特許第6182212号(P6182212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182212
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】自動車用照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20170807BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20170807BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20170807BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20170807BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170807BHJP
【FI】
   F21S8/12 251
   F21S8/12 210
   F21S8/12 220
   F21V29/503
   F21V29/76
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】22
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-520768(P2015-520768)
(86)(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公表番号】特表2015-525952(P2015-525952A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(86)【国際出願番号】AT2013050129
(87)【国際公開番号】WO2014008523
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年3月9日
(31)【優先権主張番号】A50278/2012
(32)【優先日】2012年7月11日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】クレン、イルムガルト
(72)【発明者】
【氏名】ハウアー、クレメンス
【審査官】 石井 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−166590(JP,A)
【文献】 特開2009−259654(JP,A)
【文献】 特開2006−179246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの照明ユニット(2)を備え、
各照明ユニット(2)は、
・反射器(3)と、
・反射器(3)に対応する少なくとも1つの光源(4)と、
を含み、
少なくとも1つの光源(4)からの光は、対応する反射器(3)を介して車両の前方の領域内に放出され、
1つ以上の光源(4)は、少なくとも1つの取付体(5)に配置され、
少なくとも1つの照明ユニット(2)の反射器(3)、又は、2つ以上の照明ユニット(2)の場合は少なくとも1つの反射器(3)は、それぞれの反射器(3)に割り当てられた少なくとも1つの軸を中心に回動可能となるように、少なくとも1つの取付体(5)に取り付けられ、かつ、回動位置に固定することができ、
少なくとも1つの反射器ホルダ(6)が、各反射器(3)を回動可能とするために設けられ、
該反射器ホルダ(6)は、取付体(5)に対して少なくとも1つの軸を中心に回動可能となるように取り付けられ、
回動可能な反射器(3)は、該反射器ホルダ(6)から分離して形成された構成部品(7)として形成され、
該構成部品(7)は、反射器ホルダ(6)に移動可能に取り付けられる、
ことを特徴とする、
自動車用照明装置(1)。
【請求項2】
回動可能な反射器(3)は、該反射器ホルダに固定して接続されることを特徴とする、
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
該反射器ホルダ(6)は、固定手段を用いて取付体(5)に回動位置で固定することができることを特徴とする、
請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
該反射器ホルダ(6)から分離して形成された該構成部品(7)は、固定手段を用いて該反射器ホルダ(6)に固定することができることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項5】
該反射器ホルダ(6)は、取付体(5)に配置された第1軸受点(80)及び第2軸受点(90)を介して少なくとも1つの軸を中心に回動可能となるように取り付けられ、
2の軸受点(80、90)は、互いに対向して配置される、
ことを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項6】
取付体(5)は、
光源(4)を取り付けるための水平光源取付部(50)と、
水平光源取付部(50)から垂直方向に離れて延在する垂直部(51)と、
水平光源取付部(50)に対して略平行に延在する少なくとも1つのさらなる軸受点部(52)と、
を有し、
該軸受点部(52)には、少なくとも1つの反射器ホルダ(6)のための少なくとも1つの軸受点(80)が配置され、
第2の軸受点(90)は、光源取付部(50)に配置される、
ことを特徴とする、
請求項5記載の照明装置。
【請求項7】
軸受点部(52)は、各反射器ホルダ(6)のために設けられ、
各軸受点部(52)は、該反射器ホルダ(6)のための軸受点(80)を有し、
軸受点部は、取付体(5)から分離され、かつ、取付体(5)の光源取付部(50)から離れて対向する領域で取付体(5)に固定的に接続することができる取付プレート(52)として形成される、
ことを特徴とする、
請求項5又は6記載の照明装置。
【請求項8】
少なくとも1つの固定手段が、少なくとも1つの軸受点部(52)に回転可能に取り付けられ、
該反射器ホルダ(6)は、固定手段(10)によって少なくとも1つの軸を中心に回動可能な位置に固定することができる、
ことを特徴とする、
請求項5乃至7のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項9】
該反射器ホルダ(6)から分離する構成部品(7)は、垂直方向に変位可能となるように該反射器ホルダ(6)に取り付けられ、
該反射器ホルダ(6)から分離する構成部品(7)は、軸を中心にそれに対して回動可能となるように該反射器ホルダ(6)に取り付けられる、
ことを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項10】
少なくとも1つの固定手段、例えば固定ネジ(21)が設けられ、
該固定手段(21)によって、該構成部品(7)は、該反射器ホルダ(6)に固定することができる、
ことを特徴とする、
請求項9記載の照明装置。
【請求項11】
該反射器ホルダ(6)のための軸受点(90)は、円筒状突起(90)として形成され、
該反射器ホルダ(6)は、対応する円筒状開口部を有し、
それによって、該反射器ホルダ(6)は、円筒状突起(90)に回転可能に取り付けられ、
該円筒状突起(90)は、取付体(5)の光源取付部(50)に配置される、
ことを特徴とする
請求項5乃至10のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項12】
該円筒状突起(90)は、光源取付部(50)の、又は、軸受点部の内面に配置される、
又は、
該円筒状突起(90)は、光源取付部(50)の、又は、軸受点部の外面に配置され、
該反射器ホルダ(6)は、シリンダ開口部(91)を介して光源取付部(50)の周りに係合する、
ことを特徴とする、
請求項11記載の照明装置。
【請求項13】
該軸受点(80)は、取付体(5)に部分球体レセプタクル(80)又は部分球体として、光源取付部に、形成され、又は、軸受点部(52)に形成され、
部分球体レセプタクル(80)又は部分球体のための部分球体(81)又は部分球体レセプタクルが、反射器ホルダ(6)に形成され、
該部分球体レセプタクル(80)又は部分球体は、光源取付部(50)の、又は、軸受点部の内面に配置される、
ことを特徴とする、
請求項11又は12記載の照明装置。
【請求項14】
少なくとも1つの反射器(3)は、対応する反射器ホルダ(6)と一体に形成され、
該反射器ホルダ(6)は、取付け体(5)に対して少なくとも1つの軸を中心に回動可能となるように、キャリア要素(65)に取り付けられ、
該キャリア要素(65)は、2部分式構成を有し、
付体(5)の光源取付部(50)に取り付けることができるとともに、垂直部分(50)を取り付け、かつ、水平な光源取付部(50)から略垂直に離れて延在する取付体(5)の第2垂直部(51)に接続可能であるL字型取付ブラケット(60)を備え、
付ブラケット(60)の略垂直部(60a)に固定することができるとともに、略水平保持ブラケット部(61b)を有するL字型保持ブラケット(61)を備え、
該略水平保持ブラケット部(61b)に該反射器(3)は、少なくとも1つの軸を中心に回動可能に取り付けられるとともに、固定手段(10)によって回動位置で固定することができる、
ことを特徴とする、
請求項1記載の照明装置。
【請求項15】
保持ブラケット(61)は、取付ブラケット(60)に対して垂直方向に変位(摺動)させることができ、かつ、固定手段(20)を用いて所定の位置に固定することができ、
取付ブラケット(60)は、光出射方向に対して横方向に配置された横軸(Y)を中心に回動可能となるように、取付体(5)の光源取付部(50)に取り付けることができる、
ことを特徴とする、
請求項14記載の照明装置。
【請求項16】
照明ユニット(2)の光源(4)は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオードを含むことを特徴とする、
請求項1乃至15のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項17】
反射器(3)の少なくとも1つの軸は、光源(4)を通ることを特徴とする、
請求項1乃至16のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項18】
取付体(5)は、光源(4)のためのヒートシンクとして形成されることを特徴とする、
請求項1乃至17のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項19】
少なくとも1つの軸は、垂直軸(Z)であることを特徴とする、
請求項1乃至18のいずれか一に記載の照明装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか一に記載の少なくとも1つの照明装置(1)を備える自動車用ヘッドライト。
【請求項21】
全体的な配光を生成するための請求項20記載の左右のヘッドライトを有するヘッドライトシステム。
【請求項22】
左側のヘッドライトは、全体的な配光の左側の部分を生成し、
右側のヘッドライトは、全体的な配光の右側の部分を生成し、
全体的な配光の左右の部分は、水平方向に関して、中央で重なる、
ことを特徴とする、
請求項21記載のヘッドライトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの照明ユニット、例えば、2つ以上の照明ユニットを備え、各照明ユニットは、
・反射器と、
・前記反射器に対応する少なくとも1つの光源と、
を備え、少なくとも1つの光源からの光を、対応する反射器(照明装置の設置状態)を介して車両の前方の領域に放出し、1つ以上の光源は、少なくとも1つの取付体に、好ましくは共通取付体上に、好ましくは固定的に、配置される自動車用照明装置に関する。
【0002】
本発明は、少なくとも1つのそのような照明装置を備える、自動車用ヘッドライトにも関する。
【0003】
最後に、本発明は、全体的配光を生成するための左右ヘッドライトを有するヘッドライトシステムにも関する。
【背景技術】
【0004】
このような、例えば、セグメント化された配光を生成するための照明装置が知られている。照明装置の照明ユニットの各々は、配光の1つ以上の光セグメント(サブ配光)を生成し、配光のセグメントは、個々の照明ユニットのスイッチをオン及びオフ選択的に切り替えることにより、マスクアウト、すなわち点灯しないようにすることができ、又は、1つ以上のセグメントを選択的に点灯することができる。一例として、セグメント化された配光は、互いに水平方向に隣接して配置された光セグメントから構成されるメインビーム分配(ここで、全体のメインビーム分布は、左右の車両用ヘッドライトに取り付けた2つの照明装置によって形成される)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−259654号公報
【特許文献2】特開2008−010265号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第102007040728号明細書
【特許文献4】国際公開第2012/048351号パンフレット
【特許文献5】特開2007−005182号公報
【特許文献6】特開2008−089085号公報
【特許文献7】特開2006−179246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
法的適合の又は最適で全体的配光形態(Gesamtlichtbild)を生成することができるために、個々の照明ユニットで生成されるサブ配光は、互いに、特に、水平及び/又は垂直方向について最適に配向させることができることが重要である。
【0007】
本発明の目的は、簡単かつ確実にサブ配光のそのような配向を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本書冒頭で述べた照明装置を用いて以下の構成によって達成される。本発明によれば、少なくとも1つの照明ユニットの反射器、又は、2つ以上の照明ユニットの場合には少なくとも1つの反射器、好ましくは2つ以上の照明ユニットの2つ以上の反射器、特に好ましくは全ての反射器は、それぞれの反射器に割り当てられた少なくとも1つの軸、例えば、縦軸を中心に回動(旋回)可能となるように少なくとも1つの取付体に取り付けられ、回動位置に固定することができる。
一視点に係る自動車用照明装置は、少なくとも1つの照明ユニット、例えば2つ以上の照明ユニットを備え、各照明ユニットは、反射器と、反射器に対応する少なくとも1つの光源と、を含み、少なくとも1つの光源からの光は、(照明装置の設置状態で)対応する反射器を介して車両の前方の領域内に放出され、1つ以上の光源は、少なくとも1つの取付体に、好ましくは共通取付体に、好ましくは固定して、配置され、少なくとも1つの照明ユニットの反射器、又は、2つ以上の照明ユニットの場合は少なくとも1つの反射器、好ましくは2つ以上の照明ユニットの2つ以上の反射器、特に好ましくは全ての反射器は、それぞれの反射器に割り当てられた少なくとも1つの軸、例えば垂直軸を中心に回動可能となるように、少なくとも1つの取付体に取り付けられ、かつ、回動位置に固定することができ、1つの反射器ホルダが、各反射器を回動可能とするために設けられ、該反射器ホルダ(単数又は複数)は、取付体に対して少なくとも1つの軸、例えば垂直軸を中心に回動可能となるように取り付けられ、回動可能な反射器は、該反射器ホルダから分離して形成された構成部品として形成され、該構成部品は、反射器ホルダに移動可能に取り付けられる(支承される)。
【発明の効果】
【0009】
本発明の結果として、冒頭で述べた照明装置の場合には、1つ以上、好ましくは全ての反射器を適切に調整することにより、1つ以上の照明ユニットの配光形態を互いに最適に整列することが可能であり、所望の最適かつ法的適合の全体的配光形態が生成が達成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、反射器ホルダは、好ましくは、反射器をそれぞれ回動(旋回)可能にするために設けられ、反射器ホルダ(単数又は複数)は、少なくとも1つの軸の周り、例えば、垂直軸の周りに取付体に対して回動可能となるように取り付けられる。
【0011】
ここで、変形例では、回動可能な反射器は、反射器ホルダに固定されるように接続され、又は、反射器ホルダと一体に形成されることが好ましい。
【0012】
反射器及び反射器ホルダは、かくて、反射器の反射面が形成された1つの部品(ないし部材)である。この実施形態では、反射器及び反射器ホルダは、このように互いに同義語である。この実施形態では、反射器は、いくつかの構成部品から形成された、シンプル、コンパクトかつ安定した設計を有する。
【0013】
しかしながら、回動可能な反射器は、また、反射器ホルダとは分離して形成された構成部品として形成してもよく、その構成部品は、反射器ホルダに移動可能に取り付けられる(ないし支承される)。
【0014】
この場合、反射面は、このように構成部品(また、反射器ブロックと呼ぶ)に形成され、構成部品は、反射器ホルダに移動可能に取り付けられる。この変形例の利点は、その反射器ホルダ(及びそのような反射器)の回転性に加えて、調整可能性の数が提供されるように、反射器は、また、反射器ホルダに対して変位することができという事実にある。
【0015】
独立して、反射器は、反射器ホルダとは分離して形成されるか、又は、固定して接続/一体で接続されるかどうかについて、反射器ホルダは、固定手段を用いて、例えば、少なくとも1つのネジを用いて、取付体の回動位置に容易に固定することができる。
【0016】
反射器が反射器ホルダとは分離して形成された構成部品のように形成された変形例では、この構成部品は、有利には、固定手段を用いて、例えば、少なくとも1つのネジを用いて、反射器ホルダに固定することができる。
【0017】
特別の実施形態によれば、反射器ホルダは、取付体に配置される第1軸受点及び第2軸受点を介して垂直軸回りに回動可能となるように取り付けられる。
【0018】
ここで、用語「・・・配置される軸受点(Lagerstelle)」は、この軸受点が取付体に直接取り付けることができるという事実を含むが、必ずしも取付体に直接取り付ける必要はない。軸受点は、このように取付体に直接的かつ固定的に接続することができ、又は、取付プレートに取り付けることができ(さらに以下を参照)、取付プレートは、それ自身、さらに取付体に固定して接続可能であり、又は、取付体に接続される。
【0019】
好ましくは、垂直軸の周りで回動可能にするために、2つの軸受点は、例えば、(取り付けられた状態の)取付体の上部及び下部の領域に、互いに対向して配置される。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、取付体は、光源を取り付けるための水平光源取付部と、水平光源取付部から垂直方向に離れて延在する垂直部と、光源取付部に対して略平行に延在する少なくとも1つのさらなる軸受点部と、を有し、該軸受点部には、少なくとも1つの反射器ホルダ用の少なくとも1つの軸受点が配置され、第2軸受点は、光源取付部に配置される。
【0021】
ここで、特に、軸受点部は、各反射器ホルダに設けられ、各軸受点部は、各反射器ホルダ用の軸受点を有する。
【0022】
軸受点部が取付プレートに形成されている場合、取付プレートが、取付体から分離し、かつ、取付体の光源取付部から離れて対向する領域で取付体に固定的に接続することができる点で特に有利である。
【0023】
これは、軸受点部が取付体に形成する必要がなく、それゆえ取付体がより簡単に製造することができるという利点を有する。
【0024】
また、専用の取付プレートの使用は、この取付プレート自身及びそれゆえ軸受点は、ある程度プレートに変位させることができ、こうして適切に配置することができるという利点を有する。
【0025】
さらに、少なくとも1つの固定手段、例えば、固定ネジは、少なくとも1つの軸受点部に回転自在に取り付けられ、固定手段は垂直軸の周りで回動する位置で反射器ホルダを固定することができる。
【0026】
このように、反射器は、’’その’’軸受点部、つまり’’その’’取付プレートに固定することができ、こうして取付体に対して固定することもできる。
【0027】
特に、反射器が反射器ホルダから分離する構成部品として形成される場合、及び、反射器ホルダから分離する構成部品が垂直方向に変位(ないし摺動)可能となるように反射器ホルダに取り付けられる場合に有利である。
【0028】
代替的に又は追加的に、反射器ホルダから分離する構成部品は、軸の周り、好ましくは垂直軸の周りに対して回動自在となるように反射器ホルダに有利に取り付けることもできる。
【0029】
固定するために、少なくとも1つの固定手段、例えば、固定ねじが設けられ、固定手段は、構成部品を反射器ホルダ、好ましくはスロットを含む反射器ホルダの垂直部に固定することができる。
【0030】
反射器ホルダが円筒状突起に回転可能に取り付けられることによって、反射器ホルダ用の軸受点が円筒状突起として形成されている場合、及び、反射器ホルダが対応する円筒状開口部、好ましくは部分円筒状開口部を有する場合にも有利である。
【0031】
特に、ここでは、円筒状突起が取付体の光源取付部に配置されている場合に有利である。
【0032】
ここで、円筒状突起は、光源取付部又は軸受点部の内面に配置してもよい。
【0033】
ここで’’内’’面は、光源が配置された面である。
【0034】
この場合、反射器ホルダは、組立の際、円筒状突起に円筒状開口部を介して簡単に’’嵌合(ないし載置)’’することができる。
【0035】
しかしながら、円筒状突起も光源取付部又は軸受点部の外面に配置してもよく、反射器ホルダは、円筒状開口部を介して光源取付部の周囲に係合してもよい。
【0036】
機能的には、円筒状突起が外部又は内部に懸かるかどうかはここでは違いはないが、内部に懸かる変形例は、光源用の回路基板によるスペースの問題につながる可能性があるので、それゆえ外部に配置された円筒状突起は好ましい。
【0037】
軸受点が取付体に、部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)として特に、光源取付部に形成される場合、又は、好ましくは軸受点部に形成される場合にも好都合であり、上記部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)のため部分球体/部分球体レセプタクル(の組合せ)は、反射器ホルダに形成される。
【0038】
部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)は、光源取付部又は軸受点部の内面に有利に配置される。
【0039】
本発明に係る照明装置のさらなる変形例によれば、少なくとも1つの反射器は、その対応する反射器ホルダと一体に形成され、反射器ホルダは、少なくとも1つの軸、例えば縦軸の周り取付体に対して回動可能となるようにキャリア要素に取り付けられ、前記キャリア要素は、2部分式構成を有し、
+)取付体の光源取付部に取り付けられ、かつ、略垂直な水平光源取付部から離れる方向に延在する取付体の第2垂直部に接続可能であるL字型取付ブラケットを備える。
+)取付ブラケットの略垂直部に固定することができるとともに、略水平保持ブラケット部を有するL字型取付ブラケットを備える。該水平保持ブラケット部に反射器が垂直軸を中心に回動可能に取り付けられ、かつ、固定手段により回動位置に固定することができる。
【0040】
保持ブラケットが取付ブラケットに対して垂直方向に変位(摺動)することができ、かつ、固定手段を用いて所定の位置に固定することができる場合にこの点で有利である。
【0041】
取付ブラケットは光出射方向に対して横切るように配置された水平軸を中心に回動可能となるように取付体の光源取付部に取り付ける場合に有利である。
【0042】
反射器は、z軸、つまり垂直軸を中心に回動可能である。反射器は、さらに、またz方向にも変位可能である。すなわち、反射器は、垂直にも調整(変位)することができる。最後に、反射器は、正確な調整のために水平軸(y軸)の周りにも回動してもよい。
【0043】
ねじの形態の固定手段は、このように固定及び調整のために使用される。調整のために、それは、従って、保持ブラケットの下面は、回路基板上で平らにしないで、傾きのわずかな角度を有していてもよい。
【0044】
本発明の特別の実施形態によれば、照明ユニットの光源は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオード、好ましくは少なくとも2つ以上の発光ダイオードを備える。
【0045】
光学的観点からは、反射器の垂直回動軸が中間点又は光源の中心を通る場合に有利であってもよい。
【0046】
取付体は、光源の廃熱を放散するために、光源用の冷却体(ないしヒートシンク)として形成されることが好ましい。
【0047】
本発明は、少なくとも1つの前記照明装置を備える自動車用ヘッドライトにも関する。
【0048】
また、本発明は、全体的配光を生成するための左右のヘッドライトを有するヘッドライトシステムに関し、左ヘッドライトは、全体的配光の左側の部分を生成することが好ましく、右のヘッドライトは、全体的配光の右側の部分を生成することが好ましい。
【0049】
全体的配光の左右部分は、水平方向で見て、中央で有利に重なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明は、以下、図面に基づいてより詳細に説明するものである。
図1図1は、斜め上方から見た本発明に係る照明装置の斜視図を示す。
図1a図1aは、斜め下方から見た斜視図で図1の照明装置を示す。
図2図2は、本発明の第1変形例に係る照明装置用の照明ユニットの詳細図を示す。
図2a図2aは、斜め後方から見た斜視図で図2の照明ユニットのキャリア要素の一部及び反射器の斜視図を示す。
図2b図2bは、図2aのような完全なキャリア要素の斜視図を示す。
図2c図2cは、取付体上に配置される反射器を省略した図2bの構成部品を示す。
図3図3は、斜め前方から見た斜視図で本発明の第2変形例に係る照明装置用の照明ユニットの詳細図を示す。
図3a図3aは、斜め下から見た図3に示した照明装置の詳細を示す。
図3b図3bは、斜め後方から見た斜視図で図3の照明ユニットの反射器ホルダ及び反射器の斜視図を示す。
図3c図3cは、反射器用のキャリア要素の一部の斜視図を示す。
図3d図3dは、反射器用のキャリア要素の軸受領域における取付体を示す。
図4図4は、前方から見た斜視図で本発明の第3変形例に係る照明装置用の照明ユニットの詳細図を示す。
図4a図4aは、下から見た斜視図で図4の照明装置用の反射器を示す。
図5図5は、正面から見た斜視図で本発明の第4変形例に係る照明装置用の照明ユニットの詳細図を示す。
図5a図5aは、斜め後方から見た図5の照明装置を示す。
図5b図5bは、斜め下から見た図で、図5の取付プレートを示している
図5c図5cは、光源が取り付けられた斜め前方から見た斜視図で図5の照明装置用の取付体を示す。
図5d図5dは、斜め下から見た斜視図で図5cの取付体を示す。
図5e図5eは、斜め前方から見た斜視図で図5の反射器ホルダを示す。
図5f図5fは、斜め後方から見た斜視図で図5の反射器を示す。
図5g図5gは、図5eの反射器ホルダに挿入された図5fの反射器を示す。
図6図6は、前方から見た斜視図で本発明の第5変形例に係る照明装置用の照明ユニットの詳細図を示す。
図6a図6aは、取付プレート及び光源が取り付けられた図6の取付体を示す。
図6b図6bは、斜め下方から示す斜視図で図6及び図6aの取付プレートを示す。
図6c図6cは、斜め前方から見た斜視図で一体に形成された図6で使用される反射器又は反射器ホルダを示す。
【実施例】
【0051】
図1及び図1aは、異なる粒数の視線からの車両用照明装置1を示す。前記照明ユニットは、図示の例では8個の照明ユニット2を備える。
【0052】
ここで、図1の図は’’上’’からの図として定義され、以下の図面における’’上’’及び’’下’’の表示は、それに応じて選択される。実際には、しかしながら、特に照明装置の照明ユニットの実施形態に応じて、照明装置は、図1に示さるような位置でも、また、逆さまにも配置することができ、その場合、上記用語の定義において図1aで見える「下」は、上側を形成することになろう。
【0053】
ここで、図面は、(車の進行方向で見て)左の照明装置を示し、右の照明装置とともに、このヘッドライトの配置は、自動車用の全体的配光を生成する。
【0054】
各照明ユニット2は、反射器3と、反射器3に割り当てられた光源4と、を備え、光源からの光は、対応する反射器3(照明装置1の組付け状態)を介して車両の前方の領域に放出されるようになっている。
【0055】
反射器3の反射面3aは、一例として滑らかにすることができ、又は、例えば、セグメント化した手法で形成することができる。
【0056】
照明ユニット2の光源4は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオード、好ましくは2つ以上の発光ダイオードを備え、これらは、水平面内に位置し、かつ、ヘッドライトの外側、又は、照明装置の前の領域内の空間に光を放射する対応する反射器3を照らす。
【0057】
各照明ユニット2は、サブ配光を形成し、8つの照明ユニット2のサブ配光は、照明装置1の(全体的な)配光を形成する。
【0058】
一例として、個々の照明ユニット2のサブ配光(部分配向)は、ここでは水平方向に相互に隣接して配置され、照明ユニット2の反射器3は、照明ユニット2のサブ配光(複数)が、それぞれ、少なくとも1つの鋭く投影される垂直明暗境界を、場合によっては2つのそれぞれのサブ配光を横方向に区切る鋭く投影される垂直明暗境界を、有するように設計される。
【0059】
ここで、’’垂直’’とは、明暗境界が例えば25又は10メートルの距離で照明装置の前方に位置する垂直スクリーンへの投影で垂直になることを意味する。もちろん、この明暗境界は車道上の(放射)光像において通常水平な平面内にある。これは、当業者には自ずと明らかであり、ここで単に明確化に資するべきものである。
【0060】
個々の照明ユニット2の光源4は、互いに独立して作動させることができる。このようにして、個々の照明ユニットは、互いに独立してスイッチをオンオフすることができ、或いはまた調光することができ、かくて照明ユニットの個々のサブ配光を個々にスイッチをオンオフすることができる。
【0061】
さらに、2つ以上の発光ダイオードを1つの光源に備える場合において、1つの光源の発光ダイオード(複数)が互いに独立して作動させることができる場合、又は、1つの光源の複数の発光ダイオードがグループにまとめられ、かつ、個々のグループが互いに独立して作動させることができる場合にも有利である。
【0062】
一例として、1つの光源は、1つ以上の発光ダイオードをそれぞれ有する1つ以上のLEDチップを有していてもよい。チップは、別々に作動または接続することができる。
【0063】
各照明ユニットは、このように、(独立して作動可能なチップの数に応じて)露光に1つ以上のセグメントを生成し、照明ユニットのこれらの個々のセグメントも、次いでそれに応じて他のセグメントと独立して制御することができる。
【0064】
互いに対して最適にサブ配光を配向できるように、本発明は、共通の発明概念によって結ばれた複数の実施形態を提示し、これらの実施形態は、以下に説明される。
【0065】
原理的には、既に上述したように、個々の照明ユニット2の光源4は共通取付体5に取り付けられ、すべての実施形態についても同様である。この取付体5は、冷却体(ヒートシンク)として、つまり例えば効果的な熱伝導体、好ましくは金属である材料から形成されることが好ましく、光源の廃熱を放散することができるように冷却フィンを有することが好ましい。
【0066】
しかしながら、複数の互いに別個の取付体も提供することができ、1つ以上の光源は個々の取付体のそれぞれに配置することができる。個々の取付体は、互いに固定状態で配置される。光源に割り当てられた反射器は、前記取付体に対してそれぞれ回動可能となるように、対応する光源の取付体に取り付けられている。
【0067】
(変形例1)
図2及び図2a〜2cに示された本実施形態において、図2で明確に見られるように、取付体5は、L字形状の輪郭(プロファイル)を有する。
【0068】
反射面3aを有する反射器3は、反射器ホルダと一体に形成されており、反射器ホルダ6は、垂直軸Zを中心に回動(旋回)可能となるように支持(キャリア)要素65上に取り付けられている。
【0069】
キャリア要素65は、2部分式構成を有し、L字形状の取付ブラケット60及びL字状の保持ブラケット61よりなる。
【0070】
取付ブラケット60は、取付体5の光源取付部50に取り付けられている。光源4、特に(すべての照明ユニットの)光源4が配置される回路基板(Platine)4’も、この光源取付部50上に取り付けられている。
【0071】
そのため、光源取付部50に対して略平行に延在する取付ブラケット部60bを有する取付けブラケット60は、取付ブラケット60が取付体5の光源取付部50に接続することができるように、平坦であることが好ましい。
【0072】
さらに、取付ブラケット60は、平坦部を有し、取付ブラケット部60bに対して略垂直に配置された垂直起立部60aを有する。この略垂直起立部60aは、以下にさらに詳細に説明するように、設置位置において取付体5の垂直部51に接続することができる。
【0073】
L字形状の保持ブラケット61は、取付ブラケット60の略垂直起立部60aに固定することができる部分61aを有する。また、保持ブラケット61は、略水平保持ブラケット部61bを有している。反射器3は、垂直軸Zを中心に回動(旋回)可能となるように、略板状の水平保持ブラケット部61b上に取り付けられ、固定手段10を使用して回動位置に固定することができる。
【0074】
内側、つまり反射器に面する部分61a側は、反射器がz軸を中心に回動できるように、例えば、楕円形の反射器の背面側に合わせた形状を有する。これは、図示されていない。
【0075】
固定手段、例えば、ネジ10は、部分61bを介して穴61b'を介してここに通され、反射器3に螺合される。このため、反射器は、反射器3にねじ込まれ、かつ、その端部が(他のすべての実施形態のように)プラスチックから形成されるネジボルト又はセルフタッピングネジのいずれかを用いることが好ましい。
【0076】
保持ブラケット61は、取付ブラケット60に対して垂直方向に変位(摺動)可能であることが好ましく、位置は、固定手段20を使用して固定することができる。
【0077】
これに関して、図2aは、後方から見て反射器3が取り付けられた保持ブラケット61を示す。部分61aは、(図示の)上部領域において、スロット61a'と、その下方に丸穴20’を有することがわかる。
【0078】
丸穴20’ (ネジのないもの)は、射出成形の過程で製造されるか、その後に穿孔されるかのどちらかによって、既にここに提供され、セルフタッピングネジは、この穴にねじ込まれる。
【0079】
さらに認められるものは、反射器3に一体成形されており、かつ、反射器3を手動調整するために使用されるピン40である。その下に配置される小ピン41は、クランプワッシャにより反射器3を追加的に固定するために使用される。クランプワッシャは、小ピン41上にヒートシンク(図示せず)を介して装着され、特別な工具によって取付ブラケット60に押圧される。これはさらに、z軸を中心とするネジ10の望ましくない回動を防止する。
【0080】
図2bでは、図2aの構成部品が取付ブラケット60に組み付けられた状態で示される。取付ブラケット60は、その垂直起立部60aにおいて、スロット61a’に対応する穴30’(丸孔20’と同様に製造される)及びその下にて保持ブラケット61における丸穴20’に対応するスロット20’’を有する。
【0081】
固定手段20、例えばネジによって、保持ブラケット61は、スロット20’’及び開口部20’を介して取付ブラケット60に固定することができ、保持ブラケット61は、スロット20’’を介して取付ブラケット60に対して垂直方向にある程度変位させることができる。
【0082】
図2に戻って、図2cを考慮して参照すると、取付ブラケット60は、設置位置において水平となり、かつ、光出射方向に対して横方向に配置される軸Yを中心に回動可能となるように、取付ブラケット60の取付ブラケット部60bの上に形成された対応するフック60b'によって、取付体5の光源取付部50に形成された2つのブラケットアーム50’で取付体5に取り付けられることがわかる。
【0083】
反射器3は、このようにz軸、つまり垂直軸を中心に回動可能である。反射器3は、z方向にも変位可能であり、つまり、反射器3は、垂直方向位置を調整(変位)することができる。最後に、反射器3は、正確な調整のために水平軸(y軸)を中心に回動することもできる。
【0084】
取付体に対して取付ブラケット60を固定するために、ねじ形態の固定手段30が設けられる。取付ブラケット60は、この固定手段を用いて軸Yを中心に回動し、固定手段30は、このように取付体5に対して反射器を固定し調整するために使用される。
【0085】
調整によって、取付ブラケット60bの下面が取付体5上に平らに載らなくてもよく、つまり回路基板4上に載らなくてもよいが、傾きのわずかな角度を有してもよい(図から推定することができるように、取付ブラケットは、原則として、光源取付部50上に直接ないが、光源取付部50に取り付けられた回路基板4上にある)。
【0086】
スペーサ67は、例えば、保持プレートとヒートシンクとの間の設定された間隔を保持することができる変形可能なリングシール67のために、取付ブラケット60と取付体5との間に設けられる。リングシール67の代わりに、渦巻ばねを使用することもできる。
【0087】
(変形例2)
図3図3a及び図3bに示された第2実施形態は、第1実施形態と実質的に同一である。これらの2つの実施形態の違いは、取付ブラケット60が取付体の上側に固定されないという事実にあるが、取付ブラケット60は、取付体5の光源取付部50に対してクリップ59を使用して押圧される。クリップ59は、さらなる照明ユニット(図示せず)のさらなるクリップも係合する溝58内に係合し、取付体5の光源取付部50の下面に固定される。クリップ59は、光源取付部50の上側に対して取付ブラケット60の取付ブラケット部60bを押圧し、クリップ59、及び、クリップ59に対する取付ブラケット60の接触領域は、変形例1を用いて説明したように、取付ブラケット60が回動するように構成される。
【0088】
一例として、取付ブラケット部60bは、ここでは中でクリップ59で押圧される溝60b’を有し(図3a参照)、また、取付ブラケット部60bは、軸Yを中心に回動運動が可能となるように、取付体5の2つの高所(突起部)5’(図3d)上に取り付けられる。
【0089】
図3dは、さらに、ネジ30がガイドされる取付体の穴30’’を示す。
【0090】
以下の大部分で説明された変形例3〜5は、変形例3を参照して最初に説明される同一の設計を有し、その後さらなる変形例の場合の違いが示される。
【0091】
(変形例3)
図4は、再び照明ユニット2の領域におけるヒートシンクの形態での取付体5の一部を示す。取付体は、光源4を取り付けるための水平光源取付部50と、水平光源取付部50から垂直方向に離れるように延在する垂直部51と、を有する。
【0092】
また、取付体5は、さらに、光源取付部50に対して略平行に延在する取付プレート52を有し、取付プレート52は、取付体5から分離するように形成されることが好ましく、取付プレート52は、取付体5の光源取付部50から離れて対向する領域で取付体5に固定的に接続することができる。
【0093】
これは、軸受部を取付体に形成する必要がないという利点を有し、取付体は、このようにより簡単に製造することができる。
【0094】
また、専用の取付プレート52の使用は、この取付プレート自体、及び、取付プレート上の軸受点(さらに以下を参照)は、ある程度変位させることができ、それに応じて配置することができるという利点を有する。
【0095】
以下では、変形例3で同様に使用される個々の構成部品はここでより良く見ることができるので、変形例4及び5に関する図面を参照されたい。取付プレート52は、図5b及び図6bにおいて孤立して示されている。取付プレート52は、前記取付プレートが、取付体5に取り付けた場合(図5c参照)に、対応する凹部16’に固定することによって、戻り止めする2つの突起/フック16を有する。フック16は、主に取扱いを容易にするためだけに使用され、ネジを取り付ける前に、取付プレート52がヒートシンク上に一時的に既に固定できるようにしたものである。取付プレート52が配置された間のヒートシンク5上のウェブ16’’は、既に非常に正確にY方向の取付プレートの位置を規定する。X方向における取付プレート52の変位(摺動)を、しかしながら、位置決めのために行うことも可能である。
【0096】
最後に、取付プレート52は、ネジ15を用いてヒートシンク5に固定することができ、その目的のために、一方では取付プレート52は、スロット16’’’(図5b)を有し、他方ではネジ穴15’ (図5c)は、ヒートシンク5に設けられる。
【0097】
図4に戻って参照すると、反射器ホルダ6が設けられていることがわかる。示された変形例3においては、反射器3及び反射器ホルダ6は、互いに一体に形成される。反射器3及び反射器ホルダ6は、このように1つの部品であり、その上に反射器3の反射面3aが形成される。この実施形態(変形例1、2及び5)では、反射器3及び反射器ホルダ6は、このように互いに同義語である。反射器3は、この実施形態において、いくつかの構成部品から形成されたシンプルでコンパクトで安定した設計を有する。
【0098】
反射器ホルダ6は、Z軸を中心に旋回可能であり、かつ、回動位置に固定することができる。
【0099】
そのため、第1軸受点(Lagerstelle)80は、反射器ホルダ6のためのプレート52上に設けられ、また、第2軸受点90は、光源取付部50上に設けられる。2つの軸受点は、互いに対向して配置され、回動軸Zを規定する。
【0100】
2つの軸受点80、90の1つ、特に反射器ホルダ6のための第2軸受点90は、円筒状突起(Zylinderfortsatz)として形成される。この円筒状突起は、図4に示され、図5dに明確に確認することができる。
【0101】
反射器ホルダ6自身は、対応する円筒状開口部、好ましくは部分円筒状開口部91を有し、部分円筒開口部91は、図4aに明確に確認することができ、部分円筒状開口91によって、反射器ホルダ6は、円筒状突起90の所で回転自在に取り付けられている。
【0102】
円筒状突起90は、取付体5の光源取付部50上に配置され、より具体的には、変形例3で示された円筒状突起90は、光源取付部50の外面に配置され、反射器ホルダ6は、光源取付部50の周りで、円筒開口部91を介して、つまり円筒状開口部を受ける領域を介して、係合する。
【0103】
その他、第1軸受点80は、プレート52上の部分球体レセプタクル80として形成される;図4図5b、図6bを参照。
【0104】
反射器ホルダ6は、対応する部分球体81(図5e、5g参照)を有し、今、これを介してレセプタクル80内で回動可能に嵌合される。
【0105】
反射器3と一体に形成された反射器ホルダ6も、図6c(変形例5)に示される。変形例5と変形例3との違いは、後で簡単に説明されるように、単に、円筒状突起90は外側ではなく、取付体5の光源取付部50の内側に配置という事実である。それに応じて円筒状開口91は、変形例3に係る反射器ホルダ6の場合よりもわずかに異なって形成される。部分球体81と上部領域は、しかしながら、両方の変形例において同様に形成される。
【0106】
反射器ホルダ6は、今や、球体レセプタクル80内に部分球体81を有する変形例3と5に挿入されており、プレート52(図6b参照)のフック17は、反射器ホルダ6のスリット17’と係合する。これは、組立体を簡素化したものであり、反射器ホルダ6及び取付プレート52は、このように最大限に互いに対して関連して配置されるが、反射器ホルダは、依然として軸Zを中心に回動(旋回)することができる。
【0107】
ネジ10により、反射器ホルダ6は、最後に、取付プレート52のスロット10’を介して、この目的のため円形のネジ穴10を有する反射器ホルダ6にネジ止めされる(穴10 'は、射出成形の過程で生成されるか、その後にドリルで穴を形成し、その後、セルフタッピングネジがこの穴にねじ込まれる)。
【0108】
(変形例5)
この点で、既に上述されているので、円筒状突起90が外側に配置しないで光源取付部50の内側に配置され、かつ、それに応じて円筒状開口部91の変形例3に係る反射器ホルダ6の場合よりもわずかに異なるように形成されるという違いを有する変形例3と同一の設計を有する変形例5(図6図6a〜図6c)と同様に参照されたい。部分球体81を有する上部領域は、しかしながら、両方の変形例に同一に形成される。
【0109】
ここで、’’内側’’の面は、光源が配置された面である。この場合、反射器ホルダ6は、組立中に円筒状開口部91を介して円筒状突起上に容易に’’嵌合’’することができ、円筒状開口部91は、光源4の周囲に実際に配置される。
【0110】
(変形例4)
変形例4は、図5図5a〜図5cに示され、原理的に変形例3と同一の設計を有し、特徴は、軸受点90にも変形例5のように内部に形成することができることに留意すべきである。
【0111】
変形例3及び変形例5の主な違いは、反射器3及び反射器ホルダ6は、互いに一体に形成されていないという事実であるが、回動可能な反射器3は、反射器ホルダ6から分離して形成された構成部品7として形成され、構成部品7は、反射器ホルダ6に移動可能に取り付けられる。
【0112】
この場合、反射面3aは、このように構成部品7(反射器ブロック7とも呼ぶ)上に形成され、構成部品7は、反射器ホルダ6上に移動可能に取り付けられる。この変形例の利点は、実際に存在する反射器ホルダ6の回転性(及び反射器3の回転性)に加えて、調整可能性の数が提供されるように、反射器3がまた、反射器ホルダ6に関して依然として調整可能である。
【0113】
反射器3又は構成部品7は、このように反射器ホルダ6上に取り付けられ、それに対して移動可能である。この相対運動は、反射器ホルダ6に対して垂直方向における反射器3又は構成部品7の変位可能性を意味すると主に理解される。しかしながら、反射器3又は構成部品7は、反射器ホルダ6に対して垂直(Z)軸を中心に回動するように、反射器ホルダ6に取り付けてもよい。摺動、及び、反射器ホルダ6に対する反射器3又は構成部品7の回動の組み合わせも、理論的に考えられる。
【0114】
取付体5上の反射器ホルダ6の取り付けに関して、変形例3及び変形例5に関して行われるような同様のコメントは適用可能であり、それゆえ反射器3/反射器ホルダ6の分離によって製造の相違点のみを以下に述べる。
【0115】
図5eは、反射器ホルダ6を示し、図5fは、構成部品7(反射器3)を示し、図5gは、それに応じて形成された反射器ホルダ6に挿入される反射器3を示す。構成部品7は、垂直方向に調整可能となるように反射器ホルダ6に配置される。反射器ホルダ6はスロット21’を有し、構成部品7(円形)はねじ孔72(または穴72は、射出成形の過程で製造されるか、その後のセルフタッピングねじがこの穴にねじ込まれる)を有する。このスロット21’及び穴72を介して、構成部品7は、ネジ21を道いて様々な位置で反射器ホルダ6上に固定することができる。
【0116】
構成部品7上の延在部74は、構成部品7を機械的に調整するためのハンドルとして使用される。
【0117】
2つの延在部40は、反射器ホルダ6及び反射器3をZ軸を中心に回動させるために使用される。
【0118】
(付記)
第1の視点に係る自動車用照明装置は、少なくとも1つの照明ユニット、例えば2つ以上の照明ユニットを備える。各照明ユニットは、反射器と、反射器に対応する少なくとも1つの光源と、を含む。少なくとも1つの光源からの光は、(照明装置の設置状態で)対応する反射器を介して車両の前方の領域内に放出される。1つ以上の光源は、少なくとも1つの取付体に、好ましくは共通取付体に、好ましくは固定して、配置される。少なくとも1つの照明ユニットの反射器、又は、2つ以上の照明ユニットの場合は少なくとも1つの反射器、好ましくは2つ以上の照明ユニットの2つ以上の反射器、特に好ましくは全ての反射器は、それぞれの反射器に割り当てられた少なくとも1つの軸、例えば垂直軸を中心に回動可能となるように、少なくとも1つの取付体に取り付けられ、かつ、回動位置に固定することができる。1つの反射器ホルダが、各反射器を回動可能とするために設けられ、該反射器ホルダ(単数又は複数)は、取付体に対して少なくとも1つの軸、例えば垂直軸を中心に回動可能となるように取り付けられ、回動可能な反射器は、該反射器ホルダから分離して形成された構成部品として形成され、該構成部品は、反射器ホルダに移動可能に取り付けられる(支承される)。
【0119】
前記照明装置において、回動可能な反射器は、該反射器ホルダに固定して接続されるか、又は、好ましくは反射器ホルダと一体に形成される。
【0120】
前記照明装置において、該反射器ホルダは、固定手段を用いて、例えば少なくとも1つのネジを用いて取付体に回動位置で固定することができる。
【0121】
前記照明装置において、該反射器ホルダから分離して形成された該構成部品は、固定手段を用いて、例えば少なくとも1つのネジを用いて、該反射器ホルダに固定することができる。
【0122】
前記照明装置において、該反射鏡ホルダは、取付体に配置された第1軸受点及び第2軸受点を介して少なくとも1つの軸垂直軸を中心に回動可能となるように取り付けられる。2の軸受点は、互いに対向して、例えば(装着状態で)取付体の上部及び下部領域に配置される。
【0123】
前記照明装置において、取付体は、光源を取り付けるための水平光源取付部と、水平光源取付部から垂直方向に離れて延在する垂直部と、水平光源取付部に対して略平行に延在する少なくとも1つのさらなる軸受点部と、を有する。該軸受点部には、少なくとも1つの反射器ホルダのための少なくとも1つの軸受点が配置される。第2の軸受点は、光源取付部に配置される。
【0124】
前記照明装置において、軸受点部は、各反射器ホルダのために設けられる。各軸受点部は、該反射器ホルダのための軸受点を有する。軸受点部は、取付体から分離され、かつ、取付体の光源取付部から離れて対向する領域で取付体に固定的に接続することができる取付プレートとして形成される。
【0125】
前記照明装置において、少なくとも1つの固定手段、例えば固定ねじが、少なくとも1つの軸受点部に回転可能に取り付けられる。該反射器ホルダは、固定手段によって少なくとも1つの軸垂直軸を中心に回動可能な位置に固定することができる。
【0126】
前記照明装置において、該反射器ホルダから分離する構成部品は、垂直方向に変位可能となるように該反射器ホルダに取り付けられる。該反射器ホルダから分離する構成部品は、軸、好ましくは垂直軸を中心にそれに対して回動可能となるように該反射器ホルダに取り付けられる。
【0127】
前記照明装置において、少なくとも1つの固定手段、例えば固定ネジが設けられる。該固定手段によって、該構成部品は、該反射器ホルダ、好ましくは反射器ホルダの垂直部内に固定することができる。
【0128】
前記照明装置において、該反射器ホルダのための軸受点は、円筒状突起として形成される。該反射器ホルダは、対応する円筒状開口部、好ましくは部分円筒状開口部を有し、それによって、該反射器ホルダは、円筒状突起に回転可能に取り付けられる。該円筒状突起は、取付体の光源取付部に配置される。
【0129】
前記照明装置において、該円筒状突起は、光源取付部の、又は、軸受点部の内面に配置される、又は、該円筒状突起は、光源取付部の、又は、軸受点部の外面に配置される。該反射器ホルダは、シリンダ開口部を介して光源取付部の周りに係合する。
【0130】
前記照明装置において、該軸受点は、取付体に部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)として、特に光源取付部に、形成され、又は、好ましくは軸受点部に形成される。部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)のための部分球体/部分球体レセプタクル(の組合せ)が、反射器ホルダに形成される。該部分球体レセプタクル/部分球体(の組合せ)は、光源取付部の、又は、軸受点部の内面に配置される。
【0131】
前記照明装置において、少なくとも1つの反射器は、対応する反射器ホルダと一体に形成される。該反射器ホルダは、取付け体に対して少なくとも1つの軸、例えば垂直軸を中心に回動可能となるように、キャリア要素に取り付けられる。該キャリア要素は、2部分式構成を有する。該キャリア要素は、取付体の光源取付部に取り付けることができる。該キャリア要素は、垂直部分を取り付け、かつ、水平な光源取付部から略垂直に離れて延在する取付体の第2垂直部に接続可能であるL字型取付ブラケットを備える。該キャリア要素は、取付ブラケットの略垂直部に固定することができるとともに、略水平保持ブラケット部(61b)を有するL字型保持ブラケットを備える。該略水平保持ブラケット部に該反射器は、少なくとも1つの軸垂直軸を中心に回動可能に取り付けられるとともに、固定手段によって回動位置で固定することができる。
【0132】
前記照明装置において、保持ブラケットは、取付ブラケットに対して垂直方向に変位(摺動)させることができる。保持ブラケットは、固定手段を用いて所定の位置に固定することができる。取付ブラケットは、光出射方向に対して横方向に配置された横軸を中心に回動可能となるように、取付体の光源取付部に取り付けることができる。
【0133】
前記照明装置において、照明ユニットの光源は、それぞれ、少なくとも1つの発光ダイオード、好ましくは2つ以上の発光ダイオードを含む。
【0134】
前記照明装置において、反射器の少なくとも1つの軸垂直回動軸は、光源を通る。
【0135】
前記照明装置において、取付体は、光源のための冷却体(ないしヒートシンク)として形成される。
【0136】
前記照明装置において、少なくとも1つの軸は、垂直軸である。
【0137】
第2の視点に係る自動車用ヘッドライトは、前記少なくとも1つの照明装置を備える。
【0138】
第3の視点に係るヘッドライトシステムは、全体的な配光を生成するための左右の前記ヘッドライトを有する。
【0139】
前記ヘッドライトシステムにおいて、左側のヘッドライトは、全体的な配光の左側の部分を生成し、右側のヘッドライトは、全体的な配光の右側の部分を生成する。全体的な配光の左右の部分は、水平方向に関して、中央で重なる。
【0140】
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0141】
なお、本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。
【符号の説明】
【0142】
1 照明装置
2 照明ユニット
3 反射器
4 光源
5 取付体
6 反射器ホルダ
7 構成部品
10 ネジ
20 固定手段
21 ネジ、固定手段
30光源取付部
50 水平光源取付部、光源取付部
51 垂直部、第2垂直部
52 軸受点部
60 L字型取付ブラケット、取付ブラケット
60a 略垂直部
61 L字型保持ブラケット、保持ブラケット
61b 略水平保持ブラケット部
65 キャリア要素
80 第1軸受点、軸受点、円筒状突起、部分球体レセプタクル
81 部分球体
90 第2軸受点
91 部分円筒状開口部
図1
図1a
図2
図2a
図2b
図2c
図3
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図4a
図5
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図6
図6a
図6b
図6c