特許第6182247号(P6182247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6182247
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】イベントフェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   E04H17/14 102C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-145962(P2016-145962)
(22)【出願日】2016年7月26日
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】392022905
【氏名又は名称】ゴトー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100198579
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 憲一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陸
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5886677(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/14
E01F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱と、
両端がそれぞれ前記支柱に回動可能に支持される複数の横棧と、
両端がそれぞれ前記横棧に回動可能に支持される複数の縦棧と、
一方の端部が前記支柱または前記縦棧に回動可能に連結され、他方の端部が前記横棧または前記縦棧に回動可能に連結される筋交い部材と、を備え、
前記一方の端部が前記支柱または前記縦棧のいずれかに対して固定される、あるいは、前記他方の端部が前記横棧または前記縦棧のいずれかに対して固定されることで、前記支柱と前記横棧との相対回転が規制されることを特徴とするイベントフェンス。
【請求項2】
前記支柱または前記縦棧のいずれかに支持される前記一方の端部は、当該支柱または当該縦棧の外周に沿って軸方向にスライド可能な第1連結機構と連結されることを特徴とする請求項1に記載のイベントフェンス。
【請求項3】
前記第1連結機構は、
前記一方の端部が支持される前記支柱または前記縦棧の外周を覆うカバー部と、
前記カバー部の両端から互いに対向するように延びる一対の挟着部と、
前記一対の挟着部を締め付けて当該支柱または当該縦棧の外周に前記カバー部を固定するとともに、前記一方の端部を回動可能に支持するボルトと、を有することを特徴とする請求項2に記載のイベントフェンス。
【請求項4】
前記横棧または前記縦棧のいずれかに支持される前記他方の端部は、当該横棧または当該縦棧の外周に沿って軸方向にスライド可能な第1連結機構と連結されることを特徴とする請求項1に記載のイベントフェンス。
【請求項5】
前記第1連結機構は、
前記他方の端部が支持される前記横棧または前記縦棧の外周を覆うカバー部と、
前記カバー部の両端から互いに対向するように延びる一対の挟着部と、
前記一対の挟着部を締め付けて当該横棧または当該縦棧の外周に前記カバー部を固定するとともに、前記他方の端部を回動可能に支持するボルトと、を有することを特徴とする請求項4に記載のイベントフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、イベントなどに用いられる簡易設置型のフェンスが記載されている。
【0003】
特許文献2には、支柱の間に設けられた上下の横棧と、上下の横棧の間に設けられた複数の縦棧と、を備えたフェンス(柵パネル)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案公報第3200670号公報
【特許文献2】特開2000−120304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のフェンスは、設置場所を簡単に変えることができるものの、傾斜地や階段などに設置することができない。これに対して、特許文献2に記載のフェンスは、傾斜地や階段などに対応した傾斜角度で設置することができる。しかしながら、特許文献2に記載のフェンスは、支柱が強固に固定されているため、設置場所を簡単に変えることができない。
【0006】
そこで、特許文献2に記載のフェンスを設置場所を変えることができるようにすることが考えられる。しかしながら、特許文献2に記載のフェンスの構成では、傾斜地や階段などに設置した場合に、支柱と横棧とを固定するボルトにフェンスが倒れ込もうとする大きな負荷が作用し、ボルトが破損するおそれがある。このような事態を回避するためには、支柱と横棧とをボルトによって固定することに加え、横棧と縦棧とをボルトなどによって固定することが考えられる。しかしながら、このような構成では、フェンスの設置場所を傾斜角度の異なる場所に変更するとき、全てのボルトを緩めてから、再びすべてのボルトを締めなおす必要が生じ、作業が煩雑になってしまう。
【0007】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、傾斜角度の異なる設置場所に簡単に設置できるイベントフェンスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の支柱と、両端がそれぞれ支柱に回動可能に支持される複数の横棧と、両端がそれぞれ横棧に回動可能に支持される複数の縦棧と、一方の端部が支柱または縦棧に回動可能に連結され、他方の端部が横棧または縦棧に回動可能に連結される筋交い部材と、を備え、一方の端部が支柱または縦棧のいずれかに対して固定される、あるいは、他方の端部が横棧または縦棧のいずれかに対して固定されることで、支柱と横棧との相対回転が規制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イベントフェンスを傾斜角度の異なる設置場所に簡単に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの側面図である。
図3】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの脚部を回転させた状態の正面図である。
図4】本発明の実施形態に係るイベントフェンスにおける支柱と横棧との連結部分の拡大図である。
図5図4のA−A線に沿う断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る第1連結機構の断面図である。
図7】本発明の実施形態に係るイベントフェンスを階段に設置した状態を示す正面図である。
図8】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの変形例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの変形例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの変形例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係るイベントフェンスの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係るイベントフェンス100について説明する。
【0012】
イベントフェンス100は、イベント会場、工事現場、あるいは警備などの際に、人や車両の通行の規制や誘導路を形成するために用いられる。
【0013】
図1は、イベントフェンス100の正面図であり、図2は、イベントフェンス100の側面図である。図1及び図2に示すように、イベントフェンス100は、一対の支柱1と、支柱1を支持する脚部2と、両端が支柱1に回動可能に支持される複数の横棧3と、両端がそれぞれ横棧3に回動可能に支持される複数の縦棧4と、を備える。支柱1、脚部2、横棧3及び縦棧4は、支柱1、横棧3及び縦棧4は、同一のパイプによって形成される。パイプは、例えば、金属製のパイプに塩化ビニールなどの樹脂を被覆することによって形成される。なお、パイプの材質はこれに限らず、樹脂によって形成されたものなど、どのようなものであってもよい。
【0014】
支柱1の下端部には、回転可能に脚部2が連結される。図1及び図2に示すように、脚部2を横棧3に対して直交する位置にあると、イベントフェンス100は自立する。これに対して、図3に示すような、脚部2を横棧3と平行になる位置に回転させると、脚部2は、横棧3及び縦棧4と略面一になる。これにより、複数のイベントフェンス100を重ねて搬送したり、収容する際に、脚部2がイベントフェンス100の積層方向に突出せず、効率良く積み重ねることができる。
【0015】
横棧3の端部は、連結機構20を介して支柱1に連結される。図4に示すように、連結機構20は、支柱1に固定される第1ジョイント金具5と、横棧3の端部に固定される第2ジョイント金具6と、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6とを回動自在に連結するボルト10と、を有する。図1に示すように、支柱1には、間隔をあけて複数の第1ジョイント金具5が固定され、横棧3の両端部には第2ジョイント金具6が固定される。これらの第1ジョイント金具5及び第2ジョイント金具6が、それぞれ連結機構20を構成する。
【0016】
図4及び図5に示すように、第1ジョイント金具5は、支柱1の外周を覆うカバー部5aと、カバー部5aの両端から径方向に互いに対向するように延びる一対の挟着部5bと、挟着部5bに形成されボルト10が挿通される貫通孔5cと、を有する。カバー部5aは、軸方向に延びるスリット5dを有した円筒状に形成される。挟着部5bは、カバー部5aの周方向の端部から径方向に延びるように形成される。
【0017】
カバー部5aの内径は、支柱1の外径よりも若干大きく形成される。これにより、ボルト10を締め付けていない状態では、カバー部5aが支柱1の外周面に沿ってスライドすることが許容される。また、一対の挟着部5bがボルト10とナット12の間で締め付けられることで、カバー部5aが縮径するように変形し、第1ジョイント金具5(カバー部5a)が支柱1の外周に固定される。
【0018】
第2ジョイント金具6は、2つのカバー部材6dによって構成される。具体的には、カバー部材6dは、横棧3の外径よりも若干大きな内径を有する半円筒状に形成される。カバー部材6dは、それぞれ、横棧3の外周を覆うカバー部6aと、カバー部6a軸方向に延びる突出部6bと、突出部6bに形成されボルト10が挿通される貫通孔6cと、横棧3の端部を覆う平板部6eを有する。突出部6bは、平板部6eから軸方向に延びるように形成される。このように構成された2つのカバー部材6dどうしを横棧3の端部の外周面を覆うように組み合わせて、ボルト11によって締め付けることで、第2ジョイント金具6は、カバー部6aが横棧3の外周面に押し付けられて横棧3の外周に固定される。
【0019】
ボルト10は、一対の挟着部5bを締め付けて支柱1の外周にカバー部5aを固定するとともに、横棧3の一方の端部を回動可能に支持する。言い換えると、第1ジョイント金具5は、ボルト10によって支柱1の外周に固定され、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6とは、ボルト10によって回動可能に連結される。
【0020】
図5に示す状態では、第1ジョイント金具5の一対の挟着部5bはボルト10によって締め付けられているが、第1ジョイント金具5の挟着部5bと第2ジョイント金具6の突出部6bとの間には、若干の隙間が存在している。言い換えると、ボルト10は、第1ジョイント金具5の挟着部5bと第2ジョイント金具6の突出部6bとの間に若干の隙間が存在するとともに、カバー部5aを変形させて第1ジョイント金具5を支柱1の外周に固定できるような締め付け力で締め付けられている。
【0021】
このようにして、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6とがボルト10を介して回動自在に連結されることで、横棧3は、支柱1に回動可能に支持される。なお、横棧3と縦棧4も同様に第1ジョイント金具5及び第2ジョイント金具6とを有する連結機構20によって回動可能に連結される。
【0022】
図1に示すように、イベントフェンス100は、一方の端部7Aが支柱1に回動可能に支持され、他方の端部7Bが横棧3に回動可能に支持される筋交い部材7をさらに備える。筋交い部材7は、支柱1及び横棧3のそれぞれの軸線に対して交差する(傾斜する)ようにして支持される。
【0023】
筋交い部材7の一方の端部7Aは、支柱1の外周に沿って軸方向にスライド可能な第1連結機構としての連結機構20Aによって支柱1に連結される。筋交い部材7の他方の端部7Bは、横棧3に連結機構20によって連結される。具体的には、筋交い部材7の両端には、第2ジョイント金具6がそれぞれ固定される。筋交い部材7の端部7A側の第2ジョイント金具6は、支柱1に支持された第1ジョイント金具5Aに連結され、筋交い部材7の端部7B側の第2ジョイント金具6は、横棧3に支持された第1ジョイント金具5に連結される。なお、図6に示すように、連結機構20Aは、ボルト10Aが蝶ねじによって構成されるである点を除いては、上記した連結機構20と同じ構成である。
【0024】
図1に示す状態、すなわちイベントフェンス100を設置している状態では、連結機構20Aにおけるボルト10Aは、連結機構20におけるボルト10よりも大きな締め付け力で締め付けられる。具体的には、ボルト10Aは、第1ジョイント金具5の挟着部5bが第2ジョイント金具6の突出部6bを挟み込んで第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6との相対回転を規制するような締め付け力で締め付けられる。つまり、この状態では、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6とが固定されるので、支柱1と筋交い部材7との相対回転が規制される。これにより、支柱1と横棧3との相対回転も規制されているので、イベントフェンス100は、図1に示すように自立した状態に保持される。
【0025】
次に、イベントフェンス100を図1に示すような平地に設置された状態から、設置場所を傾斜した場所、例えば、図7に示すような階段に変更する場合を例に説明する。
【0026】
図1に示す状態から、図7に示すような傾斜した場所に設置場所を変更するには、まず、連結機構20Aのボルト10A(2箇所)を緩める。具体的には、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6との相対回転を許容されるとともに、カバー部5aの変形状態が解除され第1ジョイント金具5が支柱1の外周に沿って軸方向にスライド可能な状態となるまで、連結機構20Aのボルト10A(2箇所)を緩める。これにより、支柱1と筋交い部材7とが相対回転可能となり、支柱1と横棧3、および横棧3と縦棧4との相対回転も可能となる。
【0027】
この状態で、イベントフェンス100を設置場所(図7)に移動し、2つの脚部2をそれぞれ地面に設置させると、支柱1と横棧3との間の角度θが、階段の傾斜角度に応じて変化する。このとき、第1ジョイント金具5Aのカバー部5aは、角度θが小さくなるにつれて(図7における右側の支柱1に連結された第1ジョイント金具5A)支柱1の外周に沿って軸方向下側に向かってスライドし、角度θが大きくなるにつれて(図7における左側の支柱1に連結された第1ジョイント金具5A)支柱1の外周に沿って軸方向上側に向かってスライドする。これにより、筋交い部材7の支柱1に対する位置が調整される。そして、支柱1を地面に対して垂直に起立させた状態で、ボルト10Aを第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6との相対回転を規制するような締め付け力で締め付ける。これにより、第1ジョイント金具5と第2ジョイント金具6とが固定されるので、支柱1と横棧3との相対回転が規制される。よって、イベントフェンス100は、横棧3が階段の傾斜に沿った状態で自立することができる。
【0028】
筋交い部材7の無いイベントフェンスでは、例えば、支柱1の上端の連結機構20におけるボルト10のみを締め付けることによって、支柱1と横棧3との相対回転を防止することが考えられる。しかしながら、このような構成では、横棧3や縦棧4などの自重によってボルト10に作用する力は、そのほとんどがボルト10を回転させる方向に作用する。このため、支柱1と横棧3との相対回転を防止するためには、ボルト10の締め付け力を相当大きくする必要がある。しかし、ボルト10によって発生できる締め付け力にも限界がある。また、ボルト10を太くして強度を持たせることも考えられるが、スペースにも限界があるため、実際には、支柱1の上端の連結機構20におけるボルト10のみを締め付けることだけでは、支柱1と横棧3との相対回転を防止することは難しい。このため、このような構成では、他の連結機構20におけるボルト10を締め付ける必要がある。
【0029】
これに対して、本実施形態のイベントフェンス100では、筋交い部材7が横棧3及び支柱1に対して斜めになるようにして支持されているため、横棧3や縦棧4などの自重によってボルト10に作用する力は、ボルト10Aに対して垂直方向に作用する力(荷重)とボルト10Aを回転させる方向に作用する分力となる。このため、ボルト10Aのみの締め付け力によって支柱1と横棧3との相対回転を防止することができる。このように、イベントフェンス100によれば、ボルト10Aのみを締め付ければいいので、設置作業を簡単に行うことができる。
【0030】
以上の実施形態によれば以下の効果を奏する。
【0031】
イベントフェンス100では、ボルト10Aを締め付けて筋交い部材7の一方の端部7Aを支柱1に対して固定することで、支柱1、横棧3及び縦棧4の相対回転を規制できるとともに、ボルト10Aを緩めるだけで、支柱1と横棧3との間の角度θを調整することができる。つまり、イベントフェンス100では、ボルト10Aを調節することで、支柱1と横棧3との間の角度θを調整することができるので、傾斜角度の異なる設置場所に簡単に設置できる。
【0032】
また、イベントフェンス100では、第1ジョイント金具5Aのカバー部5aが支柱1の外周面に沿って軸方向にスライドするので、筋交い部材7の位置調整を簡単に行うことができる。
【0033】
さらに、イベントフェンス100では、ボルト10Aを筋交い部材7の端部7Aを支柱1に対して固定する部材として用いるとともに、筋交い部材7を支柱1に回動可能に支持する部材として用いているので、部品点数を少なくすることができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、筋交い部材7が、支柱1と上側の横棧3に回動可能に連結される構成を例に説明したが、図8に示すような筋交い部材7が支柱1と上側の横棧3に回動可能に連結される構成であってもよい。また、筋交い部材7は、支柱1、横棧3および縦棧4の軸線に対して傾斜するように支持されていれば、例えば、図9に示すような支柱1と縦棧4に回動可能に連結される構成、図10に示すような縦棧4と横棧3に回動可能に連結される構成、あるいは図11に示すような縦棧4と縦棧4に回動可能に連結される構成であってもよい。
【0035】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0036】
イベントフェンス100は、複数の支柱1と、両端がそれぞれ支柱1に回動可能に支持される複数の横棧3と、両端がそれぞれ横棧3に回動可能に支持される複数の縦棧4と、一方の端部7Aが支柱1または縦棧4に回動可能に連結され、他方の端部7Bが横棧3または縦棧4に回動可能に連結される筋交い部材7と、を備え、一方の端部7Aが支柱1または縦棧4のいずれかに対して固定される、あるいは、他方の端部7Bが横棧3または縦棧4のいずれかに対して固定されることで、支柱1と横棧3との相対回転が規制される。
【0037】
この構成では、一方の端部7Aを支柱1または縦棧4のいずれかに対して固定する、あるいは、他方の端部7Bを横棧3または縦棧4のいずれかに対して固定することで、支柱1、横棧3および縦棧4の相対回転を規制できる。さらに、固定された部分を調整するだけで、支柱1と横棧3との間の角度θを調整することができる。
【0038】
また、イベントフェンス100では、支柱1または縦棧4のいずれかに支持される一方の端部7Aは、当該支柱1または当該縦棧4の外周に沿って軸方向にスライド可能な第1連結機構(連結機構20A)と連結される。
【0039】
この構成では、筋交い部材7の一方の端部7Aが、支柱1または縦棧4の外周に沿って軸方向にスライドするので、筋交い部材7の位置調整を簡単に行うことができる。
【0040】
また、イベントフェンス100では、第1連結機構(連結機構20A)は、一方の端部7Aが支持される支柱1または縦棧4の外周を覆うカバー部5aと、カバー部5aの両端から互いに対向するように延びる一対の挟着部5bと、一対の挟着部5bを締め付けて当該支柱1または当該縦棧4の外周にカバー部5aを固定するとともに、一方の端部7Aを回動可能に支持するボルト10Aと、を有する。
【0041】
この構成では、ボルト10Aを緩めるだけでカバー部5aの位置を調整できるので、筋交い部材7の位置調整を簡単に行うことができる。また、カバー部5aを固定するためのボルト10Aを筋交い部材7の端部7Aを回動可能に支持する部材として用いているので、部品点数を少なくすることができる。
【0042】
また、イベントフェンス100では、横棧3または縦棧4のいずれかに支持される他方の端部7Bは、当該横棧3または当該縦棧4の外周に沿って軸方向にスライド可能な第1連結機構(連結機構20A)と連結される。
【0043】
この構成では、筋交い部材7の他方の端部7Bが、横棧3または縦棧4の外周に沿って軸方向にスライドするので、筋交い部材7の位置調整を簡単に行うことができる。
【0044】
また、イベントフェンス100では、第1連結機構(連結機構20A)は、他方の端部7Bが支持される横棧3または縦棧4の外周を覆うカバー部5aと、カバー部5aの両端から互いに対向するように延びる一対の挟着部5bと、一対の挟着部5bを締め付けて当該横棧3または当該縦棧4の外周にカバー部5aを固定するとともに、他方の端部7Bを回動可能に支持するボルト10Aと、を有する。
【0045】
この構成では、ボルト10Aを緩めるだけでカバー部5aの位置を調整できるので、筋交い部材7の位置調整を簡単に行うことができる。また、カバー部5aを固定するためのボルト10Aを筋交い部材7の端部7Bを回動可能に支持する部材として用いているので、部品点数を少なくすることができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体例に限定する趣旨ではない。
【0047】
例えば、筋交い部材7は、支柱1、横棧3および縦棧4の軸線に対して傾斜するように支持されていれば、どのような向きに支持されていてもよい。また、第2ジョイント金具6は、支柱1、横棧3、縦棧4及び筋交い部材7と一体に形成されていてもよい。
【0048】
上記実施形態では、筋交い部材7の端部7A側を第1連結機構としたが、第1ジョイント金具5Aの移動を許容できるスペースを確保できれば、筋交い部材7他方側(端部7B側)の連結機構20をスライド可能な第1連結機構としてもよい。
【0049】
支柱1、横棧3、筋交い部材7の数は、2本に限らず、1本あるいは3本以上であってもよい。また、ボルト10Aは、蝶ねじを例に説明したが簡単に締め付けることができればどのような構成であってもよい。ボルト10は、ボルト10Aと同じ蝶ねじであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
100・・・イベントフェンス、1・・・支柱、2・・・脚部、3・・・横棧、4・・・縦棧、5,5A・・・第1ジョイント金具、5a・・・カバー部、5b・・・挟着部、6・・・第2ジョイント金具、6a・・・カバー部、6b・・・突出部、6d・・・カバー部材、7・・・筋交い部材、7A・・・端部、7B・・・端部、10・・・ボルト、10A・・・ボルト、20・・・連結機構、20A・・・連結機構(第1連結機構)
【要約】
【課題】傾斜角度の異なる設置場所に簡単に設置できるイベントフェンスを提供する。
【解決手段】イベントフェンス100は、両端がそれぞれ支柱1に回動可能に支持される横棧3と、両端がそれぞれ横棧3に回動可能に支持される縦棧4と、一方の端部7Aが支柱1に回動可能に連結され、他方の端部7Bが横棧3に回動可能に連結される筋交い部材7と、を備え、一方の端部7Aが支柱1に対して固定されることで、支柱1と横棧3との相対回転が規制される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11