(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記結晶質形態Bが、12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1に記載の結晶質形態B。
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドと、薬学的に許容される担体、希釈剤及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加成分とを含む医薬組成物であって、前記組成物中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶質形態Bである医薬組成物。
前記医薬組成物が0.5mg〜1000mgの結晶質形態Bの4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
アンドロゲン受容体(AR)は、核内受容体スーパーファミリーのメンバーである。このファミリーのタンパク質のなかで既知の脊椎ステロイド受容体は、5種類だけであり、アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、糖質コルチコイド受容体、及び鉱質コルチコイド受容体が含まれる。ARは、細胞内転写因子として作用する可溶性タンパク質である。アンドロゲンの結合によってARの作用が律せられると、受容体の逐次的な構造変化が開始され、その結果、受容体とタンパク質との相互作用、及び受容体とDNAとの相互作用に影響が及ぶ。
【0017】
ARは主として、前立腺、骨格筋、肝臓及び中枢神経系(CNS)などのアンドロゲン標的組織内で発現し、前立腺、副腎及び精巣上体でより多い発現量が観察される。ARは、テストステロン及び5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)を含む内因性アンドロゲンの結合によって活性化され得る。
【0018】
Xq11−12上に位置するアンドロゲン受容体(AR)は、アンドロゲンにより活性化されると即座に、前立腺上皮細胞の成長及び分化を変調する標的遺伝子の転写を媒介する、110kDの核内受容体である。他のステロイド受容体と同様に、非結合ARは、主として細胞質内に位置し、リガンド結合領域との相互作用を介して熱ショックタンパク質(HSP)の複合体に関連付けられる。ARは、作動薬が結合すると即座に、一連の構造変化を経る。即ち、ARから熱ショックタンパク質が解離され、形質転換されたARは、二量体化、リン酸化反応、及び核内移行シグナルにより媒介される核転座が遂行される。次いで、転座した受容体はアンドロゲン応答要素(ARE)と結合する。このAREは、3つの無作為ヌクレオチドによって離隔された6ヌクレオチド半部位コンセンサス配列5’−TGTTCT−3’により特徴付けられ、AR遺伝子標的のプロモーター領域又はエンハンサー領域に位置する。他の転写共調整因子(補活性化因子及び抑制補体を含む)並びに転写機構の補強によって、ARで制御された遺伝子発現における転写促進が更に保証される。これら全てのプロセスは、リガンド結合ドメインにおけるリガンド誘発の構造変化により開始される。
【0019】
機能喪失のAR突然変異を保因する遺伝的雄性、及びAR欠損で操作されたマウスには前立腺の成長又は前立腺癌の発症がないことから、ARシグナル伝達は、前立腺をはじめとする男性生殖器の成長及び維持に不可欠とされている。このようなARシグナル伝達に対する前立腺細胞の依存は、悪性形質転換の際でさえ継続する。(GnRH作動薬を使用して)アンドロゲンを枯渇させることは、依然として前立腺癌治療の主柱となっている。しかしながら、通常はアンドロゲンの枯渇の有効持続期間が制限されるため、循環性アンドロゲンレベルが低い場合でも、前立腺癌が進行して成長能力を回復することになる。去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対する治療の選択肢は限られるため、ドセタキセル及び酢酸アビラテロン(CYP17阻害剤)は、生存を長引かせることが証明されてきた薬剤となっている。興味深いことに、ごく少数のCRPCは、ARシグナル伝達の要件を迂回するのに対し、しばしば「アンドロゲン非依存性前立腺癌」又は「ホルモン不応性前立腺癌」と呼ばれる大半のCRPCは、ARシグナル伝達に対するその系統依存性を保持する。
【0020】
前立腺癌は、米国において男性の癌の死亡原因の2位を占めており、米国人男性6人中の約1人が一生涯に患うと診断される疾患でもある。この腫瘍の根絶を目的とした治療は、再発性疾患を発症する男性の30%において不成功に終わっている。再発性疾患は、当初にプラズマ前立腺特異抗原(PSA)の上昇として顕在化し、次いで遠隔部位に広がるのが一般的であるためである。これらの男性は、前立腺癌細胞の増殖及び生存がアンドロゲン受容体(AR)に依存していることを想定し、テストステロンの生成を阻止する薬剤(例えば、GnRH作動薬)を単独で使用するか、又は残留テストステロンの効果を拮抗する抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド)と併用して治療を受けている。このアプローチは、視認性の腫瘍(存在する場合)のPSA値の低下及び回帰によって証明されているように功を奏するが、後に、最終的には大部分の患者が屈する「去勢抵抗性」前立腺癌(CRPC)として再生してしまう。CRPCの分子的機序に関する最近の研究によって、CRPCがARシグナル伝達への依存を続けることと、ARタンパク質の濃度上昇が獲得抵抗性の主要メカニズムであることが実証されてきた(Nat.Med,2004,10,33〜39)。ホルモン感受性及び抵抗性去勢抵抗性前立腺癌において活性を有するAR標的薬剤は、この致命的な疾患の治療に非常に有望であるとされている。
【0021】
抗アンドロゲンは、前立腺癌の初期ステージにおける治療に有用である。しかしながら、前立腺癌はホルモン不応性状態に進行し、アンドロゲンの継続的除去又は抗アンドロゲン療法の存在下で疾患が進展することもしばしばである。抗アンドロゲン禁断症候群の事例もまた、抗アンドロゲンを用いた長期治療後に報告された。抗アンドロゲン禁断症候群は一般的に、臨床的に観察され、抗アンドロゲン治療を中断した場合の腫瘍退縮又は症状緩和が観測されるという観点から定義される。ARの突然変異は、受容体に混乱を来たすと共に、これらの抗アンドロゲン剤に作動薬活性能を与えるため、少なくとも幾分かはこの現象が起こる原因になり得る。例えば、ヒドロキシフルタミド及びビカルタミドはそれぞれ、T877A及びW741L/W741C AR変異体においてAR作動薬として作用する。
【0022】
ARが過剰発現したため前立腺癌細胞が「去勢抵抗性」となった状況においては、特定の抗アンドロゲン化合物(例えばビカルタミド)が拮抗薬活性を全く有さず、代わりに中等度の作動薬活性を有することが実証されてきた(Science,2009 May 8;324(5928):787〜790)。この作動薬の活性は、AR拮抗薬での療法中に増悪を認める男性の約30%が治療を中断したときに血清PSAの減少を体験している抗アンドロゲン禁断症候群と呼ばれる臨床観察を明らかにするうえで一役かっている(J Clin Oncol,1993.11(8):p.1566〜72)。
【0023】
前立腺癌の発症及び進行にARが中心的役割を担っていることを想定すると、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、前立腺癌の治療に有用であるといえる。
【0024】
AR関連の疾患又は病状としては、これらに限定されないが、良性前立腺肥大症、多毛症、座瘡、前立腺の腺腫及び異常増殖、アンドロゲン受容体を含む良性又は悪性腫瘍細胞、過剰発毛(hyperpilosity)、脂漏症、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、アンドロゲン性脱毛症、性腺機能低下症、骨粗鬆症、精子形成及びリビドーの抑制、カヘキシー(cachexia)、食欲不振、加齢によるテストステロン値降下に付随するアンドロゲンの補充、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、子宮癌、顔面紅潮、ケネディ病による筋萎縮及び虚弱、皮膚萎縮、骨欠損、貧血、動脈硬化症、心臓血管疾患、消耗感、幸福感喪失、2型糖尿病、並びに腹部の脂肪蓄積が挙げられる。
【0025】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、AR核内移行、及びDNA中のアンドロゲン応答要素へのARの結合の両方を阻害する、アンドロゲン受容体変調剤である。重要なことに、このアンドロゲン受容体変調剤は、第一世代の抗アンドロゲンであるビカルタミドとは対照的に、アンドロゲン受容体を過剰発現する前立腺癌細胞において作動薬活性を全く呈さず、前立腺癌疾患状態のスペクトル全体にわたって単独療法又は併用療法のいずれか一方として十分好適である。
【0026】
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、これまで化学療法を受けていない哺乳動物に対し前立腺癌の治療を施すために用いられる。
【0027】
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、哺乳動物における前立腺癌の治療に用いられ、ここで、哺乳動物に前立腺癌の治療には少なくとも1つの抗癌剤が用いられる。一実施形態において、前立腺癌はホルモン耐性の前立腺癌である。一実施形態において、前立腺癌はビカルタミド耐性の前立腺癌である。
【0028】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、及びその薬理学的に許容される塩
「4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド」は、下記の構造を有する化合物を指す。
【0030】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの薬理学的に許容される塩としては多種多様なものが考えられ、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの遊離塩基を無機酸又は有機酸と反応させることにより形成される酸付加塩も包含される。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドのそのような塩形態としては、これらに限定されないが、塩酸の塩、臭化水素酸の塩、硫酸の塩、リン酸の塩、メタリン酸の塩、酢酸の塩、プロピオン酸の塩、ヘキサン酸の塩、シクロペンタンプロピオン酸の塩、グリコール酸の塩、ピルビン酸の塩、乳酸の塩、マロン酸の塩、コハク酸の塩、リンゴ酸の塩、マレイン酸の塩、フマル酸の塩、トリフルオロ酢酸の塩、酒石酸の塩、クエン酸の塩、安息香酸の塩、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸の塩、ケイ皮酸の塩、マンデル酸の塩、メタンスルホン酸の塩、エタンスルホン酸の塩、1,2−エタン二スルホン酸の塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸の塩、ベンゼンスルホン酸の塩、トルエンスルホン酸の塩、2−ナフタレンスルホン酸の塩、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸の塩、グルコヘプトニック酸の塩、3−フェニルプロピオン酸の塩、トリメチル酢酸の塩、第三級ブチル酢酸の塩、ラウリル硫酸の塩、グルコン酸の塩、グルタミン酸の塩、ヒドロキシナフトエ酸の塩、サリチル酸の塩、ステアリン酸の塩、ムコン酸の塩、酪酸の塩、フェニル酢酸の塩、フェニル酪酸の塩、バルプロ酸の塩、及びこれらに類するものが挙げられる。
【0031】
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、本明細書に記載の医薬組成物又は方法のいずれにも用いられる。
【0032】
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの薬理学的に許容される塩は、本明細書に記載の医薬組成物又は方法のいずれにも用いられる。
【0033】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに関して「薬理学的に許容される塩」という用語は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの塩を指し、これは、投与対象の哺乳動物に対し有意な炎症を引き起こさないばかりでなく、化合物の生物学的活性及び特性を実質的に無効にしない。
【0034】
当然のことながら、薬理学的に許容される塩の言及には、溶媒付加形態(溶媒和物)が含まれる。溶媒和物には化学量論的量又は非化学量論的量の溶媒が含まれており、この溶媒は、薬理学的に許容される溶媒(例えば、水、エタノール、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘプタン、及びこれらに類するもの)で生成物を形成又は単離するプロセスにおいて形成される。一態様において、溶媒和物は、これらに限定されないがクラス3溶媒(単数又は複数)を用いて形成される。溶媒の範疇は、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH),“Impurities:Guidelines for Residual Solvents,Q3C(R3),(November 2005)に定義されている。溶媒が水である場合は水和物が形成され、あるいは溶媒がアルコールである場合はアルコレートが形成される。一実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの溶媒和物、又はその塩は、本明細書に記載のプロセスにおいて便宜的に調製されるか又は形成される。他の実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又はその塩は、非溶媒和形態で存在する。
【0035】
更に他の実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は薬理学的に許容される塩は、非晶相、破砕(milled)形態、及びナノ微粒子形態を含むがこれらに限定されない様々な形態で調製される。
【0036】
非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは非晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの非晶相は、結晶性の欠如を示すXRPDパターンを有する。
【0037】
形態A
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Aである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Aは、
(a)
図1に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.8±0.1°2−θ、7.1±0.1°2−θ、14.2±0.1°2−θ、16.3±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【0038】
【表1】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(e)吸熱開始温度が約108〜120℃でありピークが約133〜135℃であるDSCサーモグラム、
(f)
図19に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(g)約0.01mg/mLとして観測される水溶解度、
又は
(h)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0039】
幾つかの実施形態において、形態Aは、(a)〜(g)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つを、又は7つとも全て有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)を有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは特性(a)、(b)、(c)、(d)、(g)又はそれらの組み合わせを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは、(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つを、又は5つとも全て有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは特性(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)を有するものとして特徴付けられる。
【0040】
幾つかの実施形態において、形態Aは、
図1に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは、4.8±0.1°2−θ、7.1±0.1°2−θ、14.2±0.1°2−θ、16.3±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Aは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0041】
幾つかの実施形態において、形態Aは、−173℃で下記:
【0042】
【表2】
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するものとして特徴付けられる。
【0043】
幾つかの実施形態において、形態Aは、吸熱開始温度が約108〜120℃でありピークが約133〜135℃である、DSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0044】
幾つかの実施形態において、形態Aは、
図19に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0045】
幾つかの実施形態において、形態Aは、観測される水溶解度が約0.01mg/mLであるものとして特徴付けられる。
【0046】
幾つかの実施形態において、形態Aは、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、アセトン、メタノール、ニトロメタン、水、THFと水との混合物、又はジオキサンと水との混合物から得られる。幾つかの実施形態において、形態Aはエタノールから得られる。幾つかの実施形態において、形態Aは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Aはエタノール溶媒和物である。幾つかの実施形態において、形態Aは脱溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Aは水和物である。幾つかの実施形態において、形態Aは溶媒和された水和物である。
【0047】
形態B
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Bである。形態Bは脱溶媒和されている。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Bは、
(a)
図2に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【0048】
【表3】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)
図11に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)
図11に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(f)吸熱開始温度が約194℃であるDSCサーモグラム、
(g)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(h)25℃かつ92% RHにて12日間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(i)約0.004mg/mLとして観測される水溶解度、
又は
(j)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0049】
幾つかの実施形態において、形態Bは、(a)〜(i)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つを、又は9つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0050】
幾つかの実施形態において、形態Bは、
図2に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Bは、12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Bは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Bは、25℃かつ92% RHにて12日間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0051】
幾つかの実施形態において、形態Bは、−173℃で下記:
【0052】
【表4】
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するものとして特徴付けられる。
【0053】
幾つかの実施形態において、形態Bは、
図11に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Bは、
図11に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Bは、吸熱開始温度が約194℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0054】
幾つかの実施形態において、形態Bは、観測される水溶解度が約0.004mg/mLであるものとして特徴付けられる。
【0055】
幾つかの実施形態において、形態Bは、水、酢酸エチル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、トルエン、酢酸イソプロピル、又はメチルエチルケトン(MEK)から得られる。
【0056】
形態C
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Cである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Cは、
(a)
図3に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.3±0.1°2−θ、6.9±0.1°2−θ、9.1±0.1°2−θ、10.6±0.1°2−θ、13.8±0.1°2−θ、26.4±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)
図12に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)
図12に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約118℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
又は
(g)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0057】
幾つかの実施形態において、形態Cは、(a)〜(f)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つを、又は6つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0058】
幾つかの実施形態において、形態Cは、
図3に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Cは、4.3±0.1°2−θ、6.9±0.1°2−θ、9.1±0.1°2−θ、10.6±0.1°2−θ、13.8±0.1°2−θ、26.4±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Cは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0059】
幾つかの実施形態において、形態Cは、
図12に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Cは、
図12に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Cは、第1の吸熱開始温度が約118℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0060】
幾つかの実施形態において、形態Cは、イソプロパノール(IPA)、アニソール、又はIPAと水との混合物から得られる。幾つかの実施形態において、形態Cは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Cは、イソプロパノール溶媒和物である。
【0061】
形態D
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Dである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Dは、
(a)
図4に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)6.3±0.1°2−θ、13.9±0.1°2−θ、16.4±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、23.7±0.1°2−θ、24.8±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)
図13に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)
図13に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約122℃であり第2の吸熱開始温度が約192℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
又は
(g)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0062】
幾つかの実施形態において、形態Dは、(a)〜(f)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つを、又は6つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0063】
幾つかの実施形態において、形態Dは、
図4に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Dは、6.3±0.1°2−θ、13.9±0.1°2−θ、16.4±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、23.7±0.1°2−θ、24.8±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Dは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0064】
幾つかの実施形態において、形態Dは、
図13に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Dは、
図13に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Dは、吸熱開始温度が約122℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Dは、第1の吸熱開始温度が約122℃であり第2の吸熱開始温度が約192℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0065】
幾つかの実施形態において、形態Dはtert−ブチルメチルエーテル(TBME)から得られる。幾つかの実施形態において、形態Dは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Dはtert−ブチルメチルエーテル(TBME)溶媒和物である。
【0066】
形態E
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Eである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Eは、
(a)
図5に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.2±0.1°2−θ、11.8±0.1°2−θ、16.1±0.1°2−θ、20.5±0.1°2−θ、23.0±0.1°2−θ、25.2±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【0067】
【表5】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)
図14に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)
図14に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(f)吸熱開始温度が約116℃であるDSCサーモグラム、
又は
(g)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0068】
幾つかの実施形態において、形態Eは、(a)〜(f)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つを、又は6つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0069】
幾つかの実施形態において、形態Eは、
図5に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Eは、7.2±0.1°2−θ、11.8±0.1°2−θ、16.1±0.1°2−θ、20.5±0.1°2−θ、23.0±0.1°2−θ、25.2±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0070】
幾つかの実施形態において、形態Eは、−173℃で下記:
【0071】
【表6】
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するものとして特徴付けられる。
【0072】
幾つかの実施形態において、形態Eは、
図14に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Eは、
図14に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Eは、吸熱開始温度が約116℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0073】
幾つかの実施形態において、形態Eはジメチルスルホキシドから得られる。幾つかの実施形態において、形態Eは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Eはジメチルスルホキシド溶媒和物である。
【0074】
形態F
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Fである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Fは、
(a)
図6に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.6±0.1°2−θ、6.1±0.1°2−θ、14.3±0.1°2−θ、21.6±0.1°2−θ、22.4±0.1°2−θ、23.3±0.1°2−θ、25.5±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)
図15に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)
図15に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)吸熱開始温度が約113℃であるDSCサーモグラム、
又は
(f)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0075】
幾つかの実施形態において、形態Fは、(a)〜(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つを、又は5つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0076】
幾つかの実施形態において、形態Fは、
図6に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Fは、4.6±0.1°2−θ、6.1±0.1°2−θ、14.3±0.1°2−θ、21.6±0.1°2−θ、22.4±0.1°2−θ、23.3±0.1°2−θ、25.5±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0077】
幾つかの実施形態において、形態Fは、
図15に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Fは、
図15に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Fは、吸熱開始温度が約113℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0078】
幾つかの実施形態において、形態Fはアセトンと水との混合物から得られる。
【0079】
形態G
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Gである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Gは、
(a)
図7に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.0±0.1°2−θ、10.3±0.1°2−θ、14.1±0.1°2−θ、15.2±0.1°2−θ、23.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【0080】
【表7】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)
図16に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約101℃であり第2の吸熱開始温度が約190℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
又は
(g)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0081】
幾つかの実施形態において、形態Gは、(a)〜(f)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つを、又は6つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0082】
幾つかの実施形態において、形態Gは、
図7に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Gは、7.0±0.1°2−θ、10.3±0.1°2−θ、14.1±0.1°2−θ、15.2±0.1°2−θ、23.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0083】
幾つかの実施形態において、形態Gは、−173℃で下記:
【0084】
【表8】
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するものとして特徴付けられる。
【0085】
幾つかの実施形態において、形態Gは、
図16に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Gは、吸熱開始温度が約101℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Gは、第1の吸熱開始温度が約101℃であり第2の吸熱開始温度が約190℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0086】
幾つかの実施形態において、形態Gは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0087】
幾つかの実施形態において、形態Gは2−メトキシエタノールから得られる。幾つかの実施形態において、形態Gは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Gは2−メトキシエタノール溶媒和物である。
【0088】
形態H
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Hである。形態Hは脱溶媒和されている。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Hは、
(a)
図8に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)8.0±0.1°2−θ、14.7±0.1°2−θ、15.9±0.1°2−θ、18.2±0.1°2−θ、25.7±0.1°2−θ、26.7±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)
図17に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)
図17に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約173℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
又は
(g)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0089】
幾つかの実施形態において、形態Hは、(a)〜(f)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つを、又は6つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0090】
幾つかの実施形態において、形態Hは、
図8に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Hは、8.0±0.1°2−θ、14.7±0.1°2−θ、15.9±0.1°2−θ、18.2±0.1°2−θ、25.7±0.1°2−θ、26.7±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Hは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0091】
幾つかの実施形態において、形態Hは、
図17に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Hは、
図17に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Hは、第1の吸熱開始温度が約173℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0092】
幾つかの実施形態において、形態Hは酢酸エチルから得られる。
【0093】
形態I
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Iである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Iは、
(a)
図9に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.7±0.1°2−θ、10.4±0.1°2−θ、11.6±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、20.0±0.1°2−θ、20.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
又は
(c)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0094】
幾つかの実施形態において、形態Iは、少なくとも特性(a)及び特性(b)を有するものとして特徴付けられる。
【0095】
幾つかの実施形態において、形態Iは、
図9に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Iは、7.7±0.1°2−θ、10.4±0.1°2−θ、11.6±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、20.0±0.1°2−θ、20.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0096】
幾つかの実施形態において、形態Iはジメチルスルホキシドから得られる。
【0097】
形態J
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは結晶質である。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは形態Jである。4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの形態Jは、
(a)
図10に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)8.6±0.1°2−θ、19.3±0.1°2−θ、20.8±0.1°2−θ、24.3±0.1°2−θ、27.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)
図18に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)
図18に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約104℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、
又は
(f)それらの組み合わせ、
を有するものとして特徴付けられる。
【0098】
幾つかの実施形態において、形態Jは、(a)〜(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つを、又は少なくとも5つとも全て有するものとして特徴付けられる。
【0099】
幾つかの実施形態において、形態Jは、
図10に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Jは、8.6±0.1°2−θ、19.3±0.1°2−θ、20.8±0.1°2−θ、24.3±0.1°2−θ、27.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有するものとして特徴付けられる。
【0100】
幾つかの実施形態において、形態Jは、
図18に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Jは、
図18に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Jは、吸熱開始温度が約104℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。幾つかの実施形態において、形態Jは、第1の吸熱開始温度が約104℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラムを有するものとして特徴付けられる。
【0101】
幾つかの実施形態において、形態Jはアセトンと水との混合物から得られる。幾つかの実施形態において、形態Jは溶媒和されている。幾つかの実施形態において、形態Jは、アセトン溶媒和物である。
【0102】
結晶質形態の調製
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態は、実施例に概説されているように調製される。本明細書に提示されている溶媒、温度及びその他の反応条件は変動し得ることに留意されたい。
【0103】
好適な溶媒
ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療剤は、規制ガイドラインに従って調製する必要がある。そのような政府が規制するガイドラインは優良製造規範(GMP)と呼ばれる。GMPガイドラインには、例えば、最終生成物中の残留溶媒の量など、活性な治療剤の許容可能な汚染レベルが概説されている。好ましい溶媒は、GMP設備での使用に適し、かつ工業上の安全上の懸念と一貫性を持つものである。溶媒の範疇は、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH),「Impurities:Guidelines for Residual Solvents,Q3C(R3),(November 2005)に規定されている。
【0104】
溶媒は、3つのクラスに分類される。クラス1溶媒は毒性であり、回避すべきである。クラス2溶媒は、治療剤の製造中に使用を制限すべき溶媒である。クラス3溶媒は、毒性の可能性が低く、ヒトの健康に対する危険性の低い溶媒である。クラス3溶媒のデータは、これらの溶媒が急性又は短期間の研究において毒性が低く、遺伝子毒性の研究において陰性であることを示唆するものである。
【0105】
回避すべきクラス1溶媒としては、ベンゼン;四塩化炭素;1,2−ジクロロエタン;1,1−ジクロロエテン;及び1,1,1−トリクロロエタンが挙げられる。
【0106】
クラス2溶媒の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテン及びキシレンである。
【0107】
毒性の低いクラス3溶媒としては、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、及びテトラヒドロフランが挙げられる。
【0108】
幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含んでなる組成物は、残留量の有機溶媒(単数又は複数)を含む。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含んでなる組成物は、検出可能な量の有機溶媒(単数又は複数)を含む。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含んでなる組成物は、残留量のクラス3溶媒を含む。幾つかの実施形態において、有機溶媒はクラス3溶媒である。幾つかの実施形態において、クラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、及びテトラヒドロフランからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、クラス3溶媒はエタノールである。
【0109】
本明細書に記載の方法及び組成物は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態の使用を含む。加えて、本明細書に記載の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態は、非溶媒和形態で存在し得るほか、水、エタノール及びこれらに類するものなどの薬理学的に許容される溶媒と共に溶媒和形態でも存在する。
【0110】
定義
本明細書において使用するとき「薬理学的に許容される賦形剤」という用語は、活性な医薬品成分(API)を哺乳動物への投与に適した形態に加工することを可能にする、担体、希釈液、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤等のような材料を指す。一態様において、哺乳動物はヒトである。薬理学的に許容される賦形剤は、化合物(即ち、API)の所望される生物学的活性、又は所望される特性を実質的に排除することなく、かつ比較的毒性のない(即ち、材料を個体に投与したとしても、望ましくない生物学的効果が引き起こされることもないし、含有される組成物の成分のいずれとも有害な様式にて相互作用することもない)材料を指す。
【0111】
「活性な医薬品成分」、即ち、APIは、所望される生物学的活性又は所望される特性を持つ化合物を指す。幾つかの実施形態において、APIは、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。幾つかの実施形態において、APIは、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。幾つかの実施形態において、APIの純度は、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超である。
【0112】
用語「医薬組成物」は、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は薬理学的に許容される塩、及び/若しくはその溶媒和物と他の化学成分(例えば、担体、安定化剤、希釈液、分粉末、懸濁剤、増粘剤、賦形剤など)との混合物を指す。医薬組成物は、哺乳動物に対する化合物の投与を促進する。
【0113】
本明細書において使用するとき、薬剤の併用投与は、単一組成物療法又は併用療法に記載される薬剤の投与を含み、ここで1つ以上の薬剤は、少なくとも1つの他の薬剤とは別個に投与される。
【0114】
「検出可能な量」とは、標準の分析方法(例えば、イオンクロマトグラフィ、質量分析、NMR、HPLC、ガスクロマトグラフィ、元素分析、IR分光法、誘導結合プラズマ原子放出分光法、USP<231>Method II等)(ICH guidances,Q2A Text on Validation of Analytical Procedures(March 1995)and Q2B Validation of Analytical Procedures:Methodology(November 1996))を使用して測定され得る量を指す。
【0115】
本明細書において使用されるとき、製剤、組成物又は成分に関する「許容可能な」という用語は、治療を受ける被検対象の全身の健康状態に対して永続的な有害作用を及ぼすことのないことを意味する。
【0116】
本明細書においてしようするとき「有効な量」又は「治療的に有効な量」という用語は、投与される薬剤に関して、治療対象の疾患若しくは病状の兆候のうちの1つ以上をある程度緩和するのに十分な量を指す。結果として、疾患の兆候、症状若しくは原因が減じられ、かつ/若しくは緩和されるか、又は生物系に対し他の何らかの望ましい変更が為され得る。例えば、治療的用途における「有効な量」は、本明細書に開示されている化合物を含む組成物が、疾患症状を臨床的に有意に減ずるうえで必要とされる量である。用語「治療的に有効な量」は、例えば予防学的に有効な量を含む。有効な量は、特定の患者及び疾患レベルに基づいて選択される。当然のことながら、「有効な量」又は「治療的に有効な量」は、薬物代謝の変動、年齢、体重、被験者の全身状態、治療を受ける病状、治療対象の病状の重篤さ、並びに処方医師の判断により、被験者毎に異なる。一実施形態において、任意の個々の患者における適切な「有効」量は、用量漸増試験などの技術を利用して決定される。
【0117】
本明細書において使用するとき「増強する(enhance)」又は「増強的な(enhancing)」という用語は、所望される効果の効力又は持続期間のいずれかを増大又は延長することを意味する。故に、治療剤の効果の増強に関していう用語「増強的な(enhancing)」とは、他の治療剤が、効力又は持続期間のいずれかにおいて身体に及ぼす影響を増大又は延長する能力を指す。本明細書において「増強的な有効量(enhancing-effective amount)」という用語は、所望される系において別の治療薬の効果を増強するのに十分な量を指す。
【0118】
「キット」及び「製造品」という用語は、同義語として用いられている。
【0119】
本明細書において「変調する(modulate)」という用語は、直接又は間接的に標的と相互作用することによって、標的の活性を変更する(ほんの数例を挙げれば、標的の活性を増強するか、標的の活性を阻害するか、標的の活性を制限するか、又は標的の活性を増長させるなど)ことを意味する。
【0120】
本明細書において用いられるとき、「変調剤」という用語は、直接又は間接的に標的と相互作用する分子を指す。相互作用としては、これらに限定されないが、作動薬、部分作動薬、逆作動薬、拮抗薬、劣化剤、AR輸送変調剤、AR DNA結合阻害剤の相互作用が挙げられる。幾つかの実施形態において、変調剤は拮抗薬である。幾つかの実施形態において、変調剤は、逆作動薬、拮抗薬、劣化剤、AR輸送変調剤、及び/又はDNA結合阻害剤である。
【0121】
本明細書において用いられるとき、「拮抗薬」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて核ホルモン受容体の作動薬誘発性転写活性を低減させる小分子の薬剤を指す。
【0122】
本明細書において用いられるとき、「作動薬」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて既知の作動薬なしに核ホルモン受容体の転写活性を憎大させる小分子の薬剤を指す。
【0123】
本明細書において用いられるとき、「逆作動薬」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて既知の作動薬なしに存在する核ホルモン受容体の転写活性の基礎レベルを低減する小分子の薬剤を指す。
【0124】
本明細書において用いられるとき、「劣化剤」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて前記受容体の定常状態のタンパク質レベルを低減させる小分子の薬剤を指す。
【0125】
本明細書において用いられるとき、「AR輸送変調剤」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて受容体の通常の亜細胞の位置を変更し、それによってその作用及びシグナル伝達に干渉する小分子の薬剤を指す。
【0126】
本明細書において用いられるとき、「DNA結合阻害剤」という用語は、核ホルモン受容体に結合し、続いて受容体のDNA結合を防ぎ、それによってその作用及びシグナル伝達に干渉する小分子の薬剤を指す。
【0127】
アンドロゲン受容体に関していう「選択的」は、化合物が他の核受容体よりもアンドロゲン受容体に優先的に結合することを意味する。幾つかの実施形態において、選択的なアンドロゲン受容体変調剤は優先的にアンドロゲン受容体に結合し、他の核受容体に対して皆無でないにしても殆ど親和性を呈さない。
【0128】
本明細書において用いられるとき、「癌」という用語は、制御不能な様式で増殖する傾向があり、場合によっては転移(蔓延)する細胞の異常増殖を指す。
【0129】
用語「被験者」又は「患者」には、哺乳動物が包含される。一態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、哺乳動物はヒト以外の霊長類、例えば、チンパンジー、並びに他の類人猿及びサル種である。一態様において、哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、又はブタなどの家畜である。一態様において、哺乳動物は、ウサギ、イヌ、又はネコなどの家畜である。一態様において、哺乳動物は、齧歯類(例えば、ラット、マウス及びモルモット、並びにこれらに類するもの)を含む実験動物である。
【0130】
本明細書において用いられるとき、「治療する(treat)」、「治療(treating)」、又は「処置(treatment)」という用語は、疾患若しくは病状における少なくとも1つの兆候を軽減、排除又は改善すること、更なる兆候を予防すること、疾患若しくは病状を阻害すること(例えば、疾患若しくは病状の発症を抑制すること)、疾患若しくは病状を緩和すること、疾患若しくは病状を退行させること、疾患若しくは病状によって引き起こされた病状を緩和すること、又は疾患若しくは病状の兆候を、予防的にかつ/若しくは治療的に停止させることを含む。
【0131】
医薬組成物/製剤
医薬組成物は、活性化合物を製薬的に用いられる調製物に加工するのを促進する賦形剤及び補剤を含む1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来の様式で調合される。好適な技術、担体、及び賦形剤としては、例えば、その全体が本明細書において参照により援用されるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins 1999)に見られるものが挙げられる。
【0132】
幾つかの実施形態において、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、哺乳動物に経口投与する目的で調合される。幾つかの実施形態において、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、経口投与形態に調合される。幾つかの実施形態において、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、固体の経口投与形態に調合される。幾つかの実施形態において、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、哺乳動物に経口摂取されるように錠剤、粉末、丸剤、カプセル、及びこれらに類するものに調合される。
【0133】
想到される医薬組成物によって、治療的に有効な量の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、例えば、1日1回、1日2回、1日3回といったように投与できる。一態様においては、医薬組成物によって、有効な量の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを1日1回投薬できる。
【0134】
投薬量
ある実施形態において、医薬組成物中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量は、約0.3mg〜約1.5g/用量、0.3mg〜約1g/用量、約1mg〜約1g/用量である。
【0135】
一実施形態において、医薬組成物中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量は、約1mg/用量、約5mg/用量、約10mg/用量、約15mg/用量、約30mg/用量、約45mg/用量、約60mg/用量、約100mg/用量、約150mg/用量、約200mg/用量、約300mg/用量、約400mg/用量、約500mg/用量、約600mg/用量、又は約1000mg/用量である。幾つかの実施形態において、医薬組成物中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量は、約30mg/用量である。他の幾つかの実施形態において、医薬組成物中の4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの量は、約60mg/用量である。
【0136】
概して、成人のヒトの治療に用いられる用量は、典型的に0.01mg〜5000mg/日の範囲である。一態様において、成人のヒトの治療に用いられる用量は、約1mg〜約1000mg/日である。幾つかの実施形態において、成人のヒトの治療に用いられる用量は、約240mg/日である。一実施形態において、所望される用量は、単回用量、あるいは同時に(あるいは短期間にわたって)、又は適切な間隔、例えば、2回、3回、4回若しくはそれ以上の分割用量/日で投与される分割用量で便宜的に提示される。
【0137】
一実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの適切な1日用量は、体重1kg当たり約0.01〜約20mgである。他の実施形態において、1日用量(即ち、その投与形態の活性物質の量)は、本明細書に指示されている範囲を下回るか又は上回る量である。
【0138】
投薬方法及び治療レジメン
一実施形態において、本明細書に記載されている4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含む医薬組成物は、予防的及び/又は治療的処置を目的に投与される。治療的な用途において、組成物は、疾患又は病状を既に患っている患者に対し、疾患若しくは病状の兆候のうちの少なくとも1つを治癒するうえで十分な量で、又は少なくとも部分的に抑制する量で投与される。ある実施形態において、この用途に有効な量は、疾患若しくは病状の重篤度及び経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、及び薬物に対する反応、並びに/又は治療を担当する医師の判断に依存する。
【0139】
予防的な用途において、本明細書に記載されている4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含有する組成物は、特定の疾患、障害若しくは病状を患いやすい患者、又はさもなければその危険に曝されている患者に対して投与される。そのような量は「予防的に有効な量又は用量」であると定義される。この用途において、精密な量もまた、患者の健康状態、体重、及びこれらに類するものに依存する。患者に用いた場合、この用途に有効な量は、疾患、障害又は病状の重篤度及び経過、以前の治療、患者の健康状態及び薬物に対する反応、並びに治療を担当する医師の判断に依存する。
【0140】
ある実施形態において、本明細書に記載の化合物、組成物又は治療薬の投与は、常習的な投与を含む。ある実施形態において、常習的な投与は、例えば、患者の疾患若しくは病状の兆候を改善するか又はさもなければ抑制若しくは制限するための長期間(例えば、患者の寿命期間全体など)にわたる投与を含む。幾つかの実施形態において、常習的な投与は連日投与を含む。
【0141】
幾つかの実施形態においては、本明細書に記載されている化合物、組成物又は治療薬の投与は継続的に行われる。代替の実施形態において、投与される薬物の用量は、ある期間(即ち「休薬日」)にわたって一時的に減じられるか、又は一時的に中断される。休薬日の長さは、2日〜1年の間で変動し、ほんの数例として、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間、及び365日間が挙げられる。休薬中の用量低減率は、10%〜100%であり、ほんの数例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、及び100%が挙げられる。
【0142】
いったん患者の病状に改善が見られた後は、必要に応じて、維持用量が投与される。特定の実施形態においては、続いて、投与の用量若しくは頻度、又はその両方は、疾患、障害若しくは病状の改善が継続される程度まで、その症状に応じて低減される。しかしながら、ある実施形態では、患者は何らかの兆候が再発した時点で長期にわたって断続的な治療を要する。
【0143】
そのような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の病状及びその重篤度などの要因、治療を必要とする被検対象又は受容者の独自性(例えば、体重、性別)に応じて変動するが、それにもかかわらず、患者を取り囲む特定の付帯状況(例えば、投与される特定の薬剤、投与経路、治療対象の病状、及び治療を受ける被検対象又は受容者を含む)に応じて定量され得る。
【0144】
併用治療
ある事例においては、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを別の治療剤と組み合わせて投与することが適切である。
【0145】
一実施形態において、本明細書に記載されている組成物及び方法はまた、治療対象の病状に対して特定の効用が得られるように選択される他の治療用試薬とも併用される。概して、併用療法が用いられる実施形態において、本明細書に記載の組成物は、他の薬剤を同じ医薬組成物にて投与する必要はなく、物理的及び化学的な特性が異なることから、異なる経路で投与される。一実施形態において、初期投与は、確立されたプロトコルに従って行われ、その後、観察された効果、用量、投与様式、及び投与時間に基づいて更に修正される。
【0146】
様々な実施形態においては、疾患の性質、患者の病状、及び使用される化合物の実際の選択に応じて、化合物を同時に(例えば、同時に、ほぼ同時に、若しくは同じ治療プロトコル内で)、又は連続的に投与する。ある実施形態においては、治療対象の疾患及び患者の病状に関する評価に基づいて、治療プロトコル中の各治療剤の投与順序、及び投与の反復回数が決定される。
【0147】
本明細書に記載の併用療法では、同時投与される化合物の用量は、用いられる共薬物の種類、用いられる特定の薬物、治療対象の疾患若しくは病状などに応じて異なる。
【0148】
そのような組み合わせの個々の化合物は、医薬製剤を別々に又は組み合わせて用い、連続的に、又は同時に投与される。一実施形態においては、医薬製剤を併用して、個々の化合物が同時に投与される。既知の治療剤の適切な用量は、当業者によって認識されるであろう。
【0149】
本明細書において言及されている組み合わせは、薬理学的に許容される希釈液(1つ若しくは複数)又は担体(1つ若しくは複数)と共に医薬組成物の形態で使用されるように、便宜的に提示されている。
【0150】
製造キット/物品
本明細書に記載の用途の治療的方法に使用に関して、製造業者のキット/物品も本明細書に記載されている。そのようなキットは、本明細書に記載の方法に用いるために、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの医薬組成物の投薬を1回以上受ける目的で任意に区切られる担体、パッケージ、又は容器を含む。本明細書に記載されているキットには、パッケージ材料が含まれる。医薬製品のパッケージングに使用されるパッケージ材料としては、これらに限定されないが、例えば、米国特許第5,323,907号に記載されているものが挙げられる。医薬品パッケージ材料の例としては、これらに限定されないが、選択された製剤、並びに意図される投与及び治療様式に適したブリスターパック、ボトル、チューブ、袋、容器、ボトル、及び任意のパッケージ材料が挙げられる。本明細書に記載の化合物及び組成物の様々な製剤は、AR拮抗薬を用いた治療によって利益が得られる任意の疾患、障害、又は病状に対する様々な治療薬として想到される。
【0151】
例えば、容器(単数又は複数)には、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド又はその薬理学的に許容される塩が、任意に、本明細書に開示されている組成物中に、又は別の薬剤と一緒に含まれる。そのようなキットは、任意に、識別のための記述若しくはラベル、又は本明細書に記載の方法におけるキットの使用に関する指示を含む。
【0152】
キットは通常、内容をリストしたラベル、及び/又は使用上の指示、並びに使用上の指示を記載した添付文書を含む。また、一連の指示も含まれるのが一般的である。
【0153】
一実施形態において、ラベルは、容器上に記載されるか、又は容器に関連付けられる。一実施形態において、ラベルを形成する英字、数字又はその他の文字が容器自体に添付、成形又はエッチングされている場合、ラベルは容器上にあり、一方、ラベルが更にその容器を保持するレセプタクル又は担体の内部に存在している場合(例えば、添付文書として)、ラベルは容器に関連付けられる。一実施形態において、ラベルは、内容物を特定の治療用途に使用すべきことを指示する目的に使用される。また、ラベルには、本明細書に記載の方法におけるなど、内容物の使用法も指示される。
【0154】
ある実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物を含有する1つ以上の単位剤形を含むパック又はディスペンサー装置内に存在する。パックには、例えば、金属箔又はプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)が含まれる。一実施形態において、パック又はディスペンサー装置には投与に関する指示が付属している。一実施形態において、パック又はディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関が規定した形態にて、容器に関する注記が付属しており、この注記は、ヒト又は獣医学的投与のための薬物形態の機関による承認を反映する。そのような注記は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局により承認されたラベル、又は承認済み製品能書(product insert)である。一実施形態において、本明細書に記載されている化合物を含有する組成物を適合性医薬担体の形に調合したものも調製され、適切な容器に入れられ、指示された病状を治療する目的にラベル付けされる。
【実施例】
【0155】
本明細書に開示されている方法を実践するための下記の成分、製剤、プロセス及び手順は、上に記載されている手順に対応する。下記手順では、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド、又は薬理学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物、並びに薬物動態学プロファイル及びその薬力学的効果を含む例証的な非限定的実施形態を挙げ、製剤に関して詳細に説明する。ほんの例証に過ぎないが、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは任意選択的に、米国特許出願第12/294,881号、米国特許出願第12/450,423号に概説されている方法で、又は本明細書に概説されている方法で調製される。
【0156】
実施例1:4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態の調製
形態A
2容量のエタノールを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(180mg)に添加した。6日後に、材料を濾過した。試料を35℃のオーブンの中に入れ、約4.0kPa(40mbar)の圧力にて1時間置いた。TGA、DSC、GVS及び
1H NMR分析により、単離された材料はエタノール溶媒和物であることが明らかにされた。強制条件(60℃、<2.7kPa(20mm Hg)にて8日間)の下で、形態Aはエタノールを消失し、材料のXRPDパターンは同じ状態を保った。
【0157】
代替的に、THF(1容量)、DCM(1容量)、アセトン(1容量)、エタノール(1容量)、メタノール(1容量)、ニトロメタン(1容量)、水(1容量+音波処理)、THFと水との混合物(1容量)、又はジオキサンと水との混合物(1容量)を、約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。沈殿が見られない場合、試料の上に置いた蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。これらの試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。形態Aの単結晶(メタノール由来)のXRDの研究によって、形態Aが溶媒和かつ水和された無秩序な結晶質形態であり、それ故、一群の親近構造の溶媒和物を表すことが確認された。
【0158】
形態B
10容量の水を、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(形態A;500mg)に添加した。結果として得られた混合物を55℃で18時間撹拌し、固体を室温まで冷却した。試料を濾過し、5容量の水を用いて洗浄した。固体を40℃かつ約5.5kPa(55mbar)の圧力のオーブンの中で24時間乾燥させた。
【0159】
代替的に、5容量の酢酸エチルを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(250mg)に添加し、結果として得られた溶液を5日間熟成室に入れ、4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体が全く回収されなかったため、幾らかの追加の非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを、沈殿物が少し出現するまで添加した。溶液を室温にて静置させて、溶液をゆっくり蒸発させた。6日後に、固体を濾過し、35℃かつ約4.0kPa(40mbar)のオーブンの中で1時間乾燥させた。
【0160】
別の実施形態においては、約10mgの結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(形態A)をHPLCバイアル瓶に移した。TBME(400μL)又はトルエン(800μL)を徐々に材料に加えて溶液を調製した。逐次200μlが添加される毎に、溶解しやすいようにバイアル瓶を50℃にて振盪させた。透明な溶液が得られた後、バイアル瓶を室温に静置させ、セプタムをニードルで穿孔して、溶媒をゆっくり蒸発させた。2週間後、立方体様の結晶がトルエンから得られ、これを単結晶X線回折(SCXRD)用に提出した(実施例4を参照)。結晶構造を解析し、その形態が脱溶媒和された結晶質形態(形態B)であることがわかった。
【0161】
更に別の実施形態では、トルエン(2容量)、酢酸イソプロピル(2容量)、又はMEK(1容量)を、約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。沈殿が見られない場合、試料の上に置いた蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、これらの試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0162】
形態C
4容量のイソプロパノールを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(160mg)に添加した。6日後に、材料を濾過した。試料を35℃かつ約4.0kPa(40mbar)の圧力のオーブンの中に1時間入れた。
【0163】
代替的に、アニソール(2容量)、IPA(1容量)、又はIPAと水との混合物(1容量)を、約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。沈殿が見られない場合、試料の上に置いた蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、これらの試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0164】
形態D
5容量のMTBEを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(200mg)に添加し、結果として得られた混合物を5日間熟成室に入れ、4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。得られた固体を濾過し、35℃かつ約4.0kPa(40mbar)のオーブンの中で1時間乾燥させた。
【0165】
代替的に、MTBE(2容量)を約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。試料に沈殿が見られない場合、蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、この試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0166】
形態E
DMSO(1容量)を約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。試料に沈殿が見られない場合、蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、この試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0167】
形態F
アセトンと水との混合物(1容量)を約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。試料に沈殿が見られない場合、蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、この試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0168】
周囲条件の下で、1か月以内に、形態Fが形態Aに変換された。
【0169】
形態G
4容量の2−メトキシエタノールを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(160mg)に添加した。6日後に、材料を濾過した。固体を35℃かつ約4.0kPa(40mbar)の圧力のオーブンの中に1時間入れた。
【0170】
代替的に、2−メトキシエタノール(1容量)を約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。試料に沈殿が見られない場合、蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、この試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間で切り替えた。固体の材料が単離された。
【0171】
形態H
酢酸エチル(2容量)を約65mgの非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加した。材料が湿潤される最小限の量の溶媒を添加した。これは、視覚的に非晶質固体が軟化したこと(圧壊と呼ばれる)を意味した。試料をスクリューキャップ付きバイアル瓶の中に入れ、周囲条件にて3日間放置した。試料に沈殿が見られない場合、蓋を緩めて溶媒をゆっくり蒸発させた。1日後、これらの試料を熟成室に入れ、その温度を4時間毎に室温と50℃との間でを切り替えた。固体の材料が単離された。
【0172】
形態I
2容量のDMSOを非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(150mg)に添加した。6日後に、2塊の材料(一方は黄色で他方は白色)が得られた。黄色の材料は形態Eであり、白色の材料は新しいXRPDを呈した。白色の材料を形態Iと指定した。
【0173】
形態J
1.9容量のアセトン及び0.1容量の水を、非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(200mg)に添加した。蓋を緩めた状態のままにし、6日後に材料は完全に乾燥したと判定した。結果として得られた材料を形態Jと指定した。
【0174】
実施例2:非晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの調製
10容量のジクロロメタンを結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドに添加し、続いて、48℃で音波処理して、透明な溶液を得た。結果として得られた溶液を1時間ロータリーエバポレーターにかけ、材料を完全に非晶質化した(これはXRPD分析で検証された)。
【0175】
実施例3:X線粉末回折(XRPD)
Bruker AXS C2 GADDS又はBruker AXS D8 Advance回折計で、X線粉末回折パターンを収集した。
【0176】
Bruker AXS C2 GADDS
Cu Ka放射線(40kV、40mÅ)、自動化XYZステージ、自動サンプル位置決め用レーザービデオ顕微鏡、及びHiStar2次元領域検出器を用い、Bruker AXS C2 GADDS回折計で、X線粉末回折パターンを収集した。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメーターに連結された単一のGobel多層ミラーから構成される。ビーム発散度、即ち、試料に対するX線ビームの有効サイズは、約4mmであった。試料検出器間距離を20cmとしてθ−θ連続スキャンモードを用い、3.2°〜29.7°の有効2θ範囲が得られた。典型的には、試料をX線ビームに120秒間曝露させる。データ収集ソフトウェアとしてGADDS for WNT 4.1.16を用い、Diffrac Plus EVA v 9.0.0.2又はv 13.0.0.2を用いてデータの分析及び提示を行った。
【0177】
受領時のままの未粉砕の粉末を用い、周囲条件下で実験する試料を平板試料として調製した。約1〜2mgの試料をスライドガラスに軽く押し付けて、表面を平坦にした。
【0178】
非周囲条件下で実験する試料を、熱伝導性化合物と共にシリコンウエハ上に載置した。その後、試料を約10℃.min
-1にて適切な温度まで加熱し、続いて約1分間等温に保持してから、データ収集を開始した。
【0179】
Bruker AXS D8 Advance
Cu Ka放射線(40kV、40mÅ)、θ−2θ角度計、V4の発散及び受光スリット、Geモノクロメーター、並びにLynxeye検出器を用い、Bruker D8回折計でX線粉末回折パターンを収集した。本機器の性能検査を、認証されたコランダム標準(NIST 1976)を用いて行う。データ収集ソフトウェアとしてDiffrac Plus XRD Commander v2.5.0を使用し、Diffrac Plus EVA v 11,0.0.2又はv 13.0.0.2を用いてデータの分析及び提示を行った。粉末を用い、周囲条件下で試料を平板試料として実験した。研摩されたゼロバックグラウンド(510)のシリコンウエハに切り込まれた空洞に、約20mgの試料を徐々に詰めた。分析中に、試料をそれ自体の平面で回転させた。データ収集の詳細は下記の通りである。
・角度範囲:2〜42°2θ
・ステップサイズ:0.05°2θ
・収集時間:0.5秒.ステップ
-1
【0180】
形態A
形態AのX線粉末回折パターンを
図1に示す。特徴的なピークには、4.8±0.1°2−θ、7.1±0.1°2−θ、14.2±0.1°2−θ、16.3±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θが含まれる。
【0181】
形態B
形態BのX線粉末回折パターンを
図2に示す。特徴的なピークには、12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θが含まれる。
【0182】
形態C
形態CのX線粉末回折パターンを
図3に示す。特徴的なピークには、4.3±0.1°2−θ、6.9±0.1°2−θ、9.1±0.1°2−θ、10.6±0.1°2−θ、13.8±0.1°2−θ、26.4±0.1°2−θが含まれる。
【0183】
形態D
形態DのX線粉末回折パターンを
図4に示す。特徴的なピークには、6.3±0.1°2−θ、13.9±0.1°2−θ、16.4±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、23.7±0.1°2−θ、24.8±0.1°2−θが含まれる。
【0184】
形態E
形態EのX線粉末回折パターンを
図5に示す。特徴的なピークには、7.2±0.1°2−θ、11.8±0.1°2−θ、16.1±0.1°2−θ、20.5±0.1°2−θ、23.0±0.1°2−θ、25.2±0.1°2−θが含まれる。可変温度のXRPDは、形態Eから形態Aへ、更に形態Bへの変換を示した。
【0185】
形態F
形態FのX線粉末回折パターンを
図6に示す。特徴的なピークには、4.6±0.1°2−θ、6.1±0.1°2−θ、14.3±0.1°2−θ、21.6±0.1°2−θ、22.4±0.1°2−θ、23.3±0.1°2−θ、25.5±0.1°2−θが含まれる。
【0186】
形態G
形態GのX線粉末回折パターンを
図7に示す。特徴的なピークには、7.0±0.1°2−θ、10.3±0.1°2−θ、14.1±0.1°2−θ、15.2±0.1°2−θ、23.6±0.1°2−θが含まれる。
【0187】
形態H
形態HのX線粉末回折パターンを
図8に示す。特徴的なピークには、8.0±0.1°2−θ、14.7±0.1°2−θ、15.9±0.1°2−θ、18.2±0.1°2−θ、25.7±0.1°2−θ、26.7±0.1°2−θが含まれる。
【0188】
形態I
形態IのX線粉末回折パターンを
図9に示す。特徴的なピークには、7.7±0.1°2−θ、10.4±0.1°2−θ、11.6±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、20.0±0.1°2−θ、20.6±0.1°2−θが含まれる。
【0189】
形態J
形態JのX線粉末回折パターンを
図10に示す。特徴的なピークには、8.6±0.1°2−θ、19.3±0.1°2−θ、20.8±0.1°2−θ、24.3±0.1°2−θ、27.6±0.1°2−θが含まれる。
【0190】
実施例4:単結晶X線回折(SCXRD)
Oxford Cryosystems Cryostream/Cobra冷却装置を装備するOxford Diffraction Supernova Dual Source,Cu at Zero,Atlas CCD回折計で、単結晶X線回折データを収集した。CuKα/MoKα放射線を用いてデータを収集した。構造は通常、SHELXSプログラム又はSHELXDプログラムのどちらか一方を使用して解析し、SHELXLプログラムをBruker AXS SHELXTLスイートの一部として使用して精密化させた。特に明記しない限り、炭素に結合された水素原子は幾何学的に配置され、ライディング等方性変位パラメータを使用して精密化させた。ヘテロ原子に結合された水素原子を、差分フーリエ合成にて位置決めし、等方性変位パラメータを用いて制限なく精密化させた。
【0191】
形態A
形態Aは、約−173℃の温度にて下記とほぼ等しい単位格子パラメータにより特徴付けられる。
【0192】
【表9】
【0193】
構造解は、直接法、加重w
-1=σ2(F
o2)+(0.1070P)
2+(6.5000P)(式中、P=(F
o2+2F
c2)/3)を用いたF
2の完全行列最小二乗精密化、異方性変位パラメータ、球面調和関数を用いた経験的吸収補正を、SCALE3 ABSPACKスケーリングアルゴリズムでインプリメントして得た。全てのデータで最終wR
2={Σ[w(F
o2−F
c2)
2]/Σ[w(F
o2)
2]
1/2}=0.1814、F
o>4σ(F
o)である7570個の反射F値に対する従来のR
1=0.0652、全てのデータ及び642個のパラメータでS=1.005。最終Δ/σ(最大)0.004、Δ/σ(平均)、0.000。最終差分マップは+1.158〜−0.443eÅ
-3の間である。
【0194】
形態Aの単結晶データから得られたシミュレート後のXRPDは、実験的なXRPDと合致した。
【0195】
単結晶XRD分析によって、形態Aが溶媒和かつ水和された無秩序な結晶質形態であることが確認された。形態Aが数種の溶媒から得られたものであることから、形態Aが親近構造の溶媒和物の群を表すと結論付けることができる。
【0196】
形態B
形態Bは、約−173℃の温度にて下記とほぼ等しい単位格子パラメータにより特徴付けられる。
【0197】
【表10】
【0198】
構造解は、直接法、加重w
-1=σ2(F
o2)+(0.0425P)
2+(0.0000P)(式中、P=(F
o2+2F
c2)/3)を用いたF
2の完全行列最小二乗精密化、異方性変位パラメータ、球面調和関数を用いた経験的吸収補正を、SCALE3 ABSPACKスケーリングアルゴリズムでインプリメントして得た。全てのデータで最終wR
2={Σ[w(F
o2−F
c2)
2]/Σ[w(F
o2)
2]
1/2}=0.0941、F
o>4σ(F
o)である5767個の反射F値に対する従来のR
1=0.0404、全てのデータ及び613個のパラメータでS=1.005。最終Δ/σ(最大)0.001、Δ/σ(平均)、0.000。最終差分マップは+0.76〜−0.603eÅ
-3の間である。
【0199】
形態Bの単結晶データから得られたシミュレート後のXRPDは、実験的なXRPDと合致した。
【0200】
単結晶XRD分析によって、形態Bが脱溶媒和されたことが確認された。
【0201】
形態E
形態Eは、約−173℃の温度にて下記とほぼ等しい単位格子パラメータにより特徴付けられる。
【0202】
【表11】
【0203】
構造解は、直接法、加重w
-1=σ2(F
o2)+(0.1120P)
2+(1.1000P)(式中、P=(F
o2+2F
c2)/3)を用いたF
2の完全行列最小二乗精密化、異方性変位パラメータ、球面調和関数を用いた経験的吸収補正を、SCALE3 ABSPACKスケーリングアルゴリズムでインプリメントして得た。全てのデータで最終wR
2={Σ[w(F
o2−F
c2)
2]/Σ[w(F
o2)
2]
1/2}=0.1442、F
o>4σ(F
o)である4257個の反射F値に対する従来のR
1=0.0492、全てのデータ及び342個のパラメータでS=1.01。最終Δ/σ(最大)0.000、Δ/σ(平均)、0.000。最終差分マップは+1.923〜−0.527eÅ
-3の間である。
【0204】
形態Eの単結晶データから得られたシミュレート後のXRPDは、実験的なXRPDと合致した。
【0205】
形態Eの単結晶XRD(SCXRD)の研究によって、それが1:1のDMSO溶媒和物であることが確認された。
【0206】
形態G
形態Gは、約−173℃の温度にて下記とほぼ等しい単位格子パラメータにより特徴付けられる。
【0207】
【表12】
【0208】
構造解は、直接法、加重w
-1=σ2(F
o2)+(0.0790P)
2+(0.0000P)(式中、P=(F
o2+2F
c2)/3)を用いたF
2の完全行列最小二乗精密化、異方性変位パラメータ、球面調和関数を用いた経験的吸収補正を、SCALE3 ABSPACKスケーリングアルゴリズムでインプリメントして得た。全てのデータで最終wR
2={Σ[w(F
o2−F
c2)
2]/Σ[w(F
o2)
2]
1/2}=0.114、F
o>4σ(F
o)である3799個の反射F値に対する従来のR
1=0.0442、全てのデータ及び353個のパラメータでS=1.005。最終Δ/σ(最大)0.000、Δ/σ(平均)、0.000。最終差分マップは+0.502〜−0.401eÅ
-3の間である。
【0209】
形態Gの単結晶データから得られたシミュレート後のXRPDは、実験的なXRPDと合致した。
【0210】
形態Gの単結晶XRDの研究(SCXRD)によって、それが1:1の2−メトキシエタノール溶媒和物であることが確認された。
【0211】
実施例5:示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)
TA Instruments Q2000又はMettler DSC 823eでDSCデータを収集した。
【0212】
場合によっては、50ポジションオートサンプラーを装備するTA Instruments Q2000上で、DSCデータを収集した。熱容量の較正はサファイアを用いて行い、エネルギー及び温度の較正は認証されたインジウムを用いて行った。典型的に、各試料0.5〜3mgを、小さな穴を設けたアルミニウム製パンで、10℃.min
-1にて25℃から350℃まで加熱した。試料に対して50ml.min
-1で乾燥窒素パージを継続した。温度変調DSCは、下部加熱速度2℃.min−1、かつ温度変調パラメータ±0.2℃.min
-1及び40秒にて実施した。機器制御ソフトウェアをAdvantage for Q Series v2.8.0.392及びThermal Advantage v4.8.3とし、データ分析にはUniversal Analysis v4.3Aを使用した。
【0213】
他の実例においては、34ポジションオートサンプラーを装備するMettler DSC 823eでDSCデータを収集した。機器のエネルギー及び温度の較正は、認証されたインジウムを用いて行った。典型的に、各試料0.5〜3mgを、小さな穴を設けたアルミニウム製パンで、10℃
.min
-1で25℃から350℃まで加熱した。試料に対して50ml
.min
-1で窒素パージを継続した。機器の制御及びデータ分析のソフトウェアには、STARe v9.20を用いた。
【0214】
TA Instruments Q500又はMettler TGA/SDTA 851eで、TGAデータを収集した。
【0215】
場合によっては、16ポジションオートサンプラーを装備するTA Instruments Q500 TGAでTGAデータを収集した。機器の温度較正には、認証されたアルメルを用いた。典型的には、予め風袋を計量したプラチナ製るつぼ及びアルミニウム製パンに各試料5〜30mgを充填し、10℃
.min
-1にて周囲温度から350℃まで加熱した。試料に対して60ml
.min−1にて窒素パージを継続した。機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series v2.8.0.392、及びThermal Advantage v4.8.3とした。
【0216】
他の事例において、34ポジションオートサンプラーを装備するMettler TGA/SDTA 851eでTGAデータを収集した。機器の温度較正には、認証されたインジウムを用いた。典型的に、予め秤量したアルミニウム製るつぼに各試料5〜30mgを充填し、10℃
.min
-1にて周囲温度から350℃まで加熱した。試料に対して窒素パージを50ml
.min
-1にて維持した。機器の制御及びデータ分析用ソフトウェアとして、STARe v9.20を用いた。
【0217】
形態A
単結晶XRD分析によって、形態Aが溶媒和かつ水和された無秩序な結晶質形態であることが確認された。エタノール溶媒和物の試料は、吸熱開始が約108〜120℃でありピークが約133〜135℃であることを示した。代表的なDSCサーモグラムを
図19に示す。幾つかの実施形態では、可変温度のXRPD試験によって、形態Aが約120℃を超える非晶質になり、続いて、約175℃にて形態Bに再結晶化し、続いて、約194℃にて溶解することが明らかにされた。
【0218】
形態B
形態Bの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図11に示す。TGAは分解温度を超えた場合に重量喪失を全く呈さなかった一方、DSCは開始温度約194℃にて急激な融解吸熱を呈した。
【0219】
形態C
形態Cの試料(イソプロパノール由来)をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図12に示す。約118℃にて吸熱開始温度が観測された。また、僅かな吸熱が開始温度約193℃にて観測された。TGA実験で観測された重量喪失は、この形態がVT−XRPDにより結晶性を失った温度範囲と合致し、形態Cが脱溶媒和されなかったことが示唆された。
1H NMRにより0.45等量のイソプロパノールが観測され、TGAの重量喪失から0.49等量のイソプロパノールが計算された。イソプロパノールから得られた形態Cは、イソプロパノール溶媒和物である。
【0220】
形態D
形態Dの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図13に示す。約122℃にて吸熱開始温度が観測された。また、開始温度約192℃にて第2の吸熱減少が観測された。
【0221】
TGA実験で観測された重量喪失は、この形態がVT−XRPDにより結晶性を失った温度範囲と合致し、形態Dが脱溶媒和されなかったことが示唆された。
1H NMRにより0.26等量のMTBEが観測され、TGAの重量喪失から0.26等量のMTBEが計算された。MTBEから得られた形態Dは、MTBE溶媒和物である。
【0222】
形態E
形態Eの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図14に示す。大部分の吸熱が開始温度約116℃にて観測された。また、比較的僅かな吸熱が開始温度約140℃にて観測された。DSCパンで10℃/minにて加熱し、140℃にて吸熱が観測された。VT−XRPDで、形態Eから形態A、更に形態Bへの変換が見られた。
【0223】
形態F
形態Fの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図15に示す。大部分の吸熱が開始温度約113℃にて観測された。また、比較的僅かな吸熱が開始温度約193℃にて観測された。
【0224】
形態G
形態Gの試料をDSCで分析した。そのサーモグラムを
図16に示す。大部分の吸熱が開始温度約101℃にて観測された。また、比較的僅かな吸熱が開始温度約190℃にて観測された。
【0225】
形態H
形態Hの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図17に示す。TGAサーモグラムは、分解温度未満では重量喪失を示さなかった。DSCサーモグラムにて、開始温度173℃にて急激な融解吸熱が確認され、開始温度193℃にて吸熱が比較的低減したことが確認された。これらの観測及び
1H NMRスペクトル(即ち、有意量の溶媒が観測されなかったこと)を踏まえると、形態Hは脱溶媒和されたことになる。
【0226】
形態J
形態Jの試料をTGA及びDSCで分析した。そのサーモグラムを
図18に示す。約104℃にて吸熱の開始温度が観測された。また、約193℃にて吸熱開始温度も観測された。TGA実験で観測された重量喪失は、形態JがVT−XRPDにより結晶性を失った温度範囲と合致し、形態Jが脱溶媒和されなかったことが示唆された。
1H NMRにより0.45等量のアセトンが観測され、TGAの重量喪失から0.46等量のアセトンが計算された。アセトンと水との混合物から得られた形態Jは、アセトン溶媒和物である。
【0227】
実施例6:重量法水蒸気吸着測定(GVS)
SMS分析スイートソフトウェアにより制御されるSMS DVS固有水分収着分析計を使用して、収着等温線を得た。機器制御により試料温度を25℃に維持した。乾燥窒素流と湿潤窒素流を混合して湿度を制御し、全体の流速を200ml.min
-1とした。相対湿度は、試料の近くに位置する較正済みRotronic製プローブ(動的範囲1.0〜100%RH)で計測した。%RHに相関する、試料の重量変化(質量の緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)で常時した。
【0228】
典型的には、5〜20mgの試料を、周囲条件下で、風袋を計量したメッシュのステンレススチール製バスケットに入れた。試料の出し入れは、40%RHかつ25℃(典型的な室内条件)で行った。水分収着等温線は以下に示す概要で測定した(2回のスキャンで全サイクル1回)。標準等温線は、25℃にて10%RH間隔で0.5〜90%RHの範囲において測定した。
【0229】
【表13】
【0230】
等温線の測定後、試料を回収して、XRPDで再分析した。
【0231】
形態A
形態Aの溶媒和物は、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0232】
形態B
形態BのGVS等温線に、25℃にて形態Bによる水の摂取が90% RHで0.2%未満になることが示され、故に、形態Bが吸湿性ではないことが明らかにされた。GVS分析後の材料のXRPDパターンに何も変化が観測されず、GVSの条件下で形態Bが安定であったことが示唆された。
【0233】
25℃かつ92% RHにて12日間貯蔵する前と貯蔵した後とで形態BのXRPDパターンに差が観測されず、これらの条件下で形態Bが安定であったことが示唆された。
【0234】
形態Bは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0235】
形態C
形態Cは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0236】
形態D
形態Dは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0237】
形態E
形態Eは、GVSの条件下で形態Aに変換された。
【0238】
形態Eの試料をガラススライド上に置き、次いで、92% RH/25℃に維持されたボックスに入れた。これらの条件下で、1週間後に、形態Eは形態A及び少量の形態Bに変換された。
【0239】
形態Eは、40℃かつ75% RHにて1週間以内で形態Aに変換された。
【0240】
形態F
形態Fは、40℃かつ75% RHにて1週間以内で形態Aに変換された。
【0241】
形態G
形態Gは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0242】
形態H
形態Hは、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間安定であった。
【0243】
形態I
形態Iの試料をガラススライド上に置き、次いで、92% RH/25℃に維持されたボックスに入れた。これらの条件下で、1週間後に、形態Iは形態Bに変換された。
【0244】
形態J
形態Jの試料をガラススライド上に置き、次いで、92% RH/25℃に維持されたボックスに入れた。これらの条件下で、1週間後に、形態Jは形態Bに変換された。
【0245】
実施例7:カールフィッシャー滴定(KF)による水の定量
Hydranal Coulomat AG試薬及びアルゴンパージを用い、Mettler Toledo DL39 Coulometerで、各試料の含水量を測定した。秤量された固体の試料を、プラチナ製TGAパン上のスバシールに連結された容器に導入し、水の進入を回避した。1回の滴定に約10mgの試料を使用し、2回の測定を実施した。
【0246】
幾つかの実施形態において、形態Aの含水量は2.5%(w/w)であると観測された。
【0247】
幾つかの実施形態において、形態Cの含水量は0.4%(w/w)であると観測された。
【0248】
幾つかの実施形態において、形態Dの含水量は0.3%(w/w)であると観測された。
【0249】
幾つかの実施形態において、形態Jの含水量は0.3%(w/w)であると観測された。
【0250】
実施例8:熱力学的水溶解度
遊離型親化合物の最大最終濃度が20mg.ml
-1以上となるのに十分な化合物を水に懸濁させ、水溶度を定量した。懸濁液を25℃で24時間平衡化した後、pHを測定した。次いで、特に明記のない限り、懸濁液をガラス繊維Cフィルターに通して濾過して96ウェルプレートに入れた。続いて、濾液を101倍に希釈した。約0.1mg.ml
-1のDMSO溶液を標準溶液として参照して、HPLCで定量化を行った。異なる量の標準試料溶液、希釈済み試料溶液、及び無希釈の試料溶液を注入した。標準注入量の主要ピークと同じ保持時間にて確認されたピークを積分して求めたピーク面積を用いて、溶解度を算出した。
【0251】
【表14】
【0252】
ChemStationソフトウェアvB.02.01−SR1を使用して、ダイオードアレイ検出器を装備するAgilent HP1100シリーズシステムで分析を行った。
【0253】
【表15】
【0254】
実施例9:化学的純度の定量
純度分析は、ChemStationのソフトウェアvB.02.01−SR1を用い、ダイオードアレイ検出器を装備するAgilent HP1100シリーズシステムのHPLCで実施した。
【0255】
【表16】
【0256】
4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの試料が95%超の純度であることが見出された。幾つかの実施形態において、4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの試料が95%超の純度、96%超の純度、97%超の純度、98%超の純度、又は99%超の純度であることが見出された。
【0257】
実施例10:医薬組成物
カプセル製剤
一実施形態において、結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドのカプセル製剤は、ヒトへの投与を目的に下記の成分を使用して調製される。
【0258】
【表17】
【0259】
結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドをカプセルの形に調製するプロセスは、下記の通り:必要量の結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを秤量し、適切なサイズのカプセルに加え、カプセルを閉じる。
【0260】
幾つかの実施形態において、カプセルは25℃にて最大48時間貯蔵される。
【0261】
本明細書に記載されている実施例及び実施形態は例示的であり、当業者に提案される様々な修正又は変更は、本開示の範囲内で記載すべきである。当業者によって認識されるように、上記の実施例に記載されている特定の成分は、機能的に同等な他の成分、例えば、希釈液、結合剤、潤滑剤、充填剤、及びこれらに類するもので置き換えることが可能である。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Aであって、
(a)図1に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.8±0.1°2−θ、7.1±0.1°2−θ、14.2±0.1°2−θ、16.3±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【表18】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(e)吸熱開始温度が約108〜120℃でありピークが約133〜135℃であるDSCサーモグラム、
(f)図19に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(g)約0.01mg/mLとして観測される水溶解度、又は
(h)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態A。
[2] 前記結晶質形態が、図1に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンである、[1]に記載の結晶質形態。
[3] 前記結晶質形態が、4.8±0.1°2−θ、7.1±0.1°2−θ、14.2±0.1°2−θ、16.3±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンである、[1]に記載の結晶質形態。
[4] 前記結晶質形態が、−173℃で下記:
【表19】
と実質的に等しい単位格子パラメータである、[1]に記載の結晶質形態。
[5] 前記結晶質形態が、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に前記同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、[1]に記載の結晶質形態。
[6] 前記結晶質形態が、吸熱開始温度が約108〜120℃でありピークが約133〜135℃であるDSCサーモグラムを有する、[1]に記載の結晶質形態。
[7] 前記結晶質形態が、図19に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有する、[1]に記載の結晶質形態。
[8] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)を有することを特徴とする、[1]に記載の結晶質形態。
[9] 前記結晶質形態がエタノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、アセトン、メタノール、ニトロメタン、水、THFと水との混合物、又はジオキサンと水との混合物から得られたものである、[1]〜[8]のいずれかに記載の結晶質形態。
[10] 前記結晶質形態がエタノールから得られたものである、[1]〜[8]のいずれかに記載の結晶質形態。
[11] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[1]〜[10]のいずれかに記載の結晶質形態。
[12] 前記結晶質形態がエタノール溶媒和物である、[1]〜[11]のいずれかに記載の結晶質形態。
[13] 前記結晶質形態が水和物である、[1]〜[12]のいずれかに記載の結晶質形態。
[14] 前記結晶質形態が溶媒和された水和物である、[1]〜[11]のいずれかに記載の結晶質形態。
[15] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Bであって、
(a)図2に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【表20】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)図11に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)図11に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(f)吸熱開始温度が約194℃であるDSCサーモグラム、
(g)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(h)25℃かつ92% RHにて12日間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(i)約0.004mg/mLとして観測される水溶解度、又は
(j)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態B。
[16] 前記結晶質形態が、図2に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンである、[15]に記載の結晶質形態。
[17] 前記結晶質形態が、12.1±0.1°2−θ、16.0±0.1°2−θ、16.7±0.1°2−θ、20.1±0.1°2−θ、20.3±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンである、[15]に記載の結晶質形態。
[18] 前記結晶質形態が、−173℃で下記:
【表21】
と実質的に等しい単位格子パラメータである、[15]に記載の結晶質形態。
[19] 前記結晶質形態が、図11に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラムを有する、[15]に記載の結晶質形態。
[20] 前記結晶質形態が、図11に記載のものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、[15]に記載の結晶質形態。
[21] 前記結晶質形態が、吸熱開始温度が約194℃であるDSCサーモグラムを有する、[15]に記載の結晶質形態。
[22] 前記結晶質形態が、40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後に実質的に前記同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、[15]に記載の結晶質形態。
[23] 前記結晶質形態が、25℃かつ92% RHにて12日間貯蔵された後に実質的に前記同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、[15]に記載の結晶質形態。
[24] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)及び(i)を有することを特徴とする、[15]に記載の結晶質形態。
[25] 前記結晶質形態が水、酢酸エチル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、トルエン、酢酸イソプロピル、又はメチルエチルケトン(MEK)から得られたものである、[15]〜[24]のいずれかに記載の結晶質形態。
[26] 前記結晶質形態が脱溶媒和されている、[15]〜[25]のいずれかに記載の結晶質形態。
[27] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Cであって、
(a)図3に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.3±0.1°2−θ、6.9±0.1°2−θ、9.1±0.1°2−θ、10.6±0.1°2−θ、13.8±0.1°2−θ、26.4±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図12に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)図12に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約118℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(g)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態C。
[28] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を有することを特徴とする、[27]に記載の結晶質形態。
[29] 前記結晶質形態がイソプロパノール(IPA)、アニソール、又はIPAと水との混合物から得られたものである、[27]又は[28]に記載の結晶質形態。
[30] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[27]〜[29]のいずれかに記載の結晶質形態。
[31] 前記結晶質形態がイソプロパノール溶媒和物である、[27]〜[30]のいずれかに記載の結晶質形態。
[32] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Dであって、
(a)図4に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)6.3±0.1°2−θ、13.9±0.1°2−θ、16.4±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、23.7±0.1°2−θ、24.8±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図13に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)図13に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約122℃であり第2の吸熱開始温度が約192℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(g)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態D。
[33] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を有することを特徴とする、[32]に記載の結晶質形態。
[34] 前記結晶質形態がtert−ブチルメチルエーテル(TBME)から得られたものである、[32]又は[33]に記載の結晶質形態。
[35] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[32]〜[34]のいずれかに記載の結晶質形態。
[36] 前記結晶質形態がtert−ブチルメチルエーテル(TBME)溶媒和物である、[32]〜[35]のいずれかに記載の結晶質形態。
[37] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Eであって、
(a)図5に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.2±0.1°2−θ、11.8±0.1°2−θ、16.1±0.1°2−θ、20.5±0.1°2−θ、23.0±0.1°2−θ、25.2±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【表22】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)図14に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)図14に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(f)吸熱開始温度が約116℃であるDSCサーモグラム、又は
(g)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態E。
[38] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を有することを特徴とする、[37]に記載の結晶質形態。
[39] 前記結晶質形態がジメチルスルホキシドから得られたものである、[37]又は[38]に記載の結晶質形態。
[40] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[37]〜[39]のいずれかに記載の結晶質形態。
[41] 前記結晶質形態がジメチルスルホキシド溶媒和物である、[37]〜[40]のいずれかに記載の結晶質形態。
[42] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Fであって、
(a)図6に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)4.6±0.1°2−θ、6.1±0.1°2−θ、14.3±0.1°2−θ、21.6±0.1°2−θ、22.4±0.1°2−θ、23.3±0.1°2−θ、25.5±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図15に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)図15に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)吸熱開始温度が約113℃であるDSCサーモグラム、又は
(f)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態F。
[43] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有することを特徴とする、[42]に記載の結晶質形態。
[44] 前記結晶質形態がアセトンと水との混合物から得られたものである、[42]又は[43]に記載の結晶質形態。
[45] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Gであって、
(a)図7に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.0±0.1°2−θ、10.3±0.1°2−θ、14.1±0.1°2−θ、15.2±0.1°2−θ、23.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)−173℃で下記:
【表23】
と実質的に等しい単位格子パラメータ、
(d)図16に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約101℃であり第2の吸熱開始温度が約190℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(g)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態G。
[46] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を有することを特徴とする、[45]に記載の結晶質形態。
[47] 前記結晶質形態が2−メトキシエタノールから得られたものである、[45]又は[46]に記載の結晶質形態。
[48] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[45]〜[47]のいずれかに記載の結晶質形態。
[49] 前記結晶質形態が2−メトキシエタノール溶媒和物である、[45]〜[48]のいずれかに記載の結晶質形態。
[50] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Hであって、
(a)図8に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)8.0±0.1°2−θ、14.7±0.1°2−θ、15.9±0.1°2−θ、18.2±0.1°2−θ、25.7±0.1°2−θ、26.7±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図17に記載されているものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)図17に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約173℃であり第2の吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、
(f)40℃かつ75% RHにて少なくとも1週間貯蔵された後の実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(g)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態H。
[51] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を有することを特徴とする、[50]に記載の結晶質形態。
[52] 前記結晶質形態が酢酸エチルから得られたものである、[50]又は[51]に記載の結晶質形態。
[53] 前記結晶質形態が脱溶媒和されている、[50]〜[52]のいずれかに記載の結晶質形態。
[54] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Iであって、
(a)図9に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)7.7±0.1°2−θ、10.4±0.1°2−θ、11.6±0.1°2−θ、17.0±0.1°2−θ、20.0±0.1°2−θ、20.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(c)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態I。
[55] 前記結晶質形態が、特性(a)及び(b)を有することを特徴とする、[54]に記載の結晶質形態。
[56] 前記結晶質形態がジメチルスルホキシドから得られたものである、[54]又は[55]に記載の結晶質形態。
[57] 4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドの結晶質形態Jであって、
(a)図10に示すのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン、
(b)8.6±0.1°2−θ、19.3±0.1°2−θ、20.8±0.1°2−θ、24.3±0.1°2−θ、27.6±0.1°2−θにて特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン、
(c)図18に記載のものと実質的に同様なDSCサーモグラム、
(d)図18に記載されているものと実質的に同様な熱重量分析(TGA)サーモグラム、
(e)第1の吸熱開始温度が約104℃であり第2吸熱開始温度が約193℃であるDSCサーモグラム、又は
(f)それらの組み合わせ、
を有することを特徴とする、結晶質形態J。
[58] 前記結晶質形態が、特性(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を有することを特徴とする、[57]に記載の結晶質形態。
[59] 前記結晶質形態がアセトンと水との混合物から得られたものである、[57]又は[58]に記載の結晶質形態。
[60] 前記結晶質形態が溶媒和されている、[57]〜[59]のいずれかに記載の結晶質形態。
[61] 前記結晶質形態がアセトン溶媒和物である、[57]〜[60]のいずれかに記載の結晶質形態。
[62] 少なくとも1つの追加成分が、薬理学的に許容される担体、希釈液及び賦形剤から選択される、[1]〜[61]のいずれかに記載の結晶質形態を含む医薬組成物。
[63] 前記医薬組成物が形態Aを含んでなる、[62]に記載の医薬組成物。
[64] 前記医薬組成物が形態Bを含んでなる、[62]に記載の医薬組成物。
[65] 前記医薬組成物が哺乳動物への経口投与に適した形態である、[62]〜[64]のいずれかに記載の医薬組成物。
[66] 前記医薬組成物が固体の経口投与形態である、[65]に記載の医薬組成物。
[67] 前記医薬組成物が約0.5mg〜約1000mgの結晶質4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクト−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを含む、[62]〜[66]のいずれかに記載の医薬組成物。
[68] 哺乳動物の前立腺癌治療における、[62]〜[67]のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
[69] 前記前立腺癌がホルモン感受性の前立腺癌又はホルモン耐性の前立腺癌である、[68]に記載の使用。