(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182267
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】コンピュータに実行される、証拠となる視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の収集方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20170807BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20170807BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F21/60 360
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-530555(P2016-530555)
(86)(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公表番号】特表2016-525755(P2016-525755A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】ES2013070567
(87)【国際公開番号】WO2015015016
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】516033178
【氏名又は名称】マルティネス モンレアル,サルー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス モンレアル,サルー
【審査官】
宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−130391(JP,A)
【文献】
特開2012−027570(JP,A)
【文献】
特開2008−077179(JP,A)
【文献】
特開2000−196589(JP,A)
【文献】
特開2004−040307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F21/60−21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証拠となる視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を収集し処理する、コンピュータに実行される方法であって、
a)ユーザコンピュータ装置(1)内の処理ユニットを用いて、視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を収集するステップと、
b)上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、上記処理ユニットの第1メモリ(3)に保存するステップと、
c)上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、証拠として保存するために、安全なチャネルを介してサーバ(6)に送信するステップと、を含み、
d)上記ステップa)と同時に、上記処理ユニットの制御モジュール(4)が、上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報をリアルタイムに受信すると共に、少なくとも当該情報を収集した日時に関するデータを獲得するステップと、
e)上記制御モジュール(4)が、上記受信された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、上記第1メモリ(3)に保存されている情報とを比較し、両者が一致するか否かをチェックするステップと、をさらに含み、
f1)両方の情報が一致する場合には上記ステップc)を行う一方、
f2)両方の情報が一致しないことが検出された場合には、上記の情報と、上記制御モジュールにおいて日時に関する上記データと共に受信された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、上記第1メモリ(3)に保存されている上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の少なくも一部とを、安全なチャネルを介して上記サーバ(6)に送信する
ことを特徴とする、コンピュータに実行される方法。
【請求項2】
上記ステップe)において、制御モジュール(4)が受信した視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、ユーザコンピュータ装置(1)により収集され上記第1メモリに保存された情報との比較は、
e1)上記制御モジュール(4)が、受信した上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の長さと、上記第1メモリ(3)に保存されている情報の長さと、を比較するステップと、
e2)続いて上記2つの情報をバイト単位で比較するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項3】
上記ステップb)における上記第1メモリ(3)への視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の保存と、上記制御モジュール(4)における情報の受信とが、情報の暗号化をされた状態で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項4】
上記2つの情報の、上記バイト単位での比較は、
暗号化された両方の情報を用いて行われることを特徴とする、請求項2に従属するときの請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記ステップf1)またはf2)におけるサーバ(6)への上記の情報送信も、情報の暗号化をされた状態で行われることを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項6】
情報の上記暗号化は、秘密鍵暗号および公開鍵暗号を用いて行われることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項7】
上記ステップf1)またはf2)が一度行われると、上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を上記第1メモリ(3)から削除することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項8】
上記ステップf1)またはf2)における送信が拒否された場合には、当該送信を所定の回数だけ繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項9】
上記第1メモリ(3)には、上記ユーザコンピュータ装置のユーザがアクセスできないことを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項10】
収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報に関する付加データを上記メモリ(3)においてコンパイルするステップをさらに含み、
上記付加データは、上記ユーザコンピュータ装置の場所、または型番、ブランド、オペレーティングシステムおよび/またはオペレーティングシステムのバージョンを含む上記ユーザコンピュータ装置に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項11】
上記ユーザコンピュータ装置に関連付けられた第2メモリに、上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を保存するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項12】
上記ステップd)、e)、f1)またはf2)は、1/2秒を超えない時間中に行われることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項13】
上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報は、音声、写真、映像、GPSデータ、および/または、アプリケーションのタイプに関するデータを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の、コンピュータに実行される方法。
【請求項14】
データ処理装置によって実行される場合に、請求項2のステップe1)、e2)、および、f1)若しくはf2)を行うのに適したコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にモバイル通信分野に関する。より具体的には、コンピュータに実行される方法であって、特に告訴において有用な、認証されたまたは証拠となる視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を収集し処理する方法、および当該方法の一部を実行するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
写真、画像、映像など、大半の視聴覚情報および/またはマルチメディア情報は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレットなどのユーザコンピュータ装置を用いて収集することができるが、変更されやすい。換言すれば、収集された情報および/または記録された情報は、その送信前や送信中において、ユーザがシステムに承認されたか否かに関係なく、ユーザが収集の間に改変、部分的な変更、または削除を行うことができる。
【0003】
ユーザコンピュータ装置から取得された大量の情報が溢れている環境下において、または、例えば犯罪事件の証拠としてそのような情報を使用し易くするために、上記情報の保全性および安全性をシステムによって確保し、データ操作のリスクを排除する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信頼できる証拠または認証された情報として後に使用される視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、ユーザコンピュータ装置から収集して処理する従来技術では、証拠として使用される上記情報の保存およびその後の送信のみを行う。例えば、このメカニズムが法廷用の技術に使用される場合、電子機器から取得された証拠が本物であり、悪意のユーザにより予め入力されたものではないということを証明することはできない。
【0005】
本発明は、従来技術において知られている方法を改善し、ユーザコンピュータ装置から収集された視聴覚的証拠を、当該証拠がユーザまたは他の情報源によって操作されていないことの証明と共に取得することができる新規のメカニズムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、証拠として使用される視聴覚情報および/またはマルチメディア情報をユーザコンピュータ装置から収集し処理する、コンピュータに実行される方法であって、公知の手法として、
a)ユーザコンピュータ装置内の処理ユニットを用いて、視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を収集するステップと、
b)上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、上記処理ユニットの第1メモリに保存するステップと、
c)上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、証拠として保存されるように安全なチャネルを介してサーバに送信するステップと、を含む方法を提供する。
【0007】
基本的な一実施形態によれば、本願の方法は、特に追加のステップとして、
d)上記ステップa)と同時に、上記処理ユニットの制御モジュールが、収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報をリアルタイムに受信すると共に、少なくとも当該情報を収集した日時に関するデータを獲得するステップと、
e)上記制御モジュールが、上記受信された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、上記第1メモリに保存されている当該情報とを比較し、両者が一致するか否かをチェックするステップと、
f1)情報の組同士が一致する場合には上記ステップc)を行うステップと、
f2)違いが検出された場合には、上記の情報と、上記制御モジュールにおいて日時に関する上記データと共に受信された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、上記第1メモリに保存されている視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の少なくも一部とを、安全なチャネルを介して上記サーバに送信するステップと、を行うことを特徴とする。
【0008】
好ましい実施形態において、上記ステップe)は、受信された上記収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の長さと、上記第1メモリに保存されている情報の長さとを比較しそれらが一致するかどうかをチェックするステップと、続いて上記情報セットをバイト単位で比較し一致または相違するかをチェックするステップと、を含む。
【0009】
情報を収集した日時に関する上記データに加え、本願の方法では、ユーザコンピュータ装置に関連するデータ、例えば場所、型番、ブランド、オペレーティングシステム、および/またはオペレーティングシステムのバージョンなどを上記ステップa)において獲得してもよい。
【0010】
本発明の方法の安全性を向上させ、収集された情報が操作されていないことを確実に保証するという目的から、視聴覚情報および/またはマルチメディア情報は、暗号化されて上記第1メモリに保存され、暗号化は、好ましくは保存と同時に行われ、当該情報は、暗号化された状態で、制御モジュールにおいて受信される。したがって、ステップe)での比較、特にバイト単位での比較も、暗号化済みの情報を用いて行われる。
【0011】
また、上記ステップf1)またはf2)におけるサーバへの情報の送信も暗号化方式で行われる。暗号化は、通常、秘密鍵暗号および公開鍵暗号を用いて行われる。実施形態によっては、秘密鍵および公開鍵という2種類の暗号化のうち、いずれか一方を用いてもよい。
【0012】
本発明の方法によれば、コンピュータ装置のユーザからアクセス不可なように上記第1メモリ内に保存された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報は、上記ステップe)が一旦実行されると、削除される。換言すれば、第1メモリに保存された情報やファイルは削除されることになるが、当該ファイルのバイトは、後にサーバに送信するために残される。その結果として、ユーザによって操作されにくい証拠が得られる。
【0013】
本発明の方法は、ステップf1)またはf2)においてサーバへの送信が行えなかった場合、上記送信を、ユーザにより設定された所定の回数だけ繰り返して行ってもよい。
【0014】
本発明の方法において、証拠となる情報の一連の収集および送信にかかる総時間は、最大でも約500ミリ秒(1/2秒)である。なお、上記一連の動作、すなわち、安全な情報や証拠の取得速度は、約300ミリ秒でも実行可能であるが、使用されるユーザコンピュータ装置の技術的特性や収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報(音声、写真、映像、GPSデータなど)のサイズによっては、より速い取得速度またはより遅い取得速度になる。
【0015】
また、収集される情報がウェブから直接取得される場合(例えば、任意の情報がインターネットから取得される場合)、当該処理は、視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の取得と同様に行われるが、当該情報を第1メモリに保存する必要がない。この場合、ユーザがコンピュータ装置によってウェブページの全体を見ることができないとしても、収集される情報は完全なウェブページからの情報である。すなわち、ユーザコンピュータ装置上に表示された分のみの情報を取得するわけではない。
【0016】
本発明は、上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の取得が可能なデータ処理装置によってコード命令が実行される場合に、請求項1のステップe)およびステップf1)若しくはf2)を行うのに適した当該コード命令を含むコンピュータプログラムも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の方法の一実施形態に係る動作を説明するフローチャートである。
【
図2】本発明の方法を実行するアプリケーションの始動レベルの例であり、異なる始動選択項目およびサブメニューを表示したディスプレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、写真、映像、GPSデータ、および/または、ユーザコンピュータ装置から取得されたアプリケーションのタイプに関するデータなどの、認証された証拠となる視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を、当該情報が特に何らかの場面で発生した犯罪の証拠として使用され得るように取得する新規なメカニズムであって、上記情報がユーザに操作されていないことを証明する通信ネットワークを含むメカニズムを提供する。
【0019】
本発明においては、上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報が収集されて処理ユニットの第1メモリに保存され、収集と同時に、処理ユニットの制御モジュールも視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を受信し、少なくとも当該情報を収集した日時に関するデータを獲得する。
【0020】
次に、収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を受信した制御モジュールは、該収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の長さと、上記第1メモリに保存されている情報の長さとを比較する。これらの長さが一致すれば、制御モジュールが、当該収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を後にサーバに送信するために、上記情報の組をバイト単位で比較する。このチェックの結果が満足できるものである場合、すなわち、両方の情報セットが一致する場合には、当該収集された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報が証拠としてサーバに保存される。何らかの相違が検出された場合、すなわち、情報の組同士が一致しない場合には、日時に関するデータと共に受信された視聴覚情報および/またはマルチメディア情報と、上記第1メモリに保存されている上記視聴覚情報および/またはマルチメディア情報の少なくとも一部とが、安全なチャネルを介してサーバに送信される。
【0021】
図1は、ユーザコンピュータ装置1によって示される方法を模式的に示す図である。図中、データの収集動作の選択項目(P=画像、V=映像、A=音声)に対応するキーを、ボックスで示す。選択はキー2によって確定され、送信される。参照番号3は、上記第1データ保存メモリを示す。参照番号4は、メモリ3における収集と同時に、同一の視聴覚情報および/またはマルチメディア情報を受信する制御モジュールを示す。メモリ3内の情報の組とモジュール4内の情報の組とを比較して一致するか否かに基づき、変更されていないことが証明された情報5aが送信されるか、制御モジュール4において受信された情報5b、および上記メモリ3内の情報の少なくとも一部5cが送信される。情報5a、または、情報5bおよび5cからなる情報セットは、安全なチャネルを介してサーバ6に送信される。
【0022】
一実施形態によれば、視聴覚情報および/または収集された情報が操作されていない完全且つ安全な証拠を確保するために、公開鍵暗号および秘密鍵暗号、または両者の何れか1つを用いて、上記情報を上記第1メモリ3および制御モジュールの両方において暗号化してもよい。
【0023】
本発明を利用するために、例えばユーザIDおよびパスワードを用いて、コンピュータ装置(携帯電話、スマートフォン、タブレット、PDAなど)にインストールされたソフトウェアアプリケーションにより、または、アプリケーションへ直接アクセスしてウェブポータルに訪問することにより、ユーザはログインすることが好ましい。例えば、上記ソフトウェアアプリケーションによってアクセスする場合、
図2に示すように、当該アプリケーションは、ユーザが一旦ログインすると使用が可能となる一連のサブメニューまたはボタンリストを含む。これらのサブメニューは、通常、アプリケーションのホームページをロードするための開始ボタンと、ソーシャルネットワーク用のアクセスボタンおよび/または共有ボタンと、履歴ボタンと、他のユーザと情報またはファイルを共有するためのボタンと、設定ボタンと、上記ソフトウェアアプリケーションのログアウト用ボタンと、を含む。
【0024】
ユーザが別のサブメニューへ戻ることを決定したとき、または、ユーザが他の別タイプの情報を収集することを選択したとき、視聴覚情報および/またはマルチメディア情報は失われる。また、ユーザが、後の告訴や証拠の信用性の認定のために情報をサーバに送信することをせずに、上記ユーザコンピュータ装置上で本願の方法を実行することに関係するソフトウェアアプリケーションの終了を決定したとき、当該情報は失われてもよい。
【0025】
一実施形態として、例えば写真を撮る場合には、ユーザコンピュータ装置のカメラからの証拠がサーバに送信されるまでの間に当該証拠が操作されることを防止するという目的から、本願の方法を行うアプリケーションおよび/または制御モジュール4が、コンピュータ装置のカメラの制御と、フラッシュまたは他の光学合焦装置の制御との両方を行う。そして、一旦制御が行われると、撮影された光景がユーザに対してディスプレイ上に表示されてもよい。ユーザが写真の撮影を決定すると、情報の本来のバイトを直接取得して、ユーザからアクセス不可なように秘密モードで一時的ファイルが作成される。次に、ユーザに当該情報を提示するために、証拠獲得要素は隠され、制御モジュールのソフトウェアアプリケーションによる証拠用の要素または告訴用の証拠が再び表示される。一枚の写真に対するこの全体の処理は、平均100〜150ミリ秒がかかる。
【0026】
別の実施形態として、例えば、上述の場合と同様にユーザが映像の撮影を決定する場合には、本願の方法を実行するアプリケーションおよび/または制御モジュール4によってコンピュータ装置のハードウェアが利用可能になり、カメラおよびフラッシュ若しくは他の光学デバイスの両方が制御される。ユーザが映像の撮影を一旦決定すると、現在進行中の映像の表示が管理される。記録を開始する前に、映像の特性(音声チャネル数、映像および音声の圧縮レベル、出力形式など)が定義される。そして、ファイルの上限としては、一般的なユーザコンピュータ装置または端末の場合には、2分間の記録または13MBのサイズを超えないことが望ましいが、大きいデータ保存容量を有する装置の場合には、記録の時間およびサイズがもっと増えてもよい。記録の間、ユーザはバイトを直接取得し、当該バイトはいかなるファイルにも保存されない。また、当該一時的ファイルが操作され得ないように、生成中の一時的ファイルをどこに保存するかを定義する。なお、ファイルは通常、ユーザがプレビューできるように、上記アクセス不可の第1メモリ3に保存される。
【0027】
また、映像を保存する十分な空きがシステムにあるかを映像の作成前にチェックし、空きが不足している場合にはその旨をダイアログによって示す。さらに、映像の生成中に、利用可能な空き容量および映像によって埋まった容量を示すプログレスバーをディスプレイ上に表示する。
【0028】
映像が完了すると、映像に対応するバイトは、ユーザから操作され得ないように、証拠または告訴獲得用ウィンドウに置かれてもよい。この処理にかかる時間は、コンピュータ装置のハードウェアおよび映像サイズにもよるが、最大で約500ミリ秒である。
【0029】
サーバとの通信のために、SOSHTTPClientクラスが実装されている。SOSHTTPClientクラスは、サーバへの接続アドレスを変更可能にする手法、または入力データストリップである「InputStream」を「String」および「array」に変換する手法、もしくは一組のバイトを16進数に変換する手法などの様々な手法を備えている。そして、両方の場合(ステップf1またはf2)における証拠または告訴の送信手法としては、接続「Post」を用いて送信を行う。ファイルを一切添付せずに証拠または告訴を送信する場合(ステップf1)には、安全な接続の実行に必要なパラメータである「HttpPost」および「HttpResponse」が組み込まれたオブジェクト「DefaultHttpCIient」から継承したオブジェクト「MyHttpsCIient」を通して、接続を行う。添付ファイルと共に送信される場合、すなわちステップf2の場合には、オブジェクト「HttpsURLConnection」を介して接続を確立する。これにより、データの入出力および他の設定要素を行うことが可能となり、例えば、出力バッファおよび必要なセキュリティの実行に問題が生じないように、送信を分割することが可能となる。
【0030】
データは、ユーザIDの窃取問題を防止するために、常に暗号化状態で送信される。申請の後、シーケンスが正確であるか否かについてのサーバからの応答を待つ。通信に何らかの問題があった場合には、コード「IOException」の通信が開始される。これにより、ユーザは、問題があったことを通知され、しばらく経ってから再び証拠や告訴の送信を試みるように通知される。
【0031】
本発明は、必要なハードウェアを有するいかなるコンピュータ装置においても、視聴覚的証拠を、その取得時からログインまでの間にシステム自体やユーザから操作されることなく生成することが可能なシステムを提供する。
【0032】
立証責任性およびその証拠の真実性は、下記プロセスにより認証される。
【0033】
当該プロセスは、証拠を安全な方式で収集するための所要時間が1/2秒を超えないため、高速で行うことが可能であり、また、ファイルのタイプにもよるが、少なくとも1/6秒を要する。情報は、バイトとして直接取得されると共に、暗号化されて第1メモリ3に直接に保存される。これにより、取得された情報へのいかなる操作も防止される。ファイルは、ユーザがその情報をプレビューできるように、上記バイトを用いて生成される。当該情報は、1/2秒の処理で取得される。
【0034】
上記プロセスは、送信時のバイトと生成時のバイトとの一致、メモリ内のバイト占有空間の一致、および、バイトに含まれる情報の一致を常にチェックしているため、安全である。
【0035】
本発明によれば、法的価値を有する証拠を取得することが可能であり、仲裁または裁判に必要な立証責任を果たすことが容易になる。
【0036】
本発明は、下記のコンピューティンタ装置やシステムに特に有用である。すなわち、GPS場所監視システム;法廷用のコンピュータ情報基盤;ハードドライブ、電子メール、モバイル機器、ネットワーク(フィルタリングおよびモニタリングのための内部ネットワークおよび外部ネットワークの両方)を解析するためのツール;諜報や軍事用途においてウェブからの証拠、ワールドワイドウェブすなわちwww以外のネットワークからの証拠を取得するシステム、ネットワーク接続、ユーザ通信およびデータインターフェースの機能を有するあらゆる機器、に有用である。