特許第6182243号(P6182243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182243
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ホットメルト接着剤塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/04 20060101AFI20170807BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   B05C5/04
   B05C5/00 103
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-122304(P2016-122304)
(22)【出願日】2016年6月21日
(62)【分割の表示】特願2015-504142(P2015-504142)の分割
【原出願日】2013年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-221512(P2016-221512A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年7月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-67370(P2013-67370)
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-94584(P2013-94584)
(32)【優先日】2013年4月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591232543
【氏名又は名称】株式会社サンツール
(74)【代理人】
【識別番号】100064861
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 文雄
(72)【発明者】
【氏名】日高昇二
(72)【発明者】
【氏名】岡平伸一
【審査官】 平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5959717(JP,B2)
【文献】 特開平5−309310(JP,A)
【文献】 特開平6−254446(JP,A)
【文献】 特開2004−195434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D1/00〜 7/26
B05B1/00〜17/08
B05C1/00〜21/00
Japio−GPG/FX
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で、多数の接着剤孔および多数の加圧空気孔を縦列形成し、塗布ノズル底面近傍では、接着剤ビートの左右、前後に、加圧空気流との間に非干渉空間Qの上部を形成して互いに非干渉としたホットメルト接着剤塗布装置において、
前記接着剤孔開口aのそれぞれに、対角線方向に位置して加圧空気プレート3の加圧空気孔開口bを位置させて、それぞれの前記接着剤孔開口aに対してほぼ対角線延長方向で各加圧空気プレートに加圧空気孔開口bを位置させることで合計4個の加圧空気孔開口bを1個の接着剤孔開口と対を構成する配置して、
接着剤孔の両側方に加圧空気孔を存在させ、かつ、すべての加圧空気孔および接着剤孔を塗布ノズル正面視で垂直方向として互いに並行させ、
加圧空気プレートの加圧空気孔bについて、前記接着剤孔開口aの側方に位置し前後方向に対をなす2個について、互いに接近方向に傾斜させて、その延長線は、接着剤孔開口より吐出する接着剤ビートの側方に位置して、収斂する方向に形成し、
前記加圧空気孔bによる収斂方向の加圧空気により帯状の壁Rが形成されて、接着剤ビートHaは横振れして、帯状の壁Rと接触することで、
接着剤ビートHaの形成ゾーンにおいては、接着剤ビートの左右、前後に、加圧空気流との間に非干渉空間Qの上部に連続する非干渉空間Qの下部を形成し、
接着剤ウエブHbの形成ゾーンにおいては、接着剤ビートの両側方に、空間を介在させて、加圧空気流の帯状の壁Rを形成することを特徴とする、ホットメルト接着剤塗布装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ホットメルト接着剤孔からのホットメルト接着剤ビートに、加圧空気孔からの加圧空気を作用させ、ホットメルト接着剤の繊維状ビートを形成しつつ、走行中の塗布ライン上の基材の上面に接着剤塗布面を形成するための、ホットメルト接着剤塗布方法およびホットメルト接着剤塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤孔からのホットメルト接着剤ビートに、加圧空気孔からの加圧空気を作用させ、ホットメルト接着剤の繊維状ビートを形成しつつ、走行中の塗布ライン上面の基材に所定ハターンの接着剤を塗布するホットメルト接着剤塗布方法に関して、下記の公知発明が存在する。
特許文献1:本願出願人の発明にかかる、特開平8―243461号、特許3661019号「カーテンファイバー状スプレー塗布装置における塗布ノズル装置」
特許文献2:特開平10―183454号、特許4008547号「メルトブローイング方法および装置。
特許文献3:本願出願人の発明にかかる、特開平5-3093100号公開特許公報「ホットメルト接着剤塗布装置」
特許文献4: 本願出願人の発明にかかる特開平6-254446号公開特許公報「カーテンファイバー状スプレー塗布装置における塗布ノズル装置」
特許文献5:特開2004−195434号公開特許公報「縫い目状パターンの塗布物、粘性流体材料の塗布方法、塗布装置、及びノズル」
【0003】
特許文献1の発明は、接着剤孔より吐出する接着剤ビートに加圧空気を作用させることで、接着剤ビートを引伸ばして形成される糸状接着剤ビートは、連続円形パターンで基材の表面に連続塗布されている。
前記特許文献2の発明は、第1流体出口の両側方に第2流体出口を位置させて、第1流体出口と第2流体出口とを一直線上に配列して構成することで、メルトブローイングによって繊維または流体糸状体を形成するとともに、第1流体(ホットメルト接着剤ビート)の両側方に、第2流体(加圧ガス、加圧空気)が位置することで、メルトブローイングによるホットメルトファイバーまたはホットメルト糸状体を左右に揺動させることを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しょうとする課題】
【0004】
特許文献1の発明ないし特許文献3の発明においては、第1流体(ホットメルト接着剤ビート)に、第2の流体(加圧ガス、加圧空気)が衝突、接触することによるメルトブローイングの作用でホットメルトファイバー、ホットメルト接着剤糸状体(ウエブ)を形成するものであることにより、第1流体(ホットメルト接着剤ビート)に、第2流体(加圧空気等)が接触しスプレー作用で、ホットメルト接着剤ファイバーが周囲に飛散して作業環境を悪化する問題点、および多量の第2流体(加圧空気等)が浪費される問題点がある。
本願発明は、前記公知発明における、ホットメルトファイバーの周囲環境への飛散の防止と、前述の第2流体(加圧空気等)の消費量の低減とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で、多数の接着剤孔および多数の加圧空気孔を縦列形成し、塗布ノズル底面近傍では、接着剤ビートの左右、前後に、加圧空気流との間に非干渉空間Qの上部を形成して互いに非干渉としたホットメルト接着剤塗布装置において、
前記接着剤孔開口aのそれぞれに、対角線方向に位置して加圧空気プレート3の加圧空気孔開口bを位置させて、それぞれの前記接着剤孔開口aに対してほぼ対角線延長方向で各加圧空気プレートに加圧空気孔開口bを位置させることで合計4個の加圧空気孔開口bを1個の接着剤孔開口と対を構成する配置して、
接着剤孔の両側方に加圧空気孔を存在させ、かつ、すべての加圧空気孔および接着剤孔を塗布ノズル正面視で垂直方向として互いに並行させ、
加圧空気プレートの加圧空気孔bについて、前記接着剤孔開口aの側方に位置し前後方向に対をなす2個について、互いに接近方向に傾斜させて、その延長線は、接着剤孔開口より吐出する接着剤ビートの側方に位置して、収斂する方向に形成し、
前記加圧空気孔bによる収斂方向の加圧空気により帯状の壁Rが形成されて、接着剤ビートHaは横振れして、帯状の壁Rと接触することで、
接着剤ビートHaの形成ゾーンにおいては、接着剤ビートの左右、前後に、加圧空気流との間に非干渉空間Qの上部に連続する非干渉空間Qの下部を形成し、
接着剤ウエブHbの形成ゾーンにおいては、接着剤ビートの両側方に、空間を介在させて、加圧空気流の帯状の壁Rを形成することを特徴とする、ホットメルト接着剤塗布装置を提供する。





【発明の効果】
【0006】
本願発明は、図4図14(b)および図15(b)を参照して、ノズル底面近傍の非干渉空間Qの上部に連続して非干渉空間Qの下部が形成されている。
該非干渉空間Qの下部の存在により、ホットメルト接着剤ビートと加圧空気との接触によるメルトプロー作用範囲を減少させて、作業環境へのホットメルト接着剤の飛散を防止・減少する効果を有する・
非干渉空間Qの下方に接着剤ビートHaが供給されるところの空間について、接着剤孔10の左右側方2個の加圧空気孔10より吐出する加圧空気流Kにより形成される帯状の壁Rが存在することにより、接着剤孔開口aより吐出した接着剤ビートHaが、加圧空気の作用を受けホットメルト接着剤繊維状ビートHbに変化するにあたり、ホットメルト接着剤繊維状ビートHbの左右両側が、帯状の壁Rが接触している。
よって、左右方向に揺動しつつ流下するとともに、左右方向(基材の移送方向と直交方向)に飛散範囲が規制される。加圧空気およびホットメルト接着剤の消費量が削減される効果を有する。
さらに、接着剤孔開口aより吐出した接着剤ビートは、加圧空気の作用を受けホットメルト接着剤繊維状糸状体となって流下するにあたり、加圧空気の壁Rの存在により、ホットメルト接着剤繊維状糸状体(ウエブ)は、左右方向に揺動して、左右に乱れた繊維状態で基材に着地する。したがって、ホットメルト接着剤繊維状糸状体(ウエブ)Hbを基材表面にほぼ均一に分布させることができ、加圧空気の直進性を高めることで、基材表面のホットメルト塗布面を、横振れで均一な塗布バターンとする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】塗布ノズル装置の大要を示し、a図は正面図、b図は底面図、c図は側面図で、対をなす接着剤孔開口aと4個の加圧空気孔開口bとの位置関係を示す。
図2】本願発明の作用の説明図で、a図は正面視で、接着剤孔の断面位置における縦断面図。b図は側面視で、接着剤孔の断面位置における縦断面図。
図3】本願発明の実施例の塗布しズル装置の大要を示す縦断面図。
図4】同じく底面図で、対をなす接着剤孔開口aと4個の加圧空気孔開口bとの位置関係を示す。
図5】同じく側面図。
図6】同じく正面図。
図7】接着剤孔開口aからの接着剤ビートと加圧空気孔開口bからの加圧空気との位置関係を示し、塗布しズル装置の長手方向の縦断面図。
図8】同じく、塗布しズル装置の横断方向の縦断面図で、a図は、接着剤孔開口を断面位置とし、b図は、加圧空気孔を断面位置とする。
図9】塗布ライン上の塗布膜の説明図。
図10】本願発明の第2実施例の塗布ノズル装置の大要を示し、a図は側面視の縦断面図、b図は正面図、c図は底面図である。
図11】同じく部分断面した側面図。
図12】同じく底面視の斜視図で、対をなす接着剤孔開口aと4個の加圧空気孔開口bとの位置関係を示す。
図13】同じく、塗布しズル装置の横断方向の縦断面図で、加圧空気孔を断面位置とする。
図14】本願発明の作用を説明する略図で、a図はノズル底面図、b図はノズル正面図、c図は基材面への塗布面を示す。
図15】メルトブローイング作用により、繊維状塗布面が併存している場合における、図14と同様の略図。
図16】文献2示される公知技術における第1の流れF1と第2の流れF2の説明図。
図17】同じく、塗布しズル装置の大要を示す縦断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1および図2を参照して本願発明の原理を説明する。
図1は、塗布しズル装置の大要を示し、a図は正面図、b図は底面図、c図は側面図で、対をなす接着剤孔開口aと4個の加圧空気孔開口bとの位置関係を示す。
図1のa図を参照して、塗布ノズル正面視で、すべての加圧空気流Kおよび接着剤流Hを垂直方向として互いに並行させる。
図1のb図を参照して、塗布ノズル底面視で、接着剤孔開口aを中心とする四角
形のそれぞれの角部より加圧空気流Kを吐出させて、1個の接着剤流Hに対して合計4個の加圧空気孔流Kと対をなす構成とする。
図1のc図を参照して、加圧空気プレートの加圧空気孔開口bよりの加圧空気流Kについて、前記接着剤孔開口aの側方に位置し前後方向に対をなす2個について、互いに接近方向に傾斜して、その延長線が、接着剤孔開口より吐出した接着剤流による接着剤ビートの側方に位置して、収斂する方向とする。
【0009】
接着剤ビートの両側方のそれぞれの加圧空気流が収斂方向に一体化しつつ流下することにより、塗布ノズル底面近傍の非干渉空間Qの上部に連続して非干渉空間Qの下部が形成されて、接着剤ビートと4本の加圧空気流との間には非干渉空間Qの下部が存在して互いに非干渉とする。
図2を参照して、前記非干渉空間Qの下部の下方に位置して、接着剤ビートの左右両側方に加圧空気流Kより帯状の壁Rが形成され、左右帯状の壁Rの間には空間が存在して、前記帯状の壁Rは、前記空間に位置する接着剤ビートHaを引伸ばしつつ横振れさせて、横振れするウェブHbを形成する。
前記非干渉空間Qの下部の存在は、加圧空気流と接着剤ビートとの干渉を削減することで、接着剤ファィバーの形成を阻止して、塗布基材の指定範囲外への接着剤飛散、作業環境への接着剤飛散を実質的に防止するとともに、加圧空気供給量を削減して加圧空気供給エネルギーを削減する。
【0010】
細小孔で且つ直線とした加圧空気孔より、加圧空気を吐出することで、加圧空気流の直進性を増大させ、対向する加圧空気流の収斂位置をより下方位置とする。
【0011】
実施例においては、加圧空気孔20を、断面積を、0.1ミリ平方メートルに近い値とする細小孔で且つ直線とすることにより、加圧空気流Kに直進性を付与して加圧空気孔開口bにおける拡散を実質的に皆無として、加圧空気流Kの指向性を高めている。
加圧空気孔20の断面形状を例示すると、以下のとおりである。
0.3Φの円形---断面積を、0.07ミリ平方メートル
0.35Φの円形--断面積を、0.09ミリ平方メートル
0.4Φの円形---断面積を、0.12ミリ平方メートル
0.3x0.3の四角形---断面積を、0.09ミリ平方メートル
0.2x0.5の四角形---断面積を、0.1ミリ平方メートル
0.3x0.4の四角形---断面積を、0.12ミリ平方メートル
【0012】
以下、本願発明のホットメルト接着剤塗布装置を、添付図面に示す実施例にもとづいて説明する。
[第1実施例]
【0013】
図5ないし図7を参照して、塗布ノズル装置Aは、塗布ラインの進行方向に前後関係で、接着剤プレート1を中心として、接着剤プレート1の両側に、加圧空気プレート2,2、カバープレート3,3を、配置して構成されている。
プレート3、2、1、2、3は、締付け具4、4Aによって固定されて、一体化している。
接着剤孔10は、連通路11,12,13を介して接着剤供給口14に連通し、ホットメルト供給源15に通じている。
左右の加圧空気孔20は、連通路23を介して一体化し、連通路24,25を介して加圧空気供給口26に連通している。
加圧空気供給口26には加圧空気供給源27より加圧空気が供給されるよう構成されている。
【0014】
接着剤プレート1に多数の接着剤孔10を形成して、ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で多数の接着剤孔開口aを縦列形成し、加圧空気プレート2に多数の加圧空気孔20を形成して、ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で多数の加圧空気孔開口bを縦列形成している。
前記接着剤孔開口aのそれぞれに、対角線方向に位置して加圧空気プレート3の加圧空気孔開口bを位置させて、それぞれの前記接着剤孔開口aに対してほぼ対角線延長方向で各加圧空気プレートに加圧空気孔開口bを位置させることで合計4個の加圧空気孔開口bを1個の接着剤孔開口と対を構成する配置としている。
【0015】
図8に示す塗布ノズル正面視で、すべての加圧空気孔20および接着剤孔10を垂直方向として互いに並行している。
図8を参照して、加圧空気プレートの加圧空気孔20について、前記接着剤孔開口aの側方に位置し前後方向に対をなす2個について、互いに接近方向に傾斜させて、その延長線を、接着剤孔開口より吐出する接着剤により形成された接着剤ビートHbの下端部の左右両側方に位置して、収斂する方向に形成している。
【0016】
実施例においては、接着剤孔10は、接着剤プレート1の下部に形成した串状溝と加圧空気プレート2の内面との間の空間で形成し、断面を0.3mmx0.3mmの正方形とした。
加圧空気プレート2の側方側に加圧空気室21を形成し、該加圧空気室21と底面との間を直線状に貫通する円形断面の貫通孔により加圧空気孔20を形成し、加圧空気孔20の断面をほぼ0.3mmの円形断面として、断面積ほぼ0.07平方ミリメートルとした。
対をなす2個の加圧空気孔20について、互いに対向方向にほぼ30度の傾斜で相互間隔を60度とした。
【0017】
なお、加圧空気孔20が傾斜していることで、加圧空気孔20の加圧空気孔開口bは、底面横断方向を長軸とする楕円形である。
加圧空気プレート2の底面の接着剤プレート1側に、ガイド突条を形成して、接着剤孔10を延長して、接着剤孔開口aを加圧空気孔開口bよりも、突出する構成とした。
【0018】
図7および図8を参照して、接着剤孔開口aから吐出した接着剤ビートHaは、塗布ノズル底面近傍のゾーンから僅かに落下したゾーンにおいては、接着剤ビートHaは、加圧空気Kと接触して加圧空気Kの作用を受けることで、接着剤ビートHaは、引伸ばされてウエブ(ホットメルト接着剤糸状体)Hbとなる。
【0019】
収斂した加圧空気流Kによる帯状の壁Rと接触して繊維状ビートHaは、加圧空気流Kの作用を受けることで、接着剤孔ビートHaは、引伸ばされてウエブ(ホットメルト接着剤糸状体)Hbとなるとともに、左右に揺動し左右幅が隣接する加圧空気流Kに規制されて、搖動幅は制限されつつ落下し、走行中の基材の表面に着地する。
【0020】
図9を参照して、接着剤ウエブHbによる基材表面上の塗布面Hcは、所定の塗布幅(実施例では25mm)に規制され、かつ全塗布幅について、所定の塗布幅(実施例では25mm)に規制され、かつ全塗布幅について、ほぼ均一分布となって形成されている。図9(a)の塗布面Hcは、連続する湾曲曲線が絡みあった状態である。図9(b)の塗布面Hcは、繊維状ビートが無数の破断曲線が絡みあった状態で形成されている。図9において、(E)は基材Wの移送方向を示している。
【0021】
上述の実施例においては、加圧空気孔20の断面を小さくしたことで、加圧空気源の所要エネルギーを従来装置の1/3ないし1/5に低減することができた。

[第2実施例]
【0022】
図10ないし図12を参照して、塗布ノズル装置Aは、塗布ラインの進行方向に前後関係で、接着剤プレート1を中心として、接着剤プレート1の両側に、加圧空気プレート2,2、カバープレート3,3を、配置して構成されている。
プレート3、2、1、2、3は、締付け具4、4Aによって固定されて、一体化している。
接着剤孔10は、連通路11,12,13を介して接着剤供給口14に連通し、ホットメルト供給源15に通じている。
左右の加圧空気孔20は、連通路23を介して一体化し、連通路24,25を介して加圧空気供給口26に連通している。
加圧空気供給口26には加圧空気供給源27より加圧空気が供給されるよう構成されている。
【0023】
接着剤プレート1に多数の接着剤孔10を形成して、ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で多数の接着剤孔開口aを縦列形成し、加圧空気プレート2に多数の加圧空気孔20を形成して、ノズル底面に塗布ラインの進行方向に直交関係で多数の加圧空気孔開口bを縦列形成している。
【0024】
前記接着剤孔開口aのそれぞれに、対角線方向に位置して加圧空気プレート3の加圧空気孔開口bを位置させて、それぞれの前記接着剤孔開口aに対してほぼ対角線延長方向で各加圧空気プレートに加圧空気孔開口bを位置させることで合計4個の加圧空気孔開口bを1個の接着剤孔開口と対を構成する配置としている。
【0025】
図10のb図に示す塗布ノズル正面視で、すべての加圧空気孔20および接着剤孔10を垂直方向として互いに並行している。
図10のa図および図15を参照して、加圧空気プレートの加圧空気孔20について、前記接着剤孔開口aの側方に位置し前後方向に対をなす2個について、互いに接近方向に傾斜させて、その延長線を、接着剤孔開口より吐出する接着剤ビートの側方に位置して、収斂する方向に形成している。
【0026】
実施例においては、接着剤孔10は、接着剤プレート1の下部に形成した串状溝と加圧空気プレート2の内面との間の空間で形成し、断面を0.3mmx0.3mmの正方形とした。
加圧空気プレート2の側方側に加圧空気室21を形成し、該加圧空気室21と底面との間を直線状に貫通する円形断面の貫通孔により加圧空気孔20を形成し、加圧空気孔20の断面をほぼ0.3mmの円形断面として、断面積ほぼ0.07平方ミリメートルとした。
【0027】
対をなす2個の加圧空気孔20について、互いに対向方向にほぼ30度の傾斜で相互間隔を60度とした。
加圧空気プレート2の底面の接着剤プレート1側に、ガイド突条を形成して、接着剤孔10を延長して、接着剤孔開口aを加圧空気孔開口bよりも、突出する構成とした。
【0028】
僅かに落下して、接着剤ビートHaは、加圧空気流Kと接触第2実施例においても、第1実施例と同様に、塗布ノズル底面近傍のゾーンから加圧空気流Kの作用を受けることで、接着剤ビートHaは、引伸ばされてウエブ(ホットメルト接着剤繊維状糸状体)Hbとなる。
【0029】
さらに、落下することで、左右に、収斂した加圧空気流Kにより形成される帯状の壁Rに隣接することとなる。
よって、第2実施例においても、第1実施例と同様に、接着剤ビートHaには、左右に、収斂方向の加圧空気Kが隣接することとなる。
【0030】
収斂方向の加圧空気流Kと接触して加圧空気流Kの作用を受けることで、接着剤ビートHaは、引伸ばされて接着剤ウエブHbとなるとともに、左右に揺動し左右幅が隣接する加圧空気流Kに規制されて、搖動幅は制限されつつ落下し、走行中の基材の表面に着地する。
【0031】
図9を参照して、接着剤ウエブHbによる基材表面上の塗布面Hcは、所定の塗布幅(実施例では25mm)に規制され、かつ全塗布幅について、所定の塗布幅(実施例では25mm)に規制され、かつ全塗布幅について、ほぼ均一分布となって形成されている。図9(a)の塗布面Hcは、連続する湾曲曲線が絡みあった状態である。図9(b)の塗布面Hcは、繊維状ビートが無数の破断曲線が絡みあった状態で形成されている。図9において、(E)は基材Wの移送方向を示している。
加圧空気孔20の断面を小さくしたことで、加圧空気源の所要エネルギーを従来装置の1/3ないし1/5に低減することができることは、第1実施例と同様である。
【0032】
図14および図15を参照して、加圧空気の直進性を高めたことで、非干渉空間Qの範囲を下方へ拡大するとともに、基材への塗布面近傍における.左右に対向する加圧空気の壁Rの相互間隔を増大するとともに、基材表面のホットメルト塗布面について、ホットメルトファイバー面(Hd)の塗布を低減・削減して、ホットメルト接着剤繊維状糸状体(ウエブ)のみの塗布面とすることもできる。
【0033】
また、加圧空気の直進性を変更・選択することで、基材表面のホットメルト塗布面について、図9(a)と図9(b)の塗布状態の選択、およびホットメルト接着剤繊維状糸状体(ウエブ)のみの塗布面(図14参照)と、ホットメルト接着剤繊維状ビート(ウエブ)のみの塗布面とホットメルト接着剤ファイバーとの混在(図15参照)の選択およびホットメルト接着剤繊維状糸状体(ウエブ)に混在するホットメルト接着剤ファイバーの増減を選択できる。
基材の表面の態様[例えば、滑面(ポリエチレンシート)か、租面(不織布)かの差異]に対応して、塗布面Hcの態様を選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本願発明は、ホットメルト接着剤塗布装置による基材上へのホットメルト接着剤塗布層の形成にあたり、ホットメルト接着剤の使用量の削減および加圧空気供給量の削減による製造コストの改善に寄与するものである。
【符号の説明】
【0035】
Ha 接着剤ビート
Hb 接着剤ウエブ
K 加圧空気流
Q 非干渉空間
R 帯状の壁
図1
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