【実施例】
【0019】
以下、本発明を、添付図面を用いて説明する。
図1〜
図3は本発明のサイドエアバッグ装置の一例を説明する図である。
【0020】
1はシートバックSBの窓側の側方内部に設置されるサイドエアバッグ装置である。このサイドエアバッグ装置1は、特に側面衝突時にセンサーから出力される信号を受信して、シートに着座した乗員と車両側部の間に、ロール状或いは蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ2を車両前方方向に展開して乗員を保護するものである。
【0021】
このサイドエアバッグ装置1は、エアバッグ2と、センサーから出力される信号を受信してガスを噴出するインフレータ3と、インフレータ3から噴出されたガスの流れ方向を変更する布製のインナーチューブ4を備えている。
【0022】
前記エアバッグ2は、例えば2枚の基布の全周囲を縫製した縫製部5によって袋状に形成した構成である。そして、シートのフレームFと重なる矩形状の突出部分2aと、展開時に乗員を保護する本体部分2bを有し、この突出部分2aの内部に前記インフレータ3を配置している。
【0023】
前記インフレータ3は、例えば、
図1、
図3に示すように筒形状をなし、その外側面に設けた噴出孔3aから前記エアバッグ2の内部にガスを噴出する構成である。このインフレータ3の外側面には、固定用のボルト3bがその長手方向に適宜の間隔を存して例えば2本突き出しており、これらボルト3bを用いてシートバックSBの側端部のフレームFに設置する。
【0024】
前記インナーチューブ4は、インフレータ3の少なくとも噴出孔3aを覆った状態でエアバッグ2の前記突出部分2aに一方端側4aが取付けられ、他方端部4bが展開状態におけるエアバッグ2の中央方向に突出するように設けられる。この場合、インナーチューブ4は、シートに着座させたダミーDの肋骨部分を避けるように、エアバッグ2の中央方向に突出させる。
【0025】
また、前記インナーチューブ4は、インフレータ3から噴出されるガスが流れる方向に位置する他方端部(以下、第1端部という。)4bを、例えば縫製した縫製部6によって閉じている。一方、インフレータ3の噴出孔3aから噴出するガスの噴出方向に対して交差する、例えば前記第1端部4bと直角方向における、展開状態のエアバッグ2の車両高さ方向の上部と下部に位置する上下端部(以下、第2端部という。)4cを開口させている。これらの第2端部4cからエアバッグ2の本体部分2bにおけるダミーDの肩部方向と腹部方向にガスが流出する。
【0026】
サイドエアバッグ装置1を車両のシートのシートバックSB内に設置する場合、例えば
図2に示すように、エアバッグ2は
インフレータ3の横断面方向から見て、本体部分2bが、ロール状に折り畳まれたロール部分2baと、このロール部分2baとインフレータ3の間に形成される、U字状に二つ折りされた非ロール部分2bbを有するように折り畳まれるが、本発明では、前記エアバッグ2の折り畳み時に、以下に説明する様な状態
にすることを特徴としている。
【0027】
すなわち、本発明では、前記インナーチューブ4を
、エアバッグ2の本体部分2bの
非ロール部分2bbの二つ折り部において折り返し部4dで折り返し、前記第1端部4bがエアバッグ2の本体部分2bの
非ロール部分2bbの内部に位置するようにしている。
【0028】
例えば
図2の例では、インナーチューブ4をエアバッグ2の2枚の基布と共に折り畳んでインナーチューブ4の前記第1端部4bがインフレータ3に向くようにし、当該折り畳み状態では、第1端部4bがエアバッグ2の本体部分2b
の非ロール部分2bbに位置するようにしている。
【0029】
上記構成とすることで、側面衝突時、インフレータ3がセンサーから出力された信号を受信して噴出孔3aからガスを噴出した場合でも、先ずインナーチューブ4の折り返し部4dがガスに曝された後、第1端部4bがガスに曝されることになる。
【0030】
従って、展開初期の段階で第1端部4bを形成する縫製部6が受けるダメージを低減できてガスによるインナーチューブ4の破損を効果的に防止することができ、ダミーDの肩部方向と腹部方向へのガスの流出を阻害することがなくなる。
【0031】
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0032】
すなわち、以上で述べたサイドエアバッグ装置は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定する主旨の記載がない限り、本発明は添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は説明を目的としたもので、特に限定される主旨のない限り、それに限定されるものではない。
【0033】
例えば、インナーチューブ4の第1端部4bを形成する手段は縫製に限らず、第1端部4bを形成できるものであれば、溶融接着などでも良い。
【0034】
また、インナーチューブ4の縦断面形状も、矩形状に限らず、縦断面形状の外側面上下方向からダミーDの肩部方向と腹部方向に向けた分岐部を突出させた形状でも良い。
【0035】
また、第2端部4cを設ける方向は、インフレータ3の噴出孔3aから噴出するガスの噴出方向に対して交差し、ダミーDの肩部方向と腹部方向に向けてガスを噴出できれば、第1端部4bと直角方向に限らない。
【0036】
また、インナーチューブ4の第1端部4bがエアバッグ2の本体部分2bの内部に位置する態様も、
図2に示した態様に限らない。例えば
図4(a)に示すように、エアバッグ2の突出部分2aと近接する本体部分2b
の非ロール部分2bbにおいてインナーチューブ4のみインフレータ3に向くように折り返し部4dで折り返したものでも良い。また、
図4(b)に示すように、
図4(a)の状態からインナーチューブ4を再度折り返し部4dで折り返したものでも良い。
【0037】
また、
図5に示すように、シートバックSBへの設置時、インフレータ3の噴出孔3a部を覆うように、インナーチューブ4の第1端部4aとインフレータ3で挟むようにして金属製のデフレクタ7を設置してもよい。この
図5に示す他の例の場合、インフレータ3から噴出したガスは、デフレクタ7を押し広げた後(
図5(a)の想像線参照)、エアバッグ2の本体部分2bに導かれる。この場合、噴出ガスは、より折り返し部4dの方向に集中して流れることになるが、この折り返し構造により、インナーチューブ4の破損をより効果的に防ぎながらエアバッグ2のより素早い展開を可能にする。