(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年高齢化が進むにつれて、歯の健康への関心が高まり、適切にブラッシングすることで歯の健康を保つことが奨励されている。しかし、歯ブラシにおいては、ハンドルに装飾を施す等手の込んだものが主流となっており、低価格化が進んでいない。歯ブラシは、毛束の毛先が曲がったものは歯周ポケットの掃除等に適していないため、毛先が曲がったら早期に交換する必要があるが、経済面や環境への配慮からハンドル毎短期間で交換することに抵抗を感じる使用者は少なくない。そのため、歯ブラシの交換によって生じるコストを低減することが急務となっている。
【0005】
しかしながら、上記の従来の製造方法では、植毛工程でハンドルを1本ずつ植毛装置の植毛台にセットしなければならず、手間がかかり、コストが高くなっている。一方、機械によって自動でセットする場合には、機械の稼働コストに見合った製造ロット数が必要となり、小ロットの製造には向いていない。また、自動化されても、1本ずつセットすることには変わりがないので、時間のロスは依然として発生する。
【0006】
また、歯ブラシのゲート切断工程では、ゲートを切断した後に、その跡が残るため、仕上げ処理が必要となるが、仕上げ処理は使用者がブラッシングをする際にその部分が不快感を与えないように細心な注意を払わなければならず、手間がかかり、コストが高くなる要因の一つとなっている。
【0007】
また、包装工程でも一本ずつ包装しているため、1本毎の包装コストが高くなっている。複数本のセットで消費者に提供される場合も、台紙等に1本1本セットしているため、コスト削減にはつながっていない。
【0008】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのもので、歯ブラシの製造コストの低減ないし歯ブラシの交換コストの低減が可能な歯ブラシの製造方法及び歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係る歯ブラシの製造方法は、毛束と前記毛束が植設される基台とを含む歯ブラシの製造方法であって、複数の前記基台を含む基台群ユニットを形成する基台成形工程と、前記基台群ユニットに前記毛束を植設してブラシ群ユニットを形成する植毛工程と、を含む。
【0010】
また、前記基台成形工程では、複数の前記基台が連結部によって連結されて前記基台群ユニットが形成され、前記植毛工程では、前記基台群ユニットに前記毛束を植設して、前記ブラシ群ユニットを形成してもよい。
【0011】
また、前記ブラシ群ユニットのゲート部を切断するゲート切断工程を含んでもよい。
【0012】
また、前記ゲート部の切断を容易にするための切断部を形成する切断部形成工程を含んでもよい。
【0013】
また、切断された前記ゲート部の切断残部を処理する切断残部処理工程を含んでもよい。
【0014】
また、前記基台は、前記歯ブラシの把持部に着脱可能に接続されるブラシ台であり、前記基台成形工程では、前記基台である前記ブラシ台を含む前記基台群ユニットを形成してもよい。
【0015】
また、前記ブラシ台は、ブラシ側接続部を含み、前記基台成形工程では、前記ブラシ側接続部にゲートを設けて前記基台群ユニットを形成してもよい。
【0016】
また、前記把持部には、切断された前記ゲート部の切断残部を収納するための残部収納部が形成されてもよい。
【0017】
また、前記基台は、前記歯ブラシの本体であり、前記基台成形工程では、前記基台である前記本体を含む前記基台群ユニットを形成してもよい。
【0018】
また、前記基台は、前記歯ブラシの本体であり、前記基台成形工程では、前記基台である前記本体を含む前記基台群ユニットを形成し、前記基台成形工程では、前記本体のくびれ部分であるネックにゲートを設けて前記基台群ユニットを形成し、前記切断残部処理工程では、前記ネックに輪状部を取り付けることによって、切断された前記ゲート部の切断残部を処理してもよい。
【0019】
また、前記基台成形工程では、前記ブラシ群ユニットを保護するための保護部を含む前記基台群ユニットを形成してもよい。
【0020】
また、前記植毛工程では、複数の植毛ヘッドを有する植毛機械により、複数の前記基台に同時に植毛を行ってもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係るブラシ群ユニットは、上記に記載の歯ブラシの製造方法によって製造されたものである。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係る歯ブラシは、上記に記載の歯ブラシの製造方法によって製造されたものである。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係る歯ブラシの第1の部材は、第1の部材と第2の部材を嵌め合わせて使用される歯ブラシの第1の部材であって、当該第1の部材の形成時のゲート部の一部が残存した切断残存部が、前記第2の部材との嵌め合い部分に収まる位置にある。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の一の態様に係る歯ブラシは、少なくとも2つの部材を嵌め合わせてなる歯ブラシであって、形成時のゲート部の一部が残存した切断残存部が、嵌め合い部分に収まる位置にある。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、歯ブラシの製造コストの低減ないし歯ブラシの交換コストの低減が可能な歯ブラシの製造方法及び歯ブラシを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の例を説明する。本願においては、各構成部分の説明に当たり、歯ブラシの全体の長手(長さ)方向を「長手方向」とし、歯ブラシ全体の短手方向を「幅方向」とする。また、歯ブラシの植毛面側の面を「正面」とし、その対向面を「背面」とし、その間の面を「側面」とする。また、正面の方向を「上方」とし、裏面方向を「下方」とする。
【0028】
<実施形態1>
図1は実施形態1に係る歯ブラシ1の一例を説明するための図で、
図1(a)は歯ブラシ1を示す図、
図1(b)は歯ブラシ1のブラシ部10を説明するための図、
図1(c)はブラシ部10と把持部13が分離された状態を説明するための図である。
図2は歯ブラシ1の製造方法の一例を説明するための図である。
図3は実施形態1に係る歯ブラシ1の製造方法の他の例を説明するための図である。
【0029】
<歯ブラシ>
歯ブラシ1は、毛束11及び毛束11が植設される基台であるブラシ台12を含むブラシ部10と、ブラシ部10が着脱可能に接続される把持部13と、を含む。
【0030】
毛束11には、ナイロンやポリエステル等の樹脂素材又は天然素材の用毛を用いることができる。また、これらを2種以上組み合わせたものを用いてもよい。
【0031】
ブラシ台12は、ヘッド121と、ネック122と、ブラシ側接続部123と、を含む。ヘッド121は、毛束11が植設される部分であり、正面と裏面が広く、側面が狭い扁平な形状に形成される。ネック122は、ヘッド121に延設される部分で、一例として、ヘッド121より狭く形成される。
【0032】
ブラシ側接続部123は、把持部13の把持側接続部131に着脱可能に接続される部分である。好ましくは、ブラシ側接続部123は、ネック122から突出した棒状に形成される。また、把持側接続部131は、長手方向にブラシ側接続部123を挿入するための接続孔132が設けられる。
【0033】
一例として、ブラシ部10と把持部13とは、ブラシ側接続部123に長手方向に延びる凸部を設け、対応して把持側接続部131の接続孔132の内壁に長手方向に延びる凹部を設けて、両者を凸部と凹部をあわせて嵌合させることによって、接続させることができる。
【0034】
歯ブラシ1は、ブラシ部10を把持部13に接続した状態で使用者に提供されてもよいし、使用者が自ら組み立てるように接続されていない状態で使用者に提供されてもよい。また、取り替え用として、ブラシ部10単体を使用者に提供してもよい。
【0035】
<製造方法>
図2は、歯ブラシ1の製造方法の一例を説明するための図で、
図2(a)は基台成形工程、
図2(b)は植毛工程、
図2(c)はゲート切断工程、
図2(d)はゲート切断残部処理工程を説明するための図である。ここでは、ブラシ部10を中心に説明し、把持部13は、従来の製造方法によって製造するものとする。また、上記のように組立は使用者によって行われてよいため、ここでは説明を省略する。
【0036】
基台成形工程では、射出成形機(図示せず)及び金型(図示せず)を用いて例えば合成樹脂を射出成形することによって、複数の基台12を含む基台群ユニット(以下、「基台シート」ともいう)100が得られる。具体的には、射出成形機のノズルから溶融した合成樹脂が金型に射出され、射出された合成樹脂がスプルー、ランナー、ゲートを通って、キャビティ内に流れ込み、これが冷却・固化した後に金型から取り出されて、基台シート100が得られる。
【0037】
基台シート100は、複数の基台12(ブラシ台12)が、二次元方向に連なりシート状に形成される。一例として、基台シート100は、
図2(a)に示すように、1列4本の基台12を含む。また、複数の基台12は、連結部101によって連結されて、基台シート100をシート状に構成する。
【0038】
好ましくは、連結部101は、ランナーに残留した合成樹脂が冷却・固化して形成されたランナー部で構成される。また、スプルー、ゲートに残留した合成樹脂が冷却・固化して形成された部分も、それぞれスプルー部102及びゲート部103として、基台シート100に含まれる。
【0039】
植毛工程では、基台成形工程で得られた基台シート100に、植毛機械(図示せず)を用いて毛束を植設してブラシ群ユニット(以下、「ブラシシート」ともいう)110が得られる。
【0040】
まず、基台シート100を植毛機械の植毛台にセットする。ここでは、基台シート100は、複数の基台を含んでシート状に形成されているため、一回の作業で複数の基台をセットすることができ、作業工数を低減することができる。
【0041】
次に、植毛機械を用いて、二つ折りにした毛束に平線Hを挟んで基台12の毛束孔124に順に植設する。ここでは、基台シート100における各基台12が所定の方向で近接して配置されているため、複数の基台12への植毛作業をまとめて行うことができる。一例として、植毛機械の植毛可能範囲がMである場合、植毛機械は、この植毛可能範囲内の各基台12に順に植毛することとなり、作業効率が向上する。
【0042】
基台シート100に含まれる基台12の数は、植毛機械の植毛可能範囲、ヘッド121の大きさ、植設される毛束11の数等に応じて設定することができる。例えば、
図3(a)、
図3(b)に示すようにヘッド121を対向して配置した2列8本の基台12を含むようにしてもよい。
【0043】
ゲート切断工程では、植毛工程で得られたブラシシート110を、ゲート部103を切断して処理前ブラシ部10が得られる。ここでは、ブラシシート110に含まれるブラシ部10が近接して同様な方向に配置されているため、切断用具や治具等を用いて一回の切断作業で切断することができ、作業工数を低減することができる。
【0044】
ゲート切断残部処理工程では、ゲート切断工程で得られた処理前ブラシ部10を、ゲートの切断残部を仕上げすることによってブラシ部10が得られる。
【0045】
<実施形態1の変形例1>
図4は実施形態1の変形例1に係る歯ブラシ1aを説明するための図で、
図4(a)はその一例、
図4(b)はその一例におけるブラシ部10aと把持部13aが分離された状態を説明するための図、
図4(c)は他の一例を示す図である。
【0046】
<歯ブラシ>
歯ブラシ1aは、ブラシ部10aと、ブラシ部10aが着脱可能に接続される把持部13aと、を含む。
【0047】
ブラシ部10aは、ブラシ側接続部123aに切断残部125aを含む。切断残部125aは後述のようにゲート切断工程におけるゲート部の切断残部である。
【0048】
把持部13aは、把持側接続部131aに残部収納部133aを含む。残部収納部133aは、接続孔132から長手方向に延伸して形成される。一例として、残部収納部133aは、
図6(b)に示すようにドーム状に形成されてもよいし、
図6(c)に示すように接続孔132から縮径して形成され、把持側接続部131aに段差が形成されるように形成されてもよい。
【0049】
<製造方法>
図5は実施形態1の変形例1に係る製造方法(成形工程)における基台シート100aを説明するための図である。実施形態1に係る基台シート100と異なり、基台シート100aは、ゲートがヘッド121側ではなく、ブラシ側接続部123a側に形成される。
【0050】
基台シート100aは、
図5(a)に示すように、1列4本に成形されてもよいし、
図5(b)に示すように2列8本に成形されてもよい。
【0051】
ブラシ側接続部123aは、前述のように把持部側接続部131aに挿入され、切断残部125aは残部収納部133aに収納される。そのため、ブラシ側接続部123aに残る切断残部を仕上げる必要がなくなる。すなわち、基台シート100aによれば、切断残部処理工程を省略することができる。
【0052】
さらに、ゲート切断工程を省略することもできる。具体的には、ゲートがブラシ側接続部123aに設けられ、ブラシ側接続部123aが使用状態では把持部13aに隠れる(収納)される)ため、ゲートの切断作業は精度が低いものでもよく、熟練した作業者でなくても行うことができる。また、切断作業自体も切断用具があれば、容易に行われるものである。従って、ゲート切断前のブラシ部、即ちブラシシートの状態で使用者に提供し、使用者自ら切断して使用することができる。これによって、コストをさらに低減し、使用者にさらに低価格のブラシ部を提供することができる。
【0053】
また、ここでは、使用者による切断作業を容易にするための切断部形成工程を含んでもよい。一例として、
図6(a)に示すように、治具の刃Nで切込みを形成して切断部126aとしてもよいし、くびれ部分を設けて切断部126aとしてもよく、
図6(b)に示すように両段差部の間にくびれ部分を設けて切断部126aとしてもよい。切断部形成工程は、基台成形工程と共通するものでもよいし、別途設けてもよい。
【0054】
<実施形態1の変形例2>
図7は、実施形態1の変形例2に係る歯ブラシ、より具体的には、ブラシシート110bを説明するための図である。図示のように、ブラシシート110bは、保護部104bを含む。好ましくは、保護部104bは、成形時におけるランナー部分で形成される。すなわち、ここでは、基台成形工程で、保護部104bが形成されるように、三次元方向に嵩高くランナーを形成できる。言い換えれば、成形工程でブラシシート110bを保護するための保護部104bを含む基台シートを形成することができる。
【0055】
保護部104bを設けることによって、一例として、図示のように袋Pで包装した際に、保護部104bが枠組みを形成してブラシシート110bを保護することができる。このようにして、輸送や展示時におけるブラシ部保護機能付きパッケージを安価で構成することができる。なお、ここに示す保護部104bの形状は、一例であり、他の形状に形成されてもよいことは、言うまでもない。
【0056】
<実施形態2>
図8は、実施形態2に係る歯ブラシ2を説明するための図である。
図9は歯ブラシ2の製造方法を説明するための図で、
図9(a)は基台成形工程、
図9(b)は植毛工程、
図9(c)はゲート切断工程、
図9(d)は切断残部処理工程を説明するための図である。
【0057】
歯ブラシ2は、毛束21と、毛束21が植設される基台である本体22と、本体22に取り付けられる環状部23とを含む。
【0058】
本体22は、ヘッド221、ヘッド側ネック222、把持部223、末端側ネック224、末端部225を含み、これらの部分が一体に形成される。
【0059】
ヘッド側ネック222は、ヘッド221と把持部223との間の部分でこれらの部分よりも細く、くびれ状に形成される。また、末端側ネック224は、把持部223と末端部225との間の部分でこれらの部分よりも細く、くびれ状に形成される。なお、歯ブラシ2は、ヘッド側ネック222又は末端側ネック224の一方のみを含んでもよい。
【0060】
環状部23は、ゴム、樹脂等を用いることができ、ある程度の伸縮性のある素材であることが望ましい。図示の歯ブラシ2は、二つの環状部23を含み、それぞれヘッド側ネック222及び末端側ネック224に取り付けられている。歯ブラシ2に、ヘッド側ネック222又は末端側ネック224の一方のみが含まれる場合は、環状部23も1つであることは、言うまでもない。
【0061】
<製造方法>
基台成形工程では、射出成形機(図示せず)及び金型(図示せず)を用いて例えば合成樹脂を射出成形することによって、複数の基台22を含む基台シート200が得られる。具体的には、射出成形機のノズルから溶融した合成樹脂が金型に射出され、射出された合成樹脂がスプルー、ランナー、ゲートを通って、キャビティ内に流れ込み、これが冷却・固化した後に金型から取りだされて、基台シート200が得られる。
【0062】
基台シート200は、複数の基台22(本体22)を含んでシート状に形成される。一例として、基台シート200は、
図9(a)に示すように、1列6本の基台22を含む。また、複数の基台22は、連結部201によって連結されて、基台シート200をシート状に構成する。
【0063】
好ましくは、連結部201は、ランナーに残留した合成樹脂が冷却・固化して形成されたランナー部で構成される。また、スプルー、ゲートに残留した合成樹脂が冷却・固化して形成された部分も、それぞれスプルー部202及びゲート部203として、基台シート200に含まれる。
【0064】
また、本実施形態では、基台22のくびれ部分であるネック(ヘッド側ネック222及び末端側ネック224)にゲートを設けて基台シート200が形成される。
【0065】
植毛工程では、基台成形工程で得られた基台シート200に、植毛機械(図示せず)を用いて毛束を植設してブラシシート210が得られる。
【0066】
まず、基台シート200を植毛機械の植毛台にセットする。ここでは、基台シート200は、複数の基台を含んでシート状に形成されているため、一回の作業で複数の基台をセットすることができ、作業工数を低減することができる。
【0067】
次に、植毛機械を用いて、植毛作業を行うが、ここでは、基台シート200における各基台22が所定の方向で近接して配置されているため、複数の基台22への植毛作業をまとめて行うことができる。一例として、植毛機械の植毛可能範囲がMである場合、植毛機械は、この植毛可能範囲内の各基台22に順に植毛することとなり、作業効率が向上する。
【0068】
基台シート200に含まれる基台22の数は、植毛機械の植毛可能範囲、ヘッド221の大きさ、植設される毛束21の数等に応じて設定することができる。
【0069】
ゲートの切断工程では、植毛工程で得られたブラシシート210を、ゲート部203を切断して処理前歯ブラシ2が得られる。
【0070】
切断残部処理工程では、ゲート切断工程で得られた処理前歯ブラシ2のネックに、環状部23を取り付けることによって、歯ブラシ2が得られる。ここでは、環状部23で覆うだけなので、簡単に作業を終えることができ、作業工数を低減することができる。
【0071】
以上、本発明に係る歯ブラシの実施形態について説明したが、これらは本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、以上の各実施形態を組み合わせた形態や、様々な変形例が含まれる。
【0072】
基台群ユニット、ブラシ群ユニットは平面状のものに限定されない。まとめて植設できる特徴を生かせれば、植毛機械の特性に応じて、適宜、形状を変更することができる。例えば、全体として湾曲していてもよい。基台は、平行に並んで連結していなくても良い。放射状に並んでいてもよい。
【0073】
また、植毛に用いる植毛機械は、従来の植毛機械を用いることができるが、一方で、より効率的な植毛を行うため、本発明にかかる植毛機械は、下記の構成を備えていてもよい。
本発明の一実施形態にかかる植毛機械は、複数の基台に対して、同時に植毛可能な植毛機械である。そのため、植毛前の用毛を掴んで基台に植毛する植毛ヘッドを複数備える。植毛ヘッドは、各々独立して制御されていても良いし、駆動機構が兼用されていてもよい。
例えば、複数の植毛ヘッドを備え、その駆動機構の一部を共用している。すなわち、植毛ヘッドの動作を制御する回転軸などの部材が連結されており、各植毛ヘッドは、同時に同じ動作が可能である。
【0074】
例えば、植毛機械は、3つの基台を含む1つのシートに対して、各基台に同時に植毛可能なように、3つの植毛ヘッドを備えている。