場合を想定する。
【0246】
図26(b−2)に示す通り、N+1回目の遊技でセリフ演出が実行される場合、N回目の遊技のセリフ音声Bは、N+1回目の遊技の開始操作を契機に停止される。具体的には、N+1回目の遊技の開始操作を契機に、N回目の遊技のセリフ音声Bが停止され、N+1回目の遊技の吹出し効果音が再生される。その後、停止操作(第1停止操作または第3停止操作)を契機に、N+1回目の遊技のセリフ演出(セリフ演出Xまたはセリフ演出Y)の音声(セリフA音声またはセリフ音声B)が再生される。以上の
図26(b−2)の構成においては、
図26(a−2)の構成と同様に、N+1回目の遊技の開始操作時において、N回目の遊技のセリフ音声Bが停止され、N+1回目の遊技におけるセリフ演出の各音響(吹出し効果音、セリフの音声)が再生される。したがって、相前後する各遊技のセリフ演出の音響が混合しない。
【0247】
以上の構成では、例えば、今回の遊技の開始時点で前回の遊技のセリフ演出Yの音響を一律に終了する構成と比較して、比較的長いセリフ音声Bであっても、最後まで再生されやすくなる。また、今回の遊技でセリフ演出Yが実行される場合は、前回の遊技におけるセリフ音声Bが今回の遊技開始時に停止されるため、前回の遊技のセリフ音声Bが今回の遊技のセリフ演出の各音響と混合しない。したがって、セリフ演出の音響が聞こえ難くなる不都合が抑制される。また、上述した通り、セリフ音声Bは、遊技の状態を示唆する音声を含む。本実施形態によれば、遊技の状態を示唆するセリフ音声Bを聞き逃す不都合が抑制される。
【0248】
なお、
図26においては、説明のため、開始操作の時点から第3停止操作の時点までを1回の遊技の期間として示した。しかし、実際は、1回の遊技の期間は、開始操作の時点から全てのリール12が停止した後に実行される遊技状態移行処理(後述)が終了するまでの期間である。また、セリフ演出の期間において、他の演出の音響が再生され得る構成としてもよい。
【0249】
上述の各セリフ演出の吹出し効果音とセリフ音声とは、音源IC431の各チャンネルchで再生される。具体的には、画像制御CPU421は、セリフ演出を示す演出制御コマンドYを受信した場合、音源IC431の第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルchで吹出し効果音を再生させる。また、画像制御CPU421は、セリフ演出Xにおいて、第1停止操作がされた旨の操作コマンドを受信した場合、第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルchでセリフ音声Aを再生させる。また、画像制御CPU421は、セリフ演出Yにおいて、第3停止操作がされた旨の操作コマンドを受信した場合、第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルchでセリフ音声Bを再生させる。
【0250】
図27は、セリフ演出において、各チャンネルchで再生される各音響を説明するためのタイミングチャートである。
図27の具体例では、上述の
図26(a−2)および
図26(b−2)と同様に、連続した各遊技でセリフ演出が実行される場合を想定する。
図27に示す「comYa」と「comYb」とは、セリフ演出を示す演出制御コマンドYを意味する。具体的には、「comYa」は、前回の遊技の開始操作時に送信された演出制御コマンドYaを意味し、「comYb」は、今回の遊技の開始操作時に送信された演出制御コマンドYbを意味する。また、
図27の具体例では、前回の遊技の吹出し効果音がチャンネルchx1で再生され、前回の遊技のセリフ音声がチャンネルchx2で再生され、今回の遊技の吹出し効果音がチャンネルchy1で再生され、今回の遊技のセリフ音声がチャンネルchy2で再生される場合を想定する。以上の各チャンネルch(x1、x2、y1、y2)は、第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルであり、上述した通り、各吹出し効果音または各セリフ音声の再生開始時に、画像制御CPU421により適宜に選択される(
図23参照)。したがって、各吹出し効果音または各セリフ音声は、互いに異なるチャンネルchで再生される場合や、共通のチャンネルchで再生される場合がある。
【0251】
画像制御CPU421は、演出制御コマンドYaを受信した場合、チャンネルchx1で吹出し効果音を再生させるための音出力要求コマンドZを音源IC431に出力する。当該音出力要求コマンドZを受信した場合、音源IC431は、チャンネルchx1において、吹出し効果音の再生する。また、セリフ演出(XまたはY)が開始した後に、停止操作(第1停止操作または第3停止操作)がされた旨の操作コマンドを受信した場合、画像制御CPU421は、セリフ音声を再生させるための音出力要求コマンドZを音源IC431に出力する。音源IC431は、当該音出力要求コマンドZを受信した場合、チャンネルchx2でセリフ音声を再生する。
【0252】
図27の具体例では、前回のセリフ演出におけるセリフ音声が終了していない時期に、演出制御コマンドYbが画像制御CPU421に受信された場合を想定する。画像制御CPU421は、演出制御コマンドYbを受信した場合(今回の遊技が開始した場合)、チャンネルchx2のセリフ音声の再生を停止し、チャンネルchy1で吹出し効果音を音源IC431に再生させる。具体的には、画像制御CPU421は、演出制御コマンドYbを受信した場合、チャンネルchy1で吹出し効果音を再生させるための音出力要求コマンドZを音源IC431に出力する。音源IC431は、当該音出力要求コマンドZが入力された場合、チャンネルchx2のセリフ音声を途中で停止し、チャンネルchy1で吹出し効果音を再生する。以上の構成によれば、今回のセリフ演出の吹出し効果音が前回のセリフ演出のセリフ音声と混合しないため、吹出し効果音がセリフ音声により聞こえ難くなる不都合が抑制される。
【0253】
サブRAM414は、サブCPU412が各処理を実行することで生成および更新される各データを格納する各記憶領域を具備する。
【0254】
また、サブRAM414には、各種のコマンドを格納するサブコマンド格納領域が設けられる。サブコマンド格納領域は、音制御コマンドXと演出制御コマンドYとを格納する。サブCPU412は、サブコマンド格納領域の音制御コマンドXと演出制御コマンドYとを画像制御CPU421に送信する。
【0255】
また、サブRAM414には、各種のシステム音を再生するための各再生要求フラグが記憶される。各再生要求フラグは、システム音毎に設けられる。例えば、メダルが投入された場合、投入音の再生要求フラグがON状態になる。また、エラーが発生した場合、エラー音の再生要求フラグがON状態になる。サブCPU412は、再生要求フラグがON状態のシステム音の再生を指示する音制御コマンドXを生成して、サブコマンド格納領域に格納する。
【0256】
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。
図28は、メインCPU301の起動処理のフローチャートである。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。
【0257】
起動処理を開始すると、メインCPU301は、起動時初期化処理(S1)を実行する。起動時初期化処理により、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。なお、メインCPU301は、起動時初期化処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。
【0258】
起動時初期化処理の後に、メインCPU301は、設定スイッチがON状態であるか否かを判定する(S2)。設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられた鍵穴に設定キーを挿入して回転した場合にON状態になる。メインCPU301は、設定スイッチがON状態であると判断した場合(S2:YES)、メインRAM303のコマンド格納領域に設定変更開始コマンドを設定し(S3)、設定変更処理に移行する。
【0259】
一方で、設定スイッチがON状態ではないと判断した場合(S2:NO)、メインCPU301は、メインRAM303にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する(S4)。本実施形態においては、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を下回った場合(電源が遮断された場合)に、メインCPU301は、メインRAM303が記憶する各データをバックアップし、メインRAM303にバックアップフラグを記憶させる。したがって、電源が遮断される際に正常にバックアップが実行されていれば、バックアップフラグがメインRAM303に記憶される。
【0260】
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていると判断した場合(S4:YES)、メインRAM303が記憶するデータのチェックサムを算出する(S5)。本実施形態においては、電源が遮断された場合においても、起動処理のステップS4と同様に、メインRAM303のチェックサムが算出されて記憶されている。
【0261】
メインCPU301は、ステップS4で算出したチェックサム(電源投入時のチェックサム)と電源の遮断時に算出したチェックサムとが一致するか否かを判定する(S6)。電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化していない場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致する。一方で、電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化(劣化)した場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致しない。
【0262】
メインCPU301は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致すると判断した場合(S6:YES)、メインRAM303が記憶する各データに基づいて、電源が遮断された時点(バックアップが実行された時点)の状態に各レジスタを復帰させる(S7)。各レジスタの状態を復帰すると、メイン制御基板300は、電源が遮断された時点の状態になる。メインCPU301は、各レジスタの状態(メイン制御基板300の状態)を復帰させると、電源が遮断された時点のステップから処理を再開する。なお、メインCPU301は、メイン制御基板300の状態を復帰させる場合、遊技機1の演出の状態を復帰させるのに必要な各種の情報をサブ制御基板400に送信する。
【0263】
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていないと判断した場合(S4:NO)、または、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致しないと判断した場合(S6:NO)、メインRAM303の異常を示すメインRAM異常フラグを設定する(S8)。すなわち、バックアップが実行できなかった場合、または、電源が遮断されている期間にメインRAM303のデータが変化した場合、メインRAM異常フラグが設定される。メインRAM異常フラグが設定される期間において、メインCPU301は、例えばメイン表示器MLを用いてメインRAMの異常を報知する。メインRAM異常フラグは、例えば、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
【0264】
メインRAM異常フラグを設定した後に、メインCPU301は、RAMエラー処理に移行する。RAMエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。なお、RAMエラー処理において、メインCPU301は、メインRAM303の異常を報知させるコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。
【0265】
図29は、設定変更処理のフローチャートである。設定変更処理を開始すると、メインCPU301は、前面扉3が開放されているか否かを判定する(S11)。例えば、前面扉3が閉じている場合にOFF信号を出力し、前面扉3が開放されている場合にON信号を出力するドアセンサを設け、ドアセンサからの信号に応じて前面扉3が開放されているか否かをメインCPU301が判定する構成が採用され得る。上述した通り、設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられているため、設定変更処理は、前面扉3が開放されている期間に実行されるのが通常であり、前面扉3が閉じた状態で設定変更処理が開始された場合は、不正行為により設定スイッチおよび電源スイッチ511SWのON信号が入力された場合が想定される。以上の事情を考慮して、前面扉3が開放されていないと判断した場合(S11:NO)、メインCPU301は、設定スイッチ異常フラグをON状態に設定し(S12)、設定スイッチエラー処理に移行する。設定スイッチエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。また、設定スイッチエラー処理において、メインCPU301は、設定スイッチの異常を報知させるエラーコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。設定スイッチ異常フラグは、起動処理が再度開始され、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
【0266】
他方で、前面扉3が開放されていると判断した場合(S11:YES)、メインCPU301は、設定値を示す数値を設定表示部36に表示する(S13)。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納さている数値を設定表示部36に表示する。
【0267】
その後、メインCPU301は、設定変更ボタン37が操作されたか否かを判定する(S14)。具体的には、メインCPU301は、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されているか否かを判定する。設定変更ボタン37が操作されたと判断した場合(S14:YES)、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納された数値をインクリメントして(S15)、ステップS16に処理を移行する。他方で、設定変更ボタン37が操作されていないと判断した場合(S14:NO)、メインCPU301は、表示設定値格納領域の数値をインクリメントしないでステップS16に処理を移行する。
【0268】
ステップS16において、メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、スタートスイッチ24SWのON信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたと判断するまで、ステップS13からステップS15までの処理を繰り返す(S16:NO)。以上の説明から理解される通り、設定変更ボタン37が操作されて表示設定値格納領域の数値がステップS15で加算される毎に、ステップS13で設定表示部36に表示される数値が加算される。
【0269】
一方で、スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S16:YES)、メインCPU301は、設定表示部36に表示されている数値を設定値として決定する(S17)。具体的には、メインCPU301は、表示設定値格納領域に格納されている数値を、メインRAM303の設定値格納領域に格納する。また、メインCPU301は、設定値を示す設定値コマンドをコマンド格納領域に格納する(S18)。メインCPU301は、設定値コマンドを格納した後に、設定値変更処理を終了して遊技制御処理に移行する。なお、起動処理または設定変更処理の期間において、他の処理の割込みが禁止され、遊技制御処理に移行した場合、その後、割込みが許可される。
【0270】
図30は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が一回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンド(例えば後述の開始操作コマンド)は、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
【0271】
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、一回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。
【0272】
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
【0273】
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
【0274】
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、メインRAM303の設定値格納領域に格納されている設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値格納領域に格納されている設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。例えば、設定値格納領域に格納された設定値が、ノイズにより変更された場合、設定値エラー処理が実行される。設定値エラー処理において、メインCPU301は、遊技制御処理を中止(遊技の進行を禁止)する。設定値エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定された場合、遊技が可能な状態に復帰する。
【0275】
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、回胴演出決定処理等で用いられる。乱数値R3は、AT決定処理で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納し、乱数値R3をメインRAM303の乱数値R3格納領域に格納する。
【0276】
メインCPU301は、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3をメインRAM303に格納した後に、抽選実行処理(S106)に移行する。抽選実行処理は、当選エリアを乱数値R1により決定するための内部抽選処理、AT状態への移行を乱数値R3により決定するためのAT決定処理、および、回胴演出を乱数値R2により決定するための回胴演出決定処理を含む各処理で構成される。また、抽選実行処理は、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
【0277】
メインCPU301は、抽選実行処理を実行した後に、ウェイト処理(S107)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
【0278】
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S108)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
【0279】
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S109)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
【0280】
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S110)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役に係る図柄組合せが停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
【0281】
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、遊技状態移行処理(S111)を実行する。遊技状態移行処理において、メインCPU301は、遊技状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、有効ラインに停止表示したRT移行図柄に応じてRT状態を移行する。また、メインCPU301は、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止表示した場合、ボーナス作動状態に移行し、払出されたメダル枚数に応じてボーナス作動状態を終了させる。さらに、メインCPU301は、遊技状態移行処理により指示状態を移行させる。メインCPU301は、遊技状態移行処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
【0282】
図31は、遊技終了時の初期設定処理のフローチャートである。初期設定処理において、メインCPU301は、メインRAM303の格納領域のうち一回の遊技に必要な情報を格納する格納領域を初期化する(S101−1)。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
【0283】
メインRAM303を初期化した後に、メインCPU301は、補助貯留部530が満タンであるか否かを判定する(S101−2)。具体的には、メインCPU301は、満タンセンサ530SEからのON信号が入力されているか否かを判定する。補助貯留部530が満タンであると判断した場合(S101−2:YES)、メインCPU301は、満タンエラーコマンドを設定し(S101−3)、満タンエラー処理に移行する。
【0284】
満タンエラー処理において、メインCPU301は、指示表示器16を用いて満タンエラーを報知する。例えば、満タンエラー処理を実行する期間において、メインCPU301は、指示表示器16に「HF」(ホッパーフル)という文字を表示させる。なお、満タンエラーを他の表示器(例えば貯留枚数表示器17)で報知する構成としてもよい。メインCPU301は、補助貯留部530が満タンではないと判断した場合(S101−2:NO)、遊技開始前処理を終了して自動投入処理に移行する。
【0285】
図32は、自動投入処理のフローチャートである。メインCPU301は、自動投入処理を開始すると、前回の遊技で有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃っているか否かを判定する(S102−1)。具体的には、メインCPU301は、再遊技作動中フラグが設定されているか否かを判定する。再遊技作動中フラグは、前回の遊技制御処理の表示判定処理で設定される。前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていない場合(S102−1:NO)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。
【0286】
一方で、前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていると判断した場合(S102−1:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に投入コマンドを格納する(S102−2)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S102−3)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。投入間隔タイマをセットすると、メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S102−4)。メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断するまでステップS102−4を繰り返す(S102−4:NO)。
【0287】
投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S102−4:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S102−5)。賭数カウンタは、今回の遊技の賭けメダルの枚数を示す。また、メインCPU301は、賭数カウンタの値に応じて、BETランプ14(14a、14b、14c)の表示の態様を示すBETランプ表示データを生成する(S102−6)。具体的には、賭数カウンタが数値「1」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aを点灯させるBETランプ表示データを生成する。同様に、賭数カウンタが数値「2」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bを点灯させるBETランプ表示データを生成し、賭数カウンタが数値「3」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cを点灯させるBETランプ表示データを生成する。BETランプ表示データは、メインRAM303のランプ関連データ格納領域に格納される。
【0288】
メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したか否かを判定する(S102−7)。メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断するまで、ステップS102−2からステップS102−6までの処理を繰り返す(S102−7:NO)。他方で、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断した場合(S102−7:YES)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。以上の説明から理解されるとおり、前回の遊技の結果、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃った場合は、前回の遊技の賭けメダルと同じの賭けメダルが今回の遊技で設定される。
【0289】
図33は、遊技開始前処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技開始前処理を開始すると、メインRAM303の遊技状態格納領域の遊技状態フラグを参照して規定枚数を設定する(S103−1)。本実施形態においては、何れの遊技であっても、規定枚数は数値「3」に設定される。
【0290】
遊技状態に応じた規定枚数を設定した後に、メインCPU301は、投入メダル受付処理に移行する(S103−2)。投入メダル受付処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付ける。また、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付けた場合、賭数カウンタまたはクレジット数を加算する。
【0291】
メインCPU301は、投入メダル受付処理を実行した後に、BET操作受付処理(S103−3)に移行する。メインCPU301は、BET操作受付処理において、遊技者の1BETボタン21の操作またはMAX−BETボタン22の操作を受け付ける。
【0292】
メインCPU301は、BET操作受付処理を実行した後に、精算操作受付処理(S103−4)に移行する。メインCPU301は、精算操作受付処理において、遊技者の精算ボタン23の操作を受付ける。
【0293】
メインCPU301は、精算操作受付処理を実行した後に、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−5)。上述した、ステップS102の自動投入処理、ステップS103−2の投入メダル受付処理またはステップS103−3のBET操作受付処理において、賭数カウンタが規定枚数まで加算された場合、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であると判断し(S103−5:YES)、ステップS103−6に処理を移行する。一方で、賭数カウンタが規定枚数に達していない場合(S103−5:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−4までの各ステップを繰り返し実行する。
【0294】
ステップS103−6において、メインCPU301は、遊技者によりスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S103−6:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に開始操作コマンドを格納する(S103−7)。開始操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、遊技開始前処理を終了して設定値確認処理(S104)に移行する。一方で、スタートレバーが操作されていないと判断した場合(S103−6:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−5までの各ステップを繰り返し実行する。
【0295】
図34は、投入メダル受付処理のフローチャートである。投入メダル受付処理を開始すると、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であるか否かを判定する(S103−2−1)。投入不可フラグは、賭数カウンタが上限値であり、且つ、クレジット数が上限値である場合に、後述のS103−2−8でON状態に設定される。メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であると判定した場合(S103−2−1:YES)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態ではないと判定した場合(S103−2−1:NO)、メダル投入部8からメダルが投入されたか否かを判定する(S103−2−2)。
【0296】
具体的には、上述したように、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダルセンサ34SEからの信号により検知される。本実施形態においては、メインCPU301は、周期的に実行される割込処理の入力ポート読込処理で、メダルセンサ34SEからの信号を読込み、メダルセンサ34SEからの信号に応じて、メインRAM303のメダル検知フラグをON状態に設定する。メインCPU301は、ステップS103−2−2において、メダル検知フラグがON状態であるか否かを判定する。
【0297】
メインCPU301は、メダル投入部8からメダルが投入されたと判断した場合(S103−2−2:YES)、メダルが投入されたことを示す投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−2−3)。
【0298】
投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−2−4)。賭数カウンタが規定枚数ではないと判断した場合(S103−2−4:NO)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算し(S103−2−5)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数であると判断した場合(S103−2−4:YES)、メインCPU301は、クレジット数に数値「1」を加算する(S103−2−6)。
【0299】
メインCPU301は、クレジット数を加算した後に、クレジット数が上限である数値「50」に一致するか否かを判定する(S103−2−7)。クレジット数が数値「50」であると判断した場合(S103−2−7:YES)、メインCPU301は、メダル投入不可フラグをON状態に設定し(S103−2−8)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、クレジット数が数値「50」ではないと判断した場合(S103−2−7:NO)、メダル投入不可フラグをON状態に設定することなく、投入メダル受付処理を終了する。なお、メダル投入不可フラグがON状態に設定される期間において、メインCPU301は、メダル投入部8から投入されたメダルが、遊技機1の外部に導かれる状態にセレクター34を制御する。したがって、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダル投入不可フラグがON状態の期間において、遊技機1の外部(受皿ユニット7)に排出される。
【0300】
図35は、BET操作受付処理のフローチャートである。BET操作受付処理において、メインCPU301は、クレジット数が数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−1)。クレジット数が数値「0」である場合(S103−3−1:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
【0301】
クレジット数が「0」ではないと判断した場合(S103−3−1:NO)、メインCPU301は、1BETボタン21が操作されたか否かを判定する(S103−3−2)。1BETボタン21が操作されたと判断した場合(S103−3−2:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「1」をセットする(S103−3−3)。他方で、1BETボタン21が操作されていないと判断した場合(S103−3−2:NO)、メインCPU301は、MAX−BETボタン22が操作されたか否かを判定する(S103−3−4)。MAX−BETボタン22が操作されたと判断した場合(S103−3−4:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「3」をセットする(S103−3−5)。MAX−BETボタン22が操作されていないと判断した場合(S103−3−4:NO)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
【0302】
ステップS103−3−3またはステップS103−3−5において、投入要求カウンタに所定の数値(数値「1」または数値「3」)がセットされた場合、メインCPU301は、投入要求カウンタから数値「1」を減算する(S103−3−6)。投入要求カウンタを「1」減算すると、メインCPU301は、クレジットカウンタから数値「1」を減算し(S103−3−7)、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S103−3−8)。
【0303】
賭数カウンタに数値「1」を加算した後に、メインCPU301は、投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−3−9)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S103−3−10)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。なお、BET操作受付処理(S103−3−10)の投入間隔タイマは、上述した自動投入処理においても用いられる。BET操作受付処理(MAX-BETボタン操作時)および自動投入処理においては、投入コマンドが連続して出力され、投入音が連続して再生される。本実施形態においては、投入間隔タイマが設けられるため、各投入コマンドが送信される時間間隔が所定の時間長以上に確保され、各投入音が出力される期間が所定の時間長以上になる。以上の構成によれば、例えば、今回の投入音の出力を開始した直後に次回の投入音が出力され(今回の投入音が極端に短くなり)、今回の投入音が遊技者に感知されないという不具合が抑制される。投入間隔タイマは、例えば、約0.5秒でタイムアップする。
【0304】
メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S103−3−11)。投入間隔タイマがタイムアップするまでステップS103−3−11を繰り返し(S103−3−11:NO)、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S103−3−11:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致するか否かを判定する(S103−3−12)。メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致すると判断した場合(S103−3−12:YES)、BET操作受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数と一致しないと判断した場合(S103−3−12:NO)、メインCPU301は、投入要求カウンタが数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−13)。投入要求カウンタが数値「0」であると判断した場合(S103−3−13:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。一方で、投入要求カウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−13:NO)、メインCPU301は、クレジット数が「0」であるか否かを判定する(S103−3−14)。メインCPU301は、クレジット数が「0」であると判断した場合(S103−3−14:YES)、BET操作受付処理を終了し、クレジットカウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−14:NO)、ステップS103−3−6に処理を戻す。
【0305】
以上の説明から理解されるとおり、メインCPU301は、MAX−BETボタン22の操作を受け付けた場合、賭数カウンタが規定枚数に到達するか、クレジット数がなくなるまで賭数カウンタが加算される。
【0306】
図36は、精算操作受付処理のフローチャートである。精算操作受付処理において、メインCPU301は、精算ボタン23が遊技者に操作されたか否かを判定する(S103−4−1)。精算ボタン23が操作されたと判定した場合(S103−4−1:YES)、メインCPU301は、払出要求カウンタに精算メダルを設定する(S103−4−2)。精算メダルは、精算ボタン23が操作された時点における、賭数カウンタとクレジット数との合計である。ただし、自動投入により賭数カウンタが加算された場合(前回の遊技でリプレイが停止した場合)、メインCPU301は、クレジット数のみを払出要求カウンタに設定する。以上の構成では、自動投入により設定された賭けメダルの精算が禁止される。精算メダルを払出要求カウンタに設定した後に、メインCPU301は、精算ボタン23の操作を示す精算操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S103−4−3)、メダル投入不可フラグをOFF状態に設定する(S103−4−4)。
【0307】
精算ボタン23が操作されていないと判定した場合(S103−4−1:NO)、メインCPU301は、精算操作受付処理を終了する。なお、詳細には後述するが、ホッパー駆動処理においては、払出要求カウンタの枚数のメダルがホッパー520からメダル払出口9を介して受皿ユニット7に排出される。
【0308】
図37は、抽選実行処理のフローチャートである。メインCPU301は、抽選実行処理を開始すると、内部抽選処理(S106−1)を実行する。内部抽選処理において、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアを乱数値R1から決定する。内部抽選処理を実行した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理(S106−2)に移行する。回胴演出決定処理において、メインCPU301は、今回の遊技の回胴演出を乱数値R2から決定する。回胴演出決定処理を実行した後に、メインCPU301は、AT決定処理(S106−3)に移行する。
【0309】
AT決定処理において、メインCPU301は、AT状態に移行するか否かを乱数値R3から決定する。具体的には、メインCPU301は、AT決定処理において、今回の遊技の当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値をAT決定テーブルから取得し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。通常状態において、抽選値を乱数値R3に減算した結果が負数になった場合、メインCPU301は、第1前兆カウンタに初期値を設定する。上述した通り、第1前兆カウンタは、第1前兆状態の残り遊技回数を示し、数値「0」〜「32」の初期値が設定される。第1前兆カウンタの初期値は、抽選により決定される。サブCPU412は、第1前兆カウンタを遊技毎に減算し、第1前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、指示状態を開始準備状態に移行させる。具体的には、メインCPU301は、指示状態を示す指示状態フラグを通常状態から開始準備状態に変更する。メインCPU301は、各遊技において、現在の指示状態フラグを示す指示状態コマンドをサブCPU412に送信する。また、AT中状態において、抽選値を乱数値R3に減算した結果が負数になった場合、メインCPU301は、ATストックカウンタに数値「1」を加算する。また、メインCPU301は、今回の遊技のAT決定処理の結果を示すコマンドをコマンド格納領域に格納する。AT決定処理を実行した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理(S106−4)に移行する。指示番号決定処理において、メインCPU301は、指示番号を決定する。
【0310】
図38は、内部抽選処理のフローチャートである。メインCPU301は、内部抽選処理を開始すると、遊技状態に応じて当選エリア抽選テーブルを設定する(S106−1−1)。例えば、メインCPU301は、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されたRT状態の種別を示すRTフラグに応じて、当選エリア抽選テーブルを設定する。
【0311】
内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1格納領域に格納した乱数値R1を取得する(S106−1−2)。乱数値R1は、ステップ105において乱数値R1格納領域に格納される。また、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を初期値である数値「00」に設定する(S106−1−3)。当選エリアオフセット値は、各当選エリアを指定する。また、当選エリアオフセット値は、順次に更新され、更新される毎に異なる当選エリアを指定する。例えば、当選エリアオフセット値は、数値「00」で「ハズレ」の当選エリアを指定する。
【0312】
メインCPU301は、当選エリアオフセット値が指定する当選エリアの抽選値を取得する(S106−1−4)。例えば、RT0状態の当選エリア抽選テーブルが設定された場合は、当選エリアオフセット値が数値「00」であれば、抽選値「37042」が取得される。
【0313】
メインCPU301は、ステップS106−1−1で取得した乱数値R1からステップS106−1−4で取得した抽選値を減算する(S106−1−5)。また、メインCPU301は、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数であるか否かを判定する(S106−1−6)。例えば、RT0状態の遊技において、数値「37042」より小さい乱数値R1が取得された場合、当選エリア番号「00」の抽選値「37042」を乱数値R1から減算した結果は負数になる。他方で、数値「37042」より大きい乱数値R1が取得された場合、当選エリア番号「00」の抽選値を乱数値R1から減算した結果は負数にならない。
【0314】
メインCPU301は、減算結果が負数ではないと判断した場合(S106−1−6:NO)、当選エリアオフセット値で全ての当選エリア(当選エリア番号「00」から「32」)を指定したか否かを判定する(S106−1−7)。全ての当選エリアが指定済みでない場合(S106−1−7:NO)、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を更新(数値「1」を加算)して(S106−1−8)、ステップS106−1−4に処理を戻す。ステップS106−4では、更新された当選エリアオフセット値で指定される当選エリアの抽選値が取得され、ステップS106−1−5では、当該抽選値を前回の減算結果に減算する。ステップS106−1−4からステップS106−1−8までの処理は、演算結果が負数であると判断(S106−1−6:YES)されるか全ての当選エリアが指定されるまで(S106−1−7:YES)繰り返される。
【0315】
演算結果が負数であると判断した場合または全ての当選エリアが指定された場合、メインCPU301は、データ格納処理(S106−1−9)を実行する。具体的には、メインCPU301は、現在の当選エリアオフセット値をメインRAM303の当選エリア格納領域に格納する。例えば、減算結果が負数になった当選エリアオフセット値が「12」の場合は、数値「12」が当選エリア格納領域に格納される。また、メインCPU301は、データ格納処理において、当選エリアに応じた第1コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する。なお、メインCPU301は、後述する割込み処理のコマンド送信処理において、コマンド格納領域に格納された第1コマンドをサブ制御基板400に送信する。
【0316】
図39は、回胴演出決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出決定処理を開始すると、回胴演出の決定に用いる各種の情報を取得する(S106−2−1)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の指示状態と当選エリアと乱数値R2とを含む各種の情報を取得する。その後、メインCPU301は、指示状態が通常状態であるか否かを判定する(S106−2−2)。
【0317】
指示状態が通常状態であると判断した場合(S106−2−2:YES)、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルAにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−3)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアに応じた各抽選値を回胴演出毎に回胴演出決定テーブルAから取得し、当該各抽選値を順次に乱数値R2に減算する。例えば、メインCPU301は、「演出なし」、回胴演出A、回胴演出B、回胴演出C、回胴演出Dの順序で各回胴演出の抽選値を乱数値R2に減算する。メインCPU301は、抽選値を乱数値R2に減算した結果が負数になるまで繰り返し、抽選値を減算した結果が負数になった回胴演出を決定する。
【0318】
指示状態が通常状態ではないと判断した場合(S106−2−2:NO)、すなわち、AT状態の場合、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルBにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−4)。ステップS106−2−3またはステップS106−2−4において、回胴演出を決定した後に、メインCPU301は、当該回胴演出を示す演出種別コマンドをコマンド格納領域に格納する(S106−2−5)。
【0319】
演出種別コマンドを格納した後に、メインCPU301は、回胴演出の回胴演出番号を回胴演出番号格納領域に格納する(S106−2−6)。具体的には、「演出なし」の場合、回胴演出番号格納領域に数値「0」が格納される。また、回胴演出Aの場合、回胴演出番号格納領域に数値「1」が格納され、回胴演出Bの場合、数値「2」が格納され、回胴演出Cの場合、数値「3」が格納され、回胴演出Dの場合、数値「4」が格納される。回胴演出番号を格納した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理を終了する。なお、本実施形態では、指示状態が移行した場合に、メインCPU301が用いる回胴演出テーブルが変更される構成としたが、例えば、RT状態が移行した場合に、回胴演出テーブルが変更される構成としてもよい。また、特定の順序で停止操作がされた場合に回胴演出テーブルが変更される構成としてもよい。
【0320】
図40は、指示番号決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、指示番号決定処理を開始すると、現在の指示状態を取得する(S106−4−1)。指示状態を取得した後に、メインCPU301は、指示状態が通常状態であるか否かを判定する(SS106−4−2)。指示状態が通常状態であると判断した場合(S106−4−2:YES)、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルAを用いて決定する(S106−4−3)。上述した通り、通常状態では、全ての当選エリアで指示番号「99」(指示なし)が決定される。一方、指示状態が通常状態ではないと判断した場合(S106−4−2:NO)、すなわち、指示状態がAT状態の場合、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルBを用いて決定する(S106−4−4)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアが打順リプレイX1の場合は指示番号「01」を決定し、打順リプレイX2の場合は指示番号「02」を決定し、打順リプレイX3の場合は指示番号「03」を決定し、打順リプレイX4の場合は指示番号「04」を決定し、打順リプレイX5の場合は指示番号「05」を決定し、打順リプレイX6の場合は指示番号「06」を決定する。また、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアが打順リプレイY1または打順ベルLの場合、指示番号「07」を決定し、当選エリアが打順リプレイY2または打順ベルCの場合、指示番号「08」を決定し、当選エリアが打順リプレイY3または打順ベルRの場合、指示番号「09」を決定する。
【0321】
メインCPU301は、ステップS106−4−3またはステップS106−4−4で指示番号を決定した後に、当該指示番号を指示番号格納領域に格納する。指示番号格納領域は、例えば、メインRAM303に記憶される。メインCPU301は、後述する割込み処理のLED表示処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号に対応する指示情報を指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、割込み処理のコマンド送信処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号を示す第2コマンドを送信する。指示番号を格納した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理を終了する。
【0322】
図41は、ウェイト処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出の実行期間、または、ウェイト期間が経過するまでウェイト処理を実行する。
【0323】
ウェイト処理を開始すると、メインCPU301は、回胴演出番号格納領域の回胴演出番号が「0」であるか否かを判定する(S107−1)。すなわち、回胴演出決定処理で「演出なし」が決定されたか否かを判定する。回胴演出番号が「0」である場合(S107−1:YES)、メインCPU301は、ウェイトタイマが数値「0」であるか否かを判定する(S107−2)。ウェイトタイマは、割込処理が実行される毎に減算される。ウェイトタイマがタイムアップしていない(ウェイトタイマ≠0)と判断した場合、メインCPU301は、ステップS107−2を繰り返す(S107−2:NO)。
【0324】
一方で、ウェイトタイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−2:YES)、メインCPU301は、新たにウェイトタイマを初期値(約4100ms)にセットする(S107−3)。また、メインCPU301は、各リール12が始動したことを示すリール始動コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S107−4)、各リール12の回転を開始させて、ウェイト処理を終了する。
【0325】
メインCPU301は、ステップS107−1において、回胴演出番号が「0」以外であると判断した場合、回胴演出番号が回胴演出Aを示す「1」、または、回胴演出Bを示す「2」であるか否かを判定する(S107−5)。回胴演出番号が「1」または「2」であると判断した場合(S107−5:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに1000smをセットする(S107−6)。
【0326】
一方で、回胴演出番号が「1」または「2」ではないと判断した場合(S107−5:NO)、メインCPU301は、回胴演出番号が回胴演出Cを示す「3」であるか否かを判定する(S107−7)。回胴演出番号が「3」であると判断した場合(S107−7:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに2000smをセットする(S107−8)。一方、回胴演出番号が「3」ではないと判断した場合(S107−7:NO)、すなわち、回胴演出番号が回胴演出Dを示す「4」である場合、メインCPU301は、回胴演出タイマに5000smをセットする(S107−9)。
【0327】
メインCPU301は、ステップS107−6、ステップS107−8、ステップS107−9で回胴演出タイマをセットすると、回胴演出タイマが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S107−10)。回胴演出タイマは、割込処理が実行される毎に減算される。メインCPU301は、回胴演出タイマがタイムアップするまで(すなわち、回胴演出が終了するまで)ステップS107−10を繰り返し(S107−10:NO)、回胴演出タイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−10:YES)、ステップS107−2に移行する。
【0328】
図42は、停止前処理のフローチャートである。メインCPU301は、停止前処理を開始すると、加速ウェイトタイマに初期値をセットする(S108−1)。加速ウェイトタイマの初期値は、各リール12が始動を開始してから定常回転まで加速するのに要する時間長に設定される。メインCPU301は、加速ウェイトタイマに初期値をセットした後に、加速ウェイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する(S108−2)。メインCPU301は、ステップS108−2を加速ウェイトタイマがタイムアップするまで繰り返し(S108−2:NO)、加速ウェイトタイマがタイムアップした場合(S108−2:YES)、ステップS108−3に処理を移行する。
【0329】
ステップS108−3において、メインCPU301は、停止操作がされていない停止ボタン25(25L、25C、25R)の個数を示す未停止操作カウンタに数値「3」を格納する。また、メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理をする(S108−4)。上述したように、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各当選役に対応し、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合は数値「1」である。したがって、全てのリール12が回転しているステップS108−4においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止可能であるため、表示役格納領域の全てのビットが数値「1」に設定される。
【0330】
メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理の後に、優先順位格納処理(S108−5)に移行する。
図43は、優先順位格納処理で設定される複数の優先順位格納領域P(PL、PC、PR)の概念図である。優先順位格納領域Pは、
図43に示すように、リール12Lに対応する左リール優先順位格納領域PLと、リール12Cに対応する中リール優先順位格納領域PCと、リール12Rに対応する右リール優先順位格納領域PRとを含んで構成される。また、各優先順位格納領域Pは、複数個(21個)の領域Qに区分される。各領域Qは、リール12の各図柄位置(単位領域U)に対応する。
【0331】
優先順位格納処理が実行されると、各領域Qには、当該領域Qの図柄の優先順位が格納される。例えば、有効ラインに停止した場合に、当選していない当選役が表示される領域Qには、優先順位「HFF」が格納される。また、有効ラインに停止させることが可能な図柄の領域Qには優先順位「H00」が格納され、当選役を構成する図柄の領域Qには、数値「H01」が格納される。
【0332】
図44は、優先順位格納処理のフローチャートである。メインCPU301は、優先順位格納処理を開始すると、未停止操作カウンタを検索回数として格納する(S108−5−1)。また、メインCPU301は、未だ停止操作がされていないリール12のうち1つのリール12を対象リールとして決定する(S108−5−2)。
【0333】
メインCPU301は、優先順位テーブル選択処理(S108−5−3)を実行する。優先順位テーブルは、各当選役の優先順位を規定し、複数の優先順位テーブルのうちの一つが選択される。例えば、当選エリア「打順ベルC1〜C4」(正解押順の第1停止がリール12C)が当選した遊技を想定する。当該遊技で選択される優先順位テーブルによれば、中リール優先順位格納領域PCにおいて、「上段ベル」の図柄の優先順位より「中段ベル」の図柄の優先順位が高くなる。他方で、左リール優先順位格納領域PLおよび右リール優先順位格納領域PRにおいては、「中段ベル」の図柄の優先順位より「上段ベル」の図柄の優先順位が高くなる。以上の構成によれば、優先順位テーブルが適宜に選択されることにより、有効ラインに停止される図柄が停止操作順序に応じて変化する。
【0334】
優先順位テーブル選択処理を実行した後に、メインCPU301は、領域ポインタに初期値「00」を格納し、領域残数に初期値「21」を格納する(S108−5−4)。領域ポインタは、対象リールの領域Qを指定する。また、領域残数は、当該対象リールにおいて、優先順位が格納されていない領域Qの個数を意味する。
【0335】
メインCPU301は、領域ポインタで指定される図柄位置の図柄コード(図柄の種別)を取得する(S108−5−5)。また、メインCPU301は、当該図柄コードと当選エリア(当選役)と優先順位テーブルとに応じて、優先順位を決定する(S108−5−6)。メインCPU301は、決定した優先順位を現在の領域ポインタが指定する領域Qに格納する(S108−5−7)。
【0336】
メインCPU301は、領域ポインタに数値「1」を加算し、領域残数から数値「1」を減算する(S108−5−8)。その後、メインCPU301は、領域残数が数値「0」であるか否かを判定する(S108−5−9)。領域残数が「0」ではないと判断した場合(S108−5−9:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−5からステップS108−5−9までを繰り返し実行する。他方で、領域残数が「0」であると判断した場合(S108−5−9:YES)、すなわち、対象リールの優先順位格納領域の生成が終了した場合、メインCPU301は、検索回数から「1」を減算する(S108−5−10)。
【0337】
検索回数を減算した後に、メインCPU301は、検索回数が終了したか否かを判定する(S108−5−11)。検索回数が終了していないと判断した場合(S108−5−11:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−2に処理を戻し、対象リールを変更してステップS108−5−2からステップS108−5−11までを繰り返し実行する。一方で、検索回数が終了したと判断した場合(S108−5−11:YES)、メインCPU301は、優先順位格納処理を終了する。
【0338】
図45は、停止制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されたか否かを判定する(S109−1)。回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されるまで、メインCPU301は、ステップS109−1を繰り返し実行する(S109−1:NO)。他方で、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作された場合(S109−1:YES)、メインCPU301は、停止操作された停止ボタン25の種別を示す停止操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S109−2)。
【0339】
停止操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、停止順序格納領域を更新する(S109−3)。また、メインCPU301は、未停止操作カウンタから数値「1」を減算する(S109−4)。メインCPU301は、操作された停止ボタン25に対応するリール12を、停止対象リールとして設定する(S109−5)。
【0340】
メインCPU301は、図柄カウンタの現在値(すなわち、中段ライン上に位置する図柄番号)を停止操作位置として取得する(S109−6)。メインCPU301は、対象リールの優先順序格納領域の各領域Qのうち、停止操作位置の領域Qと当該停止操作位置の次のコマから4コマ分の領域Qとの優先順位(すなわち、5コマ分の優先順位)を取得する(S109−7)。また、メインCPU301は、取得した5コマ分の優先順位のうち最も優先順位が高いコマを停止予定位置に決定するとともに、停止操作位置から停止予定位置までのコマ数を滑りコマ数として設定する(S109−8)。
【0341】
メインCPU301は、停止予定位置の図柄コード(すなわち、停止予定位置の図柄の種別)に応じて、表示役格納領域の各ビットを更新する(S109−9)。例えば、停止制御処理でリール12Lが停止して有効ラインに図柄「ベル」が停止した場合、左リールの図柄が「ベル」ではない当選役(例えば当選役「中段チェリー」)に係る図柄組合せは、有効ラインに停止する可能性がなくなるため、表示役格納領域の各ビットのうち当該当選役に対応するビットは数値「0」になる。
【0342】
表示役格納領域を更新した後に、メインCPU301は、未停止操作カウンタが「0」であるか否かを判定する(S109−10)。未停止操作カウンタが数値「0」であることは、全てのリール12について停止操作がされたことを意味する。未停止操作カウンタが「0」であると判断した場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、停止制御処理を終了する。他方で、未停止操作カウンタが「0」では無いと判断した場合(S109−10:NO)、停止前処理でも実行した優先順位格納処理を実行する(S109−11)。ステップS109−11において、停止前処理のステップS109−3と同様に、回転中のリール12の優先順位格納領域Pに優先順位が格納される。ただし、当選エリア格納領域の当選エリアで示される当選役を構成する図柄であっても、何れかのリール12が停止したことにより有効ラインに表示される可能性が無くなった当選役に係る図柄組合せの図柄は、他の図柄と比較して優先順位が高く設定されない。
【0343】
メインCPU301は、優先順位格納処理を実行した後に、ステップS109−1に処理を戻す。メインCPU301は、全てのリール12に対して停止操作がされるまで、すなわち、未停止操作カウンタが「0」であると判断されるまで、ステップS109−1からステップ109−11までの処理を繰り返し実行する。未停止操作カウンタが「0」であると判断された場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、リール停止制御処理を終了する。
【0344】
図46は、表示判定処理(S110)のフローチャートである。表示判定処理を開始すると、メインCPU301は、有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せが、当該遊技で有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せであるか否かを判定する(S110−1)。具体的には、メインCPU301は、ステップS110−1において、表示役格納領域の表示可能ビットのうち「1」に設定された表示可能ビットに対応する当選役について、当該当選役に対応する表示許可ビットが「1」に設定されているか否かを判定する。数値「1」の表示可能ビットに対応する表示許可ビットが「0」に設定されている場合、メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断する。
【0345】
メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断した場合(S110−1:YES)、不正入賞コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−2)、不正入賞エラー処理に移行して遊技の進行を禁止する。不正入賞エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定されることで遊技が可能となる。
【0346】
有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せが停止したと判定した場合(S110−1:NO)、メインCPU301は、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止しているか否かを判定する(S110−3)。リプレイに係る図柄組合せ有効ラインに停止していると判定した場合(S110−3:YES)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定して(S110−4)、再遊技コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−5)、表示判定処理を終了する。再遊技コマンドは、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止したことを示す。
【0347】
他方で、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判定した場合(S110−3:NO)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをOFF状態に設定し(S110−6)、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止しているか否かを判定する(S110−7)。入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していると判断した場合(S110−7:YES)、メインCPU301は、入賞当選役コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−8)。入賞当選役コマンドは、有効ラインに揃った入賞当選役に係る図柄組合せの種別を示す。
【0348】
メインCPU301は、有効ラインに停止した入賞当選役に係る図柄組合せの種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する(S110−9)。クレジット数を加算した後に、メインCPU301は、クレジット数の上限値である数値「50」よりも加算した結果が大きいか否かを判定する(S110−10)。クレジット数が「50」より大きい場合(S110−10:YES)、クレジット数の上限値を上回った分のメダル枚数(例えば、ステップS110−9の加算結果が「55」である場合は数値「5」)を、メダル要求カウンタに設定する(S110−11)。メダル要求カウンタにメダル枚数を設定した後に、メインCPU301は、ホッパー駆動処理に移行する。他方で、クレジット数が「50」以下である場合(S110−10:NO)、メインCPU301は、表示判定処理を終了する。
【0349】
メインCPU301は、ステップS110−7において、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−7:NO)、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたか否かを判定する(S110−12)。ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合(S110−12:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域にボーナス役コマンドを格納する(S110−13)。ボーナス役コマンドは、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された旨を示す。メインCPU301は、ボーナス役コマンドを格納した後に、表示判定処理を終了する。
【0350】
メインCPU301は、ステップS110−12において、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−12:NO)、ハズレ表示コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−14)。ハズレ表示コマンドは、有効ラインに当選役に係る図柄組合せが停止していないことを示す。本実施形態においては、再遊技コマンドと入賞当選役コマンドとハズレ表示コマンドとボーナス役コマンドとを表示当選役コマンドと総称する。
【0351】
図47は、ホッパー駆動処理のフローチャートである。ホッパー駆動処理は、表示判定処理、または、遊技開始前処理の精算操作受付処理において、払出要求カウンタが設定された場合に実行される。ホッパー駆動処理を開始すると、メインCPU301は、払出開始コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S120)。払出開始コマンドは、ホッパー520におけるメダル排出の開始を示す。また、メインCPU301は、払出期間監視タイマに初期値を設定する(S121)。払出期間監視タイマは、ホッパー駆動処理が開始してから所定の時間長(例えば30秒)が経過した場合にタイムアップする。
【0352】
メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を開始する(S122)。ホッパー駆動信号が出力される期間において、ホッパー520からメダルが順次に排出される。ホッパー駆動信号の出力を開始した後に、メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S123)。メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたと判断した場合(S123:YES)、エラーコマンドをコマンド格納領域に格納し(S124)、ホッパーエンプティエラー処理に移行する。以上の構成では、メインCPU301は、ホッパー駆動処理の開始から払出期間監視タイマがタイムアップするまでに、払出要求カウンタの枚数のメダルの排出が完了しなかった場合、ホッパーエンプティーエラー処理に移行し、遊技の進行を禁止する。ホッパーエンプティエラー処理が実行された場合、例えば、リセットボタン512の操作を条件に、ホッパー駆動処理に復帰する。
【0353】
メインCPU301は、ホッパー520からの払出信号を検出したか否かを判定する(S125)。上述したとおり、払出信号は、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出センサ112SEから出力される。メインCPU301は、払出信号を検出したと判断するまで、ステップS123とステップS125とを繰り返し実行する(S125:NO)。
【0354】
メインCPU301は、払出信号を検出したと判断した場合(S125:YES)、払出要求カウンタから数値「1」を減算する(S126)。その後、メインCPU301は、払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S127)。払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合(S127:YES)、メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を停止し(S128)、払出終了コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S129)。例えば、サブ制御基板400は、メインCPU301から払出開始コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を開始し、払出終了コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を停止する。メインCPU301は、払出終了コマンドを格納すると、ホッパー駆動処理を終了する。他方で、払出要求カウンタが「0」でないと判断した場合(S127:NO)、メインCPU301は、ステップS123からステップ127を繰り返し実行する。
【0355】
図48は、遊技状態移行処理のフローチャートである。遊技状態移行処理を開始すると、メインCPU301は、RT状態移行処理(S111−1)を実行する。RT状態移行処理において、メインCPU301は、RT状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、RT状態移行処理において、RT1移行図柄が有効ラインに停止したか否かを判定する。上述したように、RT1移行図柄は、上段ベルを取りこぼした場合、有効ラインに停止する。有効ラインにRT1移行図柄が停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT1状態に移行する。なお、RT1状態においてRT1移行図柄が有効ラインに停止した場合、RT状態は変更されない。また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT2移行図柄が停止したか否かを判定する。RT2移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT2状態に変更する。また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT3移行図柄が停止したか否かを判定する。有効ラインにRT3移行図柄が停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT3状態に変更する。さらに、メインCPU301は、RT状態移行処理において、今回の遊技でボーナス作動状態の終了条件が成立したか否かを判定する。ボーナス作動状態の終了条件が成立したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT0状態に変更する。
【0356】
RT状態移行処理の後に、メインCPU301は、ボーナス状態移行処理(S111−2)を実行する。ボーナス状態移行処理において、メインCPU301は、ボーナス作動状態を終了または開始させる。具体的には、メインCPU301は、ボーナス状態移行処理において、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止したか否かを判定する。有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止したと判断した場合、メインCPU301は、ボーナス作動状態に移行する。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の遊技状態格納領域に格納されるボーナス作動フラグをON状態にする。また、メインCPU301は、ボーナス状態移行処理において、今回の遊技でボーナス作動状態の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、ボーナス作動状態で払出されたメダルの合計枚数が297枚に到達したか否かを判定する。ボーナス作動状態の終了条件が成立したと判断した場合、メインCPU301は、ボーナス作動フラグをOFF状態にする。
【0357】
ボーナス状態移行処理の後に、メインCPU301は、指示状態移行処理(S111−3)を実行する。指示状態移行処理において、メインCPU301は、指示状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、指示状態移行処理において、現在の指示状態が第1前兆状態であるか否かを判定する。第1前兆状態であると判断した場合、メインCPU301は、第1前兆カウンタから数値「1」を減算する。また、メインCPU301は、第1前兆カウンタを減算した結果が数値「0」であるか否かを判定する。第1前兆カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合、メインCPU301は、指示状態フラグを開始準備状態を示す値に変更する。また、メインCPU301は、指示状態移行処理において、現在の指示状態が第2前兆状態であるか否かを判定する。第2前兆状態であると判断した場合、メインCPU301は、第2前兆カウンタから数値「1」を減算する。メインCPU301は、第2前兆カウンタを減算した結果が数値「0」であるか否かを判定する。第2前兆カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合、メインCPU301は、指示状態フラグをボーナス告知状態を示す値に変更する。
【0358】
指示状態移行処理において、メインCPU301は、指示状態が開始準備状態であるか否かを判定する。開始準備状態であると判断した場合、メインCPU301は、RT3移行図柄(RT3移行リプレイ)が有効ラインに停止表示されたか否かを判定する。RT3移行図柄が有効ラインに停止表示されたと判断した場合、メインCPU301は、指示状態フラグをAT中状態を示す値に変更する。また、メインCPU301は、指示状態移行処理において、指示状態がAT中状態であるか否かを判定する。AT中状態であると判断した場合、メインCPU301は、ATカウンタから数値「1」を減算し、減算結果が数値「0」であるか否かを判定する。ATカウンタが数値「0」であると判断した場合、メインCPU301は、指示状態フラグを通常状態を示す値に変更する。
【0359】
図49は、割込処理のフローチャートである。上述したように、メインCPU301は、遊技制御処理を実行している期間に、1.49ms毎に割込処理を実行する。
【0360】
メインCPU301は、割込処理を開始すると、各種のレジスタのデータを退避させる(S201)。その後、メインCPU301は、入力ポート読込処理(S202)を実行する。入力ポート読込処理において、メインCPU301は、I/F回路305に入力された各種の信号を読込む。具体的には、メインCPU301は、入力ポート読込処理において、スタートスイッチ24SW、各停止スイッチ25SW、メダルセンサ34SE、精算スイッチ23SWなどのON信号を読込む。メインCPU301は、ON信号を読み込んだセンサおよびスイッチの検知フラグをON状態に設定する。
【0361】
メインCPU301は、タイマ計測処理(S203)を実行する。タイマ計測処理において、メインCPU301は、各種のタイマから所定値を減算する。メインCPU301は、タイマ計測処理において、例えば、ホッパー駆動処理で設定された払出期間監視タイマ、ウェイト処理で設定された回胴演出タイマおよびウェイトタイマを減算する。
【0362】
メインCPU301は、回転しているリールから駆動対象リールを選択し(S204)、駆動対象リールの駆動制御処理(S205)を実行する。駆動制御処理において、メインCPU301は、駆動対象リールのステッピングモータに駆動パルスを出力する。駆動パルスが入力された場合、ステッピングモータの励磁パターンが切替わる。
【0363】
メインCPU301は、全てのリール12の駆動制御処理が実行されたか否かを判定する(S206)。全てのリール12の駆動制御処理が実行されていないと判断した場合(S206:NO)、メインCPU301は、ステップS204とステップS205とを繰り返す。他方で、全てのリール12の駆動制御処理を実行したと判断した場合(S206:YES)メインCPU301は、外部信号出力処理(S207)に移行する。
【0364】
メインCPU301は、外部信号出力処理において、遊技機1の外部に所定の信号を出力する。例えば、設定変更処理を開始した場合、メインCPU301は、設定変更処理の開始を示す信号を遊技機1の外部に出力する。
【0365】
メインCPU301は、LED表示処理(S208)において、各種のランプを駆動する。例えば、メインCPU301は、遊技制御処理で生成したBETランプ表示データが示す態様で、BETランプ14を表示させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、再遊技作動中フラグがON状態に設定されている場合に再遊技表示ランプ18を点灯させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、クレジット数を貯留枚数表示器17に表示させる。さらに、メインCPU301は、LED表示処理において、指示番号決定処理で決定した指示番号に応じた指示情報を指示表示器16に表示させる。
【0366】
メインCPU301は、LED表示処理の後に、コマンド送信処理(S209)に移行する。上述したように、メインRAM303のコマンド格納領域には、遊技制御処理において各種のコマンドが格納される。コマンド格納領域に格納されたコマンドは、コマンド送信処理において、サブ制御基板400に送信される。
【0367】
コマンド送信処理の後に、メインCPU301は、レジスタ復帰処理(S210)を実行し、ステップS210で退避したデータをレジスタに復帰させる。レジスタ復帰処理を実行すると、メインCPU301は、割込処理を開始した際に実行していた遊技制御処理のステップSに処理を復帰させる。
【0368】
<サブCPUが実行する各処理>
図50は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。すなわち、例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
【0369】
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。サブ起動処理においては、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化し、サブRAM414の各種のカウンタに初期値を設定する。
【0370】
サブ起動処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常である場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
【0371】
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、メイン制御基板通信タスクの起動(S303)、演出ボタン入力タスクの起動(S304)、画像制御基板通信タスクの起動(S305)、マスター音量制御タスクの起動(S306)、および、音響制御タスクの起動(S307)をする。
【0372】
図51、
図52および
図58から
図61は、サブ起動処理において起動される各タスクのフローチャートである。サブCPU412は、
図51に示すランプ制御タスクにより、サイドランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、
図52に示すメイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、
図58に示す演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付け、
図59に示す画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信する。また、サブCPU412は、
図60にマスター音量制御タスクにおいて、調整操作を受付け、マスター音量を変更する。さらに、サブCPU412は、
図61に示す音響制御タスクにおいて、音制御コマンドXを画像制御CPU421に送信する。
【0373】
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカ(31、32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
【0374】
図51は、ランプ制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクを開始すると、各種のランプを制御するためのデータを初期化する(S302−1)。サブCPU412は、各種のデータを初期化すると、ランプデータ解析処理(S302−2)に移行する。ランプデータは、各種のランプの点滅パターンを示すデータである。例えば、特定のランプを点灯状態にする時間を示すデータと消灯状態にする時間を示すデータとの時系列(300ms点灯→300ms消灯→300ms点灯→……)がランプデータとして採用され得る。
【0375】
サブCPU412は、ランプ制御処理(S302−3)において、ランプデータにより指定される態様で特定のランプを制御する。ランプデータ解析処理とランプ演出実行処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
【0376】
図52は、メイン制御基板通信タスクのフローチャートである。メイン制御基板通信タスクを開始すると、サブCPU412は、サブRAM414等の所定の記憶領域を初期化する通信開始前処理(S303−1)を実行する。通信開始前処理を実行した後に、サブCPU412は、受信コマンドチェック処理(S303−2)に移行する。受信コマンドチェック処理においては、メイン制御基板300から受信したコマンドの内容をチェックする。
【0377】
サブCPU412は、今回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドと前回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドとが異なるか否かを判定する(S303−3)。すなわち、ステップS303−3において、サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化したか否かを判定する。サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化するまで、ステップS303−3を繰り返し実行する(S303−3:NO)。メイン制御基板300からのコマンドが変化した場合(S303−3:YES)、サブCPU412は、コマンド解析処理(S303−4)に移行する。
【0378】
コマンド解析処理を実行した後に、サブCPU412は、遊技情報更新処理(S303−5)を実行する。遊技情報更新処理において、サブCPU412は、メイン制御基板300から受信したコマンドに応じて遊技情報を更新する。遊技情報は、例えば、AT状態の残り遊技回数を含む各種の情報である。各遊技情報は、例えば、液晶表示装置30に表示される。サブCPU412は、ステップS303−5において、複数種類の遊技情報更新処理のうちの何れかを実行する。具体的には、サブCPU412は、複数種類の遊技情報更新処理のうちメイン制御基板300から受信したコマンドの種別に応じた遊技情報更新処理を実行する。例えば、サブCPU412は、表示当選役コマンドを受信した場合、AT状態の残り遊技回数を更新するための遊技情報更新処理を実行する。遊技情報を更新した後に、サブCPU412は、ステップS303−2に処理を戻し、次回のタイマ割込信号が入力されるまでステップS303−2からステップS303−5までの処理を繰り返す。
【0379】
図53は、コマンド解析処理のフローチャートである。サブCPU412は、コマンド解析処理を開始すると、演出制御処理(S401)を実行する。後述するように、サブCPU412は、演出制御処理において、例えば、遊技機1で実行する演出を決定する。演出制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出に応じたランプデータを決定し(S402)、決定したランプデータをサブRAM414に格納する(S403)。
【0380】
図54は、演出制御処理のフローチャートである。サブCPU412は、演出制御処理を開始すると、メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであるか否かを判定する(S401−1)。メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであると判断した場合(S401−1:YES)、サブCPU412は、設定変更開始/終了処理(S401−2)に処理を移行する。
【0381】
具体的には、設定変更開始コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU412は、設定変更処理が実行中である旨を報知をする。例えば、サブCPU412は、液晶表示装置30に「設定変更中です」というメッセージを表示させ、画像制御CPU421に当該メッセージの音声を再生させる。また、設定値コマンドを受信したと判断した場合(すなわち、設定変更処理が終了した場合)、サブCPU412は、設定値コマンドが示す設定値をサブRAM414に格納して設定変更処理の報知を終了する。設定変更開始/終了処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0382】
メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドではないと判断した場合(S401−1:NO)、サブCPU412は、投入関連コマンド(自動投入コマンド、メダル投入コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−3)。投入関連コマンドを受信したと判断した場合(S401−3:YES)、サブCPU412は、投入関連コマンド受信時処理(S401−4)に移行する。投入関連コマンド受信時処理においては、サブCPU412は、例えば、メダルの投入時の演出を発生させる。また、サブCPU412は、投入音の再生要求フラグをON状態にする。投入関連コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了させる。
【0383】
サブCPU412は、受信したコマンドが投入関連コマンドではないと判断した場合(S401−3:NO)、精算操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−5)。精算操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−5:YES)、サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理(S401−6)を実行する。精算操作コマンド受信時処理において、サブCPU412は、メダルの精算が実行されている旨を報知する。サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理において、例えば、「精算中です」というメッセージを液晶表示装置30に表示させる。精算操作コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0384】
サブCPU412は、受信したコマンドが精算操作コマンドではないと判断した場合(S401−5:NO)、開始操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−7)。開始操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−7:YES)、サブCPU412は、開始操作時処理(S401−8)を実行する。開始操作時処理において、サブCPU412は、演出決定処理を含む各種の処理を実行し、演出決定処理で決定された各演出を指定する演出制御コマンドYをサブコマンド格納領域に格納する。開始操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0385】
サブCPU412は、受信したコマンドが開始操作コマンドではないと判断した場合(S401−7:NO)、リール始動コマンドを受信したか否かを判定する(S401−9)。リール始動コマンドを受信したと判断した場合(S401−9:YES)、サブCPU412は、リール始動コマンド受信時処理(S401−10)を実行する。リール始動コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、各リール12の始動音(通常始動音、特殊始動音)の再生要求フラグをON状態にする。リール始動コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0386】
サブCPU412は、受信したコマンドがリール始動コマンドではないと判断した場合(S401−9:NO)、停止操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−11)。停止操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−11:YES)、サブCPU412は、停止操作時処理(S401−12)を実行する。停止操作時処理において、例えば、リール12の停止音の再生要求フラグをON状態にする。また、サブCPU412は、停止操作がされた旨を示す操作コマンドを画像制御CPU421に送信する。停止操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0387】
サブCPU412は、受信したコマンドが停止操作受付コマンドではないと判断した場合(S401−11:NO)、表示当選役コマンド(再遊技コマンド、入賞当選役コマンドまたはハズレ表示コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−13)。表示当選役コマンドを受信したと判断した場合(S401−13:YES)、サブCPU412は、表示当選役コマンド受信時処理(S401−14)を実行する。表示当選役コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、リプレイ音の再生要求フラグをON状態にする。
【0388】
サブCPU412は、受信したコマンドが表示当選役コマンドではないと判断した場合(S401−13:NO)、払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S401−15)。払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したと判断した場合(S401−15:YES)、サブCPU412は、払出音制御処理(S401−16)を実行する。例えば、サブCPU412は、払出開始コマンドを受信した場合、メダルの排出を報知する払出音の再生要求フラグをON状態にする。また、払出終了コマンドを受信した場合、サブCPU412は、払出音の停止を指示する音制御コマンドをサブコマンド格納領域に格納する。払出音制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
【0389】
図55は、画像制御基板通信タスクのフローチャートである。サブCPU412は、画像制御基板通信タスクを開始すると、非遊技タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S305−1)。非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の状態が予め定められた時間継続した場合にタイムアップする。具体的には、非遊技タイマは、前回の遊技が終了した時点で初期値にセットされ、非遊技の期間において予め定められた時間間隔毎に減算される。例えば、非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の期間が1分間継続した場合にタイムアップする。また、非遊技タイマは、例えば、サブRAM414に設けられる。
【0390】
サブCPU412は、非遊技タイマがタイムアップしたと判断した場合(S305−1:YES)、デモ表示コマンドをサブコマンド格納領域に格納する(S305−2)。画像制御基板(画像制御CPU421)420は、デモ表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置30にデモンストレーション画像を表示させる。デモ表示コマンドを受信した時点で音響(例えば背景楽曲)を再生している場合、画像制御CPU421は、当該音響の音量を「0」にする。また、サブCPU412は、デモンストレーション画像が表示される期間において、各種のランプを消灯する。デモ表示コマンドを格納した後に、サブCPU412は、コマンド送信処理(S305−3)に移行する。また、非遊技タイマがタイムアップしていないと判断した場合(S305−1:NO)、サブCPU412は、デモ表示コマンドを格納しないで演出制御コマンド送信処理に移行する。
【0391】
コマンド送信処理において、サブCPU412は、サブコマンド格納領域に格納された音制御コマンドXと演出制御コマンドYとを画像制御基板420に送信する。画像制御CPU421は、音制御コマンドXを受信した場合、当該音制御コマンドXに応じた音出力要求コマンドZを音源IC431に送信する。また、画像制御CPU421は、演出制御コマンドYを受信した場合、当該演出制御コマンドYに応じた画像を液晶表示装置30に表示させる。さらに、画像制御CPU421は、当該演出制御コマンドYに応じた演出音を決定し、当該演出音の再生を指示する音出力要求コマンドZを音源IC431に送信する。コマンド送信処理を終了した後に、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクを終了する。なお、画像制御基板通信タスクにおいて、画像制御基板420からのコマンドを受信可能な構成としてもよい。
【0392】
図56は、マスター音量制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、マスター音量制御タスクにおいて、音量調整スイッチ44の状態(例えばディップスイッチの操作位置)に応じてマスター音量を変更(調整)する。また、サブCPU412は、音量調整画像の表示期間において、方向指定ボタン27の操作(調整操作)を受付けて、マスター音量を変更する。音量調整スイッチ44は、遊技機1の内部に設けられるため、原則、遊技者は操作することができない。一方で、方向指定ボタン27は、遊技機1の外部に設けられるため、遊技者が操作可能である。しがたって、遊技者は調整操作が可能である。
【0393】
マスター音量制御タスクを開始すると、サブCPU412は、マスター音量のリセット条件が成立したか否かを判定する(S306−1)。マスター音量のリセット条件は適宜に設定可能であるが、例えば、電源が投入された場合、清算ボタンが操作された場合、デモンストレーション画像が表示された場合、メニュー画面が表示された場合にマスター音量をリセットする構成が好適である。マスター音量のリセット条件が成立していないと判断した場合(S306−1:NO)、サブCPU412は、音量調整スイッチ監視処理(S306−2)に移行する。音量調整スイッチ監視処理において、サブCPU412は、音量調整スイッチ44の状態に応じてマスター音量を変更する。
【0394】
マスター音量のリセット条件が成立したと判断した場合(S306−1:YES)、サブCPU412は、マスター音量リセット処理(S306−3)に移行する。マスター音量リセット処理において、サブCPU412は、マスター音量をリセットする。具体的には、マスター音量リセット処理において、音量調整スイッチ44の状態に応じた初期値がマスター音量に設定される。本実施形態の音量調整スイッチ44は、マスター音量として数値「1」を指定する状態と数値「3」を指定する状態と数値「5」を指定する状態とに操作することができる。したがって、数値「1」、「3」、「5」の何れかがマスター音量の初期値に設定される。ただし、リセット直前のマスター音量によっては、リセットされない場合がある。
【0395】
以下において、音量調整スイッチ44が指定するマスター音量を「ハード音量」という。上述したように、音量調整スイッチ44を操作しない場合であっても、方向指定ボタン27を操作することで、遊技者はマスター音量を変更可能である。以上の場合、実際のマスター音量とハード音量とが相違し得る。例えば、ハード音量を数値「3」に維持した状態で、方向指定ボタン27を操作して実際のマスター音量を数値「4」にすることができる。
【0396】
サブCPU412は、マスター音量リセット処理の直前のマスター音量がハード音量より小さい場合、マスター音量をハード音量にリセットする。例えば、リセット直前のマスター音量が「2」でハード音量が「3」の場合、マスター音量は「3」にリセットされる。一方で、サブCPU412は、マスター音量リセット処理の直前のマスター音量がハード音量より大きい場合、マスター音量をリセットしない。例えば、マスター音量が「4」でハード音量が「3」の場合、マスター音量は「4」で維持される。音量調整スイッチ監視処理またはマスター音量リセット処理を実行した後に、サブCPU412は、音量調整処理(S306−4)に移行する。音量調整処理において、サブCPU412は、調整操作を受付け、マスター音量を調整する。音量調整処理は、他のタスクに移行する割込みが発生するまで、繰り返し実行される。
【0397】
図57(a)は、音響制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、音響制御タスクを開始すると、音響再生開始処理(S307−1)に移行する。音響再生開始処理において、サブCPU412は、システム音の再生要求が有る場合、当該システム音の再生を指示する音制御コマンドX(E、S)を生成し、サブコマンド格納領域に格納する。
【0398】
音響再生開始処理の後に、サブCPU412は、音制御コマンド送信処理(S307−2)に移行する。音制御コマンド送信処理において、サブCPU412は、音響再生開始処理で生成した音制御コマンドXを画像制御CPU421に送信する。サブCPU412は、他のタスクを実行する割込みが発生するまで、音響再生開始処理と音制御コマンド送信処理とを繰返し実行する。
【0399】
図57(b)は、音響再生開始処理のフローチャートである。音響再生開始処理を開始すると、サブCPU412は、エラー音の再生要求フラグがON状態であるか否かを判定する(S307−1−1)。エラー音の再生要求フラグがON状態であると判断した場合(S307−1−1:YES)、サブCPU412は、エラー音の音データ(フレーズ番号「00」の警告音とフレーズ番号「01」の呼出音声)を指定する(S307−1−2)。また、サブCPU412は、当該指定した音データを再生させる音制御コマンドXEを生成し、サブコマンド格納領域に格納する(S307−1−3)。
【0400】
エラー音の再生要求フラグがON状態ではないと判断した場合(S307−1−1:NO)、サブCPU412は、エラー音以外のシステム音の再生要求フラグがON状態であるか否かを判定する(S307−1−4)。システム音の再生要求フラグがON状態ではないと判断した場合(S307−1−4:NO)、サブCPU412は、音響再生開始処理を終了する。一方で、システム音の再生要求フラグがON状態であると判断した場合(S307−1−4:YES)、サブCPU412は、再生要求フラグがON状態のシステム音の音データ(フレーズ番号)を決定し(S307−1−5)、当該システム音を再生するチャンネルchを指定する(S307−1−6)。具体的には、ステップS307において、第2チャンネル群GB(ch3〜ch15)の何れかのチャンネルchが指定される。その後、サブCPU412は、当該システム音の出力音量を指定する(S307−1−7)。サブCPU412は、再生要求が有ったシステム音の再生の指示をする音制御コマンドXSを生成する(S307−1−8)。
【0401】
以上がサブCPU412の音響制御タスクである。画像制御CPU421は、サブCPU412と同様に、所定の時間間隔で音響制御タスクを実行する。画像制御CPU421は、音響制御タスクで音出力要求コマンドZを生成し、当該音出力要求コマンドZを音源IC431に送信する。
【0402】
図58は、画像制御CPU421の音響制御タスクのフローチャートである。音響制御タスクを開始すると、画像制御CPU421は、演出音の発生契機となる遊技操作がされた旨を示す操作コマンド(例えば、セリフ演出における停止操作がされた旨を示すコマンド)または演出制御コマンドYを受信したか否かを判定する(S801)。以上の各コマンドを受信していないと判断した場合(S801:NO)、サブCPU412は、チャンネル情報更新処理(S803)に移行する。一方、上述の各コマンドを受信したと判断した場合(S801:YES)、画像制御CPU421は、演出音決定処理(S802)に移行する。画像制御CPU421は、演出音決定処理において、サブCPU412からのコマンドを解析し、当該コマンドに応じて再生すべき音データ(フレーズ番号)を決定する。また、画像制御CPU421は、演出音決定処理において、音データの出力音量を決定する。演出音決定処理を実行した後に、画像制御CPU421は、チャンネル情報更新処理に移行する。
【0403】
チャンネル情報更新処理において、画像制御CPU421は、チャンネル情報テーブルの各チャンネル情報を更新する。具体的には、音制御コマンドXを受信した場合、画像制御CPU421は、チャンネル情報更新処理において、当該音制御コマンドXで指定されるチャンネルchのチャンネル情報を更新する。例えば、音データとしてメダルの投入音を指定し、第2チャンネル群GBのうちチャンネルch3を指定し、出力音量「100」を指定する音制御コマンドXを受信した場合を想定する。以上の場合、チャンネルch3のチャンネル情報の状態が「再生」に更新され、フレーズ番号が投入音を示す「n+05」に更新され、出力音量が数値「100」に更新される。
【0404】
また、画像制御CPU421は、チャンネル情報更新処理において、上述の演出音決定処理で決定された演出音を第3チャンネル群GCの何れかのチャンネルchで再生する。上述したように、演出音を再生するチャンネルchは、画像制御CPU421により適宜に決定される。画像制御CPU421は、演出音を再生するチャンネルchのチャンネル情報を更新する。例えば、音データとして吹出し効果音がチャンネルch39において音量「100」で再生される場合を想定する。以上の場合、チャンネルch39のチャンネル情報の状態が「再生」に更新され、フレーズ番号が吹出し効果音を示す「m+01」に更新され、出力音量が数値「100」に更新される。
【0405】
また、画像制御CPU421は、チャンネル情報更新処理において、再生中の各音響の出力音量を変化させるための処理を実行する。例えば、音制御コマンドXEを受信した場合、画像制御CPU421は、第2チャンネル群GBと第3チャンネル群GCとの各チャンネルchの出力音量を数値「0」に変化させる。また、例えば、特定の効果音の再生を指示する音制御コマンドXSを受信した場合、画像制御CPU421は、再生中の背景楽曲をフェードアウトさせるため、背景楽曲を再生しているチャンネルchのフェードタイマに初期値を設定する。さらに、画像制御CPU421は、上述の効果音の再生が終了する場合、背景楽曲をフェードインさせるため、背景楽曲を再生しているチャンネルchのフェードタイマに初期値を設定する。
【0406】
チャンネル情報更新処理を終了した後に、画像制御CPU421は、フェードタイマ減算処理(S804)に移行する。画像制御CPU421は、フェードタイマ減算処理において、各チャンネルchのフェードタイマが数値「0」より大きい値の場合、当該フェードタイマを減算する。また、画像制御CPU421は、フェードタイマを減算したチャンネルchの音量を減算(フェードアウト)または加算(フェードイン)する。各フェードタイマ減算処理における、各チャンネルchの音量の加算値および減算値は、フェード前の音量とフェード後の音量とフェードタイマの初期値とに応じて適宜に決定される。
【0407】
フェードタイマ減算処理を終了した後に、画像制御CPU421は、音出力要求コマンド送信処理(S805)に移行する。画像制御CPU421は、音出力要求コマンド送信処理により、音出力要求コマンドZを音源IC431に送信する。音出力要求コマンド送信処理で送信される音出力要求コマンドZは、今回の音響制御タスクで更新された各チャンネル情報を示す。音源IC431は、音出力要求コマンドZが指定する各チャンネル情報に応じて各チャンネルchで各音響を再生する。
【0408】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0409】
第2実施形態では、セリフ演出Xおよびセリフ演出Yに加え、セリフ演出Zが実行される。
図59(a−1)および
図59(a−2)は、第2実施形態におけるセリフ演出Zを説明するための図である。セリフ演出Zは、複数の契機でセリフ音声の再生を開始する点において、第1実施形態のセリフ演出Xおよびセリフ演出Yと相違する。具体的には、第1実施形態における、セリフ演出Xでは、第1停止操作を契機にセリフ音声Aが再生され、セリフ演出Yでは、第3停止操作を契機にセリフ音声Bが再生されたが、セリフ演出Zでは、第1停止操作を契機にセリフ音声Aが再生され、その後、第3停止操作を契機にセリフ音声Bが再生される。
【0410】
セリフ演出Zが実行される遊技では、セリフ演出Xが実行される遊技と同様に(
図25(a−1)参照)、遊技の開始操作と略同時に、キャラクタ図像ZAと吹出し図像ZCとが液晶表示装置30の画面に表示される。また、遊技の開始操作と略同時に、吹出し効果音が再生される。
【0411】
図59(a−1)は、セリフ演出Zにおいて、第1停止操作がされた場合の液晶表示装置30の画面の模擬図である。
図59(a−1)に示すように、セリフ演出Zでは、第1停止操作と略同時に、当該セリフ演出Zのセリフ音声Aの文字列が吹出し図像ZCに表示される。また、上述した通り、セリフ演出Zでは、第1停止操作を契機に、セリフ音声Aの再生が開始される。
図59(a−1)は、セリフ音声A4(
図24参照)が再生される具体例を示す。
【0412】
図59(a−2)は、セリフ演出Zにおいて、第3停止操作がされた場合の液晶表示装置30の画像の模擬図である。
図59(a−2)に示すように、セリフ演出Zでは、第3停止操作と略同時に、キャラクタ図像ZBが液晶表示装置30の画面に表示される。また、セリフ演出Zでは、正面視でキャラクタ図像ZBの左側近傍に、吹出し図像ZCが表示され、当該吹出し図像ZCには、当該セリフ演出Zのセリフ音声Bの文字列が表示される。また、上述した通り、セリフ演出Zでは、第3停止操作を契機に、セリフ音声Bの再生が開始される。
図59(a−2)は、セリフ音声B2が再生される具体例を示す。
【0413】
ところで、1回の遊技で複数のセリフ音声が再生される構成では、各セリフ音声の時間長、および、停止操作の時間間隔によっては、各セリフ音声の一部(例えば、先の音声の最後と後の音声の最初)が混合する場合がある。複数のセリフ音声が混合した場合、一方のセリフ音声が他方のセリフ音声で聞こえ難くなる不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、第2実施形態のセリフ演出Zでのセリフ音声Aの再生が開始される時期とセリフ音声Bの再生が開始される時期とは、各セリフ音声が混合し難く設定される。以下、セリフ演出Zでのセリフ音声Aとセリフ音声Bとの再生開始時期を詳細に説明する。
【0414】
図59(b)は、第2実施形態のセリフ演出Zにおける、各セリフ音声(A、B)が再生される期間の具体例を説明するための図である。
図59(b)に示す通り、セリフ演出Zのセリフ音声Aは、第1停止操作と略同時(第1停止操作の直後)に再生が開始される。セリフ音声Aは、再生が開始されてから予め定められた時間が経過した場合に終了する。また、
図59(b)に示す通り、セリフ演出Zのセリフ音声Bは、第3停止操作と略同時に再生が開始される。以上の構成では、第1停止操作時にセリフ音声Aの再生が開始され、その後、第2停止操作がされ、さらにその後の第3停止操作時にセリフ音声Bの再生が開始される。すなわち、セリフ音声Aが再生開始される遊技操作(第1停止操作)とセリフ音声Bが再生開始される遊技操作(第2停止操作)との間に、特定の遊技操作(第3停止操作)が介在するとも換言される。
【0415】
図59(c)は、対比例のセリフ演出における、各セリフ音声(B、C)が再生される期間の具体例を説明するための図である。対比例においては、第1停止操作を契機に、セリフ音声Aの再生が開始され、第2停止操作を契機に、セリフ音声Cの再生が開始される。セリフ音声Cは、第2停止操作時から予め定められた時間長に亘り再生される。
【0416】
第1停止操作から第2停止操作までの時間長は、第1停止操作から第3停止操作までの時間長より短くなる。したがって、第1停止操作でセリフ音声Aが再生された直後の第2停止操作でセリフ音声Cが再生される対比例では、第3停止操作でセリフ音声Bが再生される第2実施形態と比較して、後続のセリフ音声の再生開始時にセリフ音声Aが終了していない場合が多くなる。すなわち、対比例では、第2実施形態と比較して、先行のセリフ音声と後続のセリフ音声とが混合しやすくなる。第2実施形態では、第1停止操作を契機にセリフ音声Aが再生され第3停止操作を契機にセリフ音声Bが再生されるため、上述の対比例と比較して、セリフ音声Aが後続するセリフ音声と混合する不都合が抑制される。ただし、第1停止操作と第2停止操作とでセリフ音声の再生が開始されるセリフ演出を設けてもよい。
【0417】
以上の第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、今回の遊技のセリフ音声は、次回の遊技でセリフ演出が実行される場合に停止され、次回の遊技でセリフ演出が実行されない場合に再生が継続される。したがって、各セリフ音声が最後まで再生されない不都合を抑制しつつ、複数のセリフ演出の音響が混合する不都合が抑制される。また、第2実施形態のセリフ演出Zでは複数種類(2種類)のセリフ音声が再生される。したがって、例えば、セリフ演出で1種類のみのセリフ音声が再生される構成と比較して、セリフ演出の面白味が向上する。なお、複数のセリフ音声が再生されるセリフ演出(例えばセリフ演出Z)では、先行のセリフ音声の時間長が比較的長い場合、先行のセリフ音声と後続するセリフ音声とが混合する場合が想定される。以上の場合、後続のセリフ音声の再生開始時(第3停止操作時)に、先行のセリフ音声を停止してもよい。
【0418】
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0419】
(1)以上の各形態では、今回の遊技でセリフ演出が実行される場合、前回の遊技におけるセリフ演出の音響を今回の遊技開始時に停止した。しかし、今回の遊技でセリフ演出が実行される場合であっても、特定の条件で、前回の遊技のセリフ演出の音響が今回の遊技開始時に停止されない場合があってもよい。例えば、前回の遊技で特定のセリフ演出が実行された場合、今回の遊技でセリフ演出が実行される場合であっても、特定のセリフ演出の音響が今回の遊技開始時に停止されない構成としてもよい。
【0420】
(2)以上の各形態では、第1停止操作または第3停止操作を契機にセリフ音声が再生される構成としたが、他の契機でセリフ音声が再生される構成としてもよい。例えば、遊技の開始操作を契機にセリフ音声が再生される構成としてもよい。以上の構成では、遊技の開始操作を契機にセリフ音声が再生されるセリフ演出では、吹出し効果音を省略してもよい。また、リール12の始動を契機にセリフ音声が再生される構成としてもよい。さらに、第2停止操作を契機にセリフ音声が再生される構成としてもよし、BET操作を契機にセリフ音声が再生される構成としてもよい。
【0421】
図60は、変形例におけるセリフ演出の音響の再生期間を説明するための図である。以上の変形例では、吹出し効果音が省略される点において、上述の各形態と相違する。
図60には、セリフ音声Fの再生期間とセリフ音声Lの再生期間とが示される。
図60の具体例では、セリフ音声Fが再生されるセリフ演出が実行された次回の遊技で、セリフ音声Lが再生されるセリフ演出が実行される場合を想定する。セリフ音声Fは、契機Xで再生が開始され、セリフ音声Lは、契機Yで再生が開始される。契機Xと契機Yとは、例えば、予め定められた遊技操作(遊技の開始操作、停止操作)が採用され得る。また、セリフ音声Fの時間長は予め定められ、セリフ音声Fの音声の再生が開始されてから当該時間長が経過するまでを期間tとする。
【0422】
上述の第1実施形態の音源IC431は、今回の遊技で吹出し効果音の再生が指示された場合、前回の遊技のセリフ音声を停止した。変形例の音源IC431は、今回の遊技におけるセリフ音声の再生開始が指示された場合、前回の遊技のセリフ音声を停止する。また、第1実施形態では、各セリフ音声が互いに異なるチャンネルchで再生される構成としたが、
図60の変形例では、各セリフ音声が同一のチャンネルchxで再生される。
【0423】
図60(a)は、セリフ音声Fの再生が開始され、その後、期間tの経過後に、セリフ音声Lの再生が開始される具体例を示す。以上の場合、音源IC431は、契機Xでセリフ音声Fをチャンネルchxで再生する。また、音源IC431は、セリフ音声Fが終了した後の契機Yで、セリフ音声Lを再生する。具体的には、音源IC431は、セリフ音声Fを再生したチャンネルchxでセリフ音声Lを再生する。以上の構成では、セリフ音声Fとセリフ音声Lとが同じチャンネルchxで再生される。
【0424】
図60(b)は、セリフ音声Fの再生が開始され、その後、期間tの経過前に、セリフ音声Lの再生が開始される具体例を示す。以上の場合でも、
図60(a)の具体例と同様に、音源IC431は、契機Xでセリフ音声Fをチャンネルchxで再生し、契機Yでセリフ音声Lをチャンネルchxで再生する。すなわち、セリフ音声Fとセリフ音声Lとの双方の音声が共通のチャンネルchxで再生される。音源IC431は、チャンネルchxでセリフ音声Fを再生している期間tに、セリフ音声Lの再生が指示された場合、セリフ音声Fに替えてセリフ音声Lをチャンネルchxで再生する。以上の構成では、セリフ音声Fが途中で停止され、セリフ音声Lの再生が開始される。したがって、セリフ音声Fとセリフ音声Lとが混合しないため、各セリフ音声が聞こえ難くなる不都合が抑制される。なお、
図60では、セリフ音声Fが再生された次回の遊技でセリフ音声Lが再生される場合を示したが、セリフ音声Fとセリフ音声Lとが同じ遊技で再生されてもよい。例えば、第1停止操作を契機にセリフ音声Fが再生され、第3停止操作でセリフ音声Lが再生される構成としてもよい。
【0425】
(3)以上の各形態において、本発明の「特定演出」の一例としてセリフ演出を例示したが、他の演出を採用してもよい。また、特定演出に応じた音響として、吹出し効果音とセリフ音声とを例示したが、他の演出音を採用してもよい。
【0426】
(4)サブ制御基板400の構成は、上述の各形態に限定されない。
図61は、変形例におけるサブ制御基板400の構成を説明するための図である。変形例のサブ制御基板400は、画像制御CPU421を具備しない点において、上述した各形態と相違する。
【0427】
具体的には、
図61に示すように、変形例のサブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含んで構成される。演出制御基板410は、第1実施形態と同様に、サブCPU412とサブROM413とサブRAM414と具備する。また、サウンド基板430は、音源ROM432と音源IC431とを具備する。
【0428】
画像制御基板420は、画像制御ROM422とRAM425とVDP423とを含んで構成される。すなわち、変形例の画像制御基板420は、画像制御CPU421を具備しない点において、第1実施形態と相違する。以上の構成において、音源IC431は、サブCPU412により制御される。具体的には、変形例のサブCPU412は、音出力要求コマンドZを音源IC431に出力し、音源IC431は、当該音出力要求コマンドZに応じて各音響を再生する。また、サブCPU412は、VDP423を制御して、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。
【0429】
以上の変形例においても、上述の各形態と同様な効果を奏することができる。なお、サブCPU412が音源IC431を制御する構成において、画像制御CPU421を具備する構成としてもよい。以上の構成では、VDP423は、画像制御CPU421により制御される。また、サブ制御基板400を複数の基板で構成してもよいし、単一の基板で構成してもよい。さらに、変形例において、各ランプを制御するCPUをサブCPU412とは別に設ける構成としてもよい。
【0430】
(5)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。
【0431】
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
【0432】
本発明の遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄の組合せを停止表示する可変表示手段(各リール12)と、遊技者の操作を受付けて遊技を開始させる遊技開始手段(S103−6)と、遊技が開始された場合に、複数種類の当選役の何れかを抽選により決定する内部抽選手段(S106−1)と、図柄を停止させる場合に遊技者により操作される停止操作手段(各停止ボタン25)と、可変表示手段に停止表示された図柄の組合せを判定する入賞判定手段(S110)と、可変表示手段
の図柄を遊技が開始された場合に変動表示し、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作手段に対する遊技者の操作態様とに応じ
て図柄を停止させる図柄変動制御手段(S109)と、特定演出(セリフ演出)を実行する演出実行手段(液晶表示装置30、スピーカー31、32)と、特定演出が実行される遊技において
再生条件が成立した場合、当該特定演出に応じた音響を再生する音処理手段(音源IC431)とを具備し、音処理手段は、音響の再生中に新たな遊技が開始された場合であって、特定演出が新たな遊技でも実行される場合、再生中の音響を停止し、特定演出が新たな遊技では実行されない場合、再生中の音響の再生を継続
し、音響は、第1群に属する複数の第1音響と第1群に属さず第2群に属する複数の第2音響とを含み、演出実行手段は、特定演出が実行される遊技のうち、再生条件の成立で第1音響が再生される遊技では、複数の第1音響の何れかが再生される旨の第1報知を、再生条件が成立する前に開始可能であるとともに、再生条件の成立で第2音響が再生される遊技では、複数の第2音響の何れかが再生される旨の第2報知を、再生条件が成立する前に開始可能であることを特徴とする。
【0433】
以上の本発明の構成によれば、特定演出の音響の再生中に新たな遊技が開始された場合であって、予め定められた演出が新たな遊技で実行される場合は、特定演出の音響が停止される。したがって、新たな遊技で実行される予め定められた演出の音響は、前回の遊技における特定演出の音響と混合しないため、各演出の音響が聞こえ難くなる不都合が抑制される。また、本発明の構成によれば、特定演出の音響の再生中に新たな遊技が開始された場合であって、予め定められた演出が新たな遊技で実行されない場合は、特定演出の音響の再生が継続される。したがって、例えば、新たな遊技の開始時に一律に特定演出の音響が停止される構成と比較して、特定演出の音響が最後まで再生されやすくなる。