特許第6182261号(P6182261)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローズマウント インコーポレイテッドの特許一覧
特許6182261高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器
<>
  • 特許6182261-高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器 図000002
  • 特許6182261-高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器 図000003
  • 特許6182261-高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182261
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器
(51)【国際特許分類】
   G01L 13/02 20060101AFI20170807BHJP
   G01F 1/34 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   G01L13/02 Z
   G01F1/34 Z
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-516985(P2016-516985)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公表番号】特表2016-532084(P2016-532084A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】US2014049019
(87)【国際公開番号】WO2015047535
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】14/037,805
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】ストレイ,デイヴィッド,マシュー
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0160560(US,A1)
【文献】 特表2013−531255(JP,A)
【文献】 特開2002−357500(JP,A)
【文献】 特表2002−509243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 13/00
G01F 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多変数プロセス流体伝送器モジュールであって、
一対の凹部を有するベース部と、
プロセス流体の圧力をライン圧力として受け入れるよう構成され、高耐圧構成された一対の台座であって、それぞれ凹部に配置され、それぞれ隔離ダイヤフラムに接続されている一対の台座と、
前記台座のうちの一つに近接して当該台座と前記ベース部との間に設置され、対応する隔離ダイヤフラムをライン圧力センサへと接続する少なくとも一つのライン圧力アセンブリと、
充填流体によって前記隔離ダイヤフラムに流体的に接続されている検知ダイヤフラムを有する差圧センサと、
プロセス流体の変数を検知するよう配置されている少なくとも一つの追加センサと、
前記ライン圧力センサ、前記差圧センサ及び前記少なくとも一つの追加センサの各々の電気特性を測定するために、前記ライン圧力センサ、前記差圧センサ及び前記少なくとも一つの追加センサに接続されている回路と、を備え
前記回路は、前記少なくとも一つのライン圧力センサ、前記差圧センサ及び前記少なくとも一つの追加センサに関係する出力を与えるよう構成されており、
前記少なくとも一つのライン圧力センサと、前記少なくとも一つの追加センサと、のうち少なくとも一つは、前記少なくとも一つのライン圧力アセンブリに取り付けられている多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項2】
前記ベース部が海水への浸漬に適した材料で形成されている請求項1に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項3】
前記材料がC276合金である請求項2に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項4】
前記少なくとも一つの追加センサが温度センサである請求項1に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項5】
前記少なくとも一つのライン圧力アセンブリが、各々が対応する台座に取り付けられている一対のライン圧力アセンブリを含む請求項4に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項6】
前記ライン圧力アセンブリが対応する台座に溶接されている請求項5に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項7】
前記少なくとも一つの追加センサが、前記ライン圧力アセンブリのうちの一つに取り付けられる温度センサである請求項6に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項8】
前記少なくとも一つの追加センサが、前記回路に接続されており前記ライン圧力アセンブリに取り付けられる第2のライン圧力センサを備え、各ライン圧力センサは対応する隔離ダイヤフラムに接続される請求項6に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項9】
前記第2のライン圧力センサが、冗長化された差圧センサ信号を与えるために前記回路によって利用される請求項8に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項10】
前記一対のライン圧力センサが、冗長化された差圧センサ信号を与えるために前記回路によって利用される請求項8に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項11】
前記少なくとも一つの追加センサが、前記ライン圧力アセンブリのうちの一つの内部に密閉される第2のライン圧力センサを備える請求項6に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項12】
前記第2のライン圧力センサが、真空内に保たれる請求項11に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項13】
前記ベース部に取り付けられる高耐圧エンドキャップをさらに備える請求項1に記載の多変数プロセス流体伝送器モジュール。
【請求項14】
前記ベース部及び前記高耐圧エンドキャップが海水への浸漬に適した材料で形成されている請求項13に記載の多変数プロセス流体伝送器。
【請求項15】
前記材料がC276合金である請求項14に記載の多変数プロセス流体伝送器。
【請求項16】
前記出力は、前記ライン圧力センサ、前記差圧センサ及び前記少なくとも一つの追加センサの各々における前記測定された特性に基づく、流体流量指示である請求項1に記載の多変数プロセス流体伝送器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧用途向けの多変数プロセス流体伝送器に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プロセス制御システムは、流体その他を生成又は輸送する産業プロセスを監視及び制御するのに用いられる。こうしたシステムにおいては通常、温度、圧力、流量その他といったような「プロセス変数」を測定することが重要である。プロセス変数伝送器はこうしたプロセス変数を測定し、中央制御室といったような中央位置へと当該測定したプロセス変数に関する情報を伝送して返すのに用いられる。
【0003】
プロセス変数伝送器は一般に、プロセス変数に応答する変換器又はセンサを含んでいるか、当該変換器又はセンサに接続されている。プロセス変数とは一般に、物質の物理的又は化学的状態若しくはエネルギー変換を指すものである。プロセス変数の例には、圧力、温度、流量、導電率、pH及びその他の特性が含まれる。圧力は、流量、レベル(水位)及びさらには温度さえも測定するのに利用可能な、基本的なプロセス変数であると考えられている。
【0004】
流体流量を測定するためには、プロセス流体温度、プロセス流体の静水圧又はライン圧、及び、オリフィス板その他といったような部分的障害物の前後に渡るプロセス流体の差圧、といったような、複数のプロセス変数を決定する必要があることが多い。こうした場合には通常、多変数送信器を用いて複数のプロセス変数を測定及び監視し、プロセス流体流量といったようなパラメータを計算されたものとして与えるようにする。こうした計算されたパラメータは、化学プラント、製紙プラント、石油プラント、ガスプラント、食品プラント及びその他の流体タイプのプロセスプラントにおける、スラリー、液体、蒸気及び気体といったような、様々な産業プロセス流体に関して役立つものである。
【0005】
多変数プロセス流体伝送器は一般に、差圧センサ、ライン圧力センサ、及び/又はプロセス流体温度センサを含む。差圧センサは、2つのプロセス流体入力の間での圧力の差に対する応答を示す。ライン圧力センサは、当該流体入力のうちの1つの絶対圧力又はゲージ圧力に対する応答を示す。プロセス流体温度センサは、プロセス流体の温度に対して、当該プロセス流体の温度に関係している電圧又は抵抗といったような、電気的数値表示(electrical indication)によって、応答を示す。
【0006】
差圧センサを含むような多変数プロセス流体伝送器に関して、こうした伝送器は通常、一対の隔離ダイヤフラムを含み、当該一対のダイヤフラムはプロセス流体入口に配置され、検知対象となる過酷な状態にあるプロセス流体から差圧センサを隔離する。圧力は、隔離ダイヤフラムの各々から差圧センサまで延びている通路で輸送される、実質的に非圧縮性の充填流体を通じて、プロセス流体から差圧センサへと伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開2005/0193825号(US20050193825 A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
静圧の高い環境は、プロセス流体伝送器に対して大きな課題を突き付けることがある。いくつかのケースでは、プロセス流体フランジとプロセス変数伝送器のベース部との間のボルト接続が通常、当該ボルト及び当該接続されている間にある変形可能シール材(seal)の応力限界のために、こうした高圧においてシール(密閉)することができないことがある。当該シール材が変形してしまうかあるいは破壊してしまうと、当該接続部からプロセス流体が漏れてしまうことがある。現状では、15000psi(ポンド・平方インチ、ポンド毎平方インチ)といったような高いライン圧力にレート付けされる環境において、多変数プロセス流体伝送器が稼働することはできない。このように、現状の多変数機器は一般に、海中での使用といったようないくつかのプロセス環境に適したものとはなっていない。従って、こうした環境においては、複数のプロセス変数が要求される流量測定及びその他の似たような測定が必要な場合、2つあるいは時には3つといったように、複数のプロセス流体伝送器が必要となる。このような複数の伝送器を用意することは、相当な費用を伴ってしまう。従って、海底の油井又はガス井戸といったような成長している高圧市場に向けて、こうした環境に適しており単一の機器を用いて全ての必要なプロセス変数を与えることのできる多変数プロセス流体伝送器を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
多変数プロセス流体伝送器は、一対の凹部を有するベース部を含む。一対の台座が、当該各台座のそれぞれが対応する凹部の中に配置され、且つ対応する隔離ダイヤフラムへと接続される形で提供される。少なくとも一つのライン圧力アセンブリが、当該複数の台座のうちの一つに近接して設置される。少なくとも一つのライン圧力アセンブリは、対応する隔離ダイヤフラムをライン圧力センサへと接続する。差圧センサは、充填流体によって隔離ダイヤフラムへと流体的に接続される検知ダイヤフラムを有する。少なくとも一つの追加センサが、プロセス流体の温度を検知するように設置される。回路は、ライン圧力センサ、差圧センサ及び少なくとも一つの追加センサに接続されることにより、当該ライン圧力センサ、差圧センサ及び少なくとも一つの追加センサの各々の電気特性を測定するようになっている。回路は、当該測定されたライン圧力センサ、差圧センサ及び少なくとも一つの追加センサの各々の電気特性に基づいて流体流量指示を与えるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る多変数プロセス流体伝送器の線図である。
図2】海水への直接の浸漬に適応した多変数プロセス流体伝送器の線図である。
図3】本発明の実施形態に係る多変数プロセス流体伝送器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
現状では、第1の要素部品を渡っての差圧を用いての高圧流体測定は、当該測定を実行するために、少なくとも2つの、そして時には3つの、変数伝送器を必要とする。より低い圧力環境においては単一の多変数プロセス流体伝送器を利用することができ、こうした伝送器にはミネソタ州チャンハッセンのエマーソン・プロセス・マネジメント(Emerson Process Management)より入手可能であり、モデル3095又は3051SMVとの製品名にて販売されている伝送器があり、当該伝送器は差圧、ライン圧及び温度を測定することで完全に補償された流量の値を与えるものである。しかしながら、こうした機器は最大作業圧力(MWP; maximum working pressure)として3626psiのレート付け(評価付け)がなされるに過ぎないものである。本明細書においては、最大作業圧力が3626psiよりも大きく、15000psiの最大作業圧力までも含むものとして高圧環境を定義するものとし、こうした高圧環境における流量関係値が必要となる場合、別のアプローチが必要となる。海中環境の高圧を仮定すると、本明細書で説明する実施形態のうち少なくともいくつかは、塩水に直接浸すことにも適している機器又は当該機器の部分を含む。本明細書において定義されるように、「塩水に直接浸すこと(塩水への直接の浸漬)に適する」とは、現実的な(viable)製品寿命に渡っての塩水の存在下において、当該材料が腐食することがない、あるいは許容を超えて劣化することがない、ということを意味する。塩水への浸漬に適した材料の例には、インディアナ州ココモのヘインス・インターナショナル・インク(Haynes International Inc.)より製品名Hastelloy C276として入手可能なC276合金、ニューヨーク州ニューハートフォードのザ・スペシャル・メタル・ファミリー・オブ・カンパニーズ(The Special Metal Family of Companies)より入手可能なインコネル合金625、及び、ヘインス・インターナショナル(Haynes International)より入手可能なC-22合金、が含まれる。ここで特に注目されたいのはC276合金であり、当該合金は次のような化学組成(単位は重量パーセント(% weight))を有する:モリブデン15.0-17.0;クロム14.5-16.5;鉄4.0-7.0;タングステン3.0-4.5;コバルト 最大2.5;マンガン 最大1.0;バナジウム 最大0.35;炭素 最大0.01、リン 最大0.04;硫黄 最大0.03;ケイ素 最大0.08;及び残りのパーセント(balance)のニッケル。
【0012】
図1に示すように、多変数センサモジュール100は、ベース部108へ接続され且つキャップ102へと接続される側壁110を含む。電気フィードスルーコネクタ114は電子機器筐体102に接続可能であり、センサモジュール100及び双方向通信のために電力供給する導線を含む。いくつかの実施形態においては、モジュール100はこれにより自身が電力供給されているのと同一の導線を用いて通信してもよい。
【0013】
図2は、海水への直接の浸漬に適応している(図1に示す)多変数センサモジュール100の線図である。詳細には、電気接続ポイント115に近接しているモジュール100の上側部分は、高耐圧エンドキャップ200で覆われており、当該キャップ200は海水への直接の浸漬に適した材料で形成されている。さらに、極限的深さにおいて海水への浸漬がなされることによる高圧はエンドキャップ200によって支えられ、当該キャップ200は当該浸漬されている際の自身の形状及び完全性を保つ。さらに、エンドキャップ200は好ましくは、差圧センサモジュール100の底部108と同一の材料で形成される。例えば、モジュール100の底部108がC276合金で形成されているのであれば、エンドキャップ200もまたC276合金で形成されるのが好ましい。しかしながら、これらが同一の材料では形成されていない実施形態においては、エンドキャップ200は、モジュール100の底部108へと溶接するのに適した材料で形成される必要がある。このことはすなわち、当該2つの材料の金属学的性質(metallurgy)が充分に溶接性を有するものである、且つ/又は、当該2つの材料の融点が互いに充分に近いものである、という必要があることを意味している。さらに、異種金属溶接に必要な追加要件として、結果としての溶接物(開始時点の材料のいずれとも異なるものである)もまた、その金属学的性質が腐食耐性を有するものである必要があるということが挙げられる。図2よりわかるように、センサモジュール100は、単純にエンドキャップ200を界面202において下側部分108へと直接に溶接することで、比較的容易に、海水への直接の浸漬に適応したものとすることができる。キャップ200を通じての電気接続ポイント115へのアクセスは、任意の適切な手法によって実行してよい。例えば、高圧ガラスのヘッダーを用いて、エンドキャップ200に導線を通し、接続ポイント115へと接続させるようにしてよい。
【0014】
図3は、本発明の実施形態に係るセンサモジュール100の断面図である。図3に示すセンサモジュール100は、コプレーナ型(co-planar)のセンサモジュールとして描かれているが、本発明の実施形態に応じて任意の適切なセンサモジュールを用いてよい。モジュール100は下側部分108を含み、一実施形態では当該下側部分108は、海水への浸漬に適した材料で形成される。海水への浸漬に適した材料は複数あるが、1つの特に適した例として前述のように、C276合金がある。ベース部108は側壁110及びキャップ112に接続されることで、その内部にチャンバ206が画定される。差圧センサ208はチャンバ206内に配置され、一対の差圧センサ入力部210,212を有しており、当該入力部210,212は可撓性を有するダイヤフラム214へとプロセス圧力を伝え、当該ダイヤフラム214は容量といったようなダイヤフラムの撓みに応じて変化する電気的特性を有する。当該電気的特性は、センサ208に近接して配置された回路216によって測定されるか、あるいは変換される。回路216はまた、電気接続ポイント115を通じて当該容量測定結果を伝送するための調整処理を行う。回路216は好ましくは、マイクロプロセッサと、プロセス通信ループ又はセグメントを用いて通信するためのプロセス通信モジュールと、を含む。こうした通信の例には、HART(登録商標)(Highway Addressable Remote Transducer)プロトコル又はファウンデーション(商標)フィールドバス(FOUNDATION Fieldbus)プロトコルが含まれる。いくつかの実施形態では、モジュール100はそれを通じて自身が通信しているのと同一のメディア(媒体)を用いることで、電力供給されてもよい。
【0015】
前述の通り、いくつかの実施形態においては、モジュール100の(複数の)部分を塩水への浸漬に適応したものとすることができる。こうして、当該いくつかの構成要素はこうした環境における腐食耐性を有する必要があるのみならず、当該いくつかの構成要素はまた、15000psiといったような高圧に耐えることができる必要がある。ベース部108は、いくつかの実施形態においては、塩水への浸漬に適応したものである。しかしながら、全ての実施形態において、ベース部は15000psiまでの及び15000psiを含む高いライン圧力に耐えるよう構成されている。ベース部108は一対の凹部217,219を含み、当該各凹部はそれぞれ台座(ペデスタル)218,220を有する。隔離ダイヤフラム222は、各台座218,220へと接続されており、それぞれ差圧センサ208の各入力部210,212へと、それぞれ通路224,226内に配置されたシリコンオイルといったような充填流体を通じて、それぞれのプロセス流体圧力を伝達する。こうして、プロセス流体が差圧センサ208に触れることなく、当該2つのプロセス流体圧力は差圧センサ208へと伝達される。
【0016】
図3に示すように、各プロセス流体ポート104,106は好ましくは、統合プロセスコネクタ230,232をそれぞれ含み、当該各コネクタ230,232はベース部108へと溶接されることにより、腐食耐性を有し且つ高圧耐性を有する接続を提供するようになっている。各溶接部は各コネクタの外周全体に渡って延在することによって、当該溶接部によって当該コネクタがベース部108へと頑強に取り付けられるのみならず、当該箇所においてコネクタをシール(密閉)することとなる。各統合プロセスコネクタ230,232はプロセス流体受付開口部236を含み、当該開口部236は15000psiに至るまでの圧力におけるプロセス流体への暴露(exposure)に適応したものとなっている。さらに、各台座218,220はまた好ましくは、プロセスコネクタ230,232が部分108へと溶接される前の時点で、それぞれ対応するプロセスコネクタ230,232へと溶接される。こうして、プロセス圧力を受けて保つのに重要な溶接部が、当該モジュールの内部において、海水への暴露による腐食の影響から保護されることとなる。
【0017】
本発明の実施形態に即して、台座218,220の少なくとも一つは、また、好ましくは両方は、それぞれ参照番号302,304として示すようなライン圧力アセンブリを含む。ライン圧力アセンブリ302,304は好ましくは、これらそれぞれの台座218,220へと参照番号301,303で示されるように溶接される。各ライン圧力アセンブリ302,304はそれぞれ通路224,226へと流体的に接続される。こうして、各ライン圧力アセンブリはそれぞれのライン圧力へと、それぞれのプロセスコネクタ230,232において接続されるようになる。少なくとも一つのライン圧力アセンブリが、参照番号305において透視で図示されているように、ライン圧力センサへと接続されている。当該ライン圧力センサは、市販で入手可能な容量ベースの圧力センサといったような、任意の適切なセンサであってよい。しかしながら、本発明の実施形態に要求される高いライン圧力を考慮すると、当該ライン圧力センサは高圧動作に適応したものとなる。こうした適応の一つには、厚みをより多く有しており且つ可撓性を有したダイヤフラムを利用することにより、ゲージファクタを調整して15000psiに至るまでの稼働に合わせるようにすることが含まれる。ライン圧力センサが回路216に電気的に接続されることによって、多変数センサモジュールは容量といったようなライン圧力センサの電気的特性を測定することができるようになり、ライン圧力の指示出力を得ることができるようになる。ここで、必要であるライン圧力センサは1つのみではあるが、台座218,220は同一であることが好ましい。さらに、たとえライン圧力センサを1つだけ用いる場合であっても、ライン圧力アセンブリ302,304の両方を利用することが好ましい。これにより、モジュール100を製造するのに必要となる固有の構成要素部品の種類数を減らすことができる。
【0018】
いくつかの実施形態においては、センサ306といったような温度センサを用意して電気回路216へと接続することで、プロセス流体の温度に関する電気的指示出力を与えるようにしてもよい。温度センサ306は、測温抵抗体(RTD)、熱電対、サーミスタ、又は、その他の任意の適切なデバイスであって温度と共に変化する電気特性又は値を有するデバイス、といったような、任意の適切なタイプの温度センサであってよい。好ましくは、温度センサ306はオイル充填システム内の充填流体に浸漬される。当該オイル充填システム内への浸漬されること及びアイソレータ(隔離ダイヤフラム)に近接していることにより、温度センサ306は差圧センサ信号及びライン圧力センサ信号と共に、完全に補償された流量測定を与えるのに利用することができる。
【0019】
別の一実施形態においては、温度センサをモジュール100内の任意のその他の適切な位置に配置しておき、第2のライン圧力センサを第2のライン圧力アセンブリに配置するようにしてもよい。第2のライン圧力センサの利用により、仮に2つのライン圧力センサのうちの1つが故障してしまうようなことがあったとしても、2番目のライン圧力センサを利用することができるという冗長性が提供される。さらにまた、当該2つのライン圧力センサを用いることで、差圧センサ出力の検証を行うようにすることもできる。これに代えて、当該2つのライン圧力センサを用いて、当該2つのライン圧力センサの測定値の間の差に基づき、重複する(冗長化された)差圧センサ出力測定値(reading)を与えるようにしてもよい。こうした導出される形での差圧センサ出力測定値は、差圧センサからの直接の測定値よりも精度が低い可能性があるとはいえ、当該導出された出力は、差圧センサが故障したか、あるいは利用できなくなった場合であっても、役立つ差圧情報を提供することができる。こうした冗長性は、海中用途及び/又はその他の過酷又は挑戦的な環境であって当該モジュールへ直ちにアクセスすることが些細な試みに過ぎないとはいえないような環境において、特に有利なものである。
【0020】
さらに別の一実施形態では、第2のライン圧力センサが用いられ、第2のライン圧力アセンブリに配置される。しかしながら、ライン圧力へと接続するのではなく、第2のライン圧力センサは真空又は真空に近い状態でシール(密閉)されているようにする。こうして、第2のライン圧力センサは温度及び/又はセンサモジュールにおける応力といったような圧力とは関係ない変数に、ライン圧力に接続されている場合の圧力センサとほぼ同じ方法によって、反応することができるようになる。このようにして、当該第2のセンサの出力を(第1の)ライン圧力センサの出力から減算することで、結果として温度影響の補償が得られる。従って、この実施形態においては、(別途の)温度センサは必要なしとすることも可能である。さらに、当該真空シールされたセンサの出力を用いて温度の直接の指示出力を得ることもできる。
本発明は好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本発明の考え方及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細に変更を加えうることを理解できるはずである。
【符号の説明】
【0021】
100…多変数プロセス流体伝送器、108…ベース部、218,220…台座、217,219…凹部、222…隔離ダイヤフラム、302,304…ライン圧力アセンブリ、305…ライン圧力センサ、208…差圧センサ、214…検知ダイヤフラム、306…追加センサ、216…回路
図1
図2
図3