(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法であって、前記エネルギレベルは、前記実際のエネルギ負荷の外部にあり前記実際のエネルギ負荷の所有者によって制御できないエネルギプレーヤによって指示される、方法。
請求項1に記載の方法であって、前記各実際のエネルギ負荷のためのエネルギレベルの前記割合は、前記各実際のエネルギ負荷の前記最大エネルギ消費および前記最小エネルギ消費の間である、方法。
【発明を実施するための形態】
【0054】
上述のように、本発明は、連続的な分配を可能にする分配ネットワークを通して供給されるエネルギに適用可能である。これは、電気、石油、水、または、天然ガスで供給されるエネルギを含む。周知のように、その他のタイプのガスには、合成ガス(都市ガスなど)および他の自然発生ガス(バイオガスなど)が含まれる。本明細書で用いられているように、天然ガスという用語は、これらの異なるタイプのガスを含む。
【0055】
概説および利点
図4A〜Cは、本発明が従来技術に関する問題に一般に対処する方法を示している。
図4Aは、午前9時に電力網上で余剰電力52があり、午前9時15分および午前9時30分に不足電力54および56がある
図1のシナリオを示している。
図4Bは、本発明が、柔軟な負荷を用いて、
図4Aに示した問題に対処する方法を示している。任意の数の負荷57〜59は、本発明の技術を用いて、柔軟になっており、単一の仮想負荷に集約されている。
【0056】
負荷57は、消費電力60を予測したが、本発明を用いて、余剰電力62を吸収して利用することができる。同様に、負荷58は、電力需要70しか予測していなかったが、午前9時に余剰電力72を用いることができる。午前9時15分、負荷57は、64および66の組み合わせに等しい消費電力を予測していたが、本発明を用いて、削減された消費電力64で十分に自身の要求を満たすことができる。同様に、負荷58は、午前9時15分、その消費電力を、74および76の組み合わせに等しい合計から実際の消費電力74に削減される。午前9時30分、負荷57の電力需要68は、供給電力によって十分に満たされ、電力の不足があったとしても、電力消費を削減する必要はない。しかしながら、負荷58は、午前9時30分に、78および79の予測総電力の組み合わせを用いる代わりに、総電力78まで消費電力を削減される。もちろん、任意の数の他の負荷59が、本発明を用いて、一日を通して消費電力を調整されてもよい。それに応じて、
図4Cは、本発明を用いた結果を示しており、その結果では、これらの負荷のための一日を通しての発電82〜84が、その期間の各時間間隔に需要電力86〜88と同等になっている。有利なことに、各負荷について、電力を調整して増減させることで、個々の負荷が、制約の中で動作し、そのオペレータの要求を満たすことを可能にすることができる。
【0057】
図5は、風力などの再生可能エネルギ源が含まれる場合の本発明の利用を示している。
図2の従来技術を改良すると、午前9時、任意の数の負荷を用いる電力需要94は、風力が余剰電力を生産する時、増加した供給92に合うように上げられる。逆に、午前9時15分、任意の数の負荷の中の電力需要98は、風力による電力生産が減った時に、減少した供給96に合うように下げられる。有利なことに、負荷による需要を減少または増大させる必要がある時に、関与する負荷すべてが、予測よりも多くの電力を最適に利用できる(または、予測よりも少ない電力を利用できる)だけでなく、それらの一連の制約の各々の範囲内で動作することができる。
【0058】
本発明は、同様に、天然ガスにも適用できる。ガス消費が、異なる制御パラメータおよびユーザ制約に適用される同じ方法を用いて柔軟にされる。異なる負荷が、仮想負荷に集約され、結果として得られる柔軟性は、電力の場合と同じ方法で管理される。
【0059】
エネルギ管理システム
図6は、本発明の一実施形態に従って、エネルギ管理システム100を示す図である。有利なことに、本発明は、多くのエネルギプレーヤのいずれにも、革新的なシステム、方法、および、ユーザインターフェースを通して、集約された柔軟な電力へのアクセスを提供する。本発明は、主にエネルギ源としての電力に関して記載されているが、エネルギ源としての天然ガスの利用にも適用可能である。
【0060】
長距離にわたって電力を送る典型的な送電網104が図示されている。エネルギ公益事業106が、石炭火力発電所、原子力発電所、石油火力発電所、天然ガス発電所などの手段によって電力を生産しており、風力、バイオマス、太陽光、水力、波力、または、潮力発電などの再生可能エネルギ源も利用しうる。伝統的には、公益事業会社が、電力を生産して供給するが、現在では、エネルギ生産業者はエネルギを生産するが供給せず、一方で、エネルギ供給業者は電力を消費者に供給するが生産はしない。かかるエネルギ供給業者は、生産資源を持っても持たなくてもよく、通例、エネルギ取引業者として活動し、市場の条件およびポートフォリオの変化に応じて、電力を売買する。これらの公益事業、すなわち生産業者および供給業者すべてを、一般に、符号106を用いて網羅する。
【0061】
送電網は、住居、企業、および、産業電力消費者に電力を供給する局所的な配電網112に接続されている。公益事業および電力網に加えて、システムオペレータも、電力供給に関与する。送電システムオペレータ(TSO)108が、送電網の高電圧部分の安定性を維持し、配電システムオペレータ(DSO)114が、より低電圧の配電網112の安定性を維持する。もう1つのエンティティは、非効率性を避けるため、および、TSOによって課されるペナルティを避けるために、電力供給および需要の両方のバランスを維持する目的を持つバランサ116と呼ばれるエネルギ供給業者の個人(または機能)である。トレーダ116(これも供給業者に存在する)も、同様のエンティティであり、他のエネルギプレーヤと電力を取引する。集合的に電力を管理するこれらのエンティティすべて、すなわち、生産業者、供給業者、公益事業、オペレータ、バランサ、および、トレーダを、集合的に「エネルギプレーヤ」と呼ぶこととする。
【0062】
以下でさらに詳細に説明するように、これらのプレーヤの各々は、各エネルギプレーヤが、エネルギ管理システム全体の電力の柔軟性を可視化するだけでなく、条件が変化した時に任意の数の負荷をリアルタイムでリモート制御することを可能にする革新的なユーザインターフェース120(サーバコンピュータ、革新的方法、通信、および、制御ハードウェアによって支えられたインターフェース)にアクセスできる。
【0063】
図7は、エネルギ管理システム100を実装するために用いられる通信ネットワーク140の一実施形態を示すブロック図である。
図6で言及されたユーザインターフェース120を有する中央制御システム160にインターネットを介してリンクされたコンピュータ150が図示されている。コンピュータは、制御システム160上で実行されるウェブアプリケーションにアクセスするためにエネルギプレーヤが用いる任意の適切なコンピュータ(ラップトップまたはデスクトップコンピュータなど)である。エネルギプレーヤは、後述するように、ウェブアプリケーションを用いて、エネルギを管理する(例えば、供給および需要のバランスを取る)と共に取引を行う。ウェブアプリケーションとして実装された場合、追加のソフトウェアをコンピュータ150にインストールする必要はないが、制御システム160に記述されたソフトウェアをコンピュータ150(または、任意の数のコンピュータ)上にも実装することができる。
【0064】
制御システム160は、コンピュータサーバ164およびデータベース168を備えており、クラウドベースであることが好ましいが、共同設置データセンタ内のサーバ、専用サーバインフラストラクチャ、または、パーソナルコンピュータなど、他のスキームも想到される。一実施形態では、インターフェースコンピュータサーバ(または、複数のサーバ)が:ネットワーク140を管理し、コンピュータ150および負荷180〜184にインターフェースを提供し;負荷と通信し;すべてのビジネスデータ(ネットワークデータ、クライアントデータ、ならびに、負荷およびユーザの仕様)を収集し;パターン認識、予測、および、その他のパラメータフィッティングに用いられる状態記録データを収集し;一般に制御システムにフロントエンドを提供する。データは、データベース(または、複数のデータベース)168内に格納されてよい。アルゴリズムコンピュータサーバ(または、複数のサーバ)が、本明細書に記載のアルゴリズムおよび技術を実行し、インターフェースサーバと通信する。ウェブアプリケーションは、インターフェースサーバ上で実行される。
【0065】
制御システム160は、通信ネットワーク170とセキュアな接続を行い、そのネットワークを介して、エネルギ管理システムが管理する様々な負荷すべてと通信する。一実施形態において、これらのロケーションのサーバは、IPSecVPNを通して、プライベート無線ネットワークおよびプライベートVPNにファイバケーブルを用いてセキュアに接続されており、それにより、プライベートファイバケーブルネットワークへの無線または直接接続を用いて、インターネット上での接続性を有するローカル制御システムおよび負荷をつなぐことが可能になる。負荷の柔軟性を提供する工場または会社のサイトでは、サーバ(164)と負荷のローカル制御システムとの間でのデータ転送を管理するために、バッファがインストールされている。
【0066】
負荷の例
図8は、本発明で用いられる電気負荷の一例として用いられる冷蔵倉庫200のブロック図である。もちろん、本発明は、電気的に制御できる制御パラメータを有する任意のタイプのエネルギ負荷に適用可能であり、本明細書で提示された例に限定されない。冷蔵倉庫は、凝縮器204、圧縮器208、圧力容器212、および、個々の冷凍室220内に存在する任意の数の蒸発器222を含む。2以上の部屋が、所与の冷蔵倉庫内に存在してよく、冷蔵倉庫は、異なる構成または構成要素を有してもよい。当業者に周知のように、冷蔵倉庫は、様々な商品を冷凍または冷蔵状態で保持するために電力を用いており、常に圧縮器を全出力運転する必要はない。冷蔵倉庫は、動作に関する制約(最大温度など)を有し、動作を制御する様々な制御パラメータを有する;したがって、本発明の技術から恩恵を受けうる電気負荷の一例である。一実施形態において、制御システム160は、例えば、コンピュータ230を用いたローカル制御システムを介して冷蔵倉庫200と通信する(例えば、制御パラメータおよび値を供給してエネルギスケジュールを実施する)。
【0067】
本発明の利用から恩恵を受けうる電気負荷の他の例は、ラップトップ、工業用オーブンおよびその他の熱負荷、コンピュータ、データセンタ、揚水式発電所、工業電気分解、農業設備、HVAC、マテリアルハンドリング設備、石油およびガスポンプシステム、醸造所、ならびに、その他の製造所である。一般に、電気負荷は、負荷が電力供給網に接続されていて、制御システムを取り付けられているか、または、制御システムに接続可能である限りは、本発明での利用に適している。一般に、ガス負荷は、負荷がガス供給網に接続されていて、ローカル制御システムを取り付けられているか、または、ローカル制御システムに接続可能である限りは、本発明での利用に適している。
【0068】
負荷の柔軟性の最大化
図9は、特定の負荷の電力の柔軟性が最大化される一実施形態を説明するフローチャートである。この方法は、どのようにして、将来の期間(翌日など)にスケジューリングされる特定の負荷のエネルギ利用を最大限に柔軟にし、その後、その期間中に電力を柔軟にスケジューリングしたいエネルギプレーヤにそのエネルギ利用を提示するのかを説明する。有利なことに、スケジューリングされた電力にどのような変更があっても、負荷は、その制約の範囲内で動作できる。
【0069】
工程404で、対象となる特定の負荷の負荷制約が決定される;これらの制約は、製造業者負荷制約およびユーザ負荷制約の両方を含む。製造業者制約は、製造業者制約が満たされない場合に通例は負荷の故障または機能障害を引き起こす負荷の物理的要素に課される動作制約およびハードウェア制約を含む。例えば、冷蔵倉庫は、超過してはならない最大外部電圧/電流/電力、圧縮器能力、および、圧縮器のオンオフをあまりに頻繁に切り替えてはならない制約を有する。これらの製造業者制約は、対象となる特定の負荷の分析、その性能の履歴、ならびに、負荷に関連するユーザ文書および設置文書によって決定されてよい。ユーザ制約は、通例は負荷のオペレータによって課せられ、負荷または現在の目的に固有でありうる制約(境界条件など)を含む。例えば、冷蔵倉庫のオペレータは、冷蔵倉庫内に保管される特定のタイプの物品に温度範囲を課し、新しい物品の予期された供給に関する制約を有しうる。
【0070】
コンセントに接続されている時に電力網からラップトップを切り離すことができる(その後はバッテリで稼働する)ローカル制御システムを備えたラップトップにとって、ユーザ制約は、例えば、切断時にも等しいラップトップの性能をユーザが望んでいることであり、それは、切断時のバッテリの充電状態によって許されるよりも長時間は切断できないことを示唆する。
【0071】
工程408で、負荷の制御パラメータおよびそれらの可能な値が決定される。制御パラメータは、制御可能な負荷の任意の側面を含んでおり、通例、負荷によって用いられる制御システムによって決まる。制御パラメータ(厳密には、それらの値)を変更すると、通例、負荷の動作に影響し、(負荷の目的に応じて)良くも悪くもその機能を変化させ、負荷によって用いられる電力を変化させうる。冷蔵倉庫について、その制御パラメータは、各蒸発器のバルブ位置(バルブが開位置にあるか閉位置にあるか)、圧縮器の能力レベル(最大能力の何%で作動しているか)、最小または最大(室内)温度、蒸発器のファン速度などを含む。結果として得られる制御パラメータのセットは、制御パラメータおよびそれらの値の任意の可能なサブセットを含む。
【0072】
工程412で、負荷に対する任意のソフト制約が決定される。ソフト制約は、通例、必ずしも従う必要はないが、特定の理由(通常は負荷への経済的影響)から従うことが好ましい制約である。冷蔵倉庫の例において、ソフト制約は、圧縮器などの構成要素の耐用年数の影響に関する制限、特定の構成要素への予測摩耗の影響に関する制限、および、圧縮器の性能係数(低温ほど低下する)に関する制限を含む。例えば、圧縮器を停止状態から任意の電力レベルに切り替えると、寿命を縮める。したがって、可能なソフト制約は、一日当たり圧縮器のスイッチを切ることができる回数に対する制限でありうる。これらのソフト制約は、これらのソフト制約に影響する特定の制御パラメータが用いられる場合に、価値関数にペナルティを与えるペナルティ項の利用によって、以下に記載する価値関数に導入される。ラップトップに対するソフト制約の例は、ラップトップを頻繁にオンオフすることのバッテリ寿命への影響、ラップトップを切断する時に満充電バッテリを有することにユーザが割り当てた価値などを含む。
【0073】
工程414で、負荷のモデルが生成され、逆モデルも作られる。モデルは、負荷のシステムダイナミクスの数学的記述を提供し、コンピュータプログラムによって実装される。この例において、実装されたモデルは、負荷(この例では、冷蔵倉庫)のダイナミクスを模倣する。モデルは、負荷に課せられた全制約を考慮し、制御パラメータおよびそれらの可能な値を入力値として用いる。モデルは、「制御パラメータ値が変更された時に、負荷が用いる電力にどのように影響するか?」という基本的な疑問に答えるのに役立つ。例えば、蒸発器のバルブが部屋の内部で閉じられた場合、その変化は、冷蔵倉庫の電力需要にどのように影響するのか?モデルは、当業者に周知の様々な方法で作成されてよい。1つの技術は、負荷の履歴データに依存し、(例えば、ニューラルネットワーク技術などの自己学習を用いて)制御パラメータを入力値として受け取り、必要な電力を出力値として生成する「ブラックボックス」を開発する技術である。かかるブラックボックスモデルは、通例、様々なタイプの負荷に用いることができる。利用可能な別の技術は、負荷の基礎物理(すなわち、第一原理)を調べ、モデルの出力を生成するために解くことができる微分方程式(例えば)を用いて公式を開発する技術である。通例、かかるモデルは、その精度を保証するために、観察された現実世界のデータに基づいて較正される必要がある。第一原理から構築されるかかるモデルは、非常に負荷依存である。通例、コンピュータモデルは、手動で作られる。実装は、ソフトウェア内に行われ、モデルのパラメータフィッティングは、自動で実行されうるようなフィッティングである。
【0074】
作成されると、モデルは、すべての負荷制約、負荷の現在の状態を考慮に入れ、任意の制御パラメータおよびそれらの値を入力値として受け入れるよう設計されている。一般に、モデルの出力は、システムの状態が経時的に変化する様子と、特定の時間間隔でのシステムの所用電力とを記述する。冷蔵倉庫の例において、出力は、結果として得られる冷蔵倉庫の温度と、その時間間隔中に必要な電力量であってよい。実際の利用では、出力は、単に、状態から状態へ移行するのに必要な電力の変化である。例えば、冷蔵倉庫が、−10から−15の温度範囲で動作しており、−17まで温度を下げたい場合、モデルから、温度を下げるためにどれだけの電力が必要であるかわかる。したがって、後述するように価値関数を最大化する際に、モデルは、所与の時間間隔に必要とされる最小および最大エネルギレベル(ひいては、エネルギの変化)を提供するために用いられる。厳密に言うと、モデルは、通例、価値関数の各項の計算に用いられる。
【0075】
また、逆モデルが、負荷モデルに基づいて作られる。当業者であれば、逆モデルの作り方は理解できる。基本的に、特定のエネルギレベルが負荷に供給された時、逆モデルは、エネルギレベルを利用するだけでなく負荷の制約を満たし続けるために、どの制御パラメータがどの値を有するのかを出力する。特に明記しない限り、所与の時間単位での一定の電力レベルという仮定の下で、エネルギレベルおよび電力レベルを交換可能に用いることとする。任意の微小時間間隔では、電力およびエネルギの等価性が保証されることは明らかである。したがって、逆モデルは、任意の電力レベルを制御要素に写像するために用いることもできる。例えば、1日など、期間全体の時間間隔にわたってエネルギレベルが負荷に供給されることが好ましい。逆モデルは、様々な方法で負荷モデルから作成されてよい。最も簡単な方法は、ルート解決を用いて、現在の制約を仮定して必要とされるエネルギ消費レベルを生み出す制御パラメータのセットを生成する方法である。モデルが十分に単純である場合、第2の可能な方法は、閉じた解析形式で逆モデルを表現することである。
【0076】
逆モデルが電力をスケジューリングするために中央制御システムによって用いられると、特定の時間間隔での特定のエネルギレベルが、逆モデルによって制御パラメータおよび特定の値に写像される。逆モデルの定義域は、利用可能な制御パラメータすべてではなく、最適な制御パラメータ(後述する)だけを使うことに限定されてよい。逆モデルの利用は、一般に所与のエネルギレベルが様々な制御パラメータスケジュールを用いて消費されうるので、1つの一意的な結果を生じないことにも注意されたい。価値関数の大域的部分(すなわち、経済項、大域的制約、など)が、負荷の間に相互作用を導入することに注意されたい。この相互作用は、非一意性を除去する。
【0077】
工程416で、可能な負荷状態の分布が決定される。特定の負荷の負荷状態は、負荷が通例運転される際の1または複数の特定の条件を示す。冷蔵倉庫の例において、その状態は、その内部温度によって示されてよい。また、その状態は、その内部温度、外部温度、および、その構成要素の内のいずれかの状態など、条件の組み合わせによって示されてもよい。もちろん、圧力容器内の液体レベル、蒸発器のバルブ位置、圧縮器の電力消費、外部温度、蒸発器内の温度など、内部温度以外の状態も、冷蔵倉庫に用いられてよい。負荷状態の分布は、例えば、前年の間の負荷の状態を調べることによって、履歴的に決定されてよい。履歴値は、可能な負荷状態の分布を示すヒストグラムを生み出す。履歴データがない場合、負荷状態の分布は、許容負荷状態の定義域に分布を課すことによって先験的に作成されうる。
【0078】
ラップトップについて、負荷状態は、バッテリ充電状態、使用されるCPU時間の量、および、ラップトップで実行される1または複数の有限処理(バックアップ、インストールなど)の推定残りランタイムを含みうる。負荷が、そのエネルギ消費を制御するための建物管理システムを備えた大規模な建物である場合、負荷状態は、部屋ごとの内部温度、外部温度、照明の状態、エアコンのファン速度、エアコンの温度設定点、日付および時刻などを含みうる。
【0079】
工程420で、特定の負荷に用いられる価値関数が取得される。一般に、異なる価値関数が、各タイプの負荷に用いられてよいが、同様の関数形式を有してもよい。現在の方法における価値関数の目的は、負荷の電力柔軟性を最大化する観点で、いわゆる良い制御パラメータおよび悪い制御パラメータを区別し、電力がスケジューリングされる時に負荷を操作するために用いられる最適制御パラメータのセットを生成することである。この工程では、特定の負荷のために構築された価値関数が入力される。冷蔵倉庫負荷で利用されうる価値関数の具体的な例を以下に示す。
V=E[Σ
iΔE
i/E
peak−ρ]
=∫P(x)dx[Σ
i=1KΔE
i(x)/E
peak−ρ(x)]
ここで、
・Eは、上述の負荷状態の分布を用いた平均化を示す期待値演算子である;
・ΔE
i=ΔE
i(x)=sup
θaE
i(x,θ
a)−inf
θaE
i(x,θ
a)は、i番目の時間間隔中の負荷状態を前提とした負荷の最大および最小許容エネルギ消費の間の差である;許容エネルギが時間依存制約に依存しうるため、時間への明確な参照がここでなされる;
・θ
aは、制御パラメータの許容値を示す;
・xは、負荷/環境の可能な状態(Lのx要素)を示しており、L={x|Lのx要素}=すべての可能な負荷状態の集合;
・P(x)は、負荷状態の統計的確率分布である(例えば、履歴データから負荷状態のヒストグラムを用いることによって見いだされる);
・E
peakは、所与の時間間隔におけるシステムによる最大エネルギ消費である;
・ρは、一般的な関数形式で導入され、負荷の制御の経済的影響を要約する。
【0080】
項ρの簡単な例は、負荷の寿命および負荷のエネルギ効率に対する制御された操作の影響を考慮に入れる:
ρ=w
1*Δ
twear/t
lifetime+w
2*η/η
max
ここで、
・t
lifetimeは、資源の耐用年数である(例えば、負荷については、製造業者による耐用年数);
・Δt
wearは、システムの現在の状態を前提として具体的な制御パラメータを選択することによる(t
lifetime)への影響である;
・ηは、負荷状態および具体的な制御動作の選択を前提とした負荷のエネルギ効率である;
・η
maxは、その負荷状態を前提とした負荷の最大効率である;
・w
iは、「ペナルティ項」に割り当てられた重みである。
【0081】
通例、負荷の挙動はその状態に依存するので、期待値が、関数を平均するために、許容負荷状態の分布にわたって取られる(例えば、冷蔵倉庫のすべての可能な温度にわたるサンプリング)。平均温度については、許容される電力の変化がゼロになる内部温度帯の境界での温度に比べて、より電力の柔軟性がある(すなわち、内部温度制約に従いつつ、電力が変更されうる)。換言すると、冷蔵倉庫が最大内部温度にある場合、冷蔵倉庫への電力を削減することは許されえない。
【0082】
価値関数内で参照されるタイムスケールは、負荷サイクル(すなわち、価値関数を決定するのに有用な負荷にとって自然な時間のサイクル)に関連した時間である。負荷サイクルは、負荷オペレータが働く典型的な計画期間として定義される。この計画期間は、ユーザ制約で用いられるので重要である(例えば、「明日午前7時に予定された新たな物品の到着前に冷蔵倉庫の温度を下げる」)。このタイムスケールは、通例、エネルギ市場が機能するタイミング(例えば、15分間隔)を反映するいくつかの時間間隔に分割される。したがって、上述の価値関数は、負荷サイクル全体にわたって定義されるので、タイムスケール全体を含むすべての間隔の合計を含む。例えば、冷蔵倉庫の自然な負荷サイクルは、昼間の暑さと夜の寒さを合わせた一日であってよい。ラップトップを充電する例において、自然な負荷サイクルは、バッテリが放電状態から満充電状態に充電される約8時間持続する1回の充電セッションであってよい(ラップトップバッテリは、充電セッションの期間中ずっとは充電されていなくてもよいことに注意されたい)。
【0083】
一般に、価値関数は、負荷によって特定の時間間隔で達成できるエネルギ間隔ΔE(制約内で許容される最大エネルギから制約内で許容される最小エネルギを引いたもの)を最大化することにより、負荷の制御によって課される潜在的なコストのバランスを取る。したがって、価値関数の最大化の出力は、負荷がより多くの電力を用いるか、または、より少ない電力を用いることを、エネルギプレーヤが求めた時に、(制約内で)負荷を操作するために利用できる最適制御パラメータである。換言すると、エネルギ間隔を最大化することにより、価値関数は、すべての制約および経済コストを考慮して、より少ない電力またはより多い電力を負荷に供給する際に、エネルギプレーヤに最大範囲の柔軟性を与える最適制御パラメータを生み出す。
【0084】
図に示すように、価値関数は、以前に決定されたそれらのソフト制約(通常は経済的影響を示す)を示す負のペナルティ項によって補強される。例えば、冷蔵倉庫の圧縮器に重大な損耗を生じる制御パラメータのセットを用いると、より大きいペナルティを価値関数に導入し、その制御パラメータセットが最適セットとして選択される可能性を低くすることになる。価値関数のすべての項が、それらを無次元にするための分母を含み、重み付け係数を用いて増減されることが好ましい。
【0085】
工程424で、価値関数は、最適制御パラメータのセットを決定するために最大化される。換言すると、価値関数は、最大化された最適電力柔軟性を持つ負荷を制御するのに必要な制御パラメータの最適セットを生成するために解かれる(それらの値がない場合)。例えば、冷蔵倉庫のための制御パラメータの最適セットは、蒸発器のバルブ位置、および、蒸発器のバルブが自由に位置を変えることを許される温度帯であると決定されてよい。ラップトップについて、最適制御パラメータは、電力供給を遮断してバッテリ利用に切り替えることであってよい。
【0086】
単純な価値関数(すなわち、項が少なく、状態変数の数が限られている関数)が、シンプレックスアルゴリズムまたはニュートン・ラプソン法など、標準的な数値最小化技術を用いるために解かれてよい。より複雑な価値関数(すなわち、より多くの項、または、多くの制御パラメータを有する関数)が、制約付きマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いるために解かれてよい。これらの複雑な価値関数について、制御戦略を決定する際、価値関数は、問題を凸にするために、(大きい制御パラメータにペナルティを与える)正規化項によって補強されてよい。正規化項の強さを決定するために、モロゾフの方法を用いることができる。価値関数の各項を計算するために、負荷について以前に得られた負荷モデルが用いられる。直感的に、価値関数を最大化することは、パラメータのすべての組み合わせを反復し、価値関数に対する特定の組み合わせの影響を決定することを意味すると理解できる。例えば、冷蔵倉庫内でファンをオンまたはオフすることが、温度および必要な電力量にどのように影響するのか?最終的に、価値関数の最大値を提供するパラメータのセットを選択することが可能であり、これが、制御パラメータの最適セットになる。
【0087】
さらに、価値関数の固有の無次元形態のため、その最大値は、特定の負荷が電力の柔軟性を最大化できる程度を普遍的な方法で示す数値である。価値関数が作成され、任意の数の負荷について最大化された場合、最高値を生み出す負荷は、電力の変化への対処が最も良好で、おそらく、エネルギプレーヤの立場から値の最大化が最良である負荷である。この特定の負荷を特定することが可能であり、電力のスケジューリングで後に使用するために、負荷を値の降順で順序づけてよい。
【0088】
工程430で、最適制御パラメータを再決定するか、または、モデルを再適合させることが、或る時点で必要になりうる。負荷がモデルに従っていないこと、または、価値関数が(負荷のダイナミクスの変化のために)最適化されていないことが明らかになった場合、上述のように最適制御パラメータを再び決定する必要がありうる。または、負荷のダイナミクスの変化により、モデルを再適合させることを決定してもよい。再適合は、例えば、以前の解から始めて、ローカルな最適化手順を用いて行われてよい。
【0089】
負荷のための電力のスケジューリング
図10は、個々の負荷に対して電力をスケジューリングするための一実施形態を説明するフローチャートである。個々の負荷は、通例、以下に述べるように、単一のより大きい仮想負荷に集約されても、最終的には、各負荷の電力をスケジューリングし、負荷がその制約内で動作することを保証する必要がある。工程440で、所与の期間内のすべての時間間隔に対する電力レベル(例えば、エネルギスケジュール)が、特定の負荷について決定される。これらの電力レベルは、後により詳細に説明するエネルギ取引の文脈で決定されてよい。
【0090】
工程444で、負荷のための逆モデルが入力される。上述のように、逆モデルは、工程414で生成されており、負荷モデルは、入力パラメータおよび値のセットを前提として負荷について結果として得られる電力を生成し、逆モデルは、電力が入力される所与の間隔に必要とされるパラメータおよび値を生成する。逆モデルは、最適でない他の制御パラメータを出力する代わりに、最適制御パラメータ(および、それらの値)だけを出力するよう制限されてよい。逆モデルは、工程440の電力レベルによって具体化されたエネルギスケジュールを実現するために、期間にわたる各時間間隔について最適制御パラメータの値を出力するよう設計されている。
【0091】
逆モデルが期間中の特定の時間間隔に適切な制御パラメータおよびそれらの値を出力する間に、制御パラメータの値が時間間隔中に変化する状況がありうる。逆モデルは、この状況にも対応できる。モデル自体は、制御パラメータスケジュールを前提とした負荷のダイナミクスを記述するので、この関係性を逆転させること(すなわち、逆モデルを作成すること)により、所与のエネルギ消費を達成するために、おそらく時間的に変化する制御スケジュールが生成される。例えば、電気自動車のバッテリが、所与の時間間隔において5分間の充電だけで、完全に充電される場合、逆モデルは、それを考慮に入れて、時間間隔の最初の5分間だけバッテリが充電されるような制御パラメータおよび値を出力し、その後、充電が終了する。
【0092】
工程448で、これらの電力レベルは、逆モデルに提供され、次いで、逆モデルは、パラメータ(好ましくは最適パラメータ)およびそれらの値の制御スケジュールを出力する。この出力された制御スケジュールは、期間中の各時間間隔に対して、どの制御パラメータを用いるか、そして、それらの値がいくつであるかを示す。工程452で、この制御スケジュールは、任意の適切な通信ネットワークを用いて中央制御システム160から負荷に供給され、その後、スケジュールは、任意の適切な制御ハードウエア(その実装については後述する)を用いて負荷によって実行される。
【0093】
上記の技術の実装例を説明するために、単一の圧縮器208に接続された3つの部屋を有する
図8の冷蔵倉庫200の例を考える。利用可能な制御パラメータは:圧縮器電力(0、50、および、100%の値を有する);庫内蒸発器のバルブ位置(開または閉);蒸発器のファン速度(連続または特定の間隔に制限);各部屋の温度設定点;ならびに、部屋の最低温度および最高温度を与える温度帯。
【0094】
上で定義した価値関数を用いると、例えば、冷蔵倉庫の電力使用量を操作するための制御パラメータとして圧縮器電力を用いることが、マシンの劣化に著しく影響することが、直感的にわかる。例えば、ゼロ電力とより高電力レベルとの間で圧縮器を操作することが、圧縮器の劣化に寄与し、100%未満で圧縮器を運転することが、低エネルギ効率につながる。圧縮器の寿命に対するこの悪影響は、(圧縮器の寿命および損耗に関する)価値関数の対応する項を支配的にしすぎるため、価値関数は、最適制御パラメータとして圧縮器を用いることを含まない別の解に落ち着く。
【0095】
部屋の温度設定点を制御パラメータとして用いることも、圧縮器が頻繁にオンオフに切り替わることを意味するため、この場合も、圧縮器の劣化を意味する。さらに、設定点を制御パラメータとして用いることが、特に複数の部屋について著しく低い柔軟性につながることも明らかである。まず、温度は、設定点からわずかにしか離れえないので、これは、単一の部屋の柔軟性を減少させる。さらに、設定点は、部屋の間の同期を全く制御できないので、集約された電力消費が平準化される。価値関数の解がこの制御パラメータを考慮しない別の理由は、複数の部屋の例において、すべての部屋を冷却する必要があることはあまり頻繁でなく、これは、圧縮器が100%未満で運転しなければならないことも意味するからである。
【0096】
したがって、価値関数は、可能な最適制御パラメータとして圧縮器および温度設定点を考慮せず、別のものを選択することになる。この例では、価値関数の解は、最適制御パラメータとして、蒸発器バルブ位置および温度帯を提供する。これらの最適制御パラメータは、最大電力(および、最適効率)で運転して、可能な限りスイッチオフを少なくできるように、圧縮器の出力を制御できる。したがって、価値関数(工程420で述べた価値関数など)を解くと、負荷の電力をいずれの方向にも操作することを可能にしつつも、負荷の効率を最大化してその構成要素を維持する最適制御パラメータが得られる。これらの最適制御パラメータが決定されると、電力がスケジューリングされて工程448で逆モデルに提供され、その出力は、最適制御パラメータを用いる上述の制御スケジュールとなる。したがって、負荷は、その制約内で、電力を削減するか、または、より多くの電力を使うように操作されうる。
【0097】
個々の負荷を柔軟にすることができても、柔軟な電力を求めるエネルギプレーヤは、通例、個々の小さい負荷の詳細および柔軟性には興味がない。制約の数は、望ましくない複雑性を形成し、さらに、個々の負荷を扱うことは、大きいエネルギプレーヤにとっては単に経済的でない。この認識は、多数の個々の負荷のセットを、わかりやすい境界条件を有すると共に1つの大きい負荷であるかのように単純な制御パラメータを用いて操作されうる1つの新しい仮想負荷に集約する動機付けになる。したがって、任意の数の個々の負荷を、エネルギプレーヤによって容易に制御されうる柔軟性を備えた単一の新たな仮想負荷に集約することを可能にする技術について説明する。仮想負荷は、単一の制御パラメータ、すなわち、その電力レベルを有することが好ましい。
【0098】
個々の負荷の集約
図11は、多くの資源(R)すなわち負荷がどのように単一の仮想負荷に集約されうるのかを示す。それぞれ独自の制約、制御パラメータ、価値関数、および、電力に対する具体的な要求を有する個々の負荷480〜488が図示されている。大域的価値関数を用いて、これらの負荷は、単一の制御パラメータとして電力消費を持つ単一の仮想資源すなわち仮想負荷490に集約されてよい。有利なことに、エネルギプレーヤは、後に個々の負荷の各々のための制御スケジュール(制御パラメータおよびそれらの値を含む)に写像される仮想負荷(柔軟性を提供される)の所用電力の操作に関心を持つだけでよい。もちろん、多くの仮想負荷が作成され、各々が個々の負荷の異なるセットの集約であってもよい。例えば、負荷480および486は、第1の仮想負荷を形成するよう集約されてよく、負荷482、484、および、487は、第2の仮想負荷を形成するよう集約されてよく、負荷488は、単独で存在してもよいし、他の負荷と集約されて第3の仮想負荷を形成してもよい。
【0099】
図12は、負荷が仮想負荷に集約される方法を示すフローチャートである。任意の数の負荷が集約されると、組み合わされた負荷を仮想負荷と見なすことができ、単一の実在する負荷であるかのように、この仮想負荷に対して電力をスケジューリングすることができる。
【0100】
任意の数の負荷に対する制約および制御パラメータは、様々な方法で入力されてよい。一実施形態において、工程404〜424は、個々の負荷に対して実行されるため、各負荷に対する制約、モデル、および、逆モデルだけでなく、各負荷に対する最適制御パラメータのセットも生成する。このように、すべての負荷の集約は、各負荷に対する最適制御パラメータのセットを含み、最適解をもたらす。しかしながら、最適制御パラメータの一部または全部が、特定の負荷では利用できない場合がありうる。ただし、その場合にも、いくつかの制御パラメータの利用不可能性に関する制約を追加して、工程404〜424を実行できる。次いで、方法は、拡大された制約のセットを前提として、再び最適である他の制御パラメータを生成し、それらのパラメータは、現在の集約工程で用いられる。例えば、蒸発器バルブは、通常は最適制御パラメータとみなされるが、特定の冷蔵倉庫で、一群の蒸発器バルブの制御が可能ではない場合がある。
【0101】
それに応じて、
図12は、負荷を集約するための1つの可能な実施形態を提示する。工程504で、各負荷に対する制約(製造者、ユーザ、および、ソフト制約)が、入力されるか、または、ローカルデータベースからリトリーブされる。工程508で、各負荷に対して利用可能な制御パラメータのセットが入力される(すべてが最適制御パラメータでありうるいくつかのセット、ならびに、最適および非最適制御パラメータを混在して含む可能性のあるいくつかのセット)。
【0102】
工程512で、各負荷のための価値関数が入力され、各価値関数は、他の価値関数とは異なる可能性がある。あるいは、同様の負荷の場合、価値関数は、同様の形態を有してもよいが、負荷依存の別の項を含んでもよい。各負荷の価値関数と共に、工程414で決定された各負荷の負荷モデルおよび逆モデルも入力される。上述のように、どの負荷も、その挙動を制御するためのパラメータのセットを有する。価値関数の定義域は、それらのパラメータに制限される。パラメータを自由に選べる場合には、前述の方法を用いて最適なものを決定し、現在の手順中に価値関数の定義域をそれらの最適なパラメータに限定する。
【0103】
工程516において、大域的価値関数が入力される。大域的価値関数の一例は、以下に示す式であり、各負荷からの個々の価値関数の合計と、ゼータとして知られる経済項「ζ」とを含む。
V=Σ
iv
i+ζ
【0104】
最初の項は、各負荷の影響を表す。大域的価値関数は、集約された負荷のスケジューリングに用いられるので、すべての可能な初期負荷状態にわたって予測値が取られるわけではないことに注意されたい。経済項は、エネルギ供給業者またはシステムオペレータなど、柔軟性のエンドユーザに応じて、様々な形態を取ってよい。その結果、経済項は、ユーザの視点に従って、集約された柔軟性に経済的価値を置く。
【0105】
異なるユーザが、仮想負荷の柔軟性に特定の経済的価値を置く。エネルギ供給業者、または、前日バランサ(day−ahead balancer)にとって、経済的価値は、一日の間の電力ピークと一致する柔軟性のタイミングによって主に駆動される。例えば、需要ピーク中の電力の柔軟性は、ピーク時には電力価格が高くなるので、ベース時の柔軟な電力よりも供給業者にとって価値が大きい。エネルギ供給業者は、これらのエネルギピーク中の需要を満たすことができることにも関心がある。しかしながら、システムオペレータにとって、経済的価値は、柔軟性の現行の利用可能性によって主に駆動される。換言すると、システムオペレータは、特定のピークで電力需要を満たす能力よりも、一日を通してすべての時刻で柔軟性(すなわち、電力容量)を有することを望む。システムオペレータは、電力網の安定性を維持するために、この能力を望む。システムオペレータにとって、経済的価値は、仮想負荷の応答時間、すなわち、仮想負荷をスケジューリングするために必要な最小遅延によっても駆動されうる。したがって、この場合、経済項は、応答時間に関する減少関数になる。しかしながら、配電システムオペレータにとって、経済的価値は、電力網に沿って測定された不均衡までの距離によって駆動される。日中バランサ(intra−day balancer)は、応答時間が短い時に、柔軟な消費をより高く評価する。したがって、かかる場合に、価値関数は、応答時間の関数として柔軟性の価値が減少することを示唆する。
【0106】
中央制御システム160を用いて様々なエネルギプレーヤに柔軟な仮想負荷を提供しようとする仲介者(需要応答集約者など)が、仲介者の収益を最大化する経済項を選択して、以下に示すような経済項を利用しうる:
ζ=E[max(ζ
1,ζ
2,...,ζ
N)];
ζ=∫P(x)dx max(ζ
1(x
1),ζ
2(x
2),...,ζ
N(x
N))]
ここで、
Eは、それぞれの独立変数x
iの分布にわたって独立変数の期待値を計算する期待値演算子であり;
各ζ
i(x
i)は、所与のエネルギプレーヤから見た経済的価値であり、この経済的価値を駆動するものに依存関係がある。
【0107】
例えば、エネルギ供給業者にとって、x
iは、(i)自身のポートフォリオにおける不均衡および(ii)電力価格のペアであってよく、ζ
i(x
i)は、その電力価格と供給業者ポートフォリオ不均衡の符号/量とを前提とした柔軟性の経済的価値である。システムオペレータにとって、x
iは、エネルギ管理システムの応答時間であってよく、ζ
i(x
i) は、その応答時間と現在の電力網不均衡の符号または量とを前提とした柔軟性の経済的価値であってよい。
【0108】
換言すると、中央制御システムによって選択された経済項は、特定のエネルギプレーヤのためには価値を最大化しないが、サービスを提供する仲介者への価値を最大化する。この例において、需要応答集約者は、最高入札したエネルギプレーヤに電力柔軟性を販売したいと思う。したがって、大域的価値関数は、電力柔軟性の異なるユーザに対しては異なっていてよく、それらの価値関数の最適化が、異なる解を生じることになる。
【0109】
特定の一実装例において、第2項ζ(スケジューリングされた柔軟性の経済的価値を表す)は、正の部分(要求されたエネルギスケジュールE
sに対して支払われた価値を示す)および負の部分(エネルギのミススケジューリングに対して支払われたペナルティを示す、すなわち、実現されたエネルギ消費E
rは、要求されたエネルギE
sと正確に等しくない場合がある)を有する。しかしながら、以下の具体例では、正の寄与だけに焦点を当て、ペナルティ項は、常に“−w*(E
r−E
s)
2/E
peak”の形態であると仮定する。ここで、wは、重み付け係数であり、E
peakは、仮想負荷の最大エネルギ消費である。負荷あたりの柔軟性項(ΔE
i/E
peak,i)があるため、効率的な制御パラメータが好ましい。また、大域的価値関数は、ζにおけるペナルティ項により、要求されたエネルギスケジュールE
sに適合しようとする。スケジューリングのコストは、単一負荷の価値関数v
iに存在するρ
i項(例えば、寿命への影響)によって取り込まれ、ζの正の部分によってモデル化された柔軟性の経済的価値とのバランスが取られる。
【0110】
一具体例において、電力の前日取引に重点を置くエネルギプレーヤを考える。供給業者は、特定の限界コストを電力の生産に関連付ける。(例えば夜など、需要の低い期間に消費される)ベース電力需要は、通例、原子力発電所などの「低コスト」発電所によって供給され、(例えば電力価格の朝および夕方のピークなど、需要の高い期間中に消費される)ピーク電力需要は、通例、ガスタービンなどの「高コスト」発電所によって供給される。これは、供給業者に対する限界コストに応じて、一日の間の電力生産コスト(ここではζで示される)のプロファイルを生成する。
【0111】
これを考慮すると、この例における柔軟性の価値は、エネルギが最も高い期間からエネルギが最も安い期間へと移すことができるエネルギ消費の量によって近似できる。式において、これは:
V=Σv
i+ζ
ζ=(p
max−p
min)*E
avail
ここで、
Vは、上述のように集約のための大域的価値関数であり;
ζは、供給業者にとっての柔軟性の経済的価値を示し;
p
maxおよびp
minは、一日の中でのエネルギ単位あたりの最高価格および最低価格を示し;
E
availは、ピーク時間からベース時間へ移すことができる総エネルギである。
【0112】
別の具体例において、容量に重点を置くTSOを考える。予期しない電力網の不均衡に対応するために、TSOは、制御可能な電力容量に関心があり、所与の期間にわたって最大限に利用可能な電力を求めている(例えば、一年中、または、一年中の毎日午後5時から午後8時)。その結果、大域的価値関数および経済項は:
V=E[Σ
i=1KΔE
i/E
peak+ζ]
ζ=−[√(Σ
i=2K(E
i−E
i−1)
2)]*Q=−(バランスを取るのに利用可能なエネルギの変動率×固定料金)
【0113】
工程520で、大域的価値関数は、特定の時間間隔にわたって負荷の各々に与えられるべき相対電力量だけでなく、所与の電力に基づいたそれらの時間間隔中の各負荷の制御パラメータおよびそれらの値も提供できる配分関数(dispatch function)524を決定するために最大化される(すなわち、解かれる)。より具体的には、配分関数は、総価値関数Vを最大化するように、仮想負荷のあらゆる(許容)エネルギ消費スケジュールを個々の負荷の制御パラメータスケジュールに写像する。
【0114】
換言すると、大量のエネルギが期間の時間間隔中に利用可能であると仮定すると、配分関数は、以下の3つの機能を提供する:個々の負荷のすべての間でそのエネルギすべてを(割合として)分配する;価値関数の最適化を用いて、各負荷のためのエネルギを時間間隔中に時間的に変化する電力に写像する(すなわち、時間間隔中に負荷のための電力が変化しうる);各負荷に関連する逆モデルを用いて、時間間隔中の電力消費を制御パラメータおよび値のセットに写像する。したがって、工程524で決定された配分関数は、各負荷のための実際の電力レベルも実際のパラメータ値も提供しないが、実行時、例えば、工程544および548において、仮想負荷のための実際の電力レベルがスケジューリングされる時に、それらのレベルおよび値を生成する。さらに、第1の機能は、時間的に変化する電力分配を可能にするように容易に拡張できる。すなわち、間隔中に消費される電力が、異なる負荷にわたる電力の分配と同様に変化しうる。
【0115】
大域的価値関数を解く際に、仮想負荷によって消費された電力が、唯一の制御パラメータになるよう制限される。価値関数は、当業者に周知の様々な技術を用いて解かれてよい。一般に、分析的に解を見いだすことはできないが、最良の解を探す数値探索アルゴリズムを用いることが好ましい。
【0116】
1つの特定の数学的実装は、最初に、制約プログラミングの標準的な技術を用いて初期解を「オフラインで」計算する。オンライン(リアルタイム)の段階中に、ラグランジュ緩和および制約サンプリング(Lagrange relaxation and constraint sampling)が、最適領域を迅速に近似するために用いられる。各負荷の電力消費を予測するために、交差検証を用いて正規化の強さを選択する正規化回帰の様々な実装を用いる。スケジューリングのために、欲張り探索アルゴリズムが用いられてよい。欲張り探索アルゴリズムは、各負荷の最適エネルギ消費を計算し、エネルギ消費に関して価値関数の傾きを計算する。優先度が、傾きの降順ですべての負荷に与えられ、その後、要求された量を正確にスケジューリングするまで最初に最高優先度を持つ負荷でのエネルギレベルを変えることによって、最適消費(すべての最適エネルギレベルの合計)と、スケジューリングされる総エネルギとの間の差を再スケジューリングする。この実装は、上述の配分関数の実現の一部である。実際に、所与の時間間隔に仮想負荷によって消費されなければならない所与のエネルギ量から始まり、欲張りアルゴリズムは、価値関数を最大化するような方法ですべての負荷にそのエネルギを配分する。負荷当たりの対応する電力プロファイルが計算されると、逆負荷モデルを用いて、これらのプロファイルを制御パラメータスケジュールに変換する。したがって、配分関数は、ここでは2つの演算の合成である:すなわち、欲張りアルゴリズムによって計算された各負荷の電力プロファイルに逆負荷モデルを適用する。大域的価値関数を最大化するために利用できる他の技術は、焼きなまし法および遺伝的アルゴリズムなどの大域的な最大化手順である。
【0117】
上述のように、大域的価値関数を解くことにより、対象となる期間の各時間間隔について各負荷の制御パラメータおよびそれらの値を提供できる配分関数が得られる。例えば、上述の解が、時間間隔内に特定の負荷に配分される総電力の内の割合を提供すると、配分関数は、さらに、その時間間隔中にその電力(時間間隔内で経時的に変化する場合がある)を消費するのに必要な制御パラメータおよび値を決定する。これは、特定の負荷の逆モデルを用いて電力(時間間隔にわたるエネルギではない)を制御パラメータスケジュールに変換することによってなされる。配分関数は、一意性を強いるように逆モデルの像を制限することが好ましい。したがって、配分関数は、すべての可能な電力消費プロファイルを制御パラメータのスケジュールに写像する。
【0118】
これらの制御パラメータおよびそれらの値も、一般に、時間依存である。例えば、特定の時間間隔中に特定の負荷に対して、1セットの制御パラメータおよび値が出力されるだけでなく、これらの値は、負荷の電力消費を調整するために、時間間隔自体の間にも変化しうる。例えば、仮想負荷内の1セットのラップトップが、特定の時間間隔中に順次充電されうる。換言すると、時間間隔中に消費される特定の量のエネルギを仮定すると、このエネルギは、間隔の最初の5分間だけ第1のラップトップを、次の5分間は第2のラップトップを充電し、時間間隔の最後の5分間は第3のラップトップだけを充電することによって消費されうる。したがって、或る時間間隔中に所与の負荷のための特定のエネルギ量を仮定すると、制御パラメータおよび値は、経時的に最良のエネルギ消費を提供し、それは、必ずしも、時間間隔全体にわたる平均消費ではない。仮想負荷の制御パラメータは、瞬間的なエネルギ消費であるため、この制御パラメータを変えると、しばしば、個々の負荷のための様々な制御パラメータが得られる。逆に、仮想負荷の電力レベルが一定に維持されても、負荷モデルによって支配される個々の負荷の状態が変化することから、個々の負荷の制御パラメータ値は、(配分関数に基づいて)経時的に変化しうる。
【0119】
最後に、価値関数のおかげで、配分関数は、常に、仮想負荷ユーザにとって最も価値が高くなるように電力をスケジューリングすることが明らかである。例えば、高速応答の柔軟性を必要とする日中配分者(intra−day dispatcher)の価値関数を考えると、短い応答時間を有する負荷が、仮想負荷を含む他の負荷の前にスケジューリングされる。そのような方法で、仮想負荷は、最短の応答時間を有して、総価値関数のより大きい価値を生み出すことになる。
【0120】
集約された電力のスケジューリング
図13は、仮想負荷を用いて個々の負荷に対して集約された電力をスケジューリングするための一実施形態を説明するフローチャートである。有利なことに、エネルギプレーヤは、単一の電力スケジュールを仮想負荷に単に送るだけでよく、次いで、本発明の一実施形態が、すべての個々の負荷の制約が満たされることを保証しつつ、仮想負荷内の個々の負荷の各々に対してその電力を自動的にスケジューリングして、期間に対する制御パラメータおよび値を提供する。
【0121】
工程540で、電力レベル調整が、仮想負荷のために特定の時間間隔についてエネルギプレーヤから受信される。この電力レベルは、エネルギプレーヤが、元の基準曲線(後述する)と相対的に仮想負荷への電力を増大または減少するために柔軟性を利用した後に受信されうる。エネルギプレーヤは、基準曲線に対して正または負の電力レベルを入力する(標準的な慣例では、正の値は、負荷の利用するエネルギを減らすべきであることを示唆し、負の値は、負荷の利用するエネルギを増やすべきであることを示唆する)。
【0122】
もちろん、電力レベル調整は、期間全体について、および、期間中の任意の数の時間間隔について受信されうる。エネルギプレーヤによって入力された電力レベルは、システムがその条件を確認できるため、上方境界および下方境界の範囲に入る許容値であると仮定できる。説明しやすいように、エネルギプレーヤは、常に、1つ(または、2以上)の時間間隔にわたって一定の電力レベルを供給することに注意されたい。しかしながら、これは、その時間間隔にわたって消費されるエネルギの量が、所与の一定の電力レベルでその間隔にわたって消費されたエネルギに等しいことを示唆するだけである。したがって、一般に、仮想負荷は、時間間隔中に、時間的に変化する速度で所与の量のエネルギを消費しうる。
【0123】
一般に、所与の負荷の総エネルギ消費は、しばしば、負荷サイクル全体にわたって測定された場合に、(制約によっては)一定のままになる。例えば、冷蔵倉庫は、食物を凍ったまま保持するために、その圧縮器が、毎日およそ4時間運転されることを必要としうる。エネルギ取引が、(過剰電力を分配するために)日中の早い内に1時間の圧縮器稼働時間を追加することを求めた場合、圧縮器が4時間しか運転されないように、その日のうちの或る時点で1時間の圧縮器稼働時間を差し引くことが好ましい。 しかしながら、特定の期間中の総エネルギ消費が一定のままでなくてもよいというこの一般的なルールに例外を与える特定の条件がある。制約が十分に寛容である場合には、これが当てはまる。これが起きた場合、制御システムは、或る負荷サイクルから別の負荷サイクルに柔軟性を移してよい。これは、後半段階で価値関数の(期待)値に基づいて再び決定される。
【0124】
例えば、広い温度帯を有する(そして、問題の時間間隔中にその温度帯の上限で動作する)冷蔵倉庫は、追加の1MWhのエネルギを利用する(したがって、その温度を下げる)ことが可能でありうるため、その日の残りの間の或る時点で追加の1MWhのエネルギを差し引く必要がない。この例の冷蔵倉庫は、追加のエネルギに「対処」しつつも、その制約を満たしているため、他の時間に余分なエネルギを取り除くことによって補償する必要がない。上述のように、スケジュールは、価値関数を最大化するように選択される。例えば、さらなる1MWhが安かった場合、システムは、これを用いて、次の日(別の負荷サイクル)の高い1MWhを補償することが好ましい。
【0125】
仮想負荷の総エネルギ消費が一定に維持されなければならないと仮定すると、工程542は、最初に、上で受信したすべての指定された間隔のすべての電力レベル(正または負)を合計することによって期間に追加される総エネルギを決定する。次に、その工程は、仮想負荷のその期間中のどこか(電力レベルを受信した指定の間隔以外)に総エネルギに対応する負の値(補償するエネルギ)をスケジューリングすることによって、1または複数の時間間隔に追加される(または、差し引かれる)総エネルギを補償する。換言すると、工程540でエネルギプレーヤによってスケジューリングされた総追加エネルギは、工程542でスケジューリングされた補償エネルギと合わせた時に合計ゼロになることが好ましい。もちろん、負の総エネルギは、工程540でエネルギプレーヤによって選択された1または複数の時間間隔に追加されず、単一の時間間隔に追加されてもよいし、複数の時間間隔に分割されてもよい。個々の負荷の各々に対する制約が厳しい場合、いかなる単一の負荷でも、補償が起こりうる。
【0126】
仮想負荷について期間中の負の総エネルギをスケジューリングすることは、様々な方法で達成されてよい。一例では、かかるスケジューリングは、工程740〜752に記載する技術で達成されてよい(そして、すでに実行されていてもよく、その場合、工程542は必要ない)。この例では、エネルギプレーヤがさらなるエネルギをスケジューリングしたい指定の間隔は、工程740では考慮されるセットからは除外される。工程760でループから出ると、一番最近に工程740で決定されたエネルギレベル分布が、工程542を実行するために用いられる。この補償手順は、例えば、エネルギプレーヤのポートフォリオへの経済的影響を最小化するために、修正できる。
【0127】
負の総エネルギが仮想負荷についての特定の間隔中の補償電力レベルの形態でスケジューリングされると、これらのエネルギ値(追加される総エネルギおよび補償エネルギ)は、実際の負荷の間に分配される準備が整う。工程544で、所望の電力レベル調整が、対象となる特定の時間間隔中に、仮想負荷内のすべての個々の負荷にわたって分配される。この分配は、工程524で決定された配分関数からのエネルギ分配割合を用いて実行される。換言すると、特定の時間間隔に対する特定のエネルギレベル調整が、分配割合に従って、すべての負荷にわたって分配される。さらに、工程544において、特定の時間間隔に対して工程542で決定された補償電力レベルも、分配割合を用いて、すべての負荷にわたって分配される。補償電力レベルは、エネルギプレーヤによって工程540で指定された時間間隔には分配されないことに注意されたい。
【0128】
工程548で、個々の負荷に分配された間隔当たりの各所望の電力レベル(調整または補償)は、すべての間隔についての所望の絶対電力レベルを得るために、その負荷の元の基準曲線値に追加されてよい。換言すると、特定の負荷がもともと時間間隔中に4MWを必要とし、その負荷の補償電力レベルが−1MWである場合、その間隔中の絶対電力レベルは3MWになる。次に、特定の負荷のためのこれらの絶対電力レベルは、1または複数の時間間隔に対する制御パラメータおよびそれらに対応する値を決定するために、その負荷の逆モデルに入力される。各負荷が、この方法で同様に処理される。工程548は、工程524で決定された配分関数を用いて、電力レベルを逆モデルに入力することが好ましい。
【0129】
工程552で、パラメータおよび値は、例えば、ネットワーク140ならびに適切なハードウェアおよびソフトウェアを用いて、各負荷に提供される。
【0130】
基準曲線
図14は、特定の仮想負荷のための基準曲線560の一例を示す。この例では、任意の数のラップトップが1つの仮想負荷に集約されており、基準曲線560は、エネルギ供給業者にノミネートされる次の日の予測電力曲線を示す。もちろん、曲線は、すべての電力需要が正確に1日に入るように、少し左にずらすこともできる。基準曲線は、仮想負荷内のすべてのラップトップのバッテリを充電するために、特定の時刻に必要な電力量を示している。
【0131】
当業者に周知のように、エネルギ市場は、ノミネートされた基準曲線の概念を用いて、市場の均衡(供給と需要の間の均衡)を達成する。例えば、毎日、エネルギ供給業者は、基準曲線をTSO(例えば)に提出(すなわち、ノミネート)して、そのエネルギ供給がどうなるか、そして、そのエネルギ需要がどうなるかを詳述する次の日のエネルギスケジュールをリストアップする。供給が需要を満たす必要があり、そうでなければ、供給業者は、システムオペレータからペナルティを受ける。エネルギ供給業者がその要件を満たす助けとなるように、通例は、大口の産業電力消費者も同様に、次の日の基準曲線をノミネートして、各時間間隔中の電力消費を示さなければならない。
【0132】
したがって、制御システム160(仲介者)が、多くの負荷を1つの比較的大きい仮想負荷に集約しているので、この仲介者は、大口の産業消費者のように扱われてよく、毎日、基準曲線をエネルギ供給業者(また、おそらくは、システムオペレータ)にノミネートして、次の日のその負荷すべてにおける予測需要を示してもよい。次いで、エネルギ供給業者は、システムオペレータ用の自身の基準曲線を準備する際に、仮想負荷のこの基準曲線を用いる。有利なことに、仲介者が特定の基準曲線をノミネートしても、本発明の技術は、仲介者が、各時間間隔中に用いる電力に柔軟性を持たせることを許容する。かかる柔軟性は、エネルギプレーヤ(エネルギ供給業者など)が、スケジューリングされた日に電力の過剰または不足に応答して仮想負荷を調整することを可能にし、エネルギ供給業者が、ペナルティを避け、安定的な電力網の維持でシステムオペレータを助けるのを可能にし、各負荷の所有者が金を節約するのを可能にする。
【0133】
領域562は、すべてのラップトップの充電が午後6時に始まり、午後9時15分にやや減少し、午後9時30分に終了することを示している。朝早く(または、任意選択的に、その夜遅く)、領域564に示すように充電が再び始まり、減少して、その後、およそ午前12時45分に終了する。実際の修正していないラップトップの電力消費は、やや異なる基準曲線を示すことに注意されたい。この例では、図に示したような基準曲線を提示するために、潜在的な基準曲線が、2つの異なる方法で少し修正されている(事前集約と呼ばれる)。
【0134】
第1に、ラップトップが早くも午後4時に電力網に接続されていることがあったとしても、すべての充電が午後6時に始まるという制限が、仮想負荷の所有者によって課せられている。破線561は、この制限が課せられなかった場合に、より早く実際に起こりえた充電を示している。例えば、ラップトップが、早くもおよそ午後4時にランダムに電力網へ接続されるため、基準曲線は、561で示すように徐々に大きくなる。しかし、すべてのラップトップの充電が午後6時まで始まらないという制限を課すことにより、仮想負荷の所有者は、柔軟性に少額の支出をして、この予測基準曲線の精度を上げる。換言すると、ユーザ制約(すなわち、「朝の午前8時間までに自分のラップトップが完全に充電されている必要がある」)が満たされる限りは、仮想負荷の所有者は、電力を利用しなければならない時、電力を利用できない時、特定の時間に利用しなければならない最小電力、特定の時間に利用しなければならない最大電力を指示するこのタイプの制限、および、電力利用に対する他のタイプの制限を課してよい。一般に、これは、電力消費のタイミングおよび量に対する制限である。これは、様々なポートフォリオ効果を利用することが可能になることから、予測エネルギ消費の信頼性を最大化する(すなわち、安定的なノミネート曲線を有する)ためになされる。
【0135】
仮想負荷の所有者によって課せられうる別のカテゴリの制限は、電力の柔軟性がエネルギプレーヤに提供される時に関する。一般に、所与の仮想負荷は、電力の操作が個々の負荷すべての制約の範囲内に入る限りは、1日の間にいずれの方向にも電力を操作されることができる。しかし、仮想負荷の所有者が、仮想負荷が特定の時間に柔軟性を持たないという制限を課す場合がある。例えば、午後6時から午前0時まで、仮想負荷は、電力操作に利用可能である(もちろん、午後9時30分から午前0時までは、負荷は、使用電力を減らすのではなく、過剰電力を受け入れるためだけに利用可能である)が、午後0時以降、仮想負荷の所有者は、柔軟性を提供されないと決めている。換言すると、午前0時以降、エネルギプレーヤは、余剰電力を仮想負荷に提供しなくても、仮想負荷への電力を削減しなくてもよい。この例では、自動車のバッテリを充電する重要な時間であるため、午前0時以降には、柔軟性が提供されない。もちろん、各仮想負荷は、唯一のものであり、仮想負荷の所有者は、特定の時間に柔軟性が提供されないかかる制限を自由に課すことができる。
【0136】
提供される柔軟性のタイミングおよび量を制限する理由が主に2つある。第1に、これらの制限は、提供される柔軟性の信頼性を上げる。実際に、最大量の柔軟性を常に提供すると、約束したものを供給できない可能性がある。結果として、ペナルティが生じる。第2に、負荷を容易に作動できる場合にのみ、柔軟性を提供する(この場合も、予測のロバスト性および信頼性を高めるため)。例えば、標準的なLiイオン電気自動車用バッテリは、電力レベルが指数関数的に低下するほぼ満タン状態になるまでは、一定の電力レベルで充電される。指数関数的に低下する電力消費をスケジューリングすることは非常に困難なので、バッテリが一定電力状態にある時にのみ、柔軟性を提供する。
【0137】
基準曲線は、多くの様々な方法で作成されてよい。一例では、仮想負荷のための基準曲線を構築するために、個々の負荷の履歴データを再検討してよい。別の実装例では、基準曲線は、基準曲線の不確かさを最小化するために、個々のエネルギ消費の予測と統計的独立変数とに基づいて算出される。
【0138】
ユーザインターフェースの例
図6で上述したように、エネルギプレーヤは、プレーヤが仮想負荷を用いてエネルギ取引を実行することを可能にする革新的なユーザインターフェースに(通例は、制御システム160上で実行されるウェブアプリケーションを介して)アクセスできる。有利なことに、ユーザインターフェースは、時間間隔ごとに電力レベルの上方境界および下方境界を提示して、すべての個々の負荷の制約の範囲内で、余剰電力を消費するため、または、電力の削減に対処するために、仮想電力をどの程度まで利用できるかを示す。これらの電力レベルは、仮想負荷からノミネートされた基準曲線と相対的なレベルである。したがって、ユーザインターフェースは:エネルギプレーヤが、負荷の大きいポートフォリオ内で柔軟性を視覚的にスケジューリングすることを可能にし;エネルギ取引がなされた時に、これらの境界を動的に再計算し;必要であれば、期間を通してエネルギ補償を実行する。もちろん、ユーザインターフェースは、多くの異なる方法で実装されてよく、本発明は、図に示したユーザインターフェースの例に限定されない。柔軟性がスケジューリングされると、境界は、動的に変化しうる。
【0139】
図15は、仮想負荷のための基準曲線の受信後に本発明によって作成された柔軟性テーブル575を示す。テーブルは、特定の期間(1日24時間など)内に仮想負荷について取引を行うためにエネルギトレーダが利用できるユーザインターフェースである。通例、電力の取引は前日に行われ、訂正が日中に発生するので、図の計画対象期間は、「今日」および「明日」である。
【0140】
柔軟性テーブルは、対象となる期間(通例は、仮想負荷の所有者によって前日にノミネートされた次の日の電力のスケジュール)の各時間間隔を示す行570を表示する。この特定の例において、各時間間隔は1時間であるが、各1時間を拡大して、任意の特定の1時間の中の15分の増分を詳細に示すこともできる。柔軟性の行571は、ユーザインターフェースの入力部分であり、トレーダが、特定の時間間隔中に仮想負荷が利用することを望む電力量(すなわち、より多くの電力または少ない電力)を正確に指定することを可能にする。行572は、特定の時間間隔中にトレーダが選択できる電力の上界の値をリストし、行573は、選択できる下界の値をリストする。
【0141】
取引できる電力の境界量は、仮想負荷の基準曲線と相対的に表したものであることに注意されたい。慣例により、境界における正の量は、仮想負荷にとってなくてもよい電力を示しており、負の値は、仮想負荷が引き受けることのできる電力を示している。換言すると、行573の負の値は、仮想負荷が特定の間隔中に受け入れることのできる最大電力量(基準曲線に存在するものに加えて)を示す。所与の時間間隔中に、両方の境界が正の値を有してもよく(仮想負荷がエネルギ消費を減らすことを求められうることを示す)、両方の境界が負の値を有してもよく(仮想負荷がエネルギ消費を増やすことを求められうることを示す)、または、上界が正で下界が負であってもよい(指定された境界の範囲内でエネルギが増減されうることを示す)。
【0142】
エネルギトレーダ(または、インターフェースのその他のユーザ)は、矢印577または578を用いて時間間隔をスクロールすることにより、その日の他の部分を見ることができる。例えば、矢印577上にカーソルを置くと、現在表示されていない午前0時から午後1時までのその日の時間間隔が表示される。
【0143】
この例において、テーブルは、仮想負荷の所有者による基準曲線のノミネート後に作成されたものであり、任意の取引がエネルギトレーダによって実行される前のテーブルを示している。したがって、エネルギトレーダが、それらの時間間隔中にまだ全く取引を行うことを選んでいないので、中央の柔軟性の行571は、すべてゼロを含んでいる。午後6時から午後7時の間の時間間隔(数字18の下の列によって示される時間間隔)において、テーブルは、トレーダが、元の基準曲線に比べて、仮想負荷の電力消費を1MWだけ削減させることができ、また、0.76MWだけ多くの電力を仮想負荷に消費させることができることを示している。テーブルは、午後6時から午後10時の間に電力消費を下げる柔軟性574が仮想負荷にあり、午後6時から午前0時の間に電力消費を上げる柔軟性が仮想負荷にあることも示している。領域579は、まだ取引が行われていないので空白である。
【0144】
任意の特定の時間間隔の前に(実際には、数分前でも)、トレーダは、その特定の時間間隔中または任意の後続の時間間隔中のエネルギ取引を実行できる(仮想負荷がより多いまたは少ない電力を消費することを指示できる)。電力レベルが柔軟性の行に入力され、取引が確定されると、システムは、次に、後述のように、エネルギ補償と、上方境界および下方境界の再計算とを行う。
【0145】
図16Aは、エネルギトレーダが取引を行った後の同じ柔軟性テーブルを示す。例えば、午後6時前のいつかに、エネルギトレーダは、自身のポートフォリオに不均衡があること、そして、約1MWの不足があることを認識した。その結果、トレーダは、午後6時の時間間隔中に、仮想負荷に柔軟性があること、そして、仮想負荷が1MWだけの電力の削減を受け入れられることに気づく。(もちろん、同じ時間間隔中に、仮想負荷は、0.76MWだけ消費することもできるが、その柔軟性は、この特定の時点には、トレーダにとって関心がない)。したがって、トレーダは、午後6時の時間間隔の柔軟性の行に1.00という値581を入力し、リターンキーを押す。システムは、この値が、この時間間隔中の仮想負荷の上下の許容可能な電力レベルの間にあることを確認し、その後、図に示すように柔軟性テーブルを表示するために、エネルギ補償および境界の再計算を実行する。
【0146】
トレーダは、午後6時に1MW少ない電力を消費するよう仮想負荷に求めたので、エネルギ補償は、仮想負荷がその期間中の他の後続の時間間隔のいずれかの内に同じ1MWをさらに消費するように指示する。(取引は、午後6時直前に実行されたので、午後6時より前の時間間隔および午後6時の時間間隔自体は、エネルギ補償に利用できない)。その結果、システムは、午後7時から午前0時までの時間中に−0.20のエネルギ取引583を自動的に割り当てる。これは、この5時間の期間中に、仮想負荷が、1MW多い電力を消費するよう求められることを意味する。システムは、さらに、行572および573の最小および最大電力レベルの再計算を自動的に実行するが、この簡単な例では、再計算の結果、全く変化が生じていない。
【0147】
再計算が行われる他の例を考えると、トレーダが、さらに、午後7時から午後8時まで仮想負荷に1MW少ないエネルギを消費させた場合、午後8時以降に、より多くのエネルギ消費のみを仮想負荷(この例では、ラップトップ)に求めることが必須になる。その結果、上方境界および下方境界は、負の数値のみを示し、エネルギトレーダが、これらの時間間隔中に、より多くのエネルギ消費を仮想負荷に求めることのみに制約されることを示唆する。換言すると、エネルギトレーダが、午後8時以前に特定の量の電力なしで済ませるようラップトップに強制した場合、エネルギトレーダは、午後8時以降、より多くの電力をラップトップに与えることのみに制約される。エネルギトレーダは、午後8時以降、ラップトップの電力を減らすようスケジューリングすることを許されない(再計算された境界条件による)。このように、本発明は、エネルギ取引がなされた直後にリアルタイムで個々の負荷(および仮想負荷)の全制約を考慮し、エネルギ補償および再計算を実行し、更新されたユーザインターフェースをエネルギトレーダに提示して、それ以降にどのエネルギ取引が仮想負荷にとって所与の期間に許容可能であるのかがリアルタイムで見えるように反映する。
【0148】
図16Bは、
図16Aの柔軟性の行571をグラフ579で示す図である。柔軟性は、元の基準曲線と相対的に表されるため、基準曲線が直線585で図示されている。その曲線への任意の変更は、(選択された元々の電力レベルと相対的に)多いまたは少ない電力が仮想負荷によって利用されることを示唆する。したがって、領域587は、午後6時にエネルギトレーダが仮想負荷に1MW少ない電力の利用を求める選択をしたことをグラフで示している。領域589は、仮想負荷が後の時間間隔中に1MW多い電力を利用するエネルギ補償の影響を示す。
【0149】
もちろん、トレーダは、エネルギ取引のために任意の時間間隔を選択してよく、より多くのエネルギを消費するよう仮想負荷に求めてよく、エネルギ取引のために2以上の時間間隔を選択してよく、システムが補償値を柔軟性の行に置いたら、それらの値を調整してよい。エネルギ補償および再計算が自動的に実行され、結果が柔軟性テーブルでユーザに表示されると、エネルギトレーダは、「取引」ボタンを押すことによって、自身の所望の取引を実行してよい。次いで、システムは、上述のように、これらの仮想負荷への電力変更をスケジューリングする。例えば、基準曲線が、4MWの電力が特定の時間間隔に消費されることを求め、トレーダがその量を1MW減らした場合、アルゴリズムは、その間隔中に3MWを要求するスケジュールを仮想負荷に送信する。もちろん、慣例は変更されてもよく、スケジュールは、後に基準曲線の値と合わせられる−1MWの値を示してもよい。
【0150】
図17Aは、エネルギプレーヤまたはエネルギトレーダが本発明を用いてエネルギ取引を行うために利用する柔軟性テーブルを示す。両方の部分が、何らかの方法で、前日の仮想負荷のノミネートされた基準曲線と、仮想負荷の柔軟性とを表す。柔軟性テーブルは、その日の間に、どのようにエネルギトレーダが本発明の電力柔軟性を用いてリアルタイムで取引を行いうるのかを示す。
【0151】
柔軟性テーブルは、対象となる期間(通例は、仮想負荷の所有者によって前日にノミネートされた次の日の電力のスケジュール)の各時間間隔を示す行590を表示する。この特定の例において、各時間間隔は1時間であるが、各1時間を拡大して、任意の特定の1時間の中の15分の増分を詳細に示すこともできる(594)。柔軟性の行591は、ユーザインターフェースの入力部分であり、トレーダが、特定の時間間隔中に仮想負荷が利用することを望む電力量(すなわち、より多くの電力または少ない電力)を正確に指定することを可能にする。行592は、特定の時間間隔中にトレーダが選択できる電力削減の上界すなわち最大量の値をリストし、行593は、選択できる電力増大の下界すなわち最大量の値をリストする。取引できる電力の上界および下界は、仮想負荷の基準曲線と相対的に表したものであることに注意されたい。
【0152】
柔軟性テーブルは、特定の取引が行われた現実世界の例(後に詳述する)を示すが、説明のために利用できる他の解釈に役立つ。例えば、基準曲線のノミネート後であるが午後9時より前のいつかに、エネルギトレーダが、自身のポートフォリオの不均衡に気づき、仮想負荷の柔軟性を利用して(すなわち、特定の時間間隔中により多いまたは少ない電力を仮想負荷に消費させて)ポートフォリオのバランスを取る助けにしたいと思ったとする。午後9時に始まる時間間隔は、仮想負荷の電力柔軟性が1.16MW(より多い電力)および0.92MW(より少ない電力)であることを示している。用いられる慣例は、仮想負荷にどれだけの電力を削減させることができるのかを正の数値で示し、仮想負荷にどれだけのさらなる電力を消費させることができるのかを負の数値で示すことである。これらの値は、仮想負荷の元々の基準曲線と相対的な値である。例えば、基準曲線は、例えば午後9時に、仮想負荷が1.16MWを消費すると予測されていることを示している。したがって、仮想負荷にゼロ未満の電力を消費させることはできないので、午後9時の柔軟性の最大値(仮想負荷に削減させることができる電力量)は、正確に1.16MWである。
【0153】
したがって、エネルギトレーダが午後9時より前に取引を行う前、柔軟性の行591の入力は、午後9時の時間間隔では空白であり、その最小値および最大値は正の数である。これは、エネルギトレーダが、特定の範囲内でより少ないエネルギを仮想負荷に利用させることは可能であるが、より多いエネルギを消費するよう仮想負荷に求めることはできないことを示唆する。エネルギトレーダは、午後9時から午後9時15分の間の時間間隔に正確に1.12MW少ない電力を仮想負荷に利用させることに決め、その数値を柔軟性の行591に入力する。0.92および1.16という値の間に入らない任意の数値が入力されても、ユーザインターフェースによって拒絶される。
【0154】
この値が入力され、ユーザインターフェースによって受け入れられると、本発明は、エネルギ補償を実行して(等量の負のエネルギを期間内の他の時間間隔に再分配し)、期間内の上界および下界を自動的に再計算する。エネルギ補償および再計算については、後に詳述する。別の例で、午後10時の時間間隔を考える。エネルギ取引の境界は、0から−0.05の間であり、トレーダが、0.5MWの量までのより多いエネルギを仮想負荷に消費させることができることを示唆する。
【0155】
実際は、午後9時より前のいつかに、エネルギトレーダは、午後10時および午後11時の時間間隔に−0.3および−0.2という値を入力した。これは、仮想負荷のラップトップが、夜遅くに、より多くのエネルギを消費させられることを示唆する。直感的に、ラップトップが夜の早いうちに、より少ないエネルギを消費することが好ましいとわかる。本発明は、エネルギ補償を実行することによって、この状況に対処する。自動的に、これらの値が(午後9時より前のいつかに)入力されて取引されると、自動エネルギ補償は、仮想負荷が午後9時から午後9時30分の間の時間間隔中により少ないエネルギを消費することを、これらの時間間隔に対応する柔軟性の行591に値1.12および0.97を自動的に入力することによって指示する。これは、ラップトップが、夜の早いうちに、より少ないエネルギを利用しなければならないことを意味する。また、エネルギ補償は、午後9時30分から午後10時までの時間間隔中の柔軟性の行の値を少し変更する。例えば午後10時に利用されるエネルギは1時間分の電力を表すが、例えば午後9時45分に利用されるエネルギは15分間の電力を表すので、午後9時から午前0時までの柔軟性の行の値は、それでも合計ゼロである。
【0156】
エネルギ補償に加えて、システムは、午後9時より遅い全時間間隔のための上方境界および下方境界を自動的に再計算する。したがって、午後9時から午後9時30分までの時間中には、現在では、エネルギトレーダが、より多くのエネルギを仮想負荷に消費させることは不可能であることに注意されたい;実際、仮想負荷に、かなり大量のエネルギ消費を削減させることだけが可能である。もちろん、午後9時から午後10時までの異なる行の数値すべてを、午後9時の1時間の時間間隔を代表する1つの数値にまとめることもできる。すなわち、ユーザインターフェースは、1時間間隔当たりの電力消費および境界をリストすることによって、提示される情報の量を減らす能力も提供する。全データが電力を単位として表されるので、1時間の表示を用いた場合に示される数値は、単に、すべての15分間に個別に示された数値の平均である。
【0157】
図17Bは、
図17Aの取引および補償のグラフ表示である。グラフは、上記の柔軟性テーブルを反映して、午後10時から午後11時の時間間隔を調整するために午後9時より前になされたトレーダの決定による柔軟性への対応する影響をグラフで示している。
【0158】
グラフは、取引がなされた後に起きるエネルギ補償を別の方法で説明するためにも利用できる。基準曲線のノミネート後であるが午後9時より前(エネルギトレーダは、午後9時の期間に関する取引を、その時間のほんの数分前まで行うことができる)に、エネルギトレーダが、領域599(午後10時から午前12時まで)に関する取引を行うために、仮想負荷の柔軟性を利用したいと思ったと仮定する。したがって、領域599は、領域599が表すエネルギによって示されるように、仮想負荷が午後10時から午前12時までより多くのエネルギを利用することを、エネルギトレーダが指示したことを示している。後に詳述するように、エネルギ補償は、通例、この比較的大きい量の消費エネルギと、仮想負荷のその期間中の他の時間に消費される対応する比較的小さい消費エネルギとのバランスを取るために行われる。したがって、本発明は、仮想負荷が、午後9時から午後9時30分までの領域598に示すように、エネルギ消費を減らすことを自動的に指示する。領域598における仮想負荷でのエネルギ削減量は、領域599におけるエネルギ消費量に相当する。上述のように、仮想負荷のためのエネルギ取引が、対象となる期間中の等しい負のエネルギ量で常に補償されなければならないというこの要件には、例外がある。
【0159】
最後に、視覚的なユーザインターフェースの他に、より容易に自動化を可能にする他の方法でも、すべての機能を利用可能にすることができる。別の例では、仮想負荷は、インターネットからプログラムでアクセスできるAPIを用いてスケジューリングされてもよい。次いで、データおよびオブジェクトが、XMLまたはJSONなどの標準化された表現を用いて通信される。
【0160】
柔軟性テーブルの作成
ユーザインターフェース上でエネルギプレーヤに提示するために仮想負荷を表す柔軟性テーブルを作成するために、次の期間(通例は、次の日)のために仮想負荷からノミネートされた基準曲線と、各時間間隔のための境界条件とを有することが有益である。
【0161】
図18は、柔軟性テーブルのために境界条件が決定される一実施形態を説明するフローチャートである。一般に、仮想負荷のための基準曲線から開始すると有益である。この基準曲線を生成するには、様々な方法がある。仮想負荷が単一の負荷からなる単純な例では、所与の日のその負荷のための基準曲線を決定するために、この単一の負荷の履歴データを検討してよい。仮想負荷が多くの負荷からなる場合でも、仮想負荷全体のための基準曲線を構築するために、個々の負荷の履歴データを組み合わせてよい。
【0162】
別の例では、基準曲線を生成するために、履歴データを次の日のための予測データと組み合わせてもよい。例えば、履歴データを検討すると、外部温度との相関が明らかになる場合がある(冷蔵倉庫の例)。次の日について、外部温度を予測できる場合、その温度が履歴データに見られず、外挿が必要とされるとしても、温度を用いて、基準曲線を生成することができる。
【0163】
工程602および604は、仮想負荷の基準曲線を生成するためのより自動的な方法を示す。工程602で、較正された仮想負荷モデルが生成される。仮想負荷のためのモデルが、個々の負荷のための負荷モデルと、工程520で解かれた大域的価値関数からの結果とを組み合わせることによって構築されてよい。仮想負荷に割り当てられたエネルギ量が、どのように個々の負荷の各々に分配されるのかを決定するため、および、個々の負荷のための個々のエネルギを達成するのに必要な制御パラメータおよびそれらの値を決定するために、大域的価値関数の最大化により、配分関数が生成されている。負荷のポートフォリオが変わらない限り、仮想負荷モデルは、個々の負荷モデルの定期的な再較正を除けば同じままである。
【0164】
較正された仮想負荷モデルは、モデルの全変数が、履歴データに適合する値を与えられたことを意味する。これは、第1に、モデルのダイナミクスおよびユーザ統計値の両方が正確になるように、個々の負荷モデルが最新になっていることを意味する。さらに、大域的価値関数は、一般に、柔軟性の価値を記述する項も含む。これらの項は、例えば、柔軟性の市場価値の統計値をモデル化する際に用いられるパラメータを含む。これらのパラメータを最新の状態にすることも、較正処理の一部である。
【0165】
生成されると、較正済み仮想負荷モデルは、入力値として、制約およびそれらの値、すべての個々の負荷のための可能な制御パラメータ、個々の負荷の状態、ならびに、個々の負荷のための可能な予測パラメータおよびそれらの値を受け入れる。例えば、次の日の温度は、次の日に必要な電力を予測する助けとして冷蔵倉庫で用いられる予測パラメータになりうる。任意選択的に、履歴データが、仮想負荷モデルに入力されてもよい。工程604で、較正済み仮想負荷モデルは、次の日の最も関連する情報すべてを出力して仮想負荷の電力曲線すなわち基準曲線を生成するために、当業者に周知のように利用されうる。
【0166】
工程608で、基準曲線は、任意選択的に、より予測可能にするために、様々な方法で修正されてもよい。この修正は、上述したように、事前集約制限を用いて実行される。予測不可能な基準曲線(すなわち、不正確な電力需要予測)は、利用可能な柔軟性の信頼性を低くする。1つの修正法は、エネルギ消費を時間でまとめて、基準曲線のその部分をより予測可能にすることである。例えば、上述のように、基準曲線は、特定の時間にのみ電力が消費されうるように求める(例えば、午後6時になって初めてラップトップが充電を開始することを許容する)ことで、午後6時より前の電力消費の不確かさを排除することによって修正されてよい。また、基準曲線は、特定の時間中にエネルギ柔軟性が利用可能でないように指示して、基本的に、時間的な柔軟性の窓を制限することによって修正されてもよい。これらの修正の全体的な結果は、基準曲線の予測可能性を向上させることで、特定の時間の柔軟性の信頼性を提供すると共にその柔軟性の価値を高めることである。これらの修正は、特定の時間に柔軟性が利用可能でないことを求めるさらなる(統合的な)ハード制約を仮想負荷に加えることによって導入されてもよい。
【0167】
上述のように、事前集約は、エネルギ消費(基準曲線)およびエネルギ柔軟性の両方の予測の精度を改善するために行われる。一般に、事前集約は、以下のようになされうる。初期負荷状態(上述)の分布を用いて、仮想負荷のエネルギ消費および利用可能な柔軟性の誤差範囲を計算する。大域的価値関数を用いて、任意の所与の基準曲線および任意の所与の柔軟性について各負荷の状態を誤予測することによって被る期待コストを計算する。次いで、そのコストを最小化して、提供される最適量の柔軟性と共に最適な「事前集約された」基準曲線を選択する。
【0168】
工程612で、仮想負荷の所有者は、そのエネルギ供給業者(または、必要に応じて他のエネルギプレーヤ)に基準曲線をノミネートして、エネルギ供給業者が、自身の供給業者基準曲線をシステムオペレータにノミネートする際に、前者の基準曲線を考慮できるようにする。もちろん、仮想負荷は、その基準曲線をシステムオペレータまたは他のエンティティに直接ノミネートしてもよい。この工程は、後に行われてもよいし、エネルギプレーヤの要求に応じて行われてもよい。
【0169】
工程614は、一度に1つの間隔に対しての工程616および620の実行を、仮想負荷について対象となる期間内のすべての時間間隔に繰り返して、最初に上方境界を計算する。一般概念は、任意の所与の期間内に仮想負荷によって消費される総エネルギが一定であると仮定されることであり、したがって、電力削減が所与の時間間隔に最大化される場合、他の時間間隔全体で、同じ最大値だけ電力消費を増大できる必要があり、逆もまた同様である。したがって、所与の間隔iについて、上方境界(すなわち、仮想負荷に削減させることができる最大の電力量)を決定するために、工程616は、間隔i以外のすべての間隔で消費できる総電力を(全負荷の全制約によって許容されるように)最大化する。消費できる総最大電力の値が決定されると、間隔iのための上方境界にその値が割り当てられる。
【0170】
手順は、エネルギ消費の最大量/最小量にのみ焦点を当てているので、基準曲線は、上述の計算時には基本的に用いられないことに注意されたい。ただし、柔軟性を表す場合には、すべての電力柔軟性が、基準曲線と相対的に表現されることから、基準曲線を利用することになる。
【0171】
一実施形態において、工程616は、総最大電力を決定するために、反復探索処理を用いて実行される。根本的な負荷モデルが十分に単純である場合には、分析解など、他の技術を用いてもよい。一実施形態において、消費できる総電力は、可能な電力値に従って制御パラメータを生成し、(負荷モデルを用いて)負荷サイクル全体にわたってシステムを発展させ、すべての時間にすべての制約が満たされているかどうかを確認することによって決定される。
【0172】
すべての時間間隔に対して上方境界が決定されると、柔軟性テーブルのための下方境界(すなわち、仮想負荷に消費させることのできる最大の電力量)が、工程624で決定される。工程624は、すべての他の間隔中に消費される電力を最大化する代わりに、工程624では、現行の間隔以外のすべての間隔において削減できる電力を最大化しようとすることを除けば、工程614〜620と同様に実行される。削減できる総最大電力が決定されると、下方境界は、現行の時間間隔のためのその値に等しく設定される。下方境界が設定されると、両セットの境界条件は、後の利用に備えてデータベースに格納される、または、対象となる期間の柔軟性テーブル内にいつでも表示できる。
【0173】
しかしながら、取引の開始前に条件が変化しうる可能性、および、境界条件を再計算する必要がある可能性がある。例えば、個々の負荷の1つが仮想負荷のポートフォリオから抜ける、外部パラメータが変化する(例えば、冷蔵倉庫の場合に、外部温度が予測と異なりうる)、負荷に対する制約が変化する、予測が変化する可能性があり、また、予測と異なる負荷状態またはモデルによる予測と異なる負荷のダイナミクスなど、他の変化も起こりうる。この状況で、境界条件は、工程602を実行し、次いで、工程614〜624を実行することによって再計算されうる。
【0174】
基準曲線が取得され、上方および下方の境界条件が計算されると、柔軟性テーブルが作成され、図に示すように表示されてよい。時間間隔および全期間が、基準曲線のおかげでわかり、まだ今のところ取引が実行されていないので、中央の柔軟性の行は、最初はすべてゼロである。
【0175】
エネルギ取引の実行
図19は、ユーザインターフェースに実行される自動更新の一実施形態と、取引が実行された時に電力がスケジューリングされる方法とを示すフローチャートである。エネルギ取引の例は、
図16A、16B、17A、および、17Bに示した。有利なことに、境界条件は更新され、エネルギ補償は、各取引がなされた後に自動的に行われる。ユーザインターフェースを更新するための遅延時間は、負荷のポートフォリオと、用いられる通信ネットワークとによって決まる。例えば、光ファイバすなわちインターネットを介して接続された1,000,000のラップトップまたは1,000の冷蔵倉庫について、応答時間は、通例、10秒未満になると予測される。
【0176】
工程704で、関連する期間(例えば、当日および/または次の日)中の時間間隔と、(場合によって)消費または削減するよう仮想負荷に求めることができる最大電力量を示す境界条件と、エネルギトレーダによって選択されうる各時間間隔のための柔軟性電力入力領域とを示すユーザインターフェースが表示される。適切なユーザインターフェースの例が、
図15〜17に示されているが、ユーザ入力を可能にするコンピュータ画面に表示された任意の適切なユーザインターフェースが可能である。
【0177】
工程708で、エネルギトレーダが、特定の1または複数の時間間隔中に自身のエネルギポートフォリオに不均衡があることに気づき、仮想負荷によって提供された柔軟な電力を利用することを決定する。したがって、エネルギトレーダは、仮想負荷がより多いまたは少ない電力を消費することを望む時間間隔を選択して、その特定の間隔に対する電力値を入力する。技術的には、トレーダは、電力値を示す数値を入力し、その間隔にわたって消費されるエネルギの量が、電力と間隔の長さとを掛けたものに等しいことを暗示する。
【0178】
エネルギトレーダが複数の間隔を修正したい場合、順次修正を行ってよい。エネルギトレーダは、その間隔の上方境界および下方境界の範囲内に入る電力値P(i)を入力することだけに制約され、無効な入力値は、システムによって受け入れられない。エネルギトレーダの要求ならびに現行の上方および下方境界に応じて、トレーダは、正の数値(仮想負荷が電力消費を減らすことを示す)または負の数値(仮想負荷が電力消費を増やすことを示す)を入力してよい。
【0179】
入力値がシステムによって受け入れられると、2つの処理が順次実行される。まず、工程716で、システムは、変更されたエネルギ消費量(すなわち、トレーダによって入力された電力値)と、元の基準曲線とによって、すべての境界条件に従った仮想負荷の挙動が実現しない時、柔軟性の行の電力値を調整することによってエネルギ補償を実行する。最も典型的な例では、補償値は、すべての修正されたエネルギ消費を合計ゼロにさせる。(値が境界の間にあるため)修正済みのエネルギ間隔をシステムが受け入れた場合、エネルギ消費がすべての制約を満たすことが自動的にわかる。これは、上方および下方境界条件の構築のおかげである。
【0180】
工程712で、システムは、スケジューリングされた(そして、補償された)エネルギを考慮して、期間全体の上方および下方境界条件すべてを再計算する。取引中に境界条件を再計算することに加えて、これらの条件は、資源の状態が変化した時または仮想負荷が変化した時に再計算されてもよい。工程624は、より多くの例を提供する。これら2つの処理が完了すると、工程760で、ユーザインターフェースは、期間全体にわたって新たな境界条件および新たな電力値をトレーダに対して表示する。次に、トレーダがユーザインターフェースに表示された新たな値に満足したと仮定すると、トレーダは、「取引」ボタンをクリックし、それは、工程764でシステムによって受け入れられる。次いで、工程768で、これらの新たな電力値は、
図13に従って、期間全体にわたって仮想負荷のためにスケジューリングされる。例えば、工程540で必要な電力レベルは、柔軟性の行の各時間間隔のための新たな電力値である。
【0181】
図20は、
図19の工程712を実行する。最初に境界条件を設定するために
図18で実行されたループと同様に、工程720は、エネルギトレーダが所望の電力値を入力することによって変更したばかりの間隔である間隔iを除いて、期間内の各間隔jにわたってループを規定することから開始する。この工程では、境界条件が変わった唯一の理由が、間隔iにおけるエネルギ消費の修正であると仮定される。したがって、その間隔に意味のある境界条件は、元々の条件だけである。
【0182】
工程724は、すべての間隔(間隔iおよびjを除く)で許容されるように消費エネルギを最大化しようと試みる工程であり、工程616で上述したように実行されてよい。この総消費エネルギP(total)(基準曲線に対して測定される量)が決定されると、工程728で、間隔jの上方境界(すなわち、基準曲線に対して測定される消費可能な最小エネルギ)が、−P(total)−P(i)に等しく設定され、ここで、P(i)は、基準曲線に対して同様に測定されるi番目の間隔中に消費されるエネルギである。この式は、期間内に消費される総エネルギが一定のままでなければならないことを示唆する。上述のように、システムに対する制約が比較的厳しくない場合、上述の式は、すべての間隔での修正が合計ゼロではなく、境界条件によって許容される最大量になるように置き換えられる。工程732で、柔軟性テーブルのための下方境界が、工程720〜728と同様に、そして、下方境界条件を設定する(すなわち、削減できる総電力を最大化する)ために元々用いられた工程624によって修正されたように再計算される。工程732で、各間隔jのための下方境界も、−P(total)−P(i)に設定される。これは、エネルギが複数の間隔においてスケジューリングされた場合でも自明に一般化される。
【0183】
図21は、
図19の工程716を実行する。上述のように、消費エネルギが所与の期間にわたって仮想負荷について一定のままであることを保証するために、エネルギ補償が用いられるが、制約がより大きい自由度を許容する上述の場合は除く。その場合、より最適である場合(すなわち、大域的価値関数の値が大きくなる場合)には、補償が行われてもよい。
【0184】
このフローチャートは、柔軟性の行571への変更をもたらしうる。工程740で、その方法は、対象とする間隔の現行セットを規定することから開始する。最初、この間隔のセットは、エネルギトレーダによって修正されたばかりの間隔iを除いて、期間内のすべての時間間隔を含む。次いで、トレーダによって選択された電力値の負の値が、このセット内の時間間隔すべてに均等に分割される。次に、工程744は、間隔の現行セット内のすべての時間間隔jに対して繰り返されるループを開始する。
【0185】
工程748は、工程740で間隔jに最近割り当てられた分割済みのエネルギの一部が仮想負荷内のすべての負荷のすべての制約を満たすか否かをテストする条件である。これは、この新たな基準曲線に従って制御パラメータのスケジュールを作成し、(負荷モデルを用いて)負荷サイクル全体にわたってシステムを発展させ、すべての時間にすべての制約が満たされているかどうかを確認することによってなされる。
【0186】
すべての制約が満たされている場合、次の間隔に対するテストが実行される。満たされていない場合、工程752で、その特定の間隔jが、対象となる現行の間隔セットから除外され、制御は工程740に戻る。再び、電力値の負の値が、対象となる新たな間隔セットの間で分割され、工程744で始まるループが再び始まる。すべての間隔が工程744で処理される(そして、すべての制約が満たされる)と、すべての制約を満たす負の電力値の最後の分割が、現行セット内の間隔の各々に割り当てられ、工程760で柔軟性の行に表示される。工程708で最初にトレーダによって選択された電力値は、間隔のための境界条件の範囲内であったため、工程716が成功すること、および、補償エネルギ値が、間隔i以外の間隔に割り当てられる解を見つけるのが可能であることが保証される。
【0187】
補償の際にここで行ったように、残りのエネルギを間隔に対して均等に分配しようとするのではなく、別の実施例は、エネルギプレーヤのポートフォリオへの負の経済的影響を最小化するようにエネルギを分配する。この影響は、この場合にも、価値関数を用いて計算される。
【0188】
負荷のための電力の再スケジューリング
図22は、再スケジューリングがエネルギ管理システム内で実行される一実施形態を説明するフローチャートである。エネルギスケジュールが仮想負荷内の個々の負荷の各々に送信されると、現行のスケジュールに関して、各負荷の電力消費を監視することが重要になりうる。例えば、負荷の電力消費が、その負荷によって元々予測された電力消費と異なれば、システムオペレータによってペナルティが課される。負荷の所有者が、間隔内の電力消費を監視し、修正を行い、できるだけ元の予測に従って電力を消費することができれば、ペナルティは回避される。これらのペナルティを最小化し、現行のスケジュールの精度を向上させることが望ましく、以下のフローで実施される。この再スケジューリング処理は、主に、時間間隔中のエネルギ消費ができる限り正確であることを確実にするための制御手順であることに注意されたい。全期間に対して計算を行う他の処理については上述した(境界条件の再計算など)。
【0189】
工程804で、エネルギスケジュールが、仮想負荷に送られ、次いで、上述の技術を用いて、仮想負荷内の各負荷に個々の負荷スケジュールを通して分配される。工程804は、このフローの一部として実行されてもよいし、事前に実行されていてもよい。いずれの場合でも、この時点で、仮想負荷内の各負荷は、自身の現行のスケジュールを実行している。
【0190】
工程808で、状態および電力の記録データが、制御システム160によって仮想負荷内のすべての負荷から受信される。このデータは、例えば、後述の特定の制御ハードウェアを用いて、または、ネットワーク170を備えた別の実装を用いて受信されてよい。記録データは、通例、毎分受信されるが、受信の頻度は少なくても多くてもよい。各負荷は、負荷によって現在消費されている電力量と、負荷の任意の状態変数の値と、対象となる任意の他の外部パラメータまたは他の変数の値とを報告する。状態変数は、通例、個々の負荷のコンピュータモデルで用いられる状態変数であり、状態変数の値は、記録データで受信された他の情報から計算されてもよい。
【0191】
冷蔵倉庫の場合、外部温度は、消費されている電力がその予測と異なる理由を決定する際に関連しうる。外部温度は、その計算のミス、不適切な予測、天気の変化などによって異なりうる。いずれの場合にも、状態変数または外部パラメータが元々の見解と異なりうる様々な理由があり、その差は、負荷の電力消費に影響しうる。したがって、任意の相違を補正するのが有用である。
【0192】
工程812で、仮想負荷の総エネルギ消費が、現在の時間間隔について推定または決定される。理想的には、仮想負荷の各負荷が、工程808で現在のエネルギ消費を時間通りに報告する。しかし、いくつかの負荷が、様々な理由で、エネルギ消費の報告が遅れたりできなかったりする場合がある。消費データを欠くこれらの負荷については、負荷モデルを用いて以前の報告期間に報告されたエネルギ消費を用いてエネルギ消費レベルを外挿することにより、エネルギ消費が推定されてもよい。いずれの場合にも、確かな消費データが任意の数の負荷から受信され、電力消費が残りのデータのない負荷について推定されると、これらの値は、その時間間隔中の総エネルギ消費の推定値を提供するために合計される。
【0193】
工程816で、この総エネルギ消費が仮想負荷の現行のスケジュール(すなわち、元々の基準曲線+現在までの任意のエネルギ取引)と一致するか否かが判定される。各負荷内のずれが互いに相殺しうるため、仮想負荷についての合計が考慮される。現在の時間間隔中のエネルギ消費が、(任意の取引を含め)エネルギ供給業者に元々提供された基準曲線から逸脱する場合、仮想負荷の所有者は、大きいペナルティを受けうる。一般に、許容誤差は、特定のエネルギ市場によって決まる。1つの経験則では、約10kW時以内のずれはペナルティに考慮されない。しかしながら、一般には、ずれがあるか否かのかかる判定は変化しうるので、電力は、独立した関係者によって測定され、実際の予測電力と比較されうる。
【0194】
合計が一致する場合、制御は、工程808に進んで、新たな記録データの受信を待つ。一致しない場合、工程820で、個々の負荷の負荷モデルのいくつかが更新される。所与の負荷のための負荷モデルは、その時間間隔中のエネルギ消費が、その負荷のための元々の基準曲線で予測された電力消費と有意に異なる場合に更新される。モデルは、その負荷の状態変数がモデルの予測に対応しない(すなわち、負荷モデルが元々うまく較正されなかった)場合にも更新されてよい。個々の負荷のエネルギ消費が元の電力消費と異なるか否かを判定するために、工程820で、すべての負荷に対して反復を行って、どの負荷モデルに更新の必要があるのかを決定する。これは、予測電力消費(すなわち、モデルによる予測)と実際の記録された電力消費とを比較することによってなされる。
【0195】
特定の負荷の様々な状態変数が不正確であるか否かを判定するために、予測された状態変数(すなわち、モデルによって予測されたもの)が、実際の記録された状態変数と比較される。特定の負荷の状態変数が記録データと有意に異なる場合、記録データからのより正確な値を用いて特定の負荷モデル内で、較正パラメータが更新される。一例では、バッテリが、予測よりも遅くまたは速く充電している場合があり、充電の内部状態が、負荷モデルで用いられた元の状態変数と異なりうる。この状況では、より正確な値で、この較正パラメータを更新する必要がある。
【0196】
一実施形態において、負荷モデルは、さらに、上述の工程602に従って較正される。上述のように、負荷モデルの較正は、すべての現在既知の条件およびパラメータを用いて実行され、より正確な負荷モデルをもたらす。現在の情報(正確な外部気温、バッテリ充電の正確な内部状態など)を用いて、この時点で負荷を再較正することにより、負荷モデルは、より正確になる。現在の情報は、工程808で受信される。
【0197】
次に、工程824で、個々の負荷のスケジュールが、上述のように再計算される。例えば、各時間間隔内で仮想負荷に対して選択された総電力は、
図13に記載した技術を用いて負荷の各々に分配され、ここで、各負荷の逆モデルが、期間全体にわたって各負荷の電力を正確な制御パラメータおよび値に写像するために用いられる。上述のフローチャートの1つの利点は、ここでモデルがより良好に調整され、これが観察データに基づく「自己学習」ループであることから、将来の予測が改善されることである。さらに、負荷モデルが全く更新される必要がなくても、工程824で再びスケジュールを計算することが、工程816で検出されたエネルギの不一致を補償する助けとなる。例えば、時間間隔の最初の部分でエネルギが消費されすぎた場合、再びスケジュールを計算することにより、時間間隔の後半部分で負荷にエネルギの利用を少なくさせ、仮想負荷のより少ないエネルギ利用を暗示するスケジュールが得られる。換言すると、エネルギ消費の不一致が時間間隔について解決されるだけでなく、根本的な問題(おそらくは、不正確な状態変数)も解決される。例えば、仮想負荷が、時間間隔の最初の数分間に1MWhを利用し、その間隔中に利用されると予測されたのが1.5MWhだけであった場合に、スケジュールが再計算されると、現在の時間間隔で利用される残りのエネルギの制御パラメータとして、0.5MWhの値が仮想負荷に提供される。この技術は、仮想負荷が、元々の基準曲線で予測した電力量のみを消費することを確実にする。もちろん、負荷の制約は、より多い電力が消費されるよう指示してもよい。例えば、予測よりもかなり暑かった場合、冷蔵倉庫は、すべてのものを凍った状態に維持するために、予測よりも多くの電力を消費しうる。
【0198】
新たなスケジュールが各負荷に対して計算されると、後の時間間隔も、同様に変更されたエネルギ消費を持つことが可能になる。例えば、冷蔵倉庫の場合、時間間隔の最初の部分に予測よりも暑かった場合、システムは、冷蔵倉庫をより強く運転して後の時間間隔中により冷えるようにすることによって補償してよい。もちろん、スケジュールが計算されて、後の時間間隔の電力値が変化すると、工程712および716で、これらの後の時間間隔のための境界条件の再計算が行われ、境界条件が十分に厳しい場合に、エネルギ補償がトリガされうる。
【0199】
ローカル制御システムへの接続の例
図23は、制御システム840の一例のブロック図である。この制御システムは、中央制御システム160が、制御パラメータおよびそれらの値を含むエネルギスケジュールを個々の負荷に供給し、各負荷の状態記録データなどのフィードバックを受信することを可能にする。もちろん、個々の負荷を制御し、フィードバックを受信するために、様々なハードウェア実装の内のどれを用いてもよい。一般に、制御システム160は、産業用途で用いられる任意の適切な産業用制御システム(ICS)とインターフェースを取ってよい。例えば、天然ガス産業は、天然ガスの分配のためのローカル産業用制御システム(通例は、分配制御システムと呼ばれる)または発電に用いられるガスタービンの制御のためのローカル産業用制御システムを幅広く利用する。
【0200】
サブシステム842は、制御システム160の一部の1つの可能な実装であり、アルゴリズム/インターフェースサーバと、すべての記録されたデータ(記録された状態変数、記録されたエネルギ消費、ハードウェアまたは通信の他のイベントなど)を保持するために用いられる履歴サーバと、リアルタイムの情報フローおよびデータを処理するために用いられるリアルタイムサーバと、ネットワークおよび通信構成のための構成マネージャとを、プラットフォームおよび処理エンジンのための任意の適切なコンピュータハードウェアおよびソフトウェアに備える。
【0201】
サブシステム844は、任意の適切なプラットフォームおよび処理エンジン上に実装された、警告および記録データを一時的に格納するための履歴バッファならびにネットワークの様々なコンポーネントの間の情報フローをルーティングするためのリアルタイムルータを備えるSCADAゲートウェイの1つの可能な実装である。サブシステム846は、ローカルオンサイトデータ処理のためのプラットフォームおよび処理エンジンの可能な実装である。好ましい通信チャネルを通して警告を通信するための代替警告チャネルと、履歴バッファと、リアルタイムデータ制御と、当業者に周知の様々なデータ取得モジュールの内の任意のモジュールとが備えられている。サブシステム848は、任意の適切な産業用制御システムと、統一された通信のために用いられて、データを標準ベースのOPCフォーマットに変換するOPCサーバ(PLC、DCS、RTUなどのデバイスまたはデータソース(データベースなど)に接続されている)、データ取得および負荷の監視制御のためのSCADAソフトウェア、データファイル、ならびに、データベースなど、その構成要素とを備える。特定の一実施形態では、サブシステム842〜846のプラットフォームの各々は、UAクライアントおよびサーバが各プラットフォーム上に実装されるOPC統一アーキテクチャ・アプローチを用いて実装されてよい。
【0202】
負荷との情報のやり取りは、中央制御システム160と各ローカル制御システム(SCADAまたはMESシステム、PLC、もしくは、単に制御可能な電力スイッチを用いて実装されてよい)との間のデータのフローを管理するローカルバッファを用いて設定されてよい。最適な制御パラメータ(上述の方法で決定されるようなパラメータ)が用いられるように、ローカル制御システムで設定がなされる。
【0203】
インターネット接続されたデバイスからの電力柔軟性の抽出
図24は、インターネット接続されたデバイスと共に用いるエネルギ管理システム例860を示す。データセンタ862、任意の数のデスクトップコンピュータ864、および、任意の数の携帯型デバイス(ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話など)を含む様々な電気負荷が図示されている。電気エネルギが、これらの負荷すべてで消費され、これらの負荷はすべて、それらのエネルギ消費を監視および制御するのに必要なハードウェアおよび演算能力を有する。さらに、それらはすべて、同じグローバルネットワークに接続されているので、インターネット接続されたサーバ上で実行されるソフトウェアによって、集約が実施されてよい。データセンタ、デスクトップおよびサーバコンピュータなど、固定の電気負荷について、これらの負荷は、一般に、電源に接続され、それらの電力供給業者は既知であるため、上述のように仮想負荷への集約を実行することが容易になっている。携帯型デバイスについては、これらのデバイスが電源に接続されている時(通例は、バッテリに充電する時)に電力操作が利用可能であり、これらのデバイスの電力供給業者は、特定の住居または会社にデフォルトのものであってもよいし、後述のように決定されてもよい。もちろん、データセンタが、産業負荷の文脈で上述のように扱われてもよい。
【0204】
この実装は、各負荷の電力柔軟性を最大化し、これらの負荷を1つの仮想負荷に集約し、仮想負荷の電力および柔軟性をユーザインターフェースを通して利用可能にするために、上述のシステムおよび方法を用いる。
【0205】
最初の工程は、上述のように、各負荷のための1セットの制約、制御パラメータおよび値を決定する工程である。これらのタイプのコンピュータデバイスについては、負荷ごとに、スケジューリングされうる1セットの処理を決定する。これらの処理は、所与の継続時間および電力消費プロファイルによって特徴付けられ、様々なユーザ制約に従う必要がある。データセンタについては、これらは以下を含む:バックアップ処理;1つのセンタから別のセンタへのタスクの移行(例えば、負荷バランシングウェブ要求);および、単一のアプリケーションの複数のインスタンスの動的な作成。デスクトップコンピュータについては、これらは以下を含む:ウィルススキャンの実行;文書の印刷;および、ハードドライブのデフラグ。携帯デバイスについては、これらの処理は、バッテリの充電、および、デバイスがバッテリで稼働するのに十分な電力を有する時に電力網からの電流を遮断することを含む。これらの処理すべて(デバイスのカテゴリの間で共有されてもよい)について、それらの制約、電力プロファイル、および、ハードウェアの寿命への(潜在的な)影響を決定する。また、これらのデバイスについて、それらが提供したエネルギバッファリングすべてを決定する。データセンタについて、これは、バックアップのためのディーゼル発電機であってよく、特定の起動時間および最大運転時間を有する。ラップトップまたはその他の携帯型デバイスについては、バッファは、バッテリによって提供されうる。
【0206】
次に、例えば、
図9のフローを用いて、それらの処理の内どれが、負荷の柔軟性を最大化するために利用できるかを決定する。実際に、上に挙げた処理は、デバイスの電力消費を操作するために利用できる制約、制御パラメータおよび値につながる。各負荷は、制約(例えば、デスクトップコンピュータでのウィルススキャンが、毎月曜日の午前8時から午後7時の間に行われる)を有し、制御パラメータおよび値が、ウィルススキャンの開始、その一時停止、および、スキャンの終了など、それらの制約から生じる。負荷モデルまたは電力プロファイルは、処理が実行している時(または、処理が停止された時)に、どれだけの追加の電力が必要か(または、どれだけの電力が削減されるか)を示し、例えば、ウィルススキャンには、時間内に移動できる0.8Whが必要である。
【0207】
負荷、それらの処理および制御パラメータが規定されると、これらの負荷は、上述のように、1つの大きい仮想負荷に集約されてよい。大域的価値関数内の適切な項を用いて、この技術は、仮想負荷の電力需要の予測可能性を高めるように、処理をスケジューリングできる。例えば、この技術は、コンピュータウィルスの発生が大量の予期せぬスキャンおよび電力の消費を引き起こすリスクを避けるために、総柔軟性にすべての利用可能なウィルススキャンのほんの一部しか含まなくてもよい。これは、(柔軟性取引にスケジューリングされたために)ウィルススキャンを実行できないコンピュータの量にコンピュータウィルスの突発の可能性で重み付けするペナルティ項を追加することにより、価値関数に統合される。
【0208】
この実装の一実施形態は、制御システム160と通信するデスクトップコンピュータ、ラップトップ、または、携帯電話にインストールできるウェブからダウンロード可能なプラグインソフトウェアモジュールを用いて、中央制御システムがデータ取得、最適化された集約、および、電力操作を行うことを可能にする。プラグインは、様々な機能を有する。ユーザインターフェースは、負荷が電力柔軟性を制御システムに提供するために許容されることが好ましい一連の制御およびデータ取得動作を示す。ユーザインターフェースは、さらに、ユーザが、制御できるこれらの動作および処理についてのユーザ制約を入力することを可能にする。これらの処理、制約、および、制御パラメータが入力されると、負荷は、オンラインになり、エネルギプレーヤによる利用のために集約されたスケジューリング可能な電力を有するインターネット接続デバイスのポートフォリオの一部として利用されうる。
【0209】
別の機能は、様々な計算処理のスケジューリングの際に利用される様々なモデルの実装である。これらのモデルは以下を含む:各処理に必要なデータの量を推定するためのデータモデル;(データの量を前提として)各処理の継続時間を推定するための計算モデル;(処理の継続時間を前提として)所与の処理によって消費される電力量を予測するために電力モデル;および、各処理への制約を規定するためのユーザ行動モデル。プラグインは、さらに、後の精算のために、その日を通しての電力消費のログを保持する。プラグインは、さらに、データ処理のために各モデルの結果を制御システムに通信し、エネルギスケジュールを制御システムから受信し、それらのエネルギスケジュールを実行して、スケジューリングされた処理を実施することができる。
【0210】
ラップトップなど携帯型デバイスの場合、ラップトップは、バッテリまたは電力網から電力を受けるため、バッテリは、ローカルバッファとして機能する。プラグインは、バッテリの充電状態および電力利用を監視し、したがって、ラップトップは、制御ソフトウェアによって要求された時に電力網から切断できる柔軟な負荷として提供される。プラグインは、さらに、ユーザが、デバイスの位置、デフォルトの位置などによって、特定のエネルギ供給業者を選ぶことを可能にしてもよい。データセンタについて、制御システムは、通例、データセンタの専用管理ソフトウェアと相互作用し、管理ソフトウェアパラメータまたはAPIを用いてそのソフトウェアを操作する。
【0211】
天然ガス負荷からの電力柔軟性の抽出
図25は、上述のエネルギ管理システムの技術を用いて柔軟に管理されるガス需要を有しうる天然ガス負荷880の一例を示す。特定の温度間隔(すなわち、温度制約)の間の大量の水884を保持するガス燃焼ボイラ882を仮定する。天然ガスがガス分配網から到着し、遠隔制御されたガスバルブ888によってオンオフされ、自動点火装置890を用いて点火される。温水が892から出て、住居または産業処理に供給される。他の制約または状態は、容器内の水の量、容器内の圧力、パイプ892を通して供給される水の量などを含みうる。この負荷を制御することは、燃焼器内のガスの流れを特徴付けるパラメータが内部状態に加わることを除けば、冷蔵倉庫を制御することと等価である。中央制御システムは、ガスの流れを遮断したりガスの流れをオンに戻したりして、この負荷を柔軟にし、温度制約を考慮することができる。
【0212】
コンピュータシステムの実施形態
図26Aおよび
図26Bは、本発明の実施形態を実施するのに適したコンピュータシステム900を示す。
図26Aは、コンピュータシステムの物理的形態の一例を示している。もちろん、コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、小型携帯デバイス(携帯電話またはPDAなど)、パーソナルコンピュータ、または、スーパーコンピュータなど、多くの物理的形態を有しうる。コンピュータは、典型的にはクラウドアーキテクチャの場合のように、仮想化されたシステムであってもよい。コンピュータシステム900は、モニタ902、ディスプレイ904、筐体906、ディスクドライブ908、キーボード910、および、マウス912を備える。ディスク914は、コンピュータシステム900とデータをやり取りするために用いられるコンピュータ読み取り可能な媒体である。
【0213】
図26Bは、コンピュータシステム900のブロック図の一例である。システムバス920には、様々なサブシステムが取り付けられている。1または複数のプロセッサ922(中央処理装置すなわちCPUとも呼ぶ)が、メモリ924などの記憶装置に接続されている。メモリ924は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)を含む。当業者に周知のように、ROMは、CPUに対して単方向的にデータおよび命令を転送するよう機能し、RAMは、通例、双方向的にデータおよび命令を転送するために用いられる。これらのタイプのメモリは両方とも、後に示す任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体を含んでよい。CPU922には、さらに、固定ディスク926が、双方向的に接続されており、さらなるデータ記憶容量を提供している。固定ディスク926は、後に示すコンピュータ読み取り可能媒体のいずれを含んでもよい。固定ディスク926は、プログラムやデータなどを格納するために用いられてよく、通例は、一次記憶装置よりも遅い二次記憶媒体(ハードディスクなど)である。固定ディスク926内に保持された情報は、必要に応じて、メモリ924内の仮想メモリとして標準的な方法で組み込まれてよいことを理解されたい。リムーバブルディスク914は、後に示すコンピュータ読み取り可能な媒体のいずれの形態を取ってもよい。
【0214】
CPU922は、さらに、ディスプレイ904、キーボード910、マウス912、および、スピーカ930など、様々な入力/出力装置に接続されている。一般に、入力/出力装置は、ビデオディスプレイ、トラックボール、マウス、キーボード、マイク、タッチセンサ式ディスプレイ、トランスデューサ式カードリーダ、磁気または紙テープリーダ、タブレット、スタイラス、音声または手書き認識装置、バイオメトリクスリーダ、もしくは、他のコンピュータ、のいずれであってもよい。CPU922は、任意選択的に、ネットワークインターフェース940を用いて、他のコンピュータや電気通信ネットワークに接続されてもよい。かかるネットワークインターフェースを用いて、CPUは、上述の方法の工程を実行する際に、ネットワークから情報を受信、または、ネットワークに情報を出力してよい。さらに、本発明の方法の実施形態は、CPU922単体で実行されてもよいし、インターネットなどのネットワークを介して、処理の一部を分担する遠隔CPUと協働で実行されてもよい。
【0215】
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータによって実現される様々な動作を実行するためのコンピュータコードを有するコンピュータ読み取り可能な媒体を備えたコンピュータストレージ製品に関する。媒体およびコンピュータコードは、本発明のために、特別に設計および構成されてもよいし、コンピュータソフトウェア分野における当業者にとって周知および利用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープなどの磁気媒体;CD−ROM、ホログラフィック素子などの光学媒体;フロプティカルディスクなどの光磁気媒体;特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)、ROMおよびRAMなど、プログラムコードを格納および実行するよう特別に構成されたハードウェア装置、が挙げられるが、それらに限定されない。コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されたコードなどのマシンコードや、インタープリタを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含むファイルが挙げられる。
【0216】
仮想サーバが用いられる場合、上述の構成要素の多くが仮想化ソフトウェアによってシミュレートされることに注意されたい。一例として、仮想システムのCPUは、所定の方法で仮想化ソフトウェアを実行するマシン上の物理的なCPUに演算タスクを任せるソフトウェアである。
【0217】
理解を深めるために、上述の発明について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更や変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、上述の実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本発明は、本明細書に示した詳細事項に限定されず、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲によって規定される。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
エネルギ負荷の電力柔軟性を最大化する方法であって、
前記エネルギ負荷を動作させる条件を示す負荷制約を受信する工程と、
前記エネルギ負荷の動作を制御すると共に前記エネルギ負荷の電力利用に影響する1セットの制御パラメータおよび可能な値を受信する工程と、
前記エネルギ負荷のコンピュータモデルを受信する工程であって、前記モデルは、前記モデルへの入力値の変化に応じて前記エネルギ負荷の前記電力利用を出力する、工程と、
期間の時間間隔中の前記エネルギ負荷の前記制御パラメータの関数としてエネルギ利用の変化を示す項を有する価値関数を受信する工程と、
前記コンピュータモデル、前記負荷制約、および、前記制御パラメータを用いて、前記価値関数を最大化する工程と、
前記価値関数を最大化する工程から得られた前記制御パラメータのサブセットを出力する工程であって、前記サブセットは、前記負荷制約の範囲内で前記エネルギ負荷の動作を制御しつつ、エネルギ利用の前記変化を最大化することができる、工程と、
を備える、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、前記エネルギ負荷は、電気または天然ガスを消費する、方法。
適用例3:
適用例1の方法であって、さらに、
前記期間内の前記時間間隔中に前記負荷制約の範囲内で前記エネルギ負荷を制御するために、前記制御パラメータおよび値の前記サブセットを含むエネルギスケジュールを前記エネルギ負荷に供給する工程を備える、方法。
適用例4:
適用例1の方法であって、さらに、
前記時間間隔中のエネルギ利用の前記変化を生み出すために、前記コンピュータモデルを用いて前記1セットの制御パラメータのすべての組み合わせに対して反復を行うことによって、前記価値関数を最大化する工程を備える、方法。
適用例5:
適用例1の方法であって、前記価値関数は、さらに、前記制御パラメータの第1のセットを用いて前記エネルギ負荷を制御することの経済的影響を示す経済項を含む、方法。
適用例6:
適用例1の方法であって、さらに、
許容される負荷状態の分布にわたって期待値演算子を取得することによって前記価値関数を最大化する工程を備える、方法。
適用例7:
複数の実際のエネルギ負荷を表す仮想エネルギ負荷の電力柔軟性を最大化する方法であって、
複数の価値関数を受信する工程であって、各価値関数は、前記実際のエネルギ負荷の内の1負荷を表し、期間中の複数の時間間隔にわたる前記実際の負荷の内の前記1負荷のエネルギ利用の変化を示す項を含む、工程と、
前記実際のエネルギ負荷の各々のための1セットの負荷制約を受信する工程と、
前記実際のエネルギ負荷の各々のための1セットの制御パラメータおよび可能な値を受信する工程と、
前記実際のエネルギ負荷の各々のコンピュータモデルを受信する工程であって、各コンピュータモデルは、前記各モデルへの入力値の変化に応じて前記各実際のエネルギ負荷の電力利用を出力する、工程と、
前記価値関数を含む前記仮想エネルギ負荷を表す大域的価値関数を受信する工程と、
前記コンピュータモデル、前記負荷制約のセット、および、前記制御パラメータのセットを用いて、前記実際のエネルギ負荷すべてについて前記時間間隔にわたるエネルギ利用の潜在的な変化を最大化するために、前記大域的価値関数を解く工程と、
各実際のエネルギ負荷について、前記時間間隔の1つの間に前記仮想エネルギ負荷に供給されるエネルギレベルの割合を出力する工程であって、前記エネルギレベル全体が、前記実際のエネルギ負荷の間で分割される、工程と、
を備える、方法。
適用例8:
適用例7の方法であって、前記実際のエネルギ負荷は、電気または天然ガスを消費する、方法。
適用例9:
適用例7の方法であって、さらに、
前記実際のエネルギ負荷にわたって前記エネルギレベルの前記割合をスケジューリングすることにより、前記仮想エネルギ負荷にわたって前記エネルギレベルを分配する工程と、
前記エネルギレベルの前記割合を用いて、前記時間間隔の1つの間に前記実際のエネルギ負荷の各々を動作させる工程と、
を備える、方法。
適用例10:
適用例7の方法であって、前記大域的価値関数は、さらに、前記実際のエネルギ負荷の外部にあり前記実際のエネルギ負荷の所有者によって制御できない特定のエネルギプレーヤにとっての前記仮想エネルギ負荷の電力柔軟性の価値を表す経済項を含む、方法。
適用例11:
適用例7の方法であって、前記大域的価値関数は、さらに、仮想エネルギ負荷をスケジューリングするのに必要な応答時間に関する減少関数である経済項を含む、方法。
適用例12:
適用例7の方法であって、前記大域的価値関数は、さらに、エネルギが最も高価である第1の時間間隔からエネルギが最も安価である第2の時間間隔に移すことができる前記仮想エネルギ負荷のエネルギ利用量を表す経済項を含む、方法。
適用例13:
適用例7の方法であって、前記大域的価値関数は、さらに、前記時間間隔にわたって前記仮想エネルギ負荷のエネルギ利用の変動率の負の値を表す経済項を含み、前記変動率が大きいほど、前記大域的価値関数の値が小さくなる、方法。
適用例14:
複数の実際のエネルギ負荷にわたって電力を分配する方法であって、
特定の時間間隔中の仮想負荷のエネルギレベルを受信する工程であって、前記仮想負荷は、前記実際の負荷を代表する、工程と、
前記実際の負荷の各々のための前記エネルギレベルの割合を受信し、各実際の負荷のための前記割合に基づいて各実際の負荷に分配される前記エネルギレベルの割り当てを計算する工程と、
前記実際の負荷の各々について、前記エネルギの前記割り当てを各実際の負荷の逆モデルに入力して、前記時間間隔中の各実際の負荷のための制御パラメータおよび値のセットを決定する工程と、
前記制御パラメータおよび値のセットを前記実際の負荷に供給する工程と、
前記時間間隔中に前記制御パラメータおよび値のセットを用いて前記実際の負荷の各々を制御しつつ、各実際の負荷に固有の制約のセットの範囲内で前記実際の負荷の各々を動作させる工程であって、前記制約の各セットは、各実際の負荷を動作させる条件を示す、工程と、
を備える、方法。
適用例15:
適用例14の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の少なくとも1つを、前記時間間隔内に経時的にそのエネルギ消費を変化させることによって制御する工程を備え、前記少なくとも1つの実際の負荷は、前記エネルギレベルの自身の割り当てと前記時間間隔の長さとの積に等しいエネルギを前記時間間隔中に消費する、方法。
適用例16:
適用例14の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の各々のための個々の価値関数を含む大域的価値関数を最大化することによって前記エネルギレベルの前記割合を決定する工程を備え、前記個々の価値関数の各々は、期間の時間間隔中の対応する負荷のエネルギ利用の変化を表す項を含む、方法。
適用例17:
適用例14の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の各々のための個々の価値関数を含む大域的価値関数を最大化することによって前記エネルギレベルの前記割合を決定する工程を備え、前記個々の価値関数の各々は、各実際の負荷のための前記逆モデルに対応する各実際の負荷のためのコンピュータモデルを利用する、方法。
適用例18:
複数の実際のエネルギ負荷にわたって電力を分配する方法であって、
期間中の指定の時間間隔中の仮想負荷の調整エネルギ値を受信する工程であって、前記仮想負荷は、前記実際の負荷を表す、工程と、
前記仮想負荷について前記期間内の少なくとも1つの他の時間間隔に対して前記調整エネルギ値の負の値をスケジューリングする工程であって、前記少なくとも1つの他の時間間隔は、前記指定の時間間隔ではない、工程と、
前記実際の負荷の各々に対する割合を用いて前記指定の時間間隔中に前記実際の負荷に前記調整エネルギ値を分配する工程であって、前記割合に従って、前記実際の負荷の各々が、前記調整エネルギ値の割り当てを受ける、工程と、
前記実際の負荷の各々に対する割合を用いて前記少なくとも1つの他の時間間隔中に前記実際の負荷に前記調整エネルギ値の負の値を分配する工程であって、前記割合に従って、前記実際の負荷の各々が、前記負の調整エネルギ値の割り当てを受ける、工程と、
前記負荷の各々について、各負荷のための逆モデルに、前記調整エネルギ値の前記割り当て、前記負の調整エネルギ値の前記割り当て、および、前記負荷のための基準曲線からの対応する値を入力して、前記期間中の制御パラメータおよび値のセットを決定する工程と、
前記期間中に前記制御パラメータおよび値の前記セットを用いて前記実際の負荷の各々を制御する工程と、
を備える、方法。
適用例19:
適用例18の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の少なくとも1つを、前記期間の時間間隔内に経時的にその電力消費を変化させることによって制御する工程を備える、方法。
適用例20:
適用例18の方法であって、さらに、
前記制御する工程に応じて、各実際の負荷に固有の制約のセットの範囲内で前記実際の負荷の各々を動作させる工程を備え、前記制約の各セットは、各実際の負荷を動作させる条件を示す、方法。
適用例21:
適用例18の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の各々のための個々の価値関数を含む大域的価値関数を最大化することによって前記調整エネルギ値の前記割合を決定する工程を備え、前記個々の価値関数の各々は、前記期間の時間間隔中の対応する負荷のエネルギ利用の変化を表す項を含む、方法。
適用例22:
適用例18の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の各々のための個々の価値関数を含む大域的価値関数を最大化することによって前記調整エネルギ値の前記割合を決定する工程を備え、前記個々の価値関数の各々は、各実際の負荷のための前記逆モデルに対応する各実際の負荷のためのコンピュータモデルを利用する、方法。
適用例23:
仮想負荷の電力柔軟性を提示する方法であって、
前記仮想負荷によって表される複数の実際のエネルギ負荷を特定する工程であって、各実際の負荷は、1セットの動作制約を有する、工程と、
複数の時間間隔を含む期間についての前記仮想負荷の基準電力曲線を受信する工程と、
前記期間内の第1の時間間隔について、前記第1の時間間隔以外のすべての時間間隔中に前記仮想負荷によって消費できる最大電力を決定して、前記第1の時間間隔での下界を決定する工程であって、前記動作制約のセットを満たす、工程と、
前記期間内の前記第1の時間間隔について、前記第1の時間間隔以外のすべての時間間隔中に前記仮想負荷で削減できる最大電力を決定して、前記第1の時間間隔での上界を決定する工程であって、前記動作制約のセットを満たす、工程と、
前記期間内の前記第1の時間間隔と、前記動作制約のセットを満たしつつ前記第1の時間間隔中に前記仮想負荷で削減できる最大電力量を前記基準電力曲線と相対的に示す前記上界と、前記動作制約のセットを満たしつつ前記第1の時間間隔中に前記仮想負荷によって消費できる最大電力量を前記基準電力曲線と相対的に示す前記下界とを示すユーザインターフェースを表示する工程と、
を備える、方法。
適用例24:
適用例23の方法であって、さらに、
前記時間間隔の内の第2の時間間隔中に電力柔軟性が利用できないことを示す制約を前記仮想負荷に追加する工程と、
前記第2の時間間隔と、ゼロの値を各々有する上界および下界とを示す前記ユーザインターフェースを表示する工程と、
を備える、方法。
適用例25:
適用例23の方法であって、さらに、
前記基準電力曲線を仮想負荷モデルから導出する工程を備える、方法。
適用例26:
適用例23の方法であって、さらに、
前記仮想負荷のコンピュータモデルを用いて、前記仮想負荷で削減できる前記最大電力および前記仮想負荷によって消費できる前記最大電力を決定する工程を備える、方法。
適用例27:
適用例23の方法であって、さらに、
前記エネルギ負荷の内の1負荷の状態または制約が変化したと判定された時に、リアルタイムで前記上界および下界を再計算する工程を備える、方法。
適用例28:
仮想エネルギ負荷のエネルギ消費を変更する方法であって、
期間内に複数の時間間隔を有するユーザインターフェースを表示する工程と、
前記時間間隔の内の選択された1間隔のためのエネルギ値を受け取る工程であって、前記電力値は、前記仮想エネルギ負荷についての前記時間間隔の内の前記1間隔でのエネルギ消費の所望の変化であり、前記仮想エネルギ負荷は、複数の実際のエネルギ負荷を表す、工程と、
前記選択された時間間隔以外の複数の前記時間間隔の各々のための上界を計算する工程であって、各上界は、その対応する時間間隔中に前記仮想負荷で削減できる最大電力量を示す、工程と、
前記選択された時間間隔以外の前記複数の前記時間間隔の各々のための下界を計算する工程であって、各下界は、その対応する時間間隔中に前記仮想負荷によって消費できる最大電力量を示す、工程と、
前記ユーザインターフェース上に、前記選択された時間間隔に関連させて前記エネルギ値を、対応する時間間隔に関連させて前記上界を、および、対応する時間間隔に関連させて前記下界を表示する工程と、
を備える、方法。
適用例29:
適用例28の方法であって、前記エネルギ値、前記上界、および、前記下界は、前記仮想負荷の基準電力曲線と相対的な値である、方法。
適用例30:
適用例28の方法であって、各実際のエネルギ負荷は、1セットの制約下で動作し、前記上界は、前記制約のセットを満たしつつ前記仮想負荷で削減できる最大電力量を示し、前記下界は、前記制約のセットを満たしつつ前記仮想負荷によって消費できる最大電力量を示す、方法。
適用例31:
適用例28の方法であって、さらに、
前記仮想エネルギ負荷の前記エネルギ消費が前記エネルギ値だけ変更されることを指示する入力を受ける工程と、
前記実際のエネルギ負荷の各々に対する前記エネルギ値の割合を含んだエネルギスケジュールを前記実際のエネルギ負荷に送信する工程と、
前記実際のエネルギ負荷の各々に対する前記エネルギ値の前記割合を考慮して前記実際のエネルギ負荷を制御する工程と、
を備える、方法。
適用例32:
適用例31の方法であって、各実際のエネルギ負荷は、1セットの制約下で動作し、前記方法は、さらに、
前記実際のエネルギ負荷の各々を制御しつつ、各実際の負荷をその負荷の1セットの制約下で動作させる工程を備える、方法。
適用例33:
適用例28の方法であって、さらに、
前記エネルギ値の負の値を補償値として複数の他の時間間隔に分配する工程であって、前記他の時間間隔の各々は、前記選択された時間間隔ではない、工程と、
前記ユーザインターフェース上に、対応する他の時間間隔と関連させて前記補償値を表示する工程であって、前記補償値の各々は、前記仮想エネルギ負荷のエネルギ消費の所望の変化を示す、工程と、
を備える、方法。
適用例34:
適用例33の方法であって、前記補償値の各々は、対応する時間間隔のための前記上界および前記下界の範囲内に入る、方法。
適用例35:
適用例33の方法であって、前記ユーザインターフェースは、前記選択された時間間隔のために選択された上界および選択された下界を表示し、前記エネルギレベルは、前記選択された上界および下界の範囲内に入る、方法。
適用例36:
仮想エネルギ負荷のエネルギを再スケジューリングする方法であって、
前記仮想負荷のエネルギスケジュールを計算する工程であって、前記エネルギスケジュールは、期間内の複数の時間間隔の各々の間に前記仮想負荷によって消費されるエネルギレベルを示し、前記仮想負荷は、複数の実際のエネルギ負荷を表す、工程と、
前記時間間隔の内の現在の時間間隔中の前記実際の負荷の少なくとも1つからの電力記録データを受信する工程であって、前記電力記録データは、前記現在の時間間隔中に前記実際の負荷の内の前記少なくとも1つによって消費されたエネルギ量を示す、工程と、
前記現在の時間間隔中の前記仮想負荷の総エネルギ消費を推定する工程と、
前記総エネルギ消費と、前記現在の時間間隔についての前記送信されたエネルギスケジュールからの前記エネルギレベルとを比較する工程と、
前記現在の時間間隔についての前記送信されたエネルギスケジュールからの前記エネルギレベルの更新された値を用いて、前記仮想負荷の前記エネルギスケジュールを再計算する工程と、
前記再計算されたエネルギスケジュールを前記実際の負荷の間に分配する工程であって、それにより、各実際の負荷が個々のエネルギスケジュールを受信する、工程と、
を備える、方法。
適用例37:
適用例36の方法であって、各実際の負荷は、1セットの制約下で動作し、前記方法は、さらに、
前記各実際の負荷のための前記1セットの制約に従いつつ、前記実際の負荷の各々を、その負荷エネルギスケジュールを用いて制御する工程を備える、方法。
適用例38:
適用例36の方法であって、さらに、
前記現在の時間間隔中に、前記受信する工程、再計算する工程、および、分配する工程を実行する工程を備える、方法。
適用例39:
適用例36の方法であって、さらに、
個々の負荷エネルギスケジュールの各々を各負荷の逆モデルに入力して、各実際の負荷のための制御パラメータおよび値を出力する工程と、
各実際の負荷のための前記出力された制御パラメータおよび値を用いて、前記時間間隔中に各実際の負荷を制御する工程と、
を備える、方法。
適用例40:
適用例36の方法であって、さらに、
前記実際の負荷の内の1負荷のための負荷モデルを更新する工程と、
前記実際の負荷の内の前記1負荷の前記個々のエネルギスケジュールを前記更新された負荷モデルの逆モデルに入力して、更新された制御パラメータおよび値を出力する工程と、
前記出力された更新済みの制御パラメータおよび値を用いて、前記時間間隔中に前記実際の負荷の内の前記1負荷を制御する工程と、
を備える、方法。
適用例41:
適用例36の方法であって、さらに、
前記総エネルギ消費と、前記現在の時間間隔についての前記送信されたエネルギスケジュールからの前記エネルギレベルとの間に、ずれがあるか否かを判定する工程を備える、方法。
適用例42:
適用例7の方法であって、前記大域的価値関数は、さらに、異なるエネルギプレーヤに各々由来する複数の経済的価値を含む経済項を含む、方法。
適用例43:
適用例1の方法であって、さらに、
前記制御パラメータのすべての組み合わせに反復を行って、式E[ΣiΔEi/Epeak−ρ]を最大化することによって前記価値関数を最大化する工程を備え、
Eは、期待値演算子であり、ΔEiは、i番目の時間間隔中の負荷状態を前提とした差であり、Epeakは、前記差を無次元にするために用いられるi番目の時間間隔中の前記エネルギ負荷の最大エネルギ消費であり、ρは、前記エネルギ負荷を制御することの経済的影響である、方法。
適用例44:
適用例3の方法であって、前記エネルギスケジュールは、前記エネルギ負荷の外部にあり前記エネルギ負荷の所有者によって制御できないエネルギプレーヤによって指示される、方法。
適用例45:
適用例3の方法であって、前記エネルギスケジュールは、前記最大エネルギ消費および前記最小エネルギ消費の間のエネルギを前記エネルギ負荷に提供する、方法。
適用例46:
適用例7の方法であって、さらに、
すべての可能な制御パラメータ値を探索し、式E[ΣiΔEi/Epeak−ρ]を最大化することによって、前記価値関数の各々を最大化する工程を備え、
Eは、期待値演算子であり、ΔEiは、i番目の時間間隔中の仮想負荷状態を前提とした各差であり、Epeakは、前記差を無次元にするために用いられるi番目の時間間隔中の前記各エネルギ負荷の最大エネルギ消費であり、ρは、前記各エネルギ負荷を制御することの経済的影響である、方法。
適用例47:
適用例7の方法であって、前記実際のエネルギ負荷は、地理的に分散された位置にあり、異なる所有者を有する、方法。
適用例48:
適用例7の方法であって、前記エネルギレベルは、前記実際のエネルギ負荷の外部にあり前記実際のエネルギ負荷の所有者によって制御できないエネルギプレーヤによって指示される、方法。
適用例49:
適用例7の方法であって、前記各実際のエネルギ負荷のためのエネルギレベルの前記割合は、前記各実際のエネルギ負荷の前記最大エネルギ消費および前記最小エネルギ消費の間である、方法。
適用例50:
適用例1の方法であって、さらに、
前記時間間隔中に、前記負荷制約の範囲内で許容される前記エネルギ負荷の最大エネルギ消費と、前記負荷制約の範囲内で許容される前記エネルギ負荷の最小エネルギ消費と、の間の差を最大化することによって、前記価値関数を最大化する工程を備える、方法。
適用例51:
適用例50の方法であって、前記制御パラメータの前記サブセットは、前記最大エネルギ消費および前記最小エネルギ消費の間で前記エネルギ負荷の動作を制御できる、方法。
適用例52:
適用例7の方法であって、前記各価値関数の前記項は、前記負荷制約の範囲内で許容される前記実際のエネルギ負荷の内の前記1負荷の最大エネルギ消費と、前記負荷制約の範囲内で許容される前記実際のエネルギ負荷の内の前記1負荷の最小エネルギ消費と、の間の差を記述する、方法。
適用例53:
適用例50の方法であって、前記エネルギ負荷は、前記負荷制約が満たされない時には機能しない、方法。
適用例54:
適用例52の方法であって、前記エネルギ負荷の各々は、その前記負荷制約のセットが満たされない時には機能しない、方法。
適用例55:
適用例52の方法であって、前記制御パラメータの各セットは、対応する前記実際のエネルギ負荷の前記最大エネルギ消費および前記最小エネルギ消費の間で、対応する前記実際のエネルギ負荷を動作させることができる、方法。