(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記z軸信号処理部は、毎回算出した前記制御対象の前記z軸正方向における移動速度及び前記z軸負方向における移動速度を記憶するための記憶モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のハンドコントロール装置。
前記第2のz軸信号収集器は、前記筐体内の頂部に取り付けられ、前記筐体の頂部への第2の作用力を測り、前記第2の作用力は前記制御対象のインターフェース空間中のz軸負方向における変位に対応することを特徴とする請求項1に記載のハンドコントロール装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の各種の例示的な実施例、特徴および側面を詳細に説明する。図面において、同一の図面符号は同一または類似する機能を有する素子を示す。図面には実施例の各種の側面が示されているが、特に明記しない限り、その比例に従い図面を描画する必要はない。
【0011】
ここでの「例示的」という専用語は、「例、実施例として用いられるか、または説明性のものである」ことを意味する。ここで「例示的」に説明した実施例はいずれも他の実施例よりも優れる、または良いと解釈する必要はない。
【0012】
また、本発明をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態において具体的な細部を多く記載した。本発明は、何らかの具体的な細部が無くとも同様に実施できることは、当業者が理解すべきものである。本発明の主旨を際立たせるために、一部の実例では、当業者に良く知られている方法、手段、素子、および回路については詳細に記述しない。
【実施例1】
【0013】
図1に示すように、本発明の一つの実施例が提供するハンドコントロール装置は、第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42とz軸信号処理部43とインターフェースチップ1と筐体8とを含む。
【0014】
ここで、筐体8は、ハンドコントロール装置全体の外殻であり、このハンドコントロール装置のうちの他の部品を収容している。本実施例において筐体8は半球形であるが、身体力学に基づいて人の掌による操作に適する形状に設計してもよいことは当然である。インターフェースチップ1は、端末装置と通信するものである。第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42はそれぞれz軸信号処理部43に電気的に接続され、z軸信号処理部43はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。本実施例の第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42は圧力センサーであることが好ましい。
【0015】
第1のz軸信号収集器41は、多様な形態で筐体8内に取り付けられることができる。例えば、コネクティングロッド45によって筐体8内に取り付けられ、ユーザーの二つの指で反対する方向へ押したり、触れたりしやすいように、コネクティングロッド45の両端がそれぞれ筐体8の対向する両端に当接される。コネクティングロッド45の両端は、ユーザーの使用習慣に合わせて筐体8のその他の任意の両端に当接されてもよい。第1のz軸信号収集器41は、コネクティングロッド45の任意の位置に取り付けられてもよく、
図1のようにコネクティングロッド45の中間位置に取り付けられるのが好ましい。第1のz軸信号収集器41は、他の形態で筐体8内の任意の位置に取り付けられてもよく、筐体8の一つの端のみに接続されてもよい。第1のz軸信号収集器41は、コネクティングロッド45の両端への作用力を測り、この作用力を含む圧力値F
1と第1のz軸信号収集器41の識別子+1を含む圧力信号を生成し、この圧力信号をz軸信号処理部43に送信するものである。
【0016】
第2のz軸信号収集器42も、多様な形態で筐体8内に取り付けられることができる。例えば、筐体8内の頂部に取り付けられ、ユーザーによる筐体8への下向きの作用力を測り、この作用力を含む圧力値F
2と第2のz軸信号収集器42の識別子−1を含む圧力信号を生成し、この圧力信号をz軸信号処理部43に送信するものである。
【0017】
第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42は、いずれも筐体8の任意の位置に取り付けられることができ、測ったユーザーからの作用力によって制御対象のインターフェース空間中のz軸方向における変位変化を反映する役割を果たす。
【0018】
本実施例において、第1のz軸信号収集器41が測った圧力値を用いて端末装置のインターフェース空間にある制御対象のz軸正方向における変位変化を制御し、第2のz軸信号収集器42が測った圧力値を用いて端末装置のインターフェース空間にある制御対象のz軸負方向における変位変化を制御する。識別子は、圧力値がどの信号収集器からのものかを区別するためのものである。本実施例において、制御対象の空間での垂直方向をz軸の方向とし、制御対象の上方を向くz軸方向をz軸正方向とし、z軸正方向と反対するもう一つの方向をz軸負方向とする。
【0019】
z軸信号処理部43は、算出モジュールを含む。この算出モジュールは、受信した圧力信号から圧力値F
1及び識別子+1、圧力値F
2及び識別子−1を抽出し、圧力値F
1とF
2、及び公式(1)に基づいて、z軸の変位変化値を算出する。
【数1】
【0020】
ここで、Δzはz軸の変位変化値であり、端末装置のインターフェース空間にある制御対象のz軸における変位変化を制御するためのものである。Δzがプラスであれば、制御対象はインターフェース空間でz軸正方向へ移動し、Δzがマイナスであれば、制御対象はインターフェース空間でz軸負方向へ移動する。
【0021】
F
1は第1のz軸信号収集器41が測った圧力値であり、制御対象のz軸正方向における変位変化に対応する。F
2は第2のz軸信号収集器42が測った圧力値であり、制御対象のz軸負方向における変位変化に対応する。
【0022】
l
1はz軸正方向の公式係数であり、l
2はz軸負方向の公式係数であり、l
1とl
2はいずれもz軸信号処理部43により設定される。
【0023】
V
1は制御対象のインターフェース空間中のz軸正方向における移動速度であり、V
2は制御対象のインターフェース空間中のz軸負方向における移動速度である。本実施例において、F
1とF
2をそれぞれz軸正方向とz軸負方向における移動加速度に対応させて移動速度を算出する。V
1とV
1のデフォルトの初期速度は0であり、V
1とV
1の速度値はz軸信号処理部43の記憶モジュールに記憶される。圧力値F
1とF
2を収集する都度に、V
1=V
1´+F
1*l
1*T
1とV
2=V
2´+F
2*l
2*T
2に基づいて、今回の移動速度を算出し、記憶された速度値を更新する。V
1´は前回算出された制御対象のz軸正方向における移動速度であり、V
2´は前回算出された制御対象のz軸負方向における移動速度である。
【0024】
T
1はz軸正方向の圧力信号のサンプリング周期であり、T
2はz軸負方向の圧力信号のサンプリング周期である。T
1とT
2はともにz軸信号処理部43によって設定され、T
1とT
2は同じであってもよい。
【0025】
z軸信号処理部43は算出したΔzをインターフェースチップ1に送信し、インターフェースチップ1は受信したΔzを端末装置に送信し、端末装置はこのΔzに基づいて、制御対象のインターフェース空間中のz軸方向における変位変化を制御する。
【0026】
例えば、第1のz軸信号収集器41が測った圧力値が5Nで、第2のz軸信号収集器42が測った圧力値が1Nで、加速度値に等価変換される。単位はm/s2である。l
1とl
2の値をともに1とし、T
1とT
2の値をともに0.1sとすれば、公式(1)によって、
【数2】
になり、z軸の変位変化値を1.02mと算出する。したがって、端末装置は、そのインターフェース空間にある制御対象をz軸正方向に沿って1.02mの距離を移動するよう制御する。
【0027】
第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42として、ピエゾ抵抗式圧力センサー、インダクタンス式圧力センサー、容量式圧力センサーなどを用いてよい。本実施例では、ピエゾ抵抗式圧力センサーが好ましい。
【0028】
もう一つの実施例において、算出モジュールは、測った圧力値F
1とF
2をそれぞれ速度に直接に対応する変数とし、公式(2)によってΔzを算出する。
【数3】
【0029】
ここで、l
1とl
2は実際の状況に応じて設定される。
【0030】
公式(1)によって算出されるΔzと比べて、公式(1)は、第1のz軸信号収集器41と第2のz軸信号収集器42が測った圧力値を加速度に対応させて移動速度を算出するので、公式(1)によって算出されるΔzは作用力による変位変化への影響をより高い感度で反映することができ、つまり、作用力F
1とF
2の変化によるz軸変位変化値Δzへの影響がさらに顕著になる。
【0031】
好ましくは、z軸信号処理部43の記憶モジュールはさらに圧力閾値F
Ψを記憶し、z軸信号処理部43は、圧力値F
1と圧力値F
2がそれぞれ圧力閾値F
Ψより小さくないかを判断するための判断モジュールをさらに含む。そして、圧力値F
1と圧力値F
2が圧力閾値F
Ψより小さくないと判断した場合に、z軸信号処理部43の算出モジュールはz軸の変位変化値を算出する。判断モジュールにより圧力値F
1と圧力値F
2が圧力閾値F
Ψより小さいと判断した場合には、この作用力が誤操作によるものとみなされるので、算出モジュールはz軸の変位変化値を算出しない。これにより、誤操作による制御対象への不必要な制御を避ける。
【0032】
本実施例が提供するハンドコントロール装置のハンドコントロール方法は以下のステップを含む。
【0033】
ステップS11において、第1のz軸圧力センサー41は、測った作用力に基づいて、この作用力の圧力値と第1のz軸圧力センサー41の識別子を含む圧力信号を生成し、この圧力信号をz軸信号処理部43に送信する。
【0034】
第2のz軸圧力センサー42は、測った作用力に基づいて、この作用力の圧力値と第2のz軸圧力センサー42の識別子を含む圧力信号を生成し、この圧力信号をz軸信号処理部43に送信する。
【0035】
ステップS12において、z軸信号処理部43は、受信した圧力信号から各圧力値と識別子を抽出し、各圧力値とサンプリング周期に基づいてz軸の変位変化値を算出してインターフェースチップ1に送信する。
【0036】
ステップS13において、インターフェースチップ1は受信したz軸の変位変化値を端末装置に送信し、端末装置は、z軸の変位変化値に基づいて、端末装置のインターフェースにある制御対象のz軸方向における移動を制御する。
【実施例2】
【0037】
図2に示すように、本実施例のハンドコントロール装置は、上述した実施例1に回転信号処理部32及び幾つかの回転信号収集器31を追加したものである。本実施例において、回転信号収集器31は8個を用いるのが好ましく、当然のことながら、8個より多くても少なくてもよい。
【0038】
ここで、8個の回転信号収集器31は、筐体8内の、底面に平行するある平面に配置される。これら8個の回転信号収集器31は、この平面で等角度間隔で配置されるのが好ましい。各回転信号収集器31はいずれも回転信号処理部32に電気的に接続され、回転信号処理部32はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。
【0039】
各回転信号収集器31はいずれも筐体8内での位置が固定されているので、各回転信号収集器31はいずれも方位値を有し、その方位値を圧力信号のうちの角度値としている。例えば、ある回転信号収集器31の角度値を0度と定義すれば、時計回り方向に順次に隣接する各回転信号収集器31の角度値はそれぞれ45度、90度、135度…270度、315度となる。
【0040】
回転信号収集器31は、ハンドコントロール装置に対する操作の圧力を測るものであり、筐体8に作用する機械的エレルギーを圧力値に変換して、圧力情報と各回転信号収集器31それぞれの角度値を含む圧力信号を生成し、この圧力信号を回転信号処理部32に送信する。回転信号処理部32は、受信した幾つかの圧力信号から最大圧力値及びそれに対応する角度値を抽出し、抽出した圧力値と角度値をインターフェースチップ1に送信する。インターフェースチップ1は、受信した圧力値と角度値を端末装置に送信する。例えば、角度値が0度である回転信号収集器31からフィードバックした圧力値が最大の5Nであれば、回転信号処理部32が抽出した情報は、圧力が5N、角度値が0度となる。
【0041】
本実施例の回転信号収集器31は圧力センサーであるのが好ましい。
【0042】
例えば、制御対象が3D制御対象である場合に、端末装置は、角度値に基づいて制御対象の回転方位を特定し、圧力値に基づいて制御対象の回転速度を特定し、さらに圧力の持続時間=ω×T(ωは角速度値であり、Tは回転信号収集器31のサンプリング周期であり、固定なパラメーターである)に基づいて回転角速度の大きさを特定することができる。例を挙げて説明すると、圧力値が最大である回転信号収集器31の角度値が45度であれば、端末装置のインターフェース空間にある制御対象は45度の方向に向かって回転する。圧力値が5Nである場合、制御対象が45度方位で下に向かって回転する角速度を毎秒5度(°/s)と設定し、ユーザーが押す時間が長ければ長いほど、制御対象の回転幅が大きくなる。この実施例のハンドコントロール装置は、3D制御対象に対する制御が極めて便利であり、人の感覚器官習慣に合うものである。当然のことながら、この実施例のハンドコントロール装置は、平面の制御対象に対する制御にも適用することができ、この場合、受けた圧力が最も大きい圧力センサーによって制御対象の水平移動方向が決められ、圧力の大きさによって制御対象の水平移動速度が決められ、圧力の持続時間によって水平移動の距離が決められる。
【0043】
本実施例のハンドコントロール装置のハンドコントロール方法は以下のステップを含む。
【0044】
ステップS21において、各回転信号収集器31は、測った作用力に基づいて圧力信号を生成し、この作用力の圧力値および対応する角度値を含む圧力信号を回転信号処理部32に送信する。
【0045】
ステップS22において、回転信号処理部32は、受信した幾つかの圧力信号から最大の圧力値に対応する圧力信号を選択し、この圧力信号の圧力値と角度値を抽出してインターフェースチップ1に送信する。
【0046】
ステップS23において、インターフェースチップ1は、受信した圧力値と角度値を端末装置に送信し、圧力値は端末装置のインターフェース空間にある制御対象の回転速度の制御に用いられ、角度値は制御対象の回転方位の制御に用いられる。
【実施例3】
【0047】
図3に示すように、本実施例のハンドコントロール装置は、上述した実施例2に主軌跡装置21、補助軌跡装置22、軌跡信号処理部23を追加したものである。主軌跡装置21と補助軌跡装置22はそれぞれ軌跡信号処理部23に電気的に接続され、軌跡信号処理部23はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。主軌跡装置21と補助軌跡装置22はいずれも筐体8内に固定的に取り付けられている。好ましくは、主軌跡装置21と補助軌跡装置22は、ハンドコントロール装置の底面に平行する同一の水平面或いはハンドコントロール装置に垂直する同一の鉛直面に位置する。
【0048】
本実施例において上述した部品を追加した目的は、ハンドコントロール装置の平面的な操作および制御性能を向上させることにある。
【0049】
主軌跡装置21と補助軌跡装置22はいずれも自身の変位情報を収集することができる。この変位情報は主軌跡装置21の移動平面のX方向の変位値Δxaとこの移動平面のY方向の変位値Δyaを含み、主軌跡装置21の変位値(Δxa,Δya)はハンドコントロール装置の変位信号として軌跡信号処理部23に送信される。ハンドコントロール装置の回転操作を体現するためには、さらに補助軌跡装置22がその自身の変位情報を収集する必要がある。その変位情報と主軌跡装置21の変位情報とを比べることで、ハンドコントロール装置の回転角度情報(この回転角度は主軌跡装置21の所在する点を回転中心としたものである)が得られる。主軌跡装置21は、筐体8のある水平面或いは鉛直面の中心に位置するのが好ましい。補助軌跡装置22の変位情報を(Δxb,Δyb)とすると、回転角度は
【数4】
である。ここで、Rは主軌跡装置21と補助軌跡装置22との間の距離である。算出原理について
図4を参照すると、A点は主軌跡装置21の移動後の位置であり(説明しやすくするために、ここでは主軌跡装置21が平面の移動を行わず、移動前後にA点にあると仮定する)、B点は補助軌跡装置22の移動前の位置であり、C点は補助軌跡装置22の移動後の位置である。二等辺三角形ABCの頂角は求める角度変化値である。CD=Δy
b−Δy
a、BD=Δx
b−Δx
aに基づいて、BC=√((Δx
b−Δx
a)
2+(Δy
b−Δy
a)
2)を算出することができる。三角関数の公式に基づいて二等辺三角形の三つの辺の長さが得られ、以下の式が得られる。
【数5】
【0050】
以上のように、主軌跡装置21と補助軌跡装置22の変位情報を収集することで、ハンドコントロール装置の変位信号と回転角度信号が得られ、この二つの信号値は軌跡信号処理部23を介してインターフェースチップ1に転送され、これにより平面の操作及び制御対象に対する回転と変位の操作を実現し、すなわち平面的な操作及び制御の機能を実現する。
【0051】
上述した主軌跡装置21と補助軌跡装置22は、赤外線送信機、レーザー送信機、およびボールラスターポジショナーなどでよい。
【0052】
本実施例のハンドコントロール装置のハンドコントロール方法は、上述した実施例1の方法と比べて、さらに以下のステップを含む。
【0053】
ステップS31において、主軌跡装置21は、自身の1サンプリング周期内の座標の変化量を検出し、主軌跡装置21の変位信号を生成する。変位信号は、主軌跡装置21の変位値(△xa,△ya)と識別子を含む。そして、主軌跡装置21は、主軌跡装置21の変位信号を軌跡信号処理部23に送信する。
【0054】
補助軌跡装置22は、自身の1サンプリング周期内の座標の変化量を検出し、補助軌跡装置22の変位信号を生成する。補助軌跡装置22の変位信号は、補助軌跡装置22の変位値(△xb,△yb)と識別子を含む。そして、補助軌跡装置22は、補助軌跡装置22の軌跡信号を軌跡信号処理部23に送信する。
【0055】
ステップS32において、軌跡信号処理部23は、受信した軌跡信号及び公式
【数6】
に基づいて、ハンドコントロール装置の回転角度値を算出し、主軌跡装置21の変位値をハンドコントロール装置の変位値とし、そしてこの変位変化値に対応する識別子を記憶する。
【0056】
ステップS33において、軌跡信号処理部23は、算出した回転角度値と変位値をインターフェースチップ1を介して端末装置に送信する。変位値は、制御対象のインターフェース空間中のX軸とY軸における移動値の制御に用いられ、回転角度は、インターフェース空間にある制御対象の回転角度の制御に用いられる。
【実施例4】
【0057】
本実施例は、実施例3と比べ、補助軌跡装置22の代わりに角度検出器を用いて、ハンドコントロール装置の回転角度値を収集するという相違点がある。
【0058】
この角度検出器は、筐体8内に固定された回転軸と、回転軸に嵌め込まれた発条式ポインタを含む。筐体8が回転しないと、回転軸も回転せず、発条式ポインタが初期位置に存在し、角度はゼロで、弾力値もゼロである。筐体8が回転すると、回転軸は筐体8と共に回転するが、発条式ポインタは動かないままであるので、発条式ポインタと回転軸とは一定の角度をなし、弾力値を発生することになる。弾力の方向を規定することができる。例えば、回転軸が時計回りに回転する場合に発条式ポインタが発生する弾力の方向がプラスであり、回転軸が反時計回りに回転する場合に発条式ポインタが発生する弾力の方向がマイナスであると規定することができる。軌跡信号処理部23は、ある時間帯の時間の長さ及びその時間帯内の発条式ポインタの弾力値を計測し、その弾力値を角速度ω(単位:ラジアン/秒)に換算し、そして、角度変化率と時間値を積分演算して、この時間帯内の回転角度値Δ∠βが得られる。公式は以下の通りである。
【数7】
【0059】
そして、軌跡信号処理部23はこの回転角度値をインターフェースチップ1に送信し、インターフェースチップ1は、受信した回転角度信号と主軌跡装置21が送信した変位信号を併せて端末装置に送信する。
【0060】
実際に、角度検出装置は、ハンドコントロール装置の移動中の回転角度値を検出できれば良く、多様なバリエーションを有することができる。
【0061】
本実施例のハンドコントロール装置は、実施例2と同様に、平面コントロールに対する方向の制御や平行移動の操作などの操作及び制御に適用することができる。
【実施例5】
【0062】
図5に示すように、本実施例のハンドコントロール装置は、上述した実施例3に左接触圧信号収集器51、右接触圧信号収集器52、接触圧信号処理部53を追加したものである。左接触圧信号収集器51及び右接触圧信号収集器52はそれぞれ接触圧信号処理部53に電気的に接続され、接触圧信号処理部53はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。
【0063】
実際に、接触圧信号収集器は一つまたは複数設置してもよい。
【0064】
左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52は、作用力をセンシングすると、それぞれ接触圧情報を含む接触圧信号を生成し、この接触圧信号は圧力値及びこの接触圧信号収集器の識別子を含む。そして、左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52は、生成した接触圧信号をそれぞれ接触圧信号処理部53に送信する。接触圧信号処理部53は、受信した接触圧信号から接触圧情報を抽出し、それを2組の接触圧情報を含む情報組に合併し、情報組をインターフェースチップ1に送信する。インターフェースチップ1は、受信した情報組を端末装置に送信する。接触圧信号収集器を一つしか設けていない場合は、接触圧信号処理部53は受信した接触圧信号をインターフェースチップ1に転送することしかしない。
【0065】
本実施例において、接触圧情報は、端末装置のプログラムへ対応する動作を実行するよう指示するものである。例えば、左接触圧信号収集器51によって端末装置のインターフェース空間にあるプレイヤーのプレイボタンを制御するとき、圧力値の大きさはプレイの速さに対応し、連続するN個のサンプリング周期の圧力は下位のメニューをポップアップ表示するか否かに対応するなどである。識別子は、この情報がどの接触圧信号収集器からのものかを表し、他の圧力センサーが送信した信号と混乱しないようにするためのものである。
【0066】
接触圧信号収集器は、ピエゾ抵抗式圧力センサー、インダクタンス式圧力センサー、容量式圧力センサー、共振式圧力センサー、電気抵抗歪みゲージ式圧力センサー、半導体歪みゲージ式圧力センサー、容量式加速度センサー及びマイクロスイッチなどでよい。ピエゾ抵抗式圧力センサーは、価格が極めて低く、高精度及び優れた線形特性を有するので、本実施例ではピエゾ抵抗式圧力センサーを接触圧信号収集器として採用するのが好ましい。
【0067】
筐体8における各圧力センサーに対応する位置は活動可能に設置され、これにより、押したとき接触圧信号収集器に接触して接触圧信号を発生することができるようになる。
【0068】
本実施例のハンドコントロール装置のハンドコントロール方法は、上述した実施例2の方法と比べて、さらに以下のステップを含む。
【0069】
ステップS41において、各接触圧信号収集器は、作用力をセンシングし、この作用力の圧力値及びこの左接触圧信号収集器の識別子が含まれる接触圧情報を含む接触圧信号を生成し、接触圧信号を接触圧信号処理部53に送信する。
【0070】
ステップS42において、接触圧信号処理部53は、接触圧信号をインターフェースチップ1を介して端末装置に送信する。
【実施例6】
【0071】
本実施例は、上述した実施例1と比べ、左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52と接触圧信号処理部53を追加したという相違点がある。左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52はそれぞれ接触圧信号処理部53に電気的に接続され、接触圧信号処理部53はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。
【0072】
追加した部分の機能および原理は実施例5と同じであるので、ここでは再び述べない。
【実施例7】
【0073】
本実施例は、実施例2と比べ、左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52と接触圧信号処理部53を追加したという相違点がある。左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52はそれぞれ接触圧信号処理部53に電気的に接続され、接触圧信号処理部53はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。
【0074】
追加した部分の機能および原理は実施例5と同じであるので、ここでは再び述べない。
【実施例8】
【0075】
本実施例は、実施例3と比べ、左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52と接触圧信号処理部53を追加したという相違点がある。左接触圧信号収集器51と右接触圧信号収集器52はそれぞれ接触圧信号処理部53に電気的に接続され、接触圧信号処理部53はインターフェースチップ1に電気的に接続されている。
【0076】
追加した部分の機能と原理は実施例5と同じであるので、ここでは再び述べない。
【0077】
本実施例が提供するハンドコントロール装置は、マウスの代わりに、例えばコンピューターの端末装置に適用することができる。ユーザーは、ハンドコントロール装置に圧力操作を行うことで、コンピューターのインターフェース空間にある制御対象に対する制御を実現することができる。本発明のハンドコントロール装置は、従来のような平面的な操作および制御機能だけではなく、制御対象に対する立体的な操作および制御も実現することができる。特に3D制御対象に対して、3D制御対象のインターフェース空間のz軸方向における制御を実現することで、制御対象に対して平面・立体的に全方位的な制御を行うことができる。
【0078】
当業者であれば、上述した実施例の一部或いは全てのプロセスは、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアを指示することにより実現でき、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶でき、このプログラムの実行に、上述した各実施例のプロセスが含まれることができる。ここで、上述した記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read−Only Memory、ROM)或いはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)などでよい。
【0079】
以上に述べたのは、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は、これに限定されず、この技術分野に熟知する任意の業者が本発明に開示された技術的範囲内で容易に想到できる変更や置き換えにまで及ぶ。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲を基準とすべきである。